説明

ゲル状組成物

【課題】水溶性ポリマーに疎水基として少量のシリコーン基を導入した会合性増粘剤において、これを含む組成物は、べたつかず、さっぱりした使用感が得られ、且つ肌上で被膜を形成した場合、皮脂、汗に強い。
【解決手段】 下記(I),(II),(III)を含むゲル状組成物。
(I)B−C−A−C−B構造を有するトリブロックポリマーを0.1〜5質量%、
(Aは平均分子量10,000〜35,000のポリエチレングリコール残基、Bは


(c=5〜70)であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cは前記シリコーン残基Bが有していた反応性残基及び/又は結合剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート残基、エチレングリコールグリシジルエーテル残基、アジピン酸残基を示す。)
(II)油を0.1〜25質量%
(III)水

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲル状組成物、特にシリコーン基を有する会合性ポリマーの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶性ポリマーに少量の疎水基を導入した増粘剤は、水系溶媒中で疎水性相互作用による疎水基同士の会合により著しく増粘作用を示すことが知られている(Polymers in Aqueous Media, Advances in Chemistry Series 223, 467項, J.D. Glass編、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第2版、17、772)。近年、これらの会合性ポリマーを化粧品へ配合することが検討され、特定の構造の会合性ポリマーを配合した種々の化粧料が記載されている(特許文献1〜8)。
会合性を向上させ、増粘作用を増強させるには、疎水基を延長する必要がある。
しかしながら、上記化粧料に配合された会合性ポリマーは、いずれも疎水基に長鎖アルキルを利用しているため、以下のような問題があった。即ち、市販レベルで得られるアルキル鎖長には制限がある(一般には炭素鎖長36以下、通常は24以下のアルキルが用いられている)、長鎖アルキル基は常温で固体となり取り扱いに不都合を生じる、さらに長鎖アルキル基由来の会合性ポリマーを化粧品に配合すると、使用感が重い、べたつくなどの致命的な欠点を生じる等である。
【0003】
一方、ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン直鎖型ブロック共重合体を含有する化粧品組成物が記載されている(特許文献9)。
しかしながら、上記のブロック共重合体は、不揮発性の不溶性シリコーン類もしくはフッ素化された油またはろうから選択されたコンディショニング剤の微細分散剤としての利用であり、ブロック共重合体に占めるポリシロキサン(疎水性連鎖部分)の割合が大きいため、水には不溶性であり、水中で増粘作用を示すものではなかった。
【特許文献1】特開平5−255040
【特許文献2】特表平11−514003
【特許文献3】特表平11−514004
【特許文献4】特表平11−514032
【特許文献5】特開2000−63235
【特許文献6】特開2000−136228
【特許文献7】特開2000−95630
【特許文献8】特表2000−510493
【特許文献9】特許第2682966号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、粘度を持ち、且つべたつかずさっぱりした使用感を持つ、会合性ポリマーを含むゲル状組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、水溶性ポリマーに疎水基として少量のシリコーン基を導入した会合性増粘剤において、これを含む組成物は、べたつかず、さっぱりした使用感が得られ、且つ肌上で被膜を形成した場合、皮脂、汗に強いといった多くのメリットがあることが見出された。
【0006】
本発明の主題はすなわち、下記(I),(II),(III)を含むゲル状組成物である。
(I)B−C−A−C−B構造を有するトリブロックポリマーを0.1〜5質量%、
(Aは平均分子量10,000〜35,000のポリエチレングリコール残基、
Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、
Cは前記シリコーン残基Bが有していた反応性残基及び/又は結合剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート残基、エチレングリコールグリシジルエーテル残基、アジピン酸残基を示す。)
(II)油を0.1〜25質量%
(III)水
【0007】
前記組成物において、会合性ポリマーの分子量が6000以上であることが好適である。
前記組成物において、会合性ポリマー中のシリコーン鎖の質量分率が0.1以下であることが好適である。
前記組成物において、油分を0.1〜25質量%含むエマルションであることが好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水溶性ポリマーに疎水基として少量のシリコーン基を導入した会合性増粘剤において、これを含む組成物は、べたつかず、さっぱりした使用感が得られ、且つ肌上で被膜を形成した場合、皮脂、汗に強い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明にかかる会合性ポリマーは、シリコーン変性アルキレンオキサイドシークエンシャルポリマーであり、鎖中に一般的にはアルキレンオキサイド、好ましくはエチレンオキサイド及び/またはその共重合体などの親水性連鎖部分(hydrophilic sequences)とシリコーン鎖の疎水性連鎖部分(hydrophobic sequences)の両方を含む非イオン性のシークェンシャルコポリマー(sequential copolymer)である。なおシークェンシャルコポリマーはブロックコポリマー(block copolymer)の意味を含む。
【0010】
上記ポリマーは、一般式(I)のようなトリブロック(tri-block)の形態でシークェンシャルとなり得る。
B−C−A−C−B …(I)
(Aは親水性連鎖部分、Bは疎水性連鎖部分、Cは結合部分)
本発明にかかる会合性ポリマーの分子量は、6000以上であることが好適であり、特に8000以上であることが最適である。6000未満であると、会合によるネットワークを発展できない可能性がある。
【0011】
本発明にかかる会合性ポリマーにおいて、シリコーン鎖の質量分率は好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下である。0.1を越えると、水への溶解性が低下し増粘作用を示さない可能性がある。
