説明

シャフトとカムロブの組付方法及びその装置

【課題】小スペースでシャフトとカムロブが組付けできる組付方法及びその装置を提供する。
【解決手段】複数のカムロブを載せたパレット80を移動して第一のカムロブ3を準備する工程と、シャフト2の軸芯出しを行いながら両端を保持する工程と、シャフト2の外周に第一の隆起部2aを成形する工程と、パレット80を軸線方向に移動し、パレット80内から第一のカムロブ3を第一の隆起部2aに組付ける工程と、シャフト2の保持を解除しパレット80をシャフト2から取り外し、パレット80を移動して前記複数のカムロブから第二のカムロブを準備する工程と、シャフト2の軸芯出しを行いながら再度両端を保持する工程と、シャフト2の外周に第二の隆起部を成形する工程と、シャフト2の軸線方向の移動を規制した状態で、パレット80を軸線方向に移動し、パレット80内の前記第二のカムロブを前記第二の隆起部に組付ける工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトにカムロブを組付ける組付方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シャフトにカムロブを組付けるカムロブの組付方法として、シャフトに隆起部を成形すると共に、カムロブの移動を規制して、シャフトを軸線方向に移動し、シャフトの隆起部とカムロブのカムロブ軸穴とを組付けるシャフトとカムロブの組付方法が知られている(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
また、カムロブをシャフトとカムロブの組付装置に供給する方法として、カムロブ供給装置を組付装置に組付けることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3040206号公報
【特許文献2】特許第3282754号公報
【特許文献3】特開2000−61749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したシャフトに隆起部を成形すると共に、カムロブの移動を規制して、シャフトを軸線方向に移動し、シャフトの隆起部とカムロブのカムロブ軸穴とを組付けるシャフトとカムロブの組付方法では、シャフトを軸線方向に移動する際に、シャフトの軸芯出し器具とシャフトの両端を保持している器具をシャフトの軸線方向に追従して移動させなければならず、シャフトの軸線方向の長さに軸芯出し器具と両端の保持器具の長さが加わり、シャフトとカムロブの組付装置が軸線方向に大型化するという問題があった。
【0006】
また、カムロブ供給装置をシャフトとカムロブの組付装置に組付けると、シャフトとカムロブの組付装置が更に大型化するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情により鑑みなされたもので、シャフトとカムロブの組付装置を小型化して、小スペースでシャフトとカムロブが組付けできる組付方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシャフトとカムロブの組付方法は、複数のカムロブを載せたパレットを移動して第一のカムロブを準備する工程と、シャフトの軸芯出しを行いながら両端を保持する工程と、シャフトの外周に第一の隆起部を成形する工程と、両端の保持によりシャフトの軸線方向の移動を規制した状態で、パレットを軸線方向に移動し、パレット内から第一のカムロブを第一の隆起部に組付ける工程と、シャフトの保持を解除しパレットをシャフトから取り外し、パレットを移動して複数のカムロブから第二のカムロブを準備する工程と、シャフトの軸芯出しを行いながら再度両端を保持する工程と、シャフトの外周に第二の隆起部を成形する工程と、シャフトの軸線方向の移動を規制した状態で、パレットを軸線方向に移動し、パレット内の第二のカムロブを第二の隆起部に組付ける工程と、を有することを第一の特徴とする。
【0009】
本発明のシャフトとカムロブの組付方法は、複数のカムロブが組付けられ入っていた部分が空となったパレットと新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える工程と、を有することを第二の特徴とする。
