説明

コンテンツ利用制御方法及びその装置

【課題】コンテンツが大容量なものであっても、ユーザが長時間待たされずにコンテンツの内容を確認でき、しかも、コンテンツに関する著作権や著作隣接権を保護する。
【解決手段】携帯電話機は、まず、暗号解読鍵をダウンロードする。次に、携帯電話機は、暗号化コンテンツをダウンロードしながら、暗号解読鍵を利用して暗号解読し、再生する。次に、ユーザがコンテンツを購入するための操作をしたならば、携帯電話機は、インストール・ノティファイを課金サーバに送信し、課金サーバは、これに応答して、インストール・ノティファイ・アクノレッジを携帯電話機に送信する。携帯電話機は、インストール・ノティファイ・アクノレッジを受信したら、既に内部にある暗号化コンテンツと暗号解読鍵を保存用に記憶し、それ以外の場合は、暗号解読鍵を削除し、必要に応じて暗号化コンテンツも削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの利用を制御するためのコンテンツ利用制御方法及びその装置に関し、特に、端末にダウンロードされるコンテンツの端末における利用を制御するためのコンテンツ利用制御方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯電話機等の端末にダウンロードされるコンテンツの端末における利用を制御するための方式として、予めコンテンツを暗号化して暗号化コンテンツとしておき、暗号化コンテンツとこの暗号化コンテンツの暗号解読を行なうために必要となる暗号解読鍵とを別々に端末にダウンロードさせ、暗号化コンテンツと暗号解読鍵との双方をダウンロードした端末で暗号化コンテンツの暗号解読が行えるようにするようなセパレート・デリバリ方式といわれるものが存在する。
【0003】
また、従来より、セパレート・デリバリ方式を採用した上で、端末が、最初に暗号化コンテンツをダウンロードしてから、暗号解読鍵をダウンロードし、両者が端末に揃った時から、端末が、暗号化コンテンツの暗号解読及び暗号解読されたコンテンツの利用を行えるような方式が採用されている。
【非特許文献1】Digital Rights Management Version 1.0, Version 05-September-2002, Open Mobile Alliance, Ltd,
【非特許文献2】Rights Expression Language Version 1.0, Version 13-September-2002, Open Mobile Alliance, Ltd,
【非特許文献3】DRM Content Format Version 1.0, Version 13-September-2002, Open Mobile Alliance, Ltd,
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような方式を採用した場合において、特にコンテンツのダウンロードに要する時間が長い場合、端末のユーザは、実際にコンテンツの利用を始めるまで長時間待たされることとなるため、上述した方式は、必ずしも、ユーザにとって快適なものであるとはいえなかった。
【0005】
また、例えば、ユーザが、1回のみコンテンツを試用(再生等)してみて、そのコンテンツを購入することを決心してから、引き続きコンテンツを利用するための操作を行なうと、端末とサーバとの間で、そのための処理(課金処理と暗号解読鍵のダウンロード等)が行なわれ、その処理により、その引き続きの利用が可能となるような方式があるが、このような方式が採用された場合、ユーザは、ダウンロードの最中に待たされ、更に、コンテンツを試用するために時間を費やさなければならない。
【0006】
音楽コンテンツを例に取れば、以前であれば、1曲の一部が1つのコンテンツを構成していたが、近年は、1曲全体が1つのコンテンツを構成するようになり、これにより、コンテンツの容量が増大してきた。また、一般に音楽コンテンツよりも容量が多い動画コンテンツも端末にダウンロードされるようになってきた。従って、コンテンツの容量が増大化する流れを考慮すると、上述した事態が益々深刻となる虞がある。
【0007】
他方、コンテンツには著作権や著作隣接権があるため、利用制限又は利用許諾のための利用制御を行なうことにより、著作権や著作隣接権を保護する必要がある。
【0008】
そこで、本発明は、コンテンツが大容量なものであっても、ユーザが長時間待たされずにコンテンツの内容を確認でき、しかも、コンテンツに関する著作権や著作隣接権を保護することを可能とするコンテンツ利用制御方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点によれば、ストリーミング・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生及び前記暗号化コンテンツの利用であって前記ストリーミング・ステップにおける前記暗号化コンテンツの全部又は一部に対する前記暗号解読と前記再生以外のもの(以下、「他の利用」という。)を可能にするための利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、前記暗号化コンテンツをダウンロードしながら、その暗号化コンテンツに対し、前記暗号解読鍵を利用した暗号解読と再生を行なうストリーミング・ステップと、前記暗号解読鍵ダウンロード・ステップでダウンロードされた前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを許可するための許可処理が行なわれたか否かを判断する許可処理判断ステップと、前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを不可能にするための処理を行なう利用不可能化ステップと、を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法が提供される。
【0010】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記許可処理が行なわれたことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを可能にするための処理を行なう利用可能化ステップを更に備えるようにしてもよい。
【0011】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記利用不可能化ステップでは、前記暗号解読鍵を削除するようにしてもよい。
【0012】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記利用不可能化ステップでは、更に、前記暗号化コンテンツを削除するようにしてもよい。
【0013】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記利用可能化ステップでは、前記暗号解読鍵を保存用に記憶し、前記暗号化コンテンツを保存用に記憶するようにしてもよい。
【0014】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記暗号化コンテンツのダウンロードの最中にコンテンツ出力部を占有する他の処理が行なわれた場合、前記暗号化コンテンツのダウンロードを継続しつつ、前記暗号解読と前記再生を中断する暗号解読・再生中断ステップを更に備えるようにしてもよい。
【0015】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記コンテンツ出力部を占有する前記他の処理が終了した場合、前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生再開ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【0016】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記暗号化コンテンツのダウンロードが途中で中断された場合、同時に前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を中断し、前記暗号化コンテンツのダウンロードが再開された場合に、同時に前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生の中断・再開ステップを更に備えるようにしてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点によれば、ストリーミング・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生を含む利用の範囲である第1の所定の利用範囲を示す第1の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする第1の暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、前記暗号化コンテンツをダウンロードしながら、その暗号化コンテンツに対し、前記暗号解読鍵を利用した暗号解読と再生を行なうストリーミング・ステップと、前記暗号化コンテンツの利用であって前記第1の所定の用範囲における利用以外のもの(以下、「他の利用」という。)を許可するための許可処理が行なわれたか否かを判断する許可処理判断ステップと、前記許可処理が行なわれたことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを可能にするための処理を行なう利用可能化ステップと、を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法が提供される。
