説明

セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤

【課題】セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤を提供する。
【解決手段】カバノキ科カバノキ属に属する植物、アカネ科カギカズラ属に属する植物、発酵茶葉由来成分及び/又はテアフラビン類をセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤とし、該活性阻害剤を外用剤に配合することで、肌荒れ予防、肌荒れ緩和及び/又は肌荒れ症状改善効果、色素沈着予防、色素沈着緩和及び/又は色素沈着改善効果、しわ形成予防、しわ形成緩和、及び/又はしわ改善等を可能ならしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤に関する。また、このセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤を皮膚外用剤中に配合することで、肌荒れ、色素沈着及び/又はしわ形成を抑制及び改善ならしめるものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、常に外界にさらされており、加齢とともにシワ、タルミ、くすみ、色素沈着などが生じる。その一因が、酸化的、心因性等のストレスにより誘起される炎症性因子の活性化によりもたらされるものであることが近年広く知られるようになった。例えば、老化、癌化、色素沈着、炎症等においては、その原因としてIL−1α、PGE2、TNF−α等の炎症性因子やコラゲナーゼ等の細胞外マトリクス分解酵素が深く関与しており、これらの炎症性因子の放出を抑制する有効成分についての研究がおこなわれている。
【0003】
セリンプロテアーゼは、活性部位にセリン残基のあるプロテアーゼであり、代表的なものに、トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、プラスミン、エステラーゼなどがある。高等動物の消化酵素の大部分がこれにあたるが、セリンプロテアーゼは消化器官以外に皮膚表皮細胞にも存在しており、皮膚の健康状態と密接に関係していることが知られている。
【0004】
例えば、皮膚角質層ではセリンプロテアーゼが細胞間接着蛋白質に作用し角層細胞の剥離に作用していること、また、セリンプロテアーゼの活性変化に起因する種々の皮膚疾患などが報告されていることから、セリンプロテアーゼの活性を適切に調整することが皮膚の健康を保ち、老化を防止するのに有効であるとされている。
【0005】
近年の研究では、セリンプロテアーゼを皮膚角質層に供給して、異常角化や角層ターンオーバーの異常をコントロールすることができる不活性単体固定化セリンプロテアーゼ(特許文献1)、皮膚の老化防止効果を有するセリンプロテアーゼ阻害剤(トリプシン及びエラスターゼなど)として、ヘチマとアマチャヅルの雑種細胞抽出物(特許文献2)、セリンプロテアーゼの一つであるエラスターゼの過剰発現を抑制することで、エラスチンの変性や破壊を防止し、皮膚の老化を防止するセージ属およびクワ属エキス(特許文献3)、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有するセリンプロテアーゼ(特にはプラスミン等の繊維素溶解系に関わるもの)活性阻害剤としてバラ科植物、カロフィラム・ブラジリエンセ、ミルキア・スファエロカルパ及びヒプティス・クレナタ(特許文献4、5)などが報告されている。
【0006】
一方、本発明者らが着目したセリンプロテアーゼHtrAは、哺乳類に存在するタンパク質であって、これまでに4種、すなわちHtrA1、HtrA2、HtrA3およびHtrA4が知られている。その中でもHtrA1及びHtrA2は皮膚表皮組織においても発現が認められる。
【0007】
セリンプロテアーゼHtrAについては近年、その生理的活性を明らかにする研究が進められており、TGF−βファミリータンパク質活性調節剤して肺繊維症や肝硬変などの疾患を防止するためのセリンプロテアーゼHtrAの利用(特許文献6)、セリンプロテアーゼHtrA3を利用したアポトーシス誘導剤(特許文献7)などが報告されている他、皮膚に適用することに関する特定のプロテアーゼ(特許文献8)が報告されているのみで、植物由来成分を有効成分とするHtrA1及びHtrA2の活性阻害剤についての研究はこれまでにない。
【0008】
なお、今回本発明者らが着目した植物エキスについては、エラスターゼ阻害剤として紅茶エキス、アセンヤク抽出物、シラカバ抽出物を利用しているものはあるが(特許文献9、〜11)、いずれもセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤ではない。
【特許文献1】特開平08−038175号公報
【特許文献2】特開平11−124325号公報
【特許文献3】特開平11−147834号公報
【特許文献4】特開2000−327555公報
【特許文献5】特開2001−240551公報
【特許文献6】特開2005−154399公報
【特許文献7】特開2004−248668公報
【特許文献8】特表2007−522150公報
【特許文献9】特開2006−104117公報
【特許文献10】特開平11−263720号公報
