説明

シリコンインゴットスライス用含水切削液

【課題】 本発明はシリコンインゴットの切削工程において、従来品より加工熱の冷却性、浸透性、水とシリコンとの反応抑制性、抑泡性が良好であるため、切削加工効率を向上させることができる。また、シリコンウエハの平坦性も良好であるため、過酷なスライス条件下でも被加工面の表面精度を高く維持できる切削液を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)と水を必須成分として含有し、該ポリオキシアルキレン付加物(A)のHLBが6.0〜20.0であることを特徴とするシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【化1】


[式(1)中、Rは3〜8個の水酸基を有する化合物から水酸基、(AO)は炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を除いた残基を表す。mは炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜350の数、fは3〜8の整数である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンインゴットを切削するときに使用する含水切削液に関する。さらに詳しくは、冷却性が高く、優れた浸透性、シリコンと水との反応抑制性、抑泡性、シリコンウエハの平坦性を兼ね備えた含水切削液に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンインゴットのワイヤーによるスライス方法は、(1)遊離砥粒を切削液に分散した砥粒スラリーを用いる方法、(2)電着や樹脂による接着でワイヤーに砥粒を固着した固定砥粒ワイヤーと含水切削液を用いる方法に大別される。
近年、固定砥粒ワイヤーによるスライス方法で用いられる含水切削液は、切削時に生じる摩擦熱の冷却性を高める目的や、有機溶剤による引火の危険性を低くして作業性を改善することを目的として、比熱の高い水を含有する含水切削液が開発されている(例えば特許文献1)。
【0003】
従来の含水切削液は、含水率を上げることで切削液自身の比熱は高められるものの、切削加工部への切削液の浸透性が低くなるために加工熱の冷却除熱が十分にできない、シリコンの加工精度が低い、という問題があった。
また、切削加工で生じるシリコンの切屑やシリコンウエハと水との反応抑制が不十分であり、水素ガスが発生して引火爆発の可能性がある。さらに、シリコンインゴットのスライス加工では切削液を循環して再使用することから、泡立つなどの問題があった。
【0004】
近年、シリコンウエハの生産効率を高めることを目的とした、シリコンウエハの薄型化が進みつつある。
通常、ワイヤーの細線化やワイヤー間のピッチ幅を狭くすることでシリコンウエハの薄型化をするが、そのためにワイヤーとシリコンインゴットの接触面積が増して加工時の加工熱が増大するために、より冷却性の高い切削液の開発が望まれている。
また、シリコンウエハの薄型化は加工時のシリコンウエハ間隔が従来より狭くなるため、切削加工部への切削液の高い浸透性が求められる。
【0005】
しかし、通常、シリコンウエハの薄型化やスライス加工時間の短縮をした場合、シリコンウエハ表面の平坦性は一般に悪化するという問題がある。
そこでその対策として、有機アミンのアルキレンオキサイド付加物を潤滑性成分として添加する方法が提案されている(例えば特許文献2)が、薄型化に対応できる平坦性のレベルに対する効果は未だ不十分である。
すなわち、近年における、シリコンウエハの平坦化工程の簡素化や、テクスチャー形成の高精度化の観点から、スライス加工後のシリコンウエハにおいて、より一層高い平坦性が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−82335号公報
【特許文献2】特開2009−57423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の含水切削液は、加工熱の冷却性が高く、浸透性、水とシリコンとの反応抑制性、抑泡性に優れ、さらにシリコンウエハの平坦性が極めて良好であるシリコンインゴットスライス用含水切削液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)と水を必須成分として含有し、このポリオキシアルキレン付加物(A)のHLBが6.0〜20.0であることを特徴とするシリコンインゴットスライス用含水切削液;この含水切削液と砥粒がワイヤーに固着された固定砥粒用ワイヤーソーを用いるシリコンインゴットのスライス方法;この含水切削液で固定砥粒方式でシリコンインゴットをスライスする製造方法;この含水切削液を用いてシリコンインゴットをスライスして製造されたシリコンウエハ;並びにこのシリコンウエハを用いて製造された電子材料である。
【0009】
【化1】

【0010】
[式(1)中、Rは3〜8個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基、(AO)は炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表す。mは炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜350の数、fは3〜8の整数である。]
【発明の効果】
【0011】
本発明は、シリコンインゴットの切削工程において、加工熱の冷却性が高く、浸透性、水との反応抑制性、抑泡性に優れる。さらに過酷なスライス条件下でも被加工面の平坦性を高く維持できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液は、3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)と水を必須成分として含有する。そして、そのポリオキシアルキレン付加物(A)のHLB(親水性−疎水性バランス)とアルキレンオキサイドの平均付加モル数であるmが特定の範囲にある。
【0013】
本発明の含水切削液の第1の必須成分である3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)は、下記一般式(1)で表される。
【0014】
【化2】

【0015】