本発明にかかる会合性ポリマーにおいて、前記式(I)で表される会合性ポリマーのaが2、bが65以上、cが3〜105であることが好適である。
aが2,bが65以上、cが3〜105であることが好適であり、特にaが2,bが75以上、cが5〜70であることが最適である。
【0012】
本発明の組成物において、会合性ポリマーの含有量は、0.1〜5質量%であることが好適であり、特に0.5〜2質量%であることが最適である。0.1質量%未満であると、本発明の効果が十分でない可能性があり、5質量%を越えると、増粘しすぎて使用性が好ましくない可能性がある。
【0013】
本発明の組成物は、さらに油分を0.1〜25質量%含むことができる。例えば、オリーブ油、ヒマシ油などの植物性油脂、カルナバロウ、キャンデリラロウなどのワックス類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドアルキルエーテルなどの炭化水素油、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、コハク酸ジエトキシエステルなどのエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、長鎖アルキルシロキサンなどのシリコーン油等を含むことができる。
【0014】
この組成物は、局所的な塗布に適当なあらゆる薬剤処方形態とすることが可能であり、特に、油中水型(W/O)又は水中油型(O/W)又はトリプル型(W/O/W又はO/W/O)分散液又はエマルジョンの形態で提供されることができる。
本発明の組成物は、好ましくは0.1〜100Pa・s、より好ましくは1〜50Pa・sの粘度範囲を有しており、前記粘度は25℃においてブルックフィールド型粘度計などを用いて測定される。これは水性ゲルであっても、エマルションまたは分散液であっても同様である。
【0015】
本発明において、当該ゲル状組成物はさらに、化粧品及び/又は皮膚科学的領域において常套的に使用される付加的なあらゆる成分を含むことができる。例えば、脂肪酸セッケン、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N-アシルアミノ酸塩、有機酸モノグリセリドなどのアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルピリジニウムなどのカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン、レシチン、酵素分解レシチンなどの両性界面活性剤、アルキルポリオキシエチレン型、多価アルコールエステル型、アルキルポリグルコシド型、アルキルポリグリセリン型、シュガーエステル型、ポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイド共重合体型、ソルビタン脂肪酸エステル、ジメチコンコポリオールなどの非イオン性界面活性剤、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、乳酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどの保湿剤、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの半合成高分子、キサンタンガム、デキストラン、ヒアルロン酸、カゼイン、コラーゲンなどの天然高分子、高分子量シリコーン、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体などの紫外線吸収剤、トコフェロール、BHTなどの酸化防止剤、EDTA、クエン酸、ヘキサメタリン酸、ピロ亜硫酸などの金属イオン封鎖剤、シリコーンマイクロエマルション、高圧乳化マイクロエマルションなどの微細エマルション、アルコール、等を含む事が出来る。
【0016】
さらに有効成分としては、例えば、アルブチン、アスコルビン酸とその誘導体などの美白薬剤、レチノールとその誘導体などの抗老化薬剤、乳酸、グリコール酸などのα−ヒドロキシ酸類、育毛剤、ビタミン類、抗炎症剤、殺菌剤、各種の塩類等を含む事が出来る。
【0017】
また、その使用形態も任意であり、例えば化粧水、クリーム、乳液、ローション、パック、軟膏、ムース、及び石けんの他、ファンデーション、アイシャドー、しみ・隈カバー、リップクリーム、マスカラ、口紅、ボディ用メークアップ製品等のメークアップ化粧料、ヘアーリンス、シャンプー、皮膚の日焼け止めクリームまたは日焼け用クリーム、さらには皮膚科用軟膏、浴用剤等、従来化粧品及び/又は皮膚科学的領域において用いるものであれば何れの形態でも使用することができる。
【0018】
実施例
以下、本発明に好適な実施例をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。また配合量は特に指定がない限り質量%で示す。
実施例に先だって、本発明にかかる会合性ポリマーの製造例について示す。
【0019】
<製造例1>ウレタンタイプトリブロックコポリマー
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、80℃にてヘキサメチレンジイソシアネート0.7部、ジブチルスズラウリン酸0.03部、水酸基末端を持つジメチルシリコーン(FM0411、チッソ製、分子量約1,000)4部を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、水を加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0020】
製造例1によって得られるトリブロックポリマーは、B−C−A−C−B構造を有し、
Aは平均分子量20,000のポリエチレングリコール残基、Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cは結合剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート残基を示し、下記式(II)で表される。

【0021】
<製造例2>エーテルタイプトリブロックコポリマー
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、エポキシ基末端を持つジメチルシリコーン(FM0511、チッソ製、分子量約1,000)3部、ラウリン酸カリウム0.3部を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、エタノールを加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0022】
製造例2によって得られるトリブロックポリマーは、B−C−A−C−B構造を有し、
Aは平均分子量20,000のポリエチレングリコール残基、Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cは前記シリコーン残基Bが有していた反応性残基を示し、下記式(III)で表される。