【特許文献11】特開平11−171758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2活性化と肌荒れ、色素沈着及び/又はしわ形成の関連性、及び、セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤について鋭意研究した結果、紅茶抽出物、アセンヤク抽出物、シラカバ抽出物及びテアフラビンはセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害作用が顕著に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、カバノキ科カバノキ属に属する植物、アカネ科カギカズラ属に属する植物、発酵茶葉由来成分及び/又はテアフラビン類から選ばれる1種または2種以上を有効成分とするセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤を配合することで、肌荒れ、色素沈着及び/又はしわ形成抑制及び改善効果を発揮する外用剤が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の構成を更に詳細に説明する。
【0014】
本発明に係わるセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤は、カバノキ科カバノキ属に属する植物、アカネ科カギカズラ属に属する植物、発酵茶葉由来成分及び/又はテアフラビン類から選ばれる1種または2種以上を有効成分とするものである。本発明に係わるセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤は、皮膚に適用することでその効果を発現することができる。
【0015】
本発明に係わるカバノキ科植物カバノキ属植物は、北半球の温帯から亜寒帯に約60種が分布している落葉の低木あるいは高木である。カバノキ科植物カバノキ属植物としてはダケカンバ(Betula ermanii)、ミズメ(Betula grossa)、ベツラレンタ(Betula lenta、北米東部に分布)、ウダイカンバ(Betula maximowcziana)、シラカバ(シラカンバともいう、Betula platyphylla Sukatchev var.japonica Hara)、ヨーロッパシラカバ(Betula alba L.)、ベツラペンデュラ(Betula pendula Roth、ヨーロッパからモンゴルにかけて分布)、等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明に係わるカバノキ科植物カバノキ属植物の種類は、特に限定されるものではないが、ヨーロッパシラカバ(Betula alba L.)及び/又はシラカバ(Betula platyphylla Sukatchev var.japonica Hara)が好ましい。カバノキ科植物カバノキ属植物の葉、芽、樹皮、樹液等には薬効があり、使用部位についても特に限定されるものではないが、ベチュラトリテルペノイド(ベツリン)、精油成分、タンニン等を含む樹皮が好ましい。
【0016】
本発明に係わるアカネ科カギカズラ属植物は、アジア、アフリカ、アメリカの熱帯、亜熱帯を中心に34種類が知られる、木本性のつる植物である。アカネ科カギカズラ属植物としてはカギカズラ(Uncaria rhynchophylla)、トウカギカズラ(Uncaria sinensis)、ガンビールノキ(Uncaria gambir Roxburgh)等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明に係わるアカネ科カギカズラ属植物の種類は、特に限定されるものではないが、ガンビールノキが好ましい。使用部位についても特に限定されるものではないが、アセンヤク(阿仙薬)として知られるガンビールノキ(Uncaria gambir Roxburgh)の葉及び若枝から得られた成分が好ましい。アセンヤクは、従来、収斂性止瀉薬、整腸薬として瀉痢、便血、尿血、血痢など、また口腔清涼剤の原料などにも用いられている生薬で、カテキン、タンニンを豊富含んでいる。
【0017】
本発明に係わる発酵茶葉は、ツバキ科ツバキ属植物であるチャ(Camellia sinensis (L.) O. Kuntze)を原料に製造される。製造方法等により大きく、不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(ウーロン茶、プーアル茶)、発酵茶(紅茶)に分けることができる。本発明で用いる発酵茶としては、いずれも特に限定されるものではないが、ウーロン茶、プーアル茶、紅茶等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの発酵茶のうち、特に好ましいものとしては、紅茶が挙げられる。紅茶には、その発酵過程において、カテキン類が酸化して生成されるテアフラビンが豊富に含まれる。
【0018】
