説明

ダイエット用組成物

【課題】優れたダイエット効果が得られるダイエット用組成物を提供する。
【解決手段】クエン酸を10重量%以上含有するダイエット用組成物に係る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なダイエット用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の欧米化等により肥満及びそれに伴う成人病の問題が深刻化しつつある。例えば、肥満は、糖尿病をはじめ、動脈硬化、高血圧、高脂血症等のさまざまな疾患の原因となることが知られている。
【0003】
これに対し、肥満を防止又は緩和するためのダイエット食品、ダイエット補助食品等が開発され、実用化されている。例えば、(1)グルカゴン分泌亢進作用を有するアミノ酸類の少なくとも一種、キサンチン誘導体の少なくとも一種、およびチアミン化合物の少なくとも一種を含有するシェイプアップ用飲食品(特許文献1)、(2)サラシアレティキュラータ、キトサン、マルベリー、キダチアロエ、オオバコからなる配合物を基本組成とし、これにビタミン群を添加したことを特徴とするダイエット補助食品(特許文献2)、(3)美容用及び/又はダイエット用組成物において、リコピンとオリーブ葉エキスとの活性混合物を含むことを特徴とする組成物であって、前記オリーブ葉エキスがリコピンを可溶化せしめると共に、オリーブ葉エキスの脂質調節効果がリコピンの細胞保存効果と組合わされた組成物(特許文献3)等の食品が数多く提案されている。
【特許文献1】特開平11−308979号公報
【特許文献2】特開2002−10752号公報
【特許文献3】特表開2002−543103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のダイエット食品等では、その効果が必ずしも十分なものとは言えず、また即効性という点においても改善の余地がある。
【0005】
従って、本発明は、優れたダイエット効果が得られるダイエット用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、従来技術の問題に鑑みて研究を重ねた結果、特定の組成を採用することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記に示すダイエット用組成物に係る。
【0008】
1. クエン酸を10重量%以上含むダイエット用組成物。
【0009】
2. さらに、ビタミン類の少なくとも1種を含む前記項1に記載のダイエット用組成物。
【0010】
3. ビタミン類が、1)ニコチン酸アミド、2)ビタミンB1、3)ビタミンB2、4)パントテン酸又はパントテン酸カルシウム及び5)ビタミンCの少なくとも1種である前記項2に記載のダイエット用組成物。
【0011】
4. クエン酸100重量部に対し、1)ニコチン酸アミド:0.1〜0.4重量部、2)ビタミンB1:0.5〜2重量部、3)ビタミンB2:0.2〜1重量部、4)パントテン酸又はパントテン酸カルシウム:0.2〜1重量部及び5)ビタミンC:0.1〜0.5重量部を含む前記項3に記載のダイエット用組成物。
【0012】
5. さらに、食物繊維、甘味料及び香料の少なくとも1種を含む前記項1又は2に記載のダイエット用組成物。
【0013】
6. クエン酸100重量部に対し、食物繊維:150〜400重量部、甘味料:0.5〜5重量部及び香料:1〜10重量部を含む前記項5に記載のダイエット用組成物。
【0014】
7. さらに、コエンザイムQ10及びL−カルニチンの少なくとも1種を含む前記項1〜6のいずれかに記載のダイエット用組成物。
【0015】
8. 粉末状である前記項1〜7のいずれかに記載のダイエット用組成物。
【0016】
9. 前記項8に記載の組成物を水に溶解又は分散してなるダイエット用組成物。
【0017】
10. 前記項1〜9のいずれかに記載のダイエット用組成物を一部又は全部として含む食品。
【発明の効果】
【0018】
