説明

グラフト材料を組み立てるために有用な繊維およびヤーン

【課題】可撓性であり、耐摩耗性であって、高度に耐久性のある、薄肉グラフト材料を形成することのできる繊維またはヤーンを提供する。
【解決手段】少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維12および少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維10を含む複合ヤーンであって、前者と後者との繊維の本数の比が役1:4〜4:1であり、前者と後者との繊維の合計本数が5〜150本の範囲である複合ヤーン。ポリマー内部コアおよびポリマー外部シースを含む共押出しフィラメントを適用することも好ましい。このポリマー内部コアは可撓性ポリマー材料を含有し、このポリマー外部シースは耐摩耗性ポリマー材料を含有する。この複合ヤーンおよび共押出しフィラメントは、相乗作用によって耐久性と可撓性とを組み合わせ、グラフト材料を組み立てるのに特に有用となる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、血管グラフト(vascular graft: 人工血管)または他のグラフト装置(graft devices)におけるグラフト材料(graft materials)として有用な繊維(fibers)およびヤーン(yarns)に関する。本発明は、具体的には、複合ヤーン(composite yarn)、共押出しフィラメント(co-extruded filament)、および、強化繊維のグラフト材料(reinforced fiber graft material)に関する。本発明はまた、縫合糸の結び目(suture knots)を使用せずにグラフト装置を組み立てる方法にも関する。
【0002】
〔発明の背景〕
グラフト装置は、機能不全の生体構造物を取り替えるために、または、それに関連する疾患を治療するために、広く使用されている。例えば、様々な血管グラフトは、現在、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)で認可されており、広範囲に渡る血管疾患を治療するために市販されている。血管グラフトは典型的には、1つ以上のステントセグメント(stent segments)と、グラフト材料と、縫合糸の結び目とを有する。それらの結び目は、グラフト材料を1つ以上のステントセグメントの外側部分に固定するような方法で結び付けられている。ステントセグメントは、拡張可能なワイヤーメッシュ、または、中空の穴あきチューブ(hollow perforated tube)である。グラフト材料は、生体適合材料の繊維またはヤーンによって、製織(weaving)工程、編成(knitting)工程、または編組(braiding)工程を経て形成されている。
【0003】
グラフト装置(とりわけ、血管グラフト)の開発に関連する1つの主な課題は、適切なグラフト材料が欠如していることである。グラフト材料の生体安定性および生体適合性は、グラフト装置を使用することに非常に重要である。血管グラフトは、長期に渡る使用、または、半永久的な使用が意図されており、かつ、体組織、体液、および、様々な生体分子と直接接触するため、血管グラフトのグラフト材料は、厳しい生物学的および物理的な必要条件を満たさなければならない。
【0004】
血管グラフト(とりわけ、そのグラフト材料)は、体内部において血管内に配置されると、拍動血圧に起因して、特に、流体力学的な大きい力、および、ステントセグメント(stent segments)とこのグラフト材料との間の相対運動または摩擦を受ける。本質的に、これらの力および相対運動は、グラフト材料がステントセグメントに連結されている点においてこのグラフト材料を摩損する傾向がある。このグラフト材料は、時間が経過すると、血管グラフトの性能を著しく損なう微小な漏れ(microleaks)を引き起こすことがある。したがって、グラフト材料は、耐摩耗性であり、かつ、高度な耐久性がある必要がある。さらに、血管グラフトは、有害な応力を引き起こすことなく、患者の体の解剖学的構造に形状が整合する必要がある。したがって、グラフト材料は、可撓性であり、かつ、潤滑性である必要がある。
【0005】
従来技術のグラフト材料は、所望の可撓性と耐久性とを達成させるために、混合された状態で様々な特性を有する複数種のヤーンを利用している。例えば、可撓性材料のヤーンと耐摩耗性材料のヤーンとは、グラフト材料を形成するために、組み合わせて使用することができる。しかし、所望の可撓性および耐久性を満たすために異種のヤーンを混合することによって形成されたグラフト材料は、しばしば嵩張り過ぎる。血管グラフトは主に、血管の1つの切断部分から、同一の血管または異なる血管のもう1つの切断部分までの流体の流路(fluid flow path)を確立するために利用されるため、血管グラフトは、低プロフィール、すなわち、小さい寸法を有することが好ましい。より低いプロフィールはまた、血管グラフトの運動性(maneuverability)も改善する。血管グラフトの寸法は、薄肉のグラフト材料を使用すること、および/または、縫合糸の結び目の数を減らすことによって小さくすることができる。しかし、従来の繊維またはヤーンによって形成される薄肉のグラフト材料の耐久性は、標準の厚さを有するグラフト材料の耐久性と比べて、実質的に小さい。さらに、縫合糸の結び目は、接続(connection)を固定し、かつ、ステントセグメントとグラフト材料との間の相対運動を最小限に抑えることに重要である。従来の血管グラフトにおいて、各々のステントセグメントの各々のストラット(strut)はほとんど、縫合糸の結び目によってグラフト材料に固定される。
【0006】
したがって、可撓性であり、耐摩耗性であって、高度に耐久性のある、肉のグラフト材料を形成することのできる繊維またはヤーンに対する要望が存続している。
【0007】
〔発明の概要〕
したがって、本発明は、グラフト材料を組み立てるための複合ヤーンであって、少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維、および、少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維を有する複合ヤーンを提供する。本発明の複合ヤーンにおいて、少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と、少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、約5本〜約150本の範囲であり、かつ、「少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維の本数」対「少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維の本数」の比は、約1:4〜約4:1である。少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、約10本〜約50本の範囲であることが好ましい。
【0008】
本発明はまた、ポリマー内部コア(polymeric inner core)およびポリマー外部シース(polymeric outer sheath)を含む共押出しフィラメントを提供する。このポリマー内部コアは、可撓性ポリマー材料を含有し、このポリマー外部シースは、耐摩耗性ポリマー材料を含有する。ポリマー外部シースの融点は、ポリマー内部コアの融点より低い。
【0009】
