説明

コネクタ及び相手方コネクタ並びにそれらの組立体

【課題】インピーダンスマッチングをとり易く、且つ、優れた高速伝送特性を得ることのできる電気的接続手段を有するコネクタを提供する。
【解決手段】高速伝送路を構成する高速伝送用信号導体152と基板300及び基板400上の配線との接続は、上側フレーム部110に保持された導電性弾性体120と下側フレーム部によって保持された導電性弾性体170とによって行われ、半田付けは行われない。よって、高速伝送路毎のインピーダンスのばらつきを抑えることができ、インピーダンスマッチングをとり易くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板間の相互接続に用いられるコネクタ及び相手方コネクタ並びにそれらの組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2枚のプリント配線基板を相互に接続する手段として、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタからなるコネクタ組立体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のコネクタ組立体のプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタのいずれにおいても、ディファレンシャル伝送のような高速伝送用のコンタクトを含めた各種コンタクトには基板に沿って延設されるソルダー部が設けられており、それらソルダー部を対応する基板上の接続部に半田付けすることにより、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタを基板上へ固定すると共に各コンタクトと基板上の配線との電気的接続を図ることとしている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−71769
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高速伝送用のコンタクトを半田付けにより基板上の配線に接続するとインピーダンスにばらつきが生じ、インピーダンスマッチングをとり難い。
【0006】
加えて、半田付けを用いずに高速伝送用のコンタクトを基板に圧入することで基板上の配線に接続しようとすると、高速伝送用のコンタクトの圧入部が高速伝送路上におけるスタブとして機能してしまい、高速伝送特性に悪影響を与えるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、インピーダンスマッチングをとり易く、且つ、優れた高速伝送特性を得ることのできる電気的接続手段を有するコネクタ及びそれを用いたコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のコネクタとして、
上端面及び下端面を有する信号導体と;
上端及び下端を有し且つ該上端から該下端まで連続する導体保持部を形成された主ハウジングであって、前記信号導体の前記上端面及び前記下端面に対して当該主ハウジングの上端側及び下端側から接触可能なように前記導体保持部に前記信号導体を保持する主ハウジング部と;
上面及び下面を有し、基板と該下面を対向させるようにして該基板上に設置される下部フレーム部であって、前記上面から前記下面まで貫通する下側保持孔が形成されており、且つ、該上面と前記主ハウジングの下端とを対向させるようにして前記主ハウジングを搭載する下側フレーム部と;
前記信号導体の前記下端面に当接されて電気的に接続されるようにして、且つ、前記下側フレームの前記下面から突出するようにして、前記下側保持孔に保持された下側導電性弾性体と;
を備えるコネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のコネクタとして、前記第1のコネクタにおいて、
前記信号導体は、高速信号伝送用である請求項2記載のコネクタにおいて、
前記主ハウジングに保持された低速信号伝送用の低速信号コンタクトと、前記信号導体を挟むようにして前記主ハウジングに保持された一対のグランドコンタクトを更に備えており、
前記グランドコンタクト及び前記低速信号コンタクトは、前記基板へ圧入される圧入部を備えており、
前記グランドコンタクト及び前記低速信号コンタクトの前記圧入部の前記基板に対する圧入により当該コネクタは前記基板上に固定され、且つ、当該固定により、前記下側保持孔に保持された下側導電性弾性体は前記基板に当接させられ、前記基板上の配線に電気的に接続される
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のコネクタとして、前記第1又は前記第2のコネクタにおいて、
前記下側導電性弾性体は、弾性体ブロックと当該弾性体ブロックの表面上に略U字状断面を有するようにして設けられた導体箔とからなる
コネクタを提供する。
【0011】
更に、本発明は、第4のコネクタとして、前記第1乃至前記第3のコネクタのいずれかにおいて、
上面及び下面を有し、該上面から該下面まで貫通する上側保持孔が形成された上側フレーム部であって、該下面と前記主ハウジングの前記上端とを対向させるようにして前記主ハウジング上に搭載させる上側フレーム部と;
前記信号導体の前記上端面に当接されて電気的に接続されるようにして、且つ、前記上側フレームの前記上面から突出するようにして、前記上側保持孔に保持された上側導電性弾性体と;
を更に備えるコネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第5のコネクタとして、前記第4のコネクタにおいて、
前記上側導電性弾性体は、弾性体ブロックと当該弾性体ブロックの表面上に略U字状断面を有するようにして設けられた導体箔とからなる
コネクタを提供する。
【0013】
更に、本発明は、第1の相手方コネクタとして、
相手方基板上に配置されて、前記第1乃至前記第3のコネクタのいずれかと協同して前記基板と前記相手方基板を接続する相手方コネクタであって、