【0018】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする第2の暗号解読鍵ダウンロード・ステップを更に備え、前記利用可能化ステップでは、前記暗号化コンテンツと前記第2の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵を保存のために記憶するようにしてもよい。
【0019】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報をダウンロードする第2の所定の利用制限情報ダウンロード・ステップを更に備え、前記利用可能化ステップでは、前記暗号解読鍵に付加された前記第1の所定の利用制限情報を前記第2の所定の利用制限情報に書き換え、前記暗号化コンテンツと前記利用制限情報が書き換えられた前記暗号解読鍵を保存のために記憶するようにしてもよい。
【0020】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記利用可能化ステップでは、前記第1の暗号解読鍵に付加された前記第1の所定の利用制限情報を前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報に書き換え、前記暗号化コンテンツと前記利用制限情報が書き換えられた前記暗号解読鍵を保存のために記憶するようにしてもよい。
【0021】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を削除するようにしてもよい。
【0022】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツを削除するようにしてもよい。
【0023】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記許可処理が要求されたが、前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツを保存のために記憶するようにしてもよい。
【0024】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記暗号化コンテンツのダウンロードの最中にコンテンツ出力部を占有する他の処理が行なわれた場合、前記ダウンロードを継続しつつ、前記暗号解読と前記再生を中断する暗号解読・再生中断ステップを更に備えるようにしてもよい。
【0025】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記コンテンツ出力部を占有する前記他の処理が終了した場合、前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生再開ステップを更に備えるようにしてもよい。
【0026】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記ダウンロードが途中で中断された場合、同時に前記暗号解読と前記再生を中断し、前記ダウンロードが再開された場合に、同時に前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生の中断・再開ステップを更に備えるようにしてもよい。
【0027】
本発明の第3の観点によれば、暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生及び前記暗号化コンテンツの利用であって前記暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップにおける前記暗号化コンテンツの全部又は一部に対する前記暗号解読と前記再生以外のもの(以下、「他の利用」という。)を可能にするための利用制限情報が付加された暗号解読鍵を端末にダウンロードさせる暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、前記暗号化コンテンツを前記端末にダウンロードさせる暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップと、前記端末に対し、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを許可するための許可処理を行なう許可処理ステップと、を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法が提供される。
【0028】
本発明の第4の観点によれば、暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生を含む利用の範囲である第1の所定の利用範囲を示す第1の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵を端末にダウンロードさせる第1の暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、前記暗号化コンテンツを前記端末にダウンロードさせる暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップと、前記端末に対し、前記暗号化コンテンツに対し、前記暗号化コンテンツの利用であって前記第1の所定の利用範囲における利用以外のもの(以下、「他の利用」という。)を行なうことを許可するための許可処理を行なう許可処理ステップと、を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法が提供される。
【0029】
上記のコンテンツ利用制御方法において、前記他の利用を可能にするための可能化情報を前記端末にダウンロードさせる可能化情報ダウンロード・ステップを更に備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、コンテンツが大容量なものであっても、ユーザが長時間待たされずにコンテンツの内容を確認でき、しかも、コンテンツに関する著作権や著作隣接権を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0032】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態によるコンテンツ利用制御方法を実現するためのシステムを示すブロック図である。
【0033】
図1を参照すると、このシステムは、携帯電話網101並びにこれに接続されたコンテンツ・サーバ103、鍵サーバ105、課金サーバ107及び携帯電話機109を備える。図1においては、携帯電話機109は1つしか示されていないが、実際には、携帯電話機109は、多数在る。
【0034】
コンテンツ・サーバ103は、暗号化されたコンテンツ(以下、「暗号化コンテンツ」という。)を多数格納しており、携帯電話機109から要求された暗号化コンテンツを、携帯電話機109にダウンロードさせる。
【0035】
鍵サーバ105は、各暗号化コンテンツを暗号解読するための暗号解読鍵を格納しており、携帯電話機109から要求された暗号解読鍵を、携帯電話機109にダウンロードさせる。なお、暗号解読鍵には、所定の範囲のみにおいて暗号化コンテンツの利用を許可するための利用制限情報が付加されていてもよい。
【0036】
課金サーバ107は、携帯電話機109が暗号解読鍵を利用して暗号化コンテンツを利用するために必要な課金処理を行なう。
【0037】
なお、これらのサーバは、一体となっていてもよいし、携帯網101以外のネットワークで接続されていてもよい。
【0038】
図1に示す各サーバは、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータをそのサーバとして機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0039】
図2は、携帯電話機109の本発明に関連した部分を示すブロック図である。
【0040】
図2を参照すると、携帯電話機109は、通信部201、暗号解読鍵ダウンロード部203、暗号解読鍵一時記憶部205、暗号解読鍵書込/削除部207、暗号解読鍵保存用記憶部209、暗号化コンテンツ・ダウンロード部211、暗号化コンテンツ一時記憶部213、暗号化コンテンツ書込/削除部215、暗号化コンテンツ保存用記憶部217、暗号解読部219、復号部221、ユーザ・インターフェース223、対課金サーバ通信部227及び制御部229を備える。ユーザ・インターフェース223は、出力部225を含む。
【0041】
通信部201は、携帯電話機109が通話や通信を行なうために必要となる通信処理を行なう。通信部201は、例えば、PDC(Personal Digital Cellular)、CDMA(Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile communications)方式に従って、通信処理を行なう。
【0042】
暗号解読鍵ダウンロード部203は、暗号解読鍵を鍵サーバ105からダウンロードする。
【0043】
暗号解読鍵一時記憶部205は、暗号解読鍵ダウンロード部203がダウンロードした暗号解読鍵を一時記憶する。
【0044】
