説明

ギア機構及び該ギア機構を備える画像形成装置

【課題】ギアの噛み合いから生ずる振動成分を低減することが可能なギア機構及びこのギア機構を備える画像形成装置を提供することが課題である。
【解決手段】駆動源と接続される入力ギアと、入力ギアと噛み合う第1の中間ギアと、第1の中間ギアと噛み合う第1の出力ギアを備え、入力ギアは、入力ギアの回転中心軸と第1の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、第1の中間ギアの回転中心軸と第1の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第1の挟角が最小となる第1位置から、第1の挟角が最大となる第2位置に無段階に移動可能であり、第1の中間ギアは、入力ギア及び第1の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、第1の挟角の最大値と第1の挟角の最小値との差が、全円中心角を第1の中間ギアの歯数で除した値以上であることを特徴とするギア機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギアの噛み合いから生ずる振動成分を低減することが可能なギア機構及びこのギア機構を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機やプリンタなどの画像形成装置は、モータなどの駆動源から駆動力を多連ギア列(複数のギアを連続的に噛み合わせてなるギア列)を用いて、被駆動体に駆動伝達する駆動系を備える。駆動系に用いられるギア間の噛み合いに起因する振動成分は、人間の官能領域の周波数範囲に入るため、この振動成分を低減させる必要がある。
【0003】
特許文献1及び特許文献2は、ギア間の噛み合いに起因する振動成分を低減させる技術を開示する。図8は、特許文献1及び特許文献2の開示技術の技術的思想を概略的に示す図である。図8には、一線上に整列した歯車A、歯車B及び歯車Cが示される。特許文献1及び特許文献2の開示技術では、歯車Aと歯車Bの間の噛み合いに起因して生ずる振動波形V1に対して、逆位相の振動波形V2を歯車Bと歯車Cとの間に生ずるように、歯車Cと歯車B間の噛み合い位相を定めている。これにより、振動波形V1と振動波形V2が互いに打ち消しあい、振動成分の低減が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−318024号公報
【特許文献2】特許第4081662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複写機やプリンタには、上記した振動成分の低減に加えて、高速性能が求められている。したがって、被駆動体に駆動力を伝達する駆動系を構成するギアとしては、平歯車よりもはすば歯車のほうが好ましい。
【0006】
特許文献1や特許文献2の開示技術に示唆される正弦波状の振動成分V1、V2は、必ずしも得られるものではない。正弦波状の振動成分V1,V2の波の重畳による振動成分の打ち消し効果は、例えば、平歯車間の噛み合い位相を逆位相或いは同位相にすることで得られるが、はすば歯車を用いた場合、ギア間に生ずる振動成分の波形は、正面噛み合い率と重なりかみあい率の影響により正弦波状になるとは限らず、噛み合い位相を逆位相或いは同位相にするだけでは、波の重畳による打ち消し効果を期待することはできない。
【0007】
本発明は、上述した問題を鑑みてなされたものであり、ギアの噛み合いから生ずる振動成分を低減することが可能なギア機構及びこのギア機構を備える画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成する本発明の一局面に係るギア機構は、 駆動源と接続される入力ギアと、該入力ギアと噛み合う第1の中間ギアと、該第1の中間ギアと噛み合う第1の出力ギアを備え、前記入力ギアは、前記駆動源とともに、前記入力ギアの回転中心軸と直交する一の平面上において、前記入力ギアの回転中心軸と前記第1の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第1の中間ギアの回転中心軸と前記第1の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第1の挟角が最小となる第1位置から、該第1の挟角が最大となる第2位置に無段階に(連続的に)移動可能であり、前記第1の中間ギアは、前記入力ギアの前記一の平面に沿った移動に伴い、該入力ギア及び前記第1の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、前記第1の挟角の最大値と前記第1の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第1の中間ギアの歯数で除した値以上であることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
上記構成によれば、第1の中間ギアの隣接する一対の歯間で入力ギア及び出力ギアの噛み合い位相を連続的に調整することが可能となる。したがって、入力ギアと中間ギアの間で生ずる振動成分波と中間ギアと出力ギアの間で生ずる振動成分波が最も打ち消し効果を発揮する入力ギア並びに中間ギアの位置を求めることが可能となる。
【0010】
上記構成において、前記入力ギアと噛み合う第2の中間ギアと、該第2の中間ギアと噛み合う第2の出力ギアを更に備え、前記入力ギアが前記第1位置にあるとき、前記入力ギアの回転中心軸と前記第2の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第2の中間ギアの回転中心軸と前記第2の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第2の挟角が最小となる第3位置から、該第2の挟角が最大となる第4位置に無段階に移動可能であり、前記第2の中間ギアは、前記入力ギアの前記一の平面に沿った移動に伴い、該入力ギア及び前記第2の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、前記第2の挟角の最大値と前記第2の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第2の中間ギアの歯数で除した値以上である構成とすることができる(請求項2)。この構成によれば、一の入力ギアから2系統の駆動系を構築するとともに両駆動系の振動成分の低減を図ることが可能となる。
