説明

コンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置、端末装置、コンテンツ配信プログラムおよびコンテンツ配信方法

【課題】電子コンテンツを端末装置へ配信する際に行われる暗号化処理による負荷を軽減すること。
【解決手段】コンテンツ配信装置は、電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割し、端末装置のユーザに対応するユーザキーによって第1データを暗号化する。そして、コンテンツ配信装置は、暗号化された第1データ、第2データおよびユーザキーをそれぞれ端末装置へ送信する。端末装置は、これらの情報を受信し、暗号化された第1データをユーザキーによって復号化し、さらに、復号化した第1データと第2データとを結合して、電子コンテンツを復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子コンテンツを端末装置へ配信するコンテンツ配信装置を有するコンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置、端末装置、コンテンツ配信プログラムおよびコンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽コンテンツ、動画コンテンツ、電子書籍コンテンツなど、様々な電子コンテンツがインターネット上で提供されており、ユーザはパーソナルコンピュータ等の端末装置を用いてこれらの電子コンテンツを購入することが多くなっている。
【0003】
そして、かかる電子コンテンツに対し、購入したユーザのみが利用することができるように、暗号化処理を施すことが一般的に行われている(例えば、電子書籍について、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−163612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の暗号化処理は、電子コンテンツ全体を暗号化の対象としているために、暗号化処理にかかる負荷が大きいという課題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するものであり、その目的は、暗号化処理にかかる負荷を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を踏まえ、本発明の一態様(1)は、電子コンテンツを端末装置へ配信するコンテンツ配信装置を含むコンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツ配信装置は、前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する分割手段と、前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成されたユーザキーによって前記第1データを暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段によって暗号化された第1データを前記端末装置へ送信する第1データ送信手段と、前記第2データを前記端末装置へ送信する第2データ送信手段と、前記ユーザキーを前記端末装置へ送信するユーザキー送信手段とを備え、前記端末装置は、前記暗号化された第1データを前記コンテンツ配信装置から受信する第1データ受信手段と、前記第2データを前記コンテンツ配信装置から受信する第2データ受信手段と、前記ユーザキーを前記コンテンツ配信装置から受信するユーザキー受信手段と、前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化する復号化手段と、前記復号化手段によって復号化された第1データと前記第2データとを結合する結合手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記態様(1)を方法という見方から捉えた本発明の一態様(13)は、電子コンテンツをコンテンツ配信装置から端末装置へ配信させるコンテンツ配信方法において、前記コンテンツ配信装置に、前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割させ、前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成させ、前記ユーザキーによって前記第1データを暗号化させ、前記暗号化された第1データを前記端末装置へ送信させ、前記第2データを前記端末装置へ送信させ、前記ユーザキーを前記端末装置へ送信させ、前記端末装置に、前記暗号化された第1データを前記コンテンツ配信装置から受信させ、前記第2データを前記コンテンツ配信装置から受信させ、前記ユーザキーを前記コンテンツ配信装置から受信させ、前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化させ、前記復号化した第1データと前記第2データとを結合させることを特徴とする。
【0009】
上記態様(1)をコンテンツ配信装置側から捉えた本発明の一態様(10)は、電子コンテンツを端末装置へ配信するコンテンツ配信装置において、前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する分割手段と、前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成されたユーザキーによって前記第1データを暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段によって暗号化された第1データを前記端末装置へ送信する第1データ送信手段と、前記第2データを前記端末装置へ送信する第2データ送信手段と、前記ユーザキーを前記端末装置へ送信するユーザキー送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記態様(1)を端末装置側から捉えた本発明の一態様(11)は、上記態様(10)のコンテンツ配信装置から送信される電子コンテンツを取得する端末装置において、前記暗号化された第1データを前記コンテンツ配信装置から受信する第1データ受信手段と、前記第2データを前記コンテンツ配信装置から受信する第2データ受信手段と、前記ユーザキーを前記コンテンツ配信装置から受信するユーザキー受信手段と、前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化する復号化手段と、前記復号化手段によって復号化された第1データと前記第2データとを結合する結合手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、コンテンツ配信装置において、電子コンテンツを構成するデータを分割して、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割し、第1データをユーザキーによって暗号化する。このように、データ構成情報に暗号化を行うことにより電子コンテンツの復元が困難となる一方で、電子コンテンツを構成するデータのうち一部の情報にのみ暗号化を施すだけでよいため、暗号化処理にかかる負荷を軽減することができる。しかも、データ構成情報はデータ量が少ない場合が多いため、効果的に暗号化処理にかかる負荷を低減できる。
【0012】
また、端末装置において、暗号化した第1データと暗号化していない第2データとを受信し、第1データを復号化して第2データと結合することで電子コンテンツを復元する。したがって、電子コンテンツを構成するデータのうち一部の情報にのみ復号化処理を施すだけでよいため、復号化処理にかかる負荷を軽減することができる。しかも、ユーザキーによってのみ復号化することができるため、電子コンテンツが他のユーザによって取得されて再生される可能性を低減することができる。
【0013】
また、本発明の他の態様(9)は、電子コンテンツを端末装置へ配信するコンテンツ配信装置において、前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する分割手段と、前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成されたユーザキーによって前記第1データを暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段によって暗号化された第1データを前記端末装置へ送信する第1データ送信手段と、前記第2データを前記端末装置へ送信する第2データ送信手段と、前記ユーザキーを前記端末装置へ送信するユーザキー送信手段と、所定のプログラムを前記端末装置へ送信するプログラム送信手段とを備え、前記所定のプログラムは、端末装置を、前記暗号化された第1データを前記コンテンツ配信装置から受信する第1データ受信手段、前記第2データを前記コンテンツ配信装置から受信する第2データ受信手段、前記ユーザキーを前記コンテンツ配信装置から受信するユーザキー受信手段、前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化する復号化手段、前記復号化手段によって復号化された第1データと前記第2データとを結合する結合手段として機能させることを特徴とする。
【0014】
上記態様(9)をコンピュータプログラムという見方から捉えた本発明の他の態様(12)は、電子コンテンツを端末装置へ配信する処理をコンピュータに実行させるコンテンツ配信プログラムにおいて、前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割させ、前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成させ、前記ユーザキーによって前記第1データを暗号化させ、前記暗号化された第1データを前記端末装置へ送信させ、前記第2データを前記端末装置へ送信させ、前記ユーザキーを前記端末装置へ送信させ、所定のプログラムを前記端末装置へ送信させる処理を前記コンピュータに実行させ、前記所定のプログラムは、前記暗号化された第1データを前記コンピュータから受信させ、前記第2データを前記コンピュータから受信させ、前記ユーザキーを前記コンピュータから受信させ、前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化させ、前記復号化した第1データと前記第2データとを結合させる処理を前記端末装置に実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、コンテンツ配信装置において、電子コンテンツを構成するデータを分割して、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割し、第1データをユーザキーによって暗号化する。このように、データ構成情報に暗号化を行うことにより電子コンテンツの復元が困難となる一方で、電子コンテンツを構成するデータのうち一部の情報にのみ暗号化を施すだけでよいため、暗号化処理にかかる負荷を軽減することができる。また、端末装置においては、コンテンツ配信装置から送信したプログラムに基づいて、暗号化した第1データと暗号化していない第2データとを受信し、第1データを復号化した後に第2データと結合して電子コンテンツを復元する。したがって、電子コンテンツを構成するデータのうち一部の情報にのみ復号化を施すだけでよいため、復号化処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0016】
