説明

ソースドライバ、ソースドライバの製造方法、および液晶モジュール

【課題】放熱量を増加させることができるソースドライバおよび液晶モジュールを提供する。
【解決手段】フィルム基材107の表面に、外部と接続可能な端子が複数設けられた半導体チップ105が実装され、半導体チップ105の入力端子と接続される配線が形成されている入力端子配線領域101、および半導体チップ105の出力端子と接続される配線が形成されている出力端子配線領域102が設けられてなるフィルム実装型のソースドライバ100において、フィルム基材107の両端に、連続した穴106と表面に銅箔とが形成されてなるスプロケット部103を有し、入力端子配線領域101および出力端子配線領域102は、スプロケット部103が設けられていない側に向かって互いに逆向きに設けられており、半導体チップ105の端子のうち入力端子および出力端子以外の端子とスプロケット部103の銅箔とを接続する熱伝導パターン104が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム実装型のソースドライバ、および、そのソースドライバを備える液晶モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルなどに搭載される液晶ドライバには、絶縁フィルム上に配線パターンが形成され半導体チップが実装された形態であるTCP(Tape Carrier Package)やCOF(Chip on Film)などのパッケージが広く使用されている。液晶ドライバには、液晶パネル内の画素領域に構成されるトランジスタの、ソース電極に信号を供給するためのソースドライバ、およびゲート電極に信号を供給するためのゲートドライバがある。
【0003】
図7は、従来の液晶モジュール500の概略構成を示す図である。
【0004】
従来の液晶モジュール500は、図7に示すように、液晶パネル501、ゲートドライバ502、ソースドライバ503、および入力基板504を備えている。液晶パネル501には、4辺のうち1辺もしくは2辺にソースドライバ503が複数個設けられ、ソースドライバ503が設けられる辺に対して垂直な1辺もしくは2辺に、ゲートドライバ502が複数個設けられている。入力基板504は、ソースドライバ503における液晶パネル501側と対向する側に設けられている。
【0005】
上記の構成において、入力基板504に形成された配線から駆動信号および電源が、ゲートドライバ502およびソースドライバ503に供給されることによって、液晶パネル501は駆動される。つまり、液晶モジュール500では、ゲートドライバ502への駆動信号および電源は、入力基板504からソースドライバ503および液晶パネル501を介して供給されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
図8に、従来のソースドライバ503の構成を示す。
【0007】
従来のソースドライバ503は、半導体チップ514の入力端子への配線が形成されている入力端子配線領域511、半導体チップ514の出力端子への配線が形成されている出力端子配線領域512、および2つのスルー配線領域513の計4つの領域に区分される領域を有し、半導体チップ514が実装されている。
【0008】
また、ソースドライバ503は、図9に示すような、連続した穴が加工されたスプロケット部515を両端に有する長尺テープの形態で一連の製造工程が行われ、終了後、ソースドライバ503となる部分が打ち抜きにより個片化されて作製される。スプロケット部515は、テープの送り出し/巻き取りなどの搬送用に用いられる部分である。長尺テープの形態のうち、ユーザが使用する領域はソースドライバ503となる部分のみで、スプロケット部515などの残存した部分は廃棄される。
【0009】
ソースドライバ503は、図10に示すように、出力端子配線領域512が液晶パネル501側になるように固着される。そして、入力端子配線領域511の配線が、半導体チップ514の入力端子と入力基板504の配線とを接続し、出力端子配線領域512の配線が、半導体チップ514の出力端子と液晶パネル501の配線とを接続する。
【0010】
スルー配線領域513には、ゲートドライバ502への信号および電源を供給するための配線が形成されている。ゲートドライバ502は、入力基板504から、ソースドライバ503のスルー配線領域513を通って供給される(矢印X)信号により駆動される。つまり、ソースドライバ503のスルー配線領域513の機能は、ゲートドライバ502へ駆動信号および電源を供給することである。
【0011】
なお、図7に示すように、1つの液晶パネル501に対しソースドライバ503は複数個設けられているにも拘らず、スルー配線領域513を機能として使用しているものは、液晶パネル501の両端に搭載されたソースドライバ503のみである。他のソースドライバ503のスルー配線領域513は使用されていない。例えば、図10を参照すると、ソースドライバ503aの左端側のスルー配線領域513は使用されているが、ソースドライバ503aの右端側のスルー配線領域513およびソースドライバ503bのスルー配線領域513は使用されていない。
【0012】
また、ソースドライバ503では、半導体チップ514から生じた熱は、チップ自身からの放熱に加え、入力端子配線領域511に形成された配線自身からの放熱および該配線を介して入力基板504側に逃がしたり、出力端子配線領域512に形成された配線自身からの放熱および該配線を介して液晶パネル501側に逃がしたりしている。