[式(1)中、Rは3〜8個の水酸基を有する化合物(a)から水酸基を除いた残基、(AO)は炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表す。mは炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜350の数、fは3〜8の整数である。]
【0016】
本発明で用いる3〜8個の水酸基を有する化合物(a)の具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの3個の水酸基を有する化合物;
ペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ジグリセリンなどの4個の水酸基を有する化合物;キシリトール、トリグリセリンなどの5個の水酸基を有する化合物;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの6個の水酸基を有する化合物;スクロースなどの8個の水酸基を有する化合物;ポリビニルアルコール、ポリグリセリンなどが挙げられる。
【0017】
これらの3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のうち、好ましいのは、浸透性の観点から、3〜6個の水酸基を有する化合物である。さらに好ましくは、3個の水酸基を有するグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールである。
【0018】
本発明における3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)のHLBは通常、6.0〜20.0である。好ましくは10.0〜18.5である。この範囲であれば、さらに切削液の浸透性が優れて加工熱の冷却性がより向上する。
一方、6.0未満では、水への溶解性が困難になる。20.0を超えると、シリコンと水との反応抑制性が悪化する。
【0019】
ここでの「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212頁に記載されている小田法による計算値として知られているものであり、グリフィン法による計算値ではない。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値及び無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
【0020】
Oは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表し、具体例としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられる。
オキシエチレン基の場合はエチレンオキサイド、オキシプロピレン基の場合は1,2−プロピレンオキサイド、1,3−プロピレンオキサイド、オキシブチレン基の場合はテトラヒドロフラン、1,2−ブチレンオキサイドなどを用いることができる。
【0021】
本発明におけるポリオキシアルキレン付加物(A)は、3〜8個の水酸基を有する化合物(a)に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、1,2−ブチレンオキサイドのうちの1種を単独で付加させてもよいし、これらの2種以上を併用して付加させてもよい。
浸透性の観点から、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの2種の併用が好ましい。
【0022】
本発明における3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)において、2種以上のアルキレンオキサイドまたはテトラヒドロフランを併用する際の付加形式はランダム状でもブロック状でもよく、また2種以上のアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加する順番は問わない。
【0023】
mは炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、2種以上のアルキレンオキサイドを併用する場合は、2種以上の平均付加モル数の合計である。
mは通常1〜350の数であり、好ましくは1〜100である。
mが1未満では、シリコンと水との反応抑制性が悪化する。一方、mが350を超えると切削液の粘度が高すぎるため、浸透性、抑泡性、シリコンウエハの平坦性が低下する。
【0024】
本発明におけるポリオキシアルキレン付加物(A)の式(2)中の−(AO)−は下記一般式(2)で表せる。
【0025】
【化3】

【0026】
[式(2)中、AOはオキシエチレン基、AOはオキシプロピレン基を表す。nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜250の数、kはプロピレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜100の数、n/(n+k)は0.1〜0.9である。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形式はランダム状でもブロック状でもよい。]
【0027】
nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を表し、1〜250の数であり、水への溶解性、抑泡性およびシリコンウエハの浸透性の観点から、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜15である。
【0028】
kはプロピレンオキサイドの平均付加モル数を表し、1〜100の数であり、シリコンと水との反応抑制性とシリコンウエハの平坦性の観点から、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12である。
【0029】
n/(n+k)は0.1〜0.9である。水への溶解性と切削加工部への切削液の浸透性の観点から、好ましくは、0.4〜0.7である。なお、n+k=mである。
【0030】
本発明における3〜8個水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加状態はランダム状でもブロック状でもよく、3〜8個の水酸基を有する化合物(a)に付加する順番は問わない。
【0031】
