説明

コネクタ梱包構造及びコネクタ梱包方法

【課題】コネクタが汚れることなく、コネクタ同士の強い押圧による破損や変形等の不具合が発生する虞れが低い梱包構造及びコネクタ梱包方法を提供する。
【解決手段】 接続端子を収容するハウジング1aと、該ハウジング1aに係合するホルダ1bと、を備えたコネクタ1を複数個梱包するコネクタ梱包構造であって、複数の上記コネクタ1を真空密封袋10内に一段平面状整列状態に密着保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ梱包構造及びコネクタ梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1記載のような、接続端子を収容するハウジングと、ハウジングに係合されるホルダと、を備えた2部品から成るコネクタは、その2部品(ハウジングとホルダ)を、一緒に袋や箱に詰めて梱包していた。
【0003】
即ち、図6に示すように、従来から梱包されるべきコネクタ1は、接続端子Tを収容可能な樹脂製のハウジング1aと、ハウジング1aに係合される樹脂製のホルダ1bと、から成るものである。なお、接続端子Tをコネクタ1内に差し込む方向(図1の矢印X方向)を前方とする。
【0004】
図6(a)に示すように、コネクタ1は、ホルダ1b側に形成された端子抜け止め用の係止ランス1cが、ハウジング1a内で上下方向(図1の矢印Y方向)に弾性変形可能な位置で、ハウジング1aとホルダ1bが図示省略の仮係合部にて係止され、仮係止状態となるものである。
【0005】
また、図6(b)に示すように、ホルダ1bが後方からの力Fによって前方へさらに押し込まれると、仮係合が解除され、係止ランス1cがハウジング1a内の台座1dに当接可能な位置で、ハウジング1aとホルダ1bが図示省略の本係合部にて係止された本係止状態となるものである。この本係止状態では、係止ランス1cは、ハウジング1a内の台座1dに当接し、前方への移動及び下方への揺動が規制される。
【0006】
つまり、図7(a)に示すように、仮係止状態のコネクタ1に接続端子Tを差し込むと、接続端子1aは係止ランス1cを乗り越えてハウジング1aの内部の前方側まで到達する。図示省略するが、その後、ホルダ1bをさらに押し込んで、コネクタ1を本係止状態にすれば、係止ランス1cの係止突片1eが、接続端子Tの係止部Taに当接して、接続端子Tの後方への抜けを防止する。接続端子Tは、ハウジング1a内の所定の位置に適切に収納される。
【0007】
ところが、図7(b)に示すように、接続端子Tが収納されていない本係止状態のコネクタ1に、接続端子Tを差し込むと、係止ランス1cの揺動が台座1dによって規制されるため、接続端子Tは、係止ランス1cを乗り越えることができず、ハウジング1aに収容することができない。
【0008】
上述したようなコネクタ1は、使用する直前の状態と言える仮係止状態で、使用者の手元に届くように、梱包されていることが望まれている。また、形状の異なる2部品同士の接触による破損や変形(特に係止ランス1cの変形や破損)を防止するためにも仮係止状態の梱包が望ましいとされている。
また、所定の操作を行なうことで、本係止状態から仮係止状態に戻すこと(復帰操作)が可能であるとしても、使用者の誤使用(本係止状態で無理な接続端子Tの挿入や、無理な復帰操作による破損)を、未然に防止するためにも、仮係止状態で梱包されていることが望まれている。
【0009】
しかし、従来は、図8に示すように、搬送用の段ボール等の箱体Dに、板状の仕切部材dを設置し、所定重量のコネクタ1群を袋体Sに収納して梱包するものであった。このような従来の梱包方法では、袋体Sの内部や箱体D内部で、大きな空間が形成され、搬送中の振動や落下の衝撃等によって、コネクタ1同士の接触による破損や変形、意図せずに仮係止状態から本係止状態となる誤挿入の不具合が発生する虞れがあった。
【特許文献1】特開平8−321344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、袋や箱体に大量に梱包すると、輸送中の振動や落下の衝撃によって、内部で、形状の異なる部品同士(ハウジングとホルダ)が強く押圧(衝突)して、破損や変形が発生するという問題があった。
