説明

シャンプー組成物

(A)カチオン性界面活性剤、(B)珪素原子を含まない油分、(C)両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有し、(B’)/[(A)+(B’)](質量比)(但し、(B’)は、(B)成分のうち(A)成分と単独で液晶構造体を形成する油分)が、0.35〜0.90であり、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の配合量が2質量%を超え、但し、アニオン性界面活性剤が5質量%未満であり、(A)成分と(B)成分とから形成された液晶構造体が組成物中に分散してなることを特徴とするシャンプー組成物である。シャンプーをすすいだ時に発生する髪のきしみ感を改善し、特にきしみ感が発生しやすい染毛した髪においてきしみ感を改善し、かつ泡立ちにすぐれ、経時での分散安定性に優れたシャンプー組成物を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、シャンプーをすすいだ時に発生する髪のきしみ感を改善するシャンプー組成物に関し、特にきしみ感が発生しやすい染毛した髪において、きしみ感を改善するシャンプー組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
近年、外見を明るく見せたり、軽い髪の印象を出す目的で、髪をカラーリングする消費者が増加している。カラーリングは、通常、アルカリや過酸化水素等により化学的処理を行うため髪が損傷を受ける。この損傷により髪の表面に親水性部分が露出することによりシャンプーをすすいだ時にきしみ感が強くなるため、使用者にとって好ましくない。
きしみ感の改善のためには、従来から、アミドカルボン酸型界面活性剤及び/又はジカルボン酸イミド型界面活性剤を、他の界面活性剤と組み合わせる手法(特開平10−121090号公報)、カチオン性の高分子化合物をシャンプー中に配合する手法(特開平11−236320号公報)、アミノ酸化合物を用いる手法(特開平7−310100号公報)、植物抽出物を用いる手法(特開2001−207191号公報)等が挙げられるが、特にカラーリングした髪にとっては効果が充分とは言えなかった。
また、液晶を形成する組成物には、カチオン性界面活性剤、高級アルコール及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる液晶分散洗浄剤組成物(特開2001−311099号公報)、カチオン性界面活性剤から成るベシクルに紫外線吸収剤、水溶性物質を内包させた毛髪化粧料(特開平9−87147号公報)等があるが、きしみ改善には効果が充分とはいえなかった。
【発明の開示】
本発明は、シャンプーをすすいだ時に発生する髪のきしみ感を改善し、特にきしみ感が発生しやすいカラーリングした髪において、きしみ感を改善し、かつ泡立ちにすぐれ、経時での分散安定性に優れたシャンプー組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、(A)カチオン性界面活性剤、(B)珪素原子を含まない油分、(C)両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤を含有する組成物において、(A)成分と、(B)成分のうち(B’)として(A)成分と単独で液晶構造体を形成することができる油分とを特定の質量比とし、さらに組成物中の(C)成分を特定の割合にし、前記液晶構造体が分散してなるシャンプー組成物とすることにより、シャンプーすすぎ時のきしみ、特にカラーリングした髪の激しいきしみ感を改善し、かつ泡立ちにすぐれ、経時での分散安定性に優れたシャンプー組成物を得られることを見出した。
従って、本発明は、下記発明を提供する。
[1].(A)カチオン性界面活性剤、
(B)珪素原子を含まない油分、
(C)両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤
を含有し、(B’)/[(A)+(B’)](質量比)(但し、(B’)は、(B)成分のうち(A)成分と単独で液晶構造体を形成する油分)が、0.35〜0.90であり、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の配合量が2質量%を超え、但し、アニオン性界面活性剤が5質量%未満であり、(A)成分と(B)成分とから形成された液晶構造体が組成物中に分散してなることを特徴とするシャンプー組成物。
[2].液晶構造体の平均粒径が20μm未満であることを特徴とする[1]記載のシャンプー組成物。
[3].さらに、(D)水膨潤性の粘土鉱物を0.01質量%以上含有することを特徴する[1]又は[2]記載のシャンプー組成物。
[4].さらに、(E)アミンオキシドを含有することを特徴する[1]〜[3]のいずれかに記載のシャンプー組成物。
[5].さらに、(F)屈折率1.46未満のシリコーン誘導体を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のシャンプー組成物。
[6].さらに、(G)粘性付与剤として、下記式

(式中、分子末端及びRは水素原子、メチル基又はヒドロキシプロポキシ基を示す。)
で表される構造単位を有し、メトキシ基25〜35質量%、ヒドロキシプロポキシ基5〜15質量%(ただし、水酸基、メトキシ基及びヒドロキシプロポキシ基の合計を100質量%とする。)であって、2質量%水溶液の20℃での粘度が2100〜35000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のシャンプー組成物。
「7].カラーリングした髪用であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のシャンプー組成物。
[8].(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相に、(A)カチオン性界面活性剤と(B)珪素原子を含まない油分とを構成成分として形成された液晶構造体が分散してなるシャンプー組成物の製造方法であって、液晶構造体の構成成分の結晶化温度以上で、(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相と液晶構造体の構成成分とを混合し、得られた混合物を結晶化温度以上の温度から冷却することを特徴とする[1]記載のシャンプー組成物の製造方法。
[9].上記混合物の一部を連続的に抜き出し、これを急冷すると共に、この急冷したものを混合物に戻すことを繰り返すことにより、混合物を結晶化温度以上の温度から冷却することを特徴とする[8]に記載の製造方法。
[10].さらに、水に分散又は膨潤させた(D)粘土鉱物を、(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相と混合する工程を含むことを特徴とする[8]又は[9]に記載の製造方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る連続部分急冷法に用いられる装置の好適な実施形態を示すブロック図である。
第2図は、典型的な組成のシャンプー組成物をDSC測定した時のチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
(A)成分は、カチオン性界面活性剤であり、シャンプー組成物に配合し得るものであれば、その種類は特に制限されず、例えば下記一般式(1)で表されるアルキル第四級アンモニウム塩等が好適に使用される。

[式中、R、R、R、及びRは、それぞれアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、ポリアルキレンオキシド基又はベンジル基を示し、R、R、R、及びRのうち1つ又は2つは炭素数10〜24、好ましくは16〜22の直鎖アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基であり、残りはメチル基、エチル基、ベンジル基、又は−(CO)−H、−(CO)−H(但し、q及びrはそれぞれ1〜5の整数)で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、Zは陰イオンを示す。]
カチオン性界面活性剤は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。
上記一般式(1)で表される(A)成分の具体例としては、例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、セトステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。
その中でも、16〜22の直鎖アルキル基を有するものが好ましく、具体的に、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。これらのうち、塩酸塩、臭素酸塩の形が好ましい。
また、下記一般式(2)で表されるグアニジン誘導体又はその塩も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。

(式中、Rは炭素数1〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、tは1〜5の整数であって、tが2以上の場合、各ブロック中のAは互いに異なってもよい。)
上記一般式(2)中のRは、炭素数1〜21、好ましくは11〜19の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、例えば、C1123−、C1225−、C1327−、C1429−、C1531−、C1633−、C1735−、(C17CH−、4−C1530−等の基が好適である。
置換基Aは、炭素数1〜10、好ましくは2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、イソプロピレン基、2−ペンテニル基、2−エチルブチレン基等が挙げられる。
上記一般式(2)で表わされるグアニジン誘導体は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、塩酸塩、臭素酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、クエン酸及び酸性アミノ酸塩の形が好ましい。
さらに、アミノ酸系カチオン性界面活性剤も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。アミノ酸系カチオン性界面活性剤としては、モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩を挙げることができる。この化合物を構成する塩基性アミノ酸としては、例えば、オルニチン、リシン及びアルギニン等の天然アミノ酸を挙げることができる。また、α,γ−ジアミノ酪酸のような合成アミノ酸を用いることも可能である。これらは光学活性体でもラセミ体でもよい。
また、そのアシル基は、炭素数が8〜22の飽和又は不飽和の高級脂肪酸残基である。これらは天然のものでも合成されたものでもよい。例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基及びステアロイル基等の単一高級脂肪酸残基、並びにヤシ油脂肪酸残基及び牛脂高級脂肪酸残基等の天然の混合高級脂肪酸残基を採用することができる。
低級アルキルエステル成分としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル及びオクチルエステルが好適である。低級アルキルエステル成分は、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、塩酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩及び酸性アミノ酸塩の形が好ましい。
さらに、アミドアミン型界面活性剤も、カチオン性界面活性剤として好適に使用することができる。アミドアミン型界面活性剤としては、下記一般式(3)で表される化合物を用いることができる。

