説明

タイヤ加硫金型

【課題】長期使用後においても、ゴムのはみ出しや段付を発生させることのないタイヤ加硫金型を提供する。
【解決手段】加硫金型10の閉止下で、サイドモールド1、2およびトレッドセグメント3のそれぞれは、隣接するサイドモールド1、2もしくはトレッドセグメント3に、弾性パッキン6、7を介して間接的に当接し、前記弾性パッキン6、7は、前記キャビティ面9の一部を形成するとともに前記隣接面と直角の方向に圧縮変形された状態となるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のサイドモールドと複数個のトレッドセグメントとよりなるタイヤ加硫金型に関し、特に、長期使用後においても、ゴムのはみ出しを発生させることのないものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一対のサイドモールドと、複数個のトレッドセグメントとで、タイヤ外面に対応するキャビティ面を形成するタイヤ加硫金型が用いられている。この金型においては、その閉止時に、サイドモールドおよびレッドセグメントのそれぞれが、互いに隣接するサイドモールドもしくはレッドセグメントに部分的に、直接当接して押し合いながら接近してゆき、金型が完全に閉止した状態においては、ャビティ面を形成するサイドモールドおよびレッドセグメント相互の隣接部分には隙間や段差がなく、ゴムのはみだしや段付が生じないよう構成されていた。
【0003】
しかしながら、ゴムのはみ出しや段付は、金型の使用初期では発生しないものの、サイドモールドおよびレッドセグメントは、金型の閉止動作の度にそれぞれが部分的に当接し、衝突しあうので、長期に使用しているとこれらの間に段差や隙間が生じ、その結果、加硫したタイヤにゴムのはみ出しが段付が生じてくるという問題があった。
【0004】
これに対処するための提案として、例えば、隣接する各々のサイドモールドおよびレッドセグメントの間に熱膨張材料を配設し、熱膨張材料を介することにより、サイドモールドおよびレッドセグメントを直接的には当接させない構成とし、相互の衝突による変形を抑え、なおかつ、熱膨張した前記熱膨張材料でキャビティ面におけるこれらの間の隙間を埋めて、タイヤのゴムのはみだしを防止しようとするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかし、熱膨張材料は、一般的に柔らかくて塑性変形してしまうために、長期間使用する間に、金型閉止の度に発生する、サイドモールドおよびレッドセグメントの相互の衝突によって生じたこれらの間の隙間や段差に起因するゴムのはみだしや段付を、やはり抑えることはできなかった。
【特許文献1】特開2003−39435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、長期使用後においても、ゴムのはみ出しや段付を発生させることのないタイヤ加硫金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
<1>は、一対のサイドモールドと、拡縮径可能に設けられ、前記サイドモールドと協働してタイヤ外面に対応するキャビティ面を形成する複数個のトレッドセグメントとを具えるタイヤ加硫金型において、
加硫金型の閉止下で、前記サイドモールドおよびトレッドセグメントのそれぞれは、隣接するサイドモールドもしくはトレッドセグメントに、弾性パッキンを介して間接的に当接し、前記弾性パッキンは、前記キャビティ面の一部を形成するとともに前記隣接面と直角の方向に圧縮変形された状態となるよう構成されてなるタイヤ加硫金型である。
【0008】
なお、ここで、第一のものが第二のものに、第三のものを介して「間接的に当接」するとは、これらが直接的には当接はしないが、第一のものと第三のものとが当接するとともに、第二のものと第三のものとが当接している状態をいうものとする。
【0009】
<2>は、<1>において、前記弾性パッキンの250℃における弾性限界ひずみは10%以上であるタイヤ加硫金型である。
【0010】
<3>は、<1>もしくは<2>において、前記弾性パッキンの長さ方向断面は円環状をなしているタイヤ加硫金型である。
【0011】
<4>は、<1>〜<3>のいずれかにおいて、前記弾性パッキンは厚さ方向を周方向に向けて配置され、前記パッキンの、金型閉止下でタイヤを加硫中の状態における厚さが0.5〜2mmであるタイヤ加硫金型である。
