シート積載装置及び画像形成装置
【課題】本発明の目的は、構成を複雑にすることなく、グリッパ内のシート検出を正確に行うことが可能なシート積載装置を提供することである。
【解決手段】シートを積載して回転移動するコンベアベルト203と、前記ベルト203に複数設けられ、前記ベルト203のシート積載面にシートを押さえ付けてシートを挟持するシートグリッパ220と、前記グリッパ220と前記ベルト203のシート積載面との間に挟持されるシートの有無を検出するためのシート検出センサS1とを備え、前記センサS1は、前記グリッパ220と対向した際にシートの有無を検出する位置であって、前記ベルト203のシート積載面の下方に固定して設けられた、光を発光する発光部と前記発光部から発光された光を受光する受光部とを有する。
【解決手段】シートを積載して回転移動するコンベアベルト203と、前記ベルト203に複数設けられ、前記ベルト203のシート積載面にシートを押さえ付けてシートを挟持するシートグリッパ220と、前記グリッパ220と前記ベルト203のシート積載面との間に挟持されるシートの有無を検出するためのシート検出センサS1とを備え、前記センサS1は、前記グリッパ220と対向した際にシートの有無を検出する位置であって、前記ベルト203のシート積載面の下方に固定して設けられた、光を発光する発光部と前記発光部から発光された光を受光する受光部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを積載するシート積載装置及びこのシート積載装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを積載するシート積載装置として、例えば図15に示すように、積載されたシート束を上下のグリッパ66,67により挟持して移動する装置が知られている(特許文献1参照)。このグリッパの近傍には、シート束を検知可能な光透過型のシート検出手段301が、グリッパとともに移動可能に設けられている。このシート検出手段301は、発光部301aと受光部301b、及びプリズム302を有し、発光部301aにより発光された光がプリズム302により回折されて受光部301bへと導かれる。グリッパ内のシート束の検出は、発光部301aにより発光された光がシートに遮光されることで、シート有りと検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−77301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の装置では、発光部301aと受光部301bとプリズム302がグリッパ66,67の近傍に設けられているため、グリッパが移動している状態でもシート有無の監視が行える。
【0005】
しかしながら、発光部301aと受光部301bからの束線をグリッパ66,67の移動範囲にわたって設けなければならず、その束線が絡まないようにする必要もあり、構成が複雑になる。
【0006】
また、グリッパ66,67内にシート束が無い状態であっても、上部グリッパ66の上部に別のシートが発光部301aをふさぐように入り込んでしまうと、シート有りと誤検知してしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、構成を複雑にすることなく、グリッパ内のシート検出を正確に行うことが可能なシート積載装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、シートを積載して回転移動する無端状のベルト部材と、前記ベルト部材に複数設けられ、前記ベルト部材のシート積載面にシートを押さえ付けてシートを挟持する押さえ部材と、前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間に挟持されるシートの有無を検出するためのシート検出手段とを備え、前記シート検出手段は、前記押さえ部材と対向した際にシートの有無を検出する位置であって、前記ベルト部材のシート積載面の下方に固定して設けられた、光を発光する発光部と前記発光部から発光された光を受光する受光部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、押さえ部材とシート検出センサとの間に、挟持すべきシート以外のシートが入らない構成のため、押さえ部材で押さえ付けたシートの有無をより正確に検出することが可能である。つまり、押さえ部材の上部に他のシートが重なっていても押さえ部材内のシート検出が正確に行えるので、複数の押さえ部材を配置し、シートを瓦積み状に積載した状態でも各押さえ部材のシート有無の検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る画像形成装置の断面図
【図2】本発明に係るシート積載コンベアの断面図
【図3】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図4】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図5】本発明に係る画像形成装置及びシート積載コンベア制御部のブロック図
【図6】本発明に係るシート積載コンベアの動作説明図
【図7】本発明に係るシート積載コンベアの動作説明図
【図8】本発明に係るシート積載コンベア部の動作を示すフローチャート
【図9】本発明に係るシートグリッパの斜視図
【図10】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図11】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図12】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図13】本発明に係るシート積載コンベアの断面図
【図14】本発明に係るシート積載コンベアの断面図
【図15】従来のグリッパとシート検出手段の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
〔第一実施形態〕
本実施形態に係るシート積載装置及びこのシート積載装置を備えた画像形成装置について説明する。
【0013】
(画像形成装置)
図1はシート積載装置としてのシート積載コンベア200、及びこれを排出部に備えた画像形成装置130の断面構成図である。図1に示すように、画像形成装置130は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する、平行に配置された4つの画像形成部が設けられている。各画像形成部は、それぞれ像担持体である感光体ドラムa(イエロー)・b(マゼンタ)・c(シアン)・d(ブラック)を有している。これら感光体ドラムa〜dの上部には、これを縦断する態様で配置された転写搬送手段である中間転写ベルト102が設けられている。
【0014】
不図示のモータにより駆動される感光体ドラムa・b・c・dの周囲には、それぞれ感光体ドラムに作用する不図示のプロセス手段(一次帯電器、現像器、転写帯電器)が配置され、それらがプロセスカートリッジ101a〜101dとしてユニット化されている。また感光体ドラムa〜dの下方にはポリゴンミラー等で構成される露光装置106が配置される。
【0015】
まず、感光体ドラムaには、原稿のイエロー成分色の画像信号によるレーザー光が露光装置106のポリゴンミラー等を介して投射され、感光体ドラムa上に静電潜像が形成される。これに現像器からイエロートナーを供給して現像し、静電潜像がイエロートナー像として可視化される。このトナー像が感光体ドラムaの回転にともなって、感光体ドラムaと中間転写ベルト102とが当接する1次転写部位に到達する。そして、転写帯電部材102aに印加した1次転写バイアスによって、感光体ドラムa上のイエロートナー像が中間転写ベルト102に転写される(1次転写)。