本発明の他の態様(2)によれば、上記のいずれかの態様において、前記コンテンツ配信装置は、電子透かし画像のデータを生成する画像生成手段と、前記ユーザキーによって前記電子透かし画像のデータを暗号化する画像暗号化手段と、前記暗号化された電子透かし画像のデータを前記端末装置へ送信する画像送信手段とを備え、前記端末装置は、前記暗号化された電子透かし画像のデータを受信する画像受信手段と、前記暗号化された電子透かし画像のデータを前記ユーザキーによって復号化する電子透かし画像復号化手段と、前記結合手段によって復元した電子コンテンツに前記電子透かし画像を重畳して表示手段に表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、表示手段に表示された電子コンテンツの画像がキャプチャされた場合には、その画像には電子透かし画像が重畳される。そのため、例えば、キャプチャ画像がネットワーク上で公開された場合であっても、キャプチャ画像の流出元を容易に特定することができる。
【0018】
本発明の他の態様(3)は、上記のいずれかの態様において、前記電子コンテンツを構成するデータは、複数のデータファイルと、前記複数のデータファイルに関する情報を含む前記データ構成情報とを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、少なくともデータ構成情報の一部を含む第1データを暗号化することにより、複数のデータファイルの読み取りを困難にすることができ、電子コンテンツが他のユーザによって取得されて再生される可能性を低減できる。
【0020】
本発明の他の態様(4)は、上記のいずれかの態様において、前記第1データは、少なくとも前記データ構成情報の一部と前記データファイルの一部とを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、データファイルの読み取りをさらに困難にすることができ、電子コンテンツが他のユーザによって取得されて再生される可能性をさらに低減できる。
【0022】
本発明の他の態様(5)は、上記のいずれかの態様において、前記コンテンツ配信装置は、前記電子コンテンツを構成するデータに含まれる前記データファイルを所定方向にビットシフトする手段を備え、前記端末装置は、前記データファイルを前記所定方向とは逆方向にビットシフトする手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、データファイルの読み取りをさらに困難にすることができ、電子コンテンツが他のユーザによって取得されて再生される可能性をさらに低減できる。
【0024】
本発明の他の態様(6)は、上記のいずれかの態様において、ユーザIDと前記ユーザキーとを関連づけて記憶する記憶手段と、前記端末装置からユーザIDを取得する手段とを備え、前記暗号化手段は、前記取得したIDに対応するユーザキーを前記記憶手段から読み出して前記第1データを暗号化することを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、ユーザIDに基づいてユーザキーを選択することができるため、毎回ユーザキーを生成する必要が無く、第1データの暗号化を迅速に行うことができる。
【0026】
本発明の他の態様(7)は、上記のいずれかの態様において、前記生成手段は、前記端末装置から取得したユーザIDに基づいて前記ユーザキーを生成することを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、ユーザIDに基づいてユーザキーが生成されるため、ユーザIDに応じたユニークなユーザキーを生成することが可能となり、電子コンテンツが他のユーザによって取得されて再生される可能性をさらに低減することができる。
【0028】
本発明の他の態様(8)は、上記のいずれかの態様において、前記端末装置は、前記第1データ受信手段によって受信された前記暗号化された第1データと、前記第2データ受信手段によって受信された前記第2データと、前記ユーザキー受信手段によって受信された前記ユーザキーとを記憶する記憶手段と、表示手段に表示させる電子コンテンツを選択する選択手段とを備え、前記復号化手段は、前記選択された電子コンテンツに対応する前記暗号化された第1データを前記記憶手段から取得して前記ユーザキーによって復号化し、前記結合手段は、前記選択された電子コンテンツに対応する前記第2データを前記記憶手段から取得し、当該第2データを前記復号化された第1データと結合することを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、端末装置において電子コンテンツの情報が一部を暗号化した状態で蓄積され、再生する際に電子コンテンツが復元されるため、電子コンテンツが他のユーザによって取得されて再生される可能性をさらに低減することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、暗号化処理にかかる負荷を軽減することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の一実施形態のコンテンツ配信システムの概要図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかるコンテンツ配信システムの構成図である。
【図3】図3は、コンテンツ配信装置のブロック図(ダウンロード配信時)である。
【図4】図4は、電子書籍コンテンツのデータ構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、電子書籍コンテンツのデータフォーマットの説明図である。
【図6】図6は、コンテンツ配信装置のブロック図(ストリーミング配信時)である。
【図7】図7は、端末装置のブロック図(ダウンロード配信時)である。
【図8】図8は、端末装置のブロック図(ストリーミング配信時)である。
【図9】図9は、コンテンツ配信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、図9に示すコンテンツ配信処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、端末装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0033】
[1.コンテンツ配信システムの概要]
まず、発明に係る一実施形態のコンテンツ配信システムの概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態のコンテンツ配信システムの概要図である。
【0034】
図1に示すように、本実施形態に係るコンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置10と端末装置20とを備えており、コンテンツ配信装置10と端末装置20とは、例えばインターネットなどのネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0035】
コンテンツ配信装置10は、端末装置20からの要求に応じた電子コンテンツを端末装置20へ送信する。このように送受信される電子コンテンツは、電子書籍コンテンツであり、図1に示すように、複数のデータファイルのデータが含まれるデータ本体とデータ構成情報とを含んで構成される。なお、電子書籍コンテンツは、バイナリーデータにより構成される。
【0036】
データ構成情報は、データ本体を構成する複数のデータファイルを認識するためのデータであり、例えば、電子書籍コンテンツがZip形式で提供される場合には、セントラルディレクトリがデータ構成情報に相当する。
【0037】
コンテンツ配信装置10は、電子書籍コンテンツを端末装置20へ送信する場合、電子書籍コンテンツを構成するデータの一部に暗号化を施す。具体的には、コンテンツ配信装置10は、次のような処理を行う。
【0038】
まず、コンテンツ配信装置10は、電子書籍コンテンツを構成するデータを、少なくともデータ構成情報の一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する(ステップS1)。図1に示す例では、データ構成情報を第1データとし、データ本体を第2データとして分割している様子を示している。
【0039】
次に、コンテンツ配信装置10は、端末装置20のユーザに対応するユーザキーを暗号キーとして第1データを暗号化する暗号化処理を行う(ステップS2)。かかる暗号化処理においては、例えば、DES(Data Encryption Standard)やAES(Advanced Encryption Standard))などの周知の秘密鍵暗号方式を用いることができる。
【0040】
ユーザキーは、端末装置20のユーザ毎に生成されるキーであり、例えば、端末装置20がコンテンツ配信装置10から初めて電子書籍コンテンツを取得する際にコンテンツ配信装置10によって生成される。
【0041】
このように生成されたユーザキーは、端末装置20のユーザに対応するユーザIDと関連づけられてコンテンツ配信装置10内に記憶される。また、このユーザキーは、コンテンツ配信装置10から端末装置20へ送信され(ステップS3)、端末装置20内の記憶手段に記憶される。
【0042】
次に、コンテンツ配信装置10は、ステップS2において暗号化された第1データ(以下、「暗号化第1データ」とも呼ぶ)、および第2データを端末装置20へ送信する(ステップS4)。端末装置20は、このようにコンテンツ配信装置10から送信される暗号化第1データと第2データとを受信して、内部の記憶手段に記憶する(ステップS5)。
【0043】
このように、電子書籍コンテンツは、第1データと第2データとに分割されて端末装置20の記憶手段に記憶され、しかも、データ本体を認識するために必要な第1データは端末装置20のユーザに対応するユーザキーにより暗号化された状態である。したがって、このように記憶手段に記憶された電子書籍コンテンツが仮に第三者に渡っても、第三者は電子書籍コンテンツの閲覧ができない。
【0044】
また、コンテンツ配信装置10側では、電子書籍コンテンツ全体に暗号化を施す必要がないため、暗号化に必要な処理時間を低減することができ、コンテンツ配信装置10における処理負荷を低減することができる。
