説明

ゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤

【課題】ゲルマニウムによる免疫活性と二酸化炭素による美容及び医療効果が得られる、ゲルマニウム配合二酸化炭素外用剤を提供する。
【解決手段】増粘剤を有する粘性物のセリシンを配合したアルカリ性物質に、少なくともゲルマニウム粒子を配合した酸と水とを含むキサンタンガム粘性物が含浸され、使用時に皮膚に接触させると主剤と、この主剤の使用時に該主剤と混合して使用することにより二酸化炭素が発生する少なくとも炭酸塩並びに増粘剤と水とを含む粘性物とで反応剤とからなり、而も主剤と反応剤との混合時において両者の粘性物が、前記二酸化炭素の気泡化を制御すると共に、該二酸化炭素を混合状態にあるそれらの粘性物中において実質的に非気泡状態にて溶解させることにより、二酸化炭素の発生濃度、更には効能が変動することなく、且つゲルマニウム配合による免疫活性を意図するゲルマニウム配合二酸化炭素外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容及び医療効果が得られる二酸化炭素外用剤、特にゲルマニウム配合による二 酸化炭素外用剤調製用材料に関する。
【背景技術】
【0002】
気泡状の二酸化炭素を含有する粘性組成物である二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物が、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾患若しくは皮膚粘膜障害に伴う痒み、褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊痕などの皮膚粘膜損傷;移植皮膚片、皮弁などの生着不全;歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などの末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患;神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの化膿性皮膚疾患;除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなどの皮膚や毛髪などの美容上の問題及び部分肥満に有効であることが、下記文献1にて明らかである。
ところが、この組成物は二酸化炭素を気泡状で保持しなければならないため、美容若しくは医療効果を得るのに必要な量の二酸化炭素を保持するには、一定以上の厚みが必要である。また、前記組成物を用いて美容若しくは医療効果を得るには、長期間大量に使用しなければならず、効果も弱い。
一方、炭酸ガス(気体状二酸化炭素を意味する)による血行促進効果を得るためのシップ剤が文献2で提案されている。このシップ剤は、炭酸塩と有機酸を含んだ布に、水を含んだ布を重ねて炭酸ガスを発生させ、布に含まれた水に溶かして溶存炭酸ガスとして利用するものであるが、炭酸塩と有機酸との反応は通常非常に急激であり、水への溶解量よりも大気中への発散量が多いため、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収による美容若しくは医療効果は期待し難い。
そこで、文献3が存在する。
即ち、二酸化炭素外用剤調製用材料は、高分子立体網目構造体に少なくとも酸と水とを含む粘性物が含浸し、使用時に皮膚に接触させる主剤と、使用時に前記主剤に接触させることにより二酸化炭素が発生すると共に、当該二酸化炭素が前記粘性物に実質的に非気泡状態で溶解する少なくとも炭酸塩を含む反応剤とから成している。
而して、実際の使用時は、先ず高分子立体網目構造体に粘性物の主剤を塗り付け、この状態で皮膚に予め塗られていた反応剤に上塗りするか、或いは粘性物の主剤を塗り付けた高分子立体網目構造体に、更に反応剤を上塗りし、この状態にて皮膚に塗り付けることとなる。
然しながら、その高分子立体網目構造体は、主剤を含浸、即ち塗り付け可能な素材ということから、同文献に記載されている様に、不織布又はスポンジとなる。
この不織布又はスポンジにその成分である酸及び水が浸透、即ち吸収されるから不織布又はスポンジの材質によって、その吸収率が変動し主剤の粘性率、更には反応剤との比率が変動し、二酸化炭素の発生濃度、更には効能に大きく影響することとなる。
【0003】
【特許文献】 特開2000−319187号・・・文献1 特開昭62−286922号・・・・文献2 特許第3633930号・・・・・・文献3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、美容及び医療効果が得られる二酸化炭素外用剤を調製するための二酸化炭素外用剤調製用材料及びそれにより得られる二酸化炭素外用剤し、而もその二酸化炭素外用剤が不織布又はスポンジに吸収されることによる吸収率が変動、それに起因する主剤の粘性率、更には反応剤との比率が変動し、二酸化炭素の発生濃度、更には効能に大きく影響すること。
【課題を解決する解決手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、増粘剤を有する粘性物のセリシンを配合したアルカリ性物質に、少なくともゲルマニウム粒子を配合した酸と水とを含むキサンタンガム粘性物が含浸され、使用時に皮膚に接触させると主剤と、この主剤の使用時に該主剤と混合して使用することにより二酸化炭素が発生する少なくとも炭酸塩並びに増粘剤と水とを含む粘性物とで反応剤とからなり、而も主剤と反応剤との混合時において両者の粘性物が、前記二酸化炭素の気泡化を制御すると共に、該二酸化炭素を混合状態にあるそれらの粘性物中において実質的に非気泡状態にて溶解させることにより、二酸化炭素外用剤調製用材料としての、美容及び医療効果は勿論、不織布又はスポンジ等に含浸させることなく、直接掌の中で調合することによって、主剤の粘性率、更には反応剤との比率が変動することなく、且つゲルマニウム配合による免疫活性を意図するゲルマニウム配合による二酸化炭素外用剤調製用材料。