前記相手方基板上に配置される際に当該相手方基板と対向する相手方基板対向面と、該相手方基板対向面の少なくとも一部の裏面であって前記コネクタと当該相手方コネクタとを嵌合した状態において前記主ハウジング部の前記上端と対向するコネクタ対向面とを備え、且つ、前記相手方基板対向面から前記コネクタ対向面まで貫通した保持孔を有した相手方ハウジングと、
当該相手方コネクタの前記相手方基板上に配置された状態において当該相手方基板に当接させられて当該相手方基板上の配線に電気的に接続されるように前記相手方ハウジングの前記相手方基板対向面から突出するようにして、且つ、前記嵌合状態において前記コネクタの前記信号導体の前記上端面に当接されて電気的に接続されるようにして、前記保持孔に保持された導電性弾性体と
を備える相手方コネクタを提供する。
【0014】
更に、本発明は、第2の相手方コネクタとして、
相手方基板上に配置されて、請求項4又は5記載のコネクタと協同して前記基板と前記相手方基板を接続する相手方コネクタであって、
前記相手方基板上に配置される際に当該相手方基板と対向する相手方基板対向面を有し、前記コネクタの前記上側導電性弾性体を前記相手方基板対向面から突出させて前記相手方基板に当接させ当該相手方基板上の配線に電気的に接続させるようにして少なくとも前記コネクタの前記主ハウジングに嵌合される嵌合部を構成する相手方ハウジングを備える
相手方コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第3の相手方コネクタとして、
前記コネクタにおける前記信号導体が高速信号伝送用であり、前記コネクタが前記低速信号コンタクト及び前記グランドコンタクトを備えている場合における前記第1又は前記第2の相手方コネクタであって、
前記低速信号コンタクトに対応する相手方低速信号コンタクトと、前記グランドコンタクトに対応する相手方グランドコンタクトを更に備えており、
前記相手方グランドコンタクト及び前記相手方低速信号コンタクトは、前記相手方基板へ圧入される圧入部を備えており、
前記相手方グランドコンタクト及び前記相手方低速信号コンタクトの前記圧入部の前記相手方基板に対する圧入により当該相手方コネクタは前記相手方基板上に固定される
相手方コネクタを提供する。
【0016】
更に、本発明は、前記第1乃至前記第5のコネクタのいずれかと前記第1乃至前記第3の相手方コネクタのいずれかを備えるコネクタ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1のコネクタにおいては、基板上に搭載された当該コネクタの信号導体と基板上の配線との電気的接続が半田付けではなく、導電性弾性体によりなされている。したがって、半田付けのようなインピーダンスのばらつきは生じにくい。
【0018】
本発明の第2のコネクタの場合、当該コネクタの基板への固定を低速信号コンタクト及びグランドコンタクトの基板への圧入により実現していることから、コネクタの基板への固定に半田付けが全く不要となる。
【0019】
本発明の第3のコネクタの場合、例えば、導体箔の膜厚を制御することは比較的容易であり、従って、下側導電性弾性体におけるインピーダンスのばらつきも抑えることができる。
【0020】
本発明の第4のコネクタによれば、接続対象に設けられた配線等と信号導体との電気的接続も導電性弾性体によりなされることになり、安定したインピーダンス特性を得ることができる。
【0021】
本発明の第5のコネクタによれば、上側導電性弾性体におけるインピーダンスのばらつきも抑えることができる。
【0022】
本発明の第1の相手方コネクタによれば、上述の第1乃至第3のコネクタの信号導体と相手方基板上に設けられた配線との電気的接続も、半田付けではなく導電性弾性体によりなされることとなり、更に安定したインピーダンス特性を得ることができる。
【0023】
同様に、本発明の第2の相手方コネクタによれば、上述の第4又は第5のコネクタの上側導電性弾性体と相手方基板上に設けられた配線との電気的接続も半田付けではなく、上側導電性弾性体によりなされることとなり、更に安定したインピーダンス特性を得ることができる。
【0024】
加えて、本発明の第3の相手方コネクタによれば、当該相手方コネクタの相手方基板への固定を相手方低速信号コンタクト及び相手方グランドコンタクトの相手方基板への圧入により実現していることから、相手方コネクタの相手方基板への固定に半田付けが全く不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態によるコネクタ組立体は、図1乃至図8に示されるように、凸状嵌合部を有するプラグコネクタ100と、凸状嵌合部を受け入れる四角筒状嵌合部を有するレセプタクルコネクタ200とを備えている。プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200は、それぞれ、基板300と基板400に搭載され、基板300と基板400とを相互接続するための基板間接続用ツーピースコネクタである。
【0026】
図8及び図13に示されるように、プラグコネクタ100は、大きく分けて、3つのパートからなる。Z方向における最上位のパートは、図9及び図13に示されるように、上側フレーム部110及び導電性弾性体120からなる。Z方向における最下位のパートは、図12及び図13に示されるように、下側フレーム部160及び導電性弾性体170からなる。Z方向において最上位パートと最下位パートとに挟まれたパートは主パートであり、図10及び図13に示されるように、主ハウジング130、グランドプレート140並びにグランドコンタクト151、高速伝送用信号導体152及び低速伝送用信号コンタクト153からなる複数のコンタクト列とを備えている。以下、これらの各パートについて図面を参照して詳細に説明する。なお、各コンタクト列において隣接する一対の高速伝送用信号導体152は、ディファレンシャル伝送において差動対信号を伝送するためのものであり、仮に高速伝送に対してもシングルエンデッド伝送を適用する場合には、一対の高速伝送用信号導体152やそれに対応してペアで設けられている部材・部位を単一にすればよい。