【0023】
<製造例3>エーテルタイプトリブロックコポリマー
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、水酸基末端を持つジメチルシリコーン(FM0411、チッソ製、分子量約1,000)4部、エチレングリコールジグリシジルエーテル(デナコールEX810、ナガセ化成工業製)0.7部、水酸化カリウム0.07部を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、エタノールを加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0024】
製造例3によって得られるトリブロックポリマーは、B−C−A−C−B構造を有し、
Aは平均分子量20,000のポリエチレングリコール残基、Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cはエチレングリコールグリシジルエーテル残基を示し、下記式(IV)で表される。

【0025】
<製造例4>エステルタイプトリブロックコポリマー
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約10,000)を20部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、水酸基末端を持つジメチルシリコーン(FM0411、チッソ製、分子量約1,000)エチレンオキサイド25モル付加体6部、アジピン酸0.6部、水酸化ナトリウム0.1部を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0026】
製造例4によって得られるトリブロックポリマーは、B−C−A−C−B構造を有し、
Aは平均分子量10,000のポリエチレングリコール残基、Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cはアジピン酸残基を示し、下記式(V)で表される。

【0027】
<製造例5>尿素タイプトリブロックコポリマー
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約35,000)を70部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、80℃にてヘキサメチレンジイソシアネート0.7部、ジブチルスズラウリン酸0.03部、アミノ基末端を持つジメチルシリコーン(分子量約1,000)4部を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、水を加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0028】
製造例5によって得られるトリブロックポリマーは、B−C−A−C−B構造を有し、
Aは平均分子量35,000のポリエチレングリコール残基、Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cは結合剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート残基を示し、下記式(VI)で表される。

【0029】
<製造例6>エーテルタイプトリブロックコポリマー
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコに水酸基末端を持つジメチルシリコーン(FM0411、チッソ製、分子量約1,000)4部、p−トルエンスルホニルクロリド0.8部、トルエン300部に少量のピリジンを加えた。あらかじめジフェニルメタンカリウムでメタル化したポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部加え、窒素気流下70℃にて反応させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0030】
製造例6によって得られるトリブロックポリマーは、B−C−A−C−B構造を有し、
Aは平均分子量20,000のポリエチレングリコール残基、Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cは前記シリコーン残基Bが有していた反応性残基を示し、下記式(VII)で表される。

【0031】
<比較製造例1>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、80℃にてヘキサメチレンジイソシアネート0.7部、ジブチルスズラウリン酸0.03部、ラウリルアルコール(C12、分子量約186.34)を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、水を加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。エタノールを加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0032】
比較製造例1によって得られるポリマーは、下記式(XIII)で表されるポリマーである。

【0033】
<比較製造例2>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、80℃にてヘキサメチレンジイソシアネート0.7部、ジブチルスズラウリン酸0.03部、ミリスチルアルコール(C14、分子量約214.38)を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、水を加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0034】
エタノールを加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0035】
比較製造例2によって得られるポリマーは、下記式(IX)で表されるポリマーである。

【0036】
<比較製造例3>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、80℃にてヘキサメチレンジイソシアネート0.7部、ジブチルスズラウリン酸0.03部、ステアリルアルコール(C18、分子量約270.50)を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、水を加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
エタノールを加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0037】
比較製造例3によって得られるポリマーは、下記式(X)で表されるポリマーである。

【0038】
<比較製造例4>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約20,000)を40部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、80℃にてヘキサメチレンジイソシアネート0.7部、ジブチルスズラウリン酸0.03部、ベヘニルアルコール(C22、分子量約326.59)を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、水を加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。エタノールを加えて反応を停止させた。溶媒を除去し、目的のポリマーを得た。
【0039】
比較製造例4によって得られるポリマーは、下記式(XI)で表されるポリマーである。

【0040】
製造例1〜11のポリマーの2%水溶液における溶解性と粘度を以下の評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
【0041】
評価基準
溶解性
○:常温(25℃)にて溶解
△:加熱時(70℃)にて溶解
×:不溶
【0042】
粘度
○:ゲル化(流動しない)
△:増粘する(流動する)
×:増粘しない
【0043】
(表1)
溶解性 粘度
製造例1 ○ ○
製造例2 ○ ○
製造例3 ○ ○
製造例4 ○ ○
製造例5 ○ ○
製造例6 ○ ○
【0044】
表1から明らかなように、製造例1〜11のポリマーはいずれも溶解性、粘度共に優れたものであった。
(1)cの値の検討
前記式(I)において、好適なcの値はbの値に依存すると考えられる。即ち分子の親水性・疎水性のバランスから、好適なcの値は、より大きいbに対しては大きくなり、より小さいbに対しては小さくなると考えられる。
【0045】
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約18,000)を36部、トルエン300部を入れ、70℃で溶解した。共沸的に水分を除去した後、80℃にてヘキサメチレンジイソシアネート、ジブチルスズラウリン酸0.03部、水酸基末端を持つジメチルシリコーン(下記式(XII)においてc=0〜120に相当)を加え、窒素気流下70℃で一夜反応させ、水を加えて反応を停止させた。溶媒を除去しポリマーを得た。

