説明

コンバインドサイクル発電制御装置およびコンバインドサイクル発電制御方法

【課題】一軸型コンバインドサイクル発電プラントの調速制御を精度よく効率的に行う。
【解決手段】ガスタービン制御部30は、全回転速度領域の回転速度信号を取り込んで第1のディジタル回転速度信号に変換する第1のF/D変換器53と、狭域回転速度領域で回転速度信号を取り込んで第2のディジタル回転速度信号に変換する第2のF/D変換器54と、第1および第2のディジタル回転速度信号を第1および第2のアナログ回転速度信号に変換する第1および第2のD/A変換器55、56とを有する。蒸気タービン制御部31は、第1および第2のアナログ専用回線32、33を介して第1および第2のアナログ回転速度信号を受信する第1および第2のアナログ受信部61、62と、第1および第2のアナログ回転速度信号を切り替える切り替えスイッチ回路65と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンと蒸気タービンの各軸が互いに結合された一軸型コンバインドサイクル発電プラントの制御装置およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一軸型コンバインドサイクルはガスタービンと蒸気タービンと発電機が同軸に結合される発電プラントであり(特許文献1参照)、ガスタービンと蒸気タービンの制御装置は両タービンを統括・制御するガスタービン・蒸気タービン制御装置が設置されてきた。しかしガスタービンと蒸気タービンの製造者が異なる場合では、このような統括的な制御装置を計画することは製造者間での詳細な情報交換や輻輳するエンジニアリングが発生するという欠点がある。
【0003】
そこで昨今では、ガスタービン製造者はガスタービン制御装置を用意し、蒸気タービン製造者は蒸気タービン制御装置を用意し、これら両制御装置間はいわゆるディジタル通信伝送(データリンク)で接続して相互に必要とする制御信号を交換する方式が採用されている。ディジタル通信伝送は多量の制御信号を経済的かつ後述するような信号誤差を伴うことなく交換できる特長を有する。このディジタル通信伝送方式が可能になる技術的背景のひとつとして、相互に交換する制御信号は数ミリ秒以下を争うような高速応答を必要とするものではなく、比較的低速度の信号インターフェース(交換)でも問題が生じないということがある。
【0004】
しかしながら、ガスタービン制御と蒸気タービン制御にはオーバースピード(過速度)やアンダースピード(速度低下)に備えた調速制御が採用されている。
【0005】
以下の説明では、3000min−1を定格回転速度とする一軸型コンバインドサイクルを例として説明する。
【0006】
従来の一軸型コンバインドサイクル発電装置における蒸気タービンの調速制御で、何らかの原因で蒸気タービンがオーバースピードやアンダースピードになった場合、ガバナー弁である加減弁やインターセプト弁の開度を増減して回転速度を適正な状態に保持する制御が行われる。
【0007】
ガスタービン制御装置と蒸気タービン制御装置には、通信ネットワークを介して接続するディジタル通信伝送部が備えられている。
【0008】
一軸型コンバインドサイクルはガスタービンと蒸気タービンが同軸に結合されているので、両タービンの回転速度は等しい。したがって、回転速度検出器は経済性の観点からガスタービン側のみに取り付けられる。そして、その検出器からの信号は、ガスタービン制御装置に入力され、同装置内はそれをF/D(周波数/ディジタル)変換器で変換処理して、タービンの運転が想定される全ての回転速度領域である0min−1〜4000min−1のレンジを有するタービン回転速度信号として生成する。
【0009】
一方、蒸気タービン制御装置で実現される制御のなかで特に調速制御は高速演算が要求される。したがってタービン回転速度信号は高速度の送受信が必要であり、上述のディジタル通信伝送部ではなく、ハードウェアのアナログ入出力インターフェース装置が使用される。
【0010】
すなわち、ガスタービン制御装置はタービン回転速度信号(0min−1〜4000min−1)を電流信号(4mA〜20mA)に変換した上でこれをアナログ出力(AO:Analog Output)ボードより送信し、蒸気タービン制御装置はこの電流信号をアナログ入力(AI:Analog Input)ボードにより受信するものである。なおこの電流信号の替わりに電圧信号が使用される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−284615号公報
【特許文献2】特開平9−68004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このハードウェアの入出力インターフェース装置は、ディジタル通信伝送とは異なり、ハードウェアのアナログ出力ボードやアナログ入力ボードにはD/A(ディジタル/アナログ)変換器やA/D(アナログ/ディジタル)変換器での変換に伴う誤差が生じるという問題がある。たとえばガスタービン制御装置のアナログ出力ボードからと蒸気タービン制御装置のアナログ入力ボードのトータルで有する誤差が0.5%であった場合、タービン回転速度として20min−1の信号誤差(4000min−1×0.5%)が発生する。
【0013】
