説明

サーバ装置、端末装置およびアプリケーション制御システム

【課題】 サーバ装置から端末装置に配布された複数のアプリケーションの実行をサーバ装置から制御することができるサーバ装置、端末装置およびアプリケーション制御システムを提供する。
【解決手段】 配布サーバ10のアプリケーション管理部11は、端末20から受信した実行能力情報および端末状態情報に基づいて、端末20に送信すべきアプリケーションを決定する。アプリケーション送信部12は、決定されたアプリケーションおよび各アプリケーションの優先度レコードをサーバ通信部18によって端末20に送信する。端末20のインストール処理部28は、受信したアプリケーションをインストールする。アプリケーション実行部29は、受信した優先度レコードが示す実行の優先度に従って、アプリケーションの実行を制御し、受信した優先度レコードが示す表示の優先度に従って、アプリケーションが生成する画像情報の出力を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアプリケーションの実行を制御することができるサーバ装置、端末装置およびアプリケーション制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続されるサーバ装置(以下「サーバ」という)からアプリケーションプログラム(以下「アプリケーション」という)を、無償もしくは有償でダウンロードして利用するアプリケーション配布サービスが普及してきており、携帯端末装置、たとえば携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistants:略称「PDA」)、もしくは携帯ゲーム機など、または据え置き型端末装置、たとえばセットトップボックス(Set
Top Box:略称「STB」)、テレビジョン装置(以下「TV」という)、ビデオレコーダ、もしくはパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)などの端末装置(以下「端末」という)において利用可能となっている。
【0003】
アプリケーションは、たとえばニュース情報、天気情報、交通情報、写真、動画、ブログサービスもしくはソーシャルネットワーキングサービス (Social Network Service:略称「SNS」から提供される情報などを、サーバからネットワーク経由で受信したり、端末の持つ入力デバイス、たとえばタッチパネル、キーボード、ジョイスティック、もしくはトラックボールなど、または各種センサ、たとえば全地球測位システム(Global
Positioning System:略称「GPS」)、加速度センサ、もしくはジャイロスコープなどを制御したり、端末の持つ出力デバイス、たとえばディスプレイ、発光ダイオード(
Light Emitting Diode:略称「LED」)、スピーカ、もしくは振動装置などを制御したりする機能を有するプログラムである。アプリケーションは、端末装置において、入力デバイスによってユーザから入力された情報や、各種センサが検出した情報を取得したり、画像や音声を出力デバイスにて出力したり、サーバとの間で情報を送受信したりする機能を持つ。アプリケーションは、BASIC言語、C言語、Java(登録商標)およびJava Script(登録商標)などのプログラミング言語、Adobe Flash(登録商標)およびAdobe Air(登録商標)などのマルチメディアコンテンツ、HTML(Hyper Text Markup Language)、CSS(Cascading Style Sheet)およびDOM(Document Object Model)などのマークアップ言語、AJAX(Asynchronous Java
Script+XML)、Microsoft Silverlight(登録商標)などのウェブブラウザの拡張機能、PHP(Hypertext Preprocessor)などのウェブサーバの拡張機能、ならびにSVG(
Scalable Vector Graphic)など画像記述言語などの技術を使用して生成されるプログラムである。
【0004】
アプリケーション配布サービスにおいては、一般的には、ユーザが選択したアプリケーションをサーバから端末装置にダウンロードして利用するが、サービスによって配布されうるアプリケーションが増加すると、ユーザがそれらの中からアプリケーションを検索するのに時間がかかったり、操作が複雑になったりする。よって、端末装置やそのユーザの状態に応じて、適切なアプリケーションが自動的にダウンロードされて利用できるようにする技術が必要となる。たとえば端末が所在する位置情報、端末で視聴中のコンテンツに関する情報、あるいは端末を使用しているユーザに関する情報に応じて、アプリケーションを自動的に選択することが考えられる。
【0005】
サーバと端末装置との間でアプリケーションを制御する第1の従来の技術として、特許文献1に記載されるアプリケーション制御システムがある。このアプリケーション制御システムでは、端末装置は、サーバに相当するセンタ装置に位置情報を送信し、センタ装置は、端末装置の位置情報に関連付けられたアプリケーションのURLを端末装置に通知する。端末装置は、通知されたアプリケーションのURLが示すアプリケーションサーバからアプリケーションおよびサービスポリシを取得する。サービスポリシは、端末装置の位置および時間で規定された動作条件を含む。端末装置は、このサービスポリシに基づいて、アプリケーションの制御を行う。たとえば端末装置の位置がアプリケーション提供エリア外になったとき、あるいは制限時間を経過したとき、アプリケーションの動作停止、あるいはアプリケーションの破棄を行う。また、端末装置は、別のアプリケーションが新たに提供されるときは、すでに動作しているアプリケーションから、新たに提供された別のアプリケーションに切り換える。
【0006】
第2の従来の技術として、特許文献2に記載される放送受信装置がある。この放送受信装置は、それぞれのアプリケーションに放送受信装置のチャネル番号を割り当て、チャネル番号が選択されたとき、選択されたチャネル番号に対応するアプリケーションを実行する。
【0007】
第3の従来の技術として、特許文献3に記載される携帯型情報機器管理サービスシステムがある。この携帯型情報機器管理サービスシステムは、携帯型情報機器を発行する発行主体からの指示によって、アプリケーションを携帯型情報機器にダウンロードする。また、発行主体からの追加または削除の指示によって、携帯型情報機器にアプリケーションを追加、あるいは携帯型情報機器からアプリケーションを削除する。このアプリケーションは、物品の購買またはサービスの利用などにユーザが費やした金額に応じてポイントが与えられるポイントアプリケーション、あるいは飛行機などの運送機関を利用した距離または金額などに応じてマイレッジをユーザに与えるマイレッジアプリケーションなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−131594号公報
【特許文献2】特開2008−245275号公報
【特許文献3】特開2004−5442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
第1の従来の技術は、端末装置で同時に実行することができるアプリケーションの数は1つだけである。したがって、ある場所で利用可能なアプリケーションが複数存在するとき、ユーザは、それらのアプリケーションを切り換えながら使用しなければならない。また、アプリケーションとサービスポリシとを同時に配布しているので、アプリケーションを配布した後で、サービスポリシを変更することができない。すなわち、アプリケーション配布後は、サーバからアプリケーションの動作を変更することができない。たとえば、サーバからの指示で、特定のタイミングで、広告を表示するアプリケーションを実行させるというような制御を行うことができない。
【0010】
第2の従来の技術は、放送受信装置だけでのアプリケーションの制御であり、サーバ装置などから制御されるものではない。第3の従来の技術は、複数のアプリケーションを携帯型情報機器にダウンロードすることはできるが、ダウンロードしたアプリケーションの実行を制御することはできない。
【0011】
本発明の目的は、サーバ装置から端末装置に配布された複数のアプリケーションの実行をサーバ装置から制御することができるサーバ装置、端末装置およびアプリケーション制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数のアプリケーションプログラムと、各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する決定手段と、
決定手段によって決定されたアプリケーションプログラムおよび決定されたアプリケーションプログラムに対応付けられた優先度情報を記憶手段から読み出し、読み出したアプリケーションプログラムおよび優先度情報を端末装置に送信するアプリケーション送信手段とを含むことを特徴とするサーバ装置である。
【0013】
また本発明は、端末装置の状態を表す端末状態情報を端末装置から受信する端末状態受信手段をさらに含み、
前記決定手段は、端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、端末装置で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を端末装置から受信する端末能力受信手段をさらに含み、
前記決定手段は、端末能力受信手段によって受信した端末能力情報に基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度を変更する優先度変更手段と、
優先度変更手段によって変更された優先度情報を端末装置に送信する優先度送信手段とをさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムをインストールする優先度であることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムを実行する優先度であることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示する優先度であることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する音声情報を出力する優先度であることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記端末装置は、ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する入力手段を含み、
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、入力手段をアプリケーションプログラムに割り当てる優先度であることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが行う通信の優先度であることを特徴とする。
【0022】
また本発明は、アプリケーションプログラムおよび各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報をサーバ装置から受信するアプリケーション受信手段と、
アプリケーション受信手段によって受信したアプリケーションプログラムを、アプリケーション受信手段によって受信した優先度情報が示す優先度に従って制御する制御手段とを含むことを特徴とする端末装置である。
【0023】
また本発明は、自端末装置の状態を表わす端末状態情報をサーバ装置に送信する端末状態送信手段をさらに含むことを特徴とする。
【0024】
また本発明は、自端末装置で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を送信する端末能力送信手段をさらに含むことを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記アプリケーション受信手段によってアプリケーションプログラムおよび優先度情報を受信した後、変更された優先度情報をサーバ装置から受信する優先度受信手段をさらに含み、
前記制御手段は、優先度受信手段によって受信した優先度情報が示す優先度に従って、前記アプリケーション受信手段によって受信したアプリケーションプログラムを制御することを特徴とする。
【0026】
また本発明は、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムのインストール、およびインストールされているアプリケーションプログラムのアンインストールを制御することを特徴とする。
【0027】
また本発明は、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムの実行の開始、および実行の終了を制御することを特徴とする。
【0028】
また本発明は、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示するか否かを決定することを特徴とする。
【0029】
また本発明は、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報の表示位置および表示サイズを制御することを特徴とする。
【0030】
また本発明は、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する音声情報の出力を制御することを特徴とする。
【0031】
また本発明は、ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する入力手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムへの入力手段の割り当てを制御することを特徴とする。
【0032】
また本発明は、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムによる通信を制御することを特徴とする。
【0033】
また本発明は、動画コンテンツを表示する表示手段をさらに含み、
前記端末状態情報は、表示手段に表示されている動画コンテンツを識別するための識別情報であることを特徴とする。
【0034】
また本発明は、前記サーバ装置と、
前記端末装置とを含むことを特徴とするアプリケーション制御システムである。
【0035】
また本発明は、前記端末状態情報は、端末装置に表示されている文書情報からなるコンテンツを識別するための識別情報、および端末装置が所在する位置を表す位置情報を含み、
前記決定手段は、前記端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に含まれる識別情報によって識別される文書情報からなるコンテンツと、前記端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に含まれる位置情報が示す位置とに基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定することを特徴とする。
【0036】
また本発明は、文書情報からなるコンテンツを表示する表示手段と、
自端末装置が所在する位置を検出する位置検出手段とをさらに含み、
前記端末状態情報は、表示手段に表示されているコンテンツを識別するための識別情報と、位置検出手段が検出した位置を表す位置情報とを含むことを特徴とする。
【0037】
また本発明は、前記サーバ装置と、前記端末装置とを含むことを特徴とするアプリケーション制御システムである。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、記憶手段は、複数のアプリケーションプログラムと、各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報とを対応付けて記憶する。決定手段は、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。そして、アプリケーション送信手段は、決定手段によって決定されたアプリケーションプログラムおよび決定されたアプリケーションプログラムに対応付けられた優先度情報を記憶手段から読み出し、読み出したアプリケーションプログラムおよび優先度情報を端末装置に送信する。したがって、サーバ装置から端末装置に配布された複数のアプリケーションの実行を、サーバ装置から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0039】
また本発明によれば、端末状態受信手段は、端末装置の状態を表す端末状態情報を端末装置から受信する。そして、前記決定手段は、端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。したがって、端末装置の状態に応じて、端末装置に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0040】
また本発明によれば、端末能力受信手段は、端末装置で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を端末装置から受信する。そして、前記決定手段は、端末能力受信手段によって受信した端末能力情報に基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。したがって、端末装置で制御可能なアプリケーション数に応じて、端末装置に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0041】
また本発明によれば、優先度変更手段は、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度を変更する。そして、優先度送信手段は、優先度変更手段によって変更された優先度情報を端末装置に送信する。したがって、端末装置に送信した優先度情報をサーバ装置から変更することができる。
【0042】
また本発明によれば、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムをインストールする優先度であるので、端末装置へアプリケーションをインストールする優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0043】
また本発明によれば、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムを実行する優先度であるので、端末装置でアプリケーションを実行する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0044】
また本発明によれば、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示する優先度であるので、端末装置でアプリケーションが生成する画像情報を表示する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0045】
また本発明によれば、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する音声情報を出力する優先度であるので、端末装置でアプリケーションが生成する音声情報を出力する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0046】
また本発明によれば、前記端末装置は、ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する入力手段を含む。そして、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、入力手段をアプリケーションプログラムに割り当てる優先度である。したがって、端末装置で入力手段をアプリケーションプログラムに割り当てる優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0047】
また本発明によれば、前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが行う通信の優先度であるので、端末装置でアプリケーションが通信する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0048】
また本発明によれば、アプリケーション受信手段は、アプリケーションプログラムおよび各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報をサーバ装置から受信する。そして、制御手段は、アプリケーション受信手段によって受信したアプリケーションプログラムを、アプリケーション受信手段によって受信した優先度情報が示す優先度に従って制御する。したがって、サーバ装置から端末装置に配布された複数のアプリケーションの実行を、サーバ装置から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0049】
また本発明によれば、端末状態送信手段は、自端末装置の状態を表わす端末状態情報をサーバ装置に送信する。したがって、端末装置の状態に応じて、端末装置に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0050】
また本発明によれば、端末能力送信手段は、自端末装置で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を送信する。したがって、端末装置で制御可能なアプリケーション数に応じて、端末装置に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0051】
