説明

シンクライアントシステム、シンクライアント端末、シンクライアントサーバ、プログラム

【課題】ネットワークの回線状態の影響を軽減して、サーバ側とクライアント側の間でデータ送受信を行い、クライアント側での円滑なデータ再生を可能とするシンクライアントシステムを提供する。
【解決手段】シンクライアントサーバ(サーバ装置100)がネットワークの回線状態に応じて送信データ量を制御し、シンクライアント端末(カーナビゲーション装置200)がシンクライアントサーバ(サーバ装置100)から送信されたデータをバッファリングしてデータ受信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアントシステム、シンクライアント端末、シンクライアントサーバ、プログラムに関し、特に、ネットワークの回線状態による影響を軽減して、サーバ側から受信したデータをクライアント側で円滑に再生可能にする技術で、カーナビゲーションシステムとして利用可能なシンクライアントシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、企業によるサーバベースコンピューティングの採用が急速に進んでおり、また一般の個人ユーザの間でもその利用が徐々に増えてきている。サーバベースコンピューティング(シンクライアントシステム)とは、クライアント装置(シンクライアント端末)とサーバ装置(シンクライアントサーバ)とがネットワークを介して相互に接続可能に構成されたシステムで、シンクライアント端末がシンクライアントサーバに対してサービス要求を行うと、シンクライアントサーバがシンクライアント端末からのサービス要求に基づいて、データの管理及びアプリケーションプログラムを動作させるものである。
【0003】
具体的には、シンクライアントサーバはシンクライアント端末用の表示データを作成し、これをシンクライアント端末に送る。シンクライアント端末では、ユーザのキーやマウス等の操作情報を、ネットワークを介してシンクライアントサーバへ送り、該サーバ側で作成されたシンクライアント端末用の表示データを受け取って表示する。そのため、シンクライアント端末は、ネットワーク機器、表示装置、入力装置(マウス、キーボード等)を備えるだけでよく、データを装置内に持たないため、ハードディスク等のストレージが不要である。また、アプリケーションプログラムの実行を行わないため、シンクライアント端末に必要となる処理の負荷は軽いといった特徴がある。
【0004】
例えば特許文献1では、シンクライアントシステムにおけるクライアント側ユーザが違和感を覚えないレスポンスを実行できるようにするサーバ装置が開示されている。当該サーバ装置は、クライアント装置に表示させる画面情報を送信する際に、画面情報を複数のブロック画像に分割し、ブロック画像が圧縮された後、サイズの小さい圧縮ブロック画像を優先してクライアント装置に送信する。また、クライアント装置の圧縮画像の解凍処理能力値を用いて解凍負荷値を算出し、解凍負荷の少ないブロック画像を優先的にクライアント装置に送信する。
【0005】
また、例えば特許文献2では、周辺機器からのデータ取得時にネットワーク負荷を低減できるシンクライアントシステムが開示されている。当該シンクライアントシステムでは、シンクライアント端末においてシンクライアントサーバのデータ取得処理命令が入力され、シンクライアントサーバに通知されると、シンクライアントサーバは、パーソナルコンピュータに周辺機器データ取得処理を実行するように要求する。パーソナルコンピュータは、周辺機器にデータを要求し、周辺機器によりデータが出力されると、出力された周辺機器データのデータ量を削減してシンクライアントサーバに送信する。
【特許文献1】特開2008−211639号公報
【特許文献2】特開2006−323660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、シンクライアントシステムは、一般の個人ユーザにとってユビキタスソリューションの役割を果たすものであり、例えば自宅のシンクライアントサーバにデジタルコンテンツを集約して一元管理し、リビングや外出先でシンクライアント端末から利用することもできるし、また自宅のシンクライアントサーバの性能を、小型軽量のシンクライアント端末を用いて外出先等でリモートコントロールすることも可能である。このように様々な可能性を秘めたシンクライアントシステムはカーナビゲーションシステムに適用することもでき、シンクライアント端末を車内のカーナビゲーション装置として用いて、地図情報等を管理する自宅のシンクライアントサーバとネットワーク接続して利用することが可能である。
【0007】
ここで、シンクライアントシステムを適用したカーナビゲーションシステムでは、自宅でのシンクライアントシステムと比較して、サーバとクライアントを接続するネットワークの回線状態が不安定になることが多く、サーバ側から受信したデータをクライアント側で円滑に再生できない可能性が大きい。例えば自動車の走行中にトンネルを通過する等してサーバ側とのデータ通信が断絶することがあり、ナビゲーション機能の利用中は地図データが途切れ、オーディオ機能の利用中は音楽データが途切れてしまう。このように、カーナビゲーションシステムでは、サーバとクライアント間でのデータ通信がネットワークの回線状態の影響を大きく受けてしまう。
【0008】
これに対して、上述した特許文献1のサーバ装置では、サイズの小さいブロック画像やクライアント側での解凍負荷の少ないブロック画像を優先的にクライアント装置に送るようにしているが、これではクライアント装置でのデータ再生がゆっくり行われることになり、通常時のような円滑なデータ再生からは程遠い。また、特許文献2で開示されたシンクライアントシステムは、シンクライアントサーバが周辺機器からデータを取得する際にそのデータ量を削減しているが、これはサーバと周辺機器の間のデータ通信で、サーバとクライアントの間のデータ通信についてではなく、ネットワークの回線状態の影響を受けずにクライアント側での円滑なデータ再生を実現するものではない。
【0009】