【0012】
<5>は、<1>〜<4>のいずれかにおいて、前記弾性パッキンは、気泡を分散させた銅、真鋳、洋銀を含む金属材料よりなり、この材料における気泡の体積割合を10〜70%とするタイヤ加硫金型である。
【0013】
<6>は、<1>〜<4>のいずれかにおいて、前記弾性パッキンは、レオメーターリバージョン評価法に基づいて測定された200℃における損失率が10%以下である、ブチルゴムおよび溶液重合スチレンブタジエンゴムを含む高分子材料よりなるタイヤ加硫金型である。
ここで、レオメーターリバージョン評価法における損失率について説明する。図9は、レオメーターを用いて、一定歪み、一定昇温速度で、材料のトルクの変化を、横軸に時間をとり縦軸にトルクτをとって示したグラフであり、図9に示すように、損失率δとは、最大トルクτmaxと所定温度に到達したとき(t=ts)のトルクτtsとの差Δの、最大トルクτmaxに対する割合を、100分率で表した値であり、本発明は、前記所定温度を200℃としたときの損失率δを、図10に、「OK」のカーブで示すように、10%以下とするものである。この損失率δは、高温において材料の架橋結合が分解するために生じるものであり、したがって、本発明は、この現象の程度が小さい材料を用いることを意味する。
【発明の効果】
【0014】
<1>の発明によれば、加硫金型の閉止下で、前記サイドモールドおよびトレッドセグメントのそれぞれは、隣接するサイドモールドもしくはトレッドセグメントに、弾性パッキンを介して間接的に当接し、前記弾性パッキンは、前記キャビティ面の一部を形成するとともに前記隣接面と直角の方向に圧縮変形された状態となるよう構成されているので、弾性パッキンの作用により、サイドモールドおよびトレッドセグメントのそれぞれ同士の隙間を確保して、これらが互いに接触しあって変形するのを抑制することができ、しかも、これらの隙間のキャビティ面に開口する部分は、圧縮変形された弾性パッキンによって埋められていて、キャビティ面を隙間のない連続した面に保ち、このことにより、加硫金型の使用の当初から長期にわたって、加硫時にゴムがこの隙間からはみだしたり、段付を発生させたりするのを防止することができる。
【0015】
<2>の発明によれば、前記弾性パッキンの200℃における弾性限界ひずみは10%以上として構成されているので、この弾性パッキンは、通常、200℃を超える温度とはならない環境で、10%以上のひずみまで弾性変形することができ、通常の金型使用環境下で、サイドモールドもしくはトレッドセグメントの隙間の変化を吸収することができる。
【0016】
<3>の発明によれば、弾性パッキンの長さ方向断面は円環状をなしているので、円環によって囲まれた空間部分が弾性圧縮変形することにより大きな弾性を担持させることができる。
【0017】
<4>の発明によれば、弾性パッキンは厚さ方向をキャビティ面と平行に向けて配置され、前記パッキンの厚さは、金型閉止下でタイヤを加硫中の状態において、0.5〜2mmとしたので、弾性パッキンは、サイドモールドもしくはトレッドセグメント相互の圧縮力により座屈することはなく、しかも、これらの相対変位によって引き起こされる隙間の変化を十分な弾性力をもって吸収することができる。
【0018】
この弾性パッキンの厚さが2mmを超えた場合には、タイヤ加硫における両サイドモールド同士の芯ずれが大きくなりすぎることが懸念され、逆に、これを0.5mm未満とした場合には、タイヤ加硫金型を閉止した状態における、モールド相互の隙間を埋めることができなくなってしまう。
【0019】
<5>の発明によれば、前記弾性パッキンは、気泡を分散させた銅、真鋳、洋銀を含む金属材料よりなり、この材料における気泡の体積割合を10〜70%としたので、これらの金属の有する塑性変形しやすい特性により、タイヤ加硫金型を閉止した状態における隙間を埋めることができるとともに、金属中に分散された気泡の作用により大きな弾性を付与することができる。
【0020】
気泡の体積割合が70%を超えた場合には、弾性が大きくなりすぎて、金型を閉止した状態のモールド同士の隙間を吸収するのが難しく、一方、これが、10%未満となった場合には、弾性が小さくなりすぎて、この場合も、金型を閉止した状態のモールド同士の隙間を吸収しにくくなる。
【0021】