本発明は、もう1つの態様において、グラフト装置を組み立てる方法を提供する。本発明の方法は、1つ以上の骨組み構造体(scaffold structure)を提供する段階と;ポリマー内部コアとポリマー外部シースとを含む共押出しフィラメントによって形成されるグラフト材料を提供する段階であって、このポリマー内部コアが可撓性ポリマー材料を含有し、このポリマー外部シースが耐摩耗性ポリマー材料を含有し、かつ、このポリマー外部シースの融点がこのポリマー内部コアの融点よりも低い、段階と;このグラフト材料を前記の1つ以上の骨組み構造体の外側部分に接触させて配置して、骨組み‐グラフト組み立て体を形成する段階と;この骨組み‐グラフト組み立て体を加熱して、このグラフト材料を前記1つ以上の骨組み構造体の外側部分に固定する段階と;を含む。
【0010】
本発明はまた、耐摩耗性ビーズおよび可撓性ポリマー繊維の織物を含む強化繊維グラフトであって、この耐摩耗性ビーズが、前記可撓性ポリマー繊維に取り付けられている、強化繊維グラフトを提供する。
【0011】
〔発明の詳細な記述〕
本発明は、グラフト材料を組み立てるための複合ヤーンを提供する。複合ヤーンは、少なくとも2種類の繊維、すなわち、少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維、および、少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維を含む。少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、約5本〜約150本の範囲である。少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、約10本〜約50本の範囲であることが好ましい。「少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維の本数」対「少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維の本数」の比は、約1:4〜約4:1である。本明細書で使用する用語「ヤーン(yarn)」は、長い連続長の絡み合った繊維(interlocked fibers)を意味する。本発明のポリマー繊維は、モノフィラメントまたは共押出しフィラメントである場合がある。「モノフィラメント(monofilament)」は、1種類のポリマー材料からなる繊維の単一のストランド(single strand)を意味する。「共押出しフィラメント(co-extruded filament)」は、少なくとも2種類のポリマー材料を共に押出すことによって形成された単一のストランドを意味する。本発明の複合ヤーンは、約15〜約500の範囲のデニール、および、約1.5GPa〜約3.5GPaの範囲の引張り強度を有することが好ましい。本明細書で使用する用語「デニール(denier)」は、9000m当りの質量(g)と定義される。
【0012】
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、硬質で耐摩耗性である任意のポリマーの繊維であってもよい。「耐摩耗性の(wear-resistant)」は、凝着摩耗(adhesive wear)、磨損(abrasive wear)、腐食摩耗(corrosive wear)および表面疲労(surface fatigue)を包含する、摩耗の力または作用に耐久することができることを意味する。本発明の耐摩耗性ポリマー繊維に適したポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)(poly(ether amide))、ポリ(エーテルエステル)(poly(ether ester))、ポリ(エーテルウレタン)(poly(ether urethane))、ポリ(エステルウレタン)(poly(ester urethane))、ポリ(エチレン−スチレン/ブチレン−スチレン)(poly(ethylene-styrene/butylene-styrene))、および、他のブロック共重合体を包含するが、それらに限定されない。耐摩耗性ポリマー繊維は、超高分子量ポリエチレン、および、超高分子量ポリプロピレンの繊維であることが好ましい。本明細書で使用する用語「超高分子量ポリエチレン(ultra high molecular weight polyethylene)」および「超高分子量ポリプロピレン(ultra high molecular weight polypropylene)」は、それぞれ、1分子当り600万〜1200万のエチレン単位を有するポリエチレン、および、1分子当り600万〜1200万のエチレン単位を有するポリプロピレンを意味する。超高分子量ポリエチレンは、UHMWPE、またはダイニーマ(Dyneema)(登録商標)としても知られている。
【0013】
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、可撓性であり潤滑性である任意のポリマーの繊維であってもよい。本発明の可撓性ポリマー繊維に適したポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、およびフッ素化ポリマー(fluorinated polymer)を包含するが、それらに限定されない。可撓性ポリマー繊維に適したポリマーの例は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、および、ポリ(フッ化ビニリデン)(poly(vinylidene fluoride))を包含するが、それらに限定されない。可撓性ポリマー繊維は、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの繊維であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、ダクロン(Dacron)(登録商標)としても知られている。本明細書で使用する用語「低密度ポリプロピレン(low density polypropylene)」および「低密度ポリエチレン(low density polyethylene)」は、それぞれ、多数の短鎖および長鎖の枝分かれと、約0.91g/mL〜約0.94g/mL(約0.91g/cc〜約0.94g/cc)の密度範囲と、を有するポリプロピレンおよびポリエチレンを意味する。
【0014】
本発明において、少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、本発明の複合ヤーンに可撓性および潤滑性を与えるのに対し、少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、本発明の複合ヤーンに強度および耐久性を与える。本発明の複合ヤーンの特性(例えば、可撓性および耐久性)は、意図された用途または性能要件に応じて、繊維材料の選択、および/または、繊維のストランドの配列によって制御することができる。すなわち、本発明の複合ヤーンの特性は、異なる耐摩耗性ポリマー繊維および可撓性ポリマー繊維を使用すること、「耐摩耗性ポリマー繊維」対「可撓性ポリマー繊維」の比を変更すること、および/または、本発明の複合ヤーンの内部の、耐摩耗性ポリマー繊維と可撓性ポリマー繊維との配向を調整することによって調整することができる。換言すれば、様々な量の少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維とを混合して配置し、本発明の複合ヤーンのための可撓性と耐久性とのバランスを達成することができる。例えば、本発明の複合ヤーンの可撓性は、「少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維」対「少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維」の比を減少させることによって改善することができ、一方で、本発明の複合ヤーンの強度および耐久性は、「少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維」対「少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維」の比を増大させることによって向上させることができる。