(式中、Rは炭素数7〜23、好ましくは9〜22の脂肪酸残基、さらに好ましくは13〜22であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基、mは2〜4の整数を示す。)
上記一般式(3)で表されるアミドアミン型界面活性剤としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドが挙げられる。これらは、通常、塩の形で配合され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができる。これらのうち、酸性アミノ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩の形が好ましい。なお、中和に用いられる塩は1種又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミドが好適に用いられる。本発明では、これらのアミドアミン型界面活性剤中から、1種又は2種以上を用いることができる。
特に、本発明(A)のカチオン性界面活性剤としては、液晶構造体の経時安定性の点から、カチオン性界面活性剤の脂肪族炭化水素基の炭素数(鎖長)分布において、炭素数22が50%以上、好ましくは80%以上含有することが好ましい。
本発明の(A)成分のカチオン性界面活性剤の配合量は、特に制限されないが、本発明のシャンプー組成物中の下限は0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、上限は7質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは4質量%以下である。配合量が少なすぎると、すすぎ時に毛髪に充分な滑らかさ感、柔軟性を付与することができず、一方、多すぎると毛髪にべたつくような重さを生じる場合がある。(A)成分としては、1種単独又は2種以上を併用してもよい。
特に、上記一般式(1)で表されるアルキル4級アンモニウム塩、及び一般式(2)で表されるグアニジン誘導体又はその塩を配合する場合は、その配合量は、シャンプー組成物中の下限は0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、上限は6質量%以下が好ましく、より好ましくは4質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
モノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩のようなアミノ酸系カチオン性界面活性剤を配合する場合は、その配合量は、シャンプー組成物中の下限は0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上であり、上限は5質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下である。
アミドアミン型界面活性剤を配合する場合は、その配合量は、シャンプー組成物中の下限は0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上であり、上限は7質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
(B)成分は、珪素原子を含まない油分である。ここで、(B)成分中の(A)成分と組成中において、単独で液晶構造体を形成できる油分は、シャンプーをした際のすすぎ時のきしみを飛躍的に向上させる効果があり、今回のシャンプー組成物において必須のものである。(B)成分としては、以下(1)〜(5)の単体もしくは縮合物が挙げられる。本発明の(B)成分としてはこれらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(1)一般式R12−OHで表わされるアルコールI
(2)一般式R13−COOHで表わされる脂肪酸II
(3)Iと多価アルコールIIIの縮合物IV
(4)IIとIIIの縮合物 V
(5)I又はIVと、II、V又は多塩基酸VIとの縮合物
一般式R12−OHで表わされるアルコールIは、R12=炭素数1〜40の飽和、不飽和もしくは分岐のアルコール又はヒドロキシアルコールであり、具体的には、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、n−デシルアルコール、イソデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデシルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルノール、カルナービルアルコール、セリルアルコール、コレステロール、フィトステロール等が挙げられる。中でも、経時安定性の点から、直鎖(セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)及び分岐鎖(2−ヘキシルデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソステアリルアルコール等)のものが好ましく、特に直鎖のものが好ましい。分岐鎖のものであれば、分岐が先端に近いものほど良好である。また、鎖長では、炭素数8〜22のアルコールが好ましく、中でも、経時安定性の点から、直鎖の炭素数16〜22のアルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)がより好ましく、中でもベヘニルアルコールが最も好ましい。これらのアルコールは1種(単独)で又は2種以上併用してもよいが、経時安定性の点から、炭素数22のものを40%以上、好ましくは70%以上含有することが好ましい。
一般式R13−COOHで表わされる脂肪酸IIは、R13=炭素数4〜40の飽和、不飽和もしくは分岐の脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸であり、具体的には、酪酸、カプリル酸、イソノナン酸、テトラメチルノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、2−ヘキシルデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、リグノセリン酸、セロシン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラウロレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、エイコセン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ヒマシ硬化脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、メタクリル酸、オクチル酸(2エチルヘキサン酸)、ネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸)、シトロネル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸、乳酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。油分として単体で使用する際には炭素数8〜24の脂肪酸が望ましく、中でも、経時安定性の点から炭素数16〜22の脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等)がより好ましい。
多価アルコールIIIとしては、下記一般式(4)で表される多価アルコールが挙げられる。
HO((C2a)O)((C2c)O)H (4)
(式中、a、b、c及びdに特に制限はなく、a=cでもよく、好ましくはa、cは2〜10、b、d=1〜150の整数である。)
上記一般式(4)で表される多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、1,3−ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール等やこれらの多価アルコールのEO付加物が挙げられる。
多塩基酸VIは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フタル酸、トリメリット酸、セバシン酸等のカルボン酸やリン酸、硫酸等の無機酸が挙げられる。
(3)Iと多価アルコールIIIの縮合物IV、(4)IIとIIIの縮合物V、(5)I又はIVと、II、V又は多塩基酸VIとの縮合物としては、高級アルコールのEO、PO付加物、脂肪酸のEO、PO付加物を始めとし、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ジグリセリン、モノステアリン酸ヘキサグリセリン、モノステアリン酸デカグリセリン、ジステアリン酸ジグリセリン、ジステアリン酸ヘキサグリセリン、ジステアリン酸デカグリセリン、トリステアリン酸ペンタグリセリン、トリステアリン酸ヘキサグリセリン、トリステアリン酸デカグリセリン、テトラステアリン酸ヘキサグリセリン、テトラステアリン酸デカグリセリン、ペンタステアリン酸テトラグリセリン、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリン、ペンタステアリン酸デカグリセリン、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリン、ヘキサステアリン酸ヘキサグリセリン、オクタステアリン酸ヘキサグリセリン、デカステアリン酸デカグリセリン、モノイソステアリン酸グリセリン、モノイソステアリン酸ジグリセリン、モノイソステアリン酸ヘキサグリセリン、モノイソステアリン酸デカグリセリン、ジイソステアリン酸ジグリセリン、ジイソステアリン酸ヘキサグリセリン、ジイソステアリン酸デカグリセリン、トリイソステアリン酸ペンタグリセリン、トリイソステアリン酸ヘキサグリセリン、トリイソステアリン酸デカグリセリン、テトライソステアリン酸ヘキサグリセリン、テトライソステアリン酸デカグリセリン、ペンタイソステアリン酸テトラグリセリン、ペンタイソステアリン酸ヘキサグリセリン、ペンタイソステアリン酸デカグリセリン、ヘキサイソステアリン酸ペンタグリセリン、ヘキサイソステアリン酸ヘキサグリセリン、オクタイソステアリン酸ヘキサグリセリン、デカイソステアリン酸デカグリセリン、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸グリセリル、オキシステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリンヘプタベヘニン酸デカグリセリン、トリオレイン酸ペンタグリセリン、トリベヘニン酸ペンタグリセリン、テトラベヘニン酸ペンタグリセリン、ペンタベヘニン酸ペンタグリセリン、ジベヘニン酸トリグリセリン、トリベヘニン酸トリグリセリン、テトラベヘニン酸トリグリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ(カプリル、カプリン酸)グリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリスリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、乳酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、オクタン酸ミリスチル、オクタン酸パルミチル、オクタン酸ステアリル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミチスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、エイコセン酸オクチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、アジピン酸2−ヘプチルウンデシル、コハク酸ジエトキシエチル、グリセリン脂肪酸エステルアジピン酸縮合物、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル等のエステルが挙げられる。
また他の油分として、アルキルエーテルリン酸又はその塩とアルキルエーテルリン酸のPOE(ポリオキシエチレン)誘導体、アルキルアミンとそのPOE誘導体、脂肪酸アミドとそのPOE誘導体、ひまし油又は硬化ひまし油と、そのPOE誘導体、カルナバワックス、カンデリラワックス、木ロウ等の植物ロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、羊毛ロウ等の動物ロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ロウ、モンタンワックス、セレシン、オゾケライト等の鉱物ロウ等が挙げられる。
この中では、経時での保存安定性の点から、融点が45℃以上の高級(炭素数16〜22)アルコール(セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等)が好ましい。
本発明において、液晶を形成しやすいという点で、(B’)として(A)成分と単独で液晶構造体を形成する油分(上記(1)及び(2)、並びに(3)及び(4)のHLB4未満のもの)を、後述する(A)成分との割合で組成物中に配合する必要がある。なお、(B’)成分は、1種を単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)成分としては、(A)成分と単独で液晶を形成しないその他のケイ素原子を含有しない油分(例えば、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、ジステアリン酸グリコール等のようなパール付与剤、POE硬化ひまし油、POEジオレイン酸メチルグリコシド、アルキル脂肪酸アミド等の減粘、増粘及び安定化剤等)を配合してもよい。シャンプー組成物中の(A)と(B’)の質量比は、(B’)/[(A)+(B’)]が、0.35〜0.90であり、下限は0.50が好ましく、上限は0.80が好ましい。質量比が0.35未満又は0.90を超えると、すすぎ時のきしみ改善が弱いものとなる。
(A)と(B)成分の最も好ましい組み合わせとしては、下記が挙げられる。
(i)(A)炭素数16〜22のモノアルキルカチオン性界面活性剤、(B)炭素数16〜22のアルコールの組み合わせで、(B’)/[(A)+(B’)]=0.6〜0.8
(ii)(A)炭素数16〜22のジアルキルカチオン性界面活性剤、(B)炭素数16〜22のアルコール組み合わせで、(B’)/[(A)+(B’)]=0.5〜0.7
(B’)成分及び(B’)成分以外の珪素原子を含まない油分全体の配合量は特に限定されないが、通常シャンプー組成物中の下限は0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上であり、上限は10質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以下である。配合量が0.5質量%未満では使用感が不充分になる場合があり、一方、10質量%を超えると経時安定性が悪くなる場合がある。
(C)成分は、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤である。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系活性剤、アミドスルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリニウムベタイン系活性剤、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。
中でも、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルイミノジプロピオン酸、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸石ケン、アルキルリン酸エステル塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩、N−パルミトイルグルタミン酸塩、N−ラウロイル−N−エチルグリシン塩、N−ラウロイルザルコシン塩、N−ミリストイル−β−アラニン塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、アルキルグリセリルグリコシド、メチルグルコシド脂肪酸エステル等が挙げられる。中でもポリエチレングリコールモノステアレート、モノラウリン酸デカグリセリル、ベヘニン酸モノグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、アルキルグルコシド等が好ましい。
(C)成分の配合量の下限は、シャンプー組成物中2質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上であり、上限は60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下である。本発明においては、泡立ちの点からイオン性を示す活性剤(両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤)の配合量が、組成物全体に対し、2質量%を超える必要があり、5質量%以上が好ましく、特に10質量%以上が好ましい。イオン性を示す活性剤の配合量の上限は特に限定されないが、通常30質量%である。また、分散安定性の観点から、アニオン性を示す活性剤(アニオン性界面活性剤)の配合量が、組成物全体に対し5質量%未満であり、2質量%以下が好ましく、特に1質量%以下が好ましい。アニオン性を示す活性剤の配合量の下限は特に限定されないが、通常0.1質量%である。なお、すすぎ時のきしみ防止の持続性の点から、両性界面活性剤を単独で用いることが好ましい。
本発明のシャンプー組成物には、(D)水膨潤性粘土鉱物を配合することが好ましい。本発明のシャンプー組成物に(D)水膨潤性粘土鉱物を配合することにより分散安定性が格段に良好となる。水膨潤性粘土鉱物としては、天然又は合成スメクタイト粘土、粘土鉱物を第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤等で処理した有機変性粘土等が挙げられる。その中でも活性剤共存下で分散性の良い粘土鉱物が好ましく、その例としてベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト等が挙げられ、膨潤性の雲母等も使用できる。これらの中では、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトが特に好ましい。(D)成分としてはこれらを1種単独又は2種以上を併用することができる。
水膨潤性粘土鉱物、特に天然から採取したものは、カルサイト、トリジマイト、クリストバライト、石英、各種無機物等の非膨潤性の夾雑物が多く含まれていると、粘土鉱物が有する効果を充分発揮し得ない場合があるため、粘土鉱物の純度が90質量%以上であることが好ましく、特に95質量%以上が好ましい。
(D)成分の配合量は、分散安定性の観点から、シャンプー組成物中0.01質量%以上が好ましく、下限は0.05質量%以上が好ましい。配合量の上限は5質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以下である。
本発明のシャンプー組成物には、(E)アミンオキシド成分を配合することが好ましい。(E)アミンオキシド成分を配合することにより、泡立ちがクリーミーになる。(E)成分のアミンオキシドとしては、下記一般式(5)で表されるアミンオキシドが挙げられる。

