説明

サンプリングミキサ回路

【課題】サンプリングパルスの周波数を高めたりデューティ比を特別に絞り込むことなく実効的にデューティ比の小さいサンプリングパルスを得ることができ、従って、高域までの周波数特性に関する要求水準が緩和されたサンプリングミキサ回路を提供する。
【解決手段】サンプリングに適用する各キャパシタC1〜C4の充電経路となる各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4を第1スイッチおよび第2スイッチの直列接続回路を含むように構成し、これら各電流パスが所定の各位相差で順次周期的に導通すると共に各電流パス毎の第1および第2スイッチが所定の位相差でオンになる多相のサンプリングパルスを各対応する第1スイッチおよび第2スイッチに供給することによって、各電流パスにおける導通状態の繰り返しに関するデューティ比が上記サンプリングパルスのデューティ比よりも小さくなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は単相の入力信号に基づいて該入力信号を周波数変換した多相のミキシング出力信号を得るサンプリングミキサ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、単相の入力信号を所定の一の周波数で位相の異なる複数系統のサンプリングパルスでサンプリングすることにより当該複数系統のサンプリングパルスに対応した多相のミキシング出力信号に変換するサンプリングミキサ回路が提案されている。
図14は、従来のサンプリングミキサ回路を例示する図である。
図14において、サンプリングミキサ回路1400は、電流信号生成回路1401と、負荷回路1402と、サンプリング部1403と、サンプリング制御部1404とを備えている。
【0003】
電流信号生成回路1401は、例えば、受信RF信号である入力信号の周波数に対応した周波数の電流信号を生成する電流源である。
また、負荷回路1402は、電流信号生成回路の出力電流に応じた電圧降下を生起させる負荷となる回路である。
更に、サンプリング部1403は、負荷回路1402に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続され各自己の充電電圧を複数相のうちの各一相のミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4として出力する複数(本例では4つ)のキャパシタC10,C20,C30,C40と、これら複数のキャパシタC10〜C40を負荷回路1402に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続するように導通状態と遮断状態とが切換わる各対応するスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を含む複数(本例では4つ)の電流パス1403−1,1403−2,1403−3,1403−4を含んでいる。
【0004】
また、サンプリング制御部1404は、各電流パス1403−1,1403−2,1403−3,1403−4毎のスイッチSW1〜SW4に対しそれらの開閉を制御するサンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNを各供給する。
図15は、図14のサンプリングミキサ回路におけるサンプリング制御部が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。
図14のサンプリング制御部1404が発する各サンプリングサンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNは、何れも周波数がfloであって、図15に示されたように、デューティ比25パーセント、且つ、LOIPからLOQP,LOIN,LOQNの順に位相が順次各90度遅延している。
【0005】
電流信号生成回路1401による受信RF信号(入力信号)の周波数に対応した周波数の電流信号Iinは、負荷回路1402に並列接続されたサンプリング部1403においてサンプリングされ、二つの信号sin(2πfrf・t)およびsin(2πflo・t)の積が出力される。
即ち、この出力は次式の如く表される:
sin(2πfrf・t)×sin(2πflo・t)=1/2[cos{2π(frf-flo)・t}−cos{2π(frf+flo)・t}]
この結果、周波数frf+floと|frf-flo|との二つの周波数を持つ4相出力が得られる。即ち、これらの出力がサンプリング部1403におけるミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4として出力される信号である。
【0006】
図140のサンプリング回路1403の各出力信号は図16の波形図の如く表される。
図16(a)は、入力電流信号Iin、サンプリングパルスLOIP、および、ミキシング出力信号OUT1のタイミング関係を表している。
図16(b)は、入力電流信号Iin、サンプリングパルスLOQP、および、ミキシング出力信号OUT2のタイミング関係を表している。
図16(c)は、入力電流信号Iin、サンプリングパルスLOIN、および、ミキシング出力信号OUT3のタイミング関係を表している。
図16(d)は、入力電流信号Iin、サンプリングパルスLOQN、および、ミキシング出力信号OUT4のタイミング関係を表している。
【0007】
図14〜図16を参照して既述のようなサンプリングミキサ回路では、単相の入力信号に対応する4相のミキシング出力信号得るには、周波数が一定でデューティ比25パーセント且つ位相が順次各90度遅延し4相のサンプリングパルスが必要となる。