暗号解読鍵書込/削除部207は、暗号解読鍵一時記憶部205に一時記憶された暗号解読鍵を削除したり、暗号解読鍵一時記憶部205に一時記憶された暗号解読鍵を読み出して、暗号解読鍵保存用記憶部209に書き込んだりする。
【0045】
暗号化コンテンツ・ダウンロード部211は、暗号化コンテンツをコンテンツ・サーバ103からダウンロードする。
【0046】
暗号化コンテンツ一時記憶部213は、暗号化コンテンツ・ダウンロード部211がダウンロードした暗号化コンテンツを一時記憶する。
【0047】
暗号化コンテンツ書込/削除部215は、暗号化コンテンツ一時記憶部213に一時記憶された暗号化コンテンツを削除したり、暗号化コンテンツ一時記憶部213に一時記憶された暗号化コンテンツを読み出して、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込んだりする。
【0048】
暗号解読部219は、暗号化コンテンツ一時記憶部213又は暗号化コンテンツ保存用記憶部217に格納されている暗号化コンテンツを、暗号解読鍵一時記憶部205又は暗号解読鍵保存用記憶部209に格納されている暗号解読鍵を利用して、暗号解読する。
【0049】
復号部221は、暗号解読部219により暗号解読されたコンテンツを復号する。ここで、復号とは、例えば、帯域圧縮されているコンテンツを伸張する処理のことである。
【0050】
ユーザ・インターフェース223は、ユーザとのインターフェースを行なう部分であり、出力部225、キー群、マイク等を備える。出力部225は、画面、スピーカ等を備える。キー群は、テンキー、機能キー等を備える。
【0051】
対課金サーバ通信部227は、課金サーバ107との間で、通信を行なう。具体的には、課金サーバ107に対して、インストール・ノティファイ(Install Notify)を送信し、課金サーバ107から、インストール・ノティファイに対応した応答(インストール・ノティファイ・アクノレッジ(install notify acknowledge)又はインストール・ノティファイ・ネガティブ・アクノレッジ(install notify negative acknowledge))を受信する。
【0052】
制御部229は、図2に示す他の部分を制御する部分であり、これらの部分と接続されているが、図2では、この接続を表す線を省略している。
【0053】
図2に示す各部分は、ハードウェアによって実現することもできるが、コンピュータをその部分として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0054】
次に、図1及び図2に示す構成において行なわれる第1のコンテンツ利用制御方法について、図3を参照して説明する。
【0055】
まず、携帯電話機109は、携帯電話機109のユーザが利用することを希望する暗号化コンテンツに対応する暗号解読鍵の送信を、鍵サーバ105に対して要求する(ステップS301)。
【0056】
次に、鍵サーバ105は、携帯電話機109から送信を要求された暗号解読鍵を携帯電話機109に送信する(ステップS303)。携帯電話機109に送信されてきた暗号解読鍵は、暗号解読鍵一時記憶部205に格納される。
【0057】
次に、携帯電話機109は、ユーザが利用することを希望する暗号化コンテンツの送信を、コンテンツ・サーバ103に対して要求する(ステップS305)。
【0058】
次に、コンテンツ・サーバ103は、携帯電話機109から送信を要求された暗号化コンテンツを携帯電話機109にダウンロードさせる(ステップS307)。
【0059】
これに対応して、携帯電話機109は、暗号化コンテンツをダウンロードする(ステップS309)。ダウンロードされた暗号化コンテンツは、暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納される。また、ステップS309では、暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納された暗号化コンテンツは、ステップS303でダウンロードされた暗号解読鍵を利用して、暗号解読部219により暗号解読され、復号部221により復号され、出力部225から出力される。ダウンロードと格納と暗号解読と復号は同時に(厳密には暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納されている暗号化コンテンツのオーバーフローとアンダーフローが生じないようするために暗号化コンテンツ一時記憶部213への書込みとそこからの読出しの間に時間差を設けるが)行なわれる。ダウンロードと再生を同時に行なうことは、一般にストリーミングと称される。これにより、ユーザは、携帯電話機109がコンテンツ・サーバ103からダウンロードした暗号化コンテンツを、正式に購入することを決定する前に、そのダウンロードの最中に確認して、それにより、暗号化コンテンツを正式に購入するか否かを判断することができる。
【0060】
次に、暗号化コンテンツのダウンロードが終了したならば、ユーザにより暗号化コンテンツを購入するための操作が行なわれたか否かを判断する(ステップS311)。
【0061】
ユーザにより購入するための処理が行なわれなかったことが判断されたり、ユーザにより購入しないための処理が行なわれたことが判断された場合には(ステップS311でNO)、暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納されている暗号化コンテンツを削除し(ステップS313)、暗号解読鍵一時記憶部205に格納されている暗号解読鍵を削除する(ステップS315)。
【0062】
ステップS303でダウンロードされた暗号解読鍵をステップS315で削除することにより、仮に暗号化コンテンツが暗号化コンテンツ一時記憶部213に残っていたり、外部から入力された場合であっても、ステップS303でダウンロードされた暗号解読鍵によって、その暗号化コンテンツが暗号解読され、利用(再生等)されることを防止することができる。
【0063】
また、ステップS313を省略して、暗号化コンテンツが暗号化コンテンツ一時記憶部213に残るようにしてもよい。また、ステップS309でダウンロードされた暗号化コンテンツを削除しても良いか否かをユーザに問い合わせるような画面を表示し、良い場合にのみステップS313を実行するようにしてもよい。そして、ステップS313を省略することにより、暗号化コンテンツを削除しない場合には、これを暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込み、後に、携帯電話機109が暗号解読鍵をダウンロードできた場合に、暗号化コンテンツの暗号解読と再生ができるようにしてもよい。
【0064】
ユーザにより暗号化コンテンツを購入するための処理が行なわれたことが判断された場合には(ステップS311でYES)、携帯電話機109は、インストール・ノティファイを、課金サーバ107に対して送信する(ステップS317)。インストール・ノティファイには、携帯電話機109のユーザを識別できるようにするための識別情報及びステップS309で携帯電話機109がダウンロードした暗号化コンテンツを識別できるようにするための識別情報が含まれている。
【0065】
課金サーバ107は、インストール・ノティファイに含まれている上記の2つの識別情報を利用して、ユーザに対して課金処理を行ない(ステップS319)、課金処理に成功したならば、インストール・ノティファイ・アクノレッジを、携帯電話機109に送信する(ステップS321)。課金処理に成功しなかった場合には、インストール・ノティファイ・ネガティブ・アクノレッジを、携帯電話機109に送信するようにしてもよいし、単に、インストール・ノティファイ・アクノレッジを送らないようにしてもよい。また、課金処理は、間違いなく成功するという前提の基に、ステップS321をステップS319の前に行なうようにしてもよい。
【0066】
携帯電話機109は、課金サーバ107からインストール・ノティファイ・アクノレッジを受信できたか否かを判断する(ステップS323)。ステップS323では、例えば、所定時間内にインストール・ノティファイ・アクノレッジに対する応答を受信できたか否かを判断したり、所定時間内に受信できた応答がインストール・ノティファイ・アクノレッジであるのかインストール・ノティファイ・ネガティブ・アクノレッジであるのかを判断する。そして、所定時間内にインストール・ノティファイ・アクノレッジを受信できた場合に、ステップS323で肯定的判断をする。他の場合には、ステップS323で否定的判断をする。
【0067】
ステップS323で否定的判断がされた場合(ステップS323でNO)、その原因が、課金サーバ107での課金が不可能であったことであるとは限らず、受信できなかった原因が、通信環境の悪化であったことであることもありえる。しかし、間違って暗号解読の許可を与えてしまう可能性が残ることを無くすために、ステップS303でダウンロードされた暗号解読鍵を暗号解読鍵一時記憶部205から削除する。
【0068】
