説明

スピンドルモータ、及びディスク駆動装置

【課題】ロータ部が安定して回転できるスピンドルモータ、及びディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】スピンドルモータ1のシールド部材27は、第1平面部271の径方向内側、及び第1平面部271に周方向に隣接する第2平面部272の径方向内側に、内周面の軸方向高さが周方向に均一に形成された第3平面部273を備える。このため、ロータマグネット17の外周面17aに間隙を介して対向するシールド部材27の内周面273aの軸方向高さは周方向に均一であるため、モータ1の回転駆動時における磁気バイアスが安定してロータ部13の回転が安定し、PES等の不具合の発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピンドルモータ、及び当該スピンドルモータを備えるディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータやカーナビゲーション等に使用される磁気ディスクや光ディスク等の記録ディスク駆動装置の小型化、薄型化に伴い、それに内蔵されるモータの小型化、特に薄型化に対する要求が高まっている。この種のモータとしては、ステータの径方向内側でロータが回転するインナーロータ型と、逆にステータの径方向外側でロータが回転するアウターロータ型とがあるが、以下の説明ではインナーロータ型スピンドルモータについて説明する。
【0003】
従来のインナーロータ型スピンドルモータでは、外部電源よりフレキシブル回路基板(以下、FPC(Flexible Printed Circuit)とする)を経由してステータに通電されることにより、ステータに磁束が発生し、この磁場とロータマグネットとの磁気的相互作用により回転トルクを発生させ、回転駆動する。
【0004】
ステータの上側に磁気シールド板からなるシールド部材が配置され、主に回転駆動時にステータで発生する磁束が、シールド部材より上側の領域に多量に流れることを防止している。
【0005】
シールド部材の形状は、プレス加工等により、周方向に段状の高低面が設けられた2段構成となっている。これは、ヘッド部がスイング動作したとき、シールド部材の上方にヘッド部が位置できるように、ヘッド部のスイング動作領域に対応する面を低くして、ヘッド部がシールド部材の上方に位置できるようにしている。
【0006】
このような従来のスピンドルモータについては、例えば、特許文献1に開示されている。
【0007】
【特許文献1】国際公開第2000/62404号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のスピンドルモータが具備するシールド部材は、周方向に2段構成となっているため、ロータマグネットと径方向に間隙を介して対向するシールド部材の内周面が段状で不均一なため、モータの回転駆動時における磁気バイアスが安定せずロータ部の回転が不安定になり、PES(Positioning Error Signal:記録ディスクのトラックに対してヘッドが追従できなくなり記録ディスクへの情報の書き込みおよび読み出しが上手くできなくなること。いわゆる、トラッキングエラー)、Puretone(ステータとロータ部との共振等による異音)、RRO(Repeatable Run Out:モータの動作時におけるシャフトの同期成分の振れ)等の不具合が生じることがあった。
【0009】
そこで本発明は、上記問題を解決すべく、ロータ部が安定して回転できるスピンドルモータ、及びディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、前記シールド部材は、前記中心軸に略垂直方向に伸びる平面から構成され、前記ヘッド部のスイング動作領域に対応する第1平面部と、前記第1平面部と周方向に隣接し、前記中心軸に沿った方向を上下方向として前記第1平面部より上側に位置する第2平面部と、前記第2平面部及び前記第1平面部の径方向内側に配置され、前記第2平面部より下側に位置するとともに周方向に軸方向高さが均一に形成された第3平面部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスピンドルモータにおいて、前記ステータは、前記複数のティース部の径方向外側の端部同士を周方向に繋ぐ略環状のコアバックを更に有し、隣り合う前記複数のティース部の間に配置され、前記ステータからの前記導線が電気的に接続される複数の電気接続部と、前記複数の電気接続部の径方向外側の端部同士を繋いで周方向に伸びて形成された略円弧形状の本体部と、を有するフレキシブルプリント基板を備え、前記フレキシブルプリント基板の少なくとも本体部は、前記第2平面部の下面と、前記コイルとの軸方向の間に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のスピンドルモータにおいて、前記フレキシブルプリント基板の前記本体部の径方向の幅と前記電気接続部の径方向の幅とを合わせた幅は、前記シールド部材の前記第2平面部の径方向の幅に相当、若しくはより小さいことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記シールド部材の前記第1平面部は、径方向内側から径方向外側へ放射状に拡がる略扇形状を成していることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のスピンドルモータであって、前記第1平面部と前記第3平面部とは同じ軸方向高さであることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記シールド部材の前記コイル側の面に、絶縁層が被覆されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、ディスクを回転させるディスク駆動装置であって、ベース部材と、前記ベース部材の内部に固定された請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスピンドルモータと、前記ディスクに対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記ディスクの平面に沿って移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1〜7に記載の発明によれば、前記シールド部材は、前記中心軸に略垂直方向に伸びる平面から構成され、前記ヘッド部のスイング動作領域に対応する第1平面部と、前記第1平面部と周方向に隣接し、前記中心軸に沿った方向を上下方向として前記第1平面部より上側に位置する第2平面部と、前記第2平面部及び前記第1平面部の径方向内側に配置され、前記第2平面部より下側に位置するとともに周方向に軸方向高さが均一に形成された第3平面部と、を備える。このような構成にすることにより、ロータマグネットの外周面に間隙を介して対向するシールド部材の内周面の軸方向高さが周方向に均一であり、モータの回転駆動時における磁気バイアスが安定してロータ部の回転が安定し、PES、Puretone、RRO等の不具合の発生を抑制することができる。
【0018】
特に、請求項2に記載の発明によれば、前記プレキシブルプリント基板の少なくとも本体部は、前記第2平面部の下面と、前記コイルとの軸方向の間に配置されている。このような構成にしたことにより、スピンドルモータを軸方向に薄くすることができ、スピンドルモータを薄型化、小型化することができる。
【0019】
特に、請求項6に記載の発明によれば、前記シールド部材の前記コイル側の面に、絶縁層が被覆されている。シールド部材は導電性材料であるため、このような構成にすることにより、シールド部材とコイル又はフレキシブルプリント基板とが金属接触して短絡するのを防ぐことができ、結果として、信頼性の高いスピンドルモータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の説明において、各部材の位置関係や方向を上下左右で説明するときは、あくまで図面における位置関係や方向を示し、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を示すものではない。以下の説明では、説明の便宜上、中心軸Lに沿ってディスク4側を「上」とし、コイル24側を「下」とする。
【0021】
<1.ディスク駆動装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスピンドルモータ1を備えたディスク駆動装置2の縦断面図、図2はディスク駆動装置2の内部構造を説明するための上平面図である。ディスク駆動装置2は、2枚の磁気ディスク4を回転させつつ、磁気ディスク4からの情報の読み出し及び磁気ディスク4への情報の書き込みを行うハードディスク装置である。図1に示したように、ディスク駆動装置2は、主として、装置ハウジング3、2枚の磁気ディスクや光ディスク等の記録ディスク(以下、単に「ディスク」という)4、これを一定速度で回転させるスピンドルモータ1、ディスク4に対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部6、ヘッド部を支持し、回転軸を中心に回転可能なキャリッジ部7、キャリッジ部7を回転駆動し、ヘッド部6を情報の読み出しおよび/または書き込みを行うためにディスク4に位置決めする揺動部8を備えている。
【0022】
装置ハウジング3は、カップ状の第1ハウジング部材31と、板状の第2ハウジング部材32とを有している。第1ハウジング部材31は、上部に開口を有し、第2ハウジング部材32は、第1ハウジング部材31の上部の開口を覆うように第1ハウジング部材31に接合されている。第1ハウジング部材31と第2ハウジング部材32とに囲まれた装置ハウジング3の内部空間33に、2枚のディスク4、アクセス部5、ステータ22及びスピンドルモータ1が収容されている。装置ハウジング3の内部空間33は、塵や埃が少ない清浄な空間とされている。
【0023】
第1ハウジング部材31の底面には、凹んだ略円形状のベース311が形成されていて、そのベース311にスピンドルモータ1とステータ22が設置されている。ベース311の中央部には、中心軸Lに沿ってベース311を貫通する貫通孔311aが形成されている。また、ベース311の貫通孔311aよりも外周側(中心軸Lに対する外周側。以下同じ。)には、軸方向(中心軸Lに沿った方向。以下同じ。)に突出した略円筒形状のホルダ部311bが形成されている。なお、本実施形態では、第1ハウジング部材31とベース311とが単一の部材により構成されているが、第1ハウジング部材31とベース311とが別体になっていてもよい。
【0024】