本発明のダイエット用組成物では、特にクエン酸が高含有量で配合されているため、優れたダイエット効果を達成することができる。このメカニズムは、多量のクエン酸が体内に導入されることにより、体内のクエン酸サイクルが刺激・活性化され、脂質、糖質等が熱エネルギーとして効率的に消費されるためと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のダイエット用組成物は、クエン酸を10重量%以上(好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上)含有することを特徴とする。10重量%以上という比較的多量のクエン酸を含有させることにより、優れたダイエット効果が得られる。上限値は特に制限されないが、一般的には95重量%程度とすれば良い。多量のクエン酸を導入することにより、クエン酸サイクルをより活性化し、それにより多量の糖質及び脂質が分解され、体外に熱エネルギーとして効率的に排出することが可能になると考えられる。ちなみに、これまでのダイエット食品等においてもクエン酸を配合したものは知られている(前記特許文献1〜3等)が、本発明のように多量のクエン酸を含有する組成物は未だ知られていない。
【0020】
本発明では、クエン酸のほかに、公知のダイエット食品等で配合されている添加剤を配合することもできる。例えば、ビタミン類、食物繊維、甘味料、香料、着色料等を用いることができる。添加量は、用いる添加剤の種類、所望の特性等に応じて適宜設定することができる。
【0021】
特に、本発明では、ビタミン類の少なくとも1種を配合することもできる。例えば、ニコチン酸アミド、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、ビタミンC、ビタミンH、リポ酸等を挙げることができる。本発明では、1)ニコチン酸アミド、2)ビタミンB1、3)ビタミンB2、4)パントテン酸又はパントテン酸カルシウム及び5)ビタミンCの少なくとも1種を用いることが好ましい。より好ましくは1)ニコチン酸アミド、2)ビタミンB1、3)ビタミンB2、4)パントテン酸又はパントテン酸カルシウム及び5)ビタミンCをすべて配合する。これらのビタミン類は、体内のクエン酸サイクルに寄与するものであり、クエン酸サイクルの活性化を促進し、代謝をより効果的に進行させることができる。これらをすべて添加する場合は、クエン酸100重量部に対し、1)ニコチン酸アミド:0.1〜0.4重量部、2)ビタミンB1:0.5〜2重量部、3)ビタミンB2:0.2〜1重量部、4)パントテン酸又はパントテン酸カルシウム:0.2〜1重量部及び5)ビタミンC:0.1〜0.5重量部とすることが好ましい。
【0022】
さらに、本発明組成物では、食物繊維、甘味料及び香料の少なくとも1種を配合することが好ましい。食物繊維としては、水溶性又は非不溶性のいずれであっても良い。前者としては、例えばグルコマンナン、アルギン酸、カラギーナン、水溶性ペクチン等が挙げられる。後者としては、例えばセルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン等が挙げられる。甘味料としては、例えば糖質、オリゴ糖、人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース)、天然甘味料(トレハロース、ステビア)等が挙げられる。香料としては、例えばグレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ等が挙げられる。
【0023】
本発明では、食物繊維、甘味料及び香料の少なくとも1種を配合することにより、クエン酸の酸味の抑制、便秘予防効果等のいずれかの効果を得ることができる。これらの添加量も、本発明の効果を妨げない範囲内において用いる添加剤の種類等に応じて適宜設定することができる。
【0024】
本発明では、食物繊維、甘味料及び香料をすべて配合することが望ましい。この場合の割合は、クエン酸100重量部に対し、食物繊維:150〜400重量部、甘味料:0.5〜5重量部及び香料:1〜10重量部とすることが好ましい。
【0025】
本発明組成物では、さらに、L−カルニチン及びコエンザイムQ10の少なくとも1種を配合することもできる。これらを配合することにより、脂質の代謝をより効果的に促進することができる。これらの添加量(両者を併用する場合は両者の合計量)は特に制限されないが、一般的にはクエン酸100重量部に対し、5〜25重量部、特に10〜20重量部とすることが望ましい。
【0026】
本発明組成物は、これらの各成分を均一に混合すれば良い。例えば、公知の混合機にこれらの成分を投入し、乾式で混合することにより、本発明組成物を製造することができる。従って、本発明の組成物の形態は、一般的には粉末状であるが、例えば錠剤、カプセル、溶液等の各種形態に加工することができる。特に、本発明組成物の粉末を水に溶解した液状組成物として好適に使用することもできる。
【0027】