【0016】
中間転写ベルト102のイエロートナー像を担持した部位は次の画像形成部に移動する。次の画像形成部では上記と同様な方法で感光体ドラムb上にマゼンタトナー像が形成され、このマゼンタトナー像がイエロートナー像上から中間転写ベルト102に転写される。同様に、中間転写ベルト102が移動するにつれて、各画像形成部のそれぞれの1次転写部位においてシアントナー像、ブラックトナー像が、前記イエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。
【0017】
一方、シートPは下方に設けられたカセット104に収納されている。シートPは、カセット104からピックアップローラ108により1枚ずつ送り出され、レジストローラ109でタイミングを合わされた後、2次転写部位に達する。そして、2次転写ローラ対103に印加した2次転写バイアスによって、中間転写ベルト102上の4色のトナー像がシートP上に一括して転写される(2次転写)。
【0018】
4色のトナー像が転写されたシートPは、搬送ガイド120に案内されて定着ローラ対105に搬送され、そこで熱および圧力を受けて定着され、これにより各色のトナーが溶融混色してシートPに固定されたフルカラーのプリント画像とされる。その後、定着ローラ対105の下流に設けられた排出ローラ対110によってシート積載コンベア200へと搬送される。
【0019】
(シート積載コンベア)
次に、図2を用いて排出されたシートを積載し、順次下流側へと搬送するシート積載コンベア200について説明する。
【0020】
画像形成装置130により画像形成されたシートは排出パス121、排出ローラ対122を介してシート積載コンベア200へ排出、積載される。
【0021】
シート積載コンベア200は、コンベア駆動プーリ202とコンベアプーリ201にコンベアベルト203が掛けられ、コンベア駆動モータM1により駆動されることでコンベアベルト203上に積載されたシートを搬送する。すなわち、コンベアベルト203は、無端状のベルト部材であり、シートを積載して回転移動する。
【0022】
コンベアベルト203の外周面(シート積載面)の面上には、シートの後端中央を前記外周面に押さえ付けることが可能な押さえ部材としてのシートグリッパ220(220a〜220k)がベルト搬送方向に一定間隔で複数設けられている。シートグリッパ220は、コンベアベルト203の外周面にシートを押さえ付けてシートを挟持する。コンベアベルト203の外周面の幅は挟持されるシートの幅よりも狭い。
【0023】
また、コンベアベルト203に囲まれた領域(シート積載面とは反対側の内周面側)には、シート検出手段としてのシート検出センサS1がシートグリッパ220の配置間隔と同じ間隔で複数固定して配置されている。シート検出センサS1は、シートグリッパ220と対向する位置に設けられており、シートグリッパ220がシート検出センサS1の真上に位置する時にシートグリッパ220内のシート検出を行う。詳細なシートの検出方法については後述する。
【0024】
排出ローラ対122の近傍には、シートグリッパ220の把持を解除するためのソレノイドSL1が配置されている。ソレノイドSL1は、シートがシート積載コンベア200に排出される際に、排出ローラ対122近傍で停止しているシートグリッパ220のグリッパアーム221を持ち上げて開放状態に維持するものである。
【0025】
(シートグリッパ)
次に図3、図4を用いてコンベアベルト203に積載されたシートをコンベアベルト203の外周面に押さえ付けるためのシートグリッパ220の詳細について説明する。図3、図4は、シートグリッパ220の断面図である。
【0026】
シートグリッパ220は、グリッパアーム221とグリッパ土台224がグリッパ回動軸223を介して接続されており、グリッパ土台224はコンベアベルト203に固定されている。グリッパアーム221は、グリッパ回動軸223を中心に回動するが、グリッパバネ222により、常に、コンベアベルト203へ押し付ける方向に付勢されている。
【0027】
グリッパバネ222の付勢力は、シートグリッパ220がシートを把持した状態で搬送したときに、シートがずれたり、抜け落ちたりしない力であり、かつ、ユーザがシートグリッパ220からシートを容易に引き抜ける程度の力に設定されている。
【0028】
コンベアベルト203に囲まれた領域(内周面側)には、シートグリッパ220内のシートの有無を検出するシート検出センサS1が画像形成装置130の本体内側板から突出したセンサ取付板131に固定されている。シート検出センサS1は、光を発光する発光部(不図示)と、発光部より発光され反射された光を受光する受光部(不図示)とを有している。
【0029】
コンベアベルト203のグリッパアーム221近傍には、センサ穴203aが開けられている。このコンベアベルト203に設けられたセンサ穴203aは、シート検出センサS1から発光された光をグリッパアーム221まで通過させるための光路穴である。光路穴を設ける代わりに、コンベアベルト203を、光を透過する材質で構成しても良い。
【0030】
グリッパアーム221は、光を吸収する材質で構成されている。そのため、図3に示すようにシートPがグリッパアーム221内に無い状態であると、シート検出センサS1から発光された光は、グリッパアーム221に到達して吸収され、シート検出センサS1の受光部まで光が反射されない。これにより、シート検出センサS1は、グリッパアーム221内にシート無しと検出する。
【0031】
一方、図4に示すように、シートPがグリッパアーム221内にある場合は、シート検出センサS1の発光部から発光された光は、シートに反射して受光部に到達する。これにより、シート検出センサS1は、グリッパアーム221内にシート有りと検出する。
【0032】
シートの検出は、シートグリッパ220が取り付けられたコンベアベルト203が移動し、コンベアベルト203に設けた各センサ穴203aが、固定配置された各センサS1の真上に停止したときに検出が可能になる。このときのコンベアベルト203の位置情報は、ベルト位置検出センサS2(図5参照)により検出する。
【0033】
(制御部)
図5は画像形成装置及びシート積載コンベアを制御する装置制御部のブロック図である。図5に示すように、CPU回路部630は、CPU629、ROM631、RAM650を有している。CPU回路部630は、画像信号制御部634、プリンタ制御部635、シート積載コンベア制御部640、外部インターフェイス637を制御している。
【0034】
CPU回路部630は、ROM631に格納されているプログラムの設定に従って制御する。プリンタ制御部635は画像形成装置130の装置本体を制御する。シート積載コンベア制御部640はシート積載コンベア200を制御し、シート積載コンベア200内のシート検出センサS1、ベルト位置検出センサS2の信号を元にコンベア駆動モータM1、グリッパ開放ソレノイドSL1を制御する。
【0035】
本実施の形態においては、シート積載コンベア制御部640をシート積載コンベア200に搭載した構成について説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。制御部を、CPU回路部630と一体的に画像形成装置130に設け、画像形成装置130側からシート積載コンベア200を制御するようにしてもよい。
【0036】
RAM650は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インターフェイス637は、コンピュータ(PC)620からのインターフェイスであり、プリントデータを画像に展開して画像信号制御部634へ出力する。画像信号制御部634からプリンタ制御部635へ出力された画像は露光制御部へ入力される。
