キャンバ角調整機構
【課題】 簡単な構造で、アクチュエータへの負荷を軽減し、且つ、強度を確保したキャンバ角調整機構を提供する。
【解決手段】 回動部材3、アクチュエータアーム4b及び伝達部材5は、リンク機構を形成し、キャンバ軸Cから第1伝達軸U1までの距離は、アクチュエータ4の回動軸Aから第2伝達軸U2までの距離より長いことを特徴とする。
【解決手段】 回動部材3、アクチュエータアーム4b及び伝達部材5は、リンク機構を形成し、キャンバ軸Cから第1伝達軸U1までの距離は、アクチュエータ4の回動軸Aから第2伝達軸U2までの距離より長いことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪のキャンバ角を簡単な構造で変更できるようにしたキャンバ角調整機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図17に示すように、アクチュエータで各輪個別にキャンバ及びトウを制御することができるようにするために、車輪を支持するアクスル532を車体に対し1点で支持するボールジョイント533と、アクスル532におけるボールジョイント533による支持点の上側又は下側であり且つ車両前後方向の2点を支持し、この2点の支持点を、車幅方向に個別に変位させる第1及び第2のアクチュエータ534,535と、前記2点の支持点を車幅方向において相対的に変位させることで車輪のトウを変化させ、及び/又は前記2点の支持点を車幅方向において同一方向に変位させることで車輪のキャンバを変化させるように、第1及び第2のアクチュエータ534,535を制御する制御手段と、を備えたものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−122932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明では、車両前後方向に負荷が生じた場合、キングピン軸の車両前後左右全方向に対する負荷が、第1及び第2のアクチュエータ534,535に多くかかり、また、第1及び第2のアクチュエータ534,535の支点をボールジョイント等で連結し前後左右方向に自由度を持たせる必要があるため、第1及び第2のアクチュエータ534,535がその負荷の多くを受けることになり、強度を確保することが困難であった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するものであって、簡単な構造で、アクチュエータへの負荷を軽減し、且つ、強度を確保したキャンバ角調整機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために本発明は、車体に対する車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構において、前記車体又は車体側支持部材に連結されるベース部材と、前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、前記ベース部材に対して前記回動部材を回動させる駆動力を発生するアクチュエータと、前記アクチュエータの回動軸を中心に回動されるアクチュエータアームと、前記回動部材と前記アクチュエータアームとを連結し、前記アクチュエータの駆動力を前記回動部材に伝達する伝達部材と、を備え、前記回動部材と前記伝達部材とを連結する第1連結点と、前記アクチュエータアームと前記伝達部材とを連結する第2連結点と、前記第1連結点を通り、前記回動部材と前記伝達部材との回動中心軸である第1伝達軸と、前記第2連結点を通り、前記アクチュエータと前記伝達部材との回動中心軸である第2伝達軸と、を有し、前記回動部材、前記アクチュエータアーム及び前記伝達部材は、リンク機構を形成し、前記キャンバ軸から前記第1伝達軸までの距離は、前記アクチュエータの回動軸から前記第2伝達軸までの距離より長いことを特徴とする。
【0006】
また、前記アクチュエータの回動軸と前記第2伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする。
【0007】
また、前記キャンバ軸と前記第1伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする。
【0008】
また、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、異なる方向を向くように配設されることを特徴とする。
【0009】
また、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、平行に配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、車体に対する車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構において、前記車体又は車体側支持部材に連結されるベース部材と、前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、前記ベース部材に対して前記回動部材を回動させる駆動力を発生するアクチュエータと、前記アクチュエータの回動軸を中心に回動されるアクチュエータアームと、前記回動部材と前記アクチュエータアームとを連結し、前記アクチュエータの駆動力を前記回動部材に伝達する伝達部材と、を備え、前記回動部材と前記伝達部材とを連結する第1連結点と、前記アクチュエータアームと前記伝達部材とを連結する第2連結点と、前記第1連結点を通り、前記回動部材と前記伝達部材との回動中心軸である第1伝達軸と、前記第2連結点を通り、前記アクチュエータと前記伝達部材との回動中心軸である第2伝達軸と、を有し、前記回動部材、前記アクチュエータアーム及び前記伝達部材は、リンク機構を形成し、前記キャンバ軸から前記第1伝達軸までの距離は、前記アクチュエータの回動軸から前記第2伝達軸までの距離より長いので、小さい力でキャンバ軸を変化させることができ、アクチュエータを小型化することができる。また、ギヤ等の部材を用いることなく、シンプルな構成で軽量化することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、前記アクチュエータの回動軸と前記第2伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されると、アクチュエータの回動軸を中心とした円の接線方向にアクチュエータの推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0012】
また、請求項3記載の発明によれば、前記キャンバ軸と前記第1伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されると、キャンバ軸を中心とした円の接線方向からアクチュエータの推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0013】
また、請求項4記載の発明によれば、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、異なる方向を向くように配設されると、アクチュエータの推力を効率よく伝達できると共に、アクチュエータの配設の自由度が向上する。
【0014】
また、請求項5記載の発明によれば、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、平行に配設されると、アクチュエータの推力を効率よく伝達できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は第1実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図2は第1実施形態のキャンバ角調整機構1の前下方から見た斜視図を示す。
【0017】
なお、前後とは、車両の前後方向に対応しており、図中の矢印を前方とする。また、車幅方向とは、車両の前後方向に直交する方向とする(以下同じ。)。
【0018】
図1において、1はキャンバ角調整機構、2はベース部材としての第1ナックル部材、3は回動部材としての第2ナックル部材、4はアクチュエータ、5は伝達部材としてのアッパーアームである。
【0019】