インターセプト弁の調定率は2%という高いゲインが採用されており、たとえば20min−1の信号誤差が生じた場合には調速制御はインターセプト弁の開度を約25%多め(または少なめ)に操作してしまう。これは信号誤差がプラス方向に発生するかマイナス方向に発生するかにかかわらず、計画された蒸気タービン運転に対し大きく外れた運転がなされるという問題が生じる。
【0014】
本発明は上記課題を解消するためになされたものであって、一軸型コンバインドサイクル発電プラントの調速制御を精度よく効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係るコンバインドサイクル発電制御装置は、ガスタービンと蒸気タービンとが同軸に結合された一軸型コンバインドサイクル発電装置を制御するコンバインドサイクル発電制御装置であって、前記ガスタービンを制御するガスタービン制御部と、前記蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御部と、を有し、前記ガスタービン制御部は、前記ガスタービンのすべての回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第1のディジタル回転速度信号に変換する第1のF/D変換器と、前記第1のF/D変換器よりも狭い所定の第1の狭域回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第2のディジタル回転速度信号に変換する第2のF/D変換器と、前記第1のディジタル回転速度信号を第1のアナログ回転速度信号に変換する第1のD/A変換器と、前記第2のディジタル回転速度信号を第2のアナログ回転速度信号に変換する第2のD/A変換器と、第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第1のアナログ送信部と、第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第2のアナログ送信部と、を備え、前記蒸気タービン制御部は、前記第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を受信する第1のアナログ受信部と、前記第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を受信する第2のアナログ受信部と、前記第1のアナログ受信部で受信した前記第1のアナログ回転速度信号と前記第2のアナログ受信部で受信した前記第2のアナログ回転速度信号とを切り替える切り替えスイッチ回路と、前記切り替えスイッチ回路によって選択された前記第1のアナログ回転速度信号および第2のアナログ回転速度信号の一方を用いて前記蒸気タービンの回転速度を制御する蒸気タービン調速制御部と、を備えていること、を特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るコンバインドサイクル発電制御方法は、ガスタービンと蒸気タービンとが同軸に結合された一軸型コンバインドサイクル発電装置を制御するコンバインドサイクル発電制御装置を用いたコンバインドサイクル発電制御方法であって、前記コンバインドサイクル発電制御装置は、前記ガスタービンを制御するガスタービン制御部と、前記蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御部と、を有し、前記ガスタービン制御部が、前記ガスタービンのすべての回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第1のディジタル回転速度信号に変換する第1のF/D変換ステップと、前記第1のF/D変換ステップよりも狭い所定の第1の狭域回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第2のディジタル回転速度信号に変換する第2のF/D変換ステップと、前記第1のディジタル回転速度信号を第1のアナログ回転速度信号に変換する第1のD/A変換ステップと、前記第2のディジタル回転速度信号を第2のアナログ回転速度信号に変換する第2のD/A変換ステップと、第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第1のアナログ送信ステップと、第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第2のアナログ送信ステップと、を行い、前記蒸気タービン制御部が、前記第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を受信する第1のアナログ受信ステップと、前記第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を受信する第2のアナログ受信ステップと、前記第1のアナログ受信ステップで受信した前記第1のアナログ回転速度信号と前記第2のアナログ受信ステップで受信した前記第2のアナログ回転速度信号とを切り替える切り替えステップと、前記切り替えステップによって選択された前記第1のアナログ回転速度信号および第2のアナログ回転速度信号の一方を用いて前記蒸気タービンの回転速度を制御する蒸気タービン回転速度制御ステップと、を行うこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一軸型コンバインドサイクル発電プラントの調速制御を精度よく効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るコンバインドサイクル発電制御装置の第1ないし第3の実施形態を示すブロック構成図。
