説明

スピン乾燥装置

【課題】乾燥工程において、半導体ウェハ表面が汚染されることを防止することのできる、スピン乾燥装置を提供すること。
【解決手段】スピンウェハ乾燥装置1は、半導体ウェハWを内部に収容する有底円筒形状のチャンバ3と、チャンバ3の円筒内側面に形成された排気口33に接続され、半導体ウェハWを回転させることにより、外方に飛散した半導体ウェハW表面に付着した液体を捕集して強制的に外部に排出する排気手段7と、蓋部材4に対して所定の隙間Dを設けて配置され、該隙間Dが外周端部でチャンバ3内部の空間と連通する内蓋部材5と、蓋部材4に形成され、内蓋部材5と対向位置に開口する蓋部排気口43と、蓋部排気口43に接続され、チャンバ3内部の液体分を含む気体を強制的に外部に排出する蓋部排気手段8とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄した半導体ウェハを内部に装填して、回転させることで半導体ウェハを乾燥させるスピン乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハの製造工程や、半導体素子の製造工程においては、半導体基板のエッチングを行った後や、イオン注入に伴うレジスト剥離後に、基板に付着したパーティクルや有機物等を薬液で洗浄し、さらに純水で濯ぎを行った後、半導体ウェハ表面を乾燥する工程を行う。
この半導体ウェハ表面の乾燥方法としては、気化熱乾燥方法、引き上げ乾燥方法、遠心乾燥方法が知られているが、とりわけ、遠心乾燥方法は、最も広く利用されている乾燥方法である。
【0003】
遠心乾燥方法に使用されるスピン乾燥装置は、半導体ウェハを装填する装填用開口部が形成され、これを蓋部材で塞ぐことにより、半導体ウェハを内部に収容する有底円筒形状のチャンバと、このチャンバ内で回転自在に軸支され、半導体ウェハが装填されるロータと、チャンバの円筒内側面に形成された排気口に接続される排気手段とを備えて構成される。
このようなスピン乾燥装置としては、例えば、1つのロータに1枚の半導体ウェハを装填可能な枚葉式のスピン乾燥装置や(例えば、特許文献1参照)、一度に複数枚の半導体ウェハをロータに装填可能なスピン乾燥装置(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0004】
このようなスピン乾燥装置では、搬送ロボット等により装填用開口部から半導体ウェハをロータに装填し、蓋部材で装填用開口部を塞いだ後、駆動源によりロータを回転駆動させて半導体ウェハ表面に付着した水分を外方に飛散させるとともに、排気手段を駆動して外方に飛散した水分を含む気体を捕集することで半導体ウェハの乾燥を行っている。
ここで、スピン乾燥装置の蓋部材には、ロータの回転軸中心に応じた位置に吸気口が形成され、この吸気口をULPAフィルタ(Ultra Low Peneration Air Filter)や、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)等で覆い、排気手段で飛散した液体をチャンバ内の気体とともに捕集し、排気手段で排気された気体の分を給気口からチャンバ内に補充している。
【0005】
【特許文献1】特開平9―257367号公報
【特許文献2】特開平10−267532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のスピン乾燥装置では、排気手段による排気により、チャンバ内で気体の対流が生じ、本来、内側から外側への気流により、排気手段による効率的な排気を行うことができるところが、チャンバ上部においては、チャンバ外周から内側に向かう巻き上げ気流が生じてしまうことが判った。
そして、このような巻き上げ気流が生じると、水分を含む気流、場合によっては塵埃が含まれた気流が再度半導体ウェハ表面を汚染するという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、乾燥工程において、半導体ウェハ表面が汚染されることを防止することのできる、スピン乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るスピン乾燥装置は、
洗浄した半導体ウェハを内部に装填して、回転させることで前記半導体ウェハを乾燥させるスピン乾燥装置であって、