第1実施形態のキャンバ角調整機構1は、図示しない車体と車輪30とを連結する部分に設けられ、車輪30のキャンバ角を変更するための装置であり、特に、車両の操舵輪、例えば、フロント車輪に配置すると好ましいものである。
【0020】
キャンバ角調整機構1は、車体に連結される車体側支持部材としてのストラットサスペンション21やロアアーム22等により、車体又は車体側支持部材に連結される第1ナックル部材2と、第1ナックル部材2とピン等の回動部2aにより連結され、第1ナックル部材2に対して回動部2aをキャンバ軸Cとして回動可能な第2ナックル部材3と、第2ナックル部材3を回動させる駆動力を発生するアクチュエータ4と、アクチュエータ4と第2ナックル部材3とを連結し、アクチュエータ4の駆動力を第2ナックル部材3に伝達するアッパーアーム5とを有する。
【0021】
第1ナックル部材2は、ストラットサスペンション21やロアアーム22等を介して車体に連結されると共に、タイロッド23と連結され、図示しないステアリングの操作により回動可能なものである。また、第1ナックル部材2は、第1ドライブシャフト挿通孔2bを有し、車両のエンジン等から駆動力を伝達するドライブシャフト24が第1ドライブシャフト挿通孔2bを挿通し、車輪30を駆動するようになっている。さらに、第1ナックル部材2は、アッパーアーム5が挿通するアッパーアーム挿通孔2cを有する。
【0022】
第2ナックル部材3は、ハブ31等を介して車輪30を回転可能に支持し、キャンバ軸Cを中心として第1ナックル部材2に対して回動可能なものである。また、第2ナックル部材3は、第2ドライブシャフト挿通孔3aを有し、車両のエンジン等から駆動力を伝達するドライブシャフト24が第2ドライブシャフト挿通孔3aを挿通し、車輪30を駆動できるようになっている。さらに、第2ナックル部材3は、車輪30を回転可能に支持する車輪支持部材としてのハブ31及び車輪30を制動する制動手段としてのブレーキ32を支持している。
【0023】
アクチュエータ4は、本体4aを第1ナックル部材2のアクチュエータ支持部2dに支持され、キャンバ軸Cと略垂直なアクチュエータ軸Aを中心にアクチュエータアーム4bを回動させるものである。
【0024】
アッパーアーム5は、第1ナックル部材2のアッパーアーム挿通孔2cに挿通され、一方の第1連結点5aで第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で第2ナックル部材3と連結され、他方の第2連結点5bで第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を第2ナックル部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0025】
図2に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略直交する関係にあると好ましい。
【0026】
図3は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図、図4は、ストッパ部を拡大した図を示す。図3(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図3(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図3(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0027】
図3(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0028】
また、図3(b)に示すように、アッパーアーム5を、図3(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を回動させると、アッパーアーム5に引かれて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0029】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図4(a)に示すように、第2ナックル部材3に設けたネガティブストッパ部6が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0030】
また、図3(c)に示すように、アッパーアーム5を、図3(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を回動させると、アッパーアーム5に押されて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0031】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図4(b)に示すように、アッパーアーム5に設けたポジティブストッパ部7が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0032】
次に、第2実施形態のキャンバ角調整機構1について説明する。図5は第2実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図6は第2実施形態のキャンバ角調整機構1の前上方から見た斜視図を示す。
【0033】
第2実施形態のキャンバ角調整機構1は、第1実施形態のアクチュエータ4のアクチュエータ軸Aをキャンバ軸Cと平行に配置したものである。
【0034】
第1ナックル部材2及び第2ナックル部材3については、第1実施形態と同様の構成を有している。
【0035】
アクチュエータ4は、本体4aを第1ナックル部材2のアクチュエータ支持部2cに支持され、キャンバ軸Cと平行なアクチュエータ軸Aを中心にアクチュエータアーム4bを回動させるものである。
【0036】
アッパーアーム5は、第1ナックル部材2のアッパーアーム挿通孔2cに挿通され、一方の第1連結点5aで第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で第2ナックル部材3と連結され、他方の第2連結点5bで第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を第2ナックル部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0037】
図6に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略平行の関係にあると好ましい。
【0038】
図7は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図を示す。図7(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図7(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図7(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0039】
図7(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0040】
また、図7(b)に示すように、アッパーアーム5を、図7(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を反時計方向に回動させると、アッパーアーム5に引かれて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0041】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、第1実施形態と同様に、図4(a)に示すように、第2ナックル部材3に設けたネガティブストッパ部6が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0042】
また、図7(c)に示すように、アッパーアーム5を、図7(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を時計方向に回動させると、アッパーアーム5に押されて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0043】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、第1実施形態と同様に、図4(b)に示すように、アッパーアーム5に設けたポジティブストッパ部7が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0044】
