説明

タイヤ情報通信システム

【課題】タイヤと車両本体との間で従来より良好な通信を行うことが可能なタイヤ情報通信システムの提供をする。
【解決手段】本発明によれば、タイヤ側送信回路39が、タイヤ15に備えた金属網15Bとタイヤホイール14との間に、タイヤ圧検出結果の情報を含んだ交流電圧を付与する。すると、タイヤ15の全周において金属網15Bの電位が変化し、タイヤ15の回転位置に関係なく、タイヤ15から所定の方向に電波が放射される。そして、その電波により車両グランド部19と板部材20との間に、タイヤ圧検出結果の情報を含んだ交流電圧が発生し、本体側受信回路52が、この交流電圧からタイヤ圧検出結果の情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤホイールに取り付けられ、タイヤ圧の検出結果を送信するタイヤ圧検出装置と、車両本体に設けられてタイヤ圧の検出結果を取得するタイヤ監視装置とを備えたタイヤ情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のタイヤ情報通信システムでは、タイヤ圧検出装置とタイヤ監視装置との間で無線通信にてタイヤ圧の検出結果を送受信する構成になっていた(特許文献1参照)。そのタイヤ圧検出装置は、無線送信用にループアンテナを備えて、タイヤホイールに固定されていた。また、タイヤ監視装置もループアンテナを備え、車両本体におけるダッシュボードの内側に配置されていた。
【特許文献1】特開2005−119370号公報(段落[0011][0012]、第1図〜第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来のタイヤ情報通信システムでは、タイヤの回転位置の相違により、通信感度が著しく低下するヌル点が存在し、通信状態が安定しなかった。また、ヌル点以外にも通信感度が全体的に低く、これを補うために消費電力が高くなっていた。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、タイヤと車両本体との間で従来より良好な通信を行うことが可能なタイヤ情報通信システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るタイヤ情報通信システム(10)は、タイヤホイール(14)に取り付けられてタイヤ(15)の圧力を検出し、その検出結果を送信するタイヤ圧検出装置(30)と、車両本体(12)に設けられて、タイヤ圧検出装置(30)からタイヤ圧の情報を取得するタイヤ監視装置(50)とを備えたタイヤ情報通信システム(10)であって、タイヤ圧検出装置(30)には、タイヤ圧の情報を含んだ交流電圧を、タイヤホイール(14)とタイヤ(15)の全周に備えた環状導電部材(15B,15C)との間に付与して、その環状導電部材(15B,15C)から電波を放射させるタイヤ側送信回路(39)が備えられ、タイヤ監視装置(50)には、車両本体(12)のうち車軸(17)を介してタイヤホイール(14)に導通した車両グランド部(19)と、環状導電部材(15B,15C)から電波を受けて車両グランド部(19)との間に交流電圧を発生可能な車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)とにそれぞれ接続され、その交流電圧からタイヤ圧の情報を取得する本体側受信回路(52)が備えられたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のタイヤ情報通信システム(10)において、環状導電部材(15B)は、タイヤ(15)に埋設された金属網(15B)であるところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載のタイヤ情報通信システム(10)において、金属網(15B)に導通した金属網端末部(15T)がタイヤ(15)内に露出され、タイヤ側送信回路(39)は金属網端末部(15T)に導通接続されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2に記載のタイヤ情報通信システム(10)において、タイヤ側送信回路(39)に導通接続されてタイヤ(15)内に設けられ、金属網(15B)に対して非接触状態で通電可能な中継放電部材(34,47)を設けたところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1に記載のタイヤ情報通信システム(10)において、環状導電部材(15C)は、タイヤ(15)の内面全周に亘って導電性カーボンを塗布してなるカーボン被膜(15C)であるところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)において、車両グランド分離部(20)は、車両グランド部(19)としてのシャーシー(12A)の下面に対向配置された板部材(20)であるところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)において、車両グランド分離部(94,95)は、ラジオ用電波又はカーナビ用電波を受信するためのロッドアンテナ(94)又はリアガラスアンテナ(95)であるところに特徴を有する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)において、車両グランド分離部(81〜84)は、車両グランド部(19)としてのシャーシー(12A)との間に隙間を有しかつ開閉可能な扉部材(81〜84)であるところに特徴を有する。