このようなサンプリングパルスを得る手法として、ローカル信号(LO信号)の2倍の周波数を用いて擬似的にデューティ比25パーセントの信号を生成する技術(所謂2LO−LO方式)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】An Integrated Closed-Loop Polar Transmitter with Saturation Prevention and Low-IF Receiver for Quad-Band GPRS/EDGE(ISSCC2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献1所載のような2LO−LO方式を適用したサンプリングミキサ回路では、LO信号の他にその2倍の周波数の信号を必要とし、この2倍の周波数の信号でサンプリング部のスイッチを駆動する必要がある。従って、通例の如く集積回路として構成されるこの種の回路において、スイッチを構成するMOSトランジスタ(そのゲート容量)を高い周波数(LO信号の2倍の周波数)で駆動することから必然的に大きな電力が必要とされるといった課題がある。
【0010】
また一方、この種の単相入力−4相出力のサンプリングミキサ回路において、各キャパシタ間での短絡を回避するためにはデューティ比25パーセントの信号が必要であるが、このようなデューティ比の小さいサンプリングパルスを得るためには高い周波数域においても正規の動作が保証される高価なデジタル回路が必要とされるといった課題がある。
本発明は上述のような従来の技術課題に鑑みてなされたものであり、サンプリングパルスの周波数を高めたりデューティ比を特別に絞り込むことなく実効的にデューティ比の小さいサンプリングパルスを得ることができ、従って、高域までの周波数特性に関する要求水準が緩和されたサンプリングミキサ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述のような課題を解決するべく、ここに次に列記するような技術を提案する。
(1)入力信号の周波数に対応した周波数の電流信号を生成する電流信号生成回路と、
前記電流信号生成回路の該電流信号に応じた電圧降下を生起させる負荷回路と、
前記負荷回路に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続され各自己の充電電圧を複数相のうちの各一相のミキシング出力信号として出力する複数のキャパシタと、
複数相のサンプリングパルスによってオン状態とオフ状態とが選択的に設定される第1スイッチおよび第2スイッチの直列接続回路をそれぞれ含み前記複数のキャパシタを前記負荷回路に対してそれぞれ前記所定のタイミングで並列に接続するように導通状態と遮断状態とが切換わる複数の電流パスと、
前記複数の各電流パスを相互に所定の位相差で順次周期的に導通状態に設定すると共に当該電流パス毎の第1スイッチおよび第2スイッチを相互に所定の位相差でオン状態に設定することによって、前記各電流パスにおける導通状態の繰り返しに関するデューティ比が前記サンプリングパルスのデューティ比よりも小さくなる前記複数相のサンプリングパルスを各対応する前記第1スイッチおよび第2スイッチに供給するサンプリング制御部と、
を備えていることを特徴とするサンプリングミキサ回路。
【0012】
上記(1)のサンプリングミキサ回路では、電流信号生成回路によって、入力信号の周波数に対応した周波数の電流信号を生成する。また、負荷回路によって、前記電流信号生成回路の出力である信号電流に応じた電圧降下を生起させる。また、前記負荷回路に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続される複数のキャパシタによって、これらキャパシタの充電電圧を複数相のうちの各一相のミキシング出力信号として出力する。更に、複数相のサンプリングパルスによってオン状態とオフ状態とが選択的に設定される第1スイッチおよび第2スイッチの直列接続回路をそれぞれ含みその導通状態と遮断状態とを切換わる複数の電流パスによって、前記複数のキャパシタを前記負荷回路に対してそれぞれ前記所定のタイミングで並列に接続する。更にまた、サンプリング制御部が、前記複数の各電流パスを相互に所定の位相差で順次周期的に導通状態に設定すると共に当該電流パス毎の第1スイッチおよび第2スイッチを相互に所定の位相差でオン状態に設定することによって、前記各電流パスにおける導通状態の繰り返しに関するデューティ比が前記サンプリングパルスのデューティ比よりも小さくなる前記複数相のサンプリングパルスを各対応する前記第1スイッチおよび第2スイッチに供給する。
【0013】
(2)前記複数の各一の電流パスは、前記第1スイッチおよび第2スイッチのうちの何れかを他の電流パスと共通にして構成されていることを特徴とする(1)のサンプリングミキサ回路。
上記(2)のサンプリングミキサ回路では、(1)のサンプリングミキサ回路において特に、前記複数の各一の電流パスは、前記第1スイッチおよび第2スイッチのうちの何れかを他の電流パスと共通にして構成されている。このため、該共通に適用して構成されている何れかのスイッチについてはその個数が削減され、集積回路におけるスイッチ1個当りの実装面積を該削減された個数に応じて大きくすることが可能になり、全体としてスイッチ回路のオン抵抗を抑制した損失の少ないサンプリングミキサ回路を実現することが可能になる。
【0014】
(3)前記複数の各一の電流パスに対して当該一の電流パスと導通状態の繰り返し周波数および位相が等しい補助電流パスがそれぞれ並列に設けられていることを特徴とする(1)のサンプリングミキサ回路。
上記(3)のサンプリングミキサ回路では、(1)のサンプリングミキサ回路において特に、前記複数の各一の電流パスに対して当該一の電流パスと導通状態の繰り返し周波数および位相が等しい補助電流パスがそれぞれ並列に設けられている。このため、電流パスのオン抵抗を低減することができ、全体として損失の少ないサンプリングミキサ回路を実現することが可能になる。
【0015】
(4)前記サンプリング制御部は、前記サンプリングパルスとしてデューティ比50パーセントの矩形波を生成することを特徴とする(1)のサンプリングミキサ回路。
上記(4)のサンプリングミキサ回路では、(1)のサンプリングミキサ回路において特に、前記サンプリング制御部は、前記サンプリングパルスとしてデューティ比50パーセントの矩形波を生成する。このため、デューティ比が相対的に小さい(例えば25パーセント)サンプリングパルスを生成する場合に比し、高周波域の特性に係る要求水準が緩和される。