少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維が中央芯材を形成するように配置され、少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維が、この中央芯材を取り囲む周辺部(periphery)を形成するように配置される場合、結果として得られる複合ヤーンは、可撓性の潤滑性表面および強度のある芯を有する。代替的に、少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維が中央芯材を形成するように配置され、少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維が、この中央芯材を取り囲む周辺部を形成するように配置される場合、結果として得られる複合ヤーンは、強度のある耐摩耗性表面および可撓性の芯を有する。本発明の複合ヤーンの可撓性と耐久性とを均等に均衡させる必要がある場合、少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維、および少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、2本1組にして均等に混合することができる。加えて、本発明の複合ヤーンにおけるこれらのポリマー繊維は、共押出しフィラメントであり、様々なポリマー材料の個々の特性を組み合わせることができる。
【0015】
図1A〜図1Dは、複数本の耐摩耗性ポリマー繊維および複数本の可撓性ポリマー繊維を有する本発明の複合ヤーンの、4つの実施例の断面図を示す。図1Aにおいて、本発明の複合ヤーンは、周辺部に耐摩耗性ポリマー繊維が配置された束の状態で、6本の耐摩耗性ポリマー繊維と11本の可撓性ポリマー繊維とを含んでいる。図1Bにおいて、本発明の複合ヤーンは、12本の耐摩耗性ポリマー繊維と5本の可撓性ポリマー繊維とを束の状態で含んでおり、この束においては、可撓性ポリマー繊維が、中央芯材を形成するように配置されており、耐摩耗性ポリマー繊維が、この中央芯材を取り囲む周辺部を形成するように配置されている。これらの図面において、薄い灰色(すなわち、参照符号10)は可撓性ポリマー繊維を意味し、濃い灰色(すなわち、参照符号12)は耐摩耗性ポリマー繊維を意味する。図1Cにおいて、本発明の複合ヤーンは、5本の耐摩耗性ポリマー繊維と12本の可撓性ポリマー繊維とを束の状態で含んでおり、この束においては、耐摩耗性ポリマー繊維が、中央芯材を形成するように配置されており、可撓性ポリマー繊維が、この中央芯材を取り囲む周辺部を形成するように配置されている。図1Dにおいて、本発明の複合ヤーンは、7本の耐摩耗性ポリマー繊維と7本の可撓性ポリマー繊維とを束の状態で含んでおり、この束においては、この耐摩耗性ポリマー繊維とこの可撓性ポリマー繊維とは、2本1組で混合されている。すなわち、図1Dにおいて、この耐摩耗性ポリマー繊維とこの可撓性ポリマー繊維とは、均等になるように配列されて、本発明の複合ヤーンを形成している。
【0016】
本発明の複合ヤーンは、相乗作用によって可撓性と耐久性とを組み合わせ、これにより、グラフト材料の組み立てに用いるのに特に好適となる。異なる材料の複数種類のヤーンを混合する従来技術の方法と違い、本発明は、様々なポリマー繊維を混合して複合ヤーンを形成する。本発明の複合ヤーンから製造された織物(fabric)は、特定の特性を得るために異なるヤーンを混合することによって製造された織物と比べて、減少された織物の厚さとともに、同一の特性、または改善された特性を達成することができる。したがって、本発明の複合ヤーンは、血管グラフト、または他のグラフト装置のためのグラフト材料を構成するのに用いられる場合、改善された所望の諸特性のバランスを示すだけでなく、所望の機械特性を達成するのに必要とされる、材料の全厚さを最小限に抑え、これにより、耐久性の向上された薄肉のグラフト材料が提供される。さらに、本発明の複合ヤーンは、グラフト材料のためのより均質な混合物(blend)を提供し、したがって、グラフト材料の性能を向上する。
【0017】
本発明の1つの好ましい実施例において、本発明の1つの複合ヤーンは、ポリウレタンテレフタレートのポリマー繊維、および超高分子量ポリウレタンのポリマー繊維を含み、ポリマー繊維の全本数は20本であり、「ポリウレタンテレフタレートのポリマー繊維の本数」対「超高分子量ポリウレタンのポリマー繊維の本数」は約1:4〜約4:1である。
【0018】
本発明の複合ヤーンは、紡糸工程、エアテクスチャライジング工程(air texturizing process)、または、当業者に知られている他の方法によって製造することができる。複合ヤーンの製造方法は、当分野では周知であり、当業者は、本発明の複合ヤーンを製造するための詳細な条件を容易に確認することができる。
【0019】
本発明の複合ヤーンは、製織(weaving)、編成(knitting)および編組(braiding)を包含する任意の種類の技術を利用して、グラフト材料を形成することができる。製織は、縦糸(warp)および横糸(filling)として知られている2つの系の糸を直角に織り交ぜる工程を包含する。縦糸は、織布(woven fabric)の縦方向(lengthwise)に進み、横糸は横方向(cross-wise)に進む。編成は、1本以上の糸の一連のループ(loops)を絡み合わせることによって織物を作る方法である。編組は、ある種の幅効果(width effect)、パターン、またはスタイル(style)を得るために、主要な紡織繊維(textile fibers)の任意の何本かの糸を対角線上に、かつ縦方向に交差させる工程を包含する。
【0020】
本発明はまた、ポリマー内部コア(polymer inner core)およびポリマー外部シース(polymer outer sheath)を含む共押出しフィラメントを提供する。ポリマー内部コアは、可撓性ポリマー材料を含む。ポリマー外部シースは、耐摩耗性ポリマー材料を含む。ポリマー外部シースの融点は、ポリマー内部コアの融点よりも低い。
【0021】
本発明の共押出しフィラメントは、1束当り約20本〜約300本のフィラメントとともに、約20〜約1000の範囲のデニールを有することが好ましい。本発明の共押出しフィラメントは、約1.5GPa〜約3.5GPaの範囲の引張り強度を有することもまた好ましい。
【0022】
前記ポリマー外部シースの耐摩耗性ポリマー材料は、硬質で耐摩耗性である、任意のポリマーであってよい。本発明の共押出しフィラメントの耐摩耗性ポリマー材料に適したポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、ポリ(エチレン−スチレン/ブチレン−スチレン)、および、他のブロック共重合体を包含するが、それらに限定されない。用語「超高分子量ポリエチレン(ultra high molecular weight polyethylene)」および「超高分子量ポリプロピレン(ultra high molecular weight polypropylene)」は、前記で定義したものと同一である。耐摩耗性ポリマー材料は、超高分子量ポリエチレン、または超高分子量ポリプロピレンであることが好ましい。
【0023】
