説明

ケーブル用耐火コネクタ

【課題】火災時の電源確保を可能としたケーブル用耐火コネクタを提供する。
【解決手段】ケーブル心線同士をソケット本体内部でセラミックチップにより離間させる。心線と電極ピンとの連結部をガラスマイカテープで被覆する。これにより耐火性能が高いコネクタを得る。火災時にも電源からの電力を負荷に対して供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はケーブル用耐火コネクタ、詳しくは幹線ケーブル、分岐付ケーブルなどにも使用されるケーブル用耐火コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ケーブル用コネクタは、電源側のケーブルが接続されたソケットと負荷側のケーブルが接続されたプラグとを嵌合させて電気的接続を得る構成である。
従来、このケーブル用コネクタとしては、例えば特許文献1に示すものが知られている。このコネクタでは、各ケーブルの先端にはソケットとプラグとがそれぞれ取り付けられ、ピン状の電極部材が対応する凹状の電極部材に嵌合することにより電気的接続を得る構成となっている。ソケットおよびプラグにはそれぞれ複数の電極部材が樹脂により互いに電気的に絶縁された状態で封止、固定されている。また、各電極部材の基端はリード線にそれぞれ接続されている。複数のリード線は樹脂などで絶縁被覆されてケーブルを構成している。
【0003】
【特許文献1】実開平5−73880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のコネクタの構成では、火災などによりコネクタを含むケーブルが損傷を受ける場合は、そのコネクタについては何ら防御する手だてを有していなかった。
そこで、本願発明人は、ケーブル用コネクタに耐火構造を付加することにより、火災での損傷に対しても電源からの電力を負荷に所要時間だけは供給可能な耐火コネクタを開発するに至った。また、このコネクタにヒューズを内蔵すれば、火災などでの被覆材の燃焼によりリード線(心線、素線)同士が接触して短絡した場合の負荷などの保護を図ることができることを知見し、この発明を完成させた。
【0005】
この発明は、火災時などで負荷に対して安定して電源の供給を行うことができるケーブル用耐火コネクタを提供することを目的とする。
また、この発明は、火災時の短絡による過大電流から負荷を保護可能なケーブル用耐火コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、電源側に接続されたソケットに、負荷側に接続されたプラグを嵌合することにより、電源を負荷に供給可能なコネクタであって、上記ソケットおよび上記プラグは、それぞれ複数の電極部材とこれにそれぞれ接続された複数の心線とを有し、これらの心線同士を耐火材により離間して保持したケーブル用耐火コネクタである。
このケーブル用コネクタはケーブルまたはコードに使用され、かつ高圧配電線、低圧配電線のいずれにも適用可能である。
負荷は、具体的に限定されない。例えば、照明灯、送電設備その他を含む。
ソケットおよびプラグの電極部材(ピンなど)の本数も限定されない。例えば、単相3線式に対応した3本のピンを有してもよく、または3相4線式に対応した4本のピンを有してもよい。各電極部材はそれぞれ心線(素線、リード線)に接続されている。各心線は例えば複数の銅線を束ね、耐火性の無機材料で覆った後に樹脂等で被覆してあり、複数の心線は樹脂で被覆されてケーブルを構成する。ともに導体である電極部材と心線との接続は例えばかしめなどで行われている。
電極部材同士の電気的絶縁は絶縁性の樹脂にこれら電極部材を離間して埋設することにより行われている。
また、心線同士は、耐火材として例えばセラミックス製の円板スペーサの離間位置に穿設形成された複数の貫通孔に複数の心線をそれぞれ挿通することにより、物理的に離間されている。これは外皮である樹脂が燃焼した場合のコネクタでの心線同士の短絡を防止することとなる。耐火材であるセラミック円板に替えては各種の形状のものを適用することができる。
なお、このケーブル用耐火コネクタではヒューズを内蔵することもできる。ソケット側電極部材とプラグ側のそれとの間にヒューズを介在させることにより、過大な電流による負荷の保護を図ることができる。
【0007】