本発明における3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)の具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの3個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物;ペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ジグリセリンなどの4個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物;キシリトール、トリグリセリンなどの5個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの6個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物;スクロースなどの8個の水酸基を有する化合物;ポリビニルアルコール、ポリグリセリンなどのポリオキシアルキレン付加物が挙げられる。
【0032】
本発明における3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)は、浸透性の観点から、3〜6個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物が好ましい。
さらに好ましくは、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビトールのポリオキシアルキレン付加物である。
【0033】
本発明のポリオキシアルキレン付加物(A)の具体例としては、グリセリンのエチレンオキサイド(以下、EOと略称することがある。)4.8モルと1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略称することがある。)3.6モルのランダム付加物、グリセリンのEO17.1モルとPO12.9モルのランダム付加物、グリセリンのEO30.9モルとPO23.4モルのランダム付加物、グリセリンのEO23.7モルとPO35.7モルのランダム付加物などのグリセリンのEO−POランダム付加物;
グリセリンのEO12.0モルとPO9.0モルのブロック付加物、グリセリンのEO11.3モルとPO57.7モルのブロック付加物などのグリセリンのEO−POブロック付加物;
グリセリンのPO15.6モル付加物などのグリセリンのPO付加物;
グリセリンのEO70.0モル付加物などのグリセリンのEO付加物;
トリメチロールプロパンのEO30.3モルとPO23.1モルのランダム付加物などのトリメチロールプロパンのEO−POランダム付加物;
ペンタエリスリトールのEO40.4モルとPO30.8モルのランダム付加物などのペンタエリスリトールのEO−POランダム付加物;
ペンタエリスリトールのEO19.6モルとPO12.0モルのブロック付加物などのペンタエリスリトールのEO−POブロック付加物;
ソルビトールのEO60.6モルとPO45.6モルのランダム付加物などのソルビトールのEO−POランダム付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、浸透性と反応抑制性の観点から、グリセリンのEO−POランダム付加物とグリセリンのEO−POブロック付加物である。
【0034】
本発明におけるポリオキシアルキレン付加物(A)の数平均分子量は、浸透性とポリオキシアルキレン付加物(A)の生産性の観点から、好ましくは400〜10,000、さらに好ましくは400〜6,000である。
なお、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量である。
【0035】
本発明におけるポリオキシアルキレン付加物(A)の含有量は、使用時の切削液に対して0.1〜40重量%である。好ましくは、0.4〜30重量%であり、さらに好ましくは、0.4〜25重量%である。
【0036】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液に使用する水は、純水、イオン交換水、水道水、市水、工業用水等のいずれを用いてもよい。
【0037】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液には、シリコンウエハの平坦性 を向上させる目的で、さらに脂肪族カルボン酸(B)を含有させることが好ましい。
【0038】
この目的で使用される脂肪族カルボン酸(B)としては、カルボニル基の炭素原子を含めた炭素数が8または9である1価もしくは2価の直鎖もしくは分岐の脂肪族カルボン酸である。この脂肪族カルボン酸であると、切削液の抑泡性を維持したまま、シリコンウエハの平坦性をさらに向上できる。
【0039】
この脂肪族カルボン酸(B)の具体例としては、1価のカプリル酸、ペラルゴン酸など;2価のスベリン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸(B)のうち好ましいのは、抑泡性とシリコンウエハの平坦性の観点からカプリル酸とアゼライン酸である。
【0040】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液には、浸透性を向上させる目的で、さらに特定のノニオン界面活性剤を含有させることが好ましい。
【0041】
この目的で使用される特定のノニオン界面活性剤はのHLBが6.0〜8.5 のノニオン界面活性剤(C)であるが、必須成分であるポリオキシアルキレン付加物(A)はこのノニオン界面活性剤(C)から除外する。HLBがこの範囲であると、切削液のシリコンに対する濡れ性が良好となり、さらに浸透性を向上させることができる。
【0042】
HLBが6.0〜8.5であるノニオン界面活性剤(C)の具体例としては、ブタノールのPO4.5モル付加物、プロピレングリコールのEO4.5モルPO28.0モルのブロック付加物などのHLBが6.0〜8.5である1価または2価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(C1);
ステアリルアミンのEO3モルPO3モルのランダム付加物、ジブチルアミンのEO3.0モルとPO11.0のブロック付加物などのHLBが6.0〜8.5であるアミンのアルキレンオキサイド付加物(C2);