(式中、Rは炭素数8〜24、好ましくは8〜18の1価炭化水素基であり、特に炭素数8〜18の直鎖状アルキル基であることが好ましい。R、R10はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は下記一般式(6)で表される一価の置換基であり、メチル基、ヒドロキシエチル基が好ましい。nは0又は1〜5の整数であり、nは0が好ましい。)

(式中、R11は、水素原子又はメチル基、pは1〜5である。)
本発明に用いるアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルジメチルアミンオキシド(酸化エチレンの平均付加数:3モル)等が好適である。
本発明のシャンプー組成物には、上記構造式で表されるアミンオキシドが1種又は2種以上配合されることが好ましい。これらのアミンオキシドを商品名で示すと、東邦化学工業(株)製のソフタミンL、共栄化学工業(株)製のオキザミン−ALS、ライオンアクゾ(株)製のアロモックスC/12、アロモックスC/12W、アロモックスDMC−W、アロモックスCM12D−W(C)等が挙げられる。
(E)成分のアミンオキシドの配合量の下限は、クリーミーな泡立ちを発現する点から、シャンプー組成物中0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上であり、上限は5質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以下である。
本発明のシャンプー組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、上記必須成分、任意成分及び精製水等の水の他に、必要に応じて一般にシャンプー組成物に用いられている各種添加成分を配合することが可能である。これらは1種単独又は2種以上を併用することができる。
各種添加成分としては、例えば、シリコーン誘導体、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、ポリオール類、食塩、芒硝等の無機塩類、有機塩類、プロピレングリコール等の保湿剤、トニック剤、可溶化剤、BHTやα−トコフェロール等の酸化防止剤、トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤、高分子化合物、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等の粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、タンパク誘導体、動植物抽出液、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等のフケ防止剤、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤、安息香酸及びその塩、パラベン類、ケーソンCG等の防腐剤、クエン酸、トリエタノールアミン等のpH調整剤、エチレングリコールジ脂肪酸エステル等のパール化剤、乳濁剤、ハイドロトロープ、低級アルコール、ビタミン類、揮発性油分、疎水性溶媒、希釈性溶媒、色素、香料等が挙げられる。これらの添加成分は1種単独でも2種以上を混合して配合してもよいが、本発明のシャンプー組成物の効果を損なわない範囲で配合することができる。
シリコーン誘導体としては、その種類が特に制限されるものではなく、通常シャンプー組成物に使用されているものを用いることが可能である。例えば、ジメチルポリシロキサン(高重合ジメチルポリシロキサン、シリコーンゴムを含む)、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーンが特に好適に使用される。
これらのシリコーン誘導体の中でも、仕上がりのなめらかさが向上する点から、屈折率が1.46未満のものが好ましく、1.42未満のものがより好ましい。屈折率の下限は特に限定されないが、1.39以上が好ましい。
(F)屈折率が、1.46未満のシリコーン誘導体としては、具体的にはレオフローDMS−55(ライオン(株)製)、SM8704C(東レ・ダウコーニング(株)製)、SH3775M(東レ・ダウコーニング(株)製)等が挙げられる。
本発明において、屈折率は粧原基一般試験法(アッベ屈折計)により、25℃にて測定し得られたものである。
なお、これらのシリコーン誘導体は、その粘度等が特に制限されるものではないが、通常、温度25℃における粘度が1〜20000000cSt(センチストークス、10−6/s、)、好ましくは30〜1000000cStのものが好適に用いられる。
また、上記シリコーン誘導体としては、上記シリコーン誘導体を界面活性剤により乳化し、エマルション化したものも使用することができる。なお、このようなエマルション化したものは、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、種々使用することができる。これらのシリコーン誘導体を配合する場合、分散安定性の点から、本発明のシャンプー組成物の製品粘度は500〜15000mPa・sであることが好ましく、特に1000〜10000mPa・sが好ましい。500mPa・s未満では、シリコーンの分散安定性が悪くなる場合があり、15000mPa・sを超えると、容器からの排出性が悪く、使用性に劣る場合がある。
アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマーの具体例としては、ペクチン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸塩、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリメチルアクリル酸塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、トラガラントゴム等が挙げられる。
本発明においては、粘性付与剤として、(G)下記式で表される構造単位を有し、メトキシ基25〜35質量%、ヒドロキシプロポキシ基5〜15質量%(ただし、水酸基、メトキシ基及びヒドロキシプロポキシ基の合計を100質量%とする。)であって、2質量%水溶液の20℃での粘度が2100〜35000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合することが好ましい。これにより、特にシャンプー組成物の溶解性が良好で、すすぎ時のきしみ感がなく、泡立て時により細かい泡質のものを得ることができる。

