説明

ストック装置

【課題】順次投入される複数品種の箱を一時的にストックするストック装置において、設備コストや設置床面積を抑えると共に品種の切り替わりや品種数の増減に対して柔軟に対応可能とし、高い稼動効率の実現を図る。
【解決手段】ストック装置1は、箱Wを移動させると共にストックするコンベア2と、コンベア2に沿って配置された開閉ストッパ31〜33と、コンベア2の下流の停止ストッパ30と、各ストッパの位置における箱Wの有無を検出する箱検出センサ40〜43と、コンベア2に投入される箱Wの品種情報を取得する品種情報取得センサ5と、各部の動作を制御する制御部6とを備える。制御部6は、新たに投入された箱Wに対し、品種情報に基づいて品種切替有りと判断した際に、箱検出センサ40〜43によって箱Wが検出されていない最下流位置の開閉ストッパ31〜33を閉状態として、品種切替前後の箱Wを互いに区分してストックした状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、順次投入される複数品種の箱をストックするストック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ローラコンベアやベルトコンベア等によって次々搬入される箱を、コンベアの終端において、例えば、ロボット等に取り付けられたハンドによって把持して搬送用のパレットに移載することが行われている。取り扱う箱に複数品種があり、品種毎に分けてパレットに移載する場合、箱の列から各品種毎に箱を切り出すことが必要である。このような切り出しを行うため、物品(箱)を区分してストックするバッファ空間として複数の分岐レーンを用いる荷揃え装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述の荷揃え装置は、供給コンベアの片側または両側に複数の分岐レーンを設け、物品を供給コンベアの上流から流し、供給コンベアから供給されてくる同一出荷先の物品を出荷先に割り付けられた分岐レーンに移載してストックする。分岐レーンに貯えられた同一出荷先の物品は、一つの単位を形成する所定数だけ貯まったとき、搬出コンベアに払い出され、その搬出コンベアの下流で同一出荷先の所定数の物品を1単位として荷揃えされる。分岐レーンは、1つの出荷先毎に割り付けられ、物品を同一出荷先毎にストックするバッファ空間となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−250137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような分岐レーンをストック用のバッファ空間とする装置においては、同時にストックされる物品の出荷先に応じた数の分岐レーンを必要とするので設備コストや設置床面積の増大などの問題がある。また、1単位を構成する物品の個数が少なくて1つの分岐レーン内に空間的な余裕がある場合においても、その空間を有効利用することができず、稼動効率が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、設備コストや設置床面積を抑えると共に品種の切り替わりや品種数の増減に対して柔軟に対応でき、高い稼動効率を実現できるストック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明のストック装置は、順次投入される複数品種の箱を一時的にストックするストック装置において、投入された箱を移動させると共に停止した箱を仮置きしてストックするコンベアと、コンベアに沿って配置され、閉状態で箱を停止し、開状態で箱を下流側に通過させるように開閉される開閉ストッパと、コンベアの下流において箱を停止させる停止ストッパと、開閉ストッパおよび停止ストッパの位置に箱が有るか否かを検出する箱検出センサと、コンベアに投入される箱の品種情報を取得する品種情報取得センサと、コンベアおよび開閉ストッパの動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、新たに投入された箱に対し、品種情報取得センサからの品種情報に基づいて品種切替有りと判断した際に、箱検出センサによって箱が検出されていない位置の開閉ストッパを閉状態とすることにより品種切替前後の箱を互いに区分してストックした状態とすることを特徴とする。
【0008】
