説明

クリーニング装置及び画像形成装置

【課題】 像担持体の液リングを適切に除去し、クリーニングすることが可能なクリーニング装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 移動する被クリーニング部材40と周面が当接するとともに、周面が被クリーニング部材40と同じ方向に移動し、被クリーニング部材40にバイアスを印加する第1のクリーニングローラー71と、当接した第1のクリーニングローラー71でクリーニングされた被クリーニング部材40と当接するとともに、被クリーニング部材40の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラー73と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア液とトナーを含む液体現像剤を用いたクリーニング装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体現像剤を使用する画像形成装置では、中間転写ベルト又は感光体等の像担持体のクリーニングを行う際に発生する液リングを除去する技術が開示されている(特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された画像形成装置は、ベルト上に発生した液リングを除去ブレードで回収し、クサビ形状の液ガイド部材によって液を誘い込み、除去液搬送ローラーに液を受け渡し、スクレーパーでローラー表面から除去するものである。
【0004】
また、特許文献2に記載された画像形成装置は、感光体上に発生した液リングをクサビ形状のブレードで除去するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−82530号公報
【特許文献2】特開平1−206387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、除去対象の液が所定の粘性を有するので、液の除去に使用されるブレードの厚みによって、ベルト又は感光体上の液がブレードの厚みを有する面にぶつかり、面を伝わってベルト又は感光体の回転方向に直交する方向の外側に流れてしまう場合があった。そして、流れた液は、再度ベルト又は感光体上に液リングを発生させ、各色独立している現像装置の中にクリーニング後の汚れた液リングが混入することで、混色が生じ、画像品質が低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は、像担持体の液リングを適切に除去し、クリーニングすることが可能なクリーニング装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるクリーニング装置は、移動する被クリーニング部材と周面が当接するとともに、前記周面が前記被クリーニング部材と同じ方向に移動し、前記被クリーニング部材にバイアスを印加する第1のクリーニングローラーと、当接した前記第1のクリーニングローラーでクリーニングされた前記被クリーニング部材と当接するとともに、前記被クリーニング部材の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラーと、を有することを特徴とする。
【0009】
さらに、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電する帯電部と、前記帯電部で帯電された前記潜像担持体を露光して前記潜像を形成する露光部と、前記潜像担持体に形成された前記潜像をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像する現像部と、前記潜像担持体に現像された像が転写され、転写された前記像を担持して移動する像担持体と、前記像担持体に担持された前記像を転写媒体へ転写する転写部と、前記転写部で前記像を前記転写媒体に転写した前記像担持体と周面が当接するとともに前記周面が前記像担持体と同じ方向に移動して前記像担持体にバイアスを印加する第1のクリーニングローラー、及び当接した前記第1のクリーニングローラーでクリーニングされた前記像担持体と当接するとともに前記像担持体の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラーを有するクリーニング部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記第2のクリーニングローラーの周速度は、前記像担持体の移動速度より大きい。
【0011】
また、前記第2のクリーニングローラーに当接してクリーニングするクリーニングブレードを有し、前記第2のクリーニングローラーの軸方向の長さは、移動方向と直交する方向の前記像担持体の長さよりも長く、かつ前記クリーニングブレードの前記第2のクリーニングローラーの軸方向における前記クリーニングブレードと前記第2のクリーニングローラーとの当接幅は、前記第2のクリーニングローラーと前記像担持体との当接幅よりも長い。
【0012】
また、前記第1のクリーニングローラーによりクリーニングされた前記像担持体と当接する像担持体クリーニングブレードを有し、前記像担持体の移動方向と直交する方向における前記像担持体クリーニングブレードと前記像担持体との当接幅は、前記第1のクリーニングローラーと前記像担持体との当接幅よりも長く、前記像担持体の移動方向と直交する方向における前記像担持体クリーニングブレードの幅は、前記像担持体の幅よりも短い。
【0013】
また、前記像担持体を移動させたときの負荷トルクを検出する負荷トルク検出部と、前記負荷トルク検出部で検出された値に基づいて前記第1のクリーニングローラーの周速度を制御する制御部と、を有する。
【0014】
また、前記制御部は、前記負荷トルク検出部で検出された値が第1の負荷トルクのときに、前記第1のクリーニングローラーを第1の周速度で回転させ、前記負荷トルク検出部で検出された値が、前記第1の負荷トルクよりも高い第2の負荷トルクのとき、前記第1のクリーニングローラーの周速度を前記第1の周速度よりも速い第2の周速度で回転させる。
【0015】
また、前記第2のクリーニングローラーは、前記第1のクリーニングローラーが前記像担持体に印加するバイアスと逆極性のバイアスを印加する。
【0016】
本発明にかかるクリーニング装置によれば、移動する被クリーニング部材と周面が当接するとともに、前記周面が前記被クリーニング部材と同じ方向に移動し、前記被クリーニング部材にバイアスを印加する第1のクリーニングローラーと、当接した前記第1のクリーニングローラーでクリーニングされた前記被クリーニング部材と当接するとともに、前記被クリーニング部材の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラーと、を有するので、前記被クリーニング部材を二度クリーニングすることとなり、しかも前記第2のクリーニングローラーは残りトナー及びキャリア液に対して大きな抵抗力となるので、クリーニング性能が向上し、液リングの発生を低減することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明にかかる画像形成装置によれば、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電する帯電部と、前記帯電部で帯電された前記潜像担持体を露光して前記潜像を形成する露光部と、前記潜像担持体に形成された前記潜像をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像する現像部と、前記潜像担持体に現像された像が転写され、転写された前記像を担持して移動する像担持体と、前記像担持体に担持された前記像を転写媒体へ転写する転写部と、前記転写部で前記像を前記転写媒体に転写した前記像担持体と周面が当接するとともに前記周面が前記像担持体と同じ方向に移動して前記像担持体にバイアスを印加する第1のクリーニングローラー、及び当接した前記第1のクリーニングローラーでクリーニングされた前記像担持体と当接するとともに前記像担持体の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラーを有するクリーニング部と、を有するので、前記被クリーニング部材を二度クリーニングすることとなり、しかも前記第2のクリーニングローラーは残りトナー及びキャリア液に対して大きな抵抗力となるので、クリーニング性能が向上し、液リングの発生を低減し、画質を向上することが可能となる。
【0018】
また、前記第2のクリーニングローラーの周速度は、前記像担持体の移動速度より大きいので、第2のクリーニングローラーによって単位時間当たりに擦り切られる残りトナー及びキャリア液の量は、トナーの種類や経時変化等の粘度変化によらず、前記第2のクリーニングローラーに単位時間当たりに流入する残りトナー及びキャリア液の量より多くなり、残りトナー及びキャリア液が前記第2のクリーニングローラーと前記像担持体とが接触する部分に滞留することが低減される。したがって、残りトナー及びキャリア液によって前記像担持体の駆動性能が低下することが低減される。