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)において、タイヤ監視装置(50)には、タイヤ圧検出装置(30)への情報を含んだ交流電圧を車両グランド部(19)と車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)との間に付与して車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)から電波を放射させる本体側送信回路(55)が備えられ、タイヤ圧検出装置(30)には、車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)からの電波に応じてタイヤホイール(14)と環状導電部材(15B,15C)との間に生じた交流電圧に基づき、タイヤ監視装置(50)からの情報を取得するタイヤ側受信回路(40)が備えられたところに特徴を有する。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)において、車両本体(12)に複数の通信端末(80)を設け、各通信端末(80)には、他の通信端末(80)への情報を含んだ交流電圧を一の車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)と車両グランド部(19)との間に付与して一の車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)から電波を放射させる端末送信回路(55)と、他の車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)から放射された電波に応じて一の車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)と車両グランド部(19)との間に生じた交流電圧に基づき、他の通信端末(80)からの情報を取得する端末受信回路(52)とが備えられたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
[請求項1の発明]
請求項1の構成では、タイヤ側送信回路(39)が、タイヤ(15)に備えた環状導電部材(15B,15C)とタイヤホイール(14)との間に、タイヤ圧の情報を含んだ交流電圧を付与する。すると、タイヤ(15)の全周で環状導電部材(15B,15C)の電位が変化し、タイヤ(15)の回転位置に関係なく、タイヤ(15)から所定の方向に電波が放射される。そして、その電波により車両本体(12)のうち車両グランド部(19)と車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)との間に交流電圧が発生して、本体側受信回路(52)がこの交流電圧からタイヤ圧の情報を取得する。このように本発明によれば、通信用の電波がタイヤ(15)の回転位置に関係なくタイヤ(15)から所定の方向に放射されるので通信状態が安定する。また、タイヤ圧検出装置(30)をタイヤホイール(14)及び車軸(17)を介して車両グランド部(19)に接地し、タイヤ監視装置(50)もその車両グランド部(19)に接地したことにより、タイヤ圧検出装置(30)とタイヤ監視装置(50)との間の通信感度が上がった。これにより、消費電力を抑えることが可能になる。即ち、本発明によれば、タイヤと車両本体との間で従来より良好な通信を行うことが可能になる。
【0016】
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、金属網(15B)をタイヤの補強と通信との両方に利用することができる。
【0017】
[請求項3の発明]
請求項3の構成のように、金属網(15B)に導通した金属網端末部(15T)をタイヤ(15)内に露出すれば、金属網(15B)とタイヤ側送信回路(39)との導通接続が容易になる。
【0018】
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、タイヤ側送信回路(39)に導通接続された中継放電部材(34,47)と金属網(15B)との間を非接触状態通電する。これにより、既存のタイヤ(15)の金属網(15B)を通信に容易に利用することが可能になる。
【0019】
[請求項5の発明]