(式中、分子末端及びRは水素原子、メチル基又はヒドロキシプロポキシ基を示す。)
このヒドロキシプロピルメチルセルロースは、セルロースの水酸基の1部がメトキシ基もしくはヒドロキシプロポキシ基に置換されたものである。水酸基、メトキシ基及びヒドロキシプロポキシ基の合計を100質量%とした場合、メトキシ基の含有率は25〜35質量%、好ましくは28〜30質量%、ヒドロキシプロポキシ基の含有率は5〜15質量%、好ましくは7〜12質量%である。それぞれの含有率が上記範囲内でないと泡のクリーミー性向上効果が発揮し難い場合がある。
粘度はヒドロキスプロピルメチルセルロースの2質量%水溶液を、BM型粘度計を用いて20℃、30回転/分で測定する。粘度が2100mPa・s未満のものでは充分な泡改質効果が不充分になる場合があり、35000mPa・sを超えると溶解性不良となる場合がある。
このヒドロキシプロピルメチルセルロースは公知の方法で合成でき、また市販品として入手することもできる。
このヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合する場合、良好な泡質の点から、本発明のシャンプー組成物中の配合量の下限は、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.2質量%以上であり、上限は2質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下である。
カチオン性ポリマーとしては、官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、四級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第四級窒素含有スターチ等の他、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コラーゲン、加水分解小麦、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの等が挙げられる。なお、上記ポリマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
香料としては、具体的に脂肪族炭化水素,テルペン炭化水素,芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール,テルペンアルコール,芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル,芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド,テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド,テルペン系アルデヒド,脂肪族環状アルデヒド,チオアルデヒド,芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン,テルペンケトン,脂肪族環状ケトン,非ベンゼン系芳香族ケトン,芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸,テルペン系カルボン酸,脂肪族環状カルボン酸,芳香族カルボン酸等の酸類、酸アミド類、脂肪族ラクトン,大環状ラクトン,テルペン系ラクトン,脂肪族環状ラクトン,芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル,フラン系カルボン酸エステル,脂肪族環状カルボン酸エステル,シクロヘキシルカルボン酸エステル,テルペン系カルボン酸エステル,芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類,ニトリル,アミン,ピリジン類,キノリン類,ピロール,インドール等の含窒素化合物等の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合し使用することができる。
例えば、合成香料としては、1996年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊、ステファンアークタンダー(STEFFEN ARCTANDER)著「パヒューム アンド フレーバーケミカルス(Perfume and Flavor Chemicals)」等に記載の香料が使用できる。天然香料としては、「香りの百科」(日本香料協会編)に記載の香料が使用できる。
主な香料名を具体的に挙げると、アルデヒドC〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルオイゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、p−t−ブチルシクロヘキサノール、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオフイレン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、δ−C〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、オイゲノール、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラクソリド、γ−C〜C13ラクトン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ミルセン、β−カリオフイレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、グラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis−3−ヘキセノール、cis−3−ヘキセニールアセテート、cis−3−ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレッドリド、シクロヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、オキサヘキサデセン−2−オン、14−メチル−ヘキサデセノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、ムスクケトン、ムスクチペチン、ノピルアルコール、ノピルアセテート、ネリルアセテート、ネロール、メチルフェニルアセテート、ミラックアルデヒド、ネオベルガメート、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、p−クレゾールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、ルバフラン、ダマセノン、ラズベリーケトン、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、メチルナフチルケトン、ローズフェノン、ローズオキサイド、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、スチテラールアセテート、スチラリールプロピオネート、ターピネオール、タービニルアセテート、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ラバンジシ油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パテュリ油、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、樟脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、アブソリュートオークモス、ファーバルサム、ムスクテンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリステンキ等である。
また、香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。
本発明のシャンプー組成物は、(A)カチオン性界面活性剤と(B)珪素原子を含まない油分とから形成された液晶構造体が、組成物中に分散したものである。液晶構造体が、組成物中に分散することにより、シャンプーすすぎ時のきしみ、特にカラーリングした髪の激しいきしみ感を改善し、かつ泡立ちにすぐれ、経時での分散安定性に優れるといった効果が得られる。液晶構造体は、上記(A)成分と(B)成分とから形成されるが、この2成分のほかに他の成分が微量含まれる場合がある。
なお、液晶構造は、X線回析、光学顕微鏡及び電子顕微鏡等によって確認することができる。分散状態とは液晶構造体が可溶化されずに分散していることを示す。
また、シャンプー組成物に分散している液晶構造体の平均粒径の上限は、20μm未満が好ましく、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下であり、下限は0.05μm以上が好ましく、より好ましくは0.1μm以上である。液晶構造体の平均粒径が20μm以上では、すすぎ時のきしみ防止効果や仕上がりのなめらかさが低下し、べたつきが生じるとともに、分散安定性が悪くなる場合がある。また、0.05μm未満では、泡立ちが低下し、さらに乳化剤の影響によりべたつきが生じる場合があり、コスト的にも不利になる場合がある。この場合、液晶構造体の平均粒径は、光学顕微鏡でとらえた粒子の像を任意に100ヶ所コンピューターに取り込み、同倍率とした上で、画像処理(例えば、コンピューターソフトwinROOF)することにより求めることができる。
本発明のシャンプー組成物は、常法又は特開2001−311099号公報に記載の方法に準じて調製することができる。製造方法としては、(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相と、(A)カチオン性界面活性剤及び(B)珪素原子を含まない油分とを、上記(A)及び(B)成分の結晶化温度以上で混合し、得られた混合物を結晶化温度以上の温度から冷却する方法が好ましい。さらに、(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相と、(A)カチオン性界面活性剤と(B)珪素原子を含まない油分とを混合し、得られた混合物の一部を連続的に抜き出し、これを急冷すると共に、この急冷したものを混合物に戻すことを繰り返すことにより、混合物を結晶化温度以上の温度から冷却する方法が好ましい。この方法によれば冷却時間を短縮することができる。また、(D)水膨潤性粘土鉱物を配合する場合は、水に分散又は膨潤させた水膨潤性粘土鉱物を、洗浄性界面活性剤を含有する水相と混合することが好ましい。この方法により、複数の製造バッチを連続で生産する際、バッチ間の槽内洗浄が不要となり、生産効率を飛躍的にアップすることができる。
混合する際の順番は特に制限されず、洗浄性界面活性剤を含有する水相に液晶構造体の構成成分を添加してもよいし、その逆でもよい。液晶構造体は温度が低いと固化しやすいので、均一に分散するという点から、洗浄性界面活性剤を加温撹拌しながら液晶構造体を加温溶解させて添加するのが好ましい。
混合する温度は、液晶構造体の構成成分の結晶化温度以上である。このような温度で混合することにより、液晶構造体は洗浄性界面活性剤中に均一に混合分散することができる。
本発明の液晶構造体の構成成分の結晶化温度(T℃と略す)は、単純に液晶構造体の構成成分を混合、加温溶解したものの結晶化温度を示すものではなく、使用する洗浄性界面活性剤を含有する水相中で結晶化する温度のことである。T℃はシャンプー組成物を試料とし、示差走査型熱量分析計(DSC)を用いて簡単に測定することができる。測定条件としては、試料量5〜50mg、昇温速度は0.5〜2.0℃/minで測定することにより、最もT℃を精度良く知ることができる。
典型的な下記組成のシャンプー組成物をDSC測定したチャートを第2図に示す。シャンプー組成物33mgを昇温速度1℃/minで測定した。第2図の一番左の大きな吸熱ピークは液晶構造体の転移ピークであるが、それより高温側に小さな吸熱ピークが見られる。その吸熱ピークの吸熱が終了する温度がT℃であり、この試料の場合73℃である。
組成 質量%
洗浄性界面活性剤
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 14.0
液晶構造体
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2.0
ベヘニルアルコール 4.8
その他成分 7.0
水 バランス
合計 100.0
T℃を測定するシャンプー組成物は、まず、組成物中の液晶構造体の構成成分の混合物を作製し、加温して溶解温度を調べる。次に、洗浄性界面活性剤成分と液晶構造体をその溶解温度よりも10℃以上高い温度で十分に混合した後、30℃以下に冷却する(冷却方法は一般的なジャケット冷却法を用いることができる。冷却速度は0.5〜2.0℃/min)。調製後、3日以上放置したものを試料としてDSCによりT℃を測定する。
本発明の製造方法は、次に、得られた混合物を結晶化温度以上の温度から冷却するものである。冷却方法は特に限定されないが、混合槽の外側のジャケットに冷却水を流す冷却法であってもよいし、混合物の一部を連続的に抜き出し、これを急冷すると共に、この急冷したものを混合物に戻すことを繰り返す方法(以下、連続部分急冷法と略す)であってもよい。特に冷却時間の短縮の点から、連続部分急冷法が好ましい。この場合、急冷とは、加温状態にある混合物を瞬時に10〜35℃に冷却することをいう。
連続部分急冷法について説明する。
本発明のシャンプー組成物の製造工程において、冷却を開始する直前の状態は、温度がT℃以上の洗浄性界面活性剤と液晶構造体との混合物である。連続部分急冷法とは、混合物の一部を連続的に抜き出し、これを急冷すると共に、この急冷したものを混合物に戻すことを繰り返す方法で、混合物全体の温度を下げる冷却方法である。連続部分急冷法に用いる装置の好適な実施形態を示すブロック図を第1図に示す。
配合槽1で作製したT℃以上のシャンプー組成物を、循環ライン2で循環させる。循環ライン2の途中には熱交換器4が備えられており、熱交換器4には、冷却水ライン3を通して冷水製造機5から冷水が送られて排出される。循環ライン2で循環するシャンプー組成物は、熱交換器4により連続的に冷却され、再び配合槽1に戻される。
この方法によれば、槽外側のジャケットに冷却水を通すことによって徐々に冷却する一般的な方法と比較して、冷却時間を1/2〜1/5に短縮することが可能である。この場合の冷却水の温度は1〜25℃、好ましくは1〜15℃である。1℃より低いと冷却水は凍結して冷却が困難になり、25℃より高いと冷却効率が低い。また、熱交換器4の処理能力が高ければ、シャンプー組成物の一定時間当たりの循環容量をより多くすることにより、冷却効率をさらに高めることができる。また、冷却終了温度の管理のしやすさの点から、熱交換器4から出てくる部分冷却後のシャンプー組成物及び冷却水の温度が組成物全体の冷却終了予定温度から−5〜−20℃が好ましい。
この連続部分急冷法を実施するためには、使用する冷却水の温度付近におけるシャンプー組成物の粘度が著しく増加しないことが必要である。粘度が高くなると、熱交換器内の冷却部においてシャンプー組成物が固化するため冷却できなくなる。それを回避するためには冷却水の温度を高めに設定すれば良いが、シャンプー組成物の冷却速度が遅くなり経済的メリットが少なくなる場合がある。例えば、5℃におけるシャンプー組成物の粘度が2.0Pa・s以下であれば、高い冷却効率を得ることが可能である。なお、この粘度は製造時の組成物粘度を示しており、冷却を終了して最終組成物として仕上がった後、それを5℃に冷却した時の粘度とは大きく異なる。その理由は、組成物として仕上がった後は時間と共に系が構造化して粘度が増加するためである。
さらに、本発明のシャンプー組成物の製造方法には、水に分散又は膨潤させた粘土鉱物を、洗浄性界面活性剤を含有する水相と混合する工程を含むことが好ましい。これにより、液晶構造体の構成成分の結晶析出を大幅に抑えることができるため、特に結晶析出が起こりやすい連続部分急冷法においても、液晶構造体を安定に分散できる。また、水膨潤性の粘土鉱物を直接添加する方法では、同一の配合槽で複数バッチを連続的に製造する必要が生じた際、前記バッチの製造で槽内の壁面等に残留したシャンプー組成物が次バッチの製造時に混入し、水膨潤性の粘土鉱物の結晶析出抑制効果を妨害するという問題がある。この場合、槽内を洗浄してから次バッチの製造を行う必要があるが、水膨潤性の粘土鉱物を、水に分散又は膨潤させた洗浄性界面活性剤を含有する水相と混合することによりバッチ間の槽内洗浄が不要となり、生産効率を飛躍的にアップできる。加えて、1〜5質量%の水膨潤性の粘土鉱物の水分散又は膨潤液を、必要に応じて50〜80℃に加温することで、安定性が高く、低粘度で移送しやすい水分散膨潤液にすることができる。
本発明のシャンプー組成物は、シャンプーの常用量を常法に従って使用することができる。本発明のシャンプー組成物は、髪のきしみ感を改善し、かつ泡立ちにすぐれ、経時での分散安定性に優れるといった効果が得られる。従って、特に髪の損傷が激しいカラーリングした髪に用いることが好ましい。
本発明のシャンプー組成物の容器としては、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器等に充填することができる。ラミネートフィルムは、通常2層以上の多層を有し、その材質はポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミ蒸着プラスチック等によって構成される。強度、柔軟性、耐候性等を考慮し、一般的には2〜5層のものを用いる。ボトルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等及びガラス等を単層又は2層以上組み合わせて用いることができる。
本発明によれば、シャンプーをすすいだ時に発生する髪のきしみ感を改善し、特にきしみ感が発生しやすいカラーリングした髪においてきしみ感を改善し、かつ泡立ちにすぐれ、経時での分散安定性に優れたシャンプー組成物を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において組成の%は質量%を示す。
[実施例1〜12、比較例1〜8]
表1,2に記載の組成に応じ、下記製造方法でシャンプー組成物を調製し、泡立ちの良さ、すすぎ時のきしみのなさ及び分散安定性の評価を行った。結果を表1,2に併記する。なお、表中の(B’)は、(B)成分中の(A)成分と単独で液晶構造体を形成する油分を示す。
[製造方法]
i.(A)成分、(B)成分の油溶性成分及びその他油溶性成分を、45〜80℃で加温溶解して油相を調製した。
ii.界面活性剤及びその他水溶性成分を精製水に室温〜80℃で溶解し水相を調製した。
iii.iiで得られた水相にiで得られた油相を添加し、アジホモミクサーで撹拌し、O/W型エマルションを形成した。
iv.パドルミキサーで撹拌しながら室温まで徐冷し、必要に応じてpH調整してシャンプー組成物を得た。
シャンプーの泡立ちの評価
<方法>
茶色系に染毛した、長さがショート〜セミロングの髪の女性パネラー10名により、シャンプー組成物を10日間使用したときのシャンプーの泡立ちについて、下記評点に基づいて評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナーなどのインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤などのアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<評点>
+2点:非常によい
+1点:やや良い
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い。
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
シャンプーをすすいだ時のきしみ感の評価
<方法>
茶色系に染毛した、長さがショート〜セミロングの髪の女性パネラー10名により、シャンプー組成物を10日間使用したときのすすぎ時のきしみ感について、下記評点に基づいて評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナーなどのインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤などのアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<評点>
+2点:非常によい
+1点:やや良い
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
経時での分散安定性の評価
<方法>
調製したシャンプー組成物を、50℃で1ヵ月間保存し、その外観及び偏光顕微鏡による観察により、下記基準に基づいてその均一分散性を評価した。
<基準>
◎:非常に良好
○:良好
△:普通
×:悪い
経時保存には、以下の容器(1)〜(9)それぞれ全てに、シャンプー組成物を充填して行なった。なお、下記中のPEはポリエチレン、PPはポリプロピレン、PETはポリエチレンテレフタレート、PAはポリアミド、HDPEは高密度ポリエチレンを示す。
<ボトル容器>
(1)ボトル部:材質PP キャップ:材質PP
(2)ボトル部:材質HDPE キャップ:材質PP
(3)ボトル部:材質PET キャップ:材質PP
(4)ボトル部:材質PP/HDPE キャップ:材質PP
<ポンプ容器>
(5)ボトル部:材質PP ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(6)ボトル部:HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(7)ボトル部:PET ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(8)ボトル部:PP/HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
<パウチ容器>
(9)材質アルミ蒸着ポリエチレンパウチ


