説明

コネクタ組立体

【課題】外形寸法の小型化の要請に応えつつ、嵌合状態のロックを確認することのできる手段を備えたコネクタ組立体を提供すること。
【解決手段】レセプタクルコネクタ200は、X方向に沿って移動可能となるように設けられたロック部352を備えている。ロック部352は、レセプタクルコネクタ200とプラグコネクタ300との嵌合状態において、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能である。プラグコネクタ200は、被ロック部232と検知スイッチ240とを備えている。被ロック部232とロック部352は、協働して、レセプタクルコネクタ200とプラグコネクタ300との嵌合状態をロックする。検知スイッチ240は、その嵌合状態においてロック位置に位置しているロック部352によって押圧されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのコネクタからなるコネクタ組立体であって2つのコネクタの嵌合状態をロックするロック機構を備えたコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコネクタ組立体としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示されたコネクタ対は、角張ったC字形状のプルバーを備えるプラグ側コネクタと、基板側コネクタからなるものであり、プラグ側コネクタと基板側コネクタとが嵌合した状態においてプラグ側コネクタに基板側コネクタから脱離する方向への力が加わったとしても、プルバーの先端部分が基板側コネクタに設けられた被係止部と係止することにより、両コネクタの嵌合状態が維持されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−267977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のコネクタ組立体の場合、嵌合状態をロックできているか否かは目視によるしかないが、昨今のコネクタ外形寸法の小型化により、嵌合状態をロックできているか否かを目視で判断することは極めて困難である。
【0005】
そこで、本発明は、外形寸法の小型化の要請に応えつつ、嵌合状態のロックを確認することのできる手段を備えたコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1のコネクタ組立体として、
第1コネクタと、該第1コネクタに対して嵌合方向に沿って嵌合可能な第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記第2コネクタは、前記嵌合方向に直交する所定方向に沿って移動可能となるように設けられたロック部を備えており、
前記ロック部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合状態において、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能であり、
前記第1コネクタは、被ロック部と検知スイッチとを備えており、
前記被ロック部は、前記嵌合状態において、前記ロック部が前記アンロック位置にあるときには前記嵌合方向の逆方向である抜去方向への前記ロック部の移動を妨げない一方で前記ロック部が前記ロック位置にあるときには前記ロック部の前記抜去方向への移動を妨げるように設けられ、それによって、前記第2コネクタの前記ロック部と共に前記嵌合状態をロックするためのものであり、
前記検知スイッチは、前記嵌合状態において前記ロック位置に位置している前記ロック部によって押圧されることにより、前記ロック部が前記ロック位置にあることを検知するものである
コネクタ組立体が得られる。
【0007】
また、本発明によれば、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体において、
前記第1コネクタは、前記所定方向において前記被ロック部に隣接するようにして設けられたスイッチ収容部を備えており、
前記検知スイッチは、前記スイッチ収容部内に設けられており、
前記ロック部は、前記ロック位置に位置しているとき、前記スイッチ収容部内に設けられた前記検知スイッチを押圧している
コネクタ組立体が得られる。
【0008】
また、本発明によれば、第3のコネクタ組立体として、第2のコネクタ組立体において、
前記被ロック部は、前記所定方向に貫通する孔が設けられた部材であり、
前記ロック部は、前記ロック位置に位置しているとき、前記被ロック部の孔を通って前記検知スイッチを押圧している
コネクタ組立体が得られる。
【0009】
また、本発明によれば、第4のコネクタ組立体として、第2又は第3のコネクタ組立体において、
前記第1コネクタは、前記スイッチ収容部を有する第1インシュレータを備えており、
