説明

テトラゾール及びオキサジアゾロン置換β−アミノ酸誘導体

本発明は、式I又はIIで表される新規テトラゾール及びオキサジアゾロン置換β−アミノ酸誘導体、それらを含む医薬組成物並びに種々の中枢神経系その他の障害の治療に対する使用に関するものであり、
【化1】



式中Gは、
【化2】



のいずれかであり、かつ、RからRは、明細書に定めるとおりである。本発明のシクロプロピルβ−アミノ酸誘導体は、アルファ2デルタ・リガンド(α2δリガンド)として活性を表す。このような化合物は、カルシウム・チャンネルのα2δサブユニットに対して親和性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規テトラゾール及びオキサジアゾロン置換β−アミノ酸誘導体、それらを含む医薬組成物、さらに、種々の中枢神経系その他の疾患の治療に対してそれらを使用することに関する。本発明のテトラゾール及びオキサジアゾロン置換β−アミノ酸誘導体は、アルファ2デルタ・リガンド(α2δリガンド)として活性を表す。このような化合物は、カルシウム・チャンネルのα2δサブユニットに対して親和性がある。このような化合物は、文献ではガンマアミノブチル酸(GABA)アナログとしても言及されている。
【背景技術】
【0002】
数種類のアルファ2デルタ・リガンドが知られている。環状アルファ2デルタ・リガンドであるガバペンチンは、現在市販されており(Neurontin(登録商標)、Warner−Lambert Company)、てんかんや神経障害性疼痛の臨床治療に際して広く用いられている。このような環状アルファ2デルタ・リガンドは、1977年5月17日発行の米国特許第4024175号、1978年5月2日発行の米国特許第4087544号に述べられている。他系列のアルファ2デルタ・リガンドは、1996年10月8日発行の米国特許第5563175号、2001年11月13日発行の米国特許第6316638号、2002年1月31日出願の米国仮出願第60/353632号、2001年7月4日公開の欧州特許出願第1112253号、1999年2月25日公開のPCT特許出願国際公開番号WO 99/08671号、及び1999年12月2日公開のPCT特許出願国際公開番号WO 99/61424号に記載されている。これらの特許及び出願は、その全部分を参照により本明細書中に含める。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、式I又はIIで表されるテトラゾール及びオキサジアゾロン置換βアミノ酸誘導体並びにこれらの化合物の薬学的に許容できる塩に関する。

