説明

サービス提供位置情報管理方法および装置、プログラム、記録媒体

【課題】端末装置の位置情報とサービスポリシに沿ったダイナミックな制御によるアプリケーションの提供を実現でき、センタ装置との通信に係る電力消費や通信コストを低減させる。
【解決手段】端末装置102内の位置検出デバイス201には位置情報提供装置から位置情報が入力され、位置情報管理機能部202へ位置情報を出力する。位置情報管理機能部は、位置検出デバイス201から位置情報を取得し、通信部204を介しセンタ装置103へ位置情報とユーザ情報を出力する。要求に応じてアプリケーション管理機能部203に対し位置情報を出力する。位置情報管理機能部202は、サーバより送信されるアプリケーション提供位置情報が記述されているアプリケーションテーブル401を管理する機能を持ち、端末装置102が位置情報を取得する毎にサーバと通信を行わなくても、その位置にアプリケーションやネットワークサービスが存在するかどうか判断させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信手段を有する端末装置へ提供するアプリケーションの制御に係るサービス提供位置情報管理方法および装置、プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話に代表される無線通信手段を有する端末において、ソフトウェアモジュールの配布により、ゲームやポイントカード、非接触ICカードの制御等のサービスや、端末への機能付加が提供されている。
【0003】
また、GPSやセンサなどの位置情報取得デバイスの利用により、その場所に適したコンテンツやアプリケーションを提供する装置は多く報告されており、検討、実施されている。
【0004】
例えば、位置に応じたコンテンツを、カーナビゲーション装置等の車載型情報機器へ送信する装置がある。この例では、コンテンツを配信するための位置情報を通知するために車輌とサーバ間で通信を行う必要があるが、コンテンツのないエリアにおいて、通信を行うことは無駄であり、その通信コストを削減する装置を提案している。
【0005】
エリアをメッシュで切り分け、カーナビ等で入力された車輌の走行経路情報を基に、車輌が進入する走行経路上の各単位メッシュにおける配信コンテンツの有無を調べ、当該配信コンテンツが無い場合は通信を省略する装置となっている(特許文献1参照)。
【0006】
また、近年、ホームネットワーク技術において、異なる通信プロトコルを用いるネットワークを、ゲートウェイに変換機能を有するモジュールを提供することで、通信を可能とする技術が検討されており、このような技術をモバイル端末へ応用することで、ユーザの端末を一時的に異なるネットワークに参加させることや、周辺機器を一時的に操作できるアプリケーションをダイナミックに提供することが可能である。
【特許文献1】特開2004−280710号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術において、位置情報を基にしてサービスを提供する際、GPSやセンサデバイスから位置情報を得るたびにサーバへ通信を行い、その地点にアプリケーションがあるか確認する方法をとると、そのエリアにアプリケーションが提供されていない時でも通信が発生し効率的ではない。
【0008】
さらに、位置情報取得のための位置検出デバイスのポーリングも電源コスト無視できない。モバイル環境で使用されるモバイル端末は、電源が電池によって供給されるため、無用な通信やデバイス動作を行うことにより電池の消耗を早めることとなる。
【0009】
このような通信コストや電源コストを削減する試みとして従来技術による解決が試みられているが、従来技術においては、自動車ナビゲーション向けコンテンツ配信装置であることから、GPSから得られる地理的位置情報のみを対象としているものであり、センサデバイスの検出によるユーザ位置の特定や、対象物との相対的な位置関係による情報を考慮していない。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、端末装置の位置情報とサービスポリシに沿ったダイナミックな制御によるアプリケーションの提供を実現でき、センタ装置との通信に係る電力消費や通信コストを低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の請求項1においては、相互に通信可能な端末装置とセンタ装置との組合わせにおいて実行するアプリケーションの制御を行うためのサービス提供位置情報管理方法において、前記センタ装置において、位置情報受信手段において前記端末装置から通知された位置情報を受信するステップと、アプリケーションデータベースにおいて前記アプリケーションを前記位置情報に関連付けされたサービスポリシと共に記憶するステップと、アプリケーションテーブルにおいて前記アプリケーションを提供可能なサービス提供エリアを記述するステップと、を有し、前記端末装置において、アプリケーション管理機能部において前記アプリケーションテーブルの内容を取得して記憶するステップと、位置情報送信手段において自身の現在の位置情報を取得し、前記アプリケーション管理機能部に記憶された前記アプリケーションテーブルに合致しない前記位置情報の場合において、前記センタ装置へ送信するステップと、アプリケーション受信手段において前記位置情報送信手段が送信した前記位置情報に応じて前記センタ装置から返信される前記アプリケーションを受信するステップと、アプリケーション制御手段において前記アプリケーションと共に受信した前記サービスポリシに則って該アプリケーションを制御するステップと、を有する。
