説明

スクリーン印刷機および回路基板の上昇量の設定方法

【課題】トップクランプ部の有無に応じて、自動的に回路基板の上昇量を調整可能な、スクリーン印刷機および回路基板の上昇量の設定方法を提供することを課題とする。
【解決手段】スクリーン印刷機1は、搬送高さC8において回路基板90を搬送する搬送部2と、搬送高さC8よりも高い印刷高さC7において回路基板90を支持すると共に、搬送高さC8から印刷高さC7まで回路基板90を上昇させるバックアップ部4と、を備える。スクリーン印刷機1は、さらに、トップクランプ部3と、トップクランプ部3の有無に関連付けられる撮像データA1を取得可能な撮像部5と、撮像データA1を基にトップクランプ部3の有無を判別し、トップクランプ部3の有無に応じて回路基板90の上昇量を調整する制御部6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板にはんだを印刷するのに用いられるスクリーン印刷機、および印刷高さまでの回路基板の上昇量の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷機は、スクリーンマスクとスキージとを備えている。スクリーンマスクは、パターン孔を備えている。スクリーンマスクの上面には、はんだが配置されている。スキージはスクリーンマスクの上方に配置されている。
【0003】
回路基板にはんだを印刷する場合は、まず、スクリーンマスクに当接するまで、回路基板を上昇させる。次いで、スキージを用いて、スクリーンマスク上面のはんだを、パターン孔に押し込む。そして、当該はんだを回路基板に転写させる。
【0004】
はんだ印刷時においては、回路基板をしっかりと固定しておく必要がある。特許文献1(例えば、[図4]、[図5])に記載されているように、スクリーン印刷機の場合、通常、水平方向から回路基板を挟み込むことにより、回路基板の固定が行われる。
【0005】
図10に、従来のスクリーン印刷機の右側面図を示す。図10に示すように、スクリーン印刷機は、サイドクランプ部109を備えている。サイドクランプ部109は、基準側サイドクランプ部材109fと、可動側サイドクランプ部材109rと、を備えている。印刷時において、回路基板100は、基準側壁部105の上方に固定された基準側サイドクランプ部材109fと、可動側壁部106の上方に固定された可動側サイドクランプ部材109rとにより、前後方向から挟み込まれている。この挟持力により、回路基板100は固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−241371号公報
【特許文献2】特開2009−76617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年においては、上下方向厚みの薄い、薄型の回路基板100も増加している。薄型の回路基板100を水平方向から挟み込むと、挟持力により回路基板100が上下方向に撓むおそれがある。この状態で回路基板100にはんだを印刷すると、印刷品質が低下するおそれがある。
【0008】
この点、特許文献2には、水平方向からではなく、上下方向から回路基板を挟み込む方法が開示されている。ただし、同文献に開示されているのは、スクリーン印刷機ではなく、電子部品実装機である。同文献に開示されているように、印刷の際、上下方向から回路基板を挟み込めば、回路基板の撓みを抑制することができる。
【0009】
図11に、トップクランプ部を備えるスクリーン印刷機の部分右側面図を示す。なお、図10と対応する部位については、同じ符号で示す。図11に示すように、スクリーン印刷機にトップクランプ部101を配置すると、回路基板100の上面に、印刷不可能領域A100と印刷困難領域A101とが存在する。印刷不可能領域A100は、トップクランプ部101の押圧部102により、覆われている。このため、スキージ104が移動しても、印刷不可能領域A100にはんだを印刷することはできない。また、印刷困難領域A101は、押圧部102の上下方向厚みA102に起因して、発生する。スクリーンマスク103の下面は、印刷困難領域A101に当接していない。このため、スキージ104が移動する際、スクリーンマスク103のパターン孔(図略)の形状を、回路基板100の上面に再現するのが困難である。したがって、印刷困難領域A101においては、印刷品質が低下してしまう。
【0010】
図10と図11とを比較すると、図10に示す従来のスクリーン印刷機(サイドクランプ部109を備えるスクリーン印刷機)は、回路基板100の固定性は低いものの、印刷不可能領域A100および印刷困難領域A101が発生しないことが判る。また、図11に示すトップクランプ部101を備えるスクリーン印刷機は、印刷不可能領域A100および印刷困難領域A101が発生するものの、回路基板100の固定性は高いことが判る。
【0011】
このように、図10に示す従来のスクリーン印刷機も、図11に示すトップクランプ部101を備えるスクリーン印刷機も、各々、メリット、デメリットを有する。このため、生産対象となる回路基板100の種類に応じて、水平方向から回路基板100を固定するか、あるいは上下方向から回路基板100を固定するか、選択する必要がある。すなわち、回路基板100の種類に応じて、スクリーン印刷機に対して、トップクランプ部101を脱着する必要がある。
【0012】
しかしながら、トップクランプ部101を脱着すると、トップクランプ部101の有無により、印刷高さ(印刷時の回路基板100の上面の高さ)A103が変化する。このため、回路基板100の上昇量A104を調整する必要がある。すなわち、図10に示すように、トップクランプ部101が配置されていない場合、基準側サイドクランプ部材109fの上面と、可動側サイドクランプ部材109rの上面と、回路基板100の上面と、を面一に揃える必要がある。一方、図11に示すように、トップクランプ部101が配置されている場合、押圧部102の下面と、回路基板100の上面と、を面一に揃える必要がある。このため、トップクランプ部101が配置されているスクリーン印刷機(図11)の方が、トップクランプ部101が配置されていないスクリーン印刷機(図10)よりも、印刷高さA103が低くなる。したがって、回路基板100の上昇量A104が小さくなる。回路基板100の種類を変更するごとに、逐一、回路基板100の上昇量A104を手動で設定し直すのは、繁雑である。
【0013】
本発明のスクリーン印刷機および回路基板の上昇量の設定方法は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、トップクランプ部の有無の確認と、回路基板の上昇量の調整と、を自動的に行うことができるスクリーン印刷機および回路基板の上昇量の設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記課題を解決するため、本発明のスクリーン印刷機は、搬送高さにおいて回路基板を搬送する搬送部と、該搬送高さよりも高い印刷高さにおいて該回路基板を支持すると共に、該搬送高さから該印刷高さまで該回路基板を上昇させるバックアップ部と、を備えるスクリーン印刷機であって、さらに、前記印刷高さにおいて前記回路基板の上面を部分的に押さえる押圧部を有する、脱着可能なトップクランプ部と、該トップクランプ部の有無に関連付けられる撮像データを取得可能な撮像部と、該撮像データを基に該トップクランプ部の有無を判別し、該トップクランプ部の有無に応じて該回路基板の上昇量を調整する制御部と、を備えることを特徴とする(請求項1に対応)。
【0015】