【発明の効果】
【0006】
(1)請求項1により、美容及び医療効果は勿論、不織布又はスポンジ等に含浸させることなく、直接掌の中で調合することによって、主剤の粘性率、更には反応剤との比率が変動することない。
更に且ゲルマニウム配合による免疫活性を意図するゲルマニウム配合によって、身体への微弱電流が流れ、生体電流のバランスを整え、もって細胞の活性化に伴って血行を良好とし、且つ筋肉の凝り、疲れ、痛みを緩和させる相乗効果がある。
(2)請求項2により、ゲルマニウム粒子が有機性であることから、無機性に比し、より信頼性を高めることができ、不必要な心配を無くすることができる。
【0007】
(3)請求項4により、ヒドロキシエチルセルローズは、乳化粒子や顔料粒子の分散安定性を助け、粘性、皮膜形成効果が期待できる。
又、キサンタンガムは、微生物を発行させて作る粘性の液体として、乳液やクリーム類の乳化を安定させ、肌表面で保護膜を作り、保湿効果も期待できる。
更にセリシンは、アミノ酸として皮膚の保湿成分としての作用する。
(4)請求項6により、主剤のアルカリ性物質をPH7.5〜9.5とし、且つ反応剤の炭酸塩をPH5.5〜6.0としたことにより、皮膚のPHに近い状態となって、皮膚への親和性が良好となる。
【本発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を実施例に基づいて説明する。
本発明の主剤は、増粘剤を有する粘性物のセリシンを配合したアルカリ性物質に、少なくともゲルマニウム粒子を配合した酸と水とを含むキサンタンガム粘性物が含浸されている。
反応剤は、炭酸塩並びに増粘剤と水とを含む粘性物とより成しており、主剤の使用時に該主剤と混合して使用することにより二酸化炭素を発生し、その二酸化炭素の気泡化を制御する。
具体的に主剤は、ヒドロキシエチルセルローズ、キサンタンガム、セリシンの1種の増粘剤が選択される。
また、反応剤としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤が選択される。更に主剤はゲルマニウム粒子が配合されている。特にアルカリ性物質をPH7.5〜9.5、反応剤の炭酸塩をPH5.5〜6.0ことが最適な数値である。
【0009】
而して複合作用粘性物と高分子気泡化抑制作用とが協同して、発生する二酸化炭素の気泡化が強く抑制される。水に溶解しやすい二酸化炭素は、発生後気泡化しないと直ちに非気泡状態で粘性物に溶解するが、二酸化炭素外用剤調製用材料は、皮膚に適用された状態で、粘性物に溶解しきれない二酸化炭素は、水分を含み二酸化炭素が溶解しやすい皮膚や血管などの組織に容易に移行し、無駄なく経皮経粘膜吸収されるため、短時間で強い美容及び医療効果が得られる。ゲルマニウム配合による二酸化炭素外用剤調製用材料において前記粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むことが好ましい。上記の増粘剤は皮膚との親和性が高いため、これらを用いて粘性物を調製することにより、美容及び医療目的でより一層好適に使用できるゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤が得られる。
このゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤において、前記粘性物が、少なくとも酸、水、油分及び界面活性剤を含む乳液又はクリームであることが好ましい。この場合、前記主剤と反応剤とを接触させて得られるゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤は、保湿性と美白効果が一層強まり、美容目的で一層好適に使用することができる。
【0010】
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、反応剤がさらに増粘剤と水とを含む粘性物であることが好ましい。反応剤がさらに増粘剤と水とを含む粘性物であると、対応する主剤と接触させたときに、炭酸塩が徐々に主剤に移行して酸との反応が一層徐々に起こり、二酸化炭素は一層徐々に発生し、非気泡状態で一層確実かつ効率的に溶解する。更に、このゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤において、前記粘性物が、少なくとも酸、水、油分及び界面活性剤を含む乳液又はクリームであることが好ましい。この場合、前記主剤と反応剤とを接触させて得られるゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤は、保湿性と美白効果が一層強まり、美容目的で一層好適に使用することができる。
反応剤がさらに増粘剤と水とを含む粘性物であることが好ましい。反応剤がさらに増粘剤と水とを含む粘性物であると、対応する主剤と接触させたときに、炭酸塩が徐々に主剤に移行して酸との反応が一層徐々に起こり、二酸化炭素は一層徐々に発生し、非気泡状態で一層確実かつ効率的に溶解する。さらに、得られる二酸化炭素外用剤の大気に面する側が、反応剤の粘性物で覆われるため、二酸化炭素の大気中への発散がより一層強く抑えられる。その結果、前記二酸化炭素外用剤が皮膚に適用された状態では、二酸化炭素は一層無駄なく経皮経粘膜吸収され、一層短時間でより強い美容及び医療効果が得られる。
【0011】
