説明

システム機器の制御システム

【課題】イベント開始信号を送信するイベント信号送信手段を設けて、使用者が意図して解除したり或いは使用できるようにするとともに、システム機器に応じて認証装置2との距離のイベント開始信号範囲を変えることで、複数のシステム機器を簡便に制御を行うシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】システム機器1の制御システムは、システム機器1に少なくとも一つは異なるイベント開始信号範囲内を有するシステム機器1を配設し、認証装置2が送信したイベント開始信号でイベント開始信号範囲内に応じてシステム機器1を制御するようにしてあるので、使用者が操作手段3を操作したときにイベント開始信号を送信する同一操作で、複数のシステム機器1を異なる制御ができるようになり、セキュリティ性を維持したまま、使用者の利便性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンやプリンター、照明器具などのシステム機器に、使用者の認証を行いON、OFF、解除等の動作を、無線通信機能を用いたIDカード等の認証装置で簡便に制御を行うシステム機器の制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の普及が目覚ましく、各種形式、機能の携帯電話機が各地で利用されている。現在使用されている携帯電話機は、超小型で軽量、かつ操作性がよく極めて利便性の高いものであり、通話可能な領域内からであればどこからでも自由に移動しながら通話が可能である。
【0003】
このような携帯電話機が大量に普及すると、それに伴って置き忘れや盗難などにより所有者以外の者の手に渡るなどの事故も多くなり、所有者以外の者が無断使用するという事態も発生する。このような無断使用を防止する対策として従来より携帯電話機には使用制限機能が付加されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そこで、様々な改良が行われ、置き忘れや盗難により携帯電話機などの機器が所有者又は使用者の手元から離れると機器そのものを使用不能にすると共に機器が一定距離以上離れたことを警告することができる機器の使用制限装置を提供する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
これによれば、使用制限装置は識別信号送信ユニットと使用制限の対象機器に設けられる使用制限解除ユニットとから成り、送信ユニットをポケットなどに入れて身に着けておき両ユニットが一定距離以上離れると対象機器を使用制限し、かつ送信ユニットでは警告を与えるようにしたから、置き忘れや盗難などにより機器が手元から離れると対象機器が使用できなくなり無断使用が防止されると共に送信ユニットの警告で離れたことに直ぐ気付かされ、後の処置が迅速に執れるという顕著な効果が得られるようになる。
【特許文献1】特開平11−88499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、識別信号送信ユニットと使用制限解除ユニットが一定距離以内であれば、使用制限できないため、近づいただけで使用できてしまうと困る機器、例えば、パソコンやプリンター等の定置場所に置かれているもの、セキュリティ電子錠などには、使用者が近づいただけで、解除したり或いは使用できるようになると、セキュリティの用を果たさない課題があった。そのために、識別信号送信ユニットと使用制限解除ユニットの距離を近づけてしまっても同様の課題を生じる危険性があり、併せて、複数の機器に対応させようとすると、利便性を欠いてしまう心配もあった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、イベント開始信号を送信するイベント信号送信手段を設けて、使用者が意図して解除したり或いは使用できるようにするとともに、システム機器に応じて認証装置との距離の受付範囲を変えることで、複数のシステム機器を簡便に制御を行うシステム機器の制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明のシステム機器の制御システムは、無線通信手段を有する複数のシステム機器と、無線通信手段を有し前記システム機器と通信のやり
