説明

スクリーンおよびスクリーン印刷装置およびスクリーン印刷方法

【課題】 スクリーン印刷において、スキージが通過した後のスクリーンをワークから離す、いわゆるスクリーンの版離れを向上することを目的とする。
【解決手段】 スクリーンとワークとに着磁し、スクリーンとワークとが磁力により反発することを利用することで、スクリーンの版離れを向上する。通常スクリーンは薄く、スクリーンの面の表裏で異なる磁極を着磁することは難しい。そこで、スクリーンの片面に対して、両極を着磁することにより、薄いスクリーンにも着磁可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁力を用いたスクリーン印刷装置の版離れに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷では、スクリーンと印刷するワークとの間に数ミリメートル(mm)の隙間を開けてセットし、スクリーンにインクを供給する。次に、スクリーン印刷では、スキージがスクリーンを下方向へ抑えることによりスクリーンを下方へ伸ばし、スキージがスクリーンを伸ばしたまま、ワークとスクリーンとを密着させるようにして移動する。そして、スクリーン印刷では、スクリーンとワークとが接触し、スクリーンに供給したインクがワークに転写されることにより、印刷を行っている。従来のスクリーン印刷では、上記のように印刷を行った場合、スキージが通過した後、スクリーンは、スクリーンの張力などによってワークから離れていた。
例えば、従来は、スクリーンの張力によって、スクリーンがワークから離れていたため、スクリーン枠内の寸法が320mmの場合、スクリーンと印刷するワークとの間に1.5mm程度の隙間を空ける必要があった。また、従来は、スクリーン枠内の寸法が1000mmから2500mmの場合、あるいはそれ以上に大きくなるにつれて、スクリーンと印刷するワークとの間に2mmから6mmの隙間を空ける必要があった。または、従来は、上記よりも広い隙間を空ける必要があった。
【0003】
また、特開2004−291366号公報では、上記のスクリーンと印刷するワークとの間の隙間を小さくするために、スクリーンとワークとを磁力を用いて反発させる方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−291366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、スクリーンとワークとの間に広く隙間を空け、スクリーンを大きく伸ばして印刷することによって、印刷精度が落ちるという課題があった。また、従来は、スクリーンを伸ばして印刷するため、印刷精度向上を目的としてスクリーンを大きくしなければならないという課題があった。また、従来は、スクリーンを伸ばすために、スクリーンの寿命が短くなるという課題があった。
一方、従来の磁力を用いてスクリーンとワークとを反発させる方法では、スクリーンに着磁する場合に、スクリーンの表と裏とがそれぞれ異なる磁極となるように着磁していた。しかし、スクリーンの厚さが薄いため、スクリーンの表と裏とがそれぞれ異なる磁極となるように着磁するのは難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかるスクリーンは、一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁したスクリーンS極部と、上記スクリーン面の他の一部をN極に着磁したスクリーンN極部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、上記スクリーンは、所定の方向に所定の幅でスクリーンS極部とスクリーンN極部とを交互に有することを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明にかかるスクリーン印刷装置は、スクリーンを取付けるスクリーン取付部と、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーンの一方の面に対向して設けられたテーブルとを備えるスクリーン印刷装置において、
上記テーブルは、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーンに対向する面であるテーブル面の一部をS極に着磁したテーブルS極部と、上記テーブル面の他の一部をN極に着磁したテーブルN極部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、さらに、上記スクリーン印刷装置は、スクリーンを取付けるスクリーン取付部と、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーン上を摺動するスキージを取付けるスキージホルダとを備えるスクリーン印刷装置において、上記スキージホルダは、一部をS極に着磁したスキージS極部と、他の一部をN極に着磁したスキージN極部とを有するスキージ磁石を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるスクリーン印刷方法は、スクリーンを取付けるスクリーン取付部と、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーンの一方の面に対向して設けられたテーブルとを備えるスクリーン印刷装置のスクリーン印刷方法において、
