説明

スルフィド染料

【課題】スルフィド染料の提供
【解決手段】 ケラチン含有繊維の染色方法であって、次式で表される化合物、

【化1】


[式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;又は式(1a)
【化2】


(式中、R5は、水素原子又は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表し;
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基
;炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数6ないし13のアラルキル基;フェニル−炭素原子数1ないし5のアルキル基;を表すか、又はR7及びR8は、結合している窒素原子と一緒になって1個又はそれ以上の−O−又は−NH−基により中断され得る炭素原子数4ないし12員の複素環を形成する。)で表される基を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;
1は、式(1b)
【化3】


で表される基を表すか、又は−O−(X3sを表し;
1は、飽和の、芳香族の又はヘテロ芳香族の基であるカチオン性2価基を表すか;又は
式(1c)
【化4】


で表される基を表し;
1は、−C(O)−;−(CH2CH2−O)1-5−;−C(O)O−;−OCO−;CO
N(R9)−;−X4−CON(R9)−;−(R9)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;又は−S(O)2−を表し;
9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル
基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
1、X2、X3及びX4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし18のアルキレン基;−(CO)−炭素原子数1ないし18のアルキレン基;炭素原子数1ないし18のアリーレン基;炭素原子数6ないし18のアリーレン−(炭素原子数1ないし12のアルキレン)基;又は−(OCH2CH2n−O−を表し;
nは、1ないし5の数を表し;
p、r、s、t及びuは、互いに独立して、0又は1を表し;
mは、1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子を表し;及び
Uは、mが2を表す場合、直接結合を表す。]で表わされる少なくとも1種のスルフィド染料、それらの塩、異性体、水和物及び他の溶媒和物で該繊維を処理することを含む方法を開示する。
前記化合物は、有機材料、例えばケラチン繊維、好ましくはヒトの毛髪の染色のために有用である。前記染料は、洗浄、光、シャンプー及び摩擦に関して良好な堅牢性を有する強い染色によって区別される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規スルフィド染料、その組成物、それらの製造方法及び有機材料、例えばケラチン繊維、羊毛、革、絹、セルロース又はポリアミド、特にケラチン含有繊維、綿又はナイロン、好ましくは毛髪、より好ましくはヒトの毛髪の染色のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、国際公開第95/01772号パンフレットから、カチオン性染料が有機材料、例えばケラチン、絹、セルロース又はセルロース誘導体、及びまた、合成繊維、例えばポリアミドを染色するために使用され得ることが知られている。カチオン性染料は、非常に鮮やかな色調を示す。欠点は、それらの洗濯堅牢度が不十分であることである。
【0003】
R.S.アスクイス、P.カーシュー及びT.T.フランシスは、JSDC、1973年5月、168−172頁において、オルト−アゾジスルフィド染料は羊毛のケラチン繊維と共有結合しないこと、及び、パラ−アゾジスルフィド染料は、高濃度においてのみ、羊毛とある程度共有結合することを記載している。
【特許文献1】国際公開第95/01772号パンフレット
【非特許文献1】R.S.アスクイス、P.カーシュー及びT.T.フランシス、JSDC、1973年5月、168−172頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実際の問題は、洗浄、光、シャンプー及び摩擦に関して良好な堅牢性を有する強い染色によって区別される染料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、ケラチン含有繊維の染色方法であって、式
【化1】

[式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;又は式(1a)
【化2】

(式中、R5は、水素原子又は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表し;
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基
;炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数6ないし13のアラルキル基
;フェニル−炭素原子数1ないし5のアルキル基;を表すか、又はR6及びR7は、結合している窒素原子と一緒になって1個又はそれ以上の−O−又は−NH−基により中断され得る炭素原子数4ないし12員の複素環を形成する。)で表される基を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;
1は、式(1b)
【化3】

で表される基を表すか、又は−O−(X3sを表し;
1は、飽和の、芳香族の又はヘテロ芳香族の基であるカチオン性2価基を表すか;又は
式(1c)
【化4】

で表される基を表し;
1は、−C(O)−;−(CH2CH2−O)1-5−;−C(O)O−;−OCO−;CON(R9)−;−X4−CON(R9)−;−(R9)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;又は−S(O)2−を表し;
9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル
基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
1、X2、X3及びX4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし18のアルキレン基;−(CO)−炭素原子数1ないし18のアルキレン基;炭素原子数1ないし18のアリーレン基;炭素原子数6ないし18のアリーレン−(炭素原子数1ないし12のアルキレン)基;又は−(OCH2CH2n−O−を表し;
nは、1ないし5の数を表し;
p、r、s、t及びuは、互いに独立して、0又は1を表し;
mは、1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子を表し;及び
Uは、mが2を表す場合、直接結合を表す。]で表わされる少なくとも1種のスルフィド染料、それらの塩、異性体、水和物及び他の溶媒和物で該繊維を処理することを含む方法に関する。
【0006】
好ましくは、Y1及びY2は、未置換の又は置換された、直鎖の又は枝分かれ鎖の、中断された又は中断されていない炭素原子数1ないし10のアルキレン基;又は炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基、より好ましくは炭素原子数1ないし5のアルキレン基、そして最も好ましくはエチレン基を表わす。
【0007】
好ましくは、T1は、式(1b)
【化5】

(式中、R12は、水素原子又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表し;
3は、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表し;
p及びsは0又は1を表し;
星印*は、アントラキノン残基への結合を示し;及び
星印**は、Q1又はQ2への結合を示す。)で表される2価基を表す。
【0008】
最も好ましくは、T1は、*−NH−(CH23**又は−O−(CH22**を表す。
【0009】
1は、好ましくは、式
【化6】

(式中、D、E、G、J及びLは、同一又は異なり、炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択され;及び
13及びR14は、互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし5のアルキル基又は炭素原子数1ないし5のアルコキシ基で置換されたフェニル基;カルボン酸基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;ニトリル基;炭素原子数1ないし14のアルコキシ基;又は(ポリ)−ヒドロキシ−炭素原子数2ないし4のアルコキシ基を表し;
Anは、アニオンを表し;及び
星印*は、T1及びZ1への結合を示す。)で表される2価基を表す。
【0010】
最も好ましくは、Q1は、式
【化7】

(式中、R13及びR14、D、E、G、J及びLは、式(1c)ないし(1g)で定義した通りであり;
Anはアニオンであり;
星印*は、T1への結合を示し;及び
星印**は、Z1への結合を示す。)で表される2価基を表す。
【0011】
最も好ましいものは、Q1が、式
【化8】

で表される2価基を表すか又は式
【化9】

(式中、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表し;及びnは、1ないし3の数を表す。)で表される基を表すものである。
【0012】
好ましくは、式(1)においてmは2を表す。
【0013】
特に興味深いものは、式
【化10】

(式中、T1及びT2は、互いに独立して、式
【化11】

で表される基を表すか又は−O−(X2sを表し;
1は、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;NH2;又はヒドロキシ基を表し;及び
12、Q1、Z1、Y1、X2、p及びrは、式(1)で定義した通りである。)で表される化合物である。
【0014】
本発明の方法のための最も好ましい化合物は、
【化12】