とりを行い前記システム機器をON、OFF、解除等の制御を行う認証装置とを備え、前記認証装置は、スイッチ等の操作手段を配設し、使用者が操作手段を操作したときにイベント開始信号あるいはイベント解除信号を送信するイベント信号送信手段を有し、前記システム機器が前記認証装置からのイベント開始信号を受信したときにON、OFF、解除等の動作を行うとともに、前記システム機器が前記認証装置から送信されるイベント開始信号を受け付けるイベント開始信号範囲を、前記認証装置がシステム機器からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲とした機器情報等の定期信号を送信する定期信号手段を前記システム機器に配設し、且つ、前記認証装置はイベント開始信号範囲の第1所定範囲にある前記システム機器へイベント開始信号を送信するとともに、複数の前記システム機器に少なくとも一つは異なるイベント開始信号範囲を有する前記システム機器を配設し、前記認証装置が送信したイベント開始信号でイベント開始信号範囲に応じて前記システム機器を制御するようにしてある。
【0009】
そして、本発明のシステム機器の制御システムは、システム機器が前記認証装置から送信されるイベント開始信号を受け付けるイベント開始信号範囲を、前記認証装置がシステム機器からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲としてあり、認証装置はイベント開始信号範囲の第1所定範囲にあるシステム機器へイベント開始信号を送信して、システム機器をON、OFF、解除等の制御を行うようにしてある。ここで、電波強度は距離に応じて変化するので、イベント開始信号範囲は言い換えると、認証装置とシステム機器の距離の第1所定範囲となり、システム機器に応じてイベント開始信号範囲を変えるようにしてあるので、使用者が移動して認証装置とシステム機器の距離が変化することと、システム機器の異なるイベント開始信号範囲を組み合わせることで、認証装置からイベント開始信号を送信することによって複数のシステム機器を個別に制御できるようになる。
【0010】
つまり、認証装置から同一のイベント開始信号を送信しても、使用者とシステム機器の位置関係、距離によって、ON、OFF、解除等の動作するシステム機器を変えることができ、システム機器の特質と使用者が移動して認証装置とシステム機器の距離が変化することを組み合わせて、システム機器のイベント開始信号範囲を異なる設定することで、セキュリティ性を維持したまま利便性を向上することができるようになる。
【0011】
たとえば、複数のシステム機器それぞれのイベント開始信号範囲を、照明器具は5m以内、プリンターは3m以内、パソコンは1m以内、セキュリティ電子錠は0.8m以内と設定して、認証装置から同一のイベント開始信号を送信すると、使用者とシステム機器の距離によってON、OFF、解除等の動作するシステム機器を変えることができ、たとえば、使用者がパソコンの近くにいたとすると、パソコンと照明器具はONさせて他は動作させないといったような使い方ができる。
【0012】
このように、使用者が操作手段を操作したときにイベント開始信号を送信する同一操作で、複数のシステム機器を異なる制御ができるようになり、使用者の利便性を向上することができ、また、使用者が意識して操作することで、セキュリティ性を維持することができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシステム機器の制御システムは、システム機器に少なくとも一つは異なるイベント開始信号範囲を有するシステム機器を配設し、認証装置が送信したイベント開始信号でイベント開始信号範囲に応じてシステム機器を制御するようにしてあるので、使用者が操作手段を操作したときにイベント開始信号を送信する同一操作で、複数のシステム機器を異なる制御ができるようになり、セキュリティ性を維持したまま、使用者の利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1の発明によるシステム機器の制御システムは、無線通信手段を有する複数のシステム機器と、無線通信手段を有し前記システム機器と通信のやりとりを行い前記システム機器をON、OFF、解除等の制御を行う認証装置とを備え、前記認証装置は、スイッチ等の操作手段を配設し、使用者が操作手段を操作したときにイベント開始信号あるいはイベント解除信号を送信するイベント信号送信手段を有し、前記システム機器が前記認証装置からのイベント開始信号を受信したときにON、OFF、解除等の動作を行うとともに、前記システム機器が前記認証装置から送信されるイベント開始信号を受け付けるイベント開始信号範囲を、前記認証装置がシステム機器からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲とした機器情報等の定期信号を送信する定期信号手段を前記システム機器に配設し、且つ、前記認証装置はイベント開始信号範囲の第1所定範囲にある前記システム機器へイベント開始信号を送信するとともに、複数の前記システム機器に少なくとも一つは異なるイベント開始信号範囲を有する前記システム機器を配設し、前記認証装置が送信したイベント開始信号でイベント開始信号範囲に応じて前記システム機器を制御するようにしてある。