本発明のスクリーン印刷機は、脱着可能なトップクランプ部を備えている。撮像部は、撮像データを取得することができる。撮像データは、トップクランプ部の有無に関連付けられている。このため、制御部は、撮像データから、トップクランプ部の有無を判別することができる。また、制御部は、判別されたトップクランプ部の有無に応じて、搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際の、回路基板の上昇量を調整することができる。このように、本発明のスクリーン印刷機によると、トップクランプ部の有無の確認と、回路基板の上昇量の調整と、を自動的に行うことができる。
【0016】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記撮像データは、有無表示マークである構成とする方がよい(請求項2に対応)。例えば、有無表示マークが搬送部に配置されている場合、当該有無表示マークはトップクランプ部の不存在と関連付けられている。また、例えば、有無表示マークがトップクランプ部に配置されている場合、当該有無表示マークはトップクランプ部の存在と関連付けられている。また、例えば、有無表示マークは、搬送部およびトップクランプ部の双方に配置してもよい。
【0017】
撮像部は、有無表示マークを撮像することができる。制御部は、撮像された有無表示マークから、トップクランプ部の有無を判別することができる。また、制御部は、判別されたトップクランプ部の有無に応じて、搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際の、回路基板の上昇量を調整することができる。
【0018】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記トップクランプ部は、前記押圧部を有するトップクランプ部材を有し、さらに、該トップクランプ部材と交換可能であり、前記印刷高さにおいて前記回路基板を水平方向から固定するサイドクランプ部材を有するサイドクランプ部を有し、前記搬送部は、上面に該トップクランプ部材と該サイドクランプ部材とが交換可能に取り付けられ、該回路基板を搬送する搬送部材を有し、前記有無表示マークは、該サイドクランプ部材の該上面に配置され、該トップクランプ部材の不存在に関連付けられる不存在表示マークである構成とする方がよい(請求項3に対応)。
【0019】
本構成によると、搬送部材に対して、トップクランプ部材とサイドクランプ部材とが、択一的に取り付けられている。不存在表示マークは、サイドクランプ部材の上面に配置されている。不存在表示マークは、トップクランプ部材の不存在に関連付けられている。撮像部は、不存在表示マークを撮像することができる。制御部は、撮像された不存在表示マークから、トップクランプ部材の不存在を判別することができる。また、制御部は、判別されたトップクランプ部材の不存在に応じて、搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際の、回路基板の上昇量を調整することができる。
【0020】
(4)好ましくは、上記(2)の構成において、前記トップクランプ部は、前記押圧部を有するトップクランプ部材を有し、前記搬送部は、上面に該トップクランプ部材が脱着可能に取り付けられ、前記回路基板を搬送する搬送部材を有し、前記有無表示マークは、該搬送部材の該上面に配置され、該トップクランプ部材の不存在に関連付けられる不存在表示マークである構成とする方がよい(請求項4に対応)。
【0021】
本構成によると、搬送部材に対して、トップクランプ部材が脱着可能に取り付けられている。不存在表示マークは、搬送部材の上面に配置されている。不存在表示マークは、トップクランプ部材の不存在に関連付けられている。撮像部は、不存在表示マークを撮像することができる。制御部は、撮像された不存在表示マークから、トップクランプ部材の不存在を判別することができる。また、制御部は、判別されたトップクランプ部材の不存在に応じて、搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際の、回路基板の上昇量を調整することができる。
【0022】
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記トップクランプ部は、前記押圧部の前記上下方向厚みに関連付けられる厚み表示マークを有すると共に、該上下方向厚みに応じて交換可能なように複数種類用意され、前記印刷高さにおいて、交換前の該押圧部の上面の高さと、交換後の該押圧部の該上面の高さと、は該上下方向厚みによらず、一定であり、前記撮像部は、該厚み表示マークを撮像可能であり、前記制御部は、撮像された該厚み表示マークを基に該上下方向厚みを判別し、該上下方向厚みに応じて前記回路基板の上昇量を調整する構成とする方がよい(請求項5に対応)。
【0023】
図11に示すように、押圧部102の上下方向厚みA102が厚くなると、印刷困難領域A101が広くなる。一方、押圧部102の上下方向厚みA102が薄くなると、印刷困難領域A101が狭くなる。このため、押圧部102の上下方向厚みA102は薄い方が好ましい。ところが、押圧部102の上下方向厚みA102が薄くなると、押圧部102の強度が低下してしまう。このため、回路基板の種類やユーザのニーズなどに応じて、押圧部の上下方向厚みA102が異なる複数種類のトップクランプ部が使い分けられる場合がある。
【0024】
複数種類のトップクランプ部は、各々、厚み表示マークを有している。厚み表示マークは、押圧部の上下方向厚みに関連付けられている。撮像部は、厚み表示マークを撮像することができる。制御部は、撮像された厚み表示マークから、押圧部の上下方向厚みを判別することができる。また、制御部は、判別された上下方向厚みに応じて、搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際の、回路基板の上昇量を調整することができる。このように、本構成によると、トップクランプ部を脱着する際のみならず、複数種類のトップクランプ部を交換する際においても、自動的に回路基板の上昇量を調整することができる。
【0025】
(5−1)好ましくは、上記(5)の構成において、前記厚み表示マークの水平方向位置と、前記不存在表示マークの水平方向位置と、が一致している構成とする方がよい。本構成によると、撮像の際、撮像部を水平方向に動かす必要がない。したがって、撮像に要する時間を短縮できる。
【0026】
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記トップクランプ部は、前記搬送部に、交換可能に取り付けられ、前記バックアップ部は、該搬送部ごと前記回路基板を上昇させる全体上昇部と、該搬送部に対して該回路基板を上昇させる回路基板上昇部と、を有し、該トップクランプ部を交換する場合、前記制御部は、該回路基板の前記上昇量のうち、該全体上昇部による該上昇量だけ、または該回路基板上昇部による該上昇量だけを調整する構成とする方がよい(請求項6に対応)。
【0027】
全体上昇部と回路基板上昇部とは、搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際、協同して動く。搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際の回路基板の上昇量は、全体上昇部による上昇量と、回路基板上昇部による上昇量と、の合計である。回路基板上昇部は、搬送高さから押圧部の下面までの回路基板の上昇量を確保する。全体上昇部は、残りの回路基板の上昇量を確保する。
【0028】
交換可能な複数のトップクランプ部において、搬送高さから押圧部の下面までの上下方向長さが一定の場合、回路基板上昇部による回路基板の上昇量は、一定になる。この場合は、全体上昇部による回路基板の上昇量だけを調整する。交換可能な複数のトップクランプ部において、トップクランプ部の上下方向長さが一定である場合、全体上昇部による回路基板の上昇量は、一定になる。この場合は、回路基板上昇部による回路基板の上昇量だけを調整する。本構成によると、制御部が、全体上昇部による上昇量だけ、または回路基板上昇部による上昇量だけを調整している。このため、制御部の演算負荷が軽くなる。