[実施例13〜22、比較例9〜14]
表3,4に記載の組成に応じ、下記製造方法でシャンプー組成物を調製し、下記評価方法に基づいて泡立ちの良さ、すすぎ時のきしみのなさ、仕上がりのなめらかさ、仕上がりのべたつきのなさ及び分散安定性の評価を行った。結果を表3,4に併記する。
[製造方法]
i.(A)成分、(B)成分の油溶性成分及びその他油溶性成分を、60〜80℃で加温溶解して油相を調製した。
ii.界面活性剤及びその他の水溶性成分を精製水に投入し、60〜80℃で溶解し水相を調製した。
iii.iiで得られた水相にiで得られた油相を添加し、アジホモミキサーで撹拌し、O/W型エマルションを形成した。
iv.パドルミキサーで撹拌しながら室温まで徐冷し、必要に応じてpH調整してシャンプー組成物を得た。
なお、(F)成分は種類によって、iもしくはiiに混合又はivに室温になってから混合した。
液晶構造体の平均粒径は、光学顕微鏡でとらえた粒子の像を任意に100ヶ所コンピューターに取り込み、同倍率とした上で、画像処理(例えば、コンピュータソフトwinROOF)することにより求めた。
シャンプーの泡立ちの評価及びシャンプーをすすいだ時のきしみ感の評価
実施例1と同様の方法で評価した。
仕上がりの髪のなめらかさとべたつきのなさ評価方法及び基準
<方法>
ヘアカラーリングを行っている女性パネラー10名の頭髪を左右に2分し、片方に実施例又は比較例に示すシャンプー組成物を、もう片方に下記組成の対照シャンプーをそれぞれ3.0mLずつ施してシャンプーし、仕上がりの髪のなめらかさとべたつきのなさを下記評点に基づいて評価した。表中では、10名の合計評点を下記基準で表した。
対照シャンプー
組成 質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 10%
(平均EO付加モル数:3)
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 5%
塩化ナトリウム 2%
ジメチルシリコーン(100000cSt) 1%
カチオン化セルロース 0.3%
トリメチルグリシン 0.2%
クエン酸 0.2%
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 0.8%
ジステアリン酸エチレングリコール 1%
安息香酸ナトリウム 0.4%
香料 0.5%
精製水 残部
合計 100%
<評点>
+2点:対照シャンプーに比較し良い
+1点:対照シャンプーに比較しやや良い
0点:対照シャンプーに比較し同等
−1点:対照シャンプーに比較しやや悪い
−2点:対照シャンプーに比較し悪い
<基準>
◎:合計点が10点以上
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜−4点
×:合計点が−5点以下
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナー等のインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤等のアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
経時での分散安定性の評価
実施例1と同様の方法で評価した。