【化13】

である。
【0015】
アルキレン基は、一般に、炭素原子数1ないし10のアルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、第二ブチレン基、第三ブチレン基、n−ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基、2,2’−ジメチルプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、n−ヘキシレン基、n−オクチレン基、1,1’,3,3’、−テトラメチルブチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基又はデシレン基である。
【0016】
アルキレン基は、直鎖のもの、枝分かれしたもの、又は炭素原子数5以上のアルキル性の単環式又は多環式のものであり得、かつヘテロ原子、例えば、O、S、−CO−、−N=、NH、NR5、−OCO−、−CO(OR4)−、−CONR4−、−(R5)NC(O)−によって中断され得る;例えば、炭素原子数1ないし10のアルキレン基は、以下のような残基であり得る:−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−又は−CH2
CH2−O−CH2CH2−、−CH2CH2−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−CH2CH2−CH2CH2−O−CH2−CH2−、−CH2CH2−CH(N(CH32)−CH2−CH2−、CH2−NH2−CH2−CH2又は−CH2CH2−NH−CH2CH2−、−CH2CH2−NCH3−CH2CH2−又は−CO−CH2−又は−CH2CO−又は−CH2
2−NHCO−CH2CH2−又は−CH2CH2−CONH−CH3−CH2CH2−、−CH2CH2−NCH3CO−CH2CH2−又は−CH2CH2−CONCH3−CH3−CH2CH2−又は−CH2−NHCO−CH2CH2−又は−CH2CH2−NHCO−CH2−又は
−CH2CH2−CONH−CH2−又は−CH2−CONH−CH2CH2−。
【0017】
アリーレン基は、一般に、炭素原子数6ないし10のアリーレン基;例えばフェニル基又はナフチル基である。
【0018】
アリールアルキレン基は、例えば炭素原子数5ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし2のアルキレン基であり、アルキルアリーレン基は、例えば炭素原子数1ないし10のアルキル−炭素原子数5ないし10のアリーレン基又は炭素原子数1ないし2のアルキル−炭素原子数6ないし10のアリーレン基である。
【0019】
炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基は、例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、モルホリレン基又はピペリジニレン基である。
【0020】
炭素原子数1ないし16のアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2’−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1’,3,3’−テトラメチルブチル基又は2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基又はヘキサデシル基である。
【0021】
炭素原子数1ないし6のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基又はペンチルオキシ基である。
【0022】
炭素原子数5ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキレン基は、例えばフェニル−炭素原子数1ないし10のアルキレン基又はナフチル−炭素原子数1ないし10のアルキレン基である。
【0023】
炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし2のアルキレン基及び炭素原子数1ないし2のアルキル−炭素原子数6ないし10のアリーレン基は、例えばフェニル−炭素原子数1ないし10のアルキレン基又はナフチル−炭素原子数1ないし10のアルキレン基である。
【0024】
ハロゲン化物は、例えばフッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物、特に塩化物及びフッ化物である。
【0025】
‘‘アニオン’’は、例えば、ハロゲン化物、好ましくは塩化物及びフッ化物、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、四フッ化ホウ素、炭酸塩、重炭酸塩、蓚酸塩又は炭素原子数1ないし8のアルキル硫酸塩、特にメチル硫酸塩又はエチル硫酸塩等の有機又は無機アニオンを示す;アニオンはまた、乳酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩又は塩化亜鉛の複塩等の錯アニオンも示す。
【0026】
アニオンは、特にハロゲン化物、好ましくは塩化物又はフッ化物、硫酸塩、硫酸水素塩、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、リン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩又は乳酸塩である。
【0027】
アニオンは、より特には、フッ化物、塩化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、蟻酸塩又は酢酸塩である。
【0028】
複素環化合物の2価基又は1価基は、例えば、チオフェニル基、1,3−チアゾリル基、1,2−チアゾリル基、1,3−ベンゾチアゾリル基、2,3−ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,5−チアジアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ピリジニル基、キノリニル基、ピリミジニル基及びイソキサゾリル基の2価基又は1価基である。
【0029】
複素環化合物の好ましい2価基又は1価基は、例えば、1,3−チアゾリル基、1,2−チアゾリル基、1,3−ベンゾチアゾリル基、2,3−ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,5−チアジアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ピリジニル基、キノリニル基、ピリミジニル基及びイソキサゾリル基である。より好ましいカチオン性複素環化合物は、イミダゾリル基、ピリジニル基、1,3,4−トリアゾリル基及び1,3−チアゾリル基である。
【0030】
本発明において、芳香族化合物の2価基又は1価基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、チオフェニル基、1,3−チアゾリル基、1,2−チアゾリル基、1,3−ベンゾチアゾリル基、2,3−ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,5−チアジアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ピリジニル基、キノリニル基、ピリミジニル基及びイソキサゾリル基、アミノジフェニル基、アミノジフェニルエーテル基又はアゾベンゼニル基である。
【0031】
複素環化合物又は芳香族化合物の2価基又は1価基は、未置換であるか又は、例えば、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルチオ基、ハロゲン原子、例えば、フッ素原子、臭素原子又は塩素原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基、CN、SCN、炭素原子数1ないし4のアルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ベンジルスルホニル基、ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノスルホニル基、炭素原子数1ないし4のアルキル−カルボニルアミノ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシスルホニル基によって又はジ−(ヒドロキシ−炭素原子数1ないし4のアルキル)−アミノスルホニル基によって単置換若しくは多置換される。
【0032】
本発明の更なる態様は、式(1)で表される染料の製造方法に関する。
【0033】
反応は一般に、接触により、例えば、出発化合物を一緒に混合することにより、又は1種の出発化合物を他の化合物に滴下添加することにより、開始される。
【0034】
一般に、出発化合物の混合中の温度は、273ないし300K(0ないし27℃)、好ましくは290ないし300K(17ないし27℃)の範囲内である。
【0035】
反応時間は、一般に、出発材料の反応性、選択された反応温度及び所望の転換に依存する。選択される反応時間は、通常、1時間ないし3日間の範囲内である。
【0036】
反応温度は、好ましくは、273ないし340K(0ないし67℃)の範囲、特には、273ないし335K(0ないし62℃)の範囲である。
【0037】
反応圧力は、一般に、70kPaないし10MPa、特に90kPaないし5MPaの範囲内であり、より特には大気圧である。
【0038】
触媒の存在下において、化合物の反応を行うことが望まれ得る。
【0039】
式(1a)で表わされる化合物と触媒のモル比は、一般に、10:1ないし1:5、特に10:1ないし1:1の範囲内から選択される。
【0040】
適当な触媒は、例えばアルカリ金属炭素原子数1ないし6のアルキルオキシド、例えば、ナトリウム、カリウム又はリチウム炭素原子数1ないし6のアルキルオキシド、好ましくはナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド又はリチウムメトキシド、又は、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド又はリチウムエトキシド;又は第三アミン、例えばキヌクリジン(chinuclidine)、N−メチルピペリジン、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン、N−メチルピペリジン等;又はアルカリ金属アセテート、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム又は酢酸リチウム等である。
【0041】
好ましいものは、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ピリジン及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである。
【0042】
更に、反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行い得るが、好ましくは溶媒の存在下で、好ましくは有機溶媒又は溶媒混合物の存在下で行われる。
【0043】
好ましいものは、有機溶媒と水の混合物、又は有機溶媒の混合物である。有機溶媒は、例えば、アルコールのようなプロトン性の又は非プロトン性の極性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はグリコール、特に、イソプロパノール又はアセトニトリル又はプロピオニトリルのようなニトリル又はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はN−メチルピリジン、N−メチルピロリドンのようなアミド又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド又はそれらの混合物である。
【0044】
本発明の方法に従って製造される化合物は、都合よくは、後処理及び単離され得、そして所望により精製され得る。
【0045】
一般に、後処理は、反応混合物の温度を280ないし300K(7ないし27℃)、特に290ないし300K(17ないし27℃)の範囲内の温度に下げることによって始められる。
