コンテナの移送方法およびコンテナ用保管システム
複数のコンテナを倉庫に移送する方法を提供する。この方法は、1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階(18a)に上昇および下降するように構成されたエレベータ(22)を備えた、少なくとも1つの複数階層構造(12)を提供することを含む。各階(18a)は、1台のコンテナを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室(24)を備えている。また、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供し、AGVのうちの受取AGV(rAGV)上にコンテナ各々を受け取り、受取コンテナを含むrAGVを、構造体(12)の目標階(18a)における目標仕切室(24)に位置付けることを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送用コンテナの移送方法に関するものであり、より詳細には、船舶からの運送用コンテナを保管し、それらを流通倉庫から受け取り、配送用の運搬手段に積む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンテナを利用した積荷の運送は、今もなお、全世界的に費用効率の高い物資の輸送方法である。一般的に、多くのこのようなコンテナが船舶で輸送され、港で降ろされる。コンテナはその後、各コンテナをその意図する場所に輸送するトラックが到着するまでの間、港またはその近くに保管される。
【0003】
コンテナは、船舶から降ろされてからトラックで輸送されるまでの間保管される。コンテナは、通常、積み重ねられる。積み重ねの高さ各々は、コンテナの重量および強度により制限される。ただし通常では、積み重ねるコンテナは最大6つまでである。各コンテナの取り出しは、積み重ねたコンテナの中から所望のコンテナの位置を特定すること、さらに必要に応じて、所望のコンテナを取り出してトラックに配置するために、その上方のコンテナを再配置することを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここに開示する主題の一態様に従い、複数のコンテナを倉庫に移送する方法を提供する。
この方法は、1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することを含む。各階は、1台のコンテナを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えている。
また、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供することを含む。
また、AGVのうちの受取AGV(rAGV)上にコンテナ各々を受け取ることを含む。
また、受取コンテナを含むrAGVを、構造体の目標階における目標仕切室に位置付けることを含む。
【0005】
この構造体はバルコニをさらに備えている。バルコニにおいてコンテナを受け取る。
【0006】
AGVはこの構造体の各階に用意され得る。コンテナを受け取る前に、目標仕切室を指定し、目標階に用意されたAGVの中からrAGVを選択する。
【0007】
コンテナの配置後、rAGVはそれに付随していたコンテナ(すなわち、運搬するコンテナ)をそこに残して目標仕切室から出る。
【0008】
複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備え得る。
【0009】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成される。配置機構は、その各々の高さがAGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い複数の支持機構を備えている。
【0010】
配置機構は複数の支持機構を備え得る。支持機構は、その各々の高さが上昇高度と降下高度との間で調節され、各支持機構の上昇高度はAGVの高さよりも高く、各支持機構の降下高度はAGVの高さよりも低いように構成される。
【0011】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成され、この方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み得る。可動支持機構各々の高さは、AGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い。
【0012】
この方法は、AGV各々に1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含み得る。AGV各々は、コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成され得る。
【0013】
制御システムは、各コンテナの固有性に関する情報を受信し、受信した固有性とrAGVとを相互に関連付けるように構成され得る。
【0014】
この方法は、移送の完了前に、rAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含み得る。この移動は、妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含み得る。この移動は、妨害コンテナをそれが保管されている階から他の階に案内することを含み得る。エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され得る。この移動は、妨害コンテナを案内してエレベータに移動させることを含む。この方法は、rAGVの目標仕切室への位置付け後、妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含み得る。
【0015】
コンテナは船舶から受け取ることができる。コンテナは、クレーンを用いて船舶からrAGVに移送し得る。
【0016】
少なくともいくつかのコンテナは、船舶から中間運搬手段に移送され、その後、中間運搬手段からrAGVに移送され得る。
【0017】
ここに開示する主題の別の態様に従い、倉庫から複数のコンテナを移送する方法が提供される。
この方法は、1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することを含む。各階は、1台のコンテナを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えている。階の少なくとも1つは移送階を構成し、仕切室の少なくともいくつかはその内部にコンテナを保管する。
また、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るようにその各々が構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供する。
また、移送するコンテナを識別することを含む。
また、仕切室から移送するコンテナを取り出し、それを運搬手段に向かい移動させる指定されたAGVを案内することを含む。
また、移送するコンテナを運搬手段に移送することを含む。
【0018】
AGVは構造体の各階に用意され得る。指定されるAGVは、コンテナと同じ階に用意されたAGVから選択され得る。
【0019】
複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備え得る。
【0020】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成される。配置機構は、その各々の高さがAGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い複数の支持機構を備えている。
【0021】
配置機構は複数の支持機構を備え得る。支持機構は、その各々の高さが上昇高度と降下高度との間で調節され、各支持機構の上昇高度はAGVの高さよりも高く、各支持機構の降下高度はAGVの高さよりも低いように構成される。
【0022】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成され、この方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み得る。可動支持機構各々の高さは、AGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い。
【0023】
この方法は、AGVに1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含み得る。
【0024】
AGVは、コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成され得る。
【0025】
この方法は、移送の完了前に、指定されたAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含み得る。
【0026】
この移動は、妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含む。この移動は、妨害コンテナをそれが保管されている階から他の階に案内することを含み得る。エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され得る。この移動は、妨害コンテナを案内してエレベータに移動させることを含む。この方法は、指定されたAGVを案内してその仕切室から移動した後、妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含み得る。
【0027】
運搬手段はトラックでも列車でもよい。この構造体は、運搬手段にコンテナを移送するように構成されたホイストをさらに含み得る。運搬手段は船舶でもよい。
【0028】
ここに開示する主題のさらなる態様に従い、複数のコンテナの移送方法が提供される。
この方法は、前述のような倉庫へのコンテナの移送を含む。
この方法は、前述のような倉庫からのコンテナの移送を含む。
【0029】
ここに開示する主題のなおもさらなる態様に従い、保管システムが提供される。
この保管システムは、1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を備えている。各階は、1台のコンテナを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えている。
この保管システムはまた、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を備えている。
この保管システムはまた、コンテナを受け取るようにAGVの動作を案内し、倉庫の目標仕切室にコンテナを届けて、保管したコンテナを取り出すように構成された制御システムを備えている。
【0030】
この構造体は、その上にコンテナを含むAGVを支持するように構成されたバルコニをさらに含み得る。構造体の少なくとも1つの階とバルコニとの間において、AGVにその上に積むコンテナへの直接アクセスが提供される。
【0031】
この構造体は水域に隣接して提供され得、バルコニは水域に面する構造体の側面に位置する。
【0032】
エレベータは、そこに2台のコンテナを受け入れて輸送するように構成され得る。
【0033】
複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備え得る。
【0034】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成される。配置機構は、その各々の高さがAGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い複数の支持機構を備えている。
【0035】