【0037】
<シート積載コンベアの動作の説明>
次に図6〜図8を用いて、シート積載コンベア200の動作を説明する。図6、図7はシート積載コンベア200の動作説明図であり、図8はシート積載コンベア200動作のフローチャートである。
【0038】
画像形成装置130により画像形成ジョブが開始されると、シート積載コンベア200上のシートグリッパ220が排出ローラ対122の近傍のシート受け入れ位置にあるかをベルト位置検出センサS2により検出する(S100,S101)。シートグリッパ220がシート受け入れ位置に無い場合は、コンベアベルト203をコンベア駆動モータM1によりシート受け入れ位置まで移動させる(S102)。
【0039】
次に、シート受け入れ位置のシートグリッパ220内にシートの有無をシート受け入れ位置の近傍に配置されたシート検出センサS1aにより検出する(S103,S104)。このとき、シート有りと検出した場合は、シートグリッパ220内に前回までに出力された別ジョブのシートP1が残っていることになる。この場合、別ジョブと入り混じることを防ぐため、別ジョブのシートP1を把持しているシートグリッパ220aを下流へと移動させ(S105)、次のシートグリッパ220bがシート受け入れ位置に到達するまで移動させる(S106,S107)。
【0040】
その後、シート受け入れ位置に待機したシートグリッパ220内にシートが無いことを検出すると、グリッパ開放ソレノイドSL1によりグリッパアーム221を持ち上げてシートグリッパ220を開放する(S108)。このように、シートグリッパ220内にシートが入り込める状態にした後に、画像形成されたシートP2が排出ローラ対122からシート積載コンベア200へと排出される(S109、図6)。
【0041】
そして、1部の内の最終シートが排出されると(S110,S111)、グリッパ開放ソレノイドSL1が解除される。これにより、シートグリッパ220はグリッパバネ222の付勢力によりシートP2をコンベアベルト203の外周面上に押し付けてシートP2を把持した状態(S112、図7)となり、シート1部の排出が完了する。
【0042】
複数部を出力するジョブの場合は上述の動作を1部ごとに行うことで、排出されるシートの各部が混ざることを防ぎ、1部ごとのシートの仕分けを行う。
【0043】
また、シート受け入れ位置にシートグリッパ220が位置している場合、シート積載コンベア200の上半分側のシートグリッパは、複数個配置されたシート検出センサS1の真上(シートグリッパと対向する位置)に位置している。そのため、前回までのジョブで排出されたシートの有無、及びコンベアベルト上での位置を検出することができ、画像形成装置、もしくはPCを介してユーザに既積載シート位置を提示することが可能である。
【0044】
また、瓦積み状に仕分けされて積載されている複数部のシートのうちの1部をユーザがシート積載コンベア200から持ち出すと、そのシートを把持していたシートグリッパ220はシートがなくなるため、シート無しと検出される。つまり、瓦積み状に積載されている状態でも途中のシートが持ち出されてシートグリッパ220が空き状態になったことを正確に検出することができる。また、その空きシートグリッパ220を再度シート受け入れ位置へ移動させて新しいジョブのシートを受け入れることで、仕分けることの出来る部数を最大限にすることも可能である。
【0045】
上述の実施形態において、各ジョブでシート積載コンベア200に排出されたシートは、1部ごとにシートグリッパ220によって把持されている。しかしながら、このシートグリッパ220の把持力は、ユーザが手で引き抜ける把持力であるため、どのタイミングでも適宜ユーザがシートをシート積載コンベア200から持ち出すことができる。
【0046】
上述の実施形態において、各シートグリッパ220は、シートをグリッパアーム221内に入れることができるのは、シート受け入れ位置にある場合のみである。つまり、1部ごとの排出動作が完了して一度シートを把持すると、他のシートは入り込むことはできない。そのため、他の部のシートが図7のようにシートグリッパ200aの上に積載されている状態であっても、コンベアベルト203の内側に配置されたシート検出センサS1とグリッパアーム221の間にあるシートP1の検出が常に正確に検出することができる。
【0047】
つまり、シート積載コンベア上で仕分けできる部数を多くしたい場合は、各部のシートを瓦積み状に積載できるようにシートグリッパ220同士の間隔を小さくすることが考えられる。しかしながら、その状態においても、各シートグリッパ220内のシート検出を正確に行うことができる。そのため、各部ごとのシート位置情報をユーザに提示することが可能である。
【0048】
特に、仕分け数が多くなるほど、ユーザはシート積載コンベア200から特定のシートを取り出すことが困難になるが、その場合においても正確にシート位置を提示することが可能である。そのため、シートを取り出す際の利便性が向上するという効果が得られる。
【0049】
〔第二実施形態〕
次に第二実施形態を図9〜図14を用いて説明する。図9は、シートグリッパ220の斜視図、図10〜図12はシートグリッパ220の断面図、図13と図14はシート積載コンベア200の断面図を示している。
【0050】
前述した実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態では、シートグリッパ220のグリッパ土台224は、コンベアベルト203のシート積載面の面上ではなく、図9に示すように、コンベアベルト203のシート積載面の端部外側に設けられている。また、シート検出センサS1は、シートグリッパ220のグリッパ土台224と対向する、コンベアベルト203のシート搬送方向と直交する幅方向端部の外側に固定して設けられている。グリッパアーム221は、コンベアベルト203の外周面にシートを押さえ付けてシートを挟持する。
【0052】
さらに本実施形態では、コンベアベルト203にセンサ穴203aがなく、図9に示すようにシートグリッパ220のグリッパ土台224にグリッパセンサ穴(光路穴)224aが設けられている。また、グリッパ土台224には各グリッパを識別するためのグリッパ識別部材224bが設けられている。
【0053】
図10、図11に示すようにグリッパセンサ穴224aとグリッパ識別部材224bは、センサS1の真上を通過する位置に配置されている。また、グリッパ識別部材224bはグリッパセンサ穴224aよりも搬送方向(矢印X)下流に設けられている。
【0054】
グリッパ識別部材224bは、各シートグリッパごとに光の反射率が異なる幾何模様を有している。具体的には、グリッパ識別部材224bは、シート検出センサS1の発光部より発光された光を反射する部位と光を吸収する部位とで構成されている。グリッパ識別部材224bは、シートグリッパ220の搬送方向(矢印X)と垂直方向に平行な幾何模様を形成している。
【0055】
そして、シートグリッパ220のグリッパ識別部材224bがセンサS1の上を通過した際にセンサS1の受光部へと反射された受光パターンを信号として捕らえる。この幾何模様のパターンを各シートグリッパ220に対して固有のものを設定することで、各シートグリッパ220を識別することができる。また、このとき同時に各シートグリッパの位置情報としても検出することができる。
【0056】
このグリッパ識別部材224bは、コンベアベルト203のシート積載面となる外周面側ではなく、シート積載面とは反対側となる内周面側に設けられている。そのため、シート検出センサS1は、シートグリッパ220がシートを把持している状態においても、各シートグリッパごとの識別信号を検出することが可能である。
【0057】