このストック装置において、制御部は、品種切替なしと判断した際に、閉状態である開閉ストッパよりも上流側の開閉ストッパを全て開状態とすることが好ましい。
【0009】
このストック装置において、制御部は、箱検出センサによって停止ストッパの位置に箱が検出されない場合に、開閉ストッパを下流側から順次開閉して、ストックされている箱を順次、下流側の開閉ストッパまたは停止ストッパへ移動させることが好ましい。
【0010】
このストック装置において、制御部は、開閉ストッパおよび停止ストッパにアドレスを設定し、各アドレス毎に、停止されている箱の品種情報または停止されている箱なしの情報を順次更新して記録する参照テーブルを備え、参照テーブルに基づいて開閉ストッパを開閉制御することが好ましい。
【0011】
このストック装置において、コンベア、開閉ストッパ、停止ストッパ、および箱検出センサの組を複数備え、各コンベアに対して箱を投入する投入部をさらに備え、制御部は、品種情報取得センサからの品種情報に基づいてコンベアの1つを選択すると共に、投入部を制御して選択したコンベアに箱を投入することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のストック装置によれば、開閉ストッパと箱検出センサとを備えたコンベアに品種毎に切り出し容易に区分した状態で箱をストックするので、設備コストや設置床面積を抑えた装置で品種切替や品種数の増減に柔軟に対応でき、高い稼動効率を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るストック装置についての平面図、(b)は同装置の側面図。
【図2】(a)は同装置において用いられる開閉ストッパの斜視図、(b)は同開閉ストッパの変形例を示す斜視図。
【図3】(a)〜(f)は同装置の動作例を時系列的に示す平面図。
【図4】(a)〜(f)は同装置の他の動作例を時系列的に示す平面図。
【図5】同装置におけるアドレス割当ての様子を説明する平面図。
【図6】(a)は同装置で扱う箱の品種と品番の対応付けデータを示す図、(b)はストッパのアドレスとストックされている箱の品種の対応付けを記録した参照テーブルの例を示す図。
【図7】同装置の変形例を示す平面図。
【図8】(a)(b)(c)は同変形例の各コンベア毎のストッパのアドレスとストックされている箱の品種の対応付けを記録した参照テーブルの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るストック装置について、図面を参照して説明する。図1(a)(b)に示すように、ストック装置1は、箱Wを仮置きするコンベア2と、箱Wを停止させる各種ストッパ3(30,31〜33)と、箱検出センサ4(40〜43)と、品種情報取得センサ5と、制御部6とを備えている。このストック装置1は、外部から投入される箱Wを受けて動作するものであり、その投入は、例えば、投入部7によって行われる。コンベア2は、投入された箱Wを移動させると共に停止した箱Wを品種別に仮置きしてストックする(図中にA,Bで品種別が記載されている)。コンベア2は、例えば、駆動装置なしの傾斜配置されたコロ式のコンベアである。箱Wはコンベア2上を重力によって下流側の停止ストッパ30に向けて上流側から移動する。コンベア2は、複数品種の箱Wを次の工程に供給するためにストックするバッファ空間を構成する。停止ストッパ30は、コンベア2の最下流において箱Wを停止させる固定式のストッパである。開閉ストッパ31〜33は、コンベア2に沿って配置され、閉状態で箱Wを停止し、開状態で箱Wを下流側に通過させるように開閉される。本実施形態の各開閉ストッパ31〜33は、コンベアの両側に配置されてコンベア上の箱Wをその両端部で停止保持する。
【0015】
開閉ストッパ31〜33は、図2(a)に示すように、駆動部3aと、駆動部3aによって略90度往復回動される軸部3bと、軸部3bに固定された扉部3cとを備えた回動式(ロータリ式)のストッパとして構成され、制御部6により開閉動作を制御される。駆動部3aは、エアシリンダやモータを駆動源とすることができる。図2(b)に示す開閉ストッパは、軸部3bと扉部3cとが駆動部3aによって上下動される上下動式(直動式)のストッパとして構成したものである。この上下動式の開閉ストッパは、扉部3cが下がることによって箱Wがその上方を通過できるので、箱Wの移動経路、例えば、ローラコンベアの下部に配置して、扉部3cをローラの隙間から上下させることができる。この場合、コンベアの両側に1個ずつ合計2個配置する代わりに、コンベアの中央に1個だけ配置する構成とすることができる。ただし、上下動式の開閉ストッパは、回動式の開閉ストッパよりも、開動作時における箱Wへの接触状態が長いので、箱Wの表面状態への影響を考慮する必要がある。箱検出センサ4は、図1(a)(b)に示すように、ストッパ3の位置における停止された箱Wの有無を、例えば箱Wの下方から底面を検知して検出する。箱検出センサ4は、反射光の有無によって物体の存在の有無を検出する光式センサ、その他の近接センサなどを用いることができる。