【0019】
また、前記第2のクリーニングローラーに当接してクリーニングするクリーニングブレードを有し、前記第2のクリーニングローラーの軸方向の長さは、移動方向と直交する方向の前記像担持体の長さよりも長く、かつ前記クリーニングブレードの前記第2のクリーニングローラーの軸方向における前記クリーニングブレードと前記第2のクリーニングローラーとの当接幅は、前記第2のクリーニングローラーと前記像担持体との当接幅よりも長いので、前記第2のクリーニングローラーを前記第2のクリーニングローラー用ブレードでクリーニングする際に、前記第2のクリーニングローラー用ブレードの両端にキャリア液が溜まる場合があったとしても、キャリア液の溜まる場所は、前記像担持体よりも軸方向の外側となるので、前記像担持体にキャリア液が付着することが低減される。
【0020】
また、前記第1のクリーニングローラーによりクリーニングされた前記像担持体と当接する像担持体クリーニングブレードを有し、前記像担持体の移動方向と直交する方向における前記像担持体クリーニングブレードと前記像担持体との当接幅は、前記第1のクリーニングローラーと前記像担持体との当接幅よりも長く、前記像担持体の移動方向と直交する方向における前記像担持体クリーニングブレードの幅は、前記像担持体の幅よりも短いので、前記被クリーニング部材を3度クリーニングすることとなりクリーニング性能が向上するとともに、像担持体クリーニングブレードでのクリーニング性能が高いので、第2のクリーニングローラーに対するクリーニング性能を評価する必要がなく、コストを低く抑えることが可能となる。
【0021】
また、前記像担持体を移動させたときの負荷トルクを検出する負荷トルク検出部と、前記負荷トルク検出部で検出された値に基づいて前記第1のクリーニングローラーの周速度を制御する制御部と、を有するので、前記像担持体にかかる負荷トルクを調整し、適切な周速関係とすることが可能となる。
【0022】
また、前記制御部は、前記負荷トルク検出部で検出された値が第1の負荷トルクのときに、前記第1のクリーニングローラーを第1の周速度で回転させ、前記負荷トルク検出部で検出された値が、前記第1の負荷トルクよりも高い第2の負荷トルクのとき、前記第1のクリーニングローラーの周速度を前記第1の周速度よりも速い第2の周速度で回転させるので、前記像担持体にかかる負荷トルクを軽減することが可能となる。
【0023】
また、前記第2のクリーニングローラーは、前記第1のクリーニングローラーが前記像担持体に印加するバイアスと逆極性のバイアスを印加するので、前記第1のクリーニングローラーではクリーニングされずに電荷注入されて残余したトナーを、電気的な逆極性で引き付けて除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像形成装置の実施形態を示す図である。
【図2】第1実施形態の転写ベルトクリーニング部を示す図である。
【図3】図2の矢印Aから見た転写ベルトクリーニング部を示す図である。
【図4】第2実施形態の転写ベルトクリーニング部を示す図を示す図である。
【図5】図4の矢印Bから見た転写ベルトクリーニング部を示す図である。
【図6】第3実施形態の転写ベルトクリーニング部を示す図を示す図である。
【図7】転写ベルトクリーニング部の制御ブロック図である。
【図8】転写ベルトクリーニング制御のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤により、潜像担持体としての感光体10Y,10M,10C,10Kに形成された静電潜像を、現像部としての現像装置30Y,30M,30C,30Kが現像し、一次転写部50、被クリーニング部材又は像担持体としての中間転写ベルト40を経て、二次転写部60において転写材に転写することで画像を形成するものである。なお、各色Y、M、C、Kに対応する感光体10Y,10M,10C,10Kや現像装置30Y,30M,30C,30K等の部材の配置順は、図1に示す例に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0027】
感光体周辺部は、感光体10Y,10M,10C,10Kの外周の回転方向に沿って、帯電部としてのコロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kを基準として、露光部としての露光ユニット12Y,12M,12C,12K、現像装置30Y,30M,30C,30Kの現像ローラー20Y,20M,20C,20K、スクイーズ装置、一次転写部50Y,50M,50C,50K、感光体クリーニングローラー17Y,17M,17C,17K及び感光体クリーニングブレード19Y,19M,19C,19Kが配置されている。なお、画像形成プロセスは、コロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kから感光体クリーニングブレード19Y,19M,19C,19Kの順に、より前段に配置される構成は、後段に配置される構成より上流にあるものと定義する。
【0028】
感光体10Y,10M,10C,10Kは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、図1において、時計回りの方向に回転する。
【0029】
まず、感光体10Y,10M,10C,10Kの表面は、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kとのニップ部より回転方向の上流側で、図示しない電源装置から電圧が印加されたコロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kにより帯電する。コロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kによって帯電した感光体10Y,10M,10C,10Kの表面は、露光ユニット12Y,12M,12C,12Kにより光を照射され、潜像を形成する。感光体10Y,10M,10C,10Kの潜像は、現像装置30Y,30M,30C,30Kにより現像される。
【0030】
現像装置30Y,30M,30C,30Kは、液体現像剤を担持する現像ローラー20Y,20M,20C,20Kと、液体現像剤を現像ローラー20Y,20M,20C,20Kに塗布するための塗布ローラーである現像剤供給部材としてのアニロックスローラー32Y,32M,32C,32Kと、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kに塗布する液体現像剤量を所定量に規制する規制ブレード33Y,33M,33C,33Kと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Y,32M,32C,32Kに供給するオーガ34Y,34M,34C,34Kと、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発生器22Y,22M,22C,22Kと、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Y,21M,21C,21Kと、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Y,31M,31C,31Kとを有する。
【0031】
現像剤容器31Y,31M,31C,31Kに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリア液とした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0032】
感光体10Y,10M,10C,10Kと現像ローラー20Y,20M,20C,20Kとのニップ部より感光体10Y,10M,10C,10Kの回転方向の下流側にはスクイーズ装置が配置される。スクイーズ装置は、感光体10Y,10M,10C,10Kに対向して感光体10Y,10M,10C,10Kに現像されたトナー像の余剰キャリア液を回収するものである。このスクイーズ装置は、感光体10Y,10M,10C,10Kに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る第1スクイーズローラー13Y,13M,13C,13K、及び第1スクイーズローラー13Y,13M,13C,13Kをクリーニングする第1スクイーズローラークリーニングブレード14Y,14M,14C,14K、並びに感光体10Y,10M,10C,10Kに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る第2スクイーズローラー15Y,15M,15C,15K、及び第2スクイーズローラー15Y,15M,15C,15Kをクリーニングする第2スクイーズローラークリーニングブレード16Y,16M,16C,16Kから構成される。スクイーズ装置は、感光体10Y,10M,10C,10Kに現像されたトナー像から余剰なキャリア液及び本来不要なカブリトナーを回収し、トナー像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、第1スクイーズローラー13Y,13M,13C,13K及び第2スクイーズローラー15Y,15M,15C,15Kには、所定のバイアス電圧が印加されている。