また、コンベアベルト203はセンサ穴203aが設けられてなく、シートグリッパ220にグリッパ識別部材224b及びグリッパセンサ穴224aが設けられている。さらに、シートグリッパ220は、コンベアベルト203に対して着脱可能に設けられている。そのため、コンベアベルトの回転移動方向において、各シートグリッパ220をシートサイズに合わせて、コンベアベルト203上の任意の位置に配置することができる。
【0058】
<シートグリッパ位置検出、シート検出>
次に、シートグリッパ220の位置検出、シート検出の動作について説明する。
【0059】
図10に示すように、コンベアベルト203上のシートグリッパ220は、搬送方向Xの向き(ベルトの回転移動方向)に搬送される。前述のようにグリッパ識別部材224bがグリッパセンサ穴224aよりも搬送方向Xにおいて下流側に設けられている。そのため、各シートグリッパにおいて、グリッパセンサ穴224aより先にグリッパ識別部材224bがシート検出センサS1上を通過する。その際に、シートグリッパ220の識別信号、及び位置検出を行う(図10)。その後、シートグリッパ220はそのまま搬送され、グリッパセンサ穴224aがシート検出センサS1上を通過した際に、グリッパアーム221内のシートの有無を検出する(図11、図12)。
【0060】
シート検出方法については、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。上述のように、シートグリッパ220の位置検出及びシート検出はシート検出センサS1で共に検出する。
【0061】
第一実施形態では、シートグリッパ220とシート検出センサS1は共に同じ間隔で配置されており、シートグリッパ220の位置検出はベルト位置検出センサS2により検出してシートグリッパ220が停止した状態でシートの検出を行う。
【0062】
これに対し、上述の第二実施形態では、シートグリッパ220の位置検出及びシート検出は、シートグリッパ220内のグリッパ識別部材224bとグリッパセンサ穴224aを介して行うことが可能である。そのため、シートグリッパ220は、コンベアベルト203上の任意の位置に配置することが可能である。つまり、ユーザが頻繁に使用するシートサイズに合わせて、シートグリッパ220を最適な間隔で配置することができる。
【0063】
例えば、小さいシートをよく使う場合は、図13に示すようにシートグリッパ220同士の間隔を狭くし、また大きいシートをよく使う場合は、図14に示すようにシートグリッパ220同士の間隔を大きくすることが可能である。このようにすることで、ユーザのニーズに柔軟に対応することができる。
【0064】
なお、前述した実施形態では、グリッパアーム221は光を吸収する材質により構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、グリッパアーム221は他の材質を用い、且つグリッパアーム221内のシート検出センサS1の発光部から発光された光が当たる部位に光を吸収する材質で構成されたシート材を貼る構成であってもよい。
【0065】
また、前述した実施形態では、各部のシートを瓦積み状に積載する場合においてシートを正確に検出することを説明したが、他のジョブのシートがシートグリッパに載らない状態であってもシートグリッパ内のシート検出を正確に行えることはいうまでもない。
【0066】
なお、上述した実施形態において、シートグリッパ一つに対してシート1部が積載される構成について説明したが、これに限らない。シートグリッパ一つが把持できるシートの枚数が100枚であるとすれば、それを超えない範囲で複数部のシートが積載可能である。さらに、同じジョブで出力を指定された複数部を、1部ごとにコンベアベルト203のシート搬送方向と直交する幅方向にずらして仕分けする必要がある。
【0067】
また、前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、スキャナ、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられるシート積載装置に本発明を適用することで同様の効果を得ることができる。また、パンチ穴処理やステープル処理、折り処理、製本処理などのシート処理装置により処理がなされたシートやシート束を積載する場合においても同様の効果を得ることができる。
【0068】
また前述した実施形態では、画像形成装置が一体的に有するシート積載装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば画像形成装置に対して着脱自在なシート積載装置であっても良く、該シート積載装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0069】
M1 …コンベア駆動モータ
P …シート
S1 …シート検出センサ
S2 …ベルト位置検出センサ
SL1 …ソレノイド
130 …画像形成装置
200 …シート積載コンベア
203 …コンベアベルト
203a …センサ穴
220 …シートグリッパ
224 …グリッパ土台
224a …グリッパセンサ穴
224b …グリッパ識別部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを積載するシート積載装置及びこのシート積載装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを積載するシート積載装置として、例えば図15に示すように、積載されたシート束を上下のグリッパ66,67により挟持して移動する装置が知られている(特許文献1参照)。このグリッパの近傍には、シート束を検知可能な光透過型のシート検出手段301が、グリッパとともに移動可能に設けられている。このシート検出手段301は、発光部301aと受光部301b、及びプリズム302を有し、発光部301aにより発光された光がプリズム302により回折されて受光部301bへと導かれる。グリッパ内のシート束の検出は、発光部301aにより発光された光がシートに遮光されることで、シート有りと検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−77301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の装置では、発光部301aと受光部301bとプリズム302がグリッパ66,67の近傍に設けられているため、グリッパが移動している状態でもシート有無の監視が行える。
【0005】
しかしながら、発光部301aと受光部301bからの束線をグリッパ66,67の移動範囲にわたって設けなければならず、その束線が絡まないようにする必要もあり、構成が複雑になる。
【0006】
また、グリッパ66,67内にシート束が無い状態であっても、上部グリッパ66の上部に別のシートが発光部301aをふさぐように入り込んでしまうと、シート有りと誤検知してしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、構成を複雑にすることなく、グリッパ内のシート検出を正確に行うことが可能なシート積載装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、シートを積載して回転移動する無端状のベルト部材と、前記ベルト部材に複数設けられ、前記ベルト部材のシート積載面にシートを押さえ付けてシートを挟持する押さえ部材と、前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間に挟持されるシートの有無を検出するためのシート検出手段とを備え、前記シート検出手段は、前記押さえ部材と対向した際にシートの有無を検出する位置であって、前記ベルト部材のシート積載面の下方に固定して設けられた、光を発光する発光部と前記発光部から発光された光を受光する受光部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、押さえ部材とシート検出センサとの間に、挟持すべきシート以外のシートが入らない構成のため、押さえ部材で押さえ付けたシートの有無をより正確に検出することが可能である。つまり、押さえ部材の上部に他のシートが重なっていても押さえ部材内のシート検出が正確に行えるので、複数の押さえ部材を配置し、シートを瓦積み状に積載した状態でも各押さえ部材のシート有無の検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る画像形成装置の断面図