【化1】

式中Gは、

【化2】

であり、ここで、R及びRは、独立して、水素、(C−C10)直鎖又は分岐アルキル基、(C−C10)直鎖又は分岐アルコキシアルキル基、フェニル−(C−C)直鎖又は分岐アルキル基、及びフェニル−(C−C)アルコキシアルキル基から選ばれ、該フェニル基部分は、独立してハロゲン基又は(C−C)アルキル基から選ばれる1つ又は2つの置換基によって置換されてもよい。あるいは、R及びRは、結合している炭素と共にシクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチル環を形成し、その環は上記のR及びRの定義で明示した置換基の群から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基によって置換されてもよい。更に、R及びRは、水素及びメチル基から独立して選ばれる。
【0004】
本発明の望ましい実施形態は、以下の化合物及びその薬学的に許容できる塩を含む。
4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3−メチル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
4−プロピル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
2−シクロペンチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−(2−アミノ−1−シクロペンチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−エチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−エチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−オクチルアミン;
4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
5,5−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−オクチルアミン;
4,8−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ノニルアミン;
5,9−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−デシルアミン;
2−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−(2−アミノ−1−シクロヘキシル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−(3,5−ジメチル−シクロヘキシル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
2−シクロヘプチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−(2−アミノ−1−シクロヘプチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
3−エチル−4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
4−シクロペンチル−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
4−シクロヘキシル−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
6−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ブチルアミン;
3−メチル−5−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
5−(4−tert−ブチル−フェニル)−4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
2−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
2−メチル−3−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−(2−アミノ−1−ベンジル−1−メチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−スピロ[2.3]ヘキサ−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.4]ヘプト−1−イル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−スピロ[2.4]ヘプト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−イソプロピル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−(1−エチル−プロピル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−シクロヘキシル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン。
【0005】
本発明実施形態の具体例には、以下の化合物及びその薬学的に許容できる塩を含む。
3−メチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ブチルアミン;
3−(2−アミノ−4−メチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ペンチルアミン;
3−(2−アミノ−4−メチル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ヘキシルアミン;
3−(2−アミノ−4−メチル−ヘプチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ヘプチルアミン;
3−(2−アミノ−4−メチル−オクチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3,3−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ブチルアミン;
3−(2−アミノ−4,4−ジメチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3,3−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ペンチルアミン;
3−(2−アミノ−4,4−ジメチル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3,3−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ヘキシルアミン;
3−(2−アミノ−4,4−ジメチル−ヘプチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3,3−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−ヘプチルアミン;
3−(2−アミノ−4,4−ジメチル−オクチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
1−(1−メチル−シクロプロピルメチル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−[2−アミノ−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
1−(1−エチル−シクロプロピルメチル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−[2−アミノ−3−(1−エチル−シクロプロピル)−プロピル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
1−(1−プロピル−シクロプロピルメチル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−[2−アミノ−3−(1−プロピル−シクロプロピル)−プロピル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
1−(1−ブチル−シクロプロピルメチル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−[2−アミノ−3−(1−ブチル−シクロプロピル)−プロピル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−2−メチル−プロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−メチル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−メチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−メチル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3−プロピル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3−メチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3−メチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3−メチル−ヘプチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3,3−ジメチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3,3−ジメチル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−オクチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3,3−ジメチル−ヘプチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−エチル−シクロプロピル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−[1−アミノメチル−2−(1−エチル−シクロプロピル)−エチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−プロピル−シクロプロピル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−[1−アミノメチル−2−(1−プロピル−シクロプロピル)−エチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−ブチル−シクロプロピル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−[1−アミノメチル−2−(1−ブチル−シクロプロピル)−エチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3−エチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−エチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3−エチル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3−エチル−ヘプチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
5−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
3−(1−アミノメチル−4−メチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3,3−ジメチル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−4,4−ジメチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−(1−アミノメチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−(1−アミノメチル−プロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
3−(1−アミノメチル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
3−(1−アミノメチル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−ヘプチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3,7−ジメチル−オクチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−4,8−ジメチル−ノニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[2−アミノ−1−(3,5−ジメチル−シクロヘキシル)−エチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(2−アミノ−1−シクロヘキシルメチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3−シクロヘキシル−プロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−2,3−ジメチル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−2−エチル−3−メチル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3−シクロペンチル−2−メチル−プロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−3−シクロヘキシル−2−メチル−プロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−(2−アミノ−1−フェニル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(2−アミノ−1−ベンジル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3−フェニル−プロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
5−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
3−(1−アミノメチル−4−フェニル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−5−フェニル−ペンチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
7−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
3−(1−アミノメチル−6−フェニル−ヘキシル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−(1−アミノメチル−7−フェニル−ヘプチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[1−アミノメチル−3−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−プロピル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[1−アミノメチル−2−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−2−メチル−4−フェニル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[1−アミノメチル−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−メチル−ブチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(2−アミノ−1,1−ジメチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−ベンジル−3−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−(2−アミノ−1,1−ジベンジル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピルアミン;
3−[2−アミノ−1−メチル−1−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−エチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−2−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−[2−アミノ−1−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−1−メチル−エチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−[2−アミノ−1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−1−メチル−エチル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.3]ヘキサ−1−イル]−メチルアミン;
C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−スピロ[2.5]オクト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.6]ノン−1−イル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−スピロ[2.6]ノン−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.7]デカ−1−イル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−スピロ[2.7]デカ−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[5−メチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−5−メチル−スピロ[2.5]オクト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[5,7−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−5,7−ジメチル−スピロ[2.5]オクト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2,2−ジエチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2,2−ジエチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2,2−ジ−n−プロピル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2,2−ジ−n−プロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−n−プロピル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−n−プロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−2−(1−エチル−プロピル)−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−(2−メチル−ブチル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−(2−メチル−ブチル)−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−(2−メチル−ペンチル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−(2−メチル−ペンチル)−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−(2−メチル−ヘキシル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−(2−メチル−ヘキシル)−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−(2,6−ジメチル−ヘプチル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−(2,6−ジメチル−ヘプチル)−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−n−ブチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−n−ブチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−イソブチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
C−[2−シクロプロピル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロプロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−シクロブチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロブチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−シクロペンチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロペンチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロヘキシル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−シクロプロピルメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロプロピルメチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−シクロブチルメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロブチルメチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−シクロペンチルメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロペンチルメチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−シクロヘキシルメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−シクロヘキシルメチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−フェニル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−フェニル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−ベンジル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;及び
3−(1−アミノメチル−2−ベンジル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン。
【0006】
本明細書で用いる「低級アルキル」とは、特段の指示がない限り、1つから6つの炭素原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル基又はラジカルで、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等を含む。
【0007】
本明細書で用いる「アルキル」とは、特段の指示がない限り、一価の飽和炭化水素ラジカルであって、直鎖、分岐又は環状の部分若しくはその組合せを含むラジカルを含む。「アルキル」基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、iso−、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、3−エチルブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル等を含むが、これに限定されない。
【0008】
「シクロアルキル」とは、特段の記載がない限り、3つから8つの炭素を含む一価の飽和炭素環式基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルから選ばれる。
【0009】