【0045】
しかも、電子書籍コンテンツを送信する際に電子書籍コンテンツ全体に暗号化を施す必要がないため、暗号化に必要な処理時間を低減することができ、電子書籍コンテンツを端末装置20へ迅速に送信することが可能となる。
【0046】
図1に戻って説明を続ける。端末装置20は、暗号化第1データと第2データとを記憶手段に記憶した後、ユーザの操作に応じて電子書籍コンテンツの再生処理を開始する。
【0047】
この再生処理において、まず、端末装置20は、暗号化第1データとユーザキーを記憶手段から読み出し、ユーザキーを復号キーとして暗号化第1データを復号化する復号化処理を行う(ステップS6)。
【0048】
次に、端末装置20は、第2データを記憶手段から読み出し、ステップS6において復号化した第1データと結合する結合処理を行う(ステップS7)。これにより、分割された一部に暗号化が施されたデータに基づいて電子書籍コンテンツが復元される。
【0049】
このように電子書籍コンテンツを復元した後、端末装置20は、復元した電子書籍コンテンツを再生する。具体的には、端末装置20は、電子書籍コンテンツの画像を表示手段で表示させる。
【0050】
なお、上述では電子書籍コンテンツをダウンロード配信形式で、端末装置20がコンテンツ配信装置10から受信して再生する例を説明したが、電子書籍コンテンツをストリーミング配信形式で、端末装置20がコンテンツ配信装置10から受信して再生する場合にも適用することができる。この場合、暗号化第1データを受信すると、すぐに復号化し、第2データと結合して電子コンテンツを復元し、再生を行う。
【0051】
また、図1では、データ構成情報を第1データとし、データ本体を第2データとして分割する例を示して説明したが、第1データは少なくともデータ構成情報の一部を含んでいればよく、これによりデータ本体の認識が難しくなる。
【0052】
なお、データ構成情報の全部を第1データとすることによって、データ本体の認識がより難しくなり、さらに、データ本体の一部まで第1データに含めることによって、再生がさらに難しくなる。
【0053】
また、本実施形態に係るコンテンツ配信システムでは、後述するように、データ本体を構成するデータファイルに対して、ビットシフトすることによって、第2データを認識しにくくしており、これによっても電子書籍コンテンツが第三者に閲覧されることを防止することができる。
【0054】
[2.コンテンツ配信システムの具体的構成]
次に、図2〜図11を参照して、本実施形態に係るコンテンツ配信システムを詳細に説明する。
【0055】
まず、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成について説明する。図2は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示す図である。
【0056】
図2に示すように、本実施形態に係るコンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置10と、複数の端末装置201〜20nとを備えている。コンテンツ配信装置10と各端末装置201〜20nとは、例えば、インターネットなどのネットワーク30に接続されている。
【0057】
そして、各端末装置201〜20nは、コンテンツ配信装置10にアクセスして、コンテンツ配信装置10から電子書籍コンテンツを取得する。コンテンツ配信装置10から取得する電子書籍コンテンツは、専用のビューアプログラムによって閲覧可能となっており、端末装置201〜20nには、コンテンツ配信装置10からダウンロードした専用のビューアプログラムがインストールされている。
【0058】
そして、各端末装置201〜20nでは、専用のビューアプログラムによって、コンテンツ配信装置10から電子書籍コンテンツが取得され、この電子書籍コンテンツに応じた画像が表示手段に閲覧可能に表示される。なお、各端末装置201〜20nは、コンテンツ配信装置10からの電子書籍コンテンツの取得を、ダウンロード配信形式でもストリーミング配信形式でも行うことができる。
【0059】
このように構成されるコンテンツ配信システムについて、まず、コンテンツ配信装置10の構成について詳細に説明する。
【0060】
[2.1.コンテンツ配信装置の構成]
コンテンツ配信装置10は、上述のように電子書籍コンテンツをダウンロード配信形式で端末装置20へ送信する場合と、ストリーミング配信形式で端末装置20へ送信する場合があり、以下においては、それぞれの場合に分けてコンテンツ配信装置10の構成を説明する。
【0061】
(ダウンロード配信時)
まず、ダウンロード配信形式で端末装置20へ送信する場合の構成について詳細に説明する。図3は、コンテンツ配信装置10のブロック図(ダウンロード配信時)である。
【0062】
図3に示すように、コンテンツ配信装置10は、通信インタフェース(I/F)11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。
【0063】
通信I/F11は、コンテンツ配信装置10をネットワーク30経由で端末装置20と接続できるようにするためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)・アダプタを含む。なお、ネットワーク30がインターネットの場合、コンテンツ配信装置10はルータなどを介してネットワーク30に接続される。
【0064】
記憶部12は、ユーザ情報を記憶する記憶領域12aと、電子書籍コンテンツを記憶する記憶領域12bと、ビューアプログラムを記憶する記憶領域12cと、共用キーを記憶する記憶領域12dとを有している。記憶部12は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置等)、ランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory))などによって構成される。
【0065】
記憶領域12aには、ユーザ情報として、コンテンツ配信サービスを利用するユーザ毎の情報が記憶されている。具体的には、ユーザ情報として、ユーザIDとユーザキーとが互いに関連づけられてユーザ毎に記憶領域12aに記憶される。
【0066】
記憶領域12bには、複数の電子書籍コンテンツが記憶されている。以下においては、記憶領域12bに記憶される電子書籍コンテンツとして、ePUBと呼ばれる電子書籍ファイルフォーマット規格に準拠した電子書籍コンテンツを例に挙げて説明するが、フォーマットはこれに限らず、他のフォーマットの電子書籍コンテンツにも適用可能である。
【0067】
記憶領域12bに記憶されるePUB形式の電子書籍コンテンツのデータファイル構成を図4に示す。同図に示すように、ePUB形式の電子書籍コンテンツは、メタファイルと書籍本体とから構成される。
【0068】
メタファイルは、「mimetype」、「書籍名.ncx」、「書籍名.opf」、「container.xml」などのデータファイルから構成される。一方、書籍本体は、HTML(HyperText Markup Language)ファイル、CSS(Cascading Style Sheets)ファイル、画像ファイルなどのデータファイルから構成され、ディレクトリ名「OBEPS」のディレクトリ内に格納される。なお、「OBEPS」のディレクトリにはディレクトリ名「images」のディレクトリが格納され、この「images」のディレクトリ内に画像ファイルが格納される。
【0069】
このようにePUB形式の電子書籍コンテンツは、書籍本体がHTMLファイル、CSSファイル、画像ファイルなどのデータファイルから構成されるため、メタファイルだけを用意することができれば、ウェブページの作成と同様な作業で作成が可能である。
【0070】
なお、「mimetype」は、電子書籍コンテンツがePUB形式であることを特定するためのデータファイルであり、ZIP変換後にファイルの先頭にくるように指定される。「書籍名.ncx」は、目次ファイルであり、このファイルで指定した目次項目のIDと書籍本体に含まれるHTMLファイルとを関連づける。「書籍名.opf」は、ePUBファイルの核となるデータファイルであり、電子書籍コンテンツのタイトル、著作者等のメタ情報、書籍本体に含まれる各データファイルのパスや目次の設定を指定する。「container.xml」は、ePUBファイルの核となるopfファイル(書籍名.opf)のパスを指定するためのファイルである。
【0071】
ePUB形式の電子書籍コンテンツは、上述したデータ構成を有しており、メタファイルや書籍本体などを一つのZIPファイル形式に変換して形成される。ここで、電子書籍コンテンツのデータフォーマットについて説明する。図5は、電子書籍コンテンツのデータフォーマットの説明図である。
【0072】
図5に示すように、電子書籍コンテンツを構成するデータとしてアーカイブデータであるデータ本体50が含まれる。このデータ本体50は、複数のファイルエントリから構成される。各ファイルエントリは、ローカルファイルヘッダ51とファイルデータ52とが含まれる。ファイルデータ52は、図4に示すデータファイルやディレクトリである。
【0073】
また、電子書籍コンテンツを構成するデータの末尾部分、すなわちデータ本体50の後ろにはセントラルディレクトリ60が配置される。セントラルディレクトリ60は、データ本体50の構成を定義するデータ構成情報であり、ローカルファイルヘッダ51,51,・・・にそれぞれ対応するファイルヘッダ61,61,・・・を含む。
【0074】
電子書籍コンテンツに格納された各ファイルデータ52,52,・・・を読み取るためには、まず、セントラルディレクトリ60にアクセスしてファイルヘッダ61,61,・・・を読み取る必要がある。そして、読み取った各ファイルヘッダ61,61,・・・情報に基づき、各ファイルデータ52,52,・・・を読み取る。
【0075】
電子書籍コンテンツは、このようなデータフォーマットで規定されているため、データ構成情報であるセントラルディレクトリ60を暗号化することによって、データ本体50の読み取りが困難になる。
【0076】
図3の説明に戻って説明を続ける。記憶部12の記憶領域12cには、ビューアプログラムが記憶されている。このビューアプログラムは、端末装置20において電子書籍コンテンツを閲覧するためビューアである。このビューアプログラムには、後述する格納キーが組み込まれている。また、記憶部12の記憶領域12dには、共用キーが記憶されている。
【0077】
制御部13は、コンテンツ配信装置10の全体制御を行う制御部である。制御部13は、受信手段13aと、ユーザキー有無判定手段13bと、ユーザキー生成手段13cと、データ取得手段13dと、ビットシフト手段13eと、分割手段13fと、暗号化手段13hと、電子透かし画像生成手段13gと、送信手段13iとをさらに備えている。
【0078】
