説明

コンベヤ装置

【課題】構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、物品の荷崩れを的確に検出することができるコンベヤ装置の提供。
【解決手段】荷崩れ検出手段として、搬送始端位置H1に位置する物品Bに対してコンベヤ本体16による搬送方向の前端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサ17と、搬送終端位置H2に位置する物品Bに対して搬送方向の後端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサ17とは別の後端側荷崩れセンサ18とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送始端位置から搬送終端位置に物品を搬送するコンベヤ本体と、そのコンベヤ本体にて搬送される物品の荷崩れを検出する荷崩れ検出手段とを備えたコンベヤ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンベヤ装置では、例えば、パレット上に複数の単位物品が段積みされたものを搬送対象の物品として搬送しており、その物品が搬送方向の前端側及び後端側に荷崩れしていないか否かを検出するために荷崩れ検出手段が備えられている。そして、搬送始端位置と搬送終端位置との間の検知位置に物品が到達したことを検知するパレット検知器が備えられ、荷崩れ検出手段として、検知位置に位置する物品に対して、搬送方向の前端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れ検出センサと搬送方向の後端側の荷崩れを検出する後端側荷崩れ検出手段とが備えられている。パレット検知器にて検知位置に物品が到達したときの前端側荷崩れセンサの検出情報により搬送方向の前端側に荷崩れが生じているか否かを判別するとともに、パレット検知器にて検知位置に物品が到達したときの後端側荷崩れセンサの検出情報により搬送方向の後端側に荷崩れが生じているか否かを判別している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−43056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置では、検知位置に物品が到達したことを検知するために、パレット検知器を設けており、荷崩れ検出手段に加えて、パレット検知器を設けなければならず、構成の複雑化及びコストアップを招いていた。また、上記特許文献1に記載の装置では、荷崩れ検出を行なうために、パレット検知器と前端側荷崩れセンサと後端側荷崩れセンサとの3つのセンサの相対位置が所望の相対位置となるように設置する必要がある。つまり、荷崩れを生じていない物品に対して、その物品が検知位置に到達したことをパレット検知器にて検知したときに、前端側荷崩れセンサをその物品よりもやや前方側に設置することが必要であり、しかも、後端側荷崩れセンサをその物品よりもやや後方側に設置することが必要である。このように、パレット検知器と前端側荷崩れセンサと後端側荷崩れセンサとの3つのセンサの相対位置を調整した上で、パレット検知器、前端側荷崩れセンサ、後端側荷崩れセンサを設置しなければならず、構成の複雑化を招くとともに、設置作業の煩雑化を招くものとなっていた。
【0005】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、しかも、センサの設置作業の簡素化を図ることができ、物品の荷崩れを的確に検出することができるコンベヤ装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明に係るコンベヤ装置の第1特徴構成は、搬送始端位置から搬送終端位置に物品を搬送するコンベヤ本体と、そのコンベヤ本体にて搬送される物品の荷崩れを検出する荷崩れ検出手段とを備えたコンベヤ装置において、
前記荷崩れ検出手段として、前記搬送始端位置に位置する物品に対して前記コンベヤ本体による搬送方向の前端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサと、前記搬送終端位置に位置する物品に対して前記搬送方向の後端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサとは別の後端側荷崩れセンサとが備えられている点にある。
