説明

シールド掘進機

【課題】 種々の断面形状のトンネルを掘削でき、構造を簡単化でき、掘削能力が高く、強度的また耐久性の面で優れ、あらゆる土質を含む地山を掘削する場合に対応できる、シールド掘進機を提供する。
【解決手段】 掘進機本体2の前端側部分に第1軸心A1の回りに回転可能に支持された回転ドラム40、回転ドラム40に第2軸心A2の回りに回転可能に支持されたカッター支持フレーム50、カッター支持フレーム50に第3軸心A3の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット61を装備した回転型カッター60、回転ドラム40に第4軸心A4の回りに回転可能に支持された回転型補助カッター70、回転ドラム40とカッター支持フレーム50と回転型カッター60と回転型補助カッター70を夫々独立に回転駆動する第1〜第4回転駆動機構45,55,65,75を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は種々の断面形状のトンネルを掘削可能なシールド掘進機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シールド掘進機は、胴体を含む掘進機本体と、掘進機本体を推進させる複数のシールドジャッキと、掘進機本体の前端側の地山を掘削する掘削装置とを備えている。一般に、掘進機本体の胴体は円筒状に形成され、掘削装置においては、胴体と同径のカッターヘッドの前面に複数のカッタービットが装備され、このカッターヘッドが、掘進機本体の前端側部分に掘進機本体の中心軸の回りに回転可能に支持されると共に、複数の油圧モータにより回転駆動されて、円形断面のトンネルを掘削する。
【0003】
ところで、近年、円形断面以外に矩形断面や長円形断面等の種々の断面形状のトンネルを掘削可能なシールド掘進機が開発され、今までに、この種のシールド掘進機が実用化されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
特許文献1のシールド掘進機では、ディスクカッターが掘進機本体に掘進機本体の中心軸の回りに回転可能に支持され、このディスクカッターのディスク本体に遊星カッターが回転可能に支持されている。複数の油圧モータによりディスク本体が回転駆動されると、遊星カッターは、ディスク本体と一体的に公転すると共に、遊星歯車機構によりディスク本体の回転に同期連動して自転する。所定の断面形状のトンネルを掘削可能に、遊星カッターの輪郭形状が遊星カッターの自転数と公転数との比に応じて設定される。
【0005】
特許文献2のシールド掘進機では、放射状に延びる4本のスポークに4本の伸縮腕が夫々油圧ジャッキにより径方向へ伸縮可能に連結され、各伸縮腕にコーナーカッターとコーナーカッターを回転駆動する油圧モータが取付けられている。
【0006】
特許文献3のシールド掘進機では、掘進機本体の中心軸と同心の軸を持つ固定軸に固定歯車が固定的に設けられ、この固定歯車に遊星歯車が噛合し、遊星歯車に第1歯車が噛合している。第1ケーシングが固定軸の回りに回転可能に設けられ、この第1ケーシングに固定歯車と遊星歯車と第1歯車が収容され、遊星歯車が第1ケーシングに回転可能に支持されている。第1ケーシングの先端部分から第2ケーシングが前方へ突出しており、第2ケーシングの中空軸部の後端部分が第1ケーシングに回転可能に内嵌され、その中空軸部に第1歯車が外嵌状に固定されている。
【0007】
第2ケーシングの中空軸部に軸部材が回転可能に挿通され、この軸部材の前端部に第2歯車が固定的に設けられ、この第2歯車に第3歯車が噛合している。中空腕部に第2,第3歯車が収容されると共に回転可能に支持され、第3歯車にカッターが固定的に設けられている。ケーシング駆動モータにより、カッターが第1,第2ケーシングを介して固定軸の回りに回転駆動され、これと同期連動して、カッターが固定,遊星,第1歯車、第2ケーシングを介して軸部材の回りに回転駆動される。所定の断面形状のトンネルを掘削可能に、固定歯車と第1歯車の歯数の比が設定される。カッターは掘進機本体側に設けたカッター駆動モータにより軸部材、第2,第3歯車等を介して独立に回転駆動され自転する。
【0008】
【特許文献1】特許第2898968号公報
【特許文献2】特開2001−55890号公報
【特許文献3】特開平9−119288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3のシールド掘進機では、種々の断面形状のトンネルを掘削可能に構成できる。しかし、所定の断面形状のトンネルを掘削するために、特許文献1の技術では、遊星カッターの輪郭形状を遊星カッターの自転数と公転数との比に応じて設定しなければならないし、特許文献3の技術では、固定歯車と第1歯車の歯数の比を設定しなければならない。つまり、前記所定の断面形状以外の断面形状のトンネルを掘削する場合には、前記設定を変更しなければならないが、その設定変更は非常に大変であり、当然、掘削途中のトンネルの断面形状を変更することも不可能であり、汎用性が極めて低い。
【0010】
特許文献2のシールド掘進機は、スポークタイプのカッターヘッドを備えたものであり、各スポークに伸縮腕が径方向へ伸縮可能に連結されているため、特に伸縮腕を大きく伸長した状態では、伸縮腕に大きな回転抵抗が作用するため、その伸縮腕や伸縮腕をスポークに連結する部分において、強度的にまた耐久性の面で問題が生じる。例えば、このシールド掘進機を、非常に固い岩盤等の地質を含む地山を掘削するシールド掘進機として適用する場合には、実用に耐えない可能性が高い。
【0011】
特許文献3のシールド掘進機では、カッターを固定軸の回りに回転させると共に、これと同期連動させて軸部材の回りに回転させるために、更には、カッターを掘進機本体側に設けたカッター駆動モータにより独立に回転駆動するために、第1,第2ケーシング、固定歯車、遊星歯車、第1〜第3歯車等を有する非常に複雑な構造となり、製作コスト的にも不利である。また、カッターを固定軸の回りに回転駆動し且つカッターを軸部材の回りに回転駆動する非常に大きな力を第1,第2ケーシングに入力し伝達させることになるため、その点、強度的にまた耐久性の面で問題が生じる虞がある。
【0012】
本発明の目的は、種々の断面形状のトンネルを掘削でき、掘削するトンネルの断面形状の変更を簡単に行うことができ、汎用性が極めて高く、構造を簡単化でき、掘削能力が高く、強度的また耐久性の面で優れ、あらゆる土質を含む地山を掘削する場合に対応できる、シールド掘進機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1のシールド掘進機は、胴体を含む掘進機本体と、掘進機本体を推進させる複数のシールドジャッキと、掘進機本体の前端側の地山を掘削する掘削手段とを備えたシールド掘進機において、前記掘進機本体の前端側部分に掘進機本体の中心軸と平行な第1軸心の回りに回転可能に支持された第1回転部材と、前記第1回転部材を回転駆動する第1回転駆動手段と、前記第1回転部材に前記第1軸心と平行で且つこの第1軸心から離隔した位置にある第2軸心の回りに回転可能に支持された第2回転部材と、前記第2回転部材を第1回転部材に対して第1回転駆動手段とは独立に回転駆動する第2回転駆動手段と、前記第2回転部材に前記第2軸心と平行で且つこの第2軸心から離隔した位置にある第3軸心の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備した回転型カッターと、前記回転型カッターを第2回転部材に対して第1,第2回転駆動手段とは独立に回転駆動する第3回転駆動手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
