説明

タッチ制御型手持ち式電子装置

【課題】容易に正確な操作ができるタッチ制御型手持ち式電子装置を提供する。
【解決手段】タッチ制御型手持ち式電子装置1は、複数のアプリケーションプログラム及びカーソル制御ソフトウェアを記憶するメモリユニットを有する本体10と、本体10に配置し、アプリケーションプログラムを起動して実行するアプリケーションプログラム起動アイコン112と、カーソル制御プログラムに基づいて表示されるカーソル110と、を表示する表示モニタ11と、表示モニタ11と表裏の関係で、本体10の背面部に設けられ、表示モニタ11に表示されたカーソル110を移動させるタッチ制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち式電子装置に関し、特に、タッチ制御型手持ち式電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展により、デジタル通信システムに応用する様々な電子装置(例えば、携帯電話、カーナビゲーションなどの手持ち式電子装置)は、現代人にとって必需品となっている。
【0003】
一般に、ユーザは、手持ち式電子装置の機能ボタンを用いて選択及び操作を行う。例えば、携帯電話の場合、方向ボタン、確認ボタン及び数字ボタンを用いてショートメッセージを送受信したり、使用モードを設定したり、コンタクトリストを閲覧したり、カメラ機能を起動したりすることができる。タッチパネル(touch panel)の出現及び関連技術の成熟に伴い、ユーザは、指又はタッチペンにより、タッチパネルを備える手持ち式電子装置を操作することができる。
【0004】
ただし、手持ち式装置の製造メーカは、装置の携帯性を向上させるために、そのほとんどが軽量で薄型に設計され、それに伴い手持ち式電子装置が有するタッチパネルの面積も小さくなってきている。しかし、従来技術ではタッチパネルの絶対位置により接触座標を決定していたため、ユーザが指又はタッチペンを用いて、タッチパネルを有する手持ち式電子装置を操作する場合、タッチパネルの面積が小さいため、誤接触による誤作動が発生したり、操作がスムーズに行えないため、ユーザにとって不便であった。さらに、タッチパネルを備える手持ち式電子装置をタッチペンで操作する場合、必ず両手を使用する必要があり、片手だけでは使用できないため不便である。また、タッチペンは失くしたり壊れたりする虞もあった。
【0005】
そのため、ユーザが片手で使用し、容易に正確な操作ができる手持ち式電子装置が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、容易に正確な操作ができるタッチ制御型手持ち式電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、複数のアプリケーションプログラム及びカーソル制御ソフトウェアを記憶するメモリユニットを有する本体と、前記本体に配置し、前記アプリケーションプログラムを起動して実行するアプリケーションプログラム起動アイコンと、カーソル制御プログラムに基づいて表示されるカーソルと、を表示する表示モニタと、前記表示モニタと表裏の関係で、前記本体の背面部に設けられ、前記表示モニタに表示されたカーソルを移動させるタッチ制御部と、を備えることを特徴とするタッチ制御型手持ち式電子装置が提供される。
【0008】
また、前記表示モニタの側面部に設けられ、前記表示モニタに表示されたカーソルで、前記アプリケーションプログラム起動アイコンを選択した状態で操作すると前記アプリケーションプログラムが起動する起動ユニットをさらに備えることが好ましい。
【0009】
また、前記起動ユニットは、押しボタン又はスライド式ボタンであることが好ましい。
【0010】
また、前記起動ユニットは、実行ボタンを有することが好ましい。
【0011】
また、前記起動ユニットは、選択ボタンを有することが好ましい。
【0012】
また、前記表示モニタの背面部に設けられ、前記表示モニタに表示されたカーソルで、前記アプリケーションプログラム起動アイコンを選択した状態で操作すると前記アプリケーションプログラムが起動する起動ユニットをさらに備えることが好ましい。
【0013】
また、前記起動ユニットは、前記タッチ制御部に隣接した箇所に配置されることが好ましい。
【0014】
また、前記タッチ制御部は、タッチパッド又はトラックボールであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のタッチ制御型手持ち式電子装置は、操作を容易かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明の一実施形態によるタッチ制御型手持ち式電子装置の正面部を示す斜視図である。