【0046】
得られたポリマーはB−C−A−C−B構造を有し、Aは平均分子量20,000のポリエチレングリコール残基、Bは

(c=5〜70)であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、Cは結合剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート残基を示し、下記式(XIII)で表される。また、水酸基末端を有するシリコーンの分子量を変えてcがそれぞれ表2の値となるようにした。
【0047】

【0048】
(表2)
c 溶解性 粘度
試験例1-1 0 ○ ×
試験例1-2 1 ○ ×
試験例1-3 3 ○ △
試験例1-4 5 ○ ○
試験例1-5 10 ○ ○
試験例1-6 50 ○ ○
試験例1-7 70 ○ ○
試験例1-8 105 △ △
試験例1-9 120 × ×
【0049】
表2から明らかなように、溶解性はcの値が増加するに従い低下する。一方、粘度に関してはcの値が増加するに従い、増粘作用を示すようになるが、逆にcの値が増加しすぎると、溶解性が低下しポリマーが相分離する結果、増粘作用を示さなくなる。
【0050】
(2)疎水基の種類の検討
次に上記(1)の試験例1−3〜1−6のポリマーと、比較例として、疎水部をジメチルシロキサンに代えて高級アルコールを用いたトリブロックアルキル型の会合性ポリマーである比較製造例1〜4のポリマーを用い、2%水溶液を調製し、粘度、使用感を評価した。
【0051】
評価基準
使用感
○:10名中8名以上がべたつかないと回答
△:10名中5名以上8名未満がべたつかないと回答
×:10名中4名以下がべたつかないと回答
【0052】
(表3)
疎水部 疎水部の性状 c 粘度 使用感
試験例1-3 ジメチルシロキサン 液状 3 ○ ○
試験例1-4 ジメチルシロキサン 液状 5 ○ ○
試験例1-5 ジメチルシロキサン 液状 10 ○ ○
試験例1-6 ジメチルシロキサン 液状 50 ○ ○
疎水部 疎水部の性状・炭素数 粘度 使用感
比較例1-1 ラウリルアルコール 液状 12 × ○
比較例1-2 ミリスチルアルコール 固体状 14 △ △
比較例1-3 ステアリルアルコール 固体状 18 ○ ×
比較例1-4 ベヘニルアルコール 固体状 22 ○ ×
疎水部の性状:25℃における外観
【0053】
表3から明らかなように、ジメチルシロキサンは、分子量を増加させても液状を保っており、これを用いて調製した試験例1−3〜1−6のシリコーン化会合性ポリマーは粘度がありながらべたつかない使用感であるのに対し、高級アルコールは、アルキル鎖が増加するに従い、性状が液状から固体状に変化し、これを用いて調製した比較例1−1〜1−4のアルキル化会合性ポリマーは、アルキル基が液状の場合は増粘性がなく、アルキル基が固体状の場合は増粘性があるものの使用感がべたつく。よって本発明のポリマーは、従来のアルキル化会合性ポリマーと比較して、増粘性、使用感の点で優れていることが確認された。
【0054】
実施例1 クレンジングフォーム
脂肪酸: ステアリン酸 15
パルミチン酸 20
エモリエント剤: ヤシ油 2
アルカリ: 水酸化カリウム 6
保湿剤: グリセリン 15
PEG1500 10
界面活性剤: グリセロールモノステアリン酸エステル 2
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸 2
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 2
防腐剤: フェノキシエタノール 0.2
キレート剤: 適量
精製水: 残量
脂肪酸、エモリエント剤、保湿剤、防腐剤を加熱溶解し70℃に保つ。予めアルカリを溶解してあった精製水を、攪拌している油相中に添加した。添加後はしばらく70℃に保ち中和反応を終了させた。次に融解した界面活性剤、キレート剤、増粘剤を添加し、攪拌混合、脱気、ろ過の後冷却を行った。
【0055】
実施例2 化粧水
保湿剤: ソルビット 4
ジプロピレングリコール 6
PEG1500 5
界面活性剤: POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 0.1
アルコール: エタノール 10
防腐剤: メチルパラベン 0.2
香料: 適量
キレート剤: 適量
緩衝剤: 適量
精製水: 残量
精製水の一部を取りキレート剤を溶解し、これに増粘剤を混合、攪拌し粘調液を調製した。精製水の残部に保湿剤、緩衝剤を加え室温下で溶解し、これに前述の粘調液を加え均一な水溶液を得た。エタノールに防腐剤、界面活性剤、香料を加えアルコール溶液とし、これを前述の水溶液に添加混合して可溶化を行った。
【0056】
実施例3 エモリエントローション
油分: セチルアルコール 1
ミツロウ 0.5
ワセリン 2
スクワラン 6
ジメチルポリシロキサン 2
アルコール: エタノール 5
保湿剤: グリセリン 4
1.3−ブチレングリコール 4
界面活性剤: POE(10)モノオレイン酸エステル 1
グリセロールモノステアリン酸エステル 1
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 2
防腐剤: メチルパラベン 0.2
精製水: 残量
精製水に保湿剤を加え、70℃に加熱した。油分に界面活性剤、防腐剤を加え70℃に加熱した。これを先の水相に加え予備乳化を行った。ここに増粘剤とエタノールを加え攪拌、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、ろ過、冷却を行った。
【0057】
実施例4 エモリエントクリーム
油分: セチルアルコール 5
ステアリン酸 3
ワセリン 5
スクワラン 10
グリセロールトリ2-エチルヘキサン酸エステル 7
保湿剤: ジプロピレングリコール 5
グリセリン 5
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1
界面活性剤: プロピレングリコールモノステアリン酸エステル 3
POE(20)セチルアルコールエーテル 3
アルカリ トリエタノールアミン 1
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 3
防腐剤: フェノキシエタノール 0.2
酸化防止剤: BHT 0.1
香料: 適量
精製水: 残量
