説明

タッチスクリーンパネル及びその製造方法

【課題】連結パターンを覆う絶縁膜の形成領域を最小化するタッチスクリーンパネル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表示領域と、前記表示領域の外郭に形成された非表示領域とに区画される透明基板と、前記表示領域上に第1方向に多数配列された連結パターン144と、前記それぞれの連結パターン上に前記連結パターンの端部が露出するようにアイランド状で形成される絶縁層130と、前記露出した連結パターンの端部と接触して互いに電気的に連結され、前記第1方向に多数配列された第2感知セル142と、前記表示領域上で前記第1方向と交差する第2方向に多数配列される第1感知セル122と、隣接した前記第1感知セルを互いに連結し、前記アイランド状の絶縁層上に形成される連結部124と、前記非表示領域に形成され、前記表示領域の端部に位置する第1感知セル及び第2感知セルとそれぞれ電気的に連結される金属パターン160が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチスクリーンパネルに関し、特に、平板表示装置の上部基板に一体型に形成されるタッチスクリーンパネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンパネルは映像表示装置などの画面に現れた指示内容を人の手又は物体で選択してユーザの命令を入力できるようにした入力装置である。
【0003】
そのために、タッチスクリーンパネルは映像表示装置の前面に備えられて人の手又は物体に直接接触した接触位置を電気的信号に変換する。これにより、接触位置で選択された指示内容が入力信号として受け入れられる。このようなタッチスクリーンパネルは、キーボード及びマウスのように映像表示装置に連結されて動作する別途の入力装置に代えることができるため、その利用範囲が次第に広がる傾向にある。
【0004】
タッチスクリーンパネルを実現する方式としては、抵抗膜方式、光感知方式及び静電容量方式などが知られている。
【0005】
このうち、静電容量方式のタッチスクリーンパネルは、人の手又は物体が接触するとき、導電性感知パターンが周辺の他の感知パターン又は接地電極などと形成する静電容量の変化を感知することで、接触位置を電気的信号に変換する。
【0006】
ここで、接触面での接触位置を明確に判断するために、感知パターンは第1方向に沿って連結されるように形成された第1感知パターン(Xパターン)と、第2方向に沿って連結されるように形成された第2感知パターン(Yパターン)とを含んで構成される。
【0007】
従来の場合、前記第1及び第2感知パターンはそれぞれ互いに異なるレイヤに配置される。即ち、一例として、前記第1感知パターンは下部レイヤに位置し、第2感知パターンは上部レイヤに位置し、これらの間に絶縁膜が介在される。
【0008】
但し、このように互いに異なるレイヤにそれぞれの感知パターンを形成する場合、前記感知パターンに用いられる透明導電性物質(一例として、ITO)の面抵抗が大きくなる。そこで、大きくなった面抵抗を低減するために、前記同じレイヤに位置する感知パターンを連結する連結部の幅を広く実現することが考えられる。しかし、この構成では、上、下レイヤに位置する各連結部のオーバーラップ(overlap)面積が大きくなるため、これに対する寄生キャパシタンスの容量が大きくなって各感知パターンによるセンシング感度が低下するという短所がある。
【0009】
このような短所を克服するために、前記第1及び第2感知パターンを同じレイヤに形成し、前記第1又は第2感知パターン上部の絶縁膜に形成されたコンタクトホールを通じて別途の連結パターンを形成してこれを連結することが考えられる。このとき、前記連結パターンは低い抵抗値を有する金属物質で実現する。
【0010】
一例として、第1感知パターンは既存の場合のように、連結部が透明導電性物質で実現され、前記第1感知パターンの連結部と交差する第2感知パターンの連結部は低抵抗の金属物質で実現される連結パターンで形成する。
【0011】
即ち、前記連結パターンが形成された領域で前記第1感知パターン及び第2感知パターンは互いに交差し、前記連結パターンの幅を最小化して前記交差領域で発生する寄生キャパシタンスの影響を低減できる。
【0012】