【0016】
(5)前記キャパシタおよび電流パスの数は各4であり、前記サンプリング制御部は、各90度の位相差を有する4相の前記サンプリングパルスを生成することを特徴とする(1)のサンプリングミキサ回路。
上記(5)のサンプリングミキサ回路では、(1)のサンプリングミキサ回路において特に、前記キャパシタおよび電流パスの数は各4であり、前記サンプリング制御部は、順次各90度の位相差を有する4相の前記サンプリングパルスを生成する。このため、順次各90度の位相差を有する4相の前記サンプリングパルスを適用して単相の入力信号から4相のミキシング出力信号を得ることができる。
【0017】
(6)前記電流信号生成回路は低雑音増幅器を含むことを特徴とする(1)のサンプリングミキサ回路。
上記(6)のサンプリングミキサ回路では、(1)のサンプリングミキサ回路において特に、前記電流信号生成回路は低雑音増幅器を含む構成である。このため、低ノイズ特性を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
サンプリングパルスの周波数を高めたりデューティ比を特別に絞り込むことなく実効的にデューティ比の小さいサンプリングパルスを得ることができ、従って、高域までの周波数特性に関する要求水準が緩和されたサンプリングミキサ回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一つの実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
【図2】図1のサンプリングミキサ回路におけるサンプリング制御部が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。
【図3】図1のサンプリングミキサ回路における各電流パス毎の、導通および遮断状態の切り換わりを表すタイミング図である。
【図4】本発明の他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
【図5】図4のサンプリングミキサ回路におけるサンプリング制御部が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。
【図6】図4のサンプリングミキサ回路における各電流パス毎の、導通および遮断状態の切り換わりを表すタイミング図である。
【図7】本発明の更に他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
【図8】図7のサンプリングミキサ回路におけるサンプリング制御部が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。
【図9】図7のサンプリングミキサ回路における各電流パス毎の、導通および遮断状態の切り換わりを表すタイミング図である。
【図10】図7の実施の形態の或る期間における回路の状態を該当するスイッチのオン抵抗を抵抗の回路記号で表した等価回路である。
【図11】本発明の更に他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
【図12】本発明の更に他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
【図13】図12のサンプリングミキサ回路におけるサンプリング制御部が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。
【図14】従来のサンプリングミキサ回路を例示する図である。
【図15】図14のサンプリングミキサ回路におけるサンプリング制御部が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。
【図16】図14のサンプリングミキサ回路の各出力信号を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一つの実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
図1において、サンプリングミキサ回路110は、電流信号生成回路111と、負荷回路112と、サンプリング部113と、サンプリング制御部114とを備えている。
電流信号生成回路111は、例えば、受信RF信号である入力信号の周波数に対応した周波数の電流信号を生成する電流源である。
また、負荷回路112は、電流信号生成回路の出力電流に応じた電圧降下を生起させる負荷となる回路である。
【0021】
更に、サンプリング部113は、負荷回路112に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続され各自己の充電電圧を複数相(本例では4相)のうちの各一相のミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4として出力する複数(本例では4つ)のキャパシタC1,C2,C3,C4と、これら複数のキャパシタC1〜C4を負荷回路142に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続するように導通状態と遮断状態とが切換わる複数(本例では4つ)の電流パス113−1,113−2,113−3,113−4を含んでいる。
【0022】
そして、各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4は、各対応する第1スイッチSW1,SW3,SW5,SW7と、これら第1スイッチに各対応する第2スイッチSW2,SW4,SW6,SW8との直列接続回路をそれぞれ含んでいる。
また、サンプリング制御部114は、各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4毎の各対応する第1スイッチSW1,SW3,SW5,SW7と、これら第1スイッチに各対応する第2スイッチSW2,SW4,SW6,SW8に対しそれらの開閉を制御するサンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNを各供給する。第1スイッチSW1,SW3,SW5,SW7、および、第2スイッチSW2,SW4,SW6,SW8は、それぞれ、サンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNのH期間でオン、L期間でオフとなる。
