説明

スクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法

【課題】基板の被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、または未印刷領域を極力少なくしてペーストを印刷可能であり、且つ基板の側面へのペーストの付着を防止して製造での良品率を向上させることができるスクリーン印刷機を得ること。
【解決手段】印刷マスク107上においてスキージ110を摺動することにより前記印刷マスク107上のペースト109を前記印刷マスク107に設けられた開口パターンを介して前記印刷マスク107の下部の印刷ステージ102a上に配置されたp型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面に塗布するスクリーン印刷機であって、前記p型多結晶シリコン基板2Aの側面形状に沿って形成された側面を前記印刷ステージ102a上において前記p型多結晶シリコン基板2Aの側面に隙間無く密着させて前記p型多結晶シリコン基板2Aを固定可能な1つ以上の補助板104、106を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バルク型の太陽電池セルの電極の形成においては、生産性に優れたスクリーン印刷法により印刷形成することが一般的に行なわれている。ここで、従来のバルク型の太陽電池セルでは、たとえば特許文献1に示されているように太陽電池セルの表裏の電極が太陽電池セルの面方向における周辺部まで配置されていない。すなわち、電極は太陽電池セルの外周から離間して設けられている。
【0003】
スクリーン印刷法では、基板に寸法公差があること、印刷パターン広がること、寸法精度の高いパターン形成が困難であること、基板と印刷マスクパターンとの位置決め精度が低いこと、さらに基板の側面に電極材料が付着すると基板の表裏の極性の異なる電極同士が短絡して不良品になる危険が高いなどの課題がある。このような理由から、従来の太陽電池セルでは、電極を太陽電池セルの面方向における周辺部まで配置せずに、太陽電池セルの側面から0.3mm〜2mm程度だけ内方に短縮して形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−233518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の電極の製造方法では、太陽電池セルの面方向における周辺部まで電極を配置しないため、形成された太陽電池セルの光電変換効率が低くなる、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、基板の被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、または未印刷領域を極力少なくしてペーストを印刷可能であり、且つ基板の側面へのペーストの付着を防止して製造での良品率を向上させることができるスクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるスクリーン印刷機は、印刷マスク上においてスキージを摺動することにより前記印刷マスク上のペーストを前記印刷マスクに設けられた開口パターンを介して前記印刷マスクの下部の印刷ステージ上に配置された被印刷物の被印刷面に塗布するスクリーン印刷機であって、前記被印刷物の側面形状に沿って形成された側面を前記印刷ステージ上において前記被印刷物の側面に隙間無く密着させて前記被印刷物を固定可能な1つ以上の補助板を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、または未印刷領域を極力少なくしてペーストを印刷可能であり、且つ基板の側面へのペーストの付着を防止して製造での良品率を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1−1】図1−1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの断面構造を説明するための要部断面図である。
【図1−2】図1−2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルを受光面側から見た上面図である。
【図1−3】図1−3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルを受光面と反対側(裏面側)から見た下面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するためのフローチャートである。
【図3−1】図3−1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図3−2】図3−2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図3−3】図3−3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図3−4】図3−4は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図3−5】図3−5は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図3−6】図3−6は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図3−7】図3−7は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図4−1】図4−1は、本発明の実施の形態にかかるスクリーン印刷機の概略構成を示す断面図である。