前記第2コネクタは、前記ロック部を有するロック部材と、前記ロック部が前記所定方向において移動可能となるように前記ロック部材を保持する第2インシュレータとを備えている、
コネクタ組立体が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、第5のコネクタ組立体として、第4のコネクタ組立体において、
前記第1コネクタは、前記第1インシュレータの少なくとも一部を覆うシェルを備えており、
前記被ロック部は、前記シェルの一部として形成されている
コネクタ組立体が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、第6のコネクタ組立体として、第4又は第5のコネクタ組立体において、
前記第2インシュレータは、カム部と前記所定方向に延びる保持孔の形成された保持ブロック部を有しており、
前記ロック部材は、金属製であり、先端に前記ロック部を有し且つ前記所定方向に移動可能となるように前記保持孔に保持された被保持部と、該被保持部から延びるカムフォロワ部と、前記カムフォロワ部から前記所定方向に延びる主部であって操作された際に該カムフォロワ部を前記カム部に押し付ける主部とを備えており、
前記主部が操作されると、前記カムフォロワ部が前記カム部上を追従し、それによって、前記ロック部を前記ロック位置から前記アンロック位置に移動させる
コネクタ組立体が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、第7のコネクタ組立体として、第4乃至第6のコネクタ組立体のいずれかにおいて、
前記第1インシュレータは、前記嵌合状態にある場合に前記所定方向において前記第2コネクタを挟むようにして位置する側部を有しており、
前記スイッチ収容部は、前記側部内に形成されている
コネクタ組立体が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、第8のコネクタ組立体として、第4乃至第7のコネクタ組立体のいずれかにおいて、
前記検知スイッチは、第1接点部を有する被固定部材と、第2接点部を有する可動部材とを有しており、
前記被固定部材は、前記第1接点部が前記スイッチ収容部内において位置固定されるようにして前記第1インシュレータに保持されており、
前記可動部材は、前記ロック部によって押圧された際に前記第2接点部が前記スイッチ収容部内において変位可能となるように前記第1インシュレータに保持されている、
コネクタ組立体が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、第9のコネクタ組立体として、第8のコネクタ組立体において、
前記第1接点部と前記第2接点部とは、前記ロック部が前記アンロック位置にあるときには離れており、前記ロック部が前記ロック位置にあるときには接触している
コネクタ組立体が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、第10のコネクタ組立体として、第8のコネクタ組立体において、
前記第1接点部と前記第2接点部とは、前記ロック部が前記アンロック位置にあるときには接触しており、前記ロック部が前記ロック位置にあるときには離れている
コネクタ組立体が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、第11のコネクタ組立体として、第8乃至第10のコネクタ組立体のいずれかにおいて、
前記可動部材は、前記嵌合方向と直交する方向に延びるようにして前記第1インシュレータに保持されている
コネクタ組立体が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、第12のコネクタ組立体として、第11のコネクタ組立体において、
前記第2接点部は、前記嵌合方向に変位する
コネクタ組立体が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、第13のコネクタ組立体として、第11のコネクタ組立体において、
前記第2接点部は、前記所定方向に変位する
コネクタ組立体が得られる。
【0019】
また、本発明によれば、第14のコネクタ組立体として、第8乃至第13のコネクタ組立体のいずれかにおいて、
前記可動部材は、前記第1インシュレータに支持される被支持部と、前記ロック部によって押圧される被押圧部とを更に有しており、
前記被押圧部は、前記被支持部と前記第2接点部との間に位置している
コネクタ組立体が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、第15のコネクタ組立体として、第14のコネクタ組立体において、
前記被押圧部は、前記嵌合方向と前記所定方向との双方に斜交する方向へ延びている
コネクタ組立体が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、第16のコネクタ組立体として、第1乃至第15のコネクタ組立体のいずれかにおいて、