【0007】
本特徴構成によれば、例えば作業者が搬送始端位置に物品を位置させることで、前端側荷崩れセンサにてその物品の搬送方向の前端側の荷崩れを検出することができる。また、コンベヤ本体により搬送始端位置から搬送終端位置に物品を搬送することで、後端側荷崩れセンサにてその物品の搬送方向の後端側の荷崩れを検出することができる。ここで、物品を搬送終端位置に搬送したことを検出するために、コンベヤ本体には予め在荷センサ等の投受光式或いは接触式のセンサが備えられており、このセンサの検出情報からコンベヤ本体にて物品が搬送終端位置に搬送されたことを検出することができる。したがって、物品の荷崩れを検出するために、コンベヤ本体にて搬送される物品の位置を検出する検出器を設けなくても、物品の荷崩れを検出することができる。
【0008】
また、前端側荷崩れセンサにてコンベヤ装置により搬送する前の荷崩れを検出することができ、後端側荷崩れセンサにてコンベヤ装置により搬送した後の荷崩れを検出することができ、例えば、コンベヤ装置にて搬送する前の一時に荷崩れを検出するものと比べて、物品の荷崩れを的確に検出することができる。
【0009】
そして、前端側荷崩れセンサは、単に、搬送始端位置に対応して設置すればよく、後端側荷崩れセンサについても、単に、搬送終端位置に対応して設置すればよく、上記特許文献1に記載の装置の如く、パレット検知器と前端側荷崩れセンサと後端側荷崩れセンサとの3つのセンサの相対位置を調整するという複雑な調整作業を必要とせずに、前端側荷崩れセンサ及び後端側荷崩れセンサの夫々の設置作業を行うことができる。
【0010】
以上のことから、構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、しかも、センサの設置作業の簡素化を図ることができ、物品の荷崩れを的確に検出することができるコンベヤ装置を実現できる。
【0011】
本発明に係るコンベヤ装置の第2特徴構成は、前記前端側荷崩れセンサ及び前記後端側荷崩れセンサが、前記コンベヤ本体の横幅方向に沿って検出用光を投光する投光部及びその投光部にて投光された検出用光を受光する受光部を備えた投受光式のセンサであり、前記前端側荷崩れセンサの前記投光部及び前記受光部を支持する一対の支持部と前記後端側荷崩れセンサの前記投光部及び前記受光部を支持する一対の支持部とが、前記コンベヤ本体の横幅方向の両端部の夫々に設置された一対のセンサ設置用支持部にて構成されている点にある。
【0012】
本特徴構成によれば、前端側荷崩れセンサ及び後端側荷崩れセンサにおける投光部及び受光部を支持するための一対の支持部を共通の一対のセンサ設置用支持部にて構成することができる。よって、センサを支持するための構成の簡素化を図ることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
【0013】
本発明に係るコンベヤ装置の第3特徴構成は、前記物品の高さが設定高さよりも高いか否かを検出する高さ検出センサが備えられ、前記高さ検出センサが、前記センサ設置用支持部に支持されている点にある。
【0014】
例えば、コンベヤが自動倉庫に搬入する物品を搬送するものであれば、物品の高さが設定高さよりも高いと自動倉庫に収納できない等の不都合を生じる可能性があることから、コンベヤにて搬送する際に物品の高さが設定高さよりも高いか否かを検出することが求められる。そこで、本特徴構成によれば、コンベヤ装置に高さ検出センサを備えることにより、その要求に応えることができる。しかも、高さ検出センサを支持するための支持部を、前端側荷崩れセンサ及び後端側荷崩れセンサを支持するためのセンサ設置用支持部を用いているので、構成の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0015】