また本発明によれば、優先度受信手段は、前記アプリケーション受信手段によってアプリケーションプログラムおよび優先度情報を受信した後、変更された優先度情報をサーバ装置から受信する。そして、前記制御手段は、優先度受信手段によって受信した優先度情報が示す優先度に従って、前記アプリケーション受信手段によって受信したアプリケーションプログラムを制御する。したがって、端末装置に送信した優先度情報をサーバ装置から変更することができる。
【0052】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムのインストール、およびインストールされているアプリケーションプログラムのアンインストールを制御するので、端末装置へアプリケーションをインストールする優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0053】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムの実行の開始、および実行の終了を制御するので、端末装置でアプリケーションを実行する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0054】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示するか否かを決定するので、端末装置でアプリケーションが生成する画像情報を表示する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0055】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報の表示位置および表示サイズを制御するので、端末装置でアプリケーションが生成する画像情報の表示位置および表示サイズをサーバ装置から制御することができる。
【0056】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する音声情報の出力を制御するので、端末装置でアプリケーションが生成する音声情報を出力する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0057】
また本発明によれば、入力手段は、ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する。そして、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムへの入力手段の割り当てを制御する。したがって、端末装置で第2入力手段をアプリケーションプログラムに割り当てる優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0058】
また本発明によれば、前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムによる通信を制御するので、端末装置でアプリケーションが通信する優先順位をサーバ装置から制御することができる。
【0059】
また本発明によれば、表示手段は、動画コンテンツを表示する。そして、前記端末状態情報は、表示手段に表示されている動画コンテンツを識別するための識別情報である。したがって、端末装置に表示されている動画コンテンツに応じたアプリケーションプログラムをサーバ装置から受信することができる。
【0060】
また本発明によれば、前記サーバ装置と、前記端末装置とを含むので、サーバ装置から端末装置に配布された複数のアプリケーションの実行を、サーバ装置から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0061】
また本発明によれば、前記端末状態情報は、端末装置に表示されている文書情報からなるコンテンツを識別するための識別情報、および端末装置が所在する位置を表す位置情報を含む。そして、前記決定手段は、前記端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に含まれる識別情報によって識別される文書情報からなるコンテンツと、前記端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に含まれる位置情報が示す位置とに基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。したがって、サーバ装置は、端末装置に表示されるコンテンツおよび端末装置が所在する位置に応じたアプリケーションを端末装置に配布することができ、さらに、サーバ装置から端末装置に配布された複数のアプリケーションの実行を、サーバ装置から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0062】
また本発明によれば、表示手段は、文書情報からなるコンテンツを表示する。位置検出手段は、自端末装置が所在する位置を検出する。そして、前記端末状態情報は、表示手段に表示されているコンテンツを識別するための識別情報と、位置検出手段が検出した位置を表す位置情報とを含む。したがって、端末装置は、自端末装置に表示されているコンテンツおよび自端末装置が所在する位置に応じたアプリケーションを、サーバ装置に配布させることができる。
【0063】
また本発明によれば、前記サーバ装置と、前記端末装置とを含むので、サーバ装置は、端末装置に表示されるコンテンツおよび端末装置が所在する位置に応じたアプリケーションを端末装置に配布することができ、さらに、サーバ装置から端末装置に配布された複数のアプリケーションの実行を、サーバ装置から送信した優先度情報によって制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態であるアプリケーション制御システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】配布サーバ10の構成を示すブロック図である。
【図3】端末20の構成を示すブロック図である。
【図4】優先度テーブル51の一例を示す図である。
【図5】実行能力テーブル52の一例を示す図である。
【図6】端末状態テーブル53の一例を示す図である。
【図7】画面表示部31に表示されるTV画面60の一例を示す図である。
【図8】配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図9】配布サーバ10および端末20が実行する状態変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図10】配布サーバ10および端末20が実行する優先度変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図11】優先度テーブル51の変形例である優先度テーブル51aの一例を示す図である。
【図12】優先度テーブル54の一例を示す図である。
【図13】実行能力テーブル55の一例を示す図である。
【図14】第1電子ブックリーダ画面70の一例を示す図である。
【図15】第2電子ブックリーダ画面75の一例を示す図である。
【図16】配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション遠距離配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図17】配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション近距離配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図18】配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション近距離再配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、本発明の一実施形態であるアプリケーション制御システム1の構成を示すブロック図である。アプリケーション制御システム1は、アプリケーション配布サーバ(以下、「配布サーバ」という)10、端末装置(以下、「端末」という)20、複数のサービス提供サーバ40を含んで構成される。
【0066】
配布サーバ10、端末20および複数のサービス提供サーバ40は、それぞれネットワーク2に接続される。すなわち、端末20は、ネットワーク2を介して配布サーバ10および複数のサービス提供サーバ40に接続される。ネットワーク2は、たとえばホームネットワークなどのローカルエリアネットワーク(Local Area Network;略称LAN)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network;略称WAN)あるいはインターネットなどのネットワークによって構成される。通信形態は、ファイバー・トゥ・ザ・ホーム(
Fiber To The Home:略称FTTH)、非対称デジタル加入者線(Asymmetric Digital
Subscriber Line:略称ADSL)、第3世代の携帯電話回線などの携帯電話回線、イーサネット(登録商標)、無線LAN、あるいは高速電力線通信(Power Line
Communications:略称PLC)などのいずれであってもよい。また、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0067】
サーバ装置である配布サーバ10は、アプリケーション配信サービスを行う事業主体が所有するサーバである。配布サーバ10には、アプリケーションプログラム(以下「アプリケーション」という)を開発するアプリケーション開発者が開発したアプリケーションが登録される。アプリケーション開発者は個人であってもよいし、何らかの事業主体であってもよい。配布サーバ10は、登録されるアプリケーションを複数の端末20に同時に配布することができる。図1には、配布サーバ10を1台しか記載していないが、配布サーバ10は、1台に限定されるものではなく、複数台であってもよい。配布サーバ10が複数ある場合、端末20のユーザが配布を受ける配布サーバ10を決定してもよいし、端末20が予め定められたルールに従って配布を受ける配布サーバ10を自動的に決定してもよい。
【0068】
端末装置である端末20は、たとえばテレビジョン装置(以下「TV」という)、デジタルサイネージ装置などの電子看板装置、携帯電話装置、セットトップボックス(Set
Top Box:略称STB)、ビデオレコーダ、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:略称PDA)、デジタルフォトフレーム、発電電力モニタ、つまり太陽光パネル等によって家庭で発電された電力量を表示する装置、電子ブックリーダ、あるいは電子辞書などの装置である。
【0069】
以下、第1実施例として、端末20がTVの場合を例にして図1〜図11を用いて説明する。
【0070】
端末20は、テレビジョン放送を受信して、受信した画像情報を表示し、かつ受信した音声情報を出力するとともに、配布サーバ10から配布されるアプリケーションを実行する。端末20で実行されているアプリケーションは、必要に応じて、サービス提供サーバ40にアクセスして情報を取得する。アプリケーションによっては、サービス提供サーバ40にアクセスしないアプリケーションもある。端末20は、通信規格イーサネット(登録商標)によって図示しないルータやインターネットサービスプロバイダ(Internet
Services Provider:略称ISP)のネットワークを経由してインターネットに接続されるが詳細は省略する。端末20が何らかのネットワークを経由して各サーバに接続されていればよく、ネットワーク2は複数の方式によって構成されるネットワークを組み合わせたものでもよい。図1には、端末20を1台しか記載していないが、端末20は、1台に限定されるものではなく、複数台であってもよい。
【0071】
サービス提供サーバ40は、たとえば動画配信サーバ、ソーシャルネットワーキングサービス (Social Network Service:略称「SNS」、およびニュース配信サーバなどによって構成され、端末20で実行されるアプリケーションから要求される情報を提供するサーバである。サービス提供サーバ40は、アプリケーションの種類ごとに異なるサービス提供サーバ40が情報を提供するように構成されてもよいし、1つのサービス提供サーバ40が複数種類のアプリケーションに対して情報を提供するように構成されてもよい。
【0072】
図2は、配布サーバ10の構成を示すブロック図である。配布サーバ10は、図示しない中央処理装置(以下「サーバCPU」という)、アプリケーション管理部11、アプリケーション送信部12、端末能力受信部13、端末状態受信部14、優先度変更部15、優先度再送信部16、サーバ記憶部17およびサーバ通信部18を含んで構成される。また、配布サーバ10は、情報を入力するためのキーボードなどの図示しない入力装置を含み、入力装置の他に、着脱可能な記録媒体を装着し、装着した記録媒体から情報を読み取る図示しない記録媒体読取装置、などを含んで構成されてもよい。
【0073】
サーバCPUは、サーバ記憶部17に記憶されるプログラムを実行することによって、サーバ通信部18を制御し、アプリケーション管理部11、アプリケーション送信部12、端末能力受信部13、端末状態受信部14、優先度変更部15および優先度再送信部16などの機能を実現する。
【0074】
アプリケーション管理部11は、アプリケーションの登録を管理する。具体的には、アプリケーション管理部11は、管理者の操作によって、入力装置から入力されるアプリケーションおよび優先度情報、記録媒体読取装置によって読み取られたアプリケーションおよび優先度情報、あるいはサーバ通信部18によってネットワーク2に接続される他の装置から取得したアプリケーションおよび優先度情報をサーバ記憶部17に記憶することによって、アプリケーションの実行ファイルを登録する。管理者は、配布サーバ10の管理者、あるいはアプリケーションの開発者である。優先度情報は、各アプリケーションを制御する優先度、つまり優先順位を表す情報であり、詳細は後述する。
【0075】
決定手段であるアプリケーション管理部11は、アプリケーションをサーバ記憶部17に記憶するとき、アプリケーションごとの優先度情報を、各アプリケーションを識別するための識別情報(以下「アプリケーションID(Identifier)」という)に対応付けて、後述する優先度テーブルに記憶する。アプリケーション管理部11は、登録されているアプリケーションを削除する指示が、たとえば管理者の操作によって入力装置から入力されると、指示されたアプリケーションおよびそのアプリケーションに対応付けられた優先度情報をサーバ記憶部17から消去する。
【0076】
アプリケーション送信手段であるアプリケーション送信部12は、サーバ記憶部17からアプリケーションを読み出し、読み出したアプリケーションを、サーバ通信部18によって端末20に送信する。アプリケーション送信部12は、送信したアプリケーションのアプリケーションIDを端末20ごとにサーバ記憶部17に記憶しておく。サーバ記憶部17に記憶されたアプリケーションIDは、変更された優先度情報の送信に利用される。
【0077】
端末能力受信手段である端末能力受信部13は、端末20から送信されてくる端末能力情報である実行能力情報をサーバ通信部18によって受信し、受信した実行能力情報を端末20に対応付けてサーバ記憶部17に記憶する。実行能力情報は、端末20で制御可能なアプリケーション数を表す情報であり、詳細は後述する。端末状態受信手段である端末状態受信部14は、端末20から送信されてくる端末状態情報をサーバ通信部18によって受信し、受信した端末状態情報を端末20に対応付けてサーバ記憶部17に記憶する。端末状態情報は、端末20の状態を表す情報であり、詳細は後述する。
【0078】
優先度変更手段である優先度変更部15は、登録されているアプリケーションの優先度を変更する指示が、たとえば管理者の操作によって入力装置から入力されると、あるいは、ネットワーク2を介して管理者の操作によって他の装置から入力されると、指示された変更後の優先度を表す優先度情報を、優先度を変更する指示があったアプリケーションのアプリケーションIDに対応付けて後述する優先度テーブルに記憶し、優先度テーブルに記憶される優先度情報を更新する。優先度変更部15は、優先度が変更されたアプリケーションのアプリケーションIDを優先度再送信部16に送る。
【0079】
優先度送信手段である優先度再送信部16は、優先度が変更されたアプリケーションのアプリケーションIDを優先度変更部15から受け取ると、受け取ったアプリケーションIDに対応付けられている優先度情報をサーバ記憶部17から読み出し、読み出した優先度情報を、その優先度情報に対応付けられたアプリケーションのアプリケーションIDとともに、サーバ通信部18によって、該アプリケーションを配布した端末20に送信する。
【0080】
サーバ記憶部17は、たとえば、ハードディスク装置(Hard Disk Drive:略称HDD)あるいはフラッシュメモリなどの記憶装置によって構成される。サーバ記憶部17は、サーバCPUが実行するプログラム、サーバCPUがプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。サーバ記憶部17に記憶される情報は、サーバCPUによって書き込みおよび読み出しが行われる。図2に示した例では、サーバ記憶部17は、配布サーバ10に含まれているが、必ずしも配布サーバ10に含める必要はなく、ネットワーク2に接続されるサーバに設けてもよい。
【0081】
記憶手段であるサーバ記憶部17に記憶されるプログラムには、サーバ通信部18の制御および各機能を実現する制御プログラム、入力装置などによって登録されるアプリケーション、ならびに制御プログラムおよびアプリケーションの実行を制御するオペレーティングシステムプログラム(以下「配布サーバ10のOS」という)を含む。アプリケーションおよび配布サーバ10のOSは、従来技術によるプログラムである。サーバCPUがプログラムを実行するために必要な情報は、アプリケーションをダウンロードしたユーザに課金するために使用する情報、後述する優先度テーブル、実行能力テーブル、および端末状態テーブルとして記憶される情報を含む。
【0082】
サーバ通信部18は、ネットワーク2を介して端末20と通信する。サーバ通信部18は、たとえばインターネットプロトコル(Internet Protocol:略称IP)を用いて端末20と通信し、情報を送受信する。サーバ通信部18は、サーバCPUから受け取る情報を端末20に送信し、端末20から受信する情報をサーバCPUに送る。
【0083】
図3は、端末20の構成を示すブロック図である。端末20は、アプリケーション受信部21、アプリケーション制御部22、端末能力送信部23、端末状態送信部24、優先度再受信部25、端末通信部26、端末記憶部27、インストール処理部28、アプリケーション実行部29、入力部30、画面表示部31、音声出力部32、端末状態取得部33および図示しないハードウエアを含んで構成される。
【0084】
アプリケーション実行部29は、図示しない中央処理装置(以下「端末CPU」という)および図示しないメモリを含んで構成される。図示しないメモリは、一時記憶メモリである。端末CPUは、端末記憶部27に記憶されるオペレーティングシステムプログラム(以下「端末20のOS」という)を実行することによって、アプリケーション実行部29を実現する。端末20のOSは、従来技術によるプログラムである。
【0085】
アプリケーション実行部29は、端末記憶部27に記憶されるプログラムを実行することによって、端末通信部26、入力部30、画面表示部31、音声出力部32および図示しないハードウエアを制御し、アプリケーション受信部21、アプリケーション制御部22、端末能力送信部23、端末状態送信部24、優先度再受信部25およびインストール処理部28などの機能を実現し、アプリケーションの実行を制御する。
【0086】
端末記憶部27に記憶されるプログラムには、端末通信部26、入力部30、画面表示部31、音声出力部32および図示しないハードウエアの制御、ならびに各機能を実現する制御プログラムと、配布サーバ10から配布されたアプリケーションと、端末20のOSとを含む。
【0087】
端末20のOSは、端末20を構成するハードウエア、および、端末CPUで実行されるアプリケーションなどのソフトウエアプログラム(以下「ソフトウエア」という)を制御し、それらに関する情報を管理しており、随時そのハードウエアおよびソフトウエアからそれらに関する情報を取得することができる。端末20のOSは、たとえば、端末20がTVであれば、現在視聴されているチャネルの番号(以下「チャネル番号」という)を表すチャネル番号情報、インストール可能アプリケーション数、同時実行可能アプリケーション数および同時表示可能アプリケーション数などのアプリケーション制御情報、型番および製造番号などの装置情報、媒体アクセス制御(Media Access Control:略称MAC)アドレスおよびIPアドレスなどのネットワーク情報、電源の状態情報、選択されている外部入力、たとえばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)やD端子などの外部入力を表す外部入力情報、ならびに設定されている音量を表す音量情報などの情報を取得することができる。また、端末20が携帯電話装置であれば、電源状態情報、携帯電話装置が所在する位置、たとえば全地球測位システム(Global Positioning System:略称GPS)による位置を表す位置情報、通話の状態を表す通話状態情報、パケット通信などの通信の状態を表す通信状態情報、自端末の型番、製造番号、自端末の電話番号、自端末のメールアドレスなどの装置情報、ネットワーク情報、各種サービスのアカウント情報などのユーザ情報、ならびに電話帳に登録されている氏名、電話番号およびメールアドレスなどの電話帳情報などの情報を取得することができる。