前記第1コネクタは、前記嵌合方向と前記所定方向の双方に斜交する面を有するガイド部であって、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを嵌合する際に、前記ロック部を前記ロック位置にガイドするガイド部を備えている
コネクタ組立体が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、第17のコネクタ組立体として、第1乃至第16のコネクタ組立体のいずれかにおいて、
前記被ロック部は、金属からなる
コネクタ組立体が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、被ロック部と共に嵌合状態をロック可能なロック部がロック位置に位置しているときに、そのロック部自体によって押圧される検知スイッチを設けることとしたことから、コネクタ組立体のサイズを大型化することなく、高い信頼性をもってロック状態を確認することができる。
【0024】
特に、検知スイッチを被固定部材と可動部材との2つの部材で構成し、且つ、可動部材を嵌合方向と直交する方向に延びるようにして設けたことから、コネクタの低背化に反することなく検知スイッチを設けることができている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態によるプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタからなるコネクタ組立体を示す斜視図である。ここで、プラグコネクタとレセプタクルコネクタは嵌合状態にある。
【図2】図1のコネクタ組立体を示す斜視図である。ここで、プラグコネクタはレセプタクルコネクタから抜去されている状態にある。
【図3】図1のレセプタクルコネクタを示す斜視図である。
【図4】図3のレセプタクルコネクタを示す分解斜視図である。
【図5】図3のレセプタクルコネクタをV−V線に沿って示す部分拡大断面図である。
【図6】図1のプラグコネクタを示す斜視図である。
【図7】図6のプラグコネクタを示す分解斜視図である。
【図8】図1のコネクタ組立体をVIII−VIII線に沿って切り欠いて示す一部切欠き拡大斜視図である。図示されたコネクタ組立体においては、嵌合状態がロックされていない。
【図9】図1のコネクタ組立体をIX−IX線に沿って切り欠いて一部切欠き拡大斜視図である。図示されたコネクタ組立体においては、嵌合状態がロックされている。
【図10】検知スイッチの変形例を示す分解斜視図である。
【図11】嵌合状態がロックされていない場合における図10の検知スイッチを示す斜視図である。
【図12】嵌合状態がロックされている場合における図10の検知スイッチを示す斜視図である。
【図13】検知スイッチの他の変形例を示す分解斜視図である。
【図14】嵌合状態がロックされていない場合における図13の検知スイッチを示す斜視図である。
【図15】嵌合状態がロックされている場合における図13の検知スイッチを示す斜視図である。
【図16】検知スイッチの更に他の変形例を示す分解斜視図である。
【図17】嵌合状態がロックされていない場合における図16の検知スイッチを示す斜視図である。
【図18】嵌合状態がロックされている場合における図16の検知スイッチを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び図2に示されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ組立体100は、基板(図示せず)に搭載・固定されるレセプタクルコネクタ(第1コネクタ)200と、レセプタクルコネクタ200に対してZ方向(嵌合方向)に沿って嵌合可能なプラグコネクタ(第2コネクタ)300とを備えている。本実施の形態によるプラグコネクタ300にはケーブル400が接続されている。
【0027】
図3乃至図5に示されるように、レセプタクルコネクタ200は、複数のコンタクト210と、コンタクト210を保持するインシュレータ(第1インシュレータ)220と、インシュレータ220を部分的に覆うシェル230と、インシュレータ220に組み込まれる検知スイッチ240とを備えている。
【0028】
図4に示されるように、インシュレータ220は、プラグコネクタ300の嵌合部を受け入れる場所を規定する受容部222と、受容部222をX方向(所定方向)において挟むようにして設けられた側部224とを備えている。側部224には、スイッチ収容部226が形成されており、そのスイッチ収容部226に検知スイッチ240が収容されている。
【0029】
図4に示されるように、シェル230は、一枚の金属板を打ち抜きプレス加工して得られるものであり、スイッチ収容部226を覆う被ロック部232を備えている。被ロック部232には、X方向及びZ方向の双方に斜交する面を有するガイド部234と、被ロック部232をX方向において貫通する孔236とが形成されている。更に、シェル230には、複数の半田付け部238が形成されている。この半田付け部238が基板(図示せず)に半田付けされることにより、レセプタクルコネクタ200は基板に固定される。