【0023】
図2は、図1のサンプリングミキサ回路110におけるサンプリング制御部114が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。
図1のサンプリング制御部114が発する各サンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNは、何れも周波数がflo(第1の周波数)であって、図2に示されたように、デューティ比50パーセント、且つ、LOIPからLOQP,LOIN,LOQNの順に位相が順次各90度遅延している。
【0024】
図3は、図1のサンプリングミキサ回路110における各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4毎の、導通(オン)および遮断(オフ)の状態の切り換わりを表すタイミング図である。図3に示されたとおり、電流パス113−1は、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2がオンの期間T1に導通状態となり、それ以外の期間T2,T3,T4は遮断状態を維持する。同様に、電流パス113−2は、第1スイッチSW3および第2スイッチSW4がオンの期間T2に導通状態となり、それ以外の期間T1,T3,T4は遮断状態を維持する。また、電流パス113−3は、第1スイッチSW5および第2スイッチSW6がオンの期間T3に導通状態となり、それ以外の期間T1,T2,T4は遮断状態を維持する。更に、電流パス113−4は、第1スイッチSW7および第2スイッチSW8がオンの期間T4に導通状態となり、それ以外の期間T1,T2,T3は遮断状態を維持する。
【0025】
この結果、各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4は、それぞれデューティ比50パーセントのパルス信号で駆動されながら、それらの導通状態に関する繰り返しのデューティ比は、実効的に、デューティ比25パーセントのサンプリングパルスに同期させて各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4を導通させるように駆動した場合に相当する小さいものとなる。
【0026】
図1のサンプリングミキサ回路110では、サンプリング部113の各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4が図3に表されたように周期的に導通し、これらの導通期間毎に各対応するキャパシタC1〜C4を充電することによって入力RF信号(周波数frf)をサンプリングして、周波数frf±flo、且つ、位相が順次各90度遅延した4相のミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4が得られる。
【0027】
この場合、上述のように各電流パス113−1,113−2,113−3,113−4が図3に表されたように小さいデューティ比で周期的に導通する。従って、サンプリング回路143におけるサンプリング動作の過程で、各キャパシタC1〜C4の何れの間でも短絡が生じることがない。このため損失が少なく、高い利得が得られ、また、低ノイズの特性が得られる。更にまた、サンプリングパルスとしてデューティ比25パーセントのものを生成させる必要がなく、サンプリングパルスを発生させる回路部に対する高周波特性に関する要求水準が緩和される。
また、デューティ比25パーセントのサンプリングパルスは周波数変換後の信号に対してカットオフ周波数Fc=1/(2πZ×4C)を持つ。このカットオフ特性により周波数変換と同時に受信感度劣化を引き起こす妨害波除去を行うことができるが、その容量のサイズを4分の1に抑制することができる。
【0028】
図4は、本発明の他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
図4において、サンプリングミキサ回路140は、電流信号生成回路141と、負荷回路142と、サンプリング部143と、サンプリング制御部144とを備えている。
電流信号生成回路141は、例えば、受信RF信号である入力信号の周波数に対応した周波数の電流信号を生成する電流源である。
また、負荷回路142は、電流信号生成回路の出力電流に応じた電圧降下を生起させる負荷となる回路である。
【0029】
更に、サンプリング部143は、負荷回路142に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続され各自己の充電電圧を複数相(本例では4相)のうちの各一相のミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4として出力する複数(本例では4つ)のキャパシタC1,C2,C3,C4と、これら複数のキャパシタC1〜C4を負荷回路142に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続するように導通状態と遮断状態とが切換わる複数(本例では4つ)の電流パス143−1,143−2,143−3,143−4を含んでいる。
【0030】
そして電流パス143−1は第1スイッチSW11と第2スイッチSW21との直列接続回路を含んでいる。また、電流パス143−2は第1スイッチSW12と第2スイッチSW21との直列接続回路を含んでいる。更に、電流パス143−3は第1スイッチSW13と第2スイッチSW22との直列接続回路を含んでいる。更にまた、電流パス143−4は第1スイッチSW14と第2スイッチSW22との直列接続回路を含んでいる。
【0031】
上述のとおり、電流パス143−1および電流パス143−2は、それらにおける第2スイッチSW21を共通にして構成されている。また、電流パス143−3および電流パス143−4は、それらにおける第2スイッチSW22を共通にして構成されている。