【0011】
上記構成において、前記第1の出力ギアの回転シャフトの一端部を回転可能に支持する支持板と、該支持板に固定されるとともに、前記第1の出力ギアの回転シャフトの他端部を回転可能に支持するフレームと、前記第1の中間ギアの回転中心軸に取り付けられたスリーブ内に回転可能に挿入されるピンと、該ピンの一端部に取り付けられるとともに、前記入力ギアの回転シャフトが通過する開口部を有する支持プレートを含む第1のスライドプレートを更に備え、前記フレームは、前記入力ギアの回転シャフトが通過する開口部と、前記ピンが通過するとともに、該ピンの軸に対して前記ピンの直角方向の移動を案内するスリットを備える(請求項3)。前記第1の中間ギアが前記第1の出力ギアのピッチ円上を転動するときの前記第1の中間ギアの回転中心軸の移動軌跡に沿って、前記スリットが形成される(請求項4)。
【0012】
一の入力ギアから2系統の駆動系が派生する場合において、前記第1の出力ギアと前記第2の出力ギアの回転シャフトの一端部を回転可能に支持する支持板と、該支持板に固定されるとともに、前記第1の出力ギアと前記第2の出力ギアの回転シャフトの他端部を回転可能に支持するフレームと、第1のスライドプレートと第2のスライドプレートを更に備え、前記フレームは、前記入力ギアの回転シャフトが通過する開口部を備え、前記第1のスライドプレートは、前記第1の中間ギアの回転中心軸に取り付けられたスリーブ内に回転可能に挿入されるピンと、該第1のスライドプレートのピンの一端部に取り付けられる支持プレートを備え、前記第2のスライドプレートは、前記第2の中間ギアの回転中心軸に取り付けられたスリーブ内に回転可能に挿入されるピンと、該第2のスライドプレートのピンの一端部に取り付けられる支持プレートを備え、前記フレームは、前記第1のスライドプレートのピンと前記第2のスライドプレートのピンがそれぞれ通過するとともに、各ピンの軸に対して直角方向の移動を案内する一対のスリットを備え、前記第1のスライドプレートの支持プレートと前記第2のスライドプレートの支持プレートはそれぞれ、開口部を備え、前記入力ギアの回転シャフトが、前記第1のスライドプレートの支持プレートと前記第2のスライドプレートの支持プレートの開口部を通過する(請求項5)。この構成において、前記第1の中間ギアが前記第1の出力ギアのピッチ円上を転動するときの前記第1の中間ギアの回転中心軸の移動軌跡に沿って、前記一対のスリットのうち一方が形成され、前記第2の中間ギアが前記第2の出力ギアのピッチ円上を転動するときの前記第2の中間ギアの回転中心軸の移動軌跡に沿って、前記一対のスリットのうち他方が形成される(請求項6)。
【0013】
上記構成において、前記入力ギアのシャフトの通過を可能にする開口部と、固定具を挿通させるための長穴を有する第1のマウント部材を更に備え、該第1のマウント部材は、前記フレームに前記長穴を介して固定され、該長穴に案内されながら、該フレームに対して一の方向に移動可能である(請求項7)。上記構成において、前記駆動源を支持するとともに、前記入力ギアのシャフトの通過を可能にする開口部と、固定具を挿通させるための長穴を有する第2のマウント部材を更に備え、該第2のマウント部材は、前記第1のマウント部材に、前記第2のマウント部材に形成された前記長穴を介して固定され、前記第2のマウント部材に形成された前記長穴に案内されながら、前記第2のマウント部材は、該第1のマウント部材が移動可能な方向とは異なる方向に移動可能である(請求項8)。上記構成において、前記駆動源を支持するとともに、前記フレームに着脱自在に取り付けられるマウント部材を更に備え、前記フレームは、前記マウント部材の移動範囲を規制する規制部材を備える(請求項9)。
【0014】
この目的を達成する本発明の他の局面に係る画像形成装置は、周面に静電潜像が形成される第1の像担持体を備える。また、この画像形成装置は、前記第1の像担持体に接続される第1の出力ギアと、該出力ギアと噛み合う第1の中間ギアと、該第1の中間ギアと噛み合うとともに駆動源に接続される入力ギアを備え、前記入力ギアは、前記駆動源とともに、前記入力ギアの回転中心軸と直交する一の平面上において、前記入力ギアの回転中心軸と前記第1の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第1の中間ギアの回転中心軸と前記第1の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第1の挟角が最小となる第1位置から、該第1の挟角が最大となる第2位置に無段階に移動可能であり、前記第1の中間ギアは、前記入力ギアの移動に伴い、該入力ギア及び前記第1の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、前記第1の挟角の最大値と前記第1の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第1の中間ギアの歯数で除した値以上であることを特徴とする(請求項10)。
【0015】
上記構成によれば、第1の中間ギアの隣接する一対の歯間で入力ギア及び出力ギアの噛み合い位相を連続的に調整することが可能となる。したがって、入力ギアと中間ギアの間で生ずる振動成分波と中間ギアと出力ギアの間で生ずる振動成分波が最も打ち消し効果を発揮する入力ギア並びに中間ギアの位置を求めることが可能となる。
【0016】