【0011】
また、ハウジングにホルダを、上述の仮係止状態にして、図8に示すように、袋や箱体に梱包すると、接続端子が挿入される前に仮係止状態からさらに押し込まれて係合した本係止状態となる誤挿入が発生し、接続端子を差し込めない(コネクタが使用できない)状態で、使用者(顧客)に到着してしまうという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、コネクタ同士の強い押圧による破損や変形等の不具合が発生する虞れが低い梱包構造及びコネクタ梱包方法の提供を目的とする。
特に、仮係止状態のコネクタを梱包する場合、意図せずに本係止状態となる誤挿入の発生を防止することを、別の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明のコネクタ梱包構造は、接続端子を収容するハウジングと、該ハウジングに係合するホルダと、を備えたコネクタを複数個梱包するコネクタ梱包構造であって、複数の上記コネクタを真空密封袋内に一段平面状整列状態に密着保持させたものである。
【0014】
また、接続端子を収容するハウジングと、該ハウジングに係合するホルダと、を備えたコネクタを複数個梱包するコネクタ梱包構造であって、上記ハウジングに上記ホルダ(1b)を仮に係合させた仮係止状態の上記コネクタを、真空密封袋内に縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に密着保持させたものである。
【0015】
また、本発明のコネクタ梱包方法は、接続端子を収容するハウジングと、該ハウジングに係合するホルダと、を備えたコネクタを複数個梱包するコネクタ梱包方法であって、梱包すべき複数の上記コネクタを、上記ハウジングに上記ホルダを仮に係合させた仮係止状態とし、上記コネクタを、収納袋内に縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に収納して、次に、上記収納袋を真空引きし、開口部を融着して真空密封袋を形成して、複数の上記コネクタを上記真空密封袋内に一段平面状整列状態に密着保持させて梱包する。
【0016】
また、接続端子を収容するハウジングと、該ハウジングに係合するホルダと、を備えたコネクタを複数個梱包するコネクタ梱包方法であって、収納袋に、上記コネクタの配設指示図が描かれたシート状の下敷材を挿入し、梱包すべき複数の上記コネクタを、上記ハウジングに上記ホルダを仮に係合させた仮係止状態とし、上記コネクタを、上記配設指示図に従って、上記下敷材上に、縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に収納し、次に、上記下敷材を引き抜いて、上記収納袋を真空引きし、開口部を融着して真空密封袋を形成して、複数の上記コネクタを上記真空密封袋内に一段平面状整列状態に密着保持させて梱包する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のコネクタを一段平面状整列状態に整然と保持できる。真空密封にて密着保持して整列状態からのコネクタの移動を阻止し、輸送中の振動や落下によるコネクタの破損や変形を防止できる。コネクタを一段平面状整列状態にして輸送用の箱体等に積層状に収納できる。コネクタに粘着成分が付着するようなテープ等を用いず、コネクタを汚さずに整列状態を保持できる。
特に、仮係止状態のコネクタを梱包する場合は、コネクタ同士の強い押圧(衝突)、落下の衝撃によって、意図せずに仮係止状態から本係止状態となる誤挿入の発生を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明のコネクタ梱包構造及びコネクタ梱包方法を詳説する。
まず、本発明の実施の形態のコネクタ梱包方法は、図1(a)に示す断面側面図及び図1(b)に示す断面平面図のように、上述したような2部品(ハウジング1a及びホルダ1b)で構成される公知のコネクタ1を仮係止状態にする。
【0019】
