説明

サービス案内提供装置及びそのプログラム

【課題】IP放送の配信サーバが配信するチャンネル情報を、受信端末にサービス案内として提供するサービス案内サーバを提供する。
【解決手段】サービス案内サーバ1は、チャンネル情報の検索条件と配信サーバ3のアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段12と、配信サーバ3のアドレスとチャンネル情報とを対応付けて記憶するプレゼンス情報記憶手段14と、受信端末4から、検索条件を受信する要求受信手段11aと、検索条件に基づいて、アドレス記憶手段12から、チャンネル情報配信装置のアドレスを検索するアドレス検索手段13と、検索されたアドレスに基づいて、プレゼンス情報記憶手段14から、チャンネル情報を検索するプレゼンス情報検索手段15と、検索されたチャンネル情報を受信端末4に通知する通知送信手段11dと、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して、IP通信装置の状態を示すプレゼンス情報をIP放送のサービス案内として提供するサービス案内提供装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送局やコンテンツ配信事業者(プロバイダ)が、ネットワークを介してコンテンツ(放送番組等)を配信し、ユーザが、受信端末によって受信したコンテンツを視聴することができるシステムが実現されている。このようなシステムにおいて、現在受信可能なコンテンツをユーザ側に配信するサービスを提供する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に開示されている技術によれば、インターネットに接続された無線基地局と、無線基地局と通信する携帯電話機と、コンテンツ配信事業者から配信されるコンテンツ(テレビ放送番組)を携帯電話機からの指示に基づいて受信する受信端末(テレビジョン受像機)と、インターネットに接続されたユーザ識別情報を保有するサーバとを備えて、システムを構成している。このシステムでは、携帯電話機が、チャンネル番号、現在位置及びユーザ識別情報を含む番組関連情報取得要求を無線基地局経由でサーバに送信することで、サーバが、受信端末で受信できる番組関連情報を携帯電話に配信している。
【0004】
一方、IP(Internet Protocol)ネットワークにおいて、通信先相手(例えば、IP電話等)の現在の状態(例えば、「会議中」、「外出中」等)を通知するサービスとして、SIP(Session Initiation Protocol)プレゼンス技術が、一般的に知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
このSIPプレゼンス技術によれば、SIPプレゼンスサーバに予め各端末(IP電話等)が状態を登録しておく。そして、ある端末は、相手先の端末を特定する識別子であるURI(Uniform Resource Identifier)を指定した問い合わせをSIPプレゼンスサーバに対して行うことで、SIPプレゼンスサーバから、相手先の端末の状態(プレゼンス情報)を取得する。なお、このプレゼンス情報は、任意に定義することができるため、種々のサービスとして利用することができる。
【特許文献1】特開2003−169352号公報
【非特許文献1】RFC3261“Session Initial Protocol”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記した特許文献1に記載の技術では、サーバは、テレビジョン受像機で選択されたチャンネルに対応する番組関連情報を配信するだけである。このため、例えば、テレビ放送がネットワークを介して配信されるような環境においては、ユーザが、テレビ放送を受信可能な携帯端末を他の地域に移動した場合、移動先でどのようなチャンネルを受信できるか分からなければ、要求を送信することもできず、番組関連情報を取得することができないという問題がある。
また、特許文献1に記載の技術では、サーバが1台の構成を前提としている。このため、番組関連情報を配信するサーバを複数分散させて運用しようとすると、ユーザが、番組関連情報を取得可能なサーバを意識して、そのサーバに対して番組関連情報取得要求を送信しなければならず、ユーザにとっては、使い勝手が悪いという問題がある。
【0007】
また、SIPプレゼンス技術では、ある端末等のサービス状態をSIPプレゼンスサーバに問い合わせる場合、相手先となる端末のURIを特定する必要がある。この場合、例えば、SIPプレゼンス技術をIP放送サービスに適用して、コンテンツ配信元がSIPプレゼンスサーバに状態(プレゼンス)を登録しても、コンテンツを受信する受信端末においては、コンテンツ配信元のURIを指定してサービスの提供を受けなければならない。そのため、受信端末では、URIが既知のコンテンツ配信元からしかサービスの提供を受けることができないという問題がある。この場合、受信端末を他の地域に移動した場合、例えば、その地域でIP放送としてどのようなコンテンツが配信されているか等のサービス(チャンネル情報)を取得することができないという問題がある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、ネットワークを介して、複数のサービス提供元の状態(プレゼンス情報)をサービス案内として提供することができるサービス案内提供装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のサービス案内提供装置は、IP放送のチャンネル情報配信装置が配信するチャンネルの配信状態を示すチャンネル情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するサービス案内提供装置であって、アドレス記憶手段と、プレゼンス情報記憶手段と、要求受信手段と、アドレス検索手段と、プレゼンス情報検索手段と、通知送信手段と、を備える構成とした。
【0010】
かかる構成において、サービス案内提供装置は、アドレス記憶手段にチャンネル情報の検索条件となる検索情報とチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶しておく。ここでチャンネル情報とは、IP放送を受信するために必要となる情報であって、例えば、IP放送のチャンネル情報を配信するプロバイダ側のチャンネル情報配信装置のIPアドレス、ポート番号、放送局名等である。また、検索情報は、受信端末がチャンネル情報を取得する際の検索条件を示す情報であって、例えば、受信端末の位置する地域、端末属性、あるいは、接続しているネットワークの接続網情報等の端末属性である。また、ネットワークアドレスは、ドメイン名、IPアドレス等のネットワークにおいて固有の情報であって、SIP−URI、プレゼンスURI等であってもよい。
【0011】
ここで、アドレス記憶手段には、検索情報とチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶しておくことで、検索条件に合致するチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスを検索することが可能になる。また、サービス案内提供装置は、プレゼンス情報記憶手段にチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスとチャンネル情報とを対応付けて記憶しておく。これによって、チャンネル情報配信装置のネットワークアドレスから、各チャンネル情報配信装置のチャンネル情報を検索することが可能になる。
【0012】
そして、サービス案内提供装置は、要求受信手段によって、受信端末から、ネットワークを介して、チャンネル情報の要求として検索情報を受信する。これによって、サービス案内提供装置は、受信端末毎に異なる検索情報を取得することができる。
そして、サービス案内提供装置は、アドレス検索手段によって、要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、アドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当するチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスを検索する。
【0013】
さらに、サービス案内提供装置は、プレゼンス情報検索手段によって、アドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、プレゼンス情報記憶手段からチャンネル情報を検索する。これによって、サービス案内提供装置は、受信端末毎に、IP放送を受信可能なチャンネル情報配信装置のチャンネル情報を検索することができる。
そして、サービス案内提供装置は、通知送信手段によって、プレゼンス情報検索手段で検索されたチャンネル情報を、ネットワークを介して受信端末に通知する。これによって、サービス案内提供装置は、個々の受信端末の端末属性に応じて、受信端末が受信可能なIP放送のチャンネル情報をサービス案内として提供することができる。
【0014】