【0046】
数時間かけて温度をゆっくりと下げることが好都合であり得る。
【0047】
一般に、反応生成物は、通常、濾去され、そしてその後、水又は塩溶液で洗浄され、そしてその後に乾燥させられる。
【0048】
濾過は、一般に、標準的な濾過装置、例えばブフナー漏斗、圧ろ器、加圧吸引濾過器、好ましくは真空加圧吸引濾過器で行われる。
【0049】
乾燥温度は、使用する圧力に依存する。乾燥は、通常、50ないし200ミリバールにおいて真空中で行われる。
【0050】
乾燥は、通常、313ないし363K(40ないし90℃)、特に323Kないし353K(50ないし80℃)、より特には328Kないし348K(55ないし75℃)の範囲内の温度において行われる。
【0051】
都合よくは、生成物は、単離後に、再結晶化によって精製される。
【0052】
有機溶媒及び溶媒混合物、好ましくはアルコール、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール又はブタノール、特に2−プロパノールが、再結晶化のために適当である。
【0053】
本発明に従った式(1)で表わされる染料は、ケラチン含有繊維、羊毛、革、絹、セルロース又はポリアミド、綿又はナイロン、及び好ましくはヒトの毛髪等の有機材料を染色するために適当である。得られる染色は、それらの色の深み及びそれらの良好な洗浄堅牢性、例えば、光、シャンプー及び摩擦に対する堅牢性等によって区別される。本発明に従った染料の安定性、特に貯蔵安定性が優れている。
【0054】
一般に、合成塩基に基づく毛髪染色剤は、3つの群に分類され得る:
−一時的な染色剤、
−半永久性染色剤、及び、
−永久性染色剤。
【0055】
染料の色調の多様性は他の染料と組み合わせることによって増加され得る。
【0056】
それ故、本発明の式(1)で表わされる染料は、同じ又は他の染料類の染料、特に直接染料、酸化染料;カップリング化合物並びにジアゾ化化合物、又はキャップ化されたジアゾ化化合物及び/又はカチオン性反応染料の染料前駆体の組み合わせと組み合わせられ得る。
【0057】
直接染料は、天然由来のものであるか、又は合成により製造され得る。それらは、酸性染料のような非荷電の、カチオン性又はアニオン性である。
【0058】
式(1)で表わされる染料は、式(1)で表わされる染料とは異なる少なくとも1種の単一直接染料と組み合わせて使用され得る。
【0059】
直接染料は、それらの染色効果を発現するために、如何なる酸化剤の添加も必要としない。従って、染色結果は、永久性染色組成物を用いて得られたものよりも永久性が乏しい。それ故、直接染料は、好ましくは半永久性の毛髪染色のために使用される。
【0060】
直接染料の例は、“Dermatology”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィクのThe Science of Hair Care,第7章,248〜250頁及びBundesverband der deutschen I
ndustrie− und Handelsunternehmen fur Arzneimittel,Reformwaren und Korperpflegemittel e.V.,Mannheimからディスクとして入手することができる“Europaisches Inventar der Kosmetikrohstoffe”(欧州委員会が1996年に公表)に記載されている。
【0061】
特に、半永久性染色のために、式(1)で表わされる少なくとも1種の単一染料との組み合わせのために有用なより好ましい直接染料は、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノ−アニソールスルフェート、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチレン−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−ピクラミン酸、2,6−ジアミノ−3−
((ピリジン−3イル)−アゾ)ピリジン、2−ニトロ−5−グリセリル−メチルアニル、3−メチルアミノ−4−ニトロ−フェノキシエタノール、4−アミノ−2−ニトロジフェニレンアミン−2’−カルボン酸、6−ニトロ−1,2,3,4,−テトラヒドロキノキサール、4−N−エチル−1,4−ビス(2’−ヒドロキシエチルアミノ−2−ニトロベンゼンヒドロクロリド、1−メチル−3−ニトロ−4−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノベンゼン、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチル−アミノフェノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミン−3−ニトロフェノール、ヒドロキシアントリルアミノプロピルメチルモルホリノメトスルフェート、4−ニトロフェニル−アミノエチルウレア、6−ニトロ−p−トルイジン、アシッド ブルー62、アシッド
ブルー9、アシッド レッド35、アシッド レッド87 (エオシン)、アシッド
バイオレット43、アシッド イエロー1、ベーシック ブルー3、ベーシック ブルー6、ベーシック ブルー7、ベーシック ブルー9、ベーシック ブルー12、ベーシック ブルー26、ベーシック ブルー99、ベーシック ブラウン16、ベーシック ブラウン17、ベーシック レッド2、ベーシック レッド22、ベーシック レッド76、ベーシック バイオレット14、ベーシック イエロー57、ベーシック イエロー9、ディスパース ブルー3、ディスパース オレンジ3、ディスパース レッド17、ディスパース バイオレット1、ディスパース バイオレット4、ディスパース ブラック9,ファストグリーン FCF、HC−ブルー2、HC−ブルー7、HC−ブルー8、HC−ブルー12、HC−オレンジ1、HC−オレンジ2、HC−レッド1、HC−レッド10−11、HC−レッド13、HC−レッド16、HC−レッド3、HC−レッドBN、HC−レッド7、HC−バイオレット1,HC−バイオレット2、HC−イエロー2、HC−イエロー5、HC−イエロー5、HC−イエロー6、HC−イエロー7、HC−イエロー9、HC−イエロー12、HC−レッド8、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、HC−バイオレットBS、ピクラミン酸、ソルベント グリーン7である。
【0062】
更に、式(1)で表わされる染料は、少なくとも1種のカチオン性アゾ染料、例えば、英国特許出願公開第2319776号明細書に開示された化合物、並びに独国特許出願公開第29912327号明細書に記載されたオキサジン染料、及びそこで言及される他の直接染料とのその混合物と、並びにより好ましくは、ベーシックイエロー 87、ベーシックオレンジ 31又はベーシックレッド 51等のカチオン性染料と、又は国際公開第01/66646号パンフレット、特に実施例4に記載されたカチオン性染料と、又は国際公開第02/31056号パンフレット、特に実施例6に記載されたカチオン性染料(式(106)で表わされる化合物)と、又は欧州特許出願公開第714,954号明細書に記載された式(3)で表わされるカチオン性染料と、又は式
【化14】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数1ないし8のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたベンジル基を表わし、
3は、水素原子;炭素原子数1ないし8のアルキル基;炭素原子数1ないし8のアル
コキシ基;シアニド基;又はハロゲン化物;好ましくは水素原子を表わし、
そしてX-は、アニオンを表わす。)で表わされる黄色カチオン性染料、好ましくは、
1がメチル基を表わし、R2がベンジル基を表わし、R3が水素原子を表わし、そしてX-がアニオンを表わすか、又はR1がベンジル基を表わし、R2がベンジル基を表わし、R3
が水素原子を表わし、そしてX-がアニオンを表わすか、又はR1がベンジル基を表わし、R2がメチル基を表わし、R3が水素原子を表わし、そしてX-がアニオンを表わすところ
の式(DD1)で表わされる化合物と組み合わせられ得る。
【0063】
更に、カチオン性ニトロアニリン及びアントラキノン染料、例えば、以下の特許明細書に記載された染料が、式(1)で表わされる染料との組み合わせのために有用である:米国特許第5298029号明細書、特に、2欄、33行ないし5欄、38行;米国特許第5360930号明細書、特に、2欄、38行ないし5欄、49行;米国特許第5169403号明細書、特に、2欄、30行ないし5欄、38行;米国特許第5256823号明細書、特に、4欄、23行ないし5欄、15行;米国特許第5135543号明細書、特に、4欄、24行ないし5欄、16行;欧州特許出願公開第818193号明細書、特に、2頁、40行ないし3頁、26行;米国特許第5486629号明細書、特に、2欄、34行ないし5欄、29行;及び欧州特許出願公開第758547号明細書、特に、7頁、48行ないし8頁、19行。
【0064】
式(1)で表わされる染料は、酸性染料、例えば国際名称(カラーインデックス)又は登録商標名によって既知の染料とも組み合わせられ得る。
【0065】
式(1)で表わされる染料との組み合わせのために有用な好ましい酸性染料は、米国特許第6,248,314号明細書に記載されている。それらは、レッドカラーNo.120、イエローカラーNo.4、イエローカラーNo.5、レッドカラーNo.201、レッドカラーNo.227、オレンジカラーNo.205、ブラウンカラーNo.201、レッドカラーNo.502、レッドカラーNo.503、レッドカラーNo.504、レッドカラーNo.506、オレンジカラーNo.402、イエローカラーNo.402、イエローカラーNo.406、イエローカラーNo.407、レッドカラーNo.213、レッドカラーNo.214、レッドカラーNo.3、レッドカラーNo.104、レッドカラーNo.105(1)、レッドカラーNo.106、グリーンカラーNo.2、グリーンカラーNo.3、オレンジカラーNo.207、イエローカラーNo.202(1)、イエローカラーNo.202(2)、ブルーカラーNo.202、ブルーカラーNo.203、ブルーカラーNo.205、ブルーカラーNo.2、イエローカラーNo.203、ブルーカラーNo.201、グリーンカラーNo.201、ブルーカラーNO.1、レッドカラーNo.230(1)、レッドカラーNo.231、レッドカラーNo.232、グリーンカラーNo.204、グリーンカラーNo.205、レッドカラーNo.401、イエローカラーNo.403(1)、グリーンカラーNo.401、グリーンカラーNo.402、ブラックカラーNo.401及びパープルカラーNo.401、特に、ブラックカラーNo.401、パープルカラー401、オレンジカラーNo.205を含む。
【0066】
これらの酸性染料は、単一成分として、又はそれらのあらゆる組み合わせにおいて使用され得る。
【0067】
酸性染料を含む毛髪染料組成物は既知である。それらは、例えば“Dermatology”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィク,The Science of Hair Care,第7章,248ないし250頁、特に253頁及び254頁に記載されている。
【0068】
酸性染料を含む毛髪染料組成物は、2ないし6、好ましくは2ないし5、より好ましくは2.5ないし4.0のpHを有する。
【0069】
本発明に従った式(1)で表わされる染料はまた、酸性染料及び/又は補助剤、例えば、
−米国特許第6,248,314号明細書、特に実施例1及び2に記載されるような酸性染料及びアルキレン炭酸塩、
−特開昭61−210023号公報及び特開平7−101841号公報に記載されるような、毛髪へ良好な浸透性を有する浸透溶媒としてベンジルアルコールに代表される様々な有機溶媒類を含む酸性毛髪染料組成物、
−特開平10−87450号公報、特開平9−255540号公報及び特開平8−245348号公報に記載されたような、毛髪染料組成物がたれるのを防止するような水溶性ポリマー又は類似物を含有する酸性毛髪染料組成物、