【図4−2】図4−2は、本発明の実施の形態にかかるスクリーン印刷機の概略構成を示す平面図である。
【図5】図5は、p型多結晶シリコン基板の裏面に対してアルミニウムペーストを塗布する際に用いられる印刷マスクの一例を示す平面図である。
【図6−1】図6−1は、従来のスクリーン印刷機により電極を印刷して形成した太陽電池セルの断面構造を説明するための要部断面図である。
【図6−2】図6−2は、従来のスクリーン印刷機により電極を印刷して形成した太陽電池セルを受光面側から見た上面図である。
【図6−3】図6−3は、従来のスクリーン印刷機により電極を印刷して形成した太陽電池セルを受光面と反対側(裏面側)から見た下面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態にかかるスクリーン印刷機において庇付き補助板を用いてp型多結晶シリコン基板を固定した状態の一例を模式的に示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態にかかるスクリーン印刷機において庇付き補助板を用いてp型多結晶シリコン基板を固定した状態の他の例を模式的に示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態にかかるスクリーン印刷機において角部に丸みを帯びた基板をに固定した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかるスクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
【0011】
実施の形態
本発明にかかるスクリーン印刷機について説明する前に、まず本発明にかかるスクリーン印刷機を用いて電極の印刷がなされる太陽電池セルの構成およびその製造工程について説明する。図1−1〜図1−3は、本実施の形態にかかる太陽電池セルの構成を示す図であり、図1−1は、太陽電池セルの断面構造を説明するための要部断面図、図1−2は、受光面側から見た太陽電池セルの上面図、図1−3は、受光面と反対側(裏面側)から見た太陽電池セルの下面図である。図1−1は、図1−2の線分A−Aにおける要部断面図である。
【0012】
本実施の形態にかかる太陽電池セル1においては、p型多結晶シリコンからなる半導体基板2の受光面側にリン拡散によってn型不純物拡散層3が形成されて、pn接合を有する半導体基板11が形成されているとともに、n型不純物拡散層3上に酸窒化シリコン膜(SiON膜)からなる反射防止膜4が形成されている。なお、半導体基板2としてはp型多結晶のシリコン基板に限定されず、p型単結晶のシリコン基板やn型の多結晶のシリコン基板、n型の単結晶シリコン基板を用いてもよい。
【0013】
また、半導体基板11(n型不純物拡散層3)の受光面側の表面には、テクスチャー構造として図示しない微小凹凸が形成されている。微小凹凸は、受光面において外部からの光を吸収する面積を増加し、受光面における反射率を抑え、光を閉じ込める構造となっている。
【0014】
また、半導体基板11の受光面側には、長尺細長の表銀グリッド電極5が複数並べて設けられ、この表銀グリッド電極5と導通する表銀バス電極6が該表銀グリッド電極5と略直交するように設けられており、それぞれ底面部においてn型不純物拡散層3に電気的に接続している。表銀グリッド電極5および表銀バス電極6は銀材料により構成されている。そして、表銀グリッド電極5と表銀バス電極6とにより第1電極である受光面側電極12が構成される。
【0015】
一方、半導体基板11の裏面(受光面と反対側の面)には、全体にわたってアルミニウム材料からなる裏面アルミニウム電極7が設けられ、また表銀バス電極6と略同一方向に延在して銀材料からなる裏面バス電極8が設けられている。そして、裏面アルミニウム電極7と裏面バス電極8とにより第2電極である裏面側電極13が構成される。
【0016】
シリコン太陽電池セルの集電電極材料には、通常、銀ペーストが用いられ、例えば、鉛ボロンガラスが添加されている。このガラスはフリット状のもので、例えば、鉛(Pb)5〜30wt%、ボロン(B)5〜10wt%、シリコン(Si)5〜15wt%、酸素(O)30〜60wt%の組成から成り、さらに、亜鉛(Zn)やカドミウム(Cd)なども数wt%程度混合される場合もある。このような鉛ボロンガラスは、数百℃(例えば、800℃)の加熱で溶解し、その際にシリコンを侵食する性質を有している。また一般に、結晶系シリコン太陽電池セルの製造方法においては、このガラスフリットの特性を利用して、シリコン基板と銀ペーストとの電気的接触を得る方法が用いられている。
【0017】
このように構成された太陽電池セル1では、太陽光が太陽電池セル1の受光面側から半導体基板11に照射されると、ホールと電子が生成する。pn接合部(半導体基板2とn型不純物拡散層3との接合面)の電界によって、生成した電子はn型不純物拡散層3に向かって移動し、ホールは半導体基板2に向かって移動する。これにより、n型不純物拡散層3に電子が過剰となり、半導体基板2にホールが過剰となる結果、光起電力が発生する。この光起電力はpn接合を順方向にバイアスする向きに生じ、n型不純物拡散層3に接続した受光面側電極12がマイナス極となり、半導体基板2に接続した裏面側電極13がプラス極となって、図示しない外部回路に電流が流れる。
【0018】
つぎに、このような太陽電池セル1の製造方法の一例について図2および図3−1〜図3−7を参照して説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造工程を説明するためのフローチャートである。図3−1〜図3−7は、本実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造工程を説明するための断面図である。