【0030】
図4に示されるように、本実施の形態による検知スイッチ240は、インシュレータ220に保持された被固定部材250及び可動部材260の2つの部材からなるものであり、ノーマルオフタイプのものである。
【0031】
詳しくは、被固定部材250は、第1接点部252と、半田付け部254とを備えており、第1接点部252がスイッチ収容部226内において位置固定されるように、スイッチ収容部226の前端壁226aに取り付けられている。
【0032】
一方、可動部材260は、第2接点部262と、被支持部264と、被押圧部266と、半田付け部268とを備えており、被支持部264がスイッチ収容部226の後端壁226bに支持されることにより、スイッチ収容部226内において第2接点部262がZ方向に沿って変位可能となっている。本実施の形態による第2接点部262は、可動部材260のうち、被支持部264から−Y方向に沿って延びるバネ状の部位の先端に設けられており、被固定部材250の第1接点部252に対してZ方向において対向配置されている。また、被押圧部266は、Y方向において第2接点部262と被支持部264との間に位置している。なお、本実施の形態においては、可動部材260の主たる部分は−Y方向へ延びているが、本発明はこれに制限されるものではなく他の方向へ延びていてもよい。但し、コネクタ組立体100の低背化の要請を考慮すると、可動部材260の主たる部分は、少なくともZ方向と直交する方向に延びていることが好ましい。
【0033】
本実施の形態による被押圧部266は、図4及び図5に示されるように、被支持部264がスイッチ収容部226の後端壁226bに支持された状態において、X方向及びZ方向の双方に斜交する方向へ延びている。更に、図5に示されるように、被押圧部266は、シェル230のガイド部234の下から受容部222側に向けて延びている。
【0034】
上述したように、本実施の形態においては、被押圧部266が第2接点部262と被支持部264との間に位置していることから、被押圧部266の少しの変位により第2接点部262を大きく変位させることができる。また、被押圧部266がX方向及びZ方向の双方と斜交していることからX方向に沿った力を受けた場合にもまたZ方向に沿った力を受けた場合にも可動部材260の第2接点部262をZ方向に変位させることができる。被押圧部266に力が加わり、第2接点部262が変位して第1接点部252に接触すると、可動部材260の半田付け部268から被固定部材250の半田付け部254まで導通することとなる。後述するように、本実施の形態においては、この導通・非導通をロック状態の検知に利用している。
【0035】
図6及び図7に示されるように、プラグコネクタ300は、複数のコンタクト310と、コンタクト310を保持するインシュレータ(第2インシュレータ)320と、インシュレータ320の上部を覆う金属製のアッパーシェル330と、インシュレータ320の下部を覆う金属製のロワーシェル340と、金属製の棒を折り曲げ形成してなるロック部材350とを備えている。
【0036】
図7に示されるように、インシュレータ320は、コンタクト310を保持する主部322と、主部322をX方向において挟むようにして設けられた収容部324と、収容部324の更に外側に設けられた保持ブロック部326とを備えている。保持ブロック部326の収容部324側の面にはカム部327が形成されている。また、保持ブロック部326には、保持ブロック326を貫通するようにしてX方向に延びる保持孔328が形成されている。即ち、保持孔328は、収容部324と保持ブロック326の外側の端面326aとをX方向において連通している。
【0037】
図7に示されるように、ロック部材350は、先端にロック部352を有し且つ直線状に延びる被保持部354と、被保持部354から延びるカムフォロワ部356と、カムフォロワ部356から被保持部354と平行に延びる主部358とを備えている。被保持部354は、保持孔328に保持されている。これにより、被保持部354は、保持孔328内において回動可能であり、また、被保持部354の先端であるロック部352は、X方向に沿って移動可能となっている。なお、ロック部352は、ロック部材350が寝ている状態(通常状態)において、保持ブロック部326から外側に向けて突出している(図6参照)。カムフォロワ部356は、収容部324に部分的に収容されており、主部358が操作されてロック部材350が起こされると、主部358によってカム部327上を追従する。このカムフォロワ部356のカム部327への追従によって、ロック部352は、X方向に沿って保持ブロック部326の内側に向けて変位する。
【0038】