【実施例23〜26】
表5に記載の組成に応じ、下記製造方法でシャンプー組成物を調製し、下記評価方法に基づいて液晶構造の分散安定性、泡立ち及びすすぎ時のきしみ感の評価を行った。結果を表5に併記する。
[製造方法]
i.(A)成分、(B)成分の油溶性成分及びその他の油分を、45〜80℃で加温溶解し、油相を調製した。
ii.(D)成分、(G)成分(種類により油相に添加)、界面活性剤及びその他水性成分を精製水に室温〜80℃で撹拌溶解し水相を調製した。
iii.iiで得られた水相にiで得られた油相を添加し、パドルミキサーで撹拌しながら室温まで徐々に冷却し、必要に応じてpH調整してシャンプー組成物を得た。

【実施例27〜37】
下記組成に基づいてシャンプー組成物を実施例23と同様の上記方法で調製し、実施例27〜30について溶解性、実施例31〜37について溶解性及び泡のクリーミー性について評価した。それぞれの例に使用したヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシ基及びヒドロキシプロポキシ基の質量%、2%水溶液の粘度及び評価結果を表6,7に示す。
シャンプー組成物組成 質量%
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0
ベヘニルアルコール 5.0
ベントナイト 0.5
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 13.0
ラウリルジメチルアミンオキシド 1.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
精製水 バランス
合計 100.0


【実施例38〜44】
表8に記載の組成に応じ、上記実施例23の製造方法でシャンプー組成物を調製し、下記評価方法に基づいて、泡立ちの良さ、泡のすべり、泡のクリーミー性、すすぎ時のきしみのなさ及び乾燥後のしっとり感の評価を行った。結果を表8に併記する。

実施例23〜44の評価方法
シャンプー組成物粘度の測定方法
化粧品原料基準、一般試験法の第2法に従い、ブルックフィールド型粘度計を用いて測定した。
<測定条件>使用ローターはNo.3〜4、ローター回転数は30rpm
<測定方法>シャンプー組成物を25±1℃に保ち、液中にローターを静かに挿入して1分間静置した後、ローターを回転させ10回転後の粘度を測定した。
液晶構造の長期分散安定性の評価
<方法>
調製したシャンプー組成物を、液晶構造体にとって不安定な温度(相転移点付近)である40℃で1ヵ月及び、1年以上の室温長期保存に相関すると想定した40℃・3ヶ月間保存し、その外観(分離のなさ)及び偏光顕微鏡による観察により、下記評価基準に基づいてその均一分散性を評価した。経時保存には、上記容器(1)〜(9)それぞれ全てに、シャンプー組成物を充填して行なった。
<評価基準>
◎:非常に良好
○:良好
△:普通
×:悪い
シャンプー組成物の泡立ち、泡のすべりの評価
<方法>
茶色系に染毛した長さがショート〜セミロングの髪の女性パネラー10名により、シャンプー組成物を10日間使用したときの、シャンプーの泡立ち及び泡のすべりについて、下記評点に基づいて評価した。表中では10名の合計点を下記基準で表した。
また、シャンプー後に使用するリンス・コンディショナー等のインバス製品やスタイリング剤やヘアケア剤等のアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<評点>
+2点:非常によい
+1点:やや良い
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<基準>
◎:合計点が15点以上
◎〜○:14〜10点
○:合計点が9〜5点
△:合計点が4〜0点
△〜×:合計点が−1〜−4点
×:合計点が−5点以下
シャンプーすすぎ時のきしみ感の評価
実施例1と同様の方法で評価した。
溶解性の評価
シャンプー組成物を調製し、調製直後の液の状態を下記評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:均一で沈殿物や不溶のゲル化物がない
○:均一で沈殿物はないが、わずかに小さいゲル化物がある
△:沈殿物はないが、大きなゲル化物が多量にある
×:沈殿物がある、あるいは相分離を認める
泡のクリーミー性
10gの毛束を40℃の水で湿らせ5gの水を含ませた。次いでシャンプー組成物1gを使用して毛束を洗浄し、洗浄中の泡のクリーミー性を対照シャンプー(ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含まないもの)と比較し、下記評価基準に基づいて官能評価した。
<評価基準>
○:対照シャンプーより明らかに優れる
△:対照シャンプーよりやや優れる
×:対照シャンプーと同じ
乾燥後のしっとり感
女性パネラー10名の頭髪を左右に2分し、片方にシャンプー組成物を、もう片方に対照シャンプー(ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含まないもの)を各3mL施してシャンプーし、ドライヤーで乾燥した後のなめらかさを、下記評点に基づいて評価した。表中では10名の合計評点を下記基準で表した。
<評点>
対照シャンプーと比較して
+2点:良い
+1点:やや良い
0点:同等
−1点:やや悪い
−2点:悪い
<基準>
◎:対照シャンプーより優れている(合計点が10点以上)
○:対照シャンプーよりやや優れている(合計点が5〜9点)
△:対照シャンプーと同レベル(合計点が4〜−4点)
×:対照シャンプーより劣る(合計点が−5点以下)
【実施例45〜50】
下記組成のシャンプー組成物を、表9の記載に基づいて下記方法で調製し、下記評価基準に基づいて、すすぎ時のきしみのなさ及び−5℃保存安定性について評価した。結果を表9に併記する。
シャンプー組成物の組成 質量%
液晶構造体の構成成分
(A)塩化アルキルトリメチルアンモニウムクロリド 2.0
(B)ベヘニルアルコール 4.8
(C)ラウリン酸アミドプロピルベタイン 15.0
(E)ラウリルジメチルアミンオキシド 1.0
液晶構造体の溶解向上剤
POE(10)ベヘニルエーテル 0.5
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
プロピレングリコール 2.0
(D)ベントナイト 0.3
その他成分
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2
ジグルコシル没食子酸 0.5
加水分解コムギたん白液 1.5
ラフィノース 0.5
(F)ジメチルシリコーン(100000cSt) 1.5
安息香酸ナトリウム 0.9
メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液
0.01
黄色203号 0.0005
赤色106号 0.0001
クエン酸・1水塩 0.46
香料 0.5
精製水 バランス
合計 100.0
[製造方法]
精製水(イオン交換水)に水膨潤性の粘土鉱物を分散させ、洗浄性界面活性剤を添加し、さらに、予め液晶構造体の構成成分と液晶構造体の溶解向上剤とを加温・混合したものを添加しT1℃とする。その後、液全体がT2℃になった時点で冷却を開始する。約40℃まで冷えた後、その他成分を添加し、クエン酸量を調整してpH=5.5のシャンプー組成物を調製した。
配合槽は容量20Lの真空乳化釜(みずほ工業(株)製PVT−1−20)を使用した。ジャケット冷却法では、15〜20℃の水を真空乳化釜のジャケットに流して冷却した。外部熱交換器による連続部分急冷法では、真空乳化釜最下部の内容物の取り出し口と外部熱交換器と移送ポンプを介して配管を接続し、外部熱交換器で冷却された内容物を乳化釜内に戻す配管を真空乳化釜上部の原料投入口に接続することにより、真空乳化釜の内容物が連続的に循環するようにした。外部熱交換器としては日阪製作所製UX−005(伝熱面積が0.612m)を使用した。5〜7℃の冷却水が熱交換器内に入り、内容物及び冷却水が20〜35℃になって熱交換器から出てくるように、冷却の開始から終了の間において冷却水量を調整した。T2〜38℃までの冷却に要した時間は、ジャケット冷却法で約40分、外部熱交換器による連続部分急冷法で10〜12分であった。
なお、乳化〜冷却直前の間に温度変化(T1℃→T2℃)が生じているが、その間の操作について説明する。実施例45〜47及び49では、乳化開始時にジャケットによるスチーム加熱をストップしたのみで、内容物の組成変化はない(自然放熱)。一方、実施例48では、ジャケット加温をストップし、添加すべき安息香酸ナトリウムの全量を33%水溶液にしたもの(安息香酸ナトリウム水溶液の温度は約15℃)を乳化後に添加・撹拌した。また、実施例50では、ジャケット加温をストップし、添加すべきラウリン酸アミドプロピルベタインの1/3を、乳化後に添加・撹拌した(ラウリン酸アミドプロピルベタインの温度は約15℃、残り2/3は乳化前に添加)。上記製造法にて調製した実施例のシャンプー組成物の結晶化温度(T℃)を、示差走査型熱量分析計(DSC)(Seiko Instruments社製、DSC6100)を用いて測定した結果、74℃であった。測定条件は、試料量は、実施例45 31mg、実施例46 29mg、実施例47 32mg、実施例48 32mg、実施例49 33mg、実施例50 31mg、昇温速度1℃/minであった。
また、得られたシャンプー組成物を製造中(約45℃に冷却した時点)で少量を取り出し、速やかに5℃に冷却した後、化粧品原料基準、一般試験法の第2法に従い、ブルックフィールド型粘度計を用いて粘度を測定した(使用ローターはNo.3、ローター回転数は30rpmで10回転後の値)。その結果、実施例46〜48のシャンプー組成物は1.2〜1.3Pa・sの粘度を示し、効率良く冷却が行われたことを示していた。また、使用した外部熱交換器を分解・洗浄する際、伝熱部分を観察したが、冷却による固形物の付着は認められなかった。
また、得られたシャンプー組成物を24時間放置し、25℃±2℃に保った後、同様に粘度を測定した結果、実施例45:3.2Pa・s、実施例46:2.4Pa・s、実施例47:2.6Pa・s、実施例48:2.4Pa・sの粘度を示した。
シャンプーすすぎ時のきしみのなさの評価
20〜40代のヘアカラーを実施している女性10名により、シャンプー組成物を用いて髪を洗浄後、お湯ですすいだ時のきしみなさを評価し、下記評価基準で示した。
<評価基準>
◎:9名以上がきしまないと回答
○:6〜8名がきしまないと回答
△:3〜5名がきしまないと回答
×:きしまないパネラーが2名未満
−5℃保存安定性評価
シャンプー組成物を、上記容器(1)〜(9)それぞれに充填し、−5±1℃に温度管理された恒温槽内に1ヶ月保存した後、22〜26℃の環境に3日間放置し、シャンプー組成物を全量シャーレ等の容器内に移して外観を観察し、下記評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:全ての保存容器において、層分離や固形物の析出が認められなかった。
○:わずかに結晶析出に由来する光沢感が観察されるものがあった。
△:わずかに肉眼で認知できるレベルの固形物の析出が認められるものがあった。
×:肉眼で認知できる多くの固形物の析出が認められるか、層分離が認められるものがあった。