【図2】本発明に係る一軸型コンバインドサイクル発電プラントの一実施形態を示すブロック構成図。
【図3】本発明に係るコンバインドサイクル発電制御装置の第1ないし第3の実施形態における蒸気タービンの調速制御部を示すブロック構成図。
【図4】本発明に係るコンバインドサイクル発電制御装置の第4の実施形態における蒸気タービンの調速制御部を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
はじめに、図1ないし図3を参照しながら、本発明に係る一軸型コンバインドサイクル発電制御装置の第1の実施形態について説明する。
【0020】
図1は本発明に係るコンバインドサイクル発電制御装置の第1ないし第3の実施形態を示すブロック構成図である。図2は本発明に係る一軸型コンバインドサイクル発電プラントの一実施形態を示すブロック構成図である。図3は、本発明に係るコンバインドサイクル発電制御装置の第1ないし第3の実施形態における蒸気タービンの調速制御部を示すブロック構成図である。
【0021】
以下説明では、便宜上、3000min−1を定格回転速度とする一軸型コンバインドサイクルを例にとって説明する。
【0022】
図2に示すように、この実施形態に係る一軸型コンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービン10と、圧縮機11と、高圧蒸気タービン12と、中圧蒸気タービン13と、低圧蒸気タービン14と、発電機15とが一つの軸25に結合されている。
【0023】
圧縮機11で圧縮された空気は燃焼器16に送られ、燃焼器16で生成された燃焼ガスはガスタービン10に送られて仕事をする。ガスタービン10の排ガスは排熱回収ボイラ17で蒸気生成に使用された後に大気に排出される。
【0024】
排熱回収ボイラ17には、蒸気発生器18と再熱器19が含まれている。蒸気発生器18で発生した高圧蒸気は、加減弁20を介して高圧蒸気タービン12に送られ、ここで仕事をする。
【0025】
高圧蒸気タービン12から排出された中圧蒸気は再熱器19で再熱され、インターセプト弁21を介して中圧蒸気タービン13に送られ、ここで仕事をする。中圧蒸気タービン13から排出された低圧蒸気は低圧蒸気タービン14に送られてここで仕事をする。
【0026】
軸25は、ガスタービン10と、高圧蒸気タービン12と、中圧蒸気タービン13と、低圧蒸気タービン14によって回転駆動され、それによって、圧縮機11および発電機15を駆動する。発電機15が回転することによって発電が行われる。
【0027】
低圧蒸気タービン14から排出された蒸気は復水器80で復水になり、ポンプ81で昇圧されて蒸気発生器18へ送られる。
【0028】
この一軸型コンバインドサイクル発電プラントを制御するコンバインドサイクル発電制御装置は、図1に示すように、ガスタービン制御装置30と、蒸気タービン制御装置31とが独立して設けられ、これらが、第1および第2のアナログ専用回線32、33、および、これらとは別の通信ネットワーク34によって接続されている。
【0029】
軸25の回転速度を検出する回転速度検出器35が設けられ、回転速度検出器35の出力は一旦、ガスタービン制御装置30に取り込まれ、ガスタービン10の調速制御に用いられる。回転速度検出器35から得られた速度信号は、第1および第2のアナログ専用回線32、33を通じて蒸気タービン制御装置31に送られて蒸気タービンの調速制御に用いられる。
【0030】
蒸気タービン制御装置31の蒸気タービン調速制御部36の構成を、図3を参照して説明する。蒸気タービン調速制御部36に定格回転速度設定部37があり、定格回転速度があらかじめ入力されている。比較部38は、蒸気タービン調速制御部36に入力されたタービン回転速度信号と定格回転速度との偏差を計算する。この比較部38の出力の偏差に対して、乗算部39で、(1/(CV調定率))を掛ける乗算が行われる。ここで、「CV調定率」は加減弁20の調定率であって、たとえば5%とする。さらに、比較部40で、前制御指令41との比較が行われる。これにより、加減弁指令が出される。
【0031】
さらに、この加減弁指令に対して、乗算部42で((CV調定率)/(ICV調定率))を掛ける乗算が行われる。ここで、「ICV調定率」はインターセプト弁21の調定率であって、たとえば2%とする。比較部43で、乗算部42での乗算結果と100%バイアス値44との比較が行われる。この偏差がインターセプト弁指令となる。
【0032】
何らかの原因で蒸気タービンがオーバスピード(3000min−1超)やアンダースピード(3000min−1未満)になった場合、ガバナー弁である加減弁20やインターセプト弁21の開度を増減して回転速度を適正な状態に保持する制御を行う。
【0033】
すなわち、タービン回転速度が基準定格:3000min−1(50Hz)に対して偏差を持ったとき、偏差に比例して加減弁20とインターセプト弁21の開閉操作を行う。
【0034】