【0019】
まず、半導体基板2として例えばp型多結晶シリコン基板を用意し、該p型多結晶シリコン基板をフッ化水素や純水で洗浄する。その後、このp型多結晶シリコン基板に対して、該p型多結晶シリコン基板の表面に微小凹凸を形成して表面にテクスチャー構造を形成する(ステップS10、図3−1)。テクスチャー形成としては、例えばp型多結晶シリコン基板を、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液によるエッチングを行う。
【0020】
つぎに、半導体基板2にpn接合を形成する。表面にテクスチャー構造を形成したp型多結晶シリコン基板に対して、熱拡散によりオキシ塩化リン(POCl)を拡散させる(ステップS20、図3−2)。この拡散工程では、p型多結晶シリコン基板を例えばオキシ塩化リン(POCl)ガス中で気相拡散法により高温で熱拡散させてp型多結晶シリコン基板の表面層にリン(P)が拡散したn型不純物拡散層3を形成することでpn接合を形成する。例えばp型多結晶シリコン基板を800℃〜900℃の温度で1分〜10分間加熱することにより、n型不純物拡散層3を形成する。n型不純物拡散層3はp型多結晶シリコン基板の表面の全面に形成されている。
【0021】
ここで、n型不純物拡散層3の形成直後の表面にはリンの酸化物を主成分とするリンガラス層が形成されているため、フッ酸溶液等を用いて除去する。
【0022】
つぎに、P型電極である裏面側電極13とN型電極である受光面側電極12とを電気的に絶縁するPN分離を行う。PN分離は、たとえばレーザ照射によりp型多結晶シリコン基板の外周部(側面)に形成されたn型不純物拡散層3をカットして除去することにより行う(ステップS30、図3−3)。
【0023】
つぎに、n型不純物拡散層3を形成したp型多結晶シリコン基板2の受光面側に、表面保護および光電変換効率改善のために、反射防止膜4としてたとえばプラズマCVD法により酸窒化シリコン膜(SiON膜)を形成する(ステップS40、図3−4)。
【0024】
ついで、スクリーン印刷により電極を印刷し、乾燥させる。まず、裏面側電極13を印刷する(ステップS50、図3−5)。すなわち、p型多結晶シリコン基板の裏面側にスクリーン印刷によって、裏面アルミニウム電極7の形状に電極材料ペーストであるアルミニウムペースト7aを塗布し、さらに裏面バス電極8の形状に電極材料ペーストである銀ペーストを塗布し、乾燥させる。なお、図3−5においてはアルミニウムペースト7aのみを示している。
【0025】
つぎに、受光面側電極12を印刷する(ステップS60、図3−6)。すなわち、p型多結晶シリコン基板の受光面である反射防止膜4上に、表銀グリッド電極5と表銀バス電極6との形状に、電極材料ペーストである銀ペースト12aをスクリーン印刷によって塗布した後、銀ペーストを乾燥させる。
【0026】
その後、ペーストを焼成することで、受光面側電極12としての表銀グリッド電極5および表銀バス電極6と、裏面側電極13としての裏面アルミニウム電極7および裏面バス電極8が得られる(ステップS70、図3−7)。この焼成工程では、受光面側電極12は絶縁膜である反射防止膜4をファイヤースルー(Fire-Through)してn型不純物拡散層3と導通を取る。また、p型多結晶シリコン基板の裏面側に形成されていたn型不純物拡散層3のうち裏面アルミニウム電極7近傍は、アルミニウムの拡散によりp型層に変わる。これにより、第1導電型層であるp型多結晶シリコンからなる半導体基板2と、該半導体基板2の受光面側に形成された第2導電型層であるn型不純物拡散層3と、によりpn接合が構成された半導体基板11が得られる。
【0027】
以上のような工程を実施することにより、図1−1〜図1−3に示す本実施の形態にかかる太陽電池セル1が作製される。なお、電極材料であるペーストの半導体基板11への配置の順番を、受光面側と裏面側とで入れ替えてもよい。
【0028】
つぎに、上述した電極の印刷に用いられる本実施の形態にかかるスクリーン印刷機の構成について図4−1および図4−2を用いて説明する。図4−1は、本実施の形態にかかるスクリーン印刷機101の概略構成を示す断面図である。図4−2は、本実施の形態にかかるスクリーン印刷機101の概略構成を示す平面図である。このスクリーン印刷機101は、印刷ステージ102と、第1補助板103と、第2補助板104と、第3補助板105と、第4補助板106と、印刷マスク107と、印刷マスク枠108と、スキージ110とを備えている。
【0029】
印刷ステージ102は、被印刷物であるp型多結晶シリコン基板2Aを固定するための複数のステージ吸着穴111が形成されたステージ面102aと、これら複数のステージ吸着穴111に連通してステージ面102a下の本体内部に形成された真空導管112とを有し、真空導管112は真空配管113を介して図示しない真空ポンプに接続されている。印刷ステージ102においては、真空ポンプを用いてステージ面102aに載置されたp型多結晶シリコン基板2Aをステージ吸着穴111、真空導管112などを介して真空吸着することによって、p型多結晶シリコン基板2Aを固定する。p型多結晶シリコン基板2Aは、上記のステップS40において反射防止膜4が形成された状態のp型多結晶シリコン基板である。
【0030】