本明細書で用いる「アルコキシ」とは、特段の指示がない限り、「アルキル−O−」を意味し、ここで「アルキル」とは、先に定義したとおりである。「アルコキシ」基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びペントキシ基が含まれるが、これに限定されない。
【0010】
本明細書で用いる「一つ以上の置換基」とは、1から、結合可能な部位の数に基づく最大数までに等しい数の置換基を言う。
【0011】
本明細書で用いる「ハロゲン基」及び「ハロゲン」とは、特段の指示がない限り、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
【0012】
式I及びIIの化合物は、不斉中心を含むことができるので、それゆえに異なるエナンチオマー及びジアステレオマーの形をとって存在することがある。個々の異性体は、例えば、最終生産物又はその中間体の調製において光学分割、光学選択的反応や、クロマトグラフによる分離などの既知の方法により得ることができる。本発明は、式Iのあらゆる光学異性体及びあらゆる立体異性体に関し、その化合物は、ラセミ混合物として、また、これらの化合物の個々のエナンチオマーやジアステレオ異性体やその混合物として存在するほか、本発明は、先に定義したあらゆる医薬組成物や治療法であって、これらを含む又は用いるものにそれぞれ関する発明である。式I及びIIで示される化合物の個々のエナンチオマーは、これらの化合物のラセミ混合物と比較すると、種々の障害や症状を治療する際に利点を有することがある。
【0013】
本発明の式I及びIIの化合物が塩基性化合物である場合には、種々の無機及び有機酸によって広範囲の異なる塩を形成することが可能である。そのような塩は動物に対して投与することが薬学的に許容できるものでなければならないが、実際上は、反応混合物からその塩基性化合物を薬学的に許容できない塩として先ず単離し、次にアルカリ性試薬処理によってフリーの塩基性化合物に単純に変換し、その後にこのフリーな塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが望ましい。この化合物のフリーな塩基の形態は、通常の方法により、このようにして形成した酸付加塩に塩基を接触させ、フリーな塩基の形態の化合物を単離することにより再生成ことができる。本発明の方法により調製した化合物のフリーな塩基形態は、対応する酸付加塩の形態に対して、溶解度、結晶構造、吸湿性等の一定の物理学的性状が幾分異なるものの、それ以外、この化合物のフリーな塩基形態とそれに対応した酸付加塩形態とは、本発明の目的に関しては、同等である。
【0014】
本発明の方法において有益な塩基性化合物の薬学的に許容できる酸付加塩としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等の無機酸から得られる無毒性の塩が含まれる他、脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換飽和脂肪族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、二カルボン酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルフォン酸などの有機酸から得られる無毒性の塩が含まれる。従って、これらの塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルフォン酸塩、トルエンスルフォン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルフォン酸塩等が含まれる。また、アルギニン塩等のアミノ酸塩やグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩などが考えられる(例えば、Berge
S.M.ら、”Pharmaceutical Salts”、J. of Pharma, Sci., 1977;66:1を参照されたい)。
【0015】
本発明の式I及びIIの化合物が酸性化合物である場合には、種々の無機及び有機塩基と広範囲の異なる塩を形成することが可能である。本発明の方法において有用な酸性化合物の薬学的に許容できる塩基付加塩は、この化合物のフリーな酸の形態を、アルカリ又はアルカリ土類金属カチオンなどの無毒性の金属カチオンやアミン、特に有機アミンと接触させることによって、調製することができる。適切な金属カチオンの例として、ナトリウム・カチオン(Na)、カリウム・カチオン(K)、マグネシウム・カチオン(Mg2+)、カルシウム・カチオン(Ca2+)等が含まれる。適切なアミンの例として、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインがある(例えば、上述のBerge、1977を参照されたい)。本発明の方法において有用な酸性化合物の塩基付加塩は、その化合物のフリーな酸を、通常の方法により塩を生成するのに必要な塩基の十分な量と接触させることによって、調製することができる。この化合物のフリーな酸の形態は、通常の方法により、このようにして形成した塩を酸と接触させ、フリーな酸の形態の化合物を単離することにより再生成ことができる。本発明の方法において有用な化合物のフリーな酸の形態は、対応する塩の形態に対して、溶解度、結晶構造、吸湿性等の一定の物理学的性状が幾分異なるものの、それ以外、この塩とそれに対応したフリーな酸とは、本発明の目的に関しては、同等である。
【0016】
本発明には、また、同位元素で標識した化合物が含まれるが、それは、自然界に通常見られる原子量や原子質量数とは異なる原子量や原子質量数を有する原子によって一つ以上の原子が置換されていることを除いて、式IやIIによって示される化合物と同一な化合物である。本発明の化合物に組み込みうる同位元素の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素や塩素の同位元素が含まれ、例えば、それぞれ、H、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fや36Clがある。本発明の化合物、そのプロドラッグ及び該化合物または該プロドラッグの薬学的に許容できる塩であって、上述の同位元素及び/又はその他の原子のその他の同位元素を含むものは、本発明の範囲内である。例えば、Hや14Cなどの放射性同位元素を組み込んだ化合物のように、同位元素で標識した本発明のある種の化合物は、薬物及び/又は基質の組織分布を調べるアッセイにおいて有益である。三重水素、すなわちHや炭素14、すなわち14Cのような同位元素は、調製が簡単で検出性が優れているので、特に好ましい。更に、重水素、すなわちHなどのように原子量が大きい同位元素で置換を行うことにより、代謝安定性が高くなり、それによって、例えば、in vivo半減期が長くなったり投与量を低くすることができるという一定の治療上の利点が得られるため、ある種の状況においては好ましい。
【0017】
本発明の方法において有益な一定の化合物は、非溶媒和物としても又溶媒和物としても存在することができ、その中には、水和物を含む。一般的には、水和物を含む溶媒和物は、非溶媒和物と同等であり、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0018】
経口投与薬物の効果は、薬物が粘膜上皮を透過する効率や腸肝循環における安定性に依存する。非経口投与では効果があるが経口投与では効果が低い薬物、或いは、血漿半減期が短すぎると考えられる薬物は、化学的修飾を施して、プロドラッグの形態とすることができる。
【0019】
プロドラッグとは、薬物に化学的修飾を施したものであり、作用部位では生物学的に不活性である場合があるが、一つ以上の酵素反応やその他のin vivo反応によって分解又は修飾を受けて、生物活性のある親薬物に変化するものを言う。
【0020】
この化学的修飾を施した薬物、すなわちプロドラッグは、親薬物とは薬物動態学的プロフィールが異なっている必要があるが、それによって粘膜表皮による吸収を容易にし、塩形成及び/又は溶解性を高め、体内での安定性を改善する(例えば、血漿半減期が長くなる)ことを可能とするためである。このような化学的修飾としては、例えば以下のものがある。
【0021】
1) 例えばエステラーゼやリパーゼによって分解するエステル又はアミド誘導体。エステル誘導体では、エステルは薬物分子のカルボン酸部分から既知の手段によって誘導される。アミド誘導体ではアミドは、薬物分子のカルボン酸部分又はアミン部分から既知の手段によって誘導される。
【0022】
2) 特異的、又は非特異的プロテイナーゼによって認識されるペプチド(既知の手段によって、薬物分子のアミン又はカルボン酸部分とアミド結合を形成することによりペプチドを薬物分子とカップリングできる)。
【0023】
3) プロドラッグの形態又は修飾したプロドラッグの形態を膜が選択的に取り込むことによって、作用部位に蓄積する誘導体、或いは、
【0024】
4) 1から3までの任意の組合せ。
【0025】
動物実験による最近の研究は、一定の薬物の経口吸収を、「ソフト」四級塩を調製することによって、高めることができることを示している。「ソフト」四級塩と呼ばれる四級塩は、通常の四級塩、例えば、R−N(CHとは異なり、加水分解によって活性のある薬物を遊離することができる。
【0026】
「ソフト」四級塩は、塩基性薬物やその塩と比べて、有益な物理学的特質を有する。水溶性は、塩酸塩など他の塩と比較すると高くなる場合があるが、より重要なことは、腸による該薬物形態の吸収率が高くなる場合があることである。吸収率が高くなるのは、おそらく「ソフト」四級塩には表面活性作用があり、ミセルを形成して、胆汁酸等と非イオン化イオン対を形成するためであると思われるが、これによって腸表皮をより効率的に通過することが可能となる。吸収された後、プロドラッグは、急速に加水分解されて活性のある親薬物を遊離する。
【0027】
式Iの化合物のプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。プロドラッグやソフトドラッグは、当技術分野において知られている(Palomino
E.、 Drugs of the Future、 1990;15(4):361-368)。最後の2つの引用は、参照により本明細書中に含める。
【0028】
本発明の一定の化合物は、非溶媒和物としても又溶媒和物としても存在することができ、その中には、水和物を含む。一般的には、水和物を含む溶媒和物は、非溶媒和物と同等であり、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0029】
また、本発明は、式I若しくはIIの化合物又はその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量を含み、且つ薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物に関する。
【0030】
また、本発明は、ほ乳類において、失神発作、てんかん、仮死、全身性無酸素症、低酸素症、脊髄損傷、外傷性脳損傷、頭部外傷、脳虚血、発作(血栓塞栓発作、局所性虚血、全脳虚血、一過性全脳虚血発作の他、頸動脈血管内膜切除術や、血管造影法のように一般的又は診断的血管外科手術を行う患者においてみられるような脳虚血を伴うその他の脳血管系症状を含む)、チオセミカルバジドによって生じるけいれん、カルジアゾールけいれん、及び、脳梗塞、くも膜下出血や脳水腫のような急性又は慢性脳血管系障害による脳血管系障害の内から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。
【0031】
また、本発明は、ほ乳類において、神経心臓性失神(neurocardiac syncope)、神経源性失神、過敏性頸動脈洞、神経血管系症候群、及び胃腸障害に続発する不整脈を含む不整脈のような神経心臓系障害からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。
【0032】
また、本発明は、ほ乳類において以下から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。すなわち、急性疼痛、慢性疼痛、急性外傷のように軟組織や末梢神経障害から生じる疼痛;ヘルペス後神経痛、後頭神経痛、三叉神経痛、分節性神経痛(segmental neuralgia)又は肋間神経痛及びその他神経痛;骨関節炎及びリウマチ様関節炎に伴う疼痛;挫傷、捻挫、及び骨折のような外傷に関連した疼痛のような筋骨格系疼痛;脊椎損傷や脳幹損傷による疼痛のような脊椎の疼痛、中枢神経系の疼痛;腰痛、坐骨神経痛、歯痛、筋筋膜痛症候群、会陰切開による疼痛、痛風による疼痛、及び熱傷に起因する疼痛;心臓痛のような深部内臓痛;筋肉痛、目痛、炎症性疼痛、口腔顔面痛、例えば歯痛;腹痛や婦人科系疼痛、例えば、月経困難症、出産痛、及び子宮内膜症に関連した疼痛;体因性の疼痛;神経や神経根障害に関連した疼痛、例えば、神経絞扼や腕神経叢剥離のような末梢神経障害に関連した疼痛;手足切断、疼痛チック、神経腫あるいは脈管炎に関連した疼痛;糖尿病性ニューロパシー、化学療法誘発性ニューロパシー、急性ヘルペス性神経痛およびヘルペス後神経痛;非定型顔面痛、神経因性腰痛やクモ膜炎、三叉神経痛、後頭神経痛、分節性神経痛(segmental neuralgia)あるいは肋間神経痛、HIV関連性神経痛やAIDS関連性神経痛及びその他神経痛;異痛症、痛覚過敏症、熱傷疼痛、特発性疼痛、化学療法による疼痛;後頭神経痛、心因性疼痛、腕神経叢剥離、不穏下肢症候群に関連した疼痛;胆石痛;慢性アルコール中毒、甲状腺機能低下症、尿毒症又はビタミン欠乏症によって生じる疼痛;ガン疼痛ともしばしば呼ばれるガンに伴うニューロパシー性又は非ニューロパシー性疼痛、幻肢痛、機能性腹痛、頭痛(前兆を伴う片頭痛、前兆を伴わない片頭痛その他血管性頭痛)、急性又は慢性緊張性頭痛、洞性頭痛および群発頭痛;側頭骨顎痛及び上顎洞痛;強直性脊椎炎に起因する疼痛;膀胱収縮の増加による疼痛;術後痛、創部瘢痕痛、並びにHIV、関節痛、脈管炎及び線維筋肉痛に関連した疼痛のような慢性非ニューロパシー性疼痛である。
【0033】
また、本発明は、ほ乳動物において、以下から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。それには、うつ病、より詳細には、うつ病性障害のような気分障害、例えば大うつ病性障害、重度な単極性再発性大うつ病エピソード(severe
unipolar recurrent major depressive episode)、気分変調性障害、抑うつ神経症や神経症性うつ病、メランコリー性うつ病(拒食症、体重減少、不眠症、早朝覚醒あるいは精神運動遅延を含む)、非定型うつ病(あるいは反応性うつ病)(食欲亢進、過眠症、精神運動激越あるいは被刺激性を含む);治療抵抗性うつ病;季節性情動障害および小児うつ病;月経前症候群、月経前不快気分障害、のぼせ、双極性障害あるいは躁うつ病、例えば、双極I型障害、双極II型障害及び循環気質性;季節性情動障害、行為障害及び破壊的行為障害;小児不安障害、広場恐怖症を伴うあるいは伴わないパニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖症、特定の恐怖症(例えば特定の動物恐怖症)、社会不安障害、社会恐怖、強迫障害、外傷後ストレス障害や急性ストレス障害を含むストレス障害や全般性不安障害のようなストレス関連身体性障害及び不安障害がある。
【0034】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、境界型人格障害;統合失調症及びその他精神病性障害、例えば統合失調症様障害、統合失調症感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病障害、一般身体症状による精神病性障害、妄想あるいは幻覚を伴う精神病性障害、物質誘発性精神病性障害、不安の精神病性エピソード、精神病に伴う不安、重度の大うつ病性障害のような精神病性気分障害;双極性障害に伴う急性躁病及びうつ病のような精神病性障害に伴う気分障害、統合失調症に関連した気分障害;及び、精神遅滞に関連した行動障害からなる。
【0035】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、睡眠障害からなり、例えば、不眠症(例えば心理生理学的及び特発性不眠症を含む原発性不眠症、不穏下肢症候群、パーキンソン病あるいはその他の慢性障害に続発する不眠症を含む続発性不眠症、および一時的な不眠症)、夢遊病、断眠、REM睡眠障害、睡眠時無呼吸、過眠症、錯眠、睡眠覚醒サイクル障害、時差ぼけ、ナルコレプシー、交代制勤務又は不規則な勤務形態に関連する睡眠障害、薬剤その他の原因によって生じる徐波睡眠の減少による睡眠の質低下、またその他睡眠障害がある。
【0036】
また、本発明は、ヒト被験体において徐波睡眠を増加し、及び成長ホルモンの分泌を高める方法に関連し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なヒト被験者に投与することを含む。
【0037】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、慢性閉塞性気道疾患、気管支肺炎、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、成人型呼吸窮迫症候群、及び気管支痙攣のような呼吸器系疾患、特に粘液の過剰分泌に関連した呼吸器系疾患;咳、百日咳、アンギオテンシン変換酵素(ACE)誘発性の咳、肺結核、湿疹や鼻炎のようなアレルギー;接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、じんましん、及びその他湿疹様皮膚炎;そう痒、血液透析に伴うそう痒;炎症性腸疾患のような炎症性疾患、乾癬、骨関節炎、軟骨の損傷(例えば身体活動や骨関節炎に起因する軟骨損傷)、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、喘息、そう痒症、及び日焼け;またウルシなどの過敏症からなる。
【0038】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、パーキンソン病(PD)、ハンチントン舞踏病(HD)及びアルツハイマー病(AD)のような神経変性障害;せん妄、痴呆(例えば、アルツハイマー型老人性痴呆症、老人性痴呆症、血管性痴呆、HIV−1関連痴呆、AIDS痴呆複合体(ADC)、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ピック病、クロイツフェルトヤーコプ病あるいは複合した病因による痴呆)、健忘症による障害、その他の認知あるいは記憶障害、及び、痴呆による行動症状からなる。
【0039】
また、本発明は、ほ乳動物において、以下の群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、ダウン症候群;シェーグレン症候群、高血圧症、造血、術後性神経腫、良性前立腺肥大、歯周病、痔疾および肛門裂創、不妊、反射性交感神経性ジストロフィー、肝炎、高脂血症に伴う腱痛、血管拡張、強皮症や好酸球増加性肝蛭症のような線維形成性疾患および膠原病;狭心症、片頭痛やレイノー病のような血管攣縮性疾患からなる。
【0040】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、眼球乾燥症候群、結膜炎、春季カタル等のような眼疾患;及び、増殖性硝子体網膜症のような細胞増殖に伴う眼科系症状からなる。
【0041】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、自閉症、注意欠陥多動障害(ADHD)、血管新生(すなわち、血管新生阻害のために使用する)、ライター症候群および関節炎からなる。
【0042】
また、本発明は、ほ乳類における以下の群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、アルコール、アンフェタミン(あるいはアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻(cannabis)、コカイン、幻覚剤、吸入剤やエアゾール噴霧剤(propellant)、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン(phenylglycidine)誘導体、鎮静剤、催眠薬、および抗不安薬の使用により生じる物質関連性障害であって、その物質関連性障害には、依存、乱用、中毒、離脱症状、中毒せん妄、離脱せん妄を含む障害;及び、行為に対する依存を含む依存性障害(例えば賭博その他の常習性行為に対する依存)からなる。
【0043】
また、本発明は、ほ乳類において、ダウン症候群;多発性硬化症(MS)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような脱髄疾患からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。
【0044】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、広汎性発達障害、線維筋肉痛、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症;HIV脳症;身体醜形障害のような解離性障害;拒食症や過食症のような摂食障害;潰瘍性大腸炎;クローン病;過敏性大腸症候群;慢性膵炎、慢性疲労症候群;乳幼児突然死症候群(SIDS);過活動膀胱;過活動膀胱の下部尿路症候群;慢性膀胱炎;化学療法誘発性膀胱炎;咳、アンギオテンシン変換酵素(ACE)誘発性の咳、そう痒、しゃっくり、月経前症候群、月経前不快気分障害、月経困難のような無月経障害;肩/手症候群のような反射性交感神経性ジストロフィー;サイトカイニン化学療法に起因する血しょう管外溢出;慢性膀胱炎、排尿筋過反射、尿管の炎症や尿失禁(切迫性尿失禁、過活動膀胱、緊張性尿失禁および混合型尿失禁を含む)のような膀胱機能障害;強皮症や好酸球増加性肝蛭症のような線維形成性疾患および膠原病;狭心症やレイノー病のような血管拡張性および血管攣縮性疾患によって引き起こされる血流障害;早漏および男性の勃起障害を含む性機能障害からなる。
【0045】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、原発性運動障害、無動症、運動障害(例えば家族性発作性運動障害、遅発性ジスキネジア、振戦、舞踏病、筋クローヌス、チックその他の運動障害)、痙直、トゥーレット症候群、スコット症候群、麻痺(例えばベル麻痺、脳性麻痺、分娩麻痺、上腕麻痺、消耗性麻痺、虚血性麻痺、進行性球麻痺及びその他の麻痺)、無動・筋固縮症候群(akinetic−rigid syndrome);薬物誘発性運動障害のような錐体外路性運動障害、例えば、神経遮断薬誘発性パーキンソン病、神経遮断薬性悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニア、神経遮断薬誘発性急性アカシジア、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジアや薬物誘発性姿勢振戦;不穏下肢症候群やパーキンソン病またはハンチントン舞踏病に関連した運動障害のような運動障害からなる。
【0046】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる疾患や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、乳房痛症候群、動揺病、紅斑性狼瘡や免疫不全(ストレス誘発性免疫不全、例えば、特発性免疫機能不全、感染後免疫機能不全、乳房腫瘍除去後免疫機能不全、ブタ・ストレス症候群、ウシの輸送熱、ウマの発作性細動、ニワトリの産卵機能不全(confinement dysfunction)、ヒツジの毛を刈るストレス、イヌにおけるヒトとの相互作用によるストレス)からなる。
【0047】
また、本発明は、ほ乳類において、以下の群から選ばれる障害又は症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群は、炎症性腸疾患のような炎症性胃腸障害、Helicobacter pyloriが原因である障害、及び胃腸管(GI)の疾患、例えば、胃炎、直腸炎、胃十二指腸潰瘍、消化性潰瘍、消化不良、内臓の神経支配に関連した障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群及び、術後悪心や術後嘔吐の他急性嘔吐、遅延性嘔吐、予期性嘔吐を含む嘔吐(嘔吐には、化学療法、放射線、毒素、ウイルス/細菌感染、妊娠、前庭障害(例えば動揺病、眩暈症、目眩やメニエル病)、手術、片頭痛、頭蓋内圧の変化、胃食道逆流症、胃酸過多、暴飲暴食、酸性胃(acid stomach)、呑酸や吐逆、胸焼け(例えば、エピソード性、夜間性又は食事誘発性胸焼け)、及び消化不良によって誘発される嘔吐が含まれる)を含む胃腸(GI)障害からなる。
【0048】
また、本発明は、ほ乳類において、新生物からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法に関し、その方法には、式I又はIIの化合物或いはその薬学的に許容できる塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む。その群には、乳腫瘍、胃ガン、胃リンパ腫、神経節細胞芽腫や、小細胞肺ガンのような小細胞ガンが含まれる。
【0049】
前記方法は、本明細書において、「発明の方法」と総称することがある。
【0050】
本明細書で用いる「治療する」とは、この語が適用される障害や症状を予防したり、若しくは、その進行状態を改善し、緩和し、若しくは抑制する、又は、そのような症状や障害の1つ以上の兆候を予防することを言う。本明細書で用いる「治療」とは、治療する行為を意味し、「治療する」とは、上に定義してある。
【0051】
本発明の化合物は、下記のスキーム及び考察に記載した方法により調製することができる。以下のスキームや考察においては、RからRまで、及びGは、特段の指示をしない限り上記に定義したとおりである。
【0052】
α−置換−β−アミノテトラゾールは、スキーム1に要約した一般的経路によって合成することができる。