前記ポリマー外部シースは、生分解性ポリマーをさらに含有することができる。「生分解性ポリマー(biodegradable polymer)」は、生物学的過程によって、例えば、細菌、植物または動物の作用によって、崩壊または分解されることのできるポリマーを意味する。本発明に適した生分解性ポリマーの例は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリビニルアルコール、ポリグリコール乳酸(polyglycol lactic acid)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン(polydioxanone)、ポリアミノ酸、ならびに、それらの誘導体および混合物を包含するが、それらに限定されない。生分解性ポリマーは、「生体吸収性ポリマー(bioabsorbable polymer)」または「生体溶解性ポリマー(biodissolvable polymer)」としても知られている。生分解性ポリマーは、ポリカプロラクトン、またはポリジオキサノンであることが好ましい。
【0024】
前記ポリマー外部シースは、任意に、1つ以上の生理活性分子をさらに含有することができる。1つ種以上の生理活性分子は、ポリマー外部シースの中に物理的に含浸もしくは分散しているか、または、このシースに共有結合によって結合している場合がある。本明細書で使用する用語「生理活性分子(biologically active molecule)」は、生体組織に影響を与えるか、もしくは生体組織から所与の反応を誘発する化合物、または物質を意味する。本発明に適した生理活性分子は、例えば、医療装置を生体に導入することに対する疾患もしくは生物学的な生体反応を処置するか、または、防止するための治癒効果を有する、任意の薬剤、作用物質、化合物、および/またはそれらの組み合わせを包含する。好ましい生理活性分子は、抗血栓剤、免疫抑制剤、抗腫瘍薬、抗炎症薬、血管形成阻害薬、タンパク質キナーゼ阻害薬、および、哺乳動物の再狭窄を治療し、減少させ、または防止することのできる他の作用物質を包含するが、それらに限定されない。本発明の生理活性分子の例は、ヘパリン、アルブミン(albumin)、ストレプトキナーゼ (streptokinase)、組織プラスミノゲン活性化因子(tissue plasminogin activator)(TPA)、ウロキナーゼ、ラパマイシン、パクリタキセル、ピメクロリムス、ならびに、それらの類似体および誘導体を包含するが、それらに限定されない。
【0025】
前記ポリマー内部コアの可撓性ポリマー材料は、可撓性であり潤滑性である、任意のポリマーであってよい。本発明の共押出しフィラメントの可撓性ポリマー材料に適したポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、およびフッ素化ポリマーを包含するが、それらに限定されない。可撓性ポリマー材料に適したポリマーの例は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、および、ポリ(フッ化ビニリデン)を包含するが、それらに限定されない。用語「低密度ポリプロピレン(low density polypropylene)」および「低密度ポリエチレン(low density polyethylene)」は、前記で定義したものと同一である。可撓性ポリマー繊維は、ポリエチレンテレフタレート、またはポリブチレンテレフタレートの繊維であることが好ましい。
【0026】
本発明において、ポリマー内部コアは、本発明の共押出しフィラメントに可撓性および潤滑性を与えるのに対して、ポリマー外部シースは、本発明の共押出しフィラメントに強度および耐久性を与える。本発明の共押出しフィラメントは、グラフト材料を組み立てることに用いられる場合、改善された所望の諸特性のバランスを示すだけでなく、材料の全厚さを最小限に抑え、これにより、耐久性の向上された薄肉のグラフト材料が提供される。意図された用途および性能要件(performance requirement)に応じて、本発明の共押出しフィラメントの諸特性(例えば、可撓性および耐久性)は、構成要素材料の選択、および/または、「ポリマー内部コア」対「ポリマー外部シース」の比によって制御することができる。すなわち、本発明の共押出しフィラメントの特性は、構成要素として異なる耐摩耗性ポリマー材料および可撓性ポリマー材料を使用すること、および/または、「ポリマー内部コア」対「ポリマー外部シース」の比を変更することによって調整することができる。「ポリマー内部コア」対「ポリマー外部シース」の重量比は、約90:10〜約10:90の範囲であることが好ましく、より好ましくは約80:20である。本発明の共押出しフィラメントは、可撓性と耐久性とを相乗作用によって組み合わせ、これにより、血管グラフトまたは他のグラフト装置に用いることに特に好適となる。
【0027】
図2は、ポリマー内部コアおよびポリマー外部シースを含む、本発明の共押出しフィラメントの横断面図を示す。図2では、参照符号14は、耐摩耗性ポリマー材料の外部シースを示し、参照符号16は、可撓性ポリマー材料の内部コアを示す。
【0028】
本発明の1つの好ましい実施例において、本発明の共押出しフィラメントは、重量比が80:20である、ポリエチレンテレフタレートのポリマー内部コア、および超高分子量ポリエチレンからなる。
【0029】
共押出しフィラメントの製造方法は、当分野では周知であり、本発明の共押出しフィラメントは、当業者が容易に確認することのできる適切な方法によって製造することができる。
【0030】
本発明は、もう1つの態様において、縫合糸の結び目(suture knots)を使用せずにグラフト装置を組み立てる方法を提供する。本発明の方法では、本発明の共押出しフィラメントによって形成されたグラフト材料が利用される。グラフト装置を組み立てるために、1つ以上の骨組み構造体(scaffold structures)、および、本発明の共押出しフィラメントによって形成されたグラフト材料を、任意の順序(sequence)で提供することができる。本発明の共押出しフィラメントは、前述された技術(例えば、製織、編成および編組)の任意の数のものを利用して、グラフト材料を形成することができる。
【0031】
本発明の共押出しフィラメントによって形成されたグラフト材料は、次に、骨組み‐グラフト組み立て体(scaffold-graft assembly)を形成する1つ以上の骨組み構造体の外側部分と接触して配置される。骨組み‐グラフト組み立て体は、本発明の共押出しフィラメントが1つ以上の骨組み構造体の外側部分を包みながらグラフト材料を形成するような方法で、本発明の共押出しフィラメントを1つ以上の骨組み構造体の上に直接編組すること(braiding)によって形成することもできる。
【0032】
次に、骨組み‐グラフト組み立て体は、本発明の共押出しフィラメントで作られたポリマー外部シースが溶融する温度まで加熱され、これにより、1つ以上の骨組み構造体の外側部分に付着する。すなわち、本発明の共押出しフィラメントを含むグラフト材料は、加熱によって、1つ以上の骨組み構造体の外側部分に固定される。骨組み‐グラフト組み立て体を加熱する温度は、ポリマー外部シースの融点程度、またはそれ以上の温度であるが、ポリマー内部コアの融点よりも低いことが好ましい。本発明の1つの実施例において、骨組み‐グラフト組み立て体が加熱される温度は、約155℃以下である。
【0033】
本発明の方法によって組み立てられたグラフト装置は、縫合糸の結び目を結ぶことによってグラフト材料を骨組み構造体に固定することにより組立てられたグラフト装置と比べて、より低いプロフィール(profile)を有する。加えて、本発明の方法は、グラフト装置を組み立てる複雑さを低減させ、自動化することが可能であり、これにより、グラフト装置の組み立て工程の効率と生産性とが著しく改善される。
【0034】
図3Aは、ステント、グラフト材料、および、縫合糸の結び目を含む、従来の腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm)(AAA)装置の説明図である。従来のAAA装置では、グラフト材料は、縫合糸の結び目によってステントに固定される。図3Aでは、参照符号18は、縫合糸の結び目を示す。図3Bは、本発明の方法によって組み立てられたAAA装置の説明図である。図3BのAAA装置は、縫合糸の結び目を全く有していない。