請求項5の構成のように、タイヤ(15)の内面にカーボン被膜(15C)を設けてこれを環状導電部材(15C)としてもよい。この場合、タイヤ(15)に金属網(15B)が内蔵されていると否とを問わない。
【0020】
[請求項6の発明]
請求項6の構成のように、車両グランド部(19)としてのシャーシー(12A)の下面に板部材(20)を対向配置してパッチアンテナ(22)を構成し、このパッチアンテナ(22)を用いてタイヤ圧検出装置(30)とタイヤ監視装置(50)との間の通信を行ってもよい。
【0021】
[請求項7又は8の発明]
請求項7の構成によれば、ラジオ用電波又はカーナビ用電波を受信するためのロッドアンテナ(94)又はリアガラスアンテナ(95)を車両グランド分離部(94,95)に利用したので、車両グランド分離部用に別途部品を設けた場合に比べてコストダウンが図られる。同様に、請求項8の構成によれば、車両グランド部(19)との間に隙間を有した扉部材(81〜84)を車両グランド分離部(81〜84)に利用したのでコストダウンが図られる。
【0022】
[請求項9の発明]
請求項9の構成によれば、タイヤ圧検出装置(30)とタイヤ監視装置(50)との間で双方向の通信を行うことができる。
【0023】
[請求項10の発明]
請求項10の構成によれば、車両本体(12)に複数設けた通信端末(80)同士の間で情報を送受信することができ、これら複数の通信端末(80)を用いた車内LANを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1に示すように本実施形態のタイヤ情報通信システム10は、車両11の各車輪13(図1には1つの車輪13のみが示されている)にそれぞれ設けられたタイヤ圧検出装置30と、車両本体12に設けられた1つのタイヤ監視装置50とからなる。車輪13は、タイヤホイール14のリム14Aにタイヤ15を嵌合して備えている。このタイヤ15は、チューブレスタイヤであり、タイヤ15を構成するゴム15Aの内部には補強用の金属網15Bが埋設されている。また、金属網15Bは、タイヤ15の全周に亘って形成され、全体が導通している。
【0025】
図2に示すようにリム14Aにはバルブ装着孔14Cが形成され、そのバルブ装着孔14Cにタイヤバルブ16が固定されている。タイヤバルブ16は、両端が開放した筒状のバルブステム16Aの内部に逆止弁構造のバルブコア(図示せず)を備えている。そして、タイヤバルブ16の先端部がリム14Aの内周面側に突出する一方、タイヤバルブ16の基端部がリム14Aの外周面側に突出してタイヤ15内に配置されている。
【0026】
各車輪13に設けられたタイヤ圧検出装置30は、タイヤバルブ16の基端部に固定されてタイヤ15内に配置されている。タイヤ圧検出装置30は、タイヤバルブ16に固定されたケース31の内部に回路基板32及びボタン電池33を収容して備えている。
【0027】
図3に示すように回路基板32には、圧力センサ35、温度センサ36,加速度センサ37と共にタイヤ側通信コントローラ38及び本発明に係るタイヤ側送信回路39が実装されている。タイヤ側通信コントローラ38は、車輪13の回転により加速度センサ37が遠心力を検出したことを条件に所定のプログラムを実行し、圧力センサ35及び温度センサ36の検出結果を取り込む。そして、例えば、タイヤ圧力及びタイヤ温度の検出結果の情報と共に、4つの車輪13の各タイヤ圧検出装置30毎に設定された識別データの情報をタイヤ側送信回路39に付与する。すると、タイヤ側送信回路39では、発振回路39Xが出力する搬送波を変調回路39Yが周波数変調して、上記したタイヤ圧等の情報を含んだ交流電圧を生成する。そして、送信インターフェース39Zを通してその交流電圧をタイヤホイール14と金属網15Bとの間に付与する。そのために、タイヤ側送信回路39に備えた1対の出力端末39A,39Bのうち一方の出力端末39Aが中継放電シート34(本発明に係る「中継放電部材」に相当する)に接続される一方、他方の出力端末39Bがタイヤバルブ16(詳細には、バルブステム16A)に接続されている。
【0028】
これにより、他方の出力端末39Bは、タイヤバルブ16を通してタイヤホイール14に導通接続される。また、中継放電シート34は、例えば、シート状の導電部材を絶縁被膜でコーティングしてなり、タイヤ15の内面に貼り付けられて金属網15Bの一部と対向している。これにより、中継放電シート34と金属網15Bの一部とによりコンデンサが構成され、一方の出力端末39Aと金属網15Bとが非接触状態で通電可能になっている。
【0029】
ところで、車両11のうち車両本体12のシャーシー12A及びそれに導通した導電体群は電気回路上のグランドとして利用することができる。本実施形態では、このシャーシー12A及びシャーシー12Aに導通したエンジン、金属バンパー等からなる導電体群全体で本発明に係る車両グランド部19が構成されている。そして、タイヤホイール14は車両グランド部19に導通している。具体的には、タイヤホイール14のうちリム14Aの内側のディスク部14Bは、車両本体12から延びた車軸17先端のハブ盤17Aに固定されている。そして、車軸17は、軸受17B(具体的には、ベアリング)等を介してシャーシー12Aを含む車両グランド部19に導通している。