オレイン酸のEO3.0モル付加物、ステアリン酸のEO3.0モル付加物などの高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物(C3)などが挙げられる。
【0043】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液は、ワイヤーによりシリコンインゴットをスライス加工する際、好適に使用できる。
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液を用いてシリコンインゴットをスライスする方法として、遊離砥粒を切削液に分散した砥粒スラリーを用いる方法、砥粒がワイヤーに固着された固定砥粒ワイヤーソーを用いる方法がある。本発明の含水切削液はいずれにも適用できるが、特に、固定砥粒ワイヤーソーを用いるシリコンインゴットのスライス方法に適している。
【0044】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液は、ワイヤーによりシリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを製造する際、好適に使用できる。
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液を用いてシリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを製造する方法として、遊離砥粒を切削液に分散した砥粒スラリーを用いる方法、または砥粒がワイヤーに固着された固定砥粒ワイヤーソーを用いる方法がある。本発明の含水切削液はいずれにも適用できるが、特に、固定砥粒ワイヤーソーを用いて、シリコンインゴットをスライスするシリコンウエハの製造方法に適している。
【0045】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液とワイヤーを用いて、シリコンインゴットをスライスすることにより、シリコンウエハを製造することができる。上記の製造方法でスライスされたシリコンウエハは、太陽電池用シリコンウエハや半導体デバイス用シリコンウエハなどに使用できる。
【0046】
上記のシリコンウエハは、太陽電池用セル、メモリー素子、発振素子、増幅素子、トランジスタ、ダイオードなどの電子材料に使用する事ができる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0048】
製造例1 <グリセリンのEO−POランダム付加物(A−1)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にグリセリン92部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でエチレンオキサイド204部とプロピレンオキサイド204部の混合液を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて、本発明のグリセリンのEO−POランダム付加物(A−1)(f=3;m=2.8;n=1.6;k=1.2;n/(n+k)=0.57;数平均分子量500;HLB=17.5)を得た。なお、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量である。
【0049】
製造例2 <グリセリンのEO−POランダム付加物(A−2)の製造>
製造例1において、グリセリンを29部、エチレンオキサイドを238部、プロピレンオキサイドを238部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、本発明のグリセリンのEO−POランダム付加物(A−2)(f=3;m=12.0;n=5.7;k=4.3;n/(n+k)=0.57;数平均分子量1,600;HLB=13.3)を得た。
【0050】
製造例3 <グリセリンのEO−POランダム付加物(A−3)の製造>
製造例1において、グリセリンを16.4部、エチレンオキサイドを241部、プロピレンオキサイドを241部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、本発明のグリセリンのEO−POランダム付加物(A−3)(f=3;m=18.1;n=10.3;k=7.8;n/(n+k)=0.57;数平均分子量2,800;HLB=12.6)を得た。
【0051】
製造例4 <グリセリンのEO−POランダム付加物(A−4)の製造>
製造例1において、グリセリンを14.4部、エチレンオキサイドを163部、プロピレンオキサイドを323部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、本発明のグリセリンのEO−POランダム付加物(A−4)(f=3;m=19.8;n=7.9;k=11.9;n/(n+k)=0.40;数平均分子量3,200;HLB=10.0)を得た。
【0052】
製造例5 <トリメチロールプロパンのEO−POランダム付加物(A−5)の製造>
製造例1において、グリセリンをトリメチロールプロパン23.9部に変更し、エチレンオキサイドを238部、プロピレンオキサイドを238部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、本発明のグリセリンのEO−POランダム付加物(A−5)(f=3;m=17.8;n=10.1;k=7.7;n/(n+k)=0.57;数平均分子量2,800;HLB=12.3)を得た。
【0053】
製造例6 <ペンタエリスリトールのEO−POランダム付加物(A−6)の製造>
製造例1において、グリセリンをペンタエリスリトール18.4部に変更し、エチレンオキサイドを241部、プロピレンオキサイドを241部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、本発明のペンタエリスリトールのEO−POランダム付加物(A−6)(f=4;m=17.8;n=10.1;k=7.7;n/(n+k)=0.57;数平均分子量3,700;HLB=12.5)を得た。
【0054】
製造例7 <ソルビトールのEO−POランダム付加物(A−7)の製造>
製造例1において、グリセリンをソルビトール16.6部に変更し、エチレンオキサイドを242部、プロピレンオキサイドを242部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、本発明のソルビトールのEO−POランダム付加物(A−7)(f=6;m=17.7;n=10.1;k=7.6;n/(n+k)=0.57;数平均分子量5,500;HLB=12.7)を得た。