【0035】
本発明の1つの実施例において、骨組み‐グラフト組み立て体は、グラフト材料を1つ以上の骨組み構造体の外側部分に接触させることによって形成され、次に、この骨組み‐グラフト組み立て体を誘導加熱コイルの内側に配置し、このグラフト材料の全体を加熱することなく、この1つ以上の骨組み構造体の温度を上昇させる。この誘導加熱工程によって、このグラフト材料の初期の空隙率を保持することができる。
【0036】
本発明のもう1つの実施例において、本発明の共押出しフィラメントが1つ以上の骨組み構造体の外側部分を包みながらグラフト材料を形成するような方法で、本発明の共押出しフィラメントを1つ以上の骨組み構造体の上に直接編組する。次に、このグラフト材料を加熱して、本発明の共押出しフィラメントで作られたポリマー外部シースを溶融し、このようにして、このグラフト材料を1つ以上の骨組み構造体の外側部分に付着させる。
【0037】
本発明のさらにもう1つの実施例において、まず、ポリマー溶液(例えば、テトラヒドロフランとN,N−ジメチルアセトアミドとの、75:25の容積比の混合溶媒に入れた、フッ素含有量1%を有するポリウレタン−シリコン共重合体(polyurehane-silicon copolymer)の20%溶液)で、1つ以上の骨組み構造体を被覆し;乾燥工程の後、本発明の共押出しフィラメントを含むグラフト材料は、前記被覆された1つ以上の骨組み構造体の外側部分と接触するように配置され、次に、加熱して、前記被覆された1つ以上の骨組み構造体の外側部分にこのグラフト材料を付着させる。
【0038】
本発明はまた、強化繊維のグラフト材料を提供する。強化繊維のグラフト材料は、耐摩耗性ビーズ(beads)および可撓性ポリマー繊維の織物(weaves)を含む。この耐摩耗性ビーズは、この可撓性ポリマー繊維に取り付けられている。
【0039】
前記可撓性ポリマー繊維は、可撓性かつ潤滑性である、任意のポリマーの繊維であってよい。本発明の強化繊維グラフトの可撓性ポリマー繊維に適したポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、およびフッ素化ポリマーを包含するが、それらに限定されない。可撓性ポリマー材料に適したポリマーの例は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、および、ポリ(フッ化ビニリデン)を包含するが、それらに限定されない。用語「低密度ポリプロピレン(low density polypropylene)」および「低密度ポリエチレン(low density polyethylene)」は、前記で定義したものと同一である。可撓性ポリマー繊維は、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの繊維であることが好ましい。
【0040】
前記耐摩耗性ビーズは、ポリマービーズである場合がある。ポリマービーズは、硬質で耐摩耗性である、任意のポリマーのビーズであってよい。本発明の強化繊維グラフトに適したポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、ポリ(エチレン−スチレン/ブチレン−スチレン)、および、他のブロック共重合体を包含するが、それらに限定されない。用語「超高分子量ポリエチレン(ultra high molecular weight polyethylene)」および「超高分子量ポリプロピレン(ultra high molecular weight polypropylene)」は、前記で定義したものと同一である。ポリマービーズは、超高分子量ポリエチレン、または超高分子量ポリプロピレンのビーズであることが好ましい。耐摩耗性ビーズはまたセラミックビーズであってもよい。
【0041】
本発明においては、可撓性ポリマー繊維は、本発明の強化繊維グラフト材料に可撓性および潤滑性を与えるのに対して、耐摩耗性ビーズは、本発明の強化繊維グラフト材料の肉厚を著しく増大させずに、この材料に強度および耐久性を与える。このように、本発明の強化繊維グラフトは、可撓性と耐久性とを相乗作用によって組み合わせ、これにより、血管グラフト、または他のグラフト装置に用いるのに特に好適となる。意図された用途および性能要件に応じて、本発明の強化繊維グラフト材料の諸特性(例えば、可撓性および耐久性)は、構成要素材料の選択、および/または、本発明の強化繊維グラフトに使用された耐摩耗性ビーズの数によって制御することができる。すなわち、本発明の強化繊維グラフトの特性は、異なる可撓性ポリマー材料の繊維および異なる耐摩耗性ポリマー材料のビーズを使用すること、および/または、本発明の強化繊維グラフト材料における耐摩耗性ビーズの数を変更することによって調整することができる。
【0042】
図4は、本発明の強化繊維グラフトの1つの実施例の一部分の説明図であって、耐摩耗性ビーズが、可撓性ポリマー繊維の織物(weaves)の水平方向に取り付けられている図である。図4では、参照符号20は耐摩耗性ビーズを示し、参照符号22は可撓性ポリマー繊維を示す。
【0043】
本発明の強化繊維グラフト材料は、可撓性ポリマー繊維の織物を形成し、次に、この可撓性ポリマー繊維に耐摩耗性ビーズを取り付けることによって、または、耐摩耗性ビーズを可撓性ポリマー繊維に取り付け、次に、この耐摩耗性ビーズがこの可撓性ポリマー繊維に取り付けられた、この可撓性ポリマー繊維の織物を形成することによって、製造することができる。耐摩耗性ビーズが取り付けられた可撓性ポリマー繊維の織物、または、耐摩耗性ビーズが取り付けられていない可撓性ポリマー繊維の織物は、前述された技術、あるいは、当分野で周知の技術(例えば、製織、編成および編組)の任意の技術を利用して形成することができる。当業者には、前述の諸プロセスの詳細を容易に確認することができることを理解されたい。
【0044】
意図された用途および性能要件に応じて、前記強化繊維グラフト材料は、任意の形状または厚さであってよい。強化繊維グラフト材料は、このグラフト材料を1つ以上の骨組み構造体の外側部分に固定するように取り付けることができるような形状であることが好ましい。1つ以上の骨組み構造体が1つ以上のステントセグメント(stent segments)を含む場合、強化繊維グラフト材料は、管状の形状であることが好ましい。強化繊維グラフト材料の肉厚は、主として、織物の密度、および、ヤーンの厚さまたは嵩高性(bulkiness)によって決まる。かなりの血液浸潤を防ぐのに十分密に目が詰まっているが、ヤーンまたは繊維の束が相互に重なるほど密ではないように目が詰まっている強化繊維グラフト材料を有することが望ましい。強化繊維グラフト材料は、0.0127cm(0.005in)以下の肉厚を有することが好ましく、0.00762cm(0.003in)以下の肉厚を有することがより好ましい。
【0045】
本発明は、本発明の好ましい実施例に関連し、詳細に図示され記述されてきたが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形状および細部に関する前述の変更および他の変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本発明は、記述され図示された正確な形状および細部に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の中に含まれることが意図されている。
【0046】
〔実施の態様〕
(1)複合ヤーンにおいて、
少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維、および少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維を含み、