【0029】
(7)好ましくは、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、前記撮像部は、前記回路基板の位置決め用として、兼用される構成とする方がよい(請求項7に対応)。本構成によると、位置決め用の撮像部と、回路基板の上昇量の調整用の撮像部と、を別々に配置する場合と比較して、部品点数が少なくなる。
【0030】
(8)また、上記課題を解決するため、本発明の回路基板の上昇量の設定方法は、搬送高さから印刷高さまで持ち上げられてはんだを印刷される回路基板の上昇量の設定方法であって、前記印刷高さにおいて前記回路基板の上面を部分的に押さえる押圧部を有する、脱着可能なトップクランプ部の、有無に関連付けられる撮像データを取得し、該撮像データを基に該トップクランプ部の有無を判別する撮像工程と、該トップクランプ部の有無に応じて該回路基板の上昇量を調整する調整工程と、を有することを特徴とする(請求項8に対応)。
【0031】
本発明の回路基板の上昇量の設定方法(以下、適宜、「設定方法」と略称する。)は、撮像工程と調整工程とを有している。撮像工程においては、まず、撮像データを取得する。撮像データは、トップクランプ部の有無に関連付けられている。次いで、撮像データから、トップクランプ部の有無を判別する。調整工程においては、判別されたトップクランプ部の有無に応じて、搬送高さから印刷高さまで回路基板を上昇させる際の、回路基板の上昇量を調整する。本発明の設定方法によると、トップクランプ部の有無の確認と、回路基板の上昇量の調整と、を自動的に行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、トップクランプ部の有無の確認と、回路基板の上昇量の調整と、を自動的に行うことができるスクリーン印刷機および回路基板の上昇量の設定方法を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態であるスクリーン印刷機の右側面図である。
【図2】同スクリーン印刷機の上面図である。
【図3】可動側搬送部材および可動側トップクランプ部材の分解斜視図である。
【図4】同スクリーン印刷機のブロック図である。
【図5】同スクリーン印刷機のはんだ印刷時における右側面図である。
【図6】図5の枠VI内の拡大図である。
【図7】可動側押圧部の上下方向厚みが厚い場合の図6に対応する部分の拡大図である。
【図8】可動側押圧部が配置されていない場合の図6に対応する部分の拡大図である。
【図9】本発明の一実施形態である回路基板の上昇量の設定方法のフローチャートである。
【図10】従来のスクリーン印刷機の右側面図である。
【図11】トップクランプ部を備えるスクリーン印刷機の部分右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明のスクリーン印刷機および設定方法の実施の形態について説明する。
【0035】
<スクリーン印刷機の構成>
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図1に、本実施形態のスクリーン印刷機の右側面図を示す。図2に、同スクリーン印刷機の上面図を示す。なお、説明の便宜上、図2においては印刷部7を省略する。
【0036】
図1、図2に示すように、本実施形態のスクリーン印刷機1は、主に、搬送部2と、トップクランプ部3と、バックアップ部4と、撮像部5と、制御部と、印刷部7と、基部8と、サイドクランプ部9と、を備えている。
【0037】
[基部8、バックアップ部4]
基部8は、工場の床面に配置されている。基部8は、Z方向ガイドレール80を備えている。Z方向ガイドレール80は、上下方向(Z方向)に延在している。
【0038】
バックアップ部4は、全体上昇部40と、回路基板上昇部41と、マスクサポート部42と、を備えている。全体上昇部40は、支持部材400と、下段テーブル401と、上段テーブル402と、四つのスロープ部材403f、403rと、前後一対のZ方向ガイドロッド404f、404rと、を備えている。
【0039】
支持部材400は、天板部400aと、Z方向被ガイド部400bと、多数のボール400cと、を備えている。Z方向被ガイド部400bは、上下方向に延びる長方形板状を呈している。ボールねじ機構(図略)により、Z方向被ガイド部400bは、Z方向ガイドレール80に沿って、上下方向に移動可能である。天板部400aは、水平方向に広がる長方形板状を呈している。天板部400aは、Z方向被ガイド部400bの上端に連なっている。多数のボール400cは、天板部400aの上面に、回転可能に埋設されている。
【0040】
下段テーブル401は、水平方向に広がる長方形板状を呈している。下段テーブル401は、多数のボール400cを介して、Z方向被ガイド部400bの上方に配置されている。このため、下段テーブル401は、ボールねじ機構(図略)により、Z方向被ガイド部400bに対して、水平方向(左右方向、前後方向、回転方向)に移動可能である。下段テーブル401は、左右一対のY方向ガイドレール401L、401Rを備えている。左右一対のY方向ガイドレール401L、401Rは、下段テーブル401の上面に配置されている。左右一対のY方向ガイドレール401L、401Rは、各々、前後方向(Y方向)に延在している。
【0041】
四つのスロープ部材403f、403rは、各々、三角形板状を呈している。右側の二つのスロープ部材403f、403rは、ボールねじ機構(図略)により、Y方向ガイドレール401Rに沿って、前後方向に移動可能である。左側の二つのスロープ部材(図略)は、ボールねじ機構(図略)により、Y方向ガイドレール401Lに沿って、前後方向に移動可能である。
【0042】
上段テーブル402は、水平方向に広がる長方形板状を呈している。上段テーブル402は、四つの車輪402f、402rを備えている。四つの車輪402f、402rは、上段テーブル402の下面に配置されている。右側の二つの車輪402f、402rは、右側の二つのスロープ部材403f、403rの斜面を、相対的に移動可能である。左側の二つの車輪(図略)は、左側の二つのスロープ部材の斜面を、相対的に移動可能である。
【0043】
前後一対のZ方向ガイドロッド404f、404rは、各々、丸棒状を呈している。前後一対のZ方向ガイドロッド404f、404rは、上段テーブル402を貫通して、上下方向に延在している。前後一対のZ方向ガイドロッド404f、404rに沿って、上段テーブル402は、上下方向に移動可能である。
【0044】
回路基板上昇部41は、バックアップテーブル410と、多数のバックアップピン411と、を備えている。バックアップテーブル410は、水平方向に広がる長方形板状を呈している。バックアップテーブル410は、前後一対のZ方向ガイドロッド404f、404rの上方に配置されている。ボールねじ機構(図略)により、バックアップテーブル410は、上下方向に移動可能である。
【0045】
多数のバックアップピン411は、バックアップテーブル410の上面に配置されている。多数のバックアップピン411は、回路基板90の下面に実装済みの電子部品900を避けるように、配置されている。
【0046】
マスクサポート部42は、前後一対のマスクサポート部材420f、420rを備えている。マスクサポート部材420rは、左右一対の支柱420rL、420rRと、サポート板420raと、を備えている。左右一対の支柱420rL、420rRは、各々、角柱状を呈している。支柱420rLは、下段テーブル401の左後角に配置されている。支柱420rRは、下段テーブル401の右後角に配置されている。サポート板420raは、左右方向に長い細板状を呈している。サポート板420raは、左右一対の支柱420rL、420rRの上端間に架設されている。
【0047】