また、ステージ面102aにおいてp型多結晶シリコン基板2Aが固定された際の外周部に対応する位置には、基板周辺吹き出し穴114が設けられている。基板周辺吹き出し穴114には印刷ステージ102の内部に設けられた加圧導管115が連通しており、加圧導管115は図示しない加圧ポンプに接続されている。印刷ステージ102においては、加圧ポンプを用いて加圧導管115を介して基板周辺吹き出し穴114から正圧ガスを噴出することができる。
【0031】
ここで、本スクリーン印刷機101においては、印刷マスク107に設けられた電極パターン(開口パターン)が実際のp型多結晶シリコン基板2A上に印刷される電極のパターンよりも大きく形成されている。すなわち、印刷マスク107に設けられた電極パターン(開口パターン)は、印刷時に重なるp型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面から外方に延在して形成され、またはp型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面の外縁部と略等しい位置まで形成されている。
【0032】
図5は、p型多結晶シリコン基板2Aの裏面に対してアルミニウムペースト7aを裏面アルミニウム電極7の形状に塗布する際に用いられる印刷マスク107の一例を示す平面図である。この印刷マスク107は、図5に示すようにペースト109を通過させるSUS等のメッシュ108aが、ペースト109を通過させない乳剤部108bにより部分的にカバーされている。ここで、印刷マスク107に設けられた電極パターン(開口パターン)とは、乳剤部108bにより画定されたメッシュ108aの露出パターンである。そして、メッシュ108aおよび乳剤部108bは印刷マスク枠108により保持されている。また、図5において印刷時に印刷マスク107に重ね合わされたp型多結晶シリコン基板2Aの外縁を点線121で示している。
【0033】
そして、この印刷マスク107においては、印刷マスク107に設けられた電極パターン(開口パターン)、すなわち乳剤部108bにより画定されたメッシュ108aのパターンは、p型多結晶シリコン基板2Aの外縁を示す点線121よりも大きく形成されており、印刷時に重なるp型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面よりも大きく形成されている。
【0034】
第1補助板103と第2補助板104と第3補助板105と第4補助板106とは、p型多結晶シリコン基板2Aの厚みよりと同等以上の厚みを有する矩形状の平板からなる。これらの補助板は、図示しない移動機構により、印刷ステージ102上において該印刷ステージ102の面内における中心に対して斜め方向に離れ、または斜め方向に近づくように個別にまたは複数が同時に移動を制御される。
【0035】
つぎに、スクリーン印刷機101による電極材料ペーストの印刷方法について説明する。まず、第1補助板103、第2補助板104、第3補助板105および第4補助板106を印刷ステージ102上において外方に開いた状態に配置する。外方とは、印刷ステージ102の面内における中心から離れる方向である。そして、印刷ステージ102における複数のステージ吸着穴111が形成されたステージ面102a上の略中心領域に、被印刷面を上にした状態でp型多結晶シリコン基板2Aを載置する。
【0036】
つぎに、p型多結晶シリコン基板2Aの位置決め基準となる2辺に対応する2つの補助板、たとえば第1補助板103と第2補助板104とを印刷ステージ102上において内方(たとえば図4−1中の中太線矢印方向)にスライドさせてp型多結晶シリコン基板2Aの辺に押し当てて側面同士を密着させて、所定の基準位置で固定する。内方とは、印刷ステージ102の面内における中心に近づく方向である。
【0037】
その後、残りの2つの補助板、すなわち第3補助板105および第4補助板106を印刷ステージ102上において内方(たとえば図4−1中の細線矢印方向)にスライドさせてp型多結晶シリコン基板2Aの対応する辺に押し当てて側面同士を密着させた状態で固定する。これにより、p型多結晶シリコン基板2Aは第3補助板105および第4補助板106により2方向から押されることにより、印刷ステージ102の面方向において所定の基準位置に位置合わせされる。このとき、第3補助板105および第4補助板106は、たとえばバネの弾性作用による付勢力により、p型多結晶シリコン基板2Aは破損しない程度の緩やかな締め付け力でp型多結晶シリコン基板2Aの辺に押し当てることが可能である。
【0038】
そして、この状態においては、4つの補助板とp型多結晶シリコン基板2Aとにおける対向する側面は隙間がない状態になるように4つの補助板が固定される。
【0039】
ここで、p型多結晶シリコン基板2Aが各補助板により挟まれた状態で所定の基準位置に位置合わせされるとともに各補助板が固定された状態において、印刷ステージ102の面方向においてp型多結晶シリコン基板2Aと各補助板との間には隙間が存在しない。各補助板におけるp型多結晶シリコン基板2Aと当接する側面は、p型多結晶シリコン基板2Aの側面形状に沿って形成されている。これにより、印刷ステージ102上において各補助板とp型多結晶シリコン基板2Aとにおける対向する側面同士は、隙間無く密着した状態とされる。
【0040】
また、この状態で、ステージ面102aに載置されたp型多結晶シリコン基板2Aをステージ吸着穴111、真空導管112などを介して真空吸着することによって固定する。これにより、p型多結晶シリコン基板2Aは、ステージ吸着穴111からの吸引力と4つの補助板の緩やかな締め付け力で保持される。
【0041】