また、サンプリング制御部144は、各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4毎の各対応する第1スイッチSW11,SW12,SW13,SW14と、これら第1スイッチSW11,SW12に対応する第2スイッチSW21、また、第1スイッチSW13,SW14に対応する第2スイッチSW22に対し、それらの開閉を制御するサンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNを各供給する。
【0032】
この実施の形態では、より具体的には、第1スイッチSW11およびSW13に対してサンプリングパルスLOIPを供給する。また、1スイッチSW12およびSW14に対してサンプリングパルスLOINを供給する。図5を参照して確認されるとおり、これらサンプリングパルスLOIPおよびLOINは、180度の位相差を有する。また第2スイッチSW21に対してサンプリングパルスLOQNを供給し、第2スイッチSW22に対してはサンプリングパルスLOQPを供給する。これらサンプリングパルスLOQNおよびLOQPは180度の位相差を有する。
【0033】
第1スイッチSW11,SW12,SW13,SW14、および、第2スイッチSW21,SW22は、それらに対して上述の如く供給されるサンプリングパルスのH期間でオン、L期間でオフとなる。
図5は、図4のサンプリングミキサ回路140におけるサンプリング制御部144が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。図5を参照して明らかなとおり、サンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNは、何れもデューティ比50パーセントの矩形波であり、サンプリングパルスLOIP以降順次各90度位相が遅延している。尚、サンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNは何れも周波数がflo(第1の周波数)である。
【0034】
図6は、図4のサンプリングミキサ回路140における各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4毎の、導通(オン)および遮断(オフ)の状態の切り換わりを表すタイミング図である。
図6に示されたとおり、電流パス143−1は、第1スイッチSW11および第2スイッチSW21がオンの期間T1に導通状態となり、それ以外の期間T2,T3,T4は遮断状態を維持する。
また、電流パス143−3は、第1スイッチSW13および第2スイッチSW22がオンの期間T2に導通状態となり、それ以外の期間T1,T3,T4は遮断状態を維持する。
【0035】
更に、電流パス143−4は、第1スイッチSW14および第2スイッチSW22がオンの期間導T3に通状態となり、それ以外の期間T1,T2,T4は遮断状態を維持する。
更にまた、電流パス143−2は、第1スイッチSW12および第2スイッチSW21がオンの期間T4に導通状態となり、それ以外の期間T1,T2,T3は遮断状態を維持する。
この結果、各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4は、それぞれデューティ比50パーセントのパルス信号で駆動されながら、それらの導通状態に関する繰り返しのデューティ比は、実効的に、デューティ比25パーセントのサンプリングパルスに同期させて各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4を導通させるように駆動した場合に相当する小さいものとなる。
【0036】
図4のサンプリングミキサ回路140では、サンプリング部143の各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4が図6に表されたように周期的に導通し、これらの導通期間毎に各対応するキャパシタC1〜C4を充電することによって入力RF信号(周波数frf)をサンプリングして、周波数frf±flo、且つ、位相が順次各90度遅延した4相のミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4が得られる。
【0037】
この場合、上述のように各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4が図6に表されたように小さいデューティ比で周期的に導通する。従って、サンプリング回路143におけるサンプリング動作の過程で、各キャパシタC1〜C4の何れの間でも短絡が生じることがない。このため損失が少なく、高い利得が得られ、また、低ノイズの特性が得られる。更にまた、サンプリングパルスとしてデューティ比25パーセントのものを生成させる必要がなく、サンプリングパルスを発生させる回路部に対する高周波特性に関する要求水準が緩和される。
【0038】
また、デューティ比25パーセントのサンプリングパルスは周波数変換後の信号に対してカットオフ周波数Fc=1/(2πZ×4C)を持つ。このカットオフ特性により周波数変換と同時に受信感度劣化を引き起こす妨害波除去を行うことができるが、その容量のサイズを4分の1に抑制することができる。
更に、図4の実施の形態では、既述のように、複数の各一の電流パス143−1,143−2,143−3,143−4は、第1スイッチおよび第2スイッチのうち第2スイッチを他の電流パスと共通にして構成されている。このため、該共通に適用して構成されている第2スイッチ(SW21,SW22)についてはその個数が削減され、集積回路におけるスイッチ1個当りの実装面積を該削減された個数に応じて大きくすることが可能になり、全体としてスイッチ回路のオン抵抗を抑制した損失の少ないサンプリングミキサ回路を実現することが可能になる。
【0039】