このシールド掘進機では、胴体を含む掘進機本体が複数のシールドジャッキにより推進され、掘削手段により掘進機本体の前端側の地山が掘削され、この掘削手段として、第1回転部材、第2回転部材、回転型カッター、第1〜第3回転駆動手段が設けられている。掘進機本体の前端側部分に第1回転部材が第1軸心の回りに回転可能に支持され、第1回転部材に第2回転部材が第2軸心の回りに回転可能に支持され、第2回転部材に回転型カッターが第3軸心の回りに回転可能に支持されている。第1軸心は掘進機本体の中心軸と平行で、第2軸心は第1軸心と平行で且つ第1軸心から離隔した位置にあり、第3軸心は第2軸心と平行で且つ第2軸心から離隔した位置にある。
【0015】
第1回転駆動手段により第1回転部材が第1軸心の回りに回転駆動されて、第2回転部材と回転型カッターも一体的に第1軸心の回りに回転し、第2回転駆動手段により第2回転部材が第1回転部材に対して第2軸心の回りに回転駆動されて、回転型カッターも一体的に第2軸心の回りに回転し、第3回転駆動手段により回転型カッターが第2回転部材に対して第3軸心の回りに回転駆動され、これら第1〜第3回転駆動手段は、第1回転部材、第2回転部材、回転型カッターを夫々独立に駆動する。
【0016】
第1軸心と第2軸心との距離をR、第2軸心と第3軸心との距離をr(<R)、第3軸心を中心とする回転型カッターの掘削半径をeとした場合、正面視にて、第2軸心の移動軌跡は第1軸心を中心とする半径Rの円周になり、第3軸心の移動軌跡は第2軸心を中心とする半径rの円周になり、回転型カッターで掘削可能な掘削可能範囲は、R≦(r+e)の場合、第1軸心を中心とする半径(R+r+e)の円になり、R>(r+e)の場合、第1軸心を中心とする半径(R−(r+e))の円周と半径(R+r+e)の円周との間のリング状部分になる。
【0017】
第1,第2回転駆動手段により第1,第2回転部材を夫々独立駆動するため、これら第1,第2回転駆動手段を制御することで、回転型カッターを前記掘削可能範囲内で自由に移動させ、第1軸心からトンネル内面までの距離を、最大(R+r+e)となる所定距離以上の自由な距離に変化させて、種々の自由な断面形状のトンネルを掘削可能になる。
【0018】
請求項1の発明において、次の構成を採用可能である。
前記掘進機本体は、掘削土を回収可能なチャンバーと、そのチャンバーの後端を仕切る隔壁とを有し、前記第1回転部材は、前記隔壁の一部を構成する板部材を有する回転ドラムからなる(請求項2)。或いは、前記第1回転部材は、前記隔壁の前側に配置されて放射状に延びる1又は複数のスポークを備えた回転部材からなる。
【0019】
前記第1回転駆動手段は、掘進機本体に取付けられた複数の第1アクチュエータを有し、前記第2回転駆動手段は、第1回転部材に取付けられた複数の第2アクチュエータを有し、前記第3回転駆動手段は、第2回転部材に取付けられた複数の第3アクチュエータを有する(請求項3)。尚、第1〜第3アクチュエータを第1〜第3油圧モータとすることが好ましい。前記第2回転部材は、第1回転部材の外周部付近に回転可能に支持されたカッター支持フレームからなり、前記第2回転部材と回転型カッターは、正面視にて回転型カッターが第1回転部材の外周よりも外側へ移動可能に構成する(請求項4)。
【0020】
前記回転型カッターは、円形の前面とこの前面の外周に連なる円筒状外周面とを有し、前記前面と円筒状外周面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備する。或いは、前記回転型カッターは、円形の前面とこの前面の外周に連なる環状テーパ面とこの環状テーパ面の後端に連なる円筒状外周面とを有し、前記前面と環状テーパ面と円筒状外周面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備する。
【0021】
前記第2回転部材に異なる複数の第3軸心の回りに夫々回転可能に支持された複数の回転型カッターと、これら複数の回転型カッターを夫々回転駆動する複数の第3回転駆動手段とを備える(請求項5)。前記第1回転部材に異なる複数の第2軸心の回りに夫々回転可能に支持された複数の第2回転部材と、これら複数の第2回転部材を夫々回転駆動する複数の第2回転駆動手段とを備える(請求項6)。前記第1〜第3回転駆動手段を駆動制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、掘削するトンネルの断面形状に応じて第1回転部材の基準位相角からの回転位相角に対応付けて第2回転部材の回転角を制御するように、第1,第2回転駆動手段を制御する(請求項7)。
【0022】
前記第1回転部材に前記第1軸心と平行で且つこの第1軸心と前記第2軸心から離隔した位置にある第4軸心の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備した回転型補助カッターと、前記回転型補助カッターを回転駆動する第4回転駆動手段とを備える(請求項8)。前記第2回転部材の第2軸心と回転型補助カッターの第4軸心とが、第1回転部材の第1軸心に対して対称位置になるように設定する。前記チャンバーの内部に配置され第1回転部材に回転可能に支持された攪拌羽根と、前記攪拌羽根を回転駆動する攪拌羽根回転駆動手段とを備える(請求項9)。
【0023】
回転型カッターはカッタービット又はローラカッターを取付けるカッターフレームを有し、カッターフレームの内部に前記隔壁側から作業者が入り込めてカッタービット又はローラカッターを交換可能な作業スペースを形成する。前記回転型カッターに加泥材を供給して回転型カッターの前方へ噴射させる加泥材供給手段を備える。前記攪拌羽根に加泥材を供給して攪拌羽根の前方へ噴射させる加泥材供給手段を備える。
【発明の効果】
【0024】
請求項1のシールド掘進機によれば、掘進機本体の前端側部分に掘進機本体の中心軸と平行な第1軸心の回りに回転可能に支持された第1回転部材、第1回転部材を回転駆動する第1回転駆動手段、第1回転部材に第1軸心と平行で第1軸心から離隔した位置にある第2軸心の回りに回転可能に支持された第2回転部材、第2回転部材を第1回転部材に対して第1回転駆動手段とは独立に回転駆動する第2回転駆動手段、第2回転部材に第2軸心と平行で且つ第2軸心から離隔した位置にある第3軸心の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備した回転型カッター、回転型カッターを第2回転部材に対して第1,第2回転駆動手段とは独立に回転駆動する第3回転駆動手段とを備えた。
【0025】