配置機構は複数の支持機構を備え得る。支持機構は、その各々の高さが上昇高度と降下高度との間で調節され、各支持機構の上昇高度はAGVの高さよりも高く、各支持機構の降下高度はAGVの高さよりも低いように構成される。
【0036】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成され、この方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み得る。可動支持機構各々の高さは、AGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い。
【0037】
AGVは構造体の各階に用意され得る。
【0038】
本発明を理解し、実際にどのように実行され得るかを認識するために、添付図面を参照したこれに限定されない1つ以上の例示のみを用いて、ここで1つ以上の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ここに開示する主題に従う保管システムを示す概略図である。
【図2】図1に示す保管システムの複数階層構造を示す斜視図である。
【図3A】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図3B】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図3C】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図3D】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図4A】図2に示す構造体の1つの階の別例を示す概略平面図である。
【図4B】図4Aに示す構造体を床面と共に示す概略側面図である。
【図5】図1に示す保管システムで用いる自動搬送台車(AGV)を示す概略斜視図である。
【図6】図4に示すAGVの車輪の一例を示す概略斜視図である。
【図7】図1に示す保管システムの制御システムを示す概略図である。
【図8】床面の上方において運送用コンテナを支持する配置機構を示す図である。
【図9】床面の上方において運送用コンテナを支持する配置機構を示す図である。
【図10】図1に示す保管システムを用いた荷降ろしおよび保管方法の概略を説明する図である。
【図11】図1に示す保管システムを用いた取り出し方法の概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1に、概略を10で指定する保管システムを示す。保管システムは、複数階層構造12、複数の自動搬送台車(AGV)14、および制御システム16を備えている。構造体12は、典型的には、例えば、積み込みヤードにおいて海洋の船積みドック付近に建設される。
【0041】
前述のようにかつ図2に示すように、構造体12は、複数の階18およびそれらの間を橋渡しするエレベータシャフト20を備えている。シャフトは、各階における位置合わせされたギャップと垂直に構成され得る。エレベータ22は開放構造(すなわち、シャフト20内を垂直に移動するように構成されたプラットフォームを備えている)でもよく、可動の安全レール(不図示)をさらに備えてもよい。この可動の安全レールはシャフト内を動くように構成され、AGV14がその上から離れて落ちることを防ぐ。(図2に示す構造体の最下階にエレベータ22を示す。)
【0042】
図2に示す構造体12が説明目的のためのみのものであり、実際には、示すよりも多いまたは少ない階を備えた構造体でもよいことが理解される。
【0043】
シャフト20およびエレベータ22は、その上に標準的な運送用コンテナを積んだAGV14を、構造体12のあらゆる階18に輸送できる大きさに形成される。変更に従い、構造体12は2台などの1台よりも多いエレベータ22を備えてもよい。
【0044】
別の変更に従い、シャフト20およびエレベータ22は、その上に標準的な運送用コンテナをその各々が積んだ2台などの1台よりも多いAGV14を、構造体12のあらゆる階18に輸送できる大きさに形成される。この変更に従い、その各々が運送用コンテナを運搬する2台のAGV14が互いに隣接して配置された場合に適応し得る大きさにエレベータ22は形成される(すなわち、エレベータの大きさは、2つの隣接する仕切室24のサイズである)。
【0045】
シャフト20およびエレベータ22の大きさの決定に用いられる標準的な運送用コンテナ大きさは、例えば、20フィートコンテナ(2.44mh×2.44mw×6.1mlの寸法)、40フィートコンテナ(2.44mh×2.44mw×12.19mlの寸法)、「ハイキューブ」コンテナ(20および40フィートコンテナと類似の寸法であるが、高さが、例えば、2.9mまたは3.2mとより高い)、またはISO仕様で製造される任意の種類のコンテナでもよい。
【0046】
構造体において保管に用いられる階18は、コンテナを移送するように設計された運搬階とは、通常、別々である(今後、「保管階」を18aで指定する。すなわち、下記するように、これはAGV14からトラックにコンテナを移送する階は含まない。ここに開示する主題に関して本明細書では、さまざまな階を参照する場合に、参照番号18がそれらを集合的に参照するために用いられる)。これらの階においてコンテナを移送する唯一の手段がAGV14である。
【0047】
図3A〜図3Cに示すように、各保管階18aは、略長方形配列(すなわち、格子図形)に配置された(図2に破線で示す)複数の仕切室24を備えている。エレベータシャフト20はその中央を通り、配列の空間の1つを占有する。図3Aに示す設計に従う長方形配列は「3×3」配列(すなわち、3行×3列)であり、エレベータシャフト20の周囲には8つの仕切室24が存在する。
【0048】
図3Bに示す設計に従う長方形配列は、「3×5」配列(すなわち、3行×5列)であり、図3Aに示す「3×3」配列に類似するが、その両側に仕切室24の列が追加されている。図面に示すように、エレベータシャフト20は配列の中心に位置する。
【0049】
図3Cに示す設計に従う長方形配列は、「4×3」配列(すなわち、4行×3列)であり、図3Aに示す「3×3」配列に類似するが、(前述のように)2台のAGV14を一度に収容可能なエレベータ22を備える代わりに、仕切室24の行が追加されている。図面に示すように、エレベータシャフト20は配列の中心に位置し、床面18における仕切室24の全てと、側面または角のいずれかを共有する。
【0050】
保管階18aの任意の設計に従い、例えば図3Dに示すように、いくつかの構造体12が互いに隣接して配置され得る。この配置に従い、隣接する建物の階18(図3Dに示す例では、構造体の保管階18aは図3Cに示す設計に従う。異なる構造体の階は、明確さのために二重線で分離される)は、例えば、保管および/または運転の観点から互いに関連して、単一の大きな階として共に利用され得る。構造体に言及する明細書および請求項が、変更すべきところは変更して、図3Dに示すような互いに隣接して配置されたいくつかの構造体に適用されることがここで理解される。
【0051】
図4Aおよび図4Bに示すように、保管階18aの少なくとも1つには、バルコニ46が備え付けられ得る。バルコニ46は、水域および移送デバイス48に面すように備えられる。移送デバイス48は、例えば、橋形クレーンであり、船舶からコンテナを移送するように構成されており、バルコニと水面との間に配置され得る。
【0052】
図4Bに示すように、移送デバイス48は、構造体12のバルコニ46または構造体とは分離している運搬手段(列車またはトラックなど)のいずれかに選択的にコンテナを移送するように構成され得る。
【0053】
ここに開示する主題の範囲から逸脱することのない任意の適切な構造体が与えられ得ることが理解される。下の記述から明らかになるように、エレベータシャフト20を、可能な限りその配列の中心位置に近づけて配置することにより一定の利点が得られる。ただし、このような配置が厳密に必須である訳ではない。
【0054】
図2に戻ると、典型的には構造体12の1階に移送階18bを備える。この階において、AGV14からトラック(不図示)または任意の他の輸送手段にコンテナを移送する。これらの輸送手段は、各々の最終的な目的地に向かうために、構造体12内の保管場所からコンテナを搬送する。移送階18bは、AGV区域19aおよびトラック区域19bとは機能的に分けられ得る。AGV区域19aにおいて、船舶からのコンテナを積んだ後のAGV14が到着し、トラック区域19bにおいて、トラックが構造体12内の保管場所からコンテナを受け取る。
【0055】
変更に従い、AGV区域19aとトラック区域19bとは、別々の階に位置してもよい。別の変更に従い、単一の構造体12は、2つ以上のAGV区域および/または2つ以上のトラック区域19bを備えてもよい。
【0056】
移送階18bにおいて、ACVからコンテナを受け取るように設計された平台トレーラなどのトラックにコンテナを移送するように構成された手段が構造体12に備えられる。この手段はホイスト26を含み得る。ホイストは、AGV14からコンテナを持ち上げ、トラックがその下に位置するまで上昇位置を維持し、トラックがその下に位置すると、トラック上にコンテナを降ろすように構成される。ホイスト26はつかみ配置機構27を備え得る。つかみ配置機構は、コンテナを保持し、コンテナの上昇および下降を制御し得るウィンチシステムとケーブルを介して接続するように構成される。上昇位置においてつかみ配置機構27により保持しているときに、コンテナの側方移動を容易にする手段をさらに備えてもよい。
【0057】
構造体12は単一のホイスト26を備えるものとして本明細書に記載したが、任意の数のホイストを含んでもよいことが理解される。この構造体により、2台以上のトラック上にコンテナを同時に積むことが容易になる。
【0058】
移送階18bに関する前述の配置機構により、保管場所から回収したコンテナのトラックへの迅速な移送が可能になる。さらに必要に応じて、船舶から取り出し、構造体12または任意の他の保管区域内に保管せずにトラックに積むコンテナの移送が容易になる。
【0059】
本明細書に記載し、かつ添付図面に示す構造体12の階18が前述の構造体では地上に構成されるが、この構造体は地下に1つ以上の階を構成してもよいことが理解される。変更に従い、移送階18bの選択的な例外を含む全ての階18が地下に位置してもよい。
【0060】
図5に示すように、各AGV14は平坦な水平本体28(すなわち、「平台」)、および複数の車輪30を備える。本体は、標準的な運送用コンテナをその上で受け取り、支える大きさに形成される。運搬手段は、4、6、8、または任意の他の適切な数の車輪を備えてもよい。運搬手段は、いかなる回転もすることなく、任意の方向、すなわち、前方、後方、横方向、斜めなどに移動するように構成され得る。さらに、軸の周りを旋回するように構成され得る。
【0061】
図6に示すように、各車輪30はMecanum wheel(「Swedish wheel」と呼ばれる場合もある)でもよい。このように、これは車輪の回転軸と平行な平面において車輪の平面と45度の角度を成す回転軸を有する、その外周に沿って取り付けられた一連のローラ34と共に、mail wheel32を備え得る。この配置機構により、AGV14の(例えば、従来の車輪でも可能な)前方および後方への運動が容易になり、さらに、当業界で公知のように、種々の車輪の適切な回転により、種々の軸の周りの旋回運動に加えて、横向きおよび斜め運動が可能になる。
【0062】
仕切室24の各々は配置機構を備え得、これは床面上方における上昇位置において運送用コンテナを支持し、さらに、それらの下方におけるAGV14へのアクセス可能にする。さらに、AGV14またはコンテナを支持する配置機構のいずれか(または、両方共)は、配置機構からAGV、またはその反対方向にコンテナを移送するように構成され得る。
【0063】