【化3】

【0053】
スキーム1に関しては、式1の化合物を、適当な不活性反応溶媒中(例えば、エーテル系溶媒、好ましくは、テトラヒドロフラン(THF))中で、約−110°Cから約−78°C、好ましくは約−78°Cで、4−ベンジルテトラゾール及びn−ブチルリチウムと反応させる。式IAの目的生成物は、対応する式2のベンジル誘導体から、当業者が周知する標準的な方法を用いて生成することができる。その方法としては、例えば、式4の化合物に対して1−5気圧、好ましくは約3気圧の水素ガス圧である水素ガス、炭素担持パラジウム触媒あるいは二酸化白金触媒を用いて、塩酸又は硫酸、及び、メタノール又はエタノールを含む混合物である溶媒中で、約0°Cからほぼ室温までの温度、好ましくはほぼ室温において水素添加を行う方法がある。
【0054】
スキーム2には、式IAの化合物を合成する方法を示したが、式中R、R及びRは水素であり、RはR−メチルであって、ここで、Rは水素、(C−C)直鎖若しくは分岐アルキル基、(C−C)直鎖若しくは分岐アルコキシアルキル基、フェニル−(C−C)直鎖若しくは分岐アルキル基、フェニルメトキシメチル基、又は、フェニルメトキシ基であり、該フェニル基部分は、独立してハロゲン基および(C−C)アルキル基から選ばれる1つ若しくは2つの置換基によって置換されてもよい。