マスクサポート部材420fは、左右一対の支柱420fL、420fRと、サポート板420faと、を備えている。左右一対の支柱420fL、420fRは、各々、角柱状を呈している。支柱420fLは、下段テーブル401の左前角に配置されている。支柱420fRは、下段テーブル401の右前角に配置されている。サポート板420faは、左右方向に長い細板状を呈している。サポート板420faは、左右一対の支柱420fL、420fRの上端間に架設されている。
【0048】
[搬送部2]
搬送部2は、基準側搬送部材20fと、可動側搬送部材20rと、を備えている。可動側搬送部材20rは、本発明の搬送部材に含まれる。
【0049】
図3に、可動側搬送部材および可動側トップクランプ部材の分解斜視図を示す。図3に示すように、可動側搬送部材20rは、可動側壁部200rと、コンベアベルト201rと、を備えている。図1に示すように、可動側壁部200rは、長方形板状を呈している。可動側壁部200rは、上段テーブル402の上面の後縁から立設されている。コンベアベルト201rは、可動側壁部200rの前面の上縁に沿って配置されている。コンベアベルト201rは、左右方向に延在している。
【0050】
図1に示すように、基準側搬送部材20fは、基準側壁部200fと、コンベアベルト201fと、を備えている。基準側搬送部材20fの構成は、可動側搬送部材20rの構成と同様である。基準側搬送部材20fの配置は、可動側搬送部材20rの配置と、前後方向に対称である。すなわち、基準側壁部200fは、可動側壁部200rと前後方向に対向している。また、コンベアベルト201fは、コンベアベルト201rと前後方向に対向している。一対のコンベアベルト201f、201r間には、回路基板90が架設されている。搬送高さC8において、回路基板90は、一対のコンベアベルト201f、201rにより、左方(上流側)から右方(下流側)に搬送される。ボールねじ機構(図略)により、可動側壁部200rは、前後方向に移動可能である。このため、一対のコンベアベルト201f、201r間の間隔は、前後方向に拡縮可能である。
【0051】
[トップクランプ部3]
トップクランプ部3は、基準側トップクランプ部材30fと、可動側トップクランプ部材30rと、を備えている。可動側トップクランプ部材30rは、本発明のトップクランプ部材に含まれる。
【0052】
図3に示すように、可動側トップクランプ部材30rは、可動側幹部300rと、可動側押圧部301rと、厚み表示マークA2と、を備えている。可動側押圧部301rは、本発明の押圧部に含まれる。可動側幹部300rは、左右方向に長い角柱状を呈している。可動側幹部300rは、四つのボルト91rにより、可動側壁部200rの上面に、脱着可能に取り付けられている。可動側押圧部301rは、左右方向に長い細板状を呈している。可動側押圧部301rは、可動側幹部300rの前面上縁から前方に突出している。可動側押圧部301rの上下方向厚みC5は、0.1mmである。図2に示すように、可動側押圧部301rの下方には、回路基板90の後縁が配置されている。図3に戻って、厚み表示マークA2は、直径2mmの円形を呈している。厚み表示マークA2は、可動側幹部300rの上面の左右方向中央に配置されている。
【0053】
図1に示すように、基準側トップクランプ部材30fは、基準側幹部300fと、基準側押圧部301fと、を備えている。基準側トップクランプ部材30fの構成は、厚み表示マークA2が配置されていない点を除いて、可動側トップクランプ部材30rの構成と、同様である。基準側トップクランプ部材30fの配置は、可動側トップクランプ部材30rの配置と、前後方向に対称である。すなわち、基準側押圧部301fは、可動側押圧部301rと前後方向に対向している。図2に示すように、基準側トップクランプ部材30fは、四つのボルト91fにより、基準側壁部200fの上面に、脱着可能に取り付けられている。
【0054】
図3に示すように、トップクランプ部3および後述するサイドクランプ部9は、交換可能である。すなわち、スクリーン印刷機1は、可動側押圧部301rの上下方向厚みが異なる、複数種類のトップクランプ部3と、回路基板90を前後方向から挟持して固定するサイドクランプ部9と、を備えている。図3前方の可動側トップクランプ部材30rが装着中の可動側トップクランプ部材30rである。図3後方の可動側トップクランプ部材30rが交換用の可動側トップクランプ部材30rである。交換用の可動側トップクランプ部材30rの厚み表示マークA3の直径は、3mmである。交換用の可動側トップクランプ部材30rの可動側押圧部301rの上下方向厚みC5は、0.15mmである。
【0055】
[撮像部5]
図1、図2に示すように、撮像部5は、前後一対のX方向ガイドレール50f、50rと、X方向被ガイド部51と、Y方向被ガイド部52と、を備えている。前後一対のX方向ガイドレール50f、50rは、搬送部2、トップクランプ部3、バックアップ部4の上方に配置されている。前後一対のX方向ガイドレール50f、50rは、スクリーン印刷機1のフレーム(図略)に配置されている。
前後一対のX方向ガイドレール50f、50rは、前後一対のマスクサポート部材420f、420rの前後方向外側に配置されている。前後一対のX方向ガイドレール50f、50rは、各々、左右方向(X方向)に延在している。
【0056】
X方向被ガイド部51は、前後一対のX方向スライダ510f、510rと、Y方向ガイドレール511と、を備えている。ボールねじ機構(図略)により、X方向スライダ510fはX方向ガイドレール50fに沿って、X方向スライダ510rはX方向ガイドレール50rに沿って、左右方向に移動可能である。Y方向ガイドレール511は、前後一対のX方向スライダ510f、510r間に架設されている。Y方向ガイドレール511は、前後方向に延在している。
【0057】
Y方向被ガイド部52は、Y方向スライダ520と、カメラ521と、を備えている。ボールねじ機構(図略)により、Y方向スライダ520は、Y方向ガイドレール511に沿って、前後方向に移動可能である。カメラ521は、Y方向スライダ520に取り付けられている。カメラ521は、上下方向両側を撮像可能である。
【0058】
[印刷部7]
図1に示すように、印刷部7は、マスクユニット70と、スキージユニット71と、を備えている。マスクユニット70は、撮像部5の上方に配置されている。マスクユニット70は、マスクフレーム700と、スクリーンマスク701と、を備えている。マスクフレーム700は、長方形枠状を呈している。マスクフレーム700は、スクリーン印刷機1のフレームに配置されている。スクリーンマスク701は、長方形薄板状を呈している。スクリーンマスク701は、マスクフレーム700の枠内側に、張設されている。スクリーンマスク701には、多数のパターン孔(図略)が穿設されている。スクリーンマスク701の上面には、はんだ(図略)が配置されている。
【0059】
スキージユニット71は、マスクユニット70の上方に配置されている。スキージユニット71は、Y方向ガイドレール710と、前後一対のシリンダ711f、711rと、前後一対のスキージ712f、712rと、を備えている。Y方向ガイドレール710は、前後方向に延在している。Y方向ガイドレール710は、スクリーン印刷機1のフレームに配置されている。前後一対のシリンダ711f、711rは、一体的に、Y方向ガイドレール710に沿って、前後方向に移動可能である。前方のスキージ712fは前方のシリンダ711fに対して、後方のスキージ712rは後方のシリンダ711rに対して、各々、下降可能である。
【0060】
[サイドクランプ部9]
図3に示すように、サイドクランプ部9は、基準側サイドクランプ部材と、可動側サイドクランプ部材95rと、を備えている。可動側サイドクランプ部材95rは、本発明のサイドクランプ部材に含まれる。
【0061】