【0033】
スクイーズ装置を経た感光体10Y,10M,10C,10K表面は、一次転写部50Y,50M,50C,50Kに進入する。一次転写部50Y,50M,50C,50Kは、感光体10Y,10M,10C,10Kに形成されたトナー像を、感光体10Y,10M,10C,10Kと一次転写ローラー51Y,51M,51C,51Kとのニップ部において、中間転写ベルト40に転写する部分である。
【0034】
一次転写部50Y,50M,50C,50Kを経た感光体10Y,10M,10C,10K表面は、感光体クリーニングローラー16Y,16M,16C,16Kに当接する。感光体クリーニングローラー17Y,17M,17C,17Kは、感光体10Y,10M,10C,10Kに当接しつつ反時計回りに回転することによって、感光体10Y,10M,10C,10Kの転写残り液体現像剤や未転写液体現像剤をクリーニングする。感光体クリーニングローラー17Y,17M,17C,17Kには、液体現像剤中のトナー粒子を誘引するようなバイアス電圧が印加される。感光体クリーニングローラー17Y,17M,17C,17Kは、感光体クリーニングローラー用ブレード18Y,18M,18C,18Kによりクリーニングされる。
【0035】
感光体クリーニングローラー17Y,17M,17C,17Kの下流側において、感光体10Y,10M,10C,10Kと当接している感光体クリーニングブレード19Y,19M,19C,19Kは、感光体10Y,10M,10C,10K上の液体現像剤を掻き取りさらにクリーニングする。
【0036】
中間転写ベルト40は、シームレスなゴム等の弾性部材で形成されたベルトであり、ベルト駆動ローラー41とテンションローラー42に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラー41により回転駆動される。
【0037】
一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、中間転写ベルト40を挟んで感光体10Y、10M、10C、10Kと一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10Kの各色のトナー像を中間転写ベルト40に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0038】
ベルト駆動ローラー41及びテンションローラー42は、中間転写ベルト40を張架しベルト駆動ローラー41の駆動により回転する。中間転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所には、像担持体クリーニング装置又は像担持体クリーニング部としての転写ベルトクリーニング部70が配設されている。
【0039】
二次転写部60は、二次転写ローラー61等を備えている。二次転写ローラー61は、ベルト駆動ローラー41の回転につれて矢印で示す方向に回転するとともに転写バイアスが印加されることにより、転写ニップで中間転写ベルト40のトナー像を転写材搬送経路Pにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。また、二次転写部60は、二次転写ローラー61をクリーニングする二次転写ローラークリーニングブレード62、転写ローラークリーニングブレード支持部材等を有する。
【0040】
転写材搬送経路Pの二次転写部60の下流には、図示しない転写材搬送装置が配列され、転写材を図示しない定着ユニットに搬送するようになっており、定着ユニットでは、用紙等の転写材に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0041】
画像形成装置に対する転写材の供給は、給紙装置(不図示)によって行われる。このような給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Pに送り出されるようになっている。
【0042】
次に、転写ベルトクリーニング部70の第1実施形態について詳細に説明する。
【0043】
図2は、第1実施形態の転写ベルトクリーニング部70を示す図、図3は、図2の矢印Aから見た転写ベルトクリーニング部70を示す図である。ただし、図3において、バイアスクリーニングローラー用ブレード72は省略している。また、図3の矢印Wはバイアスクリーニングローラー71及び逆回転クリーニングローラー73の軸方向、並びに中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向を表す。
【0044】
転写ベルトクリーニング部70は、移動する中間転写ベルト40と周面が当接するとともに、中間転写ベルト40に当接しているニップ箇所で、周面が中間転写ベルト40の移動方向と同じ方向に移動し、中間転写ベルト40にバイアスを印加する第1のクリーニングローラーとしてのバイアスクリーニングローラー71と、バイアスクリーニングローラー71の残りトナー及びキャリア液を掻き取る第1のクリーニングローラー用ブレードとしてのバイアスクリーニングローラー用ブレード72と、当接したバイアスクリーニングローラー71でクリーニングされた中間転写ベルト40と当接するとともに、中間転写ベルト40に当接しているニップ箇所で、中間転写ベルト40の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラーとしての逆回転クリーニングローラー73と、逆回転クリーニングローラー73の残りトナー及びキャリア液を掻き取る第2のクリーニングローラー用ブレードとしての逆回転クリーニングローラー用ブレード74と、バイアスクリーニングローラー71にキャリア液を塗布する液塗布部80を有する。
【0045】
液塗布部80は、バイアスクリーニングローラー71に当接しているニップ箇所で周面が同じ方向に移動すると共に、キャリア液を塗布する塗布ローラー81と、塗布ローラー81にキャリア液を供給する液供給部としてのキャリア液供給部82と、キャリア液供給部82が供給した塗布ローラー81周面のキャリア液を、バイアスクリーニングローラー71に塗布する前に塗布ローラー81周面上でバイアスクリーニングローラー71の軸方向に拡散させるならしローラー83とを有する。
【0046】
バイアスクリーニングローラー71は、テンションローラー42につれて図2における時計回りに回転し、テンションローラー42に対向したニップ位置で周面が中間転写ベルト40と同方向に移動すると共にバイアスを印加することで中間転写ベルト40上の残りトナー及びキャリア液をクリーニングする。また、バイアスクリーニングローラー71に移動した残りトナー及びキャリア液は、バイアスクリーニングローラー用ブレード72が掻き取る。
【0047】
逆回転クリーニングローラー73は、バイアスクリーニングローラー71とは逆回転であり、中間転写ベルト40の移動速度より大きい周速度で図2における反時計回りに回転し、テンションローラー42に対向したニップ位置で、バイアスクリーニングローラー71にクリーニングされた後の中間転写ベルト40に当接し、中間転写ベルト40と当接している箇所で周面が中間転写ベルト40と逆方向に移動し、バイアスクリーニングローラー71が取り残したトナー及びキャリア液をクリーニングする。また、逆回転クリーニングローラー73に移動した残りトナー及びキャリア液は、逆回転クリーニングローラー用ブレード74が掻き取る。なお、逆回転クリーニングローラー73の周速度は、逆回転クリーニングローラー73の回転方向、すなわち図2における反時計回りを正とし、中間転写ベルト40の移動速度は、中間転写ベルト40の移動方向を正とする。
【0048】
このように、転写ベルトクリーニング部70は、中間転写ベルト40と当接している箇所で周面が中間転写ベルト40の移動方向と同じ方向に移動すると共にバイアスを印加するバイアスクリーニングローラー71と、バイアスクリーニングローラー71でクリーニングされた後の中間転写ベルト40と当接している箇所で周面が中間転写ベルト40と逆方向に移動する逆回転クリーニングローラー73と、を有するので、中間転写ベルト40を二度クリーニングすることとなり、しかも逆回転クリーニングローラー73は残りトナー及びキャリア液に対して大きな抵抗力となるので、クリーニング性能が向上し、液リングの発生を低減することが可能となる。
【0049】
また、逆回転クリーニングローラー73の周速度が、中間転写ベルト40の周速度よりも小さい場合、逆回転クリーニングローラー73に流入した残りトナー及びキャリア液が逆回転クリーニングローラー73と中間転写ベルト40とが接触する部分に滞留し、滞留した残りトナー及びキャリア液は徐々に逆回転クリーニングローラー73の軸方向に広がっていく傾向がある。そして、逆回転クリーニングローラー73の軸方向に広がった残りトナー及びキャリア液は、中間転写ベルト40の裏側へ回り込み、中間転写ベルト40の駆動性能が低下してしまう場合がある。特に、トナーの粘度が高いと顕著である。