しかしながら、この場合にも第2感知パターンを連結する連結部は依然として抵抗値の高い透明導電性物質で形成され、前記交差領域のオーバーラップ面積が減少し、前記連結パターンが絶縁膜の上部に位置するため、外部から印加される静電気に脆弱であるという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、同じレイヤ上に第1、2感知セルを形成し、前記第1又は第2感知セルを連結する連結パターンを前記感知セルの下部に形成し、前記連結パターンを覆う絶縁膜の形成領域を最小化するタッチスクリーンパネル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、表示領域と、前記表示領域の外郭に形成された非表示領域とに区画される透明基板と、前記表示領域上に第1方向に多数配列された連結パターンと、前記それぞれの連結パターン上に前記連結パターンの端部が露出するようにアイランド状に形成される絶縁層と、前記露出した連結パターンの端部と接触して互いに電気的に連結され、前記第1方向に多数配列された第2感知セルと、前記表示領域上で前記第1方向と交差する第2方向に多数配列される第1感知セルと、隣接した前記第1感知セルを互いに連結し、前記アイランド状の絶縁層上に形成される連結部と、前記非表示領域に形成され、前記表示領域の端部に位置する第1感知セル及び第2感知セルとそれぞれ電気的に連結される金属パターンとが含まれることを特徴とする。
【0015】
ここで、前記それぞれの金属パターンの上部には透明導電性物質で実現される導電性保護膜が更に含まれ、前記各導電性保護膜上に前記導電性保護膜の端部が露出するようにアイランド状に形成される絶縁層が更に含まれ、前記露出した導電性保護膜は前記表示領域の端部に位置する第1感知セル又は第2感知セルと接触する。
【0016】
また、前記絶縁層の下部に位置し、前記連結パターンの両側に所定間隔離間して形成された一対の補助パターンが更に含まれ、前記一対の補助パターンの各端部は前記アイランド状の絶縁層の外部に露出し、前記露出した補助パターンの各端部はそれぞれ第1感知セルと接触する。
【0017】
また、前記連結パターン及び金属パターンは同じレイヤ上に形成され、前記感知セルを実現する物質よりも低い抵抗値を有する金属で実現され、前記第1及び第2感知セルは透明導電性物質で実現される。
【0018】
また、本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの製造方法は、表示領域と、前記表示領域の外郭に形成された非表示領域とに区画される透明基板のうち、前記表示領域上に第1方向に多数配列される連結パターンが形成される段階と、前記それぞれの連結パターン上に前記連結パターンの端部が露出するようにアイランド状の絶縁層が形成される段階と、前記露出した連結パターンの端部と接触して互いに電気的に連結され、前記第1方向に多数配列される第2感知セルが形成される段階と、前記表示領域上で前記第1方向と交差する第2方向に多数配列される第1感知セル及び隣接した前記第1感知セルを互いに連結し、前記アイランド状の絶縁層上に連結部が形成される段階とが含まれることを特徴とする。
【0019】
また、前記非表示領域に形成され、前記表示領域の端部に位置する第1感知セル及び第2感知セルとそれぞれ電気的に連結される金属パターンが形成される段階が更に含まれ、前記連結パターン及び金属パターンは同じレイヤ上に同一工程で形成され、前記感知セルを実現する物質よりも低い抵抗値を有する金属で実現される。
【0020】
また、前記それぞれの金属パターンの上部に透明導電性物質で実現される導電性保護膜が形成される段階が更に含まれ、前記各導電性保護膜上に前記導電性保護膜の端部が露出するようにアイランド状に形成される絶縁層が形成される段階が更に含まれる。
【0021】
また、前記絶縁層の下部に位置し、前記連結パターンの両側に所定間離間する一対の補助パターンが形成される段階が更に含まれ、前記一対の補助パターンの各端部は前記アイランド状の絶縁層の外部に露出し、前記露出した補助パターンの各端部はそれぞれ第1感知セルと接触する。
【発明の効果】
【0022】
このような本発明の実施形態によれば、隣接した第1又は第2感知セルを互いに連結する連結パターンをそれぞれタッチスクリーンパネルの外郭に形成される金属パターンと同じ低抵抗の金属材質で実現して前記連結パターンの静電気に対する脆弱性を改善することで、ESD(ElectroStatic Discharge)の問題を克服できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルに形成された感知パターンの配置を示す平面図である。
【図1B】図1Aの特定部分(I-I’)に対する断面図である。
【図2A】図1Aに示す本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの製造工程を示す平面図及び断面図である。
【図2B】図1Aに示す本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの製造工程を示す平面図及び断面図である。
【図2C】図1Aに示す本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの製造工程を示す平面図及び断面図である。
【図2D】図1Aに示す本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの製造工程を示す平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態を更に詳細に説明する。
【0025】