本発明に係るコンベヤ装置の第4特徴構成は、前記コンベヤ本体は、物品収納棚及びその物品収納棚と物品授受部との間で物品を搬送する物品搬送装置を備えた自動倉庫への物品の搬入部を前記搬送始端位置とし且つ前記物品搬送装置の前記物品授受部を前記搬送終端位置として配置されている点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、自動倉庫に物品を搬入する場合に、搬入部に搬入された物品を物品授受部に搬送するコンベヤ装置として設けられている。そして、物品搬送装置にて物品を搬送するとき等に、物品の荷崩れが生じていると物品の落下等の不都合を生じる可能性があるが、上記第1特徴構成で述べた如く、コンベヤ装置にて搬送する際に物品の荷崩れの有無を検出しておくことができるので、上述のような不都合の発生を防止することができる。
【0017】
本発明に係るコンベヤ装置の第5特徴構成は、前記搬送方向での前記前端側荷崩れセンサと前記後端側荷崩れセンサとの設置間隔は、前記搬送方向での前記物品の全長よりも小さく設定されている点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、搬送方向での前端側荷崩れセンサと後端側荷崩れセンサとの設置間隔を搬送方向での物品の全長よりも小さくすることで、コンベヤの搬送方向の長さを極力短くすることができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】倉庫設備の概略構成の平面図において搬入部に物品が搬入された状態を示す図
【図2】コンベヤの斜視図において搬入部に物品が搬入された状態を示す図
【図3】倉庫設備の概略構成の平面図において物品授受部に物品が搬送された状態を示す図
【図4】コンベヤの斜視図において物品授受部に物品が搬送された状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るコンベヤ装置を適応した倉庫設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
この倉庫設備は、図1及び図2に示すように、物品収納棚1及び物品収納棚1と物品授受部2との間で物品Bを搬送するスタッカークレーン3を備えた自動倉庫4と、自動倉庫4に対する物品Bの搬入部5を搬送始端位置H1とし且つスタッカークレーン3の物品授受部2を搬送終端位置H2として搬送始端位置H1から搬送終端位置H2に物品Bを搬送するコンベヤ6(本発明に係るコンベヤ装置)と、自動倉庫4及びコンベヤ6の運転を制御する運転制御装置(図示省略)とが備えられている。図1は倉庫設備の要部の平面図であり、図2は倉庫設備の要部の斜視図であり、いずれも搬入部5に物品Bが搬入された状態を示したものである。また、図3及び図4は、物品授受部2に物品Bが搬送された状態を示したものである。
【0021】
物品Bについては、パレットPに複数の単位物品B1が段積みされたものを物品Bとして構成されている。自動倉庫4に物品Bを搬入する場合には、図1及び図2に示すように、作業者がフォークリフト等を用いて搬入部5に物品Bが搬入されると、運転制御装置は、図3及び図4に示すように、コンベヤ6を作動させて、搬入部5から物品授受部2に物品Bを搬送する。そして、コンベヤ6により物品Bを物品授受部2に搬送すると、運転制御装置は、スタッカークレーン3を作動させて、物品授受部2から物品Bを受け取り、その受け取った物品Bを物品収納棚1における複数の収納部10の何れかに収納している。
【0022】
コンベヤ6は、搬入部5から物品授受部2に物品Bを搬送するが、搬送方向を逆転させることにより、物品授受部2から搬入部5に物品Bを搬送可能に構成されている。これにより、1つのコンベヤ6を用いて物品Bの搬入及び搬出を行うことができ、搬入部5が自動倉庫4からの物品Bを搬出する搬出部を兼用するように構成することもできる。このように構成したときには、自動倉庫4から物品Bを搬出する場合に、運転制御装置が、物品収納棚1に収納されている物品Bについて搬出すべき搬出要求があると、スタッカークレーン3を作動させて、その物品Bを収納部10から取り出して物品授受部2に搬送する。そして、スタッカークレーン3により物品授受部2に物品Bを搬送させると、運転制御装置は、コンベヤ6を作動させて、物品授受部2から搬入部5(搬出部)に物品Bを搬送する。このようにして、作業者がフォークリフト等を用いて搬入部5(搬出部)に搬送された物品Bを所望の搬出箇所に移動させる。
【0023】