そこで、本発明は、ネットワークの回線状態の影響を軽減して、サーバ側とクライアント側の間でデータ送受信を行い、クライアント側での円滑なデータ再生を可能とするシンクライアントシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明の第1のシンクライアントシステムは、シンクライアントサーバがネットワークの回線状態に応じて送信データ量を制御し、シンクライアント端末がシンクライアントサーバから受信したデータをバッファリングしてデータ出力を行うものである。また、シンクライアント端末は、シンクライアントサーバへの送信データをバッファリングしてデータ送信を行うように構成される。
【0011】
本発明の第2のシンクライアントシステムは、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムであって、シンクライアントサーバは、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段を有し、シンクライアント端末は、シンクライアントサーバにより送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段と、バッファリング手段の空き容量に基づいて、シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するクライアント受信制御手段と、を有する。
【0012】
本発明の第3のシンクライアントシステムは、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムであって、シンクライアントサーバは、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段と、自端末の受信可能データ量に基づいて、シンクライアント端末からの受信データ量を制御するサーバ受信制御手段と、を有し、シンクライアント端末は、シンクライアントサーバにより送信されたデータ及びシンクライアントサーバへ送信するデータをバッファリングするバッファリング手段と、バッファリング手段の空き容量に基づいて、シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するデータ受信制御手段と、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアントサーバへの送信処理を行うデータ量を制御するクライアント送信制御手段と、を有する。
【0013】
本発明の第1のシンクライアント端末は、シンクライアントシステムにおいて、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末であって、ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従ってシンクライアントサーバから送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段と、バッファリング手段の空き容量に基づいて、シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するクライアント受信制御手段と、を有する。
【0014】
本発明の第2のシンクライアント端末は、シンクライアントシステムにおいて、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末であって、ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従ってシンクライアントサーバから送信されたデータ、及び、自端末の受信可能データ量に基づいて受信データ量を制御するシンクライアントサーバに送信するデータをバッファリングするバッファリング手段と、バッファリング手段の空き容量に基づいて、シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するクライアント受信制御手段と、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアントサーバへの送信処理を行うデータ量を制御するクライアント送信制御手段と、を有する。
【0015】
本発明の第1のシンクライアントサーバは、シンクライアント端末とともにシンクライアントシステムを構成し、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバであって、送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段及びバッファリング手段の空き容量に基づいて受信データ量を制御するクライアント受信制御手段を有するシンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段を有する。
【0016】
本発明の第2のシンクライアントサーバは、シンクライアント端末とともにシンクライアントシステムを構成し、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバであって、送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段及びバッファリング手段の空き容量に基づいて受信データ量を制御するクライアント受信制御手段を有するシンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段と、自端末の受信可能データ量に基づいて、ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従ってシンクライアント端末から送信されたデータの受信データ量を制御するサーバ受信制御手段と、を有する。
【0017】
本発明の第1のプログラムは、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムの用いられるプログラムであって、シンクライアントサーバに、送信されたデータをバッファリングするとともにバッファの空き容量に基づいて受信データ量を制御するシンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御ステップを実行させる。
【0018】