【0050】
そこで、本実施形態では、逆回転クリーニングローラー73の周速度を中間転写ベルト40の移動速度より大きくする。逆回転クリーニングローラー73の周速度を中間転写ベルト40の移動速度より大きくすることにより、逆回転クリーニングローラー73によって単位時間当たりに擦り切られる残りトナー及びキャリア液の量は、トナーの種類や経時変化等の粘度変化によらず、逆回転クリーニングローラー73に単位時間当たりに流入する残りトナー及びキャリア液の量より多くなり、残りトナー及びキャリア液が逆回転クリーニングローラー73と中間転写ベルト40とが接触する部分に滞留することが低減される。したがって、残りトナー及びキャリア液が中間転写ベルト40の裏側へ回り込み、中間転写ベルト40の駆動性能を低下させることが低減される。
【0051】
液塗布部80では、キャリア液供給部82が塗布ローラー81周面に供給したキャリア液をならしローラー83が塗布ローラー81の軸方向に一様に拡散させた後、拡散したキャリア液を塗布ローラー81がバイアスクリーニングローラー71に塗布する。
【0052】
このように、液塗布部80からキャリア液が付加されることにより、中間転写ベルト40を介したテンションローラー42とバイアスクリーニングローラー71のニップ部のキャリア液の量が多くなるので、トナーが移動し易くなりトナーの移動が効率よく行われる。
【0053】
次に、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さ、転写ベルトクリーニング部70の各ローラーの軸方向の長さ及びローラー軸方向における各ブレードの長さの関係について説明する。図3において、Ltは中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さ、すなわち移動方向と直交する方向の第1の端部40aと第2の端部40bの間の長さ、Liは中間転写ベルト40に形成される画像Iの移動方向と直交する方向の長さ、Lbはバイアスクリーニングローラー71の軸方向の長さ、すなわち軸方向の第1の端部71aと第2の端部71bの間の長さ、Lrは逆回転クリーニングローラー73の軸方向の長さ、すなわち軸方向の第1の端部73aと第2の端部73bの間の長さ、Lrbは逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の長さ、すなわち軸方向の第1の端部74aから第2の端部74bの間の長さである。
【0054】
第1実施形態では、逆回転クリーニングローラー73の軸方向長さLr及び逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の長さLrbを中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLtよりも長くする。
【0055】
具体的には、以下の式(1)を満たす関係とする。
Li<Lb<Lt<Lrb<Lr (1)
【0056】
例えば、画像Iの中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向における長さLi=325mm、バイアスクリーニングローラー71の軸方向長さLb=340mm、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLt=374mm、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の長さLrb=384mm及び逆回転クリーニングローラー73の軸方向長さLr=394mmとする。
【0057】
このように、逆回転クリーニングローラー73の軸方向の長さLr及び逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の長さLrbを中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLtよりも長くすることにより、逆回転クリーニングローラー73を逆回転クリーニングローラー用ブレード74でクリーニングする際に、逆回転クリーニングローラー用ブレード74の両端にキャリア液が溜まる場合があったとしても、キャリア液の溜まる場所は、中間転写ベルト40よりも軸方向の外側となるので、中間転写ベルト40にキャリア液が付着することが低減される。
【0058】
次に、像担持体クリーニング装置としての転写ベルトクリーニング部70の第2実施形態について詳細に説明する。
【0059】
図4は、第2実施形態の転写ベルトクリーニング部70を示す図、図5は、図4の矢印Bから見た転写ベルトクリーニング部70を示す図である。ただし、図5において、バイアスクリーニングローラー用ブレード72は省略している。また、図5の矢印Wは各ローラーの軸方向を表し、以下軸方向とする。
【0060】
転写ベルトクリーニング部70は、中間転写ベルト40と当接しているニップ箇所で周面が中間転写ベルト40と同方向に移動すると共にバイアスを印加しクリーニングする第1のクリーニングローラーとしてのバイアスクリーニングローラー71と、バイアスクリーニングローラー71の残りトナー及びキャリア液を掻き取る第1のクリーニングローラー用ブレードとしてのバイアスクリーニングローラー用ブレード72と、バイアスクリーニングローラー71でクリーニングされた中間転写ベルト40と当接しているニップ箇所で周面が中間転写ベルト40と逆方向に移動しクリーニングする第2のクリーニングローラーとしての逆回転クリーニングローラー73と、逆回転クリーニングローラー73の残りトナー及びキャリア液を掻き取る第2のクリーニングローラー用ブレードとしての逆回転クリーニングローラー用ブレード74と、中間転写ベルト40の残りトナー及びキャリア液を掻き取る被クリーニング部材クリーニングブレード又は像担持体クリーニングブレードとしての転写ベルトクリーニングブレード75と、バイアスクリーニングローラー71にキャリア液を塗布する液塗布部80を有する。
【0061】
液塗布部80は、第1実施形態と同様の構成である。
【0062】
バイアスクリーニングローラー71は、テンションローラー42につれて図2における時計回りに回転し、テンションローラー42に対向したニップ位置で周面が中間転写ベルト40と同方向に移動すると共にバイアスを印加することで中間転写ベルト40上の残りトナー及びキャリア液をクリーニングする。また、バイアスクリーニングローラー71に移動した残りトナー及びキャリア液は、バイアスクリーニングローラー用ブレード72が掻き取る。
【0063】
転写ベルトクリーニングブレード75は、バイアスクリーニングローラー71がクリーニングした後で逆回転クリーニングローラー73がクリーニングする前の中間転写ベルト40上の残りトナー及びキャリア液を掻き取るものである。
【0064】
逆回転クリーニングローラー73は、バイアスクリーニングローラー71とは逆回転であり、中間転写ベルト40の移動速度より大きい周速度で図2における反時計回りに回転し、テンションローラー42に対向したニップ位置で、バイアスクリーニングローラー71にクリーニングされた後の中間転写ベルト40に当接し、中間転写ベルト40と当接している箇所で周面が中間転写ベルト40と逆方向に移動し、バイアスクリーニングローラー71が取り残したトナー及びキャリア液をクリーニングする。なお、逆回転クリーニングローラー73の周速度は、逆回転クリーニングローラー73の回転方向、すなわち図2における反時計回りを正とし、中間転写ベルト40の移動速度は、中間転写ベルト40の移動方向を正とする。
【0065】
また、逆回転クリーニングローラー73は、中間転写ベルト40の第1の端部40aに対応して当接する第1の短クリーニングローラーとしての第1逆回転クリーニングローラー731及び中間転写ベルト40の第2の端部40bに対応して当接する第2の短クリーニングローラーとしての第2逆回転クリーニングローラー732に分割して2本配設される。なお、軸は1本でローラー部のみ分割してもよい。逆回転クリーニングローラー73は、ローラーは、2本に限らず、中央部にさらに1つ又は複数配設してもよい。
【0066】
第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732は、テンションローラー42に対向した位置で、バイアスクリーニングローラー71とのニップ部において残りトナー及びキャリア液をクリーニングした後の中間転写ベルト40に当接し、バイアスクリーニングローラー71が取り残したトナー及びキャリア液をクリーニングする。また、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732に移動した残りトナー及びキャリア液は、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732に対応してそれぞれ配設された第1逆回転クリーニングローラー用ブレード741及び第2逆回転クリーニングローラー用ブレード742が掻き取る。