また、請求項2に記載のサービス案内提供装置は、請求項1に記載のサービス案内提供装置において、前記ネットワークを介して、前記チャンネル情報配信装置から前記チャンネル情報を取得し、前記プレゼンス情報記憶手段に記憶するプレゼンス情報取得手段をさらに備え、前記プレゼンス情報検索手段で前記チャンネル情報を検索できなかった場合に、前記プレゼンス情報取得手段が、前記チャンネル情報配信装置から前記チャンネル情報を取得する構成とした。
【0015】
かかる構成において、サービス案内提供装置は、プレゼンス情報取得手段によって、必要に応じてチャンネル情報配信装置からチャンネル情報を取得する。これによって、予めすべてのチャンネル情報配信装置のチャンネル情報をプレゼンス情報記憶手段に記憶しておく必要がなくなる。
【0016】
さらに、請求項3に記載のサービス案内提供装置は、請求項1又は請求項2に記載のサービス案内提供装置において、前記検索情報として、前記受信端末の位置情報、属性情報、又は、前記ネットワークの接続網情報の少なくとも1つを用いることを特徴とする。
【0017】
かかる構成において、サービス案内提供装置は、アドレス検索手段によって、受信端末の位置情報、属性情報、又は、ネットワークの接続網情報の少なくとも1つを検索条件として、チャンネル情報配信装置のネットワークアドレスを検索する。ここで、位置情報とは、受信端末が現在位置している地域、場所を示す情報である。また、属性情報は、受信端末がIP放送を受信する制限となる情報であって、例えば、視聴可能な画面サイズ、解像度等である。また、接続網情報とは、受信端末が接続している網(ネットワーク)のプロバイダや自治体といった事業主、提供者、運用者等を示す情報、ネットワークの回線速度等である。このように、位置情報、属性情報又は接続網情報の少なくとも1つを検索条件とすることで、サービス案内提供装置は、個々の受信端末の属性に適したチャンネル情報を検索することができる。
【0018】
また、請求項4に記載のサービス案内提供装置は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサービス案内提供装置において、マルチキャスト情報受信手段と、変換テーブル記憶手段と、情報変換手段と、をさらに備える構成とした。
【0019】
かかる構成において、サービス案内提供装置は、予め変換テーブル記憶手段に、マルチキャスト配信されるチャンネル情報を含んだマルチキャスト情報を、プレゼンス情報記憶手段に記憶されているチャンネル情報へフォーマット変換するための変換テーブルを記憶しておく。このフォーマット変換は、例えば、プレゼンス情報記憶手段に記憶されているチャンネル情報が、SIPで規定されているプレゼンス情報データ形式(PIDF:Presence Information Data Format)で記述されている場合、セッション記述プロトコル(SDP:Session Description Protocol)に基づいて記述されているマルチキャスト情報を、PIDFに変換するテーブルである。
【0020】
そして、サービス案内提供装置は、マルチキャスト情報受信手段によって、予め設定された配信間隔でマルチキャスト配信されるチャンネル情報を含んだマルチキャスト情報を受信する。そして、サービス案内提供装置は、情報変換手段によって、マルチキャスト受信手段で受信したマルチキャスト情報を、変換テーブルに基づいて、チャンネル情報に変換し、プレゼンス情報記憶手段に記憶する。これによって、マルチキャスト配信される情報が、プレゼンス情報記憶手段に記憶されることになり、受信端末がチャンネル情報を要求したタイミングで、マルチキャスト情報を通知することができる。
【0021】
さらに、請求項5に記載のサービス案内提供プログラムは、IP放送のチャンネル情報配信装置が配信するチャンネルの配信状態を示すチャンネル情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するために、サービス案内提供装置のコンピュータを、要求受信手段、アドレス検索手段、プレゼンス情報検索手段、通知送信手段、として機能させる構成とした。
【0022】
かかる構成において、サービス案内提供プログラムは、要求受信手段によって、受信端末から、ネットワークを介して、チャンネル情報の要求として、チャンネル情報の検索条件となる検索情報を受信する。
そして、サービス案内提供プログラムは、アドレス検索手段によって、要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、検索情報とチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当するチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスを検索する。
【0023】
さらに、サービス案内提供プログラムは、プレゼンス情報検索手段によって、アドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、チャンネル情報配信装置のネットワークアドレスとチャンネル情報とを対応付けて記憶するプレゼンス情報記憶手段からチャンネル情報を検索する。これによって、サービス案内提供プログラムは、受信端末毎に、IP放送を受信可能なチャンネル情報配信装置のチャンネル情報を検索することができる。
【0024】
そして、サービス案内提供プログラムは、通知送信手段によって、プレゼンス情報検索手段で検索されたチャンネル情報を、ネットワークを介して受信端末に通知する。これによって、サービス案内提供プログラムは、個々の受信端末の端末属性に応じて、受信端末が受信可能なIP放送のチャンネル情報をサービス案内として提供することができる。
【0025】
また、請求項6に記載のサービス案内提供装置は、IP通信装置の状態を示すプレゼンス情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するサービス案内提供装置であって、アドレス記憶手段と、プレゼンス情報記憶手段と、要求受信手段と、アドレス検索手段と、プレゼンス情報検索手段と、通知送信手段と、を備える構成とした。
【0026】
かかる構成において、サービス案内提供装置は、アドレス記憶手段にプレゼンス情報の検索条件となる検索情報とIP通信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶しておく。ここでプレゼンス情報とは、IP通信装置の状態を示す種々の情報であって、例えば、IP通信装置のIPアドレス、ポート番号、放送局名等の情報である。また、検索情報は、受信端末がプレゼンス情報を取得する際の検索条件を示す情報である。また、IP通信装置は、インターネットプロトコルに準拠した通信手順により通信を行う装置であって、例えば、IP電話等である。
ここで、アドレス記憶手段には、検索情報とIP通信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶しておくことで、検索条件に合致するIP通信装置のネットワークアドレスを検索することが可能になる。
【0027】
また、サービス案内提供装置は、プレゼンス情報記憶手段にIP通信装置のネットワークアドレスとプレゼンス情報とを対応付けて記憶しておく。これによって、IP通信装置のネットワークアドレスから、各IP通信装置のプレゼンス情報を検索することが可能になる。
そして、サービス案内提供装置は、要求受信手段によって、受信端末から、ネットワークを介して、プレゼンス情報の要求として検索情報を受信する。これによって、サービス案内提供装置は、受信端末毎に異なる検索情報を取得することができる。
そして、サービス案内提供装置は、アドレス検索手段によって、要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、アドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当するIP通信装置のネットワークアドレスを検索する。
【0028】
さらに、サービス案内提供装置は、プレゼンス情報検索手段によって、アドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、プレゼンス情報記憶手段からプレゼンス情報を検索する。これによって、サービス案内提供装置は、受信端末毎に、検索条件に合致したIP通信装置のプレゼンス情報を検索することができる。
そして、サービス案内提供装置は、通知送信手段によって、プレゼンス情報検索手段で検索されたプレゼンス情報を、ネットワークを介して受信端末に通知する。これによって、サービス案内提供装置は、個々の受信端末から通知される検索条件に応じて、IP通信装置のプレゼンス情報をサービス案内として提供することができる。
【0029】
さらに、請求項7に記載のサービス案内提供装置は、請求項6に記載のサービス案内提供装置において、プレゼンス情報取得手段をさらに備える構成とした。
【0030】
かかる構成において、サービス案内提供装置は、プレゼンス情報取得手段によって、ネットワークを介して、IP通信装置からプレゼンス情報を取得し、プレゼンス情報記憶手段に記憶する。なお、プレゼンス情報の取得は、プレゼンス情報取得手段が各IP通信装置に対して要求を行うことで行ってもよいし、IP通信装置が状態の変化によって送信するタイミングで取得することとしてもよい。
【0031】
また、請求項8に記載のサービス案内提供プログラムは、IP通信装置の状態を示すプレゼンス情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するために、サービス案内提供装置のコンピュータを、要求受信手段、アドレス検索手段、プレゼンス情報検索手段、通知送信手段、として機能させる構成とした。