従って、種々の自由な断面形状のトンネルを掘削することが可能になり、所定の断面形状のトンネルを掘削する場合、その断面形状に応じて第1回転部材の基準位相角からの回転位相角に対応付けて第2回転部材の回転角を制御するように、第1,第2回転駆動手段を駆動制御することで実現できる。つまり、第1,第2回転駆動手段の制御を変更することで、機械的な構造を変更することなく、掘削するトンネルの断面形状の変更を簡単に行うことができ、掘削途中のトンネルの断面形状を変更することも可能であり、汎用性が極めて高くなる。トンネルのカーブ部分を掘削する場合等、トンネルを少し拡大するために地山を余掘りする必要がある場合でも、その余掘りを回転型カッターで行うことができ、既存のコピーカッターを省略することが可能になる。
【0026】
しかも、第1〜第3回転駆動手段により第1,第2回転部材、回転型カッターを独立に回転駆動するため、第1,第2回転部材、回転型カッターを連動連結させる複雑な構造が不要となり、構造を簡単化でき、製作コスト的にも有利になり、更に、実質的に回転型カッターを第1軸心の回りにも第2軸心の回りにも第3軸心の回りにも回転させることが可能であり、回転型カッターの軌道を能率よく掘削できる軌道に設定することもできるため、掘削能力が非常に高くなり、強度的また耐久性の面で優れたものに構成することができ、依って、あらゆる土質を含む地山を掘削する場合に対応することが可能になる。
【0027】
請求項2のシールド掘進機によれば、掘進機本体は、掘削土を回収可能なチャンバーと、そのチャンバーの後端を仕切る隔壁とを有し、第1回転部材は、隔壁の一部を構成する板部材を有する回転ドラムからなるので、第1回転部材の回転方向に対する強度、剛性が非常に高くなり、強度的また耐久性の面で非常に優れたものとなる。
【0028】
請求項3のシールド掘進機によれば、第1回転駆動手段は、掘進機本体に取付けられた複数の第1アクチュエータを有し、第2回転駆動手段は、第1回転部材に取付けられた複数の第2アクチュエータを有し、第3回転駆動手段は、第2回転部材に取付けられた複数の第3アクチュエータを有するので、第1回転部材、第2回転部材、回転型カッターを夫々独立に確実に回転駆動でき、第1〜第3回転駆動手段の構造も簡単化できる。
【0029】
請求項4のシールド掘進機によれば、第2回転部材は、第1回転部材の外周部付近に回転可能に支持されたカッター支持フレームからなり、第2回転部材と回転型カッターは、正面視にて回転型カッターが第1回転部材の外周よりも外側へ移動可能に構成したので、第1回転部材よりもサイズが大きな種々の断面形状のトンネルを確実に掘削できる。
【0030】
請求項5のシールド掘進機によれば、第2回転部材に異なる複数の第3軸心の回りに夫々回転可能に支持された複数の回転型カッターと、これら複数の回転型カッターを夫々回転駆動する複数の第3回転駆動手段とを備えたので、掘削能力を高めることができる。
【0031】
請求項6のシールド掘進機によれば、第1回転部材に異なる複数の第2軸心の回りに夫々回転可能に支持された複数の第2回転部材と、これら複数の第2回転部材を夫々回転駆動する複数の第2回転駆動手段とを備えたので、掘削能力を高めることができる。
【0032】
請求項7のシールド掘進機によれば、第1〜第3回転駆動手段を駆動制御する駆動制御手段を備え、駆動制御手段は、掘削するトンネルの断面形状に応じて第1回転部材の基準位相角からの回転位相角に対応付けて第2回転部材の回転角を制御するように、第1,第2回転駆動手段を制御するので、所定の断面形状のトンネルを確実に掘削でき、掘削するトンネルの断面形状の変更を簡単に行うことができる。
【0033】
請求項8のシールド掘進機によれば、第1回転部材に前記第1軸心と平行で且つこの第1軸心と前記第2軸心から離隔した位置にある第4軸心の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備した回転型補助カッターと、回転型補助カッターを回転駆動する第4回転駆動手段とを備えたので、掘削能力を高め、回転型カッターで掘削できない部分をこの回転型補助カッターで掘削できるように構成できる。
【0034】
請求項9のシールド掘進機によれば、チャンバーの内部に配置され第1回転部材に回転可能に支持された攪拌羽根と、攪拌羽根を回転駆動する攪拌羽根回転駆動手段とを備えたので、掘削土を攪拌してチャンバーから外部へ搬送し易くすることができ、その攪拌羽根は攪拌羽根回転駆動手段で自転すると共に、第1回転部材と一体的に回転するため、攪拌性能が非常に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明のシールド掘進機は、胴体を含む掘進機本体と、掘進機本体を推進させる複数のシールドジャッキと、掘進機本体の前端側の地山を掘削する掘削装置とを備えたものであり、この掘削装置として、前記掘進機本体の前端側部分に掘進機本体の中心軸と平行な第1軸心の回りに回転可能に支持された第1回転部材と、前記第1回転部材を回転駆動する第1回転駆動手段と、前記第1回転部材に前記第1軸心と平行で且つこの第1軸心から離隔した位置にある第2軸心の回りに回転可能に支持された第2回転部材と、前記第2回転部材を第1回転部材に対して第1回転駆動手段とは独立に回転駆動する第2回転駆動手段と、前記第2回転部材に前記第2軸心と平行で且つこの第2軸心から離隔した位置にある第3軸心の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービットを装備した回転型カッターと、前記回転型カッターを第2回転部材に対して第1,第2回転駆動手段とは独立に回転駆動する第3回転駆動手段とを備えている。
【実施例1】
【0036】
図1〜図3に示すように、シールド掘進機1は、胴体10を含む掘進機本体2と、掘進機本体2を推進させる複数のシールドジャッキ3と、胴体10の前胴11と後胴12とを中折れさせる複数の中折れジャッキ4と、掘進機本体2の前端側の地山を掘削する掘削装置5と、掘削装置5で掘削した掘削土を排出する左右1対のスクリューコンベア6aを有する掘削土排出装置6と、掘削装置5で掘削したトンネルTの内面にセグメントSを組付ける左右1対のエレクタ装置7と、トンネルTの内面に組付けたセグメントSを保持する左右1対のセグメント保持装置8と、トンネルTの内面とその内面に組付けたセグメントSとの間にモルタルを注入する裏込注入装置9等を備えている。
【0037】
掘進機本体2の胴体10は前胴11と後胴12とを有し、前胴11の後端部と後胴12の前端部が中折れ部13を介して中折れ可能に連結されている。前胴11と後胴12は、夫々、上下長と左右長の比が約1:2の略縦断面矩形の角筒状に形成され、その上壁及び左右の側壁と、下壁及び左右の側壁との角部分は湾曲状に形成されている。前胴11の長さは後胴11の長さの約2倍あり、中折れ部13においては、後胴12の前端部に環状の部分球面座14が形成され、その部分球面座14に前胴11の後端部が外嵌され、この前胴11と後胴12の嵌合部間に環状シール部材15が装着されている。
【0038】
前胴11は、その前後長が上下長の約1.5倍に形成され、前胴11の内部には、その前端から後方へ前胴11の約1/3の長さ部分に鉛直な隔壁16が設けられている。隔壁16は、その外周部が前胴11の内面に固着された固定隔壁17と、固定隔壁17に回転可能に内嵌された円板状の可動隔壁18からなり、可動隔壁18は、その直径が内胴11の上下長よりも少し短い長さに形成されている。この隔壁16と前胴11のうち隔壁16よりも前方へ突出している部分とで、掘削装置5で掘削した掘削土を回収するチャンバー19が形成されている。隔壁16はチャンバー19の後端を仕切るものである。