精製水に保湿剤、アルカリ、増粘剤を加えて70℃に加温した。油分を加熱溶解後、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香料を加え70℃に加温した。これを先の水相に添加し、予備乳化を行った。ホモミキサーにより乳化粒子を均一にした後、脱気、ろ過、冷却を行った。
【0058】
実施例5 モイスチャージェル
保湿剤: ジプロピレングリコール 7
PEG1500 8
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 1
水溶性ポリマー:キサンタンガム 0.4
メチルセルロース 0.2
アルカリ: 水酸化カリウム 0.1
防腐剤: メチルパラベン 適量
キレート剤: 適量
香料: 適量
精製水: 残量
精製水に会合性増粘剤、水溶性ポリマーを均一に溶解させた後、PEG1500、キレート剤を添加した。ジプロピレングリコールに防腐剤、香料を加えた。先に調製した水相を攪拌しながら徐々に添加した。最後にアルカリ水溶液を添加し、中和のために十分に攪拌した。
【0059】
実施例6 美白エッセンス
油分: ジメチルシロキサン 2
保湿剤: ソルビトール 8
1,3−ブチレングリコール 5
PEG1500 7
ヒアルロン酸 0.1
アルコール: エタノール 7
乳化剤: カルボキシルビニルポリマー 0.15
(pemulen TR-2TM,Goodrich社)
エモリエント剤: オリーブ油 0.2
美白剤: アルブチン 5
アスコルビン酸グルコシド 3
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 0.5
防腐剤: フェノキシエタノール 0.2
香料 適量
緩衝剤: 適量
精製水: 残量
精製水に保湿剤、緩衝剤、増粘剤、美白剤、乳化剤を室温にて溶解した。エタノールに油分、エモリエント剤、香料、防腐剤を溶解後、前述の水相に可溶化した。
【0060】
実施例7 パック
皮膜剤: ポリビニルアルコール 15
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 5
保湿剤: 1,3−ブチレングリコール 5
界面活性剤: POEオレイルアルコールエーテル 0.5
アルコール: エタノール 12
防腐剤: メチルパラベン 0.2
香料: 適量
緩衝剤: 適量
精製水: 残量
精製水に緩衝剤、保湿剤を70℃に加熱した。ここに増粘剤、皮膜剤を添加し、攪拌しながら溶解した。エタノールに香料、防腐剤、界面活性剤を添加、溶解後、前述の水相に添加し可溶化した。
【0061】
実施例8 リキッドファンデーション
粉末: タルク 3
二酸化チタン 5
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.4
黒酸化鉄 0.1
水相: ベントナイト 0.5
モノステアリン酸POEソルビタン 0.9
トリエタノールアミン 1
プロピレングリコール 10
製造例1のポリマー 0.5
精製水 残量
油相: ステアリン酸 2.2
環状ジメチルポリシロキサン 7
モノステアリン酸グリセリン 2
液状ラノリン 2
流動パラフィン 8
POE変性ジメチルポリシロキサン 1
防腐剤: 適量
香料: 適量
【0062】
実施例9 乳化タイプ口紅
顔料: 二酸化チタン 4.5
赤色201号 0.5
赤色202号 2.0
染料: 赤色223号 0.05
固形油分: セレシン 4.0
キャンデリラロウ 8.0
カルナバロウ 2.0
液状油分: ヒマシ油 30.0
イソステアリン酸ジグルセリド 40.0
界面活性剤: POE(25)PPO(20)2-テトラデシルエーテル 1.0
精製水: 5.0
保湿剤: グリセリン 2.0
プロピレングリコール 1.0
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 2.0
紫外線防止剤: 適量
酸化防止剤: 適量
香料: 適量
二酸化チタン、赤色201号、赤色202号をヒマシ油の一部に加えローラーで処理する(顔料部)。赤色223号をヒマシ油に溶解する(染料部)。精製水、グリセリン、プロピレングリコール、会合性増粘剤を80℃で均一に溶解する(水相)。他の成分を混合し、加熱融解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散する。その後、水相を加えホモミキサーで乳化分散後、型に流し込み急冷し、スティック状にした。
【0063】
実施例10 ネールエナメル
樹脂: ポリマーエマルジョン 85.0
可塑剤: アジピン酸ジイソブチル 4.0
成膜助剤: カービトール 4.0
防腐剤: メチルパラベン 0.2
消泡剤 適量
顔料: 赤色220号 0.3
酸化チタン 0.2
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 0.2
イオン交換水 残量
会合性増粘剤をイオン交換水に加熱溶解し、ポリマーエマルジョンに添加した。さらに、アジピン酸ジイソブチル、カービトールを徐添し、その他の成分を添加、均一に分散した後、脱気した。
【0064】
実施例11 シャンプー
界面活性剤: ヤシ脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム 9
ヤシ脂肪酸アシドプロピルベタイン 3
ラウリン酸プロピレングリコール 1
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1
ドデカン-1,2-ジオール酢酸エーテルナトリウム 2
保湿剤: グリセリン 1
使用性改善剤: カチオン化セルロース 0.5
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 2
塩: 塩化ナトリウム 1.5
香料: 適量
色素: 適量
防腐剤: 適量
金属イオン封鎖剤、pH調整剤 適量
精製水: 残量
精製水を70℃に加熱し、他成分を加え均一に溶解した後、冷却した。
【0065】
実施例12 リンス
油分: シリコーン油 3
流動パラフィン 1
セチルアルコール 1.5
ステアリルアルコール 1
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
保湿剤: グリセリン 3
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 0.5
香料、色素、防腐剤: 適量