【0015】
そして、本発明のシステム機器の制御システムは、システム機器が前記認証装置から送信されるイベント開始信号を受け付けるイベント開始信号範囲を、前記認証装置がシステム機器からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲としてあり、認証装置はイベント開始信号範囲の第1所定範囲にあるシステム機器へイベント開始信号を送信して、システム機器をON、OFF、解除等の制御を行うようにしてある。ここで、電波強度は距離に応じて変化するので、イベント開始信号範囲は言い換えると、認証装置とシステム機器の距離の第1所定範囲となり、システム機器に応じてイベント開始信号範囲を変えるようにしてあるので、使用者が移動して認証装置とシステム機器の距離が変化することと、システム機器の異なるイベント開始信号範囲を組み合わせることで、認証装置からイベント開始信号を送信することによって複数のシステム機器を個別に制御できるようになる。
【0016】
つまり、認証装置から同一のイベント開始信号を送信しても、使用者とシステム機器の位置関係、距離によって、ON、OFF、解除等の動作するシステム機器を変えることができ、システム機器の特質と使用者が移動して認証装置とシステム機器の距離が変化することを組み合わせて、システム機器のイベント開始信号範囲を異なる設定することで、セキュリティ性を維持したまま利便性を向上することができるようになる。
【0017】
たとえば、複数のシステム機器それぞれのイベント開始信号範囲を、照明器具は5m以内、プリンターは3m以内、パソコンは1m以内、セキュリティ電子錠は0.8m以内と設定して、認証装置から同一のイベント開始信号を送信すると、使用者とシステム機器の距離によってON、OFF、解除等の動作するシステム機器を変えることができ、たとえば、使用者がパソコンの近くにいたとすると、パソコンと照明器具はONさせて他は動作させないといったような使い方ができる。
【0018】
このように、使用者が操作手段を操作したときにイベント開始信号を送信する同一操作で、複数のシステム機器を異なる制御ができるようになり、使用者の利便性を向上することができ、また、使用者が意識して操作することで、セキュリティ性を維持することができるようになる。
【0019】
また、第2の発明によるシステム機器の制御システムは、特に、第1の発明の認証装置が前記システム機器からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲をイベント開始信号範囲とするとともに、前記認証装置に有機EL等のシステム機器表示手段を配設
し、前記認証装置のシステム機器表示手段にイベント開始信号範囲にあるシステム機器を報知するようにしてある。
【0020】
そして、認証装置が、システム機器からの定期信号の電波強度がイベント開始信号範囲の第1所定範囲のときに、システム機器表示手段でイベント開始信号範囲にあるシステム機器を報知するようにしてあるので、使用者は手元にある認証装置のシステム機器表示手段でどのシステム機器が受付可能状態を確認することができ、視認性が向上し、さらに利便性を向上することができるとともに、誤って解除することを防止できるようになる。また、使用者がイベント開始信号を送信したのに、思いとは異なるシステム機器が動作したとき等の確認ができるようになり、使用ミス等による不安感を取り除くことができるようになる。
【0021】
また、第3の発明によるシステム機器の制御システムは、特に、第1または2のいずれかの発明のシステム機器が前記認証装置からのON、OFF、解除等の動作を行うイベント開始信号を受信したときに、前記システム機器は例えばON動作等の同一方向の動作を行うようにしてある。
【0022】