本発明の第2のプログラムは、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムの用いられるプログラムであって、シンクライアントサーバに、送信されたデータをバッファリングするとともにバッファの空き容量に基づいて受信データ量を制御するシンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、回線状態に基づいて、シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御ステップと、自端末の受信可能データ量に基づいて、ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従ってシンクライアント端末から送信されたデータの受信データ量を制御するサーバ受信制御ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、データ送信側のシンクライアントサーバがネットワークの回線状態に応じたデータ送信制御を行い、データ受信側のシンクライアント端末が受信データをバッファリングしてデータ出力を行うように構成しているため、シンクライアントシステムにおいて、ネットワークの回線状態に左右されずにサーバ側とクライアント側の間でデータ送受信を行い、クライアント側での円滑なデータ再生が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
まず、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の述べる実施形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
[実施形態1]
本発明の第1の実施形態は、シンクライアントサーバをパーソナルコンピュータやホームサーバ等のサーバ装置に用い、シンクライアント端末をカーナビゲーション装置に用いたもので、シンクライアントシステムをカーナビゲーションシステムに適用したものである。
【0022】
はじめに本実施形態のカーナビゲーションシステムの構成について説明する。図1は、本実施形態のカーナビゲーションシステムのシステム構成を示した図である。本実施形態のカーナビゲーションシステムは、サーバ装置100とカーナビゲーション装置200を有して構成され、両装置がネットワーク400を介して接続されている。サーバ装置100は請求項に記載したシンクライアントサーバに相当し、カーナビゲーション装置200は同じくシンクライアント端末に相当する。また、ネットワーク400は有線であっても無線であってもよい。
【0023】
サーバ装置100は、制御部110、データ圧縮部120、送信部130、受信部140、データ送信制御部150を有する。制御部110は、制御プログラムに従って装置全体を制御する機能部で、カーナビゲーション装置200からの要求に応じてアプリケーションを実行し、サービスをカーナビゲーション装置200に提供する。また、制御部110は出力データ生成手段111を論理的に有する。
【0024】
出力データ生成手段111は、カーナビゲーション装置200から受信した現在位置情報及び目的地情報を用いて目的地までのルートを求め、該ルートに基づいてナビゲーション情報を生成する。また、出力データ生成手段111は、ナビゲーション情報のみならず音楽データ等のデータを取得して、カーナビゲーション装置200への出力データとして生成する。すなわち、カーナビゲーション装置がカーナビとして使用されるときはナビゲーション情報を取得し、カーステレオとして使用されるときは音楽データを取得して出力データとする。
【0025】
データ圧縮部120は、請求項に記載したデータ圧縮手段に相当し、制御部110において生成された出力データに対して、送信部130でカーナビゲーション装置200に送信される前に圧縮処理を行う。このデータ圧縮は画像データや音楽データといった容量の大きいデータに対して行われ、例えば制御データは制御部110から送信部130に直接送られる。
【0026】
送信部130は、ネットワーク400を介してコンテンツデータや制御データ等をカーナビゲーション装置200に送信する。受信部140は、ネットワーク400を介してカーナビゲーション装置200から現在位置情報や目的地情報、制御データ等を受信する。データ送信制御手段150は、請求項に記載したサーバ送信制御手段に相当し、ネットワーク400の回線状態を監視し、回線状態に基づいてカーナビゲーション装置200への送信データ量の制御を行う。送信部130は、データ送信制御部150の制御に従ってデータ送信を行う。なお、データ送信制御部150は、例えばデータ送信制御手段としてデータ制御部110内に論理的に有するように構成することもできる。
【0027】
なお、地図データや音楽データ等のコンテンツはサーバ装置100が保持して管理するように構成してもよいし、またネットワーク上の別のサーバにより保持されるように構成してもよい。また、本実施形態ではシンクライアントシステムを利用してカーナビゲーションシステムを構成しているため、ナビゲーション情報として、2Dや3Dの地図画像データのほか、ストリートビューのようなリアルな景色映像を用いることができる。
【0028】
一方、カーナビゲーション装置200は、バッファ210、受信部220、データ伸張部230、表示出力部240、データ受信制御部250、GPS受信部260、操作入力部270、送信部280を有する。バッファ210は、請求項に記載したバッファリング手段に相当し、サーバ装置100からのコンテンツデータ(ナビゲーション情報や音楽データ等)を一時的に保持する。
【0029】
受信部220は、ネットワーク400を介してサーバ装置100からナビゲーション情報や音楽データ等のコンテンツデータ、制御データを受信する。データ受信制御部250は、請求項に記載したクライアント受信制御手段に相当し、バッファ210の空き容量を監視し、該空き容量に基づいて受信データ量を制御する。受信部220は、データ受信制御部250の制御に従ってデータ受信を行う。
【0030】
データ伸張部230は、請求項に記載されたデータ伸張手段に相当し、受信部220で受信されたデータに対して伸張処理を行う。このデータ伸張は、当然のことながら、サーバ装置100において圧縮処理がなされたコンテンツデータ(ナビゲーション情報や音楽データ)に対して行われる。表示出力部240は、データ伸張部230で伸張処理されたデータをディスプレイ表示する。
【0031】