上記構成において、周面に静電潜像が形成される第2の像担持体と、該第2の像担持体に接続される第2の出力ギアと、該第2の出力ギア及び前記入力ギアと噛み合う第2の中間ギアを更に備え、前記入力ギアの回転中心軸と前記第2の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第2の中間ギアの回転中心軸と前記第2の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第2の挟角が最小となる第3位置から、前記第2の挟角が最大となる第4位置に無段階に移動可能であり、前記第2の中間ギアは、前記入力ギアの前記一の平面に沿った移動に伴い、該入力ギア及び前記第2の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、前記第2の挟角の最大値と前記第2の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第2の中間ギアの歯数で除した値以上である構成とすることができる(請求項11)。この構成によれば、一の入力ギアから2系統の駆動系を構築するとともに両駆動系の振動成分の低減を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
上述の如く、本発明に係るギア構造並びに画像形成装置は、好適に、振動成分を低減するギアの噛み合い位相を求めることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例に係る駆動機構を適用したタンデム型のカラープリンタの概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係る駆動機構の展開斜視図である。
【図3】図2に示す駆動機構の組立図である。
【図4】図2に示す駆動機構に用いられるモータの概略側面図である。
【図5】ギアの噛み合いを説明する図である。
【図6】入力ギアを変位させたときのギアの噛み合い状態を示す図である。
【図7】他の実施例に係る駆動機構の斜視図である。
【図8】従来の振動成分の低減手法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、一実施例に係る画像形成装置1の構成を示した概略図である。画像形成装置1は、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機或いは外部から入力された画像情報に基づいて印刷用紙等の印刷媒体の表面にトナー画像を転写して印刷を行う他の装置とすることができる。
【0020】
なお、図1に例示される画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置1は、四角箱状の装置本体2を備え、装置本体2内部で、カラー画像が用紙上に形成(プリント)される。装置本体2の上面部には、用紙排出部(排出トレイ)3が設けられ、用紙排出部3は、カラー画像が印刷された用紙を排出する。
【0021】
装置本体2は、用紙を供給する給紙カセット5、給紙カセット5の上方に位置するとともに手差しの用紙を供給するスタックトレイ6及びスタックトレイ6の上方に位置する画像形成部7を備える。画像形成部7は、画像形成装置1の外部から送信されてくる文字や絵柄などの画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
【0022】
図1に示す装置本体2の左部には、第1の搬送路9が配設され、第1の搬送路9を通じて、給紙カセット5から繰り出された用紙が画像形成部7に搬送される。第2の搬送路10が、給紙カセット5上方に配される。第2の搬送路10を通じて、スタックトレイ6から繰り出された用紙が、装置本体2の右方から左方に向けて移動し、画像形成部7に到達する。装置本体2内の左上部には、画像形成部7で画像が形成された用紙に対して定着処理を行う定着ユニット14と、定着処理の行われた用紙を用紙排出部3に搬送する第3の搬送路11が設けられている。
【0023】
用紙を補充するために、給紙カセット5は、装置本体2の外部(例えば、図1の右側)に引き出し可能に形成される。給紙カセット5は、収納部16を備える。なお収納部16に収納されている用紙は、給紙ローラ17及び捌きローラ18により1枚ずつ第1の搬送路9に向けて繰り出される。
【0024】
スタックトレイ6は、装置本体2の外面に沿う閉位置と装置本体2の外面から突出する開位置(図1に示される)の間を上下に回動可能に形成される。スタックトレイ6の手差し部19には手差し用の用紙が1枚ずつ載置されるか、又は、複数枚の手差し用の用紙が積載される。手差し部19に載置された用紙はピックアップローラ20及び捌きローラ21により1枚ずつ第2の搬送路10に向けて繰り出される。
【0025】
第1の搬送路9と第2の搬送路10は、レジストローラ22の手前で合流する。レジストローラ22に到達した用紙はここで一旦停止し、スキュー調整とタイミング調整の後、二次転写部23に向けて送出される。二次転写部23に送出された用紙には、中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー画像が二次転写される。二次転写の後、用紙は、定着ユニット14に送られ、トナー画像が用紙上に定着される。必要に応じて、トナー画像を用紙に定着させた後に、他の面に、二次転写部23を用いて、フルカラーのトナー画像を二次転写するために、用紙が第4の搬送路12に送り出され、反転されることができる。新たなトナー画像が、定着ユニット14を用いて定着された後、第3の搬送路11を通って排出ローラ24により用紙排出部3に排出される。
【0026】
画像形成部7は、ブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各トナー画像を形成する4つの画像形成ユニット26〜29を備える。更に、画像形成部7は、中間転写部30を備え、中間転写部30は、これら画像形成ユニット26〜29で形成した各色別のトナー画像を合成して担持する。
【0027】
各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム32と、感光体ドラム32の周面に対向して配設された帯電部33と、帯電部33の下流側であって感光体ドラム32の周面上の特定位置にレーザビームを照射するレーザ走査ユニット34と、レーザ走査ユニット34からのレーザビームの照射位置の下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設された現像部35と、現像部35の下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設されたクリーニング部36とを備える。