【0027】
図9及び図13に示されるように、上側フレーム部110は、上面の縁をベベル状となるようにして構成された略板状の絶縁体に対してコンタクト受溝部111及び113並びに上側保持孔112からなる孔溝の列を2列形成することにより得られるものである。このうち、コンタクト受溝部111は、グランドコンタクト151の先端部を収容するものである。上側保持孔112は、X方向において一対のコンタクト受溝部111に挟まれるような位置に形成されており、一対の高速伝送用信号導体152に対応する導電性弾性体120を保持するためのものである。コンタクト受溝部113は、低速伝送用信号コンタクト153の先端部を収容するものである。本実施の形態において、コンタクト受溝部111及びコンタクト受溝部113は互いに同一の形状を有しており、8個のコンタクト受溝部113及びその両端に位置する2つのコンタクト受溝部111がX方向において等間隔に配置されている。
【0028】
本実施の形態における導電性弾性体120は、YZ平面において略D字形状の断面を有する非導電性の弾性体ブロック121と、YZ平面において略U字形状の断面を有するように弾性体ブロック121の表面上に形成され導体箔122,123を備えている。また、2つの導体箔122,123はX方向において平行に配置されている。例えば、弾性体ブロック121はゴムなどで構成することができ、導体箔122,123は弾性体ブロック上に金属箔をスパッタリングなどして形成することができる。前述のように、本実施の形態においては、一対の高速伝送用信号導体152がディファレンシャル伝送用のものであることから、まとめて一対のグランドコンタクト151間に配置させたほうがよく、そのため、一つの弾性体ブロック121上に二本の導体箔121,123が形成されている。導電性弾性体120としては、例えば非導電性の弾性材料からなる母材に導電性の粉末を多数含ませることにより、ある方向において圧縮された場合には、その圧縮方向において多数の導電性粉末が電気的に接続され、それによってある方向における両端間に電気的経路を構成するものもあるが、インピーダンス特性の調整のしやすさなどを考慮すると、本実施の形態による導電性弾性体のほうが簡易な構成で好ましい効果を得ることができる。
【0029】
主パートを構成する主ハウジング130のZ方向下面には、図10に示されるように、コンタクト収容部131、導体保持部132及びコンタクト収容部133からなる列が2列形成されている。このうち、コンタクト収容部131は、グランドコンタクト151の主部を収容するものであり、導体保持部132は、高速伝送用信号導体152を収容保持するものであり、コンタクト収容部133は、低速伝送用信号コンタクト153の主部を収容するものである。
【0030】
図8、図10及び図13から理解されるように、本実施の形態におけるコンタクト収容部131,133及び導体保持部132は、互いに同一形状を有するものであり、主ハウジング130の凸状嵌合部を構成する凸状部位130bの側面に形成された溝と、凸状部位130bの台座的な部位(以下「台座部位」という)を貫通する穴とからなるものであり、Z方向にまっすぐに延びている。
【0031】
図10において、Z方向下側から見ると、コンタクト収容部131,133及び導体保持部132のそれぞれは、Y方向外側に向かって突出した砲台モデル形状(凸状)を呈している。即ち、Y方向において対応する2つのコンタクト収容部131,133又は導体保持部132は、砲台モデル形状の概観が互いに背中合わせとなるように形成されている。
【0032】
図2、図5、図8、図10、図13及び図14から理解されるように、砲台モデル形状における大砲の先端部は、主ハウジング130の凸状部位130bの側面にまで達しており、従って、本実施の形態におけるコンタクト収容部131,133及び導体保持部132は、主ハウジング130の凸状部位130bのY方向外側からアクセス可能となっている。尤も、これらのうち、導体保持部132については、後述するように、主ハウジング130の凸状部位130bのY方向外側からアクセス可能となっていなくとも良い。
【0033】
各列のコンタクト収容部131,133及び導体保持部132は、図10におけるZ方向下側から見ると明らかなように、X方向に規則正しく並んでいる。より具体的には、各列とも、X方向において、コンタクト収容部131、一対の導体保持部132、コンタクト収容部131、8個のコンタクト収容部133、コンタクト収容部131、一対の導体保持部132、コンタクト収容部131の順に並んでいる。X方向において、一対の導体保持部132を挟むようにして形成されている2つのコンタクト収容部131は対をなしており、その一対のコンタクト収容部131及び一対の導体保持部132のY方向内側にはグランドプレート140を収容するためのグランドプレート収容部137が形成されている。
【0034】
図2、図5、及び図10から明らかなように、グランドプレート収容部137は、スリット形状を有し、主ハウジング130内においてZ方向に延びているが、図5に最もよく示されるように、主ハウジングを貫通してはいない。一対のコンタクト収容部131とそれに挟まれる一対の導体保持部132を1セットとして考えると、図10から理解されるように、本実施の形態における主ハウジング130には、4セットのコンタクト収容部131及び導体保持部132が形成されており、それら各セットに対応するようにして別個のグランドプレート収容部137が設けられている。即ち、本実施の形態における主ハウジング130には4つのグランドプレート収容部137が互いに別個独立して設けられている。
【0035】
図5及び図10から理解されるように、各グランドプレート収容部137と、それに対応する一対のコンタクト収容部131とは、それぞれ、連通部139によりY方向において連通している。
【0036】
本実施の形態における主ハウジング130において、グランドプレート収容部137と導体保持部132との間の厚みは、導体保持部132とそれに隣接するコンタクト収容部131との間の厚みよりも薄い。