上記テーブルと対向する面であるスクリーン面の一部をS極に着磁され、上記スクリーン面の他の一部をN極に着磁されたスクリーンを上記スクリーン取付部に取付ける工程と、上記スクリーンと上記テーブルとを離間する力を働かせながらスクリーン印刷する工程とを備えたこと特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スクリーンが薄い場合にも着磁することが可能である。したがって、従来と同様のスクリーンに着磁することで、磁力を用いて、スクリーンの版離れをよくすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0012】
図1は、スクリーン印刷装置を示す斜視図である。
図2は、スクリーン印刷装置の概略側面図である。
図3は、スクリーン印刷装置の概略平面図である。
【0013】
図1において、101はスクリーン印刷装置、102はスクリーン印刷装置の基台、103は移動可能に取り付けられたテーブル、104はテーブルの移動をガイドするガイドレール、105はスクリーン印刷装置の操作ボックス、107は操作ボックスに取り付けられた操作スイッチ、109はテーブル103の上に乗せられたワークに対してスクリーン印刷を行う印刷部である。図2,図3において、110はテーブル103の上に乗せられたワーク、200はスクリーン製版、201はスクリーン製版200のスクリーン枠、202はスクリーン製版200に張られたスクリーン、106はスキージ111及び図示していないスクレッパーを保持するとともに、矢印Aと矢印Dの方向にスライドするスライダ、108はスクリーン製版200を取り付けるとともに、スライダ106をスライドさせるスクリーン製版取付部(スクリーン取付部)である。
【0014】
テーブル103は基台102に取り付けられたガイドレール104に沿って左右にスライドできるように取り付けられている。テーブル103が印刷部109の下に移動するとテーブル103が図示していないストッパーにより制止され、印刷部109によりワーク110に対してスクリーン印刷が行われる。
【0015】
図4は、テーブル103とスクリーン製版200の断面概略図(図3のX−X断面図)である。
スキージ111は、インクが供給されたスクリーン202をワーク110の方向へ押し込みながら移動し、スクリーンに空けられたパターン孔よりインクがワークへ付着することにより、ワークへスクリーン印刷を行う。ここで、スクリーン202のスキージ111が通過した部分をワーク110から離す必要がある。
【0016】
従来は、スクリーン202をワーク110から離すために、スクリーン製版200を持ち上げて物理的に離す方法や、スクリーンのスクリーン枠に対する張力により離す方法などが用いられてきた。ここでは、磁力を用いてスクリーン202をワーク110から離す。
【0017】
実施の形態1.
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1では、スクリーン202とワーク110をセットするテーブル103とに着磁することにより、スクリーン202をワーク110から離すスクリーン印刷装置101について説明する。
【0018】
図5は、スクリーン202とワーク110をセットするテーブル103とに着磁することにより、スクリーン202をワーク110から離すスクリーン印刷装置101のスキージ111部分の拡大図である。
図5において、スクリーン202とテーブル103とは、それぞれの対向する面が同一磁極に着磁されているため、スクリーン202とテーブル103とを離間する力が働く。そのため、スキージ111が通過した後、磁力により、スクリーン202をワーク110から離す力が働く。
【0019】
しかし、スクリーン202は、薄い作りとなっているため、一方の面全体を1つの極に着磁し、もう一方の面を異なる極に着磁することは難しい。
そこで、スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁する。他の一部とは、スクリーン面のうち、S極に着磁されていない部分である。ここでは、S極に着磁した部分をスクリーンS極部301とし、N極に着磁した部分をスクリーンN極部302とする。スクリーン面は、例えば、ワーク110と対向する面である。スクリーン面はこれに限らず、ワーク110と対向する面の反対面であっても構わない。
【0020】
図6は、スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁した一例である。
図6では、スクリーンS極部301とスクリーンN極部302とを所定の方向に所定の幅で交互に並べている。所定の方向とは、例えば、スキージ111の移動方向であるスキージ移動方向250と平行方向や、スキージ移動方向250と垂直方向などである。所定の幅とは、例えば、スクリーン202の幅を任意の幅に均等割した幅や、各スクリーンS極部301とスクリーンN極部302とが任意の幅などである。図6では、スキージの移動方向250と平行に交互にスクリーンS極部301とスクリーンN極部302とを並べている。
【0021】