そして、使用者とシステム機器の距離によって異なるイベント開始信号範囲を有するシステム機器、あるいは、使用者とシステム機器の距離が異なる複数のシステム機器に、使用者が移動して、順次動作させるときに、使用者がはじめのイベント開始信号範囲にあるシステム機器にイベント開始信号を送信し動作させた後に、使用者が移動して、次のイベント開始信号範囲に入ったシステム機器を動作させるために使用者が2度目のイベント開始信号を送信させた場合、はじめのイベント開始信号範囲にあるシステム機器が2度目のイベント開始信号を受けてしまう。そこで、システム機器が前記認証装置からのON、OFF、解除等の動作を行うイベント開始信号を受信したときに、システム機器は例えばON動作等の略同一方向の動作を行うようにしてあるので、はじめのイベント開始信号範囲にあるシステム機器が2度以上のイベント開始信号を受け取っても、はじめのイベント開始信号で受信したときの動作の状態を保持し、意図せず逆の動作することを防止でき、利便性を向上することができるようになる。
【0023】
また、第4の発明によるシステム機器の制御システムは、特に、第3の発明の前記システム機器が前記認証装置からのON、OFF、解除等の動作を行うイベント開始信号を受け付けたときに、前記システム機器は例えばON動作等の略同一方向の動作を行うようにするとともに、前記認証装置が前記システム機器より離れて、前記システム機器からの定期信号を受信したときの電波強度が第1所定範囲と同等かそれ以上離れた範囲に設定した第2所定範囲から離れたときに、あるいは離れて所定時間経過した後に、前記システム機器は例えばイベント開始信号を受け付けたときの動作がON動作のときと反対方向のOFF動作等の前記同一方向の動作と略反対方向の動作を行うように前記認証装置からイベント解除信号を送信するようにしてある。
【0024】
そして、第3の発明の効果に加え、認証装置が前記システム機器より離れて、前記システム機器からの定期信号を受信したときの電波強度が第1所定範囲と同等以上の範囲に設定した第2所定範囲から離れたときに、あるいは離れて所定時間経過した後に、前記システム機器は例えばイベント開始信号を受信したときの動作がON動作のときと反対方向のOFF動作等の前記同一方向の動作と略反対方向の動作を行うように認証装置からイベント解除信号を送信するようにしてあるので、使用者がシステム機器より離れるだけで、イベント開始信号を受信したシステム機器を元の状態に戻すことができ、セキュリティ性と利便性を向上することができるようになる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形
態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1のシステム構成の概略図、図2は同説明図、図3はブロック図である。
【0027】
本発明は、図1に示すように、大きく分けると、無線通信手段を有する複数のシステム機器1と、使用者が携帯して無線通信手段を有しシステム機器と通信のやりとりを行いシステム機器1をON、OFF、解除等の制御を行う認証装置2からなる。
【0028】
この認証装置2は、スイッチ等の操作手段3を配設し、使用者が操作手段3を操作したときにイベント開始信号あるいはイベント解除信号を送信するイベント信号送信手段4とを有している。また、システム機器1が認証装置2から送信されるイベント開始信号を受け付けるイベント開始信号範囲を、認証装置2がシステム機器1からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲とした機器情報等の定期信号を送信する定期信号手段3をシステム機器1に配設してあり、認証装置2は、イベント開始信号範囲の第1所定範囲にあるシステム機器1へイベント開始信号を送信して、ON、OFF、解除等の動作させるようになっている。
【0029】
ここで、イベント開始信号範囲は、それぞれのシステム機器1に個別の範囲が割り当てられていて、電波強度は距離に応じて変化するので、イベント開始信号範囲は言い換えると、認証装置2とシステム機器1の距離の第1所定範囲となり、システム機器1に応じてイベント開始信号範囲を変えるようにしてあるので、使用者が移動して認証装置2とシステム機器1の距離が変化することと、システム機器1の異なるイベント開始信号範囲を組み合わせることで、認証装置2からイベント開始信号を送信することによって複数のシステム機器1を個別に制御できるようになる。
【0030】