【0055】
製造例8 <グリセリンのEO−POブロック付加物(A−8)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にグリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(数平均分子量;620)267部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でプロピレンオキサイド228部を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて本発明のグリセリンのEO−POブロック付加物(A−8)(f=3;m=7.0;n=4.0;k=3.0;n/(n+k)=0.57;数平均分子量1,150;HLB=14.1)を得た。
【0056】
製造例9 <グリセリンのEO−POブロック付加物(A−9)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にグリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(数平均分子量;600)74.5部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でプロピレンオキサイド423部を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて本発明のグリセリンのEO−POブロック付加物(A−9)(f=3;m=21.6;n=3.8;k=17.8;n/(n+k)=0.18;数平均分子量3,700;HLB=7.0)を得た。
【0057】
製造例10 <ペンタエリスリトールのEO−POブロック付加物(A−10)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加重合物(数平均分子量;830)244部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でエチレンオキサイド256部を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて本発明のペンタエリスリトールのEO−POブロック付加物(A−10)(f=4;m=7.9;n=4.9;k=3.0;n/(n+k)=0.62;数平均分子量1,700;HLB=14.4)を得た。
【0058】
製造例11 <グリセリンのPO付加物(A−11)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にグリセリン46.0部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でプロピレンオキサイド454部を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて本発明のグリセリンのPO付加物(A−10)(f=3;m=5.2;n=0;k=5.2;n/(n+k)=0;数平均分子量1,000;HLB=7.4)を得た。
【0059】
製造例12 <プロピレングリコールのEO−PO付加物(C−1)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にプロピレングリコールのプロピレンオキサイド付加重合物(数平均分子量;1,700)448部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でエチレンオキサイド52部を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて、本発明のプロピレングリコールのEO−PO付加物(C−1)(HLB=6.7)を得た。

【0060】
製造例13 <ステアリルアミンのEO−POランダム付加物(C−2)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にステアリルアミン234部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、70〜90℃でエチレンオキサイド115部とプロピレンオキサイド151部の混合液を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて、本発明のステアリルアミンのEO−POランダム付加物(C−2)(HLB=8.1)を得た。
【0061】
製造例14 <ジエチレングリコールのEO−POランダム付加物(A’−1)の製造>
グリセリンをジエチレングリコール53部に替え、エチレンオキサイドを218部、プロピレンオキサイドを230部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、比較のためのジエチレングリコールのEO−POランダム付加物(A’−1)(f=2;m=8.9;n=4.9;k=4.0;n/(n+k)=0.55;数平均分子量1,000;HLB=12.8)を得た。
【0062】
製造例15 <グリセリンのEO付加物(A’−3)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にグリセリン33部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でエチレンオキサイド469部を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて比較のためのグリセリンのEO付加物(A’−3)(f=3;m=9.9;n=9.9;k=0;n/(n+k)=1.00;数平均分子量1,400;HLB=20.4)を得た。
【0063】
製造例16 <グリセリンのPO付加物(A’−4)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にグリセリン25.5部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でプロピレンオキサイド474部を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて比較のためのグリセリンのPO付加物(A’−4)(f=3;m=9.8;n=0;k=9.8;n/(n+k)=0;数平均分子量1,800;HLB=5.8)を得た。