上記植物及び発酵茶を抽出物として利用する場合、抽出溶媒は特に限定されないが、上記植物及び発酵茶を溶媒、たとえば水、低級アルコール、含水低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ブタノール等の極性溶媒またはクロロホルム、酢酸エチル、各種エーテル等あるいはこれらの混合物の有機溶媒で抽出して得た抽出物をそのまま、あるいは濃縮して用いるか、抽出物を吸着法、たとえばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したり、ポーラスポリマーのカラムに吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し濃縮した抽出物も使用できる。また、分配法、たとえばブタノールで抽出した抽出物等も使用できる。なお市販品としては、例えば、カバノキ科カバノキ属植物成分としては、丸善製薬社のシラカバ抽出液(ヨーロッパシラカバ樹皮エキス)、やインデナ社のPhytelene of Birch-leaves EN 219(ヨーロッパシラカバ葉エキス)、一丸アルコス社のBitch Extrct(シラカンバ樹皮エキス)等を、アカネ科カギカズラ属植物としては、丸善製薬社のアセンヤク抽出液、Uncaria-Extract(トウカギカズラ)一丸ファルコス社のファルコレックス アセンヤク、発酵茶葉由来成分としては、丸善製薬社の紅茶抽出液、ウーロン茶抽出液、甜茶抽出液、一丸ファルコス社の紅茶リキッド、池田糖化工業社の紅茶抽出液、紅茶エキスパウダー、ウーロン茶抽出液、ウーロン茶エキスパウダー等があるのでこれを利用してもよく、これらの市販品を前記方法で処理したものを利用することもできる。
【0019】
上記発酵茶葉には、茶ポリフェノールとして、テアフラビン類が含まれる。具体的には、テアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガレートB、テアフラビンジガレート、遊離型テアフラビンなどが含まれ、これらを単独もしくは組み合わせて用いることができる。また、上記の茶ポリフェノールは市販品として、商品名:ポリフェノン60(三井農林株式会社製、茶ポリフェノール含量60%以上)を利用することができるほか、例えば、特表2004−513176号公報に記載の製造方法等により製造することができる。
【0020】
上記セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤の外用剤への配合量は、用途、剤型、配合目的等によって異なり、特に限定されるものではないが、一般的には、セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤の原体として、外用剤中0.001〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10.0質量%である。
【0021】
本発明の外用剤には上記セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤に対して、更に他の成分と組み合わせることにより、その効果を相乗的に高めることができる。上記セリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤と組み合わせて使用される他の成分は、抗酸化剤、細胞賦活剤から選ばれるものであるが、具体的な成分としては、例えば、それぞれ以下に示すものが挙げられる。ここで以下に記載する「誘導体」には形成可能な塩が含まれる。
【0022】
抗酸化剤としては、ビタミンEおよびその誘導体(天然ビタミンE、dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェリル、ニコチン酸−dl−α−トコフェリル、リノール酸−dl−α−トコフェリル、レチノイン酸トコフェリル、コハク酸dl−α−トコフェロリル等のトコフェロールおよびその誘導体、トコトリエノール等)、ビタミンAおよびその誘導体(レチノール、パルミチン酸レチノール、リノール酸レチノール、酢酸レチノール、水添レチノール、レチナールおよびデヒドロレチナール等の誘導体)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン、ルテイン等)、ビタミンBおよびその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、チアミンリン酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、塩酸ピリドキシン、ジオクタン酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、トリヘキシルデカン酸ピリドキシン、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンCおよびその誘導体(ジパルミチン酸アスコルビルやテトラヘキシルデカ
ン酸アスコルビル等のアスコルビン酸アルキルエステル、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステル、3−O−セチルアスコルビン酸等のアスコルビン酸アルキルエーテル等)、ビタミンDおよびその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ビタミンK5、コエンザイムQ10、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアヤレチン、没食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トリルビグアナイド、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