【0012】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1において、前記アプリケーションテーブルは、該アプリケーションテーブルの内容が有効となる位置に基づく有効範囲情報と、前記有効範囲情報に合致する範囲内で提供されているアプリケーションについてGPSによる緯度経度情報とセンサデバイスID情報を含む位置情報と、位置検出デバイスの位置情報取得ポーリング間隔と、を含んでいる。
【0013】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2において、前記端末装置は、ユーザの位置情報と前記アプリケーションテーブルの内容に基づいて被提供されるアプリケーションの取得と起動を実行するステップと、前記アプリケーションに付随するアプリケーション提供ポリシの内容に基づいて、サービス提供エリアからの前記端末装置の逸脱に応じてアプリケーションを停止もしくは破棄するステップと、を有する。
【0014】
また、請求項4に記載の本発明は、相互に通信可能な端末装置とセンタ装置との組合わせにおいて実行するアプリケーションの制御を行うためのサービス提供位置情報管理装置において、前記センタ装置は、前記端末装置から通知された位置情報を受信するための位置情報受信手段と、前記アプリケーションを前記位置情報に関連付けされたサービスポリシと共に記憶するためのアプリケーションデータベースと、前記アプリケーションを提供可能なサービス提供エリアを記述したアプリケーションテーブルと、を有し、前記端末装置は、前記アプリケーションテーブルの内容を取得して記憶するためのアプリケーション管理機能部と、自身の現在の位置情報を取得し、前記アプリケーション管理機能部に記憶された前記アプリケーションテーブルに合致しない前記位置情報の場合において、前記センタ装置へ送信するための位置情報送信手段と、前記位置情報送信手段が送信した前記位置情報に応じて前記センタ装置から返信される前記アプリケーションを受信するためのアプリケーション受信手段と、前記アプリケーションと共に受信した前記サービスポリシに則って該アプリケーションを制御するためのアプリケーション制御手段と、を備える。
【0015】
また、請求項5に記載の本発明は、相互に通信可能な端末装置とセンタ装置との組合わせにおいて実行するアプリケーションの制御を行うためにコンピュータに実行させるためのサービス提供位置情報管理プログラムにおいて、前記センタ装置において、位置情報受信手段において前記端末装置から通知された位置情報を受信するステップと、アプリケーションデータベースにおいて前記アプリケーションを前記位置情報に関連付けされたサービスポリシと共に記憶するステップと、アプリケーションテーブルにおいて前記アプリケーションを提供可能なサービス提供エリアを記述するステップと、を有し、前記端末装置において、アプリケーション管理機能部において前記アプリケーションテーブルの内容を取得して記憶するステップと、位置情報送信手段において自身の現在の位置情報を取得し、前記アプリケーション管理機能部に記憶された前記アプリケーションテーブルに合致しない前記位置情報の場合において、前記センタ装置へ送信するステップと、アプリケーション受信手段において前記位置情報送信手段が送信した前記位置情報に応じて前記センタ装置から返信される前記アプリケーションを受信するステップと、アプリケーション制御手段において前記アプリケーションと共に受信した前記サービスポリシに則って該アプリケーションを制御するステップと、して前記コンピュータにインストールして実行する。
【0016】
また、請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載のサービス提供位置情報管理プログラムを記録してコンピュータにインストール可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、端末装置の位置情報とサービスポリシに沿ったダイナミックな制御によるアプリケーションの提供を実現でき、センタ装置との通信に係る電力消費や通信コストを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
図1〜図9は本発明に関わる位置情報利用型サービス装置の実施の形態を示す図である。
【0020】