【0016】
投入部7は、コンベア2に箱Wを投入するための装置であり、箱Wを搬送するコンベア71と、コンベア71を駆動する駆動部72と、コンベア71上の箱Wをコンベア2に移載するプッシャ73と、箱Wの位置を検出するセンサ74とを備えている。コンベア71は、その搬送方向がコンベア2の搬送方向に直行するように配置されている。さらに、コンベア71の上面(搬送面)は、移載容易化のためにコンベア2における上流側の上面よりも高く設定されている。コンベア71は、ベルト式コンベア、チェーン式コンベア、コロ式コンベアなど、任意のコンベアから適宜選択して用いることができる。駆動部72は、例えば、モータ駆動部であり、その回転数、従ってコンベア71と共に移動する箱Wの位置を認識するためのエンコーダを備えている。プッシャ73は、エアシリンダ等を用いた押出し機構を備えており、その押出し機構によってコンベア71上の箱Wをコンベア2に向けて箱Wの側方から押し出す配置に設けられている。また、センサ74は、コンベア71上の箱Wの絶対位置を決定するため、例えば、箱の先頭位置または後端位置またはその両方位置を検出するセンサであり、光反射式の物体検出センサや離間した投光部と受光部とを有する光インタラプタなどを用いることができる。品種情報取得センサ5は、ストック装置1に投入される箱Wの品種情報を取得する。品種情報は、バーコードや2次元バーコードなどを箱Wの表面定位置に添付したり印刷したりすることによって箱Wに付帯されている。従って、品種情報取得センサ5は、バーコード読み取り装置である。箱Wの品種情報をRFIDタグなどで箱Wに付帯させることもでき、この場合、品種情報取得センサ5は、RFIDリーダである。品種情報には、少なくとも箱Wの品種の相違、従って品種が切り替えられたか否かを判別可能とする情報が含まれている。
【0017】
制御部6は、ストック装置1の各部の動作を制御する。制御部6は、各センサ4やセンサ74から検出結果の情報を取得し、品種情報取得センサ5から箱Wの品種情報を取得し、駆動部72のエンコーダからコンベア71による搬送距離の情報を取得する。制御部6は、取得した情報に基づいて、コンベア71の搬送動作、開閉ストッパ31〜34の開閉動作、プッシャ73による押し出し動作などを制御する。制御部6は、コンベア2において、異品種の箱Wが互いに接触状態でストックされないように、開閉ストッパ31〜34を閉動作させることにより、互いに異品種の箱Wの間に閉状態のストッパを介在させる。図1の例では、品種Aの2つの箱Wが停止ストッパ30によって停止されてストックされており、3つ目の箱Wが品種Bであるので、開閉ストッパ31が閉とされている。なお、図中の白抜き矢印は、箱Wが移動中であることを示す。品種Bの箱Wは、開閉ストッパ31によって停止され、下流の品種Aの箱Wから離間した状態で区分されてコンベア2にストックされる。つまり、各開閉ストッパ31〜33は、互いに異なる品種の箱Wを仕切る可動仕切りとなっている(仕切られているなら、異品種の箱Wが接触していてもよい)。
【0018】
次に、ストック装置1の基本動作を説明する。梱包された箱Wが投入部7に前工程から搬送されてくると、品種情報取得センサ5によって品種情報が取得される。制御部6は、ストック装置1に投入される箱W毎に、その品種情報を前回取得して記憶している品種情報と比較することにより、新たに投入された箱Wについて品種が切り替えられたか否か切替の有無を判断する。制御部6は、その判断において品種切替有りと判断した際に、箱検出センサ4の検出結果により箱Wを停止保持していないとされた最下流側のストッパ3を閉状態とすることにより箱Wを停止保持させる。図1では、3つ目の移動中の箱Wが品種Bであり、品種切替有りとされて開閉ストッパ31が閉状態とされている。また、制御部6は、品種切替なしと判断した際に、閉状態である最上流側のストッパ3よりも上流側のストッパ3を全て開状態とする。図1において、4つ目の箱Wについては、品種Bであって3つ目の箱Wと品種が同じであり品種切替なしと判断され、上流側の開閉ストッパ32,33が全て開状態とされている。この処理のためには、開閉ストッパ31〜33を「通常開(ノーマリ・オープン)」の設定にしておけばよい。