【0067】
このように、テンションローラー42につれて回転するバイアスクリーニングローラー71及びバイアスクリーニングローラー71とは逆回転で回転する第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732によって中間転写ベルト40をクリーニングすることにより、中間転写ベルト40を二度クリーニングすることとなり、しかも、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732がバイアスクリーニングローラー71とは逆回転し、残りトナー及びキャリア液に対して大きな抵抗力となるので、クリーニング性能が向上し、液リングの発生を低減することが可能となる。
【0068】
また、逆回転クリーニングローラー73は、中間転写ベルト40の第1の端部40aに対応して配設される第1逆回転クリーニングローラー731及び中間転写ベルト40の第2の端部40bに対応して配設される第2逆回転クリーニングローラー732に分割して2本配設することにより、中間転写ベルト40の第1の端部40aと第2の端部40bの間の中間部分で当接することがなくなる。したがって、バイアスクリーニングローラー71、転写ベルトクリーニングブレード75及び逆回転クリーニングローラー73が中間転写ベルト40に当接することによってかかる負荷を軽減することが可能となる。
【0069】
また、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732の周速が、中間転写ベルト40の周速よりも遅い場合、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732に流入した残りトナー及びキャリア液が逆回転クリーニングローラー73と中間転写ベルト40とが接触する部分に滞留し、滞留した残りトナー及びキャリア液は徐々に逆回転クリーニングローラー73の軸方向に広がっていく傾向がある。軸方向に広がった残りトナー及びキャリア液は、中間転写ベルト40の裏側へ回り込み、中間転写ベルト40の駆動性能が低下してしまう場合がある。特に、トナーの粘度が高いと顕著である。
【0070】
そこで、本実施形態では、逆回転クリーニングローラー73としての第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732の周速度は、中間転写ベルト40の移動速度と比較して大きくする。第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732の周速度を中間転写ベルト40の移動速度より大きくすることで、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732によって単位時間当たりに擦り切られるトナーを含むキャリア液の量は、トナーの種類や経時変化等の粘度変化によらず、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732に単位時間当たりに流入するトナーを含むキャリア液の量より多くなり、トナーを含むキャリア液が第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732と中間転写ベルト40とが接触する部分に滞留することが低減される。したがって、トナーを含むキャリア液が中間転写ベルト40の裏側へ回り込み、中間転写ベルト40の駆動性能が低下することが低減される。なお、逆回転クリーニングローラー73の周速度は、逆回転クリーニングローラー73の回転方向、すなわち図2における反時計回りを正とし、中間転写ベルト40の移動速度は、中間転写ベルト40の移動方向を正とする。
【0071】
次に、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さ、転写ベルトクリーニング部70の各ローラーの軸方向の長さ及びローラー軸方向における各ブレードの長さの関係について説明する。図5において、Ltは中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さ、すなわち中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の第1の端部40aと第2の端部40bの間の長さ、Liは中間転写ベルト40に形成される画像Iの中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さ、Lbはバイアスクリーニングローラー71の軸方向長さ、すなわちバイアスクリーニングローラー71の軸方向の第1の端部71aと第2の端部71bの間の長さ、Ltbは転写ベルトクリーニングブレード75の中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さ、すなわち中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の第1の端部75aと第2の端部75bの間の長さ、である。
【0072】
また、Lr1は第1逆回転クリーニングローラー731の長さ、すなわち第1逆回転クリーニングローラー731の軸方向の第1の端部731aと第2の端部731bの間の長さ、Lr2は第2逆回転クリーニングローラー732の長さ、すなわち第2逆回転クリーニングローラー732の軸方向の第1の端部732aと第2の端部732bの間の長さ、Lrb1は第1逆回転クリーニングローラー用ブレード741の長さ、すなわち第1逆回転クリーニングローラー731の軸方向の第1の端部741aと第2の端部741bの間の長さ、Lrb2は第2逆回転クリーニングローラー用ブレード742の長さ、すなわち第2逆回転クリーニングローラー732の軸方向の第1の端部742aと第2の端部742bの間の長さである。
【0073】
また、Lrは逆回転クリーニングローラー73の軸方向外側間の長さ、すなわち、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第1逆回転クリーニングローラー731の第1の端部731aと第2逆回転クリーニングローラー732の第2の端部732bの間の長さである。さらに、Lriは逆回転クリーニングローラー73の軸方向内側間の長さ、すなわち、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第1逆回転クリーニングローラー731の第2の端部731bと第2逆回転クリーニングローラー732の第1の端部732aの間の長さである。
【0074】
また、Lrbは逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第1逆回転クリーニングローラー用ブレード741の外側間の長さ、すなわち、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第1逆回転クリーニングローラー用ブレード741の第1の端部741aと第2逆回転クリーニングローラー用ブレード742の第2の端部742b間の長さである。さらに、Lrbiは逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の内側間の長さ、すなわち、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第1逆回転クリーニングローラー用ブレード741の第2の端部741bと第2逆回転クリーニングローラー用ブレード742の第1の端部742aの間の長さである。
【0075】
第2実施形態では、逆回転クリーニングローラー73の軸方向の外側間の長さLr及び逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の外側間の長さLrbを中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLtよりも長くする。また、逆回転クリーニングローラー73の軸方向の内側間の長さLri及び逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の内側間の長さLrbiを中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLtよりも短くする。
【0076】
具体的には、以下の式(1)を満たす関係とする。
Lrbi<Lri<Li<Lb<Ltb<Lt<Lrb<Lr (2)
【0077】