前記半導体ウェハの回転軸方向端部に該半導体ウェハを装填する装填用開口が形成され、前記装填用開口を蓋部材で塞ぐことにより、前記半導体ウェハを内部に収容する有底円筒形状のチャンバと、
前記チャンバの円筒内側面に形成された排気口に接続され、前記半導体ウェハを回転させることにより、外方に飛散した前記半導体ウェハ表面に付着した液体分を含む気体を捕集して強制的に外部に排出する排気手段と、
前記蓋部材に対して所定の隙間を設けて配置され、該隙間が外周端部で前記チャンバ内部の空間と連通する内蓋部材と、
前記蓋部材に形成され、前記内蓋部材と対向位置に開口する蓋部排気口と、
前記蓋部排気口に接続され、前記チャンバ内部の液体分を含む気体を強制的に外部に排出する蓋部排気手段とを備えていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、内蓋部材と蓋部材との間に隙間を設けることにより、チャンバ内部の液体分を含む気体の流れのうち、チャンバの外側から内側に向かって流れる巻き上げ気流は、この隙間部分に流れ込みやすくなる。そして、蓋部排気手段により、この液体分を含む気流を強制的に外部に排出しているため、水分、塵埃を含む巻き上げ気流が再び半導体ウェハ表面に到達することを防止して、半導体ウェハ表面が汚染されることを防止できる。
【0010】
本発明では、前記蓋部排気口は、前記内蓋部材の外周縁近傍に、前記回転軸回りの円周方向に均等間隔で複数形成されているのが好ましい。
ここで、蓋部排気口の数は、チャンバの容積に応じて3個、6個等適宜定めればよい。
この発明によれば、蓋部排気口が内蓋部材の外周縁近傍に、回転軸回りの円周方向に均等間隔で複数形成されることにより、蓋部排気手段による排気を内蓋部材の外周全体から均等に行うことができる。従って、蓋部排気口からの排気を半導体ウェハの回転位置によらず均等に行って、確実に半導体ウェハ表面が汚染されることを防止できる。
【0011】
本発明では、中心が前記回転軸上に配置される底部円板状体と、この底部円板状体と前記回転軸方向に離間して中心を合わせて配置される上部リング状体とを備え、前記チャンバ内部に回転自在に軸支され、前記底部円板状体及び前記上部リング状体の間に前記半導体ウェハが装着されるロータを備えている場合、
前記内蓋部材及び前記上部リング状体の間の間隔が15mm〜30mmに設定されているのが好ましい。
この発明によれば、内蓋部材及び上部リング状体の間の間隔が15〜30mmに設定されていることにより、巻き上げ気流の風量を抑えることができるため、結果として巻き上げ気流に含まれる水分、その他の塵埃が回り込むことを防止して、半導体ウェハが汚染されることを防止できる。
【0012】
本発明では、前記上部リング状体には、該上部リング状体及び前記内蓋部材の間に風切り板が設けられているのが好ましい。
この発明によれば、風切り板が設けられることにより、巻き上げ気流を内蓋部材と蓋部材の間に案内することができるため、巻き上げ気流を蓋部排気手段で効率的に外部に排出することができる。
【0013】
本発明では、前記蓋部排気手段は、前記蓋部排気口からの排気量を調整するダンパを備えているのが好ましい。
この発明によれば、蓋部排気手段がダンパを備えていることにより、ダンパを調整して、蓋部排気手段による排気と、排気手段による通常の排気とのバランスを取ることができるため、チャンバ内部の気流を最適に制御して、半導体ウェハが汚染されることを防止できる。
【0014】
本発明では、前記排気手段及び前記蓋部排気手段の単位時間あたりの排気量は、
排気手段の排気量:蓋部排気手段の排気量=90:10〜50:50
であるのが好ましい。
この発明によれば、このようなバランスで単位時間あたりの排気量を調整することにより、排気手段による排気と、蓋部排気手段による排気とのバランスが最適化され、半導体ウェハが汚染されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2には、本発明の実施形態に係るスピン乾燥装置1が示されており、図1はスピン乾燥装置1の回転軸に沿った断面図であり、図2は回転軸方向から見た平面図である。
このスピン乾燥装置1は、内部に半導体ウェハWを装填して回転させることにより、洗浄後の半導体ウェハW表面に付着した水分を外方に飛散させて乾燥させる装置であり、外装筐体2と、外装筐体2に内装されるチャンバ3と、チャンバ3の上部に形成される半導体ウェハ装填用開口を塞ぐ蓋部材4と、蓋部材4にオフセット配置される内蓋部材5と、