【0010】
本発明のシャフトとカムロブの組付装置は、複数のカムロブを載せたパレットと、シャフトの軸芯出しを行いながら軸線方向の移動を規制する保持具と、シャフトの外周に隆起部を成形するローラーと、ローラーを軸線方向に移動するローラー移動装置と、パレットをシャフトの軸線方向に移動させるパレット移動装置と、を有することを第一の特徴とする。
【0011】
本発明のシャフトとカムロブの組付装置は、複数のカムロブが組付けられ入っていた部分が空となったパレットと新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える入れ替え装置と、を有することを第二の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明における第一の特徴のシャフトとカムロブの組付方法によれば、複数のカムロブを載せたパレットを移動して第一のカムロブを準備する工程と、シャフトの軸芯出しを行いながら両端を保持する工程と、シャフトの外周に第一の隆起部を成形する工程と、両端の保持によりシャフトの軸線方向の移動を規制した状態で、パレットを軸線方向に移動し、パレット内の第一のカムロブを第一の隆起部に組付ける工程と、シャフトの保持を解除しパレットをシャフトから取り外し、パレットを移動して複数のカムロブから第二のカムロブを準備する工程と、シャフトの軸芯出しを行いながら再度両端を保持する工程と、シャフトの外周に第二の隆起部を成形する工程と、シャフトの軸線方向の移動を規制した状態で、パレットを軸線方向に移動し、パレット内の第二のカムロブを第二の隆起部に組付ける工程と、を有するため、カムロブをシャフトに組付ける際に、シャフトを軸線方向に移動する場合に比べ、カムロブは軸線方向の長さがシャフトより短く、シャフトの軸芯出し器具も移動しなくてよくなるので、シャフトとカムロブの組付装置の軸線方向の長さが短くなり、組付装置が小型化し、小スペースで組付けができる。
【0013】
本発明における第二の特徴のシャフトとカムロブの組付方法によれば、複数のカムロブが組付けられ入っていた部分が空となったパレットと新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える工程と、を有するため、カムロブの供給装置をシャフトとカムロブの組付装置から離して配置することが可能になり、更にシャフトとカムロブの組付装置を小型化できる。
【0014】
本発明における第一の特徴のシャフトとカムロブの組付装置によれば、複数のカムロブを載せたパレットと、シャフトの軸芯出しを行いながら軸線方向の移動を規制する保持具と、シャフトの外周に隆起部を成形するローラーと、ローラーを軸線方向に移動するローラー移動装置と、パレットをシャフトの軸線方向に移動させるパレット移動装置と、を有するため、シャフトを軸線方向に移動するシャフトとカムロブの組付装置に比べ、シャフトとカムロブの組付装置の軸線方向の長さが短いという小スペースでの組付方法を実現できる。
【0015】
本発明における第二の特徴のシャフトとカムロブの組付装置によれば、複数のカムロブが組付けられ入っていた部分が空となったパレットと新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える入れ替え装置と、を有するため、カムロブの供給装置をシャフトとカムロブの組付装置から離して配置することが可能になり、シャフトとカムロブの組付装置の更なる小型化を実現することができる。更に、カムロブの供給装置をシャフトとカムロブの組付装置から離して配置した場合、複数の組付装置に対し、パレットへのカムロブの供給装置を共用して供給装置数を減らすことが可能となり、設備コストの削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、本発明の一実施例におけるカムシャフトの正面図であり、(b)は、第一実施例の複数のカムロブがシャフトに組み付けられた状態の断面正面図である。
【図2】本発明の第一実施例におけるカムロブの組付装置の側面図である。
【図3】本発明の第一実施例におけるカムロブの組付装置のパレットの平面図である。
