説明

セラミック回路基板及びこれに用いられる導体ペースト

【課題】導体配線及び/又はビアと、抵抗体の接合部位の接合信頼性が高く、安価なセラミック回路基板及びこれに用いられる導体ペーストを提供する。
【解決手段】セラミック基材11の表面に設ける導体配線13及び/又はビア12に接続される抵抗体14を有するセラミック回路基板10において、抵抗体14が低抵抗値を有するAg−Pd系で形成され、導体配線13及びビア12がAg系からなり、しかも、抵抗体14と、導体配線13及び/又はビア12が接合部位15で直接接する部分を有することなく、接合用導体16を介して電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、セラミック回路基板に関し、より詳細には、セラミック基材の表面に抵抗体を接合して有するセラミック回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、セラミック回路基板は、焼成前のセラミック基材であるセラミックグリーンシートの表面に導体配線や、セラミック基材を多層構造にするためのセラミックグリーンシートに孔を穿設し導体を充填して形成するビアを有し、この導体配線及び/又はビアに抵抗体を接合したり、後付けの電子部品を実装させたりするため等に用いられている。
【0003】
図4(A)〜(C)に示すように、通常、セラミック回路基板50を構成するセラミック基材51に形成された導体配線52に抵抗体54を接合して電気的に接続させるには、セラミック基材51に接合された2つの導体配線52間に抵抗形成用の抵抗ペーストを用いて抵抗体53の対向する両端部と導体配線52との接合部位54で直接接合させるようにスクリーン印刷し、焼成して形成することが行われている(図4(A)参照)。また、セラミック基材51に形成されたビア55に抵抗体53を接合して電気的に接続させる場合のセラミック回路基板50aには、2つのビア55間に抵抗ペーストを用いて抵抗体53の両端部とビア55との接合部位54aで直接接合させるようにスクリーン印刷し、焼成して形成することが行われている(図4(B)参照)。更に、セラミック基材51に形成された導体配線52及びビア55に抵抗体53を接合して電気的に接続させる場合のセラミック回路基板50bには、それぞれ2つの導体配線52及びビア55間に抵抗形成用の抵抗ペーストを用いて抵抗体53の両端部と導体配線52及びビア55との接合部位54bを直接接合させるようにスクリーン印刷し、焼成して形成することが行われている(図4(C)参照)。なお、接合部位54、54a、54bは、一方と他方の接合形態がそれぞれ混在する形態のものであってもよい。
【0004】
また、セラミック回路基板には、セラミックグリーンシートにCu系の導体ペーストを用いて内部導体配線及びビアを形成して中性乃至弱還元性雰囲気中で焼成したセラミック基材に、Ag−Pd系の導体ペーストを用いた導体配線と、酸化ルテニウム系の抵抗体ペーストを用いた抵抗体を形成し、酸化雰囲気中で同時焼成して作製するセラミック回路基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−181448号公報(第1−4頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のセラミック回路基板及びこれに用いられる導体ペーストは、次のような問題がある。
低抵抗値の抵抗体を形成するには、Ag−Pd系の抵抗体が優れ、しかも、TCR値(Temperature Eoefficient of Resistance:抵抗の温度係数)を低くするためにPdの比率が50重量%を超えるような配合となっている。一方、セラミック基材に形成する内部導体配線は、Cu系を用いると、中性乃至弱還元性雰囲気中で焼成できる焼成炉を必要とし、焼成コントロールの難しさから品質、歩留に問題があり、低コスト化が難しいので、一般的にはAg系が用いられている。また、セラミック基材の表層の導体配線や、ビアにもAgや、Ag比率の高いAg系が用いられている。