【0088】
アプリケーション受信手段であるアプリケーション受信部21は、配布サーバ10から送信されるアプリケーションおよび優先度情報を、端末通信部26によって受信し、受信したアプリケーションおよび優先度情報を対応付けて、端末記憶部27に記憶する。アプリケーション制御部22は、端末記憶部27に記憶する優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションを制御する。端末能力送信手段である端末能力送信部23は、端末20のOSによって取得されたアプリケーション制御情報に基づいて、実行能力情報を生成し、生成した実行能力情報を端末通信部26によって配布サーバ10に送信する。端末状態送信手段である端末状態送信部24は、端末20のOSによって取得されたチャネル番号情報に基づいて、端末状態情報を生成し、端末通信部26によって配布サーバ10に送信する。
【0089】
優先度受信手段である優先度再受信部25は、配布サーバ10の優先度再送信部16がサーバ通信部18によって送信した優先度情報およびアプリケーションIDを、端末通信部26によって受信する。そして、優先度再受信部25は、端末記憶部27に記憶される優先度情報のうち、受信したアプリケーションIDのアプリケーションに対応付けられた優先度情報を、受信した優先度情報によって書き換えるとともに、優先度に変更があった旨とアプリケーションIDとを、アプリケーション実行部29に知らせる。
【0090】
端末通信部26は、ネットワーク2を介して配布サーバ10およびサービス提供サーバ40と通信する。サーバ通信部18は、たとえばインターネットプロトコル(Internet
Protocol:略称IP)を用いて、配布サーバ10およびサービス提供サーバ40と通信し、それぞれと情報を送受信する。端末通信部26は、端末CPUから受け取る情報を配布サーバ10またはサービス提供サーバ40に送信し、配布サーバ10またはサービス提供サーバ40から受信する情報を端末CPUに送る。
【0091】
端末記憶部27は、たとえば、HDDあるいはフラッシュメモリなどの記憶装置によって構成される。端末記憶部27は、端末CPUが実行する上述したプログラム、端末CPUがプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。端末CPUがプログラムを実行するために必要な情報は、上述した優先度情報、およびアプリケーションを実行するために必要な設定ファイルを含む。端末記憶部27に記憶される情報は、端末CPUによって書き込みおよび読み出しが行われる。
【0092】
インストール処理部28は、アプリケーション受信部21が端末通信部26によって受信したアプリケーションの実行ファイルを端末記憶部27に記憶、つまり受信したアプリケーションをインストールし、不要になったアプリケーションをアンインストールする。インストール処理部28は、必要に応じて、インストールするアプリケーションがコンピュータウィルスやスパイウェアなどの不正なアプリケーションであるか否かを判定するアプリケーションの認証を行い、不正なアプリケーションはインストールしないものであってもよい。アプリケーションの認証は、アプリケーション開発者の身元を証明するデータをアプリケーションの実行ファイルに含めるなど、従来技術によるものである。また、インストール処理部28は、アプリケーションの課金処理を行ってもよい。ユーザは、予め配布サーバ10に対してユーザ登録を行っておき、アプリケーションのダウンロード時に、端末20から配布サーバ10にユーザ情報を送信することによって、アプリケーションをダウンロードしたユーザを配布サーバ10側で特定し、ユーザからアプリケーションの代金を徴収する。これは従来技術によるものである。
インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、制御手段である。
【0093】
入力手段である入力部30は、たとえばキーボード、マウス、リモートコントローラ、あるいは各種センサ、たとえばGPS、加速度センサ、およびジャイロスコープなどの入力装置によって構成され、入力された情報を端末CPUに送る。図3に示した例では、入力部30は、端末20に含まれているが、必ずしも端末20に含める必要はなく、端末20に接続される外部の入力装置であってもよい。
【0094】
表示手段である画面表示部31は、たとえば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal
Display:略称LCD)、陰極線管(Cathode Ray Tube:略称CRT)、有機EL(
electroluminescence)ディスプレイ、あるいは発光ダイオード(Light Emitting Diode
:略称LED)などの表示装置によって構成され、端末CPUから受け取る画像情報を表示する。図3に示した例では、画面表示部31は、端末20に含まれているが、必ずしも端末20に含める必要はなく、端末20に接続される外部の表示装置であってもよい。音声出力部32は、たとえばスピーカあるいはイヤホンなどの出力装置によって構成され、端末CPUから受け取る音声情報を出力する。図3に示した例では、音声出力部32は、端末20に含まれているが、必ずしも端末20に含める必要はなく、端末20に接続される外部の出力装置であってもよい。
【0095】
位置検出手段である端末状態取得部33は、GPS機能を含み、自端末20が所在する位置の緯度および経度を検出し、また、現在視聴中のチャネル、つまり現在視聴のために選局されているチャネルを検出する。端末20のOSは、端末状態取得部33から、自端末20が所在する位置の緯度および経度を表わす緯度経度情報、あるいは現在視聴中のチャネルを表すチャネル情報を取得することができる。緯度経度情報は、位置情報である。
【0096】
図4は、優先度テーブル51の一例を示す図である。優先度テーブル51は、配布サーバ10のサーバ記憶部17に記憶されるテーブルである。優先度テーブル51は、アプリケーションの実行の優先度を表す優先度情報を各アプリケーションのアプリケーションIDに対応付けて記憶する。
【0097】
優先度テーブル51は、アプリケーションID欄511、名前欄512、アプリケーションの種類欄513、インストールの優先度欄514、実行の優先度欄515および表示の優先度欄516を含む。以下、各行、つまりアプリケーションID欄511、名前欄512、アプリケーションの種類欄513、インストールの優先度欄514、実行の優先度欄515および表示の優先度欄516からなる1組の情報を「優先度レコード」という。
【0098】
アプリケーションID欄511は、各アプリケーションを識別するための識別情報(以下「アプリケーションID」という)を示す欄である。配布サーバ10は、各アプリケーションに対して一意に決まるアプリケーションIDを割り当てる。名前欄512は、各アプリケーションに付与されている名称を示す欄である。アプリケーションの種類欄513は、各アプリケーションの種類を示す欄である。インストールの優先度欄514は、各アプリケーションを端末20にインストールするときの優先順位を示す欄である。実行の優先度欄515は、端末20で各アプリケーションが実行されるときの優先度を示す欄である。表示の優先度欄516は、端末20で各アプリケーションが生成する画像情報を表示するときの優先度を示す欄である。
【0099】
名前欄512およびアプリケーションの種類欄513は、参考情報であり、必須ではない。各優先度は、たとえば「0」〜「5」の整数で示され、数字が大きいほど優先度が高い。本実施形態では、最大の優先度を「5」としているが、これに限定されるものではなく、「6」以上の優先度を設けてもよい。ただし、優先度の数字が「0」の場合は、各優先度に係る処理が必要でないことを示し、たとえば表示の優先度が「0」の場合は、そのアプリケーションが表示の処理を必要とせず、そのアプリケーション自体の処理はバックグラウンドで行われることを示す。具体例としては、たとえばデータをダウンロードするアプリケーションがある。
【0100】
インストールの優先度欄514、実行の優先度欄515および表示の優先度欄516は、アプリケーションの開発者がアプリケーションを配布サーバ10に登録するとき、アプリケーションの開発者が決定して登録する。各優先度は、たとえばアプリケーションの開発者が配布サーバ10の運営事業者に支払う登録料金に応じて決定される。
【0101】
図4に示した優先度テーブル51には、アプリケーションID欄511に5つのアプリケーションID「1」〜「5」が示されている。そして、各アプリケーションIDに対応する名前欄512、アプリケーションの種類欄513、インストールの優先度欄514、実行の優先度欄515および表示の優先度欄516は、アプリケーションID「1」について、それぞれ「アプリケーション1」、「動画配信(サーバから配信される動画を連続再生)」、「5」、「4」および「4」である。アプリケーションID「2」について、それぞれ「アプリケーション2」、「SNS情報表示(SNSの更新情報を受信)」、「3」、「3」および「2」である。アプリケーションID「3」について、それぞれ「アプリケーション3」、「チャネル1番組情報表示(チャネル1で放送中の番組のタイトルや出演者などを表示)」、「2」、「2」および「3」である。アプリケーションID「4」について、それぞれ「アプリケーション4」、「チャネル1広告表示(チャネル1の放送事業者が配信する広告を表示)」、「4」、「1」および「1」である。アプリケーションID「5」について、それぞれ「アプリケーション5」、「チャネル2番組情報表示(チャネル2で放送中の番組のタイトルや出演者などを表示)」、「2」、「2」および「3」である。
【0102】
優先度が同じ場合、どちらを優先するかは、たとえば他の優先度の合計の値が大きい方を優先度が高いと判定する。どちらを優先するかは、この方法に限定されるものではなく、他の方法でもよいし、あるいは、どちらを優先するかを端末20のユーザが選択できるようにしてもよい。
【0103】
図5は、実行能力テーブル52の一例を示す図である。実行能力テーブル52は、配布サーバ10のサーバ記憶部17に記憶されるテーブルである。実行能力テーブル52は、各端末20でのアプリケーションの実行に関する能力を表す実行能力情報、具体的には、アプリケーションを制御するとき同時に制御可能なアプリケーション数を表す実行能力情報を端末20ごとに記憶する。
【0104】
実行能力テーブル52は、端末ID欄520、インストール可能アプリケーション数欄521、同時実行可能アプリケーション数欄522および同時表示可能アプリケーション数欄523を含む。端末ID欄520は、配布サーバ10が端末20を識別するための識別情報(以下「端末ID」という)であり、ここではMACアドレスを使用している。本実施形態では、端末IDとしてMACアドレスとを使用しているが、これに限定されるものではなく、端末20を識別することができる情報であればよく、たとえば、IPアドレスを使用してもよい。インストール可能アプリケーション数欄521は、1つの端末20に同時にインストールすることができるアプリケーションの最大の数を示す欄である。インストールされているアプリケーションは実行可能状態にあるアプリケーションである。
【0105】
同時実行可能アプリケーション数欄522は、1つの端末20で、インストールされているアプリケーションのうち、同時に実行することができるアプリケーションの最大の数を示す欄である。インストールされているアプリケーションであっても、実行されているアプリケーションの数が同時実行可能アプリケーション数に達していると、実行の優先度の低いアプリケーションは実行されない。同時実行可能アプリケーション数は、端末CPUにおけるプロセス管理のアルゴリズム、端末CPUの演算速度などの性能、ならびに端末CPUに含まれるメモリおよび端末記憶部27の書き込み読み出し性能などのメモリ性能によってその最大の数が決まる。
【0106】
同時表示可能アプリケーション数欄523は、1つの端末20で、同時に実行されているアプリケーションのうち、アプリケーションが出力する情報を同時に画面に表示することができるアプリケーションの最大の数を示す欄である。実行されているアプリケーションのうち情報を出力するアプリケーションの数が同時表示可能アプリケーション数に達していると、情報を出力するアプリケーションであっても、表示の優先度の低いアプリケーションが生成する画像情報は表示されない。情報を出力しないアプリケーションは、バックグラウンドで実行可能であり、同時表示可能アプリケーション数の制限は受けない。同時表示可能アプリケーション数は、後述するアプリケーション表示領域の数に一致する。
【0107】
図5に示した実行能力テーブル52には、1つの端末20についての端末ID欄520、インストール可能アプリケーション数欄521、同時実行可能アプリケーション数欄522および同時表示可能アプリケーション数欄523が示されている。端末ID欄520は、「01:23:45:67:89:01」であり、インストール可能アプリケーション数欄521は「10」であり、同時実行可能アプリケーション数欄522は「5」であり、同時表示可能アプリケーション数欄523は「3」である。
【0108】
図6は、端末状態テーブル53の一例を示す図である。端末状態テーブル53は、配布サーバ10のサーバ記憶部17に記憶されるテーブルである。端末状態テーブル53は、端末20の状態に応じた実行対象のアプリケーションを示すテーブルであり、端末20ごとに設けられる。
【0109】
端末20で実行することができるアプリケーションは、端末20の状態によって変化する。たとえば、ユーザがチャネル2を視聴しているとき、つまり端末20の状態がチャネル2を選択、つまり選局している状態であるとき、チャネル1で現在放送中の番組の情報を取得して表示するアプリケーションが実行されてもユーザの役に立たない。したがって、実行すべきアプリケーションは、チャネルの番号に応じて決められており、端末状態テーブル53は、チャネルの番号と、実行すべきアプリケーションとを対応付けるテーブルである。
【0110】
端末状態テーブル53は、端末状態情報欄531および実行対象のアプリケーションID欄532を含む。端末状態情報欄531は、端末状態情報を示す欄である。端末状態情報は、端末20の状態を表す情報であり、たとえば1つの端末20で選択されているチャネルの番号を表す情報である。アプリケーションID欄532は、端末状態情報欄531に示される端末20の状態に応じた実行対象のアプリケーションのアプリケーションIDを示す欄である。
【0111】
アプリケーションの中には、端末20の状態、つまり選択されているチャネルに依存しないアプリケーションもある。たとえばニュースあるいは天気予報を表示するアプリケーションは、どのチャネルが視聴されていても、つまりどのチャネルが選択されていても、ユーザにとって有益な情報を提供するアプリケーションであり、そのアプリケーションのアプリケーションIDは、端末20の状態に依存せず、いずれのアプリケーションID欄532にも登録される。
【0112】
配布サーバ10は、端末20から新たな端末状態情報を受信したとき、受信した端末状態情報が示す端末20の状態が変化、つまり視聴されているチャネルの番号が変化し、変化前のチャネルの番号に対応するアプリケーションのうち、変化後のチャネルの番号に対応するアプリケーションID欄532に、アプリケーションIDが含まれないアプリケーションについては、実行対象から除外するように、新たな端末状態情報の送信元である端末20に指示する。
【0113】
図6に示した端末状態テーブル53には、1つの端末20についての端末状態情報欄531および実行対象のアプリケーションID欄532が示されている。端末状態情報欄531には、「チャネル1」および「チャネル2」が示されている。アプリケーションID欄532には、「チャネル1」に対応付けて「1,2,3,4」が示され、「チャネル2」に対応付けて「1,2,5」が示されている。
【0114】
図7は、画面表示部31に表示されるTV画面60の一例を示す図である。TV画面60は、たとえば放送から受信中の動画表示領域61および複数のアプリケーション表示領域に分割されている。複数のアプリケーション表示領域は、たとえば図7では、第1アプリケーション表示領域62、第2アプリケーション表示領域63および第3アプリケーション表示領域64の3つの領域である。アプリケーション表示領域の数および領域の割り当ては、とくに限定されるものではなく、たとえば配布サーバ10からの指示、サービス提供サーバ40からの指示、端末20の販売会社が運営する図示しないサーバからの指示、あるいは端末20の入力装置によるユーザからの指示に応じて、増減することができるようにしてもよい。また、必要に応じて、放送から受信中の動画表示領域61をなくし、TV画面60の領域すべてをアプリケーション表示領域に割り当ててもよく、逆に、アプリケーション表示領域なくし、TV画面60の領域すべてを放送から受信中の動画表示領域61に割り当ててもよい。
【0115】
図7に示したTV画面60では、第1アプリケーション表示領域62、第2アプリケーション表示領域63および第3アプリケーション表示領域64は、優先順位付けされている。優先順位付けは、ユーザに注目され易い表示領域の位置、表示領域のサイズ、表示可能な色数などに基づいて、出荷時などに予め決定されている。この優先順位づけは、配布サーバ10からの指示、サービス提供サーバ40からの指示、端末20の販売会社が運営する図示しないサーバからの指示、あるいは端末20の入力装置によるユーザからの指示に応じて、変更することができるようにしてもよい。
【0116】
図4に示した優先度テーブル51の表示の優先度が高いアプリケーションほど、優先度の高いアプリケーション表示領域が割り当てられる。アプリケーション表示領域の数は、実行能力情報の同時表示可能アプリケーション数として、端末20から配布サーバ10に送信される。
【0117】
図7に示したTV画面60では、優先順位づけ、つまり優先度の決定を、アプリケーション表示領域の大きさに応じて行う例を示している。すなわち、最も大きな表示領域である第1アプリケーション表示領域62が最も優先度が高く、2番目に大きな表示領域である第2アプリケーション表示領域63が2番目の優先度であり、最も小さな表示領域である第3アプリケーション表示領域64が3番目の優先度である。本実施形態では、表示領域の大きさのみで優先度、つまり優先順位を決定しているが、表示位置によって優先順位を決定してもよい。たとえば、表示領域を縦、つまり上下方向に並べた場合、上下方向では、上側にある表示領域ほどユーザの目に付きやすいと思われるので、上から順に優先順位を高くすることが考えられる。
【0118】
図8は、配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。図8に示した左側の処理手順はサーバCPUが実行するアプリケーション配布処理の処理手順を示し、右側の処理手順は端末CPUが実行するアプリケーション実行処理の処理手順を示す。配布サーバ10の電源が投入されて動作可能状態になると、ステップA1に移り、端末20の電源が投入されて動作可能状態になると、ステップB1に移る。以下、図8〜図10では、配布サーバ10および端末20間での情報の送受信を、シーケンス番号を付して示す。それぞれ、最初に配布サーバ10の処理手順を説明した後に、端末20の処理手順を説明する。
【0119】
ステップA1では、アプリケーション管理部11は、優先度テーブル51を作成する。具体的には、アプリケーション管理部11は、サーバ記憶部17に記憶されているアプリケーション情報に基づいて、優先度テーブルを作成する。アプリケーション情報は、アプリケーションの開発者に関する情報、たとえば開発者を識別するための識別情報である開発者ID等の情報、アプリケーションID、アプリケーションの名前、アプリケーションの種類、アプリケーションを実行するべきチャネル番号、インストールの優先度、実行の優先度および表示の優先度などの情報を含み、これらの情報は、アプリケーションが登録されるときに、同時にサーバ記憶部17に記憶(以下「保存」ともいう)される情報である。アプリケーションIDは、登録が行われる際に、配布サーバ10が各アプリケーションに対して割り当てるIDであり、たとえば、1つのアプリケーションが登録されるごとに、「1」を加算することによって、一意に決まる値を割り当てることが考えられる。なお、各放送局に割り当てられているチャネルの番号に関する情報は、出荷時に予めサーバ記憶部17に保存されており、優先度テーブル51の作成時にも参照される。
【0120】
ステップA2では、アプリケーション管理部11は、端末状態テーブル53を作成する。具体的には、アプリケーション管理部11は、サーバ記憶部17に記憶されているアプリケーション情報に基づいて、端末状態テーブル53を作成する。ステップA2の後、シーケンスS1で、端末能力受信部13は、サーバ通信部18によって端末20から、実行能力情報を受信し、受信した実行能力情報を、実行能力テーブル52としてサーバ記憶部17に記憶する。なお、端末20には予め配布サーバ10のIPアドレス等の情報が保存されており、端末20は、配布サーバ10にネットワーク2を経由してアクセスできるものとする。配布サーバ10のIPアドレス等の情報は、端末20の出荷時に保存されたり、ユーザが入力したときに保存されたりする。これは従来の技術によるものである。シーケンスS2で、端末状態受信部14は、サーバ通信部18によって端末20から、端末状態情報を受信し、受信した端末状態情報をサーバ記憶部17に記憶する。
【0121】