図8に示されるように、プラグコネクタ300がレセプタクルコネクタ200に嵌合している状態であっても、ロック部352が保持孔328内に収容されている場合、被ロック部232はロック部352の−Z方向への移動を妨げない。従って、プラグコネクタ300をレセプタクルコネクタ200から−Z方向(抜去方向)に抜去することができる。即ち、図8に示される状態においてはプラグコネクタ300とレセプタクルコネクタ200との嵌合状態はロックされていない。このようなロック部352の位置をアンロック位置という。
【0039】
一方、図9に示されるように、プラグコネクタ300がレセプタクルコネクタ200に嵌合している状態であってロック部352が被ロック部232の孔236を通ってスイッチ収容部226内に位置している場合、被ロック部232はロック部352の−Z方向への移動を妨げることとなっている。従って、プラグコネクタ300に対して−Z方向に向かう力を加えてレセプタクルコネクタ200から抜去しようとしても、抜去できない。即ち、両者の嵌合状態はロックされている。このようなロック部352の位置をロック位置という。
【0040】
図8を参照すると、ロック部352がアンロック位置にあるとき、ロック部352は被押圧部266を押圧しておらず、第2接点部262は第1接点部252と接触していないため、半田付け部254と半田付け部268との間はオープンとなっている。一方、図9を参照すると、ロック部352がロック位置にあるとき、ロック部352が被押圧部266を押圧し、それによって第2接点部262が変位して第1接点部252に接触している。これにより、半田付け部254と半田付け部268の間はショートする。従って、半田付け部254と半田付け部268との間の電気的な状態を監視していれば、ロック部352がロック位置にあるのかアンロック位置にあるのかを検知することができる。
【0041】
本実施の形態による検知スイッチ240は、ロック部352自体によってオン・オフされるものであり、ロック部352及び被ロック部232からなるロック機構と一体に形成されたものである。従って、ロック機構と検知スイッチ240を別体に設けた場合と比較して、小型化を図ることができる。更に、本実施の形態における検知スイッチ240の可動部材260は、嵌合方向であるZ方向と直交する方向へ延びていることから、低背化の要請に反することなく検知スイッチ240を設けることができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、図5に示されるように、X方向及びZ方向の双方に斜交するガイド部234をレセプタクルコネクタ200に設けてあることから、保持ブロック部326からロック部352が突出した状態でプラグコネクタ300をレセプタクルコネクタ200に嵌合しようとすると、ガイド部234によってロック部352が一時的に保持ブロック部326の内側に向けて移動させ、その後、保持ブロック部326から孔236内に向けて突出することとなる。従って、本実施の形態によれば、保持ブロック部326からロック部352が突出した状態でプラグコネクタ300をレセプタクルコネクタ200に嵌合しようとしたとしても、ロック部352がプラグコネクタ300とレセプタクルコネクタ200の嵌合の妨げとなることはない。
【0043】
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に制限されるものではない。
【0044】
例えば、上述した実施の形態においては、第1接点部252と第2接点部262とがZ方向において対向配置されており、ロック部352がロック位置に移動してきた際に第2接点部262がZ方向に変位して第1接点部252に接触することとなっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10乃至図12に示されるように、第2接点部262をX方向に変位させることとしてもよい。
【0045】
図10乃至図12に図示された例において、シェル230の被ロック部232にはロック部材350のロック部352が侵入可能な孔236が形成されている。インシュレータ220の側部224にはスイッチ収容部226が形成されており、スイッチ収容部226には、被固定部材250と可動部材260とからなる検知スイッチ240が収容されている。詳しくは、被固定部材250は、第1接点部252と半田付け部254とを備えており、第1接点部252がスイッチ収容部226内において位置固定されるように、インシュレータ220に保持されている。一方、可動部材260は、第2接点部262と、被支持部264と、被押圧部266と、半田付け部268とを備えており、スイッチ収容部226内において第2接点部262がX方向に沿って変位可能となるように、インシュレータ220に支持されている。なお、図11及び図12においては、理解を容易にするため、シェル230の図示を省略している。
【0046】