請求項1に記載のケーブル用耐火コネクタにあっては、電源側に接続されたソケットに、負荷側に接続されたプラグを嵌合することにより、電源を負荷に供給可能である。この接続時にあって、火災などによりこのコネクタが高温にさらされた場合、プラグ、ソケットの本体(樹脂製)が燃焼消失して電極部材および心線が露出したとしても、耐火材(スペーサ)によりこれら電極部材および心線が互いに離間した状態で保持されることとなる。この結果、所定時間はこれら心線の短絡が防止され負荷への通電は確保される。火災時の非常灯などの点灯を確保でき、避難などを安全に行う助けとなる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記複数の心線は無機材料製のテープにより被覆してこの被覆部分に上記耐火材を配設した請求項1に記載のケーブル用耐火コネクタである。このテープにより高熱から心線を保護することができる。なお、このテープとしてはガラスマイカテープなどがある。さらに、このテープの上にシリコーン樹脂製のテープ等を被覆することもできる。このシリコーン樹脂製テープ等は例えば高温の雰囲気中で燃焼するが、被覆絶縁体(樹脂等)が燃焼したときの絶縁不良のおそれを排除する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、電源側のケーブルの先端に接続されたソケットが負荷側のケーブル先端に接続されたプラグに嵌合することにより、負荷に電源から電力を供給するケーブル用耐火コネクタにおいて、上記ソケットは、樹脂製のソケット本体と、このソケット本体に互いに所定間隔を有して埋設されてその基端が複数の心線にそれぞれ接続された複数の電極部材と、を備え、上記プラグは、樹脂製のプラグ本体と、互いに所定間隔を有して埋設されてその基端が複数の心線にそれぞれ接続された複数の電極部材とを有し、上記ソケットの電極部材とこれに対応する上記プラグの電極部材とは、上記嵌合時に電気的に接続され、上記ソケット本体の内部の心線を無機材料製のテープで被覆し、上記プラグ本体の内部の心線に無機材料製のテープで被覆を施し、これらソケット本体の心線同士およびプラグ本体の心線同士は、それぞれセラミックス製のスペーサによりこれらのソケット本体の内部およびプラグ本体の内部で所定距離だけ離間して設けられたケーブル用耐火コネクタである。
【0010】
請求項3に記載のケーブル用耐火コネクタによれば、セラミックス製のスペーサで心線同士を離間させたため、火災時の短絡を防止してコネクタとしての機能を保持することができる。併せて心線をガラスマイカテープなどの無機材テープで被覆したため、その耐火性能をさらに高度に維持することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、上記ソケットまたはプラグには、所定値以上の電流の供給を遮断可能なヒューズが内蔵された請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル用耐火コネクタである。
ソケットまたはプラグに内蔵されるヒューズの種類および形状は限定されない。
また、コネクタに設けられるヒューズの本数も限定されない。単相3線式の場合は、短絡線以外の少なくとも1本でもよい。
さらに、ヒューズの定格遮断電流の値も限定されない。
【0012】
請求項4に記載のケーブル用耐火コネクタにあっては、上記ヒューズはプラグに内蔵することもできるし、またはソケットとプラグとの嵌合面に配設することができる。その嵌合面に、ヒューズを挿入可能とする。これにより、点検・整備時において、ヒューズを取り付け、取り外しが容易になる。ヒューズの溶断により過大電流が負荷に作用することを回避することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、上記ヒューズは、上記ソケットの電極部材とこれに対応する上記プラグの電極部材との間に配設されたコイルばねにより付勢されてこれら電極部材間に挟持された請求項4に記載のケーブル用耐火コネクタである。
請求項5に記載のケーブル用耐火コネクタにあっては、ヒューズは、上記ソケットの電極部材(ソケット型電極)と、これに対応して対向配置される上記プラグの電極部材(ピン型電極)との間に配設されたコイルばねで挟持される。このコイルばねを使用することにより、ヒューズと電極との接触が容易になる。また、異なる長さの複数種のヒューズを装着することができる。
コイルばねとしては、ベリリウム銅などの導電体を使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係るケーブル用耐火コネクタによれば、たとえ火災などに遭遇しても、耐火材であるセラミックス板などにより心線同士が完全に離間されて保持されているため、心線同士の短絡を防ぐことが可能となる。特に、心線そのものを無機材質のテープであるガラスマイカテープにより被覆しておくことで、銅線などの心線を高熱から保護することができる。樹脂製のソケット本体、プラグ本体がたとえ消失したとしても、このように心線が保護されるため、消失後にも無機材や耐火材の溶融までは所定の時間の負荷への通電を確保することができる。非常灯用の電源確保のためのケーブルコネクタとして適している。
そして、ソケットまたはプラグにヒューズを内装することにより、併せて過大な電流により負荷が損傷することも保護することができる。