【0039】
前胴11の内面には、隔壁16から後方へ前胴11の約1/3の長さ部分に、円筒部21を有する環状部材20が固着され、この環状部材20の前端の板部材で固定隔壁17が形成されている。環状部材20の円筒部21に、掘削装置5の回転ドラム40が回転可能に支持され、この回転ドラム40の前端の板部材41で可動隔壁18が形成されている。前胴11の固定隔壁17の後端付近部において、上端部に左右1対の地山探査装置22aが可動に設けられ、下端部に左右1対の可動ソリ2bが可動に設けられ、可動ソリ22bは胴体10のローリングを防止し、胴体10を所期の姿勢に保持する為のものである。
【0040】
固定隔壁17には、左右1対のマンロック23と、左右1対のマンホール24が設けられ、左右1対の排土口25が形成され、6つの土圧計26が設けられ、6つの加泥材注入口27が形成されている。マンロック24は、その出入口の空間を掘進機本体2の内部と仕切ってチャンバー19内の圧力近くに昇圧させる機能を有する。可動隔壁18には、1対のマンホール28が設けられ、4つの加泥材注入口29が形成されている。
【0041】
後胴12は、その前後長が上下長の約1/2の長さに形成され、後胴12の内面には、その前端部にリングウェブ30が固着され、後端部分にテールシール31が設けられている。複数のシールドジャッキ3は、前胴11の後端部分と後胴12の前端部分とに亙って、その内面に沿って周方向に適当間隔(略等間隔)おきに後方向きに配設され、各シールドジャッキ3のジャッキ本体の後部がリングウェブ30に貫通状に固定されている。複数のシールドジャッキ3はエレクタ装置8で組付けられたセグメントSを後方へ押す反力により推進力を発生する。
【0042】
複数の中折れジャッキ4は、前胴11の後端部分と後胴12の前端部(中折れ部13)とに亙って、その内面に沿って周方向に適当間隔(略等間隔)おきに、複数のシールドジャッキ3と干渉しないように前方向向きに配設され、各中折れジャッキ4の前端部が、前胴11に固着されたブラケット32に回動可能に連結され、各中折れジャッキ4の後端部が、後胴12に固着されたブラケット33に回動可能に連結されている。
【0043】
次に、掘削装置5について詳細に説明する。
図1〜図5に示すように、掘削装置5は、掘進機本体2の前端側部分に第1軸心A1の回りに回転可能に支持された第1回転部材に相当する回転ドラム40と、回転ドラム40を回転駆動する第1回転駆動機構45と、回転ドラム40に第2軸心A2の回りに回転可能に支持された第2回転部材に相当するカッター支持フレーム50と、カッター支持フレーム50を回転ドラム40に対して回転駆動する第2回転駆動機構55と、カッター支持フレーム50に異なる1対の第3軸心A3の回りに夫々回転可能に支持され表面に複数のカッタービット61を装備した1対の回転型カッター60と、1対の回転型カッター60をカッター支持フレーム50に対して夫々回転駆動する1対の第3回転駆動機構65と、回転ドラム40に第4軸心A4の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット71を装備した回転型補助カッター70と、回転型補助カッター70を回転ドラム40に対して回転駆動する第4回転駆動機構75と、回転ドラム40に異なる1対の第5軸心A5の回りに夫々回転可能に支持された1対の攪拌羽根80と、1対の攪拌羽根80を回転ドラム40に対して夫々回転駆動する1対の攪拌羽根回転駆動手段に相当する第5回転駆動機構85と、第1〜第5回転駆動機構45,55,65,75,85を駆動制御する油圧回路を含む駆動制御ユニット90と、第1〜第5回転駆動機構45,55,65,75,85を操作する為の操作盤95を備えている。
【0044】
第1軸心A1は掘進機本体2の中心軸Acと一致し(平行で)、第2軸心A2は第1軸心A1と平行で且つ第1軸心A1から離隔した位置にあり、第3軸心A3は第2軸心A2と平行で且つ第2軸心A2から離隔した位置にあり、第4軸心A4は第1軸心A1と平行で且つ第1,第2軸心A1,A2から離隔した位置にあり、第5軸心A5は第1軸心A1と平行で且つ第1,第2,第4軸心A1,A2,A4から離隔した位置にあり、第1〜第5回転駆動機構45,55,65,75,85は、回転ドラム40、カッター支持フレーム50、回転型カッター60、回転型補助カッター70、攪拌羽根80を夫々独立に回転駆動するように構成されている。
【0045】
例えば、第2軸心A2は第1軸心A1から回転ドラム40の半径の約3/4の距離離隔した位置にあり、1対の第3軸心A3は第2軸心A2に対して対称位置で夫々第2軸心A2から回転ドラム40の半径の約1/2の距離離隔した位置にあり、第4軸心A4は第1軸心A1に対して第2軸心A2と対称位置で第1軸心A1から回転ドラム40の半径の約3/4の距離離隔した位置にあり、1対の第5軸心A5は夫々第1軸心A1を中心として第4軸心A4を周方向両側へ約45度移動させた位置にある。
【0046】
前述のように、回転ドラム40は隔壁16の一部である可動隔壁18を構成する板部材41を前面に有する。回転ドラム40は板部材41と外筒42と複数のリブを有し、この外筒42が環状部材20の円筒部21に内嵌されて回転可能に支持され、これら円筒部21と外筒42の間に環状シール部材43が装着され、外筒42の後端部にリングギヤ44が固定的に設けられている。第1回転駆動機構45は、掘進機本体2に取付けられた複数(例えば、8つ)の第1アクチュエータに相当する第1油圧モータ46を有する。複数の第1油圧モータ46は、環状部材20の後端部分に設けられたリング状のモータ取付部47に、周方向に適当間隔おきに前向きに装着され、これらの出力ギヤがリングギヤ44に噛合している。
【0047】
カッター支持フレーム50は、回転ドラム40の外周部付近に回転可能に支持され、カッター支持フレーム50と1対の回転型カッター60は、正面視にて1対の回転型カッター60が回転ドラム40の外周よりも外側へ移動可能に構成されている。カッター支持フレーム50は、回転ドラム40の前側のチャンバー19内に配設されたフレーム本体51と、フレーム本体51の後端部の長さ方向中央部に連結されて後方へ突出する筒状部52とを有する。フレーム本体51は、その長さが回転ドラム40の直径の約4/5の長さに形成され、その前後厚さがチャンバー19の前後長よりも少し小さい箱形に形成され、このフレーム本体51の長さ方向両側部分に1対の回転型カッター60が装着されている。
【0048】
回転ドラム40には、外周近傍部に円筒受部40aが内嵌状に固定され、この円筒受部40aにカッター支持フレーム50の筒状部52が内嵌されて回転可能に支持され、これら円筒受部40aと筒状部52の間に環状シール部材53が装着され、筒状部52の後端部にリングギヤ54が固定的に設けられている。第2回転駆動機構55は、回転ドラム40に取付けられた複数(例えば、8つ)の第2アクチュエータに相当する第2油圧モータ56を有する。複数の第2油圧モータ56は、所定のモータ取付部に、周方向に適当間隔おきに前向きに装着され、これらの出力ギヤがリングギヤ54に噛合している。
【0049】