【特許文献1】特開2002−116451号公報(平成14年4月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、近年、TVの高機能化および多出力化に伴って、ソースドライバ503に実装されている半導体チップ514の発熱が増大し、半導体チップ514の発熱が以前に増して問題となっている。それゆえ、さらなる放熱対策を施したソースドライバが望まれている。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、放熱量を増加させることができるソースドライバ、およびそのソースドライバを備える液晶モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のソースドライバは、上記課題を解決するために、外部と接続可能な端子が複数設けられた半導体チップがフィルム基材の表面に実装され、上記半導体チップの端子のうち、電気信号を入力する端子と接続される第1の配線、および電気信号を出力する端子と接続される第2の配線が、上記フィルム基材の表面にそれぞれ形成されてなるフィルム実装型のソースドライバにおいて、上記フィルム基材の両端に、連続した穴と該フィルム基材の表面に金属部とが形成されてなるスプロケット部を有し、上記第1の配線は、上記半導体チップの端子と接続されない端部が、上記スプロケット部が設けられていない1端側に向かって形成され、かつ、上記第2の配線は、上記半導体チップの端子と接続されない端部が、上記第1の配線の端部が形成されている1端側と対向する1端側に向かって形成されており、上記半導体チップの端子のうち上記第1の配線および第2の配線に接続されない端子と、上記スプロケット部の金属部とを接続する第3の配線が、上記フィルム基材の表面に形成されていることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、半導体チップの端子のうち第1の配線および第2の配線に接続されない端子と、スプロケット部の金属部とを接続する第3の配線が、フィルム基材の表面に形成されていることにより、半導体チップに生じた熱を、第3の配線自身から放熱したり、第3の配線を介してスプロケット部にも逃がすことが可能となる。よって、放熱量を増加させることが可能となる。
【0017】
また、従来では、スプロケット部は、例えば、連続した穴にギアを噛ませて、製造工程におけるソースドライバを送り出したり巻き取ったりするために利用されるだけのものであり、ソースドライバを打ち抜いた後は廃棄されていた。さらに、ソースドライバには、液晶パネルに取り付けた際に、ゲートドライバへ駆動信号を供給するための配線が形成されていた。
【0018】
これに対し、上記の構成によれば、スプロケット部の金属部を第3の配線と接続させて、スプロケット部を熱を逃がす部分として利用している。つまりは、スプロケット部を切り出さずにそのまま残している。このとき、従来形成されていた配線を形成せずに、スプロケット部を配線がなくなった分内側に形成させることが可能となる。これにより、ソースドライバの幅を小さくすることが可能となり、併せて材料のコストダウンを図ることも可能となる。または、スプロケット部を配線がなくなった分内側に形成させずに、第1の配線および第2の配線をラフピッチにすることも可能である。
【0019】
本発明のソースドライバは、上記スプロケット部は、上記フィルム基材の表面に積層された、銅またはステンレス鋼からなる放熱体により形成されていることが好ましい。これにより、第3の配線自身からの放熱に加え、第3の配線を介して伝導してきた熱が、スプロケット部から効率良く放熱されるので、放熱量を増大させることが可能となる。
【0020】
本発明のソースドライバは、上記第3の配線は、上記第1の配線のうち両端の第1の配線と上記第2の配線のうち両端の第2の配線とで挟まれる領域の全面にわたって、上記両端の第1の配線および両端の第2の配線と電気的に絶縁されるように形成されていることが好ましい。これにより、半導体チップに生じた熱の放熱面積および熱伝導面積が増えるので、放熱量を増大させることが可能となる。また、本発明のソースドライバは、上記スプロケット部の金属部と上記第3の配線は、一体形成されていることが望ましい。
【0021】
本発明のソースドライバは、上記第1の配線のうち両端の第1の配線における上記半導体チップの端子に接続される部分の形成方向と、上記第2の配線のうち両端の第2の配線における上記半導体チップの端子に接続される部分の形成方向とは、略垂直であることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、両端の第1の配線と両端の第2の配線とで挟まれる領域を広くなるので、放熱パターンの形成により、半導体チップに生じた熱の逃げ口を広くすることが可能となる。よって、効率良く放熱させることが可能となる。
【0023】
本発明のソースドライバは、上記半導体チップの上側の表面に取り付けられる、吊りリードを有する金属板を備え、上記吊りリードは上記第3の配線と接続されていることが好ましい。これにより、半導体チップの上側の表面からも熱を効率良く逃がすことが可能となる。よって、放熱量を増大させることが可能となる。
【0024】
本発明のソースドライバは、幅方向の両端に上記スプロケット部が位置する長尺テープ状の形態で作製された後、幅方向に切断されて個々に分離されていることが好ましい。これにより、ソースドライバは幅方向に切断されて個々に分離されているのみであるため、個片化する金型が安価となる。
【0025】