【0028】
図1に示す各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32は、駆動モータ(以下に詳述される)(駆動源)により反時計回り方向に回転する。各画像形成ユニット26〜29の現像部35の各トナーボックス51内には、ブラックトナー、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーがそれぞれ収納される。
【0029】
中間転写部30は、画像形成ユニット26の近傍位置に配設された後ローラ(駆動ローラ)38と、画像形成ユニット29の近傍位置に配設された前ローラ(従動ローラ)39と、後ローラ38と前ローラ39の間で延びる中間転写ベルト40と、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32の回転方向において、現像部35の下流側に位置するとともに、中間転写ベルト40を介して圧接可能に配設された4つの転写ローラ41とを備える。
【0030】
各画像形成ユニット26〜29の転写ローラ41の位置で、中間転写ベルト40上に各色別のトナー画像がそれぞれ重ね合わせて転写され、最後にはフルカラーのトナー画像が形成される。
【0031】
第1の搬送路9は、中間転写部30に向けて延び、給紙カセット5から繰り出されてきた用紙が、第1の搬送路9を通じて、中間転写部30に到達する。第1の搬送路9は、装置本体2内の所定の位置に配設された複数の搬送ローラ43と、中間転写部30の手前に配設されるとともに、画像形成部7の画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取るためのレジストローラ22を備える。
【0032】
画像形成部7にて用紙上に転写されたトナー画像は、用紙上に定着されていない。定着ユニット14は、未定着の画像を有するトナー画像を加熱及び加圧し、用紙に定着させる。定着ユニット14は、例えば、加熱式の加圧ローラ44と定着ローラ45からなるローラ対を備える。加圧ローラ44は、例えば、金属製の芯材と弾性体の表層(例えばシリコンゴム)を備え、定着ローラ45は、金属製の芯材と弾性体の表層(例えば、シリコンスポンジ)及び離型層(例えば、PFA)を備えることができる。また、定着ローラ45に隣接してヒートローラ46が設けられ、このヒートローラ46と定着ローラ45には加熱ベルト48が巻回される。
【0033】
用紙の搬送方向において、定着ユニット14の上流側及び下流側には、それぞれ搬送路47が設けられる。中間転写部30を通って搬送されてきた用紙は、上流側の搬送路47を通じて加圧ローラ44と定着ローラ45との間のニップに導入される。そして、加圧ローラ44及び定着ローラ45間を通過した用紙は下流側の搬送路47を通じて第3の搬送路11に案内される。
【0034】
第3の搬送路11は、定着ユニット14で定着処理の行われた用紙を用紙排出部3に搬送する。このため、第3の搬送路11には、適宜位置に搬送ローラ49が配設される。また、第3の搬送路11の出口には、排出ローラ24が配設される。
【0035】
図2は、図1に示す画像形成装置1の画像形成ユニット28,29の感光体ドラム32の駆動に用いられる駆動機構を示す展開斜視図である。図3は、図2に示す駆動機構の組立図である。図4は、図2に示す駆動機構に用いられるモータ(駆動源)の概略側面図である。図5は、図2に示す駆動機構が組み立てられたときのギアの噛み合いの一例を示す。尚、図2乃至図5に示す駆動機構は、画像形成ユニット28,29に対して形成されるものであるが、画像形成ユニット26,27に同一の駆動機構を用いることも可能である。
【0036】
駆動機構320は、支持板321を備える。支持板321は、2つの面を有し、一方の面は、ドライブ面DSであり、ドライブ面DSの反対側の面は、オペレーション面OSである。ドライブ面DS側に、駆動機構320が構築され、オペレーション面側に、感光体ドラム32が配される。支持板321は、一対の開口部210を備え、開口部210には軸受が装着される。
【0037】
図2には、ドライブ面DSに隣接して、4つのギア322,323,324,325が示される。第1の出力ギア322及び第1の中間ギア324は、画像形成ユニット28の感光体ドラム32を回転させるために用いられる。第2の出力ギア323及び第2の中間ギア325は、画像形成ユニット29の感光体ドラム32を回転させるために用いられる。駆動機構320が組み立てられるとき、図5に示すように、第1の中間ギア324と第2の中間ギア325の間には、入力ギア326が配される。
【0038】
図4に示す如く、入力ギア326は、モータ327の回転シャフト270と同軸かつ一体で切削加工される。モータ327が作動し、回転シャフト270が回転すると、入力ギア326は回転シャフト270とともに回転する。図5に示す如く、入力ギア326は、第1の中間ギア324と第2の中間ギア325の両方と噛み合い、モータ327の駆動力は、第1の中間ギア324と第2の中間ギア325に伝達される。第1の中間ギア324は、第1の出力ギア322と噛み合う。したがって、第1の中間ギア324に伝達された駆動力は、第1の出力ギア322に伝達される。同様に、第2の中間ギア325は、第1の出力ギア324と噛み合う。したがって、第2の中間ギア325に伝達された駆動力は、第2の出力ギア323に伝達される。尚、図2乃至図5に示すギア322,323,324,325,326は、本実施例では、いずれもはすば歯車であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
駆動機構320は、縦断面略U字形状をなすフレーム328を備える。フレーム328は、上下に配された一対のL字状部材281と、L字状部材281のモータ側の縁に接続される平板部282を備える。L字状部材281の1つの面は、支持板321に当接し、ボルトなどの適切な手段で固定される。平板部282は、支持板321から離間して配され、支持板321のドライブ面DSに対して平行な面を形成する。支持板321と平板部282の間の空間に、ギア322,323,324,325,326が収容される。