次に、第3実施形態について説明する。
【0045】
図8は第3実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図9は第3実施形態のキャンバ角調整機構1の前上方から見た斜視図を示す。
【0046】
図8及び図9において、1はキャンバ角調整機構、2はベース部材、3は回動部材、4はアクチュエータ、5はアッパーアームである。
【0047】
第3実施形態のキャンバ角調整機構1は、図示しない車体と車輪30とを連結する部分に設けられ、車輪30のキャンバ角を変更するための装置であり、例えば、車両のリア車輪に配置すると好ましいものである。
【0048】
キャンバ角調整機構1は、車体に連結される車体側支持部材としてのストラットサスペンション25やトーションビーム26等により、車体側に連結されるベース部材2と、ベース部材2とピン等の回動部2aにより連結され、ベース部材2に対して回動部2aをキャンバ軸Cとして回動可能な回動部材3と回動部材3を回動させる駆動力を発生するアクチュエータ4と、アクチュエータ4と回動部材3とを連結し、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達するアッパーアーム5とを有する。
【0049】
ベース部材2は、ストラットサスペンション25やトーションビーム26等を介して車体に連結される。
【0050】
回動部材3は、ハブ等を介して車輪30を回転可能に支持し、キャンバ軸Cを中心としてベース部材2に対して回動可能なものである。なお、回動部材3は、第1実施形態と同様に、車輪30を回転可能に支持する車輪支持部材としてのハブ31及び車輪30を制動する制動部材としてのブレーキ32を支持すると好ましい。
【0051】
アクチュエータ4は、本体4aをベース部材2のアクチュエータ支持部2cに支持され、キャンバ軸Cと略平行なアクチュエータ軸Aを中心にアクチュエータアーム4bを回動させるものである。
【0052】
アッパーアーム5は、一方の第1連結点5aで第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で回動部材3と連結され、他方の第2連結点5bで第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0053】
図9に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略平行の関係にあると好ましい。
【0054】
図10は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図、図11は、ストッパ部を拡大した図を示す。図10(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図10(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図10(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0055】
図10(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0056】
また、図10(b)に示すように、アッパーアーム5を、図10(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を反時計方向に回動させると、アッパーアーム5に引かれて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0057】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図11(a)に示すように、ベース部材2に設けたネガティブストッパ部6が回動部材3に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。なお、ネガティブストッパ部6'は、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bに当接するように配置してもよい。
【0058】
また、図10(c)に示すように、アッパーアーム5を、図10(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を時計方向に回動させると、アッパーアーム5に押されて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0059】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図11(b)に示すように、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bがベース部材2に設けたポジティブストッパ部7に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0060】
次に、第4実施形態について説明する。
【0061】
図12は第4実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図13は第4実施形態のキャンバ角調整機構1の前上方から見た斜視図を示す。
【0062】
第4実施形態のキャンバ角調整機構1は、第3実施形態の回動部材3に新たに連結部3bを設け、アッパーアーム5と連結したものである。ベース部材2及びアクチュエータ4は、第3実施形態と同様のものである。
【0063】
回動部材3は、ハブ等を介して車輪30を回転可能に支持し、キャンバ軸Cを中心としてベース部材2に対して回動可能なものであり、アッパーアーム5側に突出する連結部3bが設けられている。なお、回動部材3は、第1実施形態と同様に、車輪30を回転可能に支持する車輪支持部材としてのハブ31及び車輪30を制動する制動部材としてのブレーキ32を支持すると好ましい。
【0064】
アッパーアーム5は、一方で第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で回動部材3と連結され、他方で第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0065】
図13に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略平行の関係にあると好ましい。
【0066】
さらに、図14に示すように、車幅方向の断面上で、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とを結んだ線及びアクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とを結んだ線とは、第1アッパーアーム軸U1と第2アッパーアーム軸U2とを結んだ線とそれぞれ直交する関係にあるとより好ましい。
【0067】
図15は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図を示す。図15(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図15(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図15(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0068】
図15(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0069】