回転速度の偏差に対して開閉操作量を規定する割合は速度調定率と呼ばれ、加減弁20の速度調定率は一般的に5%が選択される。この「5%の調定率」とは5%偏差の回転上昇(Δ150min−1)が発生した場合に加減弁20を全閉させるレーティングであること意味する。「5%の調定率」の場合の作用は以下のように整理される。
【0035】
(1) 何らかの原因で蒸気タービンがオーバスピード(過速)して、回転速度が定格回転速度に対してプラス値の偏差を生じた場合、その偏差に応じて蒸気タービンの加減弁20の開度を低減させてオーバースピードを抑制する。そして5%偏差以上(3150min−1以上)では加減弁20は全閉する。
【0036】
(2) 何らかの原因で蒸気タービンがアンダースピード(速度低下)して、回転速度が定格回転速度に対してマイナス値の偏差を生じた場合、その偏差に応じて蒸気タービンの加減弁20の開度を増加させてアンダースピードを是正する。そして−5%偏差以下(2850min−1以下)では加減弁20を全開する。
【0037】
またインターセプト弁21については、「2%の調定率」が適用され、100%バイアスが付加されているので次のように作用する。
【0038】
(3) インターセプト弁21は通常全開であるが、何らかの原因で蒸気タービンがオーバスピード(過速)して、回転速度が定格回転速度に対して5%偏差以上(3150min−1以上)になった場合、その偏差に応じて蒸気タービンのインターセプト弁21は閉まり始め、そして7%偏差以上(3210min−1以上)ではインターセプト弁21は全閉する。
【0039】
調速制御において重要なのは定格回転速度から3210min−1までの加減弁やインターセプト弁21を閉弁操作する回転速度域であり、この帯域のタービン回転速度信号に誤差があった場合は計画された蒸気タービン運転に対し大きく外れた運転がなされることになる。一方、回転速度が3210min−1以上の回転速度域では両弁は全閉状態であり、タービン回転速度信号の誤差には比較的寛容でも許される。
【0040】
同様に、定格回転速度から2850min−1も重要であり、この回転速度域で調速制御は加減弁20を開弁操作する領域である。タービン回転速度信号に誤差があった場合は問題があるが、回転速度が2850min−1以下の回転速度域では加減弁20は全開状態であり、タービン回転速度信号の誤差には比較的寛容でも許される。
【0041】
本実施形態では、従来技術で採用されたガスタービンと蒸気タービンが運転される全ての回転速度域をカバーするレンジ(0min−1〜4000min−1)をもつ第1のタービン回転速度信号に加えて、これより狭いレンジで一部の回転速度域をカバーする第2のタービン回転速度信号を備え、この2つの回転速度信号をガスタービン制御装置と蒸気タービン制御装置の間で送受信するようにしたものである。そして第2のタービン回転速度信号のレンジとして調速制御において重要である2850min−1から3210min−1を少なくともカバーするように、これに適度のマージンを付して、たとえば2700min−1〜3300min−1のレンジを採用する。
【0042】
図1に示すように、ガスタービン制御装置30および蒸気タービン制御装置31はそれぞれ、ディジタル通信伝送部50、51を有し、通信ネットワーク34を介して、燃焼器温度など、高速伝送を必要としない種々の信号を相互に伝送できるようになっている。
【0043】
さらに、図1に示すように、ガスタービン制御装置30は、回転速度検出器35のパルス信号出力を受信してディジタル信号に変換する第1のF/D変換器53と第2のF/D変換器54とを有する。第1のF/D変換器53はタービンの軸25で想定されるすべての回転速度領域である0min−1〜4000min−1のレンジを有するタービン回転速度信号を生成する。
【0044】
第2のF/D変換器54は、タービンの軸25で想定される回転速度領域よりも狭い第1の狭域回転速度領域のレンジでタービン回転速度信号を生成する。第1の狭域回転速度領域は定格回転速度(3000min−1)を含むものとし、たとえば、2700min−1〜3300min−1の領域である。
【0045】
第1および第2のF/D変換器53、54の出力は、それぞれ、第1および第2のD/A変換器55、56でアナログ信号(たとえば、4mA〜20mAの電流信号)に変換される。これらのアナログ信号はそれぞれ、第1および第2のアナログ送信部(AO)57、58から、第1および第2のアナログ専用回線32、33を通じて蒸気タービン制御装置31に伝送される。
【0046】
第1のF/D変換器53の出力はまた、ガスタービン制御装置30内のガスタービン調速制御部59にも送られ、ガスタービン調速制御に用いられる。
【0047】
蒸気タービン制御装置31は、第1および第2のアナログ専用回線32、33を通じて伝送されたアナログ信号をそれぞれ受信する第1および第2のアナログ受信部(AI)61、62を有する。蒸気タービン制御装置31はさらに、第1および第2のアナログ受信部61、62で受信したアナログ信号をそれぞれのディジタル信号に変換する第1および第2のA/D変換器63、64を有する。
【0048】
蒸気タービン制御装置31はさらに、第1および第2のA/D変換器63、64の出力を入力してその一方を選択して出力する切り替えスイッチ回路65と、この切り替えスイッチ回路65の切り替え条件を設定して切り替え信号を切り替えスイッチ回路65に送る判定部66とを有する。