ステップA3では、アプリケーション管理部11は、送信アプリケーションを決定する。具体的には、アプリケーション管理部11は、サーバ通信部18によって端末20から受信した実行能力情報および端末状態情報に基づいて、サーバ通信部18が受信した実行能力情報および端末状態情報を送信した端末20に対して、送信すべきアプリケーションを決定する。アプリケーション送信部12は、ステップA3の後、引き続くシーケンスで、アプリケーション管理部11によって決定されたアプリケーションおよびそのアプリケーションのアプリケーションIDの優先度レコード、つまり優先度情報を、アプリケーションIDの上昇順に、順次サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション配布処理を終了する。
【0122】
たとえば、アプリケーション管理部11は、受信した端末状態情報が示す状態が、チャネル1を選択している状態であるとき、端末状態テーブル53から、アプリケーションIDが「1」,「2」,「3」,「4」のアプリケーションを送信すべきアプリケーションとして決定する。受信した実行能力情報が、たとえば図5に示した実行能力テーブル52が示す内容であると、インストール可能アプリケーション数は「10」であるので、決定した4つのアプリケーションは、すべてこの端末20に同時にインストール可能である。また、実行可能アプリケーション数は「5」であるので、決定した4つのアプリケーションは、すべてこの端末20で同時に実行可能である。また、表示可能アプリケーション数は「3」であり、決定したアプリケーションの数「4」より少なく、かつ表示の優先度はいずれも「0」でなく表示が必要であるが、インストールしておくことは可能であるので、決定した4つのアプリケーションすべてを、この端末20に送信する。
【0123】
ステップA3の後、シーケンスS3で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「1」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「1」の優先度レコードを、サーバ通信部18によって端末20に送信する。引き続くシーケンスS4で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「2」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「2」の優先度レコードを、サーバ通信部18によって端末20に送信する。引き続くシーケンスS5で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「3」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「3」の優先度レコードを、サーバ通信部18によって端末20に送信する。引き続くシーケンスS6で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「4」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「4」の優先度レコードを、サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション配布処理を終了する。アプリケーション送信部12は、送信したアプリケーションのアプリケーションIDおよび優先度レコードを関連付けてサーバ記憶部17に記憶しておく。
【0124】
ステップB1では、端末CPUが起動される。ステップB2では、端末能力送信部23は、実力能力情報を作成する。具体的には、端末能力送信部23は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報に基づいて、実力能力情報を作成する。アプリケーション制御情報は、上述したように、端末20のOSが端末記憶部27に記憶したインストール可能アプリケーション数、同時実行可能アプリケーション数および同時表示可能アプリケーション数などの情報である。ステップB2の後、シーケンスS1で、端末能力送信部23は、作成した実行能力情報を、端末通信部26によって配布サーバ10に送信する。
【0125】
ステップB3では、端末状態送信部24は、端末状態情報を作成する。具体的には、端末状態送信部24は、端末20のOSによって取得したチャネル番号情報に基づいて、端末状態情報を作成する。チャネル番号情報は、上述したように、現在ユーザが視聴している番組を受信しているチャネルの番号、つまり現在選択されているチャネルの番号を表し、端末20のOSが管理している情報である。ステップB3の後、シーケンスS2で、端末状態送信部24は、作成した端末状態情報を、端末通信部26によって配布サーバ10に送信する。現在ユーザが視聴している番組、すなわち画面表示部31に表示されているテレビジョン放送の画像情報は、動画コンテンツであり、チャネル番号情報は、その動画コンテンツを識別するための識別情報である。
【0126】
シーケンスS2に引き続くシーケンスで、アプリケーション受信部21は、アプリケーションおよびそのアプリケーションのアプリケーションIDの優先度レコードを、順次端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。たとえば配布サーバ10から4つのアプリケーションが順次送られてくる場合、シーケンスS3で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「1」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「1」の優先度レコードを、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0127】
ステップB4では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示すインストール可能アプリケーション数が「10」であり、まだいずれのアプリケーションもインストールしていないので、受信したアプリケーションはインストール可能であり、受信したアプリケーションID「1」のアプリケーションをインストールする。インストールとは、具体的には、アプリケーションの実行ファイルおよび優先度レコードを端末記憶部27に保存し、アプリケーション実行部29から実行可能な状態にすることである。たとえば、アプリケーション実行ファイルがアーカイブファイルであればアーカイブファイルを展開するなどの処理を行うことである。
【0128】
インストール処理部28は、インストールされているアプリケーション数を、端末記憶部27に記憶しておく。そして、アプリケーション制御情報のインストール可能アプリケーション数と、端末記憶部27に記憶しているインストールされているアプリケーション数とから、あといくつのアプリケーションをインストールすることができるかを判定する。アプリケーション実行部29は、実行しているアプリケーション数および表示しているアプリケーション数を、端末記憶部27に記憶しておく。そして、アプリケーション制御情報の実行可能アプリケーション数および表示可能アプリケーション数と、端末記憶部27に記憶される実行しているアプリケーション数および表示しているアプリケーション数とから、あといくつのアプリケーションを実行、およびあといくつのアプリケーションの生成する画像情報を表示することができるかを判定する。
【0129】
アプリケーション実行部29は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す実行可能アプリケーション数が「5」であり、まだいずれのアプリケーションも実行していないので、インストールしたアプリケーションID「1」のアプリケーションは実行可能であると判定し、インストールしたアプリケーションID「1」のアプリケーションを実行する。また、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだいずれのアプリケーションが生成する画像情報も表示していないので、実行したアプリケーションID「1」のアプリケーションが出力する情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示する。
【0130】
ステップB4の後、シーケンスS4で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「2」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「2」の優先度レコードを、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。なお、実際にはアプリケーションの実行ファイルや優先度レコードは、パケットに分割されて送受信され、受信されたパケットは、端末通信部26などにおいて一旦バッファリングされた後、端末記憶部27に保存されるが、従来技術であるので以下では説明を省略する。
【0131】
ステップB5では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示すインストール可能アプリケーション数が「10」であり、まだ1つのアプリケーションしかインストールしていないので、受信したアプリケーションはインストール可能であると判定し、受信したアプリケーションID「2」のアプリケーションをインストールする。
【0132】
また、アプリケーション実行部29は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す実行可能アプリケーション数が「5」であり、まだ1つのアプリケーションしか実行していないので、インストールしたアプリケーションID「2」のアプリケーションは実行可能であると判定し、インストールしたアプリケーションID「2」のアプリケーションを実行する。
【0133】
また、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだ1つのアプリケーションが生成する画像情報しか表示していないので、実行したアプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する画像情報は表示可能である。アプリケーション実行部29は、実行している2つのアプリケーションの表示の優先度を比較し、優先度が最も高いアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、優先度が2番目に高いアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示する。
【0134】
たとえば、アプリケーション実行部29は、アプリケーションID「1」の優先度レコードが示す表示の優先度が「4」であり、アプリケーションID「2」の優先度レコードが示す表示の優先度が「2」である場合、アプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、アプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示する。
【0135】
ステップB5の後、シーケンスS5で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「3」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「3」の優先度レコードを、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0136】
ステップB6では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示すインストール可能アプリケーション数が「10」であり、まだ2つのアプリケーションしかインストールしていないので、受信したアプリケーションはインストール可能であると判定し、受信したアプリケーションID「3」のアプリケーションをインストールする。
【0137】
また、アプリケーション実行部29は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す実行可能アプリケーション数が「5」であり、まだ2つのアプリケーションしか実行していないので、インストールしたアプリケーションID「3」のアプリケーションは実行可能であり、インストールしたアプリケーションID「3」のアプリケーションを実行する。
【0138】
また、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだ2つのアプリケーションが生成する画像情報しか表示していないので、実行したアプリケーションID「3」のアプリケーションが生成する画像情報は表示可能である。アプリケーション実行部29は、実行している3つのアプリケーションの表示の優先度を比較し、優先度が最も高いアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、優先度が2番目に高いアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、優先度が3番目に高いアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示する。
【0139】
今回の場合、アプリケーション実行部29は、アプリケーションID「1」の優先度レコードが示す表示の優先度が「4」であり、アプリケーションID「2」の優先度レコードが示す表示の優先度が「2」であり、アプリケーションID「3」の優先度レコードが示す表示の優先度が「3」であるので、アプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、アプリケーションID「3」のアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、アプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示する。
【0140】
ステップB6の後、シーケンスS6で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「4」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「4」の優先度レコードを、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0141】
ステップB7では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行い、アプリケーション実行処理を終了する。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示すインストール可能アプリケーション数が「10」であり、まだ3つのアプリケーションしかインストールしていないので、受信したアプリケーションはインストール可能であり、受信したアプリケーションID「4」のアプリケーションをインストールする。
【0142】
また、アプリケーション実行部29は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す実行可能アプリケーション数が「5」であり、まだ3つのアプリケーションしか実行していないので、インストールしたアプリケーションID「4」のアプリケーションは実行可能であり、インストールしたアプリケーションID「4」のアプリケーションを実行する。
【0143】
また、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す表示可能アプリケーション数が「3」であり、すでに3つのアプリケーションが生成する画像情報を表示しているので、4つのアプリケーションのいずれもが生成する画像情報を表示する場合は、いずれか1つのアプリケーションが生成する画像情報は表示されない。
【0144】
アプリケーション実行部29は、実行している4つのアプリケーションの表示の優先度を比較し、優先度が最も高いアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、優先度が2番目に高いアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、優先度が3番目に高いアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示する。
【0145】
今回の場合、アプリケーション実行部29は、アプリケーションID「1」の優先度レコードが示す表示の優先度が「4」であり、アプリケーションID「2」の優先度レコードが示す表示の優先度が「2」であり、アプリケーションID「3」の優先度レコードが示す表示の優先度が「3」であり、アプリケーションID「4」の優先度レコードが示す表示の優先度が「1」であるので、アプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、アプリケーションID「3」のアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、アプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示し、アプリケーションID「4」のアプリケーションが生成する画像情報は表示しない。生成する画像情報を表示することができないアプリケーションは、実行しないように制御してもよい。また、実行しなくなったアプリケーションについては、アプリケーション実行ファイルおよび優先度レコードを端末記憶部27から削除してもよいし、後ほど他のアプリケーションが終了して、再度実行できるようになった場合に再開させるために、端末記憶部27に保存したままとしてもよい。
【0146】
図9は、配布サーバ10および端末20が実行する状態変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。図9に示した左側の処理手順はサーバCPUが実行するアプリケーション再配布処理の処理手順を示し、右側の処理手順は端末CPUが実行する端末状態変更処理の処理手順を示す。シーケンスS11で、端末状態受信部14がサーバ通信部18によって端末状態情報を受信すると、ステップA11に移り、ユーザが入力部30によって視聴しているチャネルを変更すると、ステップB11に移る。
【0147】
ステップA11では、アプリケーション管理部11は、シーケンスS11で端末状態受信部14によって受信された端末状態情報に基づいて、実行対象のアプリケーションの変更要否を判定する。具体的には、アプリケーション管理部11は、シーケンスS11で端末状態受信部14によって受信された端末状態情報が示すチャネルの番号に対応するアプリケーションIDを端末状態テーブル53から読み出す。既に端末20に送信したアプリケーションのアプリケーションIDのうちで、読み出したアプリケーションIDに含まれないものについては、対応するアプリケーションを実行対象外とする。シーケンスS12で、アプリケーション送信部12は、アプリケーション管理部11によって実行対象外とされたアプリケーションのアプリケーションIDを、実行対象外とした旨とともに、サーバ通信部18によって端末20に送信する。
【0148】
たとえば、ステップA11で、シーケンスS11で端末状態受信部14によって受信された端末状態情報が示すチャネルの番号がチャネル2で、図8に示したシーケンスS2で端末状態受信部14によって受信された端末状態情報が示すチャネルの番号がチャネル1である場合、端末状態テーブル53から、アプリケーションID「3」,「4」のアプリケーションが実行対象外と判定される。シーケンスS12で、アプリケーション送信部12は、実行対象外とされたアプリケーションのアプリケーションID「3」,「4」を、実行対象外とした旨とともに、サーバ通信部18によって端末20に送信する。
【0149】
ステップA12では、アプリケーション管理部11は、送信すべきアプリケーションを決定する。具体的には、アプリケーション管理部11は、端末状態テーブル53から、チャネル2に対応付けられた実行対象のアプリケーションのアプリケーションIDが「1」,「2」,「5」であるので、アプリケーションID「1」,「2」,「5」のアプリケーションを送信すべきアプリケーションとして決定する。すでに、アプリケーションID「1」,「2」のアプリケーションは端末20に送信されているので、シーケンスS13で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「5」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「5」の優先度レコードを、サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション再配布処理を終了する。
【0150】
ステップB11では、ユーザが入力部30を操作することによって視聴しているチャネルが変更され、端末20のOSがチャネルの番号が変更されたことを認識する。ステップB12では、端末状態送信部24は、端末状態情報を作成する。具体的には、端末状態送信部24は、端末20のOSから取得したチャネル番号情報に基づいて、端末状態情報を作成する。ステップB12の後、シーケンスS11で、端末状態送信部24は、作成された端末状態情報を、端末通信部26によって配布サーバ10に送信する。
【0151】