図11に示されるように、ロック部材350が起こされた状態においては、ロック部352が可動部材260の被押圧部266を押圧してはいない。この状態において、第2接点部262は第1接点部252とは非接触であり、従って、半田付け部254と半田付け部268との間はオープンとなっている。
【0047】
図12に示されるように、ロック部材350を倒されると(寝かされると)、ロック部352が孔236を通り、スイッチ収容部226内に侵入し、被押圧部266をX方向に押圧する。これによって、第2接点部262もX方向に変位し、第1接点部252に接触する。この第2接点部262と第1接点部252との接触により、半田付け部254と半田付け部268との間はショートする。このようにして、本例においては、当該ショートを検出することにより、ロック部352によるロック状態を検知することができる。
【0048】
また、図1乃至図9を用いて説明した本実施の形態において、検知スイッチ240は被固定部材250と可動部材260の2つの部材からなるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図13乃至図15に示されるように、被固定部材を省略してシェル230の一部に被固定部材の機能を持たせることとしても良い。
【0049】
図13乃至図15に図示された例において、シェル230の被ロック部232にはロック部材350のロック部352が侵入可能な孔236が形成されている。インシュレータ220の側部224にはスイッチ収容部226が形成されており、スイッチ収容部226には、可動部材260とシェル230の一部からなる検知スイッチが収容されている。シェル230の一部は、スイッチ収容部226内において位置固定され第1接点部252として機能する。一方、可動部材260は、第2接点部262と、被支持部264と、被押圧部266と、半田付け部268とを備えており、スイッチ収容部226内において第2接点部262がX方向に沿って変位可能となるように、インシュレータ220に支持されている。なお、図14及び図15においては、理解を容易にするため、被固定部材として機能する部位を除き、シェル230の図示を省略している。
【0050】
図14に示されるように、ロック部材350が起こされた状態においては、ロック部352が被押圧部266を押圧してはいない。この状態において、第2接点部262は第1接点部252とは非接触であり、従って、半田付け部238と半田付け部268との間はオープンとなっている。
【0051】
図15に示されるように、ロック部材350を倒されると(寝かされると)、ロック部352が孔236を通り、スイッチ収容部226内に侵入し、被押圧部266をX方向に押圧する。これによって、第2接点部262もX方向に変位し、第1接点部252に接触する。この第2接点部262と第1接点部252との接触により、半田付け部238と半田付け部268との間はショートする。このようにして、本例においては、当該ショートを検出することにより、ロック部352によるロック状態を検知することができる。
【0052】
更に、上述した実施の形態等において、検知スイッチはノーマルオフタイプのものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図16乃至図18に示されるように、ノーマルオンタイプの検知スイッチ240を用いることとしても良い。
【0053】
図16乃至図18に図示された例において、シェル230の被ロック部232にはロック部材350のロック部352が侵入可能な孔236が形成されている。インシュレータ220の側部224にはスイッチ収容部226が形成されており、スイッチ収容部226には、被固定部材250と可動部材260とからなる検知スイッチ240が収容されている。詳しくは、被固定部材250は、第1接点部252と半田付け部254とを備えており、第1接点部252がスイッチ収容部226内において位置固定されるように、インシュレータ220に保持されている。一方、可動部材260は、第2接点部262と、被支持部264と、被押圧部266と、半田付け部268とを備えており、スイッチ収容部226内において第2接点部262がX方向に沿って変位可能となるように、インシュレータ220に支持されている。この例においては、被押圧部266が被固定部材250を跨ぐようにして設けられており、可動部材260のうち被押圧部266以外の部位は、X方向において、被固定部材250よりもロック部352から遠い位置に位置している(図18参照)。この点、例えば、被固定部材にロック部352が通ることの可能な孔を設け、その孔を通してロック部352が到達し得る位置に被押圧部を設けることにより、可動部材全体を被固定部材よりもロック部から遠い位置に配置することとしてもよい。なお、図17及び図18においては、理解を容易にするため、シェル230の図示を省略している。
【0054】
図17に示されるように、ロック部材350が起こされた状態においては、ロック部352が可動部材260の被押圧部266を押圧してはいない。この状態において、第2接点部262は、第1接点部252に接触している。従って、半田付け部254と半田付け部268との間はショートしている。