特に、電源の幹線ケーブルから複数の分岐ケーブルの接続においてこのヒューズ付きコネクタを使用した場合、ある負荷に異常が発生した場合、コネクタに備えたヒューズが溶断し、幹線ケーブルからその負荷への電源の供給が遮断される。しかし、電源の遮断は当該負荷のみであり、その他の負荷には安定した電源の供給を継続することができる。
【実施例1】
【0015】
以下、この発明の一実施例を、図1〜図9を参照して説明する。
この実施例では、ヒューズ内蔵型のケーブル用耐火コネクタについて説明する。もちろんヒューズを有しないタイプのコネクタについてもこの発明を適用できる。
図1を参照して、ケーブル用耐火コネクタの全体構成について説明する。この図において、10はケーブル用耐火コネクタを示し、このケーブル用耐火コネクタ10は電源側のソケット11と、負荷側のプラグ12とを有する。ともに樹脂製で大略円柱形状を有するソケット11およびプラグ12にあっては、ソケット11とプラグ12とは嵌合することでケーブル13,14よりケーブル13,14よりも大径の円柱体構造を呈することとなる。このソケット11はケーブル13の先端に連結されこれを介して電源に、プラグ12は同じくケーブル14の先端に固着されこれを介して負荷(電灯など)にそれぞれ接続されている。17はソケット11側のケーブル13の先端連結部に外装された識別用のカラーチューブであり、プラグではなくソケットであることを示している。
ソケット11をプラグ12に嵌合したとき、接続用カップ15,16により、これらの嵌合部分が被覆される。樹脂製(PEなど)のカップ15,16はねじ構造で強固に締結される。ソケット11の樹脂モールド・成型された本体19と、プラグ12のモールド樹脂本体20とは、突き合わされて互いに嵌合する構造となっている。ソケット本体19の先端凸部がプラグ本体20の先端凹部に挿入されている。このとき、Oリング21はソケット本体19とプラグ本体20との嵌合面(当接面)に介装されている。
【0016】
図2,図3は、上記ソケット11を示しており、PE等からなる本体19の先端部19Aは所定長さだけ円柱状に突出して形成されている。この突出した円柱状の先端部19Aには3本の電極部材であるリテーナ型のピン23および2つ割りのソケット型ピン25,27がその軸線を中心にして円弧上に120度ずつ等間隔に離間した位置に埋設されている。なお、29は先端部19Aの外周面に形成された位置決め用の目印部(凹溝)である。また、この目印部29と円周方向の反対側にはフランジ部31にも目印部31Aが形成されている。これらの目印部29,31Aは円周方向にて互いに180度離間した位置に配設されている。
【0017】
図4,図5は、上記プラグ12を示しており、PEなどの樹脂製のプラグ本体20の先端部には所定深さの断面円形の凹部20Aが形成されている。この凹部20Aに上記ソケット本体19の先端部19Aが挿入されることにより、ソケット本体19とプラグ本体20とが嵌合される。この凹部20Aには3本の電極部材であるピン24,26およびリテーナ型のピン28がその軸線を中心にして円弧上に120度ずつ等間隔に離間した位置に埋設されている。これらのピン24,26,28の先端部は凹部20A内に所定太さで所定長さだけ突出しており、ソケット本体19とプラグ本体20との嵌合時、ピン24,26はソケット型ピン25,27にそれぞれ嵌合して電気的接続を得る構成である。また、リテーナ型ピン23、28の間にはコイルスプリング40とヒューズ41とが介装されている。コイルスプリング40により大略円柱体形状のヒューズ41をリテーナ型ピン28の受け皿状のヘッドに押圧している。すなわち、このコイルスプリング40はベリリウム銅製であって、その先端がヒューズ41の先端にその後端がリテーナ型ピン23の先端のフランジ部にそれぞれ掛止されてヒューズ41を所定のバネ力でリテーナ型ピン28に向かって付勢している。なお、30はプラグ本体20の凹部20Aの内周面に形成された位置決め用の目印部(凸条)である。また、この目印部30と円周方向の反対側にはフランジ部20Bにも凹形状の目印部32が形成されている。これらの目印部30,32は180度離間した位置に配設されている。
【0018】
図6には、樹脂製のソケット本体19に互いに所定間隔を有して埋設されたソケット型ピン(電極部材)25およびリテーナ型ピン23の詳細な連結構造が示されている。この図において示すように、各ピン23,25,27の各先端はそのソケット本体19の先端部19A内に埋設されて軸方向に延びて嵌合面に開口する孔44,46により、プラグ12のピン24,26,28に対向、対峙している。また、各ピン23,25,27の基端はケーブル13の3本の心線(縒り合わされた銅線)13A,13Bにたとえばかしめなどによりそれぞれ接続されている。
そして、これらの心線13A,13Bとピン23,25,27との連結部分の外周面は所定長さにわたって、内側のガラスマイカテープ48およびその外側のシリコーン樹脂テープ50がそれぞれ巻き付けられて2重に被覆されている。ガラスマイカテープ48により心線の先端部と電極ピンの大部分を被覆して耐火構造とするものである。