【0030】
タイヤ側送信回路39は、タイヤホイール14と金属網15Bとの間に交流電圧を付与することにより、金属網15Bから電波を放射させる。そして、その電波に含まれる電界の波により、金属網15Bと車両本体12、又は、金属網15Bと大地90と車両本体12との間に電界を発生させる。図5には、その電界の一例が電気力線を用いて示されている。なお、電界の波の位相、即ち、交流電圧の位相に応じて図5における電気力線の矢印は反転する。
【0031】
上記したように金属網15Bから発生させる電界強度を高めるためには、中継放電シート34と車両グランド部19間の電位差を大きくすることが好ましい。その一方で、タイヤ圧検出装置30はボタン電池33を電源としているので、電池寿命の観点からも消費電力を抑えることが望まれる。そのために、送信インターフェース39Zでは、図4(A)に示すように、変調回路39Yと中継放電シート34とをトランス結合して、金属網15B側を変調回路39Y側に比べてハイインピーダンスにしてある。また、トランス結合の二次側を所定のインピーダンスにすることで、40〜100[MHZ]の周波数帯域におけるインピーダンスマッチングが図られている。
【0032】
なお、上記したトランス結合の代わりに、コアの送信インターフェース39Zを図4(B)に示した回路構成にしても同様の作用効果を奏する。
【0033】
図5に示すようにシャーシー12Aの下面には、本発明に係る車両グランド分離部としての板部材20が設けられている。板部材20は、例えば、シャーシー12Aの下面のうち4つの車輪13からの距離が略均等になる位置に配置され、シャーシー12Aとの間に誘電体21を介在させて固定されている。そして、これら板部材20、誘電体21及びシャーシー12Aの一部とからパッチアンテナ22が構成されている。なお、誘電体21は、例えば、ポリテトラフルオルエチレン(登録商標名テフロン)であって、その比誘電率は2.2である。
【0034】
タイヤ監視装置50は、シャーシー12Aの内側に配置されている。そして、タイヤ監視装置50には、図6に示すように本体側通信コントローラ51と本発明に係る本体側受信回路52とが備えられ、その本体側受信回路52の受信インターフェース52Yに備えた1対の入力端末52A,52Bには、板部材20とシャーシー12Aとが接続されている。そして、金属網15Bからの電波を受けてシャーシー12Aと板部材20との間に発生した交流電圧を、受信インターフェース52Yを通して本体側受信回路52の復調回路52Xに取り込み、復調を行って電波に含まれる情報を抽出する。
【0035】
なお、図7(A)には、本体側受信回路52の受信インターフェース52Yの構成が示されている。受信インターフェース52Yでは、板部材20とシャーシー12Aとの間の電位差をトランジスタTr1を用いて増幅している。また、受信インターフェース52Yを、図7(B)に示した回路構成にしても同様の作用効果を奏する。
【0036】
本実施形態の構成は以上である。次に、上記構成からなる本実施形態の作用効果を説明する。車両11を走行させると4つの車輪13のタイヤ圧検出装置30に遠心力がかかり、各タイヤ圧検出装置30が、加速度センサ37にて遠心力を検出してタイヤ圧及びタイヤ温度の検出結果及び識別データを送信する。そのために、タイヤ圧等の情報に応じて周波数変調した交流電圧をタイヤホイール14と中継放電シート34との間に印加する。
【0037】
すると、中継放電シート34とタイヤ15内の金属網15Bとの間に電界が発生して、中継放電シート34と金属網15Bとの間で通電し、タイヤ15の全周で金属網15Bの電位が変化する。これにより、タイヤ15の回転位置に関係なく、タイヤ15から所定の方向に電波が放射される。そして、その電波により、図5に示すように金属網15Bと大地90と車両本体12との間に電界が発生すると共に、車両本体12においては車両グランド部19と板部材20との間に電界が発生する。そして、この電界により車両グランド部19と板部材20との間に発生した交流電圧をタイヤ監視装置50の本体側受信回路52が取り込んでタイヤ圧等の情報を取得する。
【0038】
タイヤ監視装置50の本体側通信コントローラ51は、取得した情報に含まれる識別データに基づいて何れのタイヤ圧検出装置30の情報で有るかを識別すると共に、タイヤ圧又はタイヤ温度の異常の有無を判別する。そして、異常有りと判断した場合には、例えば車両本体12に備えたスピーカー54A(図6参照)から警告音を出力したり、或いは、車両本体12に備えた表示器54B(図6参照)を用いて警告メッセージと共に異常が生じたタイヤ15の位置を表示する。
【0039】