【図2】本発明に係るシート積載コンベアの断面図
【図3】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図4】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図5】本発明に係る画像形成装置及びシート積載コンベア制御部のブロック図
【図6】本発明に係るシート積載コンベアの動作説明図
【図7】本発明に係るシート積載コンベアの動作説明図
【図8】本発明に係るシート積載コンベア部の動作を示すフローチャート
【図9】本発明に係るシートグリッパの斜視図
【図10】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図11】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図12】本発明に係るシートグリッパの断面図
【図13】本発明に係るシート積載コンベアの断面図
【図14】本発明に係るシート積載コンベアの断面図
【図15】従来のグリッパとシート検出手段の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
〔第一実施形態〕
本実施形態に係るシート積載装置及びこのシート積載装置を備えた画像形成装置について説明する。
【0013】
(画像形成装置)
図1はシート積載装置としてのシート積載コンベア200、及びこれを排出部に備えた画像形成装置130の断面構成図である。図1に示すように、画像形成装置130は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する、平行に配置された4つの画像形成部が設けられている。各画像形成部は、それぞれ像担持体である感光体ドラムa(イエロー)・b(マゼンタ)・c(シアン)・d(ブラック)を有している。これら感光体ドラムa〜dの上部には、これを縦断する態様で配置された転写搬送手段である中間転写ベルト102が設けられている。
【0014】
不図示のモータにより駆動される感光体ドラムa・b・c・dの周囲には、それぞれ感光体ドラムに作用する不図示のプロセス手段(一次帯電器、現像器、転写帯電器)が配置され、それらがプロセスカートリッジ101a〜101dとしてユニット化されている。また感光体ドラムa〜dの下方にはポリゴンミラー等で構成される露光装置106が配置される。
【0015】
まず、感光体ドラムaには、原稿のイエロー成分色の画像信号によるレーザー光が露光装置106のポリゴンミラー等を介して投射され、感光体ドラムa上に静電潜像が形成される。これに現像器からイエロートナーを供給して現像し、静電潜像がイエロートナー像として可視化される。このトナー像が感光体ドラムaの回転にともなって、感光体ドラムaと中間転写ベルト102とが当接する1次転写部位に到達する。そして、転写帯電部材102aに印加した1次転写バイアスによって、感光体ドラムa上のイエロートナー像が中間転写ベルト102に転写される(1次転写)。
【0016】
中間転写ベルト102のイエロートナー像を担持した部位は次の画像形成部に移動する。次の画像形成部では上記と同様な方法で感光体ドラムb上にマゼンタトナー像が形成され、このマゼンタトナー像がイエロートナー像上から中間転写ベルト102に転写される。同様に、中間転写ベルト102が移動するにつれて、各画像形成部のそれぞれの1次転写部位においてシアントナー像、ブラックトナー像が、前記イエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。
【0017】
一方、シートPは下方に設けられたカセット104に収納されている。シートPは、カセット104からピックアップローラ108により1枚ずつ送り出され、レジストローラ109でタイミングを合わされた後、2次転写部位に達する。そして、2次転写ローラ対103に印加した2次転写バイアスによって、中間転写ベルト102上の4色のトナー像がシートP上に一括して転写される(2次転写)。
【0018】
4色のトナー像が転写されたシートPは、搬送ガイド120に案内されて定着ローラ対105に搬送され、そこで熱および圧力を受けて定着され、これにより各色のトナーが溶融混色してシートPに固定されたフルカラーのプリント画像とされる。その後、定着ローラ対105の下流に設けられた排出ローラ対110によってシート積載コンベア200へと搬送される。
【0019】
(シート積載コンベア)
次に、図2を用いて排出されたシートを積載し、順次下流側へと搬送するシート積載コンベア200について説明する。
【0020】
画像形成装置130により画像形成されたシートは排出パス121、排出ローラ対122を介してシート積載コンベア200へ排出、積載される。
【0021】
シート積載コンベア200は、コンベア駆動プーリ202とコンベアプーリ201にコンベアベルト203が掛けられ、コンベア駆動モータM1により駆動されることでコンベアベルト203上に積載されたシートを搬送する。すなわち、コンベアベルト203は、無端状のベルト部材であり、シートを積載して回転移動する。
【0022】
コンベアベルト203の外周面(シート積載面)の面上には、シートの後端中央を前記外周面に押さえ付けることが可能な押さえ部材としてのシートグリッパ220(220a〜220k)がベルト搬送方向に一定間隔で複数設けられている。シートグリッパ220は、コンベアベルト203の外周面にシートを押さえ付けてシートを挟持する。コンベアベルト203の外周面の幅は挟持されるシートの幅よりも狭い。
【0023】
また、コンベアベルト203に囲まれた領域(シート積載面とは反対側の内周面側)には、シート検出手段としてのシート検出センサS1がシートグリッパ220の配置間隔と同じ間隔で複数固定して配置されている。シート検出センサS1は、シートグリッパ220と対向する位置に設けられており、シートグリッパ220がシート検出センサS1の真上に位置する時にシートグリッパ220内のシート検出を行う。詳細なシートの検出方法については後述する。
【0024】
排出ローラ対122の近傍には、シートグリッパ220の把持を解除するためのソレノイドSL1が配置されている。ソレノイドSL1は、シートがシート積載コンベア200に排出される際に、排出ローラ対122近傍で停止しているシートグリッパ220のグリッパアーム221を持ち上げて開放状態に維持するものである。
【0025】
(シートグリッパ)
次に図3、図4を用いてコンベアベルト203に積載されたシートをコンベアベルト203の外周面に押さえ付けるためのシートグリッパ220の詳細について説明する。図3、図4は、シートグリッパ220の断面図である。
【0026】
シートグリッパ220は、グリッパアーム221とグリッパ土台224がグリッパ回動軸223を介して接続されており、グリッパ土台224はコンベアベルト203に固定されている。グリッパアーム221は、グリッパ回動軸223を中心に回動するが、グリッパバネ222により、常に、コンベアベルト203へ押し付ける方向に付勢されている。