等のエリソルビン酸塩、ハイドロキノンおよびその誘導体、エラグ酸、SOD、エルゴチオネイン、グルタチオン、チオタウリン、ヒポタウリン等の還元性基を有するアミノ酸、マンニトールオイゲノール、イソオイゲノール、カテキン、ケルセチン、リグナン、タンニン等のポリフェノール類、ルチンおよびその誘導体、サポニン、イチョウエキス、クスノハコケモモエキス、リンゴエキス、チャエキス、ブドウエキス、チョウジエキス、エイジツエキス、トマトエキス、シソエキス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、メヤシャジツエキス、メリッサエキス、ローズマリーエキス等の植物抽出物、海藻抽出物、あるいは植物油中に含まれる天然型の抗酸化剤又はそれらから誘導される抗酸化剤、例えばフラボノイド類を含む甘草エキス、ゴマ油、ブドウ種子油、棉実油由来のセサミン、エピセサミン等、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0023】
これらの抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンEおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体が挙げられる。
【0024】
細胞賦活剤としては、前記のビタミンAおよびその誘導体、前記のカロチノイド、前記のビタミンBおよびその誘導体、前記のビタミンCおよびその誘導体、前記のビタミンEおよびその誘導体、ピロリドンカルボン酸、クエン酸、グリコール酸、酒石酸、乳酸等のα−ヒドロキシ酸、β−乳酸、サリチル酸等のβ−ヒドロキシ酸、α−又はγ−リノレン酸、サイクリックAMP、トウモロコシ種子エキス、エルゴチオネイン、ヒドロキシプロリンなどのアミノ酸、イチョウエキス、スギナエキス、ツボクサエキス、ダイズ発酵エキス、トマトエキス、トウキンセンカエキス、ニンジンエキス、ホップエキス、マツエキス、レモンエキス、ローズマリーエキス等の植物抽出物、海藻抽出物、酵母エキス等、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0025】
これらの細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、ビタミンBおよびその誘導体、クエン酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸、酵母エキスが挙げられる。
【0026】
本発明のセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤と、外用剤への抗酸化剤及び/又は細胞賦活剤の配合比は、その種類により相違するが、一般的には、その配合比が質量基準で100:1〜1:100であることが好ましく、10:1〜1:10がより好ましい。この範囲であると、より優れたセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害効果が発現し、かつ、優れた肌荒れ予防及び/又は肌荒れ緩和効果、色素沈着予防及び/又は色素沈着緩和効果を発揮することができる。
【0027】
本発明の外用剤にはHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤とともに、既存のPHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤、抗炎症剤、肌荒れ予防/改善剤、色素沈着予防/改善剤を配合することができる。これらの成分を併用することは、本効果の相乗効果をもたらし、本効果を損なうものではない。
【0028】
既存のセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害としては、ucf−101のようなプロテアーゼ阻害剤や、CREBL1(cAMP responsive element binding protein-like 1)、ATF6(activating transcription factor 6)、HNF−4α(hepatocyte nuclear factor 4α)、SHC3(src homology 2 domain containing transforming protein C3)等が挙げられる。
【0029】
既存の抗炎症剤としては、ステロイド系抗炎症剤(ヒドロコルチゾンなど)、非ステロイド系抗炎症剤(アスピリンなど)、消炎酵素剤(キモトリプシン)、ε−アミノカプロン酸及びその誘導体、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、グリチルレチン酸やグリチルリチン酸及びそれらの誘導体、コンドロイチン硫酸及びその誘導体、コンフリー、各種ポリフェノールなど、また、甘草エキス、アルニカエキス、オトギリソウエキス、カモミラエキス、ティーツリーオイル、シコンエキス、シソエキス、シラカバエキス、ソウハクヒエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、ニワトコエキス、モモ葉エキス、ヨモギエキスなどの植物エキス等が挙げられる。
【0030】