まず構成を説明する。図1は本実施例における位置情報利用型装置の全体図である。
【0021】
位置情報提供装置101は、GPSやBluetooth、RFIDタグ、ZigBee等のセンサ、赤外線通信やワイヤレスLAN、携帯網等の無線通信手段といった位置情報提供装置である。それぞれの装置は、各々の通信手段を用い、緯度経度やセンサID、電波の検出などにより、端末装置の位置情報を提供する。
【0022】
端末装置102は、無線通信装置及び画面、電池、計算機、入力装置、位置検出デバイスを有し、位置情報提供装置101から位置情報を取得し、ネットワーク20を通じてセンタ装置103に端末装置102の現在位置情報とユーザ情報を送信する。
【0023】
端末装置102は、位置情報に対応したアプリケーションまたはサービスを提供する機能を有し、端末装置から送信される位置情報やユーザ情報を取得し、アプリケーションを端末装置側に送信する。
【0024】
図2は端末装置102の各機能部を示した詳細図である。端末装置102内の位置検出デバイス201は、位置情報提供装置に応じた検出デバイスであり、位置情報提供装置から位置情報が入力され、位置情報管理機能部202へ得た位置情報を出力する。位置情報管理機能部は、位置検出デバイス201から位置情報を取得し、通信部204を介して、センタ装置103へ位置情報とユーザ情報を出力する。また、要求に応じてアプリケーション管理機能部203に対しても位置情報を出力する。
【0025】
さらに、この位置情報管理機能部202は、サーバより送信されるアプリケーション提供位置情報が記述されているアプリケーションテーブル401(図4を参照して後述する)を管理する機能を持ち、端末装置102が位置情報を取得する毎にサーバと通信を行わなくても、その位置にアプリケーションやネットワークサービスが存在するかどうか判断させることができ、通信コストの削減を実現する。アプリケーション管理機能部203は、センタ装置103から配布されたアプリケーション206のインストール、起動、停止、破棄のライフサイクル管理を行う。
【0026】
アプリケーションは動作ポリシが記述されたシナリオ501(図5を参照して後述する)をアプリケーション管理機能部203に出力し、アプリケーション管理機能部203はそのシナリオに応じてアプリケーションの動作管理を行う。
【0027】
シナリオにはアプリケーションの位置、時間で規定された動作条件と、アプリケーションが提供するサービスにおいて、外部ネットワーク20からダウンロードするサービスに関する記述されている。このような組み合わせを用いることにより、アプリケーションサービスプロバイダは配布後のアプリケーションの動作を管理することができ、また、動作と条件を組み合わせて記述することで、ユーザに対し自動的なサービス提供を行うことが可能となる。
【0028】
シナリオに記述された位置に関する情報は、位置情報管理機能部202へ受け渡され、位置情報管理機能部202は前述のアプリケーションテーブルデータベース304に記述された、アプリケーション提供位置情報と共に、実行アプリケーション制御位置情報及びネットワークサービス提供位置情報とを合わせて管理しアプリケーション管理機能部203へ位置情報を通知する。
【0029】
アプリケーション206はサービスプロバイダより提供されるソフトウェアモジュールであり、ゲームや案内アプリなど単品でサービスを提供するものや、その場所で有効な通信プロトコルスタックの提供といった、端末の機能を拡張するための機能拡張ソフトウェアモジュールを想定している。
【0030】
ここでは便宜上アプリケーションを一つだけ図示しているが、実際は複数のアプリケーションが提供され動作している。通信部204は無線通信手段のみならず、有線による通信手段でも構わなく、外部ネットワーク20へ接続可能な手段であれば何を用いても良い。通信部204は、端末装置102内の位置情報管理機能部202やアプリケーション管理機能部203から出力されるデータをセンタ装置103へ送信する役割を果たす。表示部205はアプリケーション206が提供するユーザ208に対するGUIを表示するものであり、入力装置207は端末装置102が有するキーボードやテンキー等の、ユーザによるデータ入力を可能にする装置であれば何を用いても良い。
【0031】
図3はセンタ装置103の各機能部を示した詳細図である。通信部301は無線による通信手段でも有線による通信手段でも構わなく、外部ネットワーク20へ接続可能な手段であれば何を用いても良く、端末装置102から送信されてくる情報を取得する機能を有する。
【0032】
位置情報取得部302は、端末装置102から送信される位置情報やユーザ情報を受信し、アプリケーションデータベース303へ、端末装置102へのアプリケーションテーブル提供要求及び、アプリケーションデータベース303へアプリケーションまたはサービスの検索を要求する。
【0033】