また、図15(b)に示すように、アッパーアーム5を、図15(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を反時計方向に回動させると、アッパーアーム5に引かれて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0070】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図16(a)に示すように、ベース部材2に設けたネガティブストッパ部6が回動部材3に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。なお、ネガティブストッパ部6'は、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bに当接するように配置してもよい。
【0071】
また、図15(c)に示すように、アッパーアーム5を、図15(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を時計方向に回動させると、アッパーアーム5に押されて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0072】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図16(b)に示すように、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bがベース部材2に設けたポジティブストッパ部7に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0073】
このように、車体に対する車輪30のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構1において、車体又は車体側支持部材21,22,25,26に連結されるベース部材2と、ベース部材2に対してキャンバ軸Cを中心に回動可能に支持される回動部材3と、ベース部材2に対して回動部材3を回動させる駆動力を発生するアクチュエータ4と、アクチュエータ4の回動軸Aを中心に回動されるアクチュエータアーム4bと、回動部材3とアクチュエータアーム4bとを連結し、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達する伝達部材5と、を備え、回動部材3と伝達部材5とを連結する第1連結点5aと、アクチュエータアーム4bと伝達部材5とを連結する第2連結点5bと、第1連結点5aを通り、回動部材3と伝達部材5との回動中心軸である第1アッパーアーム軸U1と、第2連結点5bを通り、アクチュエータ4と伝達部材5との回動中心軸である第2アッパーアーム軸U2と、を有し、回動部材3、アクチュエータアーム4b及び伝達部材5は、リンク機構を形成し、キャンバ軸Cから第1アッパーアーム軸U1までの距離は、アクチュエータ4の回動軸Aから第2アッパーアーム軸U2までの距離より長いので、小さい力でキャンバ軸Cを変化させることができ、アクチュエータ4を小型化することができる。また、ギヤ等の部材を用いることなく、シンプルな構成で軽量化することができる。
【0074】
また、アクチュエータ4の回動軸Aと第2伝達軸U2を結ぶ直線と、第1アッパーアーム軸U1と第2アッパーアーム軸U2とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設すると、アクチュエータ4の回動軸Aを中心とした円の接線方向にアクチュエータ4の推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0075】
また、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1を結ぶ直線と、第1アッパーアーム軸U1と第2アッパーアーム軸U2とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設すると、キャンバ軸Cを中心とした円の接線方向からアクチュエータ4の推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0076】
また、キャンバ軸Cとアクチュエータ4の回動軸Aとは、異なる方向を向くように配設されると、アクチュエータ4の推力を効率よく伝達できると共に、アクチュエータ4の配設の自由度が向上する。
【0077】
また、キャンバ軸Cとアクチュエータ4の回動軸Aとは、平行に配設されると、アクチュエータ4の推力を効率よく伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図4】第1実施形態のストッパ部を示す図である。
【図5】第2実施形態を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図8】第3実施形態を示す斜視図である。
【図9】第3実施形態を示す斜視図である。
【図10】第3実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図11】第3実施形態のストッパ部を示す図である。
【図12】第4実施形態を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態を示す斜視図である。
【図14】第4実施形態の各軸の関係を示す断面図である。
【図15】第4実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図16】第4実施形態のストッパ部を示す図である。
【図17】従来技術を示す概略図である。
【符号の説明】
【0079】
1…キャンバ角調整機構、2…第1ナックル部材(ベース部材)、2a…回動部、2b…第1ドライブシャフト挿通孔、2c…アッパーアーム挿通孔、3…第2ナックル部材(回動部材)、3a…第2ドライブシャフト挿通孔、3b…連結部、4…アクチュエータ、4a…本体、4b…アーム、5…アッパーアーム、5a…第1連結点、5b…第2連結点、6…ネガティブストッパ部、7…ポジティブストッパ部、21…ストラットサスペンション、22…ロアアーム、23…タイロッド、24…ドライブシャフト、25…ストラットサスペンション、26…トーションビーム、30…車輪、31…ハブ(車輪支持部材)32…ブレーキ(制動手段)C…キャンバ軸、A…アクチュエータ軸、U1…第1アッパーアーム軸(第1伝達軸)、U2…第2アッパーアーム軸(第2伝達軸)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪のキャンバ角を簡単な構造で変更できるようにしたキャンバ角調整機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図17に示すように、アクチュエータで各輪個別にキャンバ及びトウを制御することができるようにするために、車輪を支持するアクスル532を車体に対し1点で支持するボールジョイント533と、アクスル532におけるボールジョイント533による支持点の上側又は下側であり且つ車両前後方向の2点を支持し、この2点の支持点を、車幅方向に個別に変位させる第1及び第2のアクチュエータ534,535と、前記2点の支持点を車幅方向において相対的に変位させることで車輪のトウを変化させ、及び/又は前記2点の支持点を車幅方向において同一方向に変位させることで車輪のキャンバを変化させるように、第1及び第2のアクチュエータ534,535を制御する制御手段と、を備えたものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−122932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明では、車両前後方向に負荷が生じた場合、キングピン軸の車両前後左右全方向に対する負荷が、第1及び第2のアクチュエータ534,535に多くかかり、また、第1及び第2のアクチュエータ534,535の支点をボールジョイント等で連結し前後左右方向に自由度を持たせる必要があるため、第1及び第2のアクチュエータ534,535がその負荷の多くを受けることになり、強度を確保することが困難であった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するものであって、簡単な構造で、アクチュエータへの負荷を軽減し、且つ、強度を確保したキャンバ角調整機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために本発明は、車体に対する車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構において、前記車体又は車体側支持部材に連結されるベース部材と、前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、前記ベース部材に対して前記回動部材を回動させる駆動力を発生するアクチュエータと、前記アクチュエータの回動軸を中心に回動されるアクチュエータアームと、前記回動部材と前記アクチュエータアームとを連結し、前記アクチュエータの駆動力を前記回動部材に伝達する伝達部材と、を備え、前記回動部材と前記伝達部材とを連結する第1連結点と、前記アクチュエータアームと前記伝達部材とを連結する第2連結点と、前記第1連結点を通り、前記回動部材と前記伝達部材との回動中心軸である第1伝達軸と、前記第2連結点を通り、前記アクチュエータと前記伝達部材との回動中心軸である第2伝達軸と、を有し、前記回動部材、前記アクチュエータアーム及び前記伝達部材は、リンク機構を形成し、前記キャンバ軸から前記第1伝達軸までの距離は、前記アクチュエータの回動軸から前記第2伝達軸までの距離より長いことを特徴とする。