1対の回転型カッター60は、夫々、円形の前面62aとこの前面62aの外周に連なる環状テーパ面62bとこの環状テーパ面62bの後端に連なる円筒状外周面62cとを有するカッターフレーム62を有し、この前面62aと環状テーパ面62bと円筒状外周面62cに複数のカッタービット61が装備され、これらカッタービット61はカッターフレーム62の内側から着脱可能になっている。フレーム本体51の長さ方向両側部分に1対のカッター取付部51aが設けられ、各回転型カッター60のカッターフレーム62の後端部分が各カッター取付部51aに前側から内嵌されて回転可能に支持され、これらカッター取付部51aとカッターフレーム62の間に環状シール部材63が装着され、カッターフレーム62の後端部にリングギヤ64が固定的に設けられている。
【0050】
1対の第3回転駆動機構65は1対のカッター取付部51aに夫々取付けられた複数(例えば、1対)の第3アクチュエータに相当する第3油圧モータ66を有する。各第3回転駆動機構65において、複数の第3油圧モータ66は、カッター取付部51aの内部に前向きに装着され、これらの出力ギヤが回転型カッター60のリングギヤ64に噛合している。ここで、カッターフレーム62の内部に、隔壁16側からカッター支持フレーム50を通って作業者が入り込めてカッタービット61を交換可能な作業スペースが形成されている。カッター支持フレーム50の筒状部52の後端部に、カッター支持フレーム50に入るハッチ50aが形成されている。尚、カッターフレーム62には後側へ突出する攪拌羽根も装備されている。
【0051】
回転型補助カッター70は、回転型カッター60と同様の構造であり、円形の前面72aとこの前面72aの外周に連なる環状テーパ面72bとこの環状テーパ面72bの後端に連なる円筒状外周面72cとを有するカッターフレーム72を有し、この前面72aと環状テーパ面72bと円筒状外周面72cに複数のカッタービット71が装備され、これらカッタービット71はカッターフレーム72の内側から着脱可能になっている。回転ドラム40にはチャンバー19内に突出する筒状のカッター取付部50Aが固定され、回転型補助カッター70のカッターフレーム72の後端部分が、カッター取付部50Aに前側から内嵌されて回転可能に支持され、これらカッター取付部50Aとカッターフレーム72の間に環状シール部材73が装着され、カッターフレーム72の後端部にリングギヤ74が固定的に設けられている。
【0052】
第4回転駆動機構75は、カッター取付部50Aに取付けられた複数(例えば、1対)の第4油圧モータ76を有する。複数の第4油圧モータ76は、カッター取付部50Aの内部に前向きに装着され、これらの出力ギヤがリングギヤ74に噛合している。ここで、カッターフレーム72の内部に、隔壁16側からカッター取付部50Aの内部を通って作業者が入り込めてカッタービット71を交換可能な作業スペースが形成されている。尚、カッターフレーム72には後側へ突出する攪拌羽根も装備されている。
【0053】
1対の攪拌羽根80はチャンバー19の内部に配置され、1対の第5回転駆動機構85は、隔壁16の後側において回転ドラム40に夫々取付けられた複数(例えば、3つ)の第5油圧モータ85を有する。
【0054】
ところで、回転ドラム40の中心部にロータリージョイント91が装着され、第2〜5の回転駆動機構55,65,75,85の第2〜第5油圧モータ56,66,76,86へは、駆動制御ユニット90からロータリージョイント91を介して油圧が供給される。ここで、本実施例の場合、カッター支持フレーム50は、回転ドラム40に対して所定の基準位相角位置から180度以上回転しないため、第3回転駆動機構75の第3油圧モータ76への油圧の供給は、ロータリージョイント91から油圧ホースにより行われる。但し、カッター支持フレーム50の中心部にロータリージョイントを装着し、このロータリージョイントを介して第3油圧モータ76に油圧を供給してもよい。
【0055】
また、加泥材供給ユニット(図示略)が設けられており、この加泥材供給ユニットから加泥材がロータリージョイント91に供給される。1対の回転型カッター60に加泥材注入口60aが夫々形成され、回転型補助カッター70に加泥材注入口70aが形成され、これら加泥材注入口60a,70aにロータリージョイント91から加泥材ホース(図示略)により加泥材が供給される。1対の攪拌羽根80に加泥材注入口80aが夫々形成され、これら攪拌羽根80の中心部にロータリージョイント92が装着され、ロータリージョイント91から加泥材ホース(図示略)によりロータリージョイント92に加泥材が供給され、このロータリージョイント92から加泥材注入口80aに加泥材が供給される。
【0056】
尚、掘削土排出装置6、1対のエレクタ装置7、1対のセグメント保持装置8、裏込注入装置9については、既存の装置であるので詳細な説明を省略する。尚、トンネルTの幅方向中央部に、トンネルTの内面上部に組付けたセグメントSを支持する中柱Saが組付けられるが、この中柱Saの組付けは1対のエレクタ装置7の一方で行われる。
【0057】
次に、シールド掘進機1の作用について説明する。
シールド掘進機1では、掘進機本体2が複数のシールドジャッキ3により推進され、掘削装置5により掘進機本体2の前端側の地山が掘削されて、掘削土はチャンバー19に回収され掘削土排出装置6により外部へ排出される。こうしてトンネルTが掘削されると共に、順次、1対のエレクタ装置7により複数のセグメントSがリング状に組付けられ、そのセグメントSが1対のセグメント保持装置8で保持された状態で、一方のエレクタ装置7により中柱Saが組付けられる。
【0058】
掘削装置5では、第1回転駆動機構45により回転ドラム40が第1軸心A1の回りに回転駆動されて、カッター支持フレーム50と1対の回転型カッター60と回転型補助カッター70も一体的に第1軸心A1の回りに回転し、第2回転駆動機構55によりカッター支持フレーム50が回転ドラム40に対して第2軸心A2の回りに回転駆動されて、1対の回転型カッター70も一体的に第2軸心A2の回りに回転し、1対の第3回転駆動機構65により1対の回転型カッター60がカッター支持フレーム50に対して夫々異なる1対の第3軸心A3の回りに回転駆動され、第4回転駆動機構75により回転型補助カッター70が回転ドラム40に対して第4軸心A4の回りに回転駆動され、1対の第5回転駆動機構85により1対の攪拌羽根80が回転ドラム40に対して夫々回転駆動される。
【0059】
第1〜第5回転駆動機構45,55,65,75,85は、回転ドラム40、カッター支持フレーム50、回転型カッター60、回転型補助カッター70、攪拌羽根80を夫々独立に駆動するが、胴体2と同形の矩形断面のトンネルTを掘削するために、駆動制御ユニット90による第1〜第5回転駆動機構45,55,65,75,85の制御について、図6−1〜図6−16に基づいて詳細に説明する。尚、正面視における左方を左方とし、1対の回転型カッター60のうち図6−1における右側をNo.1カッター60、左側をNo.2カッター60、回転型補助カッター70をNo.3カッター70として説明する。
【0060】
先ず、掘削装置5が図6−1に示す状態において、掘進機本体2に対して第1軸心A1を中心とする回転ドラム40のドラム回転角θ(回転位相角θ)を基準位相角0度として、この基準位相角から正面視にて回転ドラム40の時計回り方向のドラム回転角θを+側とし、また、回転ドラム40に対して第2軸心A2を中心とするカッター支持フレーム50のフレーム揺動角α(回転位相角α)を基準位相角0度として、この基準位相角から正面視にてカッター支持フレーム50の反時計回り方向のフレーム揺動角αを+側とする。