2枚のディスク4は、いずれも中央部に孔を有する円板状の情報記録媒体である。各ディスク4は、スピンドルモータ1のロータハブ15に装着され、スペーサ41を介して互いに平行に積層配置されている。
【0025】
一方、アクセス部5は、2枚のディスク4の上面及び下面に対向する4つのヘッド部6と、各ヘッド6を支持するキャリッジ部7と、第1ハウジング部材31の底面に固定され、キャリッジ部7を備える揺動部8とを有している。
【0026】
キャリッジ部7は、ヘッド部6をその先端に支持するスプリングアーム71と、スプリングアーム71を固定する取付アーム72とを有し、回転軸9に回動自在に支持されており、回転軸9に対して取付けアーム72の反対側に設けられたボイスコイルモータ10の駆動によって、回転軸9を中心にスイング駆動する。このボイスコイルモータ10は、キャリッジ部7と一体的に回動するコイル101と、そのコイル101を軸方向に挟むように装置ハウジング3の内側に固定して配置されたマグネット102a・102bとから構成される。
【0027】
アクセス部5は、コイル101に電流を流すことで、ボイスコイルモータ10の駆動により、4本のキャリッジ部7をディスク4に沿ってスイング動作させ、4つのヘッド部6をディスク4の必要な位置にアクセスさせることにより、回転する各ディスク4の記録面に対して情報の読み出し及び書き込みを行う。コイル101に流れる電流の向きを制御することにより、キャリッジ部7を矢印C方向に付勢したり、矢印D方向に付勢したりできるように構成されている。なお、ヘッド部6は、ディスク4の記録面に対して情報の読み出し及び書き込みのいずれか一方のみを行うものであってもよい。
【0028】
<2.スピンドルモータの構成>
続いて、上記のスピンドルモータ1の詳細な構成について説明する。図3は、図2におけるA−A線断面図で、図4は、ラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部を説明するためのスピンドルモータ1の一部縦断面図である。図3に示すように、本実施形態に係るスピンドルモータ1は、ベース311に固定される軸受ハウジング11と、この軸受ハウジング11の内周面11bに固定されるスリーブ12と、このスリーブ12によって回転自在に支持されるロータ部13とを有している。
【0029】
中空円筒状の軸受ハウジング11は、軸受ハウジング11の下方を閉塞する板状のカウンタープレート14を備えている。軸受ハウジング11の下平面部の内縁部分に切り欠き部11aを形成し、そこにカウンタープレート14の外端部を当てて接着固定している。軸受ハウジング11は、例えば、ステンレスや樹脂部材等から形成される。
【0030】
軸受ハウジング11の内周面11bには、中心部に軸方向に貫通する軸受穴を有する円筒状のスリーブ12が接着等の手段によって固定されている。このスリーブ12は、オイルが含浸された多孔質焼結体から成形され、その材質は特に限定するものではなく、各種金属粉末や金属化合物粉末、非金属粉末を原料として成型、焼結したものが使用される。原料としては、例えば、Fe−Cu、Cu−Sn、Cu−Sn−Pb、Fe−C等を含有する。なお、このような軸受ハウジング11及びスリーブ12は、例えば、銅や銅合金等からも成形可能である。なお、本実施形態では、中空円筒状の軸受ハウジング11の下方にカウンタープレート14を固定し開口を閉塞していたが、それらが一体となった軸受ハウジング、つまり、カップ状の軸受ハウジングを活用することも可能である。
【0031】
回転部材であるロータ部13は、中心軸Lに沿って配置されるシャフト16と、シャフト16の下端部付近から径方向外側に張り出すスラストプレート18と、このシャフト16と一体に形成される略カップ状のロータハブ15とを有している。
【0032】
ロータハブ15は、スピンドルモータ1における中心軸Lとなるシャフト16の周囲において径方向に広がる形状を有し、その中心部には、中心軸Lを中心とした貫通孔15aが形成されており、シャフト16に固定されている。その形状についてより詳細に説明すると、ロータハブ15は、シャフト16の外周面に固定される第1円筒部151と、第1円筒部151の上端部から径方向外側へ向けて広がる平板部152と、平板部152の外周縁から垂下する第2円筒部153とを有している。第2円筒部153の外周面15bは、ディスク4の内周部(内周面又は内周縁)に当接する当接面となる。また、第2円筒部153の下端部付近には、径方向外側へ向けて突出し、その上面がディスク4を載置するフランジ面15cとなる台部154(ディスク載置部)が形成されている。このようなロータハブ15は、例えば、ステンレス等から形成される。また、台部154の下方で第2円筒部153の外周面には、円環状に形成されたロータマグネット17が接着剤等により固定されている。
【0033】
ロータマグネット17は、N極とS極とが周方向に交互に配列し、これら各磁極の磁束方向がロータマグネット17の径方向と略一致する所謂ラジアル異方性もしくは等方性のネオジウム磁石である。このロータマグネット17は、その外周面17aと後述するティース部231の先端部と径方向に一定の隙間を有するようにロータハブ15に固定されている。
【0034】