図1Aは、本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルに形成された感知パターンの配置を示す平面図であり、図1Bは、図1Aの特定部分(I-I’)に対する断面図である。
【0026】
但し、これは表示領域上に多数配列された第1及び第2感知パターンのうち、表示領域の一側端部に位置する2×2感知パターンをその例として説明する。
【0027】
図1A及び図1Bを参照すれば、本発明の実施形態に係る感知パターンは、表示領域と、前記表示領域の外郭に形成された非表示領域とに区画される透明基板10の表示領域に形成されるものであって、互いに交互に配置され、X座標が同一の1つの列又はY座標が同一の1つの行単位で互いに連結するように形成された第1及び第2感知パターン120、140を含む。
【0028】
即ち、第1感知パターン120はX座標が同一の1つの列に配置された第1感知セル122と、隣接した前記第1感知セル122を互いに連結する連結部124とで構成される。また、第2感知パターン140はY座標が同一の1つの行に配置された第2感知セル142と、隣接した前記第2感知セル142を互いに連結する連結パターン144とで構成される。
【0029】
このとき、本発明の実施形態の場合、前記第1感知セル122及び第2感知セル142は同じレイヤに形成され、前記第1及び第2感知セル122、142はタッチスクリーンパネルの動作実現のために、透明材質で実現されなければならない。これにより、前記第1及び第2感知セル122、142は透明導電性物質、即ち、一例としてインジウム-ティンオキサイド(以下、ITO)で実現されることが好ましい。
【0030】
また、前記第1感知セル122及び第2感知セル142が感知電極としての役割を果たすためには、第1方向及び第2方向に配列されたそれぞれの感知セルが電気的に連結されなければならない。
【0031】
これにより、前記第1感知セル122は連結部124により互いに電気的に連結され、前記第2感知セル142は連結パターン144により互いに電気的に連結される。
【0032】
このとき、前記連結部124は前記第1感知セル122と一体型に形成されるものであって、隣接した第1感知セル122は前記連結部124を通じていずれも連結される。
【0033】
即ち、前記連結部124は前記第1感知セル122と同じ透明導電性物質で実現される。
【0034】
これに対し、前記連結パターン144は前記隣接した第2感知セル142を電気的に連結させる別途の物質からなる。このとき、前記第1感知セル122、連結部124及び第2感知セル142が同じレイヤに形成されるため、前記連結部124と交差する前記連結パターン144は短絡を避けるために、前記第1、2感知セル122、142と同じレイヤに形成されることができない。
【0035】
これにより、本発明の実施形態では前記連結パターン144が前記第1、2感知セル122、142の下部レイヤに形成されることを特徴とする。
【0036】
そして、本発明の実施形態で前記連結パターン144は抵抗の低い金属で形成するものであって、特に、第1、2感知セル122、142が形成される表示領域の端部に隣接した非表示領域に形成されて前記感知セルにより感知された信号を駆動回路(図示せず)側に供給する金属パターン160と同じ材質で形成される。
【0037】
即ち、前記多数の感知パターン120、140が形成された領域は、画像が表示されてタッチ位置を検出する表示領域であり、前記感知パターン120、140と電気的に連結される金属パターン160が形成された領域は前記表示領域の外郭に備えられる非表示領域である。
【0038】
この場合、前記連結パターン144が前記金属パターン160と同じレイヤに同一工程を通じて形成されるので、前記連結パターン144を形成するための追加のマスク工程が不要であり、工程数及び時間を短縮できるという長所がある。
【0039】
このように、前記第2感知セル142を互いに連結する連結パターン144を透明導電性物質でない低抵抗の金属で実現することによって、前記第2感知セル142の連結部分での電荷の流れを円滑にできるようになり、前記感知セルのセンシング感度を向上させる。
【0040】
また、前記金属パターン160は表示領域の端部に位置する第1及び/又は第2感知セルと電気的に連結され、これは前記感知セル122、142により感知された信号を駆動回路(図示せず)側に供給する役割を果たす。
【0041】
但し、本発明の実施形態の場合、前記金属パターン160はその上部に透明導電性物質で実現される導電性保護膜162が更に形成され、これを通じて工程中に発生し得る前記金属パターン160の腐食を防止できるようになる。
【0042】
また、前記交差して重なる連結パターン144と連結部124との間の領域には前記連結パターン144と連結部124の短絡を防止するために、アイランド状の絶縁層130が形成される。また、前記アイランド状の絶縁層130は前記導電性保護膜162上にも形成される。ここで、前記絶縁層130は透明材質の無機絶縁膜であって、酸化シリコン膜(SiO)又は窒化シリコン膜(SiNx)で実現されることが好ましい。
【0043】