【0064】
製造例17 <グリセリンのEO−POランダム付加物(A’−5)の製造>
グリセリンを0.87部、エチレンオキサイドを326部、プロピレンオキサイドを173部とした以外は、製造例1と同様な操作を行い、比較のためのグリセリンのEO−POランダム付加物(A’−5)(f=3;m=365;n=260;k=105;n/(n+k)=0.72;数平均分子量52,700;HLB=13.9)を得た。
【0065】
製造例18 <トリエタノールアミンのEO−PO付加物(A’−7)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にトリエタノールアミン37.3部と水酸化ナトリウム0.05部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でエチレンオキサイド114部とプロピレンオキサイド349部の混合液を約4時間で圧入した。
同温度でさらに10時間反応させて、比較のためのトリエタノールアミンのEO−PO付加物(A’−7)(数平均分子量2,000)を得た。
【0066】
実施例1〜11および比較例1〜7
表1記載の配合比(重量部)で各成分を配合し、実施例1〜11および比較例1〜7の切削液を調製して、浸透性、反応抑制性、抑泡性、およびシリコンウエハの平坦性の性能評価を行った。
【0067】
【表1】

【0068】
なお、表1中の「PEG−6000(A’−2)」は三洋化成工業(株)製のPEG−6000(数平均分子量が6,000のポリオキシエチレングリコール)を用いた。
【0069】
実施例1〜11および比較例1〜7の切削液の比熱を測定した。また、浸透性、反応抑制性、抑泡性、シリコンウエハの平坦性を、下記の方法で評価した。
【0070】
<比熱の測定>
切削液の25℃における比熱は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0071】
<浸透性の評価>
浸透性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)25mm角の多結晶シリコンインゴットに、幅0.2mm、長さ25mm、深さ5mmの溝を、ダイヤモンド固定砥粒ワイヤー、シングルワイヤーソー切断機(SOUTH BAY TECHNOLOGY製)を用いて形成し、試験片とした。
(2)この試験片を溝の長さ方向が水平になるように固定した状態で、溝の端に切削液をスポイト一滴分(0.02g)を付着させた。
(3)溝に切削液を付着させてから、付着させた反対の溝の端に、切削液が毛細管現象で到達するのに要する時間を記録した。
【0072】
浸透性の評価は以下の判断基準に従って行った。
◎:10秒未満
○:10秒以上〜15秒未満
△:15秒以上〜20秒未満
×:20秒以上
【0073】
<水素発生量による反応抑制性の評価>
水とシリコンの反応による水素発生の抑制性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)切削液80gにシリコンインゴッドの切り屑を想定したケイ素粉末(高純度化学研究所社製;粒子径1μm以下)20gを配合し、ディスパーサーを用いて3000回転で1分間攪拌分散してケイ素粉末を含む切削液を得た。
(2)上記で調製したケイ素粉末を含む切削液が入ったガラスサンプル瓶の口に、ガラス管を通したゴム栓でそのサンプル瓶の封をし、水を満たして逆さに水槽に伏せたメスシリンダーにそのガラス管の他端を導入し、発生した水素ガスをメスシリンダー内部の水と置換させるようにセットした。
(3)これらの水槽、メスシリンダー、ガラス管およびスラリーの入ったサンプル瓶の一連のセットを、60℃の恒温高温槽に2時間静置し、その間に発生する水素を水上置換法にてメスシリンダーに回収して水素発生量を測定した。
【0074】
反応抑制性の評価は以下の判断基準に従って行った。
○:水素ガス発生量が4mL未満
△:水素ガス発生量が4mL以上〜8mL未満
×:水素ガス発生量が8mL以上
【0075】
<抑泡性の評価>
抑泡性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)内径3cmの100mLの共栓付きメスシリンダーに、切削液を40mL入れ、メスシリンダーの底部から液面までの距離(液面高さ)を記録した。
(2)切削液が入ったメスシリンダーを、10秒間で40回振とうした。
(3)振とう直後に、メスシリンダーの底部から最も高い気泡面までの距離(気泡面高さ)を測定して、気泡面高さと液面高さの差を記録した。
【0076】
抑泡性の評価は以下の判断基準に従って行った。
◎:7mm未満
○:7mm以上〜20mm未満
△:20mm以上〜35mm未満
×:35mm以上
【0077】
<シリコンウエハの平坦性>
シリコンウエハの平坦性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)被切断材として直径25mmの多結晶シリコンの円筒状ペレットを用い、ダイヤモンド固定砥粒ワイヤー、シングルワイヤーソー切断機(SOUTH BAY TECHNOLOGY製)で切断試験を実施した。
切断条件:クーラント流量2ml/分、平均ワイヤー走行速度20m/分、ワイヤー往復回数400回/分、ワイヤー使用量0.1m
(2) 切断後のウエハ表面粗さ(Ra)をレーザー走査顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−8710)を用いて測定した。
【0078】
シリコンウエハの平坦性の評価は以下の判断基準に従って行った。
◎:Raが0.1μm未満
○:Raが0.1μm以上〜0.2μm未満
△:Raが0.2μm以上〜0.3μm未満
×:Raが0.3μm以上
【0079】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜11の本発明の切削液はいずれも、比熱が水の4.2に近く、浸透性、反応抑制性、抑泡性、シリコンウエハの平坦性ともに優れている。
一方、2個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物を用いた比較例1は、抑泡性が不十分である。
2個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物を用いた比較例2、およびHLBが20を超えるポリオキシアルキレン付加物を用いた比較例3は、浸透性、反応抑制性、抑泡性、シリコンウエハの平坦性のいずれも劣る。一方、HLBが6.0未満の比較例4は水に溶解しない。