図1の実施の形態との比較においては、スイッチのオン抵抗の合計がRsw+Rsw=2Rswであるのに対し、図4の実施の形態ではRsw+Rsw/2=3Rsw/2に低減することができる。従って、同じスイッチ駆動能力をもつサンプリングパルスを用いた場合、図4の実施の形態では図1の実施形態に比し高ゲイン且つ低ノイズ化を実現することができる。
図7は、本発明の更に他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
【0040】
図7において、サンプリングミキサ回路170は、電流信号生成回路171と、負荷回路172と、サンプリング部173と、サンプリング制御部174と補助サンプリング部175を備えている。サンプリングミキサ回路170におけるこれら電流信号生成回路171、負荷回路172、サンプリング部173、および、サンプリング制御部174は、図4を参照して既述のサンプリングミキサ回路140における電流信号生成回路141、負荷回路142、サンプリング部143、および、サンプリング制御部144と相似的な構成を有している。
このため、図7において、サンプリングミキサ回路170のサンプリング部173における各電流パスおよびこれら電流パスの各第1および第2スイッチについては図4におけると同様の符号を附して示し、既述の対応部に関する説明を援用する。
【0041】
しかしながら、図7の実施の形態では、図4の構成に加えて、補助サンプリング部175が設けられている。この補助サンプリング部175はサンプリング部173における各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4に各対応して並列接続された補助電流パス175−1,175−3,175−2,175−4を有する。この補助電流パス175−1は第1スイッチSW31と第2スイッチSW41との直列接続回路を含んでいる。また、電流パス175−3は第1スイッチSW32と第2スイッチSW41との直列接続回路を含んでいる。更に、電流パス175−2は第1スイッチSW33と第2スイッチSW42との直列接続回路を含んでいる。更にまた、電流パス175−4は第1スイッチSW34と第2スイッチSW42との直列接続回路を含んでいる。
【0042】
上述のとおり、補助電流パス175−1および補助電流パス175−3は、それらにおける第2スイッチSW41を共通にして構成されている。また、電流パス175−2および電流パス175−4は、それらにおける第2スイッチSW42を共通にして構成されている。
図8は、サンプリング制御部174から発せられるサンプリングパルスを表す波形図である。図8より容易に理解されるとおり、図7の実施の形態におけるサンプリング制御部174から発せられる4相のサンプリングパルスLOIP,LOQP,LOIN,LOQNは、何れも周波数がflo(第1の周波数)でデューティ比50パーセントの矩形波であり、図2および図5と同様にサンプリングパルスLOIP以下順次各90度位相が遅延している。
【0043】
図9は、図7のサンプリングミキサ回路における各電流パス毎の、導通および遮断状態の切り換わりを表すタイミング図である。
サンプリング部173の各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4には、既述のように対応した補助電流パス175−1,175−3,175−2,175−4が並列接続され、これら並列接続された電流パスの各組ではそれらにおける導通(オン)および遮断(オフ)のタイミングが同期している。
【0044】
図7のサンプリングミキサ回路170では、サンプリング部173の各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4が図9に表されたように周期的に導通し、これに伴なって、これらに並列接続された各対応する補助電流パス175−1,175−3,175−2,175−4も同期して周期的に導通する。
これらの導通期間毎に各対応するキャパシタC1〜C4を充電することによって入力RF信号(周波数frf)をサンプリングして、周波数frf±flo、且つ、位相が順次各90度遅延した4相のミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4が得られる。
【0045】
この場合、上述のように各電流パス143−1,143−2,143−3,143−4が図6に表されたように小さいデューティ比で周期的に導通する。従って、サンプリング回路143におけるサンプリング動作の過程で、各キャパシタC1〜C4の何れの間でも短絡が生じることがない。このため損失が少なく、高い利得が得られ、また、低ノイズの特性が得られる。更にまた、サンプリングパルスとしてデューティ比25パーセントのものを生成させる必要がなく、サンプリングパルスを発生させる回路部に対する高周波特性に関する要求水準が緩和される。
【0046】
また、デューティ比25パーセントのサンプリングパルスは周波数変換後の信号に対してカットオフ周波数Fc=1/(2πZ×4C)を持つ。このカットオフ特性により周波数変換と同時に受信感度劣化を引き起こす妨害波除去を行うことができるが、その容量のサイズを4分の1に抑制することができる。
更に、図7の実施の形態では、既述のように、複数の各一の電流パス143−1,143−2,143−3,143−4は、第1スイッチおよび第2スイッチのうち第2スイッチを他の電流パスと共通にして構成されている。またこの点は、補助電流パス175−1,175−3,175−2,175−4について同様である。
【0047】
このため、該共通に適用して構成されている第2スイッチ(SW21,SW22;SW41,SW42)についてはその個数が削減され、集積回路におけるスイッチ1個当りの実装面積を該削減された個数に応じて大きくすることが可能になり、全体としてスイッチ回路のオン抵抗を抑制した損失の少ないサンプリングミキサ回路を実現することが可能になる。
ここで、図7のサンプリング部173を駆動するサンプリングパルス信号のスイッチ駆動能力が、図1の実施の形態におけるサンプリングパルス信号のスイッチ駆動能力同じであるとすると、図7の構成では、図1に対しスイッチの数が3/2倍になっているためスイッチサイズは2/3倍となりオン抵抗は3/2Rswとなる。
【0048】