【0040】
平板部282は、支持板321に形成された一対の開口部210にそれぞれ対応する一対の開口部820を備える。開口部820には軸受が装着される。第1の出力ギア322及び第2の出力ギア323は、それぞれの回転中心軸と同心に配される円筒形状のスリーブ220と、スリーブ220を貫通する回転シャフト222,223を備える。回転シャフト222の一端部は、支持板321の開口部210を介して、支持板321のオペレーション面OSから突出し、画像形成ユニット28の感光体ドラム32に接続される。また、回転シャフト223の一端部は、支持板321の開口部210を介して、支持板321のオペレーション面OSから突出し、画像形成ユニット29の感光体ドラム32に接続される。スリーブ220と回転シャフト222,223間は、キーを介して接続される。したがって、第1の中間ギア324から第1の出力ギア322が駆動力を受けると、第1の出力ギア322は、回転シャフト222とともに回転し、回転シャフト222に接続される画像形成ユニット28の感光体ドラム32が回転することとなる。同様に、第2の中間ギア325から第2の出力ギア323が駆動力を受けると、第2の出力ギア323は、回転シャフト223とともに回転し、回転シャフト223に接続される画像形成ユニット29の感光体ドラム32が回転することとなる。
【0041】
平板部282は、更に、開口部821を備える。入力ギア326を支持するモータ271の回転シャフト270は、開口部821を通じて、平板部282と支持板321の間に形成された空間内に突出し、入力ギア326が第1の中間ギア324と第2の中間ギア325の間に配されることとなる。開口部821は、入力ギア326の回転シャフト270(即ち、モータ327の回転シャフト)の外径よりも大きく形成される。
【0042】
平板部282は、更に、一対のスリット822を備える。一対のスリット822間に開口部821が位置する。一対のスリット822は、開口部821側を基端にして、斜め上方に弧を描いて延びる。スリット822の円弧曲線は、中間ギア324,325を出力ギア322,323のピッチ円上で転動させたときの中間ギア324,325の回転中心の軌跡に一致する。
【0043】
ギア322,323,324,325,326とは反対側の平板部282の面側に第1のスライドプレート331と第2のスライドプレート332が配される。第1のスライドプレート331及び第2のスライドプレート332はそれぞれ、略楕円形状に形成された支持プレート310と円柱形状のピン311を備える。支持プレート310の領域のうち入力ギア326の回転シャフト270の近くに位置する半分の領域101に開口部102が形成される。駆動機構320が組み立てられると、第1のスライドプレート331及び第2のスライドプレート332の領域101同士が重ね合わせられる。開口部102は、入力ギア326の回転シャフト270の基端部に形成される円板状の隆起部279と略同形同大に形成され、隆起部279が開口部102に嵌合する。
【0044】
ピン311は、スリット822を介して、平板部282を貫通する。第1の中間ギア324と第2の中間ギア325それぞれは、各ギア324,325の回転中心軸と同心に配された円筒形状のスリーブ240を備える。平板部282を貫通したピン311はそれぞれ、第1の中間ギア324と第2の中間ギア325のスリーブ240に挿通される。第1の中間ギア324及び第2の中間ギア325が回転している間、スリーブ240はピン311の周面上を摺動回転する。スリット822の幅は、ピンの外径と略等しい大きさとされる。入力ギア326が、上下方向或いは左右方向に変位している間、入力ギア326の変位に応じて、ピン311は、スリット822に沿って移動する。
【0045】
駆動機構320は、矩形平板状に形成された第1のマウント部材334を備える。第1のマウント部材334は、その中央領域に略楕円形状の開口部340を備える。開口部340内に第1のスライドプレート331と第2のスライドプレート332の支持プレート310が収容される。第1のマウント部材334の厚さは、支持プレート310の厚肉領域の厚さ以上の寸法とされる。第1のマウント部材334の各角隅部に、上下方向に延びる長穴341が形成される。ボルト342が長穴341に挿入され、フレーム328の平板部282に形成されたねじ穴823と螺合する。
【0046】
第1のマウント部材334の開口部340を塞ぐように、矩形平板状に形成された第2のマウント部材335が配される。第2のマウント部材335の略中央に、開口部350が配される。開口部350は、入力ギア326の回転シャフト270の基端部に形成された隆起部279と略同形同大に形成され、隆起部279が開口部350と嵌合する。開口部350の左右に弧状に形成された一対の開口部351が形成される。開口部351は、第1のスライドプレート331及び第2のスライドプレート332の支持プレート310を貫通したピン311の突出部分を収容するために設けられる。したがって、第2のマウント部材335は、支持プレート310からモータ327の方向に突出するピン311の突出長さよりも厚く形成される。第2のマウント部材335の各角隅部に、左右方向に延びる長穴352が形成される。ボルト353が長穴に挿入され、第1のマウント部材334に形成されたねじ穴349と螺合する。尚、フレーム328の平板部282には、上下方向に延びる開口部824が形成され、第1のマウント部材334を貫いて突出したボルト353の先端と、平板部282が干渉することが防がれている。
【0047】
モータ327は、第1プレート271を介して、第2のマウント部材335に取り付けられる。第1プレート271は、第2のマウント部材335に当接する。第1プレート271には、ボルト710を挿通させるための開口部が形成され、ボルト710に対応するように、基板272に切り欠きが形成される。ボルト710は、第2のマウント部材335に形成されたねじ穴354に螺合する。第2のマウント部材335から突出したボルト710との干渉を避けるべく、第1のマウント部材334に、開口部343が形成され、フレーム328の平板部282には、開口部825が形成される。
【0048】