平均付加モル数のmが350を超えるポリオキシアルキレン化合物を用いた比較例5は、浸透性、抑泡性およびシリコンウエハの平坦性が不十分である。
2価のアルコールであるプロピレングリコールを用いた比較例6は、浸透性、反応抑制性およびシリコンウエハの平坦性が劣る。
多価アルコールの代わりにトリエタノールアミンにアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレン化合物を使用した比較例7は、反応抑制性、抑泡性およびシリコンウエハの平坦性がともに不十分である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液は、加工熱の冷却性が優れ、浸透性、水とシリコンとの反応抑制性、抑泡性が良好で、かつシリコンウエハの平坦性が優れるため、シリコンインゴットをスライスするときに使用する切削液して有用である。
本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液を用いてシリコンインゴットを切削加工して製造されたシリコンウエハは、例えば太陽電池用セル、メモリー素子、発振素子、増幅素子、トランジスタ、ダイオード、LSIの電子材料として利用でき、これらの電子材料は、太陽光発電装置、パソコン、携帯電話、ディスプレー、オーディオ等に使用することができる。
また、本発明のシリコンインゴットスライス用含水切削液は、加工熱の冷却性および浸透性に優れるので、シリコンインゴッド以外に、水晶、炭化ケイ素、サファイヤ等の硬質な材料を切削するときに使用する切削液としても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される3〜8個の水酸基を有する化合物(a)のポリオキシアルキレン付加物(A)と水を必須成分として含有し、該ポリオキシアルキレン付加物(A)のHLBが6.0〜20.0であることを特徴とするシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【化1】

[式(1)中、Rは3〜8個の水酸基を有する化合物から水酸基を除いた残基、(AO)は炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表す。mは炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜350の数、fは3〜8の整数である。]
【請求項2】
該ポリオキシアルキレン付加物(A)中の−(AO)−が下記一般式(2)で表される請求項1記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【化2】

[式(2)中、AOはオキシエチレン基、AOはオキシプロピレン基を表す。nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜250の数、kはプロピレンオキサイドの平均付加モル数を表し1〜100の数、n/(n+k)は0.1〜0.9である。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを併用する際のその付加形式はランダム状でもブロック状でもよい。]
【請求項3】
該ポリオキシアルキレン付加物(A)中のn/(n+k)が0.4〜0.7である請求項1または2記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【請求項4】
該ポリオキシアルキレン付加物(A)の数平均分子量が400〜10,000である請求項1〜3いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【請求項5】
該ポリオキシアルキレン付加物(A)のHLBが、10.0〜18.5である請求項1〜4いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【請求項6】
該ポリオキシアルキレン付加物(A)が、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビトールからなる群より選ばれる1種以上の3〜6個の水酸基を有する化合物のポリオキシアルキレン付加物である請求項1〜5いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【請求項7】
切削液中の該ポリオキシアルキレン付加物(A)の使用時の含有量が0.1〜40重量%である請求項1〜6いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【請求項8】
さらに、カルボニル基の炭素原子を含めた炭素数が8または9の1価もしくは2価の脂肪族カルボン酸(B)を含有する請求項1〜7いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【請求項9】
さらにHLBが6.0〜8.5であるノニオン界面活性剤(C)を含有する請求項1〜8いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液。
【請求項10】
請求項1〜9いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液と砥粒がワイヤーに固着された固定砥粒用ワイヤーソーを用いるシリコンインゴットのスライス方法。
【請求項11】
請求項1〜9いずれか記載のシリコンインゴットスライス用含水切削液と砥粒がワイヤーに固着された固定砥粒用ワイヤーソーを用いてシリコンインゴットをスライスするシリコンウエハの製造方法。
【請求項12】
請求項11記載の製造方法でシリコンインゴットをスライスして製造されたシリコンウエハ。
【請求項13】
請求項12に記載のシリコンウエハを用いて製造された電子材料。
【請求項14】
請求項12に記載のシリコンウエハを用いて製造された太陽電池用セル。

【公開番号】特開2013−47319(P2013−47319A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−76077(P2012−76077)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】