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むとともに、前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムであることが好ましい。
このような組み合わせであると、非気泡状態の二酸化炭素がより一層効率的かつ確実に溶解して、特に強い美容若しくは医療効果が確実に得られる。
前記二酸化炭素外用剤調製用材料において、前記主剤の粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むとともに、前記粘性物の酸が、リンゴ酸、コハク酸、リン酸二水素ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、クエン酸、L−アスコルビン酸及び酒石酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記高分子立体網目構造体が、不織布又はスポンジであり、かつ、前記反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むとともに、前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムであることが好ましい。このような組み合わせであると、主剤の粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用と反応剤の粘性物による粘性物複合作用とが相俟ってより一層強い美容若しくは医療効果が確実に得られる。
【0012】
本発明のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤は、実質的に非気泡状態で粘性物に溶解した二酸化炭素外用剤が得られ、このような二酸化炭素外用剤によると、二酸化炭素の経皮経粘膜吸収による美容若しくは医療効果が一層強く得られる。
前記主剤の粘性物は、粘度が20℃で20cps以上であれば、液体であっても半固体であってもよい。粘性物の粘度が20℃で20cps未満であれば、当該粘性物を含む主剤と反応剤とを接触させるとき、粘性物複合作用と高分子気泡化抑制作用が十分得られないため、発生する二酸化炭素は気泡化し、大気中に発散して経皮経粘膜吸収に十分利用されないおそれがある。
前記粘性物の剤形としては、粘性液、軟膏、クリーム、ペースト、流動性のあるハイドロゲルなどの製剤が挙げられ、目的や用途に応じて適宜選ばれる。ただし、何れについても反応剤の炭酸塩が移行しにくいほどの高粘度は好ましくない。粘性物の粘度が、反応剤の炭酸塩が移行しにくいほどの高粘度であると、主剤と反応剤とが接触したとき、二酸化炭素が十分発生しないか、前記高分子立体網目構造体の表面上で二酸化炭素が発生してしまい、大気中に発散して経皮経粘膜吸収に十分利用されないため、美容及び医療効果が得られ難い。
【0013】
粘性物として粘性液状のものを使用する場合は、少なくとも酸と水と増粘剤とを使用して、水溶液や懸濁液、若しくは膨潤液などとして好適に使用される。粘性液の製造方法として特に制限はなく、公知の方法により製造できる。
粘性物を軟膏とする場合は、公知の軟膏製造方法において、原料の一つに酸を使用するだけで容易に製造できる。酸と炭酸塩との反応をより確実にするには、酸を水に溶解できる親水軟膏とすることが好ましい。
粘性物をクリームとする場合は、公知のクリーム製造方法において、原料の一つに酸を使用するだけで容易に製造できる。
ペースト状の粘性物は、前記酸及び水にさらにペーストが形成される濃度の増粘剤を加えることにより製造できる。
ハイドロゲル状の粘性物は、前記酸及び水にさらにハイドロゲル形成原料を加えることにより製造できる。ハイドロゲル形成原料としては、特に制限はなく、例えばアルギン酸、アミロース、カゼイン、カラギーナン、キサンタンガム、カラヤガム、デキストラン、キチン、デンプン、フィブリン、プルラン、ゼラチン、マンナンなどの天然高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デンプン−アクリル酸共重合体、ヒドロキシプロピルセルロースなどの半合成高分子;カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド−ブチルメタクリレート共重合体などの合成高分子などがあげられ、これらの1種以上が使用できる。
粘性物に用いる増粘剤としては、天然高分子、半合成高分子、合成高分子、無機物からなる群より選ばれる1種以上が用いられる。
【0014】
無機物としては含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、コロイダルアルミナ、ベントナイト、ラポナイトなどが挙げられ、これらの1種以上が使用される。
前記粘性物中の酸の配合量は、当該粘性物全量に対して0.05〜30重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。0.05重量%未満であると、これと反応する炭酸塩の量がどれだけ多くても二酸化炭素の発生量が少ないために、美容若しくは医療効果は得られ難い。30重量%を超えると、これと反応する炭酸塩の量が多く、多量の二酸化炭素を発生してもそれ以上の効果が得られ難い。
粘性物に使用する酸としては、無機酸及び有機酸からなる群より選ばれる1種以上が使え、特に制限はない。無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸などが挙げられ、これらの1種以上が使用される。
【0015】
有機酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の直鎖脂肪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸などが挙げられ、これらの1種以上が使用される。