【0032】
かかる構成において、サービス案内提供プログラムは、要求受信手段によって、受信端末から、ネットワークを介して、プレゼンス情報の要求として、プレゼンス情報の検索条件となる検索情報を受信する。
そして、サービス案内提供プログラムは、アドレス検索手段によって、要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、検索情報とIP通信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当するIP通信装置のネットワークアドレスを検索する。
【0033】
さらに、サービス案内提供プログラムは、プレゼンス情報検索手段によって、アドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、IP通信装置のネットワークアドレスとプレゼンス情報とを対応付けて記憶するプレゼンス情報記憶手段からプレゼンス情報を検索する。これによって、サービス案内提供プログラムは、受信端末毎に、IP通信装置のプレゼンス情報を検索することができる。
そして、サービス案内提供プログラムは、通知送信手段によって、プレゼンス情報検索手段で検索されたプレゼンス情報を、ネットワークを介して受信端末に通知する。これによって、サービス案内提供プログラムは、個々の受信端末から通知される検索条件に応じて、IP通信装置のプレゼンス情報をサービス案内として提供することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
請求項1又は請求項5に記載の発明によれば、複数のIP放送の配信元(サービス提供元)のチャンネルの状態(チャンネル情報)をサービス案内として提供することができる。これによって、受信端末は、IP放送を受信するためのチャンネル情報を、個々のチャンネル情報配信装置に問い合わせることなく、サービス案内提供装置に問い合わせるだけで取得することができる。また、受信端末は、IP放送の視聴位置を移動した場合であっても、サービス案内提供装置にチャンネル情報を問い合わせるだけでチャンネル情報を取得することができる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、チャンネル情報が記憶されていない場合であっても、最新の情報をチャンネル情報配信装置から取得し、受信端末に提供することができる。また、これによって、常にチャンネル情報を記憶しておく必要がなくなるため、チャンネル情報を記憶する容量を少なくすることができる。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、受信端末の位置情報、属性情報又は接続網情報の少なくとも1つを検索条件とすることができるため、受信端末が現在位置している場所、受信端末における画面の解像度等の属性、あるいは、接続しているネットワークの回線速度等によって、受信端末が現在視聴可能なIP放送のチャンネル情報をサービス案内として提供することができる。
【0037】
請求項4に記載の発明によれば、マルチキャスト配信されるマルチキャスト情報を予めチャンネル情報と同一フォーマットで記憶しておくことができるため、受信端末からのチャンネル情報を要求されたタイミングで、マルチキャスト情報も同時に受信端末にサービス案内として提供することができる。これによって、従来、受信端末は、配信元の配信間隔のタイミングでしか取得できなったマルチキャスト情報を、サービス案内提供装置に問い合わせたタイミング取得することができる。
【0038】
請求項6又は請求項8に記載の発明によれば、複数のIP通信装置のプレゼンス情報をサービス案内として提供することができる。これによって、受信端末は、個々のIP通信装置に対して状態を問い合わせることなく、固定のサービス案内提供装置に問い合わせを行うだけで、検索条件で指定されたIP通信装置のプレゼンス情報を取得することができる。
【0039】
請求項7に記載の発明によれば、プレゼンス情報が記憶されていない場合であっても、最新の情報をIP通信装置から取得し、受信端末に提供することができる。また、これによって、常にプレゼンス情報を記憶しておく必要がなくなるため、プレゼンス情報を記憶する容量を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[IP放送システムの構成:第1実施形態]
まず、図1を参照して、第1実施形態に係るIP放送システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るIP放送システムの構成を示すブロック図である。ここでは、IP放送システムSは、サービス案内サーバ1と、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ2と、複数の配信サーバ3,3,…,3と、受信端末4とがネットワークNを介して接続されて構成されている。
【0041】
このIP放送システムSは、受信端末4が、複数の配信サーバ3,3,…,3が配信するIP放送を受信するシステムである。また、IP放送システムSは、受信端末4の属性、視聴地域等によって、受信端末4において受信可能なIP放送のチャンネル情報を、配信サーバ3の配信状態を示すプレゼンス情報として提供する機能を有している。ここでは、本発明の要部であるプレゼンス情報を提供する機能を実現する構成について主に説明を行うこととする。
【0042】
サービス案内サーバ(サービス案内提供装置)1は、受信端末4に対して、配信サーバ3のチャンネル情報をプレゼンス情報として提供するものである。ここで、チャンネル情報は、IP放送を受信するために必要となる情報であって、例えば、IP放送を配信する配信サーバ3のIPアドレス、ポート番号、放送局名等である。
【0043】
DHCPサーバ2は、ネットワークNに接続される受信端末4等のIP機器に対して、IPアドレス等のネットワークN内で必要となる情報を割り当てるものである。なお、ここでは、DHCPサーバ2は、ネットワークN内で必要な情報として、IPアドレス以外に、ネットワークNのプロバイダ等の接続網情報、位置情報をDHCPオプションとして通知することとする。さらに、DHCPサーバ2は、サービス案内サーバ1のIPアドレス又はドメイン名を、DHCPオプションとして受信端末4に通知するものとする。これによって、受信端末4において、サービス案内を提供するサービス案内サーバ1をネットワークN内において特定することができる。
【0044】
配信サーバ(チャンネル情報配信装置)3は、IP放送のコンテンツを、ネットワークNを介して配信するものである。なお、配信サーバ3は、IP放送を提供する放送局内に設置されるもので、地域限定で放送を行うものであってもよいし、広域(例えば、全国的なネットワーク)で放送を行うものであってもよい。
また、ここでは、配信サーバ3は、サービス案内サーバ1からの要求に対して、チャンネル情報を通知するチャンネル情報配信装置としての機能を有している。これによって、チャンネル情報が、サービス案内サーバ1に配信され、サービス案内サーバ1において、各配信サーバ3のチャンネル情報が一括して管理されることになる。
【0045】
受信端末4は、配信サーバ3から配信されるコンテンツを受信するものである。なお、受信端末4は、DHCPクライアント機能を有し、DHCPサーバ2から、サービス案内サーバ1のIPアドレス又はドメイン名を取得する。
そして、受信端末4は、ネットワークNに接続された状態においては、ネットワークNに接続されたサービス案内サーバ1から、サービス案内として、IP放送を受信するために必要な情報であるチャンネル情報を取得する。なお、受信端末4は、サービス案内サーバ1のIPアドレス又はドメイン名をDHCPサーバ2から取得することとする。また、図1では、受信端末4を1台だけ図示しているが、その台数は複数台であっても構わない。
以下、サービス案内サーバ1及び受信端末4の構成について具体的に説明する。
【0046】
(サービス案内サーバの構成)
最初に、図2を参照(適宜図1参照)して、サービス案内サーバ(サービス案内提供装置)の構成について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係るサービス案内サーバ(サービス案内提供装置)の構成を示すブロック図である。
【0047】
図2に示すように、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報通知手段11と、アドレス記憶手段12と、アドレス検索手段13と、プレゼンス情報記憶手段14と、プレゼンス情報検索手段15と、プレゼンス情報取得手段16とを備えている。ここでは、サービス案内サーバ1を、SIP(Session Initiation Protocol)プレゼンスサーバとして構築している。
【0048】
プレゼンス情報通知手段11は、受信端末4からチャンネル情報の配信要求(SUBSCRIBEリクエスト)を受信し、要求のあった受信端末4に対して、チャンネル情報をプレゼンス情報として通知するものである。このプレゼンス情報通知手段11は、SIPにおけるプレゼンス・エージェント(PA:Presence Agent)として機能する。なお、プレゼンス情報通知手段11は、サービス毎に複数備える構成としてもよいが、ここでは、IP放送のチャンネル情報をサービス案内として提供する固定の機能を有するものとして、1つのみの構成としている。