既存の肌荒れ予防/改善剤としては、保湿剤、細胞間脂質及びその類似体、ビタミン類などが挙げられる。保湿剤としては、グリセリン、ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール、トレハロース類、混合異性化糖、プルラン、マルトースなどの糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどの生態高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ベタイン、カモミラエキスなどの各種植物・海藻エキス等が、細胞間脂質及びその類似体としては、スフィンゴ脂質、セラミド、擬似セラミド、コレステロール及びその誘導体、リン脂質及びそれらの誘導体が、ビタミン類としては、ビタミンA群、ビタミンD群、ビタミンE群、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ビタミンC群、ニコチン酸アミド、ビタミンB6群及びそれらの誘導体が、トラネキサム酸及びその誘導体、カルニチン及びその誘導体などが挙げられる。
【0031】
既存の色素沈着予防/改善剤としては、前記のビタミンC及びその誘導体、アルキルグリセリルエーテル、アルブチン、イオウ、エラグ酸、カモミラエキス、コウジ酸、プラセンタエキス、ルシノール、リノール酸及びリノレン酸およびそれらの誘導体、亜鉛グリシン錯体、ニコチン酸アミド、トラネキサム酸およびその誘導体、ビタミンEフェルラ酸エステルなどが挙げられる。
【0032】
本発明の外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品等に配合される成分として流動パラフィンなどの炭化水素、植物油脂、ロウ類、合成エステル油、シリコーン系の油相成分、フッ素系の油相成分、高級アルコール類、脂肪酸類、増粘剤、紫外線吸収剤、粉体、顔料、色材、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、多価アルコール、糖、高分子化合物、生理活性成分、経皮吸収促進剤、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
【0033】
本発明に係る化粧料の剤型は任意であり、化粧水、ローション、乳液、クリーム、パック、軟膏、分散液、固形物、ムース等の任意の剤型をとることができる。また、用途としては、化粧料の外、皮膚外用剤、医薬用軟膏等に好適に使用できる。
【0034】
なお、本発明者らはすでに、紫外線照射によるHtrA1及びHtrA2の炎症性因子に及ぼす作用について、それらの阻害剤であるucf−101を作成した上で、検討したところ、紫外線によって誘導される炎症性因子群の産生を顕著に抑制することを確認している。つまりHtrA1及びHtrA2の活性化と表皮組織の炎症惹起の間には関連性があることが示唆されている。(The SID 67th Annual Meeting、poster 032, 2006、The SID 68th Annual Meeting、poster 820, 2007)
従って、本発明に係わるカバノキ科カバノキ属に属する植物、アカネ科カギカズラ属に属する植物、発酵茶葉由来成分及び/又はテアフラビン類を有効成分とするセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤を利用することで、紫外線誘導インターロイキン−1α(IL−1α)及び/又は紫外線誘導プロスタグランジンE2(PGE)などの炎症性因子産生を抑制することができる。さらに、カバノキ科カバノキ属、アカネ科カギカズラ属に属する植物、発酵茶葉由来成分及び/又はテアフラビン類を有効成分とするセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤を含む外用剤は、肌荒れ予防、肌荒れ緩和及び/又は肌荒れ症状改善効果、色素沈着予防、色素沈着緩和及び/又は色素沈着改善効果、しわ形成予防、しわ形成緩和及び/又はしわ改善効果を発揮する。
【実施例】
【0035】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらに限定されるものではない。
【0036】
[実施例1]
HtrA1およびHtrA2活性阻害作用を有する植物抽出物のスクリーニング
1.試験の概容
HtrA11およびHtrA12活性阻害作用を有する植物抽出物をスクリーニングした。
【0037】
2.実験方法
2−1.蛍光基質(D−casein−FITC)を用いた活性測定法(一次スクリーニング)
96wellプレートに、終濃度750ngのHtrA1およびHtrA2、表1に示す各植物抽出物およびbufferを添加した。氷上にて10分間インキュベート後、終濃度2.5μgのD−casein−FITCを添加し、37℃にて反応を開始した。反応開始後、5分間隔にて最大30分後までのFITC蛍光強度変化を蛍光プレートリーダーにて測定した。なお、各植物抽出物のうち、溶液タイプの植物抽出物は、凍結乾燥で得た固形分を用いて評価した。
【0038】
2−2.電気泳動法を用いた活性測定法(二次スクリーニング)
1.5mLエッペンドルフチューブに、終濃度500ngのHtrA1及びHtrA2、各植物抽出物およびbufferを添加した。氷上にて10分間インキュベート後、終濃度4μgのβ−caseinを添加し、37℃にて反応を開始した。30分反応後、直ちに氷上にて急冷して反応を停止させた。停止後の反応液に対しSDSサンプルbufferを添加し、100℃にて5分間ボイルした。反応液全量を12%SDS−PAGEにて展開し、クマシーブリリアントブルー染色にてβ−caseinの分解程度を分子量比較にて検出した。なお、各植物抽出物のうち、溶液タイプの植物抽出物は、凍結乾燥で得た固形分を用いて評価した。