GPS受信部250は、GPS衛星からGPS信号を受信してカーナビゲーション装置200の現在位置情報を取得する。操作入力部260は、ユーザの操作内容(目的地情報や選択ルート情報等)の入力を受け付ける機能部で、例えばタッチパネルやキーボード、マウス等の既存の入力手段で構成することができる。送信部270は、ネットワーク400を介してサーバ装置100に現在位置情報や目的地情報、制御データ等を送信する。
【0032】
次に、本実施形態のカーナビゲーションシステムにおける動作処理について説明する。図2はサーバ側の動作処理を表したフローチャートであり、図3から図6はクライアント側の動作処理を表したフローチャートである。
【0033】
サーバ側のサーバ装置100では、クライアント側のカーナビゲーション装置200からのデータ取得要求に応じてデータ送信処理を開始する。まず、サーバ装置100のデータ送信制御部150はネットワークの回線状態を検出し、回線容量の判定を行う。回線状態が良好で回線容量に余裕がある場合(ステップS101/(a))、データ送信制御部150は、送信容量を通常より増加させる設定を送信部130に対して行う(ステップS102)。そして、設定したデータ容量で送信してよいかカーナビゲーション装置200のデータ受信制御部250に問い合わせる(ステップS103)。
【0034】
また、回線容量に余裕はないものの十分である場合(ステップS101/(b))、データ送信制御部150は、送信容量を通常通りとして設定を変更せず、データの送信可否をデータ受信制御部250に問い合わせる(ステップS113)。回線状態が不良で回線容量が不十分である場合(ステップS101/(c))、データ送信制御部150は、送信容量を通常より減少させる設定を送信部130に対して行い(ステップS122)、データの送信可否をデータ受信制御部250に問い合わせる(ステップS123)。送信可否の問い合わせ後、カーナビゲーション装置200からの応答を待つ。
【0035】
クライアント側のカーナビゲーション装置200では、サーバ装置100からの通知をトリガとしてデータ受信処理を開始する。まず、カーナビゲーション装置200のデータ受信制御部250は、サーバ装置100からの問い合わせにかかる送信容量を把握する(ステップS201)。
【0036】
送信容量増加設定時の問い合わせ(ステップS201/(a))に対して、データ受信制御部250は、バッファ210の空き容量を検出して受信可能容量の判定を行う(ステップS301)。受信可能容量に余裕がある場合(ステップS301/(a))、データ受信制御部250は、受信容量を通常より増加させる設定を受信部220に対して行う(ステップS302)。そして、受信許諾の応答をサーバ装置100のデータ送信制御部150に行う(ステップS303)。受信可能容量に余裕はないものの十分である場合(ステップS301/(b))、データ受信制御部250は、受信容量を通常通りとして設定を変更せず、受信拒否の応答をデータ送信制御部150に行う(ステップS304)。受信可能容量が不十分である場合(ステップS301/(c))、データ受信制御部250は、受信容量を通常より減少させる設定を受信部220に対して行い(ステップS305)、受信容量減少の応答をデータ送信制御部150に行う(ステップS306)。
【0037】
また、送信容量維持設定時の問い合わせ(ステップS201/(b))に対して、データ受信制御部250は、バッファ210の空き容量を検出して受信可能容量の判定を行う(ステップS401)。受信可能容量に余裕があるまたは余裕はないものの十分である場合(ステップS401/(a))、データ受信制御部250は、受信容量を通常通りとして設定を変更せず、受信許諾の応答をデータ送信制御部150に行う(ステップS402)。受信可能容量が不十分である場合(ステップS401/(b))、データ受信制御部250は、受信容量を通常より減少させる設定を受信部220に対して行い(ステップS403)、受信容量減少の応答をデータ送信制御部150に行う(ステップS404)。
【0038】
また、送信容量減少設定時の問い合わせ(ステップS201/(c))に対して、データ受信制御部250は、受信容量を通常より減少させる設定を受信部220に対して行い(ステップS501)、受信許諾の応答をデータ送信制御部150に行う(ステップS502)。そして、クライアント側のカーナビゲーション装置200は、サーバ装置200への応答後、サーバ装置200からのデータ送信を待つ。
【0039】
サーバ装置100では、送信容量増加の設定で問い合わせた(ステップS103)後、データ送信制御部150は、カーナビゲーション装置200のデータ受信制御部250から応答を取得する(ステップS104)。応答内容が受信許諾であった場合(ステップS105/YES)、データ送信制御部150は、増加設定した送信容量で送信部130にデータ送信を行わせる(ステップS109)。応答内容が受信許諾でなく(ステップS105/NO)受信容量減少であった場合(ステップS106/YES)には、データ送信制御部150は、送信容量を通常より減少させる設定を送信部130に対して行い(ステップS108)、送信部130にデータ送信を行わせる(ステップS109)。応答内容が受信許諾でなく(ステップS105/NO)受信容量減少でもない場合(ステップS106/NO)には、データ送信制御部150は、送信容量の増加設定を取り消して通常の送信容量に設定し(ステップS107)、送信部130にデータ送信を行わせる(ステップS109)。
【0040】
また、送信容量維持の設定で問い合わせた(ステップS113)後、データ送信制御部150はデータ受信制御部250から応答を取得する(ステップS114)。応答内容が受信容量減少であった場合(ステップS115/YES)、データ送信制御部150は、送信容量を通常より減少させる設定を送信部130に対して行い(ステップS108)、送信部130にデータ送信を行わせる(ステップS109)。応答内容が受信容量減少でなかった場合(ステップS115/NO)には、データ送信制御部150は、設定した送信容量で送信部130にデータ送信を行わせる(ステップS109)。
【0041】
また、送信容量減少の設定で問い合わせた(ステップS123)後、データ送信制御部150はデータ受信制御部250から応答を取得し(ステップS124)、設定した送信容量で送信部130にデータ送信を行わせる(ステップS109)。サーバ装置100では、こうしてカーナビゲーション装置200に対してデータ送信を行った後、サーバ送信処理を終了する。