【0061】
ここで、図6−1の状態のとき、第2軸心Aは上限位置に位置し、カッター支持フレーム50は水平になり、1対の第3軸心A3の上下方向位置が一致して、No.1,No.2カッター60の上端部と胴体2の上端部の上下方向位置が一致し、また、第4軸心A4は下限位置に位置し、No.3カッター70の下端部と胴体2の下端部の上下方向位置が一致する。
【0062】
さて、掘削の際、第3〜第5回転駆動機構65,75,85では、No.1,No.2カッター60、No.3カッター70、攪拌羽根80を常時正面視にて時計回り方向へ回転駆動するが、第1,第2回転駆動機構45,55では、掘削するトンネルTの断面形状に応じて回転ドラム40の基準位相角からのドラム回転角θに対応付けてカッター支持フレーム50のフレーム揺動角αを制御するように、第1,第2回転駆動機構45,55を制御する。
【0063】
具体的に説明すると、先ず、図6−1〜図6−4に示すように、No.1カッター60により、トンネルTの右上約1/4の周部分の内面を形成するように、回転ドラム40がドラム回転角θ=0→30→60→73.7度に回転し、その間に、カッター支持フレーム50がフレーム揺動角α=±0→+36.4→+74.3→+52.8度に揺動する。図6−4の状態のときに、No.1カッター60がトンネルTの右側面の上下方向中央部に位置する。次に、図6−4〜図6−6に示すように、No.2カッター60をトンネルTの右側面の上下方向中央部に位置させるように、回転ドラム40がドラム回転角θ=73.7→90→106.3度に回転し、その間に、カッター支持フレーム50がフレーム揺動角α=+52.8→±0→−52.8度に揺動する。
【0064】
次に、図6−6〜図6−9に示すように、No. 2カッター60により、トンネルTの右下約1/4の周部分の内面を形成するように、回転ドラム40がドラム回転角θ=106.3→120→150→180度に回転し、その間に、カッター支持フレーム50がフレーム揺動角α=−52.8→−74.3→−36.4→±0度に揺動する。図6−9の状態のときに、第2軸心Aは下限位置に位置し、カッター支持フレーム50は水平になり、1対の第3軸心A3の上下方向位置が一致して、No.1,No.2カッター60の下端部と胴体2の下端部の上下方向位置が一致し、また、第4軸心A4は上限位置に位置し、No.3カッター70の上端部と胴体2の上端部の上下方向位置が一致する。
【0065】
次に、図6−9〜図6−12に示すように、No.1カッター60により、トンネルTの左下約1/4の周部分の内面を形成するように、回転ドラム40がドラム回転角θ=180→210→240→253.7度に回転し、その間に、カッター支持フレーム50がフレーム揺動角α=±0→+36.4→+74.3→+52.8度に揺動する。図6−12の状態のときに、No.1カッター60がトンネルTの左側面の上下方向中央部に位置する。次に、図6−12〜図6−14に示すように、No.2カッター60をトンネルTの左側面の上下方向中央部に位置させるように、回転ドラム40がドラム回転角θ=253.7→270→286.3度に回転し、その間に、カッター支持フレーム50がフレーム揺動角α=+52.8→±0→−52.8度に揺動する。
【0066】
次に、図6−14〜図6−16、図6−1に示すように、No. 2カッター60により、トンネルTの左上約1/4の周部分の内面を形成するように、回転ドラム40がドラム回転角θ=286.3→300→330→360(0)度に回転し、その間に、カッター支持フレーム50がフレーム揺動角α=−52.8→−74.3→−36.4→±0度に揺動して図6−1の状態になる。以上のように、回転ドラム40が360度回転した場合に、No.1カッター60による掘削範囲は図7−1に斜線で示す範囲となり、No.2カッター60による掘削範囲は図7−2に斜線で示す範囲となり、No.3カッター70による掘削範囲は図7−3に斜線で示す範囲となり、これらのトータルの掘削範囲は、図7−1〜図7−3を重ね合わせた図8に斜線で示す範囲となる。
【0067】
以上説明したシールド掘進機1によれば次の効果を奏する。
種々の自由な断面形状のトンネルを掘削することが可能になり、所定の断面形状のトンネル(例えば、矩形断面のトンネルT)を掘削する場合、その断面形状に応じて回転ドラム40の基準位相角からの回転位相角(ドラム回転角θ)に対応付けてカッター支持フレーム50の回転角(フレーム揺動角α)を制御するように、第1,第2回転駆動機構45,55を駆動制御することで実現できる。
【0068】
つまり、第1,第2回転駆動機構45,55の制御を変更することで、機械的な構造を変更することなく、掘削するトンネルの断面形状の変更を簡単に行うことができ、掘削途中のトンネルの断面形状を変更することも可能であり、汎用性が極めて高くなる。トンネルのカーブ部分を掘削する場合等、トンネルを少し拡大するために地山を余掘りする必要がある場合でも、その余掘りを回転型カッター60で行うことができ、既存のコピーカッターを省略することが可能になる。
【0069】
第1〜第3回転駆動機構45,55,65により回転ドラム40、カッター支持フレーム50、回転型カッター60を独立に回転駆動するため、これら40,50,60を連動連結させる複雑な構造が不要となり、構造を簡単化でき、製作コスト的にも有利になり、更に、実質的に回転型カッター60を第1軸心A1の回りにも第2軸心A2の回りにも第3軸心A3の回りにも回転させることが可能であり、回転型カッター60の軌道を能率よく掘削できる軌道に設定することもできるため、掘削能力が非常に高くなり、強度的また耐久性の面で優れたものに構成することができ、依って、あらゆる土質を含む地山を掘削する場合に対応することが可能になる。
【0070】
掘進機本体2は、掘削土を回収可能なチャンバー19と、そのチャンバー19の後端を仕切る隔壁16とを有し、回転ドラム40は、隔壁16の一部である可動隔壁18を構成する板部材41を有するので、回転ドラム40の回転方向に対する強度、剛性が非常に高くなり、強度的また耐久性の面で非常に優れたものとなる。
【0071】
第1回転駆動機構45は、掘進機本体2に取付けられた複数の第1油圧モータ46を有し、第2回転駆動機構55は、回転ドラム40に取付けられた複数の第2油圧モータ56を有し、第3回転駆動機構65は、カッター支持フレーム50に取付けられた複数の第3油圧モータ66を有するので、回転ドラム40、カッター支持フレーム50、回転型カッター60を夫々独立に確実に回転駆動することができ、第1〜第3回転駆動機構45,55,65の構造も簡単化できる。
【0072】
カッター支持フレーム50は、回転ドラム40の外周部付近に回転可能に支持され、カッター支持フレーム50と回転型カッター60は、正面視にて回転型カッター60が回転ドラム40の外周よりも外側へ移動可能に構成したので、回転ドラム40よりもサイズが大きな種々の断面形状のトンネルTを確実に掘削できる。
【0073】
カッター支持フレーム50に異なる1対の第3軸心A3の回りに夫々回転可能に支持された1対の回転型カッター60と、これら1対の回転型カッター60を夫々回転駆動する1対の第3回転駆動機構65とを備えたので、掘削能力を高めることができる。
【0074】