次に、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が積層されて成形された収納袋10A内に、収納すべきコネクタ1の配設指示図20aが描かれたシート状の下敷材20を挿入する。一点鎖線で示す配設指示図20aの指示に従って、その下敷材20上に、縦(前後)方向(矢印V方向)及び横(左右)方向(矢印W方向)に仮係止状態のコネクタ1を所定の数量配設する。また、縦方向及び横方向で隣り合うコネクタ1,1を接触させて並べる。
【0020】
配設指示図20aは、コネクタ1の配設すべき所定の位置及びコネクタ1の所定の姿勢(前後の向き、左右の向き、表裏の向き)や数量が表されている。複数のコネクタ1の姿勢を収納袋10A内の下敷材20上で統一させ、一段平面状整列状態に配設させる。言い換えると、コネクタ1は個数の確認が容易なマス目(碁盤目)状に整列される。なお、配設指示図20aを、図1に於て一点鎖線で示したが、実際は(視認可能な)文字や図形を有する図面や写真等とする。
【0021】
次に、図2に示すように、コネクタ1を配設後に、収納袋10Aから下敷材20を引き抜く。収納袋10A内に、縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態が維持されている複数のコネクタ1を、残存させる。
【0022】
そして、図3に示すように、複数のコネクタ1が残存する収納袋10Aの開口部から、吸引装置50のノズル50aを挿入し、収納袋10A内の空気を吸引する(真空引きする)。内部の負圧により、収納袋10Aをコネクタの形状(凹凸)に沿うように密着させる。
【0023】
真空引き後に、吸引装置50に付設される融着機50bで、開口部を融着して収納袋10Aを密閉し、真空密封袋10を形成する。負圧による密着力で、複数のコネクタ1を一段平面整列状態に一体状に密着保持させて梱包する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、仮係止状態の複数のコネクタ1を真空密封袋10内に縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に(図4(a)に示すように外部から大気圧Pが作用して)密着保持させたコネクタ梱包体30(第1梱包状態)が形成される。
【0024】
そして、図5に示すように、複数のコネクタ梱包体30を、ダンボール箱等の発送用又は収納用の箱体D内に、ホルダ1bが差し込まれる方向(矢印X方向)を、箱体Dの底面に対して水平状となるように積層状に配設して、さらに梱包(第2梱包状態)し、コネクタ1の梱包が終了する。
【0025】
上述した梱包方法によってコネクタ梱包体30が得られる。
即ち、本発明の実施の形態のコネクタ梱包構造は、図4に示すように、複数の仮係止状態のコネクタ1を、真空密封袋10内に、縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に密着保持させた構造である。
真空密封袋10は、内部の負圧によって、コネクタ1を、(真空密封袋10の)内方に引き寄せている。即ち、図4(a)のように、外部から大気圧Pが作用して、袋10の内面はコネクタ1の外面に強く密着する。そして、縦方向及び横方向で隣合うコネクタ1,1同士が、適度な力(コネクタ1が本係止状態とならない程度の力や変形や損傷しない程度の力)で互いに押し合うように密着状に面接触している。縦(前後)方向(矢印V方向)及び横方向(矢印W方向)の移動が規制され、一つの平ブロック体状部材のように形成されているとも言える。
【0026】
また、真空密封袋10は、真空引きされ開口部を密閉された収納袋10Aであり、その収納袋10Aとしては、厚さ寸法は、0. 04mm〜0.08mmとするのが望ましい。0. 04mmより薄いと、コネクタ1に密着した場合や、外力によって破損する(破れる)虞れがあり、0.08mmより厚いと、真空引きした(真空密封袋10となった)際に、コネクタ1の凹凸に沿わず、密着保持するのが困難になるためである。
【0027】
上述した実施の形態のコネクタ梱包構造の作用について説明する。
真空引きされる前の状態で、コネクタ1,1同士が接触せず空間であった箇所は、真空密封袋10の一部が入り込んで、コネクタ1がその空間へ移動できないようにしている。また、真空密封袋10がコネクタ1の凹凸に沿って密着することで、コネクタ1と真空密封袋10が係合したような状態となり、コネクタ1の移動を規制する。輸送中の振動や落下の衝撃によって、各コネクタ1,1同士が移動し接触するのを防止して破損や変形、誤挿入(意図せずに仮係止状態から本係止状態と成る)等の不具合の発生を防止する。また、平ブロック形状であるとも言え、本のように立て掛けて保管・仮置き可能にするとも言える。