【0042】
カーナビゲーション装置200では、サーバ装置100から送信されたデータを受信する(ステップS307、ステップS405、ステップS503)。具体的には、送信されたデータをバッファ210にバッファリングし、受信部220により順次データ受信処理を行う。こうしてサーバ装置100からデータ受信を行った後、クライアント受信処理を終了する。
【0043】
本実施形態によれば、サーバ側で回線状態に応じたデータ送信制御を行うとともに、クライアント側でバッファを備え、またバッファの受信可能容量に応じたデータ受信制御を行うため、ネットワークの回線状態の影響を極力受けずに、クライアント側において円滑なデータ再生が可能となる。
【0044】
また、本実施形態によれば、クライアント側に受信データを保持するバッファを設けたため、送信済みのナビゲーション情報とは別のナビゲーション情報をその後にクライアント側へ送信する場合でも、ナビゲーション情報の差分データを再送すればよく、データ処理負担を軽減でき、処理の高速化が可能となる。
【0045】
[実施形態2]
本発明の第2の実施形態は、実施形態1と同様にシンクライアントシステムをカーナビゲーションシステムに適用したものであるが、さらなるシンクライアント端末としてビデオカメラ装置を用いており、サーバ装置とビデオカメラ装置の間でもデータ通信を行うように構成している。以下、実施形態1と相違する構成や動作について述べるが、説明で触れない点は実施形態1と共通するものとする。
【0046】
はじめに本実施形態のカーナビゲーションシステムの構成について説明する。図7は、本実施形態のカーナビゲーションシステムのシステム構成を示した図である。本実施形態のカーナビゲーションシステムは、サーバ装置101、カーナビゲーション装置200、ビデオカメラ装置300を有して構成され、これらの装置がネットワーク400を介して接続されている。サーバ装置100は請求項に記載したシンクライアントサーバに相当し、カーナビゲーション装置200及びビデオカメラ装置300は請求項に記載したシンクライアント端末に相当する。
【0047】
サーバ装置101の構成は実施形態1と概ね共通するが、データ受信制御部160及びデータ伸張部170を有する点で実施形態1と異なる。データ受信制御部160は、請求項に記載したサーバ受信制御手段に相当し、自端末の受信可能データ量に基づいて、受信データ量を制御する。データ伸張部170は、受信部140がビデオカメラ装置300から受信した映像データ(動画データ)に対して伸張処理を行う。なお、データ送信制御部150及びデータ受信制御部160は、例えばデータ送信制御手段やデータ受信制御手段としてデータ制御部110内に論理的に有するように構成することもできる。
【0048】
また後述するが、ビデオカメラ装置300では送信前に動画データを圧縮している。このように、本実施形態においてサーバ装置101は、ビデオカメラ装置300とコンテンツデータ(動画データ)をやり取りするが、データ送信前のデータ圧縮及びデータ受信後のデータ伸張とともに、送信データ量の制御を行うことにより、ネットワークの回線状態の影響を極力受けないようにしている。
【0049】
ビデオカメラ装置300は、カーナビゲーション装置200と同じシンクライアント端末ではあるが、構成や機能が異なる。カーナビゲーション装置200は主にサーバ装置からコンテンツデータを受信するのみで、サーバ装置へコンテンツデータを送信することはなかったが、ビデオカメラ装置300は、サーバ装置101とコンテンツデータ(動画データ)の送受信を行う。
【0050】
ビデオカメラ装置300は、バッファ310、バッファ315、受信部320、データ伸張部330、表示出力部340、データ受信制御部350、動画データ入力部360、操作入力部365、データ圧縮部370、送信部380、データ送信制御部390を有する。バッファ310、受信部320、データ伸張部330、表示出力部340、データ受信制御部350は、データ受信及びデータ再生に関する構成で、実施形態1と同様である。なお、ビデオカメラ装置300では、撮影した映像を確認等のためにディスプレイ表示させるとき、サーバ装置101からデータを受信して再生する必要がある。これは、シンクライアントシステムの特徴としてクライアント側にデータの記憶機構を置かず、サーバ側でデータを保持するためである。
【0051】
他方、動画データ入力部360、操作入力部365、データ圧縮部370、送信部380、バッファ315、データ送信制御部390は、コンテンツデータの送信に関する構成で、実施形態1にはない構成である。動画データ入力部360は、風景や人物といった対象物の映像を撮影して動画データを生成する。また、動画データ入力部360は、動画のみならず対象物の写真を撮影して静止画データを生成することもできる。データ圧縮部370は、請求項に記載したデータ圧縮手段に相当し、動画データ入力手段360で生成したデータに対して圧縮処理を行う。操作入力部365は、ユーザの操作内容の入力を受け付ける。
【0052】
送信部380は、データ圧縮部370で圧縮されたデータをサーバ装置101に送信する。バッファ315は、請求項に記載したバッファリング手段に相当し、送信部380で送信されたコンテンツデータ(動画データや静止画データ)を一時的に保持する。データ送信制御手段390は、請求項に記載したクライアント送信制御手段に相当し、ネットワーク400の回線状態を監視し、回線状態に基づいてサーバ装置101への送信データ量の制御を行う。送信部380は、データ送信制御部390の制御に従ってデータ送信を行う。
【0053】
次に、本実施形態のカーナビゲーションシステムにおける動作処理について説明する。サーバ装置101とビデオカメラ装置300の間におけるデータ通信のうち、サーバ装置101からビデオカメラ装置300へのデータ送受信は実施形態1と同じである。ただし、逆方向のビデオカメラ装置300からサーバ装置101へのデータ送受信も、同様のフローで処理を行う。すなわち、データ送信側であるビデオカメラ装置300のデータ送信制御部390により、図2に示すフローに従った動作処理が行われ、データ受信側であるサーバ装置101のデータ受信制御部160により、図3から図6に示すフローに従った動作処理が行われる。
【0054】