しかしながら、このAgや、Ag比率の高いAg系の導体配線及び/又はビアと、Pdを多く含む抵抗体を直接接合させると、2種の金属原子の拡散速度の違いによって接合面近傍にカーケンダール効果による空孔が発生するので、抵抗値の変動や、接合部分の剥がれ等の品質の低下を発生させている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、導体配線及び/又はビアと、抵抗体の接合部位の接合信頼性が高く、安価なセラミック回路基板及びこれに用いられる導体ペーストを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るセラミック回路基板は、セラミック基材の表面に設ける導体配線及び/又はビアに接続される抵抗体を有するセラミック回路基板において、抵抗体が低抵抗値を有するAg−Pd系で形成され、導体配線及びビアがAg系からなり、しかも、抵抗体と、導体配線及び/又はビアが接合部位で直接接する部分を有することなく、接合用導体を介して電気的に接続されている。これにより、例えば、Pd比率の高いAg−Pd系の抵抗体と、Ag比率の高いAg系の導体配線及び/又はビアを接続するにおいても、中間に接合用導体を介して接合し、接合時の2種の金属原子の拡散速度の差を小さくでき、カーケンダール効果による空孔の発生を防止することができるので、接合信頼性が高く、安価なセラミック回路基板を得ることができる。
【0008】
ここで、セラミック回路基板は、抵抗体と、導体配線及び/又はビアがセラミック基材の同一表面上に離れて設けられており、しかも、接合部位が導体配線及び/又はビアの上面の一部と抵抗体の上面の一部に接合用導体で接合されて形成されているのがよい。これにより、導体配線及び/又はビアと、抵抗体を直接接することなく確実に接続することができ、接合用導体が抵抗体の上面側になるので、カーケンダール効果による空孔の発生を確実に防止することができる。
【0009】
また、セラミック回路基板は、接合部位が導体配線及び/又はビアの上面の一部に接合用導体を接合して形成されていると共に、接合用導体の上面の一部に抵抗体を接合して形成されているのがよい。これにより、カーケンダール効果による空孔の発生を防止しながら、抵抗体と、導体配線及び/又はビアの接続形成部を小さくすることができ、セラミック回路基板をコンパクトにすることができる。
【0010】
また、セラミック回路基板は、抵抗体と接合用導体が同時焼成して形成されているのがよい。これにより、接合用導体が抵抗体の上面側になる場合には、焼成を2度に分けて行う必要がないので、焼成コストの上昇がなく、セラミック回路基板のコスト上昇を抑えることができる。
【0011】
前記目的に沿う本発明に係る導体ペーストは、セラミック基材の表面に設けるAg系からなる導体配線及び/又はビアにAg−Pd系からなる抵抗体を接続して有するセラミック回路基板に用いられる導体配線及び/又はビアと抵抗体を接合するための導体ペーストであって、導体ペーストがAg−Pd系、Ag−Au系、又はAg−Pd−Au系の金属を含み、しかも、それぞれ系の金属中におけるPd比率、Au比率、又はPdとAuの合計比率が5〜25体積%からなる。これにより、抵抗体と接合用導体間、及び、接合用導体と導体配線及び/又はビア間の、接合時の金属原子の拡散速度の差を小さくでき、カーケンダール効果による空孔の発生を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るセラミック回路基板の斜視図、A−A’線縦断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ同セラミック回路基板の変形例の説明図、図3(A)〜(C)はそれぞれ同セラミック回路基板の他の変形例の説明図である。
【0013】
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミック回路基板10は、焼成前のセラミック基材11が、例えば、低温焼成セラミック等からなり、CaO−Al−SiO−B系ガラス50〜65重量%(好ましくは60重量%)とAl50〜35重量%(好ましくは40重量%)からなるセラミック粉末に樹脂、溶剤及び可塑剤を添加して混合し、ドクターブレード法等で所望の厚みのシート状にし、実質的に矩形状の所望の大きさに切断して形成されるセラミックグリーンシートに必要に応じてビア12用の孔をプレス金型や、NCマシーン等を用いて穿設し、Ag系の導体ペーストを使用してスクリーン印刷で導体配線13を形成したり、孔に導体ペーストをスクリーン印刷で充填してビア12を形成したりしている。そして、必要に応じて、複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせて温度をかけながら圧着して形成する積層体と乾燥後の導体ペーストを酸化雰囲気中で、例えば、800〜1100℃程度の温度で同時焼成してセラミック基材11を作製している。このセラミック回路基板10は、セラミック基材11に形成された導体配線13及び/又はビア12に電気的に接続される抵抗体14を有している。