本発明のソースドライバの製造方法は、外部と接続可能な端子が複数設けられた半導体チップがフィルム基材の表面に実装され、上記半導体チップの端子のうち、電気信号を入力する端子と接続される第1の配線、および電気信号を出力する端子と接続される第2の配線が、上記フィルム基材の表面にそれぞれ形成されてなるフィルム実装型のソースドライバの製造方法において、長尺テープ状のフィルム基材の表面に、上記半導体チップの端子と接続されない端部が一方の長尺方向に向かうような上記第1の配線、上記半導体チップの端子と接続されない端部が他方の長尺方向に向かうような上記第2の配線、該表面の両端に位置する金属部、および、上記半導体チップの端子のうち上記第1の配線および第2の配線に接続されない端子と上記金属部とを接続する第3の配線を、同時に連続して形成する第1のステップと、上記第1の配線および第2の配線に接続するように上記半導体チップを連続して実装する第2のステップと、上記フィルム基材を幅方向に切断して、上記ソースドライバを個々に分離する第3のステップとを含むことを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、半導体チップの端子のうち第1の配線および第2の配線に接続されない端子と金属部とを接続する第3の配線を、フィルム基材の表面に形成することにより、半導体チップに生じた熱を、第3の配線自身から放熱したり、第3の配線を介して金属部にも逃がすことが可能となる。よって、放熱量を増加させることが可能となる。
【0027】
また、従来では、フィルム基材の両端に位置する金属部が形成される部分は、例えば、スプロケット部として利用されていた。スプロケット部は、連続した穴にギアを噛ませて、製造工程におけるソースドライバを送り出したり巻き取ったりするために利用されるだけのものであり、ソースドライバを打ち抜いた後は廃棄されていた。さらに、ソースドライバには、液晶パネルに取り付けた際に、ゲートドライバへ駆動信号を供給するための配線が形成されていた。
【0028】
これに対し、上記の構成によれば、フィルム基材に連続して形成されたソースドライバを、フィルム基材を幅方向に切断して個々に分離しているので、金属部を切り出さずにそのまま残している。そして、金属部を第3の配線と接続させて、熱を逃がす部分として利用している。よって、従来形成されていた配線を形成せずに、金属部を配線がなくなった分内側に形成することが可能となる。これにより、ソースドライバの幅を小さくすることが可能となり、併せて材料のコストダウンを図ることも可能となる。または、金属部を配線がなくなった分内側に形成させずに、第1の配線および第2の配線をラフピッチにすることも可能である。
【0029】
本発明のソースドライバの製造方法は、上記半導体チップには、吊りリードを有する金属板が一方の表面に取り付けられており、上記第2のステップでは、上記半導体チップを、上記金属板が取り付けられている側が上側になるように実装した後、上記吊りリードを上記第3の配線に接続することが好ましい。これにより、半導体チップの上側の表面からも熱を効率良く逃がすことが可能となる。よって、放熱量を増大させることが可能となる。
【0030】
本発明の液晶モジュールは、液晶パネルと、上記液晶パネルの4側辺のうち1側辺または対向する2側辺に複数設けられる上記ソースドライバと、上記液晶パネルの4側辺のうち、上記ソースドライバが設けられる側辺に対して垂直な側辺に複数設けられるゲートドライバと、上記ソースドライバに接続される基板と、上記ゲートドライバが設けられている側辺側の、上記ソースドライバが設けられている側辺の端に配置され、上記液晶パネルと上記基板とを接続する配線テープとを備えていることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、ソースドライバの半導体チップに生じた熱を、第3の配線およびスプロケット部を介して、液晶パネルおよび入力基板に逃がすことが可能となる。よって、放熱性に優れた液晶モジュールを実現することが可能となる。
【0032】
また、従来では、ソースドライバに形成された配線を介して、基板からの駆動信号をゲートドライバに供給していたが、上記の構成によれば、配線テープにより基板からの駆動信号をゲートドライバに供給することが可能となる。よって、ソースドライバに、ゲートドライバへ駆動信号を供給するための配線が形成されていなくとも影響は受けない。また、配線テープという部品数は増えているが、ソースドライバのコストダウン分などを合わせると、トータルとしてコストダウンが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明のソースドライバは、外部と接続可能な端子が複数設けられた半導体チップがフィルム基材の表面に実装され、上記半導体チップの端子のうち、電気信号を入力する端子と接続される第1の配線、および電気信号を出力する端子と接続される第2の配線が、上記フィルム基材の表面にそれぞれ形成されてなるフィルム実装型のソースドライバにおいて、上記フィルム基材の両端に、連続した穴と該フィルム基材の表面に金属部とが形成されてなるスプロケット部を有し、上記第1の配線は、上記半導体チップの端子と接続されない端部が、上記スプロケット部が設けられていない1端側に向かって形成され、かつ、上記第2の配線は、上記半導体チップの端子と接続されない端部が、上記第1の配線の端部が形成されている1端側と対向する1端側に向かって形成されており、上記半導体チップの端子のうち上記第1の配線および第2の配線に接続されない端子と、上記スプロケット部の金属部とを接続する第3の配線が、上記フィルム基材の表面に形成されている、という構成である。
【0034】
それゆえ、半導体チップの端子のうち第1の配線および第2の配線に接続されない端子と、スプロケット部の金属部とを接続する第3の配線が、フィルム基材の表面に形成されていることにより、半導体チップに生じた熱を、第3の配線自身から放熱したり、第3の配線を介してスプロケット部にも逃がすことができる。よって、放熱量を増加させることができるソースドライバを実現するという効果を奏する。
【0035】