なお、図3には、制御部13の機能的な構成を示しているが、この制御部13は、物理的にはCPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有する情報処理装置を備えている。そして、CPUがROMからプログラムを読出し、RAMを作業領域として使用して実行することにより、上述した各手段13a〜13i等として機能する。
【0079】
受信手段13aは、通信I/F11を介して端末装置20から送信される各種の情報を受信する。例えば、受信手段13aは、電子書籍コンテンツの送信を要求する要求信号やユーザキーの送信を要求する要求信号などを受信する。
【0080】
ユーザキー有無判定手段13bは、端末装置20から送信されるユーザIDを取得し、この取得したユーザIDに対応するユーザキーが記憶部12の記憶領域12aに存在するかを判定する。そして、取得したユーザIDに対応するユーザキーが記憶領域12aに存在しない場合、ユーザキー有無判定手段13bは、ユーザキー生成手段13cに対してユーザキーの生成要求を行う。一方、ユーザキー有無判定手段13bは、取得したユーザIDに対応するユーザキーが記憶領域12aに存在する場合、このユーザキーを送信手段13iから端末装置20へ送信する。
【0081】
ユーザキー生成手段13cは、ユーザキー有無判定手段13bからユーザキーの生成要求があった場合、ユーザキー有無判定手段13bが取得したユーザIDに対応するユーザキーを生成する。ここでは、ユーザキーは、ユーザIDをハッシュ関数によって演算することによって得られた値とするが、ユーザキーの生成方法はこれに限られない。例えば、ユーザIDをハッシュ関数以外の関数で演算して得られる値をユーザキーとしたり、ユーザIDに所定の加工を施して得られた値をユーザキーとしたりすることができる。
【0082】
また、ユーザキー生成手段13cは、生成したユーザキーを対応するユーザIDに関連づけて記憶領域12aに記憶し、また、生成したユーザキーを送信手段13iから端末装置20へ送信させる。
【0083】
データ取得手段13dは、端末装置20から電子書籍コンテンツの送信を要求する要求信号を受信手段13aで受信した場合、要求信号に対応する電子書籍コンテンツを記憶部12の記憶領域12bから読み出し、ビットシフト手段13eへ出力する。また、データ取得手段13dは、端末装置20からカタログの送信を要求する要求信号を受信手段13aで受信した場合、カタログのデータを記憶部12から読み出し、このカタログのデータを通信手段13iから端末装置20へ送信させる。
【0084】
ビットシフト手段13eは、データ取得手段13dによって記憶部12から取得した電子書籍コンテンツを構成するデータのうち、画像ファイルを所定方向(第1方向)にビットシフトする。このビットシフトによって画像ファイルの再生を難しくすることができる。なお、画像ファイルのみならず、HTMLファイルなどもビットシフトしてもよい。
【0085】
分割手段13fは、ビットシフト手段13eによって画像ファイルがビットシフトされた電子書籍コンテンツを第1データと第2データとに分割する。第1データは、データ構成情報であるセントラルディレクトリ60の少なくとも一部を含む情報であり、第2データは第1データを除いたデータである。
【0086】
なお、分割手段13fは、データ構成情報であるセントラルディレクトリ60の全部を第1データとすることもでき、また、セントラルディレクトリ60全部とデータ本体50の一部を第1データとすることもできる。また、分割手段13fは、セントラルディレクトリ60の一部とデータ本体50の一部を第1データとすることもできる。なお、この場合、第1データを構成するセントラルディレクトリ60の全部又は一部とデータ本体50の一部とは連続していなくてもよい。
【0087】
電子透かし画像生成手段13gは、端末装置20から送信されるユーザIDに基づいて電子透かし画像のデータを生成する。この電子透かし画像は、ユーザIDを特定することができるように生成される。
【0088】
例えば、電子透かし画像生成手段13gは、電子透かし画像を、文字、記号などを構成するドットとして、ユーザに視認できない程度に生成することができる。電子透かし画像は、ユーザIDや端末ID等の識別情報そのものであってもよいし、識別情報に基づく情報であってもよく、例えば、ASCII(American Standard Code for Information Interchange)に基づいて、2進数、10進数、16進数等で表示してもよい。より具体的な例では、2×2のドットの領域を一つの単位として、何れか1マスを塗りつぶすことにより、2進数で、識別情報を示すことができる。例えば、ASCIIに基づいて、tは、「01110100」、aは、「01100001」という2進数でそれぞれ示すことができる。これを用いることにより、「ta」というユーザIDを2進数で示すことができる。このような2×2のドットの領域を一つの単位として、何れか1マスを塗りつぶし、他の3マスを透明にすることにより、電子透かし画像をユーザに視認できない程度に作成できる。
【0089】
端末装置20では、電子書籍コンテンツの画像上に電子透かし画像を重ねて表示するので、例えば、プリントスクリーンや、スクリーンショットなどのディスプレイ上の表示を画像として保存する機能(いわゆるキャプチャ機能)を用いた場合、この機能により保存された画像には、電子透かし画像が記憶される。したがって、電子透かし画像を分析することにより、識別情報に基づいて、電子書籍コンテンツの画像を保存して他ユーザに提供したユーザを特定することができる。
【0090】
暗号化手段13hは、電子書籍コンテンツの送信を要求したユーザのユーザIDに対応するユーザキーを記憶部12の記憶領域12aから読み出し、分割手段13fから出力される第1データを、記憶領域12aから読み出したユーザキーを暗号キーとして暗号化する。なお、暗号化手段13hは、第2データは暗号化しない。
【0091】
また、暗号化手段13hは、送信が要求された電子書籍コンテンツが立ち読み用である場合、全ての端末装置20に対して共通の共用キーを記憶部12の記憶領域12dから読み出し、分割手段13fから出力される第1データを、記憶領域12dから読み出した共用キーを暗号キーとして暗号化する。
【0092】
なお、データ本体50のうち重要なファイルデータ52のみを読み取り困難とすればよい場合には、セントラルディレクトリ60全体ではなく一部のみを第1データとして暗号化手段13hによって暗号化すればよい。例えば、電子書籍コンテンツのうちメタファイルを読み取られてもよい場合には、書籍本体に対応するセントラルディレクトリ60のみを第1データとする。このようにすることで、暗号化処理にかかる時間や負荷を低減することができる。
【0093】
また、データ本体50の一部を含めて第1データとすることで、電子書籍コンテンツの復元をさらに困難にすることができる。この場合、第1データには、ファイルデータ52を含ませず、1以上のローカルファイルヘッダ51を含ませることで、暗号化する第1データのデータ量が増大することを抑えることができる。
【0094】
また、暗号化手段13hは、電子透かし画像生成手段13gから出力される電子透かし画像のデータを、第1データと同様に、記憶領域12aから読み出したユーザキーを暗号キーとして暗号化する。
【0095】
送信手段13iは、暗号化手段13hによって暗号化された第1データを端末装置20へ送信する第1データ送信手段として機能する。また、送信手段13iは、分割手段13fから出力された第2データを端末装置20へ送信する第2データ送信手段として機能する。
【0096】
さらに、送信手段13iは、ユーザキー生成手段13cによって生成したユーザキーを端末装置20へ送信するユーザキー送信手段として機能する。また、送信手段13iは、電子透かし画像生成手段13gによって生成され、かつ暗号化手段13hによって暗号化された電子透かし画像のデータを端末装置20へ送信する電子透かし画像送信手段として機能する。
【0097】
(ストリーミング配信)
次に、ストリーミング配信形式で端末装置20へ送信する場合の構成について詳細に説明する。図6は、コンテンツ配信装置10のブロック図(ストリーミング配信時)である。
【0098】
なお、図6に示すブロック図は、図3に示すブロック図(ダウンロード配信時)と一部を除いて同様の構成であり、ここでは、ダウンロード配信形式と異なる部分を中心に説明する。
【0099】
ストリーミング配信形式で端末装置20へ送信する場合、コンテンツ配信装置10は、画像ファイルを分離し、HTMLファイルにおいて画像ファイルのリンク先を変更した電子書籍コンテンツを端末装置20への最初の配信対象とし、画像ファイルは端末装置20からの要求に応じて送信する。
【0100】
かかる機能を実現するために、データ取得手段13d’は、端末装置20からの要求信号に対応する電子書籍コンテンツを記憶部12の記憶領域12bから読み出した後、この電子書籍コンテンツを構成するデータから画像ファイルを分離する。例えば、電子書籍コンテンツが図4に示すファイル構成であるとき、コンテンツ配信装置10は、ファイル名が「image1.jpeg」および「image2.jpeg」である画像ファイルを電子書籍コンテンツから分離する。
【0101】
また、データ取得手段13d’は、記憶部12から読み出した電子書籍コンテンツを構成するHTMLデータにおいて、画像ファイルのリンク先情報を電子書籍コンテンツ内にあることを示すリンク先情報からコンテンツ配信装置10内にあることを示すリンク情報へ変更する。
【0102】
例えば、電子書籍コンテンツが図4に示すファイル構成であるとき、「image1.jpeg」の画像ファイルのリンク先情報として、HTMLファイル(「書籍名.html」)には、例えば、「/image/image1.jpeg」が記述されている。
【0103】
このような場合、データ取得手段13d’は、リンク先情報として記述されている「/image/image1.jpeg」を、例えば、「ネットワークアドレス/書籍名/image1.jpeg」へ変更する。なお、上記「ネットワークアドレス」は、ネットワーク30上のコンテンツ配信装置10のアドレスであり、ネットワーク30がインターネットの場合には、ドメイン名に対応する。
【0104】
このように、画像ファイルを分離し、画像ファイルのリンク先情報を変更した電子書籍コンテンツは、データ取得手段13d’から分割手段13fへ出力される。また、データ取得手段13d’は、分離した画像ファイルをビットシフト手段13e’へ出力する。
【0105】
ビットシフト手段13e’は、データ取得手段13d’から画像ファイルを取得すると、画像ファイルを所定方向(第1方向)にビットシフトして記憶部12の記憶領域12bへ記憶する。
【0106】