【0014】
このセラミック回路基板10に用いられる抵抗体14は、低抵抗値を有するAg−Pd系からなり、例えば、抵抗値を100mΩ〜1Ω程度の低抵抗値と、低いTCR値とするために、Pd比率が50重量%を超える配合のものを用いている。また、導体配線13及びビア12は、Ag系からなり、Agや、Ag−Pt、Ag−Pd等の内のAg比率が高くて導通抵抗が低く、セラミックグリーンシートと酸化雰囲気中で同時焼成可能な導体が用いられている。そして、抵抗体14と、導体配線13及び/又はビア12が互いに接合部位15で直接接する部分を有さないで、例えば、Ag−Pd系や、Ag−Au系等で体積%比率が、Ag:Pd又はAu=90:10程度の導体ペーストをスクリーン印刷で形成する接合用導体16を介して接続され、電気的に導通状態となっている。接合する両者間での拡散速度の差が大きい場合のカーケンダール効果による空孔の発生は、Pd比率の高いAg−Pd系の抵抗体14と、Ag比率の高いAg系の導体配線13及び/又はビア12の接合が直接接することがないので、空孔の発生を防止することができると共に、抵抗体14と接合用導体16、及び、導体配線13及び/又はビア12と接合用導体16の接合間では、接合する両者間での拡散速度の差を小さくできるので空孔の発生を防止することができる。
【0015】
ここで、セラミック回路基板10は、抵抗体14と、導体配線13がセラミック基材11の同一表面上に互いに離れて設けられており、しかも、接合部位15が導体配線13の上面の一部と抵抗体14の上面の一部に接合用導体16で接合され、抵抗体14と、導体配線13が電気的に導通状態になるように形成されているのがよい。また、図2(A)に示すように、セラミック回路基板10aは、抵抗体14と、ビア12の端部がセラミック基材11の同一表面上に互いに離れて設けられており、しかも、接合部位15aがビア12の上面と抵抗体14の上面の一部に接合導体16で接合され、抵抗体14と、ビア12が電気的に導通状態になるように形成されていてもよい。更に、図2(B)に示すように、セラミック回路基板10bは、抵抗体14と、導体配線13及びビア12とがセラミック基材11の同一表面上に互いに離れて設けられており、しかも、接合部位15bが導体配線13及びビア12の上面の一部と抵抗体14の上面の一部に接合導体16で接合され、抵抗体14と、導体配線13及びビア12とが電気的に導通状態になるように形成されていてもよい。なお、接合部位15、15a、15bの形態は、一方側と他方側の形態がそれぞれ異なる接合部位15、15a、15bの形態の組合せであってもよい。
【0016】
次に、図3(A)〜(C)を参照しながら本発明の一実施の形態に係るセラミック回路基板10の他の変形例について説明する。
図3(A)に示すように、セラミック回路基板10cは、抵抗体14と、導体配線13の接合部位15cが導体配線13の上面の一部からセラミック基材11の一部にかけて接合用導体16を接合して形成されていると共に、接合用導体16の上面の一部に接合して抵抗体14が形成されている構造となっているのがよい。また、図3(B)に示すように、セラミック回路基板10dは、抵抗体14と、ビア12の接合部位15dがビア12の端部上面に接合用導体16を接合して形成されていると共に、接合用導体16の上面の一部又は全面に接合して抵抗体14が形成されている構造となっているてもよい。更に、図3(C)に示すように、セラミック回路基板10eは、抵抗体14と、導体配線13及びビア12との接合部位15eが導体配線13及びビア12の接合面の上面の一部からセラミック基材11の一部にかけて接合用導体16を接合して形成されていると共に、接合用導体16の上面の一部に接合して抵抗体14が形成されている構造となっていてもよい。なお、接合部位15c、15d、15eの形態は、一方側と他方側の形態がそれぞれ異なる接合部位15c、15d、15eの形態の組合せであってもよい。
【0017】
次に、接合用導体が抵抗体の上面側になる場合のセラミック回路基板10、10a、10bにおいては、抵抗体14と、接合用導体16がセラミック基材11と導体配線13及び/又はビア12を同時焼成する温度より若干低い温度、例えば、800〜900℃程度で同時焼成して形成されるのがよい。抵抗体14と接合用導体16は、別々に焼成する必要がないので、焼成工程におけるコストアップを防止することができる。
【0018】