【0006】
また、前記アクチュエータの回動軸と前記第2伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする。
【0007】
また、前記キャンバ軸と前記第1伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする。
【0008】
また、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、異なる方向を向くように配設されることを特徴とする。
【0009】
また、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、平行に配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、車体に対する車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構において、前記車体又は車体側支持部材に連結されるベース部材と、前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、前記ベース部材に対して前記回動部材を回動させる駆動力を発生するアクチュエータと、前記アクチュエータの回動軸を中心に回動されるアクチュエータアームと、前記回動部材と前記アクチュエータアームとを連結し、前記アクチュエータの駆動力を前記回動部材に伝達する伝達部材と、を備え、前記回動部材と前記伝達部材とを連結する第1連結点と、前記アクチュエータアームと前記伝達部材とを連結する第2連結点と、前記第1連結点を通り、前記回動部材と前記伝達部材との回動中心軸である第1伝達軸と、前記第2連結点を通り、前記アクチュエータと前記伝達部材との回動中心軸である第2伝達軸と、を有し、前記回動部材、前記アクチュエータアーム及び前記伝達部材は、リンク機構を形成し、前記キャンバ軸から前記第1伝達軸までの距離は、前記アクチュエータの回動軸から前記第2伝達軸までの距離より長いので、小さい力でキャンバ軸を変化させることができ、アクチュエータを小型化することができる。また、ギヤ等の部材を用いることなく、シンプルな構成で軽量化することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、前記アクチュエータの回動軸と前記第2伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されると、アクチュエータの回動軸を中心とした円の接線方向にアクチュエータの推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0012】
また、請求項3記載の発明によれば、前記キャンバ軸と前記第1伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されると、キャンバ軸を中心とした円の接線方向からアクチュエータの推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0013】
また、請求項4記載の発明によれば、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、異なる方向を向くように配設されると、アクチュエータの推力を効率よく伝達できると共に、アクチュエータの配設の自由度が向上する。
【0014】
また、請求項5記載の発明によれば、前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、平行に配設されると、アクチュエータの推力を効率よく伝達できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は第1実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図2は第1実施形態のキャンバ角調整機構1の前下方から見た斜視図を示す。
【0017】
なお、前後とは、車両の前後方向に対応しており、図中の矢印を前方とする。また、車幅方向とは、車両の前後方向に直交する方向とする(以下同じ。)。
【0018】
図1において、1はキャンバ角調整機構、2はベース部材としての第1ナックル部材、3は回動部材としての第2ナックル部材、4はアクチュエータ、5は伝達部材としてのアッパーアームである。
【0019】
第1実施形態のキャンバ角調整機構1は、図示しない車体と車輪30とを連結する部分に設けられ、車輪30のキャンバ角を変更するための装置であり、特に、車両の操舵輪、例えば、フロント車輪に配置すると好ましいものである。
【0020】
キャンバ角調整機構1は、車体に連結される車体側支持部材としてのストラットサスペンション21やロアアーム22等により、車体又は車体側支持部材に連結される第1ナックル部材2と、第1ナックル部材2とピン等の回動部2aにより連結され、第1ナックル部材2に対して回動部2aをキャンバ軸Cとして回動可能な第2ナックル部材3と、第2ナックル部材3を回動させる駆動力を発生するアクチュエータ4と、アクチュエータ4と第2ナックル部材3とを連結し、アクチュエータ4の駆動力を第2ナックル部材3に伝達するアッパーアーム5とを有する。
【0021】
第1ナックル部材2は、ストラットサスペンション21やロアアーム22等を介して車体に連結されると共に、タイロッド23と連結され、図示しないステアリングの操作により回動可能なものである。また、第1ナックル部材2は、第1ドライブシャフト挿通孔2bを有し、車両のエンジン等から駆動力を伝達するドライブシャフト24が第1ドライブシャフト挿通孔2bを挿通し、車輪30を駆動するようになっている。さらに、第1ナックル部材2は、アッパーアーム5が挿通するアッパーアーム挿通孔2cを有する。
【0022】
第2ナックル部材3は、ハブ31等を介して車輪30を回転可能に支持し、キャンバ軸Cを中心として第1ナックル部材2に対して回動可能なものである。また、第2ナックル部材3は、第2ドライブシャフト挿通孔3aを有し、車両のエンジン等から駆動力を伝達するドライブシャフト24が第2ドライブシャフト挿通孔3aを挿通し、車輪30を駆動できるようになっている。さらに、第2ナックル部材3は、車輪30を回転可能に支持する車輪支持部材としてのハブ31及び車輪30を制動する制動手段としてのブレーキ32を支持している。
【0023】
アクチュエータ4は、本体4aを第1ナックル部材2のアクチュエータ支持部2dに支持され、キャンバ軸Cと略垂直なアクチュエータ軸Aを中心にアクチュエータアーム4bを回動させるものである。
【0024】
アッパーアーム5は、第1ナックル部材2のアッパーアーム挿通孔2cに挿通され、一方の第1連結点5aで第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で第2ナックル部材3と連結され、他方の第2連結点5bで第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を第2ナックル部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0025】