【0028】
特に、実施の形態のコネクタ構造を有するコネクタ梱包体30を、複数をもって箱体Dへ梱包する場合では、積層状に面接触させて積み重ねることを可能にする。即ち、コネクタ1を、縦方向及び横方向さらに、上下方向(図5の矢印H方向)に整列させて箱体Dに梱包することを可能にする。従来例(図8参照)に比べて無駄な空間が形成されず、かさ密度(収納数)を向上させる。
【0029】
次に、実際に、同じ大きさの箱体Dに対して、図8の従来例と、図5に示した実施例との比較検証を行なった。先ず、袋詰めしたコネクタ1を仕切部材dで区分けされた箱体D内に収納した従来例では、コネクタ1の収納(梱包)数量は500個であった。複数のコネクタ梱包体30を積層状にした図5の実施例では、1008個であった。また、形状の異なる別のコネクタで検証を行なったところ、2.77倍の数量の梱包を可能にする結果が得られた。つまり、外形状にもよるが、従来例に比べ約1.5〜2.8倍の数量の梱包を可能にする結果が得られた。
【0030】
また、上述した従来例の500個入りのものと、実施例の1008個入りのものと、をそれぞれ1mの高さから5回落下させて比較検証を行なった。
従来例では、6個の破損や誤挿入といった不具合品が発生した。実施例では、数量(重量)が1.5倍以上にも関わらず、不具合品はなかった。このように、著しく不具合の発生が軽減されたことが分かる。
【0031】
また、コネクタ1が所定数量で真空密封袋10に梱包され、所定数量に仕分け(区切り)が既に行なわれている状態であるので、図8に示した従来例のような、箱体Dの仕切部材dの設置作業の省略を可能にする。また、重量による個数の確認からより確実かつ正確な目視による数量管理を容易にする。
【0032】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、図1(b)に於て、配設指示図20aをコネクタ1の姿勢が同方向に向くものとしたが、コネクタ1の外形状によっては、より収納面積が小さくなるように、各コネクタ1の向く方向や表裏を異なるよう指示するものでもよい。
【0033】
また、コネクタ梱包体30を、箱体Dに梱包(収納)する場合に、ホルダ1bが差し込まれる方向(矢印X方向)を、箱体Dの底面に対して垂直状となるように配設(収納)しても良い。
【0034】
なお、吸引装置50としては、吸気性能が−66.7±10kPaのものが望ましい。また、吸気時間は、1秒から10秒が望ましい、より好ましくは4秒〜7秒である。
例えば、吸気性能が−66.7kPaの吸引装置50で、吸気時間(真空引きする時間)を、1秒より短くすると、真空密封袋10によるコネクタ1への密着が不十分となって、輸送中に真空密封袋10内をコネクタ1が移動して、破損や変形、誤挿入の虞れが高くなる。また、10秒より長いと、真空密封袋10の内方に引き寄せられる力が強くなって、コネクタ1の破損や変形、誤挿入の虞れが発生する。
なお、コネクタ1は、上述したような、ハウジング1aの後方からホルダ1bを嵌め込む(係合させる)リアホルダ型のコネクタ1以外に、図示省略するが、ハウジング1aの前方からホルダ1bを嵌め込むフロントホルダ型のコネクタ1や、ハウジング1aの上下左右のいずれかの横方向から、ホルダ1bを嵌め込むサイドホルダ型のコネクタ1とするも自由である。
【0035】
以上のように本発明は、接続端子Tを収容するハウジング1aと、該ハウジング1aに係合するホルダ1bと、を備えたコネクタ1を複数個梱包するコネクタ梱包構造であって、複数の上記コネクタ1を真空密封袋10内に一段平面状整列状態に密着保持させたので、輸送中の振動や落下の衝撃によって、各コネクタ1,1同士が相互に強く押圧(衝突)するのを防止し、破損や変形等の不具合の発生の虞れを低減できる。また、コネクタ1への雨等による濡れや埃等の付着を防止できる。コネクタ1を整列状態で箱体D等に収納でき、収納密度(かさ密度)を向上できる。従来に比べて大量に梱包(発送)でき、輸送費を削減できる。