シーケンスS12で、アプリケーション受信部21は、実行対象外とされたアプリケーションのアプリケーションID、および実行対象外とした旨を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。ステップB13では、アプリケーション実行部29は、受信されたアプリケーションIDのアプリケーションの実行を終了させる。この場合は、アプリケーション受信部21が実行対象外とされたアプリケーションのアプリケーションID「3」,「4」、および実行対象外とした旨を受信し、アプリケーション実行部29は、アプリケーションID「3」,「4」のアプリケーションの実行を終了する。終了させたアプリケーションの実行ファイルおよび優先度レコードは、視聴しているチャネルが元に戻って、アプリケーションを再度実行することになったときのために、端末記憶部27から削除しないようにしてもよいし、端末記憶部27から削除し、視聴しているチャネルが元に戻ったときに、再度端末状態情報の通知からやり直すようにしてもよい。
【0152】
シーケンスS13で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「5」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「5」の優先度レコードを、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0153】
ステップB14では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション実行処理を行い、端末状態変更処理を終了する。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示すインストール可能アプリケーション数が「10」であり、2つのアプリケーションしかインストールしていないので、受信したアプリケーションはインストール可能であり、受信したアプリケーションID「5」のアプリケーションをインストールする。
【0154】
アプリケーション実行部29は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す実行可能アプリケーション数が「5」であり、2つのアプリケーションしか実行していないので、インストールしたアプリケーションID「5」のアプリケーションは実行可能であり、インストールしたアプリケーションID「5」のアプリケーションを実行する。
【0155】
また、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す表示可能アプリケーション数が「3」であり、2つのアプリケーションが生成する画像情報しか表示していないので、実行したアプリケーションID「5」のアプリケーションが生成する画像情報は表示可能である。アプリケーション実行部29は、実行している3つのアプリケーションの表示の優先度を比較し、優先度が最も高いアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、優先度が2番目に高いアプリケーションが生成する画像情報報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、優先度が3番目に高いアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示する。
【0156】
この場合は、アプリケーション実行部29は、アプリケーションID「1」の優先度レコードが示す表示の優先度が「4」であり、アプリケーションID「2」の優先度レコードが示す表示の優先度が「2」であり、アプリケーションID「5」の優先度レコードが示す表示の優先度が「5」であるので、アプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、アプリケーションID「5」のアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、アプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示して、端末状態変更処理を終了する。
【0157】
したがって、ユーザが視聴しているチャネルを変更すると、実行されるアプリケーションも変更後のチャネルに対応したアプリケーションに変更される。
【0158】
図10は、配布サーバ10および端末20が実行する優先度変更処理の処理手順を示すシーケンス図である。図10に示した左側の処理手順はサーバCPUが実行する優先度設定変更処理の処理手順を示し、右側の処理手順は端末CPUが実行する優先度再評価処理の処理手順を示す。
【0159】
たとえば、ある日時に優先的に実行したいアプリケーションがあった場合に、予め配布サーバ10に記憶されたスケジュールに従って、アプリケーションの各種優先度を変更することが考えられる。図4に示したアプリケーションID「4」の実行の優先度および表示の優先度について、インストールされた時点ではそれぞれ「1」だが、これらを時刻19:00になった時点で「5」に変更し、時刻20:00になった時点で「1」に変更するというスケジュールを設定した場合を例として説明する。この優先度変更スケジュールの情報は、アプリケーションの開発者あるいは配信サーバの管理者が予めサーバ記憶部17に保存しておく。
【0160】
配布サーバ10においては、時刻19:00になった時点で、ステップA21に移り、端末20においては、シーケンスS21で、優先度再受信部25が端末通信部26によって優先度レコードを受信すると、ステップB21に移る。
【0161】
ステップA21では、優先度変更部15は、優先度テーブル51を変更する。具体的には、優先度変更部15は、サーバ記憶部17に記憶されている優先度変更スケジュールの情報に基づいて、優先度テーブル51についてアプリケーション4の実行の優先度を「4」に、表示の優先度を「5」にそれぞれ変更する。ステップA21の後、シーケンスS21で、優先度再送信部16は、アプリケーションの優先度が変更された優先度レコードを優先度テーブル51から読み出し、読み出した優先度レコードを、サーバ通信部18によって端末20に送信する。
【0162】
その後、時刻20:00になった時点で、ステップA22に移り、優先度変更部15は、優先度テーブル51を変更する。具体的には、優先度変更部15は、サーバ記憶部17に記憶されている優先度変更スケジュールの情報に基づいて、優先度テーブル51についてアプリケーション4の実行の優先度を「1」に、表示の優先度を「1」にそれぞれに変更する。ステップA22の後、シーケンスS22で、優先度再送信部16は、アプリケーションの優先度が変更された優先度レコードを優先度テーブル51から読み出し、読み出した優先度レコードを、サーバ通信部18によって端末20に送信して、優先度設定変更処理を終了する。
【0163】
ステップB21では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、シーケンスS21で受信した優先度レコードに基づいて優先度を再評価する。具体的には、インストール処理部28は、インストール可能アプリケーション数に変化はないので、インストール可能アプリケーション数についての評価は行わない。アプリケーション実行部29は、実行可能アプリケーション数について、実行の優先度が変更されていないとき、またはインストールされているアプリケーション数が実行可能アプリケーション数以下であるときは、評価は行わないが、実行の優先度が変更され、かつインストールされているアプリケーション数が実行可能アプリケーション数を超えているときは、インストールされているアプリケーションの実行の優先度に従って、実行するアプリケーションの評価を行う。また、アプリケーション実行部29は、表示可能アプリケーション数について、表示の優先度が変更されていないときは、評価は行わないが、表示の優先度が変更されているときは、実行可能アプリケーション数の評価で実行すべきアプリケーションと評価されたアプリケーションの表示の優先度に従って、表示するアプリケーションの評価を行う。
【0164】
たとえば、チャネル1が選択されており、アプリケーションID「1」〜「4」の4つのアプリケーションが端末20で実行されている場合、アプリケーションID「4」のアプリケーションの実行の優先度については、優先度が「1」から「5」に変更されているが、インストールされているアプリケーション数が実行可能アプリケーション数以下であるので、インストール処理部28は、実行するアプリケーションの変更は行わない。
【0165】
表示可能アプリケーション数については、アプリケーションID「4」のアプリケーションの表示の優先度が「1」から「4」に変更される。変更後の各アプリケーションの優先度は、アプリケーションID「1」の表示の優先度が「4」、アプリケーションID「2」の表示の優先度が「2」、アプリケーションID「3」の表示の優先度が「3」、アプリケーションID「4」の表示の優先度が「5」となる。したがって、アプリケーションID「5」のアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、アプリケーションID「1」のアプリケーションが出力する情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、アプリケーションID「3」のアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示し、アプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する画像情報は表示しない。
【0166】
なお、アプリケーションの表示の優先度が同じ値のものが複数存在した場合、各優先度を合計した値を元にそれらの間の優先度を決定することが考えられる。合計の値も同じになった場合、アプリケーションIDの大小で優先度を決定することが考えられる。アプリケーションIDは配布サーバ10において、アプリケーションごとに一意の値となるように管理されているので、優先度も一意に決定できる。
【0167】
シーケンスS22で、優先度再受信部25は、配布サーバ10が送信した優先度レコードを端末通信部26によって受信する。ステップB22では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、シーケンスS22で受信した優先度レコードに基づいて優先度を再評価して、優先度再評価処理を終了する。具体的には、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、ステップB21と同様に、シーケンスS22で受信した優先度レコードに基づいて優先度を再評価する。
【0168】
たとえば、チャネル1が選択されており、アプリケーションID「1」〜「4」の4つのアプリケーションが端末20で実行されている場合、アプリケーションID「4」のアプリケーションの実行の優先度については、優先度が「4」から「1」に変更されているが、インストールされているアプリケーション数が実行可能アプリケーション数以下であるので、インストール処理部28は、実行するアプリケーションの変更は行わない。
【0169】
表示可能アプリケーション数については、アプリケーションID「4」のアプリケーションの表示の優先度が「4」から「1」に変更される。変更後の各アプリケーションの優先度は、アプリケーションID「1」の表示の優先度が「4」、アプリケーションID「2」の表示の優先度が「2」、アプリケーションID「3」の表示の優先度が「3」、アプリケーションID「4」の表示の優先度が「1」となる。したがって、アプリケーション実行部29は、アプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する画像情報を、第1アプリケーション表示領域62に表示し、アプリケーションID「3」のアプリケーションが生成する画像情報を、第2アプリケーション表示領域63に表示し、アプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する画像情報を、第3アプリケーション表示領域64に表示し、アプリケーションID「4」のアプリケーションが生成する画像情報は表示しない。
【0170】
したがって、アプリケーションID「4」のアプリケーションが広告を表示する広告アプリケーションであるので、ユーザから見ると、時刻19:00になると、広告アプリケーションが出力する広告の情報が、1番目に目立つ第1アプリケーション表示領域に表示され、その後時刻20:00になると、広告の情報が表示されない元の状態に戻ることになる。
【0171】
アプリケーション制御システム1においては、どの時間帯にどのように優先度を変化させるかは、配布サーバ10の管理者が決定することができるので、配布サーバ10の管理者がアプリケーション開発者から受け取ったアプリケーションの登録料金に応じて優先度を設定することが考えられる。端末20に表示可能なアプリケーション数を「3」としたとき、24時間を1時間ごとに区切り、かつ、区切った時間ごとに、第1アプリケーション表示領域62、第2アプリケーション表示領域63、および第3アプリケーション表示領域64に対応する3つの「枠」を設ける。配布サーバ10の運営会社は、枠ごとにアプリケーションを実行することができる権利(以下「使用権利」という)を設けて、第1アプリケーション表示領域62、つまり端末20で最も大きい表示領域に対応する枠の使用権利を300万円、第2アプリケーション表示領域63、つまり2番目に大きい表示領域に対応する枠の使用権利を200万円、第3アプリケーション表示領域64、つまり最も小さい表示領域に対応する枠の使用権利を100万円で、アプリケーション開発者に販売する。金額は、優先度を決めるための指標としての単なる例示である。
【0172】
たとえば、第1アプリケーション表示領域62について、表1に示すように、企業Aは19:00〜20:00の枠の使用権利の対価として300万円の登録料金を配布サーバ10の運営会社に支払い、企業Bは20:00〜21:00の枠の使用権利の対価として300万円の登録料金を配布サーバ10の運営会社に支払った場合、19:00〜20:00の間は企業Aが登録した企業Aの広告表示のためのアプリケーションaの表示の優先度が高くなり、20:00〜21:00の間は企業Bが登録した企業Bの広告表示のためのアプリケーションbの表示の優先度が高くなる。20:00になった時点で、アプリケーションaの表示の優先度は「0」になり、アプリケーションbの表示の優先度は「5」になり、第1アプリケーション表示領域62に表示される画像情報が、アプリケーションaが生成する画像情報からアプリケーションbが生成する画像情報に切り換わる。
【0173】
【表1】

【0174】
このように、配布サーバ10の運営会社は、ユーザに目立つ場所に広告を表示するタイミングを制御することができる。したがって、アプリケーション制御システム1は、広告アプリケーションを端末20において実行させて自社の広告を表示させたいアプリケーション開発者から、より広告効果の高いタイミングで広告を表示する対価として、より高価なアプリケーション登録料金を受け取るビジネスなどに利用することができる。
【0175】
図11は、優先度テーブル51の変形例である優先度テーブル51aの一例を示す図である。図11に示した優先度テーブル51aは、図4に示した優先度テーブル51に、音声出力の優先度欄517、入力受付の優先度欄518および通信の優先度欄519を追加したテーブルである。図4に示した優先度テーブル51と同じ欄については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0176】
音声出力の優先度欄517は、端末20で各アプリケーションが生成する音声情報を出力するときの優先度を示す欄である。この例では、動画配信および広告表示のためのアプリケーションは、音声も重要であるので、優先度が高く設定されている。SNS情報表示あるいは番組情報表示のためのアプリケーションは、音声を出力しないので音声出力の優先度は「0」である。音声出力の優先度が最も高いアプリケーションが生成する音声情報のみが、音声出力部32から出力される。
【0177】
たとえば、優先度テーブル51aを参照して、アプリケーションID「1」〜「3」のアプリケーションが実行されているとき、アプリケーションID「2」,「3」の音声出力の優先度が「0」であるので、音声出力の優先度が「3」であるアプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する音声情報が出力される。入力部30によって選択されているチャネルが変更されて、アプリケーションID「4」のアプリケーションも実行され始めると、アプリケーションID「4」の音声出力の優先度が「4」で、最も高い優先度であるので、アプリケーションID「4」のアプリケーションが生成する音声情報が出力される。画像情報が表示されているアプリケーションのみ音声情報の出力対象としてもよいし、画像情報が表示されていないアプリケーションも音声情報の出力対象としてもよい。
【0178】
放送から受信中の動画表示領域61に表示される動画の音声情報と、音声出力の優先度が最も高いアプリケーションが生成する音声情報とは、混合されて出力される。優先度が高いアプリケーションが生成する音声情報ほどより大きい音量で出力して、聞き取り易くしてもよいし、最も優先度の高いアプリケーションについては、放送から受信中の動画表示領域61に表示される動画の音声情報の出力を停止してもよい。また、混合する方法を視聴者が設定画面によって設定できるようにしてもよい。音声出力の優先度に応じて、アプリケーションの配布サーバ10への登録料金を設定するようにしてもよい。
【0179】
入力受付の優先度欄518は、端末20が有する入力部30をアプリケーションに割り当てる優先度を示す欄である。端末CPUは、入力部30から入力された情報を、入力部30が割り当てられているアプリケーションにのみ送る。具体的には、入力部30は入力受付の優先度が最も高いアプリケーションに割り当てられ、キーボードなどの入力部30から文字列の情報が入力されたとき、入力された文字列は、入力部30が割り当てられた入力受付の優先度が最も高いアプリケーションに送られる。動画配信は、動画が連続再生されるだけなので、入力は不要であり、入力受付の優先度は「0」である。SNS情報表示および広告表示は、たとえばマウスなどの入力部30によってクリックされた位置に応じて表示内容を変える場合、入力部30の割り当てが必要である。
【0180】
通信の優先度欄519は、アプリケーションがサービス提供サーバ40にアクセスするときの優先度を示す欄である。端末CPUは、優先度が高いアプリケーションに係るパケットほど、優先的に送受信する。たとえば、動画配信のアプリケーションは、動画像の情報をストリーミング受信するため、大量のパケットを連続的に受信する必要がある。番組情報表示のアプリケーションは、文字列あるいは静止画像の情報を受信するだけであり、少量のパケットを断続的に受信するだけでよい。したがって、動画配信のアプリケーションは、番組情報表示のアプリケーションよりも優先的にパケットを送受信する必要がある。通信の優先度に従ってアプリケーションの配布サーバ10への登録料金が異なる場合、なるべく優先的にパケットを受信したい動画配信のアプリケーションの開発者は、高額な登録料金を支払うが、優先的にパケットを受信する必要の無い番組情報表示のアプリケーションの開発者は低額な登録料金を支払うなど、優先度の決定は、アプリケーション開発者が配布サーバ10にアプリケーションを登録する際に決定させればよい。バックグラウンドで実行されているアプリケーションについても通信の優先度に応じた通信が行われる。
【0181】
パケットは、通常、配布サーバ10あるいは端末20においてキューイングされ、先入れ先出し(First-In First-Out:略称FIFO)で送信されるが、優先度の低いアプリケーションからのパケットが先にキューに格納されていても、後からより優先度の高いアプリケーションからのパケットがキューに格納された場合、優先度の高いアプリケーションのパケットを先に送信するなどの方法によって、パケットの送受信を制御できる。これは従来技術である。
【0182】
以下、第2実施例として、端末20が電子ブックリーダの場合を例にして図12〜図18を用いて説明する。
【0183】
図12は、優先度テーブル54の一例を示す図である。電子ブックリーダである端末20は、文書を表す文書情報からなるコンテンツ(以下「文書コンテンツ」ともいう)、あるいはアプリケーションを配布サーバ10から取得し、取得したコンテンツを表示し、あるいは取得したアプリケーションを実行することができる。コンテンツは、電子ブック表示アプリケーションによって表示される。本実施形態においては、電子ブック表示アプリケーションは、予め配布サーバ10からダウンロードされてインストール済みの状態であるものとする。電子ブック表示アプリケーションは、他のアプリケーションと同様に、実行の制御がアプリケーション制御部22やアプリケーション実行部29によって行われるが、専用の表示領域を持つ。文書コンテンツは、たとえば小説、雑誌、コミックおよび旅行ガイドブックなどの文書のコンテンツである。旅行ガイドブックは、旅行先の地域を案内する情報を旅行者に提供する文書であり、旅行先の主要施設の位置を表す緯度および経度を表す緯度経度情報を含んでいる。主要施設は、たとえば宿泊施設、観光施設、店舗および駅などの施設を含む。
【0184】
優先度テーブル54は、端末20が電子ブックリーダである場合に用いられるテーブルであり、配布サーバ10のサーバ記憶部17に記憶されるテーブルである。優先度テーブル54は、アプリケーションの実行の優先度を表す優先度情報を、各アプリケーションのアプリケーションIDに対応付けて記憶する。特に、優先度テーブル54は、表示の優先度を、コンテンツおよびアプリケーションによって特定される主要施設の位置と、コンテンツを表示する端末20の位置との距離に応じた優先度として、アプリケーションIDに対応付けて記憶する。
【0185】