チャンバ3内部に回転自在に軸支されるロータ6と、排気手段7と、蓋部排気手段8とを備えて構成される。
【0016】
外装筐体2は、図1及び図2に示されるように、直方体状のボックス体として構成され、外装筐体2の底部の略中央には貫通孔が形成され、その貫通孔に応じた位置に内面側に軸受21、外面側に軸受22が設けられている。
チャンバ3は、円筒状の側壁31と、円筒の底部を塞ぐ底壁32とを備えた有底円筒形状体として構成され、上部は半導体ウェハWの装填のために開口されている。
側壁31には、1箇所にチャンバ3内部の排気を行う排気口33が形成されている。また、底壁32は、前記の軸受21との干渉を防止するために、上部に向かって縮径する円錐台形状に形成されている。
【0017】
蓋部材4は、チャンバ3の半導体ウェハWを装填する装填用開口を塞ぐ板状体として構成され、図2に示されるように、一端が矩形状で他端が半円弧状の外形を有する。矩形状の端部は、外装筐体2にヒンジ等で支持され、矩形状端部を基点として図2の紙面直交方向に回動自在に支持されている。
この蓋部材4のチャンバ3の上部開口縁との当接部には、気密シール構造41が設けられ、蓋部材4の外周における当接部からの塵埃侵入を防止している。
【0018】
また、蓋部材4の円板の略中央には開口が形成され、この開口はULPAフィルタ42によって塞がれている。ULPAフィルタ42は、外部からチャンバ3内部に吸気された際、塵埃がチャンバ3内部に侵入するのを防止するエアフィルタであり、例えば、定格風量で粒径が0.1μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率を持ち、圧力損失が245Pa以下の性能を有している。
さらに、蓋部材4には、蓋部排気口43が複数形成されており、図2に示されるように、半導体ウェハWの回転軸O回りに120degの角度で円周方向に等間隔に設けられている。尚、蓋部排気口43の配置位置は、これに限られるものではなく、装置の大きさに応じて適宜設定できる。
【0019】
内蓋部材5は、蓋部材4のチャンバ3内部側に隙間を設けてオフセット配置され、蓋部材4に対して吊り金具51によって支持固定されている。この内蓋部材5は、円筒状のチャンバ3の円筒形の直径よりも小さく、かつ後述するロータ6の円形外周よりも大きなな円板状体として構成され、円板の外周端部は、回転軸Oの軸方向下側から見たときに、蓋部材4に形成された蓋部排気口43を隠蔽する位置まで延びている。すなわち、蓋部材4の蓋部排気口43は、内蓋部材5に対向する位置に形成されている。
また、蓋部材4におけるULPAフィルタ42の配置位置に応じた内蓋部材5の位置には、内蓋部材5を貫通する孔52が形成されている。
【0020】
ロータ6は、回転軸O回りに回転する部材であり、前述した外装筐体2に設けられる軸受21及び軸受22に軸支される軸部61と、この軸部61の上部に設けられる底部円板状体62と、底部円板状体63と回転軸O方向に離間配置される上部リング状体と、底部円板状体62及び上部リング状体63の間には、クレードル64が設けられている。
軸部61の下端には、図1では図示を略したが、ギアボックス等が接続され、さらにこのギアボックスにはモータ等の駆動手段が設けられ、この駆動手段を駆動させることにより、ロータ6はチャンバ3内部で回転する。
【0021】
クレードル64は、図2に示されるように、ロータ6の径方向に沿って互いに離間配置され、底部円板状体62から上部リング状体63に至る一対の板状体から構成され、このクレードル64の一対の板状体の間には、半導体ウェハWが複数装填されたキャリアCがそのまま装着される。本実施形態では、ロータ6の回転軸O回りにクレードル64が円周方向に180degおき、つまり互いに対向する位置に配置されている。クレードル64の位置はこれに限らず、ロータ6の重量バランスが確保できるように回転軸O回りの円周方向に均等な間隔で配置すればよい。
ロータ6の上部リング状体63の上面と、前述した内蓋部材5の下面との間には、隙間Dが設けられ、この隙間Dは、15mm〜30mmの間で設定される。この隙間Dの部分には、上部リング状体63の上面に複数の風切り板65が設けられている。各風切り板65は、図2に示されるように、ロータ6の回転軸Oを中心として上部リング状体63の半径方向に延びるように配置されている。
【0022】