【0037】
図10及び図11に示されるように、グランドプレート140は、概略、平板形状を有しているが、その表面には、コの字状に切り込みを入れて曲げ起こしてなる舌片部142が複数個形成されており、また、グランドプレート140の四隅に近いところにはそれぞれX方向外側に突出した圧入部144が形成されている。本実施の形態においては、各列5個の舌片部142からなる2列の舌片部142がX方向に間隔を置いて設けられている。舌片部142の列の間隔は、対応する連通部139間のX方向における間隔に対応している。グランドプレート140は、舌片部142をY方向外側に向けるようにして、グランドプレート収容部137にZ方向に沿って挿入される。この際、舌片部142は、連通部139内を移動する。なお、グランドプレート140は、一旦グランドプレート収容部137に挿入されると、圧入部144の働きにより、自然に抜け落ちることはない。
【0038】
図10から理解されるように、本実施の形態におけるグランドコンタクト151及び低速伝送用信号コンタクト153は、互いに同一の部材・同一の形状からなり、概略、Z方向に真っ直ぐに延びる細長い板のような形状を有している。一方、本実施の形態における高速伝送用信号導体152は、概略、グランドコンタクト151のZ方向における前端部、後端部を切り落とした形状を有している。
【0039】
図10に示されるように、本実施の形態における信号導体を含むコンタクト列は2列あり、それぞれX方向に、グランドコンタクト151、一対の高速伝送用信号導体152、グランドコンタクト151、8本の低速伝送用信号コンタクト153、グランドコンタクト151、一対の高速伝送用信号導体152、グランドコンタクト151の順に配列されている。
【0040】
図11に示されるように、グランドコンタクト151は、先端部151a、圧入部151b、Z方向に真っ直ぐに延びる主部151c、圧入部151d、圧入部151dの約半分程度の幅しか持たない首部151e、首部151eに続いて形成された基板300への圧入部151fを備えている。圧入部151bから圧入部151dまでは、コンタクト収容部131の砲台モデル形状の台部(凸状の後部:砲台とは逆の部分)に相当する部分に、主ハウジング130のZ方向下側から挿入される。この挿入により、図5及び図13に示されるように、グランドコンタクト151の先端部151aのみが主ハウジング130の凸状部位130bの上端130b1からZ方向上側に突出する。グランドコンタクト151は、一旦、コンタクト収容部131に収容されると、圧入部151b及び圧入部151dの働きにより、主ハウジング130から自然に抜け落ちることはない。前述のように、低速伝送用信号コンタクト153もグランドコンタクト151と同一形状を有しており、また、コンタクト収容部133もまたコンタクト収容部131と同一形状を有しているので、低速伝送用信号コンタクト153も主ハウジング130に適切に保持される。
【0041】
加えて、図5及び図11から理解されるように、グランドコンタクト151は、コンタクト収容部131へ保持された状態において、グランドプレート140の舌片部142と電気的に接触している。
【0042】
一方、図11に示されるように、本実施の形態における高速伝送用信号導体152は、上端面152aと下端面152eとの間に、圧入部152b、Z方向に真っ直ぐに延びる主部152c及び圧入部152dを備えている。本実施の形態において、高速伝送用信号導体152は、導体保持部132の砲台モデル形状の台部(凸状の後部:砲台とは逆の部分)に相当する部分に、主ハウジング130のZ方向下側から挿入されて、図2及び図14から理解されるように、主ハウジング130の上端130b1と高速伝送用信号導体152の上端面152aとが面一になり、且つ、主ハウジング130の下面と高速伝送用信号導体152の下端面152eとが面一になるようにして、主ハウジング130に保持される。
【0043】
ここで、上述したように、本実施の形態における主ハウジング130においては、グランドプレート収容部137と導体保持部132との間の厚みが、導体保持部132とそれに隣接するコンタクト収容部131との間の厚みよりも薄く設定されており、従って、高速伝送用信号導体152とグランドプレート140との間の最短距離は、高速伝送用信号導体152とグランドコンタクト151との間の最短距離よりも短くなる。そのため、高速伝送に関する伝送路の特性インピーダンスは、高速伝送用信号導体152とグランドプレート140並びにそれらに挟まれた主ハウジング130により構成されるマイクロストリップ線路によって決まり、グランドコンタクト151の位置が特性インピーダンスを決定する主要因とはならなくなる。そのため、安定した特性インピーダンスを得ることができる。
【0044】
図12及び図13に示されるように、下側フレーム部160は、下面の縁を面取りされた板状の絶縁体に対してコンタクト受孔部161、163及び下側保持孔162からなる孔溝の列を2列形成することにより構成されており、これらの配列内容は、基本的に上側フレーム部110におけるコンタクト受溝部111,113及び上側保持孔112と同じである。但し、コンタクト受孔部161は、グランドコンタクト151の首部151eを収容するものであり、同様に、コンタクト受孔部163は、低速伝送用信号コンタクト153の首部を収容するものである。即ち、グランドコンタクト151の圧入部151f及び低速伝送用信号コンタクト153の圧入部は、下側フレーム部160からZ方向下側に突出することになる(例えば、図5参照)。なお、本実施の形態において、下側保持孔162に保持される導電性弾性体170は、上側フレーム部110に保持される導電性弾性体120と同一構成を有している。
【0045】