アプリケーションテーブルデータベース304は、端末装置102がアプリケーションテーブルを有していない場合、もしくは、端末装置102の位置がアプリケーションテーブルの範囲外となった場合に、アプリケーションテーブルデータベース304より、端末位置に該当するアプリケーションテーブルを送信する。
【0034】
アプリケーションデータベース303は入力された位置情報を基に、その位置情報に関連付けられたアプリケーションを検索し、合致するものがあれば、送信されたユーザ情報に記述された端末装置102へアプリケーションのURLを通知する。アプリケーションサーバ305は、端末装置102よりアプリケーションの提供要求を受けると、指定されたアプリケーションを端末装置102へ送信する。
【0035】
図4はアプリケーションテーブル401の記述方法を示したものである。アプリケーションテーブル401には、アプリケーションテーブル401の範囲、GPSによる位置座標情報やセンサID等で記述されたアプリケーション提供エリア、位置情報検出のためのポーリング間隔が記述されている。
【0036】
このアプリケーションテーブル401を位置情報管理機能部202で管理することにより、アプリケーション検索のために、アプリケーションが存在しないエリアにおける無駄な通信を省略することができ、さらに、位置検出ポーリング間隔を設定することにより、たとえばアプリケーションがないエリアにおいて、ポーリング間隔を長く設定することにより、不必要な位置検出を行わなくてよい。
【0037】
図5はサービスシナリオ501の記述方法を示したものである。サービスシナリオ501にはGPSによる位置座標情報やセンサID等で記述されたアプリケーションの有効範囲、同じくGPSによる位置座標情報やセンサID等で記述された提供アプリケーションが位置情報により付加サービスを提供する位置情報が記述されている。アプリケーション管理機能部203はこのシナリオを読み込み、位置情報に関する情報を位置情報管理機能部に送信し、位置情報管理機能部202はアプリケーションテーブル401と合わせて一元的に管理することが出来る。
【0038】
図6は本発明の実施の形態に関わるサービス提供位置情報管理方法のアプリケーションテーブル配布手順を示したフローチャート図である。
【0039】
まず、サービス提供位置情報管理方法の開始により、端末装置102が有する位置検出デバイス201が、位置情報提供装置101より位置情報の検出及び取得を行い(S1)、その位置情報を受けた位置情報管理機能部202が、アプリケーションテーブル401を有しているか判断する(S2)。
【0040】
アプリケーションテーブル401を有していない場合、位置情報と端末装置102に付随するユーザ情報ユーザID及びIPアドレスをセンタ装置103へ送信し(S4)、アプリケーションテーブル401の取得を試みる。位置情報を取得できない場合は取得できるエリアへユーザが入るまで位置検出デバイス201と位置情報管理機能部202はポーリングを行う(S5)。
【0041】
位置情報管理機能部202が、アプリケーションテーブル401を有している場合、そのアプリケーションテーブル401の該当エリアと、端末装置現在位置情報が合致するか判断を行い(S3)、合致する場合はそのままアプリケーション検出フローへ移り、そうでない場合は、アプリケーションテーブル401を有していない場合と同様に、位置情報と端末装置に付随するユーザ情報ユーザID及びIPアドレスをセンタ装置へ送信し、アプリケーションテーブル401の取得を試みる。該当エリアに関するアプリケーションテーブル401を取得した後、アプリケーション検出フローへ移行する(S6)。
【0042】
図7は本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置のアプリケーション配布手順を示したフローチャート図である。
【0043】
まず、位置検出デバイス201が、位置情報提供装置101より位置情報の検出及び取得を行う(S10、S11)。位置情報を取得できない場合は取得できるエリアへユーザが入るまで位置検出デバイス201と位置情報管理機能部202はポーリングを行う。
【0044】
位置情報取得後、位置情報管理機能部202において、ユーザ位置情報や検出センサ情報とアプリケーションテーブルとを照らし合わせ、ユーザ位置情報がアプリケーション提供エリア内であると判断された場合(S12)、アプリケーション管理機能部203へユーザ位置情報を提供する。
【0045】
アプリケーション管理機能部203は、位置情報と端末装置102に付随するユーザ情報ユーザID及びIPアドレスをセンタ装置103へ送信する。ユーザの現在地エリアにおいて提供されるアプリケーションがない場合は位置検出へ戻る。センタ側から送信された、アプリケーション情報を基に、ユーザがそのアプリケーションを所持しているかを判断し(S13)、所持しているのであれば再び位置検出へ戻り、所持していないのであれば、ユーザがそのアプリケーションに関する通知を一度受けていて、利用を拒否したアプリケーションでなければ(S14)、ユーザの利用意思確認を行う(S15)。
【0046】