図2に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略直交する関係にあると好ましい。
【0026】
図3は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図、図4は、ストッパ部を拡大した図を示す。図3(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図3(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図3(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0027】
図3(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0028】
また、図3(b)に示すように、アッパーアーム5を、図3(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を回動させると、アッパーアーム5に引かれて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0029】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図4(a)に示すように、第2ナックル部材3に設けたネガティブストッパ部6が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0030】
また、図3(c)に示すように、アッパーアーム5を、図3(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を回動させると、アッパーアーム5に押されて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0031】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図4(b)に示すように、アッパーアーム5に設けたポジティブストッパ部7が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0032】
次に、第2実施形態のキャンバ角調整機構1について説明する。図5は第2実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図6は第2実施形態のキャンバ角調整機構1の前上方から見た斜視図を示す。
【0033】
第2実施形態のキャンバ角調整機構1は、第1実施形態のアクチュエータ4のアクチュエータ軸Aをキャンバ軸Cと平行に配置したものである。
【0034】
第1ナックル部材2及び第2ナックル部材3については、第1実施形態と同様の構成を有している。
【0035】
アクチュエータ4は、本体4aを第1ナックル部材2のアクチュエータ支持部2cに支持され、キャンバ軸Cと平行なアクチュエータ軸Aを中心にアクチュエータアーム4bを回動させるものである。
【0036】
アッパーアーム5は、第1ナックル部材2のアッパーアーム挿通孔2cに挿通され、一方の第1連結点5aで第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で第2ナックル部材3と連結され、他方の第2連結点5bで第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を第2ナックル部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0037】
図6に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略平行の関係にあると好ましい。
【0038】
図7は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図を示す。図7(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図7(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図7(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0039】
図7(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0040】
また、図7(b)に示すように、アッパーアーム5を、図7(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を反時計方向に回動させると、アッパーアーム5に引かれて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0041】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、第1実施形態と同様に、図4(a)に示すように、第2ナックル部材3に設けたネガティブストッパ部6が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0042】
また、図7(c)に示すように、アッパーアーム5を、図7(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を時計方向に回動させると、アッパーアーム5に押されて第2ナックル部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0043】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、第1実施形態と同様に、図4(b)に示すように、アッパーアーム5に設けたポジティブストッパ部7が第1ナックル部材2に当接し、第2ナックル部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0044】
次に、第3実施形態について説明する。
【0045】
図8は第3実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図9は第3実施形態のキャンバ角調整機構1の前上方から見た斜視図を示す。
【0046】
図8及び図9において、1はキャンバ角調整機構、2はベース部材、3は回動部材、4はアクチュエータ、5はアッパーアームである。
【0047】
第3実施形態のキャンバ角調整機構1は、図示しない車体と車輪30とを連結する部分に設けられ、車輪30のキャンバ角を変更するための装置であり、例えば、車両のリア車輪に配置すると好ましいものである。
【0048】
キャンバ角調整機構1は、車体に連結される車体側支持部材としてのストラットサスペンション25やトーションビーム26等により、車体側に連結されるベース部材2と、ベース部材2とピン等の回動部2aにより連結され、ベース部材2に対して回動部2aをキャンバ軸Cとして回動可能な回動部材3と回動部材3を回動させる駆動力を発生するアクチュエータ4と、アクチュエータ4と回動部材3とを連結し、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達するアッパーアーム5とを有する。
【0049】
ベース部材2は、ストラットサスペンション25やトーションビーム26等を介して車体に連結される。
【0050】
回動部材3は、ハブ等を介して車輪30を回転可能に支持し、キャンバ軸Cを中心としてベース部材2に対して回動可能なものである。なお、回動部材3は、第1実施形態と同様に、車輪30を回転可能に支持する車輪支持部材としてのハブ31及び車輪30を制動する制動部材としてのブレーキ32を支持すると好ましい。
【0051】
アクチュエータ4は、本体4aをベース部材2のアクチュエータ支持部2cに支持され、キャンバ軸Cと略平行なアクチュエータ軸Aを中心にアクチュエータアーム4bを回動させるものである。
【0052】
アッパーアーム5は、一方の第1連結点5aで第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で回動部材3と連結され、他方の第2連結点5bで第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0053】