【図4】本発明の第一実施例におけるカムシャフトの製造方法の第一のカムロブをシャフトに組付ける工程を表す図であり、(a)は、シャフトの一端を保持し、第一のカムロブが載置されたパレットをカムロブ組付装置の所定位置に配置した状態の要部部分断面正面図、(b)は、シャフトをカムロブのカムロブ軸穴に挿入した状態でシャフトの他端を軸芯出しを行いながら保持した状態の要部部分断面正面図、(c)は、シャフトの両端を保持した状態で第一のローラーにより第一の隆起部を成形する状態の要部部分断面正面図、(d)は、第一の隆起部が成形されシャフトに所定の位相を出した状態の要部部分断面正面図、(e)は、シャフトの両端を保持した状態で第一のカムロブが載置されたパレットが移動して第一の隆起部に第一のカムロブの一方側面が圧接されて、シャフトに第一のカムロブが組付けられた状態の要部部分断面正面図、(f)は、シャフトの両端を保持した状態で第一のカムロブの入っていた部分が空となったパレットを所定位置に戻す状態の要部部分断面正面図、(g)は、シャフトの両端を保持した状態で第二のローラーにより第一のカムロブの他方側面側も隆起部を成形する状態の要部断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例について、添付図面を参照して説明する。図1乃至図4は本発明の第一実施例を示すもので、図1は、(a)は、本発明の一実施例におけるカムシャフトの正面図であり、(b)は、第一実施例の複数のカムロブがシャフトに組み付けられた状態の断面正面図である。図2は、カムロブの組付装置の側面図である。図3は、カムロブの組付装置のパレットの平面図である。図4は、カムシャフトの製造方法の第一のカムロブをシャフトに組付ける工程を表す図であり、(a)は、シャフトの一端を保持し、第一のカムロブが載置されたパレットをカムロブ組付装置の所定位置に配置した状態の要部部分断面正面図、(b)は、シャフトをカムロブのカムロブ軸穴に挿入した状態でシャフトの他端を軸芯出しを行いながら保持した状態の要部部分断面正面図、(c)は、シャフトの両端を保持した状態で第一のローラーにより第一の隆起部を成形する状態の要部部分断面正面図、(d)は、第一の隆起部が成形されシャフトに所定の位相を出した状態の要部部分断面正面図、(e)は、シャフトの両端を保持した状態で第一のカムロブが載置されたパレットが移動して第一の隆起部に第一のカムロブの一方側面が圧接されて、シャフトに第一のカムロブが組付けられた状態の要部部分断面正面図、(f)は、シャフトの両端を保持した状態で第一のカムロブの入っていた部分が空となったパレットを所定位置に戻す状態の要部部分断面正面図、(g)は、シャフトの両端を保持した状態で第二のローラーにより第一のカムロブの他方側面側も隆起部を成形する状態の要部断面正面図である。
【0018】
まず、図1に基づいてカムシャフト1を説明する。図1の(a)に示す如く、カムシャフト1は、軸線方向に延びるシャフト2と、シャフト2上に軸線方向に所定の間隔をおいて組み付けられた第一のカムロブ3及び第二のカムロブ4を含む複数のカムロブ及び複数のジャーナル5を有する。図1の(b)に示す如く、カムシャフト1は、第一のカムロブ3の一方側面3aとカムロブ3を軸線方向に貫通するカムロブ軸孔3bの一方側面3a側に成形された嵌合凹部3cにシャフト2外周の第一の隆起部2aが結合されており、第一のカムロブ3の他方側面側も一方側面3a側と同様に結合されて、シャフト2に第一のカムロブ3が組付けられている。また、第二のカムロブ4の一方側面4aとカムロブ4を軸線方向に貫通するカムロブ軸孔4bの一方側面4a側に成形された嵌合凹部4cにシャフト2外周の第二の隆起部2bが結合されており、第二のカムロブ4の他方側面側も一方側面側と同様に結合されて、シャフト2に第二のカムロブ4が組付けられている。尚、図示しないが、他のカムロブ及びジャーナル5も第一のカムロブ3及び第二のカムロブ4と同様にシャフト2外周に隆起部により結合されて、シャフト2に組付けられている。
【0019】