一度拒否したものであれば、そのユーザは利用意思がないと判断し、アプリケーションの提供は行わない。最後にユーザの利用意思を確認し、アプリケーションを配布し(S16)、自動的にインストール、起動させることで、直ちにサービスを利用できる状態にする(S17)。これらの処理は、アプリケーション管理機能部203が位置情報管理機能部202、及びユーザからの入力を受けて処理を行う。位置検出に関してはその後も継続的に行う。
【0047】
図8は本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置のアプリケーション停止及び破棄の手順を示したフローチャート図である。
【0048】
アプリケーションが起動している間も(S20)、位置情報取得デバイス及び位置情報管理機能部202による位置検出は継続的に行われている。本発明の実施の形態では、アプリケーションの動作ポリシを記述したシナリオを、アプリケーションと同時に取得しアプリケーション管理機能部203に提供することで、アプリケーションの動作管理を行う特徴を有している。
【0049】
アプリケーションの自動停止及び破棄は、このシナリオに基づきアプリケーション管理機能部203が行う。アプリケーションが起動すると、アプリケーション管理機能部203はアプリケーションに付随するシナリオを読み込み、停止・破棄の条件を判断する。本発明では、位置情報によるアプリケーションの停止・破棄を行う仕組みを提供する。
【0050】
アプリケーション提供機能部は定義された条件に従い、アプリケーションの動作管理を行う。まず、位置情報による動作管理に関して説明する。
【0051】
アプリケーション管理機能部203は、シナリオに記述されたアプリケーション制御用位置情報を、位置情報管理機能部202へ通知する(S21、S22)。位置情報管理機能部202はアプリケーションテーブルと共に、一元的に管理を行う。装置動作中に断続的に提供される位置情報を基に、位置情報管理機能部202は該当エリアに端末装置102が進入したことを検知すると、アプリケーション管理機能部203へその位置情報を通知し、アプリケーション管理機能部203はシナリオに記述されている位置情報に関連付けられた動作を照会し(S23)、エリア外にユーザが出たと判断されると、アプリケーションの停止または破棄を行う(S25)。
【0052】
図9は本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置の複数のアプリケーションを提供する手順を示したフローチャート図である。
【0053】
たとえばアプリケーションAが起動している間(S30)に、別のアプリケーションを提供された場合のアルゴリズムを説明する。端末装置102において、ユーザ位置情報(S31)がアプリケーションB提供エリア内であった場合、ユーザに対してアプリケーション配布の可否を確認する(S32)。ユーザが拒否をした場合、アプリケーションAのサービスを引き続き提供する。ユーザがアプリケーションBの提供を許可した場合(S33)、アプリケーションBを自動配布する(S34)。ここで、再びユーザに対し、直ちにアプリケーションBを使用する意思があるか確認を行い(S35)、ある場合はアプリケーションBの起動を行い、アプリケーションを切り替える(S39)。
【0054】
直ちに使用する意思がない場合は、アプリケーションAの終了まで待機するか(S36、S37、S38)、ユーザの明示的なコマンドの入力まで待機する。両アプリケーションとも、図5で示した停止、破棄の条件が満たされれば、自動的にサービスを終了する。
【0055】
図10は本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置のセンタ装置103側の手順を示したフローチャート図である。
【0056】
基本的にセンタ装置103は端末装置102からの位置情報及びユーザ情報の受信をトリガとして処理を開始する(S40)。センタ装置103の位置情報取得部302は、端末装置102から位置情報及びユーザ情報を受信すると(S41)、端末装置102装置内の位置情報管理機能部202がアプリケーションテーブル401を有していない、もしくはアプリケーションテーブル記述エリア外に端末装置102が出た場合、通知された位置情報を基に(S47)、アプリケーションテーブルデータベース内の該当アプリケーションテーブルを検索し(S48)、端末装置102内位置情報管理機能部202へ送信する(S49)。アプリケーションテーブルを参照した後の位置情報通知(S42)であれば、アプリケーションデータベースにユーザの位置に対するアプリケーションの有無を問い合わせ(S43)、位置に対し提供可能なアプリケーションが存在した場合、そのURLを端末装置102に送信し(S44)、ユーザの許可を確認する。ユーザにアプリケーションの使用意思があると確認されると(S45)、この実施例ではアプリケーションのURLにアクセスがあった場合端末装置102にアプリケーションを送信する(S46)。