図8に示す一変更に従う、運送用コンテナを支持する配置機構は、複数、例えば4つの隆起支持機構50を備えており、これは各仕切室24の床面に堅く接続されている。各隆起支持機構50は、脚部54に支持された上部プラットフォーム52を備えている。(以下の記述に言及される上部プラットフォームが脚部54の上表面を意味する場合には、上部プラットフォーム52が無くとも隆起支持機構50が備えられ得ることが理解される。)
【0064】
支持機構50は、その全ての上部プラットフォーム52が、共同でその上に標準的な運送用コンテナを受け取りかつ支持するように配置される。隣接する支持機構50間には、下記するように、AGV14がそこを通るのに十分な経路として空間が空けられる。この構造を容易に達成するために、各支持機構50の角にのみ脚部54が備え付けられる。これにより、AGV14は、支持機構の任意の側面からプラットフォーム52の下の区域にアクセスできる。
【0065】
図9に示す別の変更に従う保管システム10は複数の可動支持機構58を備えている。可動支持機構58各々は、4本の脚部62により支持された上部プラットフォーム60を備えている。脚部62の高さは、AGV14が上部プラットフォーム60の下の区域に進入可能な高さである。通常、上部プラットフォーム60の底端とAGV14の上端との間には、例えば、およそ数センチメートルの小さな隙間が存在する。
【0066】
図8および図9に示す変更のいずれかに従い、AGV14は、その本体28を選択的に上昇および/または下降して、その高さを変化するように構成された機構を備えている。これはさらに、支持機構50の脚部54それぞれの間、および支持機構58の脚部62それぞれの間を通るのに適した大きさに形成される。
【0067】
図8に示す変更に従い、AGV14は上昇位置においてコンテナを仕切室に運び、コンテナをプラットフォーム52の上方に位置させる。次に、AGV14はそれ自体を下げて、支持機構50にコンテナを支持させる。その後、AGV14は仕切室から離れ得る。仕切室24からコンテナを取り出すために、AGVはこの動作を逆の順番に実行する。
【0068】
図9に示す変更に従い、AGV14はコンテナを受け取る用意ができると、空の支持機構58の下に位置し、それ自体を上昇させ(それ故、支持機構を床面から離れるように上昇させる)、支持機構を、コンテナを受け取る区域に運搬する。コンテナをその上(すなわち、AGV14の上の支持機構58の上)に受け取ると、AGV14は選択された仕切室24に進む。AGV14はそれ自体を下げることにより、支持機構58の脚部62を床面上に置く。その後、AGV14は仕切室24から離れ得、その上のコンテナと共に支持機構58をそこに残す。仕切室24からコンテナを取り出すために、AGVはこの動作を逆の順番に実行する。
【0069】
図8に示し、かつそれを参照して記述した変更の代替案として、支持機構50が上昇および下降するように構成されてもよい。これらは、その上表面が床面と同一平面(または、これに実質的に伴う運動無しで、AGV14がそこに乗り入れ可能な程度に床面に十分に近い位置)に位置するか、コンテナを運搬するAGV14がそこを通り抜け可能な程度に下降し得る。コンテナが支持機構50の上方に位置すると、これらは上昇してAGVからそこにコンテナを移す。支持機構50からコンテナを取り出すには、この動作を逆の順番に実行する。
【0070】
図8および図9を参照して記述した変更に従い、各床面に、その内部の仕切室24の数に関連した少数のAGV14が備えられてもよい。仕切室を占有する各AGVは、使用されない時は、例えば、仕切室の角に位置する。コンテナはその下の経路をAGV14が通過可能な位置に保管される。このため、AGVは船舶からコンテナをその上に受け取るように要求されると、AGVの通路における仕切室24に保管されたコンテナに妨げられることなく、要求される位置に移動できる。
【0071】
制御システム16は、保管システム10内の動作を案内するように設計される。制御システム16はこのように、構造体12およびAGV14と通信するように構成される。図7に示すように、制御システム16は、CPU36、1つ以上のデータ表示ユニット38、および1つ以上のユーザ入力装置40を起動するソフトウェアを備え得る。データ表示ユニット38は、1つ以上のモニタ、LED、スピーカ、警報器、および/または任意の他の適切なデバイスを備え得る。ユーザ入力装置40は、1つ以上のキーボード、タッチセンサ表示部、コンピュータマウス、(例えば、音声認識ソフトと連動して動作する)マイクロホン、および/または任意の他の適切なデバイスを備え得る。
【0072】
制御システム16はさらに、情報を保存するように構成され得る。この情報は、例えば、コンテナの識別、各コンテナとそれぞれのAGV14との関連性、各AGV(それ故、運搬されるコンテナ)の位置、それを取り出すように意図されたトラックの識別、履歴データなどに関する情報である。この情報は、CPU36、または内部または外部の保存手段44をさらに備え得るか、それに関連する選択的な補助CPU42に保存および管理され得る。(CPU36に言及するここに開示する主題に関して本明細書では、全体または一部において、補助CPU42および/または保存手段44を、変更すべきところは変更して利用可能であることを暗に示す。)
【0073】
制御システム16全体は構造体12の近くに備えられてもよい。例えば、そのオペレータの視界を遮るような位置、さらには、ドックと構造体との間の通路の少なくとも一部の視界を遮る位置に配置されてもよい。
【0074】
代替的に、制御システム16の少なくとも一部を、構造体12から離れた位置に配置してもよい。例えば、CPU36は、適切なコンピュータプログラムを起動する、遠隔データセンタにおけるサーバの近くに構成され得る。このような場合では、構造体12および/または海洋の積み込みヤードの近くに、そこへ情報を送信またはそこからの情報を受信する適切な手段が備えられ得る。さらに、データ表示ユニット38およびユーザ入力装置40を備えている「ダム端末」が、構造体12の近くに備えられてもよい。この配置により、オペレータは、保管システム10の他の部材の動作を観測しつつ、CPU36にアクセスできる。
【0075】
前述に加えて、保管システム10は、その動作を容易にするための、例えば以下に示す任意の必須の構成要素(不図示)を備えてもよい。これらの構成要素は以下を含み得る(ただし、これらに限定されない)。すなわち、GPSセンサ、RFID(無線ICタグ)タグおよび1つ以上のリーダ、手動制御機能および/またはフェイルセーフ手段、手動および/または自動緊急遮断手段、並びに(使用するAGVの種類に基づく適切な)AGV14用の充電所および/または燃料補給所を含み得る。
【0076】
保管システム10を用いた、船舶からのコンテナの荷降ろしおよび保管は、以下に記述し、図10に示す方法100に従い進められる。方法100に従う以下のステップは、船舶から運送用コンテナを移送して保管する場合に実行され得る。
102に示すように、海洋の船積みドックにおいて船舶をドックに入れる。
104に示すように、運送用コンテナを、例えばクレーンを用いて船舶から降ろしてAGV14上に置く。コンテナを受け取るAGV14を、以後、「受取AGV」(rAGV)14aと呼ぶ。図4Aおよび図4Bに示す例に従うように、rAGV14aはバルコニ46上でコンテナを受け取ることができる。
106に示すように、選択的に、コンテナの識別に関する情報を制御システム16に送信し得る。この情報は、CPU36により処理および保存される。
108に示すように、制御システム16は、構造体12の仕切室24をrAGV14aに割り当てる。
110に示すように、制御システム16は、rAGV14aをエレベータ22に案内する。
必要に応じて、112に示すように、制御システム16は、rAGV14aと割り当てられた仕切室との間の通路を妨害する任意のコンテナを再配置する。これは、妨害コンテナを空いている仕切室に一時的に移動することにより行われる。代替的に、妨害コンテナをその階から一時的に持ち去ってもよい。代替的に、妨害コンテナを割り当てられた仕切室に移動し、(以前)妨害していたAGVが立ち退いた仕切室に、rAGV14aを再び割り当ててもよい。図3Cおよび図3Dに示す例に従い、妨害コンテナは、エレベータに一時的に再配置されてもよい。
必要に応じて、114に示すように、rAGV14aはエレベータ22に入る。例えば、コンテナがバルコニ46に供給され、割り当てられた仕切室24がそれと同一の床面に位置する場合には、このステップは省略されてもよいことが理解される。
必要に応じて、116に示すように、エレベータは、rAGV14aを、割り当てられた仕切室24を含む構造体12の保管階18に輸送する。
118に示すように、rAGV14aを、割り当てられた仕切室に案内する。
図7および図8を参照して記述した変更に従い、120に示すように、コンテナを支持機構50,58の下に配置し得、AGV14をその元の位置に戻し得る。
必要に応じて、122に示すように、一時的に移動した任意のAGVを、その元の位置に戻す。
【0077】
保管システム10を用いた、構造体12からのコンテナの取り出しは、以下に記述し、図11に示す方法200に従い進められる。方法200に従う以下のステップは、構造体12内の保管場所から運送用コンテナを、その最終目的地に向かい発送するためのトラックまたは列車などの運搬手段に移送する場合に実行され得る。
202に示すように、運搬手段が保管システム10に到着して、それ自体を識別する。
204に示すように、制御システム16は、運搬手段の識別に基づいてトラックに移送する適切なコンテナを識別し、それを取り出すためのAGVを指定する。
必要に応じて、206に示すように、制御システム16は、指定されたAGV14とエレベータとの間の通路を妨害する任意のコンテナを再配置する。これは、妨害コンテナを空いている仕切室に一時的に移動することにより行われる。代替的に、妨害コンテナをその階から一時的に持ち去ってもよい。代替的に、妨害コンテナを、指定されたAGV14とエレベータとの間の通路を妨害しない新規の仕切室に割り当てて、妨害コンテナをそこに移動してもよい。図3Cおよび図3Dに示す例に従い、妨害コンテナは、エレベータに一時的に再配置されてもよい。
208に示すように、制御センタ16は、指定されたAGV14をエレベータ22に案内する。
210に示すように、エレベータが指定されたAGV14を移送階18bに輸送する。
212に示すように、ホイスト26が指定されたAGV14からトラックにコンテナを移送し、次に、コンテナを含む保管システム10から立ち去る。
214に示すように、次に、指定されたAGVが元の位置に戻る。
【0078】
前述のステップが任意の適切な順序で実行され得ることが理解される。
【0079】
本明細書に記載した制御センタ16の動作が、その自動動作でもよいし、オペレータが操作の少なくとも一部を実行してもよいことがさらに理解される。
【0080】
制御システム16が任意の必要な内部動作を実行可能なことがなおもさらに理解される。この内部動作には、例えば、含有物またはrAGV14の位置に関するデータベースの更新、新規のコンテナを受け取るために利用可能なAGV14の追跡、コンテナを受け取るAGVの選択などがある。
【0081】
前述の方法が、複数のコンテナの荷降ろし、保管および取り出しを暗に示すことがなおもさらに理解される。この目的のために、いくつかの構造体12が備えられる。
【0082】
さらに、図10および図11を参照した前述のステップを含む船舶からトラックにコンテナを移送する方法が提供される。
【0083】
例えば、本明細書に記載した方法を利用した、本明細書に開示する保管システム10の使用により、構造体がそれ相応に構成される限りは、コンテナを、その強度に関係無く、任意の所望の高さに容易に積み重ねることができる。これはさらに、構成を簡単にし、保管したコンテナを取り出すのに必要な時間を短縮できる。これにより、コンテナを受け取るために運搬手段が費やす待機時間をより短縮できる。
【0084】