【0049】
また、ここでは、プレゼンス情報通知手段11は、要求受信手段11aと、アドレス検索指示手段11bと、プレゼンス情報検索指示手段11cと、通知送信手段11dとを備えている。なお、プレゼンス情報通知手段11と受信端末4との情報の送受信は、通信ボード等のネットワークインタフェースを介して行われるが、ここでは、図示を省略する。
【0050】
要求受信手段11aは、受信端末4から、ネットワークNを介して、チャンネル情報を取得するための要求(SUBSCRIBEリクエスト)を受信するものである。なお、このSUBSCRIBEリクエストには、チャンネル情報の検索条件となる検索情報が含まれている。また、要求受信手段11aは、受信したSUBSCRIBEリクエストをアドレス検索指示手段11bに出力する。
【0051】
ここで、図3を参照(適宜図1参照)して、受信端末4から要求されるSUBSCRIBEリクエストについて説明する。図3は、SUBSCRIBEリクエストの内容を示す図である。図3に示すように、SUBSCRIBEリクエストは、ヘッダ部Hと、メッセージボディ部Mとで構成される。
【0052】
ここでは、ヘッダ部Hの「To」行において、サービス案内サーバ1(より詳細には、サービス案内サーバ1内のプレゼンス情報通知手段11)を特定するURI(ここでは、resource@example.net)を記述している。このURIは、サービス案内サーバ1が複数のサービスを提供する場合であれば、そのサービスに対応するプレゼンス情報通知手段11を指定する情報となる。この「To」行に記述されたURIによって、サービスを特定することが可能になり、サービス案内サーバ1は、当該URIを通知されることで、例えば、チャンネル情報をサービス案内として、受信端末4が要求していることを認識することができる。
また、ヘッダ部Hの「From」行において、SUBSCRIBEリクエストを要求した受信端末4のURI(ここでは、user@example.net)を記述している。
【0053】
なお、メッセージボディ部Mには、受信端末4の位置情報、属性情報等の端末情報をチャンネル情報の検索条件となる検索情報として記述することとする。例えば、端末情報(検索情報)として、受信端末4の現在の位置(例えば、「千代田区」)を、開始タグ<location>と、終了タグ</location>との間に記述する。また、例えば、受信端末4の属性情報として、画面の表示解像度(例えば、「VGA」)を、開始タグ<video>と、終了タグ</video>との間に記述する。
このSUBSCRIBEリクエストによって、サービス案内サーバ1は、受信端末4の端末情報を取得することができ、受信端末4が、どのIP放送のサービスを受信することができるかを判定することが可能になる。
図2に戻って、サービス案内サーバ1の構成について説明を続ける。
【0054】
アドレス検索指示手段11bは、アドレス検索手段13に対して、配信サーバ3の検索を指示するものである。ここでは、アドレス検索指示手段11bは、SUBSCRIBEリクエストに含まれている位置情報、属性情報等の端末情報を、アドレス検索手段13に通知することでアドレス検索手段13で検索を実行させ、その検索結果を取得する。なお、検索結果である配信サーバ3のネットワークN上のアドレス(プレゼンスURI)は、プレゼンス情報検索指示手段11cに出力される。
【0055】
プレゼンス情報検索指示手段11cは、プレゼンス情報検索手段15に対して、チャンネル情報の検索を指示するものである。ここでは、プレゼンス情報検索指示手段11cは、アドレス検索指示手段11bが出力したプレゼンスURIを、プレゼンス情報検索手段15に通知することでプレゼンス情報検索手段15で検索を実行させ、その検索結果を取得する。なお、検索結果であるチャンネル情報は、通知送信手段11dに出力される。
【0056】
通知送信手段11dは、チャンネル情報を要求した受信端末4に対して、チャンネル情報を通知するものである。ここでは、通知送信手段11dは、プレゼンス情報検索指示手段11cから出力されるチャンネル情報を含んだ通知(NOTIFYリクエスト)を、ネットワークNを介して、受信端末4に送信する。
【0057】
アドレス記憶手段12は、配信サーバ3のネットワークN上のアドレス(プレゼンスURI)を、位置情報、属性情報等の端末情報に対応付けて記憶しておくものであって、ハードディスク等の一般的な記憶手段である。ここでは、アドレス記憶手段12に、配信サーバ3のプレゼンスURIと、位置情報、属性情報等の端末情報とを予め対応付けて記憶しておく。
【0058】
例えば、ある地域限定でIP放送を配信している配信サーバ3については、その地域を示す位置情報と、配信サーバ3のプレゼンスURIとを対応付けておく。また、例えば、ある解像度でIP放送を配信している配信サーバ3については、その解像度を示す解像度情報(属性情報)と、配信サーバ3のプレゼンスURIとを対応付けておく。
なお、配信サーバ3に対応付けておく情報は、位置情報や属性情報に限定されるものではない。例えば、IP放送として配信可能な網を特定する接続網情報(例えば、回線速度等)であってもよい。
【0059】
アドレス検索手段13は、位置情報、属性情報等の端末情報に基づいて、アドレス記憶手段12に記憶されている配信サーバ3のアドレス(プレゼンスURI)を検索するものである。ここでは、アドレス検索手段13は、アドレス検索指示手段11bから通知される端末情報を検索のパラメータとして、配信サーバ3のプレゼンスURIを検索する。これによって、要求のあった受信端末4に対してサービス可能な、すなわち、受信端末4が受信可能なIP放送を配信している配信サーバ3のプレゼンスURIを検索することができる。このアドレス検索手段13は、プレゼンスURIを検索結果としてアドレス検索指示手段11bに出力する。
【0060】
プレゼンス情報記憶手段14は、配信サーバ3のアドレス(プレゼンスURI)毎に、当該配信サーバ3が配信するIP放送のチャンネル情報を記憶しておくものであって、ハードディスク等の一般的な記憶手段である。ここでは、プレゼンス情報記憶手段14は、配信サーバ3のプレゼンスURIと、放送局の名称、番組名、IPアドレス、ポート番号等のチャンネル情報とを対応付けて記憶しておく。これらのチャンネル情報は、プレゼンス情報取得手段16によって配信サーバ3から取得され、プレゼンス情報記憶手段14に記憶される。
【0061】
なお、ここでは、アドレス記憶手段12とプレゼンス情報記憶手段14とを別構成としているが、同一の記憶手段で構成してもよい。また、プレゼンス情報記憶手段14は、一時的なバッファとすることとしてもよい。これによって、サービス案内サーバ1は、常に最新のチャンネル情報をサービス案内として受信端末4に提供することができる。
【0062】
また、ここでは、チャンネル情報は、SIPで規定されているプレゼンス情報データ形式(PIDF:Presence Information Data Format)で記述されているものとする。このように、チャンネル情報をPIDFで記述しておくことで、チャンネル情報をSIPのプレゼンス情報として扱うことができる。
【0063】
ここで、図4を参照して、PIDFで記述したチャンネル情報について説明する。図4は、PIDFで記述したチャンネル情報の内容を示す図である。図4に示すように、チャンネル情報を、チャンネル情報の種別を示す予め定めたタグによって定義し、テキストデータで記述しておく。例えば、開始タグ<resource_location>と終了タグ</resource_location>との間に、「IPアドレス、ポート番号、URL」を記述しておくことで、当該チャンネル情報を有する配信サーバ3からIP放送を受信する場合、受信端末4は、チャンネル情報で示されるIPアドレス等から、IP放送のパケットデータを取得することを認識することができる。
なお、図4では、チャンネル情報の一例として、「IPアドレス、ポート番号、URL」以外に、「放送局の名称」、「放送局のネットワークの名称」、「放送サービスの種類」、「番組名」、「番組内容」、「IP放送の種別」を記述している。
図2に戻って、サービス案内サーバ1の構成について説明を続ける。
【0064】
プレゼンス情報検索手段15は、配信サーバ3のアドレス(プレゼンスURI)に基づいて、プレゼンス情報記憶手段14に記憶されているチャンネル情報を検索するものである。ここでは、プレゼンス情報検索手段15は、プレゼンス情報検索指示手段11cから通知されるプレゼンスURIを検索のパラメータとして、チャンネル情報を検索する。このプレゼンス情報検索手段15は、チャンネル情報を検索結果としてプレゼンス情報通知手段11のプレゼンス情報検索指示手段11cに出力する。
【0065】
また、プレゼンス情報検索手段15は、プレゼンス情報記憶手段14に、プレゼンスURIに対応するチャンネル情報が記憶されていない場合、プレゼンス情報取得手段16に対して、当該プレゼンスURIを通知し、チャンネル情報の取得を指示する。その後、プレゼンス情報取得手段16からチャンネル情報を取得した旨の通知を受けた段階で、プレゼンス情報検索手段15は、再度、プレゼンス情報記憶手段14に記憶されているチャンネル情報を検索し、チャンネル情報を検索結果としてプレゼンス情報検索指示手段11cに出力する。なお、プレゼンス情報検索手段15は、プレゼンス情報記憶手段14を介さず、プレゼンス情報取得手段16からチャンネル情報を直接取得することとしてもよい。