画像ファイルが取り除かれた電子書籍コンテンツは、分割手段13fによって、ダウンロード配信時と同様に、第1データと第2データとに分離される。そして、第1データは、暗号化手段13hによって暗号化されて送信手段13iから端末装置20へ送信される。また、第2データは、分割手段13fから送信手段13iへ出力されて、送信手段13iによって端末装置20へ送信される。
【0107】
一方、ビットシフトされた画像ファイルは、端末装置20からの要求に応じて記憶部12の記憶領域12bから読み出されて、端末装置20へ送信される。具体的には、受信手段13aによって画像ファイルの送信を要求する要求信号を受信すると、データ取得手段13d’は、要求信号に応じた画像ファイルを記憶部12の記憶領域12bから読み出し、送信手段13iへ出力して、送信手段13iから端末装置20へ送信させる。
【0108】
このように、ストリーミング配信形式で電子書籍コンテンツを端末装置20へ送信する場合、コンテンツ配信装置10は、電子書籍コンテンツを構成するデータのうち画像ファイルを電子書籍コンテンツから分離し、HTMLファイルに記述した画像ファイルのリンク先情報を変更する。
【0109】
そして、コンテンツ配信装置10は、電子書籍コンテンツから分離した画像ファイルをビットシフトして、記憶部12の記憶領域12bに記憶しておき、端末装置20からの要求に応じてビットシフトを施した画像ファイルを端末装置20へ送信する。
【0110】
[2.2.端末装置20の構成]
次に、端末装置20の構成について詳細に説明する。端末装置20は、上述のように電子書籍コンテンツをコンテンツ配信装置10からダウンロード配信形式で受信する場合と、電子書籍コンテンツをコンテンツ配信装置10からストリーミング配信形式で受信する場合がある。以下においては、それぞれの場合に分けて端末装置20の構成を説明する。
【0111】
(ダウンロード配信時)
まず、ダウンロード配信形式でコンテンツ配信装置10から電子書籍コンテンツの情報を受信する場合の構成について詳細に説明する。図7は、端末装置20のブロック図(ダウンロード配信時)である。
【0112】
図7に示すように、端末装置20は、通信インタフェース(I/F)21と、表示部22と、操作部23と、記憶部24と、制御部25とを備えている。
【0113】
通信I/F21は、端末装置20をネットワーク30経由でコンテンツ配信装置10と接続できるようにするためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)・アダプタを含む。なお、ネットワーク30がインターネットの場合、端末装置20はルータなどを介してネットワーク30に接続される。
【0114】
表示部22は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electoro Luminescence)等の表示デバイスにより構成されており、制御部25からの要求に応じた画像を表示する。
【0115】
操作部23は、例えば、電源キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー等、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、発生した信号をユーザの指示として制御部25に入力する。この操作部23は、表示部22に表示させる電子コンテンツを選択する選択手段として機能する。
【0116】
記憶部24は、記憶領域24a〜24dを有している。記憶部24は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置等)、ランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【0117】
記憶領域24aには、ユーザ情報として、ユーザID、ユーザキーおよび電子透かし画像のデータが記憶される。
【0118】
記憶領域24bには、コンテンツ配信装置10から取得した電子書籍コンテンツの情報が記憶される。記憶される電子書籍コンテンツの情報には、暗号化第1データと、第2データとが含まれ、暗号化第1データと第2データとは互いに関連づけられて記憶領域24bに記憶される。
【0119】
記憶領域24cには、端末装置20に固有に割り当てられた格納キーを記憶している。この格納キーは、コンテンツ配信装置10から提供されるビューアプログラムを最初に起動した時に生成される。また、記憶領域24dには、全ての端末装置20に対して共通の共用キーを記憶している。この共用キーはビューアプログラムを最初に起動した時に記憶部24に記憶される。
【0120】
制御部25は、端末装置20の全体制御を行う制御部である。制御部25は、受信手段25aと、要求処理手段25bと、復号化手段25cと、結合手段25dと、ビットシフト手段25eと、表示制御手段25fと、送信手段25gとをさらに備えている。
【0121】
なお、図7には、制御部25の機能的な構成を示しているが、この制御部25は、物理的にはCPU(Central Processing Unit)とフラッシュメモリ(flash memory)とRAM(Random Access Memory)とを有する情報処理装置を備えている。
【0122】
そして、CPUがフラッシュメモリからプログラムを読出し、RAMを作業領域として使用して実行することにより、上述した各手段25a〜25g等として機能する。なお、フラッシュメモリに格納されるプログラムは、コンテンツ配信装置10から送信されるビューアプログラムである。
【0123】
受信手段25aは、通信I/F21を介してコンテンツ配信装置10から送信される各種の情報を受信する。具体的には、受信手段25aは、暗号化第1データをコンテンツ配信装置10から受信する第1データ受信手段として機能する。また、受信手段25aは、第2データをコンテンツ配信装置10から受信する第2データ受信手段として機能する。
【0124】
さらに、受信手段25aは、ユーザキーをコンテンツ配信装置10から受信するユーザキー受信手段として機能する。また、受信手段25aは、暗号化された電子透かし画像のデータをコンテンツ配信装置10から受信する画像受信手段として機能する。
【0125】
受信手段25aは、暗号化第1データおよび第2データを受信すると、電子書籍コンテンツの情報として記憶部24の記憶領域24bへ記憶する。また、受信手段25aは、暗号化された電子透かし画像のデータを受信すると、このデータをユーザIDに関連づけて記憶部24の記憶領域24aへ記憶する。
【0126】
また、受信手段25aは、ユーザキーを受信すると、記憶部24の記憶領域24cに記憶された格納キーを読み出し、この格納キーによってユーザキーを暗号化する。受信手段25aは、このように暗号化したユーザキー(以下、暗号化ユーザキーと記載する)を、記憶部24の記憶領域24aへ記憶する。
【0127】
要求処理手段25bは、操作部23へのユーザの操作に基づいた処理を行う。例えば、操作部23への操作が電子書籍コンテンツのカタログを要求するものである場合、要求処理手段25bは、送信手段25gからコンテンツ配信装置10に対してカタログの送信要求を行う要求信号を送信する。この要求に対して、要求処理手段25bは、コンテンツ配信装置10から受信手段25aを介してカタログのデータを取得すると、取得したデータに基づく画像(電子書籍コンテンツのカタログの画像)を表示部22に表示させる。
【0128】
また、表示部22にカタログの画像が表示されている場合に、操作部23への操作によってカタログに掲載された電子書籍コンテンツのいずれかが選択された場合、要求処理手段25bは、送信手段25gからコンテンツ配信装置10に対して選択された電子書籍コンテンツの送信要求を行う要求信号を送信する。また、この際、記憶部24の記憶領域24aにユーザキーが記憶されていない場合、要求処理手段25bは、送信手段25gからコンテンツ配信装置10に対してユーザキーの送信要求を行う要求信号を送信する。
【0129】
また、操作部23への操作が記憶部24の記憶領域24bに記憶された電子書籍コンテンツの情報を選択する操作であるとき、要求処理手段25bは、選択された電子書籍コンテンツを復元するために、復号化手段25cおよび結合手段25dを動作させる。
【0130】
復号化手段25cは、要求処理手段25bからの要求に基づき、記憶部24の記憶領域24bに記憶された暗号化第1データと、記憶領域24aに記憶された暗号化ユーザキーと、記憶領域24cに記憶された格納キーを読み出す。そして、復号化手段25cは、格納キーを復号キーとして暗号化ユーザキーを復号化し、ユーザキーを取得する。さらに、復号化手段25cは、ユーザキーを復号キーとして暗号化第1データを復号化して、第1データを取得する。
【0131】
また、復号化手段25cは、要求処理手段25bから要求された電子書籍コンテンツが立ち読み用である場合、記憶部24の記憶領域24dに記憶された共用キーとを読み出す。そして、復号化手段25cは、共用キーを復号キーとして暗号化第1データを復号化して、第1データを取得する。
【0132】
結合手段25dは、復号化手段25cによって復号化された第1データと、受信手段25aから出力された第2データとを結合する。
【0133】
ビットシフト手段25eは、結合手段25dによって結合されたデータに含まれる画像データを第1方向とは逆方向の第2方向にビットシフトして、電子書籍コンテンツを復元する。ビットシフト手段25eはこのように復元した電子書籍コンテンツを表示制御手段25fへ出力する。
【0134】
表示制御手段25fは、ビットシフト手段25eから電子書籍コンテンツを取得すると、記憶部24の記憶領域24aから暗号化された電子透かし画像のデータとユーザキーとを読み出し、ユーザキーを復号キーとして暗号化された電子透かし画像のデータを復号化する。このように表示制御手段25fは、ユーザキーを復号キーとして暗号化された電子透かし画像のデータを復号化する電子透かし画像復号化手段として機能する。
【0135】
そして、表示制御手段25fは、ビットシフト手段25eから取得した電子書籍コンテンツの画像に電子透かし画像を重畳した画像のデータを表示部22に出力し、電子透かし画像を重畳した電子書籍コンテンツを表示部22で表示させる。
【0136】
送信手段25gは、記憶部24の記憶領域24aに記憶されたユーザIDをコンテンツ配信装置10へ送信する。また、送信手段25gは、電子書籍コンテンツの送信要求などを行う要求信号をコンテンツ配信装置10へ送信する。
【0137】
このように、端末装置20では、コンテンツ配信装置10から取得した電子書籍コンテンツの情報を、復元する前の状態で記憶部24に記憶する。すなわち、記憶部24には、ユーザ固有のユーザキーによって第1データが暗号化されて記憶されるため、他のユーザの端末装置20によって電子書籍コンテンツが閲覧されることを防止することができる。
【0138】
また、電子書籍コンテンツの暗号化は、データ本体に比べて比較的データ量の少ないデータ構成情報に対して行うため、暗号化のための処理時間や処理負荷を低減することができ、電子書籍コンテンツに基づく画像の表示をより迅速に行うことが可能となる。