【0027】
グリッパバネ222の付勢力は、シートグリッパ220がシートを把持した状態で搬送したときに、シートがずれたり、抜け落ちたりしない力であり、かつ、ユーザがシートグリッパ220からシートを容易に引き抜ける程度の力に設定されている。
【0028】
コンベアベルト203に囲まれた領域(内周面側)には、シートグリッパ220内のシートの有無を検出するシート検出センサS1が画像形成装置130の本体内側板から突出したセンサ取付板131に固定されている。シート検出センサS1は、光を発光する発光部(不図示)と、発光部より発光され反射された光を受光する受光部(不図示)とを有している。
【0029】
コンベアベルト203のグリッパアーム221近傍には、センサ穴203aが開けられている。このコンベアベルト203に設けられたセンサ穴203aは、シート検出センサS1から発光された光をグリッパアーム221まで通過させるための光路穴である。光路穴を設ける代わりに、コンベアベルト203を、光を透過する材質で構成しても良い。
【0030】
グリッパアーム221は、光を吸収する材質で構成されている。そのため、図3に示すようにシートPがグリッパアーム221内に無い状態であると、シート検出センサS1から発光された光は、グリッパアーム221に到達して吸収され、シート検出センサS1の受光部まで光が反射されない。これにより、シート検出センサS1は、グリッパアーム221内にシート無しと検出する。
【0031】
一方、図4に示すように、シートPがグリッパアーム221内にある場合は、シート検出センサS1の発光部から発光された光は、シートに反射して受光部に到達する。これにより、シート検出センサS1は、グリッパアーム221内にシート有りと検出する。
【0032】
シートの検出は、シートグリッパ220が取り付けられたコンベアベルト203が移動し、コンベアベルト203に設けた各センサ穴203aが、固定配置された各センサS1の真上に停止したときに検出が可能になる。このときのコンベアベルト203の位置情報は、ベルト位置検出センサS2(図5参照)により検出する。
【0033】
(制御部)
図5は画像形成装置及びシート積載コンベアを制御する装置制御部のブロック図である。図5に示すように、CPU回路部630は、CPU629、ROM631、RAM650を有している。CPU回路部630は、画像信号制御部634、プリンタ制御部635、シート積載コンベア制御部640、外部インターフェイス637を制御している。
【0034】
CPU回路部630は、ROM631に格納されているプログラムの設定に従って制御する。プリンタ制御部635は画像形成装置130の装置本体を制御する。シート積載コンベア制御部640はシート積載コンベア200を制御し、シート積載コンベア200内のシート検出センサS1、ベルト位置検出センサS2の信号を元にコンベア駆動モータM1、グリッパ開放ソレノイドSL1を制御する。
【0035】
本実施の形態においては、シート積載コンベア制御部640をシート積載コンベア200に搭載した構成について説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。制御部を、CPU回路部630と一体的に画像形成装置130に設け、画像形成装置130側からシート積載コンベア200を制御するようにしてもよい。
【0036】
RAM650は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インターフェイス637は、コンピュータ(PC)620からのインターフェイスであり、プリントデータを画像に展開して画像信号制御部634へ出力する。画像信号制御部634からプリンタ制御部635へ出力された画像は露光制御部へ入力される。
【0037】
<シート積載コンベアの動作の説明>
次に図6〜図8を用いて、シート積載コンベア200の動作を説明する。図6、図7はシート積載コンベア200の動作説明図であり、図8はシート積載コンベア200動作のフローチャートである。
【0038】
画像形成装置130により画像形成ジョブが開始されると、シート積載コンベア200上のシートグリッパ220が排出ローラ対122の近傍のシート受け入れ位置にあるかをベルト位置検出センサS2により検出する(S100,S101)。シートグリッパ220がシート受け入れ位置に無い場合は、コンベアベルト203をコンベア駆動モータM1によりシート受け入れ位置まで移動させる(S102)。
【0039】
次に、シート受け入れ位置のシートグリッパ220内にシートの有無をシート受け入れ位置の近傍に配置されたシート検出センサS1aにより検出する(S103,S104)。このとき、シート有りと検出した場合は、シートグリッパ220内に前回までに出力された別ジョブのシートP1が残っていることになる。この場合、別ジョブと入り混じることを防ぐため、別ジョブのシートP1を把持しているシートグリッパ220aを下流へと移動させ(S105)、次のシートグリッパ220bがシート受け入れ位置に到達するまで移動させる(S106,S107)。
【0040】
その後、シート受け入れ位置に待機したシートグリッパ220内にシートが無いことを検出すると、グリッパ開放ソレノイドSL1によりグリッパアーム221を持ち上げてシートグリッパ220を開放する(S108)。このように、シートグリッパ220内にシートが入り込める状態にした後に、画像形成されたシートP2が排出ローラ対122からシート積載コンベア200へと排出される(S109、図6)。
【0041】
そして、1部の内の最終シートが排出されると(S110,S111)、グリッパ開放ソレノイドSL1が解除される。これにより、シートグリッパ220はグリッパバネ222の付勢力によりシートP2をコンベアベルト203の外周面上に押し付けてシートP2を把持した状態(S112、図7)となり、シート1部の排出が完了する。
【0042】
複数部を出力するジョブの場合は上述の動作を1部ごとに行うことで、排出されるシートの各部が混ざることを防ぎ、1部ごとのシートの仕分けを行う。
【0043】
また、シート受け入れ位置にシートグリッパ220が位置している場合、シート積載コンベア200の上半分側のシートグリッパは、複数個配置されたシート検出センサS1の真上(シートグリッパと対向する位置)に位置している。そのため、前回までのジョブで排出されたシートの有無、及びコンベアベルト上での位置を検出することができ、画像形成装置、もしくはPCを介してユーザに既積載シート位置を提示することが可能である。
【0044】
また、瓦積み状に仕分けされて積載されている複数部のシートのうちの1部をユーザがシート積載コンベア200から持ち出すと、そのシートを把持していたシートグリッパ220はシートがなくなるため、シート無しと検出される。つまり、瓦積み状に積載されている状態でも途中のシートが持ち出されてシートグリッパ220が空き状態になったことを正確に検出することができる。また、その空きシートグリッパ220を再度シート受け入れ位置へ移動させて新しいジョブのシートを受け入れることで、仕分けることの出来る部数を最大限にすることも可能である。
【0045】
上述の実施形態において、各ジョブでシート積載コンベア200に排出されたシートは、1部ごとにシートグリッパ220によって把持されている。しかしながら、このシートグリッパ220の把持力は、ユーザが手で引き抜ける把持力であるため、どのタイミングでも適宜ユーザがシートをシート積載コンベア200から持ち出すことができる。
【0046】