ここでは、p型多結晶シリコン基板2Aの位置決め基準となる2辺に対応する2つの補助板を先にp型多結晶シリコン基板2Aに押し当てて固定した後、残りの2つの補助板をp型多結晶シリコン基板2Aに押し当てて固定しているが、p型多結晶シリコン基板2Aをステージ面102a上の領域に載置した後に、第1補助板103、第2補助板104、第3補助板105および第4補助板106を印刷ステージ102上において内方にスライドさせてp型多結晶シリコン基板2Aの辺に押し当てて固定してもよい。この場合は、たとえば印刷ステージ102の面内における中心から各補助板まで距離が等しくなるように、各補助板をゆっくりと同じ速度でスライドさせることにより、p型多結晶シリコン基板2Aは各補助板により四方からゆっくりと押されることにより、所定の基準位置に位置合わせされる。
【0042】
つぎに、印刷ステージ102においては、加圧ポンプを用いて加圧導管115を介して基板周辺吹き出し穴114から正圧ガスを噴出する。
【0043】
つぎに、印刷ステージ102上に固定されたp型多結晶シリコン基板2A上に、印刷マスク枠108間に張設された印刷マスク107がp型多結晶シリコン基板2Aに対して位置合わせされた状態で該p型多結晶シリコン基板2Aと所定の間隔をあけて固定される。たとえば印刷ステージ102と印刷マスク107の下面との間に1mm〜3mm程度のギャップを開けて印刷マスク107が固定される。
【0044】
つぎに、この印刷マスク107のスキージ110側の面上に、電極を形成するためのペースト109が図示しないスクレッパーにより薄く広げられる。そして、スキージ110によって印刷マスク107に所定の押圧力を加えて、図4−2中の矢印方向に摺動させることによって、印刷マスク107の開口パターン(メッシュ108aの露出パターン)を通してペースト109がp型多結晶シリコン基板2A側に押し出され、所望の電極パターンが印刷される。このとき、印刷マスク107がギャップ分だけしなるようにたとえば50N〜150Nの力でゴム製のスキージ110を印刷マスク107に印刷する。
【0045】
印刷中は、p型多結晶シリコン基板2Aはステージ吸着穴111からの吸引力と4つの補助板の緩やかな締め付け力で保持されており、各補助板とp型多結晶シリコン基板2Aとにおける対向する側面同士は、隙間無く密着した状態とされる。このため、p型多結晶シリコン基板2Aの側面へのペースト109の付着は発生しない。
【0046】
また、何らかの原因により各補助板とp型多結晶シリコン基板2Aとにおける対向する側面同士の間に隙間が生じた場合でも、基板周辺吹き出し穴114から正圧ガスを噴出することにより、該隙間とペースト109との間での毛管現象の発生を防止することができるため、p型多結晶シリコン基板2Aの側面へのペースト109の付着は発生しない。
【0047】
また、本実施の形態では、印刷マスク107に設けられた電極パターン(開口パターン)、すなわち乳剤部108bにより画定されたメッシュ108aのパターンは、p型多結晶シリコン基板2Aのp型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面よりも大きく形成されている。このため、電極パターンは、p型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、p型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面の周辺部まで印刷される。
【0048】
印刷終了後、スキージ110が上昇して印刷力を開放されると、印刷マスク107とp型多結晶シリコン基板2Aとの接触が無くなる。そして、ステージ吸着穴111からの吸引力でp型多結晶シリコン基板2Aを吸着した状態、また基板周辺吹き出し穴114から正圧ガスを噴出した状態で、第1補助板103、第2補助板104、第3補助板105および第4補助板106を印刷ステージ102上において外方に開いてp型多結晶シリコン基板2Aの側面から離間させる。その後、基板周辺吹き出し穴114からの正圧ガスの噴出およびステージ吸着穴111によるp型多結晶シリコン基板2Aの吸引を停止し、p型多結晶シリコン基板2Aを印刷ステージ102から搬出する。
【0049】
そして、第1補助板103、第2補助板104、第3補助板105および第4補助板106の上面に付着したペースト109を清掃した後、同様の処理により次のp型多結晶シリコン基板2Aに対してペースト109の印刷処理を行う。
【0050】
以上のようにしてp型多結晶シリコン基板2Aに対してペースト109の印刷処理を行うことにより、p型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、p型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面の周辺部までペースト109を印刷することができる。
【0051】
すなわち、上記のステップS50およびステップS60では、表銀グリッド電極5、表銀バス電極6、裏面アルミニウム電極7および裏面バス電極8のそれぞれのパターンに対応するとともに、電極パターン(開口パターン)が印刷時に重なるp型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面よりも大きく形成された、または印刷時に重なる被印刷面の周辺部の直近位置まで形成された印刷マスク107を用いて上記のようにしてp型多結晶シリコン基板2Aに対してペースト109を印刷する。これにより、図1−2に示されるように太陽電池セル1の周辺部まで延在する表銀グリッド電極5を形成できる。また、太陽電池セル1の外周縁部の直近の位置に表銀バス電極6を形成できる。また、図1−3に示されるように太陽電池セル1の周辺部まで裏面アルミニウム電極7を形成できる。そして、太陽電池セル1の周辺部まで延在する裏面バス電極8を形成できる。
【0052】