【実施例51】
下記組成のシャンプー組成物を上記実施例46と同様の方法で調製した。
組成 質量%
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0
ベヘニルアルコール 5.0
ベヘニン酸モノグリセリル(HLB4.3) 0.3
ベヘニルエーテル(EO10)(HLB9) 0.3
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 13.0
アルキル(8−16)グルコシド 1.0
ベントナイト 0.3
ラウリン酸ジメチルアミンオキシド 1.0
ジメチルシリコーン 1.8
アミノ変性シリコーン 0.2
プロピレングリコール 5.0
安息香酸ナトリウム 0.9
アルギニン 0.5
クエン酸 0.5
香料 0.5
精製水 バランス
合計 100.0%
性状
粘度 5Pa・s
比重 1.02(25℃)
pH 5.8
チキソトロピー性を有する
上記実施例のシャンプー組成物は、X線回折の結果、規則的な回折パターンが観察された。これらを偏光顕微鏡にて観察したところ、組織像は光学異方性を示し、また、クライオ走査型電子顕微鏡にて凍結割断したサンプルを観察したところ、薄層が重なっていたことより、上記製造方法より得られた実施例のシャンプー組成物は、液晶構造体が分散したものであると認められた。
実施例及び比較例では下記のものを使用した。
※ ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド:アーカードT833(ライオン(株)製)
化粧品原料基準(以下「粧原基」と略す)に準拠したステアリルトリメチルアンモニウムクロライドで、純分約33%の水溶液(残り、粧原基無水エタノール29%、粧原基精製水38%)。表中にはステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。
※ ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド:アーカード22−80(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドで、純分約80%の固体。表中にはベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。
化粧品原料基準第二版追補参照。
本品は、ナタネ油由来のエルカ酸を原料とし、長鎖アミンを経て合成されている.その長鎖アミンのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
16以下 2%以下
18 6%以下
20 6%以下
22 87〜93%
24 3%以下
※ ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド:アーカード218P−75E(ライオン(株)製)
粧原基に準拠したジステアリルジメチルアンモニウムクロライドで、純分約75%のペースト。表中にはジステアリルジメチルアンモニウムクロライドの純分相当量を記載した。なお、本品のアルキル(アルケニル)基はC18F0:C18F1=75:25とする第4級アンモニウム塩である。
※ 酢酸ラウリン酸アミドブチルグアニジン液:C12A4G(ライオン(株)製)
純分約32%の水溶液。表中には酢酸ラウリン酸アミドブチルグアニジン液の純分相当量を記載した。
※ セチルアルコール:Lorol C16(コグニスジャパン(株)製)
粧原基準拠。鎖長分布は概して以下の通りである。
14 0〜3%
16 95%以上
18 0〜5%
※ ステアリルアルコール:コノール30SS(新日本理科(株)製)
粧原基準拠
※ 硬化ナタネ油アルコール:Stenol 1822SR(コグニスジャパン(株)製)
化粧品種別配合成分規格(以下「粧配規」と略す)に準拠、鎖長の分布は概して以下の通りである。
16以下 1.5%以下
18 40〜46%
20 8〜14%
22 42〜48%
24 0.5%以下
※ ベヘニルアルコール:LANETTE 22(コグニスジャパン(株)製)
粧原基に準拠、固体。
本品は、ヤシ油由来であり、そのアルキル鎖長分布は以下の通りである。
16 0.5%以下
18 5〜15%
20 10〜20%
22 70〜80%
24 1%以下
※ ステアリン酸:ステアリン酸100(新日本理化(株)製)
粧原基準拠。
※ ステアリン酸モノグリセリル:リケマールS−100(理研ビタミン(株)製)
粧配規準拠、白色固体、mp62〜68、HLB4.3。
※ ベヘニン酸モノグリセリル:リケマールB−100(理研ビタミン(株)製)
粧配規準拠、白色固体、mp74〜80、HLB4.2。
※ ステアリルエーテル(EO11):EMALEX 611(日本エマルジョン(株)製)
粧配規準拠、白色ワックス状、HLB11。
※ ベヘニルエーテル(EO10):EMALEX BHA−10(日本エマルジョン(株)製)
粧配規準拠、白色ワックス状、HLB9。
※ 固体パラフィン(EO10):固体パラフィン(日本精鑞(株)製)
粧配規「高融点パラフィン」準拠。
※ ジステアリン酸エチレングリコール:Genapol PMS(クラリアントジャパン製)
粧配規に準拠したジステアリン酸エチレングリコールで、C16とC18の混合比は6:4。
本原料のシャンプーへの配合方法は、シャンプー中での分散性を良くするため、予め本原料の質量比25%に対して、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム水溶液20%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド25%、水30%を約80℃で混合して分散液を作製し、その分散液をシャンプー液中に添加した。
※ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:CDE−100(川研ファインケミカル(株)製)を使用した。
粧原基のヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドに準拠。
※ POE(20)硬化ヒマシ油:CW−20−90(青木油脂工業(株)製)
粧原基に準拠したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油で、純分約90%の水溶液。表中にはPOE(20)硬化ヒマシ油の純分相当量を記載した。
※ ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na:POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸ナトリウム液(3E.O.)で、純分約27%の水溶液。表中にはPOEアルキルエーテル硫酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
※ テトラデセンスルホン酸ナトリウム:テトラデセンスルホン酸ナトリウム(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したテトラデセンスルホン酸ナトリウム液で、純分約35%でヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウムを含んだ水溶液。表中にはテトラデセンスルホン酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
※ ラウリン酸アミドプロピルベタイン:エナジコールN30B(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したラウリン酸アミドプロピルベタイン液で、純分約30%の水溶液。表中にはラウリン酸アミドプロピルベタインの純分相当量を記載した。
※ ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:オバゾリンLB−SF(東邦化学工業(株)製)
粧原基準拠、純分約35%の水溶液。表中にはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインの純分相当量を記載した。
※ ラウリルヒドロキシスルホベタイン:アンヒトール20HD(花王(株)製)
粧配規に準拠したラウリルヒドロキシスルホベタイン液で純分約30%の水溶液。表中にはラウリルヒドロキシスルホベタインの純分相当量を記載した。
※ アルキルポリ(8−16)グルコシド:PLANTACARE 818UP(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠したアルキルポリ(8−16)グルコシドで、純分約52%の液体。表中にはアルキルポリ(8−16)グルコシドの純分相当量を記載した。
本品は、ヤシ油由来であり、そのアルキル鎖長分布は以下の通りである.
24〜30%
10 15〜22%
12 37〜42%
14 12〜18%
16 4%以下
※ ベントナイト:クニピアF(クニミネ工業(株)製)
粧原基準拠。
※ 合成ベントナイト:スメクトンSA(クニミネ工業(株)製)
粧原基準拠。
※ ラウリルジメチルアミンオキシド:アロモックスDM12D−W(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したラウリルジメチルアミンオキシド液で、純分約33%の水溶液。表中にはラウリルジメチルアミンオキシドの純分相当量を記載した。
※ ジメチルシリコーン(100000cSt):レオフローDMS−55(ライオン(株)製)、屈折率1.404
粧配規に準拠した粘度10万cSt、平均分子量約13万の高重合メチルポリシロキサンを、化粧品原料基準(以下「粧原基」と略す)に準拠したPOE(15)セチルエーテルで機械力にて乳化分散した水分散液で、ジメチルシリコーンの濃度は約55%。水分散液中のジメチルシリコーンの平均粒子径は約0.5μm。表中にはジメチルシリコーンの純分相当量を記載した。
※ ジメチルシリコーン(1000000cSt):BY22−050A(東レ・ダウコーニング(株)製)、屈折率1.404
※ ジメチルシリコーン(10000000cSt):BY22−055(東レ・ダウコーニング(株)製)、屈折率1.400
※ アミノ変性シリコーン:SM8704C(東レ・ダウコーニング(株)製)
粧配規に準拠したアモジメチコンの水分散液で、アミノ変性シリコーンの濃度は約40%。水分散液中のアミノ変性シリコーンの平均粒子径は約0.1μm。表中にはアミノ変性シリコーンの純分相当量を記載した。屈折率1.405
* ポリエーテル変性シリコーン(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体):SH3775M(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、屈折率1.423
粧配規に準拠。
※ カチオン化セルロース:XE−511K(ライオン(株)製)
粧配規の塩化O−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースに準拠。
※ ヒドロキシプロピルセルロース:HPC−SL (日本曹達(株)製)
※ ヒドロキシプロピルメチルセルロース(1):メトローズ60SH−4000(信越化学工業(株)製)、メトキシ基29質量%、ヒドロキシプロポキシ基10質量%、20℃、2%水溶液の粘度 4000mPa・s
※ ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2):メトローズ60SH−10000(信越化学工業(株)、メトキシ基29質量%、ヒドロキシプロポキシ基10質量%、20℃、2%水溶液の粘度 10000mPa・s
※ ヒドロキシプロピルメチルセルロース(3):メトローズ60SH−1500(信越化学工業(株))、メトキシ基29質量%、ヒドロキシプロポキシ基10質量%、20℃、2%水溶液の粘度 1500mPa・s
※ ヒドロキシプロピルメチルセルロース(4):メトローズ65SH−400(信越化学工業(株)、メトキシ基29質量%、ヒドロキシプロポキシ基6質量%、20℃、2%水溶液の粘度 400mPa・s
※ キサンタンガム:モナートガムDA(ケルコ(株)製)
※ 高重合PEG(ポリエチレングリコール):ポリオックスWSR 60K−CG(ユニオンカーバイド(株)製)
※ ジステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)(150EO):EMALEX 6300 DI−ST(日本エマルジョン(株)製)
※ 塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体:カヤクリルレジンMN−50(日本化薬(株)製)
粧配規に準拠した塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液で、純分は約5.5%の水溶液。
モノマーである塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドの仕込み比は約1:1。表中には塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の純分相当量を記載した。
※ プロピレングリコール:プロピレングリコール(旭硝子(株)製)
※ ソルビトール:D−ソルビット液(東和化成工業(株)製)
粧原基に準拠したソルビット液で、純分約60%の水溶液。表中にはソルビトールの純分相当量を記載した。
※ 加水分解コラーゲン液:プロモイスW−52((株)成和化成製)
粧配規に準拠。
※ 加水分解シルク液:プロモイスシルク1000((株)成和化成製)
粧配規に準拠。
※ 加水分解小麦タンパク:クロペプタイドW(クローダジャパン(株)製)、GLUADIN WLM(コグニスジャパン(株)製)
粧配規に準拠。
※ 加水分解小麦ペプチドA:GLUADIN WLM(コグニスジャパン(株)製)、分子量500
※ 加水分解小麦ペプチドB:GLUADIN W20(コグニスジャパン(株)製)、分子量2000〜5000
※ 黄色5号:黄色5号(ダイワ化成(株)製)
※ 黄色203号:キノリン イエローWS−G(中央合成化学(株)製)
※ 赤色106号:赤色106号(癸巳化成(株)製)
※ 褐色201号:褐色201号(癸巳化成(株)製)
※ 緑色3号:緑色3号(癸巳化成(株)製)
※ 緑色201号:緑色201号(興洋化学(株)製)
※ メチルパラベン:(吉富ファインケミカル(株)製)
粧原基準拠。
※ 安息香酸ナトリウム:粧原基に準拠した安息香酸ソーダ(BFGoodrich Kalama Inc.社製)
※ メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン液
粧配規に準拠したKATHON CG(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)。表中には本液の配合量を記載した。
※ グリシン:(味の素(株)製)
粧原基準拠。
※ アルギニン:(味の素(株)製)
粧原基準拠。
※ グルタミン酸:(味の素(株)製)
食添準拠。
※ クエン酸:粧原基クエン酸・1水塩に準拠したケッショウクエンサンL(扶桑化学工業(株)製)
※ ピロリドンカルボン酸:(味の素(株)製)
粧原基準拠。
※ リン酸:(純正化学(株)製)
※ トリイソプロパノールアミン:(三井化学ファイン(株)製)
※ 香料
下記組成の香料を用いた。
質量%
レモン油 5%
スイートオレンジ油 10%
ゼラニウム油 3%
ラベンダー油 6%
サンダルウッド油 1%
リリアール 5%
ノピルアセテート 1%
リナロール 2%
ベンジルベンゾエート 2%
ベンジルサリシレート 3%
β−イオノン 2%
メチルイオノン 3%
ヘリオナール 2%
ヘディオン 8%
イソEスーパー 3%
cis−3−ヘキセノール 0.3%
リガンドラール 0.3%
トリプラール 0.4%
シクラメンアルデヒド 1.5%
ヘキシルシンナミックアルデヒド 6%
ベルトフィックス 3%
ガラクソリド 5%
トナリッド 6%
ベンダリッド 1%
バクダノール 0.5%
カシュメラン 2%
ムスクT 1%
フルーツベース 3%
ローズベース 3%
ジャスミンベース 1%
ミューゲベース 3%
アンバーベース 1%
ノナナール 10%ジプロピレングリコール溶液 2%
デカナール 10%ジプロピレングリコール溶液 1%
メチルノニルアルデヒド 10%ジプロピレングリコール溶液 2%
ジプロピレングリコール 残部
合計 100%
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カチオン性界面活性剤、
(B)珪素原子を含まない油分、
(C)両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の洗浄性界面活性剤
を含有し、(B’)/[(A)+(B’)](質量比)(但し、(B’)は、(B)成分のうち(A)成分と単独で液晶構造体を形成する油分)が、0.35〜0.90であり、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の配合量が2質量%を超え、但し、アニオン性界面活性剤が5質量%未満であり、(A)成分と(B)成分とから形成された液晶構造体が組成物中に分散してなることを特徴とするシャンプー組成物。
【請求項2】
液晶構造体の平均粒径が20μm未満であることを特徴とする請求の範囲第1項記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
さらに、(D)水膨潤性の粘土鉱物を0.01質量%以上含有することを特徴する請求の範囲第1又は2項記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
さらに、(E)アミンオキシドを含有することを特徴する請求の範囲第1〜3項のいずれか1項記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
さらに、(F)屈折率1.46未満のシリコーン誘導体を含有することを特徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれか1項記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
さらに、(G)粘性付与剤として、下記式