「前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維の本数」対「前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維の本数」の比は、約1:4〜約4:1であり、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、5本〜150本の範囲である、
複合ヤーン。
(2)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、10本〜50本の範囲である、複合ヤーン。
(3)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
約15〜約500の範囲のデニールを有している、複合ヤーン。
(4)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、中央芯材を形成するように配置されており、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、前記中央芯材を取り囲む周辺部を形成するように配置されている、
複合ヤーン。
(5)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、中央芯材を形成するように配置されており、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、前記中央芯材を取り囲む周辺部を形成するように配置されている、
複合ヤーン。
【0047】
(6)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維と前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維とが、2本1組で混合されている、複合ヤーン。
(7)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、またはフッ素化ポリマー(fluorinated polymer)の繊維である、複合ヤーン。
(8)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)(poly(ether amide))、ポリ(エーテルエステル)(poly(ether ester))、ポリ(エーテルウレタン)(poly(ether urethane))、ポリ(エステルウレタン)(poly(ester urethane))、または、ポリ(エチレン−スチレン/ブチレン−スチレン)(poly(ethylene-styrene/butylene-styrene))の繊維である、複合ヤーン。
(9)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、または、ポリ(フッ化ビニリデン)(poly(vinylidene fluoride))の繊維である、複合ヤーン。
(10)実施態様1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、超高分子量ポリエチレン(ultra high molecular weight polyethylene)、または超高分子量ポリプロピレン(ultra high molecular weight polypropylene)の繊維である、複合ヤーン。
【0048】
(11)共押出しフィラメントにおいて、
ポリマー内部コア、およびポリマー外部シースを含み、
前記ポリマー内部コアは、可撓性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースは、耐摩耗性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースの融点は、前記ポリマー内部コアの融点より低い、
共押出しフィラメント。
(12)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
「前記ポリマー内部コア」対「前記ポリマー外部シース」の重量比は、約1:9〜約9:1である、共押出しフィラメント。
(13)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
1束当り約20本〜約300本のフィラメントとともに、約20〜約1000の範囲のデニールを有している、共押出しフィラメント。
(14)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記可撓性ポリマー材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、またはフッ素化ポリマーである、共押出しフィラメント。
(15)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記耐摩耗性ポリマー繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、または、ポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)である、共押出しフィラメント。
【0049】
(16)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記可撓性ポリマー材料は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、または、ポリ(フッ化ビニリデン)である、共押出しフィラメント。
(17)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記耐摩耗性ポリマー材料は、超高分子量ポリエチレン、または超高分子量ポリプロピレンである、共押出しフィラメント。
(18)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記ポリマー外部シースは、生分解性ポリマーをさらに含む、共押出しフィラメント。
(19)実施態様18に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記生分解性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリビニルアルコール、ポリグリコール乳酸(polyglycol lactic acid)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン(polydioxanone)、およびポリアミノ酸からなる群から選択される、共押出しフィラメント。
(20)実施態様11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記ポリマー外部シースは、1つ以上の生理活性分子をさらに含有している、共押出しフィラメント。
【0050】
(21)実施態様20に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記1つ以上の生理活性分子は、抗血栓剤、免疫抑制剤、抗腫瘍薬、抗炎症薬、血管形成阻害薬、およびタンパク質キナーゼ阻害薬からなる群から選択される、共押出しフィラメント。
(22)実施態様20に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記1つ以上の生理活性分子は、ヘパリン、アルブミン(albumin)、ストレプトキナーゼ(streptokinase)、組織プラスミノゲン活性化因子(tissue plasminogin activator)(TPA)、ウロキナーゼ、ラパマイシン、パクリタキセル、およびピメクロリムスからなる群から選択される、共押出しフィラメント。
(23)グラフト装置を組み立てる方法において、
1つ以上の骨組み構造体(scaffold structure)を提供する段階と、
共押出しフィラメントから製造されたグラフト材料を提供する段階であって、