これにより、太陽電池セル1の面内の外周縁部における電極の未印刷領域に起因した光電変換効率の低下が防止され、光電変換効率に優れた太陽電池セル1が得られる。
【0053】
p型多結晶シリコン基板2Aに対してペースト109を印刷する際にp型多結晶シリコン基板2Aの外形のエッジ部に表銀グリッド電極5や表銀バス電極6が接触するまで近づけて印刷マスク107の電極パターン(開口パターン)を設計すると、印刷マスク107の延びや印刷パターンの広がりが原因となってp型多結晶シリコン基板2Aの側面にペースト109が付着して表裏が短絡するという不良が発生しやすい。
【0054】
しかしながら、このスクリーン印刷機101では、上述した補助板や基板周辺吹き出し穴114からの正圧ガスを噴出機構を有するため、p型多結晶シリコン基板2Aの側面へのペースト109の付着は発生しない。
【0055】
図6−1〜図6−3は、従来のスクリーン印刷機により太陽電池セルの外周縁部に所定の幅の電極未印刷領域を設けて電極を印刷して形成した太陽電池セルの構成を示す図であり、図6−1は、太陽電池セルの断面構造を説明するための要部断面図、図6−2は、受光面側から見た太陽電池セルの上面図、図6−3は、受光面と反対側(裏面側)から見た太陽電池セルの下面図である。図6−1は、図6−2の線分B−Bにおける要部断面図である。なお、図6−1〜図6−3において、図1−1〜図1−3と同じ部材は同じ符号を付してある。
【0056】
図6−1〜図6−3に示される太陽電池セルでは、受光面側電極12、裏面側電極13共に太陽電池セルの外形の周辺部まで延在して電極が設けられていない。特に太陽電池セルの裏面側では、pn接合を形成するために形成したn型不純物拡散層31が外周縁部に残存して露出している。太陽電池セルの裏面側における裏面アルミニウム電極7の下部領域では、電極印刷後の焼成工程における裏面アルミニウム電極7からのアルミニウムの拡散により、n型不純物拡散層31がp型層に反転される。しかしながら、この太陽電池セルでは外周縁部に裏面アルミニウム電極7が印刷されていないため、n型不純物拡散層31が残存している。
【0057】
156mm角サイズのシリコン太陽電池セルについて、太陽電池セルの辺方向における太陽電池セルの側面から裏面アルミニウム電極7までの距離dによる光電変換効率η(相対%)の変化を調べた結果を表1に示す。ここでは、距離d=0の場合を100%として示している。
【0058】
【表1】

【0059】
従来の太陽電池セルの製造においては、スクリーン印刷機における基板と印刷マスクとの重ね合せ精度、印刷パターンの広がり、印刷マスクの延びを考慮して距離dを0.3mm〜2mmとしていたのが一般的である。しかしながら、この場合は表1に示したように、距離dが0.4mmから3mmに大きくなるにつれて、距離d=0の場合と比較して太陽電池セルの光電変換効率ηが1%〜15%劣化している。また、ここでは示していないが、表銀グリッド電極5および表銀バス電極6を太陽電池セルの周辺部まで延在して設けていないことによるキャリアの表面再結合による光電変換効率ηの劣化分も存在する。
【0060】
したがって、本実施の形態にかかるスクリーン印刷機101を用いて、受光面側電極12と裏面側電極13との短絡が発生しないようにして、太陽電池セル1の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、太陽電池セル1の周辺部まで電極を配置することにより、光電変換効率ηを数%向上させて、良好な光電変換効率ηを実現することが可能である。
【0061】
なお、上記の方法においては、p型多結晶シリコン基板2Aに対してペースト109の印刷処理を行う毎に各補助板の清掃が必要であるが、たとえば補助板の上面をフッ素コートすることで補助板の上面がペースト109をはじくため清掃が容易になり、さらには清掃が不要になる。
【0062】
また、基板周辺吹き出し穴114からの正圧ガスは、通常、各補助板とp型多結晶シリコン基板2Aとにおける対向する側面同士の間の隙間を抜けるが、各補助板を多孔質の材質により構成して正圧ガスが補助板も一部抜けるようにすれば、補助板の上面に対するペースト109の付着を無くすことができる。
【0063】
また、p型多結晶シリコン基板2Aと各補助板との隙間にペースト109の付着を発生させないために、たとえば図7に示すように各補助板の厚みをp型多結晶シリコン基板2Aの厚みよりも厚くして、p型多結晶シリコン基板2Aの周辺部上面を覆う庇部を設けて庇付き補助板を構成してもよい。図7は、本実施の形態にかかるスクリーン印刷機101において庇付き補助板を用いてp型多結晶シリコン基板2Aを固定した状態の一例を模式的に示す断面図である。このような庇部を有する補助板を用いて、周辺部を覆ってp型多結晶シリコン基板2Aを固定することにより、p型多結晶シリコン基板2Aと各補助板との隙間へのペースト109の付着を防止することができる。
【0064】
図7においては、庇部104aを有する第2補助板104と庇部106aを有する第4補助板106とによりp型多結晶シリコン基板2Aを固定した状態を示している。p型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面の外周縁部における未印刷領域を極力少なくするために、庇部104a、106aがp型多結晶シリコン基板2Aの周辺部上面を内側に覆う被覆幅W、すなわちp型多結晶シリコン基板2Aの辺方向におけるp型多結晶シリコン基板2Aの側面から庇部104a、106aの先端までの長さは、たとえば0.01mm以上0.10mm以内とされることが好ましい。
【0065】
なお、図7では、庇部を有する第2補助板104と第4補助板106とのみを示しているが、第1補助板103と第3補助板105とについても、同様の構成でp型多結晶シリコン基板2Aを固定することができる。