次に、図2に基づいてシャフト2に第一のカムロブ3、第二のカムロブ4、ジャーナル5を組み付ける組付装置60について説明する。組付装置60は、基台74の上に箱型フレーム75が取り付けられている。この箱型フレーム75には、第一のカムロブ3の一方側面3a側の第一の隆起部2a、第二のカムロブ4の一方側面4a側の第二の隆起部2bを成形する第一のローラー65がシャフト2の軸線方向と平行に移動可能に取り付けられている。同様に箱型フレーム75には、第一のカムロブ3の他方側面側の隆起部、第二のカムロブ4の他方側面側の隆起部を成形する第二のローラー66もシャフト2と平行に移動可能に取り付けられている。
【0020】
また、箱型フレーム75には、第一のローラー65及び第二のローラー66と、複数のカムロブ3、4及びジャーナル5が載置されたパレット80とをシャフト2の軸線方向に移動する移動装置としてのボールネジ69、ラック70が取付けられている。箱型フレーム75下部には駆動モーター72が取り付けられ、駆動モーター72により発生した駆動力は、ボールネジ69へ伝達され、第一のローラー65、第二のローラー66、パレット80が移動可能となる。更に箱型フレーム75には、シャフト2の軸線方向と平行となるようにリニアガイド73が取り付けられ、このリニアガイド73により第一のローラー65、第二のローラー66、パレット80は、シャフト2の軸線方向と平行に移動可能となる。
【0021】
箱型フレーム75の上部の前面側には、シャフト2を回転させるスピンドルモーター64とスピンドル63が取り付けられ、スピンドル63の下部には、シャフト2の一端を把持するコレット61が設けられている。
【0022】
箱型フレーム75の下部の前面側には、シャフト2の他端を軸芯を出しを行いながら保持するセンター62、センター62を軸線方向に駆動するセンター駆動装置76が設けられ、シャフト2の一端をコレット61で把持し、他端をセンター62をシャフト2のシャフト軸穴2cに差し込み保持することで、組付装置60におけるシャフト2の軸線方向の移動を規制する。
【0023】
更に、箱型フレーム75の前面側には、第一のカムロブ3、第二のカムロブ4等の複数のカムロブ、複数のジャーナル5を保持するパレット80が着脱自在に取付られている。このパレット80の下部には、パレット80を回転してシャフト2へ組付けるカムロブ及びジャーナルを選択するパレット回転モーター68が取り付けられている。また、パレット80の下部から組付装置60の外側に向けて、複数のカムロブ、複数のジャーナルが組付けられ、入っていた部分が空となったパレット80と新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える入れ替え装置としてのコンベア67が取り付けられている。
【0024】
続いて、図3に基づいて第一のカムロブ3、第二のカムロブ4等の複数のカムロブ及び複数のジャーナル5を保持するパレット80について説明する。複数のカムロブ及び複数のジャーナル5は、シャフト2への組付け順に周方向に複数の支持部材80a、80b、80c、80dにより所定の組付け角度で載置されている。
【0025】
図4に基づいて第一のカムロブ3をシャフト2に組み付け、カムシャフト1を製造するカムロブの組み付け方法について説明する。まず、図4(a)に示す如く、組付装置60上部のコレット61により、シャフト2の一端を保持する。この時、シャフト2の軸芯とパレット80に保持された第一のカムロブ3のカムロブ軸穴3bの軸芯は一致する。次に図4(b)に示す如く、シャフト2を第一のカムロブ3のカムロブ軸穴3bに挿入した状態でシャフト2の他端をセンター62により軸芯出しを行いながら保持する。次に図4(c)に示す如く、シャフト2の両端を保持し、図示しないスピンドル63、スピンドルモーター64によりシャフト2を回転させた状態で第一のローラー65をシャフト2の外周に押し付け、シャフト2の外周に第一の隆起部2aを成形する。次に図4(d)に示す如く、第一のローラー65をシャフト2から離間させ、シャフト2を回転させ、シャフト2を所定の位相とする。次に図4(e)に示す如く、シャフト2の両端を保持した状態で第一のカムロブ3が載置されたパレット80が第一の隆起部2aへ移動して第一の隆起部2aに第一のカムロブ3の一方側面3aを圧接し、シャフト2に第一のカムロブ3が組付ける。次に図4(f)に示す如く、シャフト2の両端を保持した状態でカムロブの入っていた部分が空となったパレット80を所定位置まで下降させる。