【化4】

【0055】
スキーム2に関しては、式3のアセトニトリル誘導体(式中Phはフェニル基である)は、化学式RCHOのアルデヒド、臭化テトラブチルアンモニウム、及び水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液、好ましくは10%水酸化ナトリウムと、ベンゼン中にて、約40°Cから反応混合物が還流するあたりの温度において、好ましくは還流温度あたりにおいて反応することによって、式4の化合物に変換される。式IA−aの目的生成物は、対応する式4の化合物から、当業者に周知の標準的な方法を用いて生成することができる。その方法としては、例えば、式4の化合物に対して1−5気圧、好ましくは約3気圧の水素ガス圧、二酸化白金触媒その他適切な水素添加触媒(例えば、炭素担持パラジウムやラネー・ニッケル)を用いて、メタノール又はエタノール、及び、塩酸又は硫酸を含む混合物である溶媒中において、約0°Cからほぼ室温までの温度、好ましくはほぼ室温において水素添加を行う方法がある。
【0056】
スキーム2の出発物質である式3のテトラゾール誘導体は、下記に示すスキーム3により調製することができる。
【化5】

【0057】
スキーム3に関しては、塩化アンモニウムの存在下、ジメチルフォルムアルデヒド(DMF)中でマロノニトリルをアジ化ナトリウムと温度約80℃で反応させ、5−シアノメチルテトラゾールを得る。この化合物を次にin situで、或いは分離後、トリエチルアミンの存在下DMF中でトリフェニルクロロメタンと温度約25℃で反応させる。
【0058】
スキーム4は、式IAの化合物の合成法を示しており、式中R、R及びRは、水素であり、Rは化学式がR(C=O)Rであるケトン体由来のCHRである。これらの化合物は、式IA−aの化合物と称する。

【化6】

【0059】
スキーム4に関しては、式5の化合物は、対応する化学式R(C=O)Rのケトン体から、該ケトン体を式3の化合物と水素化ナトリウムあるいは水素化カリウムの存在下、好ましくは水素化ナトリウムの存在下で、エーテル系溶媒、トルエンあるいはベンゼン、好ましくはTHF中で約0℃からおよそ室温までの温度で反応させて生成することができる。該反応は、温度が約0℃で開始し、室温まで徐々に上がることが好ましい。式IA−aの目的生成物は、その後、対応する式5の化合物から、当業者に周知の標準的な方法を用いて生成することができる。その方法としては、例えば、式5の化合物に対して1−5気圧、好ましくは約3気圧の水素ガス圧である水素ガスと二酸化白金触媒またはその他適切な水素添加触媒(例えば、炭素担持パラジウムやラネー・ニッケル)を用いて、メタノール及び、塩酸又は硫酸を含む混合物である溶媒中において、約0℃からほぼ室温までの温度、好ましくはほぼ室温において水素添加を行うことによって合成する方法がある。
【0060】
スキーム5は、式IAの化合物の合成法を示しており(式中Rは水素であり、RはCHである)、この化合物は、式3のアセトニトリル誘導体を化学式RCHX(式中Rは上記のとおりであり、Xは塩素か臭素である)のハロゲン化アルキルによってアルキル化し、その後生じる生成物に水素添加することにより得られる。生成する化合物は、式IA−bの化合物と称する。

【化7】

【0061】
スキーム5に関しては、式3のアセトニトリル誘導体に、化学式RCHX(式中R及びXは上記の定義のとおり)のハロゲン化アルキルを、ベンゼン、トルエンやエーテル系溶媒などの適切な不活性反応溶媒、好ましくはTHF中で、水素化ナトリウムあるいは水素化カリウム、好ましくは水素化ナトリウムの存在下、約−20℃から約25℃までの温度、好ましくは約0℃で反応させ、対応する式6の化合物を得る。式6の化合物の水素添加は、スキーム4の手順に従い式IA−aの化合物を製造するために上述した方法であって、当業者に周知の標準的な方法を用いて行い、対応する式IA−bの化合物を得る。
【0062】
式3のアセトニトリル誘導体にジアルキル化反応を行い、その後生じる生成物に水素添加を行うことによって行う式IAの化合物の調製法は、下記のスキーム6に示した。

【化8】

【0063】
スキーム6に関しては、式3のアセトニトリル誘導体に、先ず化学式RX(式中Xは上記の定義のとおり)を反応させ、次に化学式RX(式中Xは上記の定義のとおり)を反応させて対応する式7の化合物を得る。これらの反応は、通常トルエン、ベンゼンまたはエーテル系溶媒中で、水素化ナトリウムあるいは水素化カリウムの存在下、約−20℃から約25℃までの温度で行う。反応は、THF中、水素化ナトリウムの存在下、約0℃の温度で反応を開始し、次第に室温になることが好ましい。式IAの目的生成物は、対応する式7の化合物から、当業者に周知の標準的な方法を用いて生成することができる。その方法としては、例えば、式7の化合物に対して1−5気圧、好ましくは約3気圧の水素ガス圧である水素ガスと二酸化白金触媒またはその他適切な水素添加触媒(例えば、炭素担持パラジウムやラネー・ニッケル)を用いて、メタノール、及び、塩酸又は硫酸を含む混合物中において、約0℃からほぼ室温までの温度、好ましくはほぼ室温において水素添加を行うことによって合成する方法がある。
【0064】
スキーム7は、式IIの化合物の合成法を示しており、式中R及びRは、水素であり、Gは5−テトラゾリル基で、Rは水素である。これらの化合物は、式IIAの化合物と称する。
【化9】

【0065】
スキーム7に関しては、式3のアセトニトリル誘導体に、化学式RCHOのアルデヒド、臭化テトラブチルアンモニウム及び水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液、好ましくは10%水酸化ナトリウムを、ベンゼン中で、約40℃から反応混合物が還流するあたりの温度で、好ましくは還流温度あたりで、反応させ、対応する式8の化合物を得る。式8の不飽和テトラゾール誘導体の環化反応を行い、式9のシクロプロピル中間体を形成することは、式8の化合物とヨウ化トリメチルスルフォキソニウム及び水素化ナトリウムをジメチルフォルムアミド(DMF)中で、約0℃から約25℃までの温度、好ましくはほぼ室温で反応させることによって、達成される。好ましくは、鉱物油中に分散させた水素化ナトリウムをDMF中のヨウ化トリメチルスルフォキソニウムに加えて、撹拌後、式3の化合物を滴下する。
【0066】
式IIAの目的生成物は、対応する式9の化合物から、当業者に周知の標準的な方法を用いて生成することができる。その方法としては、例えば、式9の化合物に対して1−5気圧、好ましくは約3気圧の水素ガス圧、二酸化白金触媒またはその他適切な水素添加触媒(例えば、炭素担持パラジウムやラネー・ニッケル)を用いて、メタノール、及び、塩酸又は硫酸を含む混合物中において、約0°Cからほぼ室温までの温度、好ましくはほぼ室温において水素添加を行う方法がある。
【0067】
式II(式中Gは4−テトラゾリル基であり、R及びRは、水素である)の化合物の合成法を、スキーム8に示す。これらの化合物は、式IIBの化合物と称する。