【0066】
また、たとえば図8に示すように、上方に位置する平板が下方に位置する平板からp型多結晶シリコン基板2A側に突出するように2種類の平板を積層させて庇部を形成して、庇付き補助板を構成してもよい。図8は、本実施の形態にかかるスクリーン印刷機101において庇付き補助板を用いてp型多結晶シリコン基板2Aを固定した状態の他の例を模式的に示す断面図である。このような庇部を有する補助板を用いて、周辺部を覆ってp型多結晶シリコン基板2Aを固定することにより、p型多結晶シリコン基板2Aと各補助板との隙間へのペースト109の付着を防止することができる。
【0067】
図8においては、平板131が第2補助板104からp型多結晶シリコン基板2A側に突出するように第2補助板104上に平板131を積層させて庇部131aが形成された補助板を示している。また、平板132が第4補助板106からp型多結晶シリコン基板2A側に突出するように第4補助板106上に平板132を積層させて庇部132aが形成された補助板を示している。p型多結晶シリコン基板2Aの被印刷面の外周縁部における未印刷領域を極力少なくするために、庇部131a、132aがp型多結晶シリコン基板2Aの周辺部上面を覆う被覆幅Wはたとえば0.01mm以上0.10mm以内とされることが好ましい。
【0068】
なお、第1補助板103と第3補助板105とについても平板を積層して庇部を形成して、p型多結晶シリコン基板2Aを固定することができる。
【0069】
図9は、スクリーン印刷機101において角部に丸みを帯びた基板を固定した状態を示す平面図である。この場合、基板として、直径が8インチ(200mm)の単結晶シリコンインゴットを鋳造後に156mm角になるようにスライスした単結晶シリコン基板201Aを用いている。この単結晶シリコン基板201Aは、バルク型の太陽電池セルに広く使用される基板であり、4つの角がインゴットの断面形状に沿った等しい形状の丸みを有している。
【0070】
この単結晶シリコン基板201Aに対してペースト109を印刷する場合には、第1補助板141と第2補助板142と第3補助板143と第4補助板144との4つの補助板の側面を単結晶シリコン基板201Aの4つの辺の側面に密着させて固定する。
【0071】
ここで、4つの補助板は、単結晶シリコン基板201Aの側面に当接する角部が、単結晶シリコン基板201Aの外形形状に合わせて形成されている。すなわち、第1補助板141は、単結晶シリコン基板201Aの側面に当接する角部に、単結晶シリコン基板201Aの角部の丸み形状に沿った形状の突出部141aを有する。第2補助板142は、単結晶シリコン基板201Aの側面に当接する角部に、単結晶シリコン基板201Aの角部の丸み形状に沿った形状の突出部142aを有する。第3補助板143は、単結晶シリコン基板201Aの側面に当接する角部に、単結晶シリコン基板201Aの角部の丸み形状に沿った形状の突出部143aを有する。第4補助板144は、単結晶シリコン基板201Aの側面に当接する角部に、単結晶シリコン基板201Aの角部の丸み形状に沿った形状の突出部144aを有する。
【0072】
これらの補助板により単結晶シリコン基板201Aを挟んで固定する場合には、印刷ステージ102上において補助板を一端外方にスライドさせた後、所定の位置から内方(たとえば図9中の中太線矢印方向)にスライドさせて、角突出部を単結晶シリコン基板201Aの角部に合わせて押し当て、所定の基準位置で固定する。
【0073】
このような4つの補助板により単結晶シリコン基板201Aを挟んで固定することにより、各補助板と単結晶シリコン基板201Aとにおける対向する側面同士は、隙間無く密着した状態とされる。そして、上記と同様にしてスクリーン印刷機101によりペースト109の印刷を行うことにより、単結晶シリコン基板201Aの側面へのペースト109の付着を発生させることなく、ペースト109を印刷することができる。また、単結晶シリコン基板201Aの被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、単結晶シリコン基板201Aの被印刷面の周辺部までペースト109を印刷することができる。すなわち、スクリーン印刷機101では、外形に曲線形状を有する基板に対しても上述した効果が得られる。
【0074】
上述したように、本実施の形態にかかるスクリーン印刷機101によれば、太陽電池セル形成用の基板に対して、被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、または未印刷領域を極力少なくして、また基板の側面へのペースト109の付着を発生させることなく、被印刷面の周辺部までペースト109を容易に印刷することができる。これにより、太陽電池セル1の面内の外周縁部における電極の未印刷領域に起因した光電変換効率の低下や電極の短絡を防止して、光電変換効率に優れた太陽電池セル1を廉価に大量生産することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明にかかるスクリーン印刷機は、基板の被印刷面の外周縁部に未印刷領域を形成することなく、または未印刷領域を極力少なくしてペーストを印刷するとともに基板の側面へのペーストの付着を防止してペーストを印刷する場合に有用であり、特に、太陽電池セルの電極の印刷に適している。
【符号の説明】
【0076】
1 太陽電池セル
2 半導体基板
2A p型多結晶シリコン基板
3 n型不純物拡散層
4 反射防止膜
5 表銀グリッド電極
6 表銀バス電極
7 裏面アルミニウム電極
7a アルミニウムペースト
8 裏面バス電極
11 半導体基板
12 受光面側電極