前記共押出しフィラメントは、ポリマー内部コアおよびポリマー外部シースを含み、
前記ポリマー内部コアは、可撓性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースは、耐摩耗性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースの融点は、前記ポリマー内部コアの融点よりも低い、
段階と、
前記グラフト材料を前記の1つ以上の骨組み構造体の外側部分に接触させて配置して、骨組み‐グラフト組み立て体を形成する段階と、
前記骨組み‐グラフト組み立て体を加熱して、前記グラフト材料を前記1つ以上の骨組み構造体の外側部分に固定する段階と、
を含む、方法。
(24)実施態様23に記載の方法において、
前記1つ以上の骨組み構造体のそれぞれは、1つ以上のステントセグメントを含む、方法。
(25)強化繊維グラフトにおいて、
耐摩耗性ビーズ、および可撓性ポリマー繊維の織物を含み、
前記耐摩耗性ビーズは、前記可撓性ポリマー繊維の織物に取り付けられている、
強化繊維グラフト。
【0051】
(26)実施態様25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記可撓性ポリマー繊維は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、またはフッ素化ポリマーの繊維である、強化繊維グラフト。
(27)実施態様25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記可撓性ポリマー繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低分子量ポリプロピレン(lower molecular weight polypropylene)、低分子量ポリエチレン(lower molecular weight polyehylene)、または、ポリ(フッ化ビニリデン)の繊維である、強化繊維グラフト。
(28)実施態様25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記耐摩耗性ビーズは、ポリマービーズである、強化繊維グラフト。
(29)実施態様28に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記ポリマービーズは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、または、ポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)のビーズである、強化繊維グラフト。
(30)実施態様28に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記ポリマービーズは、超高分子量ポリエチレン、または超高分子量ポリプロピレンのビーズである、強化繊維グラフト。
【0052】
(31)実施態様25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記耐摩耗性ビーズは、セラミックビーズである、強化繊維グラフト。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】本発明の複合ヤーンの1つの実施例の横断面説明図である。
【図1B】本発明の複合ヤーンの1つの実施例の横断面説明図である。
【図1C】本発明の複合ヤーンの1つの実施例の横断面説明図である。
【図1D】本発明の複合ヤーンの1つの実施例の横断面説明図である。
【図2】本発明の共押出しフィラメントの1つの実施例の横断面説明図である。
【図3A】縫合糸の結び目を有する、従来の腹部大動脈瘤(AAA)装置の説明図である。
【図3B】縫合糸の結び目を有していない、AAA装置の説明図である。
【図4】本発明の強化繊維グラフト材料の1つの実施例の一部分の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
10 可撓性ポリマー繊維
12 耐摩耗性ポリマー繊維
14 耐摩耗性ポリマー材料の外部シース
16 可撓性ポリマー材料の内部コア
18 縫合糸の結び目
20 耐摩耗性ビーズ
22 可撓性ポリマー繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ヤーンにおいて、
少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維、および少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維を含み、
「前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維の本数」対「前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維の本数」の比は、約1:4〜約4:1であり、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、5本〜150本の範囲である、
複合ヤーン。
【請求項2】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維と前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維との合計本数は、10本〜50本の範囲である、複合ヤーン。
【請求項3】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
約15〜約500の範囲のデニールを有している、複合ヤーン。
【請求項4】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、中央芯材を形成するように配置されており、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、前記中央芯材を取り囲む周辺部を形成するように配置されている、
複合ヤーン。
【請求項5】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、中央芯材を形成するように配置されており、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、前記中央芯材を取り囲む周辺部を形成するように配置されている、
複合ヤーン。
【請求項6】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維と前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維とが、2本1組で混合されている、複合ヤーン。
【請求項7】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、またはフッ素化ポリマーの繊維である、複合ヤーン。
【請求項8】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、または、ポリ(エチレン−スチレン/ブチレン−スチレン)の繊維である、複合ヤーン。
【請求項9】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の可撓性ポリマー繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、または、ポリ(フッ化ビニリデン)の繊維である、複合ヤーン。
【請求項10】
請求項1に記載の複合ヤーンにおいて、
前記少なくとも1本の耐摩耗性ポリマー繊維は、超高分子量ポリエチレン、または超高分子量ポリプロピレンの繊維である、複合ヤーン。
【請求項11】
共押出しフィラメントにおいて、
ポリマー内部コア、およびポリマー外部シースを含み、