また、着磁されたスクリーン面と対向するテーブルの面であるテーブル面は、テーブル面と対向するスクリーン面に着磁された磁極と同一の磁極に着磁する。同一の磁極に着磁することにより、スクリーン202とテーブル103とを離間する力が働く。テーブル面のS極に着磁した部分をテーブルS極部311とし、テーブル面のN極に着磁した部分をテーブルN極部312とする。
【0022】
図7は、スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁した別の一例である。
図7では、スクリーン面の両端をS極に着磁し、スクリーン面の中側をN極に着磁した。着磁する極は、これに限らず、スクリーン面の両端をN極に着磁し、スクリーン面の中側をS極に着磁しても構わない。図7では、スキージ111の移動方向であるスキージ移動方向250の垂直方向に対して両端をS極に着磁した。しかし、両端とはこれに限らず、スキージ移動方向250に対して平行方向に対して両端をS極に着磁することも可能である。
【0023】
実施の形態1にかかるスクリーン印刷装置101およびスクリーン印刷方法をまとめると次のようになる。
【0024】
実施の形態1にかかるスクリーン印刷装置101は、例えば、スクリーン製版200のスクリーン202をスキージ111の移動方向と平行にスクリーン202の一端から一定の幅でN極とS極とが交互に並ぶように着磁する。
また、上記スクリーン202に対向して配置するテーブル103にも同様にスキージ111の移動方向と平行にその一端から上記スクリーン202のN、S極と同一幅で上記スクリーン202のN極にはN極が対向し、S極にはS極が対向するようにN極とS極とが交互に並ぶように着磁することを特徴とする。
【0025】
また、実施の形態1にかかるスクリーン印刷方法は、スクリーン製版200とテーブル103とを用いてワーク110にスクリーン印刷を行うスクリーン印刷方法において、スキージ111がスクリーン製版200のスクリーン202上を摺動することで、スクリーンのパターン孔にインクを供給する供給工程と、スキージ111により、スクリーン202をワーク110に押圧しながらスクリーン202上を摺動する場合に、スキージ111の移動方向と平行にスクリーン202の一端から一定の幅でN極とS極とが交互に並ぶように着磁されたスクリーン202と、N、S極が同じように対向する着磁されたテーブル103とで、反発しあうことでスクリーン202を押し上げる押し上げ工程を備えたことを特徴とする。
【0026】
つまり、実施の形態にかかるスクリーン印刷方法は、スクリーン202を取付けるスクリーン取付部と、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーン202の一方の面に対向して設けられたテーブル103とを備えるスクリーン印刷装置101のスクリーン印刷方法において、
上記テーブル103と対向する面であるスクリーン面の任意の一部をS極に着磁され、上記スクリーン面の他の任意の一部をN極に着磁されたスクリーン202を上記スクリーン取付部に取付ける工程と、
上記スクリーン202と上記テーブル103とに着磁された磁力によって、上記スクリーン202と上記テーブル103とを離間する力を働かせながらスクリーン印刷する工程とを備えたこと特徴とする。
【0027】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、スクリーン202を着磁し、スキージホルダ112に磁力を有するスキージ磁石113を備えることにより、スクリーン202をワーク110から離すスクリーン印刷装置101について説明する。
【0028】
図8は、スクリーン202を着磁し、スキージホルダ112に磁力を有するスキージ磁石113を備えることにより、スクリーン202をワーク110から離すスクリーン印刷装置101のスキージ111部分の拡大図である。
図8において、スクリーン202とスキージホルダ112に備えたスキージ磁石113とは、交互に異なる磁極に着磁されており、かつ、それぞれの対向する部分が異なる磁極を有しているため、スクリーン202とスキージ磁石113とは互いに吸引する力が働く。そのため、スキージ111が通過した後、磁力により、スクリーン202をワーク110から離す力が働く。ここで、スキージ磁石113は、スキージ111の移動方向の少なくとも後方に付けられていればよい。しかし、これに限られるわけではなく、図8のように前方および後方に取付けられている方が、吸着力が増すため好ましい。スキージ磁石113は、例えば、スキージホルダ112に着脱可能な円筒状の磁石などである。スキージ磁石113は、これに限らず、例えば、スキージホルダ112を着磁することによって、スキージホルダ112がスキージ磁石113を兼ねることも可能である。
【0029】
しかし、実施の形態1と同様にスクリーン202は、薄い作りとなっているため、一方の面全体を1つの極に着磁し、もう一方の面を異なる極に着磁することは難しい。
そこで、実施の形態1と同様にスクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁する。実施の形態1と同様に、S極に着磁した部分をスクリーンS極部301とし、N極に着磁した部分をスクリーンN極部302とする。
【0030】
図9は、スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁した一例である。