また、スプロケット部の金属部を第3の配線と接続させて、スプロケット部を熱を逃がす部分として利用している。つまりは、従来廃棄されていたスプロケット部を切り出さずにそのまま残している。このとき、従来形成されていた配線を形成せずに、スプロケット部を配線がなくなった分内側に形成させることが可能となっている。これにより、ソースドライバの幅を小さくすることができ、併せて材料のコストダウンを図ることもできるという効果を奏する。または、スプロケット部を配線がなくなった分内側に形成させずに、第1の配線および第2の配線をラフピッチにすることもできる。
【0036】
また、本発明のソースドライバの製造方法は、外部と接続可能な端子が複数設けられた半導体チップがフィルム基材の表面に実装され、上記半導体チップの端子のうち、電気信号を入力する端子と接続される第1の配線、および電気信号を出力する端子と接続される第2の配線が、上記フィルム基材の表面にそれぞれ形成されてなるフィルム実装型のソースドライバの製造方法において、長尺テープ状のフィルム基材の表面に、上記半導体チップの端子と接続されない端部が一方の長尺方向に向かうような上記第1の配線、上記半導体チップの端子と接続されない端部が他方の長尺方向に向かうような上記第2の配線、該表面の両端に位置する金属部、および、上記半導体チップの端子のうち上記第1の配線および第2の配線に接続されない端子と上記金属部とを接続する第3の配線を、同時に連続して形成する第1のステップと、上記第1の配線および第2の配線に接続するように上記半導体チップを連続して実装する第2のステップと、上記フィルム基材を幅方向に切断して、上記ソースドライバを個々に分離する第3のステップとを含む、という方法である。
【0037】
それゆえ、半導体チップの端子のうち第1の配線および第2の配線に接続されない端子と金属部とを接続する第3の配線を、フィルム基材の表面に形成することにより、半導体チップに生じた熱を、第3の配線自身から放熱したり、第3の配線を介して金属部にも逃がすことができる。よって、放熱量を増加させることができるソースドライバを実現するという効果を奏する。
【0038】
また、フィルム基材に連続して形成されたソースドライバを、フィルム基材を幅方向に切断して個々に分離しているので、例えばスプロケット部として利用される金属部を切り出さずにそのまま残している。そして、金属部を第3の配線と接続させて、熱を逃がす部分として利用している。よって、従来形成されていた配線を形成せずに、金属部を配線がなくなった分内側に形成することができる。これにより、ソースドライバの幅を小さくすることができ、併せて材料のコストダウンを図ることもできるという効果を奏する。または、金属部を配線がなくなった分内側に形成させずに、第1の配線および第2の配線をラフピッチにすることもできる。
【0039】
本発明の液晶モジュールは、液晶パネルと、上記液晶パネルの4側辺のうち1側辺または対向する2側辺に複数設けられる上記ソースドライバと、上記液晶パネルの4側辺のうち、上記ソースドライバが設けられる側辺に対して垂直な側辺に複数設けられるゲートドライバと、上記ソースドライバに接続される基板と、上記ゲートドライバが設けられている側辺側の、上記ソースドライバが設けられている側辺の端に配置され、上記液晶パネルと上記基板とを接続する配線テープとを備えている、という構成である。
【0040】
それゆえ、ソースドライバの半導体チップに生じた熱を、第3の配線およびスプロケット部を介して、液晶パネルおよび入力基板に逃がすことができる。よって、放熱性に優れた液晶モジュールを実現することができるという効果を奏する。
【0041】
また、従来では、ソースドライバに形成された配線を介して、基板からの駆動信号をゲートドライバに供給していたが、本発明によれば、配線テープにより基板からの駆動信号をゲートドライバに供給することができる。よって、ソースドライバに、ゲートドライバへ駆動信号を供給するための配線が形成されていなくとも影響は受けない。また、配線テープという部品数は増えているが、ソースドライバのコストダウン分などを合わせると、トータルとしてコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
〔実施の形態1〕
(ソースドライバの構成)
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0043】
図1は、本実施の形態のソースドライバ100の一構成例を示す図である。
【0044】
本実施の形態のソースドライバ100は、図1に示すように、ベースとなるフィルム基材107上に、入力端子配線領域101、出力端子配線領域102、および2つの熱伝導パターン104(第3の配線)が形成されるとともに、半導体チップ105が実装されており、フィルム基材107の両端に2つのスプロケット部103を有している。つまり、ソースドライバ100はフィルム実装型の半導体装置である。
【0045】
入力端子配線領域101は、半導体チップ105の入力端子に接続される配線(第1の配線)(図示せず)が形成されている領域である。入力端子配線領域101は、半導体チップ105の実装面に垂直な方向から見たとき、半導体チップ105の4側面のうち1側面から、スプロケット部103が設けられていない端辺(図中上側)に向かって広がるような形状となっている。
【0046】
出力端子配線領域102は、半導体チップ105の出力端子に接続される配線(第2の配線)(図示せず)が形成されている領域である。出力端子配線領域102は、半導体チップ105の実装面に垂直な方向から見たとき、半導体チップ105の4側面のうち入力端子配線領域101が設けられている箇所以外の箇所から、スプロケット部103が設けられていない端辺(図中下側)に向かって広がるような形状となっている。
【0047】