さらに、心線13A,13Bのソケット本体19内でケーブル13側は図8に示すセラミックス製(例えばアルミナ系セラミックス)の円板状チップ60の貫通孔61,62,63にそれぞれ挿通されて互いに離間している。貫通孔同士は、円弧上で120度間隔で設けられている。また、これらの心線13A,13B、チップ60、ピン23,25,27はソケット本体19の樹脂で封入されている。そして、3本の心線13A,13Bは、それぞれ導体である銅線をガラスマイカテープで被覆してさらに絶縁体で外被している。これらの心線13A,13Bはさらにより合わされて絶縁体である樹脂により被覆されてケーブル13を構成している。すなわち、3本の心線13A,13B同士は耐火材60で離間して保持されている。
【0019】
図7には、樹脂製のプラグ本体20に互いに所定間隔を有して埋設されたピン(電極部材)24,26およびリテーナ型ピン28の詳細な連結構造が示されている。各ピン24,26,28の各基端部はその本体20の先端部内に樹脂で埋設されており、各先端部は凹部20A内に突出している。ピン24,26の突出した各先端部がソケット本体19のソケット型ピン25,27にそれぞれ嵌合することによりケーブル13,14同士の電気的接続を得る構成である。ピン23,28間には、上述したように、コイルスプリング40とヒューズ41とが直列に介装される。また、各ピン24,26,28の各基端はケーブル14の3本の心線(撚り合わされた銅線がガラスマイカテープ、絶縁体で被覆されている)14A,14Bにたとえばかしめなどによりそれぞれ接続されている。
そして、これらの心線14A,14Bとピン24,26,28との連結部分の外周面は所定長さにわたって、内側のガラスマイカテープ48およびその外側のシリコーン樹脂テープ50がそれぞれ巻き付けられて2重に被覆されている。ガラスマイカテープ48により心線の先端部と電極ピンの大部分を被覆して耐火構造とするものである。この場合、シリコーン樹脂製テープ50は例えば高温の雰囲気中で燃焼するが、PEなどの樹脂が燃焼したとき生じるカーボンのガラスマイカテープ48への染み込みを防ぎ、テープ48の絶縁不良を阻止するものである。
さらに、心線14A,14Bのプラグ本体20内でケーブル14側は図8に示すセラミックス製(例えばアルミナ系セラミックス)の円板状チップ60の貫通孔61,62,63にそれぞれ挿通されて互いに所定距離だけ離間している。これらの貫通孔同士は、円弧上で120度間隔で設けられている。また、これらの心線14A,14B、チップ60、ピン24,26,28はプラグ本体20の樹脂(ポリエチレンなど)で封入されている。そして、3本の心線14A,14Bは、それぞれ導体である銅線を絶縁体であるガラスマイカテープ48で被覆してさらに絶縁体樹脂で外被している。これらの心線14A,14Bはさらにより合わされて絶縁体である樹脂により被覆されてケーブル14を構成している。
すなわち、心線14A,14B同士は耐火材60で離間して保持されている。
なお、上記各電極部材は、その全面がニッケル等でめっきされている。
【0020】
次に、本願発明に係るケーブル用耐火コネクタの作用について説明する。まず、図9を参照してそのソケット11とプラグ12間に筒型のヒューズ41を、高導電性でばね性に優れたベリリウム銅のコイルばね(スプリング)40で付勢した構造を説明する。なお、この図ではテープ被覆構造について図示を省略してある。すなわち、心線13Aのむきだした先端(銅線)をピン23の基端に結合させ(穴に挿入してかしめる)、スプリング40を介装する。一方、心線14Aも同様にかしめて結合したピン28の受け皿状の先端に筒型ヒューズ41を直列に保持させ、上記ソケット11とプラグ12との嵌合によりこれらヒューズ41とスプリング40とを突き合わせる。この結果、ヒューズを内蔵したコネクタが装着されることとなる。
このとき、凹部29と凸部30の位置を合わせながら、ソケット11とプラグ12とが嵌合される。
よって、ピン同士を介してケーブル13,14の心線同士が電気的に接続され、電源からの電力が負荷に供給されることとなる。
そして、負荷に所定の電流値以上の電流が流れたとき、ヒューズ41内のヒューズエレメントが溶断する。これにより、上記ケーブル13からケーブル14への電源の供給が遮断される。
また、例えば火災などによりコネクタ10が高温にさらされたとき、キャップ15,16およびソケット本体11,プラグ本体12が消失したとしても、ソケット側の心線13A,13Bおよびピン23,25,27も、プラグ側の心線14A,14Bおよびピン24,26,28も上記耐火構造、すなわちガラスマイカテープ(無機材)により被覆されており、かつ、セラミックス製のスペーサ60により心線同士が離間して保持されているため、これらが接触して短絡することを防ぐことができる。2重の耐火構造であるスペーサおよびガラスマイカテープにより高熱に対して充分に保護されている。