【0019】
制御部6は、ストッパ3の開閉状態の設定を済ませた後、駆動部72のエンコーダとセンサ74からの情報に基づいて、コンベア71を動作させ、箱Wをコンベア2の正面位置まで搬送して停止させる。箱Wが停止後、制御部6は、プッシャ73を動作させて箱Wをコンベア71からコンベア2に向けて横すべりに押し出して移載する。図1における下流から3つ目の箱Wは、このようにしてコンベア2に押し出された後、重力によって移動している状態にある。また、4つ目の箱Wは、品種情報取得センサ5によって品種情報が取得され、センサ74によって箱Wの先頭位置が読み取られた後、コンベア71上で移動中の状態にある。この4つ目の箱Wの停止位置は、その長さ方向前後の中心位置をコンベア2の中心線に合わせた位置である。箱Wの中心位置は、センサ74によって取得した箱Wの先頭位置と後端位置とから求めたり、先頭位置と品種情報に含めた箱Wの長さ情報とから求めたりすることができる。
【0020】
ストック装置1のコンベア2にストックされた箱Wは、開閉ストッパ31〜33によって、互いに異なる品種が仕切られてストックされており、ストック装置1に順次投入された箱Wの列を、各品種毎に切り出し容易に区分した状態になっている。コンベア2にストックされた箱Wは、最下流の停止ストッパ30に保持された箱Wから順番に次工程に払い出される。これは、例えば、箱検出センサ40から箱Wを検出した旨の報知や電気信号が出力され、その出力に基づいて、作業者が箱Wを取り出したり、パレタイザ等の自動機が箱Wを取り出したりすることによって行われる。停止ストッパ30に保持された箱Wがなくなると、その上流の開閉ストッパ31〜33が順次開閉されて下流側に順送され、異品種の箱Wが互いに接しない状態でストックされた別のストック状態となる。
【0021】
(ストック装置の動作例)
図3により、コンベア2におけるストック動作の例を説明する。箱Wの品種切替がある場合は、制御部6が箱検出センサ4(40〜43)で箱Wを検出していない最も下流側のストッパ3を閉状態とし、その位置で箱Wを停止させて異品種の箱Wが混入しないように、つまり異品種の箱Wが接触状態でストックされないようにする。図3(a)に示すように、コンベア2の先端に品種Bの箱Wが存在し、図3(b)(c)に示すように、次に投入された箱Wが品種Dとされている場合、制御部6は、コンベア2の全ての箱検出センサ4の検出結果に基づいて、開閉ストッパ31を閉状態とする。開閉ストッパ31は、品種切替がある場合において、箱Wを検出していない最も下流側のストッパである。異品種の箱Wを互いに仕切ってストックする場合、箱Wを検出していない最も下流側のストッパではなく、それよりも上流側のストッパ、例えば開閉ストッパ32を閉状態にしてもよいが、ストック装置1の効率的利用のためには好ましくない。これは、品種が頻繁に切り替わって投入される場合に対応するには、できるだけ下流側に詰めた状態で箱Wをストックすることが望ましいからである。図3(d)(e)(f)に示す品種Dの2つの箱Wのように、品種切替が無い場合は、コンベア2における箱Wがある最も上流側の可動式ストッパは閉状態であるが、その上流のストッパは全て開状態のままである。同品種Dの箱Wは、1つ前に投入されてストックされた品種Dの箱Wに接触して停止し、ストックされる。
【0022】
(ストック装置の他の動作例)
図4により、ストック装置1からの箱Wの搬出とその後の動作例を説明する。ここで、ストック装置1のコンベア2上にストックされた箱Wについて、互いに接してストックされている箱Wの全体をグループと称することにすると、各グループは互いに列を成し、互いに異品種であり、互いにストッパ3によって区分けされた状態にある。図4(a)に示す状態では、下流側から品種B,D,Eによるグループがある。図4(b)では、先頭グループの品種Bの箱Wが搬出されて、停止ストッパ30によって停止された箱はない状態であり、このことは箱検出センサ40を介して制御部6に把握される。なお、箱検出センサ40が箱Wを検出していない状態では、ストック装置1からの箱Wの搬出は行われない。制御部6は、箱検出センサ40が箱Wを検出していないことを把握すると、図4(c)に示すように、開閉ストッパ31を開状態として、図4(d)に示すように、品種Dのグループの箱Wを全て下流に移動させる。