上述の実施形態において、各シートグリッパ220は、シートをグリッパアーム221内に入れることができるのは、シート受け入れ位置にある場合のみである。つまり、1部ごとの排出動作が完了して一度シートを把持すると、他のシートは入り込むことはできない。そのため、他の部のシートが図7のようにシートグリッパ200aの上に積載されている状態であっても、コンベアベルト203の内側に配置されたシート検出センサS1とグリッパアーム221の間にあるシートP1の検出が常に正確に検出することができる。
【0047】
つまり、シート積載コンベア上で仕分けできる部数を多くしたい場合は、各部のシートを瓦積み状に積載できるようにシートグリッパ220同士の間隔を小さくすることが考えられる。しかしながら、その状態においても、各シートグリッパ220内のシート検出を正確に行うことができる。そのため、各部ごとのシート位置情報をユーザに提示することが可能である。
【0048】
特に、仕分け数が多くなるほど、ユーザはシート積載コンベア200から特定のシートを取り出すことが困難になるが、その場合においても正確にシート位置を提示することが可能である。そのため、シートを取り出す際の利便性が向上するという効果が得られる。
【0049】
〔第二実施形態〕
次に第二実施形態を図9〜図14を用いて説明する。図9は、シートグリッパ220の斜視図、図10〜図12はシートグリッパ220の断面図、図13と図14はシート積載コンベア200の断面図を示している。
【0050】
前述した実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態では、シートグリッパ220のグリッパ土台224は、コンベアベルト203のシート積載面の面上ではなく、図9に示すように、コンベアベルト203のシート積載面の端部外側に設けられている。また、シート検出センサS1は、シートグリッパ220のグリッパ土台224と対向する、コンベアベルト203のシート搬送方向と直交する幅方向端部の外側に固定して設けられている。グリッパアーム221は、コンベアベルト203の外周面にシートを押さえ付けてシートを挟持する。
【0052】
さらに本実施形態では、コンベアベルト203にセンサ穴203aがなく、図9に示すようにシートグリッパ220のグリッパ土台224にグリッパセンサ穴(光路穴)224aが設けられている。また、グリッパ土台224には各グリッパを識別するためのグリッパ識別部材224bが設けられている。
【0053】
図10、図11に示すようにグリッパセンサ穴224aとグリッパ識別部材224bは、センサS1の真上を通過する位置に配置されている。また、グリッパ識別部材224bはグリッパセンサ穴224aよりも搬送方向(矢印X)下流に設けられている。
【0054】
グリッパ識別部材224bは、各シートグリッパごとに光の反射率が異なる幾何模様を有している。具体的には、グリッパ識別部材224bは、シート検出センサS1の発光部より発光された光を反射する部位と光を吸収する部位とで構成されている。グリッパ識別部材224bは、シートグリッパ220の搬送方向(矢印X)と垂直方向に平行な幾何模様を形成している。
【0055】
そして、シートグリッパ220のグリッパ識別部材224bがセンサS1の上を通過した際にセンサS1の受光部へと反射された受光パターンを信号として捕らえる。この幾何模様のパターンを各シートグリッパ220に対して固有のものを設定することで、各シートグリッパ220を識別することができる。また、このとき同時に各シートグリッパの位置情報としても検出することができる。
【0056】
このグリッパ識別部材224bは、コンベアベルト203のシート積載面となる外周面側ではなく、シート積載面とは反対側となる内周面側に設けられている。そのため、シート検出センサS1は、シートグリッパ220がシートを把持している状態においても、各シートグリッパごとの識別信号を検出することが可能である。
【0057】
また、コンベアベルト203はセンサ穴203aが設けられてなく、シートグリッパ220にグリッパ識別部材224b及びグリッパセンサ穴224aが設けられている。さらに、シートグリッパ220は、コンベアベルト203に対して着脱可能に設けられている。そのため、コンベアベルトの回転移動方向において、各シートグリッパ220をシートサイズに合わせて、コンベアベルト203上の任意の位置に配置することができる。
【0058】
<シートグリッパ位置検出、シート検出>
次に、シートグリッパ220の位置検出、シート検出の動作について説明する。
【0059】
図10に示すように、コンベアベルト203上のシートグリッパ220は、搬送方向Xの向き(ベルトの回転移動方向)に搬送される。前述のようにグリッパ識別部材224bがグリッパセンサ穴224aよりも搬送方向Xにおいて下流側に設けられている。そのため、各シートグリッパにおいて、グリッパセンサ穴224aより先にグリッパ識別部材224bがシート検出センサS1上を通過する。その際に、シートグリッパ220の識別信号、及び位置検出を行う(図10)。その後、シートグリッパ220はそのまま搬送され、グリッパセンサ穴224aがシート検出センサS1上を通過した際に、グリッパアーム221内のシートの有無を検出する(図11、図12)。
【0060】
シート検出方法については、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。上述のように、シートグリッパ220の位置検出及びシート検出はシート検出センサS1で共に検出する。
【0061】
第一実施形態では、シートグリッパ220とシート検出センサS1は共に同じ間隔で配置されており、シートグリッパ220の位置検出はベルト位置検出センサS2により検出してシートグリッパ220が停止した状態でシートの検出を行う。
【0062】
これに対し、上述の第二実施形態では、シートグリッパ220の位置検出及びシート検出は、シートグリッパ220内のグリッパ識別部材224bとグリッパセンサ穴224aを介して行うことが可能である。そのため、シートグリッパ220は、コンベアベルト203上の任意の位置に配置することが可能である。つまり、ユーザが頻繁に使用するシートサイズに合わせて、シートグリッパ220を最適な間隔で配置することができる。
【0063】
例えば、小さいシートをよく使う場合は、図13に示すようにシートグリッパ220同士の間隔を狭くし、また大きいシートをよく使う場合は、図14に示すようにシートグリッパ220同士の間隔を大きくすることが可能である。このようにすることで、ユーザのニーズに柔軟に対応することができる。
【0064】
なお、前述した実施形態では、グリッパアーム221は光を吸収する材質により構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、グリッパアーム221は他の材質を用い、且つグリッパアーム221内のシート検出センサS1の発光部から発光された光が当たる部位に光を吸収する材質で構成されたシート材を貼る構成であってもよい。
【0065】
また、前述した実施形態では、各部のシートを瓦積み状に積載する場合においてシートを正確に検出することを説明したが、他のジョブのシートがシートグリッパに載らない状態であってもシートグリッパ内のシート検出を正確に行えることはいうまでもない。
【0066】
なお、上述した実施形態において、シートグリッパ一つに対してシート1部が積載される構成について説明したが、これに限らない。シートグリッパ一つが把持できるシートの枚数が100枚であるとすれば、それを超えない範囲で複数部のシートが積載可能である。さらに、同じジョブで出力を指定された複数部を、1部ごとにコンベアベルト203のシート搬送方向と直交する幅方向にずらして仕分けする必要がある。
【0067】