−特開平10−53970号公報、特開昭48−23911号公報に記載されたような芳香族アルコール、低級アルキレン炭酸塩の水溶性ポリマー又は類似物を有する酸性毛髪染料組成物、
との組み合わせにおいても容易に使用され得る。
【0070】
式(1)で表わされる染料はまた、例えば、ニトロアニリン、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アントラキノン、インドフェノール、フェナジン、フェノチアジン、ビズピラゾロン、ビスピラゾールアザ誘導体及びメチンの群から選択される非荷電染料とも組み合わせられ得る。
【0071】
更に、式(1)で表わされる染料は、酸化染料系との組み合わせにおいても使用され得る。
【0072】
初期状態において染料ではなく染料前駆体である酸化染料は、それらの化学性質に従って、顕色化合物及びカップリング化合物に分類される。
【0073】
適当な酸化染料は、例えば、
−独国特許出願第19959479号明細書、特に、2欄、6行ないし3欄、11行、
−“Dermatology”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィク,The Science of Hair Care,第8章,264ないし267頁(酸化染料)、
に記載される。
【0074】
好ましい顕色化合物は、例えば、未置換の又は置換されたヒドロキシ又はアミノ残基でパラ又はオルト位を置換された第1芳香族アミン、又は、ジアミノピリジン誘導体、複素環式ヒドラゾン、4−アミノピラゾール誘導体、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン誘導体、又は、独国特許出願第19717224号明細書、特に、2頁、50行ないし66行及び3頁、8行ないし12行に記載されたような不飽和アルデヒド、又は国際公開第00/43367号パンフレット、特に2頁、27行ないし8頁、24行、特に、9頁、22行ないし11頁、6行に記載されたようなカチオン性顕色化合物である。
【0075】
更に、塩酸塩又は硫酸塩のようなそれらの生理的相溶性酸付加塩形態の顕色化合物が使用され得る。芳香族OH基を有する顕色化合物はまた、アルカリ金属フェノレートのような、塩基とのそれらの塩形態でも適当である。
【0076】
好ましい顕色化合物は独国特許第19959479号明細書、2頁、8行ないし29行に開示されている。
【0077】
より好ましい顕色化合物は、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、p−
、m−、o−アミノフェノール、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンスルフェート、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソールスルフェート、ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシアニル、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノ−ピリジン、ヒドロキシプロピル−ビス−(N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン)ヒドロクロリド、ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンスルフェート,4−アミノ−3−メチルフェノール、4−メチルアミノフェノールスルフェート、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール、4−アミノ−m−クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、5−アミノ−6−クロロ−クレゾール、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン又は4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジンスルフェートである。
【0078】
好ましいカップリング化合物は、m−フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシン及びレゾルシン誘導体、ピラゾロン及びm−アミノフェノール誘導体、そして最も好ましくは独国特許第19959479号明細書、1頁、33行ないし3頁、11行に開示されたカップリング化合物である。
【0079】
式(1)で表わされる染料はまた、直接染料として使用され得る独国特許第19717224号明細書(2頁、50行ないし66行及び3頁、8行ないし12行)に開示されるような不飽和アルデヒドと一緒に使用され得るか、さもなくば酸化染料前駆体と一緒に使用され得る。
【0080】
更に、式(1)で表わされる染料との組み合わせのために好ましいものは、以下の酸化染料前駆体である:
−赤色の色調とするための、2,4,5,6−テトラアミノピリジン及と2−メチルレゾルシンの顕色化合物/カップリング化合物の組み合わせ、
−青紫色の色調とするための、p−トルエンジアミン及び4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、
−青色の色調とするための、p−トルエンジアミン及び2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、
−青色の色調とするための、p−トルエンジアミン及び2,4−ジアミノ−フェノキシエチノール、
−オレンジ色の色調とするための、メチル−4−アミノフェノール及び4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、
−緑褐色の色調とするための、p−トルエンジアミン及びレゾルシン、
−青紫色の色調とするための、p−トルエンジアミン及び1−ナフトール、
−琥珀色の色調とするための、p−トルエンジアミン及び2−メチルレゾルシン。
【0081】
更に、自動酸化性化合物が、式(1)で表わされる染料との組み合わせにおいて使用され得る。
【0082】
自動酸化性化合物は、非常に低い酸化還元電位を有し、芳香族環に2つ以上の置換基を有する芳香族化合物であり、それ故空気に曝露された場合、酸化され得る。これらの化合物を用いて得られた染色は、非常に安定であり、シャンプー耐性を有する。
【0083】
自動酸化性化合物は、例えば、ベンゼン、インドール、又はインドリン、特に、国際公開第99/20234号パンフレット、特に、26頁、10行ないし28頁、15行、又は国際公開第00/28957号パンフレット、2頁、3段落に記載されたような5,6−ジヒドロキシインドール又は5,6−ジヒドロキシインドリン誘導体である。
【0084】
好ましい自動酸化性ベンゼン誘導体は、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1−メチル−2,4,5−トリヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルアミノフェノール、2,5−ジアミノ−4−メチル−フェノール、2,6−ジアミノ−4−ジエチルアミノ−フェノール、2,6−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、及び酸を用いて得られ得るこれらの化合物の塩である。
【0085】
好ましい自動酸化性インドール誘導体は、5,6−ジヒドロキシインドール、2−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、3−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、1−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、2,3−ジメチル−5,6−ジヒドロキシインドール、5−メトキシ−6−ジヒドロキシインドール、5−アセトキシ−6−ヒドロキシインドール、5,6−ジアセトキシインドール、5,6−ジヒドロキキシインドール−2−カルボン酸、及び酸を用いて得られ得るこれらの化合物の塩である。
【0086】
式(1)で表わされる染料はまた、ヘンナレッド、ヘンナニュートラル、ヘンナブラック、カモミール花、ビャクダン、紅茶、セイヨウクロウメモドキ樹皮、セージ、カンペチェの木(campeche wood)、アカネの根、カテキュー、セードル(sedre)及びアルカンナの根等の自然に存在する染料との組み合わせにおいて使用され得る。このような染色は、例えば、欧州特許出願公開第404868号明細書、特に3頁、55行ないし4頁、9行に記載されている。
【0087】
更に、式(1)で表わされる染料はまた、キャップ化されたジアゾ化化合物との組み合わせにおいて使用され得る。
【0088】
適当なジアゾ化化合物は、例えば、国際公開第2004/019897号パンフレット(1ないし2頁にかけて)の式(1)ないし(4)で表わされる化合物、及び、同パンフレット3頁からに開示される対応する水溶性カップリング成分(I)ないし(IV)である。
【0089】
本発明に従った式(1)で表わされる染料との組み合わせにおいて有用な更なる好ましい染料又は染料の組み合わせは、以下のものに記載されている。
(DC−01):国際公開第95/01772号パンフレット、ここで、少なくとも2種のカチオン性染料の混合物が、特に2頁、7行ないし4頁、1行、好ましくは4頁、35行ないし8頁、21行に開示されている;配合物、11頁、最終章ないし28頁、19行。
(DC−02):米国特許第6,843,256号明細書、ここで、カチオン性染料、特に式(1)、(2)、(3)及び(4)で表わされる化合物(1欄、27行ないし3欄、20行)、好ましくは実施例1ないし4で製造された化合物(10欄、42行ないし13欄、37行;配合物は、13欄、38行ないし15欄、8行に開示されている。
(DC−03):欧州特許第970685号明細書、ここで、直接染料が、特に2頁、44行ないし9頁、56行、好ましくは9頁、58行ないし48頁、12行に記載されている;ケラチン含有繊維の染色方法が、特に、50頁、15行ないし43行に記載されていて、配合物は、50頁、46行ないし51頁、40行。
(DC−04):独国特許出願公開第19713698号明細書、ここで、直接染料が特に2頁、61行ないし3頁、43行に記載されている;配合物、5頁、26行ないし60行。
(DC−05):米国特許第6,368,360号明細書、ここで、直接染料(4欄、1行ないし6欄、31行)及び酸化剤(6欄、37行ないし39行)が開示されている;配合物、7欄、47行ないし9欄4行。
(DC−06):欧州特許第1166752号明細書、ここで、カチオン性染料(3頁
、22行ないし4頁、15行)及びアニオン性UV吸収剤(4頁、27行ないし30行)が開示されている;配合物、7頁、50行ないし9頁、56行。
(DC−07):欧州特許第998,908号明細書、ここで、カチオン性直接染料及びピラゾロ−[1,5−a]−ピリミジン(2頁、48行ないし4頁、1行)を含む酸化染色が開示されている;染色配合物、47頁、25行ないし50頁、29行。
(DC−08):仏国特許第2788432号明細書、ここで、カチオン性染料とアリアノス(Arianors)の組み合わせが、特に、53頁、1行ないし63頁、23行、より特には51ないし52頁に開示されており、最も特には、ベーシック ブラウン17、ベーシック ブラウン16、ベーシック レッド76及びベーシック レッド118、及び/又は少なくとも1種のベーシック イエロー57、及び/又は少なくとも1種のベーシック ブルー99との組み合わせ;又は、アリアノレン(arianoren)及び/又は酸化性染料の組み合わせ、特に、2頁、16行ないし3頁、16行;染色配合物、53頁、1行ないし63頁、23行。
(DC−09):独国特許出願公開第19713698号明細書、ここで、直接染料と、酸化剤、酸化染料及び直接染料を含むパーマネントウェーブ固定剤の組み合わせが、特に4頁、65行ないし5頁、59行に開示されている。
(DC−10):欧州特許第850638号明細書、ここで、顕色化合物及び酸化剤が、特に、2頁、27行ないし7頁、46行、そして好ましくは7頁、20行ないし9頁26行に開示されている;染色配合物は、2頁、3ないし12行及び2頁、30行ないし14頁、及び、28頁、35行ないし30頁、20行、好ましくは30頁、25行ないし32頁、30行。