図6は、図2乃至図5に関連して説明した駆動機構320の入力ギア326の変位を説明する図である。尚、図6では、不必要に図面が不明瞭とならぬように、各ギア322,323,324,325,326の外径線を点線で示し、回転中心軸を黒点で示し、他の詳細な構造は省略されている。図6において、入力ギア326の回転中心軸には、符号Aが付され、第1の中間ギア324の回転中心軸には、符号B1が付され、第2の中間ギア325の回転中心軸には、符号B2が付され、第1の出力ギア322の回転中心軸には符号C1が付され、第2の出力ギア323の回転中心軸には符号C2が付されている。
【0049】
図6(a)を参照すると、第1のマウント部材334の長穴341の中心にボルト342が位置している。また、第2のマウント部材335の長穴352の中心にボルト353が位置している。図6(b)に示す駆動機構320は、図6(a)に示す状態から、ボルト342を一端緩め、第1のマウント部材334を上方に変位させた状態である。また、図6(a)及び図6(b)に示す駆動機構320は、回転中心軸Aを上下方向に通過する直線に対して、第1の出力ギア322と第2の出力ギア323は左右対称に配され、第1の中間ギア324と第2の中間ギア325も同様に左右対称に配されている。以下に示す表1は、図6(a)に示す駆動機構320の各種設計寸法値を示す。表2は、図6(b)に示す駆動機構320の各種設計寸法値を示す。表3は、各ギア322,323,324,325,326の歯数を示す。尚、各ギア322,323,324,325,326のモジュールは0.5であり、ねじれ角15°のはすば歯車である。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

【0053】
表1及び表2を参照すると明らかであるが、入力ギア326を上方に4mmだけ変位させると、回転中心軸Aと回転中心軸B1を結ぶ線分と、回転中心軸B1と回転中心軸C1を結ぶ線分のなす挟角及び回転中心軸Aと回転中心軸B2を結ぶ線分と、回転中心軸B2と回転中心軸C2を結ぶ線分のなす挟角がそれぞれ、121.1°から130.2°になることが分かる。図6(a)に示す駆動機構320の入力ギア326と中間ギア324の噛み合い中心点から、中間ギア324と出力ギア322の噛み合い中心点の間に存する中間ギアの歯数は、37.0枚となる。図6(b)に示す駆動機構320の入力ギア326と第1の中間ギア324の噛み合い中心点から、第1の中間ギア324と第1の出力ギア322の噛み合い中心点の間に存する第1の中間ギア324の歯数は、39.8枚となる。したがって、入力ギア326を上方に4mm移動させている間、入力ギア326並びに第1の出力ギア322の第1の中間ギア324に対する噛み合い位相が、第1の中間ギア324の歯の2.8枚分だけ連続的に変化していることとなる。入力ギア326並びに第2の出力ギア323の第2の中間ギア325に対する噛み合い位相についても同様である。尚、噛み合い位相の調整が、中間ギア324、325の互いに隣り合う一対の歯の間の中心角の範囲でなされれば、最も振動成分を抑制できる噛み合い位相を求めることができるので、第1のマウント部材334の長穴341の長さは、この条件を満たすように決定される。例えば、ボルト324が長穴341の上端に位置するときの入力ギア326と中間ギア324、325の噛み合い中心点から、中間ギア324、325と出力ギア322、323の噛み合い中心点の間に存する中間ギア324、325の歯数と、ボルト324が長穴341の下端に位置するときの入力ギア326と中間ギア324、325の噛み合い中心点から、中間ギア324、325と出力ギア322、323の噛み合い中心点の間に存する第1の中間ギアの歯数との差異が1枚以上となるように、長穴341の長さ寸法が定められる。
【0054】
第2のマウント部材335のボルト353を緩めると、第2のマウント部材335は、左右方向に移動可能である。第2のマウント部材335を左右方向に移動させると、入力ギア326の回転シャフト270と嵌合する第1のスライドプレート331及び第2のスライドプレート332が左右方向に移動する。このとき、第1のスライドプレート331及び第2のスライドプレート332のピン311が、フレーム328に形成されたスリット822に案内されるため、第1のスライドプレート331及び第2のスライドプレート332の移動は、スリット822により定められる軌跡を描くこととなる。したがって、第2のマウント部材335を左右方向に移動させることによっても、入力ギア326並びに出力ギア322、323の中間ギア323、325に対する噛み合い位相の調整を行なうことができる。尚、第2のマウント部材335を移動させた場合、回転中心軸Aと回転中心軸B1を結ぶ線分と、回転中心軸B1と回転中心軸C1を結ぶ線分のなす挟角が増加すると、回転中心軸Aと回転中心軸B2を結ぶ線分と、回転中心軸B2と回転中心軸C2を結ぶ線分のなす挟角が小さくなり、逆に、回転中心軸Aと回転中心軸B1を結ぶ線分と、回転中心軸B1と回転中心軸C1を結ぶ線分のなす挟角が小さくなると、回転中心軸Aと回転中心軸B2を結ぶ線分と、回転中心軸B2と回転中心軸C2を結ぶ線分のなす挟角が大きくなる。
【0055】
上記説明において、入力ギア326から派生する2系統の駆動系を備える形態について説明してきたが、本実施例では、入力ギア326から1系統の駆動系を派生させてもよい。この場合には、第1のマウント部材334と第2のマウント部材335のうちいずれか一方のマウント部材だけを使用すればよい。上下方向の移動或いは左右方向の移動のみで、目的とするギア歯間の位相の無段階或いは連続的な調整を行なうことができるからである。
【0056】
図7は、駆動機構320の他の実施例を示す斜視図である。図7に示す駆動機構320は、図2乃至図6に関連して説明した駆動機構と略同様の構造をなすので、以下に、相違点のみを説明する。
【0057】
図7に示す駆動機構320は、図2乃至図6に関連して詳述した第1のマウント部材334及び第2のマウント部材335に代えて、フレーム328の平板部282に着脱自在に固定される略逆T字形状のマウント部材900を備える。図7に示す実施例では、フレーム328は、鉄などの磁性金属或いは磁性プラスチックなどの磁性材料から形成される。また、マウント部材900は、マグネットプレートから形成される。