これを通じて前記低抵抗金属で実現される連結パターン144が絶縁層130の下部に位置することで、前記連結パターンの静電気に対する脆弱性を改善できるようになり、これを通じてESDの問題を克服できる。
【0044】
このとき、図示のように、前記アイランド状の絶縁層130は前記連結パターン144の全部を覆うのではなく、前記連結パターン144の両端、即ち、第2感知セル142と接触する部分を除いた領域に形成され、これを通じて別途のコンタクトホールを備えなくても前記連結パターン144と第2感知セル142は電気的に連結される。
【0045】
また、前記導電性保護膜162上に形成される絶縁層130も第1感知セル122及び第2感知セル142と接触する部分は露出するように形成される。
【0046】
但し、前記のようなアイランド状の絶縁層130が形成される場合、前記絶縁層130の上部に形成される連結部124は段差が形成される前記絶縁層130の端部で前記第1感知セル122と連結される。
【0047】
即ち、前記第1感知セル122の幅が狭くなる部分と前記絶縁層130の段差が形成された部分とが会うようになるが、このような境界領域では局部的に抵抗が高くなり、前記第1感知セル122を連結する連結部124が静電気により損傷しやすいという問題がある。これは外部から静電気が流入する際に前記境界領域にジュール発熱(Joule Heating)が集中して熱損傷が発生してタッチスクリーンパネルの駆動不良を起こし得る。
【0048】
これにより、本発明の実施形態では前記領域に対応する絶縁層130の下部に補助パターン150が追加で形成されることを特徴とする。
【0049】
即ち、前記連結パターン144の両側に前記連結パターン144と所定間隔離間した一対の補助パターン150が追加で形成され、これは前記隣接した第1感知セル122とそれぞれ電気的に連結される。このとき、前記補助パターン150は前記連結パターン144と同じ低抵抗の金属で実現される。
【0050】
また、図示のように、前記アイランド状の絶縁層130は前記補助パターン150の全部を覆うのではなく、前記補助パターン150のそれぞれの端部、即ち、第1感知セル122と接触する部分を除いた領域に形成される。このため、これを通じて別途のコンタクトホールを備えなくても前記一対の補助パターン150と隣接した第1感知セル122は電気的に連結される。
【0051】
このような補助パターン150により前記連結部124が形成される部分での急激な抵抗の増加を防止できるだけでなく、第1感知セル122が連結されるライン単位のライン抵抗を減少させることができる。これにより、静電気によるタッチスクリーンパネルの駆動不良を防止すると共に、タッチスクリーンパネルの駆動特性を向上させることができる。
【0052】
このような実施形態において、前記連結パターン144は図示のように、矩形バー(bar)の形状からなり、前記補助パターン150はコ字状からなり得るが、これは1つの実施形態であって、必ずしもこのような形状に限定されるものではない。
【0053】
図2A〜図2Dは、図1に示す本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの製造工程を示す平面図及び断面図である。
【0054】
但し、ここでは、表示領域上に多数配列された第1及び第2感知パターンのうち、表示領域の一側端部に位置する2×2感知パターンをその例として説明する。
【0055】
まず、図2Aを参照すれば、透明基板上に金属パターン160、連結パターン142及び補助パターン150が形成される。
【0056】
ここで、前記透明基板は表示領域と、前記表示領域の外郭に形成された非表示領域とに区画される。
【0057】
このとき、前記金属パターン160、連結パターン142及び補助パターン150は低抵抗の金属で実現されるものであって、前記低抵抗の金属はモリブデン(Mo)、銀(Ag)、チタニウム(Ti)、銅(Cu)、アルミニウム(Ti)、モリブデン/アルミニウム/モリブデン(Mo/Al/Mo)などの金属物質で形成され得る。
【0058】
前記金属パターン160は後で形成される第1、2感知セル(図示せず)が備えられた表示領域の端部に隣接した非表示領域に形成されるものであって、前記感知セルにより感知された信号を駆動回路(図示せず)側に供給する。
【0059】
図2Aに示す金属パターン160のうち、左側に形成された金属パターン160は後で形成される第1感知セルと電気的に連結され、下側に形成された金属パターン160は後で形成される第2感知セルと電気的に連結される。
【0060】
また、前記連結パターン144は前記第2感知セルを互いに電気的に連結するものであって、前記表示領域内で前記第2感知セルが配列される方向(一例として、Y方向)に所定間隔離間して配列される。
【0061】
また、前記補助パターン150は前記連結パターン144と所定間隔離間した一対で実現され、これは前記隣接した第1感知セル122とそれぞれ電気的に連結される。
【0062】
次に、図2Bを参照すれば、前記金属パターン160の上部に透明導電性物質で実現される導電性保護膜162が形成される。