物品収納棚1は、物品Bの出し入れ側が対向するように棚前後方向に間隔を隔てて一対設けられており、一対の物品収納棚1の間には、スタッカークレーン3の走行レール7が物品収納棚1の棚横幅方向の全長に亘って配置されている。一対の物品収納棚3の夫々は、前後一対の支柱8が棚横幅方向に間隔を隔てて複数立設され、前後一対の支柱の夫々には、載置支持部9が上下方向に間隔を隔てて複数設けられている。物品収納棚1における収納部10は、左右一対の載置支持部9にて物品Bを載置支持する形態で物品Bを収納するように構成されており、上下方向及び左右方向(棚横幅方向)に複数並ぶように備えられている。
【0024】
スタッカークレーン3は、走行レール7に沿って走行自在な走行台車11と、その走行台車11に立設された前後一対の昇降案内マスト12に沿って昇降自在な昇降台13と、昇降台13に備えられた物品移載装置14とから構成されている。物品移載装置14は、詳述はしないが、物品Bを載置支持自在なフォークを昇降台13側に引退する引退位置と収納部10側及び物品授受部2側に突出する突出位置とに出退自在に備えたフォーク式の物品移載装置にて構成されている。
【0025】
物品収納棚1とスタッカークレーン3とを備えた自動倉庫4には、物品収納棚1及びスタッカークレーン3の周囲を囲む柵状の侵入防止体15が備えられており、侵入防止体15にて囲まれた内部空間に物品収納棚1及びスタッカークレーン3が設置されている。そして、コンベヤ6は、侵入防止体15のうち内部空間と外部空間とを連通する部位に配置されており、コンベヤ6の横幅方向の両側に侵入防止体15が設置されている。これにより、侵入防止体15の内部への侵入は、コンベヤ6にて搬送される物品が占有する領域及びその周辺のみとされている。そして、コンベヤ6は、侵入防止体15の外側である位置を搬送始端位置H1とし且つ侵入防止体15の内側である位置を搬送終端位置H2として配置されている。
【0026】
ここで、コンベヤ6の搬送終端位置H2となる物品授受部2は、物品収納棚1と棚横幅方向(図1中左右方向)に並ぶように設けられている。これにより、棚横幅方向において物品授受部2の両側に物品収納棚1の収納部10が備えられている。そして、物品授受部2の上方側にも、収納部10が備えられている。また、コンベヤ6の搬送方向とスタッカークレーン3の物品移載方向は、棚前後方向の同一方向となっており、コンベヤ6にて物品授受部2に搬送された物品Bに対して、その物品Bの向き等を変更することなく、そのままスタッカークレーン3が受け取り可能に構成されている。
【0027】
コンベヤ6は、物品Bの横幅方向の両端部を載置支持して搬送する載置搬送式の一対のコンベヤ本体16を備えたチェーンコンベヤにて構成されている。そして、コンベヤ6は、搬入部5を搬送始端位置H1とし且つ物品授受部2を搬送終端位置H2として搬送始端位置H1から搬送終端位置H2に物品Bを載置搬送するように構成されている。
【0028】
コンベヤ6には、搬送始端位置H1に位置する物品Bに対してコンベヤ6による搬送方向の前端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサ17と、搬送終端位置H2に位置する物品Bに対して搬送方向の後端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサ17とは別の後端側荷崩れセンサ18とが備えられている。そして、搬送方向での前端側荷崩れセンサ17と後端側荷崩れセンサ18との設置間隔は、搬送方向での物品Bの全長よりも小さく設定されており、コンベヤ6の搬送方向の長さを極力短くして、コンパクトな設備となるようにしている。
【0029】
前端側荷崩れセンサ17が、コンベヤ本体16の横幅方向に沿って検出用光を投光する前端側投光部17a及びその前端側投光部17aにて投光された検出用光を受光する前端側受光部17bを備えた投受光式のセンサにて構成されている。また、後端側荷崩れセンサ18が、コンベヤ本体16の横幅方向に沿って検出用光を投光する後端側投光部18a及びその後端側投光部18aにて投光された検出用光を受光する後端側受光部18bを備えた投受光式のセンサにて構成されている。前端側荷崩れセンサ17及び後端側荷崩れセンサ18の双方は、受光部17b,18bにて投光部17a,18aからの検出用光を受光しない場合に、荷崩れしている物品Bにて遮光されているとして、物品Bの荷崩れを検出している。