反応剤は、主剤と接触させたとき、当該主剤に含まれる粘性物に炭酸塩が移行するものであれば特に制限はなく、目的や用途に応じて固形物、半固形物、若しくは液体などの形状で使用される。剤形としては、固形物の場合、顆粒、細粒、粉末などが、半固形物の場合、軟膏、クリーム、ペースト、ハイドロゲルなどが、液体の場合、通常の水溶液、若しくは粘性液などが使用でき、特に制限はない。ただし、ハイドロゲルの場合は、硬度が高すぎると、主剤と接触したときに、当該反応剤中に含まれる炭酸塩が主剤の粘性物に移行するのに時間がかかりすぎ、二酸化炭素の発生が遅すぎて充分な美容若しくは医療効果が得られないおそれがあるため、流動性のあるハイドロゲルが好ましい。
反応剤に使用する炭酸塩としては、酸と反応して二酸化炭素を発生するものであれば特に限定されず、例えば炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、セスキ炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、セスキ炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水酸化マグネシウム、炭酸バリウムなどが挙げられ、これらの1種以上が使用される。炭酸塩3の配合量は、反応剤B全量に対して0.05〜30重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。炭酸塩3の配合量が0.05重量%未満であると、これと反応する酸の量がどれだけ多くても二酸化炭素の発生量が少ないために、美容若しくは医療効果は得られないおそれがある。30重量%を超えると、これと反応する酸の量が多く、多量の二酸化炭素を発生してもそれ以上の効果が得られないおそれがある。
【0016】
本発明のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤の使用時間は、目的と個人の二酸化炭素に対する反応性などにより異なるが、1分以上が好ましく、5分以上がより好ましい。1分未満では十分な美容若しくは医療効果が得られない。本発明の二酸化炭素外用剤は長時間の使用に何ら支障はないが、通常は二酸化炭素の発生が終了すると、それ以上長時間の使用による効果は特に得られない。
反応剤を半固形物とする場合は、通常の軟膏やクリームなどの半固形物の原料の一つに炭酸塩を使用するだけで製造でき、特に制限されない。
反応剤を液体とする場合は、単に水溶液とするだけでもよいが、粘性液とすることにより、主剤と接触させたとき、酸と炭酸塩の反応がさらに抑制され、二酸化炭素が一層徐々に発生するとともに、表面張力も高いため、発生する二酸化炭素の気泡化と発散をさらに抑制し、非気泡状態で溶解することを一層促進するためより好ましい。粘性液としては、少なくとも炭酸塩と増粘剤と水を使用して、水溶液や懸濁液、若しくは膨潤液などにした粘性液(以下「炭酸塩増粘剤含有粘性反応剤」ともいう)が好適に使用される。
本発明の二酸化炭素外用剤において、粘性物及び反応剤には、前記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて通常の外用剤や化粧料などに用いられる原料、例えば香料、色素、防腐剤、界面活性剤、油分、保湿剤、アルコール類、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、着色防止剤、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、メラニン色素合成抑制剤、栄養剤、抗炎症剤、血管拡張剤、ホルモン剤、収斂剤、抗ヒスタミン剤、皮脂抑制剤、角質剥離・溶解剤、抗脂漏剤、鎮痒剤などが配合でき、化粧料若しくは医薬外用剤として一層好適に使用される。
【0017】
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
(主剤の調製)
酸としてリンゴ酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、水として精製水96重量部を用いて流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩として炭酸水素ナトリウム1重量部、水として精製水99重量部を用いて液状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
【実施例2】
(主剤の調製)
酸としてコハク酸1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて流動性のあるハイドロゲル状の粘性物を調製し、高分子立体網目構造体として厚さ0.4mmのポリエステル製不織布を用い、当該不織布1平方センチメートルあたり0.03gの前記粘性物を含浸させ、主剤を調製した。
(反応剤の調製)
炭酸塩としてセスキ炭酸ナトリウム1重量部、増粘剤としてアルギン酸ナトリウム3重量部、防腐剤としてメチルパラベン0.1重量部、水として精製水95.9重量部を用いて粘性液状の反応剤を調製した。
そして、得られた主剤と反応剤とを組み合わせて二酸化炭素外用剤調製用材料とした。
【0018】
(比較例)
特開2000−319187号公報の実施例109に従い以下のように製造した。
(酸性組成物の製造)
クエン酸25重量%、エチルセルロース25重量%、クロスカルメロースナトリウム50重量%を用い、湿式押し出し造粒法により長さ約4mm、直径約1mmの多孔性柱状顆粒を製造した。
(塩基性組成物の製造)
精製水89.6重量%に炭酸水素ナトリウム2.4重量%を溶かし、60℃まで徐々に加温しながらアルギン酸ナトリウム4.0重量%、エチルセルロース2.0重量%、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.0重量%を徐々に加えて攪拌しながら溶かし、溶解後一夜放置し、室温まで冷まして粘性組成物を製造した。