2枚のディスク4は、ロータハブ15のフランジ面15c上に水平姿勢に積層配置される。すなわち、下のディスク4がフランジ面15c上に載置され、その上部に、他のディスク4がスペーサ41を介して載置される。そして、上のディスク4の上面は、ロータハブ15の平板部152に取り付けられた押さえ部材155により押圧固定される。このような構成により、ディスク4は、ロータハブ15のフランジ面15cと押さえ部材155とによって挟持され、ロータハブ15と一体的に回転することができる。
【0035】
シャフト16は、中心軸Lに沿って配置された略円柱形状の部材である。シャフト16の外周面には、ロータハブ15の第1円筒部151が径方向に対向し、また、シャフト16の下端面は、スリーブ12の下面よりの僅かに下側に位置するように構成されている。
【0036】
シャフト16の下端部付近には、シャフト16の外周面から径方向外側に張り出すスラストプレート18が固定されている。スラストプレート18の上面18a及び下面18bは、スリーブ12の下面12a及びカウンタープレート14の上面14aとそれぞれ軸方向に微小間隙を介し対向し、その外周面18cは軸受ハウジング11の内周面11bと径方向に微小間隙を介し対向している。なお、スラストプレート18の材料は、必要とする機械的強度や寸法安定性などから適宜選択できるが、シャフト16の下端部付近に固定されシャフト16と一体に回転することから、シャフト16と同程度の熱膨張係数を有する材質が好ましい。なお、シャフト16及びスラストプレート18は、単一の部材により形成されていてもよい。
【0037】
このような構成においては、軸受ハウジング11の上面11c、及びスリーブ12の上面12cと、ロータハブ15の平板部152の下面152aとの微小間隙と、ロータハブ15の第1円筒部151の外周面151aとスリーブ12の内周面12bとの微小間隙と、スリーブ12の下面12aとスラストプレート18の上面18aとの微小間隙と、カウンタープレート14の上面14aとスラストプレート18の下面18bとの微小間隙と、は連通しており、互いに連通した微小間隙には、潤滑流体として潤滑オイル19が途切れることなく保持されている。
【0038】
次に、軸受構造について、図4に基づいて説明する。
【0039】
ロータハブ15の第1円筒部151の径方向外側に位置するロータハブラジアル軸受面と、それに対向するスリーブ12のスリーブラジアル軸受面との微小間隙には、径方向の荷重を支持するラジアル動圧軸受部を備えており、シャフトラジアル軸受面又はスリーブラジアル軸受面の少なくとも一方に、相対回転時に潤滑オイル19に流体動圧を誘起するヘリングボーン形状のラジアル動圧溝列20が形成されている。
【0040】
本実施形態では、スリーブ12の内周面12bに、軸方向に間隔をおいて上下に「く」字状のヘリングボーン形状のラジアル動圧溝列20a・20bが形成されている。
【0041】
モータ1の回転により、スリーブ12に対してロータハブ15とシャフト16とが一体的に回転駆動すると、ラジアル動圧溝列20a・20bのポンピング作用により、微小間隙中に充填された潤滑オイル19に流体動圧を誘起して、シャフト16と固定されたロータハブ15は、スリーブ12と非接触となりつつも径方向に支持され、スリーブ12に対して回転自在に支承される。
【0042】
なお、ラジアル動圧溝列20は、ヘリングボーン形状に限らず、スパイラル形状やテーパードランド形状でもよく、流体動圧軸受として機能すればよい。なお、本実施形態では、ラジアル動圧溝列20をスリーブラジアル軸受面に形成したが、ロータハブラジアル軸受面であるロータハブ15の第1円筒部151の外周面151aに形成する構成にしてもよい。また、本実施形態では、スリーブ12とシャフト16との間にロータハブ15の第1円筒部151を挟んだ構成になっているが、ロータハブ15の第1円筒部151がない状態、つまり、スリーブスラスト軸受面に対向する面としてシャフトスラスト軸受面を設けることも可能である。
【0043】
また、ロータハブ15の平板部152の下方に位置するロータハブスラスト軸受面と、それに対向する軸受ハウジング11の上方に位置する軸受ハウジングスラスト軸受面との微小間隙には、スラスト軸受部を備えており、ロータハブスラスト軸受面又は軸受ハウジングスラスト軸受面の少なくとも一方に、相対回転時に潤滑オイル19に流体動圧を誘起するスパイラル形状のスラスト動圧溝列21aが形成されている。
【0044】
また、同様に、スリーブ12の下方に位置するスリーブスラスト軸受面と、それに対向するスラストプレート18の上方に位置するスラストプレートスラスト軸受面との微小間隙には、スラスト軸受部を備えており、スリーブスラスト軸受面又はスラストプレートスラスト軸受面の少なくとも一方に、相対回転時に潤滑オイル19に流体動圧を誘起するスパイラル形状のスラスト動圧溝列21bが形成されている。
【0045】
本実施形態では、軸受ハウジング11の上面11cには、軸受ハウジング11の上面11cとスリーブ12の上面12cとの間に充填される潤滑オイル19に流体動圧を発生させるためのスラスト動圧溝列21aが中心軸側から径方向外方へ放射状に形成されている。また、スリーブ12の下面12aにも、スリーブ12の下面12aとスラストプレート18の上面18aとの間に充填される潤滑オイル19に流体動圧を発生させるためのスラスト動圧溝列21bが中心軸側から径方向外方へ放射状に形成されている。
【0046】