【0036】
また、接続端子Tを収容するハウジング1aと、該ハウジング1aに係合するホルダ1bと、を備えたコネクタ1を複数個梱包するコネクタ梱包構造であって、上記ハウジング1aに上記ホルダ1bを仮に係合させた仮係止状態の上記コネクタ1を、真空密封袋10内に縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に密着保持させたので、輸送中の振動や落下の衝撃によって、各コネクタ1,1が相互に強く押圧(衝突)するのを防止し、破損や変形等の不具合の発生の虞れを低減できる。また、コネクタ1への雨等による濡れや埃等の付着を防止できる。コネクタ1を整列状態で箱体D等に収納でき、収納密度(かさ密度)を向上できる。従来に比べて大量に梱包(発送)できる。輸送費を削減できる。また、本係止状態に成ること(誤挿入の発生)を防止することができる。また、使用者の誤使用(本係止状態で無理な接続端子Tの挿入や、無理な復帰操作による破損)を、未然に防止できる。積み重ねや立て掛け等の状況に応じた保管姿勢が可能となって梱包作業の効率を向上させる。
【0037】
また、接続端子Tを収容するハウジング1aと、該ハウジング1aに係合するホルダ1bと、を備えたコネクタ1を複数個梱包するコネクタ梱包方法であって、梱包すべき複数のコネクタ1を、ハウジング1aにホルダ1bを仮に係合させた仮係止状態とし、コネクタ1を、収納袋10A内に縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に収納し、次に、収納袋10Aを真空引きし、開口部を融着して真空密封袋10を形成して、複数の上記コネクタ1を真空密封袋10内に一段平面状整列状態に密着保持させて梱包する梱包方法であるので、真空密封袋10に外部から作用する大気圧Pによる密着保持力によって、輸送中に各コネクタ1,1が相互に強く押圧(衝突)するのを防止できる。破損や変形、誤挿入等の不具合の発生の虞れを低減できる。言い換えると、真空密封袋10によって一段平面状整列状態にコネクタ1を密着保持させ、輸送中に内部のコネクタ1に不具合が発生する虞れが低くなる。また、コネクタ1への雨等による濡れや埃等の付着を防止できる。コネクタ1の梱包を容易に数量管理できる。即座に梱包数量を知ることができる。コネクタ1を整列状態で箱体D等に収納でき、収納密度(かさ密度)を向上できる。また、使用者の誤使用(本係止状態で無理な接続端子Tの挿入や、無理な復帰操作による破損)を、未然に防止できる。積み重ねや立て掛け等の状況に応じた保管姿勢が可能となって梱包作業の効率を向上させる。
【0038】
また、接続端子Tを収容するハウジング1aと、該ハウジング1aに係合するホルダ1bと、を備えたコネクタ1を複数個梱包するコネクタ梱包方法であって、収納袋10Aに、コネクタ1の配設指示図20aが描かれたシート状の下敷材20を挿入し、梱包すべき複数のコネクタ1を、ハウジング1aに上記ホルダ1bを仮に係合させた仮係止状態とし、コネクタ1を、配設指示図20aに従って、下敷材20上に、縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に収納し、次に、上記下敷材20を引き抜いて、収納袋10Aを真空引きし、開口部を融着して真空密封袋10を形成して、複数のコネクタ1を真空密封袋10内に一段平面状整列状態に密着保持させて梱包する梱包方法であるので、収納袋10A内に、コネクタ1を容易かつ迅速に、適切な所定位置に配設できる。配設作業のミス(並べ間違え)を軽減できる。また、真空密封袋10に外部から作用する大気圧Pによる密着保持力によって、輸送中に各コネクタ1,1が相互に強く押圧(衝突)するのを防止できる。破損や変形、誤挿入等の不具合の発生の虞れを低減できる。言い換えると、真空密封袋10によって一段平面状整列状態にコネクタ1を密着保持させ、輸送中に内部のコネクタ1に不具合が発生する虞れが低くなる。また、コネクタ1への雨等による濡れや埃等の付着を防止できる。コネクタ1の梱包を容易に数量管理できる。即座に梱包数量を知ることができる。コネクタ1を整列状態で箱体D等に収納でき、収納密度(かさ密度)を向上できる。また、使用者の誤使用(本係止状態で無理な接続端子Tの挿入や、無理な復帰操作による破損)を、未然に防止できる。積み重ねや立て掛け等の状況に応じた保管姿勢が可能となって梱包作業の効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のコネクタ梱包方法の実施の形態を説明するための図であって、(a)は断面側面図、(b)は断面平面図である。