本発明組成物は、そのまま飲用することができる。また、前記のように、いったん水等に溶解することにより溶液状態で飲用することもできる。さらには、食品に添加することも可能である。使用量は、通常は成人ではクエン酸量を基準として1000〜3000mg(好ましくは1500〜2500mg)となるように1日3回(好ましくは食後又は食前)服用すれば良い。
【実施例】
【0028】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例の範囲に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
下記に示す成分を乾式混合することにより、粉末状のダイエット用組成物を調製した。
【0030】
【表1】

このダイエット用組成物を3名のモニターに適用し、それぞれのモニターについて体温測定を実施した。処方は、上記組成物7600mgを約170mLの水に溶かし、得られた溶液を飲用した。その時点から体温測定を開始した。その結果を図1〜3に示す。
【0031】
図1〜3の結果からも明らかなように、本発明組成物を飲用した直後に体温が上昇し、一定時間経過後にもとの体温に戻ることがわかる。すなわち、体内で産生されたエネルギーが体外で放出されていることがわかる。これは、本発明組成物を服用することにより、クエン酸サイクルを活発化させることによると推測される。
【0032】
実施例2
上記3名のうち1名について、体重及び体脂肪率の測定を実施した。被験者は、上記組成物7600mgを1日3回食後に飲用し、これを3週間続けた。その期間内の体重及び体脂肪率の変化を調べた。その結果を図4及び図5に示す。
【0033】
これらの図に示すように、体重は3週間で約2.3kg減少し、体脂肪率も約3.1%減少していることが確認された。このことから、本発明組成物によれば、比較的短期間でダイエット効果が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施例1で調べたモニターの体温変化を示すグラフである。
【図2】実施例1で調べたモニターの体温変化を示すグラフである。
【図3】実施例1で調べたモニターの体温変化を示すグラフである。
【図4】実施例2において、モニターの体重変化を調べた結果を示すグラフである。
【図5】実施例2において、モニターの体脂肪率変化を調べた結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエン酸を10重量%以上含むダイエット用組成物。
【請求項2】
さらに、ビタミン類の少なくとも1種を含む請求項1に記載のダイエット用組成物。
【請求項3】
ビタミン類が、1)ニコチン酸アミド、2)ビタミンB1、3)ビタミンB2、4)パントテン酸又はパントテン酸カルシウム及び5)ビタミンCの少なくとも1種である請求項2に記載のダイエット用組成物。
【請求項4】
クエン酸100重量部に対し、1)ニコチン酸アミド:0.1〜0.4重量部、2)ビタミンB1:0.5〜2重量部、3)ビタミンB2:0.2〜1重量部、4)パントテン酸又はパントテン酸カルシウム:0.2〜1重量部及び5)ビタミンC:0.1〜0.5重量部を含む請求項3に記載のダイエット用組成物。
【請求項5】
さらに、食物繊維、甘味料及び香料の少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載のダイエット用組成物。
【請求項6】
クエン酸100重量部に対し、食物繊維:150〜400重量部、甘味料:0.5〜5重量部及び香料:1〜10重量部を含む請求項5に記載のダイエット用組成物。
【請求項7】
さらに、コエンザイムQ10及びL−カルニチンの少なくとも1種を含む請求項1〜6のいずれかに記載のダイエット用組成物。
【請求項8】
粉末状である請求項1〜7のいずれかに記載のダイエット用組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の組成物を水に溶解又は分散してなるダイエット用組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のダイエット用組成物を一部又は全部として含む食品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−52180(P2006−52180A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−235875(P2004−235875)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【出願人】(595092363)株式会社データアクション (5)
【Fターム(参考)】