このようにして、それぞれ構成された最上位パート、主パート及び最下位パートの3パートは、図10、図13及び図14から理解されるようにして、互いに組み合わされる。この組み合わせにより、図2、図11及び図13から理解されるように、上側フレーム部110に保持された導電性弾性体120の導体箔122,123は一対の高速伝送用信号導体152の上端面152aに当接し、且つ、下側フレーム部160に保持された導電性弾性体170の導体箔172,173は一対の高速伝送用信号導体152の下端面152eに当接する。また、導電性弾性体120の導体箔122,123は上側フレーム部110の上面からZ方向上側に突出し、且つ、導電性弾性体170の導体箔172,173は下側フレーム部160の下面からZ方向下側に突出している。導電性弾性体170の突出量は僅かでもよいが、プラグコネクタ100の基板300への搭載時に、基板300上の配線と導体箔172,173の電気的接触が良好に図れるようにして選択される。また、導電性弾性体120の突出量もまた僅かでもよいが、基板400へ搭載されたレセプタクルコネクタ200との嵌合時、基板400上の配線と導体箔122,123の電気的接触が良好に図れるようにして選択される。
【0046】
このような構成のプラグコネクタ100の基板300上への搭載・固定は、グランドコンタクト151の圧入部151f及び低速伝送用信号コンタクト153の圧入部を基板300に圧入させることにより行う。よって、グランドコンタクト151及び低速伝送用信号コンタクト153と基板300上の配線との電気的接続やプラグコネクタ100の基板300への固定のための半田付けは不要となる。加えて、高速伝送用信号導体152と基板300上の配線との電気的接続は、導電性弾性体170を介して行われるため、ここでも半田付けは不要となる。従って、本実施の形態においては、プラグコネクタ100と基板300との間には半田付けは一切不要となる。
【0047】
図8及び図15に示されるように、レセプタクルコネクタ200は、四角筒状嵌合部の概観を規定する絶縁性材料からなるハウジング210と、グランドプレート230と、グランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253からなる複数のコンタクト列とを備えている。
【0048】
図15に示されるように、ハウジング210のZ方向上面には、2列のコンタクト収容部211、213及びダミー収容部212が形成されている。このうち、コンタクト収容部211は、グランドコンタクト251を収容するものであり、コンタクト収容部213は、低速伝送用信号コンタクト253を収容するものである。ダミー収容部212は、コンタクト収容部211、213と同一形状を有し、一対のコンタクト収容部211間に形成されているが、本実施の形態におけるレセプタクルコネクタ200は、高速伝送用信号コンタクトを有していないため、何も収容していない。そのため、このダミー収容部212は、設けなくても良い。
【0049】
図8及び図15から理解されるように、コンタクト収容部211、213及びダミー収容部212は、ハウジング210の四角筒状の側壁内に側面に沿うようにして形成されている。
【0050】
図15において、Z方向上下側から見ると、コンタクト収容部211、213及びダミー収容部212は、それぞれ、Y方向内側に向かって突出した大砲部を有する砲台モデル形状(凸状)を呈している。即ち、Y方向において対応する2つのコンタクト収容部211、213又はダミー収容部212は、砲台モデル形状における大砲部を対向させるようにして形成されている。
【0051】
図3、図6、図8及び図15並びにから理解されるように、砲台モデル形状における大砲の先端部は、ハウジング210の内側のスペース210aと連通している、即ち、ハウジング210の内側面まで達している。従ってコンタクト収容部211、213及びダミー収容部212は、スペース210a、即ち、ハウジング210のY方向内側からアクセス可能となっている。
【0052】
各列のコンタクト収容部211、213及びダミー収容部212のX方向における配列は、例えば、プラグコネクタ100の主ハウジング130におけるコンタクト収容部131、133及び導体保持部132の配列と同様である。一対のコンタクト収容部211及び一対のダミー収容部212のY方向外側にはグランドプレート230を収容するためのグランドプレート収容部217が形成されている。
【0053】
図3、図6、図8及び図15から明らかなように、グランドプレート収容部217は、ハウジング210の上面からZ方向に向かって延びるスリット形状を有しているが、本実施の形態においては、ハウジング210を貫通してはいない。一対のコンタクト収容部211とそれに挟まれる一対のダミー収容部212を一セットとして考えると、図15から理解されるように、本実施の形態におけるハウジング210には、4セットのコンタクト収容部211及びダミー収容部212が形成されており、それら各セットに対応するようにして別個のグランドプレート収容部217が設けられている。
【0054】
図6及び図15から理解されるように、各グランドプレート収容部217と、それに対応する一対のコンタクト収容部211とは、それぞれ、連通部219によりY方向において連通している。
【0055】
なお、ハウジング210のZ方向における高さは、図4及び図7に示されるように、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200との嵌合時に、導電性弾性体120の導体箔122,123が基板400上の配線と良好に接触するようにして選択される。より具体的には、ハウジング210のZ方向における寸法は、図13に示される主ハウジング130の凸状部位130bのZ方向突出長と上側フレーム部120のZ方向における厚みとの総和より小さいことが好ましい。
【0056】
図15及び図16に示されるように、グランドプレート230は、概略、グランドプレート140と似たような形状を有するものであり、概略、平面形状を有することに加え、複数の舌片部232と四隅近傍に設けられた圧入部234を有するものであるが、グランドプレート140と比較すると、Z方向における長さが短く、そのため、グランドプレート230においては一列を構成する舌片部232の個数は3つであり、計6個の舌片部232のみが形成されている。舌片部232の列の間隔は、連通部219間の間隔に対応している。グランドプレート230は、舌片部232をY方向内側に向けるようにして、グランドプレート収容部217にZ方向に沿って挿入される。この際、舌片部232は、連通部219内を移動する。なお、グランドプレート230は、一旦グランドプレート収容部217挿入されると、圧入部234の働きにより、自然に抜け落ちることはない。