多くの修正、変形および変更が、変更すべきところは変更して、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得ることを、本発明に関係する当業者は容易に理解する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送用コンテナの移送方法に関するものであり、より詳細には、船舶からの運送用コンテナを保管し、それらを流通倉庫から受け取り、配送用の運搬手段に積む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンテナを利用した積荷の運送は、今もなお、全世界的に費用効率の高い物資の輸送方法である。一般的に、多くのこのようなコンテナが船舶で輸送され、港で降ろされる。コンテナはその後、各コンテナをその意図する場所に輸送するトラックが到着するまでの間、港またはその近くに保管される。
【0003】
コンテナは、船舶から降ろされてからトラックで輸送されるまでの間保管される。コンテナは、通常、積み重ねられる。積み重ねの高さ各々は、コンテナの重量および強度により制限される。ただし通常では、積み重ねるコンテナは最大6つまでである。各コンテナの取り出しは、積み重ねたコンテナの中から所望のコンテナの位置を特定すること、さらに必要に応じて、所望のコンテナを取り出してトラックに配置するために、その上方のコンテナを再配置することを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここに開示する主題の一態様に従い、複数のコンテナを倉庫に移送する方法を提供する。
この方法は、1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することを含む。各階は、1台のコンテナを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えている。
また、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供することを含む。
また、AGVのうちの受取AGV(rAGV)上にコンテナ各々を受け取ることを含む。
また、受取コンテナを含むrAGVを、構造体の目標階における目標仕切室に位置付けることを含む。
【0005】
この構造体はバルコニをさらに備えている。バルコニにおいてコンテナを受け取る。
【0006】
AGVはこの構造体の各階に用意され得る。コンテナを受け取る前に、目標仕切室を指定し、目標階に用意されたAGVの中からrAGVを選択する。
【0007】
コンテナの配置後、rAGVはそれに付随していたコンテナ(すなわち、運搬するコンテナ)をそこに残して目標仕切室から出る。
【0008】
複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備え得る。
【0009】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成される。配置機構は、その各々の高さがAGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い複数の支持機構を備えている。
【0010】
配置機構は複数の支持機構を備え得る。支持機構は、その各々の高さが上昇高度と降下高度との間で調節され、各支持機構の上昇高度はAGVの高さよりも高く、各支持機構の降下高度はAGVの高さよりも低いように構成される。
【0011】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成され、この方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み得る。可動支持機構各々の高さは、AGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い。
【0012】
この方法は、AGV各々に1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含み得る。AGV各々は、コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成され得る。
【0013】
制御システムは、各コンテナの固有性に関する情報を受信し、受信した固有性とrAGVとを相互に関連付けるように構成され得る。
【0014】
この方法は、移送の完了前に、rAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含み得る。この移動は、妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含み得る。この移動は、妨害コンテナをそれが保管されている階から他の階に案内することを含み得る。エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され得る。この移動は、妨害コンテナを案内してエレベータに移動させることを含む。この方法は、rAGVの目標仕切室への位置付け後、妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含み得る。
【0015】
コンテナは船舶から受け取ることができる。コンテナは、クレーンを用いて船舶からrAGVに移送し得る。
【0016】
少なくともいくつかのコンテナは、船舶から中間運搬手段に移送され、その後、中間運搬手段からrAGVに移送され得る。
【0017】
ここに開示する主題の別の態様に従い、倉庫から複数のコンテナを移送する方法が提供される。
この方法は、1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することを含む。各階は、1台のコンテナを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えている。階の少なくとも1つは移送階を構成し、仕切室の少なくともいくつかはその内部にコンテナを保管する。
また、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るようにその各々が構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供する。
また、移送するコンテナを識別することを含む。
また、仕切室から移送するコンテナを取り出し、それを運搬手段に向かい移動させる指定されたAGVを案内することを含む。
また、移送するコンテナを運搬手段に移送することを含む。
【0018】
AGVは構造体の各階に用意され得る。指定されるAGVは、コンテナと同じ階に用意されたAGVから選択され得る。
【0019】
複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備え得る。
【0020】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成される。配置機構は、その各々の高さがAGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い複数の支持機構を備えている。
【0021】
配置機構は複数の支持機構を備え得る。支持機構は、その各々の高さが上昇高度と降下高度との間で調節され、各支持機構の上昇高度はAGVの高さよりも高く、各支持機構の降下高度はAGVの高さよりも低いように構成される。
【0022】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成され、この方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み得る。可動支持機構各々の高さは、AGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い。
【0023】
この方法は、AGVに1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含み得る。
【0024】
AGVは、コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成され得る。
【0025】
この方法は、移送の完了前に、指定されたAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含み得る。
【0026】
この移動は、妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含む。この移動は、妨害コンテナをそれが保管されている階から他の階に案内することを含み得る。エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され得る。この移動は、妨害コンテナを案内してエレベータに移動させることを含む。この方法は、指定されたAGVを案内してその仕切室から移動した後、妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含み得る。
【0027】
運搬手段はトラックでも列車でもよい。この構造体は、運搬手段にコンテナを移送するように構成されたホイストをさらに含み得る。運搬手段は船舶でもよい。
【0028】
ここに開示する主題のさらなる態様に従い、複数のコンテナの移送方法が提供される。
この方法は、前述のような倉庫へのコンテナの移送を含む。
この方法は、前述のような倉庫からのコンテナの移送を含む。
【0029】
ここに開示する主題のなおもさらなる態様に従い、保管システムが提供される。
この保管システムは、1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を備えている。各階は、1台のコンテナを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えている。
この保管システムはまた、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を備えている。
この保管システムはまた、コンテナを受け取るようにAGVの動作を案内し、倉庫の目標仕切室にコンテナを届けて、保管したコンテナを取り出すように構成された制御システムを備えている。
【0030】
この構造体は、その上にコンテナを含むAGVを支持するように構成されたバルコニをさらに含み得る。構造体の少なくとも1つの階とバルコニとの間において、AGVにその上に積むコンテナへの直接アクセスが提供される。
【0031】
この構造体は水域に隣接して提供され得、バルコニは水域に面する構造体の側面に位置する。
【0032】
エレベータは、そこに2台のコンテナを受け入れて輸送するように構成され得る。
【0033】
複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備え得る。
【0034】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成される。配置機構は、その各々の高さがAGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い複数の支持機構を備えている。
【0035】
配置機構は複数の支持機構を備え得る。支持機構は、その各々の高さが上昇高度と降下高度との間で調節され、各支持機構の上昇高度はAGVの高さよりも高く、各支持機構の降下高度はAGVの高さよりも低いように構成される。
【0036】
AGV各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを変更できるように構成され、この方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み得る。可動支持機構各々の高さは、AGVの降下高度よりも高く、AGVの上昇高度よりも低い。
【0037】
AGVは構造体の各階に用意され得る。
【0038】
本発明を理解し、実際にどのように実行され得るかを認識するために、添付図面を参照したこれに限定されない1つ以上の例示のみを用いて、ここで1つ以上の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ここに開示する主題に従う保管システムを示す概略図である。