排気手段7は、チャンバ3の内側面に形成された排気口33に接続されるダンパ71を備え、このダンパ71には、配管部材を介して、図示を略したが、排水ドレン及び排気ファンが接続されている。ダンパ71は、配管部材中に配置され、配管部材の気流の流れ方向に直交する方向に延びる軸を中心として配管部材に回転自在に軸支される円板状体72を備え、円板状体72には、シリンダ73が設けられ、シリンダ73を伸縮させることにより、円板状体の面が配管部材の気流の流れ方向に直交する向きに配置されて、排気ファンによる排気のオン/オフを切り換えるものである。
【0023】
蓋部排気手段8は、蓋部材4に形成された蓋部排気口43から排気を行うものであり、蓋部排気口43と接続される配管部材81、及び配管部材81の他端で接続されるダンパ82を備え、ダンパ82のさらに先には、排水ドレン及び排気ファンが接続されている。
配管部材81は、図2に示されるように3箇所の蓋部排気口43のそれぞれに設けられ、各配管部材81は合流してダンパ82に接続されている。
ダンパ82は、排気手段7と同様に、円板状体83及びシリンダ84を備え、シリンダ84を伸縮させることにより、円板状体83の姿勢を変更して、排気の流れを塞き止めたり、流したりして、配管部材81中の排気量の調整を行う。
また、ダンパ82には、マニュアルダンパ85が設けられており、このマニュアルダンパ85は、蓋部排気手段8による排気量の調整を行うために設けられている。
【0024】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、図3に示されるような従来構造の蓋部排気手段8が設けられていないスピン乾燥装置9において、ロータ6を回転させながら、排気手段7による排気を開始すると、排気手段7内にチャンバ3内部の気体が排気されていくに伴い、ULPAフィルタ42を介して外部の気体が吸気され、キャリアCに装填された複数の半導体ウェハWの隙間に気流が流れ込み、外方に向かって流れ、半導体ウェハWの表面に付着した水分は、ロータ6の回転による遠心力によって外方に飛散する。
【0025】
この時、ロータ6の上部の気流の流れは、半導体ウェハWの表面や上部リング状体63の表面に沿って外方に向かうが、チャンバ3の内側面に衝突して、一部が蓋部材4の上面に沿って外方から内側に流れることとなる。
これを平面視で見ると、図4の破線矢印のように、ロータ6が回転しているため、渦状になってULPAフィルタ42の近傍に集められる。そして、この集められた気流がULPAフィルタ42から吸気された気体とともに、降下して再度半導体ウェハWの表面を流れ、半導体ウェハWの表面を汚染する。
【0026】
これに対して、本実施形態に係るスピン乾燥装置1では、図5に示されるように、ロータ6の上部に装填された半導体ウェハWの表面に沿って外方に向かう気流や上部リング状体63の上面に沿って外方に向かう気流はチャンバ3の内側面に衝突して、一部が巻き上げ気流となるが、蓋部材4の下面と内蓋部材5の上面の間に流れ込み、内蓋部材5の外周端部近傍に設けられる蓋部排気口43から蓋部排気手段8によって排気されることとなる。従って、このような構造を採用することにより、巻き上げ気流による外方から内側に向かう気流が生じることを防止できるため、半導体ウェハWの表面がこれらの気流の戻りによって再度汚染されることを防止できる。
また、内蓋部材5及び上部リング状体63の間に風切り板65を設けることにより、巻き上げ気流の一部が内蓋部材5及び上部リング状体63の間に入り込むことを防止しているため、水分を含む気流を一層効率的に蓋部排気手段8によって排気することができる。
【0027】
複数の半導体ウェハWをキャリアCに収容し、キャリアCをクレードル64に装着した状態で、従来構造のスピン乾燥装置9と本実施形態に係るスピン乾燥装置1で乾燥工程を実施した後、パーティクルカウンタにより、半導体ウェハWの表面に0.3μm以上のパーティクルが付着しているかどうかを測定したところ、装填した全半導体ウェハWの数に対するパーティクルが検出されない半導体ウェハWの数は、本実施形態に係るスピン乾燥装置1の場合96%であるのに対して、従来構造のスピン乾燥装置9では82%であった。
また、スピン乾燥装置1、9の動作中の巻き上げ気流の風量比は、スピン乾燥装置9の場合を1とすると、本実施形態に係るスピン乾燥装置1では0.48となっていた。
従って、本実施形態に係るスピン乾燥装置1によれば、巻き上げ気流の風量を少なくすることができ、結果として巻き上げ気流による半導体ウェハWの汚染が防止できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係るスピン乾燥装置の構造を表す断面図。