可動側サイドクランプ部材95rは、角柱状を呈している。可動側サイドクランプ部材95rは、不存在表示マークA1を備えている。可動側サイドクランプ部材95rは、左右方向に長い角柱状を呈している。可動側サイドクランプ部材95rは、四つのボルト91rにより、可動側壁部200rの上面に、脱着可能に取り付けられている。不存在表示マークA1は、直径1mmの円形を呈している。不存在表示マークA1は、可動側サイドクランプ部材95rの上面の左右方向中央に配置されている。
【0062】
基準側サイドクランプ部材の構成は、不存在表示マークA1が配置されていない点を除いて、可動側サイドクランプ部材95rの構成と、同様である。基準側サイドクランプ部材の配置は、可動側サイドクランプ部材95rの配置と、前後方向に対称である。
【0063】
[制御部6]
図4に、本実施形態のスクリーン印刷機のブロック図を示す。図4に示すように、制御部6は、演算部60と、記憶部61と、入出力ポート62と、駆動回路63、64と、を備えている。これらの部材は、電気的に接続されている。
【0064】
記憶部61は、生産レシピと、装置設定メモリ領域と、を有している。生産レシピには、スクリーン印刷機1を制御するためのプログラムが記憶されている。装置設定メモリ領域には、スクリーン印刷機1をユーザの嗜好に応じてカスタマイズするための設定が記憶されている。
【0065】
また、記憶部61の装置設定メモリ領域には、図3に示す不存在表示マークA1と可動側トップクランプ部材30rの不存在とが関連付けられた状態で、格納されている。言い換えると、図3に示す不存在表示マークA1と可動側サイドクランプ部材95rの上下方向長さC10とが関連付けられた状態で、格納されている。また、図3に示す厚み表示マークA2と装着中の可動側押圧部301rの上下方向厚みとが関連付けられた状態で、格納されている。また、図3に示す厚み表示マークA3と交換用の可動側押圧部301rの上下方向厚みとが関連付けられた状態で、格納されている。
【0066】
図4に戻って、入出力ポート62は、画像処理部94を介して、カメラ521に電気的に接続されている。また、入出力ポート62は、駆動回路63を介して、カメラ移動用モータ92に電気的に接続されている。なお、カメラ移動用モータ92には、X方向被ガイド部51を動かすためのモータ、Y方向被ガイド部52を動かすためのモータが含まれる。また、入出力ポート62は、駆動回路64を介して、バックアップ部移動用モータ93に電気的に接続されている。なお、バックアップ部移動用モータ93には、支持部材400を動かすためのモータ、上段テーブル402を動かすためのモータ、バックアップテーブル410を動かすためのモータが含まれる。
【0067】
<スクリーン印刷機の動き>
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1のはんだ印刷時における動きについて説明する。一例として、前方のスキージ712fを用いる場合について説明する。図5に、本実施形態のスクリーン印刷機のはんだ印刷時における右側面図を示す。なお、図5においては、撮像部5を省略して示す。
【0068】
まず、図1に示すカメラ521により、カメラ521上方のスクリーンマスク701のマスク側マーク(図略)と、カメラ521下方の回路基板90の基板側マークA4(図2参照)と、を撮像する。そして、撮像データを基に、マスク側マークと基板側マークA4とを、上下方向に対向させる。すなわち、回路基板90の位置決めを行う。具体的には、多数のボール400cを介して、天板部400aに対して、下段テーブル401を、水平方向に移動させる。
【0069】
次いで、図2に示すように、前後一対のX方向ガイドレール50f、50rに沿って、X方向被ガイド部51を、左方あるいは右方に移動させる。そして、カメラ521を、スクリーンマスク701と回路基板90との間から、退出させる。
【0070】
それから、図5に矢印Y1で示すように、バックアップテーブル410を上昇させる。そして、多数のバックアップピン411により、一対のコンベアベルト201f、201rから、回路基板90を持ち上げる。そして、基準側押圧部301f、可動側押圧部301rの下面に、回路基板90の上面の前後両縁を押しつける。回路基板90は、下方のバックアップピン411と、上方の基準側押圧部301f、可動側押圧部301rと、の間に挟み込まれる。
【0071】
続いて、図5に矢印Y2で示すように、左右一対のY方向ガイドレール401L、401Rに沿って、四つのスロープ部材403f、403rを、前方に移動させる。四つのスロープ部材403f、403rを移動させると、相対的に、四つの車輪402f、402rが四つのスロープ部材403f、403rを転がり上がる。このため、図5に矢印Y3で示すように、トップクランプ部3、搬送部2、回路基板90が、一体的に上昇する。当該上昇により、基準側押圧部301f、可動側押圧部301rの上面は、スクリーンマスク701の下面に当接する。
【0072】
続いて、図5に矢印Y4で示すように、前方のスキージ712fを下降させ、スクリーンマスク701の上面に当接させる。そして、スキージ712fを、図5に矢印Y5で示すように、前方から後方に向かって移動させる。ここで、スクリーンマスク701の上面には、はんだが配置されている。このため、スキージ712fにより、はんだはスクリーンマスク701のパターン孔に押し込まれる。パターン孔を通過したはんだは、回路基板90のはんだ印刷予定位置に付着する。このようにして、スキージ712fにより、はんだが回路基板90に印刷される。
【0073】
なお、後方のスキージ712rを用いる場合は、スクリーンマスク701の上面において、後方から前方に向かって、スキージ712rを摺動させる。
【0074】
<回路基板90の上昇量の算出方法>
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1における、回路基板90の上昇量の算出方法について説明する。図6に、図5の枠VI内の拡大図を示す。図7に、可動側押圧部の上下方向厚みが厚い場合の図6に対応する部分の拡大図を示す。図8に、可動側押圧部が配置されていない場合の図6に対応する部分の拡大図を示す。図6に示すトップクランプ部3は、図3に示す装着中のトップクランプ部3である。図7に示すトップクランプ部3は、図3に示す交換用のトップクランプ部3である。
【0075】
まず、トップクランプ部3同士を交換する場合について説明する。図6、図7に示すように、回路基板90の上面が可動側押圧部301rの下面に到達するまでのコンベアベルト201rの上面からの回路基板90の下面の上昇量をC1、コンベアベルト201rの上面から可動側幹部300r(つまり可動側トップクランプ部材30r)の上面までの上下方向長さをC2、コンベアベルト201rの上面から可動側壁部200r(つまり可動側搬送部材20r)の上面までの上下方向長さをC3、可動側幹部300r(つまり可動側トップクランプ部材30r)の上下方向長さをC4、可動側押圧部301rの上下方向厚みをC5、回路基板90の上下方向厚みをC6、可動側幹部300rの下面から可動側押圧部301rの下面までの上下方向長さをC9とする。
【0076】
トップクランプ部3同士を交換する場合は、上昇量C1(回路基板上昇部41による回路基板90の上昇量)を考慮する必要はない。すなわち、図6、図7に示すように、トップクランプ部3同士を交換しても、上下方向厚みC5は変わるものの、上下方向長さC9は一定である。つまり、上下方向厚みC5によらず、上昇量C1は一定である。よって、上昇量C1を考慮する必要がない。
【0077】
トップクランプ部3同士を交換する場合は、可動側搬送部材20rの上昇量(図5に矢印Y3で示す全体上昇部40の上昇量)だけを考慮すればよい。すなわち、トップクランプ部3同士を交換すると、上下方向厚みC5が厚くなる分だけ、上下方向長さC4が長くなる。このため、可動側押圧部301rの上下方向厚みC5の変化分が判れば、当該変化分だけ、可動側搬送部材20rの上昇量を調整すればよい。具体的には、上下方向厚みC5が厚くなる場合は、その分だけ、可動側搬送部材20rの上昇量を小さくすればよい。また、上下方向厚みC5が薄くなる場合は、その分だけ、可動側搬送部材20rの上昇量を大きくすればよい。