このように本実施形態によれば、通信用の電波がタイヤ15の回転位置に関係なくタイヤ15から所定の方向に放射されるので、通信上のヌル点の発生を抑えて安定した通信が可能になる。また、タイヤ圧検出装置30とタイヤ監視装置50とを共通した車両グランド部19に接地したことで、タイヤ圧検出装置30とタイヤ監視装置50との間の通信感度が上がり、省電力化を図ることができる。この点は、後述する実験で実証することができた。さらに、補強用にタイヤ15に埋設した金属網15Bを通信に利用したので資源の有効利用が図られる。しかも、タイヤ側送信回路39に導通接続された中継放電シート34をタイヤ15の内面に宛がうことで、金属網15Bに対して非接触状態で通電することができ、これにより、既存のタイヤ15の金属網15Bを通信に容易に利用することが可能になる。
【0040】
[第2実施形態]
本実施形態は、図8に示すように前記第1実施形態で説明したタイヤ圧検出装置30にタイヤ側受信回路40を追加して備えると共に、図9に示すようにタイヤ監視装置50に本体側送信回路55を追加して備えた点が前記第1実施形態と異なる。
【0041】
タイヤ側受信回路40は、第1実施形態における本体側受信回路52と同様の構成になっている。そして、タイヤ側送信回路39とタイヤ側受信回路40とが、中継放電シート34とタイヤバルブ16との間に並列接続されている。
【0042】
一方、本体側送信回路55は、第1実施形態におけるタイヤ側送信回路39と同様の構成になっている。そして、本体側受信回路52と本体側送信回路55とが、シャーシー12Aと板部材20との間に並列接続されている。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。本実施形態によれば、各タイヤ圧検出装置30とタイヤ監視装置50との間で双方向の通信を行うことができる。
【0043】
[第3実施形態]
本実施形態は、図10に示すように前記第1実施形態で説明した車両11において、タイヤ情報通信システム10に加えて、本発明に係る複数の通信端末80を備えている。そして、これら通信端末80が車両11のワイパー86、フロントドアロック87、リアドアロック88、テールランプ89等の駆動部、半ドアを検出するためのドアセンサ91等の受動部、及び、メイン制御装置85に接続されている。
【0044】
そして、メイン制御装置85用の通信端末80は、タイヤ監視装置50用とは別に備えられたパッチアンテナ22に接続されている。ワイパー86用の通信端末80は、ボンネット81と車両グランド部19とに接続されている。また、フロントドアロック87とドアセンサ91は共通した通信端末80に接続され、その通信端末80はフロントドア82と車両グランド部19とに接続されている。同様に、リアドアロック88とドアセンサ91は共通した通信端末80に接続され、その通信端末80はリアドア83と車両グランド部19とに接続されている。さらに、テールランプ89用の通信端末80は、トランクドア84と車両グランド部19とに接続されている。
【0045】
ここで、各通信端末80は前記第2実施形態で説明した本体側受信回路52及び本体側送信回路55を備えている。そして、各通信端末80が、図11に示すように車両本体12の周りに電界を発生させて他の通信端末80との間で情報を送受信する。具体的には、車両本体12に備えたワイパー操作スイッチ(図示せず)を操作すると、メイン制御装置85がワイパー駆動指令情報を含んだ交流電圧をパッチアンテナ22に印加する。これにより車両本体12の周りに電界が発生し、各通信端末80が車両グランド部19と各扉部材(81〜84)との間に発生した交流電圧に基づいてメイン制御装置85からの情報を取得する。そして、ワイパー86用の通信端末80がワイパー86を駆動し、それ以外の通信端末80は、取得した情報を無視する。これと同様に、例えば、フロントドア82のドアセンサ91が半ドアを検出した場合には、そのドアセンサ91に接続された通信端末80が半ドア情報を含めた交流電圧を車両グランド部19とフロントドア82との間に印加する。すると、上記と同じ原理でこれを取得したメイン制御装置85が例えば運転席の警告灯を点灯する。
【0046】
このように、本実施形態によれば、車両本体12を構成するシャーシー12A及び扉部材(81〜84)等を用いて車内LANを構成することができる。なお、上記実施形態では、各扉部材(81〜84)と車両グランド部19との間に発生した交流電圧を通信に利用したが、例えば、ラジオ用電波又はカーナビ用電波を受信するためのロッドアンテナ94又はリアガラスアンテナ95(共に図15(A)参照)と、車両グランド部19との間に発生した交流電圧を通信に利用してもよい。
【0047】
[第1実施例]
本発明の実施品1として、第1実施形態のタイヤ情報通信システム10と同一構造のタイヤ情報通信システムを製作した。これに対し、従来品1として、ループアンテナを備えたタイヤ情報通信システムを用意した。そして、以下の実験1〜4を行った。
【0048】