(DC−11):米国特許第6,190,421号明細書、ここで、1種以上の酸化染料先駆物質及び所望により1種以上のカップリング剤を含む組成物(A)の、所望により有機微粉賦形剤及び/又は無機微粉賦形剤中に分散される、直接染料(5欄、40行ないし7欄、14行)を1種以上含む粉末形態の組成物(B)の、及び1種以上の酸化剤を含む組成物(C)の即席混合物が開示されている;配合物、8欄、60行ないし9欄、56行。
(DC−12):米国特許第6,228,129号明細書、少なくとも1種の酸化塩基、少なくとも1種のカチオン性直接染料及び2−電子酸化還元酵素型の酵素のための少なくとも1種の供与体の存在下において、少なくとも1種の該酵素を含むすぐ使用できる組成物が開示されている;特に、8欄、17行ないし13欄、65行;染色配合物は、2欄、16行ないし25欄、55行、多区画染色装置が26欄、13行ないし24行に記載されている。
(DC−13)国際公開第99/20235号パンフレット、ここで、少なくとも1種の直接カチオン性染料及び少なくとも1種の硝酸ベンゼン染料とカチオン性直接染料及びニトロベンゼン直接染料の組成物が記載されている;2頁、1行ないし7頁、9行、及び39頁、1行ないし40頁、11行、好ましくは8頁、12行ないし25頁、6行、26頁、7行ないし30頁、15行;1頁、25行ないし8頁、5行、30頁、17行ないし34頁、25行、8頁、12行ないし25頁、6行、35頁、21行ないし27行、特に36頁、1行ないし37頁。
(DC−14)国際公開第99/20234号パンフレット、ここで、少なくとも1種の直接カチオン性染料、好ましくは、2頁、19行ないし26頁、4行に記載された直接染料及び少なくとも1種の自動酸化性酸化染料、特に、ベンゼン、インドール及びインドール誘導体、並びに特に26頁、10行ないし28頁、15行に開示された自動酸化性染料を含む組成物が記載されている;染色配合物、特に34頁、5行ないし35頁、8行。
(DC−15)欧州特許第850636号明細書、ここで少なくとも1種の直接染料及びカップリング成分としての少なくとも1種のメタアミノフェノール誘導体及び少なくとも1種の顕色化合物及び酸化剤を含む酸化染色組成物が、特に、5頁、41行ないし7頁、52行に開示されている;染色配合物は、19頁、50行ないし22頁、12行。
(DC−16)欧州特許出願公開第850637号明細書、ここで、パラ−フェニレン
ジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミンから選択される少なくとも1種の酸化塩基、及びその酸付加塩、メタジフェノールから選択される少なくとも1種のカップリング化合物、及びその酸付加塩、少なくとも1種のカチオン性直接染料及び少なくとも1種の酸化剤を含む酸化染色組成物が、特に6頁、50行ないし8頁、44行に開示されている;染色配合物、21頁、30行ないし22頁、57行。
(DC−17)国際公開第99/48856号パンフレット、ここで、カチオン性カップリング剤を含む酸化染色組成物が、特に、9頁、16行ないし13頁、8行、及び11頁、20行ないし12頁、13行に開示されている;染色配合物は、36頁、7行ないし39頁、24行。
(DC−18)独国特許出願第19717224号明細書、ここで、不飽和アルデヒド及びカップリング化合物及び1級及び2級アミノ化合物、窒素原子含有複素環化合物、アミノ酸、オリゴペプチド、芳香族ヒドロキシ化合物、及び/又は少なくとも1種のCH−活性化合物を含む染色剤が3頁、42行ないし5頁、25行に開示されている;染色配合物は、8頁、25行ないし9頁、61行。
【0090】
上記文献(DC−01ないしDC−18)に開示された染料の組み合わせにおいて、本発明に従った式(1)で表わされる染料は、染料の組み合わせ又は染色配合物に添加され得るか、又は式(1)で表わされる少なくとも1種の染料に置き換えられ得る。
【0091】
本発明はまた、式(1)で表される少なくとも1種の染料を含む、有機材料、好ましくはケラチン含有繊維、そして最も好ましくはヒトの毛髪の染色のために使用される配合物に関する。
【0092】
本発明はまた、有機材料、好ましくはケラチン含有繊維、そして最も好ましくはヒトの毛髪の染色のために使用される配合物であって、少なくとも、
(a)0.001ないし5質量%、好ましくは0.005ないし4質量%、より特には0.2ないし3質量%の式(1)で表わされる少なくとも1種の染料、
(b)1ないし40質量%、好ましくは5ないし30質量%の溶媒、及び、
(c)0.01ないし20質量%の補助剤
を含む配合物に関する。
【0093】
配合物は、ケラチン含有繊維、好ましくは、様々な技術形態においてヒトの毛髪に適用され得る。
【0094】
配合物の技術形態は、例えば溶液、特に、濃縮水溶液又はアルコール水溶液、クリーム、フォーム、シャンプー、粉末、ゲル、又は乳濁液である。
【0095】
一般に、染色組成物は、ケラチン含有繊維に、50ないし100gの量で適用される。
【0096】
すぐ使用できる染色組成物のpH値は、通常、2ないし11、好ましくは5ないし10である。
【0097】
好ましくは、還元に対して安定ではない染色組成物は、染色プロセスの直前に、酸化剤を含まない組成物を用いて製造される。
【0098】
本発明の一つの好ましい態様は、式(1)で表わされる染料が粉末形態であるところの染料配合物に関する。
【0099】
粉末配合物は、例えば、独国特許第19713698号明細書、2頁、26行ないし54行及び3頁、51行ないし4頁、25行、及び4頁、41行ないし5頁、59行に記載
されるような安定性及び又は溶解性に関する問題が生ずる場合、好ましく使用される。
【0100】
ヒトの毛髪における使用のために、本発明の染色組成物は、通常、化粧品用水性キャリヤーに混和され得る。適当な化粧品用水性キャリヤーは、例えば、W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及びあらゆる種類のマイクロエマルジョン、クリーム、スプレー、エマルジョン、ゲル、粉末及びまた、ケラチン含有繊維における使用に適当な界面活性剤含有フォーミング溶液、例えば、シャンプー又は他の製品を含む。このような使用形態は、Research Disclosure 42448(1999年8月)に詳細に記載されている。必要ならば、例えば、米国特許第3,369,970号明細書、特に1欄70行ないし3欄、55行に記載されているように、染色組成物を無水キャリヤーに混和することも可能である。本発明に従った染色組成物はまた、独国特許出願公開第3,829,870号明細書に記載されているように、染色クシ又は染色ブラシを使用する染色方法に非常に適当である。
【0101】
水性キャリヤー成分は、本発明の染色組成物中に一般量において存在し、例えば、乳化剤は、染色組成物中に、染色組成物の総量に基づき0.5ないし30質量%の濃度で存在し得、増粘剤は、染色組成物中に、染色組成物の総量に基づき0.1ないし25質量%の濃度で存在し得る。
【0102】
染色組成物のための更なるキャリヤーは、例えば、“Dermatology”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィクのThe Science of Hair Care,第7章,248〜250頁、特に243頁、1行ないし244頁、12行に記載されている。
【0103】
シャンプーは、例えば以下の組成を有する:
0.01ないし5質量%の式(1)で表わされる染料;
8質量%の二ナトリウムPEG−5ラウリルシトレートスルホスクシネート、ナトリウムラウレススルフェート;
20質量%のナトリウムココアムフォアセテート;
0.5質量%のメトキシPEG/PPG−7/3アミノプロピルジメチコン;
0.3質量%のヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピトリモニウムクロリド;
2.5質量%のPEG−200水素化グリセリルパルメート;PEG−7グリセリルココエート;
0.5質量%のPEG−150ジステアレート;
2.2質量%のクエン酸;
香料、防腐剤;及び、
100質量%までの水。
【0104】
式(1)で表わされる染料は、液体ないしペースト状調製物(水性又は非水性)で、又は、乾燥粉末の形態で貯蔵され得る。
【0105】
染料及び補助剤が、液状調製物中に一緒に貯蔵される場合、化合物同士の反応を減らすため、調製物は実質的に無水であるべきである。
【0106】
本発明に従った染色組成物は、このような調製物のために既知のあらゆる活性成分、添加剤又は補助剤、例えば、界面活性剤、溶媒、塩基、酸、香料、ポリマー状補助剤、増粘剤及び光安定剤を含み得る。
【0107】
以下の補助剤が、好ましくは、本発明の毛髪染色組成物中に使用される:
−非イオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー及びポリシロキサン、
−カチオン性ポリマー、例えば、四級化セルロースエーテル、四級基を有するポリシロキサン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドポリマー、メルクォート(登録商標:Merquat)280の名で市販で入手可能なジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸のコポリマー、毛髪着色におけるその使用は、例えば、独国特許出願公開第4421031号明細書、特に2頁、20行ないし49行又は欧州特許出願公開第953334号明細書に記載される、
−アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチル−スルフェート−四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー、
−四級化ポリビニルアルコール、
−双性イオン性及び両親媒性ポリマー、例えば、アクリルアミドプロピル−トリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー及びオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/第3ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、
−アニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/エチルアクリレート/N−第3ブチルアクリルアミドターポリマー、
−増粘剤、例えば、寒天、グアーガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーン粉、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、デンプン断片及び誘導体、例えば、アミロース、アミロペクチン及びデキストリン、クレー、例えば、ベントナイト又は完全合成ヒドロコロイド、例えば、ポリビニルアルコール、
−構造化剤、例えば、グルコース及びマレイン酸、
−毛髪コンディショニング化合物、例えば、リン脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチン及びセファリン、シリコーンオイル、及びコンディショニング化合物、例えば、独国特許出願公開第19729080号明細書、特に2頁、20行ないし49行、欧州特許出願公開第834,303号明細書、特に2頁、18行ないし3頁、2行、又は欧州特許出願公開第312,343号明細書、特に2頁、59行ないし3頁、11行に記載されているもの、
−タンパク質水解物、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質及び小麦タンパク質水解物、脂肪酸とのそれらの縮合生成物並びに四級化タンパク質水解物、
−香油、ジメチルイソソルビトール及びシクロデキストリン、
−可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びジエチレングリコール、
−ふけ止め有効成分、例えば、ピロクトン、オラミン及びジンクオマジン(zinc Omadine)、
−pH値を調節するための物質、
−パンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、植物抽出物及びビタミン、
−コレステロール、
−下記表に列挙する光安定剤及びUV吸収剤
【表1】