【0049】
判定部66は、高値選択器67と、低値選択器68と、論理積演算器69とを備えている。第2のアナログ受信部62の出力信号は高値選択器67および低値選択器68に入力され、高値選択器67および低値選択器68の出力は論理積演算器69に入力される。高値選択器67および低値選択器68では、それぞれ、上限値および下限値が設定されており、第2のアナログ受信部62の出力信号がこれら上限値および下限値で挟まれた範囲(第2の狭域回転速度領域)内にあるときにのみ論理積演算器69の出力がオン(SW=1)となり、その他の場合はオフ(SW=0)となる。第2の狭域回転速度領域は、第1の狭域回転速度領域の内側の領域であって、かつ、定格回転速度を含んでいる。たとえば、第2の狭域回転速度領域は2800min−1から3250min−1の範囲とする。
【0050】
これにより、切り替えスイッチ回路65の出力cは、第2のアナログ受信部62の出力信号が第2の狭域回転速度領域内にあるときは第2のA/D変換器64の出力bと同じになり、第2のアナログ受信部62の出力信号が第2の狭域回転速度領域内にないときは第1のA/D変換器63の出力aと同じになる。切り替えスイッチ回路65の出力は蒸気タービン調速制御部36に送られる。
【0051】
この実施形態によれば、調速制御において重要な定格回転速度から3210min−1までの回転速度域を含む第2の狭域回転速度領域では、第2のF/D変換器54、第2のD/A変換器56、第2のアナログ送信部58、第2のアナログ専用回線33、第2のアナログ受信部62、第2のA/D変換器64を経た回転速度信号(第2の回転速度信号)が選択される。その他の回転速度領域では、第1のF/D変換器53、第1のD/A変換器55、第1のアナログ送信部57、第1のアナログ専用回線32、第1のアナログ受信部61、第1のA/D変換器63を経た回転速度信号(第1の回転速度信号)が選択される。
【0052】
これにより、ハードウェアの入出力インターフェース装置の有するトータル誤差を低く抑えることができるので、調速制御を含むその他制御に誤差の低いタービン回転速度信号を使用することができ、計画どおりの蒸気タービン運転ができる。
【0053】
たとえば、ハードウェア(アナログ専用回線32、33)の入出力インターフェース装置であるアナログ送信部57、58およびアナログ受信部61、62の有するトータルの誤差を0.5%とすれば、第1のタービン回転速度信号には20min−1の信号誤差(4000min−1×0.5%)が発生し、インターセプト弁21には25%の開度誤差が生じるのに対し、第2のタービン回転速度信号には3min−1(600min−1×0.5%)のみの信号誤差であり、インターセプト弁には5%の開度誤差が生じるに過ぎない。
【0054】
蒸気タービン制御装置31は、この誤差信号が少ない第2のタービン回転速度信号を受信し、たとえばそれが2800min−1〜3250min−1の間にあるときは第2のタービン回転速度信号を使用して調速制御(含むその他制御)を行い、この回転速度の範囲を逸脱したとき(すなわち加減弁20やインターセプト弁21が全閉や全開した後)は第1のタービン回転速度信号に切り替えて、これを、調速制御を含むその他制御に使用する。これにより、ハードウェアの入出力インターフェース装置の有する誤差問題を大きく緩和させることが可能となる。
【0055】
[第2の実施形態]
つぎに、本発明に係る一軸型コンバインドサイクル発電制御装置の第2の実施形態について説明する。図1ないし図3に示す構成は第1の実施形態と同様である。この第2の実施形態では、第2のタービン回転速度信号のレンジとして、定格回転速度から、蒸気タービンの調速制御が加減弁20を全閉させる回転速度までをカバーするレンジを用いる。
【0056】
たとえば、第2のF/D変換器54で変換される第1の狭域回転速度領域は2900min−1〜3200min−1の領域とし、判定部66で設定する第2の狭域回転速度領域は2950min−1〜3180min−1の領域とする。
【0057】
たとえば加減弁20の速度調定率が5%とすると、5%偏差以上(3150min−1以上)で加減弁20は全閉するので、第2のタービン回転速度信号を、2900min−1〜3200min−1のレンジで採用した場合、ハードウェアの入出力インターフェース装置の有するトータルの誤差を0.5%とすれば、第2のタービン回転速度信号には1.5min−1(300min−1×0.5%)のみの信号誤差となり、計画通りに加減弁20を閉めることができる。
【0058】
また、インターセプト弁21の速度調定率を2%とすると、7%偏差以上(3210min−1以上)でインターセプト弁21は全閉するので、第2のタービン回転速度信号を、2900min−1〜3300min−1のレンジで採用した場合、ハードウェアの入出力インターフェース装置の有するトータルの誤差を0.5%とすれば、第2のタービン回転速度信号には2min−1(400min−1×0.5%)のみの信号誤差となり、計画通りにインターセプト弁を閉めることができる。
【0059】
[第3の実施形態]
つぎに、本発明に係る一軸型コンバインドサイクル発電制御装置の第3の実施形態について説明する。図1ないし図3に示す構成は第1の実施形態と同様である。この第3の実施形態では、第2のタービン回転速度信号のレンジを定格回転速度から蒸気タービンの調速制御が加減弁20を全開させる回転速度までをカバーするレンジを用いる。