制御部6は、1つのグループの全ての箱Wが移動完了したことを、箱検出センサ41が箱Wを検出していないことによって把握する。制御部6は、品種Dのグループの箱Wが全て下流に移動完了した後、図4(e)に示すように、開閉ストッパ31を閉状態とし、その後、上流の開閉ストッパ32を開状態として、上流側の品種Eの箱Wの移動を可能とする。これにより、図4(f)に示すように、品種Eの箱Wは、開閉ストッパ31によって停止されてストックされた状態となる。なお、図4(d)に示すように、停止ストッパ30によって停止されている品種Dの箱Wは、箱検出センサ40によって箱Wの検出がなされた時点で搬出可能となる。このようにして、ストック装置1の制御部6は、停止ストッパ30の位置における箱検出センサ40によって箱が検出されなくなった場合に、開閉ストッパ31〜33を下流側から順次開閉して、箱Wをグループ毎に順次、下流側の停止ストッパ30または開閉ストッパ31〜33へ移動させる。
【0023】
以上のようにストック装置1によると、複数品種の箱Wをストックする場合に、品種のグループ毎に管理してストックするので、品種の切り替わりを簡易的かつ確実に切り分けてストックすることができる。つまり、ストック装置1によると、個々の箱W毎に管理してストックする必要がない。従って、個々の箱Wに品種データを割り振って個々の箱W毎に管理してストックする方法における管理データと実際にストックされている箱の情報との整合性を確保するという、煩雑で困難な作業を回避することができる。例えば、梱包不良等で箱Wが抜き取られた場合に、そのことを管理データに反映させるための手作業が発生するが、これを回避できる。
【0024】
上述したストック装置1において、ストック装置1に箱Wを投入する投入部7は、例えば、人手によって投入したり、ロボットによって投入したりする種々の形態とすることができる。ストック装置1は、少なくとも、ストック装置1に投入される箱Wの品種情報を箱Wの投入時に品種情報取得センサ5によって取得できればよい。また、開閉ストッパの配置間隔や配置個数は、図1に示したような等間隔の4箇所とすることに限らず、1箇所以上の任意の配置間隔とすることができる。
【0025】
次に、図5、図6により、箱Wの品種毎の管理について説明する。図5に示すように、コンベア2における、停止ストッパ30および各開閉ストッパ31〜33の各上流側に設定されるエリアa1〜a4に対し、それぞれアドレス1〜4を割り当てる。これは、停止ストッパ30および開閉ストッパ31〜33に対しアドレス1〜4を割り当てると言い換えることができ、さらに、箱検出センサ40〜43に対しアドレス1〜4を割り当てるとも言い換えることができる。また、図6(a)に示すように、箱Wの各品種A,B,・・に対して、品番1,2,・・を割り当てる品番対応表TB0を設定する。これらのアドレス1〜4、および品番対応表TB0を用いて、コンベア2における箱Wのストック状況を表現する参照テーブルTBLを作成することができる。例えば、図6(b)に示す参照テーブルTBLは、図5に示すコンベア2における箱Wのストック状況を表現するものである。すなわち、エリアa1には品種Dの箱Wがトックされているので、アドレスと品番の組は(アドレス、品番)=(1,4)とされ、同様に、エリアa2,a3,a4では、(2,5)(3,5)(4,6)とされている。参照テーブルTBLは、アドレスと品番の対応付け、すなわち、アドレスが設定された箱検出センサ40〜43がどの品種の箱Wを検出しているかを対応付けるものであり、各エリアa1〜a4にストックされている箱Wの品種は管理対象であるが個数は管理対象ではない。なお、箱Wが検出されていないアドレスには、品番0を対応付ける。例えば、アドレスnに箱Wが検出されていない場合、(n,0)である。制御部6は、各アドレス毎に停止されている箱Wの品種情報(品番1,2,・・)または停止されている箱なしの情報(品番0)について、参照テーブルTBLを順次更新して記録し、その参照テーブルTBLに基づいて開閉ストッパ31〜33を開閉制御する。
【0026】
(ストック装置の変形例)