【表2】

【0108】
UV吸収剤の使用は、自然の及び染色した毛髪を、太陽光線による損傷から効果的に保護し、かつ染色した毛髪の洗髪堅牢性を増加させ得る。
【0109】
更に、以下のUV吸収剤又は組み合わせが本発明に従った染色組成物において使用され得る:
−例えば、国際公開第01/36396号パンフレット、特に1頁、20行ないし2頁、24行、及び好ましくは3頁ないし5頁、及び26頁ないし37頁に記載されたようなカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤、
−国際公開第01/36396号パンフレット、特に11頁、14行ないし18行に記載されたような抗酸化剤との組み合わせのカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤、
−米国特許第5922310号明細書、特に2欄、1行ないし3行に記載されたような抗酸化剤との組み合わせのUV吸収剤、
−米国特許第4786493号明細書、特に1欄、42行ないし2欄、7行、及び好ましくは3欄、43行ないし5欄、20行に記載されたような抗酸化剤との組み合わせのUV吸収剤、
−米国特許第5830441号明細書、特に4欄、53行ないし56行に記載されたよう
なUV吸収剤の組み合わせ、
−国際公開第01/36396号パンフレット、特に11頁、9行ないし13行に記載されたようなUV吸収剤の組み合わせ、
−国際公開第98/22447号パンフレット、特に1頁、23行ないし2頁、4行、好ましくは2頁、11行ないし3頁、15行、最も好ましくは6頁ないし7頁、及び12頁ないし16頁に記載されたようなトリアジン誘導体。
【0110】
適当な化粧品は、通常、1種以上のUV吸収剤を、組成物の総質量に基づき0.05ないし40質量%、好ましくは0.1ないし20質量%含み得る。;
−稠度調節剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステル又はポリオールアルキルエーテル;
−脂肪及びワックス、例えば、鯨ワックス、蜜峰ワックス、モンタンワックス、パラフィン、脂肪アルコール及び脂肪酸エステル;
−脂肪酸アルカノールアミド;
−150ないし50,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、欧州特許出願公開第801,942号明細書、特に3頁、44行ないし55行に記載されているもの;
−錯化剤、例えば、EDTA、NTA及びホスホン酸;
−膨潤及び浸透物質、例えば、欧州特許出願公開第962,219号明細書、特に27頁、18行ないし38行で広く挙げられているポリオール及びポリオールエーテル、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチルグリコール、ベンジルアルコール、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、ウレア、及びまた、第一級、第二級及び第三級ホスフェート、イミダゾール、タンニン、ピロール;
−不透明化剤、例えば、ラテックス;
−真珠光沢剤、例えば、エチレングリコールモノ及びジステアレート;
−推進剤、例えば、プロパン−ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2及び空気;
−抗酸化剤;好ましくは、ip.comに開示されるようなフェノール系抗酸化剤及び障害性ニトロキシル化合物(IPCOM#000033153D);
−欧州特許出願公開第970687号明細書に記載されたような糖含有ポリマー、
−国際公開第00/10517号パンフレットに記載されたような四級アンモニウム塩、−グラム陽性菌に対して特定の作用を有する、防腐剤等の抗菌剤、例えば、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)。多数の芳香族物質及びエーテルオイルがまた、抗菌特性を有する。典型例は、チョウジ油、ミント油及びタイム油中の活性成分、オイゲノール、メントール及びチモールである。興味深い天然消臭剤は、ライム花のオイル中に存在する、テルペンアルコールファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエノ−1−オール)である。グリセロールモノラウレートもまた、静菌剤であることが分かっている。更なる抗菌剤の存在量は、通常、調製物の固体含有量に基づき0.1ないし2質量%である。
【0111】
本発明に従った染色組成物は、一般に、少なくとも1種の界面活性剤を含む。
適当な界面活性剤は、双性又は両性、又はより好ましくはアニオン性、非イオン性及び/又はカチオン性界面活性剤である。
【0112】
本発明に従った染色組成物における適当なアニオン性界面活性剤は、人体における使用に適当な全てのアニオン性界面活性物質を含む。このような物質は、水溶性を付与するアニオン基、例えば、カルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基又はホスフェート基及び約10ないし22個の炭素原子を有する親油性アルキル基を特徴とする。加え
て、グリコール基又はポリグリコールエーテル基、エステル基、エーテル基及びアミド基及びまたヒドロキシ基が分子中に存在し得る。それぞれナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩、又はアルカノール基中に2又は3個の炭素原子を有するモノ、ジ又はトリアルカノールアンモニウム塩の形態の適当なアニオン性界面活性剤の例を以下に記す:
−10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪酸(石鹸)、
−式R−O−(CH2−CH2−O)x−CH2−COOH(式中、Rは、10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状(l.ar)アルキル基を表わし、x=0又は1ないし16である。)で表わされるエーテルカルボン酸、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルサルコシド、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルタウリド、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルイソチオネート、
−アルキル基中に8ないし18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノ−及びジ−アルキルエステル、及びアルキル基中に8ないし18個の炭素原子を有し、そして1ないし6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状アルカンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状α−オレフィンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する脂肪酸のα−スルホ脂肪酸メチルエステル、
−アルキルスルフェート及び、式R’−O(CH2−CH2−O)x'−SO3H(式中、R
’は、好ましくは、10ないし18個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表わし、x’=0又は1ないし12である。)で表わされるアルキルポリグリコールエーテルスルフェート、
−独国特許出願公開第3,725,030号明細書に記載の界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物、
−独国特許出願公開第3,723,354号明細書、特に4頁、42行ないし62行に記載の硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレン及び/又はヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル
−独国特許出願公開第3,926,344号明細書、特に2頁、36行ないし54行に記載の、12ないし24個の炭素原子及び1ないし6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート、
−酒石酸及びクエン酸とエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド約2ないし15分子と8ないし22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとの付加生成物であるアルコールのエステル、又は、
−国際公開第00/10518号明細書、特に45頁、11行ないし48頁、3行に記載されたようなアニオン性界面活性剤。
【0113】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル基中に10ないし18個の炭素原子を有し、かつ分子中に12個までのグリコールエーテル基を有するアルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェート及びエーテルカルボン酸、及びまた、特に、飽和及び特に不飽和の炭素原子数8ないし22のカルボン酸、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びパルミチン酸の塩である。
【0114】
分子中に少なくとも1種の四級アンモニウム基及び少なくとも1種の−COO-又は−
SO3-基を有する界面活性化合物が、双性イオン性界面活性剤である。好ましいものは、いわゆるベタイン、例えば、アルキル基又はアシル基中に8ないし18個の炭素原子を有するN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾール、及びまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、CTFA名ココアミドプロピルベタインとして知
られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0115】
両性界面活性剤は、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はアシル基に加えて、少なくとも1種の遊離アミノ基及び少なくとも1種の−COOH又は−SO3H基を分子中に
有し、内部塩を形成することができる界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、いずれもアルキル基中に約8ないし18個の炭素原子を有するN−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピン酸及びアルキルアミノ酢酸を含む。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及び炭素原子数12ないし18のアシルサルコシンである。
【0116】
適当な非イオン性界面活性剤は、国際公開第00/10519号パンフレット、特に45頁、11行ないし50頁、12行に記載されている。
非イオン性界面活性剤は、親水性基として、例えばポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基又はポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含む。
このような化合物は、例えば、以下のものである:
−エチレンオキシド2ないし30モル及び/又はプロピレンオキシド0ないし5モルと、8ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコール、12ないし22個の炭素原子を有する脂肪酸及びアルキル基中に8ないし15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、
−エチレンオキシド1ないし30モルとグリセロールとの付加生成物の炭素原子数12ないし22の脂肪酸モノ及びジエステル、
−炭素原子数8ないし22のアルキルモノ及びオリゴグリコシド及びそれらのエトキシ化類似体、
−エチレンオキシド5ないし60モルとヒマシ油及び水素化ヒマシ油との付加生成物、
−エチレンオキシドとソルビタン脂肪酸エステルとの付加生成物、
−エチレンオキシドと脂肪酸アルカノールアミドとの付加生成物。
【0117】
エチレン及び/又はプロピレンオキシドと脂肪アルコールの付加生成物又はこのような付加生成物の誘導体である界面活性剤は、‘‘通常(normal)の’’同族体分布を有する生成物又は制限された同族体分布を有する生成物であり得る。‘‘通常の’’同族体分布は、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属アルコラートを使用した脂肪アルコールとアルキレンオキシドの反応において得られる同属体の混合物である。他方、例えば、ハイドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ金属酸化物、水酸化物又はアルコラートが触媒として使用される場合、制限された同族体分布が得られる。
【0118】
制限された同族体分布を有する生成物の使用が好まれ得る。
【0119】
本発明に従った染色組成物中に使用され得るカチオン性界面活性剤の例は、特に四級アンモニウム化合物である。好ましいものは、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドのようなアンモニウムハライドである。本発明に従って使用され得る更なるカチオン性界面活性剤は、四級化タンパク質水解物である。
【0120】
例えば、市販で入手可能な生成物、Q2−7224(製造者:ダウ コーニング;安定化されたトリメチルシリルアモジメチコン(trimethylsilylamodimethicone))、ダウ コーニング 929乳濁液(アモジメチコンとしても言及されるヒドロキシアミノ変性シリコーンを含む)、SM−2059(製造者:ジェネラル
エレクトリック)、SLM−55067(製造者:ワッカー)及びまた、アビル(登録商標:Abil)−クォーツ3270及び3272(製造者:Th.ゴールドシュミッツ;ジ四級ポリジメチルシロキサン、クォーターニウム−80(quaternium−80)のようなカチオン性シリコーンオイル、又は、国際公開第00/12057号パンフレット、特に45頁、9行ないし55頁、2行に記載されたようなシリコーンもまた適当である。
【0121】
アルキルアミドアミン、特に、テゴ アミド(登録商標:Tego Amid)18の名で得られ得るステアリルアミドプロピルジメチルアミンのような脂肪酸アミドアミンもまた、本発明の染色組成物中の界面活性剤として好ましい。それらは、良好な状態調節作用によってだけではなく、特にそれらの良好な生物分解性によってもまた区別される。
【0122】
四級エステル化合物、ステパンテックス(登録商標:Stepantex)の登録商標下で市販されているメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェートのような、いわゆる、“エステルクォーツ”はまた、非常に容易に生物分解可能である。
【0123】
カチオン性界面活性剤として使用され得る四級糖誘導体の例は、CTFA名‘‘ラウリルメチルグルセス−10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド’’である市販品グルククォート(登録商標:Glucquat)100である。
【0124】
界面活性剤として使用されるアルキル基含有化合物は単一の物質であり得るが、このような物質の製造には植物又は動物起源の天然原料の使用が一般的に好ましく、その結果、得られる物質混合物は、使用される特定の出発物質に従った異なるアルキル鎖長を有する。
【0125】
式(1)で表される染料は、有機材料、好ましくは、ケラチン含有繊維の染色のために適当である。
【0126】
該方法は、還元剤の存在下において毛髪を処理することを含む。
【0127】
好ましい還元剤は、例えばチオグリコール酸又はその塩、グリセリンモノチオグリコレート、システイン、ホモシステイン、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエチルアミン、チオ乳酸及びその塩、チオグリセリン、亜硫酸ナトリウム、ジチオナイト(dithionithe)、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ヒドロキノン又はホスフィットである。
【0128】
更に、本発明は、
a.ケラチン含有繊維を式(1)で表わされる化合物で処理すること、
b.着色した毛髪を、所望時間放置すること、
c.該毛髪を、染料分子と毛髪繊維表面間の−S−S−結合を壊し、染料分子を毛髪繊維から分離させることが可能な還元剤を含む水性の色除去組成物と接触させることにより、毛髪から工程a)で塗布された色を除去すること
を含む方法に関する。
【0129】
更に、本発明は、毛髪を
a.還元剤で処理すること、及び、
b.上記で定義した式(1)で表わされる少なくとも1種の単一スルフィド染料で処理すること、及び所望により、
c.酸化剤で処理すること
を含む方法に関する。
【0130】
反応工程の順序は、一般に重要ではなく、還元剤は、第一工程又は最終工程において適用され得る。
【0131】
好ましいのは、毛髪を、
1)式(1)で表わされる少なくとも1種の単一染料で処理し、
1)その後、還元剤で処理すること、
を含む方法、又は、毛髪を、
2)還元剤で処理し、
2)その後、上記で定義した式(1)で表わされる少なくとも1種の単一染料で処理
すること、
を含む方法である。
【0132】
本発明において、好ましいのは、毛髪を、
a)還元剤で処理し、
b)その後、式(1)で表わされる少なくとも1種の染料で処理し、そして
c)その後、酸化剤で処理すること、
を含む更なる方法である。
【0133】
本発明の更なる方法は、毛髪を、
a)式(1)で表わされる少なくとも1種の単一染料と接触させ、そして
b)その後、還元剤と接触させ、そして
c)その後、酸化剤と接触させること
を含む。
【0134】
通常、酸化剤は、酸又は塩基と一緒に適用される。
【0135】
酸は、例えばクエン酸、リン酸又は酒石酸である。塩基は、例えば水酸化ナトリウム、アンモニア又はモノエタノールアミンである。
【0136】
式(1)で表わされる染料は、毛髪の全体的染色、即ち、初めて髪を染色する場合、及びまた、その後再染色する場合、又は髪の房を又は部分染色する場合に適当である。
【0137】
式(1)で表わされる染料は、例えば、手によるマッサージ、くし、ブラシ、又はボトル、又はくしもしくはノズルを組み合わせたボトルによって毛髪に適用される。
【0138】
本発明に従った染色方法において、染色が更なる染料の存在下において行われるか否かは、得ようとする色調に依存する。
【0139】
更に好ましいのは、ケラチン含有繊維を式(1)で表わされる少なくとも1種の染料、塩基及び酸化剤で処理することを含むケラチン含有繊維の染色方法である。
【0140】
酸化染色方法は、通常、淡色化、即ち塩基性のpHにおいて、ケラチン含有繊維に塩基と過酸化水素水溶液の混合物を適用し、適用した混合物を毛髪上で放置し、その後、毛髪をすすぐことを含む。特に、毛髪染色の場合、メラニン色素を減色させ、毛髪を染色させ
る。
【0141】
メラニン色素を減少させることは、白髪の場合、平均的に染色する有利な効果が、また通常色の毛髪の場合、色を引き出す、即ちより目立つようにする有利な効果がある。
【0142】
一般に、酸化剤を含む組成物は、通常、30ないし200gの量を、繊維上に、0ないし15分間、特に0ないし5分間、15ないし45℃において放置される。
【0143】
酸化剤は、例えばペルスルフェート、又は希釈過酸化水素溶液、過酸化水素エマルジョン、又は過酸化水素ゲル、アルカリ土類金属ペルオキシド、有機ペルオキシド、例えばウレアペルオキシド、メラミンペルオキシドであり、又は半永久性の直接毛髪染料に基づく色調粉末(shading powder)が使用される場合、アルカリ金属ブロメート固定剤もまた適用可能である。
【0144】
更に好ましい酸化剤は、
−国際公開第97/20545号パンフレット、特に9頁、5行ないし9行に記載の軽い着色を達成するための酸化剤、
−独国特許出願公開第19713698号明細書、特に、4頁、52行ないし55行、及び60行ないし61行、又は欧州特許出願公開第1062940号明細書、特に、6頁、41行ないし47行(及び対応する国際公開第99/40895号パンフレット)に記載されたようなパーマネントウェーブ固定溶液の形態の酸化剤、
である。
【0145】
最も好ましい酸化剤は、過酸化水素であり、好ましくは該当する組成物の約2ないし30質量%、より好ましくは約3ないし20質量%、そして最も好ましくは6ないし12質量%の濃度で使用される。
【0146】
酸化剤は、好ましくは、染色組成物の総質量に基づき、0.01%ないし6%、特に0.01%ないし1%の量で本発明に従った染色組成物中に存在し得る。
【0147】
一般に、酸化剤を用いた染色は、塩基、例えばアンモニア、アルカリ金属炭酸塩、土類金属(カリウム又はリチウム)炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン、アルカリ金属(ナトリウム)水酸化物、土類金属水酸化物又は式
【化15】