【0057】
図15から理解されるように、本実施の形態におけるグランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253は、互いに同一の部材・同一の形状を有している。グランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253の配列は、一対のグランドコンタクト251間に一対の高速伝送用信号導体152に相当する間隔をおくことを除いて、グランドコンタクト151及び低速伝送用信号コンタクト153の配列と同じである。また、各列のグランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253は、他の列のグランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253とY方向において接触部を向かい合わせるようにして配置されている。
【0058】
図15及び図16に示されるように、グランドコンタクト251は、Z方向に延びる圧入部251a、圧入部251b、Z方向に真っ直ぐに延びる主部251c、圧入部251d、折り返すように曲げられ弾性力を付与されたバネ部251e及びグランドコンタクト151に接触する接触部231fを備えている。図6に示されるように、圧入部251aは、基板400への圧入用である。また、図6及び図15から理解されるように、圧入部251bから圧入部251dまでは、コンタクト収容部211の砲台モデル形状の台部(凸状の後部:砲台とは逆の部分)に相当する部分に対して、バネ部251e及び接触部251fは、コンタクト収容部211の砲台に相当する部分に対して、ハウジング210のZ方向上側から挿入される。
【0059】
図3及び図6から明らかなように、グランドコンタクト251の接触部251fは、ハウジング210の内側面からY方向内側に突出している。なお、グランドコンタクト251は、一旦、コンタクト収容部211に収容されると、二つの圧入部251b及び251dの働きにより、自然に抜け落ちることはない。前述のように、低速伝送用信号コンタクト253はグランドコンタクト251と同一形状を有しており、また、コンタクト収容部213もまたコンタクト収容部211と同一形状を有しているので、低速伝送用信号コンタクト253もハウジング210に適切に保持される。
【0060】
加えて、図6、図15及び図16から理解されるように、グランドコンタクト251は、コンタクト収容部211へ保持された状態において、グランドプレート230の舌片部232と電気的に接触している。
【0061】
このような構成のレセプタクルコネクタ200の基板400上への搭載・固定は、グランドコンタクト251の圧入部251a及び低速伝送用信号コンタクト253の圧入部を基板400に圧入させることにより行う。よって、グランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253と基板400上の配線との電気的接続やレセプタクルコネクタ200の基板400への固定のための半田付けは不要となる。
【0062】
このような構成を備えるプラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200の嵌合時には、図1、図4、図7及び図8から理解されるように、ハウジング210のY方向内側に突出したグランドコンタクト251の接触部251f及び低速伝送用信号コンタクト253の接触部が、グランドコンタクト151の主部151c及び低速伝送用信号コンタクト153の主部上を摺動し、プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200の接続が図られる。なお、本実施の形態においては、それぞれグランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253からなる2列のコンタクト列の接触部がY方向において対向するようにして配列されているため、プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200の嵌合時には、レセプタクルコネクタ200のグランドコンタクト251及び低速伝送用信号コンタクト253の接触部により、プラグコネクタ100の側部、詳しくはグランドコンタクト151及び低速伝送用信号コンタクト153が挟持されることになる。そのため、プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200の嵌合は適切に維持される。
【0063】
この嵌合により、高速伝送用信号導体152は、基板400上の配線に対して、導電性弾性体120のみ介して行われるため、ここでも半田付けは不要となる。そのため、本実施の形態においては、プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200からなるコネクタ組立体と基板400との間には半田付けは一切不要となる。
【0064】
更に、プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200の嵌合状態において、プラグコネクタ100のグランドプレート140とレセプタクルコネクタ200のグランドプレート230は、プラグコネクタ100のグランドコンタクト151及び高速伝送用信号導体152とレセプタクルコネクタ200のグランドコンタクト251をY方向において挟むように配置されている。そのため、一対の高速伝送用信号導体152とは、XY平面内において、グランドプレート140、一対のグランドコンタクト151、一対のグランドコンタクト251及びグランドプレート230により囲まれた状態となり、高いシールド効果が得られる。