また、ステップS323で否定的判断がされた場合(ステップS323でNO)、その原因が、課金サーバ107での課金が不可能であったことである場合には、今後も課金が不可能であるという予想の下に暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から削除してもよい。しかし、その原因が通信環境の悪化であったことである場合も考慮し、暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から読み出して、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込み、後に、携帯電話機109が暗号解読鍵をダウンロードできた場合に暗号化コンテンツの暗号解読と再生ができるようにしてもよい。また、本発明が採用する暗号化コンテンツと暗号解読鍵を別々に配布するセパレート・デリバリ方式の下では、暗号化コンテンツは、暗号化されている限り、他の携帯電話機等にコピーされたり、移されてもよいので、これを考慮して、暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から読み出して、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込んでもよい。
【0069】
ステップS323で肯定的判断がされた場合(ステップS323でYES)、暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から読み出して、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込み(ステップS327)、暗号解読鍵を暗号解読鍵一時記憶部205から読み出して、暗号解読鍵保存用記憶部209に書き込む(ステップS329)。
【0070】
ステップS303で送信される暗号解読鍵には、暗号化コンテンツの利用を所定の利用範囲における利用に制限するための利用制限情報が付加されている。利用範囲は、例えば、利用回数、利用の種類(再生、コピー、移動等)、利用制限時間又はこれらの組合せ等により規定される。
【0071】
この所定の利用範囲は、少なくとも、ステップS309で暗号化コンテンツの全部又は一部をダウンロードしながら、暗号解読及び再生を行なうことを可能にするための利用範囲(以下、「確認用利用範囲」という。)を含む。
【0072】
また、例えば、再生された暗号化コンテンツの一部のみから暗号化コンテンツを正式に購入するか否かをユーザが判断することが可能であり、ステップS309で暗号化コンテンツの全部を再生する必要がないと判断された場合には、確認用利用範囲は、ステップS309で、暗号化コンテンツをダウンロードしながら、暗号化コンテンツの一部のみに対して、暗号解読及び再生を行なうことを可能にするための利用範囲であればよい。
【0073】
また、この所定の利用範囲は、確認用利用範囲の他の利用範囲も含む。他の利用範囲は、例えば、次に示すものである。すなわち、ステップS327及びステップS329の後に、ステップS307でダウンロードされ、ステップS327で暗号化コンテンツ保存用記憶部217に格納された暗号化コンテンツの全部又は一部を、ステップS303でダウンロードされ、ステップS329で暗号解読鍵保存用209に格納された暗号解読鍵を利用して、所定の期間内であれば、少なくとも1回利用することを可能にするための利用範囲である。所定の期間内であるという制限を無くしたり、暗号化コンテンツの全部を暗号解読できるようにしたり、利用回数を増やしてもよい。
【0074】
他方、他の利用範囲は、無制限な利用を可能にするような範囲であってもよい。
【0075】
[実施形態2]
実施形態2の構成は、図1及び図2に示す実施形態1の構成と同様である。
【0076】
実施形態1では、図3に示す第1のコンテンツ利用制御方法が行なわれたが、実施形態2では、図4に示す第2のコンテンツ利用制御方法が行なわれる。
【0077】
第1のコンテンツ利用制御方法では、暗号化コンテンツのダウンロード前にダウンロードする暗号解読鍵に付加する利用制限情報が示す利用範囲に、予め、確認用利用範囲のみならず他の利用範囲も含ませておく。そして、そして、ダウンロードされた暗号化コンテンツを、暗号化コンテンツのダウンロードの後にも利用するか否かをユーザからの入力に基づいて判断し、利用すると判断された場合に、更に、暗号化コンテンツのダウンロードの前にダウンロードした暗号解読鍵を、暗号化コンテンツのダウンロードの後にも利用するための処理(課金等)が行なわれたか否かを判断し、利用するための処理が行なわれたと判断された場合に、暗号化コンテンツと暗号解読鍵を携帯電話機109に保存用に記憶する。保存用に記憶された暗号化コンテンツは、暗号化コンテンツのダウンロードの前に携帯電話機109にダウンロードされ、保存用に記憶された暗号解読鍵に付加されている利用制限情報により示される他の利用範囲において利用することが可能となる。
【0078】
これに対し、第2のコンテンツ利用制御方法では、暗号化コンテンツのダウンロード前にダウンロードする暗号解読鍵に付加する利用制限情報が示す利用範囲に、予め、原則として、確認用利用範囲のみを含ませておく。そして、ダウンロードされた暗号化コンテンツを、暗号化コンテンツのダウンロードの後にも利用するか否かをユーザからの入力に基づいて判断し、利用すると判断された場合に、ダウンロードされた暗号化コンテンツを携帯電話機109に残すようにする。また、利用すると判断された場合、更に、他の利用範囲における利用を許可するための処理を行なう。残された暗号化コンテンツは、その処理により許可された他の利用範囲において利用することが可能となる。
【0079】
他の利用範囲における利用を許可するための処理としては、後述するように、様々な種類の処理があるが、例えば、他の利用範囲を表す利用制限情報が付加された暗号解読鍵を携帯電話機109へダウンロードして、携帯電話機109に保存用に格納する処理であってもよい。このような処理を行なう場合、暗号化コンテンツのダウンロード前にダウンロードされる暗号解読鍵と、他の利用範囲における利用を許可するための処理の際にダウンロードされる暗号解読鍵とは、同一の暗号化コンテンツの暗号解読をするための暗号解読鍵であるので、同一であるが、前者の暗号解読鍵に付加される利用制限情報により表される利用範囲が原則として確認用利用範囲のみであるのに対し、後者の暗号解読鍵に付加される利用制限情報により表される利用範囲が他の利用範囲である点において両者は異なる。そこで、次の図4を参照した説明では、前者の暗号解読鍵を暗号解読鍵Aと称し、後者の暗号解読鍵を暗号解読鍵Bと称するが、暗号解読鍵自体が異なることを意味するのではなく、それに付加される利用制限情報が異なることを意味する。
【0080】
次に、図1及び図2に示す構成において行なわれる第2のコンテンツ利用制御方法について、図4を参照して説明する。
【0081】
まず、携帯電話機109は、携帯電話機109のユーザが利用することを希望する暗号化コンテンツに対応する暗号解読鍵Aの送信を、鍵サーバ105に対して要求する(ステップS401)。
【0082】
次に、鍵サーバ105は、携帯電話機109から送信を要求された暗号解読鍵Aを携帯電話機109に送信する(ステップS403)。携帯電話機109に送信されてきた暗号解読鍵Aは、暗号解読鍵一時記憶部205に格納される。
【0083】
次に、携帯電話機109は、ユーザが利用することを希望する暗号化コンテンツの送信を、コンテンツ・サーバ103に対して要求する(ステップS405)。
【0084】
次に、コンテンツ・サーバ103は、携帯電話機109から送信を要求された暗号化コンテンツを携帯電話機109にダウンロードさせる(ステップS407)。
【0085】
これに対応して、携帯電話機109は、暗号化コンテンツをダウンロードする(ステップS409)。ダウンロードされた暗号化コンテンツは、暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納される。また、ステップS409では、暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納された暗号化コンテンツは、ステップS403でダウンロードされた暗号解読鍵Aを利用して、暗号解読部219により暗号解読され、復号部221により復号され、出力部225から出力される。ダウンロードと格納と暗号解読と復号は同時に(厳密には暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納されている暗号化コンテンツのオーバーフローとアンダーフローが生じないようするために暗号化コンテンツ一時記憶部213への書込みとそこからの読出しの間に時間差を設けるが)行なわれる。ダウンロードと再生を同時に行なうことは、上述したように、一般にストリーミングと称される。これにより、ユーザは、携帯電話機109がコンテンツ・サーバ103からダウンロードした暗号化コンテンツを、正式に購入することを決定する前に、そのダウンロードの最中に確認して、それにより、暗号化コンテンツを正式に購入するか否かを判断することができる。
【0086】
次に、暗号化コンテンツのダウンロードが終了したならば、ユーザにより暗号化コンテンツを購入するための操作が行なわれたか否かを判断する(ステップS411)。
【0087】
ユーザにより購入するための処理が行なわれなかったことが判断されたり、ユーザにより購入しないための処理が行なわれたことが判断された場合には(ステップS411でNO)、暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納されている暗号化コンテンツを削除し(ステップS413)、暗号解読鍵一時記憶部205に格納されている暗号解読鍵Aを削除する(ステップS415)。
【0088】