従って、スラスト動圧溝列21aによるロータ部13に対する浮上作用と、スラスト動圧溝列21bによるスラストプレート18に対する押し下げ作用とにより、ロータ部13は上下方向に押圧される。そしてこれらの動圧力がバランスする位置においてロータ部13の回転浮上位置が安定する。スラスト動圧溝列21a・21bを形成することにより、スラスト動圧溝列21a・21bで発生する軸支持力が軸方向に相対向する方向から協働して作用することになるので、ロータハブ15の回転を安定して支持することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、スラスト動圧溝列21a・21bには、いずれもスパイラル溝が形成されているが、スラスト動圧溝列21a・21bの一方若しくは両方にヘリングボーン形状の溝(ヘリングボーン溝)を形成することも可能である。
【0048】
なお、本実施形態では、スラスト動圧溝列21aを軸受ハウジングスラスト軸受面に、スラスト動圧溝列21bをスリーブスラスト軸受面それぞれに形成したが、スラスト動圧溝列21aをロータハブスラスト軸受面に、スラスト動圧溝列21bをスラストプレートスラスト軸受面にそれぞれ形成する構成にしてもよい。また、ロータハブスラスト軸受面に対向するスラスト軸受面として、本実施形態では、軸受ハウジング11の上方に位置する軸受ハウジングスラスト軸受面としたが、同じくロータハブスラスト軸受面に対向するスラスト軸受面として、スリーブ12の上方に位置するスリーブスラスト軸受面にスラスト動圧溝列21aを形成してもよい。このとき、スラスト動圧溝列21aを形成するのは、軸受ハウジングスラスト軸受面とスリーブスラスト軸受面のいずれか一方でも両方にでも構わない。
【0049】
<3.ステータの構成>
次に、第1ハウジング部材31のベース311に固定されているステータ22について、図5に基づいて説明する。ステータ22は、先端を中心軸Lに向けて中心軸Lを中心に放射状に配置された複数のティース部231及び、複数のティース部231の径方向外側の端部同士を周方向に繋げる環状のコアバック232を有するステータコア23と、複数のティース部231のそれぞれに導線241を巻回することにより形成されたコイル24と、を有し、ロータマグネット17の外周面17aと径方向に微小間隙を介し対向している。ステータコア23は、金属薄板、例えば、略環状のケイ素鋼板等の電磁鋼板を複数枚軸方向に積層させた積層鋼板により形成されている(本実施形態では2枚の金属薄板を積層することにより形成している)。
【0050】
また、隣り合う2つのティース部231・231間におけるコアバック232の内周辺には、導線241の渡り線242がコアバック232より径方向内側に侵入しないように、コアバック232から径方向内側に張り出した突起を上側に折り曲げて形成された複数の渡り線係止用の突出部25が設けられている。なお、渡り線242は、一のコイル24から突出部25の径方向外方を経由して他のコイル24に到るように配線されている。
【0051】
なお、図5では、9本のティース部231のうち、3本のティース部231にコイル24を巻回した図となっているが、実際はその3本以外のティース部231にも同様にコイル24が巻回されている。
【0052】
コイル24若しくはコアバック232の上側に当接配置するように、フレキシブルプリント基板26(以下、FPC26とする)が固定されている。コイル24から引き出された導線(以下、引出導線とする)は、FPC26へと導かれ、FPCの電極(後述するランド部264)に半田等にて接合される。そして、図示しない外部電源よりFPC26を経由してステータ22に通電されることにより、ステータ22に磁束が発生し、この磁場とロータマグネット17との磁気的相互作用により回転トルクを発生させ、モータ1を回転駆動する。
【0053】
以下、FPC26の構成について、図3、図6、図7に基づいて説明する。図6は、図2からディスク4を省いた上面図で、図7は、図6におけるB−B断面図である。
【0054】
FPC26は、本体部261と、電気接続部262と、外部接続部263とを有し、表面には銅箔等からなるランド部264が形成されてる。詳しくは、複数の電気接続部262の径方向外側の端部同士を繋いで周方向に延びて形成され、略環状のコアバック232に沿うような略円弧形状の本体部261が、コイル24若しくはコアバック232の上側に固定されている。本実施形態では、図7に示すように、本体部261がコイル24の上面24aに固定されている。電気接続部262は、両側に周方向外側の延びる張出部262aを有しており、隣り合う複数のティース部231の間に、詳しくは隣り合うコイル24の間に位置するように配置され、ステータ22のコイル24から引き出された引出導線が電気的に接続されている。本実施形態に係るスピンドルモータ1は、3相駆動であるので、U相、V相、W相、及びコモンの4カ所の電気接続部262が形成されている。それぞれの電気接続部262から引かれるランド部264は、本体部261を経由して外部接続部263に繋がるように形成されている。外部接続部263は、ベース311の上面から下面に貫通し、ベース311の下面に固定されている。外部接続部263を介して外部電源を供給し、ランド部264及び電気接続部262を経由してコイル24に通電される。
【0055】
<4.シールド部材の構成>
次に、本実施形態におけるシールド部材27について、図3、図7乃至図10に基づいて説明する。
【0056】