優先度テーブル54は、アプリケーションID欄511、名前欄512、アプリケーションの種類欄513、対象コンテンツ欄544、基準緯度欄545、基準経度欄546および表示の優先度欄547を含む。以下、各行、つまりアプリケーションID欄511、名前欄512、アプリケーションの種類欄513、対象コンテンツ欄544、基準緯度欄545、基準経度欄546および表示の優先度欄547からなる1組の情報を「優先度レコード」という。図4に示した優先度テーブル51と同じ欄については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0186】
対象コンテンツ欄544は、対応する、つまり同じ優先度レコードに含まれるアプリケーションID欄511に示されるアプリケーションIDのアプリケーションが端末20で実行されるときに、端末20で実行されているべきコンテンツを識別するための識別情報(以下「コンテンツID」という)を示す欄である。すなわち、対象コンテンツ欄544に示されるコンテンツIDのコンテンツが端末20で実行されているときに、対応するアプリケーションID欄511に示されるアプリケーションIDのアプリケーションが端末20で実行される候補となる。
【0187】
基準緯度欄545は、アプリケーションID欄511に示されるアプリケーションIDのアプリケーションと、対象コンテンツ欄544に示されるコンテンツIDのコンテンツとによって特定される主要施設が所在する位置の緯度である基準緯度を示す欄である。基準経度欄546は、アプリケーションID欄511に示されるアプリケーションIDのアプリケーションと、対象コンテンツ欄544に示されるコンテンツIDのコンテンツとによって特定される主要施設が所在する位置の経度である基準経度を示す欄である。
【0188】
表示の優先度欄547は、端末20で実行されるアプリケーションの優先度、つまり優先順位を示す。優先度の数字が大きいほど優先度が高い。優先度が「0」の場合は、対応するアプリケーションを実行しないことを示す。表示の優先度欄547には、基準緯度欄545に示される基準緯度と基準経度欄546に示される基準経度とで決まる位置と、対象コンテンツ欄544に示されるコンテンツIDのコンテンツが実行されている端末20が所在する位置との距離に応じて、「0〜1km」欄547a、「1〜5km」欄547b、「5〜10km」欄547cおよび「10km以上」欄547dが設けられている。「0〜1km」欄547aは、主要施設と端末20との距離が1km未満のときの優先度であり、「1〜5km」欄547bは、主要施設と端末20との距離が1km以上5km未満のときの優先度であり、「5〜10km」欄547cは、主要施設と端末20との距離が5km以上10km未満のときの優先度であり、「10km以上」欄547dは、主要施設と端末20との距離が10km以上のときの優先度である。したがって、主要施設と端末20との距離に応じて優先度が変化する。主要施設の位置を示す基準緯度および基準経度と、端末20が所在する位置を示す緯度および経度とから、主要施設と端末20との距離を算出する方法は、従来技術による方法でよい。
【0189】
図12に示した優先度テーブル54には、アプリケーションID欄511に7つのアプリケーションID「1」〜「7」が示されている。そして、各アプリケーションIDに対応する名前欄512、アプリケーションの種類欄513、対象コンテンツ欄544、基準緯度欄545、基準経度欄546、「0〜1km」欄547a、「1〜5km」欄547b、「5〜1m」欄547cおよび「10km以上」欄547dは、アプリケーションID「1」について、それぞれ「アプリケーション1」、「店舗1の広告情報」、「コンテンツ1」、「lat1」、「lng1」、「5」、「4」、「3」および「0」である。アプリケーションID「2」について、それぞれ「アプリケーション2」、「店舗2の広告情報」、「コンテンツ1」、「lat2」、「lng2」、「4」、「4」、「2」および「0」である。アプリケーションID「3」について、それぞれ「アプリケーション3」、「店舗3の広告情報」、「コンテンツ1」、「lat3」、「lng3」、「5」、「3」、「3」および「0」である。アプリケーションID「4」について、それぞれ「アプリケーション4」、「航空券予約」、「コンテンツ1」、「lat4」、「lng4」、「0」、「0」、「0」および「5」である。アプリケーションID「5」について、それぞれ「アプリケーション5」、「ホテル予約」、「コンテンツ1」、「lat5」、「lng5」、「2」、「2」、「2」および「4」である。アプリケーションID「6」について、それぞれ「アプリケーション6」、「天気予報」、「コンテンツ1」、「lat6」、「lng6」、「1」、「1」、「1」および「1」である。アプリケーションID「7」について、それぞれ「アプリケーション7」、「店舗4の広告情報」、「コンテンツ2」、「lat7」、「lng7」、「5」、「4」、「3」および「0」である。
【0190】
たとえば、端末20において、電子ブック表示アプリケーションによって表示されているコンテンツがコンテンツ1であるとき、アプリケーション7は、端末20への送信の候補にはならない。図12に示した優先度テーブル54は、コンテンツ1,2が旅行ガイドブックであるときの例であり、アプリケーションID欄511に示されるアプリケーションIDのアプリケーションと、対象コンテンツ欄544に示されるコンテンツIDのコンテンツとによって特定される主要施設は、アプリケーション1〜3,7については、広告を表示するアプリケーションであり、特定の店舗が配布サーバ10に登録したものであり、それぞれの基準緯度および基準経度は、アプリケーションを登録した店舗の位置情報を示している。アプリケーション4は、航空券を予約するためのアプリケーションであり、コンテンツ1に係る現地、たとえば旅行ガイドブックでガイドされている都市などの空港施設の経営会社が配布サーバ10に登録したものであり、基準緯度および基準経度は、当該空港施設の位置情報を示している。アプリケーション5は、特定の宿泊施設の宿泊予約をするためのアプリケーションであり、コンテンツ1に係る現地の宿泊施設の経営会社が配布サーバ10に登録したものであり、基準緯度および基準経度は、当該宿泊施設の位置情報を示している。アプリケーション6は、コンテンツ1に係る現地の天気予報を表示するためのアプリケーションであり、天気予報サービスの運営会社が配布サーバ10に登録したものであり、基準緯度および基準経度は、コンテンツ1に係る現地の天気予報を観測する場所、例えば県庁所在地などの位置情報を示している。
【0191】
たとえば、アプリケーション1については、端末20が基準緯度および基準経度の位置から1km未満の位置にある場合には、表示の優先度は「5」、1km以上5km未満の位置にある場合には、表示の優先度は「4」となる。アプリケーション1〜3,7は、店舗の広告を表示するアプリケーションであり、端末20が店舗に近い位置にある程、広告効果を高めるために、表示の優先度が高く設定される。アプリケーション4については、航空券を予約するためのアプリケーションであり、ユーザが旅行に出る前に実行される必要があり、端末20が基準緯度および基準経度の位置から10km以上離れた位置にある場合に、表示の優先度が「5」になっているが、10km未満では「0」となっている。アプリケーション5については、宿泊施設、たとえばホテルを予約するためのアプリケーションであり、基本的にはユーザが旅行に出る前に実行される必要があるが、ホテルを決めずに現地に行くユーザもあるので、10km未満の近い距離でも、比較的表示の優先度は高い値となっている。アプリケーション6については、天気予報に関する情報を取得して表示するためのアプリケーションであり、旅行に出る前でも、現地に行ってからでも実行される必要があるので、端末20の位置に係わらず、同じ値の優先度になっている。
【0192】
図13は、実行能力テーブル55の一例を示す図である。実行能力テーブル55は、端末20が電子ブックリーダである場合に用いられるテーブルであり、配布サーバ10のサーバ記憶部17に記憶されるテーブルである。実行能力テーブル55は、各端末20でのアプリケーションの実行に関する能力を表す実行能力情報、具体的には、アプリケーションを制御するとき同時に制御可能なアプリケーション数を表す実行能力情報を端末20ごとに記憶する。実行能力テーブル55は、端末ID欄520および同時表示可能アプリケーション数欄523を含む。図5に示した実行能力テーブル52と同じ欄については、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0193】
図14は、第1電子ブックリーダ画面70の一例を示す図である。第1電子ブックリーダ画面70は、端末20が文書コンテンツを表示するために、電子ブック表示アプリケーションによって画面表示部31に表示される画面である。第1電子ブックリーダ画面70は、文書コンテンツ(以下「電子ブックコンテンツ」ともいう)の表紙を表す表紙画像を表示するための複数の表紙画像表示領域、たとえば第1〜第4表紙画像表示領域71〜74を含む。第1表紙画像表示領域71は、画面の上段左側の領域であり、第2表紙画像表示領域72は、画面の上段右側の領域であり、第3表紙画像表示領域73は、画面の下段左側の領域であり、第4表紙画像表示領域74は、画面の下段右側の領域である。第1〜第4表紙画像表示領域71〜74は、同じ大きさの領域である。
【0194】
図14に示した第1電子ブックリーダ画面70には、たとえば第1表紙画像表示領域71に電子ブックコンテンツ1の表紙画像が表示され、第2表紙画像表示領域72に電子ブックコンテンツ2の表紙画像が表示され、第3表紙画像表示領域73に電子ブックコンテンツ3の表紙画像が表示され、第4表紙画像表示領域74に電子ブックコンテンツ4の表紙画像が表示される。
【0195】
電子ブックリーダである端末20の画面表示部31は、たとえばタッチパネルによって構成され、指などによって画面に触れることによって、操作することができる。各表紙画像表示領域に表示されている表紙画像の電子ブックコンテンツのうちから、電子ブックコンテンツの内容を表示したい電子ブックコンテンツを選択するときは、選択したい電子ブックコンテンツの表紙画像が表示されている表紙画像表示領域に触れることによって選択することができる。
【0196】
図15は、第2電子ブックリーダ画面75の一例を示す図である。第2電子ブックリーダ画面75は、図14に示した第1電子ブックリーダ画面70のいずれかの表紙画像表示領域が選択されたときに、選択された表紙画像の電子ブックコンテンツを画面表示部31に表示する画面である。第2電子ブックリーダ画面75は、電子ブックコンテンツ表示領域76、および第1〜第3アプリケーション表示領域77〜79を含む。
【0197】
電子ブックコンテンツ表示領域76は、電子ブックコンテンツの内容を表示するための領域であり、画面の中央部分に最も大きな表示領域として設けられている。電子ブックコンテンツ表示領域76は、電子ブック表示アプリケーションが専用で使用する領域である。第1〜第3アプリケーション表示領域77〜79は、電子ブック表示アプリケーション以外のアプリケーションが生成する情報を表示する表示領域である。第1〜第3アプリケーション表示領域77〜79のうちで、最も大きな表示領域であり、第2電子ブックリーダ画面75の最も上段部に設けられる第1アプリケーション表示領域77が最も優先度が高く、2番目に大きな表示領域であり、第2電子ブックリーダ画面75の最も下段部左側に設けられる第2アプリケーション表示領域78が2番目の優先度であり、最も小さな表示領域であり、第2電子ブックリーダ画面75の最も下段部右側に設けられる第3アプリケーション表示領域79が3番目の優先度である。
【0198】
図16は、配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション遠距離配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。図16に示した左側の処理手順はサーバCPUが実行するアプリケーション遠距離配布処理の処理手順を示し、右側の処理手順は端末CPUが実行するアプリケーション遠距離実行処理の処理手順を示す。
【0199】
配布サーバ10の電源が投入されて動作可能状態になると、ステップC1に移り、端末20の電源が投入されて動作可能状態になると、ステップD1に移る。ここでは、端末20は、旅行ガイドブックである電子ブックコンテンツ1に記載されている地域から遠い場所、たとえば10km以上離れた場所で電源が投入されたものとする。以下、図16〜図18では、配布サーバ10および端末20間での情報の送受信を、シーケンス番号を付して示す。それぞれ、最初に配布サーバ10の処理手順を説明した後に、端末20の処理手順を説明する。ステップC1は、図8に示したステップA1と同じであり、重複をさけるために説明は省略する。
【0200】
ステップC1の後、端末20から電子ブックコンテンツの購入要求があり、購入希望の電子ブックコンテンツに対する決済が完了すると、シーケンスS32で、購入希望の電子ブックコンテンツを、サーバ通信部18によって端末20に送信する。電子ブックコンテンツは、サーバ記憶部17に記憶されており、端末20は、配布サーバ10が提供するコンテンツ購入画面から、購入したい電子ブックコンテンツを選択し、選択した電子ブックコンテンツをダウンロードすることができる。配布サーバ10が提供するコンテンツ購入画面は、端末20のウェブブラウザなどによって表示可能であり、サーバ記憶部17に記憶される電子ブックコンテンツの一覧表、各電子ブックコンテンツの概要、および販売価格などの情報が表示される。コンテンツの購入方法、ダウンロード方法、および購入画面は、従来の技術によるものである。
【0201】
シーケンスS33で、サーバ通信部18が端末20から端末状態情報を受信すると、ステップC2では、アプリケーション管理部11は、送信アプリケーションを決定する。サーバ通信部18がシーケンスS33で端末20から受信した端末状態情報には、端末ID、コンテンツIDおよび緯度経度情報が含まれている。端末状態情報に含まれるコンテンツIDは、端末20で実行中、つまり表示中の電子ブックコンテンツのコンテンツIDであり、端末状態情報に含まれる緯度経度情報は、現在端末20が所在する位置の緯度および経度を示す情報である。
【0202】
具体的には、アプリケーション管理部11は、サーバ通信部18によって端末20から受信した実行能力情報および端末状態情報に基づいて、サーバ通信部18が受信した実行能力情報および端末状態情報を送信した端末20に対して、送信すべきアプリケーションおよび優先度を決定する。アプリケーション送信部12は、ステップC2の後、引き続くシーケンスで、アプリケーション管理部11によって決定されたアプリケーションおよび優先度、つまり優先度情報を、アプリケーションIDの上昇順に、順次サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション遠距離配布処理を終了する。
【0203】
より詳細には、まず、アプリケーション管理部11は、優先度テーブル54に基づいて、端末状態情報に含まれるコンテンツIDに対応するアプリケーションIDを抽出して、送信候補のアプリケーションとする。たとえば、端末20で実行中の電子ブックコンテンツのコンテンツIDがコンテンツ1であるとき、図12に示した優先度テーブル54を参照すると、コンテンツ1に対応するアプリケーションIDは、「1」〜「6」であり、アプリケーション1〜6が送信候補のアプリケーションとなる。
【0204】
次に、アプリケーション管理部11は、アプリケーション1〜6の基準緯度および基準経度と、端末状態情報に含まれる緯度経度情報が示す緯度および経度とに基づいて、端末20の位置と各アプリケーションの基準位置との距離を計算する。基準位置は、基準緯度および基準経度によって決まる位置である。この例では、端末20の位置は、端末20が実行中のコンテンツ1、つまり電子ブックコンテンツである旅行ガイドブックに記載される地域から離れた位置であり、アプリケーション1〜6のすべてについて、端末20の位置と基準位置とが10km以上離れた状態であるものとし、計算結果はすべて10km以上であるものとする。
【0205】
続いて、アプリケーション管理部11は、優先度テーブル54に基づいて、各アプリケーションの表示の優先度を決定する。すべてのアプリケーションについて距離の計算結果が10km以上であるので、図12に示した優先度テーブル54の「10km以上」欄547dを参照すると、アプリケーション1〜3の優先度は「0」であり、アプリケーション4の優先度は「5」であり、アプリケーション5の優先度は「4」であり、アプリケーション6の優先度は「3」となる。
【0206】
そして、アプリケーション管理部11は、決定した優先度、および実行能力テーブル55の同時表示可能アプリケーション数欄523に基づいて、送信すべきアプリケーションを決定する。図13に示した実行能力テーブル55の同時表示可能アプリケーション数欄523の値は「3」であり、アプリケーション管理部11は、表示の優先度が高い方から3つのアプリケーションを送信すべきアプリケーションとして決定する。表示の優先度は、アプリケーション4が「5」で一番高く、アプリケーション5、アプリケーション6の順に低くなるので、アプリケーション4〜6を送信すべきアプリケーションとして決定する。
【0207】
ステップC2の後、シーケンスS34で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「4」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「4」の表示の優先度「5」を、サーバ通信部18によって端末20に送信する。引き続くシーケンスS35で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「5」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「5」の優先度「4」を、サーバ通信部18によって端末20に送信する。引き続くシーケンスS36で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「6」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「6」の優先度「4」を、サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション遠距離配布処理を終了する。アプリケーション送信部12は、送信したアプリケーションのアプリケーションIDおよび優先度を関連付けてサーバ記憶部17に記憶しておく。
【0208】
ステップD1,D2は、図8に示したステップB1,B2と同じであり、シーケンスS31は、図8に示したシーケンスS1と同じであり、重複をさけるために説明は省略する。
【0209】
ステップD3では、ユーザがウェブブラウザなどで配布サーバ10にアクセスして購入した電子ブックコンテンツを取得する。具体的には、シーケンスS32で、アプリケーション実行部29は、購入された電子ブックコンテンツを、端末通信部26によって、配布サーバ10からダウンロードし、ダウンロードした電子ブックコンテンツを端末記憶部28に記憶する。そして、アプリケーション実行部29は、端末記憶部28に記憶される電子ブックコンテンツの表紙を、図14に示した第1電子ブックリーダ画面70のように、画面表示部31に表示する。
【0210】
ステップD4では、ユーザが入力部30、たとえばタッチパネルに触れて、あるいはカーソルキーなどを操作して、実行、つまり表示させたい電子ブックコンテンツを選択する。アプリケーション実行部29は、図15に示した第2電子ブックリーダ画面75を、画面表示部31に表示する。このとき、端末記憶部27に記憶された電子ブック表示アプリケーションを実行する。以後、アプリケーション実行部29は、電子ブックアプリケーションが生成する情報を、図15に示した電子ブックコンテンツ表示領域76に表示する。電子ブック表示アプリケーションは、選択された電子ブックコンテンツ、たとえばコンテンツ1を電子ブックコンテンツ表示領域76に表示する。
【0211】
ステップD5では、端末状態送信部24は、端末状態情報を取得する。具体的には、端末状態送信部24は、表示されている電子ブックコンテンツのコンテンツID、および端末状態取得部33からの緯度経度情報を端末20のOSを介して取得し、取得したコンテンツIDおよび緯度経度情報に基づいて、端末状態情報を生成する。コンテンツIDおよび緯度経度情報は、端末20のOSが管理している情報である。ステップD5の後、シーケンスS33で、端末状態送信部24は、生成した端末状態情報を、端末通信部26によって配布サーバ10に送信する。
【0212】
シーケンスS33に引き続くシーケンスで、アプリケーション受信部21は、アプリケーションおよびそのアプリケーションの優先度を、順次端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。たとえば配布サーバ10から3つのアプリケーションが順次送られてくる場合、まず、シーケンスS34で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「4」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「4」の優先度「5」を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0213】
ステップD6では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す同時表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだいずれのアプリケーションも実行していないので、受信したアプリケーションは表示可能であり、受信したアプリケーションID「4」のアプリケーションをインストールする。アプリケーション実行部29は、インストールされたアプリケーションID「4」のアプリケーションを実行し、アプリケーションID「4」のアプリケーションが生成する情報を、図15に示した第2電子ブックリーダ画面75の第1アプリケーション表示領域77に表示する。