【0057】
このように本発明の実施の形態によれば、端末装置におけるアプリケーションを位置情報とサービスポリシに沿って、ダイナミックに提供、制御することで、ユーザの利便性を向上させる装置において、位置情報管理機能部において、一元的に位置情報を管理することで、サービスプロバイダ側が簡単に位置情報利用型アプリケーションを提供することを可能にできる。
【0058】
また、アプリケーション提供エリアを記述したアプリケーションテーブルをサーバより事前に入手し管理することで、サーバとの通信コスト及びデバイス駆動による電源コストの削減を可能とする。
【0059】
たとえば、通信コストの削減に関しては、位置情報をトリガとした、サービス提供装置では、端末が位置情報を検出した際、その位置ではアプリケーションが提供されていない場合にも、アプリケーションの有無の確認のためにサーバと通信をする必要が出てくるが、あらかじめアプリケーションテーブルを有しておくことで、無駄な通信を省略することができる。
【0060】
また、電源コストの削減に関しては、例えば、端末現在位置周辺において、サービスが提供されるエリアが少ない場合、位置検出のポーリング間隔を頻繁にしてしまうと、デバイス駆動のための電源が消費され、効率的ではない。アプリケーションテーブルでは、位置検出のポーリング間隔を設定することができるため、アプリケーション提供がないエリアに端末が存在する場合、ポーリング間隔を長くするなどの対応が可能となる。
【0061】
また、本実施の形態における端末は、ユーザが自由に持ち歩くことが出来るものであり、車輌装置のように経路があらかじめ決定されているものではない。本発明の位置情報管理方法では、端末が現在保有するアプリケーションテーブルの規定エリアを脱すると、その次のエリアで提供されているアプリケーションテーブルを取得する仕組みとなっており、フレキシブルな経路にも対応することができる。
【0062】
また、本発明の実施の形態によれば、端末装置の位置情報とサービスポリシに沿ったダイナミックな制御によるアプリケーションの提供を実現でき、センタ装置との通信に係る電力消費や通信コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置の構成図を示す。
【図2】本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置の端末装置図を示す。
【図3】本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置のセンタ装置図を示す。
【図4】本発明の実施の形態に関わるアプリケーションテーブルの記述方法を示した図を示す。
【図5】本発明の実施の形態に関わるシナリオの記述方法を示した図を示す。
【図6】本発明の実施の形態に関わるサービス提供位置情報管理方法および装置のアプリケーションテーブル配布手順を示したフローチャート図を示す。
【図7】本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置のアプリケーション配布手順を示したフローチャート図を示す。
【図8】本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置のアプリケーション停止及び破棄の手順を示したフローチャート図を示す。
【図9】本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置の複数のアプリケーションを提供する手順を示したフローチャート図を示す。
【図10】本発明の実施の形態に関わるアプリケーション配布及び制御装置のセンタ装置側の手順を示したフローチャート図を示す。
【符号の説明】
【0064】
10…通信手段
20…外部ネットワーク
101…位置情報提供手段
102…端末装置
103…センタ装置
201…位置検出デバイス
202…位置情報管理機能部
203…アプリケーション管理機能部
204、301…通信部
205…表示部
206…アプリケーション
207…入力装置
208…ユーザ
302…位置情報取得部
303…アプリケーションデータベース
304…アプリケーションテーブルデータベース
305…アプリケーションサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能な端末装置とセンタ装置との組合わせにおいて実行するアプリケーションの制御を行うためのサービス提供位置情報管理方法において、
前記センタ装置において、
位置情報受信手段において前記端末装置から通知された位置情報を受信するステップと、
アプリケーションデータベースにおいて前記アプリケーションを前記位置情報に関連付けされたサービスポリシと共に記憶するステップと、
アプリケーションテーブルにおいて前記アプリケーションを提供可能なサービス提供エリアを記述するステップと、
を有し、
前記端末装置において、
アプリケーション管理機能部において前記アプリケーションテーブルの内容を取得して記憶するステップと、