<6>の発明によれば、レオメーターリバージョン評価法に基づいて測定された200℃における損失率が10%以下である、ブチルゴムおよび溶液重合スチレンブタジエンゴムを含む高分子材料よりなるものとしたので、高分子の有する弾性力だけで弾性パッキンに所要の弾性力を付与することができる。また、高分子材料として、ブチルゴムおよび溶液重合スチレンブタジエンゴムを選定した場合には、カーボンブラックやシリカ等の充填材と加硫促進剤との組み合わせを選択することにより、硫黄なしの配合としても、所定の強力を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図1は、加硫金型を、閉止した状態で示す横断面図、図2は、図1のa−a矢視に対応する断面図、図3(a)、図3(b)は、図1のb部を、それぞれ、加硫金型を閉止した状態、および開放した状態におけて示す拡大図、図4(a)、図4(b)は、図2のc部を、それぞれ、加硫金型を閉止した状態、および開放した状態において示す拡大図である。
【0023】
加硫金型10は、タイヤの両サイドウォール部にそれぞれ対応する一対のサイドモールド1、2と、タイヤのトレッド部に対応し、環状に配列されて拡縮径変位する複数のトレッドセグメント3とよりなり、これらのサイドモールド1、2と、トレッドセグメント3とは、加硫金型10を閉止した状態において、協働して、タイヤの外面に対応するキャビティ面9を形成するよう構成される。
【0024】
上側のサイドモールド1は上部プレート11に、下側のサイドモールド2は下部プレート12にそれぞれ取り付けられ、また、各トレッドセグメント3は、対応するセグメントホルダ4に取り付けられている。各セグメントホルダ4は、リング状をなすコンテナリング5に、リニアガイド13を介して係合するとともに、下部プレート12に、リニアガイド14を介して拡縮径自在に支持されていて、それぞれのトレッドセグメント3は、コンテナリング5の上昇により拡径変位し、コンテナリング5の下降により縮径変位するよう構成される。
【0025】
上下のサイドモールド1、2の、トレッドセグメント3に隣接する部分には、環状弾性パッキン6が、例えば接着剤により取り付けられ、加硫金型1を閉止した状態において、サイドモールド1、2は、環状弾性パッキン7を介して間接的にトレッドセグメント3に当接し、このとき、トレッドセグメント3とは、f1だけ隙間をあけて隣接するよう構成されている。
【0026】
また、それぞれのトレッドセグメント3も、加硫金型1を閉止した状態において、隣接するトレッドセグメント3に、線状弾性パッキン7を介して間接的に当接し、このとき、トレッドセグメント3同士は、f2だけ隙間をあけて隣接する。線状弾性パッキン7は、隣接し合う、一対のトレッドセグメント3の一方に接着剤等によって取り付けられる。
【0027】
そして、環状弾性パッキン6ならびに線状弾性パッキン7は、加硫金型10の閉止下で、キャビティ面9の一部を形成するよう配置され、以上のような構成により、サイドモールド1、2およびトレッドセグメント3のそれぞれ同士の隙間を確保して、これらが互いに接触しあって変形するのを抑制することができ、しかも、これらの隙間の、キャビティ面9に開口する部分は、圧縮変形された弾性パッキン6、7によって埋められていて、キャビティ面9を隙間のない連続した面に保ち、このことにより、加硫金型10の使用の当初から、長期にわたって、加硫時にゴムがこれらの隙間からはみだし、あるいは、段付を生じるのを防止することができる。
【0028】
ここで、弾性パッキン6、7の隣接面に直角の方向の、金型閉止時の厚さD、Eを、ともに、0.5〜2.0mmとし、金型開放時の厚さD、Eを、ともに、1.0〜10.0mmとするとともに、このときの歪みを10〜50%、応力を100〜500kPaとするのが好ましく、歪みが10%未満では、隙間嵌合を維持することができなくなり、一方、これが50%を越えた場合にはヘタリが発生する可能性があり、また、応力を100kPa未満とした場合には、十分な弾性を維持することが難しくなり、これを、500kPaを越えるものとした場合には、パッキンにヘタリか発生するためである。
さらに、金型閉止時の厚さD、Eを、0.5〜2.0mmとすることにより、タイヤの外観上のモールド合わせ面跡を目立たせなくすることができる。
【0029】
上記のような特性を具える弾性パッキン6、7として、これらを、厚さ方向断面を円環状として中空部6a、7aを有するものとして構成するのが好ましく、この構成により、所要の弾性を弾性パッキン6、7することができる。