例えば、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向における画像Iの長さLi=325mm、バイアスクリーニングローラー71の軸方向の長さLb=340mm、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向における転写ベルトクリーニングブレード75の長さLtb=354mm、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLt=374mm、第1逆回転クリーニングローラー731の軸方向の長さLr1=100mm、及び第2逆回転クリーニングローラー732の軸方向の長さLr2=100mm、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第1逆回転クリーニングローラー用ブレード741の長さLrb1=100mm、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第2逆回転クリーニングローラー用ブレード742の長さLrb2=100mmとする。
【0078】
なお、Lri,Lrbiは、少なくとも中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLt及び転写ベルトクリーニングブレード75の移動方向と直交する方向の長さLtbよりも短ければよい。
【0079】
このように、逆回転クリーニングローラー73の軸方向の外側間の長さLr及び逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の外側間の長さLrbを中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLt及び中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向における転写ベルトクリーニングブレード75の長さLtbよりも長くすることにより、逆回転クリーニングローラー73を逆回転クリーニングローラー用ブレード74でクリーニングする際に、逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74の外側の端部にキャリア液が溜まる場合があったとしても、キャリア液の溜まる場所は、中間転写ベルト40の第1の端部40a及び第2の端部40bよりも逆回転クリーニングローラー73の軸方向の外側となる。したがって、トナーを含むキャリア液が中間転写ベルト40の裏側へ回り込み、中間転写ベルト40の駆動性能が低下することが低減される。
【0080】
また、中間転写ベルト40に当接してクリーニングすると共に、軸方向の長さがバイアスクリーニングローラー71の長さより長く、中間転写ベルト40の軸方向の長さより短い転写ベルトクリーニングブレード75をさらに有するので、中間転写ベルト40を3回クリーニングすることとなりクリーニング性能が向上する。
【0081】
また、逆回転クリーニングローラー73として中間転写ベルト40の第1の端部40aに対応した第1逆回転クリーニングローラー731及び第2の端部40bに対応した第2逆回転クリーニングローラー732を配設することによって、逆回転クリーニングローラー73が中央部で中間転写ベルト40と当接することがなくなり、バイアスクリーニングローラー71、転写ベルトクリーニングブレード75及び逆回転クリーニングローラー73が中間転写ベルト40に当接することによってかかる負荷トルクを軽減する。
【0082】
さらに、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732の軸方向の内側間の長さLri、並びに逆回転クリーニングローラー73の軸方向における第1逆回転クリーニングローラー用ブレード741及び第2逆回転クリーニングローラー用ブレード742の内側間の長さLrbiを中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向の長さLtよりも短くすることで、第1逆回転クリーニングローラー731及び第2逆回転クリーニングローラー732がそれぞれ中間転写ベルト40の第1の端部40a及び第2の端部40bに対応して当接することが可能となると共に、バイアスクリーニングローラー71、転写ベルトクリーニングブレード75及び逆回転クリーニングローラー73が中間転写ベルト40に当接することによってかかる負荷トルクをさらに軽減することが可能となる。
【0083】
さらに、一般によく用いられている転写ベルトクリーニングブレード75をそのまま活用しながら、逆回転クリーニングローラー73及び逆回転クリーニングローラー用ブレード74を付加するだけで、従来からのクリーニング性能はそのままでありながら、液リング等に対するクリーニング性能が向上し、構成上変更が少なく、工数や開発コスト等を軽減することが可能となる。
【0084】
図6は、第3実施形態を示す図である。第3実施形態では、逆回転クリーニングローラー73にバイアスクリーニングローラー71とは逆の極性バイアスを印加する。他の構成は、第1実施形態と同様である。なお、第2実施形態の逆回転クリーニングローラー73である第1逆回転クリーニングローラー731と第2逆回転クリーニングローラー732にバイアスクリーニングローラー71とは逆の極性バイアスを印加する構成としてもよい。
【0085】
このように、逆回転クリーニングローラー73にバイアスクリーニングローラー71とは逆の極性のバイアスを印加することで、バイアスクリーニングローラー71ではクリーニングされずに電荷注入されて残余したトナーを、電気的な逆極性で引き付けて除去することが可能となる。
【0086】
次に、転写ベルトクリーニング部70の制御について説明する。
【0087】
図7は転写ベルトクリーニング部の制御ブロック図である。なお、図7において、CLはクリーニングを示す。
【0088】
図7に示すように、MCU(Micro Control Unit)等からなる制御部101は、ACサーボモーターからなるベルト駆動ローラー用駆動モーター122の回転位置情報を、ベルト駆動ローラー用駆動モータードライバ回路121によって負荷トルク情報として入力する。すなわち、ベルト駆動ローラー用駆動モータードライバ回路121は、回転位置情報から負荷トルクを検出するトルク検出部を有する。
【0089】
なお、ACサーボモーターは、モーター軸にかかる負荷トルクが変化した場合であっても、サーボ制御により、モーターの回転速度を一定に保持する機能を有する。そのため、速度ムラが画像の欠陥に結びつく駆動系に使用される。例えば、中間転写ベルト40に形成されたトナー像を紙に転写する際に紙が中間転写ベルト40に対して突発的な負荷を発生させる場合であっても、ベルト駆動ローラー用駆動モータードライバ回路121が回転位置情報からのベルト駆動ローラー用駆動モーター122の回転ムラを瞬時に検出して、回転速度が一定に保持されるように電流値を変化させるというフィードバック制御を行うことが可能である。このフィードバック制御は、制御部101を介さずに、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122とベルト駆動ローラー用駆動モータードライバ回路121との間の信号の送受信で行ってもよい。
【0090】
負荷トルク情報を受信した制御部101は、逆回転クリーニングローラー用駆動モータードライバ回路111にパルス信号からなる速度指令を送信する。逆回転クリーニングローラー用駆動モータードライバ回路111は、ステッピングモーターからなる逆回転クリーニングローラー用駆動モーター112のコイルに流れる電流のON/OFFや電流値を変化させて、モーターの回転速度や出力トルクを制御する。
【0091】
また、同様に、制御部101は、バイアスクリーニングローラー用駆動モータードライバ回路131にパルス信号からなる速度指令を送信する。バイアスクリーニングローラー用駆動モータードライバ回路131は、ステッピングモーターからなるバイアスクリーニングローラー用駆動モーター132のコイルに流れる電流のON/OFFや電流値を変化させて、モーターの回転速度や出力トルクを制御する。
【0092】
さらに、制御部101は、ベルト駆動ローラー用駆動モータードライバ回路121にパルス信号からなる速度指令を送信する。ベルト駆動ローラー用駆動モータードライバ回路121は、ACサーボモーターからなるベルト駆動ローラー用駆動モーター122のコイルに流れる電流のON/OFFや電流値を変化させて、モーターの回転速度や出力トルクを制御する。
【0093】
なお、各モーターの速度指令を行う各パルス信号は、周波数の高低によって、各モーター速度を設定する。
【0094】
次に、転写ベルトクリーニング部70の制御について説明する。
【0095】
逆回転クリーニングローラー73と中間転写ベルト40との摩擦力は、中間転写ベルト40に残留したトナー量や中間転写ベルト40の表面劣化状態によって変動する。そして、その負荷変動を受けるベルト駆動ローラー用駆動モーター122は等速回転を維持できなくなり、中間転写ベルト40の速度ムラが発生し、バンディングという画質欠陥が発生する可能性がある。
【0096】
そこで、本実施形態では、バイアスクリーニングローラー71の周速度を制御することにより、転写ベルトクリーニングブレード75及び逆回転クリーニングローラー73が中間転写ベルト40に当接することによってかかる負荷トルクを軽減する。なお、バイアスクリーニングローラー71の周速度は、バイアスクリーニングローラー71の回転方向、すなわち図2における時計回りを正とする。