また、前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、スキャナ、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられるシート積載装置に本発明を適用することで同様の効果を得ることができる。また、パンチ穴処理やステープル処理、折り処理、製本処理などのシート処理装置により処理がなされたシートやシート束を積載する場合においても同様の効果を得ることができる。
【0068】
また前述した実施形態では、画像形成装置が一体的に有するシート積載装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば画像形成装置に対して着脱自在なシート積載装置であっても良く、該シート積載装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0069】
M1 …コンベア駆動モータ
P …シート
S1 …シート検出センサ
S2 …ベルト位置検出センサ
SL1 …ソレノイド
130 …画像形成装置
200 …シート積載コンベア
203 …コンベアベルト
203a …センサ穴
220 …シートグリッパ
224 …グリッパ土台
224a …グリッパセンサ穴
224b …グリッパ識別部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを積載して回転移動する無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材に複数設けられ、前記ベルト部材のシート積載面にシートを押さえ付けてシートを挟持する押さえ部材と、
前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間に挟持されるシートの有無を検出するためのシート検出手段とを備え、
前記シート検出手段は、前記押さえ部材と対向した際にシートの有無を検出する位置であって、前記ベルト部材のシート積載面の下方に固定して設けられた、光を発光する発光部と前記発光部から発光された光を受光する受光部とを有することを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記押さえ部材は、光を吸収する材質により構成されており、
前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間にシートが有るときは前記発光部から発光された光がシートに反射されて前記受光部により受光され、前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間にシートが無いときは前記発光部から発光された光が前記押さえ部材により吸収されて反射されないことを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記押さえ部材は、前記ベルト部材のシート積載面の面上に設けられ、
前記ベルト部材は、前記シート検出手段と前記押さえ部材とが対向する位置に前記光を通過させるための光路穴を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記押さえ部材は、前記ベルト部材のシート積載面の端部外側に設けられ、
前記押さえ部材は、前記押さえ部材を前記ベルト部材に取り付ける土台に、前記シート検出手段と前記押さえ部材とが対向する位置に前記光を通過させるための光路穴を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記押さえ部材は、各押さえ部材ごとに光の反射率が異なる幾何模様を有した識別部材を有し、
前記シート検出手段は、前記識別部材により各押さえ部材の識別及び位置を検出することを特徴とする請求項4に記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の回転移動方向において任意の位置に着脱可能であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシート積載装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部と、画像が形成されたシートを積載する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシート積載装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
シートを積載して回転移動する無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材に複数設けられ、前記ベルト部材のシート積載面にシートを押さえ付けてシートを挟持する押さえ部材と、
前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間に挟持されるシートの有無を検出するためのシート検出手段とを備え、
前記シート検出手段は、前記押さえ部材と対向した際にシートの有無を検出する位置であって、前記ベルト部材のシート積載面の下方に固定して設けられた、光を発光する発光部と前記発光部から発光された光を受光する受光部とを有することを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記押さえ部材は、光を吸収する材質により構成されており、
前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間にシートが有るときは前記発光部から発光された光がシートに反射されて前記受光部により受光され、前記押さえ部材と前記ベルト部材のシート積載面との間にシートが無いときは前記発光部から発光された光が前記押さえ部材により吸収されて反射されないことを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記押さえ部材は、前記ベルト部材のシート積載面の面上に設けられ、
前記ベルト部材は、前記シート検出手段と前記押さえ部材とが対向する位置に前記光を通過させるための光路穴を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記押さえ部材は、前記ベルト部材のシート積載面の端部外側に設けられ、
前記押さえ部材は、前記押さえ部材を前記ベルト部材に取り付ける土台に、前記シート検出手段と前記押さえ部材とが対向する位置に前記光を通過させるための光路穴を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記押さえ部材は、各押さえ部材ごとに光の反射率が異なる幾何模様を有した識別部材を有し、
前記シート検出手段は、前記識別部材により各押さえ部材の識別及び位置を検出することを特徴とする請求項4に記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の回転移動方向において任意の位置に着脱可能であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシート積載装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部と、画像が形成されたシートを積載する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシート積載装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−28471(P2013−28471A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118255(P2012−118255)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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