図9では、スクリーンS極部301とスクリーンN極部302とをスキージ111の移動方向であるスキージ移動方向250と平行に所定の幅で交互に並べている。並べる方向は、スキージ移動方向250と平行に限らず、スキージ移動方向250と垂直方向などでも構わない。また、所定の幅とは、実施の形態1と同様である。
【0031】
着磁されたスクリーン面に対向するスキージ磁石113は、対向するスクリーン面に着磁された磁極と異なるの磁極を有する。ここでは、S極の磁力を有するスキージ磁石113の一部をスキージS極部とし、N極の磁力を有するスキージ磁石113の一部をスキージN極部とする。スキージ磁石113に対向するスクリーン面と異なるの磁極の磁力を持たせることにより、スクリーン202とスキージ磁石113とは互いに吸引する力が働く。
【0032】
図9の例では、スキージ移動方向250と平行に所定の間隔で着磁しているため、上記のようにスキージ磁石113に対向するスクリーン面に着磁された磁極と異なるの磁極の磁力を持たせることで、スキージ111が移動しても、常にスクリーン202とスキージ磁石113とを吸引する力が働く。
【0033】
図10は、スクリーン面をスキージ111の移動方向であるスキージ移動方向250と垂直方向に所定の間隔でS極とN極とを交互に着磁している例である。この場合、スキージ111が移動すると、対向するスクリーン202の磁極が変化する。そのため、スキージ磁石113に持たせる磁力の磁極はスキージ111の移動とともに変化させる必要がある。例えば、スキージ磁石113に電磁石などを用いることで、磁極を反転させることなどが考えられる。
【0034】
また、図7に示すように、スクリーン面の両端をS極に着磁し、スクリーン面の中側をN極に着磁した場合において、例えば、N極に着磁されたスクリーンN極部302のみをスキージ111が移動する範囲であるとすることが考えられる。つまり、スクリーン202のスキージ111の移動する範囲がすべてN極であり、スキージ111の移動する範囲の外側がS極となる。スキージ111の移動する範囲がすべてN極であるので、スキージ磁石113にすべてS極の磁力を持たせることで、スキージ111が移動しても、常にスクリーン202とスキージ磁石113とを吸引する力が働く。スクリーン面の両端や中側に着磁する磁極、およびスキージ磁石113に持たせる磁力の磁極は、上述した磁極に限らない。また、スクリーン面の両端とは、スキージ移動方向250の、平行方向に対して両端でも垂直方向に対して両端でも構わない。さらに、スキージ111が移動する範囲が同一極になっていればよく、異なる極となっている部分は、両端でなくても構わない。
【0035】
実施の形態2では、スクリーン202は、スキージ磁石113に対向する部分が異なる磁極の磁力を有するとして説明した。しかし、実施の形態2において、スクリーン202はスキージ磁石113の磁力によって吸引されるものであれば、磁力を有していなくても構わない。スクリーン202は、例えば、高耐食性ステンレスなどのスキージ磁石113の磁力によって吸引されるものであれば、磁力を有していなくても構わない。
【0036】
実施の形態2にかかるスクリーン印刷装置101およびスクリーン印刷方法をまとめると次のようになる。
【0037】
実施の形態2にかかるスクリーン印刷装置101は、スクリーン製版200のスクリーン202をスキージ111の移動方向と平行にスクリーン202の一端から一定の幅でN極とS極とが交互に並ぶように着磁する。
また、上記スクリーン202上を摺動するスキージ111の進行方向後部、または前後部のスキージホルダ112に備えた磁石は、上記スクリーンの交互に並ぶN、S曲と異なる磁極が対向する磁力を有することを特徴とする。
【0038】
スクリーン202とテーブル103とスキージホルダ112とは、テーブル103とスキージホルダ112とを着磁するのではなく、永久磁石などを埋め込むなり、取り付けて使用しても構わない。また、スキージホルダ112を着磁して、磁力を持たせても構わない。
【0039】
実施の形態2にかかるスクリーン印刷方法は、スキージ111の移動方向と平行にスクリーン202の一端から一定の幅でN極とS極とが交互に並ぶように着磁されたスクリーン202のN、S極と異なる磁極が対向する磁石を有するスキージホルダ112とで、吸引しあうことでスクリーン202を引っ張り上げる、引っ張り上げ作用を備えたことを特徴とする。
【0040】
実施の形態1と実施の形態2とでは、磁力を用いてスクリーン202の版離れを向上することが可能である。そのため、スクリーン202とワーク110との間の隙間を小さくすることが可能である。したがって、従来に比べスクリーンを伸ばす幅を小さくできるため、従来のスクリーンを伸ばして印刷することによる、印刷精度が落ちるという課題を解決することができる。また、スクリーン202を伸ばして印刷するため、印刷精度向上を目的としてスクリーン202を大きくしなければならないという課題を解決することができる。また、スクリーン202を伸ばすために、スクリーン202の寿命が短くなるという課題を解決することができる。
【0041】
つまり、実施の形態1と実施の形態2とにかかるスクリーン202およびスクリーン印刷装置によれば、印刷精度を向上することが可能であり、スクリーン202を小さく製作できるためスクリーン202の制作費を抑えることが可能であり、スクリーン202の寿命を長くすることが可能である。
【0042】