(式中、分子末端及びRは水素原子、メチル基又はヒドロキシプロポキシ基を示す。)
で表される構造単位を有し、メトキシ基25〜35質量%、ヒドロキシプロポキシ基5〜15質量%(ただし、水酸基、メトキシ基及びヒドロキシプロポキシ基の合計を100質量%とする。)であって、2質量%水溶液の20℃での粘度が2100〜35000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することを特徴とする請求の範囲第1〜5項のいずれか1項記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
カラーリングした髪用であることを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか1項記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相に、(A)カチオン性界面活性剤と(B)珪素原子を含まない油分とを構成成分として形成された液晶構造体が分散してなるシャンプー組成物の製造方法であって、液晶構造体の構成成分の結晶化温度以上で、(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相と液晶構造体の構成成分とを混合し、得られた混合物を結晶化温度以上の温度から冷却することを特徴とする請求の範囲第1項記載のシャンプー組成物の製造方法。
【請求項9】
上記混合物の一部を連続的に抜き出し、これを急冷すると共に、この急冷したものを混合物に戻すことを繰り返すことにより、混合物を結晶化温度以上の温度から冷却することを特徴とする請求の範囲第8項記載の製造方法。
【請求項10】
さらに、水に分散又は膨潤させた(D)粘土鉱物を、(C)洗浄性界面活性剤を含有する水相と混合する工程を含むことを特徴とする請求の範囲第8又は9項記載の製造方法。

【国際公開番号】WO2004/045568
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【発行日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553167(P2004−553167)
【国際出願番号】PCT/JP2003/014502
【国際出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】