(式中、
Rは、OH又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換され得るプロピレン残基を表わし、
3、R4、R5及びR6は、互いに独立せずに又は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はヒドロキシ−(炭素原子数1ないし4)アルキル基を表わす。)で表わされる化合物の存在下において行われる。
【0148】
酸化剤を含む組成物のpH値は、通常、約2ないし7、特に約2ないし5である。
【0149】
ケラチン含有繊維、好ましくは毛髪上への式(1)で表わされる染料を含む配合物の好ましい適用方法の1つは、例えば、国際公開第97/20545号パンフレット、4頁、
19行ないし27行に記載されるような、多区画染色装置又は‘‘キット’’又は他のいかなる多区画パッキング系を使用することである。
【0150】
第一区画は、例えば式(1)で表わされる少なくとも1種の染料、及び所望により更なる直接染料及び塩基化剤を含み、そして第二区画において、酸化剤を含む;又は、第一区画において、式(1)で表わされる少なくとも1種の染料及び所望により、更なる直接染料を含み、第二区画において、塩基化剤を含み、そして第三区画において、酸化剤を含む。
【0151】
一般に、毛髪は、染色溶液及び/又はパーマネントウェーブ溶液で処理した後、すすがれる。
【0152】
本発明の更なる好ましい態様は、酸化染料を用いた毛髪の染色方法であって、
a.式(1)で表わされる少なくとも1種の染料及び所望により、少なくとも1種のカップリング化合物及び少なくとも1種の顕色化合物及び酸化剤、及び所望により少なくとも1種の更なる染料を混合すること、
b.ケラチン含有繊維を工程a.で調製した混合物と接触させること
を含む染色方法に関する。
【0153】
酸化剤を含まない組成物のpH値は、通常、3ないし11、特に5ないし10、最も特には約9ないし10である。
【0154】
好ましくは、すぐ使用できる組成物は、第1の好ましい態様に従う工程、即ち一方に、着色のために適当な媒体中に、特に、パラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン及びそれらの酸付加塩から選択された少なくとも1種の顕色化合物、特に、メタ−フェニレンジアミン及びその酸付加塩から選択された少なくとも1種のカップリング剤、及び式(1)で表わされる少なくとも1種の染料を含む組成物(A)を、他方に、着色のために適当な媒体中に、少なくとも1種の酸化剤を含む組成物(B)を別々に貯蔵し、ケラチン含有繊維へ使用する直前に、(A)及び(B)を一緒に混合することを含む予備工程からなるプロセスによって、製造される。
【0155】
すぐ使用できる染料の製造のための第2の好ましい態様に従って、方法は、一方に、着色のために適当な媒体中に、特に、パラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン及びそれらの酸付加塩から選択された少なくとも1種の顕色化合物、特に、メタ−フェニレンジアミン及びその酸付加塩から選択された少なくとも1種のカップリング剤を含む組成物(A)を、他方に、着色のために適当な媒体中に、式(1)で表わされる少なくとも1種の染料を含む成分(A’)を、最後に、着色のために適当な媒体中に、少なくとも1種の上記したような酸化剤を含む組成物(B)を別々に貯蔵し、ケラチン含有繊維へこの混合物を使用する直前に、それらを一緒に混合することからなる予備工程からなる。
【0156】
この第2の態様に従って使用される組成物(A’)は、所望により粉末形態であり得り、この場合、式(1)で表わされる染料類(それら自体)が前記組成物(A’)の全てを構成するか、又は任意に有機及び/又は無機微粉賦形剤中に分散される。
【0157】
有機賦形剤が組成物(A’)中に存在する場合、有機賦形剤は、合成物又は天然由来の物であり得、そして特に、架橋及び未架橋合成ポリマー、セルロース及び変性又は未変性澱粉のようなポリサッカリド、並びにおがくず及び植物ゴム(グアーガム、カロブガム、キサンタンガム等)等の天然物から選択される。
【0158】
無機賦形剤が組成物(A’)中に存在する場合、無機賦形剤は、酸化チタン、酸化アルミニウムのような金属酸化物、カオリン、タルク、雲母及びシリカを含み得る。
【0159】
本発明に従った染色組成物中に非常に適当な賦形剤は、おがくずである。
【0160】
粉末化された組成物(A’)はまた、結合剤又はコーティング製造物を、前記組成物(A’)の総質量に比して、好ましくは約3質量%を超えない量で含み得る。これらの結合剤は、好ましくは、無機、合成、動物又は植物起源のオイル及び液体脂質物質から選択される。
【0161】
更に、本発明は、式(1)で表わされる染料と自動酸化性化合物及び所望により更なる染料によるケラチン含有繊維の染色方法に関する。
【0162】
更に、本発明は、式(1)で表わされる染料及びキャップ化されたジアゾ化化合物を用いたケラチン含有繊維の染色方法であって、
a.少なくとも1種のキャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング化合物、及び所望により顕色化合物、及び所望により酸化剤、及び所望により更なる染料の存在下で、そして所望により式(1)で表わされる少なくとも1種の染料を用いて、アルカリ条件下でケラチン含有繊維を処理すること、及び、
b.所望により、更なる染料及び所望により、式(1)で表わされる少なくとも1種の染料の存在下において、酸を用いて処理することによってpHを6ないし2の範囲内に調整すること
を含むが、但し、工程a.又はb.の少なくとも1方において、式(1)で表わされる少なくとも1種の染料が存在するところの染色方法に関する。
【0163】
キャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング化合物及び所望により、酸化剤及び顕色化合物は、あらゆる所望の順序で連続的に又は同時に適用され得る。
【0164】
好ましくは、キャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング化合物は、一つの組成物中に、同時に適用される。
【0165】
‘‘アルカリ条件’’は、8ないし10、好ましくは9ないし10、特に9.5ないし10の範囲のpHを示し、そしてそれは、塩基、例えば炭酸ナトリウム、アンモニア又は水酸化ナトリウムの添加によってなされる。
【0166】
塩基は、毛髪、染料前駆体、キャップ化されたジアゾ化化合物及び/又は水溶性カップリング化合物へ又は染料前駆体を含む染色組成物へ添加され得る。
【0167】
酸は、例えば酒石酸又はクエン酸、クエン酸ゲル、所望により、酸性染料との適当な緩衝溶液である。
【0168】
第一段階において適用されるアルカリ性染色組成物の量と第二段階において適用される酸性染色組成物の量の比は、好ましくは約1:3ないし3:1、特に約1:1である。
【0169】
更に、本発明は、式(1)で表わされる染料及び少なくとも1種の酸性染料を用いたケラチン含有繊維の染色方法に関する。
【0170】
以下の実施例は、染色方法を制限することなく、染色工程を説明するために用いられる。特に記載がない限りは、部及びパーセント(%)は質量に対するものである。明記されている染料の量は着色する材料に対するものである。
【実施例】
【0171】
実施例A−化合物の製造
実施例A1:
1−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノ−4−アミノ−アントラキノン(RN 65274−31−9)2.95g及びビス(2−(2−ブロモアセトアミド)エチル)−ジスルフィド(RN 697755−79−6)1.80gをDMF20mLに溶解し、40℃で5時間攪拌した。その後、この暗青色溶液をアセトン500mL中へ激しく攪拌しながらゆっくり滴下した。沈殿物を濾取し、アセトン100mLで洗浄し、真空オーブン中、50℃で乾燥することにより、下式で表される化合物を収量4.06gで得た。
【化16】

MS(ES+):m/z 440(M2+).UV/VIS[nm](水):λ1=567
、λ2=616.
【0172】
実施例A2
式(101)で表される化合物2.06gをNMP30mLに溶解し、4−ブロモブチリルクロリド530μLを攪拌しながら添加した。40分後、エタノール中のトリメチルアミン4.2M溶液10mLを添加し、そして反応混合物を80℃で17時間攪拌した。その後、アセトン10mLを添加し、結果として得られた沈殿物を濾過により分離し、アセトンで洗浄して乾燥することにより、下式で表される化合物1.40gを得た。
【化17】

UV/VIS[nm](水):λmax564.
【0173】
実施例A3
工程1:クロロホルム10mL中の1,3−ジブロモプロパン19.39gの溶液を室温で攪拌し、クロロホルム10mL中のN,N´−テトラメチルシスタミン(RN 1072−11−3)0.50gの溶液を8時間かけて添加した。更に2日間攪拌した後、結果として生じた白色の沈殿物を濾取し、クロロホルムで洗浄し、真空下で乾燥した。
工程2:工程1で調製した白色固体を、DMF10mL中の1−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノ−4−アミノ−アントラキノン(RN 65274−31−9)1.06gの溶液に添加した。溶液を40℃で3日間攪拌した。前記時間後に、反応混合物をアセトン200mLに注ぎ入れ、そして結果として生じた沈殿物を濾過により採取した。その
後、粗生成物をアセトン120mL中で40分間還流した。懸濁物を濾取し、採取した固体を真空下、60℃で乾燥した。
収量:下式で表される化合物1.64g
【化18】

13C NMR(DMSO−d6)[ppm]:δ 181.68、181.23、146
.66、146.58、134.46、134.17、132.80、132.70、130.12、126.13、126.05、124.12、108.76、108.43、62.93、61.93、60.05、60.00、51.19、51.00、39.66、30.86、23.34、17.36
【0174】
実施例A4
1−(3−ジメチルアミノプロピル)アミノ−4−アミノ−アントラキノン(RN 65274−31−9)5.00g及び(2−ヒドロキシエチル)−ジスルフィドのビス(トルオールスルホネート)(RN 69981−39−1;デラクロイクス(Delacroix)等のBull.Soc.Chim.France(1978)、(9−10、Pt.2)、481−4に記載のようにして調製)3.58gをNMP15mLに溶解し、80℃で72時間攪拌した。その後、反応混合物をアセトン150mL中へ注ぎ、そして沈殿物を上澄み液から分離した。残渣をアセトン60mLで1時間還流し、濾過により採取し、そして高真空下で乾燥し、下式で表される化合物3.55gを得た。
【化19】

MS(ES+):m/z 383(M2+).UV/VIS[nm](水):λ1=567
、λ2=615.
【0175】
実施例A5
工程1:水150mL中の1−(3−アミノプロピル)イミダゾール61.32g、水酸化リチウム5.92g及びCu(I)Cl 1.48gの溶液へ、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム(RN 6258−06−6)100gを15分かけて添加した。反応混合物を65℃で30分間攪拌し、その後85℃で1時間攪拌した。結果として生じた青色溶液を室温まで冷却した後、濃塩酸75mLを添加した。結果として生じた沈殿物を濾取し、アセトン200mL中に懸濁させ、1時間攪拌した。濾過した後、この粗生成物を水500mL中に懸濁させ、そして4モル水酸化ナトリウム溶液19.98gを添加することにより溶解させた。その後、塩化ナトリウム18gを添加し、結果として生じた沈殿物を濾取し、乾燥することにより下式で表される化合物を収
量44.23gで得た。
【化20】

MS(ES-):m/z 425(M-).UV/VIS[nm](水):λ1=591、
λ2=633.
工程2:水300mL中の式(105a)で表される化合物30.78gの懸濁液中へ水酸化ナトリウム溶液(30%)34mLを添加した。この混合物を80℃まで加熱し、水90mL中のグルコース16.31gの溶液を40分かけて滴下添加した。30分後、懸濁液を室温まで冷却し、濾過した。この圧縮ケーキを4モル水酸化ナトリウム溶液450mL中で攪拌し、濾取し、水で洗浄した。残渣を真空オーブン中、50℃で乾燥することにより、下式で表される化合物を収量19.69gで得た。
【化21】

MS(ES+):m/z 347(M+1).UV/VIS[nm](水/アセトニトリル 1:1):λ1=569、λ2=612.
工程3:式(105b)で表される化合物1.28g及びビス(2−(2−ブロモアセタミド)−エチル)−ジスルフィド(RN 697755−79−6)0.73gをDMF20mL中に溶解し、40℃で3日間攪拌した。その後、暗青色溶液をアセトン500mL中へ激しく攪拌しながらゆっくり滴下した。沈殿物を濾取し、アセトン100mLで洗浄し、真空オーブン中、50℃で乾燥することにより、下式で表される化合物を収量0.935gで得た。
【化22】

MS(ES+):m/z 463(M2+).UV/VIS[nm](水/アセトニトリル
1:1):λ1=571、λ2=609.
【0176】
実施例A6
工程1:C.I.アシッドブルー25(RN 6408−78−2)5.00g、水酸化カリウム7.93g及びN,N−ジメチル−エタノールアミン20mLの混合物を室温で2時間攪拌した。その後、反応混合物を水200mL中へ注ぎ、結果として生じた沈殿を濾過により採取した。この固体を水200mL中で30分間攪拌し、その後、濾取し、真
空下60℃で乾燥することにより下式で表される化合物1.69gを得た。
【化23】