【0139】
さらに、電子書籍コンテンツを復元するためのユーザキーは、ユーザ毎に固有の格納キーによって暗号化されて記憶部24に記憶されるため、他のユーザの端末装置20によって電子書籍コンテンツが閲覧されることをより強固に防止することができる。
【0140】
また、表示部22に表示される電子書籍コンテンツの画像にはユーザに対応した電子透かし画像が重畳されるため、例えば、表示部22に表示された画像がキャプチャされてコピーされた場合であっても、どのユーザから流出した画像であるかなどを容易に把握することができる。
【0141】
(ストリーミング配信)
次に、ストリーミング配信形式でコンテンツ配信装置10から電子書籍コンテンツの情報を受信する場合の構成について詳細に説明する。図8は、端末装置20のブロック図(ストリーミング配信時)である。
【0142】
なお、図8に示すブロック図は、図7に示すブロック図(ダウンロード配信時)と一部を除いて同様の構成であり、ここでは、ダウンロード配信形式と異なる部分を中心に説明する。
【0143】
ストリーミング配信形式でコンテンツ配信装置10から端末装置20へ送信される電子書籍コンテンツの情報は、画像ファイルが分離され、HTMLファイルのリンク先が変更された電子書籍コンテンツの情報(暗号化第1データおよび第2データ)である。
【0144】
端末装置20は、受信した電子書籍コンテンツの情報のうち暗号化第1データを復号化して第2データと結合し、復元した電子書籍コンテンツに基づく画像を表示部22に表示する。表示部22に表示される画像は、電子書籍コンテンツに含まれるHTMLファイルに基づく情報である。
【0145】
すなわち、端末装置20は、HTMLファイルに記述されたリンク先であるコンテンツ配信装置10から画像ファイルのデータを取得し、取得した画像ファイルに基づく画像を、HTMLファイルで規定された位置および大きさで表示部22に表示する。
【0146】
かかる機能を実現するために、受信手段25aは、コンテンツ配信装置10から暗号化第1データを受信した場合、この暗号化第1データを復号化手段25cへ出力し、コンテンツ配信装置10から第2データを受信した場合、第2データを結合手段25dへ出力する。なお、復号化手段25c及び結合手段25dは、ダウンロード配信時と同様の処理を行う。また、受信手段25aは、コンテンツ配信装置10から画像ファイルのデータを受信した場合、画像ファイルのデータをビットシフト手段25e’へ出力する。
【0147】
表示制御手段25f’は、結合手段25dから電子書籍コンテンツを取得すると、記憶部24の記憶領域24aから暗号化された電子透かし画像のデータを読み出してダウンロード配信時と同様に復号化する。また、表示制御手段25f’は、取得した電子書籍コンテンツに含まれるHTMLファイルに記述されたリンク先(コンテンツ配信装置10)に対して画像ファイルの送信要求を行って、画像ファイルを取得する。
【0148】
表示制御手段25f’は、取得した電子書籍コンテンツおよび画像ファイルに基づく画像にさらに電子透かし画像を重畳した画像の情報を表示部22に出力し、電子透かし画像を重畳した電子書籍コンテンツを表示部22で表示させる。
【0149】
次に、本実施形態に係るコンテンツ配信装置10の具体的動作について図9および図10を用いて説明する。図9は、コンテンツ配信装置10の制御部13が実行する処理手順の概要を示すフローチャートである。この処理は、端末装置20から所定の要求があったときに開始される処理である。
【0150】
なお、これらの処理は制御部13を構成するマイクロコンピュータ(CPU)がプログラムに基づき処理を行なって実行(実現)されるが、図3および図6に示した機能ブロックとの関係を分かりやすくする為、便宜的に各機能ブロックが実行するという表現を用いて説明する。
【0151】
図9に示すように、コンテンツ配信装置10において、受信手段13aは、受信した要求信号がユーザキーの送信を要求する信号であるか否かを判定する(ステップS10)。この処理において、ユーザキーの送信を要求する信号であると判定すると(ステップS10,Yes)、ユーザキー有無判定手段13bが、この要求信号に含まれるユーザIDに対応するユーザキーが記憶部12の記憶領域12aに存在するか否かを判定する(ステップS11)。
【0152】
ユーザキー有無判定手段13bによってユーザキーが存在しないと判定されると(ステップS11,No)、ユーザキー生成手段13cはユーザキー有無判定手段13bが取得したユーザIDに対応するユーザキーを生成する(ステップS12)。なお、生成されたユーザキーは、ユーザキー生成手段13cによってユーザIDに関連づけられて記憶部12の記憶領域12aに記憶される。
【0153】
そして、送信手段13iは、要求信号を送信した端末装置20へユーザキーを送信する(ステップS13)。すなわち、ユーザキーが記憶部12の記憶領域12aに存在する場合、ユーザキー有無判定手段13bは、記憶領域12aに記憶されているユーザキーを読み出して、端末装置20へ送信する。一方、ユーザキーが記憶部12の記憶領域12aに存在しない場合、ユーザキー生成手段13cは、生成したユーザキーを、端末装置20へ送信する。
【0154】
ステップS10において、受信手段13aは、受信した要求信号がユーザキーの送信を要求する信号ではないと判定した場合(ステップS10,No)、受信した要求信号が電子書籍コンテンツの送信要求であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0155】
この処理において、受信した要求信号が電子書籍コンテンツの送信要求であると判定されると(ステップS14,Yes)、電子書籍コンテンツの送信するコンテンツ配信処理が行われる(ステップS15)。コンテンツ配信処理は、図10に示すステップS30〜S38の処理であり、後で詳述する。
【0156】
ステップS14において、受信手段13aは、受信した要求信号が電子書籍コンテンツの送信要求ではないと判定すると(ステップS14,No)、受信した要求信号が画像ファイルの送信要求であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0157】
この処理において、画像ファイルの送信要求であると判定されると(ステップS16,Yes)、データ取得手段13dは、要求に応じた画像ファイルを記憶部12の記憶領域12bから読み出す。そして、データ取得手段13dは、読み出した画像ファイルを、要求信号を送信した端末装置20へ送信手段13iから送信する(ステップS17)。
【0158】
ステップS16において、受信した要求信号が画像ファイルの送信要求ではないと判定すると(ステップS16,No)、受信手段13aは、受信した要求信号が電子透かし画像の送信要求であるか否かを判定する(ステップS18)。
【0159】
この処理において、受信手段13aによって電子透かし画像の送信要求であると判定されると(ステップS18,Yes)、電子透かし画像生成手段13gは、端末装置20から送信されるユーザIDに基づいて電子透かし画像のデータを生成し、ユーザキーによって暗号化する。そして、電子透かし画像生成手段13gは、暗号化した電子透かし画像のデータを、要求信号を送信した端末装置20へ送信手段13iから送信する(ステップS19)。
【0160】
ステップS18において、電子透かし画像の送信要求ではないと判定すると(ステップS18,No)、受信手段13aは、受信した要求信号に応じたその他の処理を実行する(ステップS20)。
【0161】
ここで、ステップS15のコンテンツ配信処理について、図10を参照して具体的に説明する。図10は、コンテンツ配信装置10の制御部13が実行するコンテンツ配信処理手順の概要を示すフローチャートである。
【0162】
このコンテンツ配信処理では、まず、受信手段13aは、端末装置20のユーザからの要求がダウンロード配信形式であるか否かを判定する(ステップS30)。ユーザからの要求がダウンロード配信形式であると判定されると(ステップS30,Yes)、データ取得手段13dは、ユーザから要求された電子書籍コンテンツを記憶部12の記憶領域12bから読み出し、ビットシフト手段13eへ出力する(ステップS31)。
【0163】
ビットシフト手段13eは、データ取得手段13dによって記憶部12から取得した電子書籍コンテンツを構成するデータのうち、画像ファイルを所定方向にビットシフトする(ステップS32)。その後、分割手段13fは、ビットシフト手段13eによって処理された電子書籍コンテンツを構成するデータを第1データと第2データとに分割する(ステップS33)。
【0164】
つづいて、暗号化手段13hは、第1データの暗号化を行う(ステップS34)。暗号化手段13hは、送信が要求された電子書籍コンテンツが購入用コンテンツである場合、電子書籍コンテンツの送信を要求したユーザのユーザIDに対応するユーザキーを記憶部12の記憶領域12aから読み出す。そして、暗号化手段13hは、記憶領域12aから読み出したユーザキーを暗号キーとして第1データを暗号化する。
【0165】
一方、暗号化手段13hは、送信が要求された電子書籍コンテンツが立ち読み用である場合、共用キーを記憶部12の記憶領域12dから読み出し、記憶領域12aから読み出した共用キーを暗号キーとして第1データを暗号化する。
【0166】
送信手段13iは、暗号化された第1キーと、第2キーとを、電子書籍コンテンツの送信を要求した端末装置20へ送信する(ステップS35)。なお、送信手段13iは、暗号化された第1キーと、第2キーとを別々に送信することもでき、また、これらをまとめて送信することもできる。
【0167】
ステップS30において、ユーザからの要求がダウンロード配信形式ではなく、ストリーミング配信形式であると判定されると(ステップS30,No)、データ取得手段13d’は、ユーザから要求された電子書籍コンテンツを記憶部12の記憶領域12bから読み出す(ステップS36)。
【0168】
そして、データ取得手段13d’は、電子書籍コンテンツを構成するデータから画像ファイルを分離して、ビットシフト手段13e’へ出力する。ビットシフト手段13e’はデータ取得手段13d’から取得した画像ファイルをビットシフトして、記憶部12の記憶領域12bへ記憶する(ステップS37)。
【0169】
また、データ取得手段13d’は、読み出した電子書籍コンテンツにおいて画像ファイルのリンク情報を変換して、分割手段13fへ出力する(ステップS38)。その後、ステップS33〜S35の処理が行われる。
【0170】
次に、本実施形態に係る端末装置20の具体的動作について図11を用いて説明する。図11は、端末装置20の制御部25が実行する処理手順の概要を示すフローチャートである。この処理は、繰り返し行われる処理である。
【0171】
なお、これらの処理は制御部25を構成するマイクロコンピュータ(CPU)がプログラムに基づき処理を行なって実行(実現)されるが、図7および図8に示した機能ブロックとの関係を分かりやすくする為、便宜的に各機能ブロックが実行するという表現を用いて説明する。