【0078】
次に、トップクランプ部3とサイドクランプ部9とを交換する場合について説明する。図8に示すように、可動側サイドクランプ部材95rの上下方向長さをC10とする。トップクランプ部3とサイドクランプ部9とを交換する場合は、上昇量C1(回路基板上昇部41による回路基板90の上昇量)を考慮する必要はない。すなわち、上下方向長さC10と上下方向長さC9とは等しい。このため、図6、図7に示すように、トップクランプ部3とサイドクランプ部9とを交換しても、上下方向長さC10(=C9)は一定である。つまり、上下方向厚みC5によらず、上昇量C1は一定である。このため、トップクランプ部3とサイドクランプ部9とを交換しても、回路基板上昇部41による回路基板90の上昇量は不変である。よって、上昇量C1を考慮する必要がない。
【0079】
トップクランプ部3とサイドクランプ部9とを交換する場合は、可動側搬送部材20rの上昇量(図5に矢印Y3で示す全体上昇部40の上昇量)だけを考慮すればよい。すなわち、トップクランプ部3とサイドクランプ部9とを交換すると、上下方向長さが、C4からC10に、あるいはC10からC4に変化する。このため、C4とC10との差分だけ、つまり上下方向厚みC5の分だけ、可動側搬送部材20rの上昇量を調整すればよい。具体的には、トップクランプ部3をサイドクランプ部9にする場合は、上下方向厚みC5の分だけ、可動側搬送部材20rの上昇量を大きくすればよい。また、サイドクランプ部9をトップクランプ部3にする場合は、上下方向厚みC5の分だけ、可動側搬送部材20rの上昇量を小さくすればよい。
【0080】
<回路基板90の上昇量の設定方法>
次に、本実施形態の回路基板90の上昇量の設定方法について、図4を参照しながら、説明する。図9に、本実施形態の回路基板の上昇量の設定方法のフローチャートを示す。本実施形態の回路基板90の上昇量の設定方法は、準備工程と、撮像工程と、調整工程と、を有している。
【0081】
[準備工程]
準備工程においては、可動側搬送部材20rの位置を確認する。すなわち、可動側搬送部材20rは、回路基板90の前後方向長さに応じて、前後方向に移動可能である。このため、本工程においては、不存在表示マークA1が配置されている可動側サイドクランプ部材95rの水平方向位置(または、厚み表示マークA2、A3が配置されている可動側トップクランプ部材30rの水平方向位置)を確認する。
【0082】
具体的には、まず、スクリーン印刷機1が自動運転を開始する(STEP1)。次いで、カメラ移動用モータ92を駆動し、カメラ521を前後方向や左右方向に移動させる。そして、可動側サイドクランプ部材95rまたは可動側トップクランプ部材30rの水平方向の位置を撮像する。それから、撮像された可動側サイドクランプ部材95rまたは可動側トップクランプ部材30rの位置と、記憶部61の生産レシピに予め格納された可動側搬送部材20rの位置と、を照合する(STEP2)。
【0083】
[撮像工程]
撮像工程は、回路基板90の種類を変更する段取り替え後や、メンテナンス後や、修理後などのタイミングで、実行される。撮像工程においては、不存在表示マークA1、あるいは厚み表示マークA2、A3を撮像する。これらのマークの判別は、マークの直径を算出することにより行われる。
【0084】
具体的には、まず、可動側搬送部材20rの位置まで、カメラ521を移動させる。次いで、カメラ521によりマークを撮像する。それから、演算部60により、撮像されたマークの直径を算出する。直径が1mmである場合、演算部60は、撮像されたマークが不存在表示マークA1であると認識する(STEP3)。記憶部61には、不存在表示マークA1と可動側トップクランプ部材30rの不存在(=可動側サイドクランプ部材95rの存在)とが関連付けられた状態で、格納されている。演算部60は、不存在表示マークA1であると認識した場合、トップクランプ部3が配置されておらず、サイドクランプ部9が配置されていると判別する(STEP4)。
【0085】
撮像されたマークの直径が1mmではない場合(STEP3)、演算部60は、マークの直径が2mmであるか否かを判別する。直径が2mmである場合、演算部60は、撮像されたマークが厚み表示マークA2であると認識する(STEP6)。図4に示すように、記憶部61には、厚み表示マークA2と可動側押圧部301rの上下方向厚みC5とが関連付けられた状態で、格納されている。このため、厚み表示マークA2であると認識した場合、演算部60は、可動側押圧部301rの上下方向厚みが0.1mmである方のトップクランプ部3が配置されていると判別する(STEP7)。
【0086】
撮像されたマークの直径が2mmではない場合(STEP6)、演算部60は、マークの直径が3mmであるか否かを判別する。直径が3mmである場合、演算部60は、撮像されたマークが厚み表示マークA3であると認識する(STEP8)。図4に示すように、記憶部61には、厚み表示マークA3と可動側押圧部301rの上下方向厚みC5とが関連付けられた状態で、格納されている。このため、厚み表示マークA3であると認識した場合、演算部60は、可動側押圧部301rの上下方向厚みが0.15mmである方のトップクランプ部3が配置されていると判別する(STEP9)。
【0087】
撮像されたマークの直径が3mmではない場合は、再度、可動側搬送部材20rの水平方向の位置を確認する(STEP2)。そして、再びマークの撮像を試みる。
【0088】
[調整工程]
調整工程においては、判別結果に基づいて、搬送高さC8(図1参照)から印刷高さC7(図6〜図8参照)まで回路基板90を上昇させる際の、回路基板90の上昇量を調整する。
【0089】
具体的には、判別結果(STEP4、STEP7、STEP9)を基に、演算部60は、前述した算出方法により(図6〜図8参照)、回路基板90の上昇量を設定する。設定された上昇量は、記憶部61に格納される。格納された上昇量は、搬送高さC8から印刷高さC7まで回路基板90を上昇させる際の、バックアップ部移動用モータ93の駆動指令に反映される(STEP5)。
【0090】
<作用効果>
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1および回路基板90の上昇量の設定方法の作用効果について説明する。
【0091】
本実施形態のスクリーン印刷機1は、脱着可能なトップクランプ部3を備えている。撮像部5は、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3を撮像することができる。不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3は、トップクランプ部3の有無、可動側押圧部301rの上下方向厚みC5に関連付けられている。このため、制御部6は、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3から、トップクランプ部3の有無や可動側押圧部301rの上下方向厚みC5を、判別することができる。また、制御部6は、判別結果に応じて、搬送高さC8から印刷高さC7まで回路基板90を上昇させる際の、回路基板90の上昇量を調整することができる。このように、本実施形態のスクリーン印刷機1および設定方法によると、トップクランプ部3の有無の確認と、可動側押圧部301rの上下方向厚みC5の判別と、回路基板90の上昇量の調整と、を自動的に行うことができる。このため、例えば、段取り替え後や、メンテナンス後や、修理後などの際、逐一、トップクランプ部3の有無の確認や、可動側押圧部301rの上下方向厚みC5の判別を、目視で行う必要がない。また、逐一、回路基板90の上昇量を、手動で設定し直す必要がない。