図9に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略平行の関係にあると好ましい。
【0054】
図10は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図、図11は、ストッパ部を拡大した図を示す。図10(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図10(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図10(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0055】
図10(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0056】
また、図10(b)に示すように、アッパーアーム5を、図10(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を反時計方向に回動させると、アッパーアーム5に引かれて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0057】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図11(a)に示すように、ベース部材2に設けたネガティブストッパ部6が回動部材3に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。なお、ネガティブストッパ部6'は、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bに当接するように配置してもよい。
【0058】
また、図10(c)に示すように、アッパーアーム5を、図10(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を時計方向に回動させると、アッパーアーム5に押されて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0059】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図11(b)に示すように、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bがベース部材2に設けたポジティブストッパ部7に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0060】
次に、第4実施形態について説明する。
【0061】
図12は第4実施形態のキャンバ角調整機構1の後上方から見た斜視図、図13は第4実施形態のキャンバ角調整機構1の前上方から見た斜視図を示す。
【0062】
第4実施形態のキャンバ角調整機構1は、第3実施形態の回動部材3に新たに連結部3bを設け、アッパーアーム5と連結したものである。ベース部材2及びアクチュエータ4は、第3実施形態と同様のものである。
【0063】
回動部材3は、ハブ等を介して車輪30を回転可能に支持し、キャンバ軸Cを中心としてベース部材2に対して回動可能なものであり、アッパーアーム5側に突出する連結部3bが設けられている。なお、回動部材3は、第1実施形態と同様に、車輪30を回転可能に支持する車輪支持部材としてのハブ31及び車輪30を制動する制動部材としてのブレーキ32を支持すると好ましい。
【0064】
アッパーアーム5は、一方で第1アッパーアーム軸U1を中心に回動可能に球面軸受等で回動部材3と連結され、他方で第2アッパーアーム軸U2を中心に球面軸受等で回動可能にアクチュエータ4のアクチュエータアーム4bと連結され、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達し、第2ナックル部材3及び車輪30を、キャンバ軸Cを中心に回動させるものである。
【0065】
図13に示すように、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とは平行であり、アクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とは平行である。また、キャンバ軸C及び第1アッパーアーム軸U1とアクチュエータ軸A及び第2アッパーアーム軸U2とは、それぞれ略平行の関係にあると好ましい。
【0066】
さらに、図14に示すように、車幅方向の断面上で、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1とを結んだ線及びアクチュエータ軸Aと第2アッパーアーム軸U2とを結んだ線とは、第1アッパーアーム軸U1と第2アッパーアーム軸U2とを結んだ線とそれぞれ直交する関係にあるとより好ましい。
【0067】
図15は、キャンバ角を変更した場合の作動概略図を示す。図15(a)は、アクチュエータ4を作動させない状態を示し、図15(b)は、アクチュエータ4を作動させ、ネガティブキャンバとした状態を示し、図15(c)は、アクチュエータ4を作動させ、ポジティブキャンバとした状態を示している。
【0068】
図15(a)に示すように、アクチュエータ4を作動させない状態では、アライメント初期設定状態、本実施形態では、例えば、キャンバ角0°に設定した状態とする。
【0069】
また、図15(b)に示すように、アッパーアーム5を、図15(b)における左方向に移動するように、アクチュエータ4を反時計方向に回動させると、アッパーアーム5に引かれて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してネガティブキャンバとなる。
【0070】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図16(a)に示すように、ベース部材2に設けたネガティブストッパ部6が回動部材3に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。なお、ネガティブストッパ部6'は、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bに当接するように配置してもよい。
【0071】
また、図15(c)に示すように、アッパーアーム5を、図15(c)における右方向に移動するように、アクチュエータ4を時計方向に回動させると、アッパーアーム5に押されて回動部材3がキャンバ軸Cを中心に車体と反対側に回動する。これに伴い、車輪30のキャンバ角が変更してポジティブキャンバとなる。
【0072】
この状態からアクチュエータ4の回動が続くと、図16(b)に示すように、アクチュエータ4のアクチュエータアーム4bがベース部材2に設けたポジティブストッパ部7に当接し、回動部材3の移動、すなわちキャンバ角が規制される。
【0073】
このように、車体に対する車輪30のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構1において、車体又は車体側支持部材21,22,25,26に連結されるベース部材2と、ベース部材2に対してキャンバ軸Cを中心に回動可能に支持される回動部材3と、ベース部材2に対して回動部材3を回動させる駆動力を発生するアクチュエータ4と、アクチュエータ4の回動軸Aを中心に回動されるアクチュエータアーム4bと、回動部材3とアクチュエータアーム4bとを連結し、アクチュエータ4の駆動力を回動部材3に伝達する伝達部材5と、を備え、回動部材3と伝達部材5とを連結する第1連結点5aと、アクチュエータアーム4bと伝達部材5とを連結する第2連結点5bと、第1連結点5aを通り、回動部材3と伝達部材5との回動中心軸である第1アッパーアーム軸U1と、第2連結点5bを通り、アクチュエータ4と伝達部材5との回動中心軸である第2アッパーアーム軸U2と、を有し、回動部材3、アクチュエータアーム4b及び伝達部材5は、リンク機構を形成し、キャンバ軸Cから第1アッパーアーム軸U1までの距離は、アクチュエータ4の回動軸Aから第2アッパーアーム軸U2までの距離より長いので、小さい力でキャンバ軸Cを変化させることができ、アクチュエータ4を小型化することができる。また、ギヤ等の部材を用いることなく、シンプルな構成で軽量化することができる。
【0074】