【図1B】本発明の一実施形態によるタッチ制御型手持ち式電子装置の背面部を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるタッチ制御型手持ち式電子装置の表示モニタを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0018】
図1A及び図1Bを参照する。図1A及び図1Bに示すように、本発明の一実施形態によるカーソル制御型の手持ち式電子装置1は、スライド式携帯電話であるが、これだけに限定されるわけではなく、ストレート式携帯電話又は折り畳み式携帯電話、さらにはパーソナルデジタルアシスタント、カーナビゲーションなどでもよい。
【0019】
図1A及び図1Bに示すように、カーソル制御型の手持ち式電子装置1は、本体10、表示モニタ11、タッチ制御部12及び起動ユニット13を含む。
【0020】
本体10は、複数のアプリケーションプログラム及びカーソル制御ソフトウェアを記憶するために用いるメモリユニット(図示せず)を有する。このアプリケーションプログラムは、例えば、通話記録、コンタクトリスト、音楽プレーヤ、ショートメッセージ、カメラ、モード設定などの機能を提供する。
【0021】
本体10に配置された表示モニタ11には、カーソル110及びアプリケーションプログラム起動アイコン112が表示される。アプリケーションプログラム起動アイコン112は、前述のアプリケーションプログラムを起動実行する。カーソル110は、前述のカーソル制御ソフトウェアにより表示される。本実施形態において、表示モニタ11は、本体10の正面部100に配置された液晶パネル又はタッチパネル(touch panel)である。カーソル110の形状は、本実施形態では矢印状であるが、これだけに限定されるわけではなく、線形、円形、方形など他の形状でもよい。
【0022】
タッチ制御部12は、表示モニタ11と表裏の関係で、本体10の背面部101に設けられ、表示モニタに表示されたカーソル110を制御するために用いる。本実施形態において、ユーザが片手で本体10を握持しながら、表示モニタ11に表示された任意のアプリケーションプログラム起動アイコン112を操作する場合、ユーザは指(例えば、人差し指)を本体10の背面部101上に置き、タッチ制御部12に指を直接接触させて操作することができる。さらにタッチ制御部12で指を動かすと、メモリユニットに記憶したカーソル制御ソフトウェアにより、表示モニタ11に表示されたカーソル110を移動させることができる。ここで、本実施形態では、図1Bに示すように、タッチ制御部12には、タッチパッドが用いられているが、これだけに限定されるわけではなく、トラックボール(図示せず)を用いてもよい。また、本実施形態のタッチ制御部12のタッチ領域は、図1Bに示す態様だけに限定されるわけではなく、実際に応用する製品の必要に応じ、図1Bに示す大きさより小さくしてもよい。
【0023】
起動ユニット13は、本体10の側面部102に配置され、表示モニタに表示されたカーソル110で、アプリケーションプログラム起動アイコン112をタッチしながら操作すると、アプリケーションプログラムが起動する。本実施形態の起動ユニット13は、側面部102に設けられたボタンであるが、本実施形態の態様だけに限定されるわけではなく、同様の機能を備えていれば他の態様でもよい。本実施形態では、表示モニタに表示されたカーソル110で、アプリケーションプログラム起動アイコン112を選択してタッチ制御部12を操作すると、起動ユニット13によりアプリケーションプログラム起動アイコン112の機能(例えば、カメラ機能など)を起動させることができる。また、この起動ユニット13は、本体10上に設けずに、タッチ制御部12を連続してクリックするなどの方式により、表示モニタに表示されたカーソル110を用いてアプリケーションプログラム起動アイコン112を選択して起動させてもよい。さらに他の実施形態では、タッチ制御部12に隣接するように本体10の背面部101の箇所に、起動ユニット13を配置してもよい。
【0024】