実施形態1では、ステップS303でダウンロードされた暗号解読鍵に付加されている利用制限情報により表される利用範囲が確認用利用範囲のみならず他の利用範囲も含んでいる。このため、仮に暗号化コンテンツが暗号化コンテンツ一時記憶部213に残っていたり、外部から入力された場合であっても、ステップS303でダウンロードされた暗号解読鍵によって、他の利用の範囲で、その暗号化コンテンツを暗号解読され、利用(再生等)されることを防止するために、ステップS315を実行することが不可欠であった。
【0089】
これに対し、実施形態2では、ステップS403でダウンロードされた暗号解読鍵に付加されている利用制限情報により表される利用範囲は、原則として、確認用利用範囲のみしか含んでいない。追加的な利用範囲を含んでいたとしても、追加的な利用範囲は、例えば、もう1回のみの再生を許可するような、狭い範囲である。そこで、この追加的な利用範囲を「準確認用利用範囲」ということにする。これは、「他の利用範囲」とは区別されるものであるが、「他の利用範囲」が「準確認用利用範囲」を含んでいてもよい。従って、実施形態1のステップS315に対応したステップS415を行なわなくても、他の利用を禁止することができる。
【0090】
また、後述するように、他の利用を許可するために暗号解読鍵Aの代わりとなる暗号解読鍵Bを携帯電話機109にダウンロードして、それが携帯電話機109に残るようにするのではなく、他の利用を許可するために暗号解読鍵Aの利用制限情報を書き換える場合には、積極的にステップS415を省略して、これにより、暗号解読鍵Aを残しておく。この場合、ステップS403でダウンロードされた暗号解読鍵Aを暗号解読鍵保存用記憶部209に書き込んでおいてもよい。
【0091】
また、ステップS413を省略して、暗号化コンテンツが暗号化コンテンツ一時記憶部213に残るようにしてもよい。また、ステップS409でダウンロードされた暗号化コンテンツを削除しても良いか否かをユーザに問い合わせるような画面を表示し、良い場合にのみステップS413を実行するようにしてもよい。そして、ステップS413を省略することにより、暗号化コンテンツが残る場合には、これを暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込み、後に、携帯電話機109が暗号解読鍵をダウンロードできた場合に、暗号化コンテンツの暗号解読と再生ができるようにしてもよい。
【0092】
ユーザにより暗号化コンテンツを購入するための処理が行なわれたことが判断された場合には(ステップS411でYES)、携帯電話機109は、携帯電話機109のユーザが利用することを希望する暗号化コンテンツに対応する暗号解読鍵Bの送信を、鍵サーバ105に対して要求する(ステップS417)。
【0093】
次に、鍵サーバ105は、携帯電話機109から送信を要求された暗号解読鍵Bを携帯電話機109に送信する(ステップS419)。携帯電話機109に送信されてきた暗号解読鍵Bは、暗号解読鍵一時記憶部205に格納される。
【0094】
次に、携帯電話機109は、インストール・ノティファイを、課金サーバ107に対して送信する(ステップS421)。インストール・ノティファイには、携帯電話機109のユーザを識別できるようにするための識別情報及びステップS409で携帯電話機109がダウンロードした暗号化コンテンツを識別できるようにするための識別情報が含まれている。
【0095】
課金サーバ107は、インストール・ノティファイに含まれている上記の2つの識別情報を利用して、ユーザに対して課金処理を行ない(ステップS423)、課金処理に成功したならば、インストール・ノティファイ・アクノレッジを、携帯電話機109に送信する(ステップS425)。課金処理に成功しなかった場合には、インストール・ノティファイ・ネガティブ・アクノレッジを、携帯電話機109に送信するようにしてもよいし、単に、インストール・ノティファイ・アクノレッジを送らないようにしてもよい。また、課金処理は、間違いなく成功するという前提の基に、ステップS425をステップS423の前に行なうようにしてもよい。
【0096】
携帯電話機109は、課金サーバ107からインストール・ノティファイ・アクノレッジを受信できたか否かを判断する(ステップS427)。ステップS427では、例えば、所定時間内にインストール・ノティファイ・アクノレッジに対する応答を受信できたか否かを判断したり、所定時間内に受信できた応答がインストール・ノティファイ・アクノレッジであるのかインストール・ノティファイ・ネガティブ・アクノレッジであるのかを判断する。そして、所定時間内にインストール・ノティファイ・アクノレッジを受信できた場合に、ステップS427で肯定的判断をする。他の場合には、ステップS427で否定的判断をする。
【0097】
ステップS427で否定的判断がされた場合(ステップS427でNO)、その原因が、課金サーバ107での課金が不可能であったことであるとは限らず、受信できなかった原因が、通信環境の悪化であったことであることもありえる。しかし、間違って暗号解読の許可を与えてしまう可能性が残ることを無くすために、ステップS419でダウンロードされた暗号解読鍵Bを暗号解読鍵一時記憶部205から削除する(ステップS429)。
【0098】
また、ステップS427で否定的判断がされた場合(ステップS427でNO)、その原因が、課金サーバ107での課金が不可能であったことである場合には、今後も課金が不可能であるという予想の下に暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から削除してもよい。しかし、その原因が通信環境の悪化であったことである場合も考慮し、暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から読み出して、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込み、後に、携帯電話機109が暗号解読鍵をダウンロードできた場合に暗号化コンテンツの暗号解読と再生ができるようにしてもよい。また、本発明が採用する暗号化コンテンツと暗号解読鍵を別々に配布するセパレート・デリバリ方式の下では、暗号化コンテンツは、暗号化されている限り、他の携帯電話機等にコピーされたり、移されてもよいので、これを考慮して、暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から読み出して、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込んでもよい。
【0099】
ステップS427で肯定的判断がされた場合(ステップS427でYES)、暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から読み出して、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込み(ステップS431)、暗号解読鍵Bを暗号解読鍵一時記憶部205から読み出して、暗号解読鍵保存用記憶部209に書き込む(ステップS433)。
【0100】
ステップS403で送信される暗号解読鍵A及びステップS419で送信される暗号解読鍵Bには、それぞれ、暗号化コンテンツの利用を所定の利用範囲における利用に制限するための利用制限情報が付加されている。利用範囲は、例えば、利用回数、利用の種類(再生、コピー、移動等)、利用制限時間又はこれらの組合わせ等により規定される。
【0101】
上述したように、暗号解読鍵Aに付加される利用制限情報により表される所定の利用範囲は、原則として、上記の確認用利用範囲のみを含む。また、上述したように、暗号解読鍵Aに付加される利用制限情報により表される所定の利用範囲が、準確認用利用範囲を含んでいたとしても、準確認用利用範囲は、例えば、もう1回のみの再生を許可するような、狭い範囲である。
【0102】
暗号解読鍵Bに付加される利用制限情報により表される他の利用範囲は、例えば、次に示すものである。すなわち、ステップS431及びステップS433の後に、ステップS407でダウンロードされ、ステップS431で暗号化コンテンツ保存用記憶部217に格納された暗号化コンテンツの全部又は一部を、ステップS419でダウンロードされ、ステップS433で暗号解読鍵保存用209に格納された暗号解読鍵Bを利用して、所定の期間内であれば、少なくとも1回利用することを可能にするための利用範囲である。所定の期間内であるという制限を無くしたり、暗号化コンテンツの全部を暗号解読できるようにしたり、利用回数を増やしてもよい。
【0103】
他方、他の利用範囲は、無制限な利用を可能にするような範囲であってもよい。
【0104】
図4を参照して説明したように、他の利用範囲における暗号化コンテンツの利用を許可するために、他の利用範囲を表す利用制限情報が付加された暗号解読鍵Bを携帯電話機109にダウンロードして、残すようにしてもよい。この場合には、例えば、ステップS411とステップS417の間で、暗号解読鍵Aを削除してもよい。
【0105】
この代わりに、ステップS419で、暗号解読鍵Bをダウンロードする代わりに、他の利用範囲を表す利用制限情報のみをダウンロードして、ステップS427で肯定的判断が行なわれた後、暗号解読鍵一時記憶部205に格納されている暗号解読鍵Aの利用制限情報をステップS419でダウンロードした利用制限情報に書き換え、書換え後の暗号解読鍵を暗号解読鍵保存用記憶部209に格納するようにしてもよい。
【0106】
また、例えば、他の利用範囲が予め決められたものであれば、ステップS427で肯定的判断が行なわれた後、暗号解読鍵一時記憶部205に格納されている暗号解読鍵Aに付加された利用制限情報を予め決められた他の利用範囲を示すものに書き換えて、書換え後の暗号解読鍵を暗号解読鍵保存用記憶部209に格納するようにしてもよい。