【図2】図1に示す保管システムの複数階層構造を示す斜視図である。
【図3A】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図3B】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図3C】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図3D】それぞれ、図2に示す構造体の1つの階の一例を示す概略平面図である。
【図4A】図2に示す構造体の1つの階の別例を示す概略平面図である。
【図4B】図4Aに示す構造体を床面と共に示す概略側面図である。
【図5】図1に示す保管システムで用いる自動搬送台車(AGV)を示す概略斜視図である。
【図6】図4に示すAGVの車輪の一例を示す概略斜視図である。
【図7】図1に示す保管システムの制御システムを示す概略図である。
【図8】床面の上方において運送用コンテナを支持する配置機構を示す図である。
【図9】床面の上方において運送用コンテナを支持する配置機構を示す図である。
【図10】図1に示す保管システムを用いた荷降ろしおよび保管方法の概略を説明する図である。
【図11】図1に示す保管システムを用いた取り出し方法の概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1に、概略を10で指定する保管システムを示す。保管システムは、複数階層構造12、複数の自動搬送台車(AGV)14、および制御システム16を備えている。構造体12は、典型的には、例えば、積み込みヤードにおいて海洋の船積みドック付近に建設される。
【0041】
前述のようにかつ図2に示すように、構造体12は、複数の階18およびそれらの間を橋渡しするエレベータシャフト20を備えている。シャフトは、各階における位置合わせされたギャップと垂直に構成され得る。エレベータ22は開放構造(すなわち、シャフト20内を垂直に移動するように構成されたプラットフォームを備えている)でもよく、可動の安全レール(不図示)をさらに備えてもよい。この可動の安全レールはシャフト内を動くように構成され、AGV14がその上から離れて落ちることを防ぐ。(図2に示す構造体の最下階にエレベータ22を示す。)
【0042】
図2に示す構造体12が説明目的のためのみのものであり、実際には、示すよりも多いまたは少ない階を備えた構造体でもよいことが理解される。
【0043】
シャフト20およびエレベータ22は、その上に標準的な運送用コンテナを積んだAGV14を、構造体12のあらゆる階18に輸送できる大きさに形成される。変更に従い、構造体12は2台などの1台よりも多いエレベータ22を備えてもよい。
【0044】
別の変更に従い、シャフト20およびエレベータ22は、その上に標準的な運送用コンテナをその各々が積んだ2台などの1台よりも多いAGV14を、構造体12のあらゆる階18に輸送できる大きさに形成される。この変更に従い、その各々が運送用コンテナを運搬する2台のAGV14が互いに隣接して配置された場合に適応し得る大きさにエレベータ22は形成される(すなわち、エレベータの大きさは、2つの隣接する仕切室24のサイズである)。
【0045】
シャフト20およびエレベータ22の大きさの決定に用いられる標準的な運送用コンテナ大きさは、例えば、20フィートコンテナ(2.44mh×2.44mw×6.1mlの寸法)、40フィートコンテナ(2.44mh×2.44mw×12.19mlの寸法)、「ハイキューブ」コンテナ(20および40フィートコンテナと類似の寸法であるが、高さが、例えば、2.9mまたは3.2mとより高い)、またはISO仕様で製造される任意の種類のコンテナでもよい。
【0046】
構造体において保管に用いられる階18は、コンテナを移送するように設計された運搬階とは、通常、別々である(今後、「保管階」を18aで指定する。すなわち、下記するように、これはAGV14からトラックにコンテナを移送する階は含まない。ここに開示する主題に関して本明細書では、さまざまな階を参照する場合に、参照番号18がそれらを集合的に参照するために用いられる)。これらの階においてコンテナを移送する唯一の手段がAGV14である。
【0047】
図3A〜図3Cに示すように、各保管階18aは、略長方形配列(すなわち、格子図形)に配置された(図2に破線で示す)複数の仕切室24を備えている。エレベータシャフト20はその中央を通り、配列の空間の1つを占有する。図3Aに示す設計に従う長方形配列は「3×3」配列(すなわち、3行×3列)であり、エレベータシャフト20の周囲には8つの仕切室24が存在する。
【0048】
図3Bに示す設計に従う長方形配列は、「3×5」配列(すなわち、3行×5列)であり、図3Aに示す「3×3」配列に類似するが、その両側に仕切室24の列が追加されている。図面に示すように、エレベータシャフト20は配列の中心に位置する。
【0049】
図3Cに示す設計に従う長方形配列は、「4×3」配列(すなわち、4行×3列)であり、図3Aに示す「3×3」配列に類似するが、(前述のように)2台のAGV14を一度に収容可能なエレベータ22を備える代わりに、仕切室24の行が追加されている。図面に示すように、エレベータシャフト20は配列の中心に位置し、床面18における仕切室24の全てと、側面または角のいずれかを共有する。
【0050】
保管階18aの任意の設計に従い、例えば図3Dに示すように、いくつかの構造体12が互いに隣接して配置され得る。この配置に従い、隣接する建物の階18(図3Dに示す例では、構造体の保管階18aは図3Cに示す設計に従う。異なる構造体の階は、明確さのために二重線で分離される)は、例えば、保管および/または運転の観点から互いに関連して、単一の大きな階として共に利用され得る。構造体に言及する明細書および請求項が、変更すべきところは変更して、図3Dに示すような互いに隣接して配置されたいくつかの構造体に適用されることがここで理解される。
【0051】
図4Aおよび図4Bに示すように、保管階18aの少なくとも1つには、バルコニ46が備え付けられ得る。バルコニ46は、水域および移送デバイス48に面すように備えられる。移送デバイス48は、例えば、橋形クレーンであり、船舶からコンテナを移送するように構成されており、バルコニと水面との間に配置され得る。
【0052】
図4Bに示すように、移送デバイス48は、構造体12のバルコニ46または構造体とは分離している運搬手段(列車またはトラックなど)のいずれかに選択的にコンテナを移送するように構成され得る。
【0053】
ここに開示する主題の範囲から逸脱することのない任意の適切な構造体が与えられ得ることが理解される。下の記述から明らかになるように、エレベータシャフト20を、可能な限りその配列の中心位置に近づけて配置することにより一定の利点が得られる。ただし、このような配置が厳密に必須である訳ではない。
【0054】
図2に戻ると、典型的には構造体12の1階に移送階18bを備える。この階において、AGV14からトラック(不図示)または任意の他の輸送手段にコンテナを移送する。これらの輸送手段は、各々の最終的な目的地に向かうために、構造体12内の保管場所からコンテナを搬送する。移送階18bは、AGV区域19aおよびトラック区域19bとは機能的に分けられ得る。AGV区域19aにおいて、船舶からのコンテナを積んだ後のAGV14が到着し、トラック区域19bにおいて、トラックが構造体12内の保管場所からコンテナを受け取る。
【0055】
変更に従い、AGV区域19aとトラック区域19bとは、別々の階に位置してもよい。別の変更に従い、単一の構造体12は、2つ以上のAGV区域および/または2つ以上のトラック区域19bを備えてもよい。
【0056】
移送階18bにおいて、ACVからコンテナを受け取るように設計された平台トレーラなどのトラックにコンテナを移送するように構成された手段が構造体12に備えられる。この手段はホイスト26を含み得る。ホイストは、AGV14からコンテナを持ち上げ、トラックがその下に位置するまで上昇位置を維持し、トラックがその下に位置すると、トラック上にコンテナを降ろすように構成される。ホイスト26はつかみ配置機構27を備え得る。つかみ配置機構は、コンテナを保持し、コンテナの上昇および下降を制御し得るウィンチシステムとケーブルを介して接続するように構成される。上昇位置においてつかみ配置機構27により保持しているときに、コンテナの側方移動を容易にする手段をさらに備えてもよい。
【0057】
構造体12は単一のホイスト26を備えるものとして本明細書に記載したが、任意の数のホイストを含んでもよいことが理解される。この構造体により、2台以上のトラック上にコンテナを同時に積むことが容易になる。
【0058】
移送階18bに関する前述の配置機構により、保管場所から回収したコンテナのトラックへの迅速な移送が可能になる。さらに必要に応じて、船舶から取り出し、構造体12または任意の他の保管区域内に保管せずにトラックに積むコンテナの移送が容易になる。
【0059】
本明細書に記載し、かつ添付図面に示す構造体12の階18が前述の構造体では地上に構成されるが、この構造体は地下に1つ以上の階を構成してもよいことが理解される。変更に従い、移送階18bの選択的な例外を含む全ての階18が地下に位置してもよい。
【0060】
図5に示すように、各AGV14は平坦な水平本体28(すなわち、「平台」)、および複数の車輪30を備える。本体は、標準的な運送用コンテナをその上で受け取り、支える大きさに形成される。運搬手段は、4、6、8、または任意の他の適切な数の車輪を備えてもよい。運搬手段は、いかなる回転もすることなく、任意の方向、すなわち、前方、後方、横方向、斜めなどに移動するように構成され得る。さらに、軸の周りを旋回するように構成され得る。
【0061】
図6に示すように、各車輪30はMecanum wheel(「Swedish wheel」と呼ばれる場合もある)でもよい。このように、これは車輪の回転軸と平行な平面において車輪の平面と45度の角度を成す回転軸を有する、その外周に沿って取り付けられた一連のローラ34と共に、mail wheel32を備え得る。この配置機構により、AGV14の(例えば、従来の車輪でも可能な)前方および後方への運動が容易になり、さらに、当業界で公知のように、種々の車輪の適切な回転により、種々の軸の周りの旋回運動に加えて、横向きおよび斜め運動が可能になる。
【0062】
仕切室24の各々は配置機構を備え得、これは床面上方における上昇位置において運送用コンテナを支持し、さらに、それらの下方におけるAGV14へのアクセス可能にする。さらに、AGV14またはコンテナを支持する配置機構のいずれか(または、両方共)は、配置機構からAGV、またはその反対方向にコンテナを移送するように構成され得る。
【0063】
図8に示す一変更に従う、運送用コンテナを支持する配置機構は、複数、例えば4つの隆起支持機構50を備えており、これは各仕切室24の床面に堅く接続されている。各隆起支持機構50は、脚部54に支持された上部プラットフォーム52を備えている。(以下の記述に言及される上部プラットフォームが脚部54の上表面を意味する場合には、上部プラットフォーム52が無くとも隆起支持機構50が備えられ得ることが理解される。)
【0064】
支持機構50は、その全ての上部プラットフォーム52が、共同でその上に標準的な運送用コンテナを受け取りかつ支持するように配置される。隣接する支持機構50間には、下記するように、AGV14がそこを通るのに十分な経路として空間が空けられる。この構造を容易に達成するために、各支持機構50の角にのみ脚部54が備え付けられる。これにより、AGV14は、支持機構の任意の側面からプラットフォーム52の下の区域にアクセスできる。
【0065】
図9に示す別の変更に従う保管システム10は複数の可動支持機構58を備えている。可動支持機構58各々は、4本の脚部62により支持された上部プラットフォーム60を備えている。脚部62の高さは、AGV14が上部プラットフォーム60の下の区域に進入可能な高さである。通常、上部プラットフォーム60の底端とAGV14の上端との間には、例えば、およそ数センチメートルの小さな隙間が存在する。