【0214】
ステップD6の後、シーケンスS35で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「5」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「5」の優先度「4」を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0215】
ステップD7では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す同時表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだ1つのアプリケーションしか実行していないので、受信したアプリケーションは表示可能であり、受信したアプリケーションID「5」のアプリケーションをインストールする。アプリケーション実行部29は、インストールされたアプリケーションID「5」のアプリケーションを実行する。そして、アプリケーションID「5」の優先度「4」が、すでに実行中のアプリケーションのアプリケーションID「4」の優先度「5」より低いので、アプリケーションID「5」のアプリケーションが生成する情報を、図15に示した第2電子ブックリーダ画面75の第2アプリケーション表示領域78に表示する。
【0216】
ステップD7の後、シーケンスS36で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「6」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「6」の優先度「3」を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0217】
ステップD8では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す同時表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだ2つのアプリケーションしか実行していないので、受信したアプリケーションは表示可能であり、受信したアプリケーションID「6」のアプリケーションをインストールする。アプリケーション実行部29は、インストールされたアプリケーションID「6」のアプリケーションを実行する。そして、アプリケーションID「6」の優先度「3」が、すでに実行中のアプリケーションのアプリケーションID「4」の優先度「5」およびアプリケーションID「5」の優先度「4」より低いので、アプリケーションID「6」のアプリケーションが生成する情報を、図15に示した第3電子ブックリーダ画面75の第3アプリケーション表示領域79に表示する。アプリケーション受信部21は、受信したアプリケーションのアプリケーションIDおよび優先度レコードを端末記憶部27に記憶しておく。
【0218】
したがって、ここまでで、アプリケーション4が第1アプリケーション表示領域77に表示され、アプリケーション5が第2アプリケーション表示領域78に表示され、アプリケーション6が第3アプリケーション表示領域79に表示され、コンテンツ1が電子ブックコンテンツ表示領域76に表示される。
【0219】
図17は、配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション近距離配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。図17に示した左側の処理手順はサーバCPUが実行するアプリケーション近距離配布処理の処理手順を示し、右側の処理手順は端末CPUが実行するアプリケーション近距離実行処理の処理手順を示す。シーケンスS41で、端末状態受信部14がサーバ通信部18によって端末状態情報を受信すると、ステップC11に移り、ユーザが旅行などで旅行ガイドブックに記載される地域に移動し、端末20の電源が投入されて動作可能状態になると、ステップD11に移る。
【0220】
ステップC11では、アプリケーション管理部11は、送信アプリケーションを決定する。具体的には、アプリケーション管理部11は、サーバ通信部18によって端末20から受信した実行能力情報および端末状態情報に基づいて、サーバ通信部18が受信した端末状態情報を送信した端末20に対して、送信すべきアプリケーションおよび優先度を決定する。アプリケーション送信部12は、ステップC11の後、引き続くシーケンスで、アプリケーション管理部11によって決定されたアプリケーションおよび優先度、つまり優先度情報を、アプリケーションIDの上昇順に、順次サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション近距離配布処理を終了する。
【0221】
より詳細には、まず、アプリケーション管理部11は、優先度テーブル54に基づいて、端末状態情報に含まれるコンテンツIDに対応するアプリケーションIDを抽出して、送信候補のアプリケーションとする。たとえば、端末20で実行中の電子ブックコンテンツのコンテンツIDがコンテンツ1であるとき、図12に示した優先度テーブル54を参照すると、コンテンツ1に対応するアプリケーションIDは、「1」〜「6」であり、アプリケーション1〜6が送信候補のアプリケーションとなる。
【0222】
次に、アプリケーション管理部11は、アプリケーション1〜6の基準緯度および基準経度と、端末状態情報に含まれる緯度経度情報が示す緯度および経度とに基づいて、端末20の位置と各アプリケーションの基準位置との距離を計算する。この例では、端末20の位置は、端末20が実行中のコンテンツ1、つまり電子ブックコンテンツである旅行ガイドブックに記載される地域に移動しているので、計算結果も10km未満の距離となる。
【0223】
たとえば、コンテンツ1とアプリケーションとによって決まる主要設備と端末20との距離が、アプリケーション1については「0.5km」、アプリケーション2については「1.5km」、アプリケーション3については「5.5km」、アプリケーション4については「5.0km」、アプリケーション5については「3.0km」、アプリケーション6については「3.0km」であったとすると、各アプリケーションの表示の優先度は、図12に示した優先度テーブル54の表示の優先度欄547を参照すると、アプリケーション1については「5」、アプリケーション2については「4」、アプリケーション3については「3」、アプリケーション4については「0」、アプリケーション5については「2」、アプリケーション6については「1」となる。
【0224】
そして、アプリケーション管理部11は、決定した優先度、および実行能力テーブル55の同時表示可能アプリケーション数欄523に基づいて、送信すべきアプリケーションを決定する。図13に示した実行能力テーブル55の同時表示可能アプリケーション数欄523の値は「3」であり、アプリケーション管理部11は、表示の優先度が高い方から3つのアプリケーションを送信すべきアプリケーションに決定する。表示の優先度は、アプリケーション1が「5」で一番高く、アプリケーション2、アプリケーション3の順に低くなるので、アプリケーション1〜3を送信すべきアプリケーションとして決定する。
【0225】
ステップC11の後、シーケンスS42で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「1」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「1」の表示の優先度「5」を、サーバ通信部18によって端末20に送信する。引き続くシーケンスS43で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「2」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「2」の優先度「4」を、サーバ通信部18によって端末20に送信する。引き続くシーケンスS44で、アプリケーション送信部12は、アプリケーションID「3」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「3」の優先度「4」を、サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション近距離配布処理を終了する。アプリケーション送信部12は、送信したアプリケーションのアプリケーションIDおよび優先度を関連付けてサーバ記憶部17に記憶しておく。
【0226】
ステップD11〜D13は、図16に示したステップD1,D4,D5と同じであり、シーケンスS41は、図16に示したシーケンスS33と同じであり、重複をさけるために説明は省略する。シーケンスS33に引き続くシーケンスで、アプリケーション受信部21は、アプリケーションおよびそのアプリケーションの優先度を、順次端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。たとえば配布サーバ10から3つのアプリケーションが順次送られてくる場合、ます、シーケンスS42で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「1」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「1」の優先度「5」を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0227】
ステップD14では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す同時表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだいずれのアプリケーションも実行していないので、受信したアプリケーションは表示可能であり、受信したアプリケーションID「1」のアプリケーションをインストールする。アプリケーション実行部29は、インストールされたアプリケーションを実行し、アプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する情報を、図15に示した第2電子ブックリーダ画面75の第1アプリケーション表示領域77に表示する。
【0228】
ステップD14の後、シーケンスS43で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「2」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「2」の優先度「4」を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0229】
ステップD15では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す同時表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだ1つのアプリケーションしか実行していないので、受信したアプリケーションは表示可能であり、受信したアプリケーションID「2」のアプリケーションをインストールする。アプリケーション実行部29は、インストールされたアプリケーションID「2」のアプリケーションを実行する。そして、アプリケーションID「2」の優先度「4」が、すでに実行中のアプリケーションのアプリケーションID「1」の優先度「5」より低いので、アプリケーションID「2」のアプリケーションが生成する情報を、図15に示した第2電子ブックリーダ画面75の第2アプリケーション表示領域78に表示する。
【0230】
ステップD15の後、シーケンスS44で、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「3」のアプリケーションの実行ファイル、およびアプリケーションID「3」の優先度「3」を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0231】
ステップD16では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信処理を行う。具体的には、インストール処理部28は、端末記憶部27に記憶されるアプリケーション制御情報が示す同時表示可能アプリケーション数が「3」であり、まだ2つのアプリケーションしか実行していないので、受信したアプリケーションは表示可能であり、受信したアプリケーションID「3」のアプリケーションをインストールする。アプリケーション実行部29は、インストールされたアプリケーションID「3」のアプリケーションを実行する。そして、アプリケーションID「3」の優先度「3」が、すでに実行中のアプリケーションのアプリケーションID「1」の優先度「5」およびアプリケーションID「2」の優先度「4」より低いので、アプリケーションID「3」のアプリケーションが生成する情報を、図15に示した第3電子ブックリーダ画面75の第3アプリケーション表示領域79に表示する。アプリケーション受信部21は、受信したアプリケーションのアプリケーションIDおよび優先度レコードを端末記憶部27に記憶しておく。
【0232】
したがって、ここまでで、アプリケーション1が第1アプリケーション表示領域77に表示され、アプリケーション2が第2アプリケーション表示領域78に表示され、アプリケーション3が第3アプリケーション表示領域79に表示され、コンテンツ1が電子ブックコンテンツ表示領域76に表示される。
【0233】
図18は、配布サーバ10および端末20が実行するアプリケーション近距離再配布実行処理の処理手順を示すシーケンス図である。図18に示した左側の処理手順はサーバCPUが実行するアプリケーション近距離再配布処理の処理手順を示し、右側の処理手順は端末CPUが実行するアプリケーション近距離再実行処理の処理手順を示す。シーケンスS41で、端末状態受信部14がサーバ通信部18によって端末状態情報を受信すると、ステップC21に移り、ユーザが図17の最後の状態から、端末の電源をOFFにしたとき、ステップD21に移る。
【0234】
ステップC21では、アプリケーション管理部11は、送信アプリケーションを決定する。具体的には、アプリケーション管理部11は、サーバ通信部18によって端末20から受信した実行能力情報および端末状態情報に基づいて、サーバ通信部18が受信した端末状態情報を送信した端末20に対して、送信すべきアプリケーションおよび優先度を決定する。アプリケーション送信部12は、ステップC21の後、引き続くシーケンスで、アプリケーション管理部11によって決定されたアプリケーションおよび優先度、つまり優先度情報を、アプリケーションIDの上昇順に、順次サーバ通信部18によって端末20に送信して、アプリケーション近距離再配布処理を終了する。
【0235】
より詳細には、まず、アプリケーション管理部11は、優先度テーブル54に基づいて、端末状態情報に含まれるコンテンツIDに対応するアプリケーションIDを抽出して、送信候補のアプリケーションとする。たとえば、端末20で表示中の電子ブックコンテンツのコンテンツIDがコンテンツ1であるとき、図12に示した優先度テーブル54を参照すると、コンテンツ1に対応するアプリケーションIDは、「1」〜「6」であり、アプリケーション1〜6が送信候補のアプリケーションである。
【0236】
次に、アプリケーション管理部11は、アプリケーション1〜6の基準緯度および基準経度と、端末状態情報に含まれる緯度経度情報が示す緯度および経度とに基づいて、端末20の位置と各アプリケーションの基準位置との距離を計算する。この例では、端末20の位置は、図17で述べた位置から、端末20が実行中のコンテンツ1、つまり電子ブックコンテンツである旅行ガイドブックに記載される地域に移動してきたものとする。
【0237】
たとえば、コンテンツ1とアプリケーションとによって決まる主要設備と端末20との距離が、アプリケーション1については「5.5km」、アプリケーション2については「1.5km」、アプリケーション3については「0.5km」、アプリケーション4については「5.0km」、アプリケーション5については「3.0km」、アプリケーション6については「3.0km」であったとすると、各アプリケーションの表示の優先度は、図12に示した優先度テーブル54を参照すると、アプリケーション1については「3」、アプリケーション2については「4」、アプリケーション3については「5」、アプリケーション4については「0」、アプリケーション5については「2」、アプリケーション6については「1」となる。
【0238】
そして、アプリケーション管理部11は、決定した優先度、および実行能力テーブル55の同時表示可能アプリケーション数欄523に基づいて、送信すべきアプリケーションを決定する。図13に示した実行能力テーブル55の同時表示可能アプリケーション数欄523の値は「3」であり、アプリケーション管理部11は、表示の優先度が高い方から3つのアプリケーションを送信すべきアプリケーションに決定する。表示の優先度は、アプリケーション3が「5」で一番高く、アプリケーション2、アプリケーション1の順に低くなるので、アプリケーション1〜3を送信すべきアプリケーションとして決定する。
【0239】
ステップC21の後、シーケンスS52で、アプリケーション送信部12は、すでに送信しているアプリケーションおよび優先度と異なるものについて、異なる部分の情報をサーバ通信部18によって端末20に送信する。端末記憶部27に、すでに送信されたアプリケーションのアプリケーションID、たとえばアプリケーション1〜3のアプリケーションID「1」〜「3」、および優先度が記憶されているので、アプリケーション1〜3の実行ファイルは送信しない。しかし、アプリケーション1の表示の優先度が「5」から「3」に変更され、アプリケーション3の表示の優先度が「3」から「5」に変更されているので、アプリケーション送信部12は、表示の優先度が変更されたアプリケーションのアプリケーションIDおよび変更後の表示の優先度を送信する。この例では、アプリケーション1,3の表示の優先度が変更されているので、アプリケーション1のアプリケーションID「1」およびその変更後の表示の優先度「3」と、アプリケーション3のアプリケーションID「3」およびその変更後の表示の優先度「5」とを、サーバ通信部18によって端末20に送信する。アプリケーション送信部12は、サーバ記憶部17に記憶している優先度を、変更後の優先度に更新して記憶しておく。
【0240】
ステップD21では、ユーザが端末20の電源ボタンを操作するなどにより、端末20が停止される。このときアプリケーション実行部29は、端末20が再起動されたときに、停止前の状態に戻すために、現在実行されているアプリケーションや現在表示されているコンテンツの状態や端末20の位置情報を保存しておく。ステップD22では、ユーザが端末20を携帯して、コンテンツ1に記載されている地域に移動する。
【0241】
ステップD23では、ユーザが端末20の電源ボタンを操作するなどにより、端末20が再起動される。このときアプリケーション実行部29は、ステップD21にて記憶された情報を元に、端末20が停止される前の状態に戻す。これは従来技術によるものである。アプリケーション実行部29は、端末20が再起動されると、配布サーバ20に端末20の位置情報を再送するためのステップD24に進む。
【0242】
ステップD24は、図16に示したステップD5と同じであり、シーケンスS51は、図16に示したシーケンスS33と同じであり、重複をさけるために説明は省略する。シーケンスS51に引き続くシーケンスで、アプリケーション受信部21は、移動に伴う変更後のアプリケーションおよび優先度を、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。たとえば、シーケンスS52で、アプリケーション受信部21は、移動に伴う変更後の優先度を、対応するアプリケーションのアプリケーションアプリケーションIDとともに受信する。この例では、アプリケーション受信部21は、アプリケーションID「1」および優先度「3」と、アプリケーションID「3」および優先度「5」とを、端末通信部26によって配布サーバ10から受信する。
【0243】
ステップD25では、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、優先度レコードの再評価を行って、アプリケーション近距離再実行処理を終了する。具体的には、インストール処理部28は、インストールするアプリケーションに変更はないので、インストールは実行しない。アプリケーション実行部29は、受信した優先度が、アプリケーション1について「5」から「3」に変更され、アプリケーション3について「3」から「5」に変更されたことを示しているので、アプリケーションID「1」のアプリケーションが生成する情報を、図15に示した第2電子ブックリーダ画面75の第1アプリケーション表示領域77から第3アプリケーション表示領域79に変更し、かつアプリケーションID「3」のアプリケーションが生成する情報を、第3アプリケーション表示領域79から第1アプリケーション表示領域77に変更して表示する。
【0244】
したがって、ここまでで、アプリケーション1が第3アプリケーション表示領域79に表示され、アプリケーション2が第2アプリケーション表示領域78に表示され、アプリケーション3が第1アプリケーション表示領域77に表示され、コンテンツ1が電子ブックコンテンツ表示領域76に表示される。
【0245】