精製水に会合性増粘剤、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、グリセリン、色素を加え70℃に保ち(水相)、他の成分を混合し、加熱融解し70℃に保つ(油相)。水相に油相を加えホモミキサーで乳化後、攪拌しながら冷却した。
【0066】
実施例13 ヘアジェル
会合性増粘剤: 製造例1のポリマー 2
保湿剤: グリセリン 5
アルコール: エタノール 20
界面活性剤: POEオクチルドデシルエーテル 1
香料、キレート剤 適量
精製水: 残部
会合性増粘剤とグリセリンに一部の精製水を加え70℃で加熱溶解した。他の成分を残部の精製水に溶解し、攪拌しながら添加した。
【0067】
実施例14 サンスクリーン
油相: 脂肪酸処理酸化チタン 2
デキストリン脂肪酸処理酸化亜鉛 10
パラメトキシケイ皮酸オクチル 3
ミリスチン酸イソプロピル 2
環状ジメチルポリシロキサン 10
ジメチルポリシロキサン6CS 3
グリセリルモノステアレート 2
ビタミンEアセテート 0.05
PEO変性ジメチルシロキサン 2
有機変性ベントナイト 0.5
(ベントン38,ナショナルレッド社)
防腐剤、香料 適量
水相 : 1,3−ブチレングリコール 5
製造例1のポリマー 1
精製水 残部
油相と水相部をそれぞれ70℃に加熱し溶解した。水相に油相を加え、ホモジナイザーを用いて乳化し、熱交換器を用い冷却した。
【0068】
実施例1〜14で調製した組成物、及び製造例1のポリマーの代わりに比較製造例1のアルキル化会合性ポリマーを使用した比較実施例1〜14の組成物について、使用感の官能検査を行った。
【0069】
評価基準
使用感
◎:10名中8名以上が良好と回答した
○:10名中6名以上が良好と回答した
△:10名中4名以上が良好と回答した
×:10名中3名以下が良好と回答した
【0070】
評価結果
(表4)
――――――――――――――――――――――――
No. 実施例 比較実施例
――――――――――――――――――――――――
1 ◎ △
2 ○ △
3 ○ ×
4 ◎ △
5 ◎ △
6 ◎ ×
7 ○ ×
8 ◎ △
9 ◎ △
10 ◎ ×
11 ◎ △
12 ◎ ×
13 ○ △
14 ○ △
――――――――――――――――――――――
【0071】
表4から明らかなように、シリコーン化会合性ポリマーを用いた実施例の組成物は使用感が良好であるのに対し、アルキル化会合性ポリマーを用いた比較実施例の組成物は、使用感が劣る。よって本発明の組成物は、従来のアルキル化会合性ポリマーを用いた組成物と比較して使用感が優れていることが確認された。
なお、製造例1のポリマーの代わりに、製造例2−11のポリマーを使用しても、同様に使用感が優れていた。
【0072】
実施例15 O/W型固形ファンデーション
1.マイクロクリスタンワックス 0.7
2.メチルポリシロキサン 15
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 1
4.1,3−ブチレングリコール 5
5.キャンデリラロウ 3
6.イソステアリン酸 1
7.エチレングリコール脂肪酸エステル 0.1
8.ラノリン脂肪酸オクチルドデシル 0.5
9.イミダゾリニウムベタイン 5
10.酸化チタン 10
11.酸化鉄・酸化チタン焼結物 5
12.硫酸バリウム 5
13.タルク 2
14.無水ケイ酸 5
15.架橋型シリコーン樹脂粉末 0.1
16.ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.001
17.パラオキシ安息香酸エステル 適量
18.ベンガラ 0.3
19.黄酸化鉄 1
20.黒酸化鉄 0.05
21.製造例1のポリマー 2
22.アルギン酸カルシウム 0.01
23.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
24.精製水 残部
【0073】
実施例16 保湿クリーム
1.流動パラフィン 10
2.メチルポリシロキサン 2
3.グリセリン 10
4.1,3−ブチレングリコール 2
5.エリスリトール 1
6.ポリエチレングリコール1500 5
7.スクワラン 15
8.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 5
9.水酸化カリウム 0.1
10.メタリン酸ナトリウム 0.05
11.酢酸トコフェノール 0.05
12.パラオキシ安息香酸エステル 適量
13.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3
14.ポリビニルアルコール 0.1
15.製造例1のポリマー 1
16.アクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体 0.1
17.ポリウレタン・ポリエーテル変性シリコーン混合物 0.5
ヨドゾールPUPTM(日本NSC)
18.精製水 残部
【0074】
実施例17 クリーム
1.流動パラフィン 8
2.ワセリン 3
3.メチルポリシロキサン 2
4.ステアリルアルコール 3
5.ベヘニルアルコール 2
6.濃グリセリン 5
7.ジプロピレングリコール 4
8.トレハロース 1
9.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
10.イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
11.モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1
12.親油型モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
13.クエン酸 0.05
14.クエン酸ナトリウム 0.05
15.水酸化カリウム 0.015
16.カンゾウフラボノイド 0.1
17.パルミチン酸レチノール(100万単位) 0.25
18.酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
19.パラオキシ安息香酸エステル 適量
20.フェノキシエタノール 適量
21.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
22.エデト酸3−ナトリウム 0.05
23.4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.01