【0092】
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3が、いずれも真円形状を呈している。このため、撮像されたマークを画像処理する際、マークの図形中心が判りやすい。したがって、マークの直径を算出するのが容易である。
【0093】
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3の水平方向位置が一致している。このため、撮像工程(図9に示すSTEP3、STEP6、STEP8)において、カメラ521を水平方向に動かす必要がない。したがって、撮像工程に要する時間を短縮できる。
【0094】
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、不存在表示マークA1として、可動側サイドクランプ部材95rの位置確認用マークを流用している。すなわち、サイドクランプ部9を有する、既存のスクリーン印刷機であっても、可動側壁部200rの位置を確認する必要がある。このため、既存のスクリーン印刷機には、位置確認用マークが配置されている。この点に着目して、本実施形態のスクリーン印刷機1は、位置確認用マークを、不存在表示マークA1として利用している。このため、既存のスクリーン印刷機にトップクランプ部3を追加する場合は、トップクランプ部3を取得し、記憶部61の装置設定メモリ領域に格納されているデータを更新するだけでよい。したがって、既存のスクリーン印刷機から本実施形態のスクリーン印刷機1へのアップグレードは容易である。
【0095】
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、図6〜図8に示すように、トップクランプ部3同士を交換する場合、あるいはトップクランプ部3とサイドクランプ部9とを交換する場合、制御部6は、回路基板90の上昇量のうち、全体上昇部40による上昇量だけを調整している。このため、制御部6の演算負荷が軽い。
【0096】
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、撮像部5として、回路基板90の位置決め用の撮像部5を流用している。すなわち、トップクランプ部3を有しない、既存のスクリーン印刷機であっても、印刷前に、回路基板90とスクリーンマスク701とを上下方向に対向させる必要がある。したがって、既存のスクリーン印刷機は、マスク側マークと基板側マークA4(図2参照)とを撮像するための、撮像部5を備えている。この点に着目して、本実施形態のスクリーン印刷機1は、回路基板90の位置決め用の撮像部5を、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3の撮像用として、利用している。このため、既存のスクリーン印刷機にトップクランプ部3を追加する場合は、別途撮像部5を配置する必要がない。したがって、既存のスクリーン印刷機から本実施形態のスクリーン印刷機1へのアップグレードは容易である。
【0097】
<その他>
以上、本発明のスクリーン印刷機1および回路基板90の上昇量の設定方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0098】
例えば、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3の形状、大きさ、配置は、特に限定しない。三角形、四角形、六角形などの多角形、×印、※印などでもよい。また、これらのマークの判別は、直径以外に、大きさ、形状、異方性を有するマークの場合は方向などを基準に行ってもよい。また、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3として、文字、記号、一次元コード(バーコード)、二次元コードなどを用いてもよい。また、一次元コード、二次元コードは、カラーコードであってもよい。また、文字、図形、記号などを適宜組み合わせて用いてもよい(例えば、型番など)。
【0099】
また、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3の配置方法は、特に限定しない。これらのマークは、可動側サイドクランプ部材95r、可動側壁部200r、可動側トップクランプ部材30rに印刷してもよい。また、刻設してもよい。すなわち、これらのマークは、撮像部5により撮像可能であればよい。
【0100】
また、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3は、基準側サイドクランプ部材、基準側壁部200f、基準側トップクランプ部材30fだけに配置してもよい。また、これらのマークは、基準側サイドクランプ部材、可動側サイドクランプ部材95r、基準側壁部200f、可動側壁部200r、基準側トップクランプ部材30f、可動側トップクランプ部材30rの全てに配置してもよい。また、不存在表示マークA1を配置しなくてもよい。この場合は、「厚み表示マークA2、A3が確認できないこと」を基に、トップクランプ部3の不存在を判別すればよい。
【0101】
また、トップクランプ部3は、二種類に限定しない。三種類以上のトップクランプ部3を使い分けてもよい。また、トップクランプ部3は一種類でもよい。この場合、可動側壁部200rに不存在表示マークA1を配置すれば、可動側トップクランプ部材30rに厚み表示マークA2を配置しなくてもよい。反対に、可動側トップクランプ部材30rに厚み表示マークA2を配置すれば、可動側壁部200rに不存在表示マークA1を配置しなくてもよい。
【0102】
また、不存在表示マークA1、厚み表示マークA2、A3を、全て配置しなくてもよい。この場合は、撮像部5が撮像した撮像データ(例えば外観)そのものを基に、トップクランプ部3の有無や可動側押圧部301rの上下方向厚みC5を、判別すればよい。
【0103】
また、厚み表示マークA2、A3に関連付けられるデータとして、可動側押圧部301rの上下方向厚みC5の他、可動側押圧部301rの突出長さ(可動側幹部300rから前方への突出長さ)を、記憶部61に格納してもよい。トップクランプ部3の交換により可動側押圧部301rの突出長さが変わると、可動側押圧部301rが回路基板90を押圧する面積が変わってしまう。このため、可動側押圧部301rの突出長さが記憶部61に格納されていると、便利である。
【0104】
また、可動側搬送部材20rは、前後方向に移動可能である。このため、可動側搬送部材20rと基準側搬送部材20fとの間で、前後方向から回路基板90を挟んだ状態で、回路基板90にはんだを印刷してもよい。こうすると、回路基板90を、上下方向および前後方向から、挟持することができる。このため、回路基板90の固定性が高くなる。
【0105】
また、図9に示す可動側搬送部材20rの位置確認(STEP2)は、可動側搬送部材20rを駆動するためのモータのエンコーダにより行ってもよい。
【0106】
また、不存在表示マークA1と可動側トップクランプ部材30rの不存在とを関連付けるデータ、厚み表示マークA2、A3と可動側押圧部301rの上下方向厚みC5とを関連付けるデータは、記憶部61の生産レシピに格納してもよい。また、これらのデータは、生産レシピおよび装置設定メモリ領域の双方に格納してもよい。
【0107】
また、カメラ521の種類も特に限定しない。CCD(Charge−Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)カメラなどを用いてもよい。また、サイドクランプ部9を用いなくてもよい。この場合は、図3に示すように、可動側壁部200rの上面に、不存在表示マークA1を配置すればよい。
【0108】