【0060】
たとえば、第2のF/D変換器54で変換される第1の狭域回転速度領域は2800min−1〜3100min−1の領域とし、判定部66で設定する第2の狭域回転速度領域は2820min−1〜3050min−1の領域とする。
【0061】
本実施形態によれば、たとえば加減弁20の速度調定率が5%とすると、−5%偏差以上(2850min−1以下)で加減弁20は全開するので、第2のタービン回転速度信号を、2800min−1〜3100min−1のレンジで採用した場合、ハードウェアの入出力インターフェース装置の有するトータルの誤差を0.5%とすれば、第2のタービン回転速度信号には1.5min−1(300min−1×0.5%)のみの信号誤差となり、計画通りに加減弁を開けることができる。
【0062】
[第4の実施形態]
つぎに、本発明に係る一軸型コンバインドサイクル発電制御装置の第4の実施形態について説明する。
【0063】
図4は本発明に係るコンバインドサイクル発電制御装置の第4の実施形態における蒸気タービンの調速制御部を示すブロック構成図である。
【0064】
本実施の形態の蒸気タービン制御装置では、第1の実施形態における切り替えスイッチ回路65(図1)に代えてバンプレス切り替え回路70が採用されている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0065】
本実施形態によれば、第1のタービン回転速度信号と第2のタービン回転速度信号の切り替え時にある一定の変化率にて切り替えることで、突変することなく切り替わる。これにより、調速制御(含むその他制御)に外乱を与えることなく計画通りに加減弁やインターセプト弁を開閉することができる。
【0066】
[他の実施形態]
以上説明した各実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0067】
たとえば、上記実施形態では、第1および第2のD/A変換器55、56は、第1および第2のF/D変換器53、54の出力を電流信号としてのアナログ信号に変換するものとしたが、電圧信号に変換してもよい。
【0068】
また、各実施形態の特徴を種々に組み合わせることもできる。たとえば、第4の実施形態はバンプレス切り替え回路以外の部分は第1の実施形態と同様としたが、バンプレス切り替え回路を採用するという特徴を第2または第3の実施形態の特徴と組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10:ガスタービン、11:圧縮機、12:高圧蒸気タービン、13:中圧蒸気タービン、14:低圧蒸気タービン、15:発電機、16:燃焼器、17:排熱回収ボイラ、18:蒸気発生器、19:再熱器、20:加減弁、21:インターセプト弁、25:軸、30:ガスタービン制御装置(ガスタービン制御部)、31:蒸気タービン制御装置(蒸気タービン制御部)、32:第1のアナログ専用回線、33:第2のアナログ専用回線、34:通信ネットワーク、35:回転速度検出器、36:蒸気タービン調速制御部、37:定格回転速度設定部、38:比較部、39:乗算部、40:比較部、41:前制御指令、42:乗算部、43:比較部、44:100%バイアス値、50、51:ディジタル通信伝送部、53:第1のF/D変換器、54:第2のF/D変換器、55:第1のD/A(ディジタル/アナログ)変換器、56:第2のD/A(ディジタル/アナログ)変換器、57:第1のアナログ送信部(AO)、58:第2のアナログ送信部(AO)、59:ガスタービン調速制御部、61:第1のアナログ受信部(AI)、62:第2のアナログ受信部(AI)、63:第1のA/D(アナログ/ディジタル)変換器、64:第2のA/D(アナログ/ディジタル)変換器、65:切り替えスイッチ回路、66:判定部、67:高値選択器、68:低値選択器、69:論理積演算器、70:バンプレス切り替え回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンと蒸気タービンとが同軸に結合された一軸型コンバインドサイクル発電装置を制御するコンバインドサイクル発電制御装置であって、
前記ガスタービンを制御するガスタービン制御部と、
前記蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御部と、
を有し、
前記ガスタービン制御部は、
前記ガスタービンのすべての回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第1のディジタル回転速度信号に変換する第1のF/D変換器と、
前記第1のF/D変換器よりも狭い所定の第1の狭域回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第2のディジタル回転速度信号に変換する第2のF/D変換器と、
前記第1のディジタル回転速度信号を第1のアナログ回転速度信号に変換する第1のD/A変換器と、
前記第2のディジタル回転速度信号を第2のアナログ回転速度信号に変換する第2のD/A変換器と、
第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第1のアナログ送信部と、