本実施形態のように構成することにより、例えばビデオカメラ装置から撮影した映像データをサーバ装置に送信し、サーバ装置においてカーナビゲーション装置からの位置情報と照合して、地図データ上に映像データを合成して、オリジナルのナビゲーション情報を生成してカーナビゲーション装置に表示させることも可能となる。
【0055】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0056】
本発明が適用できる例としては、バッファ制御が有効な装置(継続性を要求される装置)が考えられる。サーバ側からのデータを出力する出力系クライアント装置としては、実施形態として示したナビゲーションのほか、TV、3プレーヤー・表示装置、ドアフォン・ドアフォン転送機、ゲーム機、電子ブック、携帯電話機、メディアプレーヤ、時計(世界時計)等が挙げられる。
【0057】
また、サーバ装置にデータを入力する入力系クライアント装置としては、実施形態として示したビデオカメラのほか、デジタルカメラ、ボイスレコーダ、TV電話、ロボット、音やカメラで撮り内容を解析して結果をフィードバックする装置、スキャナ、電子ノート(タブレット)、電子スクラップブック(雑誌等を撮り溜めておく装置)、ライブレコーダ(車や自分の周りを撮り続ける装置)等が挙げられる。
【0058】
その他、シンクライアントシステムに組み込むことができる装置としては、プログラム電卓、電子辞書、電子翻訳機、ホームコントローラ、バーコードリーダ等が挙げられる。
【0059】
例えば携帯電話機をシンクライアント端末として用いた場合、携帯電話機からの問い合わせに対して、サーバがカーナビゲーション装置からの位置情報と照合して、走行エリア周辺の施設の電話番号データを携帯電話機に送信するように構成することもできる。
【0060】
また、本実施形態で適用したシンクライアントシステムで実行されるプログラムは、先に述べた各手段(サーバ送信制御手段、サーバ受信手段等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアを用いて具体的手段を実現する。すなわち、コンピュータ(CPU)が所定の記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされ、サーバ送信制御手段、サーバ受信手段等が主記憶装置上に生成される。シンクライアントサーバでプログラムを読み込ませてサーバ送信制御手段及びサーバ受信手段を実現することもできるし、シンクライアント端末でプログラムを読み込ませてクライアント受信制御手段及びクライアント送信制御手段を実現することもできる。
【0061】
本実施形態で適用したシンクライアントシステムで実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供あるいは配布するように構成してもよい。
【0062】
また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、不揮発性のメモリカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムは、ROM等にあらかじめ組み込んで提供するように構成してもよい。
【0063】
この場合、上記記録媒体から読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムのシステム構成を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムにおけるサーバ側の動作処理を現したフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムにおけるクライアント側の動作処理を現したフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムにおけるクライアント側の動作処理を現したフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムにおけるクライアント側の動作処理を現したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムにおけるクライアント側の動作処理を現したフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るカーナビゲーションシステムのシステム構成を示した図である。
【符号の説明】
【0065】
100,101 サーバ装置
110 制御部
111 出力データ生成手段
120,370 データ圧縮部
130,280,380 送信部
140,220,320 受信部
150,390 データ送信制御部
160,250,350 データ受信制御部
170,230,330 データ伸張部
200 カーナビゲーション装置
210,310,315 バッファ
240,340 表示出力部
260 GPS受信部
270,365 操作入力部
300 ビデオカメラ装置
360 動画データ入力部
400 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクライアントサーバがネットワークの回線状態に応じて送信データ量を制御し、シンクライアント端末が前記シンクライアントサーバから送信されたデータをバッファリングしてデータ受信を行うことを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
前記シンクライアント端末は、前記シンクライアントサーバへの送信データをバッファリングしてデータ送信を行うことを特徴とする請求項1に記載のシンクライアントシステム。
【請求項3】
アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、前記シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムであって、
前記シンクライアントサーバは、
ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段を有し、
前記シンクライアント端末は、
前記シンクライアントサーバにより送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段と、