MS(ES+):m/z 402(M+1).UV/VIS[nm](水/アセトニトリル 1:1):λ1=554、λ2=591.
工程2:式(106a)で表される化合物0.50g及び(2−ヒドロキシエチル)−ジスルフィドのビス(トルオールスルホネート)(RN 69981−39−1)0.29gをNMP3mLに溶解し、40℃で72時間攪拌した。その後、この混合物を更に50℃で72時間攪拌した。その後、反応混合物を第三ブチルメチルエーテル200mL中へ滴下した。沈殿物を濾過により分離し、再びNMP3mL中に溶解し、溶液を第三ブチルメチルエーテル50mL中へ滴下することにより沈殿させた。濾過した後、生成物を真空下で乾燥することにより、下式で表される化合物0.32gを得た。
【化24】

MS(ES+):m/z 461(M2+).UV/VIS[nm](水/アセトニトリル
1:1):λ1=556、λ2=593.
【0177】
実施例A7:
工程1:1−(2−クロロアセタミド)−アントラキノン(RN 20149−91−1)1.43g及びイミダゾール6.46gをo−ジクロロベンゼン10mL中に混合し、110℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水1L中へ攪拌しながら注いだ。沈殿物を濾取し、水で洗浄し、真空下60℃で乾燥することにより、下式で表される化合物を収量1.30gで得た。
【化25】

MS(ES+):m/z 332(M+1).UV/VIS[nm](水/アセトニトリル 1:1):λmax=394.
工程2:式(107a)で表される化合物1.28g及びビス(2−(2−ブロモアセタミド)−エチル)−ジスルフィド(RN 697755−79−6)0.726gをジメチルホルムアミド5mL中に混合し、60℃で24時間攪拌した。反応混合物をアセトン150mL中へ攪拌しながら注いだ。沈殿物を濾取し、アセトン100mLで2回洗浄した。濾過ケーキを真空下50℃で乾燥することにより、下式の化合物を収量1.72gで得た。
【化26】

MS(ES+):m/z 448(M2+).UV/VIS[nm](水):λmax=39
5.
【0178】
実施例B/適用例:
染色した毛髪の洗髪堅牢性を、Herbst&Hunger,第2版.engl.S.61)Nr 10:DIN 54 001−8−1982,‘‘Herstellung
und Bewertung der Aenderung der Farbe’’,ISO 105−A02−1993による工業用有機顔料に従ったグレースケールによって分析した。以下の適用例において、下記した組成物を使用した。
【0179】
溶液1(パーマネントローション、pH 8.2):
水、チオグリコール酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、エトキシジグリコール、ヘキシレングリコール、チオグリコール酸、チオ乳酸、PEG−60水素化ヒマシ油、グリシン、エチドロン酸、イソセテス−20、ポリシリコン−9、スチレン/PVPコポリマー、トリデセス−12、アモジメチコン、塩化セトリモニウム、水酸化アンモニウム、ポリクォーターニウム−6、イソプロピルアルコール、変性アルコール、シメチコン、香料。
【0180】
溶液2(パーマネント固定剤、pH 3.9):
以下のものに基づく:
水、過酸化水素、プロピレングリコール、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、PEG−5コカミド、ナトリウムココアンホアセテート、ポリクォーターニウム−35、ココベタイン、アセトアミノフェン、リン酸、塩化ナトリウム、香料。
【0181】
溶液3(染色溶液):
染料 0.1%を非イオン性界面活性剤(プランタケア 200UP、ヘンケル)の10%溶液に溶解させ、クエン酸又はモノエタノールアミンを使用してpHを9.5に調整した。
【0182】
適用例B1:
水中の式(102)で表される化合物からなる着色剤の0.1質量%水溶液を、室温において乾いている毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪、2房の茶色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に適用し、室温において20分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、室温で12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表3】

【0183】
適用例B2:
溶液1(パーマネントローション)をシャンプーした毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪、2房の茶色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、10分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、タオルで乾かした毛髪を例B1の着色剤溶液0.1質量%で処理し、20分間放置し、その後、水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすいだ。その後、タオルで乾かした毛髪を室温で溶液2(パーマネント固定剤)で処理し、10分間放置した。その後、毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、室温で12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表4】

【0184】
適用例B3:
式(104)で表わされる化合物40mgをエタノール8gに溶解させ、その後、プランタレン(plantaren)溶液(水中10%、pH=9.5)32gを添加した。この青色染色溶液を乾いている毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、室温において20分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表5】

【0185】
適用例B4:
溶液1(パーマネント ローション)をシャンプーした毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、10分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、タオルで乾かした毛髪を例B3の着色剤溶液0.1質量%で処理し、20分間放置し、その後、すすいだ。その後、タオルで乾かした毛髪を室温において溶液2(パーマネント固定剤)で処理し、10分間放置した。その後、毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、室温で12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表6】

【0186】
適用例B5:
水中の式(105)で表される化合物からなる着色剤の0.1質量%水溶液を、を乾いている毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、室温において20分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表7】

【0187】
適用例B6:
2%チオグリコール酸アンモニウム溶液(pHは、アンモニア及びクエン酸で8に調整。)をシャンプーした毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、10分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、タオルで乾かした毛髪を室温において例B5の着色剤溶液0.1質量%で処理し、20分間放置し、その後、すすいだ。その後、タオルで乾かした毛髪を室温において溶液2(パーマネント固定剤)で処理し、10分間放置した。その後、毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、室温で12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表8】

【0188】
適用例B7:
式(101)で表される化合物50mg及び酢酸カリウム1gを水50gに溶解した。この青色染色溶液を、を乾いている毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、室温において20分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表9】

【0189】
適用例B8:
溶液1(パーマネント ローション)をシャンプーした毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、10分間放置した。その後、該毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、タオルで乾かした毛髪を例B7の着色剤溶液0.1質量%で処理し、20分間放置し、その後、すすいだ。その後、タオルで乾かした毛髪を室温において溶液2(パーマネント固定剤)で処理し、10分間放置した。その後、毛髪を水道水(水温:37℃+/−1℃;水の流速:5−6L/分)ですすぎ、室温で12時間乾かした。
洗髪堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン含有繊維の染色方法であって、式
【化1】

[式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数1ないし20のアルコキシ基;炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基;ハロゲン原子;NO2;OH;SH;又は式(1a)
【化2】

(式中、R5は、水素原子又は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表し;
6、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基
;炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数6ないし13のアラルキル基;フェニル−炭素原子数1ないし5のアルキル基;を表すか、又はR6及びR7は、結合している窒素原子と一緒になって1個又はそれ以上の−O−又は−NH−基により中断され得る炭素原子数4ないし12員の複素環を形成する。)で表される基を表し;
1は、炭素原子数1ないし10のアルキレン基;炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基;炭素原子数5ないし10のアリーレン基;又は炭素原子数5ないし10のアリーレン−(炭素原子数1ないし10のアルキレン)基を表し;
1は、式(1b)
【化3】

で表される基を表すか、又は−O−(X3sを表し;
1は、飽和の、芳香族の又はヘテロ芳香族の基であるカチオン性2価基を表すか;又は
式(1c)
【化4】

で表される基を表し;
1は、−C(O)−;−(CH2CH2−O)1-5−;−C(O)O−;−OCO−;CON(R9)−;−X4−CON(R9)−;−(R9)NC(O)−;−O−;−S−;−S
(O)−;又は−S(O)2−を表し;
9、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル
基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;
1、X2、X3及びX4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし18のアルキレン基;−(CO)−炭素原子数1ないし18のアルキレン基;炭素原子数1ないし18のアリーレン基;炭素原子数6ないし18のアリーレン−(炭素原子数1ないし12のアルキレン)基;又は−(OCH2CH2n−O−を表し;
nは、1ないし5の数を表し;
p、r、s、t及びuは、互いに独立して、0又は1を表し;
mは、1又は2を表し;
Uは、mが1を表す場合、水素原子を表し;及び
Uは、mが2を表す場合、直接結合を表す。]で表わされる少なくとも1種のスルフィド染料、それらの塩、異性体、水和物及び他の溶媒和物で該繊維を処理することを含む方法。
【請求項2】
1が炭素原子数1ないし10のアルキレン基又は炭素原子数5ないし10のシクロアル
キレン基を表す請求項1記載の方法。
【請求項3】
1が炭素原子数1ないし5のアルキレン基を表す請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
1が、式(1b)
【化5】

(式中、R12は、水素原子又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表し;
3は、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表し;
p及びsは0又は1を表し;
星印*は、アントラキノン残基への結合を示し;及び
星印**は、Q1への結合を示す。)で表される2価基を表す請求項1ないし3の何れか1
項に記載の方法。
【請求項5】
1が、式
【化6】

(式中、D、E、G、J及びLは、同一又は異なり、炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択され;及び
13及びR14は、互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし5のアルキル基又は炭素原子数1ないし5のアルコキシ基で置換されたフェニル基;カルボン酸基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;ニトリル基;炭素原子数1ないし14のアルコキシ基;又は(ポリ)−ヒドロキシ−炭素原子数2ないし4のアルコキシ基を表し;
Anは、アニオンを表し;及び
星印*は、T1及びZ1への結合を示す。)で表される2価基を表す請求項1ないし4の何
れか1項に記載の方法。
【請求項6】
1が、式
【化7】

で表される2価基を表すか又は式
【化8】

(式中、R10及びR11は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表し;そしてnは、1ないし3の数を表す。)で表される基を表す請求項1ないし4の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
mが2を表す請求項1ないし6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】

【化9】

(式中、T1は式
【化10】

で表される基を表すか又は−O−(X2sを表し;
1は、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;NH2;又はヒドロキシ基を表し;及び
12、Q1、Z1、Y1、X2、p及びrは、請求項1で定義した通りである。)で表される少なくとも1種のスルフィド染料で繊維を処理することを含む請求項1ないし7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】

【化11】

【化12】

で表される少なくとも1種のスルフィド染料で繊維を処理することを含む請求項1ないし8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
染色が還元剤の存在下で行われる請求項1ないし9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
還元剤が、チオグリコール酸又はその塩、グリセリンモノチオグリコレート、システイン、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエチルアミン、チオ乳酸、チオグリセリン、亜硫酸ナトリウム、ジチオナイト、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム及びハイドロキノンから選択される請求項10記載の方法。
【請求項12】
ケラチン含有繊維を
a)所望により還元剤で処理すること、及び、
b)請求項1で定義した式(1)で表わされる少なくとも1種の単一スルフィド染料で処理すること、及び
c)所望により酸化剤で処理すること
を含む請求項1ないし11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
(a)0.001ないし5質量%の、請求項1で定義した式(1)で表わされる少なくとも1種の染料、
(b)1ないし40質量%の溶媒、及び、
(c)0.01ないし20質量%の補助剤
を含む毛髪染色組成物。
【請求項14】
シャンプー、コンディショナー、ゲル又は乳濁液の形態にある請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1で定義した式(1)で表わされる少なくとも1種の単一染料及び直接染料及び/又は反応染料を含む請求項13又は14記載の組成物。

【公表番号】特表2009−501281(P2009−501281A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517465(P2008−517465)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063179
【国際公開番号】WO2006/136516
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】