【化10】

【0068】
スキーム8に関しては、式5の化合物は、対応する化学式R(C=O)Rのケトン体から、該ケトン体を式3の化合物と水素化ナトリウムあるいは水素化カリウム、好ましくは水素化ナトリウムの存在下、エーテル系溶媒、トルエンあるいはベンゼン、好ましくはTHF中で約0℃からおよそ室温までの温度で反応させて生成することができる。該反応は、約0℃の温度で開始し、室温まで徐々に上げることが好ましい。生じる式5の化合物は、式8の化合物を対応する式IIAの化合物に変換するために先に記載した方法と類似のものを用いて、対応する式IIBの化合物に変換することができる。
【0069】
スキーム10に、式II(式中、Gは5−オキソジアゾロン基であり、R及びRは、結合している炭素とともにシクロペンチル、シクロヘキシルあるいはシクロヘプチル環を形成する)の化合物の合成法を記す。これらの化合物は、式IICの化合物と称する。スキーム9には、スキーム10の方法において用いられる出発物質及び中間体であるシクロプロピル誘導体の合成法を示す。

【化11】

【0070】
スキーム9に関しては、式11の化合物は、ベンゼン中で該化合物を化学式NCCHCOCHの化合物、酢酸アンモニウム及び氷酢酸と、約40℃からほぼ還流温度、好ましくは、ほぼ還流温度で反応させることによって、対応する式12の化合物に変換することができる。この反応は、通常、水を共沸除去しながら行われ、例えば、ディーン・スターク・トラップ、分子ふるい、硫酸マグネシウムなどを用いて行われる。式12の化合物を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−オン(DBU)の存在下アセトニトリル溶媒中で、又は、炭酸カリウムの存在下エタノール溶媒中で、化学式RNOの適切な化合物と反応させることによって、対応する式13の化合物が得られる。RNOの5当量に対して、DBUの1当量を用いることが好ましい。この反応は、一般的には、温度が約60℃から約80℃、好ましくは約60℃において、行われる。
【0071】
式13のシアノ基置換エステルは、該化合物をエタノール中あるいは低級アルコールと水の混合物中で、塩化コバルト六水和物及び水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素アンモニウムと、約0℃から約40℃の温度で反応させることによって、対応する式14のアミノメチル置換エステルに変換することができる。好ましくは、塩化コバルト六水和物の2当量と水素化ホウ素ナトリウムの10当量を用い、反応はほぼ室温にてメタノール中で行う。
【0072】
スキーム10は、式IIの化合物の合成法を示しており、式中Gは5−オキサジアゾロン基である。これらの化合物は、式IICの化合物と称する。
【化12】