前記ポリマー内部コアは、可撓性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースは、耐摩耗性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースの融点は、前記ポリマー内部コアの融点より低い、
共押出しフィラメント。
【請求項12】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
「前記ポリマー内部コア」対「前記ポリマー外部シース」の重量比は、約1:9〜約9:1である、共押出しフィラメント。
【請求項13】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
1束当り約20本〜約300本のフィラメントとともに、約20〜約1000の範囲のデニールを有している、共押出しフィラメント。
【請求項14】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記可撓性ポリマー材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、またはフッ素化ポリマーである、共押出しフィラメント。
【請求項15】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記耐摩耗性ポリマー繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、または、ポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)である、共押出しフィラメント。
【請求項16】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記可撓性ポリマー材料は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、または、ポリ(フッ化ビニリデン)である、共押出しフィラメント。
【請求項17】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記耐摩耗性ポリマー材料は、超高分子量ポリエチレン、または超高分子量ポリプロピレンである、共押出しフィラメント。
【請求項18】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記ポリマー外部シースは、生分解性ポリマーをさらに含む、共押出しフィラメント。
【請求項19】
請求項18に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記生分解性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリグリコール乳酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、およびポリアミノ酸からなる群から選択される、共押出しフィラメント。
【請求項20】
請求項11に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記ポリマー外部シースは、1つ以上の生理活性分子をさらに含有している、共押出しフィラメント。
【請求項21】
請求項20に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記1つ以上の生理活性分子は、抗血栓剤、免疫抑制剤、抗腫瘍薬、抗炎症薬、血管形成阻害薬、およびタンパク質キナーゼ阻害薬からなる群から選択される、共押出しフィラメント。
【請求項22】
請求項20に記載の共押出しフィラメントにおいて、
前記1つ以上の生理活性分子は、ヘパリン、アルブミン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン活性化因子(TPA)、ウロキナーゼ、ラパマイシン、パクリタキセル、およびピメクロリムスからなる群から選択される、共押出しフィラメント。
【請求項23】
グラフト装置を組み立てる方法において、
1つ以上の骨組み構造体を提供する段階と、
共押出しフィラメントから製造されたグラフト材料を提供する段階であって、
前記共押出しフィラメントは、ポリマー内部コアおよびポリマー外部シースを含み、
前記ポリマー内部コアは、可撓性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースは、耐摩耗性ポリマー材料を含有し、
前記ポリマー外部シースの融点は、前記ポリマー内部コアの融点よりも低い、
段階と、
前記グラフト材料を前記の1つ以上の骨組み構造体の外側部分に接触させて配置して、骨組み‐グラフト組み立て体を形成する段階と、
前記骨組み‐グラフト組み立て体を加熱して、前記グラフト材料を前記1つ以上の骨組み構造体の外側部分に固定する段階と、
を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記1つ以上の骨組み構造体のそれぞれは、1つ以上のステントセグメントを含む、方法。
【請求項25】
強化繊維グラフトにおいて、
耐摩耗性ビーズ、および可撓性ポリマー繊維の織物を含み、
前記耐摩耗性ビーズは、前記可撓性ポリマー繊維の織物に取り付けられている、
強化繊維グラフト。
【請求項26】
請求項25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記可撓性ポリマー繊維は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、またはフッ素化ポリマーの繊維である、強化繊維グラフト。
【請求項27】
請求項25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記可撓性ポリマー繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、または、ポリ(フッ化ビニリデン)の繊維である、強化繊維グラフト。
【請求項28】
請求項25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記耐摩耗性ビーズは、ポリマービーズである、強化繊維グラフト。
【請求項29】
請求項28に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記ポリマービーズは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテルアミド)、ポリ(エーテルエステル)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、または、ポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)のビーズである、強化繊維グラフト。
【請求項30】
請求項28に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記ポリマービーズは、超高分子量ポリエチレン、または超高分子量ポリプロピレンのビーズである、強化繊維グラフト。
【請求項31】
請求項25に記載の強化繊維グラフトにおいて、
前記耐摩耗性ビーズは、セラミックビーズである、強化繊維グラフト。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−277793(P2007−277793A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−36793(P2007−36793)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(597041828)コーディス・コーポレイション (206)
【氏名又は名称原語表記】Cordis Corporation
【Fターム(参考)】