回転ドラム40に第1軸心A1と平行で且つこの第1軸心A1と第2軸心A2から離隔した位置にある第4軸心A4の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット71を装備した回転型補助カッター70と、回転型補助カッター70を回転駆動する第4回転駆動機構75とを備えたので、掘削能力を高め、回転型カッター60で掘削できない部分をこの回転型補助カッター70で掘削できるように構成できる。
【0075】
チャンバー19の内部に配置され回転ドラム40に回転可能に支持された攪拌羽根80と、攪拌羽根80を回転駆動する第5回転駆動機構85とを備えたので、掘削土を攪拌してチャンバー19から外部へ搬送し易くすることができ、その攪拌羽根80は第5回転駆動機構85で自転すると共に、回転ドラム40と一体的に回転するため、攪拌性能が非常に向上する。
【実施例2】
【0076】
実施例2では、図9−1〜図9−3に示すように、実施例1と同様のシールド掘進機1Aにより、馬蹄形断面のトンネルTAを掘削する場合を示している。トンネルTAの水平な底面を形成する場合には、実施例1の矩形断面のトンネルTの水平な底面を形成する場合と同様に、第1,第2回転駆動機構45,55を駆動制御し、その他の円弧状の内面を形成する場合には、1対の回転型カッター60の一方を正面視にて回転ドラム40の外周よりも外側へ大きく突出させた状態で、回転ドラム40に対してカッター支持フレーム50を固定し、つまり、第1軸心A1から前記一方の回転型カッター60までの距離を固定して、回転ドラム40を回転させる。従来は、円形断面のトンネルを形成した後、人や車両が通る所定幅の道路をトンネル下端部よりも大きく上側へ離隔した位置に作る必要があり、この作業負荷が非常に大きいが、本実施例では、鞍形断面のトンネルTAを掘削できるため、その底面に所定幅の道路を簡単に確実に形成することができる。
【実施例3】
【0077】
図10−1〜図10−3に示すように、シールド掘進機1Bは、回転ドラム40に第2軸心A2の回りに回転可能に支持された正面視にて3角形形状のカッター支持フレーム50Bと、このカッター支持フレーム50Bに異なる3つの第3軸心A3の回りに夫々回転可能に支持された3つの回転型カッター60Bと、これら3つの回転型カッター60Bを夫々回転駆動する3つの第3回転駆動機構(図示略)とを備え、前記の回転型補助カッター70は省略されており、その他の構成は実施例1のシールド掘進機1と同様である。図10−1のように円形断面のトンネルTBaを掘削することもできるし、図10−1、図10−2のように長円形断面のトンネルTBbを掘削することもできる。
【実施例4】
【0078】
図11−1〜図11−3に示すように、シールド掘進機1Cは、回転ドラム40に第2軸心A2の回りに回転可能に支持された正面視にて菱形形状のカッター支持フレーム50Cと、このカッター支持フレーム50Cに異なる4つの第3軸心A3の回りに夫々回転可能に支持された4つの回転型カッター60Cと、これら4つの回転型カッター60Cを夫々回転駆動する4つの第3回転駆動機構(図示略)とを備え、前記の回転型補助カッター70は省略されており、その他の構成は実施例1のシールド掘進機1と同様である。図11−1のように円形断面のトンネルTCaを掘削することもできるし、図11−2、図11−3のように片側を拡幅にしたトンネルTCbを掘削することもできる。
【実施例5】
【0079】
図12−1〜図12−3に示すように、シールド掘進機1Dは、回転ドラム40に第1軸心A1に対して対称位置にある異なる1対の第2軸心A2の回りに夫々回転可能に支持された1対のカッター支持フレーム50Dと、1対のカッター支持フレーム50Dを夫々回転駆動する1対の第2回転駆動機構(図示略)と、各カッター支持フレーム50Dに異なる1対の第3軸心A3の回りに夫々回転可能に支持された1対の回転型カッター60D(合計4つの回転型カッター60D)と、4つの回転型カッター60Dを夫々回転駆動する4つの第3回転駆動機構(図示略)とを備え、前記の回転型補助カッター70は省略されており、その他の構成は実施例1のシールド掘進機1と同様である。図12−1のように円形断面のトンネルTDaを掘削することもできるし、図12−2、図12−3のように長円形断面のトンネルTDbを掘削することもできる。
【0080】
尚、回転ドラム40の代わりに、隔壁16の前側に配置されて放射状に延びる1又は複数のスポークを備えた第1回転部材を設けてもよい。この場合、1又は複数のスポークにカッター支持フレーム50を回転可能に支持することで、前記実施例と同様の作用・効果が得られる。また、前記第1〜第3アクチュエータとして、第1〜第3油圧モータの代わりに、油圧ジャッキや電動モータを適用してもよい。
【0081】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を付加して実施可能であるし、種々のシールド掘進機1に本発明を適用可能である。例えば、非常に固い岩盤等の地質を含む地山を掘削するシールド掘進機に適用する場合には、回転型カッター60や回転型補助カッター70に複数のカッタービットの代わりに複数のローラカッターを取付けて対応可能になる。また、セグメントSを組み付けないトンネル掘削機に本発明の掘削装置を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施例1のシールド掘進機の縦断面図である。
【図2】シールド掘進機の正面図である。
【図3】左半部が図1のIIIa−IIIa線、右半部が図1のIIIb−IIIb線の断面図である。
【図4】カッター支持フレームと回転型カッターを含む要部の断面図である。
【図5】シールド掘進機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図6−1】掘削装置のドラム回転角0度のときの正面図である。
【図6−2】掘削装置のドラム回転角30度のときの正面図である。
【図6−3】掘削装置のドラム回転角60度のときの正面図である。
【図6−4】掘削装置のドラム回転角73.7度のときの正面図である。
【図6−5】掘削装置のドラム回転角90度のときの正面図である。
【図6−6】掘削装置のドラム回転角106.3度のときの正面図である。
【図6−7】掘削装置のドラム回転角120度のときの正面図である。
【図6−8】掘削装置のドラム回転角150度のときの正面図である。
【図6−9】掘削装置のドラム回転角180度のときの正面図である。
【図6−10】掘削装置のドラム回転角210度のときの正面図である。
【図6−11】掘削装置のドラム回転角240度のときの正面図である。
【図6−12】掘削装置のドラム回転角253.7度のときの正面図である。
【図6−13】掘削装置のドラム回転角270度のときの正面図である。
【図6−14】掘削装置のドラム回転角286.3度のときの正面図である。
【図6−15】掘削装置のドラム回転角300度のときの正面図である。
【図6−16】掘削装置のドラム回転角330度のときの正面図である。
【図7−1】No.1カッターによる掘削範囲を示す図である。
【図7−2】No.2カッターによる掘削範囲を示す図である。
【図7−3】No.3カッターによる掘削範囲を示す図である。
【図8】No.1〜No.3カッターによる掘削範囲を示す図である。
【図9−1】実施例2のシールド掘進機の正面図である。