【0066】
図8および図9に示す変更のいずれかに従い、AGV14は、その本体28を選択的に上昇および/または下降して、その高さを変化するように構成された機構を備えている。これはさらに、支持機構50の脚部54それぞれの間、および支持機構58の脚部62それぞれの間を通るのに適した大きさに形成される。
【0067】
図8に示す変更に従い、AGV14は上昇位置においてコンテナを仕切室に運び、コンテナをプラットフォーム52の上方に位置させる。次に、AGV14はそれ自体を下げて、支持機構50にコンテナを支持させる。その後、AGV14は仕切室から離れ得る。仕切室24からコンテナを取り出すために、AGVはこの動作を逆の順番に実行する。
【0068】
図9に示す変更に従い、AGV14はコンテナを受け取る用意ができると、空の支持機構58の下に位置し、それ自体を上昇させ(それ故、支持機構を床面から離れるように上昇させる)、支持機構を、コンテナを受け取る区域に運搬する。コンテナをその上(すなわち、AGV14の上の支持機構58の上)に受け取ると、AGV14は選択された仕切室24に進む。AGV14はそれ自体を下げることにより、支持機構58の脚部62を床面上に置く。その後、AGV14は仕切室24から離れ得、その上のコンテナと共に支持機構58をそこに残す。仕切室24からコンテナを取り出すために、AGVはこの動作を逆の順番に実行する。
【0069】
図8に示し、かつそれを参照して記述した変更の代替案として、支持機構50が上昇および下降するように構成されてもよい。これらは、その上表面が床面と同一平面(または、これに実質的に伴う運動無しで、AGV14がそこに乗り入れ可能な程度に床面に十分に近い位置)に位置するか、コンテナを運搬するAGV14がそこを通り抜け可能な程度に下降し得る。コンテナが支持機構50の上方に位置すると、これらは上昇してAGVからそこにコンテナを移す。支持機構50からコンテナを取り出すには、この動作を逆の順番に実行する。
【0070】
図8および図9を参照して記述した変更に従い、各床面に、その内部の仕切室24の数に関連した少数のAGV14が備えられてもよい。仕切室を占有する各AGVは、使用されない時は、例えば、仕切室の角に位置する。コンテナはその下の経路をAGV14が通過可能な位置に保管される。このため、AGVは船舶からコンテナをその上に受け取るように要求されると、AGVの通路における仕切室24に保管されたコンテナに妨げられることなく、要求される位置に移動できる。
【0071】
制御システム16は、保管システム10内の動作を案内するように設計される。制御システム16はこのように、構造体12およびAGV14と通信するように構成される。図7に示すように、制御システム16は、CPU36、1つ以上のデータ表示ユニット38、および1つ以上のユーザ入力装置40を起動するソフトウェアを備え得る。データ表示ユニット38は、1つ以上のモニタ、LED、スピーカ、警報器、および/または任意の他の適切なデバイスを備え得る。ユーザ入力装置40は、1つ以上のキーボード、タッチセンサ表示部、コンピュータマウス、(例えば、音声認識ソフトと連動して動作する)マイクロホン、および/または任意の他の適切なデバイスを備え得る。
【0072】
制御システム16はさらに、情報を保存するように構成され得る。この情報は、例えば、コンテナの識別、各コンテナとそれぞれのAGV14との関連性、各AGV(それ故、運搬されるコンテナ)の位置、それを取り出すように意図されたトラックの識別、履歴データなどに関する情報である。この情報は、CPU36、または内部または外部の保存手段44をさらに備え得るか、それに関連する選択的な補助CPU42に保存および管理され得る。(CPU36に言及するここに開示する主題に関して本明細書では、全体または一部において、補助CPU42および/または保存手段44を、変更すべきところは変更して利用可能であることを暗に示す。)
【0073】
制御システム16全体は構造体12の近くに備えられてもよい。例えば、そのオペレータの視界を遮るような位置、さらには、ドックと構造体との間の通路の少なくとも一部の視界を遮る位置に配置されてもよい。
【0074】
代替的に、制御システム16の少なくとも一部を、構造体12から離れた位置に配置してもよい。例えば、CPU36は、適切なコンピュータプログラムを起動する、遠隔データセンタにおけるサーバの近くに構成され得る。このような場合では、構造体12および/または海洋の積み込みヤードの近くに、そこへ情報を送信またはそこからの情報を受信する適切な手段が備えられ得る。さらに、データ表示ユニット38およびユーザ入力装置40を備えている「ダム端末」が、構造体12の近くに備えられてもよい。この配置により、オペレータは、保管システム10の他の部材の動作を観測しつつ、CPU36にアクセスできる。
【0075】
前述に加えて、保管システム10は、その動作を容易にするための、例えば以下に示す任意の必須の構成要素(不図示)を備えてもよい。これらの構成要素は以下を含み得る(ただし、これらに限定されない)。すなわち、GPSセンサ、RFID(無線ICタグ)タグおよび1つ以上のリーダ、手動制御機能および/またはフェイルセーフ手段、手動および/または自動緊急遮断手段、並びに(使用するAGVの種類に基づく適切な)AGV14用の充電所および/または燃料補給所を含み得る。
【0076】
保管システム10を用いた、船舶からのコンテナの荷降ろしおよび保管は、以下に記述し、図10に示す方法100に従い進められる。方法100に従う以下のステップは、船舶から運送用コンテナを移送して保管する場合に実行され得る。
102に示すように、海洋の船積みドックにおいて船舶をドックに入れる。
104に示すように、運送用コンテナを、例えばクレーンを用いて船舶から降ろしてAGV14上に置く。コンテナを受け取るAGV14を、以後、「受取AGV」(rAGV)14aと呼ぶ。図4Aおよび図4Bに示す例に従うように、rAGV14aはバルコニ46上でコンテナを受け取ることができる。
106に示すように、選択的に、コンテナの識別に関する情報を制御システム16に送信し得る。この情報は、CPU36により処理および保存される。
108に示すように、制御システム16は、構造体12の仕切室24をrAGV14aに割り当てる。
110に示すように、制御システム16は、rAGV14aをエレベータ22に案内する。
必要に応じて、112に示すように、制御システム16は、rAGV14aと割り当てられた仕切室との間の通路を妨害する任意のコンテナを再配置する。これは、妨害コンテナを空いている仕切室に一時的に移動することにより行われる。代替的に、妨害コンテナをその階から一時的に持ち去ってもよい。代替的に、妨害コンテナを割り当てられた仕切室に移動し、(以前)妨害していたAGVが立ち退いた仕切室に、rAGV14aを再び割り当ててもよい。図3Cおよび図3Dに示す例に従い、妨害コンテナは、エレベータに一時的に再配置されてもよい。
必要に応じて、114に示すように、rAGV14aはエレベータ22に入る。例えば、コンテナがバルコニ46に供給され、割り当てられた仕切室24がそれと同一の床面に位置する場合には、このステップは省略されてもよいことが理解される。
必要に応じて、116に示すように、エレベータは、rAGV14aを、割り当てられた仕切室24を含む構造体12の保管階18に輸送する。
118に示すように、rAGV14aを、割り当てられた仕切室に案内する。
図7および図8を参照して記述した変更に従い、120に示すように、コンテナを支持機構50,58の下に配置し得、AGV14をその元の位置に戻し得る。
必要に応じて、122に示すように、一時的に移動した任意のAGVを、その元の位置に戻す。
【0077】
保管システム10を用いた、構造体12からのコンテナの取り出しは、以下に記述し、図11に示す方法200に従い進められる。方法200に従う以下のステップは、構造体12内の保管場所から運送用コンテナを、その最終目的地に向かい発送するためのトラックまたは列車などの運搬手段に移送する場合に実行され得る。
202に示すように、運搬手段が保管システム10に到着して、それ自体を識別する。
204に示すように、制御システム16は、運搬手段の識別に基づいてトラックに移送する適切なコンテナを識別し、それを取り出すためのAGVを指定する。
必要に応じて、206に示すように、制御システム16は、指定されたAGV14とエレベータとの間の通路を妨害する任意のコンテナを再配置する。これは、妨害コンテナを空いている仕切室に一時的に移動することにより行われる。代替的に、妨害コンテナをその階から一時的に持ち去ってもよい。代替的に、妨害コンテナを、指定されたAGV14とエレベータとの間の通路を妨害しない新規の仕切室に割り当てて、妨害コンテナをそこに移動してもよい。図3Cおよび図3Dに示す例に従い、妨害コンテナは、エレベータに一時的に再配置されてもよい。
208に示すように、制御センタ16は、指定されたAGV14をエレベータ22に案内する。
210に示すように、エレベータが指定されたAGV14を移送階18bに輸送する。
212に示すように、ホイスト26が指定されたAGV14からトラックにコンテナを移送し、次に、コンテナを含む保管システム10から立ち去る。
214に示すように、次に、指定されたAGVが元の位置に戻る。
【0078】
前述のステップが任意の適切な順序で実行され得ることが理解される。
【0079】
本明細書に記載した制御センタ16の動作が、その自動動作でもよいし、オペレータが操作の少なくとも一部を実行してもよいことがさらに理解される。
【0080】
制御システム16が任意の必要な内部動作を実行可能なことがなおもさらに理解される。この内部動作には、例えば、含有物またはrAGV14の位置に関するデータベースの更新、新規のコンテナを受け取るために利用可能なAGV14の追跡、コンテナを受け取るAGVの選択などがある。
【0081】
前述の方法が、複数のコンテナの荷降ろし、保管および取り出しを暗に示すことがなおもさらに理解される。この目的のために、いくつかの構造体12が備えられる。
【0082】
さらに、図10および図11を参照した前述のステップを含む船舶からトラックにコンテナを移送する方法が提供される。
【0083】
例えば、本明細書に記載した方法を利用した、本明細書に開示する保管システム10の使用により、構造体がそれ相応に構成される限りは、コンテナを、その強度に関係無く、任意の所望の高さに容易に積み重ねることができる。これはさらに、構成を簡単にし、保管したコンテナを取り出すのに必要な時間を短縮できる。これにより、コンテナを受け取るために運搬手段が費やす待機時間をより短縮できる。
【0084】
多くの修正、変形および変更が、変更すべきところは変更して、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得ることを、本発明に関係する当業者は容易に理解する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテナを倉庫に移送する方法であって、
1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することと、ここで、前記各階は、前記コンテナの1つを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えており、
前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供することと、
前記AGVのうちの受取AGV(rAGV)上に前記コンテナ各々を受け取ることと、