また、トップクランプ部3同士を交換する場合であって、かつ図6、図7に示す可動側幹部300r(つまり可動側トップクランプ部材30r)の上下方向長さC4が等しい場合は、回路基板90の上昇量を、回路基板上昇部41だけで調整してもよい。
【0109】
すなわち、この場合、図6、図7に示すように、トップクランプ部3同士を交換しても、上下方向厚みC5は変わるものの、上下方向長さC4は一定である。つまり、上下方向厚みC5によらず、可動側押圧部301rの上面の高さは、一定である(マスクサポート部材420rの上面と面一である。)。このため、トップクランプ部3を交換しても、可動側搬送部材20rの上昇量は不変である。よって、可動側搬送部材20rの上昇量(図5に矢印Y3で示す全体上昇部40の上昇量)を考慮する必要がない。
【0110】
回路基板90の上昇量C1は、C1=C2−C5−C6という式から算出される。ここで、上下方向長さC2は、上下方向長さC3と上下方向長さC4との和である。上下方向長さC3、C4は、共に既知である。このため、上下方向長さC2も既知である。また、回路基板の上下方向厚みC6も、既知である。したがって、可動側押圧部301rの上下方向厚みC5が判れば、回路基板90の上昇量C1を算出することができる。なお、この場合、図4に示す記憶部61には、上下方向長さC2、上下方向長さC3、上下方向長さC4、上下方向厚みC6が格納されている。
【符号の説明】
【0111】
1:スクリーン印刷機、2:搬送部、3:トップクランプ部、4:バックアップ部、5:撮像部、6:制御部、7:印刷部、8:基部、9:サイドクランプ部。
20f:基準側搬送部材、20r:可動側搬送部材(搬送部材)、30f:基準側トップクランプ部材、30r:可動側トップクランプ部材(トップクランプ部材)、40:全体上昇部、41:基板上昇部、42:マスクサポート部、50f:X方向ガイドレール、50r:X方向ガイドレール、51:X方向被ガイド部、52:Y方向被ガイド部、60:演算部、61:記憶部、62:入出力ポート、63:駆動回路、64:駆動回路、70:マスクユニット、71:スキージユニット、80:方向ガイドレール、90:回路基板、91f:ボルト、91r:ボルト、92:カメラ移動用モータ、93:バックアップ部移動用モータ、94:画像処理部、95r:可動側サイドクランプ部材(サイドクランプ部材)。
200f:基準側壁部、200r:可動側壁部、201f:コンベアベルト、201r:コンベアベルト、300f:基準側幹部、300r:可動側幹部、301f:基準側押圧部、301r:可動側押圧部(押圧部)、400:支持部材、400a:天板部、400b:Z方向被ガイド部、400c:ボール、401:下段テーブル、401L:Y方向ガイドレール、401R:Y方向ガイドレール、402:上段テーブル、402f:車輪、402r:車輪、403f:スロープ部材、403r:スロープ部材、404f:Z方向ガイドロッド、404r:Z方向ガイドロッド、410:バックアップテーブル、411:バックアップピン、420f:マスクサポート部材、420r:マスクサポート部材、420fL:支柱、420fR:支柱、420fa:サポート板、420r:マスクサポート部材、420rL:支柱、420rR:支柱、420ra:サポート板、510f:X方向スライダ、510r:X方向スライダ、511:Y方向ガイドレール、520:Y方向スライダ、521:カメラ、700:マスクフレーム、701:スクリーンマスク、710:Y方向ガイドレール、711f:シリンダ、711r:シリンダ、712f:スキージ、712r:スキージ、900:電子部品。
A1:不存在表示マーク、A2:厚み表示マーク、A3:厚み表示マーク、A4:基板側マーク、C1:上昇量、C2:上下方向長さ、C3:上下方向長さ、C4:上下方向長さ、C5:上下方向厚み、C6:上下方向厚み、C7:印刷高さ、C8:搬送高さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送高さにおいて回路基板を搬送する搬送部と、
該搬送高さよりも高い印刷高さにおいて該回路基板を支持すると共に、該搬送高さから該印刷高さまで該回路基板を上昇させるバックアップ部と、
を備えるスクリーン印刷機であって、
さらに、前記印刷高さにおいて前記回路基板の上面を部分的に押さえる押圧部を有する、脱着可能なトップクランプ部と、
該トップクランプ部の有無に関連付けられる撮像データを取得可能な撮像部と、
該撮像データを基に該トップクランプ部の有無を判別し、該トップクランプ部の有無に応じて該回路基板の上昇量を調整する制御部と、
を備えることを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項2】
前記撮像データは、有無表示マークである請求項1に記載のスクリーン印刷機。
【請求項3】
前記トップクランプ部は、前記押圧部を有するトップクランプ部材を有し、
さらに、該トップクランプ部材と交換可能であり、前記印刷高さにおいて前記回路基板を水平方向から固定するサイドクランプ部材を有するサイドクランプ部を有し、
前記搬送部は、上面に該トップクランプ部材と該サイドクランプ部材とが交換可能に取り付けられ、該回路基板を搬送する搬送部材を有し、
前記有無表示マークは、該サイドクランプ部材の該上面に配置され、該トップクランプ部材の不存在に関連付けられる不存在表示マークである請求項2に記載のスクリーン印刷機。
【請求項4】
前記トップクランプ部は、前記押圧部を有するトップクランプ部材を有し、
前記搬送部は、上面に該トップクランプ部材が脱着可能に取り付けられ、前記回路基板を搬送する搬送部材を有し、
前記有無表示マークは、該搬送部材の該上面に配置され、該トップクランプ部材の不存在に関連付けられる不存在表示マークである請求項2に記載のスクリーン印刷機。
【請求項5】
前記トップクランプ部は、前記押圧部の前記上下方向厚みに関連付けられる厚み表示マークを有すると共に、該上下方向厚みに応じて交換可能なように複数種類用意され、
前記印刷高さにおいて、交換前の該押圧部の上面の高さと、交換後の該押圧部の該上面の高さと、は該上下方向厚みによらず、一定であり、
前記撮像部は、該厚み表示マークを撮像可能であり、
前記制御部は、撮像された該厚み表示マークを基に該上下方向厚みを判別し、該上下方向厚みに応じて前記回路基板の上昇量を調整する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
【請求項6】
前記トップクランプ部は、前記搬送部に、交換可能に取り付けられ、
前記バックアップ部は、該搬送部ごと前記回路基板を上昇させる全体上昇部と、該搬送部に対して該回路基板を上昇させる回路基板上昇部と、を有し、
該トップクランプ部を交換する場合、前記制御部は、該回路基板の前記上昇量のうち、該全体上昇部による該上昇量だけ、または該回路基板上昇部による該上昇量だけを調整する請求項5に記載のスクリーン印刷機。
【請求項7】
前記撮像部は、前記回路基板の位置決め用として、兼用される請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
【請求項8】
搬送高さから印刷高さまで持ち上げられてはんだを印刷される回路基板の上昇量の設定方法であって、
前記印刷高さにおいて前記回路基板の上面を部分的に押さえる押圧部を有する、脱着可能なトップクランプ部の、有無に関連付けられる撮像データを取得し、該撮像データを基に該トップクランプ部の有無を判別する撮像工程と、
該トップクランプ部の有無に応じて該回路基板の上昇量を調整する調整工程と、
を有する回路基板の上昇量の設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−126078(P2011−126078A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285139(P2009−285139)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】