スプロケット部103は、ソースドライバ100の両端に設けられている。スプロケット部103は、ソースドライバ100が個片化される前の長尺テープの形態のときに、連続して設けられた穴106にギアを噛ませて、テープを送り出したり巻き上げたりするための搬送に使用される部分である。この動作は、例えば、配線を形成する工程、半導体チップやその他チップコンデンサなどを実装するアセンブリ工程、および、ソースドライバを分離する工程などで行われる。スプロケット部103は、上記動作に耐えうる強度を確保するために、フィルム基材107上に銅箔(金属部)が形成されている。
【0048】
熱伝導パターン104は、半導体チップ105の突起端子と、スプロケット部103の銅箔とを接続するように形成された配線である。熱伝導パターン104は、入力端子配線領域101と出力端子配線領域102との間を、両領域と絶縁されながら形成されている。
【0049】
半導体チップ105は、実装面に、外部と接続可能な複数の突起端子(金属バンプ)が形成されている。この突起端子は、金などの金属からなり、信号を入出力するための入力端子および出力端子と、信号の入出力を行わない熱を逃がすためだけの物理的な端子とがある。この端子のうち、入力端子が入力端子配線領域101の配線に接続され、出力端子が出力端子配線領域102の配線に接続される。そして、上記物理的な端子が熱伝導パターン104に接続される。なお、半導体チップ105は、例えば、720本程度の出力を有している。
【0050】
上記の構成を有するソースドライバ100では、半導体チップ105から生じた熱は、チップ自身からの放熱に加え、入力端子配線領域101に形成された配線自身からの放熱および該配線から逃がしたり、出力端子配線領域102に形成された配線自身からの放熱および該配線から逃がしたりするとともに、さらに、熱伝導パターン104自身からの放熱、および、熱伝導パターン104を介して、スプロケット部103から逃がすことが可能となっている。よって、放熱量を増加させることが可能となる。
【0051】
また、従来のソースドライバ503では、スプロケット部515は搬送用として利用されるだけのものであり、ソースドライバ503を打ち抜いた後は廃棄されていた。そして、ゲートドライバへの駆動信号供給用の配線を設けるために、液晶パネルの両端側に配置されたソースドライバ503のものしか使用されない、スルー配線領域513を形成していた。
【0052】
これに対し、本実施の形態のソースドライバ100では、切り出さずにそのまま残しているスプロケット部103の銅箔を、熱伝導パターン104と接続させて熱を逃がす部分として利用している。そして、従来のソースドライバ503に形成されていたスルー配線領域513を形成せずに、搬送用として利用されるスプロケット部103をスルー配線領域513がなくなった分内側に形成している。これにより、ソースドライバ100の幅を小さくすることが可能となり、併せて材料のコストダウンを図ることも可能となる。例えば、従来のソースドライバ503の幅は48mmであったが、本実施の形態のソースドライバ100の幅は35mmとなる。
【0053】
なお、スルー配線領域513を形成しない分、逆に、幅を維持したままで、入力端子配線領域101および出力端子配線領域102を広くとって、配線をラフピッチにすることも可能である。
【0054】
また、入力端子配線領域101および出力端子配線領域102として必要な領域は、半導体チップ105が実装される位置、および半導体チップ105の突起端子のレイアウト(バンプレイアウト)により決まってくる。これにより、半導体チップ105のバンプレイアウトを突起端子の数を維持したまま整理することにより、入力端子配線領域101と出力端子配線領域102との間の領域を広くして、熱伝導パターン104をできる限り大きく確保することが放熱性の面から望ましい。これにより、半導体チップ105に生じた熱の放熱面積および熱伝導面積が増えるので、放熱量を増大させることが可能となる。
【0055】
図2に、半導体チップ105の出力端子側のバンプレイアウトを整理したときの、ソースドライバ110の一構成例を示す。
【0056】
図2に示すソースドライバ110は、図1に示したソースドライバ100と比べて、出力端子配線領域112が半導体チップ105の4側面のうち3側面から広がるように形成されている。詳細には、入力端子配線領域101の両端の配線が半導体チップ105に入射する方向(入力端子配線領域101の両端の配線が半導体チップ105の入力端子に接続される部分の形成方向)と、出力端子配線領域112の両端の配線が半導体チップ105に入射する方向(出力端子配線領域112の両端の配線が半導体チップ105の出力端子に接続される部分の形成方向)とが、略垂直となっている。
【0057】
また、熱伝導パターン114が、入力端子配線領域101と出力端子配線領域112との間を、両領域と絶縁されながらできる限り太く形成されている。これにより、半導体チップ105に生じた熱の逃げ口が広くなるので、熱伝導パターン114を介して熱を逃げ易くすることが可能となる。よって、効率良く放熱させることが可能となる。なお、熱伝導パターン114とスプロケット部103の銅箔とを一体化して形成してもよい。
【0058】
(ソースドライバの製造方法)
次に、本実施の形態のソースドライバ100の製造方法について説明する。
【0059】
図3(a)〜(e)は、本実施の形態のソースドライバ100の製造フローを示す図である。なお、ソースドライバ100はリールtoリール方式により製造される。
【0060】
まず、図3(a)に示すように、ソースドライバ100の土台となる、長尺テープ状のフィルム基材107を準備する。そして、フィルム基材107の幅方向の両端に、長尺方向に連続して配置する穴106を形成する。なお、フィルム基材107は、ポリイミドなどの有機樹脂材料からなる絶縁性のものである。
【0061】