例えば、システム機器1としては、それぞれの個別のイベント開始信号範囲を、複数の照明器具6は5m以内、複数の使用者が使用するネットワーク接続プリンター7は3m以内、1人の使用者が使用するパソコン8は1m以内、人の入出をチェックするセキュリティ扉に設けたセキュリティ電子錠9は0.8m以内と割り当ててあり、イベント開始信号範囲等の機器情報信号を受信した認証装置2には、有機EL等のシステム機器表示手段2aを配設し、システム機器表示手段2aでイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1を報知するようにしてある。
【0031】
さらに、システム機器1が認証装置2からのイベント開始信号を受信したときに、システム機器1は例えばON動作等の略同一方向の動作を行うようにするとともに、認証装置2がシステム機器1より離れて、システム機器1からの定期信号を受信したときの電波強度が第1所定範囲と同等以上の範囲に設定した第2所定範囲から離れたときに、あるいは離れて所定時間経過した後に、システム機器1は例えばイベント開始信号を受信したときの動作がON動作のときと反対方向のOFF動作等の同一方向の動作と略反対方向の動作を行うようにしてある。
【0032】
上記したシステム構成において、認証装置2を携帯した使用者が移動していき、システム機器1の定期信号送信手段3から送信された定期信号を認証装置2が受信して、その電波強度の第1所定範囲になると、システム機器1は認証装置2からのイベント開始信号範囲内となり、認証装置2のシステム機器表示手段2aにイベント開始信号範囲にあるシステム機器1を報知するようになっていて、使用者は、システム機器表示手段2aによって、イベント開始信号受付範囲にあるシステム機器1が確認できるようになる。
【0033】
このように、使用者は、使用したいイベント開始信号範囲にあるシステム機器1を確認して、認証装置2のイベント信号送信手段4を操作し、イベント開始信号を送信すると、認証装置2からのイベント開始信号範囲内のシステム機器1が、イベント開始信号を受け付け、システム機器1はON、OFF、解除等の動作を行う。
【0034】
また、システム機器1がイベント開始信号を受信したときの動作は、例えばON動作等の略同一方向の動作を行うようになっている。また、認証装置2を携帯した使用者がシステム機器1より離れて、システム機器1からの定期信号を受信したときの電波強度が第2所定範囲より小さくなって所定時間経過した後に、システム機器1は例えばイベント開始信号を受信したときの動作がON動作のときと反対方向のOFF動作等の同一方向の動作と略反対方向の動作を行うように認証装置からイベント解除信号を送信するようになっている。
【0035】
例えば、使用者が認証装置2を携帯して動作する場合の行動パターンの1例を記載すると、使用者がセキュリティ扉から入る場合に、セキュリティ扉に近づいていき0.8m以内(位置A)になると、セキュリティ扉のセキュリティ電子錠9は認証装置2からのイベント開始信号範囲内となる。そして、認証装置2のシステム機器表示手段2aにイベント開始信号範囲にあるシステム機器1すなわちセキュリティ電子錠9を報知するようになっていて、使用者は、システム機器表示手段2aを確認して、使用者が認証装置2のイベント信号送信手段4を操作して、イベント開始信号を送信すると、セキュリティ扉のセキュリティ電子錠9はイベント開始信号を受け付けて、解錠動作を例えば約10秒間行い、使用者はその間にセキュリティ扉を開けて通過する。
【0036】
このとき、セキュリティ電子錠9はイベント開始信号を受け付けると、約10秒間解錠動作を行うとともに、その間にセキュリティ電子錠9の開け閉め行うことで解錠を停止し、更に、使用者が入らずに離れていって、セキュリティ扉から約1秒間1m以上離れると、セキュリティ電子錠9の解錠を停止するようになっている。
【0037】
次に、使用者が部屋に入って移動していき、通路(位置B)にさしかかると、使用者から5m以内にある複数の照明器具6が認証装置2からのイベント開始信号範囲内となる。そして、認証装置2のシステム機器表示手段2aにイベント開始信号範囲にあるシステム機器1すなわち照明器具6を報知するようになっていて、使用者は、システム機器表示手段2aを確認し、使用者が認証装置2のイベント信号送信手段4を操作して、イベント開始信号を送信すると、使用者から5m以内にある複数の照明器具6が点灯する。このとき、セキュリティ電子錠9は使用者からの距離が1m以上離れているため、イベント開始信号範囲内にないため、イベント開始信号を受け付けず、解錠動作は行わない。なお、部屋に入る前にセキュリティ電子錠9のため、セキュリティ扉の前0.8m以内(位置A)では、セキュリティ扉に近い照明器具6がそのイベント開始信号範囲内5mにあり、セキュリティ扉に近い照明器具6がセキュリティ電子錠9の解錠動作と同時に点灯するが、これは、使用者がセキュリティ電子錠9を解錠して部屋に入らないと、部屋のシステム機器1が認証装置2からのイベント開始信号範囲内とならないようにしてもよく、利便性を考慮して設定すれば良い。このような認証装置2からのイベント開始信号範囲内の順序の組合せ等によるシステム機器1の制御を付加することで、さらに、幅広い使用方法が展開できるようになる。