【0097】
図8は転写ベルトクリーニング部の制御のフローチャート図である。このフローチャートは、制御部101のMCUのプログラムに実装され、バイアスクリーニングローラー71の周速度を補正するものであって、印刷や電源投入時等のクリーニング動作で実行される。なお、図8においてCLはクリーニングを示す。
【0098】
図8に示すように、まず、ステップ1で、逆回転クリーニングローラー73、ベルト駆動ローラー41及びバイアスクリーニングローラー71の各駆動モーター112,122,132を起動する(ST1)。
【0099】
なお、逆回転クリーニングローラー73の回転方向は、起動時に中間転写ベルト40と当接している箇所で周面が中間転写ベルト40と同じ方向に移動し、徐々に速度を遅くして、その後、中間転写ベルト40と当接している箇所で周面が中間転写ベルト40と逆方向に移動するように設定してもよい。
【0100】
このように設定することで、中間転写ベルト40と逆回転クリーニングローラー73の当接している箇所の起動時の衝撃を和らげることが可能となる。
【0101】
次に、ステップ2で、逆回転クリーニングローラー73、ベルト駆動ローラー41及びバイアスクリーニングローラー71の全駆動モーター112,122,132が定常回転をしているか否かを判断する(ST2)。ステップ2において、定常回転をしていない駆動モーターがある場合、ステップ2に戻る。
【0102】
ステップ2において、全駆動モーター112,122,132が定常回転をしていると判断された場合、ステップ3で、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた規定の範囲内であるか否かを判断する(ST3)。
【0103】
ステップ3において、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた規定の範囲内である場合、ステップ4で、印刷処理又はクリーニング処理を行い(ST4)、続いて、ステップ5で、逆回転クリーニングローラー73、ベルト駆動ローラー41及びバイアスクリーニングローラー71の全駆動モーター112,122,132を停止する(ST5)。
【0104】
ステップ3において、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲内でない場合、ステップ6で、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の上限規定値よりも高いか否か判断する(ST6)。
【0105】
ステップ6において、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の上限規定値よりも高い場合、ステップ7で、バイアスクリーニングローラー用駆動モーター132の回転速度を増速し、バイアスクリーニングローラー71の周速が増速するように制御する(ST7)。
【0106】
ステップ6において、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の上限規定値よりも高くない場合、すなわち、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の下限規定値よりも低い場合、ステップ8で、バイアスクリーニングローラー用駆動モーター132の回転速度を減速し、バイアスクリーニングローラー71の周速度が減速するように制御する(ST8)。
【0107】
次に、ステップ7及びステップ8の後、ステップ3に戻る。
【0108】
なお、ステップ6では、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の下限規定値よりも低いか否かを判断してもよい。このように判断した際、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の下限規定値よりも低い場合には、バイアスクリーニングローラー用駆動モーター132の回転速度を減速し、バイアスクリーニングローラー71の周速度が減速するように制御し、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の下限規定値よりも低くない場合、すなわち、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の上限規定値よりも高い場合には、バイアスクリーニングローラー用駆動モーター132の回転速度を増速し、バイアスクリーニングローラー71の周速度が増速するように制御する。
【0109】
したがって、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の上限規定値よりも高い場合、バイアスクリーニングローラー用駆動モーター132の回転速度を増速し、バイアスクリーニングローラー71の周速度が増速するので、転写ベルトクリーニングブレード75及び逆回転クリーニングローラー73が中間転写ベルト40に当接することによってかかる負荷トルクを軽減し、適切な周速度関係とすることが可能となる。
【0110】
また、ベルト駆動ローラー用駆動モーター122の負荷トルクがあらかじめ決めておいた範囲の下限規定値よりも低い場合、バイアスクリーニングローラー用駆動モーター132の回転速度を減速し、バイアスクリーニングローラー71の周速度が減速するので、転写ベルトクリーニングブレード75及び逆回転クリーニングローラー73の中間転写ベルト40に対する負荷トルクを強くし、適切な周速度関係とすることが可能となる。
【0111】
本実施形態のクリーニング装置によれば、移動する中間転写ベルト40と周面が当接するとともに、周面が中間転写ベルト40と同じ方向に移動し、中間転写ベルト40にバイアスを印加するバイアスクリーニングローラー71と、当接したバイアスクリーニングローラー71でクリーニングされた中間転写ベルト40と当接するとともに、中間転写ベルト40の移動方向と逆方向に周面が移動する逆回転クリーニングローラー73と、を有するので、中間転写ベルト40を二度クリーニングすることとなり、しかも逆回転クリーニングローラー73は残りトナー及びキャリア液に対して大きな抵抗力となるので、クリーニング性能が向上し、液リングの発生を低減することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明にかかる画像形成装置によれば、潜像を担持する感光体10Y,10M,10C,10Kと、感光体10Y,10M,10C,10Kを帯電する帯電器11Y,11M,11C,11Kと、帯電器11Y,11M,11C,11Kで帯電された感光体10Y,10M,10C,10Kを露光して潜像を形成する露光ユニット12Y,12M,12C,12Kと、感光体10Y,10M,10C,10Kに形成された潜像をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像する現像装置30Y,30M,30C,30Kと、感光体10Y,10M,10C,10Kに現像された像が転写され、転写された像を担持して移動する中間転写ベルト40と、中間転写ベルト40に担持された像を転写媒体へ転写する二次転写部60と、二次転写部60で像を転写媒体に転写した中間転写ベルト40と周面が当接するとともに周面が中間転写ベルト40と同じ方向に移動してバイアスを印加するバイアスクリーニングローラー71、及び当接したバイアスクリーニングローラー71でクリーニングされた中間転写ベルト40と当接するとともに中間転写ベルト40の移動方向と逆方向に周面が移動する逆回転クリーニングローラー73を有する転写ベルトクリーニング部70と、を有することを特徴とするので、中間転写ベルト40を二度クリーニングすることとなり、しかも逆回転クリーニングローラー73は残りトナー及びキャリア液に対して大きな抵抗力となるので、クリーニング性能が向上し、液リングの発生を低減し、画質を向上することが可能となる。
【0113】
また、逆回転クリーニングローラー73の周速度は、中間転写ベルト40の移動速度より大きいので、逆回転クリーニングローラー73によって単位時間当たりに擦り切られる残りトナー及びキャリア液の量は、トナーの種類や経時変化等の粘度変化によらず、逆回転クリーニングローラー73に単位時間当たりに流入する残りトナー及びキャリア液の量より多くなり、残りトナー及びキャリア液が逆回転クリーニングローラー73と中間転写ベルト40とが接触する部分に滞留することが低減される。したがって、残りトナー及びキャリア液が中間転写ベルト40の駆動性能を低下させることが低減される。
【0114】
また、逆回転クリーニングローラー73に当接してクリーニングする逆回転クリーニングローラー用ブレード74を有し、逆回転クリーニングローラー73の軸方向の長さは、移動方向と直交する方向の中間転写ベルト40の長さよりも長く、かつ逆回転クリーニングローラー73の軸方向における逆回転クリーニングローラー用ブレード74と逆回転クリーニングローラー73との当接幅は、逆回転クリーニングローラー73と中間転写ベルト40との当接幅よりも長いので、逆回転クリーニングローラー73を逆回転クリーニングローラー用ブレード74でクリーニングする際に、逆回転クリーニングローラー用ブレード74の両端にキャリア液が溜まる場合があったとしても、キャリア液の溜まる場所は、中間転写ベルト40よりも軸方向の外側となるので、中間転写ベルト40にキャリア液が付着することが低減される。