24.パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
25.β−カロチン 0.01
26.製造例1のポリマー 0.5
27.ヒドロキシエチルセルロース 0.5
28.カルボキシビニルポリマー 0.05
29.精製水 残部
30.香料 適量
31.POE(14)POP(7)ジメチルエーテル 2
32.POE(9)POP(2)ジメチルエーテル 1
33.レチノール 0.1
【0075】
実施例18 美白エッセンス
1.ワセリン 2
2.メチルポリシロキサン 2
3.変性アルコール 5
4.ベヘニルアルコール 0.5
5.バチルアルコール 0.2
6.濃グリセリン 7
7.1,3−ブチレングリコール 5
8.ポリエチレングリコール20000 0.5
9.ホホバ油 3
10.スクワラン 2
11.ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
12.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 1
13.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1
14.水酸化カリウム 0.1
15.ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
16.メタリン酸ナトリウム 0.05
17.グリチルレチン酸ステアリル 0.1
18.パントテニルエチルエーテル 0.1
19.アルブチン 7
20.酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
21.ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.05
22.パラオキシ安息香酸エステル 適量
23.エデト酸3−ナトリウム 0.05
24.4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.1
25.ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
26.ベンガラ 適量
27.黄酸化鉄 適量
28.キサンタンガム 0.1
29.製造例1のポリマー 0.2
30.精製水 残部
31.4−シクロヘキシルレゾルシノール 2
32.4−メトキシサリチル酸カリウム 1
33.L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2
【0076】
実施例19 乳液
1.ワセリン 5
2.メチルポリシロキサン 2
3.ベヘニルアルコール 0.6
4.バチルアルコール 0.5
5.ジプロピレングリコール 2
6.1,3−ブチレングリコール 4
7.キシリット 1
8.ポリエチレングリコール1500 1
9.スクワラン 5
10.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2
11.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
12.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
13.酵母エキス(3) 0.1
14.シャクヤクエキス 0.1
15.エデト酸3ナトリウム 0.05
16.キサンタンガム 0.1
17.製造例1のポリマー 0.3
18.精製水 残部
19.香料 適量
20.無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 2
21.トラネキサム酸 0.5
【0077】
実施例20 乳液
1.セタノール 1
2.グリセリン 5
3.1,3−ブチレングリコール 5
4.ポリエチレングリコール20000 2
5.テトラ(2−エチルヘキサン酸パラメトキシ桂皮酸)
ペンタエリスリット 3
6.コハク酸ジ2−エチルヘキシル 3
7.水酸化カリウム 0.1
8.パラベン 適量
9.フェノキシエタノール 適量
10.エデト酸3−ナトリウム 適量
11.トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル 2
12.4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 2
13.ハ゜ラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル 2
14.シ゛ハ゜ラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2
15.製造例1のポリマー 0.2
16.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
17.精製水 残部
18.香料 適量
19.4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.1
【0078】
実施例21 日焼け止めクリーム
1.デカメチルシクロシロキサン 20
2.変性アルコール 5
3.イソステアリルアルコール 2
4.ジプロピレングリコール 3
5.イソステアリン酸 2
6.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
7.2−エチルヘキサン酸セチル 2
8.酸化チタン(疎水化処理品) 2
9.塩化ナトリウム 2
10.ビスレゾルシノールトリアジン 2
11.エデト酸3−ナトリウム 適量
12.2,4,6-トリス(4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ)
1,3,5-トリアジン
13.4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1
14.パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル 7.5
15.製造例1のポリマー 1
16.エチルセルロース 1
17.球状樹脂粉末 5
18.精製水 残部
19.香料 適量
【0079】
実施例22 日焼け止めクリーム
1.メチルフェニルポリシロキサン 4
2.ステアリルアルコール 2
3.グリセリン 5
4.ジプロピレングリコール 5
5.ソルビット液 5
6.ステアリン酸 1.5
7.パルミチン酸 1