【0038】
さらに、照明器具6は利便性を考慮して、照明器具6から使用者が約300秒間5m以上離れると、イベント開始信号受付解除するようになっていて、使用者が移動していき、通路(位置C)に位置すると、前の場所:通路(位置B)で点灯させた照明器具6がイベント開始信号範囲内5mから外れて、約300秒間後に消灯する。変わりに、次にイベント開始信号範囲内に入った複数の照明器具6が認証装置2からのイベント開始信号範囲内
となる。そして、認証装置2のシステム機器表示手段2aにイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1すなわち照明器具6を報知するようになっていて、使用者は、システム機器表示手段2aを確認し、使用者が認証装置2のイベント信号送信手段4を操作して、イベント開始信号を送信すると、使用者から5m以内にある複数の照明器具6が点灯する。このように、認証装置2を携帯した使用者が移動していくにつれて、動作するシステム機器1の認証装置2からのイベント開始信号範囲内も移動していき、使用者が随時イベント信号送信手段4を操作して、イベント開始信号を送信することで、複数のシステム機器1が制御できる。
【0039】
次に、使用者が移動して自分のパソコン8のある机(位置D)につくと、使用者が使用するパソコン8がイベント開始信号範囲内に入り、認証装置2のシステム機器表示手段2aにイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1すなわち照明器具6とパソコン8を報知するようになっていて、使用者は、システム機器表示手段2aを確認し、使用者が認証装置2のイベント信号送信手段4を操作して、イベント開始信号を送信すると、使用者から1m以内にあるパソコン8が使用できるようにロックが解除されるとともに、5m以内にある複数の照明器具6が点灯する。ここで、パソコン8は使用者が資料や近くのものを取り出すなどの利便性とセキュリティ性を考慮し、パソコン8から使用者が約60秒間2m以上離れると、パソコン8は使用できないようにロックがかかるようになっている。
【0040】
また、使用者がパソコン8から、遠くに位置にあるプリンター7(位置E)に印刷処理を行うと、プリンター7は印刷せずに印刷待ち状態となり、使用者が移動してプリンター7の近く3m以内になると、認証装置2からのイベント開始信号範囲内となる。そして、認証装置2のシステム機器表示手段2aにイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1すなわち照明器具6とプリンター7を報知するようになっていて、使用者は、システム機器表示手段2aを確認し、使用者が認証装置2のイベント信号送信手段4を操作して、イベント開始信号を送信すると、プリンター7は印刷を開始する。そして、使用者が印刷物を持ってパソコン8に帰るまでの時間が約60秒間以内であれば、パソコン8はロックせずにそのまま使用できるが、約60秒間を超えてしまうと、使用できないようにロックがかかり、使用者は再度認証装置2のイベント信号送信手段4を操作して、イベント開始信号を送信して、ロックを解除してパソコン8が使用できるようにする。
【0041】
上述したように、システム機器1のイベント開始信号受付範囲等の機器情報の定期信号の内容に対応させた認証装置2がシステム機器1からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲をイベント開始信号範囲としてあり、電波強度は距離に応じて変化するので、イベント開始信号範囲内は言い換えると、認証装置2とシステム機器1の距離の第1所定範囲となり、システム機器1に応じてイベント開始信号範囲内を変えるようにしてあるので、使用者が移動して認証装置2とシステム機器1の距離が変化することと、システム機器1の異なるイベント開始信号範囲内を組み合わせることで、認証装置2からイベント開始信号を送信によって複数のシステム機器1を個別に制御できるようになる。
【0042】