【0039】
【表1】

【0040】
3.結果
二次スクリーニングの電気泳動法の結果を図1に示した。HtrA1およびHtrA2添加によるβ−caseinの減少およびβ−casein分解物の増加が認められたのに対し、紅茶抽出物、アセンヤク抽出物、ヨーロッパシラカバ樹皮抽出物およびテアフラビン添加によるβ−caseinの分解抑制およびβ−casein分解物の生成抑制が認められた。特に、ヨーロッパシラカバ樹皮抽出物およびテアフラビンではβ−casein分解物の生成がほとんど確認されなかったことから、その作用が顕著であることが示された。ウーロン茶エキスについてもわずかながらHtrA1およびHtrA2添加によるβ−caseinの減少およびβ−casein分解物の増加が認められた。
【0041】
[実施例2]
各植物抽出物の炎症性因子の産生抑制作用
1.試験の概容
炎症性因子の過剰放出は、シワ形成の要因の一つであることが広く知られている。そこで、UVBによって産生が増加する代表的な炎症性サイトカインであるIL−1αおよびPGEに対する、ヨーロッパシラカバ樹皮抽出物およびテアフラビンの抑制作用を評価した。
【0042】
2.実験方法
正常ヒト表皮細胞(クラボウ)はKG2培地(クラボウ)を用いて48穴マイクロプレートに4.0×10cells/wellの細胞密度にて播種した。24時間培養後、各試験試料を含有するKB2培地(クラボウ)にて2時間培養した。過剰な試験試料をHank‘s buffered solution(Ca2+, Mg2+無含有;HBS(−))にて洗浄した後、再度同bufferに置換し、東芝FL−SEランプを光源とするUVBを所定エネルギーにて細胞に照射した。コントロール細胞はアルミ箔にてカバーしUVBを遮蔽した。照射後、再度試験試料を含有するKB2培地に交換し、細胞を24時間培養した。
【0043】
培地中に放出されたIL−1αおよびPGEは、それぞれHuman IL-1α Quantikine(R) ELISA kit(R&D systems)及びProstaglandine E2 Express EIA kit(Cayman Chemical Company)用いて、添付のプロトコールに準拠して定量を実施した。また、同時に測定したタンパク量によって、IL−1αおよびPGE定量値を除することにより単位タンパク量あたりのIL−1αおよびPGE産生量を算出した。
【0044】
3.結果
結果を表2に示した。紅茶抽出物、アセンヤク抽出物、ヨーロッパシラカバ樹皮抽出物およびテアフラビン添加による、IL−1αおよびPGEの産生増加抑制が認められた。また、ヨーロッパシラカバ樹皮抽出物およびテアフラビンによる作用が特に顕著であった。
【0045】
【表2】

【0046】
[実施例3]
各植物抽出物配合製剤のシワ、荒れ肌改善作用および色素沈着抑制作用
1.試験の概容
特に作用が強かったヨーロッパシラカバ樹皮抽出物およびテアフラビンを配合した製剤のシワ改善作用、荒れ肌改善作用および色素沈着抑制作用を評価した。
【0047】
2.実験方法
2−1.被験者
各製剤につき、一群健常人男性30名。
【0048】
2−2.製剤使用方法および試験期間
各被験者は、プラセボ製剤および各植物抽出物1%を配合した試験製剤を、朝夕1日2回ずつ顔面頬および色素沈着誘導部位に使用した。頬における試験期間は8週間とし、使用前、4週間後および8週間後において各測定を実施した。一方、紫外線による色素沈着誘導部位における試験期間は3週間とし、使用前(色素沈着誘導前)、1週間、2週間および3週間後においてL*値を測定した。
【0049】
2−3.測定環境
各測定は、室温21℃±2℃、相対湿度50〜60%に保たれた部屋にて実施した。被験者はあらかじめ所定の洗顔料にて洗顔したのちタオルにて水分を払拭し、測定室にて15分間馴化した後、各測定を実施した。
【0050】
2−4.レプリカによるシワ解析
レプリカは、SILFLO(White:Davis Healthcare Services社)を用いて右目尻部から採取した。採取したレプリカは所定の方法によって固定平坦化し、斜光投影法によりシワ由来の陰影を抽出した。得られた陰影画像より、画像解析ソフトを用いてシワ面積率を求めた。シワ面積率の変化は0週目を100%とした相対値で示した。
【0051】
2−5.荒れ肌改善作用評価
被験部位の経皮水分蒸散量(TEWL)はサイクロン水分蒸散計AS−CT1(有限会社アサヒバイオメッド)を用いて測定した。TEWLの変化は、0週目を100%とした相対値で示した。
【0052】
2−6.色素沈着抑制作用評価
上腕内測部に対してソーラーシミュレーター(Multiport Solar UV Simulator Model 601, Solar Light Co., Inc.)を用いて1.5MEDの紫外線を曝露し、色素沈着を誘導した。色素沈着の色調は測色計(Color Reader CR-13, ミノルタ社)を用いた。色素沈着の程度はL*値を用い、紫外線非照射部位のL*値より紫外線照射部位におけるL*値を引いたΔL*値にて評価した。
【0053】
3.結果
3−1.シワ改善作用
結果を表3に示した。プラセボ使用群と比較して、シラカバ抽出物およびテアフラビン各1%配合製剤使用群におけるシワ面積率の減少が認められた。