本発明の一実施の形態に係るセラミック回路基板10、10a、10b、10c、10d、10eに用いられる導体ペーストは、Ag−Pd系、Ag−Au系、又はAg−Au−Pd系の金属を含み、Ag−Pd系からなり、例えば、Pd比率の高い低抵抗の抵抗体14と、Ag系からなり、例えば、Ag比率の高い導通抵抗の低い導体配線13及び/又はビア12とに接合して電気的に接続するための接合用の導体ペーストである。この導体ペーストは、Ag−Pd系、Ag−Au系、又はAg−Au−Pd系からなり、それぞれのペースト中の金属分比率におけるPd比率、Au比率、又はAuとPdの合計比率が5〜25体積%からなっている。なお、導体ペーストは、Pd比率、Au比率、又はAuとPdの合計比率が25体積%を超えると導体ペーストのコストが高くなりすぎる。また、導体ペーストは、Pd比率、Au比率、又はAuとPdの合計比率が5体積%を下まわるとカーケンダール効果を防止する効果が小さくなり、空孔の発生が多くなって接合信頼性が低下する。なお、導体ペースト中に、厚膜ペーストにおいて一般的に用いられているガラス、例えば、SiO−B−PbO系、SiO−B−ZnO系、又は、Al−SiO−B系等のガラスや、酸化物、例えば、Bi等の酸化物を添加して用いることは、何ら問題を発生するものではない。
【0019】
【実施例】
本発明者は、セラミック基材に低温焼成セラミックを用い、導体配線及びビアの電極用として、Ag、Ag−Pt、又は、Ag−Pd(Ag:Pd=95:5(重量%))、接合用導体として、Ag−Pd(Ag:Pd=95:5(体積%))、Ag−Pd(Ag:Pd=75:25(体積%))、Ag−Pd(Ag:Pd=85:15(体積%))、Ag−Pd(Ag:Pd=90:10(体積%))、Ag−Au(Ag:Au=90:10(体積%))、又は、Ag−Au(Ag:Au=80:20(体積%))、抵抗体として、全てにAg−Pd(Ag:Pd=45:55(重量%))を用いて7種類の実施例1〜7のセラミック回路基板を作製した。併せて、比較例として、セラミック基材に低温焼成セラミックを用い、導体配線及びビアの電極用として、Ag、又は、Ag−Pd(Ag:Pd=80:20(重量%))、接合用導体として、用いない、Ag−Pd(Ag:Pd=65:35(体積%))、又は、Ag−Pd(Ag:Pd=90:10(体積%))、抵抗体として、実施例と同様に全てにAg−Pd(Ag:Pd=45:55(重量%))を用いた4種類の比較例1〜4のセラミック回路基板を作製した。そして、実施例と比較例についてカーケンダール効果による空孔の発生具合及びセラミック回路基板のコストを比較した。実施例1〜7、及び比較例1〜4の作製条件、空孔の発生具合、及びコストを表1に示す。
【0020】
【表1】

【0021】
実施例1〜7については、空孔の発生具合、及びコストとも良好であることが確認できた。但し、実施例6は、接合用導体が抵抗体の下側になるので、同時焼成すると空孔の発生があり、接合用導体と、抵抗体をそれぞれ個別に焼成する必要から、焼成コストの上昇となるが、コストアップの比率としては比較的少ない。また、実施例7は、Ag−Auからなる接合用導体のAuの比率が20体積%と高くなるので、材料コストの上昇となるが使用量が僅かであるので、コストアップの比率としては比較的少ない。比較例1〜4については、いずれも空孔の発生具合、コストに問題があることが確認された。特に、比較例4は、導体配線及びビアの電極用として、Ag−Pd系のPd比率の高いものを用いて空孔の発生を抑えることが可能であるが、使用量の多い電極用の導体ペーストのコストの上昇となり、コストアップの比率が大きくて、実施に移すのが困難である。
【0022】
【発明の効果】
請求項1及びこれに従属する請求項2又は3記載のセラミック回路基板は、抵抗体が低抵抗値を有するAg−Pd系で形成され、導体配線及びビアがAg系からなり、しかも、抵抗体と、導体配線及び/又はビアが接合部位で直接接する部分を有することなく、接合用導体を介して電気的に接続されているので、例えば、Ag−Pd系のPd比率の高い抵抗体と、Ag系のAg比率の高い導体配線及び/又はビアを接続するにおいても、接合用導体を介して接合することで、接合時の2種の金属原子の拡散速度の差を小さくでき、カーケンダール効果による空孔の発生を防止することができ、接合信頼性が高く、安価なセラミック回路基板を提供できる。
【0023】
特に、請求項2及びこれに従属する請求項4記載のセラミック回路基板は、抵抗体と、導体配線及び/又はビアがセラミック基材の同一表面上に離れて設けられており、しかも、接合部位が導体配線及び/又はビアの上面の一部と抵抗体の上面の一部に接合用導体で接合されて形成されているので、導体配線及び/又はビアと、抵抗体を直接接することなく確実に接続することができ、接合用導体が抵抗体の上面側にあることでカーケンダール効果による空孔の発生を確実に防止することができる。