また、前述の起動ユニット13は、実行ボタン及び選択ボタンを有する2つのボタン(図示せず)を含んでもよい。ユーザが実行ボタンを操作すると、カーソル110でアプリケーションプログラム起動アイコン112を選択してその機能を実行する。ユーザが選択ボタンを操作すると、メモリユニットに記憶されているアプリケーションプログラムのプログラムリスト111が表示される。続いて、タッチ制御部12上でユーザが指を移動させると、図2に示すように、プログラムリスト111上へカーソル110が移動し、その停止位置によりプログラムリスト111の中から実行したいアプリケーションプログラムを確定してから、起動ユニット13の実行ボタンを操作すると、確定された停止位置にあるアプリケーションプログラムが実行される。
【0025】
上述したことから分かるように、本発明のタッチ制御型手持ち式電子装置は、ユーザが片手で手持ち式電子装置を握持し、手持ち式電子装置の背面部に設けられたタッチ制御部の上で指を動かし、手持ち式電子装置の正面部に設けた表示モニタに表示されたカーソルの位置を移動させ、表示モニタに表示されたアプリケーションプログラム又は機能サービスを選択することができるため、容易に正確な操作ができる。また、表示モニタに表示されたカーソルをユーザが移動させ、タッチパネルの中のアプリケーションプログラム起動アイコンを選択した後、タッチ制御部又は起動ユニットにより、アプリケーションプログラムを起動させる。このように、本発明のタッチ制御型手持ち式電子装置は、カーソルを位置決めする際、絶対座標を用いずに、相対変位のタッチ操作を用いることによりカーソルを移動させることができるため、誤接触による誤作動を防ぐことができる。
【0026】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0027】
1 カーソル制御型の手持ち式電子装置
10 本体
11 表示モニタ
12 タッチ制御部
13 起動ユニット
100 正面部
101 背面部
102 側面部
110 カーソル
111 プログラムリスト
112 アプリケーションプログラム起動アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションプログラム及びカーソル制御ソフトウェアを記憶するメモリユニットを有する本体と、
前記本体に配置し、前記アプリケーションプログラムを起動して実行するアプリケーションプログラム起動アイコンと、カーソル制御プログラムに基づいて表示されるカーソルと、を表示する表示モニタと、
前記表示モニタと表裏の関係で、前記本体の背面部に設けられ、前記表示モニタに表示されたカーソルを移動させるタッチ制御部と、を備えることを特徴とするタッチ制御型手持ち式電子装置。
【請求項2】
前記表示モニタの側面部に設けられ、前記表示モニタに表示されたカーソルで、前記アプリケーションプログラム起動アイコンを選択した状態で操作すると前記アプリケーションプログラムが起動する起動ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のタッチ制御型手持ち式電子装置。
【請求項3】
前記起動ユニットは、押しボタン又はスライド式ボタンであることを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御型手持ち式電子装置。
【請求項4】
前記起動ユニットは、実行ボタンを有することを特徴とする請求項2に記載のタッチ制御型手持ち式電子装置。
【請求項5】
前記起動ユニットは、選択ボタンを有することを特徴とする請求項4に記載のタッチ制御型手持ち式電子装置。
【請求項6】
前記表示モニタの背面部に設けられ、前記表示モニタに表示されたカーソルで、前記アプリケーションプログラム起動アイコンを選択した状態で操作すると前記アプリケーションプログラムが起動する起動ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のタッチ制御型手持ち式電子装置。
【請求項7】
前記起動ユニットは、前記タッチ制御部に隣接した箇所に配置されることを特徴とする請求項6に記載のタッチ制御型手持ち式電子装置。
【請求項8】
前記タッチ制御部は、タッチパッド又はトラックボールであることを特徴とする請求項1に記載のタッチ制御型手持ち式電子装置。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−138467(P2011−138467A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32571(P2010−32571)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(507028952)亞旭電腦股▲ふん▼有限公司 (44)
【Fターム(参考)】