前記バッファリング手段の空き容量に基づいて、前記シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するクライアント受信制御手段と、を有することを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項4】
前記サーバ送信制御手段は、前記ネットワークの回線容量に余裕がある場合は送信処理を行うデータ量を増加し、回線容量が十分である場合は前記データ量を維持し、回線容量が不十分である場合は前記データ量を減少することを特徴とする請求項3に記載のシンクライアントシステム。
【請求項5】
前記クライアント受信制御手段は、前記シンクライアントサーバに対して、前記バッファリング手段の空き容量に余裕がある場合は前記増加された送信データの受信を許可し、前記空き容量が十分である場合は前記送信データの受信を拒否し、前記空き容量が不十分である場合は送信データの減少を要求することを特徴とする請求項4に記載のシンクライアントシステム。
【請求項6】
アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、前記シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムであって、
前記シンクライアントサーバは、
ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段と、
自端末の受信可能データ量に基づいて、前記シンクライアント端末からの受信データ量を制御するサーバ受信制御手段と、を有し、
前記シンクライアント端末は、
前記シンクライアントサーバにより送信されたデータ及び前記シンクライアントサーバへ送信するデータをバッファリングするバッファリング手段と、
前記バッファリング手段の空き容量に基づいて、前記シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するデータ受信制御手段と、
ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアントサーバへの送信処理を行うデータ量を制御するクライアント送信制御手段と、を有することを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項7】
前記サーバ送信制御手段及び前記クライアント送信制御手段は、前記ネットワークの回線容量に余裕がある場合は送信処理を行うデータ量を増加し、回線容量が十分である場合は前記データ量を維持し、回線容量が不十分である場合は前記データ量を減少することを特徴とする請求項6に記載のシンクライアントシステム。
【請求項8】
前記クライアント受信制御手段は、前記シンクライアントサーバに対して、前記バッファリング手段の空き容量に余裕がある場合は前記増加された送信データの受信を許可し、前記空き容量が十分である場合は前記送信データの受信を拒否し、前記空き容量が不十分である場合は送信データの減少を要求することを特徴とする請求項7に記載のシンクライアントシステム。
【請求項9】
前記サーバ受信制御手段は、前記シンクライアント端末に対して、自端末の受信可能データ量に余裕がある場合は前記増加された送信データの受信を許可し、前記空き容量が十分である場合は前記送信データの受信を拒否し、前記空き容量が不十分である場合は送信データの減少を要求することを特徴とする請求項8に記載のシンクライアントシステム。
【請求項10】
前記シンクライアントサーバ及び前記シンクライアント端末は、データを圧縮するデータ圧縮手段と、前記データ圧縮手段により圧縮されたデータを伸張するデータ伸張手段と、を有することを特徴とする請求項3から9のいずれか1項に記載のシンクライアントシステム。
【請求項11】
シンクライアントシステムにおいて、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末であって、
ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従って前記シンクライアントサーバから送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段と、
前記バッファリング手段の空き容量に基づいて、前記シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するクライアント受信制御手段と、
を有することを特徴とするシンクライアント端末。
【請求項12】
前記クライアント受信制御手段は、前記シンクライアントサーバに対して、前記バッファリング手段の空き容量に余裕がある場合は前記増加された送信データの受信を許可し、前記空き容量が十分である場合は前記送信データの受信を拒否し、前記空き容量が不十分である場合は送信データの減少を要求することを特徴とする請求項11に記載のシンクライアント端末。
【請求項13】
シンクライアントシステムにおいて、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末であって、
ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従って前記シンクライアントサーバから送信されたデータ、及び、自端末の受信可能データ量に基づいて受信データ量を制御する前記シンクライアントサーバに送信するデータをバッファリングするバッファリング手段と、
前記バッファリング手段の空き容量に基づいて、前記シンクライアントサーバからの受信データ量を制御するクライアント受信制御手段と、
ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアントサーバへの送信処理を行うデータ量を制御するクライアント送信制御手段と、
を有することを特徴とするシンクライアント端末。
【請求項14】
前記クライアント送信制御手段は、前記ネットワークの回線容量に余裕がある場合は送信処理を行うデータ量を増加し、回線容量が十分である場合は前記データ量を維持し、回線容量が不十分である場合は前記データ量を減少することを特徴とする請求項13に記載のシンクライアント端末。
【請求項15】