【0030】
図2及び図4に示すように、前端側投光部17a及び前端側受光部17bは、上下方向に間隔を隔てて複数(例えば2つ)設けられており、後端側投光部18a及び後端側受光部18bも、上下方向に間隔を隔てて複数(例えば2つ)設けられている。そして、前端側投光部17aと前端側受光部17bを支持する一対の支持部と、後端側投光部18aと後端側受光部18bを支持する一対の支持部とが、コンベヤ本体16の横幅方向の両端部の夫々に設置された一対のセンサ設置用支持部19にて構成されている。一対のセンサ設置用支持部19は、上下方向に延びる棒状に形成されており、コンベヤ本体16の搬送方向の上流側に延びる第1水平支持部20a及びコンベヤ本体16の搬送方向の下流側に延びる第2水平支持部20bがセンサ設置用支持部19に備えられている。そして、第1水平支持部20aの先端部に前端側投光部17a及び前端側受光部17bが設置されており、第2水平支持部20bの先端部に前端側投光部17a及び前端側受光部17bが設置されている。
【0031】
コンベヤ6には、前端側荷崩れセンサ17及び後端側荷崩れセンサ18に加えて、物品Bの高さが設定高さよりも高いか否かを検出する高さ検出センサが備えられている。高さ検出センサも、前端側荷崩れセンサ17及び後端側荷崩れセンサ18と同様に、コンベヤ本体16の横幅方向に沿って検出用光を投光する高さ用投光部21a及びその高さ用投光部21aにて投光された検出用光を受光する高さ用受光部21bを備えた投受光式のセンサにて構成されている。高さ検出センサは、高さ用受光部21bにて高さ用投光部21aからの検出用光を受光しない場合に、設定高さよりも高い物品Bにて遮光されているとして、物品Bの高さが設定高さよりも高いと検出している。
【0032】
一対のセンサ設置用支持部19の夫々には、上述の如く、前端側荷崩れセンサ17及び後端側荷崩れセンサ18を支持するための複数の第1水平支持部20a及び第2水平支持部20bが設けられているが、第1水平支持部20a及び第2水平支持部20bよりも上方側にコンベヤ本体16の搬送方向の上流側及び下流側に延びる高さ用水平支持部22が設けられている。そして、搬送方向の上流側及び下流側に延びる高さ用水平支持部22の先端部に高さ用投光部21a及び高さ用受光部21bが設けられており、高さ検出センサである高さ用投光部21a及び高さ用受光部21bを支持する一対の支持部も、一対のセンサ設置用支持部19にて構成されている。ここで、高さ検出センサである高さ用投光部21a及び高さ用受光部21bが、搬送方向に間隔を隔てて2つ設けられているが、2つの高さ検出センサの双方が、コンベヤ6にて搬送される物品Bが高さ検出センサの設置位置を通過するときに、その物品Bの高さが設定高さよりも高いか否かを検出できるように構成されている。
【0033】
前端側荷崩れセンサ17、後端側荷崩れセンサ18、及び、高さ検出センサの夫々における投光部17a,18a、21aと受光部17b,18b、21bとの配置位置については、例えば、搬送方向に対して右側に投光部17a,18a、21aを配置し、搬送方向に対して左側に受光部17b,18b、21bを配置することができる。これにより、前端側荷崩れセンサ17、後端側荷崩れセンサ18、及び、高さ検出センサの夫々における投光部17a,18a、21aをコンベヤ本体16の横幅方向の同じ側に配置し、受光部17b,18b、21bもコンベヤ本体16の横幅方向の同じ側に配置することができる。
【0034】
以下、自動倉庫4に物品Bを搬入する場合の動作を説明する。
運転制御装置は、搬入部5に物品Bが搬入されたことを示す搬入情報の入力により、前端側荷崩れセンサ17の検出情報から、搬入部5に搬入された物品Bの搬送方向の前端側の荷崩れの有無を検出する。ここで、搬入情報の入力については、図示は省略するが、搬入部5に搬入作業完了ボタンが設置されており、作業者が、搬入部5に対する物品Bの搬入作業が終了してこの搬入作業完了ボタンをON操作することで、運転制御装置に搬入情報が入力されるように構成されている。
【0035】
そして、運転制御装置は、搬入部5に搬入された物品Bに荷崩れが有れば、ランプやブザーを作動させて荷崩れ異常であることを作業者等に報知しており、作業者が物品Bの姿勢等を修正する修正作業を行うことで、荷崩れ異常が解除される。