【0065】
なお、本実施の形態においては、導体保持部が主ハウジングの凸状部位130bのY方向外側からアクセス可能となるように構成されていたが、本実施の形態における高速伝送用信号導体152は、グランドコンタクト151や低速伝送用信号コンタクト153とは異なり、レセプタクルコンタクト200側の部材との接触をY方向において図る必要が無いので、導体保持部132は主ハウジング130の凸状部位130bのY方向外側からアクセス可能でなくとも良い。即ち、導体保持部132は、主ハウジング130の凸状部位130bの側面からは見えないようにして、Z方向に延設された貫通孔であっても良い。
【0066】
また、上述した実施の形態においては、高速伝送用信号導体152の上端面152aに接続される導電性弾性体120及びそれを保持する上側フレーム部110をプラグコネクタ100側に設けることとしていたが、これをレセプタクルコネクタ200側に設けることとしても良い。即ち、プラグコネクタ100は、主ハウジング130までの構成として、高速伝送用信号導体152の上端面152aに対して主ハウジング130上端からアクセス可能なように高速伝送用信号導体152を主ハウジング130に保持させる。その一方で、レセプタクルコネクタ200のハウジング210には基板400上に配置される際に基板400と対向する基板対向面を設けて、ハウジング200を箱型とし、箱型の底部には基板対向面から箱型の内底面(基板対向面の裏面)まで貫通した保持孔を形成して、その保持孔に導電性弾性体を保持することとすれば良い。この保持孔は、上側フレーム部110における上側保持孔112に対応するものであり、したがって、導電性弾性体は、基板対向面から基板400側に僅かに突出するようにして且つ基板対向面の裏面においては高速伝送信号導体の上端面に当接させられて電気的に接続可能なようにして保持孔に保持される。
【0067】
更に、以上述べたことについてプラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とを入れ替えても良い。即ち、上述した実施の形態及び変形例においては、高速伝送用信号導体152をプラグコネクタ100において保持することとしていたが、例えば、レセプタクルコネクタ200側のハウジング210に高速伝送用信号導体152を保持するための柱状ブロックを付加(一体成型)するようにしてレセプタクルコネクタ200側のハウジング210を設計変更する一方で、プラグコネクタ100側のハウジングには高速伝送用信号導体に対応する場所にXY平面においてU字状に凹むようにして形成されたレセプタクルコネクタの柱状ブロックの受部を設けることとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態によるコネクタ組立体であって、それぞれ基板に接続されたプラグコネクタとレセプタクルコネクタとが離脱状態にあるコネクタ組立体を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるプラグコネクタのII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1に示されるレセプタクルコネクタのIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図2に示されるプラグコネクタと図3に示されるレセプタクルコネクタとを嵌合した状態を示す断面図である。
【図5】図1に示されるプラグコネクタのV−V線に沿った断面図である。
【図6】図1に示されるレセプタクルコネクタのVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図5に示されるプラグコネクタと図6に示されるレセプタクルコネクタとを嵌合した状態を示す断面図である。
【図8】図1に示されるコネクタ組立体であって、離脱状態にあるプラグコネクタとレセプタクルコネクタとを示す斜視図である。
【図9】図8に示されるプラグコネクタの上側フレーム部及び導電性弾性体を示す分解斜視図である。
【図10】図8に示されるプラグコネクタの主ハウジング、グランドプレート、グランドコンタクト、高速伝送用信号導体、低速伝送用コンタクトを下斜め方向からみた場合における分解斜視図である。
【図11】図10に示されるグランドプレート、高速伝送用信号導体及びグランドコンタクトの関係を示す図である。
【図12】図8に示されるプラグコネクタの下側フレーム部及び導電性弾性体を示す分解斜視図である。
【図13】図8に示されるプラグコネクタの分解斜視図である。
【図14】図13に示されるプラグコネクタにおける信号導体の上端面近傍を拡大して示す斜視図である。
【図15】図8に示されるレセプタクルコネクタの分解斜視図である。
【図16】図15に示されるグランドプレート及びグランドコンタクトの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
100 プラグコネクタ
110 上側フレーム部
111 コンタクト受溝部
112 上側保持孔
113 コンタクト受溝部
120 導電性弾性体
121 弾性体ブロック
122 導体箔
123 導体箔
130 主ハウジング
131 コンタクト収容部
132 導体保持部
133 コンタクト収容部
137 グランドプレート収容部
139 連通部
140 グランドプレート
142 舌片部
144 圧入部
151 グランドコンタクト
151a 先端部
151b 圧入部
151c 主部
151d 圧入部
151e 首部
151f 圧入部
152 高速伝送用信号導体
152a 上端面
152b 圧入部
152c 主部
152d 圧入部
152e 下端面
153 低速伝送用信号コンタクト
160 下側フレーム部
161 コンタクト受孔部
162 下側保持孔
163 コンタクト受孔部
170 導電性弾性体
171 弾性体ブロック
172 導体箔
173 導体箔
200 レセプタクルコネクタ
210 ハウジング