【0055】
図18に示されるように、ロック部材350を倒されると(寝かされると)、ロック部352が孔236を通り、スイッチ収容部226内に侵入し、被押圧部266をX方向に押圧する。これによって、第2接点部262もX方向に変位し、第2接点部262は第1接点部252から離れて、両者は非接触となる。そのため、図示された状態では、半田付け部254と半田付け部268との間はオープンとなる。このようにして、本例においては、当該オープンを検出することにより、ロック部352によるロック状態を検知することができる。
【0056】
本実施の形態においては、プラグコネクタ300をレセプタクルコネクタ200に嵌合させた後、ロック部材350を回転させることにより、ロック部352をアンロック位置からロック位置に移動させたが、図6に示す状態、即ち、ロック部352が保持ブロック部326の端面326aから外方に突出した状態(ロック位置にある状態に相当)で、プラグコネクタ300をレセプタクルコネクタ300に嵌合させても良い。この場合には、プラグコネクタ300とレセプタクルコネクタ200との嵌合動作に伴ってロック部352がガイド部234にガイドされることにより、ロック部352が一時的に保持ブロック部326の内側に向かって引っ込むようにロック部材350が弾性変形した後、再びロック部352が保持ブロック部326から突出してロック位置に位置することにより、プラグコネクタ300とレセプタクルコネクタ200との嵌合状態がロックされる。
【符号の説明】
【0057】
100 コネクタ組立体
200 レセプタクルコネクタ(第1コネクタ)
210 コンタクト
220 インシュレータ(第1インシュレータ)
222 受容部
224 側部
226 スイッチ収容部
226a 前端壁
226b 後端壁
230 シェル
232 被ロック部
234 ガイド部
236 孔
238 半田付け部
240 検知スイッチ
250 被固定部材
252 第1接点部
254 半田付け部
260 可動部材
262 第2接点部
264 被支持部
266 被押圧部
268 半田付け部
300 プラグコネクタ(第2コネクタ)
310 コンタクト
320 インシュレータ(第2インシュレータ)
322 主部
324 収容部
326 保持ブロック部
326a 端面
327 カム部
328 保持孔
330 アッパーシェル
340 ロワーシェル
350 ロック部材
352 ロック部
354 被保持部
356 カムフォロワ部
358 主部
400 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、該第1コネクタに対して嵌合方向に沿って嵌合可能な第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
前記第2コネクタは、前記嵌合方向に直交する所定方向に沿って移動可能となるように設けられたロック部を備えており、
前記ロック部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合状態において、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能であり、
前記第1コネクタは、被ロック部と検知スイッチとを備えており、
前記被ロック部は、前記嵌合状態において、前記ロック部が前記アンロック位置にあるときには前記嵌合方向の逆方向である抜去方向への前記ロック部の移動を妨げない一方で前記ロック部が前記ロック位置にあるときには前記ロック部の前記抜去方向への移動を妨げるように設けられ、それによって、前記第2コネクタの前記ロック部と共に前記嵌合状態をロックするためのものであり、
前記検知スイッチは、前記嵌合状態において前記ロック位置に位置している前記ロック部によって押圧されることにより、前記ロック部が前記ロック位置にあることを検知するものである
コネクタ組立体。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ組立体において、
前記第1コネクタは、前記所定方向において前記被ロック部に隣接するようにして設けられたスイッチ収容部を備えており、
前記検知スイッチは、前記スイッチ収容部内に設けられており、
前記ロック部は、前記ロック位置に位置しているとき、前記スイッチ収容部内に設けられた前記検知スイッチを押圧している
コネクタ組立体。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタ組立体において、
前記被ロック部は、前記所定方向に貫通する孔が設けられた部材であり、
前記ロック部は、前記ロック位置に位置しているとき、前記被ロック部の孔を通って前記検知スイッチを押圧している
コネクタ組立体。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のコネクタ組立体において、