つまり、認証装置2から同一の操作手段を操作してイベント開始信号を送信しても、使用者とシステム機器1の位置関係、距離によって、ON、OFF、解除等の動作するシステム機器1を変えることができ、システム機器1の特質と使用者が移動して認証装置2とシステム機器1の距離が変化することを組み合わせて、システム機器1のイベント開始信号範囲内を異なる設定することで、セキュリティ性を維持したまま利便性を向上することができるようになる。
【0043】
たとえば、行動パターンの1例のように、使用者が操作手段3を操作したときにイベント開始信号を送信する同一操作で、複数のシステム機器1を異なる制御ができるようになり、使用者の利便性を向上することができ、また、使用者が意識して操作することで、セ
キュリティ性を維持することができるようになる。
【0044】
そして、認証装置2が、システム機器表示手段2aでイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1を報知するようにしてあるので、使用者は手元にある認証装置2のシステム機器表示手段2aでイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1を確認することができ、視認性が向上し、さらに利便性を向上することができるとともに、誤って解除することを防止できるようになる。また、使用者がイベント開始信号を送信したのに、思いとは異なるシステム機器1が動作したとき等の確認ができるようになり、使用ミス等による不安感を取り除くことができるようになる。
【0045】
そしてまた、使用者とシステム機器1の距離によって異なるイベント開始信号範囲内を有するシステム機器1、あるいは、使用者とシステム機器1の距離が異なる複数のシステム機器1に、使用者が移動して、順次動作させるときに、使用者がはじめのイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1にイベント開始信号を送信し動作させた後に、使用者が移動して、次のイベント開始信号範囲内に入ったシステム機器1を動作させるために使用者が2度目のイベント開始信号を送信させた場合、はじめのイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1が2度目のイベント開始信号を受けてしまう。そこで、システム機器1が認証装置2からのON、OFF、解除等の動作を行うイベント開始信号を受信したときに、システム機器1は例えばON動作等の略同一方向の動作を行うようにしてあるので、はじめのイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1が2度以上のイベント開始信号を受け取っても、はじめのイベント開始信号で受信したときの動作の状態を保持し、意図せず逆の動作することを防止でき、利便性を向上することができるようになる。
【0046】
さらに、認証装置2がシステム機器1より離れて、システム機器1からの定期信号を受信したときの電波強度が第1所定範囲と同等かそれ以上離れた範囲に設定した第2所定範囲から離れたときに、あるいは離れて所定時間経過した後に、システム機器1は例えばイベント開始信号を受信したときの動作がON動作のときと反対方向のOFF動作等の同一方向の動作と略反対方向の動作を行うようにしてあるので、使用者がシステム機器1より離れるだけで、イベント開始信号を受信したシステム機器1を元の状態に戻すことができ、セキュリティ性と利便性を向上することができるようになる。
【0047】
なお、実施の形態のシステム機器1のイベント開始信号受付範囲の設定や、システム機器1のイベント開始信号受付時におけるシステム機器1の動作シーケンスやなどの設定は、個別のシステム機器1の使われ方などに応じて、利便性とセキュリティ性をバランスをとって設定すればよい。
【0048】
また、認証装置2のシステム機器表示手段2aに表示されるイベント開始信号範囲内にあるシステム機器1を、個別のシステム機器1、例えば、複数の照明器具6それぞれを個別に表示するようにしても良く、また、グループ化したシステム機器1を代表して、まとめてひとつにして表示するようにしても良く、視認性と確認のしやすさなどを考慮して、表示するようにすればよい。
【0049】