【0066】
プレゼンス情報取得手段16は、配信サーバ3から、ネットワークNを介して、チャンネル情報をSIPのプレゼンス情報として取得するものである。このプレゼンス情報取得手段16は、SIPにおけるプレゼンス・ユーザ・エージェント(PUA:Presence User Agent)として機能する。ここでは、プレゼンス情報取得手段16は、要求送信手段16aと、通知受信手段16bとを備えている。なお、プレゼンス情報取得手段16と配信サーバ3との情報の送受信は、通信ボード等のネットワークインタフェースを介して行われるが、ここでは、図示を省略する。
【0067】
要求送信手段16aは、プレゼンス情報検索手段15から通知されるプレゼンスURIで特定される配信サーバ3に対して、ネットワークNを介して、チャンネル情報を取得するための要求(SUBSCRIBEリクエスト)を送信するものである。
なお、この要求(SUBSCRIBEリクエスト)に対して、配信サーバ3は、配信サーバ3内部のPA(プレゼンス・エージェント)3aによって、チャンネル情報を含んだ通知(NOTIFYリクエスト)をサービス案内サーバ1に送信する。
【0068】
通知受信手段16bは、要求送信手段16aがチャンネル情報を要求した配信サーバ3から、ネットワークNを介して、チャンネル情報を受信するものである。ここでは、通知受信手段16bは、配信サーバ3から送信されるチャンネル情報を含んだ通知(NOTIFYリクエスト)を受信し、受信したチャンネル情報を、配信サーバ3のプレゼンスURIと対応付けてプレゼンス情報記憶手段14に記憶する。また、通知受信手段16bは、チャンネル情報を受信した旨をプレゼンス情報検索手段15に通知する。
なお、通知受信手段16bは、受信したチャンネル情報を、直接プレゼンス情報検索手段15に通知することとしてもよい。
【0069】
このようにサービス案内サーバ1を構成することで、サービス案内サーバ1は、受信端末4の位置情報等の端末情報に基づいて、当該受信端末4に対してIP放送を配信しているチャンネルの情報(プレゼンス情報)を、受信端末4にサービス案内として通知することができる。
【0070】
なお、サービス案内サーバ1は、一般的なコンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムにより動作させることで実現することができる。このプログラム(サービス案内提供プログラム)は、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【0071】
(受信端末の構成)
次に、図5を参照(適宜図1参照)して、受信端末の構成について説明する。図5は、受信端末の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、受信端末4は、ネットワーク情報取得手段41と、プレゼンス情報取得手段42と、属性情報管理手段43と、接続網管理手段44と、と、位置情報管理手段45と、端末情報記憶手段46と、サービス案内表示手段47とを備えている。また、ここでは、受信端末4を、SIP(Session Initiation Protocol)プレゼンスのクライアントとして構築している。
【0072】
ネットワーク情報取得手段41は、DHCPサーバ2から、ネットワーク情報を取得するものであって、DHCPクライアントとして機能するものである。ここでは、ネットワーク情報取得手段41は、図示を省略したネットワークインタフェースを介して、DHCPサーバ2から、受信端末4に付与されるIPアドレスや、サービス案内サーバ1のIPアドレスを取得する。これらのIPアドレスは、プレゼンス情報取得手段42で使用される。なお、ネットワーク情報取得手段41は、DHCPサーバ2から、位置情報や、接続網情報を取得することとしてもよい。
【0073】
プレゼンス情報取得手段42は、サービス案内サーバ1に対して、IP放送のチャンネル情報(プレゼンス情報)の配信要求を送信し、サービス案内サーバ1からチャンネル情報を取得するものである。このプレゼンス情報取得手段42は、サービス案内表示手段47から起動させるもので、SIPにおけるプレゼンス・ユーザ・エージェント(PUA:Presence User Agent)として機能する。ここでは、プレゼンス情報取得手段42は、要求送信手段42aと、通知受信手段42bとを備えている。なお、プレゼンス情報取得手段42とサービス案内サーバ1との情報の送受信は、通信ボード等のネットワークインタフェースを介して行われるが、ここでは、図示を省略する。
【0074】
要求送信手段42aは、チャンネル情報を取得するための要求(SUBSCRIBEリクエスト)を生成し、ネットワークNを介して、サービス案内サーバ1にその要求を送信するものである。この要求送信手段42aが生成し、送信するSUBSCRIBEリクエストは、図3で説明したものである。
【0075】
ここで、要求送信手段42aは、SUBSCRIBEリクエストに、受信端末4の属性情報、接続網情報、位置情報等の端末情報を記述しておく。なお、要求送信手段42aは、属性情報を属性情報管理手段43から取得し、接続網情報を接続網管理手段44から取得し、位置情報を位置情報管理手段45から取得することとする。
そして、要求送信手段42aは、ネットワーク情報取得手段41で取得したサービス案内サーバ1のIPアドレスに対して、SUBSCRIBEリクエストを送信する。
【0076】
通知受信手段42bは、要求送信手段42aがチャンネル情報を要求したサービス案内サーバ1から、ネットワークNを介して、チャンネル情報を受信するものである。ここでは、通知受信手段42bは、サービス案内サーバ1から送信されるチャンネル情報を含んだ通知(NOTIFYリクエスト)を受信し、受信したチャンネル情報を、サービス案内表示手段47に通知する。
【0077】
属性情報管理手段43は、受信端末4の属性情報を管理するものである。この属性情報は、受信端末4のデータ通信速度や、図示を省略した表示手段の解像度等であって、受信端末4がIP放送を受信するための制限となる情報である。ここでは、属性情報管理手段43は、端末情報記憶手段46に対して、属性情報の書き込みや読み出しの制御を行う。また、属性情報管理手段43は、プレゼンス情報取得手段42から属性情報の要求があった場合に、属性情報を端末情報記憶手段46から読み出して、プレゼンス情報取得手段42に通知する。なお、属性情報は、予め端末情報記憶手段46に記憶しておくこととしてもよいし、ユーザが図示を省略した入力手段を介して入力することとしてもよい。
【0078】
接続網管理手段44は、受信端末4が接続されている接続網情報を管理するものである。この接続網情報は、受信端末4が接続している網(ネットワークN)のプロバイダや自治体といった事業主、提供者、運用者等を示す情報である。ここでは、接続網管理手段44は、端末情報記憶手段46に対して、接続網情報の書き込みや読み出しの制御を行う。また、接続網管理手段44は、プレゼンス情報取得手段42から接続網情報の要求があった場合に、接続網情報を端末情報記憶手段46から読み出して、プレゼンス情報取得手段42に通知する。
【0079】
位置情報管理手段45は、受信端末4の位置情報を管理するものである。この位置情報は、受信端末4が位置している地域、場所を示す情報である。ここでは、位置情報管理手段45は、端末情報記憶手段46に対して、位置情報の書き込みや読み出しの制御を行う。また、位置情報管理手段45は、プレゼンス情報取得手段42から位置情報の要求があった場合に、位置情報を端末情報記憶手段46から読み出して、プレゼンス情報取得手段42に通知する。
【0080】
なお、接続網管理手段44が管理する接続網情報や、位置情報管理手段45が管理する位置情報は、図示を省略した外部のルータから広告される「ルータ広告(Router Advertisement)」により取得することとしてもよいし、DHCPサーバ2、図示を省略したディレクトリサーバ等から取得することとしてもよい。もちろん、接続網情報や位置情報は、ユーザが図示を省略した入力手段を介して入力することとしてもよい。
【0081】
端末情報記憶手段46は、受信端末4の属性情報、接続網情報、位置情報等の端末情報を記憶するものであって、半導体メモリ等の一般的な記憶手段である。また、端末情報記憶手段46には、ネットワーク情報取得手段41が取得した受信端末4のIPアドレスや、サービス案内サーバ1のIPアドレス等を記憶することとする。
【0082】
サービス案内表示手段47は、IP放送を受信するために必要な情報であるチャンネル情報を、図示を省略した液晶モニタ等の表示手段に、サービス案内として表示するものである。このサービス案内表示手段47は、プレゼンス情報取得手段42を起動し、プレゼンス情報取得手段42から、チャンネル情報を取得する。
なお、サービス案内表示手段47は、1つのアプリケーションとして機能し、ユーザから、図示を省略した表示手段の画面上で「IP放送のサービス案内」等のメニューを選択されることで起動する。
【0083】
このように受信端末4を構成することで、受信端末4は、ネットワークNにおいて、IP放送を受信可能なチャンネル情報をサービス案内として、ユーザに提示することができる。また、これによって、受信端末4は、図6に示すように、地域によって異なるIP放送サービスが提供されている場合、地域AのネットワークNから、地域Bのネットワークに移動しても、サービス案内サーバ1に問い合わせるだけで、地域Bで視聴可能なIP放送のサービスをユーザに提示することができる。