【0030】
また、弾性パッキン6、7を、気泡を分散させた銅、真鋳、洋銀を含む金属材料で形成し、この材料における気泡の体積割合を10〜70%とするのが好ましく、このような材料の例としては、焼結青銅(BF-0010-H)、焼結黄銅(BZP-0128-T)、発泡洋銀(C97300〜C97800)、砂型鋳物銅を挙げることができる。(括弧内はUNS合金番号を表す)
【0031】
他の、弾性パッキン6、7の好ましい例としては、レオメーターリバージョン評価法に基づいて測定された200℃における損失率が10%以下である、ブチルゴムおよび溶液重合スチレンブタジエンゴムを含む高分子材料よりなる、ブチルゴムおよび溶液重合スチレンブタジエンゴムを含む高分子材料よりなるものを挙げることができ、この材料を用いることにより、パッキンの交換が容易であり、またその弾性を維持しやすく、また、金型閉止時の隙間をなくすことができる。
【0032】
ついで、このような加硫金型10の、加硫前後の作動について説明する。図5〜図8は、加硫金型10の閉止から開放に至るまでの状態を、順に示す断面図である。図6は、未加硫のタイヤTを加硫金型10内に載置したあと、セグメントモールド3を拡径した状態で、上部プレート11を下降させてサイドモールド2をタイヤTに近づける途中の状態を示す。この状態において、タイヤTに内圧を加えるブラダBは膨出しておらず、タイヤTは成型工程で形成された外形状を保持している。
【0033】
このあと、ブラダBを膨出させながら、上部プレート11と、コンテナリング5とを同時に下降させたとき、図6に示すように、サイドモールド2は最下点に達し、トレッドセグメント3は最内径の位置まで変位し、サイドモールド1、2およびトレッドセグメント3のそれぞれは、相互に、弾性パッキン6、7を介して間接的に当接し、この状態で、加硫金型10は閉止状態となる。また、加硫金型が閉止するまでの過程においても、サイドモールド1、2およびトレッドセグメント3のそれぞれは、弾性パッキン6、7の作用により直接的に当接することはなく、これら同士の衝突を防止して、それらの変形を防止することができる。なお、この状態において、ブラダBの圧力は低く、タイヤTの外径は、対応するタイヤ幅方向位置におけるキャビティ面内径よりも小さく、トレッドセグメント3がタイヤと干渉することはない。
【0034】
次に、ブラダ内に所定の高圧の加熱流体を導入し、図8に示すように、タイヤTを加硫金型10のキャビティ面9にタイヤTを押圧し加硫を開始する。
【0035】
そして、タイヤTの加硫が完了したあとタイヤTを加硫金型10から取りだすため、図8に示すように、サイドモールド2を上昇させると同時に、トレッドセグメント3を拡径変位させて、金型を開放する。このときも、サイドモールド1、2およびトレッドセグメント3のそれぞれは、弾性パッキン6、7を介してのみ間接的に当接しているので、これらが相互に衝突することはない。
【0036】
このあと、サイドモールド2上に残されたタイヤT内のブラダBを縮径させて、ブラダBからタイヤTを取り出すて一連の作動を完了する。
【実施例】
【0037】
図1〜図4に示した加硫金型を、トレッドセグメント3や弾性パッキン6、7の材料を変えて複数個製作し、これらを、それぞれ、複数の種類の加硫機やコンテナに装着して、それぞれ、1年間の連続使用後にタイヤを加硫し、加硫されたタイヤについて、そのはみだしや段付を調査した。また、弾性パッキン6、7を設けない従来の加硫金型についても、同様の評価を行い比較した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1において、弾性パッキンの有無・種類の項目で「発泡金属」と示したものは、中空部比率が50%のフェライト鉄で、弾性率が1.90x1011Paのものを用い、「高分子」と示したものは、SolutionSBRが100部、ISAFカーボンブラックが50部、ZnOが1.5部、スルフォンアミド系加硫剤が1.5部の配合物で、中空部比率が60%、弾性率300Mが2.0Mpa、耐熱性が220℃のものを用いた。
【0040】
また、表1中で、トレッドセグメントとして、「アルミ」と示したものはAC7A鋳造品、「鉄」と示したものは、SS400を用いた。
【0041】