【図9−2】実施例2のシールド掘進機の正面図である。
【図9−3】実施例2のシールド掘進機の正面図である。
【図10−1】実施例3のシールド掘進機の正面図である。
【図10−2】実施例3のシールド掘進機の正面図である。
【図10−3】実施例3のシールド掘進機の正面図である。
【図11−1】実施例4のシールド掘進機の正面図である。
【図11−2】実施例4のシールド掘進機の正面図である。
【図11−3】実施例4のシールド掘進機の正面図である。
【図12−1】実施例5のシールド掘進機の正面図である。
【図12−2】実施例5のシールド掘進機の正面図である。
【図12−3】実施例5のシールド掘進機の正面図である。
【符号の説明】
【0083】
1,1A〜1D シールド掘進機
2 掘進機本体
3 シールドジャッキ
5 掘削装置
10 胴体
16 隔壁
19 チャンバー
40 回転ドラム
45 第1回転駆動機構
46 第1油圧モータ
50,50B〜50D カッター支持フレーム
55 第2回転駆動機構
56 第2油圧モータ
60,60B〜60D 回転型カッター
65 第3回転駆動機構
66 第3油圧モータ
70 回転型補助カッター
75 第4回転駆動機構
80 攪拌羽根
85 第5回転駆動機構
90 駆動制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体を含む掘進機本体と、掘進機本体を推進させる複数のシールドジャッキと、掘進機本体の前端側の地山を掘削する掘削手段とを備えたシールド掘進機において、
前記掘進機本体の前端側部分に掘進機本体の中心軸と平行な第1軸心の回りに回転可能に支持された第1回転部材と、
前記第1回転部材を回転駆動する第1回転駆動手段と、
前記第1回転部材に前記第1軸心と平行で且つこの第1軸心から離隔した位置にある第2軸心の回りに回転可能に支持された第2回転部材と、
前記第2回転部材を第1回転部材に対して第1回転駆動手段とは独立に回転駆動する第2回転駆動手段と、
前記第2回転部材に前記第2軸心と平行で且つこの第2軸心から離隔した位置にある第3軸心の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備した回転型カッターと、
前記回転型カッターを第2回転部材に対して第1,第2回転駆動手段とは独立に回転駆動する第3回転駆動手段と、
を備えたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
前記掘進機本体は、掘削土を回収可能なチャンバーと、そのチャンバーの後端を仕切る隔壁とを有し、
前記第1回転部材は、前記隔壁の一部を構成する板部材を有する回転ドラムからなることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。
【請求項3】
前記第1回転駆動手段は、掘進機本体に取付けられた複数の第1アクチュエータを有し、前記第2回転駆動手段は、第1回転部材に取付けられた複数の第2アクチュエータを有し、前記第3回転駆動手段は、第2回転部材に取付けられた複数の第3アクチュエータを有することを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進機。
【請求項4】
前記第2回転部材は、第1回転部材の外周部付近に回転可能に支持されたカッター支持フレームからなり、
前記第2回転部材と回転型カッターは、正面視にて回転型カッターが第1回転部材の外周よりも外側へ移動可能に構成されたことを特徴とする請求項3に記載のシールド掘進機。
【請求項5】
前記第2回転部材に異なる複数の第3軸心の回りに夫々回転可能に支持された複数の回転型カッターと、これら複数の回転型カッターを夫々回転駆動する複数の第3回転駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項4に記載のシールド掘進機。
【請求項6】
前記第1回転部材に異なる複数の第2軸心の回りに夫々回転可能に支持された複数の第2回転部材と、これら複数の第2回転部材を夫々回転駆動する複数の第2回転駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載のシールド掘進機。
【請求項7】
前記第1〜第3回転駆動手段を駆動制御する駆動制御手段を備え、
前記駆動制御手段は、掘削するトンネルの断面形状に応じて第1回転部材の基準位相角からの回転位相角に対応付けて第2回転部材の回転角を制御するように、第1,第2回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のシールド掘進機。
【請求項8】
前記第1回転部材に前記第1軸心と平行で且つこの第1軸心と前記第2軸心から離隔した位置にある第4軸心の回りに回転可能に支持され表面に複数のカッタービット又はローラカッターを装備した回転型補助カッターと、
前記回転型補助カッターを回転駆動する第4回転駆動手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のシールド掘進機。
【請求項9】
前記チャンバーの内部に配置され第1回転部材に回転可能に支持された攪拌羽根と、
前記攪拌羽根を回転駆動する攪拌羽根回転駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のシールド掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図6−6】
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【図6−7】
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【図6−8】
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【図6−9】
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【図6−10】
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【図6−11】
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【図6−12】
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【図6−13】
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【図6−14】
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【図6−15】
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【図6−16】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【公開番号】特開2007−39976(P2007−39976A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225306(P2005−225306)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】