なお、図15には、実験に用いた車両11の外観が示されている。この車両11では、車両本体12と大地との間隔の最小部分が200[mm]程度になっている。また、この車両11に装着したタイヤ15は、タイヤ補強用の金属網15Bを埋設して備えた一般的なタイヤである。さらに、実施品1の中継放電シート34は、大きさが100×100[mm]であり、タイヤ15の内面に貼り付けた。
【0049】
[実験1の方法]
実施品1に備えたタイヤ圧検出装置30を車両11の左前の車輪13に取り付け、タイヤ監視装置50用のパッチアンテナ22をシャーシー12Aの下面に配置し、タイヤ圧検出装置30からタイヤ監視装置50へと信号を送信した。このとき、タイヤ圧検出装置30が送信に用いた電力P1を測定すると共に、タイヤ監視装置50がパッチアンテナ22を通して取り込んだ電力P2を測定し、これら電力P1,P2と下記式(1)とから伝搬率Rを求めた。
【0050】
R=10・Log(P2/P1) [dB]・・・・(1)
【0051】
このとき、タイヤ圧検出装置30がタイヤホイール14と中継放電シート34との間に印加する交流電圧の周波数(即ち、搬送波の周波数)を、100[kHz]〜500「MHz]へと徐々に上げていき、搬送波の周波数に対する伝搬率Rの変化のグラフを作成した。実施品1に代えて従来品1を車両11に取り付け、同じ測定を行って同様にグラフを作成した。
【0052】
[実験1の結果]
実施品1の実験結果は図12(A)のグラフG1に示され、従来品1の実験結果は図12(B)のグラフG2に示されている。グラフG2から明らかなように従来品1の伝搬率Rは、全体的に−80[dB]以下であった。即ち、送信側で出力した電力P1に対して受信側では、測定した全周波数において、1/10になっていた。これに対し、実施品1は、全体的に従来品1より伝搬率Rが優れ、特に、搬送波の周波数が40〜100[MHz]の帯域で、伝搬率Rが−50[dB]以上、即ち、1/10以上になった。本実験により、実施品1は従来品1より伝搬率が向上し、小さい消費電力で通信が可能になることが実証された。
【0053】
なお、搬送波の周波数が40〜100[MHz]の帯域に受信感度が比較的良好になったことは、第1実施形態で説明した送信インターフェース39Zによるインピーダンスマッチングと、以下の点が要因であると推測される。即ち、第1実施形態と同一構成の実施品1を搭載した車両11には、図14に示した交流回路97が構成されると推定することができる。その交流回路97の各構成要素は、下記表1に示した通りである。
【0054】
【表1】

【0055】
ここで、図14に二点鎖線で囲んで示したように、交流回路97には、ローパスフィルター98とハイパスフィルター99が含まれている。そして、これらローパスフィルター98とハイパスフィルター99とによって交流回路97がバンドパスフィルターとして作用し、この結果、40〜100[MHz]の周波数帯域の伝搬率Rが比較的良好になるものと推測される。
【0056】
[実験2の方法]
実施品1のタイヤ圧検出装置30を車両11の左前の車輪13に取り付けた。そして、パッチアンテナ22をシャーシー12Aの下面のうち左後部座席の真下と、右後部座席の真下とにそれぞれ設けて、各パッチアンテナ22を通してタイヤ監視装置50で信号を受信し、上記実験1と同様の方法で周波数に対する伝搬率Rの変化のグラフを作成した。
【0057】
[実験2の結果]
パッチアンテナ22を左後部座席の真下に配置した場合の実験結果が図13(A)のグラフRLに示され、右後部座席の真下に配置した場合の実験結果が同図のグラフRRに示され示されている。上記したグラフLR,RRの対比から明らかなように、パッチアンテナ22の位置の相違によって伝搬率Rに大差が現れなかった。
【0058】
[実験3の方法]
実施品1のタイヤ圧検出装置30を取り付けた車輪13を回転させながら上記実験2と同様の手順で周波数に対する伝搬率RRの変化のグラフを作成した。
【0059】
[実験3の結果]
実験結果は図13(B)のグラフRL,RRとして示されている。図13(A)と図13(B)との比較から明らかなように、車輪13の回転によって伝搬率Rに大差が現れなかった。また、車輪13を低速で回転させてヌル点の有無を調べたが、ヌル点は確認されなかった。
【0060】
[実験4の方法]
実施品1のタイヤ監視装置50を図15(A)に示したリアガラスアンテナ95とシャーシー12Aとに接続して、それらリアガラスアンテナ95とシャーシー12Aとの間に発生した交流電圧をタイヤ監視装置50に取り込んだ。そして、上記実験1と同様の手順で周波数に対する伝搬率Rの変化のグラフを作成した。また、リアガラスアンテナ95に代えてタイヤ監視装置50をロッドアンテナ94に接続して、上記と同様にグラフを作成した。さらに、ロッドアンテナ94に代えてタイヤ監視装置50をトランクドア84(具体的には、図15(A)の符号C7で示した位置)に接続して、上記と同様にグラフを作成した。
【0061】
[実験4の結果]