なお、上記実施例に係る耐火構造はBS6387CatC,CatW,CatZの耐火性能を有している。また、IEC60529保護等級IP68の防水、防塵性能をも有している。このとき、ソケット本体19、プラグ本体20などの素材としてノンハロゲン、低発煙性能の材料(例えばPE)を使用している。また、コネクタは工場加工により高品質、高信頼性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタの一部を破断して示す正面図である。
【図2】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのソケットを示す部分断面正面図である。
【図3】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのソケットを示す側面図である。
【図4】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのプラグを示す一部破断した正面図である。
【図5】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのソケットを示す側面図である。
【図6】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのソケット本体を示す断面図である。
【図7】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのプラグ本体を示す断面図である。
【図8】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのセラミックス製スペーサを示す斜視図である。
【図9】この発明の一実施例に係るケーブル用耐火コネクタのヒューズ内蔵状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0022】
10 コネクタ、
11 ソケット、
12 プラグ、
13 電源側ケーブル、
13A,13B 心線、
14 負荷側ケーブル、
14A,14B 心線、
19 ソケット本体、
20 プラグ本体、
23,24,25,26,27,28 電極部材、
29 凹部
30 凸部
40 コイルばね、
41 ヒューズ、
48 ガラスマイカテープ、
60 磁器などのチップ(耐火材スペーサ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源側に接続されたソケットに、負荷側に接続されたプラグを嵌合することにより、電源を負荷に供給可能なコネクタであって、
上記ソケットおよび上記プラグは、それぞれ複数の電極部材とこれに接続された複数の心線とを有し、これらの心線同士を耐火材により離間して保持したケーブル用耐火コネクタ。
【請求項2】
上記複数の心線は無機材料製のテープにより被覆してこの被覆部分に上記耐火材を配設した請求項1に記載のケーブル用耐火コネクタ。
【請求項3】
電源側のケーブルの先端に接続されたソケットが負荷側のケーブル先端に接続されたプラグに嵌合することにより、負荷に電源から電力を供給するケーブル用耐火コネクタにおいて、
上記ソケットは、
樹脂製のソケット本体と、
このソケット本体に互いに所定間隔を有して埋設されてその基端が複数の心線にそれぞれ接続された複数の電極部材と、を備え、
上記プラグは、
樹脂製のプラグ本体と、
互いに所定間隔を有して埋設されてその基端が複数の心線にそれぞれ接続された複数の電極部材とを有し、
上記ソケットの電極部材とこれに対応する上記プラグの電極部材とは、上記嵌合時に電気的に接続され、
上記ソケット本体の内部の心線を無機材料製のテープで被覆し、
上記プラグ本体の内部の心線に無機材料製のテープで被覆を施し、
これらソケット本体の心線同士およびプラグ本体の心線同士は、それぞれセラミックス製のスペーサによりこれらのソケット本体の内部およびプラグ本体の内部で所定距離だけ離間して設けられたケーブル用耐火コネクタ。
【請求項4】
上記ソケットまたはプラグには、所定値以上の電流の供給を遮断可能なヒューズが内蔵された請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル用耐火コネクタ。
【請求項5】
上記ヒューズは、上記ソケットの電極部材とこれに対応する上記プラグの電極部材との間に配設されたコイルばねにより付勢されてこれら電極部材間に挟持された請求項4に記載のケーブル用耐火コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−226622(P2008−226622A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62519(P2007−62519)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000196565)西日本電線株式会社 (57)
【Fターム(参考)】