シールド部材27は、磁気シールド効果を有する軟磁性材料から成形された環状の金属部材であり、ディスク4とコイル24との間に軸方向に配置されている。磁気シールド効果は、材料の透磁率に比例し、高透磁率の材料を用いて磁束を吸収させることで、通過する磁束を抑制することができる。そのため、シールド部材27に、高透磁率である軟磁性材料である金属磁性材料を使用することで、回転駆動時にコイル24から出入りする磁束が、シールド部材27より上側に多量に漏洩することを防止し、ヘッド部6やディスク4に到達することを防ぐことができる。その結果、コイル24から発生する磁束がディスク4に影響して、ディスク4の読み取りにエラーが発生したり、最悪の場合、ディスク4に書き込まれた情報が消滅してしまうといった問題を防ぐことができ、また、磁束がヘッド部6に影響して、ヘッド部6に磁気的作用を起こしてヘッド部6がクラッシュしてしまうといった問題を防ぐことができる。シールド部材27の材料としては、磁気シールド効果を有する磁性材料であればよく、例えば、マルテンサイト系ステンレスや、高透磁率材のパーマロイ(Ni合金)やセメンジュール(Ni−Co合金)でもよい。なお、これらパーマロイやセメンジュールは、特に、周波製の高い交流磁場に対して効率よく作用するものである。本実施形態では、駆動時にコイル24で発生した磁束の内上側に流れていく磁束は、シールド部材27に捕捉されシールド部材27の内部を流れ再びコイル24に戻る。なお、シールド部材27は、磁気シールド板を1枚若しくは複数枚軸方向に積層させた積層磁気シールド板により形成されている。
【0057】
シールド部材27とコイル24との軸方向における位置関係について、図3に基づいて説明する。シールド部材27の外縁部分27aをベース311の外縁部分311cに固定し、シールド部材27の下面に接着剤等を塗布しておき、コイル24の上面24aに直接接着している。また、コイル24の上方に所定間隔をおいてシールド部材27を配置することも可能である。シールド部材27によりコイル24の上方を覆ってコイル24からの磁束の漏れを防止するような位置関係であればよい。
【0058】
<4−1.シールド部材の段差>
次に、本実施形態に係るシールド部材27の形状について以下説明する。本実施形態に係るシールド部材27は、中心軸Lに略垂直方向に伸びる平面から構成されてヘッド部6のスイング動作領域に対応する領域に形成された第1平面部271と、第1平面部271と周方向に隣接し、第1平面部271より上側に位置する第2平面部272と、第1平面部271及び第2平面部272の径方向内側に配置され、周方向に軸方向高さが均一に形成された第3平面部273と、を備えるように構成されている。詳しくは、図7に示すように、第3平面部273は、第2平面部272より下側に位置し、第1平面部271と同じ高さになるように構成されている。
【0059】
このような構成にすることにより、ロータマグネット17の外周面17aに間隙を介して対向するシールド部材27の内周面273a、つまり、第3平面部273の内周面273aは周方向に均一な構成であるため、モータ1の回転駆動時における磁気バイアスが安定してロータ部13の回転が安定し、PES、Puretone、RRO等の不具合の発生を抑制することができる。
【0060】
なお、シールド部材27の第1平面部271、第2平面部272、第3平面部273それぞれの境界の段差部は、スロープ状でも直角状でも構わない。
【0061】
<4−2.シールド部材とFPCとの関係>
次に、シールド部材27とFPC26との関係について、図3、図6及び図7に基づいて説明する。
【0062】
まず、図3に示すように、FPC26の電気接続部262が、電気接続部262の径方向内側端部から径方向外側端部にかけて、本体部261の径方向外側端部を支点に下方に傾斜状に曲がった構成になっている場合について説明する。
【0063】
この場合、図6に示すように、両側に張出部262aを有する電気接続部262の周方向の幅は、隣り合うティース部231の間に、詳しくは隣り合うコイル24の間の間隙の周方向の幅と同等、若しくは、よりも小さくなるように構成され、断面視傾斜状に曲げられた電気接続部262は、隣り合うティース部231の間に、詳しくは隣り合うコイル24の間に位置するように配置されている。このように構成されていることにより、電気接続部262の張出部262aがコイル24の側方に位置することができ、コイル24から引き出された引出導線を電気接続部262のランド部264に良好に電気的に接続することができる。
【0064】
また、シールド部材27の第2平面部272は、第1平面部271及び第3平面部273の上側に位置するように構成されているため、コイル24の上面24aと第2平面部272の下面272aとの間には空間が形成されている。シールド部材27の第1平面部271の下面に接着剤等を塗布してコイル24の上面24aに貼着し、シールド部材27を固定したとき、この空間には、図7に示すように、FPC26の本体部261が配置される。このような構成にすることにより、シールド部材27の内周面273a、つまり、第3平面部273の内周面273aは周方向に均一な構成にしつつ、スピンドルモータ1の薄型化を図ることができる。なお、空間中に配置するのは、FPC26の本体部261だけでなく、電気接続部262の一部も配置するように構成することも可能である。
【0065】