8.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4
9.自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
10.水酸化カリウム 0.15
11.パラベン 適量
12.オクチルメトキシシンナメート 6
13.オキシベンゾン 3
14.黄酸化鉄 0.01
15.ワセリン 2
16.1,3−ブチレングリコール 4
17.スクワラン 3
18.クエン酸ナトリウム 0.1
19.ヒアルロン酸ナトリウム(2) 0.1
20.製造例1のポリマー 2
21.ベントナイト 1
22.精製水 残余
23.香料 適量
24.ビスレゾルシノールトリアジン 2
【0080】
実施例23 エッセンスジェル
1.グリセリン 2
2.1,3−ブチレングリコール 5
3.水酸化カリウム 0.1
4.パラオキシ安息香酸エステル 適量
5.魚類コラーゲン 20
6.エデト酸3−ナトリウム 0.05
7.製造例1のポリマー 1.2
8.精製水 残部
9.4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.1
【0081】
実施例24 ジェル
1.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5
2.ジプロピレングリコール 3
3.1,3−ブチレングリコール 10
4.ポリエチレングリコール1500 1
5.ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
6.ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール 5
7.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
8.コラ・デ・カバロエキス 0.1
9.パラオキシ安息香酸エステル 0.2
10.エデト酸3−ナトリウム 0.01
11.製造例1のポリマー 3.0
12.精製水 残部
【0082】
実施例25 メーク落としジェル
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 18
2.エタノール 5
3.1,3−ブチレングリコール 10
4.セージ油 0.01
5.ホホバ油 1
6.2−エチルヘキサン酸セチル 3
7.L−グルタミン酸 0.2
8.ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
9.ムクロジエキス 0.1
10.マロニエエキス 0.1
11.ユリエキス 0.1
12.オウバクエキス 0.1
13.ラベンダー油 0.01
14.エチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウム 0.1
15.製造例1のポリマー 0.8
16.ヒドロキシエチルセルロース 0.1
17.ビニルピロリドン・メタクリル酸,
N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸 0.5
18.精製水 残部
【0083】
実施例26 トリートメントマスク
1.エタノール 10
2.1,3−ブチレングリコール 6
3.ポリエチレングリコール4000 2
4.オリーブ油 1
5.マカデミアナッツ油 1
6.ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.005
7.乳酸 0.005
8.乳酸ナトリウム液(50%) 0.2
9.L−アスコルビン酸硫酸エステル2−ナトリウム 0.1
10.DL−α−トコフェロール−2−L−アスコルビン酸
リン酸ジエステルカリウム 0.1
11.ビタミンEアセテート 0.1
12.サクシニルアテロコラーゲン液 0.1
13.コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.1
14.パラオキシ安息香酸エステル 0.1
15.製造例1のポリマー 0.7
16.ポリビニルアルコール 10.0
17.精製水 残部
18.香料 適量
【0084】
なお、実施例1〜26の組成物はいずれも、べたつかずさっぱりした使用感を持っていた。また、製造例1のポリマーの代わりに製造例2〜6のポリマーを使用しても、同様にべたつかずさっぱりした使用感を持つ組成物が得られた。
以上説明したように本発明によれば、会合性ポリマーの疎水基にシリコーンを用いることで、べたつかず、さっぱりした使用感が得られ、さらに肌上で被膜を形成した場合、皮脂、汗に強いといった特徴をもつゲル状組成物を得ることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(I),(II),(III)を含むゲル状組成物。
(I)B−C−A−C−B構造を有するトリブロックポリマーを0.1〜5質量%、
(Aは平均分子量10,000〜35,000のポリエチレングリコール残基、
Bは

(c=5〜70)
であるジメチル鎖を有するシリコーン残基、
Cは前記シリコーン残基Bが有していた反応性残基及び/又は結合剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート残基、エチレングリコールグリシジルエーテル残基、アジピン酸残基を示す。)
(II)油を0.1〜25質量%
(III)水
【請求項2】
会合性ポリマーの分子量が6000以上であることを特徴とする請求項1に記載のゲル状組成物。
【請求項3】
会合性ポリマー中のシリコーン鎖の質量分率が0.1以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲル状組成物。
【請求項4】
油分を0.1〜25質量%含むエマルションであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲル状組成物。

【公開番号】特開2009−24012(P2009−24012A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187946(P2008−187946)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【分割の表示】特願2002−553422(P2002−553422)の分割
【原出願日】平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】