12a 銀ペースト
13 裏面側電極
31 n型不純物拡散層
101 スクリーン印刷機
102 印刷ステージ
102a ステージ面
103 第1補助板
104 第2補助板
104a 庇部
105 第3補助板
106 第4補助板
106a 庇部
107 印刷マスク
108 印刷マスク枠
108a メッシュ
108b 乳剤部
109 ペースト
110 スキージ
111 ステージ吸着穴
112 真空導管
113 真空配管
114 基板周辺吹き出し穴
115 加圧導管
121 点線
131 平板
131a 庇部
132 平板
132a 庇部
141 第1補助板
141a 突出部
142 第2補助板
142a 突出部
143 第3補助板
143a 突出部
144 第4補助板
144a 突出部
201A 単結晶シリコン基板
W 被覆幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷マスク上においてスキージを摺動することにより前記印刷マスク上のペーストを前記印刷マスクに設けられた開口パターンを介して前記印刷マスクの下部の印刷ステージ上に配置された被印刷物の被印刷面に塗布するスクリーン印刷機であって、
前記被印刷物の側面形状に沿って形成された側面を前記印刷ステージ上において前記被印刷物の側面に隙間無く密着させて前記被印刷物を固定可能な1つ以上の補助板を有すること、
を特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項2】
前記補助板の前記被印刷物と接触する側面の厚みが前記被印刷物の厚みと略同一であること、
を特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷機。
【請求項3】
前記補助板は、前記被印刷物と密着した際に前記補助板の側面から前記被印刷物の被印刷面の外周縁部を覆う庇部を有すること、
を特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷機。
【請求項4】
前記庇部は、前記補助板の側面からの突出幅が0.01mm以上0.10mm以内であること、
を特徴とする請求項3に記載のスクリーン印刷機。
【請求項5】
前記補助板の上面がフッ素コートされていること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のスクリーン印刷機。
【請求項6】
前記補助板は、外形に曲線形状を有する前記被印刷物に対応して前記曲線形状に沿った側面を有すること、
を特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷機。
【請求項7】
外形が多角形である前記被印刷物の複数の側面のそれぞれに対応した複数の前記補助板を備え、
前記複数の補助板をそれぞれ対応する前記被印刷物の側面に密着させて前記被印刷物を固定すること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のスクリーン印刷機。
【請求項8】
外形が四角形である前記被印刷物に対して、4つの前記補助板のそれぞれが前記被印刷物の外形の1辺のみと密着するように配置されること、
を特徴とする請求項7に記載のスクリーン印刷機。
【請求項9】
前記印刷マスクに設けられた開口パターンが、前記被印刷物の外形より大きいこと、
を特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスクリーン印刷機。
【請求項10】
印刷マスク上においてスキージを摺動することにより前記印刷マスク上のペーストを前記印刷マスクに設けられた開口パターンを介して前記印刷マスクの下部の印刷ステージ上に配置された被印刷物の主面に塗布するスクリーン印刷方法であって、
前記被印刷物の側面形状に沿って形成された側面を有する1つ以上の補助板を、前記印刷ステージ上において前記被印刷物の側面に隙間無く密着させて前記被印刷物を固定した状態で前記ペーストを塗布すること、
を特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項11】
前記被印刷物の外形が多角形である場合に、前記被印刷物の複数の側面のそれぞれに対応した複数の前記補助板を対応する前記被印刷物の側面に密着させて前記被印刷物を固定すること、
を特徴とする請求項10に記載のスクリーン印刷方法。
【請求項12】
前記被印刷物の外形が四角形である場合に、4つの前記補助板のそれぞれが前記被印刷物の外形の1辺のみと密着するように配置すること、
を特徴とする請求項11に記載のスクリーン印刷方法。
【請求項13】
前記被印刷物の位置決め基準となる前記被印刷物の外形の2辺に対応する2つの前記補助板を先に前記被印刷物の対応する側面に押し当てて固定し、その後、前記被印刷物の外形の他の2辺に対応する2つの前記補助板を前記被印刷物の側面に押し当てて固定すること、
を特徴とする請求項12に記載のスクリーン印刷方法。
【請求項14】
前記開口パターンが前記被印刷物の外形より大きく形成された前記印刷マスクを用いること、
を特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載のスクリーン印刷方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−49181(P2013−49181A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187979(P2011−187979)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】