前記受取コンテナを含む前記rAGVを、前記構造体の目標階における目標仕切室に位置付けることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記構造体はバルコニをさらに備えており、前記バルコニにおいて前記コンテナの受け取りを行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AGVは前記構造体の各階に用意されている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記受け取りの前に前記目標仕切室を指定し、前記rAGVは、前記目標階に用意されたAGVから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記位置付け後、前記rAGVはそれに付随していたコンテナをそこに残して前記目標仕切室から出る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備えている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを調節可能なように構成されており、前記各支持機構の上昇高度は、前記AGVの前記高度よりも高く、前記各支持機構の降下高度は、前記AGVの前記高度よりも低い、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み、前記可動支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記AGV各々に1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記AGV各々は、前記コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御システムは、前記コンテナ各々の固有性に関する情報を受信し、前記固有性と、前記コンテナを受け取る前記rAGVとを相互に関連付けるように構成されている、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記移送の完了前に、前記rAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記移動は、前記妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記移動は、前記妨害コンテナをそれが保管されている前記階から外に案内することを含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され、前記移動は、前記妨害コンテナを案内して前記エレベータに移動させること含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記rAGVの目標仕切室への前記位置付け後、前記妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含む、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記コンテナは船舶から受け取る、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記コンテナは、クレーンを用いて前記船舶から前記rAGVに移送する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくともいくつかの前記コンテナは、前記船舶から中間運搬手段に移送され、その後、前記中間運搬手段から前記rAGVに移送される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
倉庫から複数のコンテナを移送する方法であって、
1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することと、ここで、前記各階は、前記コンテナの1つを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えており、前記階の少なくとも1つは移送階を構成し、前記仕切室の少なくともいくつかはその内部にコンテナを保管し、
前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るようにその各々が構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供することと、
移送するコンテナを識別することと、
指定されたAGVを案内して前記仕切室から前記移送するコンテナを取り出して、運搬手段に向かい移動させることと、
前記移送するコンテナを前記運搬手段に移送することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記AGVは前記構造体の各階に用意されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記指定されたAGVは、前記コンテナと同じ階に用意されたAGVから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備えている、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを調節可能なように構成されており、前記各支持機構の上昇高度は、前記AGVの前記高度よりも高く、前記各支持機構の降下高度は、前記AGVの前記高度よりも低い、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み、前記可動支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、前記AGVに1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含む、請求項21〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
複数の前記AGVは、前記コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成されている、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記移送の完了前に、前記指定されたAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含む、請求項21〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記移動は、前記妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記移動は、前記妨害コンテナをそれが保管されている前記階から外に案内することを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され、前記移動は、前記妨害コンテナを案内して前記エレベータに移動させること含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記指定されたAGVを案内してその仕切室から移動させた後、前記妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記運搬手段は、トラックおよび列車を含む群から選択される、請求項21〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記構造体は、前記コンテナを前記運搬手段に移送するように構成されたホイストを備えている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記運搬手段は船舶である、請求項21〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法に従い前記コンテナを移送することと、
請求項21〜37のいずれか1項に記載の方法に従い前記コンテナを移送することと、を含む、複数のコンテナを移送する方法。
【請求項39】
1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されているエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を備えており、ここで、前記各階は、前記コンテナの1つを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えており、
さらに、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)と、
コンテナを受け取るようにAGVの動作を案内し、倉庫の目標仕切室にコンテナを届けて、保管したコンテナを取り出すように構成された制御システムと、を備えている、保管システム。
【請求項40】
前記構造体は、その上にコンテナを含むAGVを支持するように構成されたバルコニをさらに備えており、前記構造体の少なくとも1つの階と前記バルコニとの間において、AGVにその上に積むコンテナへの直接アクセスが提供される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記構造体は水域に隣接して提供され、前記バルコニは前記水域に面する前記構造体の側面に位置する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記エレベータは、そこに2台のコンテナを受け入れて輸送するように構成されている、請求項39〜41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備えている、請求項39〜42のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項39〜43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々は上昇高度と降下高度との間で高さを調節可能なように構成されており、前記各支持機構の上昇高度は、前記AGVの前記高度よりも高く、前記各支持機構の降下高度は、前記AGVの前記高度よりも低い、請求項39〜43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記システムは、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構をさらに備えており、前記可動支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項39〜43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記AGVは前記構造体の各階に用意されている、請求項39〜46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項1】
複数のコンテナを倉庫に移送する方法であって、
1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することと、ここで、前記各階は、前記コンテナの1つを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えており、
前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供することと、
前記AGVのうちの受取AGV(rAGV)上に前記コンテナ各々を受け取ることと、