また、FPC26の本体部261をコイル24の上面24aに、及び、FPC26の電気接続部262の側面をコイル24の側面に、それぞれ接着剤等を塗布して接着固定することにより、FPC26をステータ22に効果的に保持させることができる。
【0066】
また、FPC26を固定することにより、外部衝撃等によってもその固定位置を保持することができるので、コイル24を形成している導線241が移動して切れる危険性がなくなる。
【0067】
次に、他の実施形態として、FPC26の本体部261と電気接続部262とが同じ高さにある場合について以下説明する。
【0068】
この場合、本体部261と電気接続部262とは同一平面上にあるので、両側に張出部262aを有する電気接続部262の周方向の幅は、隣り合うティース部231の間に、詳しくは隣り合うコイル24の間の間隙の周方向の幅よりも広い幅を有するように構成することもできる。このとき、電気接続部262及び張出部262aは、コイル24の上面24aと当接することができ、コイル24から引き出された引出導線を電気接続部262のランド部264に良好に電気的に接続することができる。
【0069】
また、この場合、スピンドルモータ1の薄型化を考慮すると、シールド部材27の第2平面部272の下面272aとコイル24の上面24aとの間に形成される空間に、FPC26の本体部261と電気接続部262とが配置されることが望ましい。この効果を奏するためには、FPC26の本体部261の径方向の幅と電気接続部262の径方向の幅とを合わせた幅が、シールド部材27の第2平面部の径方向の幅と同等、若しくはそれよりも小さくなるように構成する。
【0070】
第1平面部271の形状は、径方向内側から径方向外側へ放射状に拡がる略扇形状を成している。また、第1平面部271の周方向の広さは、ヘッド部6が余裕をもってスイング動作できる広さであり、図10に示されるように、ヘッド部6がスイング動作する軌跡Sを含んだ通過領域に相当若しくは通過領域より余裕のある広さである。
【0071】
<4−3.絶縁層>
図9に示すように、シールド部材27の下面には、絶縁層28が被覆されている。シールド部材27は導電性であるため、シールド部材27に絶縁層28を被覆することにより、シールド部材27とコイル24とが電気的に絶縁して、金属接触して短絡するのを防ぐことができる。絶縁層28の材料としては、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、ポリエステル系、PES系、或いはアクリル系等の樹脂を用いることができる。絶縁層28の形成方法としては、片面にPSA(Pressure Sensitive Adhesive)等の接着剤を塗布したシート状の絶縁フィルムをシールド部材27の下面に貼着させる。なお、本実施形態では、絶縁フィルムをPSA等の接着剤によりシールド部材27に貼着しているが、例えば、両面テープ等により固着するようにしても構わない。また、別の方法として、溶融した樹脂剤をシールド部材27の面に塗布して硬化させるといった方法で絶縁層28を被覆することも可能である。絶縁層28の被覆範囲としては、シールド部材27の下面のうち少なくともコイル24と軸方向に対向する部位に被覆されていればよい。もちろんシールド部材27の下面の面積と同等の範囲に被覆されてもよい。なお、シールド部材27の第1平面部271、第2平面部272、第3平面部273はそれぞれ軸方向高さが異なるが、図3に示すように、シールド部材27の下面に被覆される絶縁層28もそれぞれの軸方向高さに合わせて被覆され、第1平面部271、第2平面部272、第3平面部273それぞれに絶縁層28が被覆される。
【0072】
<5.他の実施例>
なお、軸方向高さが異なる複数の平面を有するシールド部材27の構成について、本実施形態では、磁気シールド板を1枚若しくは複数枚軸方向に積層して構成したシールド部材27を、プレス等の塑性加工にて折り曲げて、第1平面部271、第2平面部272、第3平面部273それぞれを形成していたが、シールド部材27の構成はこれに限定されるものではない。例えば、第1平面部271、第2平面部272、第3平面部273それぞれ別個に成形しておき、それらを接続して1つのシールド部材27を構成してもよい。
【0073】
また、シールド部材27は、他の実施形態として、図11に示すように、第3平面部273が、第2平面部272より下側に位置し、第1平面部271よりも高くなるように構成することも可能である。また、更に他の実施形態として、図12に示すように、第3平面部273が第1平面部271よりも低く、第1平面部271が第2平面部272よりも低くなるように構成にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態に係るスピンドルモータを備えたディスク駆動装置の縦断面図である。
【図2】ディスク駆動装置の内部構造を説明するための上面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】ラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部を説明するためのスピンドルモータの一部縦断面図である。
【図5】ステータの説明図である。
【図6】図2からディスクを省いた上面図である。
【図7】図6におけるB−B断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るシールド部材を示す図である。