前記第1コネクタは、前記スイッチ収容部を有する第1インシュレータを備えており、
前記第2コネクタは、前記ロック部を有するロック部材と、前記ロック部が前記所定方向において移動可能となるように前記ロック部材を保持する第2インシュレータとを備えている、
コネクタ組立体。
【請求項5】
請求項4記載のコネクタ組立体において、
前記第1コネクタは、前記第1インシュレータの少なくとも一部を覆うシェルを備えており、
前記被ロック部は、前記シェルの一部として形成されている
コネクタ組立体。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のコネクタ組立体において、
前記第2インシュレータは、カム部と前記所定方向に延びる保持孔の形成された保持ブロック部を有しており、
前記ロック部材は、金属製であり、先端に前記ロック部を有し且つ前記所定方向に移動可能となるように前記保持孔に保持された被保持部と、該被保持部から延びるカムフォロワ部と、前記カムフォロワ部から前記所定方向に延びる主部であって操作された際に該カムフォロワ部を前記カム部に押し付ける主部とを備えており、
前記主部が操作されると、前記カムフォロワ部が前記カム部上を追従し、それによって、前記ロック部を前記ロック位置から前記アンロック位置に移動させる
コネクタ組立体。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のコネクタ組立体において、
前記第1インシュレータは、前記嵌合状態にある場合に前記所定方向において前記第2コネクタを挟むようにして位置する側部を有しており、
前記スイッチ収容部は、前記側部内に形成されている
コネクタ組立体。
【請求項8】
請求項4乃至請求項7のいずれかに記載のコネクタ組立体において、
前記検知スイッチは、第1接点部を有する被固定部材と、第2接点部を有する可動部材とを有しており、
前記被固定部材は、前記第1接点部が前記スイッチ収容部内において位置固定されるようにして前記第1インシュレータに保持されており、
前記可動部材は、前記ロック部によって押圧された際に前記第2接点部が前記スイッチ収容部内において変位可能となるように前記第1インシュレータに保持されている、
コネクタ組立体。
【請求項9】
請求項8記載のコネクタ組立体において、
前記第1接点部と前記第2接点部とは、前記ロック部が前記アンロック位置にあるときには離れており、前記ロック部が前記ロック位置にあるときには接触している
コネクタ組立体。
【請求項10】
請求項8記載のコネクタ組立体において、
前記第1接点部と前記第2接点部とは、前記ロック部が前記アンロック位置にあるときには接触しており、前記ロック部が前記ロック位置にあるときには離れている
コネクタ組立体。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のコネクタ組立体において、
前記可動部材は、前記嵌合方向と直交する方向に延びるようにして前記第1インシュレータに保持されている
コネクタ組立体。
【請求項12】
請求項11記載のコネクタ組立体において、
前記第2接点部は、前記嵌合方向に変位する
コネクタ組立体。
【請求項13】
請求項11記載のコネクタ組立体において、
前記第2接点部は、前記所定方向に変位する
コネクタ組立体。
【請求項14】
請求項8乃至請求項13のいずれかに記載のコネクタ組立体において、
前記可動部材は、前記第1インシュレータに支持される被支持部と、前記ロック部によって押圧される被押圧部とを更に有しており、
前記被押圧部は、前記被支持部と前記第2接点部との間に位置している
コネクタ組立体。
【請求項15】
請求項14記載のコネクタ組立体において、
前記被押圧部は、前記嵌合方向と前記所定方向との双方に斜交する方向へ延びている
コネクタ組立体。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のコネクタ組立体において、
前記第1コネクタは、前記嵌合方向と前記所定方向の双方に斜交する面を有するガイド部であって、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを嵌合する際に、前記ロック部を前記ロック位置にガイドするガイド部を備えている
コネクタ組立体。
【請求項17】
請求項1乃至請求項16のいずれかに記載のコネクタ組立体において、
前記被ロック部は、金属からなる
コネクタ組立体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−192345(P2010−192345A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37246(P2009−37246)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】