前記クライアント受信制御手段は、前記シンクライアントサーバに対して、前記バッファリング手段の空き容量に余裕がある場合は前記増加された送信データの受信を許可し、前記空き容量が十分である場合は前記送信データの受信を拒否し、前記空き容量が不十分である場合は送信データの減少を要求することを特徴とする請求項14に記載のシンクライアント端末。
【請求項16】
データを圧縮するデータ圧縮手段と、
前記データ圧縮手段により圧縮されたデータを伸張するデータ伸張手段と、
を有することを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載のシンクライアント端末。
【請求項17】
シンクライアント端末とともにシンクライアントシステムを構成し、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバであって、
送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段及び前記バッファリング手段の空き容量に基づいて受信データ量を制御するクライアント受信制御手段を有する前記シンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段を有することを特徴とするシンクライアントサーバ。
【請求項18】
前記サーバ送信制御手段は、前記ネットワークの回線容量に余裕がある場合は送信処理を行うデータ量を増加し、回線容量が十分である場合は前記データ量を維持し、回線容量が不十分である場合は前記データ量を減少することを特徴とする請求項17に記載のシンクライアントサーバ。
【請求項19】
シンクライアント端末とともにシンクライアントシステムを構成し、アプリケーションを実行するシンクライアントサーバであって、
送信されたデータをバッファリングするバッファリング手段及び前記バッファリング手段の空き容量に基づいて受信データ量を制御するクライアント受信制御手段を有する前記シンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御手段と、
自端末の受信可能データ量に基づいて、ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従って前記シンクライアント端末から送信されたデータの受信データ量を制御するサーバ受信制御手段と、
を有することを特徴とするシンクライアントサーバ。
【請求項20】
前記サーバ送信制御手段は、前記ネットワークの回線容量に余裕がある場合は送信処理を行うデータ量を増加し、回線容量が十分である場合は前記データ量を維持し、回線容量が不十分である場合は前記データ量を減少することを特徴とする請求項19に記載のシンクライアントサーバ。
【請求項21】
前記サーバ受信制御手段は、前記シンクライアント端末に対して、自端末の受信可能データ量に余裕がある場合は前記増加された送信データの受信を許可し、前記空き容量が十分である場合は前記送信データの受信を拒否し、前記空き容量が不十分である場合は送信データの減少を要求することを特徴とする請求項20に記載のシンクライアントサーバ。
【請求項22】
データを圧縮するデータ圧縮手段と、
前記データ圧縮手段により圧縮されたデータを伸張するデータ伸張手段と、
を有することを特徴とする請求項17から21のいずれか1項に記載のシンクライアントサーバ。
【請求項23】
アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、前記シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムの用いられるプログラムであって、
前記シンクライアントサーバに、
送信されたデータをバッファリングするとともにバッファの空き容量に基づいて受信データ量を制御する前記シンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御ステップを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項24】
前記サーバ送信制御ステップは、前記ネットワークの回線容量に余裕がある場合は送信処理を行うデータ量を増加し、回線容量が十分である場合は前記データ量を維持し、回線容量が不十分である場合は前記データ量を減少することを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
アプリケーションを実行するシンクライアントサーバと、前記シンクライアントサーバとデータを授受するシンクライアント端末と、を有して構成されたシンクライアントシステムの用いられるプログラムであって、
前記シンクライアントサーバに、
送信されたデータをバッファリングするとともにバッファの空き容量に基づいて受信データ量を制御する前記シンクライアント端末へのデータ送信に際し、ネットワークの回線状態を監視し、前記回線状態に基づいて、前記シンクライアント端末への送信処理を行うデータ量を制御するサーバ送信制御ステップと、
自端末の受信可能データ量に基づいて、ネットワークの回線状態に基づく送信データ量の制御に従って前記シンクライアント端末から送信されたデータの受信データ量を制御するサーバ受信制御ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項26】
前記サーバ送信制御ステップは、前記ネットワークの回線容量に余裕がある場合は送信処理を行うデータ量を増加し、回線容量が十分である場合は前記データ量を維持し、回線容量が不十分である場合は前記データ量を減少することを特徴とする請求項25に記載のプログラム。
【請求項27】
前記サーバ受信制御ステップは、前記シンクライアント端末に対して、自端末の受信可能データ量に余裕がある場合は前記増加された送信データの受信を許可し、前記空き容量が十分である場合は前記送信データの受信を拒否し、前記空き容量が不十分である場合は送信データの減少を要求することを特徴とする請求項26に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−87950(P2010−87950A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256123(P2008−256123)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】