そして、得られた酸性組成物と塩基性組成物とにより気泡状二酸化炭素含有組成物である二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物とした。
【0019】
評価試験
このようにして製造したゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤調製用材料の治験例100症例は以下の通り。
※治験時

<備考>
みずみずしくハリが出た人:80人
【0020】
(1)治験100症例後のアンケートによる意見
・顔に被膜形成効果:皮膜が張っているが違和感ない。
・皮膚への親和性が良い
・使用した後にゲル(パック)を取る必要がないので便利
・肌に透明感が出ているようである
(2)効果
・ゲル(パック)後、ポカポカして血行が良くなった感じ
・首が軽くなった
・肩が軽くなった
・頭がスッキリした感じ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増粘剤を有する粘性物のセリシンを配合したアルカリ性物質に、少なくともゲルマニウム粒子を配合した酸と水とを含むキサンタンガム粘性物が含浸され、使用時に皮膚に接触させると主剤と、この主剤の使用時に該主剤と混合して使用することにより二酸化炭素が発生する少なくとも炭酸塩並びに増粘剤と水とを含む粘性物との反応剤とから成り、而も主剤と反応剤との混合時において両者の粘性物が、前記二酸化炭素の気泡化を制御すると共に、該二酸化炭素を混合状態にあるそれらの粘性物中において実質的に非気泡状態にて溶解させることを特徴とするゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項2】
ゲルマニウム粒子が、有機性であることを特徴とする請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項3】
アルカリ性粘性物が、酸性粘性物であることを特徴とする請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項4】
粘性物が、少なくともヒドロキシエチルセルローズ、キサンタンガム、セリシンの1種の増粘剤を含むことを特徴とする請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項5】
粘性物が、少なくとも酸、水、油分及び界面活性剤を含む乳液又は粘性物ゲル・クリーム・乳液であることを特徴とする請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項6】
主剤のアルカリ性物質をPH7.5〜9.5とし、且つ反応剤の炭酸塩をPH5.5〜6.0とすることを特徴とする請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項7】
粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むと共に、前記粘性物の酸が、リンゴ酸、コハク酸、リン酸二水素ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、クエン酸、L−アスコルビン酸及び酒石酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、且つ、ポーラス以外前記粘生物が、ゲル・クリーム・乳液である粘性物であることを特徴とする請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項8】
反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルポロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むと共に、前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムである請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。
【請求項9】
主剤の粘性物が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール及びポリビニルピコリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含むと共に、前記粘性物の酸が、リンゴ酸、コハグ酸、リン酸二水素ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、クエン酸、L−アスコルビン酸及び酒石酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、粘性物が、ゲル・クリーム・乳液であり、かつ、前記反応剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤と、水と、を含むとともに、前記炭酸塩が、炭酸水素ナトリウムである請求項1記載のゲルマニウム配合の二酸化炭素外用剤。

【公開番号】特開2007−254443(P2007−254443A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113850(P2006−113850)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(504205923)
【出願人】(503460862)
【出願人】(506275896)
【Fターム(参考)】