第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第2のアナログ送信部と、
を備え、
前記蒸気タービン制御部は、
前記第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を受信する第1のアナログ受信部と、
前記第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を受信する第2のアナログ受信部と、
前記第1のアナログ受信部で受信した前記第1のアナログ回転速度信号と前記第2のアナログ受信部で受信した前記第2のアナログ回転速度信号とを切り替える切り替えスイッチ回路と、
前記切り替えスイッチ回路によって選択された前記第1のアナログ回転速度信号および第2のアナログ回転速度信号の一方を用いて前記蒸気タービンの回転速度を制御する蒸気タービン調速制御部と、
を備えていること、
を特徴とするコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項2】
前記蒸気タービン制御部は、前記第2のアナログ受信部で受信した前記第2のアナログ回転速度信号が、前記第1の狭域回転速度領域内でさらに狭い所定の第2の狭域回転速度領域にあることを判定する判定部を有し、
前記切り替えスイッチ回路は、前記判定部の出力によって、第2の狭域回転速度領域にあるときに第2のアナログ回転速度信号に切り換え、その他のときに第1のアナログ回転速度信号に切り換えること、
を特徴とする請求項1に記載のコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項3】
前記蒸気タービン制御部は、
前記第1のアナログ受信部で受信した前記第1のアナログ回転速度信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換器と、
前記第2のアナログ受信部で受信した前記第2のアナログ回転速度信号をディジタル信号に変換する第2のA/D変換器と、
を備え、
前記切り替えスイッチ回路は、前記第1のA/D変換器および第2のA/D変換器の出力を入力してこれら前記第1のA/D変換器および第2のA/D変換器の一方の出力を選択して出力すること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項4】
前記蒸気タービンは、
高圧の蒸気を受容する高圧蒸気タービンと、
前記高圧蒸気タービンから排出された蒸気の少なくとも一部を再熱する再熱器と、
少なくとも前記再熱器から供給された前記高圧蒸気よりも低圧の中圧蒸気を受容する中圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気よりも低圧の低圧蒸気を受容する低圧蒸気タービンと、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記高圧蒸気タービンの入り口側で前記高圧蒸気の流量を調整する加減弁と、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記中圧蒸気タービンの入り口側で前記中圧蒸気の流量を調整するインターセプト弁と、
を備えるものであって、
前記切り替えスイッチ回路によって選択された前記第2のアナログ回転速度信号は、少なくとも、定格回転速度から、前記蒸気タービン制御装置が前記加減弁を全閉させるように設定された定格回転速度より高速の所定の上限速度よりも高い回転速度までの範囲をカバーすること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項5】
前記蒸気タービンは、
高圧の蒸気を受容する高圧蒸気タービンと、
前記高圧蒸気タービンから排出された蒸気の少なくとも一部を再熱する再熱器と、
少なくとも前記再熱器から供給された前記高圧蒸気よりも低圧の中圧蒸気を受容する中圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気よりも低圧の低圧蒸気を受容する低圧蒸気タービンと、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記高圧蒸気タービンの入り口側で前記高圧蒸気の流量を調整する加減弁と、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記中圧蒸気タービンの入り口側で前記中圧蒸気の流量を調整するインターセプト弁と、
を備えるものであって、
前記切り替えスイッチ回路によって選択された前記第2のアナログ回転速度信号は、少なくとも、定格回転速度から、前記蒸気タービン制御装置が前記加減弁を全開させるように設定された定格回転速度より低速の所定の下限速度よりも低い回転速度までの範囲をカバーすること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項6】
前記蒸気タービンは、
高圧の蒸気を受容する高圧蒸気タービンと、
前記高圧蒸気タービンから排出された蒸気の少なくとも一部を再熱する再熱器と、