【図9】シールド部材の下面に絶縁層を被覆した図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るシールド部材を備え、ディスクを除いたディスク駆動装置の内部構造を説明するための上平面図である。
【図11】他の実施形態に係るシールド部材を示す図である。
【図12】他の実施形態に係るシールド部材を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 スピンドルモータ
2 ディスク駆動装置
6 ヘッド部
15 ロータハブ
17 ロータマグネット
17a 外周面
22 ステータ
231 ティース部
232 コアバック
24 コイル
24a 上面
241 導線
26 フレキシブルプリント基板(FPC)
261 本体部
262 電気接続部
262a 張出部
263 外部接続部
264 ランド部
27 シールド部材
271 第1平面部
272 第2平面部
272a 下面
273 第3平面部
273a 内周面
28 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイング動作によりディスクに対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記ディスクの平面に沿って移動させる移動手段とを備えたディスク駆動装置内に備えられるスピンドルモータであって、
前記ディスクが載置されるディスク載置部を有して、中心軸を中心として軸受機構によって回転自在に支持されるロータ部と、
先端部を前記中心軸に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティース部、及び前記複数のティース部それぞれに導線を巻回することにより形成されたコイルを有するステータと、
前記複数のティース部の前記先端部と径方向に間隙を介して対向するように前記ロータ部に固定され、周方向にN極とS極とが交互に着磁された環状のロータマグネットと、
前記ディスクと前記コイルとの軸方向の間に配置された略環状のシールド部材と、
を備え、
前記シールド部材は、
前記中心軸に略垂直方向に伸びる平面から構成され、前記ヘッド部のスイング動作領域に対応する第1平面部と、
前記第1平面部と周方向に隣接し、前記中心軸に沿った方向を上下方向として前記第1平面部より上側に位置する第2平面部と、
前記第2平面部及び前記第1平面部の径方向内側に配置され、前記第2平面部より下側に位置するとともに周方向に軸方向高さが均一に形成された第3平面部と、
を備えることを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のスピンドルモータにおいて、
前記ステータは、前記複数のティース部の径方向外側の端部同士を周方向に繋ぐ略環状のコアバックを更に有し、
隣り合う前記複数のティース部の間に配置され、前記ステータからの前記導線が電気的に接続される複数の電気接続部と、
前記複数の電気接続部の径方向外側の端部同士を繋いで周方向に伸びて形成された略円弧形状の本体部と、
を有するフレキシブルプリント基板を備え、
前記フレキシブルプリント基板の少なくとも本体部は、前記第2平面部の下面と、前記コイルとの軸方向の間に配置されていることを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項3】
請求項2に記載のスピンドルモータにおいて、
前記フレキシブルプリント基板の前記本体部の径方向の幅と前記電気接続部の径方向の幅とを合わせた幅は、前記シールド部材の前記第2平面部の径方向の幅に相当、若しくはより小さいことを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、
前記シールド部材の前記第1平面部は、径方向内側から径方向外側へ放射状に拡がる略扇形状を成していることを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のスピンドルモータであって、
前記第1平面部と前記第3平面部とは同じ軸方向高さであることを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、
前記シールド部材の前記コイル側の面に、絶縁層が被覆されていることを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項7】
ディスクを回転させるディスク駆動装置であって、
ベース部材と、
前記ベース部材の内部に固定された請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスピンドルモータと、
前記ディスクに対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、
前記ヘッド部を前記ディスクの平面に沿って移動させる移動手段とを備えることを特徴とするディスク駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−268166(P2009−268166A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111114(P2008−111114)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】