【0172】
図11に示すように、端末装置20において、要求処理手段25bは、操作部23へのユーザによる操作によって電子書籍コンテンツの取得を要求する取得要求操作が行われたか否かを判定する(ステップS51)。この処理において、取得要求操作が行われたと判定すると(ステップS51,Yes)、要求処理手段25bは、コンテンツ配信装置10に対して取得要求操作の対象となる電子書籍コンテンツの送信要求を行う要求信号を送信する(ステップS52)。
【0173】
つづいて、要求処理手段25bは、記憶部24の記憶領域24aにユーザキーが記憶さているか否かの判定を行う(ステップS53)。ユーザキーが記憶領域24aに記憶されていないと判定すると(ステップS53,No)、要求処理手段25bは、コンテンツ配信装置10に対してユーザキーの送信要求を行う要求信号を送信する。これにより、受信手段25aによってコンテンツ配信装置10から送信されるユーザキーが受信され、記憶部24の記憶領域24aに記憶される(ステップS54)。
【0174】
ステップS54でユーザキーが取得された場合、又は、ステップS53において、ユーザキーが記憶領域24aに記憶されていると判定された場合(ステップS53,Yes)、ステップS55の処理へ移行する。ステップS55では、受信手段25aが、ステップS52における要求に応じてコンテンツ配信装置10から端末装置20へ送信される電子書籍コンテンツの情報がダウンロード配信形式であるか否かを判定する(ステップS55)。
【0175】
この処理において、ダウンロード配信形式であると判定すると(ステップS55,Yes)、受信手段25aは、受信した電子書籍コンテンツの情報を記憶部24の記憶領域24bへ記憶する(ステップS56)。
【0176】
一方、電子書籍コンテンツの情報がダウンロード配信形式ではないと判定されると(ステップS55,No)、復号化手段25cは、電子書籍コンテンツの情報のうち暗号化された第1データを復号化する(ステップS57)。
【0177】
つづいて、結合手段25dは、復号化手段25cによって復号化された第1データと、電子書籍コンテンツの情報のうち第2データとを結合して、電子書籍コンテンツを復元し、表示制御手段25f’へ出力する(ステップS58)。そして、ステップS61において、表示制御手段25f’は、結合手段25dから出力される電子書籍コンテンツに応じた画像を表示部22に表示させる。なお、この場合、表示制御手段25f’は、電子書籍コンテンツに含まれるHTMLファイルに基づいて画像ファイルをコンテンツ配信装置10から取得する。
【0178】
一方、ステップS51において、取得要求操作が行われていないと判定されると(ステップS51,No)、受信手段25aは、コンテンツ配信装置10から画像ファイルを受信したか否かを判定する(ステップS59)。
【0179】
画像ファイルを受信したと判定されると(ステップS59,Yes)、ビットシフト手段25e’は、受信手段25aによって受信した画像ファイルのデータをビットシフトして、表示制御手段25f’へ出力する(ステップS60)。そして、表示制御手段25f’は、ステップS61において、電子書籍コンテンツに含まれるHTMLファイルに基づいて、ビットシフト手段25e’から取得した画像ファイルに基づく画像を表示部22に表示させる。
【0180】
ステップS59において、画像ファイルを受信していないと判定されると(ステップS59,No)、要求処理手段25bは、電子書籍コンテンツの再生要求があったか否かを判定する(ステップS63)。具体的には、要求処理手段25bは、ユーザの操作部23への操作によって記憶部24の記憶領域24bに記憶された電子書籍コンテンツの情報を選択する操作があったか否かを判定する。
【0181】
電子書籍コンテンツの再生要求があったと判定されると(ステップS63,Yes)、再生要求があった電子書籍コンテンツの情報が復号化手段25cと結合手段25dによって読み出される(ステップS64)。復号化手段25cは、再生要求があった電子書籍コンテンツの情報のうち暗号化された第1データを復号化して、結合手段25dへ出力する(ステップS65)。
【0182】
結合手段25dは、復号化手段25cによって復号化された第1データと、再生要求があった電子書籍コンテンツの情報のうち第2データとを結合して、ビットシフト手段25eへ出力する(ステップS66)。ビットシフト手段25eは、結合手段25dから出力されるデータに含まれる画像データを第2方向にビットシフトして、電子書籍コンテンツを復元し、表示制御手段25fへ出力する(ステップS67)。そして、ステップS61において、表示制御手段25fは、結合手段25dから出力される電子書籍コンテンツに応じた画像を表示部22に表示させる。
【0183】
ステップS56,S61の処理が終了した場合、又は、ステップS63において、電子書籍コンテンツの再生要求がないと判定された場合(ステップS63,No)、本処理が終了する。
【0184】
このように、コンテンツ配信装置10では、電子書籍コンテンツを構成するデータを、少なくともデータ構成情報の一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する。そして、第1データはユーザキーによって暗号化されて端末装置20へ送信し、第2データは暗号化することなく、端末装置20へ送信する。
【0185】
したがって、コンテンツ配信装置10では、電子書籍コンテンツ全体に暗号化を施す必要がないため、暗号化に必要な処理時間を低減することができ、コンテンツ配信装置10における処理負荷を低減することができる。
【0186】
一方、端末装置20は、コンテンツ配信装置10から、暗号化された第1データ、第2データ、およびユーザキーを取得し、暗号化された第1データをユーザキーによって復号化し、第2データと結合する。
【0187】
したがって、電子書籍コンテンツ全体を復号化する必要がなく、復号化に必要な処理時間を低減することができ、端末装置20における処理負荷を低減することができる。しかも、ユーザキーによってのみ復号化することができるため、電子コンテンツが他のユーザによって取得されて再生される可能性を低減することができる。
【0188】
なお、上述したように、暗号化する第1データを、データ構成情報の全部とすることによって、電子書籍コンテンツの再生がより難しくなり、さらに、データ本体の一部まで含めることによって、電子書籍コンテンツの再生がさらに難しくなる。
【0189】
したがって、例えば、コンテンツ配信装置10において内部の処理負荷が小さいときには、第1データにより多くのデータが含まれるようにし、一方で処理負荷が大きいときに、第1データに含まれるデータを少なくするようにしてもよい。
【0190】
また、例えば、端末装置20からの電子書籍コンテンツの送信要求が少ない時間帯では、第1データにより多くのデータが含まれるようにし、一方で送信要求が多い時間帯では、第1データに含まれるデータを少なくするようにしてもよい。
【0191】
また、電子書籍コンテンツの種別(例えば、新聞、月刊誌、週刊誌、小説の別)に応じて、第1データに含ませるデータを変更してもよい。また、電子書籍コンテンツの配信数やその見込み数に応じて、第1データに含ませるデータを変更してもよい。また、電子書籍コンテンツの種別に応じて暗号方式を変更するようにしてもよい。
【0192】
また、上述においては、第1データと第2データとをある位置から分割するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1データを、電子書籍コンテンツを構成するデータの先頭部分とデータ構成情報とで構成し、残りの部分を第2データとしてもよい。
【0193】
また、上述においては、電子書籍コンテンツを構成するデータのフッダ部分にデータ構成情報が存在している例を示したが、データ構成情報はどのような場所であってもよい。例えば、電子書籍コンテンツを構成するデータのヘッダ部分にデータ構成情報が存在している場合、コンテンツ配信装置10は、ヘッダ部分にあるデータ構成情報の少なくとも一部を第1データとして暗号化すればよい。
【0194】
また、上述においては、ユーザIDに応じた電子透かし画像のデータを生成することとしたが、端末装置20に端末IDを割り当て、電子透かし画像生成手段13gによって、ユーザIDと端末IDとが把握できるような電子透かし画像を生成するようにしてもよい。また、端末IDのみが特定できればよい場合には、端末IDに基づいて電子透かし画像のデータを生成することができる。
【0195】
また、上述においては、電子書籍コンテンツを電子コンテンツの一例として説明したが、データ構成情報を有する電子コンテンツであればどのような電子コンテンツに対しても適用することができる。例えば、動画コンテンツ、楽曲コンテンツ、ゲームコンテンツなど様々な電子コンテンツに適用することができる。
【0196】
また、上述においては、画像ファイルをビットシフトする例を説明したが、必ずしもビットシフトをする必要はなく、ビットシフトを施さないようにもできる。
【0197】
また、上述においては、コンテンツ配信装置10は、端末装置20から電子書籍コンテンツの送信要求があった場合に、電子書籍コンテンツの暗号化処理を行うようにしたが、端末装置20からの送信要求があるよりも前に暗号化処理を行って、記憶部12に記憶しておくようにしてもよい。これにより、端末装置20から送信要求があった電子書籍コンテンツを迅速に送信することが可能となる。
【0198】
なお、ユーザ数が多い場合には、全てのユーザに対して全ての電子書籍コンテンツを事前に暗号化すると、記憶部12の記憶容量を大きくする必要がある。そのため、ユーザ数が多い場合には、所定の条件を満たす電子書籍コンテンツのみを予め暗号化して記憶部12に記憶しておくことが望ましく、これにより記憶容量の低減を図ることができる。例えば、ユーザが閲覧した立ち読み用の電子書籍コンテンツに対応する正式版の電子書籍コンテンツについて予め暗号化処理をしておき、その他は送信要求があった場合に暗号化処理を行う。なお、立ち読み用の電子書籍コンテンツは、共用キーで暗号化処理を行うため、端末装置20からの送信要求があるよりも前に暗号化処理を行って、記憶部12に記憶しておくことが望ましい。
【0199】
また、コンテンツ配信装置10において、第1データと電子透かし画像とを一つのパッケージとし、かかるパッケージに対してユーザキーを暗号キーとした暗号化を行い、暗号化されたパッケージ(第1データおよび電子透かし画像)を端末装置20に送信するようにしてもよい。このようにすれば、暗号化処理が1回で済み、処理負荷を軽減させることができる。
【0200】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0201】
10 コンテンツ配信装置
12 コンテンツ配信装置の記憶部
13 コンテンツ配信装置の制御部