また、アクチュエータ4の回動軸Aと第2伝達軸U2を結ぶ直線と、第1アッパーアーム軸U1と第2アッパーアーム軸U2とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設すると、アクチュエータ4の回動軸Aを中心とした円の接線方向にアクチュエータ4の推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0075】
また、キャンバ軸Cと第1アッパーアーム軸U1を結ぶ直線と、第1アッパーアーム軸U1と第2アッパーアーム軸U2とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設すると、キャンバ軸Cを中心とした円の接線方向からアクチュエータ4の推力が伝達され、力の伝達効率が良い。
【0076】
また、キャンバ軸Cとアクチュエータ4の回動軸Aとは、異なる方向を向くように配設されると、アクチュエータ4の推力を効率よく伝達できると共に、アクチュエータ4の配設の自由度が向上する。
【0077】
また、キャンバ軸Cとアクチュエータ4の回動軸Aとは、平行に配設されると、アクチュエータ4の推力を効率よく伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図4】第1実施形態のストッパ部を示す図である。
【図5】第2実施形態を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図8】第3実施形態を示す斜視図である。
【図9】第3実施形態を示す斜視図である。
【図10】第3実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図11】第3実施形態のストッパ部を示す図である。
【図12】第4実施形態を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態を示す斜視図である。
【図14】第4実施形態の各軸の関係を示す断面図である。
【図15】第4実施形態のキャンバ変更時の作動概略図である。
【図16】第4実施形態のストッパ部を示す図である。
【図17】従来技術を示す概略図である。
【符号の説明】
【0079】
1…キャンバ角調整機構、2…第1ナックル部材(ベース部材)、2a…回動部、2b…第1ドライブシャフト挿通孔、2c…アッパーアーム挿通孔、3…第2ナックル部材(回動部材)、3a…第2ドライブシャフト挿通孔、3b…連結部、4…アクチュエータ、4a…本体、4b…アーム、5…アッパーアーム、5a…第1連結点、5b…第2連結点、6…ネガティブストッパ部、7…ポジティブストッパ部、21…ストラットサスペンション、22…ロアアーム、23…タイロッド、24…ドライブシャフト、25…ストラットサスペンション、26…トーションビーム、30…車輪、31…ハブ(車輪支持部材)32…ブレーキ(制動手段)C…キャンバ軸、A…アクチュエータ軸、U1…第1アッパーアーム軸(第1伝達軸)、U2…第2アッパーアーム軸(第2伝達軸)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対する車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構において、
前記車体又は車体側支持部材に連結されるベース部材と、
前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、
前記ベース部材に対して前記回動部材を回動させる駆動力を発生するアクチュエータと、
前記アクチュエータの回動軸を中心に回動されるアクチュエータアームと、
前記回動部材と前記アクチュエータアームとを連結し、前記アクチュエータの駆動力を前記回動部材に伝達する伝達部材と、
を備え、
前記回動部材と前記伝達部材とを連結する第1連結点と、
前記アクチュエータアームと前記伝達部材とを連結する第2連結点と、
前記第1連結点を通り、前記回動部材と前記伝達部材との回動中心軸である第1伝達軸と、
前記第2連結点を通り、前記アクチュエータと前記伝達部材との回動中心軸である第2伝達軸と、を有し、
前記回動部材、前記アクチュエータアーム及び前記伝達部材は、リンク機構を形成し、
前記キャンバ軸から前記第1伝達軸までの距離は、前記アクチュエータの回動軸から前記第2伝達軸までの距離より長い
ことを特徴とするキャンバ角調整機構。
【請求項2】
前記アクチュエータの回動軸と前記第2伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする請求項1に記載のキャンバ角調整機構。
【請求項3】
前記キャンバ軸と前記第1伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャンバ角調整機構。
【請求項4】
前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、異なる方向を向くように配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のキャンバ角調整機構。
【請求項5】
前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、平行に配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のキャンバ角調整機構。
【請求項1】
車体に対する車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整機構において、
前記車体又は車体側支持部材に連結されるベース部材と、
前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、
前記ベース部材に対して前記回動部材を回動させる駆動力を発生するアクチュエータと、
前記アクチュエータの回動軸を中心に回動されるアクチュエータアームと、
前記回動部材と前記アクチュエータアームとを連結し、前記アクチュエータの駆動力を前記回動部材に伝達する伝達部材と、
を備え、
前記回動部材と前記伝達部材とを連結する第1連結点と、
前記アクチュエータアームと前記伝達部材とを連結する第2連結点と、
前記第1連結点を通り、前記回動部材と前記伝達部材との回動中心軸である第1伝達軸と、
前記第2連結点を通り、前記アクチュエータと前記伝達部材との回動中心軸である第2伝達軸と、を有し、
前記回動部材、前記アクチュエータアーム及び前記伝達部材は、リンク機構を形成し、
前記キャンバ軸から前記第1伝達軸までの距離は、前記アクチュエータの回動軸から前記第2伝達軸までの距離より長い
ことを特徴とするキャンバ角調整機構。
【請求項2】
前記アクチュエータの回動軸と前記第2伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする請求項1に記載のキャンバ角調整機構。
【請求項3】
前記キャンバ軸と前記第1伝達軸を結ぶ直線と、前記第1伝達軸と前記第2伝達軸とを結ぶ直線とは、キャンバ角を変更しない状態では直交するように配設されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャンバ角調整機構。
【請求項4】
前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、異なる方向を向くように配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のキャンバ角調整機構。
【請求項5】
前記キャンバ軸と前記アクチュエータの回動軸とは、平行に配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のキャンバ角調整機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−107535(P2009−107535A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283578(P2007−283578)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
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