【0058】
図2乃至図6に示される駆動機構320では、第1のマウント部材334の長穴341及び第2のマウント部材335の長穴352が、第1のマウント部材334及び第2のマウント部材335の移動範囲並びに移動方向を規制する役割を果たしたが、図7に示す例では、フレーム328の平板部282からモータ327側に突出する突出片901がマウント部材900の移動範囲並びに移動方向を規制する役割を担う。
【0059】
突出片901は、左右方向に延びるマウント部材900の延出領域902の上縁、下縁に合わせて配される突出片901aと上方向に延びるマウント部材900の延出領域903の左右縁に合わせて配される突出片902bを含む。突出片901aは、マウント部材900の上下方向の移動範囲を規制する。突出片902bは、マウント部材900の左右方向の移動範囲を規制する。突出片901aは、フレーム328の平板部282上を上下方向に移動可能に形成され、マウント部材の延出領域902の上下縁に突出片901aを当接させることにより、突出片901aは、マウント部材900の左右方向の移動のみを許容することとなり、マウント部材900の移動方向を規制することとなる。突出片901bは、フレーム328の平板部282上を左右方向に移動可能に形成され、マウント部材の延出領域903の左右縁に突出片901bを当接させることにより、突出片901bは、マウント部材900の上下方向の移動のみを許容することとなり、マウント部材900の移動方向を規制することとなる。
【0060】
マウント部材900は、磁気的にフレーム328の平板部282に接続されるので、平板部282上で摺動可能である。したがって、マウント部材900は、突出片901が定める移動範囲内或いは移動方向で移動し、図6に関連する説明と同様に、入力ギア326並びに出力ギア322、323の第2の中間ギア324、325に対する噛み合い位相を連続的に変化させることができる。尚、この実施例では、マウント部材900の磁界がモータ327に影響を与えることを防止するための磁気遮蔽板等の手段並びにモータ327の駆動時におけるマウント部材900の移動を確実に防止するための規制手段を追加的に設けることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、上記したタンデム型のカラープリンタの他、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機などの各種の画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1・・・・・タンデム型のカラープリンタ(画像形成装置)
102・・・開口部(支持プレート)
222・・・回転シャフト(出力ギア)
223・・・回転シャフト(出力ギア)
240・・・スリーブ(中間ギア)
270・・・回転シャフト(入力ギア)
310・・・支持プレート
311・・・ピン
320・・・駆動機構(ギア機構)
321・・・支持板
322・・・第1の出力ギア
323・・・第2の出力ギア
324・・・第1の中間ギア
325・・・第2の中間ギア
326・・・入力ギア
327・・・モータ(駆動源)
328・・・フレーム
331・・・第1のスライドプレート
332・・・第2のスライドプレート
334・・・第1のマウント部材
335・・・第2のマウント部材
340・・・開口部(第1のマウント部材)
341・・・長穴(第1のマウント部材)
350・・・開口部(第2のマウント部材)
352・・・長穴(第2のマウント部材)
822・・・スリット
900・・・マウント部材
901・・・突出片(規制部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と接続される入力ギアと、
該入力ギアと噛み合う第1の中間ギアと、
該第1の中間ギアと噛み合う第1の出力ギアを備え、
前記入力ギアは、前記駆動源とともに、前記入力ギアの回転中心軸と直交する一の平面上において、前記入力ギアの回転中心軸と前記第1の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第1の中間ギアの回転中心軸と前記第1の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第1の挟角が最小となる第1位置から、該第1の挟角が最大となる第2位置に無段階に移動可能であり、
前記第1の中間ギアは、前記入力ギアの前記一の平面に沿った移動に伴い、該入力ギア及び前記第1の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、
前記第1の挟角の最大値と前記第1の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第1の中間ギアの歯数で除した値以上であることを特徴とするギア機構。
【請求項2】
前記入力ギアと噛み合う第2の中間ギアと、
該第2の中間ギアと噛み合う第2の出力ギアを更に備え、
前記入力ギアが前記第1位置にあるとき、前記入力ギアの回転中心軸と前記第2の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第2の中間ギアの回転中心軸と前記第2の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第2の挟角が最小となる第3位置から、該第2の挟角が最大となる第4位置に無段階に移動可能であり、
前記第2の中間ギアは、前記入力ギアの前記一の平面に沿った移動に伴い、該入力ギア及び前記第2の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、
前記第2の挟角の最大値と前記第2の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第2の中間ギアの歯数で除した値以上であることを特徴とする請求項1記載のギア機構。
【請求項3】
前記第1の出力ギアの回転シャフトの一端部を回転可能に支持する支持板と、
該支持板に固定されるとともに、前記第1の出力ギアの回転シャフトの他端部を回転可能に支持するフレームと、