【0084】
[IP放送システムの動作:第1実施形態]
次に、図7を参照(構成については、適宜図1、図2及び図5参照)して、第1実施形態に係るIP放送システムの動作について説明する。図7は、本発明の第1実施形態に係るIP放送システムの概略動作を示すシーケンス図である。
【0085】
まず、受信端末4は、ネットワークNに接続されると(ステップS11)、ネットワーク情報取得手段41によって、DHCPサーバ2から、受信端末4に付与されるアドレス(IPアドレス)を取得する(ステップS12)。なお、受信端末4のIPアドレスは、端末情報記憶手段46に記憶される。
さらに、受信端末4は、ネットワーク情報取得手段41によって、DHCPサーバ2から、サービス案内サーバ1のアドレス(IPアドレス)、位置情報、接続網情報を取得する(ステップS13)。なお、サービス案内サーバ1のIPアドレス、位置情報、接続網情報は、端末情報記憶手段46に記憶される。
【0086】
そして、受信端末4は、プレゼンス情報取得手段42の要求送信手段42aによって、チャンネル情報を取得するための要求(SUBSCRIBEリクエスト)を生成し、ネットワークNを介して、サービス案内サーバ1に、その要求を送信する(ステップS14)。なお、このSUBSCRIBEリクエストには、ステップS13で取得して端末情報記憶手段46に記憶されている位置情報、接続網情報、あるいは、予め端末情報記憶手段46に記憶されている属性情報等が記述される。
【0087】
そして、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報通知手段11によって、受信端末4から送信されたSUBSCRIBEリクエストを受信した後、アドレス検索手段13によって、端末属性に基づいてアドレス記憶手段12に記憶されている配信サーバ3のアドレス(プレゼンスURI)を検索する(ステップS15)。
そして、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報取得手段16によって、チャンネル情報を取得するための要求(SUBSCRIBEリクエスト)を生成し、ネットワークNを介して、ステップS15で検索した配信サーバ3(ここでは、3,3,3)に対して、その要求を送信する(ステップS16)。
【0088】
その後、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報取得手段16によって、配信サーバ3(3,3,3)から、チャンネル情報を含んだ通知(NOTIFYリクエスト)を受信する(ステップS17)。
そして、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報通知手段11によって、受信端末4に対するチャンネル情報を含んだ通知(NOTIFYリクエスト)を生成し、ネットワークNを介して、受信端末4にその通知を送信する(ステップS18)。
【0089】
そして、受信端末4は、プレゼンス情報取得手段42の通知受信手段42bによって、サービス案内サーバ1から送信されたチャンネル情報を含んだNOTIFYリクエスト受信した後、サービス案内表示手段47によって、チャンネル情報を、図示を省略した表示手段に、サービス案内として表示する(ステップS19)。
【0090】
以上の動作によって、受信端末4は、個々の配信サーバ3のアドレスを意識することなく、サービス案内サーバ1に対して、チャンネル情報を提供するサービスを特定するリクエスト、すなわち、図3に記述したSUBSCRIBEリクエストにおいて、ヘッダ部Hの「To」行においてチャンネル情報を提供するサービスを特定するURIを記述したリクエストを送信するだけで、視聴可能なIP放送のチャンネル情報を取得することができる。
【0091】
(サービス案内サーバの動作)
ここで、サービス案内サーバ1の動作(図7のステップS15〜S18)について、さらに、図8を参照して詳細に説明する。図8は、本発明の第1実施形態に係るサービス案内サーバの動作を示すフローチャートである。
【0092】
サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報通知手段11の要求受信手段11aによって、受信端末4から送信されたチャンネル情報の要求(SUBSCRIBEリクエスト)を受信する(ステップS100)。
そして、サービス案内サーバ1は、アドレス検索指示手段11bによって、アドレス検索手段13に対して、SUBSCRIBEリクエストに記述されている端末情報を通知し、配信サーバ3のプレゼンスURIの検索を指示する。
【0093】
そして、サービス案内サーバ1は、アドレス検索手段13によって、端末情報に基づいて、アドレス記憶手段12に記憶されている配信サーバ3のアドレス(プレゼンスURI)を検索する(ステップS101)。
その後、サービス案内サーバ1は、アドレス検索指示手段11bがステップS101で検索された配信サーバ3のプレゼンスURIを、プレゼンス情報検索指示手段11cに通知する。また、プレゼンス情報検索指示手段11cが、プレゼンス情報検索手段15に対して、プレゼンスURIを通知し、チャンネル情報(プレゼンス情報)の検索を指示する。
【0094】
そして、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報検索手段15によって、配信サーバ3のアドレス(プレゼンスURI)に基づいて、プレゼンス情報記憶手段14に記憶されているチャンネル情報を検索する(ステップS102)。
ここで、プレゼンス情報検索手段15は、プレゼンスURIに対応するチャンネル情報が存在するか否かを判定し(ステップS103)、プレゼンスURIに対応するチャンネル情報が存在する場合(ステップS103でYes)、ステップS107に動作を進める。
【0095】
一方、プレゼンスURIに対応するチャンネル情報が存在しない場合(ステップS103でNo)、プレゼンス情報検索手段15は、プレゼンス情報取得手段16に対して、当該プレゼンスURIを通知し、チャンネル情報の取得を指示する。
そして、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報取得手段16の要求送信手段16aによって、プレゼンスURIで特定される配信サーバ3に対して、ネットワークNを介して、チャンネル情報を取得するための要求(SUBSCRIBEリクエスト)を送信する(ステップS104)。
【0096】
その後、サービス案内サーバ1は、プレゼンス情報取得手段16の通知受信手段16bによって、チャンネル情報を要求した配信サーバ3から、ネットワークNを介して、チャンネル情報を取得し(ステップS105)、プレゼンス情報記憶手段14に記憶する(ステップS106)。そして、サービス案内サーバ1は、ステップS102に戻って、プレゼンス情報検索手段15によって、チャンネル情報を再検索する。
そして、チャンネル情報が取得された段階で、サービス案内サーバ1は、通知送信手段11dによって、チャンネル情報を要求した受信端末4に対して、チャンネル情報を通知(送信)する(ステップS107)。
以上の動作によって、サービス案内サーバ1は、配信サーバ3のチャンネル情報を一括してサービス案内として提供することができる。
【0097】
[IP放送システムの構成:第2実施形態]
次に、図9を参照して、第2実施形態に係るIP放送システムの構成について説明する。図9は、本発明の第2実施形態に係るIP放送システムの構成を示すブロック図である。ここでは、IP放送システムSは、サービス案内サーバ1Bと、DHCPサーバ2と、配信サーバ3と、配信サーバ3BとがネットワークNを介して接続されて構成されている。
サービス案内サーバ1B及び配信サーバ3B以外の構成については、図1で説明した構成と同一のものであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0098】
サービス案内サーバ(サービス案内提供装置)1Bは、受信端末4に対して、IP放送のチャンネル情報をプレゼンス情報として提供するものである。なお、サービス案内サーバ1Bは、図2で説明したサービス案内サーバ1に対して、マルチキャスト情報をチャンネル情報(プレゼンス情報)として、受信端末4に対して、さらに提供する点が異なっている。ここで、マルチキャスト情報は、マルチキャストで配信されるIP放送のパケットを受信するためのマルチキャストアドレス、ポート番号等を示すSDP(Session Description Protocol)で規定されている情報(広告情報)である。
【0099】
一般に、マルチキャストで配信される広告情報は、配信サーバから、予め設定された配信間隔で配信されるため、受信端末4は、任意のタイミングでネットワークNに接続された場合、最大でその配信間隔の時間が経過しなければ、広告情報を取得することができない。そこで、サービス案内サーバ1Bは、受信端末4に対して、マルチキャスト情報を配信間隔の遅延時間を待つことなく、チャンネル情報(プレゼンス情報)を提供する。
【0100】
配信サーバ3Bは、IP放送のコンテンツを、ネットワークNを介して配信するものである。なお、配信サーバ3Bは、図1で説明した配信サーバ3に対して、さらに、マルチキャスト情報を配信する点が異なっている。