図10は、図7の実施の形態における期間T1における回路状態を該当する各スイッチのオン抵抗を抵抗の回路記号で表した等価回路である。
期間T1において電流信号はキャパシタC1にのみ積分されるが、この時オン抵抗の合計は(3/2Rsw+3/2Rsw)/2=3/2Rswとなり、図4の実施の形態と同等になる。よって同じスイッチ駆動能力をもつサンプリングパルス信号を用いた場合、図7の実施の形態では、図4の実施の形態と同等のノイズ特性、ゲイン特性を実現することができる。
【0049】
一方、図7の実施の形態において、SW21を駆動するサンプリングパルスLOQNは寄生容量によって第1スイッチと第2スイッチとの接続中点である中間ノードAに漏れ込む。このため、ノードAではサンプリング周波数floの信号が発生した場合、その信号はサンプリングパルスLOIPで駆動されるSW11やLOINで駆動されるSW12によって再度サンプリングされることにより、出力DCオフセットを生じる。
本実施の形態では、サンプリング部174に対して、サンプリングパルスのI相およびQ相と第1スイッチおよび第2スイッチとの対応関係を反転させた補助サンプリング部175を附設することにより、サンプリング部174で発生した出力のDCオフセットを補助サンプリング部175でキャンセルすることができる。
【0050】
図11は、本発明の更に他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
図11において、サンプリングミキサ回路1100は、電流信号生成回路1101と、負荷回路1102と、サンプリング部1103と、サンプリング制御部1104と、補助サンプリング部1105を備えている。サンプリングミキサ回路1100におけるこれら各部のうち、負荷回路1102、サンプリング部1103、サンプリング制御部1104、および、補助サンプリング部1105は、図7を参照して既述のサンプリングミキサ回路170における負荷回路172、サンプリング部173、サンプリング制御部174、および、補助サンプリング部175と相似的な構成を有している。
【0051】
このため、図11において、サンプリングミキサ回路1100のサンプリング部1103、および、補助サンプリング部1105における各電流パスおよびこれら電流パスの各第1および第2スイッチについては図7におけると同様の符号を附して示し、既述の対応部に関する説明を援用する。
しかしながら、図11のサンプリングミキサ回路1100では、図7のサンプリングミキサ回路170におけるような通常の電流源回路を電流信号生成回路171として適用するに替えて、特に、低雑音増幅器LNAを適用している。このLNAは整合回路と電流源トランジスタTR1と、カスコードトランジスタTR2とを含んで構成される。トランジスタTR1のゲート端子は整合回路に、ドレイン端子はトランジスタTR2のソース端子に、ソース端子はインダクタンスL1を直列に介し接地されている。また、トランジスタTR2のゲート端子は所定の直流レベルにバイアスされ、ドレイン端子は負荷回路1102(従って、サンプリング部1103および補助サンプリング部1105の各負極側)に接続されている。受信RF信号(周波数frf)を電流に変換する低雑音増幅器LNAにおいて生成した低ノイズ電流をサンプリングすることで周波数frf±flo、且つ、位相が順次各90度遅延した4相のミキシング出力信号OUT1,OUT2,OUT3,OUT4が得られる。
【0052】
低雑音増幅器LNAで生成されたRF電流信号は低ノイズ特性を有するため、これを用いてサンプリング部1103を動作させることによりサンプリングミキサ回路として一層低ノイズ化が図られる。また負荷回路1102とサンプリング部1103の容量で決まる遮断周波数を適切に選ぶことにより、図11のノードA(電流信号生成回路1101とサンプリング部1103との接続部)において不要信号による電圧振幅を抑えることができるため不要波に対して強い特性を得ることができる。
【0053】
図12は、本発明の更に他の実施の形態としてのサンプリングミキサ回路を表す図である。
図12のサンプリングミキサ回路1200は、電流信号生成回路1201と、負荷回路1202と、サンプリング部1203と、サンプリング制御部1204とを備えている。これらの構成要素のうち、電流信号生成回路1201は図11について既述のものと略同様の低雑音増幅器(LNA)である。また、負荷回路1202も、既述の各例におけるものと同様である。
【0054】
しかしながら、図1を参照して既述のサンプリングミキサ回路110が単相の入力信号から4相のミキシング出力信号を得るものであったのに対し、このサンプリングミキサ回路1200は、単相の入力信号から8相のミキシング出力信号を得るように構成されている。
図1のサンプリングミキサ回路110では電流パスのスイッチを駆動させるサンプリングパルスは、90度ずつ位相がずれLOIP,LOQP,LOIN,LOQNなる4相のパルス信号であった。これを応用して45度ずつ位相がずれた8相のサンプリングパルスや、22.5度ずつ位相がずれた16相のサンプリングパルス等を用いて、直列に接続された第1スイッチおよび第2スイッチを駆動することにより多位相の出力を実現することができる。
【0055】
図12の実施の形態は、それらのうち8相のミキシング出力信号を得るサンプリングミキサ回路の例である。
図12において、サンプリング部1203の各キャパシタC1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8に各対応して、電流パス1203−1,1203−2,1203−3,1203−4,1203−5,1203−6,1203−7,1203−8が設けられている。電流パス1203−1,1203−2,1203−3,1203−4,1203−5,1203−6,1203−7,1203−8は、それらの導通によって各対応するキャパシタC1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8が負荷回路1202に並列に接続される。
【0056】