【0115】
また、バイアスクリーニングローラー71によりクリーニングされた中間転写ベルト40と当接する中間転写ベルト用クリーニングブレード75を有し、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向における中間転写ベルト用クリーニングブレード75と中間転写ベルト40との当接幅は、バイアスクリーニングローラー71と中間転写ベルト40との当接幅よりも長く、中間転写ベルト40の移動方向と直交する方向における中間転写ベルト用クリーニングブレード75の幅は、中間転写ベルト40の幅よりも短いので、中間転写ベルト40を3度クリーニングすることとなりクリーニング性能が向上するとともに、中間転写ベルト用クリーニングブレード75のクリーニング性能が高いので、逆回転クリーニングローラー73に対するクリーニング性能を評価する必要がなく、コストを低く抑えることが可能となる。
【0116】
また、中間転写ベルト40を移動させたときの負荷トルクを検出する負荷トルク検出部と、負荷トルク検出部で検出された値に基づいてバイアスクリーニングローラー71の周速度を制御する制御部101と、を有するので、中間転写ベルト40にかかる負荷トルクを調整し、適切な周速関係とすることが可能となる。
【0117】
また、制御部101は、負荷トルク検出部で検出された値が第1の負荷トルクのときに、バイアスクリーニングローラー71を第1の周速度で回転させ、負荷トルク検出部で検出された値が、第1の負荷トルクよりも高い第2の負荷トルクのとき、バイアスクリーニングローラー71の周速度を第1の周速度よりも速い第2の周速度で回転させるので、中間転写ベルト40にかかる負荷トルクを軽減することが可能となる。
【0118】
また、逆回転クリーニングローラー73は、バイアスクリーニングローラー71が中間転写ベルト40に印加するバイアスとの逆極性のバイアスを印加するので、バイアスクリーニングローラー71ではクリーニングされずに電荷注入されて残余したトナーを、電気的な逆極性で引き付けて除去することが可能となる。
【符号の説明】
【0119】
10Y,10M,10C,10K…感光体(潜像担持体)、11Y,11M,11C,11K…帯電器(帯電部)、12Y,12M,12C,12K…露光ユニット(露光部)、13Y,13M,13C,13K…第1スクイーズローラー(スクイーズ装置)、14Y,14M,14C,14K…第1スクイーズローラークリーニングブレード(スクイーズ装置)、15Y,15M,15C,15K…第2スクイーズローラー(スクイーズ装置)、16Y,16M,16C,16K…第2スクイーズローラークリーニングブレード(スクイーズ装置)、17Y,17M,17C,17K…感光体クリーニングローラー、18Y,18M,18C,18K…感光体クリーニングローラーブレード、19Y,19M,19C,19K…感光体クリーニングブレード、20Y,20M,20C,20K…現像ローラー(現像剤担持体)、21Y…現像ローラークリーニングブレード(現像剤担持体クリーニング部材)、22Y…コンパクションコロナ発生器(コロナ発生器)、30Y,30M,30C,30K…現像装置(現像部)、31Y,31M,31C,31K…現像剤容器、32Y,32M,32C,32K…アニロックスローラー(現像剤供給部材)、33Y…現像剤規制ブレード、34Y…回収オーガ、40…中間転写ベルト(被クリーニング部材、像担持体)、41…ベルト駆動ローラー、42…テンションローラー、50Y,50M,50C,50K…一次転写部、51Y,51M,51C,51K…一次転写ローラー、60…二次転写部、61…二次転写ローラー、62…二次転写ローラークリーニングブレード、70…転写ベルトクリーニング部(像担持体クリーニング部)、71…バイアスクリーニングローラー(第1クリーニングローラー、第1像担持体クリーニングローラー)、72…バイアスクリーニングローラー用ブレード(第1クリーニングローラー用ブレード、第1像担持体クリーニングローラー用ブレード)、73…逆回転クリーニングローラー(第2クリーニングローラー、第1像担持体クリーニングローラー)、74…逆回転クリーニングローラー用ブレード(第2クリーニングローラー用ブレード、第2像担持体クリーニングローラー用ブレード)、75…転写ベルトクリーニングブレード(被クリーニング部材クリーニングブレード、像担持体クリーニングブレード)、101…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する被クリーニング部材と周面が当接するとともに、前記周面が前記被クリーニング部材と同じ方向に移動し、前記被クリーニング部材にバイアスを印加する第1のクリーニングローラーと、
当接した前記第1のクリーニングローラーでクリーニングされた前記被クリーニング部材と当接するとともに、前記被クリーニング部材の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラーと、
を有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体を帯電する帯電部と、
前記帯電部で帯電された前記潜像担持体を露光して前記潜像を形成する露光部と、
前記潜像担持体に形成された前記潜像をトナー及びキャリア液を含む液体現像剤で現像する現像部と、
前記潜像担持体に現像された像が転写され、転写された前記像を担持して移動する像担持体と、
前記像担持体に担持された前記像を転写媒体へ転写する転写部と、
前記転写部で前記像を前記転写媒体に転写した前記像担持体と周面が当接するとともに前記周面が前記像担持体と同じ方向に移動して前記像担持体にバイアスを印加する第1のクリーニングローラー、及び当接した前記第1のクリーニングローラーでクリーニングされた前記像担持体と当接するとともに前記像担持体の移動方向と逆方向に周面が移動する第2のクリーニングローラーを有するクリーニング部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第2のクリーニングローラーの周速度は、前記像担持体の移動速度より大きい請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2のクリーニングローラーに当接してクリーニングするクリーニングブレードを有し、
前記第2のクリーニングローラーの軸方向の長さは、移動方向と直交する方向の前記像担持体の長さよりも長く、
かつ前記クリーニングブレードの前記第2のクリーニングローラーの軸方向における前記クリーニングブレードと前記第2のクリーニングローラーとの当接幅は、前記第2のクリーニングローラーと前記像担持体との当接幅よりも長い請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1のクリーニングローラーによりクリーニングされた前記像担持体と当接する像担持体クリーニングブレードを有し、
前記像担持体の移動方向と直交する方向における前記像担持体クリーニングブレードと前記像担持体との当接幅は、前記第1のクリーニングローラーと前記像担持体との当接幅よりも長く、
前記像担持体の移動方向と直交する方向における前記像担持体クリーニングブレードの幅は、前記像担持体の幅よりも短い請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像担持体を移動させたときの負荷トルクを検出する負荷トルク検出部と、
前記負荷トルク検出部で検出された値に基づいて前記第1のクリーニングローラーの周速度を制御する制御部と、
を有する請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記負荷トルク検出部で検出された値が第1の負荷トルクのときに、前記第1のクリーニングローラーを第1の周速度で回転させ、
前記負荷トルク検出部で検出された値が、前記第1の負荷トルクよりも高い第2の負荷トルクのとき、前記第1のクリーニングローラーの周速度を前記第1の周速度よりも速い第2の周速度で回転させる請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2のクリーニングローラーは、前記第1のクリーニングローラーが前記像担持体に印加するバイアスと逆極性のバイアスを印加する請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−232517(P2011−232517A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102210(P2010−102210)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】