次に図4(g)に示す如く、シャフト2の両端を保持した状態で第二のローラー66により第一のカムロブ3の他方側面側も隆起部を成形して、シャフト2への第一のカムロブ3の組付けが完了する。続いて一旦シャフト2の一端の保持を解除し、パレット80を回転させて、第二のカムロブ4又はジャーナル5を所定位置に準備し、図4(a)〜図4(g)までの組付けを順次行い、この組付けを繰り返し、複数のカムロブ及びジャーナルの組付けが完了する。次のカムシャフト1を製造する場合には、カムロブの入っていた部分が空となったパレット80は、コンベア67により組付装置60の外部へ運ばれ、他の場所で図示しないカムロブ供給装置により複数のカムロブ及びジャーナルを載置したパレット80がコンベア67により組付装置60の所定位置まで運ばれる。
【0026】
以上のように、本発明のシャフト2とカムロブ3、4の組付方法によれば、複数のカムロブ3、4を載せたパレット80を移動して第一のカムロブ3を準備する工程と、シャフト2の軸芯出しを行いながら両端を保持する工程と、シャフト2の外周に第一の隆起部2aを成形する工程と、両端の保持によりシャフト2の軸線方向の移動を規制した状態で、パレット80を軸線方向に移動し、パレット80内から第一のカムロブ3を第一の隆起部2aに組付ける工程と、シャフト2の保持を解除しパレット80をシャフト2から取り外し、パレット80を移動して複数のカムロブから第二のカムロブ4を準備する工程と、シャフト2の軸芯出しを行いながら再度両端を保持する工程と、シャフト2の外周に第二の隆起部2bを成形する工程と、シャフト2の軸線方向の移動を規制した状態で、パレット80を軸線方向に移動し、パレット80内の第二のカムロブ4を第二の隆起部2bに組付ける工程と、を有するため、カムロブ3、4をシャフト2に組付ける際に、シャフト2を軸線方向に移動する場合に比べ、カムロブ3、4は軸線方向の長さがシャフトより短く、シャフト2の軸芯出し器具61、76も移動しなくてよくなるので、シャフト2とカムロブ3、4の組付装置60の軸線方向の長さが短くなり、組付装置60が小型化し、小スペースで組付けができる。本実施例では、パレット80の軸芯出し器具はシャフト2と平行に側方に配置されたリニアガイド73であるので、パレット80の移動によってパレット80の軸芯出し器具により軸線方向に組付装置60が延びることを抑制している。
【0027】
更に、複数のカムロブ3、4が組付けられ、入っていた部分が空となったパレット80と新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える工程と、を有するため、カムロブ3、4の供給装置をシャフト2とカムロブ3、4の組付装置60から離して配置することが可能になり、更にシャフト2とカムロブ3、4の組付装置を小型化できる。
【0028】
そして、シャフトとカムロブの組付装置によれば、複数のカムロブ3、4を載せたパレット80と、シャフト2の軸芯出しを行いながら軸線方向の移動を規制する保持具61、62と、シャフト2の外周に隆起部2a、2bを成形するローラー65、66と、ローラー65、66を軸線方向に移動するローラー移動装置69、70、72と、パレット80をシャフト2の軸線方向に移動させるパレット移動装置69、70、72と、を有するため、シャフト2を軸線方向に移動するシャフト2とカムロブ3、4の組付装置に比べ、シャフト2とカムロブ3、4の組付装置の軸線方向の長さが短いという小スペースでの組付方法を実現できる。
【0029】
その上、複数のカムロブ3、4が組付けられ入っていた部分が空となったパレット80と新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える入れ替え装置67と、を有するため、カムロブ3、4の供給装置をシャフト2とカムロブ3、4の組付装置60から離して配置することが可能になり、シャフト2とカムロブ3、4の組付装置60の更なる小型化を実現することができる。更に、カムロブの供給装置をシャフト2とカムロブの組付装置60から離して配置した場合、複数の組付装置に対し、パレット80へのカムロブの供給装置を共用して供給装置数を減らすことが可能となり、設備コストの削減が可能である。
【0030】