少なくとも前記再熱器から供給された前記高圧蒸気よりも低圧の中圧蒸気を受容する中圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気よりも低圧の低圧蒸気を受容する低圧蒸気タービンと、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記高圧蒸気タービンの入り口側で前記高圧蒸気の流量を調整する加減弁と、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記中圧蒸気タービンの入り口側で前記中圧蒸気の流量を調整するインターセプト弁と、
を備えるものであって、
前記切り替えスイッチ回路によって選択された前記第2のアナログ回転速度信号は、少なくとも、定格回転速度から、前記蒸気タービン制御装置が前記インターセプト弁を全閉させるように設定された定格回転速度より高速の所定の上限速度よりも高い回転速度までの範囲をカバーすること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項7】
前記蒸気タービンは、
高圧の蒸気を受容する高圧蒸気タービンと、
前記高圧蒸気タービンから排出された蒸気の少なくとも一部を再熱する再熱器と、
少なくとも前記再熱器から供給された前記高圧蒸気よりも低圧の中圧蒸気を受容する中圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気よりも低圧の低圧蒸気を受容する低圧蒸気タービンと、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記高圧蒸気タービンの入り口側で前記高圧蒸気の流量を調整する加減弁と、
前記蒸気タービン制御装置によって開度が制御されて前記中圧蒸気タービンの入り口側で前記中圧蒸気の流量を調整するインターセプト弁と、
を備えるものであって、
前記切り替えスイッチ回路は、前記加減弁およびインターセプト弁が全閉しているとき、または加減弁が全開しているときは前記第1のタービン回転速度信号に切り替えて、それ以外のときは第2のタービン回転速度信号に切り替えること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項8】
前記切り替えスイッチ回路は、前記第1のアナログ受信部で受信した前記第1のアナログ回転速度信号と前記第2のアナログ受信部で受信した前記第2のアナログ回転速度信号とを切り替える際に、当該第1のアナログ回転速度信号と第2のアナログ回転速度信号の差異による突然の変化を緩和するバンプレス切り替え部を含むこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のコンバインドサイクル発電制御装置。
【請求項9】
ガスタービンと蒸気タービンとが同軸に結合された一軸型コンバインドサイクル発電装置を制御するコンバインドサイクル発電制御装置を用いたコンバインドサイクル発電制御方法であって、
前記コンバインドサイクル発電制御装置は、前記ガスタービンを制御するガスタービン制御部と、前記蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御部と、を有し、
前記ガスタービン制御部が、
前記ガスタービンのすべての回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第1のディジタル回転速度信号に変換する第1のF/D変換ステップと、
前記第1のF/D変換ステップよりも狭い所定の第1の狭域回転速度領域で回転速度を表す回転速度信号を取り込んで第2のディジタル回転速度信号に変換する第2のF/D変換ステップと、
前記第1のディジタル回転速度信号を第1のアナログ回転速度信号に変換する第1のD/A変換ステップと、
前記第2のディジタル回転速度信号を第2のアナログ回転速度信号に変換する第2のD/A変換ステップと、
第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第1のアナログ送信ステップと、
第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を前記蒸気タービン制御部に送信する第2のアナログ送信ステップと、
を行い、
前記蒸気タービン制御部が、
前記第1のアナログ専用回線を介して前記第1のアナログ回転速度信号を受信する第1のアナログ受信ステップと、
前記第2のアナログ専用回線を介して前記第2のアナログ回転速度信号を受信する第2のアナログ受信ステップと、
前記第1のアナログ受信ステップで受信した前記第1のアナログ回転速度信号と前記第2のアナログ受信ステップで受信した前記第2のアナログ回転速度信号とを切り替える切り替えステップと、
前記切り替えステップによって選択された前記第1のアナログ回転速度信号および第2のアナログ回転速度信号の一方を用いて前記蒸気タービンの回転速度を制御する蒸気タービン回転速度制御ステップと、
を行うこと、
を特徴とするコンバインドサイクル発電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−41903(P2012−41903A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185860(P2010−185860)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】