【0036】
運転制御装置は、前端側荷崩れセンサ17の検出情報から搬入部5に搬入された物品Bの搬送方向の前端側の荷崩れが無いことを確認すると、コンベヤ6を作動させて、搬入部5から物品授受部2に物品Bを搬送させる。このとき、運転制御装置は、高さ検出センサの検出情報から、コンベヤ6にて搬送される物品Bの高さが設定高さよりも高いか否かを検出している。そして、設定高さよりも高い場合には、運転制御装置が、ランプやブザーを作動させて高さ異常であることを作業者等に報知するとともに、コンベヤ6の作動を停止させる等の異常処理を行って、作業者により物品の高さを修正する作業を行うようにしている。ここで、搬送方向に間隔を隔てて2つの高さ検出センサが設けられているが、搬送方向の上流側の高さ検出センサのみにより物品Bの高さを検出してもよいし、2つの高さ検出センサの双方にて物品Bの高さを検出してもよい。
【0037】
そして、運転制御装置は、コンベヤ6にて搬送される物品Bが搬送終端位置H2に到達したことを示す搬送終了情報の入力により、後端側荷崩れセンサ18の検出情報から、物品授受部2に搬送された物品Bの搬送方向の後端側の荷崩れの有無を検出する。ここで、搬送終了情報の入力については、コンベヤ6にて予め搬送終端位置H2に物品Bが到達したか否かを検出する在荷センサ(例えば投受光式のセンサや搬送終端位置H2に到達した物品Bにより下方側に押圧されてON操作される接触式のセンサ)が設けられているので、この在荷センサにて搬送終端位置H2に物品Bが到達したことを検出することで、運転制御装置に搬送終了情報が入力される。
【0038】
そして、運転制御装置は、荷崩れが有ればランプやブザーを作動させて荷崩れ異常であることを作業者等に報知し、作業者が物品Bの姿勢等を修正する修正作業を行うようにしている。運転制御装置は、後端側荷崩れセンサ18にて物品授受部2に搬送された物品Bの搬送方向の後端側の荷崩れを検出しない荷崩れ無し情報の入力により、スタッカークレーン3を作動させて、物品授受部2から物品Bを受け取り、その受け取った物品Bを物品収納棚1における複数の収納部10の何れかに収納している。
【0039】
上述の如く、この実施形態では、コンベヤ6の搬送方向を逆転させることにより、物品授受部2から搬入部5に物品Bを搬送可能に構成されている。これにより、1つのコンベヤ6を用いて物品Bの搬入及び搬出を行うことができ、搬入部5が自動倉庫4からの物品Bを搬出する搬出部を兼用するように構成されている。そこで、以下、自動倉庫4から物品Bを搬入部5に搬出する場合について説明する。
【0040】
運転制御装置が、スタッカークレーン3を作動させて、搬出する物品Bを収納部10から取り出して物品授受部2に搬送する。そして、スタッカークレーン3により物品授受部2に物品Bが搬送されると、運転制御装置は、コンベヤ6を作動させて、物品授受部2から搬入部5に物品Bを搬送する。このとき、物品授受部2では、運転制御装置が、後端側荷崩れセンサ18の検出情報から、物品授受部2に位置する物品Bについて搬送方向の前端側(搬入部5側)の荷崩れの有無を検出することができる。また、搬入部5では、運転制御装置が、前端側荷崩れセンサ17の検出情報から、搬入部5に位置する物品Bについて搬送方向の後端側(物品授受部2側)の荷崩れの有無を検出することができる。さらに、運転制御装置が、高さ検出センサの検出情報から、コンベヤ6にて搬送される物品Bの高さが設定高さよりも高いか否かを検出することができる。そして、運転制御装置は、予め設置されている在荷センサにより、コンベヤ6にて搬送される物品Bが物品授受部2から搬入部5に到達したことを示す搬送終了情報の入力があると、コンベヤ6の作動を停止する。
【0041】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、搬入情報の入力について、搬入部5に搬入作業完了ボタンのON操作により行うようにしているが、例えば、コンベヤ6の搬送始端位置H1である搬入部5に物品Bが載置されているか否かを検出する載置センサを設け、その載置センサの検出結果が搬入部5に物品Bが載置されていない状態から搬入部5に物品Bが載置されている状態に変化したことにより、運転制御装置が搬入情報の入力を受けるように構成することもできる。