続いて、図3(b)に示すように、入力端子配線領域101の配線、出力端子配線領域102の配線、スプロケット部103の銅箔、および、熱伝導パターン104を形成する。詳細には、フィルム基材107の一方の表面に、銅メッキを施した後、レジスト、露光、現像工程を実施し、エッチングにて各部分をパターンニングする。そして、残った銅の上に錫メッキを施すことによって、各部分を形成する。これにより、各部分を一度で同時に形成することが可能となる。また、これらの形成部分は、ソースドライバ100として形成するパターン毎に、長尺方向に繰り返し(連続して)形成する。
【0062】
なお、入力端子配線領域101の配線および出力端子配線領域102の配線は、半導体チップ105と接続されない側の端部が、互いに逆の長尺方向に向かって位置するように形成する。また、入力端子配線領域101の配線、出力端子配線領域102の配線、および熱伝導パターン104には、ユーザが接合部分として使用するアウターリードおよび半導体チップを実装するインナーリード以外の部分をソルダレジストで被覆する。
【0063】
続いて、図3(c)に示すように、半導体チップ105をパターン毎に連続して実装する。詳細には、フィルム基材107上において、半導体チップ105の突起端子と錫メッキされた配線とを熱と圧力よって圧着し、金と錫とに共晶を作らせることにより接合する。これにより、半導体チップ105が、フィルム基材107上に固着される。一般的に、この半導体素子を接合する工程は、インナーリードボンディング(ILB:Inner Lead Bonding)と呼ばれている。ILB後は、半導体チップとテープ基材の隙間に、無溶剤タイプのエポキシ樹脂であるアンダーフィル材を充填した後、キュアを行いアンダーフィル樹脂を硬化させる。
【0064】
続いて、図3(d)に示すように、切断面Pに沿って、フィルム基材107を一直線に切断する。切断面Pは、連続して形成されたソースドライバに影響を与えず切断するように、フィルム基材107の幅方向に設定されている。これにより、図3(e)に示すように、個片化されたソースドライバ100が作製され得る。ソースドライバ100は略長方形の形状をなす。
【0065】
従来では、図9に示したように、ソースドライバ503は、金型によって打ち抜かれ個片化されていたが、本実施の形態のソースドライバ100は、金型による打ち抜きではなく一直線に切断されて個片化されている。これにより、ソースドライバ100は一定の方向に切断されるだけで作製されているので、安価な個片化金型を使用することができる。また、ソースドライバ100には、従来では廃棄されていたスプロケット部103が製品に残っているが、スプロケット部103を放熱部として利用している。
【0066】
また、上記では、入力端子配線領域101の配線、出力端子配線領域102の配線、スプロケット部103の銅箔、および、熱伝導パターン104を一度に同時に形成したが、スプロケット部103の銅箔を別に形成してもよい。つまりは、入力端子配線領域101の配線、出力端子配線領域102の配線、および、熱伝導パターン104の形成前または形成後に、フィルム基材107の表面にステンレス鋼(SUS)などの金属を積層することにより、スプロケット部103を放熱体とする。これにより、熱伝導パターン104を介して伝導してきた熱が、スプロケット部103から効率良く放熱されるので、放熱量を増大させることが可能となる。
【0067】
なお、これにより作製するソースドライバ100は、TCP、COF、およびSOF(System on Film)の何れにも適用することが可能である。
【0068】
また、上述したソースドライバ100の製造方法では、図3(a)から図3(b)に示したように、フィルム基材107に穴106を加工した後、入力端子配線領域101の配線、出力端子配線領域102の配線、スプロケット部103の銅箔、および、熱伝導パターン104をパターン形成しているが、これに限るものではない。つまり、入力端子配線領域101の配線、出力端子配線領域102の配線、スプロケット部103の銅箔、および、熱伝導パターン104をパターン形成した後に、穴106を加工してもよい。
【0069】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
図4は、本実施の形態のソースドライバ200の一構成例を示す側面断面図である。
【0071】
本実施の形態のソースドライバ200は、前記実施の形態1のソースドライバ100の構成に加えて、図4に示すように、半導体チップ105の上側の表面に接着材203により貼付された、吊りリード202を有する放熱体201を備えている。
【0072】
放熱体201は、板状の金属板(ヒートスプレッダー)であり、価格および熱伝導性に応じて様々な種類の金属から決定することができる。放熱体201のサイズは、半導体チップ105のサイズに応じて自由に選択することが可能であり、放熱体201の高さ(厚み)は、半導体チップ105の厚みや、全体的な高さの制限、放熱効率の適正化に応じて決定される。
【0073】
また、放熱体201には、吊りリード202が少なくとも2本、側面からぶら下がるように形成されている。吊りリード202は、熱伝導パターン104と半田204により接続される。また、吊りリード202は、金属からなり、放熱体201と一体成型することにより形成してもよい。なお、吊りリード202を有する放熱体201として、従来のモールドパッケージに使用されているリードフレームを使用することもできる。これにより、安価な製品を提供することが可能となる。
【0074】
従来、半導体チップ105自身からの大気中への放熱量は、乾燥大気の熱伝導率が非常に低いため十分な量ではなかった。これに対し、ソースドライバ200では、放熱体201が取り付けられていることにより、半導体チップ105に生じた熱が、放熱体201から大気中に逃げる経路が形成される。さらには、吊りリード202により放熱体201と熱伝導パターン104とが接続されていることによって、半導体チップ105に生じた熱が、放熱体201から吊りリード202および熱伝導パターン104を介してスプロケット部103に逃げる経路が形成される。