211 コンタクト収容部
212 ダミー溝部
213 コンタクト収容部
217 グランドプレート収容部
219 連通部
230 グランドプレート
232 舌片部
234 圧入部
251 グランドコンタクト
251a 圧入部
251b 圧入部
251c 主部
251d 圧入部
251e バネ部
251f 接触部
253 低速伝送用信号コンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端面及び下端面を有する信号導体と;
上端及び下端を有し且つ該上端から該下端まで連続する導体保持部を形成された主ハウジングであって、前記信号導体の前記上端面及び前記下端面に対して当該主ハウジングの上端側及び下端側から接触可能なように前記導体保持部に前記信号導体を保持する主ハウジング部と;
上面及び下面を有し、基板と該下面を対向させるようにして該基板上に設置される下部フレーム部であって、前記上面から前記下面まで貫通する下側保持孔が形成されており、且つ、該上面と前記主ハウジングの下端とを対向させるようにして前記主ハウジングを搭載する下側フレーム部と;
前記信号導体の前記下端面に当接されて電気的に接続されるようにして、且つ、前記下側フレームの前記下面から突出するようにして、前記下側保持孔に保持された下側導電性弾性体と;
を備えるコネクタ。
【請求項2】
前記信号導体は、高速信号伝送用である請求項2記載のコネクタにおいて、
前記主ハウジングに保持された低速信号伝送用の低速信号コンタクトと、前記信号導体を挟むようにして前記主ハウジングに保持された一対のグランドコンタクトを更に備えており、
前記グランドコンタクト及び前記低速信号コンタクトは、前記基板へ圧入される圧入部を備えており、
前記グランドコンタクト及び前記低速信号コンタクトの前記圧入部の前記基板に対する圧入により当該コネクタは前記基板上に固定され、且つ、当該固定により、前記下側保持孔に保持された下側導電性弾性体は前記基板に当接させられ、前記基板上の配線に電気的に接続される
請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記下側導電性弾性体は、弾性体ブロックと当該弾性体ブロックの表面上に略U字状断面を有するようにして設けられた導体箔とからなる
請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
上面及び下面を有し、該上面から該下面まで貫通する上側保持孔が形成された上側フレーム部であって、該下面と前記主ハウジングの前記上端とを対向させるようにして前記主ハウジング上に搭載させる上側フレーム部と;
前記信号導体の前記上端面に当接されて電気的に接続されるようにして、且つ、前記上側フレームの前記上面から突出するようにして、前記上側保持孔に保持された上側導電性弾性体と;
を更に備える請求項1乃至3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記上側導電性弾性体は、弾性体ブロックと当該弾性体ブロックの表面上に略U字状断面を有するようにして設けられた導体箔とからなる
請求項4記載のコネクタ。
【請求項6】
相手方基板上に配置されて、請求項1乃至3のいずれかに記載のコネクタと協同して前記基板と前記相手方基板を接続する相手方コネクタであって、
前記相手方基板上に配置される際に当該相手方基板と対向する相手方基板対向面と、該相手方基板対向面の少なくとも一部の裏面であって前記コネクタと当該相手方コネクタとを嵌合した状態において前記主ハウジング部の前記上端と対向するコネクタ対向面とを備え、且つ、前記相手方基板対向面から前記コネクタ対向面まで貫通した保持孔を有した相手方ハウジングと、
当該相手方コネクタの前記相手方基板上に配置された状態において当該相手方基板に当接させられて当該相手方基板上の配線に電気的に接続されるように前記相手方ハウジングの前記相手方基板対向面から突出するようにして、且つ、前記嵌合状態において前記コネクタの前記信号導体の前記上端面に当接されて電気的に接続されるようにして、前記保持孔に保持された導電性弾性体と
を備える相手方コネクタ。
【請求項7】
相手方基板上に配置されて、請求項4又は5記載のコネクタと協同して前記基板と前記相手方基板を接続する相手方コネクタであって、
前記相手方基板上に配置される際に当該相手方基板と対向する相手方基板対向面を有し、前記コネクタの前記上側導電性弾性体を前記相手方基板対向面から突出させて前記相手方基板に当接させ当該相手方基板上の配線に電気的に接続させるようにして少なくとも前記コネクタの前記主ハウジングに嵌合される嵌合部を構成する相手方ハウジングを備える
相手方コネクタ。
【請求項8】
前記コネクタにおける前記信号導体が高速信号伝送用であり、前記コネクタが前記低速信号コンタクト及び前記グランドコンタクトを備えている場合における請求項6又は7記載の相手方コネクタであって、
前記低速信号コンタクトに対応する相手方低速信号コンタクトと、前記グランドコンタクトに対応する相手方グランドコンタクトを更に備えており、
前記相手方グランドコンタクト及び前記相手方低速信号コンタクトは、前記相手方基板へ圧入される圧入部を備えており、
前記相手方グランドコンタクト及び前記相手方低速信号コンタクトの前記圧入部の前記相手方基板に対する圧入により当該相手方コネクタは前記相手方基板上に固定される
相手方コネクタ。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれかに記載のコネクタと、請求項6乃至8のいずれかに記載の相手方コネクタとを備えるコネクタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−141586(P2007−141586A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332231(P2005−332231)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】