前記第1の中間ギアの回転中心軸に取り付けられたスリーブ内に回転可能に挿入されるピンと、該ピンの一端部に取り付けられるとともに、前記入力ギアの回転シャフトが通過する開口部を有する支持プレートを含む第1のスライドプレートを更に備え、
前記フレームは、前記入力ギアの回転シャフトが通過する開口部と、前記ピンが通過するとともに、該ピンの軸に対して前記ピンの直角方向の移動を案内するスリットを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のギア機構。
【請求項4】
前記第1の中間ギアが前記第1の出力ギアのピッチ円上を転動するときの前記第1の中間ギアの回転中心軸の移動軌跡に沿って、前記スリットが形成されることを特徴とする請求項3記載のギア機構。
【請求項5】
前記第1の出力ギアと前記第2の出力ギアの回転シャフトの一端部を回転可能に支持する支持板と、
該支持板に固定されるとともに、前記第1の出力ギアと前記第2の出力ギアの回転シャフトの他端部を回転可能に支持するフレームと、
第1のスライドプレートと第2のスライドプレートを更に備え、
前記フレームは、前記入力ギアの回転シャフトが通過する開口部を備え、
前記第1のスライドプレートは、前記第1の中間ギアの回転中心軸に取り付けられたスリーブ内に回転可能に挿入されるピンと、該第1のスライドプレートのピンの一端部に取り付けられる支持プレートを備え、
前記第2のスライドプレートは、前記第2の中間ギアの回転中心軸に取り付けられたスリーブ内に回転可能に挿入されるピンと、該第2のスライドプレートのピンの一端部に取り付けられる支持プレートを備え、
前記フレームは、前記第1のスライドプレートのピンと前記第2のスライドプレートのピンがそれぞれ通過するとともに、各ピンの軸に対して直角方向の移動を案内する一対のスリットを備え、
前記第1のスライドプレートの支持プレートと前記第2のスライドプレートの支持プレートはそれぞれ、開口部を備え、
前記入力ギアの回転シャフトが、前記第1のスライドプレートの支持プレートと前記第2のスライドプレートの支持プレートの開口部を通過することを特徴とする請求項2記載のギア機構。
【請求項6】
前記第1の中間ギアが前記第1の出力ギアのピッチ円上を転動するときの前記第1の中間ギアの回転中心軸の移動軌跡に沿って、前記一対のスリットのうち一方が形成され、
前記第2の中間ギアが前記第2の出力ギアのピッチ円上を転動するときの前記第2の中間ギアの回転中心軸の移動軌跡に沿って、前記一対のスリットのうち他方が形成されることを特徴とする請求項5記載のギア機構。
【請求項7】
前記入力ギアのシャフトの通過を可能にする開口部と、固定具を挿通させるための長穴を有する第1のマウント部材を更に備え、
該第1のマウント部材は、前記フレームに前記長穴を介して固定され、該長穴に案内されながら、該フレームに対して一の方向に移動可能であることを特徴とする請求項3又は5記載のギア機構。
【請求項8】
前記駆動源を支持するとともに、前記入力ギアのシャフトの通過を可能にする開口部と、固定具を挿通させるための長穴を有する第2のマウント部材を更に備え、
該第2のマウント部材は、前記第1のマウント部材に、前記第2のマウント部材に形成された前記長穴を介して固定され、前記第2のマウント部材に形成された前記長穴に案内されながら、前記第2のマウント部材は、該第1のマウント部材が移動可能な方向とは異なる方向に移動可能であることを特徴とする請求項7記載のギア機構。
【請求項9】
前記駆動源を支持するとともに、前記フレームに着脱自在に取り付けられるマウント部材を更に備え、
前記フレームは、前記マウント部材の移動範囲を規制する規制部材を備えることを特徴とする請求項3又は5記載のギア機構。
【請求項10】
周面に静電潜像が形成される第1の像担持体を備える画像形成装置であって、
該画像形成装置は、前記第1の像担持体に接続される第1の出力ギアと、
該出力ギアと噛み合う第1の中間ギアと、
該第1の中間ギアと噛み合うとともに駆動源に接続される入力ギアを備え、
前記入力ギアは、前記駆動源とともに、前記入力ギアの回転中心軸と直交する一の平面上において、前記入力ギアの回転中心軸と前記第1の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第1の中間ギアの回転中心軸と前記第1の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第1の挟角が最小となる第1位置から、該第1の挟角が最大となる第2位置に無段階に移動可能であり、
前記第1の中間ギアは、前記入力ギアの移動に伴い、該入力ギア及び前記第1の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、
前記第1の挟角の最大値と前記第1の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第1の中間ギアの歯数で除した値以上であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
周面に静電潜像が形成される第2の像担持体と、
該第2の像担持体に接続される第2の出力ギアと、
該第2の出力ギア及び前記入力ギアと噛み合う第2の中間ギアを更に備え、
前記入力ギアの回転中心軸と前記第2の中間ギアの回転中心軸を結ぶ線分と、前記第2の中間ギアの回転中心軸と前記第2の出力ギアの回転中心軸を結ぶ線分が形成する第2の挟角が最小となる第3位置から、前記第2の挟角が最大となる第4位置に無段階に移動可能であり、
前記第2の中間ギアは、前記入力ギアの前記一の平面に沿った移動に伴い、該入力ギア及び前記第2の出力ギアと噛み合いながら移動可能であり、
前記第2の挟角の最大値と前記第2の挟角の最小値との差が、全円中心角を前記第2の中間ギアの歯数で除した値以上であることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−2080(P2011−2080A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147679(P2009−147679)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】