【0054】
【表3】

【0055】
3−2.荒れ肌改善作用
結果を表4に示した。プラセボ使用群と比較して、シラカバ抽出物およびテアフラビン各1%配合製剤使用群におけるTEWLの抑制が認められた。
【0056】
【表4】

【0057】
3−3.色素沈着抑制作用
結果を表5に示した。プラセボ使用群と比較して、シラカバ抽出物およびテアフラビン各1%配合製剤使用群におけるΔL*値の減少が認められた。
【0058】
【表5】

【0059】
以下に、本発明のセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤を配合した皮膚外用剤の応用例を示す。配合量は質量%である。実施例4〜13は、いずれも肌荒れ予防、肌荒れ緩和及び/又は肌荒れ症状改善効果、色素沈着予防、色素沈着緩和及び/又は色素沈着改善効果、しわ形成予防、しわ形成緩和及び/又はしわ改善効果が認められた。
【0060】
[実施例4]
美容液
質量%
ヨーロッパシラカバ樹皮抽出物 0.1
スクワラン 1.0
べヘニルアルコール 4.0
ワセリン 3.0
流動パラフィン 15.0
モノラウリン酸デカグリセリル 1.0
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン
3.0
キサンタンガム 0.1
1,3−ブチレングリコール 10.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残部
(調製方法)
水中油型乳化組成物の製法の常法に従い調製した。
【0061】
[実施例5]
化粧水
質量%
シラカンバ樹皮抽出物 1.0
アセンヤク抽出物 1.0
ε−アミノカプロン酸 0.1
L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム
0.1
カモミラエキス 0.1
コンドルスクリスプスエキス 0.1
シソエキス 0.1
スクワラン 0.2
モノラウリン酸デカグリセリル 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
1,3−ブチレングリコール 3.0
エチルアルコール 10.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残部
(調製方法)
全ての成分を50℃で均一になるまで混合し、調製した。
【0062】
[実施例6]
クリーム2(エモリエントタイプ)
質量%
紅茶抽出物 0.05
ucf−101 0.0001
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 1.0
トリヘキシルデカン酸ピリドキシン 0.5
dl−α−トコフェロール 0.2
パルミチン酸レチノール 0.1
水添レチノール 0.1
スクワラン 10.0
ミリスチン酸イソセチル 6.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
マカデミアナッツ油 1.0
ジメチルポリシロキサン 0.2
セタノール 5.0
POE(20)セチルエーテル 1.0
テトラオレイン酸POE(40)ソルビット
0.5
モノステアリン酸グリセリル 1.0
水素添加大豆レシチン 0.2
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.4
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
水中油型乳化組成物の製造方法の常法に従い調製した。
【0063】
[実施例7]
美容オイル
(処方) 質量%
テアフラビン 0.001
ミリスチン酸イソセチル 10.0
ホホバ油 5.0
ブドウ種子油 1.0
天然ビタミンE 0.1
リノール酸レチノール 0.1
油溶性甘草エキス 0.1
スクワラン 残部
(調製方法)
全ての成分を50℃で均一になるまで混合し、調製した。
【0064】
[実施例8]
スキンローション
(処方) 質量%
トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル
0.1
POP(4)POE(20)セチルエーテル
0.6
プロピレングリコール 10.0
紅茶抽出物 0.5
ウーロン茶抽出物 0.5
プーアル茶抽出物 0.5
カギカズラ抽出物 0.5
グリチルレチン酸ジカリウム 0.2
ギガルチナステラータエキス 0.2
ブドウエキス 0.001
エルゴチオネイン 0.001
乳酸、グルコース、クエン酸、リンゴ酸、
チャエキスの混合物 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
水中油型乳化組成物の製造方法の常法に従い調製した。
【0065】
[実施例9]
乳液
(処方) 質量%
d−δ−トコフェロール 0.1
油溶性トマトエキス(リコピン1%含有) 0.01
スクワラン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
ジメチルポリシロキサン 0.5
パルミチン酸セチル 0.5
ベヘニルアルコール 1.5
ステアリン酸 0.5
セラミド2 0.1
キミルアルコール 0.1
親油型モノステアリン酸グリセリル
1.0
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン
1.0
テトラオレイン酸POE(40)ソルビタン
1.5
プロピレングリコール 7.0
ベツラペンデュラ抽出液 5.0
塩酸グルコサミン、海藻エキス、酵母エキス
および尿素の混合物 0.3
キサンタンガム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
水中油型乳化組成物の製造方法の常法に従い調製した。
【0066】
[実施例10]
クリーム3(油中水型エモリエントタイプ)
(処方) 質量%
アセンヤク抽出物 1.0
ε−アミノカプロン酸セチル 0.1
亜鉛グリシン錯体 0.1
ジメチコンコポリオール 0.5
デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル
15.0
ミツロウ 2.0
ペンタヒドロキシ酸デカグリセリル 2.0
イソステアリン酸 1.0
グリセリン 4.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
油中水型乳化組成物の乳化法の常法に従い、乳化組成物を調製した。
【0067】
[実施例11]
サンスクリーンクリーム
(処方) 質量%
ヨーロッパシラカバ葉抽出物 0.5
ヨーロッパシラカバ樹皮抽出物 0.5
トウカギカズラ抽出物 0.5
流動パラフィン 7.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0
セチルアルコール 4.0
縮合リシノール酸ヘキサグリセリル 0.5
POE(20)セチルエーテル 1.0
パラメトキシ桂皮酸オクチル 7.0
酸化チタン 3.0
セチル硫酸ナトリウム 1.0
ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.3
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.3
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.1
ツボクサエキス 0.1
スギナエキス 0.1
ローズマリーエキス 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
粉体相を油相中に添加した後、油中水型乳化組成物の乳化法の常法に従い、乳化組成物を調製した。
【0068】
[実施例12]
外用剤(軟膏製剤)
(処方) 質量%
シラカンバ樹皮抽出物 10.0
POE(30)セチルエーテル 2.0
モノステアリン酸グリセリル 10.0
流動パラフィン 10.0
白色ワセリン 5.0
セタノール 6.0
プロピレングリコール 10.0
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
軟膏組成物の製造方法の常法に従い、乳化組成物を調製した。
【0069】
[実施例13]
外用剤(乳剤)
(処方) 質量%
GPIカリウム塩 15.0
白色ワセリン 41.0
マイクロクリスタリンワックス 3.0
ラノリン 10.0
モノオレイン酸ソルビタン 4.75
モノオレイン酸POE(20)ソルビタン 0.25
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
乳剤組成物の製造方法の常法に従い、乳化組成物を調製した。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】電気泳動法を用いた活性測定法(二次スクリーニング)の結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバノキ科カバノキ属に属する植物、アカネ科カギカズラ属に属する植物、発酵茶葉由来成分及び/又はテアフラビン類から選ばれる1種または2種以上を有効成分とするセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤。
【請求項2】
前記カバノキ科カバノキ属に属する植物がヨーロッパシラカバ及び/又はシラカバであり、アカネ科カギカズラ属に属する植物がガンビールノキであり、発酵茶葉が紅茶であることを特徴とする請求項1に記載のセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤。
【請求項3】
更に、抗酸化剤、細胞賦活剤よりなる群から選択された薬効剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のセリンプロテアーゼHtrA1及び/又はHtrA2の活性阻害剤。

【図1】
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【公開番号】特開2010−143893(P2010−143893A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325873(P2008−325873)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000226437)日光ケミカルズ株式会社 (60)
【出願人】(301068114)株式会社コスモステクニカルセンター (57)
【出願人】(508375228)バイオモレキュラー サイエンス センター,ザ ユニバーシティー オブ セントラル フロリダ (1)
【Fターム(参考)】