なお、ここでは、端末位置移動時には端末20が停止しているものとしたが、端末20が動作したまま位置移動してもよい。この場合、アプリケーション実行部29が、予め定める時間間隔、たとえば10秒間隔で端末20の緯度および経度を端末状態取得部33から取得し、ステップD24を定期的に実行すればよい。シーケンスS51によって端末20の位置情報が随時配布サーバ10に送信され、配布サーバ10による判定に応じてシーケンスS52によってアプリケーションIDと優先度が受信されるので、そのたびに表示するアプリケーションが更新されることになる。
【0246】
このように、サーバ記憶部17は、複数のアプリケーションプログラムと、各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報とを対応付けて記憶する。アプリケーション管理部11は、端末20に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。そして、アプリケーション送信部12は、アプリケーション管理部11によって決定されたアプリケーションプログラムおよび決定されたアプリケーションプログラムに対応付けられた優先度情報をサーバ記憶部17から読み出し、読み出したアプリケーションプログラムおよび優先度情報を端末20に送信する。したがって、配布サーバ10から端末20に配布された複数のアプリケーションの実行を、配布サーバ10から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0247】
さらに、端末状態受信部14は、端末20の状態を表す端末状態情報を端末20から受信する。そして、アプリケーション管理部11は、端末状態受信部14によって受信した端末状態情報に基づいて、端末20に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。したがって、端末20の状態に応じて、端末20に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0248】
さらに、端末能力受信部13は、端末20で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を端末20から受信する。そして、アプリケーション管理部11は、端末能力受信部13によって受信した端末能力情報に基づいて、端末20に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。したがって、端末20で制御可能なアプリケーション数に応じて、端末20に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0249】
さらに、優先度変更部15は、サーバ記憶部17に記憶される優先度情報が示す優先度を変更する。そして、優先度再送信部16は、優先度変更部15によって変更された優先度情報を端末20に送信する。したがって、端末20に送信した優先度情報を配布サーバ10から変更することができる。
【0250】
さらに、サーバ記憶部17に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムをインストールする優先度であるので、端末20へアプリケーションをインストールする優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0251】
さらに、サーバ記憶部17に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムを実行する優先度であるので、端末20でアプリケーションを実行する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0252】
さらに、サーバ記憶部17に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示する優先度であるので、端末20でアプリケーションが生成する画像情報を表示する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0253】
さらに、サーバ記憶部17に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する音声情報を出力する優先度であるので、端末20でアプリケーションが生成する音声情報を出力する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0254】
さらに、端末20は、ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する入力部30を含む。そして、サーバ記憶部17に記憶される優先度情報が示す優先度は、入力部30をアプリケーションプログラムに割り当てる優先度である。したがって、端末20で入力部30をアプリケーションプログラムに割り当てる優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0255】
さらに、サーバ記憶部17に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが行う通信の優先度であるので、端末20でアプリケーションが通信する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0256】
さらに、アプリケーション受信部21は、アプリケーションプログラムおよび各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報を配布サーバ10から受信する。そして、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、アプリケーション受信部21によって受信したアプリケーションプログラムを、アプリケーション受信部21によって受信した優先度情報が示す優先度に従って制御する。したがって、配布サーバ10から端末20に配布された複数のアプリケーションの実行を、配布サーバ10から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0257】
さらに、端末状態送信部24は、自端末20の状態を表わす端末状態情報を配布サーバ10に送信する。したがって、端末20の状態に応じて、端末20に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0258】
さらに、端末能力送信部23は、自端末20で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を送信する。したがって、端末20で制御可能なアプリケーション数に応じて、端末20に送信されるアプリケーションプログラムを変更することができる。
【0259】
さらに、優先度再受信部25は、アプリケーション受信部21によってアプリケーションプログラムおよび優先度情報を受信した後、変更された優先度情報を配布サーバ10から受信する。そして、インストール処理部28およびアプリケーション実行部29は、優先度再受信部25によって受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーション受信部21によって受信したアプリケーションプログラムを制御する。したがって、端末20に送信した優先度情報を配布サーバ10から変更することができる。
【0260】
さらに、インストール処理部28は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムのインストール、およびインストールされているアプリケーションプログラムのアンインストールを制御するので、端末20へアプリケーションをインストールする優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0261】
さらに、アプリケーション実行部29は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムの実行の開始、および実行の終了を制御するので、端末20でアプリケーションを実行する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0262】
さらに、アプリケーション実行部29は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示するか否かを決定するので、端末20でアプリケーションが生成する画像情報を表示する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0263】
さらに、アプリケーション実行部29は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報の表示位置および表示サイズを制御するので、端末20でアプリケーションが生成する画像情報の表示位置および表示サイズを配布サーバ10から制御することができる。
【0264】
さらに、アプリケーション実行部29は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する音声情報の出力を制御するので、端末20でアプリケーションが生成する音声情報を出力する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0265】
さらに、入力部30は、ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する。そして、アプリケーション実行部29は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムへの入力部30の割り当てを制御する。したがって、端末20で入力部30をアプリケーションプログラムに割り当てる優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0266】
さらに、アプリケーション実行部29は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムによる通信を制御するので、端末20でアプリケーションが通信する優先順位を配布サーバ10から制御することができる。
【0267】
さらに、画面表示部31は、動画コンテンツ、たとえばテレビジョン放送の画像情報を表示する。そして、端末状態情報は、画面表示部31に表示されている動画コンテンツを識別するための識別情報、たとえばチャネル番号情報である。したがって、端末20に表示されている動画コンテンツに応じたアプリケーションプログラムを配布サーバ10から受信することができる。
【0268】
さらに、配布サーバ10と、端末20とを含むので、配布サーバ10から端末20に配布された複数のアプリケーションの実行を、配布サーバ10から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0269】
さらに、端末状態情報は、端末20に表示されている文書情報からなるコンテンツを識別するためのコンテンツID、および端末20が所在する位置を表す緯度経度情報を含む。そして、アプリケーション管理部11は、端末状態受信部14によって受信した端末状態情報に含まれるコンテンツIDによって識別される文書情報からなるコンテンツと、端末状態受信部14によって受信した端末状態情報に含まれる緯度経度情報が示す位置とに基づいて、端末20に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する。したがって、配布サーバ10は、端末20に表示されるコンテンツおよび端末20が所在する位置に応じたアプリケーションを端末20に配布することができ、さらに、配布サーバ10から端末20に配布された複数のアプリケーションの実行を、配布サーバ10から送信した優先度情報によって制御することができる。
【0270】
さらに、画面表示部31は、文書情報からなるコンテンツを表示する。端末状態取得部33は、自端末20が所在する位置を検出する。そして、端末状態情報は、画面表示部31に表示されているコンテンツを識別するためのコンテンツIDと、端末状態取得部33が検出した位置を表す緯度経度情報とを含む。したがって、端末20は、自端末20に表示されているコンテンツおよび自端末20が所在する位置に応じたアプリケーションを、配布サーバ10に配布させることができる。
【0271】
さらに、配布サーバ10と、端末20とを含むので、配布サーバ10は、端末20に表示されるコンテンツおよび端末20が所在する位置に応じたアプリケーションを端末20に配布することができ、さらに、配布サーバ10から端末20に配布された複数のアプリケーションの実行を、配布サーバ10から送信した優先度情報によって制御することができる。
【符号の説明】
【0272】
1 制御システム
2 ネットワーク
10 配布サーバ
11 アプリケーション管理部
12 アプリケーション送信部
13 端末能力受信部
14 端末状態受信部
15 優先度変更部
16 優先度再送信部
17 サーバ記憶部
18 サーバ通信部
20 端末
21 アプリケーション受信部
22 アプリケーション制御部
23 端末能力送信部
24 端末状態送信部
25 優先度再受信部
26 端末通信部
27 端末記憶部
28 インストール処理部
29 アプリケーション実行部
30 入力部
31 画面表示部
32 音声出力部
33 端末状態取得部
40 サービス提供サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションプログラムと、各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定する決定手段と、
決定手段によって決定されたアプリケーションプログラムおよび決定されたアプリケーションプログラムに対応付けられた優先度情報を記憶手段から読み出し、読み出したアプリケーションプログラムおよび優先度情報を端末装置に送信するアプリケーション送信手段とを含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
端末装置の状態を表す端末状態情報を端末装置から受信する端末状態受信手段をさらに含み、
前記決定手段は、端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
端末装置で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を端末装置から受信する端末能力受信手段をさらに含み、
前記決定手段は、端末能力受信手段によって受信した端末能力情報に基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定することを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度を変更する優先度変更手段と、
優先度変更手段によって変更された優先度情報を端末装置に送信する優先度送信手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムをインストールする優先度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムを実行する優先度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示する優先度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが生成する音声情報を出力する優先度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記端末装置は、ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する入力手段を含み、
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、入力手段をアプリケーションプログラムに割り当てる優先度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記記憶手段に記憶される優先度情報が示す優先度は、アプリケーションプログラムが行う通信の優先度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーバ装置。
【請求項11】
アプリケーションプログラムおよび各アプリケーションプログラムを制御する優先度を表す優先度情報をサーバ装置から受信するアプリケーション受信手段と、
アプリケーション受信手段によって受信したアプリケーションプログラムを、アプリケーション受信手段によって受信した優先度情報が示す優先度に従って制御する制御手段とを含むことを特徴とする端末装置。
【請求項12】
自端末装置の状態を表わす端末状態情報をサーバ装置に送信する端末状態送信手段をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の端末装置。
【請求項13】
自端末装置で制御可能なアプリケーション数を表す端末能力情報を送信する端末能力送信手段をさらに含むことを特徴とする請求項11または12に記載の端末装置。
【請求項14】
前記アプリケーション受信手段によってアプリケーションプログラムおよび優先度情報を受信した後、変更された優先度情報をサーバ装置から受信する優先度受信手段をさらに含み、
前記制御手段は、優先度受信手段によって受信した優先度情報が示す優先度に従って、前記アプリケーション受信手段によって受信したアプリケーションプログラムを制御することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項15】
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムのインストール、およびインストールされているアプリケーションプログラムのアンインストールを制御することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項16】
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムの実行の開始、および実行の終了を制御することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項17】
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報を表示するか否かを決定することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項18】
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する画像情報の表示位置および表示サイズを制御することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項19】
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムが生成する音声情報の出力を制御することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項20】
ユーザからアプリケーションプログラムへの指示を表す指示情報を入力する入力手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムへの入力手段の割り当てを制御することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項21】
前記制御手段は、前記受信した優先度情報が示す優先度に従って、アプリケーションプログラムによる通信を制御することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項22】
動画コンテンツを表示する表示手段をさらに含み、
前記端末状態情報は、表示手段に表示されている動画コンテンツを識別するための識別情報であることを特徴とする請求項12に記載の端末装置。
【請求項23】
請求項1〜10のいずれか1つに記載のサーバ装置と、
請求項11〜22のいずれか1つに記載の端末装置とを含むことを特徴とするアプリケーション制御システム。
【請求項24】
前記端末状態情報は、端末装置に表示されている文書情報からなるコンテンツを識別するための識別情報、および端末装置が所在する位置を表す位置情報を含み、
前記決定手段は、前記端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に含まれる識別情報によって識別される文書情報からなるコンテンツと、前記端末状態受信手段によって受信した端末状態情報に含まれる位置情報が示す位置とに基づいて、端末装置に送信すべきアプリケーションプログラムを決定することを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項25】
文書情報からなるコンテンツを表示する表示手段と、
自端末装置が所在する位置を検出する位置検出手段とをさらに含み、
前記端末状態情報は、表示手段に表示されているコンテンツを識別するための識別情報と、位置検出手段が検出した位置を表す位置情報とを含むことを特徴とする請求項12に記載の端末装置。
【請求項26】
請求項24に記載のサーバ装置と、請求項25に記載の端末装置とを含むことを特徴とするアプリケーション制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−258086(P2011−258086A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133454(P2010−133454)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】