【0042】
(2)上記実施形態では、コンベヤ6の搬送方向を逆転させることで、コンベヤ6を搬入用とするだけでなく、搬出用としても用いて、搬入部5が搬出部を兼用するようにしているが、搬入部5とは別に搬出部を備え、スタッカークレーン3との物品授受部も別に備え、その別に備えた物品授受部と搬出部との間で物品を搬送するコンベヤを設けて実施することも可能である。つまり、搬入部及びその搬入部と物品授受部との間で物品を搬送するコンベヤについては、共通のものを設けるものに限らず、搬入用専用のものと搬出用専用のものとを別々に設けることができる。
【0043】
(3)上記実施形態では、コンベヤ6の横幅方向の両側の夫々にセンサ設置用支持部19を設けているが、この一対のセンサ設置用支持部19の上端部同士を連結する上部連結部を備え、前端側荷崩れセンサ17及び後端側荷崩れセンサ18における投光部17a,18a及び受光部17b,18bを支持する支持体を一対のセンサ設置用支持部19及び上部連結部を備えたセンサ支持体にて構成することもできる。
【符号の説明】
【0044】
1 物品収納棚
2 物品授受部
3 物品搬送装置(スタッカークレーン)
4 自動倉庫
5 搬入部
6 コンベヤ
16 コンベヤ本体
17 前端側荷崩れセンサ
17a 前端側投光部
17b 前端側受光部
18 後端側荷崩れセンサ
18a 後端側投光部
18b 後端側受光部
19 センサ設置用支持部
21a,21b 高さ検出センサ
B 物品
H1 搬送始端位置
H2 搬送終端位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送始端位置から搬送終端位置に物品を搬送するコンベヤ本体と、そのコンベヤ本体にて搬送される物品の荷崩れを検出する荷崩れ検出手段とを備えたコンベヤ装置であって、
前記荷崩れ検出手段として、前記搬送始端位置に位置する物品に対して前記コンベヤ本体による搬送方向の前端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサと、前記搬送終端位置に位置する物品に対して前記搬送方向の後端側の荷崩れを検出する前端側荷崩れセンサとは別の後端側荷崩れセンサとが備えられているコンベヤ装置。
【請求項2】
前記前端側荷崩れセンサ及び前記後端側荷崩れセンサが、前記コンベヤ本体の横幅方向に沿って検出用光を投光する投光部及びその投光部にて投光された検出用光を受光する受光部を備えた投受光式のセンサであり、前記前端側荷崩れセンサの前記投光部及び前記受光部を支持する一対の支持部と前記後端側荷崩れセンサの前記投光部及び前記受光部を支持する一対の支持部とが、前記コンベヤ本体の横幅方向の両端部の夫々に設置された一対のセンサ設置用支持部にて構成されている請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
前記物品の高さが設定高さよりも高いか否かを検出する高さ検出センサが備えられ、前記高さ検出センサが、前記センサ設置用支持部に支持されている請求項2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記コンベヤ本体は、物品収納棚及びその物品収納棚と物品授受部との間で物品を搬送する物品搬送装置を備えた自動倉庫への物品の搬入部を前記搬送始端位置とし且つ前記物品搬送装置の前記物品授受部を前記搬送終端位置として配置されている請求項1〜3の何れか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
前記搬送方向での前記前端側荷崩れセンサと前記後端側荷崩れセンサとの設置間隔は、前記搬送方向での前記物品の全長よりも小さく設定されている請求項1〜4の何れか1項に記載のコンベヤ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−42497(P2011−42497A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193599(P2009−193599)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】