図7、図8はストック装置1の変形例を示す。このストック装置1の変形例は、図7に示すように、投入部7を構成要素として備えると共に、コンベア2とそれに付属する機器からなる3系統のストック部11,12,13を、投入部7のコンベア71に沿って互いに並列に備えている。各ストック部11,12,13は、停止ストッパ30、開閉ストッパ31〜33、箱検出センサ40〜43、およびプッシャ73の組を備えている。また、投入部7のコンベア71は、各ストック部11,12,13のいずれにも箱Wを投入できる搬送長さを有している。また、制御部6は、箱Wの位置を検出するセンサ74から各プッシャ73までの距離L1,L2,L3を把握しており、各箱Wの長さの半分の距離Xと距離L1〜L3とに基づいて駆動部72を制御し、箱Wを各ストック部11,12,13まで搬送して投入する。図7において、ストック部11には品種Aの箱Wが2つストックされており、さらに3つ目の品種Aの箱Wが投入されるところである。また、ストック部12,13には、それぞれ品種B,Cの箱Wが1つずつストックされている。なお、投入部7は、コンベア71とプッシャ73による構成に限らず、他の構成、例えば、ロボットハンドによって投入する構成や、コンベアと振り分け機との構成などの構成とすることができる。
【0027】
図8(a)(b)(c)に示すように、ストック装置1の変形例における箱Wのストック状態は、前述の図6(b)に示した参照テーブルTBLと同様の参照テーブルTB1,TB2,TB3を用いて把握され、管理される。この場合、前述の図6(a)に示した品番対応表TB0が同様に用いられる。各参照テーブルTB1〜TB3において、アドレスは、例えば、ストック部11の停止ストッパ30(箱検出センサ40)に対応するアドレスを11とされている。このようなアドレスは、各ストック部11〜13におけるエリアa1〜a4(図5参照)を識別する番号に、各ストック部11〜13を識別する番号を付加して設定したものである。そして、例えば、参照テーブルTB1において、アドレス11に品番1すなわち品種Aの箱が存在し、アドレス12,13,14に品番0すなわち箱Wが存在しないことが記録され、ストック部11のストック状態が反映されている。
【0028】
次に、この変形例の動作を説明する。制御部6は、品種情報取得センサ5からの品種情報に基づいて各ストック部11,12,13、従って各ストック部のコンベア2のいずれか1つを選択すると共に、投入部7を制御して、選択したコンベア2に箱Wを投入する。この投入の際には、開閉ストッパ31〜33の開閉状態は決定された状態にある。ここで、箱Wを投入するストック部11〜13のいずれかの選択、および選択したストック部内でのエリアa1〜a4のいずれかの選択について説明する。この選択は、例えば、箱Wの品種数、各品種毎の箱Wの取り扱い量、さらには、各品種の箱Wが投入される時間的な頻度やその変動、停止ストッパ30側から搬出される速さなどの事前情報などに基づいて、箱Wの品種毎に投入先のストック部を設定しておけばよい。また、各エリアa1〜a4の空き状態に応じて投入先を動的に選択するようにしてもよく、一部は固定とし残りは動的に選択するようにしてもよい。さらに、単純な選択方法としては、投入部7の上流側に近いストック部から順番に選択するようにしてもよい。また、各参照テーブルTB1〜TB3を参照して、各ストック部が平均的に稼動するようにストック部を選択して箱Wを投入すればよい。品種毎にストック部を割り当てる場合、制御部6にタッチパネル等の入出力手段を備え、その入出力手段によって予めまたは適宜入力して設定すればよい。このようなストック装置1の変形例によれば、箱Wの品種の切り替わりに対して柔軟かつ確実に対応して、品種毎に切り分けてストックすることができる。なお、ストック部の数(系統数)や各ストック部におけるストッパなどの構成は、図5に示した構成に限られるものではない。ストック部は、2系統にしたり4系統以上にしたり、各ストック部の長さを互いに変えたり、開閉ストッパ3と共に箱検出センサ4の数を変えたりすることができる。このようなストック装置によれば、簡単な構成により、設備コストや設置床面積を抑えると共に品種の切り替わりや品種数の増減に対して柔軟に対応でき、高い稼動効率を実現することができる。