上述した実施の形態1と実施の形態2とを併せて実施することも可能である。また、実施の形態1と実施の形態2とを併せて実施することにより、スクリーン202をワーク110から離間する力がより強く発揮できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、例えば、基盤への電気配線の印刷やエッチングにおけるレジストの印刷などに使用されるスクリーン印刷装置において、従来の薄さのスクリーンを用いて、磁力によりスクリーンの版離れを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】スクリーン印刷装置を示す斜視図である。
【図2】スクリーン印刷装置の概略側面図である。
【図3】スクリーン印刷装置の概略平面図である。
【図4】テーブル103とスクリーン製版200の断面概略図(図3のX−X断面図)である。
【図5】スクリーン202とワーク110をセットするテーブル103とに着磁することにより、スクリーン202をワーク110から離すスクリーン印刷装置101のスキージ111部分の拡大図である。
【図6】スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁した一例である。
【図7】スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁した別の一例である。
【図8】スクリーン202を着磁し、スキージホルダ112に磁力を有するスキージ磁石113を備えることにより、スクリーン202をワーク110から離すスクリーン印刷装置101のスキージ111部分の拡大図である。
【図9】スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁した一例である。
【図10】スクリーン202の一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁し、スクリーン面の他の一部をN極に着磁した別の一例である。
【符号の説明】
【0045】
101 スクリーン印刷装置、102 スクリーン印刷装置の基台、103 テーブル、104 ガイドレール、105 操作ボックス、106 スライダ、107 操作スイッチ、108 スクリーン製版取付部、109 印刷部、110 ワーク、111 スキージ、112 スキージホルダ、200 スクリーン製版、201 スクリーン枠、202 スクリーン、301 スクリーンS極部、302 スクリーンN極部、311 テーブルS極部、312 テーブルN極部、321 スキージS極部、322 スキージN極部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面であるスクリーン面の一部をS極に着磁したスクリーンS極部と、
上記スクリーン面の他の一部をN極に着磁したスクリーンN極部と
を備えることを特徴とするスクリーン。
【請求項2】
上記スクリーンは、所定の方向に所定の幅でスクリーンS極部とスクリーンN極部とを交互に有することを特徴とする請求項1記載のスクリーン。
【請求項3】
スクリーンを取付けるスクリーン取付部と、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーンの一方の面に対向して設けられたテーブルとを備えるスクリーン印刷装置において、
上記テーブルは、
上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーンに対向する面であるテーブル面の一部をS極に着磁したテーブルS極部と、
上記テーブル面の他の一部をN極に着磁したテーブルN極部と
を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項4】
スクリーンを取付けるスクリーン取付部と、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーン上を摺動するスキージを取付けるスキージホルダとを備えるスクリーン印刷装置において、
上記スキージホルダは、
一部をS極に着磁したスキージS極部と、他の一部をN極に着磁したスキージN極部とを有するスキージ磁石
を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項5】
スクリーンを取付けるスクリーン取付部と、上記スクリーン取付部に取付けられるスクリーンの一方の面に対向して設けられたテーブルとを備えるスクリーン印刷装置のスクリーン印刷方法において、
上記テーブルと対向する面であるスクリーン面の一部をS極に着磁され、上記スクリーン面の他の一部をN極に着磁されたスクリーンを上記スクリーン取付部に取付ける工程と、
上記スクリーンと上記テーブルとを離間する力を働かせながらスクリーン印刷する工程とを備えたこと特徴とするスクリーン印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−297644(P2006−297644A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−119454(P2005−119454)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【Fターム(参考)】