【0063】
このとき、前記導電性保護膜162は透明導電性物質の一例であって、ITOで実現され、これは工程中に発生し得る前記金属パターン160の腐食を防止する役割を果たす。
【0064】
また、図2Bに示す導電性保護膜162のうち、左側に形成された金属パターン160上に形成された導電性保護膜162は後で形成される第1感知セルと接触し、下側に形成された金属パターン160上に形成された導電性保護膜162は後で形成される第2感知セルと接触する。
【0065】
次に、図2Cを参照すれば、前記導電性保護膜162及び連結パターン142、補助パターン150と重なるように、アイランド状の絶縁層130が形成される。ここで、前記絶縁層130は透明材質の無機絶縁膜であって、酸化シリコン膜(SiO)又は窒化シリコン膜(SiNx)で実現されることが好ましい。
【0066】
このとき、図示のように、前記アイランド状の絶縁層130は前記連結パターン144及び補助パターン150の全部を覆うのではなく、前記連結パターン144、補助パターン150の両端、即ち、第1、2感知セルと接触する部分を除いた領域に形成される。これを通じて別途のコンタクトホールを備えなくても前記連結パターン144と第2感知セルが電気的に連結され、前記補助パターン150と第1感知セルが電気的に連結される。
【0067】
また、前記導電性保護膜162上に形成される絶縁層130も第1感知セル及び第2感知セルと接触する部分は露出するように形成される。
【0068】
最後に、図2Dに示すように、第1感知セル122及び前記第1感知セル122を連結する連結部124と、第2感知セル142が形成される。
【0069】
前記第1感知セル122及び第2感知セル142は同一工程を通じて同じレイヤに形成され、前記第1及び第2感知セル122、142はタッチスクリーンパネルの動作実現のために透明材質で実現される。
【0070】
即ち、前記第1及び第2感知セル122、142は透明導電性物質、即ち、一例としてITOで実現される。
【0071】
また、前記第1感知セル122及び第2感知セル142が感知電極としての役割を果たすためには、X方向及びY方向に配列されたそれぞれの感知セルが電気的に連結されなければならない。
【0072】
これにより、前記第1感知セル122は前記連結部124により互いに電気的に連結され、前記第2感知セル142は既に形成された連結パターン134により互いに電気的に連結される。
【0073】
このとき、前記連結部124は前記第1感知セル122と一体型に形成されるものであって、隣接した第1感知セル122は前記連結部124を通じていずれも連結される。
【0074】
即ち、前記連結部124は前記第1感知セル122と同じ透明導電性物質で同一工程を通じて同じレイヤに形成される。
【0075】
ここで、前記連結部124の下部には前記アイランド状の絶縁層130が形成されており、前記絶縁層130の左、右側に露出した一対の補助パターン150は前記第1感知セル122と接触する。
【0076】
また、前記第2感知セル142は前記絶縁層130の上、下に露出した連結パターン144と接触し、これを通じて前記隣接した第2感知セル142は電気的に連結される。
【0077】
また、図示のように、表示領域のうち、左側端部に位置する第1感知セル122は表示領域の左側外郭部に位置する前記導電性保護膜162の端部と接触し、前記導電性保護膜162の下部に形成された金属パターン160と電気的に連結される。
【0078】
これと同様に、表示領域のうち、下側端部に位置する第2感知セル142は表示領域の下側外郭部に位置する前記導電性保護膜162の端部と接触し、前記導電性保護膜162の下部に形成された金属パターン160と電気的に連結される。
【0079】
これを通じてX座標が同一の1つの列に配置された第1感知セル122と、隣接した前記第1感知セル122を互いに連結する連結部124で構成される第1感知パターン120及びY座標が同一の1つの行に配置された第2感知セル142と、隣接した前記第2感知セル142を互いに連結する連結パターン144で構成される第2感知パターン140が形成される。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能なのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0081】
10 透明基板
120 第1感知パターン
122 第1感知セル
124 連結部
130 アイランド状の絶縁層
140 第2感知パターン
142 第2感知セル
144 連結パターン
160 金属パターン
162 導電性保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の外郭に形成された非表示領域とに区画される透明基板と、
前記表示領域上に第1方向に多数配列された連結パターンと、
前記それぞれの連結パターン上に前記連結パターンの端部が露出するようにアイランド状に形成される絶縁層と、