以下、サービス案内サーバ1Bについて具体的に説明する。
【0101】
(サービス案内サーバの構成)
まず、図10を参照(適宜図9参照)して、サービス案内サーバ(サービス案内提供装置)の構成について説明する。図10は、第2実施形態に係るサービス案内サーバ(サービス案内提供装置)の構成を示すブロック図である。
【0102】
図10に示すように、サービス案内サーバ1Bは、プレゼンス情報通知手段11と、アドレス記憶手段12と、アドレス検索手段13と、プレゼンス情報記憶手段14と、プレゼンス情報検索手段15と、プレゼンス情報取得手段16と、マルチキャスト情報受信手段17と、変換テーブル記憶手段18と、情報変換手段19とを備えている。
マルチキャスト情報受信手段17、変換テーブル記憶手段18及び情報変換手段19以外の構成については、図2で説明したサービス案内サーバ1と同一の構成であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0103】
マルチキャスト情報受信手段17は、ネットワークNを介して、マルチキャスト情報(広告情報)を受信するものである。ここでは、マルチキャスト情報受信手段17は、配信サーバ3Bのマルチキャスト情報送信手段3bから、予め設定された配信間隔で配信されるマルチキャスト情報を逐次受信する。この受信したマルチキャスト情報は、情報変換手段19に出力される。なお、配信サーバ3Bのマルチキャスト情報送信手段3bは、マルチキャスト情報(広告情報)を所定の時間間隔でマルチキャスト配信するものである。
【0104】
変換テーブル記憶手段18は、マルチキャスト情報をチャンネル情報のデータフォーマットにフォーマット変換するための変換テーブルを記憶しておくものであって、ハードディスク等の一般的な記憶手段である。通常、マルチキャスト情報は、セッション記述プロトコル(SDP)に基づいて記述されている。一方、チャンネル情報は、プレゼンス情報として使用するため、SIPで規定されているプレゼンス情報データ形式(PIDF)で記述されている。そこで、変換テーブル記憶手段18には、SDPで記述されたマルチキャスト情報を、PIDFに変換するための変換テーブルを記憶しておく。
【0105】
ここで、図11を参照して、変換テーブルの例について説明する。図11は、SDP/PIDFの変換テーブルの一例を示す図である。
図11に示すように、変換テーブルは、SDPのパラメータと、PIDFのタグとを対応付けている。ここでは、SDPのパラメータ「o(セッションオーナーとセッションID)」とPIDFのタグ「service_name/TV_network_name」とを対応付けている。また、SDPのパラメータ「s(セッション名)」とPIDFのタグ「content_name」とを対応付けている。また、SDPのパラメータ「c(コネクション情報)」とPIDFのタグ「resource_location」とを対応付けている。また、SDPのパラメータ「t(セッション有効時間)」とPIDFのタグ「content_time」とを対応付けている。また、SDPのパラメータ「m(メディア情報)」とPIDFのタグ「service_type」とを対応付けている。
これによって、SDPのパラメータとPIDFのタグとが対応付けられることになる。
図10に戻って、サービス案内サーバ1Bの構成について説明を続ける。
【0106】
情報変換手段19は、マルチキャスト情報受信手段17で受信されたSDPで記述されたマルチキャスト情報を、PIDFのチャンネル情報に変換し、プレゼンス情報記憶手段14に記憶するものである。この情報変換手段19は、変換テーブル記憶手段18に記憶されている変換テーブルを参照し、SDPのパラメータに続くテキストデータを、PIDFのタグで記述することで、SDPで記述されたマルチキャスト情報をPIDFのチャンネル情報(プレゼンス情報)に変換する。
【0107】
例えば、図11に示した変換テーブルの場合、情報変換手段19は、SDPのパラメータ「m」に続くテキストデータを、PIDFのタグ<servece_type>及び</service_type>の間に記述することで、マルチキャスト情報をPIDFに変換する。
【0108】
このようにサービス案内サーバ1Bを構成することで、サービス案内サーバ1Bは、受信端末4の位置情報等の端末情報に基づいて、当該受信端末4に対してIP放送を配信しているチャンネル情報(プレゼンス情報)を、受信端末4にサービス案内として通知することができる。さらに、サービス案内サーバ1Bは、マルチキャスト情報をプレゼンス情報として記憶することができるため、受信端末4からの問い合わせのタイミングで、マルチキャスト情報を提供することができる。
【0109】
[IP放送システムの動作:第2実施形態]
次に、図12を参照して、第2実施形態に係るIP放送システムの動作について説明する。図12は、本発明の第2実施形態に係るIP放送システムの概略動作を示すシーケンス図である。
【0110】
まず、サービス案内サーバ1Bは、マルチキャスト情報受信手段17によって、配信サーバ3Bから、所定時間間隔で配信されるマルチキャスト情報(広告情報)を受信する(ステップS21)。
そして、サービス案内サーバ1Bは、情報変換手段19によって、ステップS21で受信したSDPで記述されたマルチキャスト情報を、PIDFのチャンネル情報に変換して、プレゼンス情報記憶手段14に記憶する(ステップS22)。
【0111】
なお、その後のステップS11以降の動作については、図7で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。ただし、ステップS18において通知されるチャンネル情報を含んだ通知(NOTIFYリクエスト)には、マルチキャスト情報が変換されたチャンネル情報が付加されて通知されることになる。
このように、受信端末4は、サービス案内サーバ1Bにサービス案内の問い合わせを行ったタイミングで、チャンネル情報(マルチキャスト情報を含む)をサービス案内として取得することができる。
【0112】
以上、IP放送システムの構成及び動作について、第1実施形態及び第2実施形態を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図2で説明したサービス案内サーバ1において、IP放送のサービスを提供する配信サーバ3のチャンネル情報が予めプレゼンス情報記憶手段14にすべて記憶されている場合、プレゼンス情報取得手段16を構成から省略し、図13に示すようなサービス案内サーバ1Cの構成(第3実施形態)としてもよい。
【0113】
また、ここでは、サービス案内サーバ1、1B、1Cを、IP放送のチャンネル情報をSIPプレゼンスサーバのプレゼンス情報として提供するサーバとして説明したが、サービス案内サーバ1、1B、1Cが扱うプレゼンス情報は、IP放送のチャンネル情報に限定されるものではなく、IP通信装置(IP電話等)が提供可能な情報をプレゼンス情報としてもよい。
【0114】
この場合、アドレス記憶手段12には、IP通信装置のプレゼンスURIと、提供可能な情報を検索するための検索条件を記憶しておく。例えば、サービス案内サーバ1等が、受信端末4の属性情報を検索条件として、受信端末4が操作可能なネットワーク上でゲームを提供するサーバ(配信サーバ)の状態(サーバが過負荷状態等)をプレゼンス情報として提供することとしてもよい。また、例えば、サービス案内サーバ1等が、受信端末4の位置情報を検索条件として、レストランが提供する配信サーバから、レストランの混雑状態をプレゼンス情報として提供することとしてもよい。
【0115】
このように本発明のサービス案内サーバによれば、受信端末は、ネットワークに接続されたIP通信装置の状態を、個々のIP通信装置に問い合わせを行わなくても、検索条件(位置情報、属性情報等)を含んだ問い合わせを、サービス案内サーバに送信するだけで、所望のサービス情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の第1実施形態に係るIP放送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るサービス案内サーバ(サービス案内提供装置)の構成を示すブロック図である。
【図3】SUBSCRIBEリクエストの内容を示す図である。
【図4】PIDFで記述したチャンネル情報の内容を示す図である。
【図5】受信端末の構成を示すブロック図である。
【図6】受信端末を移動させた場合のIP放送サービスの利用形態を示す概念図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るIP放送システムの概略動作を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るサービス案内サーバの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係るIP放送システムの構成を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態に係るサービス案内サーバ(サービス案内提供装置)の構成を示すブロック図である。