【図2】前記実施形態におけるスピン乾燥装置の構造を表す平面図。
【図3】従来構造のスピン乾燥装置のチャンバ内の気流の流れを説明する断面図。
【図4】従来構造のスピン乾燥装置のチャンバ内の気流の流れを説明する平面図。
【図5】前記実施形態におけるチャンバ内上部の気流の流れを説明する断面図。
【符号の説明】
【0029】
1…スピン乾燥装置、2…外装筐体、3…チャンバ、4…蓋部材、5…内蓋部材、6…ロータ、7…排気手段、8…蓋部排気手段、9…スピン乾燥装置、21…軸受、22…軸受、31…側壁、32…底壁、33…排気口、41…気密シール構造、42…ULPAフィルタ、43…蓋部排気口、51…天吊り金具、52…孔、61…軸部、62…底部円板状体、63…上部リング状体、63…底部円板状体、64…クレードル、65…風切り板、71…ダンパ、72…円板状体、73…シリンダ、81…配管部材、82…ダンパ、83…円板状体、84…シリンダ、85…マニュアルダンパ、C…キャリア、D…隙間、O…回転軸、W…半導体ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄した半導体ウェハを内部に装填して、回転させることで前記半導体ウェハを乾燥させるスピン乾燥装置であって、
前記半導体ウェハの回転軸方向端部に該半導体ウェハを装填する装填用開口が形成され、前記装填用開口を蓋部材で塞ぐことにより、前記半導体ウェハを内部に収容する有底円筒形状のチャンバと、
前記チャンバの円筒内側面に形成された排気口に接続され、前記半導体ウェハを回転させることにより、外方に飛散した前記半導体ウェハ表面に付着した液体分を含む気体を捕集して強制的に外部に排出する排気手段と、
前記蓋部材に対して所定の隙間を設けて配置され、該隙間が外周端部で前記チャンバ内部の空間と連通する内蓋部材と、
前記蓋部材に形成され、前記内蓋部材と対向する位置に開口する蓋部排気口と、
前記蓋部排気口に接続され、前記チャンバ内部の液体分を含む気体を強制的に外部に排出する蓋部排気手段とを備えていることを特徴とするスピン乾燥装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスピン乾燥装置において、
前記蓋部気口は、前記内蓋部材の外周縁近傍に、前記回転軸回りの円周方向に均等間隔で複数形成されていることを特徴とするスピン乾燥装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスピン乾燥装置において、
中心が前記回転軸上に配置される底部円板状体と、この底部円板状体と前記回転軸方向に離間して中心を合わせて配置される上部リング状体とを備え、前記チャンバ内部に回転自在に軸支され、前記底部円板状体及び前記上部リング状体の間に前記半導体ウェハが装着されるロータを備え、
前記内蓋部材及び前記上部リング状体の間の間隔が15mm〜30mmに設定されていることを特徴とするスピン乾燥装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスピン乾燥装置において、
前記上部リング状体には、該上部リング状体及び前記内蓋部材の間に風切り板が設けられていることを特徴とするスピン乾燥装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスピン乾燥装置において、
前記蓋部排気手段は、前記蓋部排気口からの排気量を調整するダンパを備えていることを特徴とするスピン乾燥装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスピン乾燥装置において、
前記排気手段及び前記蓋部排気手段の単位時間あたりの排気量は、
排気手段の排気量:蓋部排気手段の排気量=90:10〜50:50
であることを特徴とするスピン乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−288507(P2008−288507A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134179(P2007−134179)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000184713)SUMCO TECHXIV株式会社 (265)
【Fターム(参考)】