電流パス1203−1は、第1スイッチSW1−1と第2スイッチSW2−1との直列接続回路を含む。また、電流パス1203−2は、第1スイッチSW1−2と第2スイッチSW2−2との直列接続回路を含む。これ以降の各電流パス1203−3,1203−4,1203−5,1203−6,1203−7,1203−8も図12に表記の如く、同様に、各対応する第1スイッチと第2スイッチとの直列接続回路を含む。
【0057】
図13は、図12のサンプリングミキサ回路1200におけるサンプリング制御部1204が発する各サンプリングパルスを表す波形図である。図13に示されたとおり、これらのサンプリングパルスはデューティ比が50パーセントで、順次各45度の位相差を有する8相のパルス信号である。
図12のサンプリングミキサ回路1200におけるサンプリング部1203の、電流パス1203−1は、期間T1において、第1スイッチSW1−1と第2スイッチSW2−1との直列接続回路がサンプリングパルスLO1およびLO6によって導通となうように制御される。以下同様に、図13において同種のハッチングで示すサンプリングパルスが第1スイッチSW1−1と第2スイッチSW2−1との直列接続回路に供給された電流パスが順次導通し、サンプリングが行われる。
【0058】
結果的に、このサンプリングミキサ回路1200では、そのサンプリング部1203において、各電流パス1203−1,1203−2,1203−3,1203−4,1203−5,1203−6,1203−7,1203−8は、各第1スイッチおよび第2スイッチの直列接続回路によって実効的にデューティ比12.5パーセントでのサンプリングが行われる。
【0059】
同様にして16相のサンプリングパルスでは実効的にデューティ比6.25パーセントでのサンプリングが行われる。
上述のように小さいデューティ比が得られるため、各キャパシタ間での短絡が有効に回避されるため、高利得且つ低ノイズ特性を得ることができる。
また各デューティ比を得るためのサンプリングパルスは周波数変換後の信号に対してカットオフ周波数Fc=1/(2πZ×100/デューティ比[パーセント]×C)を持つ。このため、周波数変換と同時に受信感度劣化を引き起こす妨害波除去を行うことができ、且つ、その容量のサイズを1/(100/デューティ比[パーセント])に抑えることができる。
【符号の説明】
【0060】
110,140,170,1100,1200………………サンプリングミキサ回路
111,141,171,1101,1201………………電流信号生成回路
112,142,172,1102,1202………………負荷回路
113−1,113−2,113−3,113−4…………電流パス
143−1,143−2,143−3,143−4…………電流パス
175−1,175−2,175−3,175−4…………電流パス
1203−1,1203−2,1203−3,1203−4……電流パス
1203−5,1203−6,1203−7,1203−8……電流パス
114,144,174,1104,1204………………サンプリング制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号の周波数に対応した周波数の電流信号を生成する電流信号生成回路と、
前記電流信号生成回路の出力電流に応じた電圧降下を生起させる負荷回路と、
前記負荷回路に対してそれぞれ所定のタイミングで並列に接続され各自己の充電電圧を複数相のうちの各一相のミキシング出力信号として出力する複数のキャパシタと、
第1スイッチおよび第2スイッチの直列接続回路をそれぞれ含み前記複数のキャパシタを前記負荷回路に対してそれぞれ前記所定のタイミングで並列に接続するように導通状態と遮断状態とが切換わる複数の電流パスと、
前記各電流パス毎の第1スイッチおよび第2スイッチに対しそれらの開閉を制御するサンプリングパルスを各供給するサンプリング制御部と、
を有するサンプリングミキサ回路であって、
前記サンプリング制御部は、前記各電流パス毎に第1スイッチおよび第2スイッチに対応して各第1周波数であって所定の位相差を有し、且つ、前記各電流パス毎にその第1スイッチまたは第2スイッチの何れかに対応して所定の位相差を有する前記サンプリングパルスを各供給することによって、前記各電流パスにおける導通状態の繰り返しに関するデューティ比が前記第1の周波数のサンプリングパルスよりも小さいデューティ比となるように前記第1スイッチおよび第2スイッチの開閉を制御することを特徴とするサンプリングミキサ回路。
【請求項2】
前記複数の各一の電流パスは、前記第1スイッチおよび第2スイッチのうちの何れかを他の電流パスと共通にして構成されていることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングミキサ回路。
【請求項3】
前記複数の各一の電流パスに対して当該一の電流パスと導通状態の繰り返し周波数および位相が等しい補助電流パスがそれぞれ並列に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングミキサ回路。
【請求項4】
前記サンプリング制御部は、前記サンプリングパルスとしてデューティ比50パーセントの矩形波を生成することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングミキサ回路。
【請求項5】
前記キャパシタおよび電流パスの数は各4であり、前記サンプリング制御部は、順次各90度の位相差を有する4相の前記サンプリングパルスを生成することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングミキサ回路。
【請求項6】
前記電流信号生成回路は低雑音増幅器を含むことを特徴とする請求項1に記載のサンプリングミキサ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−44805(P2011−44805A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190219(P2009−190219)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】