【0029】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。また、制御部6として、一般的な入出力機器や記憶装置を備えたコンピュータを用いることができる。また、開閉ストッパは、箱検出センサと共に位置可変式とすることができる。その位置変更は、手動式としたり、移動用動力を備えた自動式としたりすることができる。自動式の場合に、制御部6により動的に位置変更可能としてもよい。また、本ストック装置1がストックする箱Wとして、ダンボール箱、木箱、コンテナなどの任意種類の箱を対象とすることができる。より一般的には、適宜の開閉ストッパによってコンベア上に停止保持してストックすることができる物品であれば、そのような物品を箱Wと見做してストックすることができる。また、本発明における箱Wの品種は、品種情報によって識別される品種である。従って、物品として同等のものであっても異品種としたり、形状や機能が異なる物品であっても同一品種としたりすることができる。そこで、例えば、出荷先の違いによって品種を設定したり、次工程の内容の違いによって品種を設定したりすることができ、それらを品種毎に区分して各箱W、より一般的に各物品、をストックすることができる。また、開閉ストッパとして、下流側に倒れて開となり、起立して閉となるストッパも用いることができる。このような開閉ストッパは、箱Wの通過領域に配置することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 ストック装置
2 コンベア
3 ストッパ(開閉ストッパ、停止ストッパ)
30 停止ストッパ
31〜33 開閉ストッパ
4,41〜43 箱検出センサ
5 品種情報取得センサ
6 制御部
7 投入部
TBL,TB1〜TB3 参照テーブル
W 箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次投入される複数品種の箱を一時的にストックするストック装置において、
投入された箱を移動させると共に停止した箱を仮置きしてストックするコンベアと、
前記コンベアに沿って配置され、閉状態で箱を停止し、開状態で箱を下流側に通過させるように開閉される開閉ストッパと、
前記コンベアの下流において箱を停止させる停止ストッパと、
前記開閉ストッパおよび停止ストッパの位置に箱が有るか否かを検出する箱検出センサと、
前記コンベアに投入される箱の品種情報を取得する品種情報取得センサと、
前記コンベアおよび開閉ストッパの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、新たに投入された箱に対し、前記品種情報取得センサからの品種情報に基づいて品種切替有りと判断した際に、前記箱検出センサによって箱が検出されていない位置の開閉ストッパを閉状態とすることにより品種切替前後の箱を互いに区分してストックした状態とすることを特徴とするストック装置。
【請求項2】
前記制御部は、品種切替なしと判断した際に、閉状態である開閉ストッパよりも上流側の開閉ストッパを全て開状態とすることを特徴とする請求項1に記載のストック装置。
【請求項3】
前記制御部は、前箱検出センサによって前記停止ストッパの位置に箱が検出されない場合に、前記開閉ストッパを下流側から順次開閉して、ストックされている箱を順次、下流側の開閉ストッパまたは停止ストッパへ移動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のストック装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記開閉ストッパおよび停止ストッパにアドレスを設定し、各アドレス毎に、停止されている箱の品種情報または停止されている箱なしの情報を順次更新して記録する参照テーブルを備え、前記参照テーブルに基づいて前記開閉ストッパを開閉制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のストック装置。
【請求項5】
前記コンベア、開閉ストッパ、停止ストッパ、および箱検出センサの組を複数備え、
前記各コンベアに対して箱を投入する投入部をさらに備え、
前記制御部は、前記品種情報取得センサからの品種情報に基づいて前記コンベアの1つを選択すると共に、前記投入部を制御して前記選択したコンベアに箱を投入することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のストック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−35958(P2012−35958A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176735(P2010−176735)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】