リアガラスアンテナ95を使用した場合の実験結果は図16(A)のグラフG3として示され、ロッドアンテナ94を使用した場合の実験結果は図16(B)のグラフG4として示され、さらに、トランクドア84を使用した場合の実験結果は図16(C)のグラフG5として示されている。これらグラフG3〜G5と図12(A)のグラフG1とを比較すると、パッチアンテナ22を用いた場合よりリアガラスアンテナ95等を用いると伝搬率Rは低下するものの、リアガラスアンテナ95等を用いても図12(B)のグラフG2に示した従来品1に対しては、伝搬率Rは十分に高くなった。
【0062】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0063】
(1)前記第1実施形態の中継放電シート34を用いる代わりに、図17に示すように、金属網15Bに導通した金属網端末部15Tをタイヤ15内に露出させて設け、この金属網端末部15Tにタイヤ側送信回路39の出力端末39Aを導通接続してもよい。
【0064】
(2)また、図18に示すようにタイヤ15の内面全周に亘って導電性カーボンを塗布してなるカーボン被膜15Cを形成しておき、このカーボン被膜15Cにタイヤ側送信回路39の出力端末39Aを導通接続してもよい。この場合、タイヤ15に金属網15Bが内蔵されていると否とを問わない。
【0065】
(3)図19に示すように、本発明の中継放電部材としてタイヤ圧検出装置30に一端が固定されたフレキシブルアンテナ47を設けてもよい。この構成では、車輪13を回転させたときの遠心力によってフレキシブルアンテナ47がリム14Aから離れ、金属網15Bとの間で電界を発生させることができる。また、フレキシブルアンテナ47をリム14A側に寝かせた状態にして、タイヤ15を容易にタイヤホイール14に着脱することができる。なお、フレキシブルアンテナ47は、例えば、フレキシブル基板にモノポールアンテナ、ダイポールアンテナを一体化して構成することができる。
【0066】
(4)前記第1実施形態では、タイヤ圧等の情報に応じて搬送波を周波数変調していたが、変調方法はこれに限定されるものではなく、例えば、振幅変調、パルス変調であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタイヤ情報通信システムの概念図
【図2】タイヤ、タイヤホイール、タイヤ圧検出装置の断面図
【図3】タイヤ圧検出装置の回路図
【図4】送信インターフェースの回路図
【図5】車両近傍の電界の概念図
【図6】タイヤ監視装置の回路図
【図7】受信インターフェースの回路図
【図8】第2実施形態のタイヤ圧検出装置の回路図
【図9】タイヤ監視装置の回路図
【図10】第3実施形態のタイヤ情報通信システムの電気的な構成を示した概念図
【図11】車両近傍の電界の概念図
【図12】実験1の結果を示したグラフ
【図13】実験2及び3の結果を示したグラフ
【図14】タイヤ情報通信システムの等価回路を示した回路図
【図15】実験に用いた車両の平面図(A)と側面図(B)
【図16】実験4の結果を示したグラフ
【図17】変形例(1)のタイヤ、タイヤホイール、タイヤ圧検出装置の断面図
【図18】変形例(2)のタイヤ、タイヤホイール、タイヤ圧検出装置の断面図
【図19】変形例(3)のタイヤ、タイヤホイール、タイヤ圧検出装置の断面図
【符号の説明】
【0068】
10 タイヤ情報通信システム
11 車両
12 車両本体
12A シャーシー
14 タイヤホイール
15 タイヤ
15B 金属網
15C カーボン被膜
15T 金属網端末部
16 タイヤバルブ
17 車軸
19 車両グランド部
20 板部材
22 パッチアンテナ
30 タイヤ圧検出装置
34 中継放電シート
35 圧力センサ
39 タイヤ側送信回路
40 タイヤ側受信回路
47 フレキシブルアンテナ
50 タイヤ監視装置
52 本体側受信回路
55 本体側送信回路
80 通信端末
81 ボンネット
82 フロントドア
83 リアドア
84 トランクドア
94 ロッドアンテナ
95 リアガラスアンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤホイール(14)に取り付けられてタイヤ(15)の圧力を検出し、その検出結果を送信するタイヤ圧検出装置(30)と、前記車両本体(12)に設けられて、前記タイヤ圧検出装置(30)からタイヤ圧の情報を取得するタイヤ監視装置(50)とを備えたタイヤ情報通信システム(10)であって、
前記タイヤ圧検出装置(30)には、前記タイヤ圧の情報を含んだ交流電圧を、前記タイヤホイール(14)と前記タイヤ(15)の全周に備えた環状導電部材(15B,15C)との間に付与して、その環状導電部材(15B,15C)から電波を放射させるタイヤ側送信回路(39)が備えられ、