【図2】コネクタ梱包方法を説明するための断面側面図である。
【図3】コネクタ梱包方法を説明するための断面側面図である。
【図4】コネクタ梱包方法及びコネクタ梱包構造を説明する図であって、(a)は断面側面面図であり、(b)要部断面平面図である。
【図5】コネクタ梱包方法及びコネクタ梱包構造を説明するための断面側面図である。
【図6】梱包すべきコネクタの説明図である。
【図7】従来の問題点を説明するためのコネクタの説明図である。
【図8】従来のコネクタ梱包方法を説明する断面側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 コネクタ
1a ハウジング
1b ホルダ
10 真空密封袋
10A 収納袋
20 下敷材
20a 配設指示図
T 接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子(T)を収容するハウジング(1a)と、該ハウジング(1a)に係合するホルダ(1b)と、を備えたコネクタ(1)を複数個梱包するコネクタ梱包構造であって、
複数の上記コネクタ(1)を真空密封袋(10)内に一段平面状整列状態に密着保持させたことを特徴とするコネクタ梱包構造。
【請求項2】
接続端子(T)を収容するハウジング(1a)と、該ハウジング(1a)に係合するホルダ(1b)と、を備えたコネクタ(1)を複数個梱包するコネクタ梱包構造であって、
上記ハウジング(1a)に上記ホルダ(1b)を仮に係合させた仮係止状態の上記コネクタ(1)を、真空密封袋(10)内に縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に密着保持させたことを特徴とするコネクタ梱包構造。
【請求項3】
接続端子(T)を収容するハウジング(1a)と、該ハウジング(1a)に係合するホルダ(1b)と、を備えたコネクタ(1)を複数個梱包するコネクタ梱包方法であって、
梱包すべき複数の上記コネクタ(1)を、上記ハウジング(1a)に上記ホルダ(1b)を仮に係合させた仮係止状態とし、
上記コネクタ(1)を、収納袋(10A)内に縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に収納し、次に、上記収納袋(10A)を真空引きし、開口部を融着して真空密封袋(10)を形成して、複数の上記コネクタ(1)を上記真空密封袋(10)内に一段平面状整列状態に密着保持させて梱包することを特徴とするコネクタ梱包方法。
【請求項4】
接続端子(T)を収容するハウジング(1a)と、該ハウジング(1a)に係合するホルダ(1b)と、を備えたコネクタ(1)を複数個梱包するコネクタ梱包方法であって、
収納袋(10A)に、上記コネクタ(1)の配設指示図(20a)が描かれたシート状の下敷材(20)を挿入し、
梱包すべき複数の上記コネクタ(1)を、上記ハウジング(1a)に上記ホルダ(1b)を仮に係合させた仮係止状態とし、
上記コネクタ(1)を、上記配設指示図(20a)に従って、上記下敷材(20)上に、縦方向及び横方向に並べて一段平面状整列状態に収納し、次に、上記下敷材(20)を引き抜いて、上記収納袋(10A)を真空引きし、開口部を融着して真空密封袋(10)を形成して、複数の上記コネクタ(1)を上記真空密封袋(10)内に一段平面状整列状態に密着保持させて梱包することを特徴とするコネクタ梱包方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−83566(P2010−83566A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256548(P2008−256548)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】