加硫機、コンテナは、それぞれ、乗用車用タイヤ用のサイズのものを用い、表1における、加硫機、コンテナの項において、「標準」の仕様は、コンテナのガイドブッシュやスライドガイドの摩耗量が0.2mm以下のものを用い、これに対して、「変形」の使用のものは、これらの摩耗量を約0.5mmとしたものを用いた。
【0042】
この評価に用いたタイヤのサイズは、PSR245/70R16であり、また、円環をなすトレッドセグメントの数は9個、サイドモールドの材質はSS400とした。また、はみ出しや、段付の評価は目視にて行った。ここで、連続1年使用における、加硫本数は2万〜2.5万本の範囲であった。
【0043】
なお、従来例を含めたどの例においても使用の初期におけるはみだし、段付は見られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明は、小型から超大型に至るまでの種々のタイヤを加硫する金型に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る実施形態の加硫金型を、閉止した状態で示す断面図である。
【図2】図1のa−a矢視に対応する断面図である。
【図3】図1のb部を示す拡大図である。
【図4】図2のc部を示す拡大図である。
【図5】1番目の作動順序における状態の加硫金型を示す断面図である。
【図6】2番目の作動順序における状態の加硫金型を示す断面図である。
【図7】3番目の作動順序における状態の加硫金型を示す断面図である。
【図8】4番目の作動順序における状態の加硫金型を示す断面図である。
【図9】レオメーターリバージョン評価法における損失率を説明するための、レオメーターを用いて、一定歪み、一定昇温速度で、材料のトルクの変化を、横軸に時間をとり縦軸にトルクτをとって示すグラフである。
【図10】レオメーターリバージョン評価法による判定基準を図式化したグラフである。
【符号の説明】
【0046】
1、2 サイドモールド
3 トレッドセグメント
4 セグメントホルダ
5 コンテナリング
6 環状弾性パッキン
6a 中空部
7 線状弾性パッキン
7a 中空部
9 キャビティ面
10 加硫金型
11 上部プレート
12 下部プレート
13、14 リニアガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のサイドモールドと、拡縮径可能に設けられ、前記サイドモールドと協働してタイヤ外面に対応するキャビティ面を形成する複数個のトレッドセグメントとを具えるタイヤ加硫金型において、
加硫金型の閉止下で、前記サイドモールドおよびトレッドセグメントのそれぞれは、隣接するサイドモールドもしくはトレッドセグメントに、弾性パッキンを介して間接的に当接し、前記弾性パッキンは、前記キャビティ面の一部を形成するとともに前記隣接面と直角の方向に圧縮変形された状態となるよう構成されてなるタイヤ加硫金型。
【請求項2】
前記弾性パッキンの250℃における弾性限界ひずみが10%以上である請求項1に記載のタイヤ加硫金型。
【請求項3】
前記弾性パッキンの長さ方向断面は円環状をなしている請求項1もしくは2に記載のタイヤ加硫金型。
【請求項4】
前記弾性パッキンは厚さ方向を周方向に向けて配置され、前記パッキンの、金型閉止下でタイヤを加硫中の状態における厚さが0.5〜2mmである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ加硫金型。
【請求項5】
前記弾性パッキンは、気泡を分散させた銅、真鋳、洋銀を含む金属材料よりなり、この材料における気泡の体積割合を10〜70%とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫金型。
【請求項6】
前記弾性パッキンは、レオメーターリバージョン評価法に基づいて測定された200℃における損失率が10%以下である、ブチルゴムおよび溶液重合スチレンブタジエンゴムを含む高分子材料よりなる請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫金型。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−331299(P2007−331299A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167639(P2006−167639)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】