13a 受信手段
13b ユーザキー有無判定手段
13c ユーザキー生成手段
13d,13d’ データ取得手段
13e,13e’ ビットシフト手段
13f 分割手段
13g 電子透かし画像生成手段
13h 暗号化手段
13i 送信手段
20 端末装置
22 表示部
23 操作部
24 端末装置の記憶部
25 端末装置の制御部
25a 受信手段
25b 要求処理手段
25c 復号化手段
25d 結合手段
25e,25e’ ビットシフト手段
25f,25f’ 表示制御手段
25g 送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子コンテンツを端末装置へ配信するコンテンツ配信装置を含むコンテンツ配信システムにおいて、
前記コンテンツ配信装置は、
前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する分割手段と、
前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成されたユーザキーによって前記第1データを暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化手段によって暗号化された第1データを前記端末装置へ送信する第1データ送信手段と、
前記第2データを前記端末装置へ送信する第2データ送信手段と、
前記ユーザキーを前記端末装置へ送信するユーザキー送信手段と
を備え、
前記端末装置は、
前記暗号化された第1データを前記コンテンツ配信装置から受信する第1データ受信手段と、
前記第2データを前記コンテンツ配信装置から受信する第2データ受信手段と、
前記ユーザキーを前記コンテンツ配信装置から受信するユーザキー受信手段と、
前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化する復号化手段と、
前記復号化手段によって復号化された第1データと前記第2データとを結合する結合手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
前記コンテンツ配信装置は、
電子透かし画像のデータを生成する画像生成手段と、
前記ユーザキーによって前記電子透かし画像のデータを暗号化する画像暗号化手段と、
前記暗号化された電子透かし画像のデータを前記端末装置へ送信する画像送信手段と
を備え、
前記端末装置は、
前記暗号化された電子透かし画像のデータを受信する画像受信手段と、
前記暗号化された電子透かし画像のデータを前記ユーザキーによって復号化する電子透かし画像復号化手段と、
前記結合手段によって復元した電子コンテンツに前記電子透かし画像を重畳して表示手段に表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
前記電子コンテンツを構成するデータは、
複数のデータファイルと、
前記複数のデータファイルに関する情報を含む前記データ構成情報と、を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項4】
前記第1データは、
少なくとも前記データ構成情報の一部と前記データファイルの一部とを含むことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項5】
前記コンテンツ配信装置は、
前記電子コンテンツを構成するデータに含まれる前記データファイルを所定方向にビットシフトする手段
を備え、
前記端末装置は、
前記データファイルを前記所定方向とは逆方向にビットシフトする手段
を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項6】
ユーザIDと前記ユーザキーとを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記端末装置からユーザIDを取得する手段と
を備え、
前記暗号化手段は、
前記取得したIDに対応するユーザキーを前記記憶手段から読み出して前記第1データを暗号化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項7】
前記生成手段は、
前記端末装置から取得したユーザIDに基づいて前記ユーザキーを生成することを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項8】
前記端末装置は、
前記第1データ受信手段によって受信された前記暗号化された第1データと、前記第2データ受信手段によって受信された前記第2データと、前記ユーザキー受信手段によって受信された前記ユーザキーとを記憶する記憶手段と、
表示手段に表示させる電子コンテンツを選択する選択手段と
を備え、
前記復号化手段は、
前記選択された電子コンテンツに対応する前記暗号化された第1データを前記記憶手段から取得して前記ユーザキーによって復号化し、
前記結合手段は、
前記選択された電子コンテンツに対応する前記第2データを前記記憶手段から取得し、当該第2データを前記復号化された第1データと結合することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項9】
電子コンテンツを端末装置へ配信するコンテンツ配信装置において、
前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する分割手段と、
前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成されたユーザキーによって前記第1データを暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化手段によって暗号化された第1データを前記端末装置へ送信する第1データ送信手段と、
前記第2データを前記端末装置へ送信する第2データ送信手段と、
前記ユーザキーを前記端末装置へ送信するユーザキー送信手段と、
所定のプログラムを前記端末装置へ送信するプログラム送信手段と
を備え、
前記所定のプログラムは、端末装置を、
前記暗号化された第1データを前記コンテンツ配信装置から受信する第1データ受信手段、
前記第2データを前記コンテンツ配信装置から受信する第2データ受信手段、
前記ユーザキーを前記コンテンツ配信装置から受信するユーザキー受信手段、
前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化する復号化手段、
前記復号化手段によって復号化された第1データと前記第2データとを結合する結合手段
として機能させることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項10】
電子コンテンツを端末装置へ配信するコンテンツ配信装置において、
前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割する分割手段と、
前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成されたユーザキーによって前記第1データを暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化手段によって暗号化された第1データを前記端末装置へ送信する第1データ送信手段と、
前記第2データを前記端末装置へ送信する第2データ送信手段と、
前記ユーザキーを前記端末装置へ送信するユーザキー送信手段と
を備えたことを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項11】
請求項10に記載のコンテンツ配信装置から送信される電子コンテンツを取得する端末装置において、
前記暗号化された第1データを前記コンテンツ配信装置から受信する第1データ受信手段と、
前記第2データを前記コンテンツ配信装置から受信する第2データ受信手段と、
前記ユーザキーを前記コンテンツ配信装置から受信するユーザキー受信手段と、
前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化する復号化手段と、
前記復号化手段によって復号化された第1データと前記第2データとを結合する結合手段と
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項12】
電子コンテンツを端末装置へ配信する処理をコンピュータに実行させるコンテンツ配信プログラムにおいて、
前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割させ、
前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成させ、
前記ユーザキーによって前記第1データを暗号化させ、
前記暗号化された第1データを前記端末装置へ送信させ、
前記第2データを前記端末装置へ送信させ、
前記ユーザキーを前記端末装置へ送信させ、
所定のプログラムを前記端末装置へ送信させる処理を前記コンピュータに実行させ、
前記所定のプログラムは、
前記暗号化された第1データを前記コンピュータから受信させ、
前記第2データを前記コンピュータから受信させ、
前記ユーザキーを前記コンピュータから受信させ、
前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化させ、
前記復号化した第1データと前記第2データとを結合させる処理を前記端末装置に実行させることを特徴とするコンテンツ配信プログラム。
【請求項13】
電子コンテンツをコンテンツ配信装置から端末装置へ配信させるコンテンツ配信方法において、
前記コンテンツ配信装置に、
前記電子コンテンツを構成するデータを、データ本体の構成を定義するデータ構成情報の少なくとも一部を含む第1データとそれ以外の第2データとに分割させ、
前記端末装置のユーザに対応するユーザキーを生成させ、
前記ユーザキーによって前記第1データを暗号化させ、
前記暗号化された第1データを前記端末装置へ送信させ、
前記第2データを前記端末装置へ送信させ、
前記ユーザキーを前記端末装置へ送信させ、
前記端末装置に、
前記暗号化された第1データを前記コンピュータから受信させ、
前記第2データを前記コンピュータから受信させ、
前記ユーザキーを前記コンピュータから受信させ、
前記暗号化された第1データを前記ユーザキーによって復号化させ、
前記復号化した第1データと前記第2データとを結合させることを特徴とするコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−142781(P2012−142781A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294021(P2010−294021)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】