位置情報送信手段において自身の現在の位置情報を取得し、前記アプリケーション管理機能部に記憶された前記アプリケーションテーブルに合致しない前記位置情報の場合において、前記センタ装置へ送信するステップと、
アプリケーション受信手段において前記位置情報送信手段が送信した前記位置情報に応じて前記センタ装置から返信される前記アプリケーションを受信するステップと、
アプリケーション制御手段において前記アプリケーションと共に受信した前記サービスポリシに則って該アプリケーションを制御するステップと、
を有することを特徴とするサービス提供位置情報管理方法。
【請求項2】
前記アプリケーションテーブルは、
該アプリケーションテーブルの内容が有効となる位置に基づく有効範囲情報と、
前記有効範囲情報に合致する範囲内で提供されているアプリケーションについてGPSによる緯度経度情報とセンサデバイスID情報を含む位置情報と、
位置検出デバイスの位置情報取得ポーリング間隔と、
を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のサービス提供位置情報管理方法。
【請求項3】
前記端末装置は、
ユーザの位置情報と前記アプリケーションテーブルの内容に基づいて被提供されるアプリケーションの取得と起動を実行するステップと、
前記アプリケーションに付随するアプリケーション提供ポリシの内容に基づいて、サービス提供エリアからの前記端末装置の逸脱に応じてアプリケーションを停止もしくは破棄するステップと、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のサービス提供位置情報管理方法。
【請求項4】
相互に通信可能な端末装置とセンタ装置との組合わせにおいて実行するアプリケーションの制御を行うためのサービス提供位置情報管理装置において、
前記センタ装置は、
前記端末装置から通知された位置情報を受信するための位置情報受信手段と、
前記アプリケーションを前記位置情報に関連付けされたサービスポリシと共に記憶するためのアプリケーションデータベースと、
前記アプリケーションを提供可能なサービス提供エリアを記述したアプリケーションテーブルと、
を有し、
前記端末装置は、
前記アプリケーションテーブルの内容を取得して記憶するためのアプリケーション管理機能部と、
自身の現在の位置情報を取得し、前記アプリケーション管理機能部に記憶された前記アプリケーションテーブルに合致しない前記位置情報の場合において、前記センタ装置へ送信するための位置情報送信手段と、
前記位置情報送信手段が送信した前記位置情報に応じて前記センタ装置から返信される前記アプリケーションを受信するためのアプリケーション受信手段と、
前記アプリケーションと共に受信した前記サービスポリシに則って該アプリケーションを制御するためのアプリケーション制御手段と、
を備えることを特徴とするサービス提供位置情報管理装置。
【請求項5】
相互に通信可能な端末装置とセンタ装置との組合わせにおいて実行するアプリケーションの制御を行うためにコンピュータに実行させるためのサービス提供位置情報管理プログラムにおいて、
前記センタ装置において、
位置情報受信手段において前記端末装置から通知された位置情報を受信するステップと、
アプリケーションデータベースにおいて前記アプリケーションを前記位置情報に関連付けされたサービスポリシと共に記憶するステップと、
アプリケーションテーブルにおいて前記アプリケーションを提供可能なサービス提供エリアを記述するステップと、
を有し、
前記端末装置において、
アプリケーション管理機能部において前記アプリケーションテーブルの内容を取得して記憶するステップと、
位置情報送信手段において自身の現在の位置情報を取得し、前記アプリケーション管理機能部に記憶された前記アプリケーションテーブルに合致しない前記位置情報の場合において、前記センタ装置へ送信するステップと、
アプリケーション受信手段において前記位置情報送信手段が送信した前記位置情報に応じて前記センタ装置から返信される前記アプリケーションを受信するステップと、
アプリケーション制御手段において前記アプリケーションと共に受信した前記サービスポリシに則って該アプリケーションを制御するステップと、
して前記コンピュータにインストールして実行することを特徴とするサービス提供位置情報管理プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のサービス提供位置情報管理プログラムを記録してコンピュータにインストール可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−310499(P2008−310499A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156484(P2007−156484)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】