以上、第一実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【0031】
例えば、第一実施例では、ジャーナル5も組みつけているが、シャフト2にジャーナル5の組み付けが不要なシャフトとカムロブの組付装置に適用してもよい。第一実施例では、カムロブ3、4の他方側面側にも隆起部を成形し、シャフト2とカムロブ3、4を組み付けているが、カムロブ一個あたり一箇所の隆起部で組み付けても良い。
【0032】
また、第一実施例では、シャフト2を軸芯出しを行いながら両端を保持する装置として、コレット61やセンター62を用いているが、他の保持装置でもよい。パレット80の芯出し器具としてリニアガイド73を用いているが、シャフト2の側方に配置され、大きく組付装置が軸線方向に延びなければ、他の芯出し器具を用いてもよい。ローラー移動装置、パレット移動装置としてボールネジ69、ラック70、駆動モーター72を用いているが、他の移動装置を用いてもよい。更に、パレット80を入れ替える入れ替え装置にコンベア67を用いているが、他の入れ替え装置でもよい。
【符号の説明】
【0033】
2 シャフト
2a 第一の隆起部(隆起部)
2b 第二の隆起部(隆起部)
3 第一のカムロブ
4 第二のカムロブ
61、62 軸線方向の移動を規制する保持具
65、66 隆起部を成形するローラー
67 パレット入れ替え装置
69、70、72 ローラー移動装置、パレット移動装置
80 パレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカムロブ(3、4)を載せたパレット(80)を移動して第一のカムロブ(3)を準備する工程と、
シャフト(2)の軸芯出しを行いながら両端を保持する工程と、
前記シャフト(2)の外周に第一の隆起部(2a)を成形する工程と、
前記両端の保持によりシャフト(2)の軸線方向の移動を規制した状態で、前記パレット(80)を軸線方向に移動し、該パレット(80)内の第一のカムロブ(3)を第一の隆起部(2a)に組付ける工程と、
前記シャフト(2)の保持を解除し前記パレット(80)を前記シャフト(2)から取り外し、前記パレット(80)を移動して複数のカムロブから第二のカムロブ(4)を準備する工程と、
前記シャフト(2)の軸芯出しを行いながら再度両端を保持する工程と、
前記シャフト(2)の外周に第二の隆起部(2b)を成形する工程と、
前記シャフト(2)の軸線方向の移動を規制した状態で、パレット(80)を軸線方向に移動し、パレット(80)内の第二のカムロブ(4)を前記第二の隆起部(2b)に組付ける工程と、を有するシャフトとカムロブの組付方法。
【請求項2】
前記複数のカムロブ(3、4)が組付けられ入っていた部分が空となったパレット(80)と新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える工程と、を有する請求項1に記載のシャフトとカムロブの組付方法。
【請求項3】
複数のカムロブ(3、4)を載せたパレット(80)と、
シャフト(2)の軸芯出しを行いながら軸線方向の移動を規制する保持具(61、62)と、
前記シャフト(2)の外周に隆起部(2a、2b)を成形するローラー(65、66)と、
前記ローラー(65、66)を軸線方向に移動するローラー移動装置(69、70、72)と、
前記パレット(80)を前記シャフト(2)の軸線方向に移動させるパレット移動装置(69、70、72)と、を有するシャフトとカムロブの組付装置。
【請求項4】
前記複数のカムロブ(3、4)が組付けられ入っていた部分が空となったパレット(80)と新たな複数のカムロブを載せたパレットとを入れ替える入れ替え装置(67)と、を有することを特徴とする請求項3に記載のカムロブの組付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−213817(P2012−213817A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79253(P2011−79253)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000238360)武蔵精密工業株式会社 (82)
【Fターム(参考)】