前記受取コンテナを含む前記rAGVを、前記構造体の目標階における目標仕切室に位置付けることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記構造体はバルコニをさらに備えており、前記バルコニにおいて前記コンテナの受け取りを行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AGVは前記構造体の各階に用意されている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記受け取りの前に前記目標仕切室を指定し、前記rAGVは、前記目標階に用意されたAGVから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記位置付け後、前記rAGVはそれに付随していたコンテナをそこに残して前記目標仕切室から出る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備えている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを調節可能なように構成されており、前記各支持機構の上昇高度は、前記AGVの前記高度よりも高く、前記各支持機構の降下高度は、前記AGVの前記高度よりも低い、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み、前記可動支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記AGV各々に1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記AGV各々は、前記コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御システムは、前記コンテナ各々の固有性に関する情報を受信し、前記固有性と、前記コンテナを受け取る前記rAGVとを相互に関連付けるように構成されている、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記移送の完了前に、前記rAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記移動は、前記妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記移動は、前記妨害コンテナをそれが保管されている前記階から外に案内することを含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され、前記移動は、前記妨害コンテナを案内して前記エレベータに移動させること含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記rAGVの目標仕切室への前記位置付け後、前記妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含む、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記コンテナは船舶から受け取る、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記コンテナは、クレーンを用いて前記船舶から前記rAGVに移送する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくともいくつかの前記コンテナは、前記船舶から中間運搬手段に移送され、その後、前記中間運搬手段から前記rAGVに移送される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
倉庫から複数のコンテナを移送する方法であって、
1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されたエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を提供することと、ここで、前記各階は、前記コンテナの1つを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えており、前記階の少なくとも1つは移送階を構成し、前記仕切室の少なくともいくつかはその内部にコンテナを保管し、
前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るようにその各々が構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)を提供することと、
移送するコンテナを識別することと、
指定されたAGVを案内して前記仕切室から前記移送するコンテナを取り出して、運搬手段に向かい移動させることと、
前記移送するコンテナを前記運搬手段に移送することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記AGVは前記構造体の各階に用意されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記指定されたAGVは、前記コンテナと同じ階に用意されたAGVから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備えている、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々は、上昇高度と降下高度との間で高さを調節可能なように構成されており、前記各支持機構の上昇高度は、前記AGVの前記高度よりも高く、前記各支持機構の降下高度は、前記AGVの前記高度よりも低い、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記方法は、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構の提供をさらに含み、前記可動支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、前記AGVに1つ以上のコマンドを出すように構成された制御システムの提供をさらに含む、請求項21〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
複数の前記AGVは、前記コマンドに反応して一連の運動を実行するように構成されている、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記移送の完了前に、前記指定されたAGVの通路を初期状態で妨害する妨害コンテナを移動させることをさらに含む、請求項21〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記移動は、前記妨害コンテナを空いている仕切室に案内することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記移動は、前記妨害コンテナをそれが保管されている前記階から外に案内することを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記エレベータは、その各々がその上でコンテナを運搬する2台の隣接するAGVを収容する大きさに形成され、前記移動は、前記妨害コンテナを案内して前記エレベータに移動させること含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記指定されたAGVを案内してその仕切室から移動させた後、前記妨害コンテナを案内してその以前の位置に移動させることをさらに含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記運搬手段は、トラックおよび列車を含む群から選択される、請求項21〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記構造体は、前記コンテナを前記運搬手段に移送するように構成されたホイストを備えている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記運搬手段は船舶である、請求項21〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法に従い前記コンテナを移送することと、
請求項21〜37のいずれか1項に記載の方法に従い前記コンテナを移送することと、を含む、複数のコンテナを移送する方法。
【請求項39】
1台以上のコンテナをその上に受け取って輸送し、所定の階に上昇および下降するように構成されているエレベータを含む、少なくとも1つの複数階層構造を備えており、ここで、前記各階は、前記コンテナの1つを受け取ってその内部に保管する大きさに形成された複数の仕切室を備えており、
さらに、前後および側方に運動して、その上にコンテナを受け取るように構成された複数の無人自動搬送台車(AGV)と、
コンテナを受け取るようにAGVの動作を案内し、倉庫の目標仕切室にコンテナを届けて、保管したコンテナを取り出すように構成された制御システムと、を備えている、保管システム。
【請求項40】
前記構造体は、その上にコンテナを含むAGVを支持するように構成されたバルコニをさらに備えており、前記構造体の少なくとも1つの階と前記バルコニとの間において、AGVにその上に積むコンテナへの直接アクセスが提供される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記構造体は水域に隣接して提供され、前記バルコニは前記水域に面する前記構造体の側面に位置する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記エレベータは、そこに2台のコンテナを受け入れて輸送するように構成されている、請求項39〜41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記複数の仕切室各々は、コンテナを支持する配置機構を備えている、請求項39〜42のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項39〜43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記配置機構は複数の支持機構を備えており、前記支持機構各々は上昇高度と降下高度との間で高さを調節可能なように構成されており、前記各支持機構の上昇高度は、前記AGVの前記高度よりも高く、前記各支持機構の降下高度は、前記AGVの前記高度よりも低い、請求項39〜43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記AGV各々は、その上昇高度と降下高度との間で高さを変えるように構成されており、前記システムは、コンテナを支持するように構成された複数の可動支持機構をさらに備えており、前記可動支持機構各々の高さは、前記AGVの前記降下高度よりも高く、前記AGVの前記上昇高度よりも低い、請求項39〜43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記AGVは前記構造体の各階に用意されている、請求項39〜46のいずれか1項に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−521201(P2013−521201A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555541(P2012−555541)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/IL2011/000197
【国際公開番号】WO2011/104716
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509082743)イスラエル エアロスペース インダストリーズ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/IL2011/000197
【国際公開番号】WO2011/104716
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509082743)イスラエル エアロスペース インダストリーズ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
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