【0107】
[実施形態3]
実施形態1及び2に共通な変形形態である実施形態3を以下に説明する。
【0108】
暗号解読鍵一時記憶部205と暗号解読鍵保存用記憶部209を物理的に同一な領域に設けてファイル管理情報の操作等により、暗号解読鍵一時記憶部205から暗号解読鍵保存用記憶部209への暗号解読鍵の転送を実現してもよい。
【0109】
同様に、暗号化コンテンツ一時記憶部213と暗号化コンテンツ保存用記憶部217を物理的に同一な領域に設けてファイル管理情報の操作等により暗号化コンテンツ一時記憶部213から暗号化コンテンツ保存用記憶部217への暗号化コンテンツの転送を実現してもよい。
【0110】
また、ダウンロードされた暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213に書き込む代わりに、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に直接書き込んでもよい。この場合、暗号化コンテンツを削除する場合には、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込まれている暗号化コンテンツを削除する。また、暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から読み出し、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込む(暗号化コンテンツを暗号化コンテンツ一時記憶部213から暗号化コンテンツ保存用記憶部217に転送する)代わりに、暗号化コンテンツ保存用記憶部217に書き込まれている暗号化コンテンツをそのまま残せばよい。
【0111】
同様に、ダウンロードされた暗号解読鍵を暗号解読鍵一時記憶部205に書き込む代わりに、暗号解読鍵保存用記憶部209に直接書き込んでもよい。この場合、暗号解読鍵を削除する場合には、暗号解読鍵保存用記憶部209に書き込まれている暗号解読鍵を削除する。また、暗号解読鍵を暗号解読鍵一時記憶部205から読み出し、暗号解読鍵保存用記憶部207に書き込む(暗号解読鍵を暗号解読鍵一時記憶部205から暗号解読鍵保存用記憶部209に転送する)代わりに、暗号解読鍵保存用記憶部209に書き込まれている暗号解読鍵をそのまま残せばよい。
【0112】
また、実施形態1のステップS307、S309又は実施形態2のステップS407、S409で、暗号化コンテンツのダウンロードの最中に出力部225を占有する他の処理(例えば、通話、メール送受信、メール編集等)が行なわれた場合、制御部229は、これを検出する。その場合、制御部229からの制御信号に従って、暗号化コンテンツ・ダウンロード部211は、暗号化コンテンツのダウンロードを継続する。ダウンロードされた暗号化コンテンツは、暗号化コンテンツ一時記憶部213に格納される。他方、制御部229からの制御信号に従って、暗号解読部219は暗号解読を中断し、復号部221は、再生を中断する。
【0113】
その後、暗号化コンテンツのダウンロードの終了前又は終了後に、出力部225を占有する前記他の処理が終了した場合、制御部229は、これを検出する。制御部229からの制御信号に従って、暗号解読部219は暗号解読を再開し、復号部221は、再生を再開する。制御部229等に中断直前の暗号化コンテンツの位置を保持しておいて、中断直前の位置から再開してもよい。或いは、暗号化コンテンツのダウンロードの終了前に出力部225を占有する前記他の処理が終了した場合には、現在ダウンロードされている位置から再開してもよい。
【0114】
また、通信環境の悪化等により、暗号化コンテンツのダウンロードが途中で中断された場合、制御部229は、これを検出する。その場合、制御部229からの制御信号に従って、暗号解読部219は、同時に前記暗号化コンテンツの暗号解読を中断し、復号部221は、暗号化コンテンツの再生を中断する。
【0115】
その後、通信環境の復元等により暗号化コンテンツのダウンロードが再開された場合、制御部229は、これを検出する。その場合、制御部229からの制御信号に従って、暗号解読部219は、同時に前記暗号化コンテンツの暗号解読を再開し、復号部221は、暗号化コンテンツの再生を再開する。制御部229等に中断直前の位置を保持しておいて、中断直前の位置から再開してもよい。
【0116】
また、上記の実施形態では、暗号化コンテンツ及び暗号解読鍵をダウンロードする携帯電話機を例に取り説明したが、携帯電話機は、パーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、インターネット端末等に置き換わってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施形態によるコンテンツ利用制御方法を実現するためのシステムを示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯電話機の本発明に関連した部分を示すブロック図である。
【図3】図1及び図2に示す構成において行なわれる第1のコンテンツ利用制御方法を示すフロー・チャートである。
【図4】図1及び図2に示す構成において行なわれる第2のコンテンツ利用制御方法を示すフロー・チャートである。
【符号の説明】
【0118】
101 携帯電話網
103 コンテンツ・サーバ
105 鍵サーバ
107 課金サーバ
109 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリーミング・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生及び前記暗号化コンテンツの利用であって前記ストリーミング・ステップにおける前記暗号化コンテンツの全部又は一部に対する前記暗号解読と前記再生以外のもの(以下、「他の利用」という。)を可能にするための利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、
前記暗号化コンテンツをダウンロードしながら、その暗号化コンテンツに対し、前記暗号解読鍵を利用した暗号解読と再生を行なうストリーミング・ステップと、
前記暗号解読鍵ダウンロード・ステップでダウンロードされた前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを許可するための許可処理が行なわれたか否かを判断する許可処理判断ステップと、
前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを不可能にするための処理を行なう利用不可能化ステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記許可処理が行なわれたことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを可能にするための処理を行なう利用可能化ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記利用不可能化ステップでは、前記暗号解読鍵を削除することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記利用不可能化ステップでは、更に、前記暗号化コンテンツを削除することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項5】
請求項2に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記利用可能化ステップでは、前記暗号解読鍵を保存用に記憶し、前記暗号化コンテンツを保存用に記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項6】
請求項1に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記暗号化コンテンツのダウンロードの最中にコンテンツ出力部を占有する他の処理が行なわれた場合、前記暗号化コンテンツのダウンロードを継続しつつ、前記暗号解読と前記再生を中断する暗号解読・再生中断ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記コンテンツ出力部を占有する前記他の処理が終了した場合、前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生再開ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項8】
請求項1に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記暗号化コンテンツのダウンロードが途中で中断された場合、同時に前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を中断し、前記暗号化コンテンツのダウンロードが再開された場合に、同時に前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生の中断・再開ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項9】