さらに、複数の照明器具6のように共通するシステム機器1の動作を連動させて行うなど、認証装置2からのイベント開始信号範囲内の組合せによるシステム機器1の制御を付加することで、さらに、幅広い使用方法が展開できるようになり、その他各部の構成も本発明の目的を達成する範囲であればその構成はどのようなものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかるシステム機器1の制御システムは、システム機器に少なくとも一つは異なるイベント開始信号範囲を有するシステム機器を配設し、認証装置が送
信したイベント開始信号でイベント開始信号範囲、すなわち、認証装置とシステム機器の距離に応じてシステム機器を制御するようにしてあるので、使用者が操作手段を操作したときにイベント開始信号を送信する同一操作で、複数のシステム機器を異なる制御ができるようになり、セキュリティ性を維持したまま、使用者の利便性を向上することができ、オフィスのセキュリティ扉のセキュリティ電子錠や、システム機器の制御キー等の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム機器1の制御システムの概略図
【図2】本発明の実施の形態1のシステム機器1の制御システムの説明図
【図3】本発明の実施の形態1のシステム機器1のブロック図
【符号の説明】
【0052】
1 システム機器
2 認証装置
2a システム機器表示手段
3 定期信号送信手段
4 操作手段
5 イベント信号送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信手段を有する複数のシステム機器と、無線通信手段を有し前記システム機器と通信のやりとりを行い前記システム機器をON、OFF、解除等の制御を行う認証装置とを備え、前記認証装置は、スイッチ等の操作手段を配設し、使用者が操作手段を操作したときにイベント開始信号あるいはイベント解除信号を送信するイベント信号送信手段を有し、前記システム機器が前記認証装置からのイベント開始信号を受信したときにON、OFF、解除等の動作を行うとともに、前記システム機器が前記認証装置から送信されるイベント開始信号を受け付けるイベント開始信号範囲を、前記認証装置がシステム機器からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲とした機器情報等の定期信号を送信する定期信号手段を前記システム機器に配設し、且つ、前記認証装置はイベント開始信号範囲の第1所定範囲にある前記システム機器へイベント開始信号を送信するとするとともに、複数の前記システム機器に少なくとも一つは異なるイベント開始信号範囲を有する前記システム機器を配設し、前記認証装置が送信したイベント開始信号でイベント開始信号範囲に応じて前記システム機器を制御するようにしたシステム機器の制御システム。
【請求項2】
前記認証装置が前記システム機器からの定期信号を受信したときの電波強度の第1所定範囲をイベント開始信号範囲とするとともに、前記認証装置に有機EL等のシステム機器表示手段を配設し、前記認証装置のシステム機器表示手段にイベント開始信号範囲にあるシステム機器を報知するようにした請求項1に記載のシステム機器の制御システム。
【請求項3】
前記システム機器が前記認証装置からのON、OFF、解除等の動作を行うイベント開始信号を受信したときに、前記システム機器は例えばON動作等の同一方向の動作を行うようにした請求項1〜2のいずれか1項に記載のシステム機器の制御システム。
【請求項4】
前記システム機器が前記認証装置からのON、OFF、解除等の動作を行うイベント開始信号を受け付けたときに、前記システム機器は例えばON動作等の略同一方向の動作を行うようにするとともに、前記認証装置が前記システム機器より離れて、前記システム機器からの定期信号を受信したときの電波強度が第1所定範囲と同等かそれ以上離れた範囲に設定した第2所定範囲から離れたときに、あるいは離れて所定時間経過した後に、前記システム機器は例えばイベント開始信号を受け付けたときの動作のON動作のときと反対方向のOFF動作等の前記同一方向の動作と略反対方向の動作を行うように前記認証装置からイベント解除信号を送信するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム機器の制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−206677(P2010−206677A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51722(P2009−51722)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】