【0075】
これにより、半導体チップ105の電気的動作による発熱を、半導体チップ105の露出面(半導体チップ105の実装面に形成された突起端子とは反対側の表面)からも効率良く放熱させ、放熱量を増大することが可能となる。
【0076】
また、半導体チップ105は、接着材203を介して放熱体201に予め取り付けておけばよい。そして、放熱体201付き半導体チップ105をフィルム基材107にILBする。これにより、製造過程での煩雑さを解消することが可能である。
【0077】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1,2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1,2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0078】
図5は、本実施の形態の液晶モジュール300の一構成例を示す図である。
【0079】
本実施の形態の液晶モジュール300は、図5に示すように、液晶パネル301、ゲートドライバ302、配線テープ303、入力基板304、および前記実施の形態1のソースドライバ100を備えている。液晶パネル301には、4辺のうち1辺にソースドライバ100が10個設けられ、ソースドライバ100が設けられる辺に対して垂直な2辺に、ゲートドライバ302が3個それぞれ設けられている。入力基板304は、ソースドライバ100の液晶パネル301側と対向する側に設けられている。また、入力基板304は、図示しない制御部などから信号出力が制御されている。
【0080】
ソースドライバ100は、図6に示すように、入力端子配線領域101が設けられている側の側辺が入力基板304に圧着され、出力端子配線領域102が設けられている側の側辺が液晶パネル301に圧着される。また、ゲートドライバ302は、出力側が液晶パネル301に圧着される。なお、ソースドライバ100およびゲートドライバ302の数は、上記に限るものではなく、液晶パネル301の走査線の数およびドライバの出力数に応じて好適に決めればよい。
【0081】
配線テープ303は、ゲートドライバ302へ駆動信号を供給するための配線が形成されたフィルム状のテープである。配線テープ303は、一方の端辺が液晶パネル301に圧着され、対向するもう一方の端辺が入力基板304に圧着される。
【0082】
上記の構成において、入力基板304に形成された配線から駆動信号および電源が、ゲートドライバ302およびソースドライバ100に供給されることによって、液晶パネル301は駆動される。つまりは、液晶モジュール300では、図6に示すように、ゲートドライバ302への駆動信号および電源は、入力基板304から配線テープ303および液晶パネル301を介して供給されている(矢印Y)。
【0083】
よって、従来では、図10に示したように、ソースドライバ503のスルー配線領域513に形成された配線を介して、入力基板504からの駆動信号および電源をゲートドライバ502に供給していたが、本実施の形態の液晶モジュール300では、図6に示すように、配線テープ303により、入力基板304からの駆動信号および電源をゲートドライバ302に供給することが可能となる。これにより、従来ではスルー配線領域513の形状によっては、配線が部分的に狭ピッチになることがあったが、本実施例の配線テープ303を用いれば、ピッチが等間隔の簡単な配線を形成することが可能となる。
【0084】
したがって、ソースドライバ100に、ゲートドライバ302へ駆動信号を供給するための配線が形成されていなくとも影響は受けない。むしろ、ソースドライバ100の幅が小さくなることによって、液晶パネル301の側辺における配置領域が空くので、従来と同じサイズの液晶パネル301、かつ同じ個数のソースドライバ100であっても、配線テープ303を配置することが可能となる。それゆえ、配線テープ303という部品数は増えているが、ソースドライバ100のコストダウン分などを合わせると、トータルとしてコストダウンが可能となっている。
【0085】
また、ソースドライバ100の半導体チップ105から生じた熱を、従来と同様の経路に加え、本実施例ではさらに、熱伝導パターン104およびスプロケット部103を介して、液晶パネル301および入力基板304に逃がすことが可能となる。よって、放熱性に優れた液晶モジュールを実現することが可能となる。
【0086】
なお、上記では、液晶モジュール300にソースドライバ100を備える場合について説明したが、これに限らず、ソースドライバ110およびソースドライバ200を備えてもよい。この場合、液晶モジュール300の放熱性をさらに向上することが可能となる。
【0087】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、放熱量の向上が望まれるフィルム実装型のソースドライバに関する分野に好適に用いることができるだけでなく、ソースドライバの製造に関する分野に好適に用いることができ、さらには、ソースドライバを備える液晶モジュールの分野にも広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明におけるソースドライバの実施の一形態を示す平面図である。
【図2】本発明におけるソースドライバの他の実施の形態を示す平面図である。
【図3】本発明のソースドライバの一実施例における製造工程を示す図である。
【図4】本発明におけるソースドライバのさらに他の実施の形態を示す平面図である。
【図5】本発明における液晶モジュールの実施の一形態を示す平面図である。
【図6】上記液晶モジュールにおける角部の拡大図である。
【図7】従来の液晶モジュールの構成を示す平面図である。
【図8】従来のソースドライバの構成を示す平面図である。