【0024】
また、請求項3記載のセラミック回路基板は、接合部位が導体配線及び/又はビアの上面の一部に接合用導体を接合して形成されていると共に、接合用導体の上面の一部に抵抗体を接合して形成されているので、接合部位に空孔の発生を防止しながら、セラミック回路基板をコンパクトにすることができる。
【0025】
また、請求項4記載のセラミック回路基板は、抵抗体と接合用導体が同時焼成して形成されているので、接合用導体が抵抗体の上面側になる場合には、焼成を2度に分けて行う必要がなく、焼成コストの上昇を抑えることができる。
【0026】
請求項5記載の導体ペーストは、セラミック基材の表面に設けるAg系からなる導体配線及び/又はビアにAg−Pd系からなる抵抗体を接続して有するセラミック回路基板に用いられる導体配線及び/又はビアと抵抗体を接合するための導体ペーストであって、導体ペーストがAg−Pd系、Ag−Au系、又はAg−Pd−Au系の金属を含み、しかも、それぞれ系の金属中におけるPd比率、Au比率、又はPdとAuの合計比率が5〜25体積%からなるので、抵抗体と、接合用導体間、及び接合用導体と、導体配線及び/又はビア間の空孔の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るセラミック回路基板の斜視図、A−A’線縦断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同セラミック回路基板の変形例の説明図である。
【図3】(A)〜(C)はそれぞれ同セラミック回路基板の他の変形例の説明図である。
【図4】(A)〜(C)はそれぞれ従来のセラミック回路基板の説明図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c、10d、10e:セラミック回路基板、11:セラミック基材、12:ビア、13:導体配線、14:抵抗体、15、15a、15b、15c、15d、15e:接合部位、16:接合用導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック基材の表面に設ける導体配線及び/又はビアに接続される抵抗体を有するセラミック回路基板において、
前記抵抗体が低抵抗値を有するAg−Pd系で形成され、前記導体配線及びビアがAg系からなり、しかも、前記抵抗体と、前記導体配線及び/又はビアが接合部位で直接接する部分を有することなく、接合用導体を介して電気的に接続されていることを特徴とするセラミック回路基板。
【請求項2】
請求項1記載のセラミック回路基板において、前記抵抗体と、前記導体配線及び/又はビアが前記セラミック基材の同一表面上に離れて設けられており、しかも、前記接合部位が前記導体配線及び/又はビアの上面の一部と前記抵抗体の上面の一部に前記接合用導体で接合されて形成されていることを特徴とするセラミック回路基板。
【請求項3】
請求項1記載のセラミック回路基板において、前記接合部位が前記導体配線及び/又はビアの上面の一部に前記接合用導体を接合して形成されていると共に、該接合用導体の上面の一部に前記抵抗体を接合して形成されていることを特徴とするセラミック回路基板。
【請求項4】
請求項2記載のセラミック回路基板において、前記抵抗体と前記接合用導体が同時焼成して形成されていることを特徴とするセラミック回路基板。
【請求項5】
セラミック基材の表面に設けるAg系からなる導体配線及び/又はビアにAg−Pd系からなる抵抗体を接続して有するセラミック回路基板に用いられる前記導体配線及び/又はビアと前記抵抗体を接合するための導体ペーストであって、
前記導体ペーストがAg−Pd系、Ag−Au系、又はAg−Pd−Au系の金属を含み、しかも、それぞれ系の前記金属中におけるPd比率、Au比率、又はPdとAuの合計比率が5〜25体積%からなることを特徴とする導体ペースト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−190701(P2006−190701A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−48504(P2003−48504)
【出願日】平成15年2月26日(2003.2.26)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】