ストリーミング・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生を含む利用の範囲である第1の所定の利用範囲を示す第1の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする第1の暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、
前記暗号化コンテンツをダウンロードしながら、その暗号化コンテンツに対し、前記暗号解読鍵を利用した暗号解読と再生を行なうストリーミング・ステップと、
前記暗号化コンテンツの利用であって前記第1の所定の利用範囲における利用以外のもの(以下、「他の利用」という。)を許可するための許可処理が行なわれたか否かを判断する許可処理判断ステップと、
前記許可処理が行なわれたことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを可能にするための処理を行なう利用可能化ステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする第2の暗号解読鍵ダウンロード・ステップを更に備え、
前記利用可能化ステップでは、前記暗号化コンテンツと前記第2の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵を保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項11】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報をダウンロードする第2の所定の利用制限情報ダウンロード・ステップを更に備え、
前記利用可能化ステップでは、前記暗号解読鍵に付加された前記第1の所定の利用制限情報を前記第2の所定の利用制限情報に書き換え、前記暗号化コンテンツと前記利用制限情報が書き換えられた前記暗号解読鍵を保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項12】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記利用可能化ステップでは、前記第1の暗号解読鍵に付加された前記第1の所定の利用制限情報を前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報に書き換え、前記暗号化コンテンツと前記利用制限情報が書き換えられた前記暗号解読鍵を保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項13】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を削除することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項14】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツを削除することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項15】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記許可処理が要求されたが、前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツを保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項16】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記暗号化コンテンツのダウンロードの最中にコンテンツ出力部を占有する他の処理が行なわれた場合、前記ダウンロードを継続しつつ、前記暗号解読と前記再生を中断する暗号解読・再生中断ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項17】
請求項16に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記コンテンツ出力部を占有する前記他の処理が終了した場合、前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生再開ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項18】
請求項9に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記ダウンロードが途中で中断された場合、同時に前記暗号解読と前記再生を中断し、前記ダウンロードが再開された場合に、同時に前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生の中断・再開ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項19】
暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生及び前記暗号化コンテンツの利用であって前記暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップにおける前記暗号化コンテンツの全部又は一部に対する前記暗号解読と前記再生以外のもの(以下、「他の利用」という。)を可能にするための利用制限情報が付加された暗号解読鍵を端末にダウンロードさせる暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、
前記暗号化コンテンツを前記端末にダウンロードさせる暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップと、
前記端末に対し、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを許可するための許可処理を行なう許可処理ステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項20】
暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップにおける暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生を含む利用の範囲である第1の所定の利用範囲を示す第1の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵を端末にダウンロードさせる第1の暗号解読鍵ダウンロード・ステップと、
前記暗号化コンテンツを前記端末にダウンロードさせる暗号化コンテンツ・ダウンロード・ステップと、
前記端末に対し、前記暗号化コンテンツに対し、前記暗号化コンテンツの利用であって前記第1の所定の利用範囲における利用以外のもの(以下、「他の利用」という。)を行なうことを許可するための許可処理を行なう許可処理ステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項21】
請求項20に記載のコンテンツ利用制御方法において、
前記他の利用を可能にするための可能化情報を前記端末にダウンロードさせる可能化情報ダウンロード・ステップを更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御方法。
【請求項22】
ストリーミング手段における暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生及び前記暗号化コンテンツの利用であって前記ストリーミング手段における前記暗号化コンテンツの全部又は一部に対する前記暗号解読と前記再生以外のもの(以下、「他の利用」という。)を可能にするための利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする暗号解読鍵ダウンロード手段と、
前記暗号化コンテンツをダウンロードしながら、その暗号化コンテンツに対し、前記暗号解読鍵を利用した暗号解読と再生を行なうストリーミング手段と、
前記暗号解読鍵ダウンロード手段でダウンロードされた前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを許可するための許可処理が行なわれたか否かを判断する許可処理判断手段と、
前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを不可能にするための処理を行なう利用不可能化手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項23】
請求項22に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記許可処理が行なわれたことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを可能にするための処理を行なう利用可能化手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項24】
請求項23に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記利用不可能化手段は、前記暗号解読鍵を削除することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項25】