【図9】上記従来のソースドライバの作製方法を示す図である。
【図10】上記従来の液晶モジュールの角部の拡大図である。
【符号の説明】
【0090】
100,110,200 ソースドライバ
101 入力端子配線領域(第1の配線)
102,112 出力端子配線領域(第2の配線)
103 スプロケット部
104,114 熱伝導パターン(第3の配線)
105 半導体チップ
106 穴
107 フィルム基材
201 放熱体(金属板)
202 吊りリード
300 液晶モジュール
301 液晶パネル
302 ゲートドライバ
303 配線テープ
304 入力基板(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と接続可能な端子が複数設けられた半導体チップがフィルム基材の表面に実装され、上記半導体チップの端子のうち、電気信号を入力する端子と接続される第1の配線、および電気信号を出力する端子と接続される第2の配線が、上記フィルム基材の表面にそれぞれ形成されてなるフィルム実装型のソースドライバにおいて、
上記フィルム基材の両端に、連続した穴と該フィルム基材の表面に金属部とが形成されてなるスプロケット部を有し、
上記第1の配線は、上記半導体チップの端子と接続されない端部が、上記スプロケット部が設けられていない1端側に向かって形成され、かつ、上記第2の配線は、上記半導体チップの端子と接続されない端部が、上記第1の配線の端部が形成されている1端側と対向する1端側に向かって形成されており、
上記半導体チップの端子のうち上記第1の配線および第2の配線に接続されない端子と、上記スプロケット部の金属部とを接続する第3の配線が、上記フィルム基材の表面に形成されていることを特徴とするソースドライバ。
【請求項2】
上記スプロケット部は、上記フィルム基材の表面に積層された、銅またはステンレス鋼からなる放熱体により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
上記第3の配線は、上記第1の配線のうち両端の第1の配線と上記第2の配線のうち両端の第2の配線とで挟まれる領域の全面にわたって、上記両端の第1の配線および両端の第2の配線と電気的に絶縁されるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項4】
上記スプロケット部の金属部と上記第3の配線は、一体形成されていることを特徴とする請求項3に記載のソースドライバ。
【請求項5】
上記第1の配線のうち両端の第1の配線における上記半導体チップの端子に接続される部分の形成方向と、上記第2の配線のうち両端の第2の配線における上記半導体チップの端子に接続される部分の形成方向とは、略垂直であることを特徴とする請求項3に記載のソースドライバ。
【請求項6】
上記半導体チップの上側の表面に取り付けられる、吊りリードを有する金属板を備え、
上記吊りリードは上記第3の配線と接続されていることを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項7】
上記ソースドライバは、幅方向の両端に上記スプロケット部が位置する長尺テープ状の形態で作製された後、幅方向に切断されて個々に分離されていることを特徴とする請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項8】
外部と接続可能な端子が複数設けられた半導体チップがフィルム基材の表面に実装され、上記半導体チップの端子のうち、電気信号を入力する端子と接続される第1の配線、および電気信号を出力する端子と接続される第2の配線が、上記フィルム基材の表面にそれぞれ形成されてなるフィルム実装型のソースドライバの製造方法において、
長尺テープ状のフィルム基材の表面に、上記半導体チップの端子と接続されない端部が一方の長尺方向に向かうような上記第1の配線、上記半導体チップの端子と接続されない端部が他方の長尺方向に向かうような上記第2の配線、該表面の両端に位置する金属部、および、上記半導体チップの端子のうち上記第1の配線および第2の配線に接続されない端子と上記金属部とを接続する第3の配線を、同時に連続して形成する第1のステップと、
上記第1の配線および第2の配線に接続するように上記半導体チップを連続して実装する第2のステップと、
上記フィルム基材を幅方向に切断して、上記ソースドライバを個々に分離する第3のステップとを含むことを特徴とするソースドライバの製造方法。
【請求項9】
上記半導体チップには、吊りリードを有する金属板が一方の表面に取り付けられており、
上記第2のステップでは、上記半導体チップを、上記金属板が取り付けられている側が上側になるように実装した後、上記吊りリードを上記第3の配線に接続することを特徴とする請求項8に記載のソースドライバの製造方法。
【請求項10】
液晶パネルと、
上記液晶パネルの4側辺のうち1側辺または対向する2側辺に複数設けられる請求項1〜7のいずれか1項に記載のソースドライバと、
上記液晶パネルの4側辺のうち、上記ソースドライバが設けられる側辺に対して垂直な側辺に複数設けられるゲートドライバと、
上記ソースドライバに接続される基板と、
上記ゲートドライバが設けられている側辺側の、上記ソースドライバが設けられている側辺の端に配置され、上記液晶パネルと上記基板とを接続する配線テープとを備えていることを特徴とする液晶モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−135340(P2009−135340A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311627(P2007−311627)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】