前記露出した連結パターンの端部と接触して互いに電気的に連結され、前記第1方向に多数配列された第2感知セルと、
前記表示領域上で前記第1方向と交差する第2方向に多数配列される第1感知セルと、
隣接した前記第1感知セルを互いに連結し、前記アイランド状の絶縁層上に形成される連結部と、
前記非表示領域に形成され、前記表示領域の端部に位置する第1感知セル及び第2感知セルとそれぞれ電気的に連結される金属パターンと
が含まれることを特徴とするタッチスクリーンパネル。
【請求項2】
前記それぞれの金属パターンの上部には透明導電性物質で実現される導電性保護膜が更に含まれることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項3】
前記各導電性保護膜上に前記導電性保護膜の端部が露出するようにアイランド状に形成される絶縁層が更に含まれることを特徴とする請求項2に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項4】
前記露出した導電性保護膜は前記表示領域の端部に位置する第1感知セル又は第2感知セルと接触することを特徴とする請求項3に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項5】
前記絶縁層の下部に位置し、前記連結パターンの両側に所定間隔離間して形成された一対の補助パターンが更に含まれることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項6】
前記一対の補助パターンの各端部は前記アイランド状の絶縁層の外部に露出することを特徴とする請求項5に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項7】
前記露出した補助パターンの各端部はそれぞれ第1感知セルと接触することを特徴とする請求項6に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項8】
前記連結パターン及び金属パターンは同じレイヤ上に形成され、前記感知セルを実現する物質よりも低い抵抗値を有する金属で実現されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項9】
前記第1及び第2感知セルは透明導電性物質で実現されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項10】
表示領域と、前記表示領域の外郭に形成された非表示領域とに区画される透明基板のうち、前記表示領域上に第1方向に多数配列される連結パターンが形成される段階と、
前記それぞれの連結パターン上に前記連結パターンの端部が露出するようにアイランド状の絶縁層が形成される段階と、
前記露出した連結パターンの端部と接触して互いに電気的に連結され、前記第1方向に多数配列される第2感知セルが形成される段階と、
前記表示領域上で前記第1方向と交差する第2方向に多数配列される第1感知セル及び隣接した前記第1感知セルを互いに連結し、前記アイランド状の絶縁層上に連結部が形成される段階と
が含まれることを特徴とするタッチスクリーンパネルの製造方法。
【請求項11】
前記非表示領域に形成され、前記表示領域の端部に位置する第1感知セル及び第2感知セルとそれぞれ電気的に連結される金属パターンが形成される段階が更に含まれることを特徴とする請求項10に記載のタッチスクリーンパネルの製造方法。
【請求項12】
前記連結パターン及び金属パターンは同じレイヤ上に同一工程で形成され、前記感知セルを実現する物質よりも低い抵抗値を有する金属で実現されることを特徴とする請求項11に記載のタッチスクリーンパネルの製造方法。
【請求項13】
前記それぞれの金属パターンの上部に透明導電性物質で実現される導電性保護膜が形成される段階が更に含まれることを特徴とする請求項10に記載のタッチスクリーンパネルの製造方法。
【請求項14】
前記各導電性保護膜上に前記導電性保護膜の端部が露出するようにアイランド状で形成される絶縁層が形成される段階が更に含まれることを特徴とする請求項13に記載のタッチスクリーンパネルの製造方法。
【請求項15】
前記絶縁層の下部に位置し、前記連結パターンの両側に所定間離間する一対の補助パターンが形成される段階が更に含まれることを特徴とする請求項10に記載のタッチスクリーンパネルの製造方法。
【請求項16】
前記一対の補助パターンの各端部は前記アイランド状の絶縁層の外部に露出し、前記露出した補助パターンの各端部はそれぞれ第1感知セルと接触することを特徴とする請求項15に記載のタッチスクリーンパネルの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【公開番号】特開2011−192251(P2011−192251A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153852(P2010−153852)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】