前記タイヤ監視装置(50)には、前記車両本体(12)のうち車軸(17)を介して前記タイヤホイール(14)に導通した車両グランド部(19)と、前記環状導電部材(15B,15C)から前記電波を受けて前記車両グランド部(19)との間に交流電圧を発生可能な車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)とにそれぞれ接続され、その交流電圧から前記タイヤ圧の情報を取得する本体側受信回路(52)が備えられたことを特徴とするタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項2】
前記環状導電部材(15B)は、前記タイヤ(15)に埋設された金属網(15B)であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項3】
前記金属網(15B)に導通した金属網端末部(15T)が前記タイヤ(15)内に露出され、前記タイヤ側送信回路(39)は前記金属網端末部(15T)に導通接続されたことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項4】
前記タイヤ側送信回路(39)に導通接続されて前記タイヤ(15)内に設けられ、前記金属網(15B)に対して非接触状態で通電可能な中継放電部材(34,47)を設けたことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項5】
前記環状導電部材(15C)は、前記タイヤ(15)の内面全周に亘って導電性カーボンを塗布してなるカーボン被膜(15C)であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項6】
前記車両グランド分離部(20)は、前記車両グランド部(19)としてのシャーシー(12A)の下面に対向配置された板部材(20)であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項7】
前記車両グランド分離部(94,95)は、ラジオ用電波又はカーナビ用電波を受信するためのロッドアンテナ(94)又はリアガラスアンテナ(95)であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項8】
前記車両グランド分離部(81〜84)は、前記車両グランド部(19)としてのシャーシー(12A)との間に隙間を有しかつ開閉可能な扉部材(81〜84)であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項9】
前記タイヤ監視装置(50)には、前記タイヤ圧検出装置(30)への情報を含んだ交流電圧を前記車両グランド部(19)と前記車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)との間に付与して前記車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)から電波を放射させる本体側送信回路(55)が備えられ、
前記タイヤ圧検出装置(30)には、前記車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)からの電波に応じて前記タイヤホイール(14)と前記環状導電部材(15B,15C)との間に生じた交流電圧に基づき、前記タイヤ監視装置(50)からの前記情報を取得するタイヤ側受信回路(40)が備えられたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)。
【請求項10】
前記車両本体(12)に複数の通信端末(80)を設け、
前記各通信端末(80)には、他の前記通信端末(80)への情報を含んだ交流電圧を一の前記車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)と前記車両グランド部(19)との間に付与して前記一の車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)から電波を放射させる端末送信回路(55)と、
前記他の車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)から放射された電波に応じて前記一の車両グランド分離部(20,81〜84,94,95)と前記車両グランド部(19)との間に生じた交流電圧に基づき、前記他の通信端末(80)からの前記情報を取得する端末受信回路(52)とが備えられたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のタイヤ情報通信システム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−179144(P2007−179144A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374294(P2005−374294)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【出願人】(501383440)有限会社アイ・アール・ティー (10)
【Fターム(参考)】