請求項22に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記利用不可能化手段は、更に、前記暗号化コンテンツを削除することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項26】
請求項25に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記利用可能化手段は、前記暗号解読鍵を保存用に記憶し、前記暗号化コンテンツを保存用に記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項27】
請求項22に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記暗号化コンテンツのダウンロードの最中にコンテンツ出力部を占有する他の処理が行なわれた場合、前記暗号化コンテンツのダウンロードを継続しつつ、前記暗号解読と前記再生を中断する暗号解読・再生中断手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項28】
請求項27に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記コンテンツ出力部を占有する前記他の処理が終了した場合、前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生再開手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項29】
請求項22に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記暗号化コンテンツのダウンロードが途中で中断された場合、同時に前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を中断し、前記暗号化コンテンツのダウンロードが再開された場合に、同時に前記暗号化コンテンツの前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生の中断・再開手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項30】
ストリーミング手段における暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生を含む利用の範囲である第1の所定の利用範囲を示す第1の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする第1の暗号解読鍵ダウンロード手段と、
前記暗号化コンテンツをダウンロードしながら、その暗号化コンテンツに対し、前記暗号解読鍵を利用した暗号解読と再生を行なうストリーミング手段と、
前記暗号化コンテンツの利用であって前記第1の所定の利用範囲における利用以外のもの(以下、「他の利用」という。)を許可するための許可処理が行なわれたか否かを判断する許可処理判断手段と、
前記許可処理が行なわれたことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを可能にするための処理を行なう利用可能化手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項31】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵をダウンロードする第2の暗号解読鍵ダウンロード手段を更に備え、
前記利用可能化手段は、前記暗号化コンテンツと前記第2の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵を保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項32】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報をダウンロードする第2の所定の利用制限情報ダウンロード手段を更に備え、
前記利用可能化手段は、前記暗号解読鍵に付加された前記第1の所定の利用制限情報を前記第2の所定の利用制限情報に書き換え、前記暗号化コンテンツと前記利用制限情報が書き換えられた前記暗号解読鍵を保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項33】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記利用可能化手段は、前記第1の暗号解読鍵に付加された前記第1の所定の利用制限情報を前記他の利用の範囲を示す第2の所定の利用制限情報に書き換え、前記暗号化コンテンツと前記利用制限情報が書き換えられた前記暗号解読鍵を保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項34】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号解読鍵を削除することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項35】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツを削除することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項36】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記許可処理が要求されたが、前記許可処理が行なわれなかったことを判断した場合には、前記暗号化コンテンツを保存のために記憶することを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項37】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記暗号化コンテンツのダウンロードの最中にコンテンツ出力部を占有する他の処理が行なわれた場合、前記ダウンロードを継続しつつ、前記暗号解読と前記再生を中断する暗号解読・再生中断手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項38】
請求項37に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記コンテンツ出力部を占有する前記他の処理が終了した場合、前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生再開手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項39】
請求項30に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記ダウンロードが途中で中断された場合、同時に前記暗号解読と前記再生を中断し、前記ダウンロードが再開された場合に、同時に前記暗号解読と前記再生を再開する暗号解読・再生の中断・再開手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項40】
暗号化コンテンツ・ダウンロード手段における暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生及び前記暗号化コンテンツの利用であって前記暗号化コンテンツ・ダウンロード手段における前記暗号化コンテンツの全部又は一部に対する前記暗号解読と前記再生以外のもの(以下、「他の利用」という。)を可能にするための利用制限情報が付加された暗号解読鍵を端末にダウンロードさせる暗号解読鍵ダウンロード手段と、
前記暗号化コンテンツを前記端末にダウンロードさせる暗号化コンテンツ・ダウンロード手段と、
前記端末に対し、前記暗号解読鍵を利用して前記暗号化コンテンツに対して前記他の利用を行なうことを許可するための許可処理を行なう許可処理手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項41】
暗号化コンテンツ・ダウンロード手段における暗号化コンテンツの全部又は一部に対する暗号解読と再生を含む利用の範囲である第1の所定の利用範囲を示す第1の所定の利用制限情報が付加された暗号解読鍵を端末にダウンロードさせる第1の暗号解読鍵ダウンロード手段と、
前記暗号化コンテンツを前記端末にダウンロードさせる暗号化コンテンツ・ダウンロード手段と、
前記端末に対し、前記暗号化コンテンツに対し、前記暗号化コンテンツの利用であって前記第1の所定の利用範囲における利用以外のもの(以下、「他の利用」という。)を行なうことを許可するための許可処理を行なう許可処理手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項42】
請求項41に記載のコンテンツ利用制御装置において、
前記他の利用を可能にするための可能化情報を前記端末にダウンロードさせる可能化情報ダウンロード手段を更に備えることを特徴とするコンテンツ利用制御装置。
【請求項43】
コンピュータに請求項1乃至21の何れか1項に記載の方法を行なわせるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−193421(P2007−193421A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8681(P2006−8681)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】