【図11】SDP/PIDFの変換テーブルの一例を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るIP放送システムの概略動作を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るサービス案内サーバ(サービス案内提供装置)の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0117】
S IP放送システム
1、1B、1C サービス案内サーバ(サービス案内提供装置)
11 プレゼンス情報通知手段
11a 要求受信手段
11b アドレス検索指示手段
11c プレゼンス情報検索指示手段
11d 通知送信手段
12 アドレス記憶手段
13 アドレス検索手段
14 プレゼンス情報記憶手段
15 プレゼンス情報検索手段
16 プレゼンス情報取得手段
16a 要求送信手段
16b 通知受信手段
17 マルチキャスト情報受信手段
18 変換テーブル記憶手段
19 情報変換手段
2 DHCPサーバ
3、3B 配信サーバ(チャンネル情報配信装置、IP通信装置)
4 受信端末
41 ネットワーク情報取得手段
42 プレゼンス情報取得手段
42a 要求送信手段
42b 通知受信手段
43 属性情報管理手段
44 接続網管理手段
45 位置情報管理手段
46 端末情報記憶手段
47 サービス案内表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP放送のチャンネル情報配信装置が配信するチャンネルのチャンネル情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するサービス案内提供装置であって、
前記チャンネル情報の検索条件となる検索情報と前記チャンネル情報配信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段と、
前記チャンネル情報配信装置のネットワークアドレスと前記チャンネル情報とを対応付けて記憶するプレゼンス情報記憶手段と、
前記受信端末から、前記ネットワークを介して、前記チャンネル情報の要求として、前記検索情報を受信する要求受信手段と、
この要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、前記アドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当するチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスを検索するアドレス検索手段と、
このアドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、前記プレゼンス情報記憶手段から、前記チャンネル情報を検索するプレゼンス情報検索手段と、
このプレゼンス情報検索手段で検索されたチャンネル情報を、前記ネットワークを介して、前記受信端末に通知する通知送信手段と、
を備えることを特徴とするサービス案内提供装置。
【請求項2】
前記ネットワークを介して、前記チャンネル情報配信装置から前記チャンネル情報を取得し、前記プレゼンス情報記憶手段に記憶するプレゼンス情報取得手段をさらに備え、
前記プレゼンス情報検索手段で前記チャンネル情報を検索できなかった場合に、前記プレゼンス情報取得手段が、前記チャンネル情報配信装置から前記チャンネル情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のサービス案内提供装置。
【請求項3】
前記検索情報として、前記受信端末の位置情報、属性情報、又は、前記ネットワークの接続網情報の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサービス案内提供装置。
【請求項4】
予め設定された配信間隔でマルチキャスト配信されるチャンネル情報を含んだマルチキャスト情報を受信するマルチキャスト情報受信手段と、
前記マルチキャスト情報から、前記プレゼンス情報記憶手段に記憶されているチャンネル情報へフォーマット変換するための変換テーブルを記憶した変換テーブル記憶手段と、
前記マルチキャスト受信手段で受信したマルチキャスト情報を、前記変換テーブルに基づいて、前記チャンネル情報に変換し、前記プレゼンス情報記憶手段に記憶する情報変換手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサービス案内提供装置。
【請求項5】
IP放送のチャンネル情報配信装置が配信するチャンネルのチャンネル情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するために、サービス案内提供装置のコンピュータを、
前記受信端末から、前記ネットワークを介して、前記チャンネル情報の要求として、前記チャンネル情報の検索条件となる検索情報を受信する要求受信手段、
この要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、前記検索情報と前記チャンネル情報配信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当するチャンネル情報配信装置のネットワークアドレスを検索するアドレス検索手段、
このアドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、前記チャンネル情報配信装置のネットワークアドレスと前記チャンネル情報とを対応付けて記憶するプレゼンス情報記憶手段から、前記チャンネル情報を検索するプレゼンス情報検索手段、
このプレゼンス情報検索手段で検索されたチャンネル情報を、前記ネットワークを介して、前記受信端末に通知する通知送信手段、
として機能させることを特徴とするサービス案内提供プログラム。
【請求項6】
IP通信装置の状態を示すプレゼンス情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するサービス案内提供装置であって、
前記プレゼンス情報の検索条件となる検索情報と前記IP通信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段と、
前記IP通信装置のネットワークアドレスと前記プレゼンス情報とを対応付けて記憶するプレゼンス情報記憶手段と、
前記受信端末から、前記ネットワークを介して、前記プレゼンス情報の要求として、前記検索情報を受信する要求受信手段と、
この要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、前記アドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当する前記IP通信装置のネットワークアドレスを検索するアドレス検索手段と、
このアドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、前記プレゼンス情報記憶手段から前記プレゼンス情報を検索するプレゼンス情報検索手段と、
このプレゼンス情報検索手段で検索されたプレゼンス情報を、前記ネットワークを介して、前記受信端末に通知する通知送信手段と、
を備えることを特徴とするサービス案内提供装置。
【請求項7】
前記ネットワークを介して、前記IP通信装置から前記プレゼンス情報を取得し、前記プレゼンス情報記憶手段に記憶するプレゼンス情報取得手段をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のサービス案内提供装置。
【請求項8】
IP通信装置の状態を示すプレゼンス情報を、ネットワークに接続された受信端末にサービス案内として提供するために、サービス案内提供装置のコンピュータを、
前記受信端末から、前記ネットワークを介して、前記プレゼンス情報の要求として、前記プレゼンス情報の検索条件となる検索情報を受信する要求受信手段、
この要求受信手段で受信した検索情報に基づいて、前記検索情報と前記IP通信装置のネットワークアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段から、当該検索情報で示される検索条件に該当するIP通信装置のネットワークアドレスを検索するアドレス検索手段、
このアドレス検索手段で検索されたネットワークアドレスに基づいて、前記IP通信装置のネットワークアドレスと前記プレゼンス情報とを対応付けて記憶するプレゼンス情報記憶手段から、前記プレゼンス情報を検索するプレゼンス情報検索手段、
このプレゼンス情報検索手段で検索されたプレゼンス情報を、前記ネットワークを介して、前記受信端末に通知する通知送信手段、
として機能させることを特徴とするサービス案内提供プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−252853(P2008−252853A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95235(P2007−95235)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)社団法人電子情報通信学会から2007年3月7日に発行された「2007年総合大会講演論文集」において発表 (2)社団法人電子情報通信学会が2007年3月23日に開催した「2007年電子情報通信学会総合大会」において発表
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】