【0073】
スキーム10に関して、式13の化合物は、該化合物をエタノール中あるいは低級アルコールと水の混合物中で、塩化コバルト六水和物及び水素化ホウ素ナトリウムと、約0℃から約40℃の温度で反応させた後に、アミノ基の窒素を保護することによって、対応する式16の化合物に変換することができる。好ましくは、塩化コバルト六水和物の2当量と水素化ホウ素ナトリウムの10当量を用い、反応はほぼ室温にてメタノール中で行う。生じる化合物のアミノ基は、その後ジクロロメタン中で該化合物をジ−tert−ブチルジカルボネートと反応させることによって、保護する。後者の反応は、温度が約0℃から約40℃、好ましくはおよそ室温において行われることも一般的である。
【0074】
対応する式17の化合物は、以下のようにして合成することができる。生成する式16の化合物は、メタノールやその他の低級アルコール(例えば、エタノールやn−ブタノール)中で水酸化リチウムと約50℃から約70℃、好ましくは還流温度で反応して、対応するリチウムカルボキシラートを生成し、その後、生じた該カルボキシラートを強鉱酸と反応させる。該カルボキシラートは、反応混合物を約0℃から約25℃までの間の温度に冷却し、十分な塩酸を加えて混合物のpHを約3.0にすることにより、in situで対応する酸に変換することが好ましい。
【0075】
式17のカルボン酸は、該化合物をテトラヒドロフラン(THF)中でNMM(N−メチルモルホリン)、ヒドロキシベンゾトリアゾール及びEDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)と反応させ、反応液を約3時間撹拌した後に濃厚アンモニア水を加えることにより、対応する式18のアミドに変換できる。これらの反応は、温度が約0℃からほぼ室温、好ましくはほぼ室温において行われることが一般的である。式18のアミドと塩化シアヌルをDMF中で約−20℃からほぼ室温までの温度、好ましくは約0℃で反応させることによって、対応する式19のシアノ誘導体が得られる。
【0076】
式19のシアノ誘導体とヒドロキシルアミン塩酸塩及び粉にした水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムとを、メタノール又はエタノール溶媒中でほぼ還流温度で反応させることによって、対応する式20の化合物が得られる。式20の化合物は、該化合物をカルボニルジイミダゾールと、THF、グリム又はジオキサンのようなエーテル系溶媒、好ましくはTHF中で、約40℃から反応混合物がほぼ還流する温度、好ましくはほぼ還流温度で反応させることにより、環化反応を起こして、式21の窒素が保護された対応するオキサジアゾロン体を形成する。
【0077】
式21の化合物から窒素保護基を外すことにより、式IICの目的化合物の塩酸塩(その他の塩)が得られる。これは、式21の化合物と塩酸或いは目的の塩を生じるために適切な別の酸(例えば、トリフルオロ酢酸により酢酸塩が生じる)とを約0℃から約40℃、好ましくは約25℃で反応させることにより、一般的に達成される。
【0078】
この発明の方法を実施する上で必要とされることは、式Iの化合物或いはその薬学的に許容できる塩を、先に言及した障害や症状のうちの1つ以上を治療する上で治療的に有効な量を投与することにつきる。そのような治療的に有効な量は、一般には、被験体の体重当たり1日約1から約300mg/kgである。通常の投与量は、正常な体重の成人被験体の場合、約10から約5000mg/日である。臨床の場合には、例えば、米国食品医薬品庁(FDA)が治療的に有効な特定量を要求することがある。
【0079】
本発明方法に従って先に言及した1つ以上の障害や症状を治療する上で、式Iの化合物あるいはその薬学的に許容できる塩の有効量あるいは治療的に有効な量を構成するものが何であるかを決定する上で、多くの因子について、医師や獣医の経験、臨床報告、被験体の年齢、性別、体重や全般的な状態の他、治療を行う障害や症状の種類や範囲、そして被験体がその他の薬物を使用しているかどうかに基づいて、医師や獣医が考慮するのが一般的である。従って、投与量は、個々の被験体の要件、治療する症状の重症度や用いる治療製剤の種類によっては、上記の範囲や濃度内に入る場合もあれば、そのような範囲に入らない(すなわち、上回ったり、下回ったりする)こともある。特定の状況に対して、適切な投与量を決定することは、医学あるいは獣医学の技術範囲内にある。治療には、特定の被験体に対する最大量よりも少ない量である、アルファ2デルタ・リガンドの低投与量を用いて開始するのが一般的である。その後、投与量を少しずつ増やして、その状況における最大の効果が得られるようにすることができる。簡便性からは、必要があれば、1日当たりの総投与量を分割して、1日の中で数回に分けて投与することもできる。
【0080】
式Iの化合物あるいはその薬学的に許容できる塩による医薬組成物は、活性のある化合物に医薬用担体を加えて、単位剤型(dosage unit form)の形状に製剤化することによって、製造する。単位剤型の形状例として、錠剤、カプセル剤、ピル、粉末剤、経口投与用水溶性あるいは非水溶性の溶液や懸濁液、及び非経口液であって、容器にパッケージングされて、単回投与単位を含む、又は複数回投与単位を含み、個々の投与量に分割できるものがある。
【0081】
適切な医薬用担体(医薬用希釈剤を含む)の例としては、ゼラチン・カプセル;乳糖やショ糖のような糖類;コーン・スターチやポテト・スターチのようなデンプン類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロースおよび酢酸フタル酸セルロースのようなセルロース誘導体;ゼラチン;滑石;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;落花生油、綿実油、胡麻油、オリーブ・オイル、トウモロコシ油やカカオ(theobroma)油のような植物油;プロピレングリコール、グリセリン;ソルビトール;ポリエチレングリコール;水;寒天;アルギン酸;等張食塩水やリン酸緩衝液;その他医薬製剤で通常使用される適合性のある物質がある。
【0082】
本発明で用いる組成物には、着色剤、矯味剤(flavoring agents)及び/又は保存料剤のような他の成分を含むことができる。これらの物質は、含む場合であっても、比較的少量を用いるのが通例である。必要があれば、該組成物には、その他の治療剤であって、治療の対象となっている障害や症状を治療する上で一般的に用いられているものを含むことができる。
【0083】
前述の組成物に含まれる活性成分の割合は、広い範囲変化しうるが、実際上の目的からすると、固形組成物の場合には少なくとも10%の濃度で、また、原液組成物の場合には少なくとも2%の濃度で含むことが好ましい。最も良好な組成物は、更に高い割合の活性成分が存在しているものであり、例えば、95%まで含むものである。
【0084】
錠剤の場合、活性成分は、必要とされる結合性を有する担体と適切な割合で混合し、望ましい形状や大きさに打錠する。
【0085】
粉末剤や錠剤では、活性成分を5あるいは10から約70%含むことが好ましい。好ましい担体としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント・ゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ろう、カカオ・バター等がある。「製剤」という語は、活性成分に担体としてのカプセル化剤を加えてカプセルとし、1つの担体が、他の担体を含む場合もあれば、ない場合もあるが、活性成分を囲み、それゆえに、該成分と関連している製剤を含むことが意図されている。同様に、カシェ剤やトローチも含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、ピル、カシェ剤やトローチは、固形製剤として経口投与に用いることができる。
【0086】
坐薬の調製には、脂肪酸グリセリドやカカオ・バターの混合物のような低融点ろうを先ず溶かして、次に撹拌下、活性成分をその中に均一に分散させる。溶解した均一混合物をその後、適切な大きさの型に注ぎ、冷却することによって、固化させる。
【0087】
液体製剤には、溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれ、例えば、水溶液や水/プロピレングリコール溶液がある。非経口注射製剤は、水溶性ポリエチレングリコール溶液による溶液として調製することができる。
【0088】
経口使用に適した水溶液は、活性成分を水中に溶解し、必要に応じて、適切な着色剤、香味剤(flavor)、安定剤や増粘剤を加えることにより、調製できる。
【0089】
経口使用に適した水性懸濁液は、細分した活性成分を、天然ガムや合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムや、その他よく知られた懸濁剤のような粘稠物質とともに水中に懸濁することにより作られる。
【0090】
また、使用直前に経口投与用液体製剤に変換することを意図した固形製剤も含まれる。このような液体製剤には、溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。これらの製剤には、活性成分の他に、着色剤、香味剤、安定剤、緩衝剤、人工甘味料、天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含むことができる。
【0091】
医薬製剤は、単位剤型(unit dosage form)とすることが好ましい。このような剤型の場合、製剤は、適切な量の活性成分を含んだ単位投与量に分割されている。単位剤型は、包装した錠剤、カプセル剤、バイアル入り粉末剤やアンプル剤のように、包装の中に個別量の製剤が入った包装した製剤である場合がある。また、単位剤型は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤やトローチ剤それ自体であるか、あるいは、包装した剤型によるこれらのいずれかを適当な数含むものであってもよい。
【0092】
α2δサブユニットに対する結合度は、[H]ガバペンチンとブタ脳細胞由来α2δサブユニットを用いる放射性リガンド結合実験(radioligand binding assay)によって、測定することができ、この方法は、N.S.Geeら、J.
Biol. Chem.、1996、 271:5879-5776に示してある。
【0093】
H]−ガバペンチンとブタ脳細胞由来α2δ−サブユニットを用いる放射性リガンド結合実験を用いた(Gee, Nicolas S ら、“The novel anticonvulsant drug, gabapentin (Neurontin), binds to the a2d
subunit of a calcium channel”、J. Biol. Chem.(1996), 271(10), 5768-76)。本発明の化合物は、α2δタンパクに対してナノモルからマイクロモル・レベルの結合親和性を示す。例えば、実施例26の表題化合物ではIC50値が712nMであり、実施例11の表題化合物ではIC50値が93nM、実施例19の表題化合物ではIC50が82nMである。
【0094】
本発明化合物のin vivo活性は、痛覚過敏(Sluka, K.ら、2001, “Unilateral Intramuscular Injections Of
Acidic Saline Produce A Bilateral, Long-Lasting Hyperalgesia”, Muscle Nerve
24:37-46; Dixon, W., 1980, “Efficient
analysis of experimental observations”.Ann Rev Pharmacol Toxicol 20:441-462;
Randall L.O. と Selitto J.J., “A Method For Measurement Of Analgesic Activity On
Inflamed Tissue,” Arch. Int. Pharmacodyn., 1957;4:409-419; Hargreaves K.,
Dubner R., Brown F., Flores C., と Joris J. “A New And Sensitive Method For
Measuring Thermal Nociception In Cutaneous Hyperalgesia”.Pain.32:77-88, 1988を参照のこと)や不安(Vogel
JR, Beer B, とClody DE, “A Simple And Reliable Conflict Procedure For Testing
Anti-Anxiety Agents”, Psychopharmacologia 21:1-7, 1971)の動物モデルにより測定できる。
【0095】
以下の実施例は、本発明化合物の調製法を示すものである。融点は、補整を行っていない。NMRデータは、百万分率で示し、標本溶媒の重水素ロックシグナルを基準にしている。
【実施例】
【0096】
(実施例1)4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【0097】
A. 1−ベンジル−5−(3−メチル−1−ニトロメチル−ブチル)−1H−テトラゾール
【0098】
1−ベンジル−1H−テトラゾール(0.25g、1.56mmol)を含む−78℃の7.0mLのTHF溶液にn−ブチルリチウム(1.6Mの1.17mLヘキサン溶液、1.87mmol)を、黄色が持続するまで5分間かけてゆっくり滴下した(約1.0当量)。この混合物を−78℃で15分間撹拌して、1mLTHFに溶解した4−メチル−1−ニトロペント−1−エン(0.20g、1.56mmol)を滴下した。この混合物を−78℃で20分間撹拌した後、室温にまで直接暖め、飽和NHCl(水溶液)によりクエンチングした。混合物をEtOAcで抽出し、該有機層を乾燥し(NaSO)、濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(15→20→25% EtOAc/ヘキサン)にかけて、0.27g(60%)の1−ベンジル−5−(3−メチル−1−ニトロメチル−ブチル)−1H−テトラゾールを無色の油状物質として得た。H NMR(CDCl) δ 7.37(m,3H),7.22(m,2H),5.72(d,J=15.6Hz,1H,−PhCHN−),5.50(d,J=15.6Hz,1H,−PhCHN−),4.69(dd,J=14.6,9.8Hz,1H,−CHCHNO),4.56(dd,J=14.6,5.1Hz,1H,−CHCHNO),3.72(m,1H,−CCHNO),1.47(m,2H,−CHCCH−),1.19(hept,J=6.6Hz,1H,CH−),0.65(d,J=6.6Hz,3H,C−),0.62(d,J=6.6Hz,3H,C−)。調製方法については、Satoh,
Y.; Marcopulos, N. “Application of
5-Lithiotetrazoles in Organic Synthesis” Tetrahedron Lett.1995, 36(11),
1759-1762を参照されたい。
【0099】
B. 4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【0100】
1−ベンジル−5−(3−メチル−1−ニトロメチル−ブチル)−1H−テトラゾール(1.41g、4.87mmol)のメタノール溶液(50mL)に20%Pd/C(0.20g)と濃縮塩酸(0.6g)を加えた。圧力3.37kg/cm(48psi)で70時間パー・シェーカ(Parr shaker)により混合物に対して水素添加を行い、濾過し、濃縮した。残留物を5mLの水に溶解し、DOWEX−50WX4−100イオン交換樹脂のプラグに装填した。該カラムを先ず、100mLのHO、次に50mLの5%NHOH(水溶液)、最後に50mLの10%NHOH(水溶液)で溶出した。アルカリ性分画を濃縮し、得られた固体を最小量のメタノールに溶解した。EtOAcを用いてメタノールから固体を沈殿させ、溶媒をピペットによって取り除き、固体を熱いEtOAc中で摩砕した。冷却後に、溶媒をピペットによって取り除き、残留する固体を減圧下で乾燥し、0.33g(40%)の4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)ペンチルアミンが、融点>240℃(dec)の無色固体として得られた。H NMR(DO) δ 3.31(m,1H,−CCHNH),3.10(m,2H,−CNH),1.53(m,1H,−CHCHCH−),1.35(m,1H,−CHCHCH−),1.03(m,1H,CH−),0.66(d,J=6.6Hz,3H,C−),0.61(d,J=6.6Hz,3H,C−)。LRMS:m/z168.0(M−1)。C15の理論値:C,49.68;H,8.93;N,41.38。実測値:C,49.51;H,8.90;N,41.20。
【0101】
実施例2から6までの表題化合物は、実施例1の方法と類似した方法を用いて調製した。
【0102】
(実施例2)3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン

【化13】

【0103】
H NMR(DO) δ 3.25(m,2H,−CNH),3.02(m,1H,−CCH−),1.85(m,1H,CH−),0.74(d,J=6.6Hz,3H,C−),0.54d,J=6.6Hz,3H,C−)。C13の理論値:C,46.43;H,8.44;N,45.12。実測値:C,46.20;H,8.34;N,44.51。
【0104】
(実施例3)4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【化14】

【0105】
H NMR(DO) δ 2.94(m,1H,−CHCH−),2.66(m,2H,−CNH),1.32(m,1H,−CHCH−),1.07(m,1H,−CHCH−),0.16(s,9H)。C17の理論値:C,52.43;H,9.35;N,38.22。実測値:C,52.37;H,9.52;N,35.37。
【0106】
(実施例4)2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【化15】

【0107】
H NMR(DO) δ 3.13(m,3H,−CNH),1.51(m,2H,−CCH−),0.91(m,2H,CH−),0.61(t,J=7.3Hz,3H,C−)。LRMS:m/z 153.9(M−1)。C13の理論値:C,46.43;H,8.44;N,45.12。実測値:C,46.96;H,8.50;N,43.77。
【0108】
(実施例5)4R,8−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ノニルアミン
【化16】

【0109】
2位におけるジアステレオマーの1:1の混合体として生成する。C1225の理論値:C,60.21;H,10.53;N,29.26。実測値:C,59.87;H,10.25;N,28.72。
【0110】
(実施例6)6−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン
【化17】

【0111】
H NMR(CDOD) δ 7.28(m,5H),4.60(m,1H,−CPh),3.68(dd,J=12.9,9.0Hz,1H,−CHNH),3.49(dd,J=12.7,6.6Hz,1H,−CHNH)。C11の理論値:C,57.13;H,5.86;N,37.01。実測値:C,56.43;H,5.95;N,36.12。
【0112】
(実施例7)4−プロピル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン
【0113】
A. (2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル
【0114】
マロノニトリル(37.6g、0.57mol)、アジ化ナトリウム(37.0g、0.57mol)、塩化アンモニウム(30.2g、0.57mol)及びDMF(400mL)を反応容器に入れた。該容器に窒素ガス・パージを行いながら、熱電対を装着し、室温で30分間メカニカル・スターラで撹拌した。粘稠スラリを80℃に加熱し、その温度で2時間撹拌した。サンプルのH NMR分析を行って、反応が完了したことを確認した。該混合物を室温にまで冷却し、その時点でトリエチルアミン(159mL、1.14mol)及び塩化トリチル(159g、0.57mol)を加えた。該混合物を室温にて16時間撹拌した。TLC分析によって、反応が終了していることが判明した。反応混合物は、ガラス濾過器によって濾過し、固体(NHCl塩)を酢酸エチルにより洗浄した(1.5L×2)。該有機層をHOで洗浄し(1L×3)、該水溶液部分を合わせて、さらに酢酸エチル(1L)によって抽出した。2つの有機層を合わせて、水(1L)とブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。サンプルをin vacuoで濃縮して、茶色の固体を得た。145gの粗製の物質を酢酸エチル400mLに加えて、還流加熱した。還流を継続しながら、熱い溶液中にn−ヘキサン(400mL)を15分で滴下した。溶液は白濁し、室温まで徐々に冷却する間に、溶液中に顆粒状の固体が沈殿した。該顆粒状固体をガラス濾過器で収集し、真空乾燥機で16時間乾燥させた。この反応による収率が低かったため、精製の最初の段階で濾過したNHCl塩について再検討した。該塩を数分かけて、酢酸エチル(600mL)によりスラリ化した。固体を再度濾過して除去し、酢酸エチルで洗浄し、有機母液をin vacuoで濃縮して、白色固体が得られた。精製物の2つのバッチを合わせて、135g(0.38mol、収率69%)の(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリルを得た。H NMR(CDCl):4.06(s,2H),7.09(m,6H),7.36(m,9H)。C2217の理論値:C,75.19;H,4.83;N,19.93。実測値:C,75.11;H,4.98;N,20.06。
【0115】
B. 4−プロピル−2−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ヘプト−2−エンニトリル
【0116】
(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル(2.0g、5.69mmol)の25mLベンゼン溶液に、2−n−プロピルバレルアルデヒド(0.87g、6.79mmol)、10%NaOH(水溶液)25mL、及び臭化テトラブチルアンモニウム(50mg)を加えた。該混合物を室温にて1時間撹拌した後、EtOAc中に注いだ。層を分離し、有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(10→15% EtOAc/ヘキサン)にかけて、1.66g(64%)の4−プロピル−2−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ヘプト−2−エンニトリルを無色固体として得た。H NMR(CDCl) δ 7.34(m,10H,−CHC=C−),7.09(m,6H),2.86(m,1H,−CH−),1.30−1.59(m,8H,−C−),0.90(t,J=7.1Hz,6H,C−)。
【0117】
C. 4−プロピル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン
【0118】
4−プロピル−2−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ヘプト−2−エンニトリル(1.60g、3.47mmol)の1:1メタノール:THF溶液(50mL)にPtO(0.1g)と濃縮HCl(1.09g)を加え、該混合物に対してパー・シェーカにより圧力3.37kg/cm(48psi)で30時間水素添加を行った。該混合物を濾過して、濃縮した。残留物をシリカ・ゲルによるフラッシュ・クロマトグラフィー(濃縮NHOH(aq):MeOH:CHClの比は0.25:1.25:3.5)にかけた後、同じ条件にて第二番目のカラムにより行い、0.40g(51%)の4−プロピル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミンを無色固体として得た。H NMR(DO) δ 3.29(m,1H,−CCHNH),3.09(m,2H,−CNH),1.56(m,1H,−CHCHCH−),1.37(m,1H,−CHCHCH−),0.80−1.07(m,9H,−CHCH−,−C−),0.58(t,J=6.6Hz,3H,C−),0.47(t,J=6.6Hz,3H,C−)。C1123の理論値:C,58.63;H,10.29;N,31.08。実測値:C,57.87;H,10.04;N,30.73。
【0119】
実施例8から17までの表題化合物は、実施例7の方法と類似した方法を用いて調製した。
【0120】
(実施例8)4−エチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン
【化18】

【0121】
H NMR(DO) δ 3.33(m,1H,−CCHNH),3.16(m,2H,−CNH),1.57(m,1H,−CHCHCH−),1.45(m,1H,−CHCHCH−),0.91−1.20(m,4H,CH−),0.70(m,1H,−CHCH−),0.61(t,J=7.3Hz,3H,C−),0.53(t,J=7.6Hz,3H,C−)。13C NMR(CDOD) δ 161.70,43.79,37.43,36.27,33.13,25.23,24.33,9.73,9.32。LRMS:m/z 196.2(M−1)。C19の理論値:C,54.79;H,9.71;N,35.50。実測値:C,51.98;H,9.27;N,35.96。
【0122】
(実施例9)4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン
【化19】

【0123】
組成比が不明のジアステレオマー混合体。LRMS:m/z 182.1(M−1)。C17の理論値:C,52.43;H,9.35;N,38.22。実測値:C,51.95;H,9.20;N,37.96。
【0124】
(実施例10)4−エチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−オクチルアミン
【化20】

【0125】
組成比が不明のジアステレオマー混合体。C1123の理論値:C,58.63;H,10.29;N,31.08。実測値:C,57.88;H,9.78;N,30.81。
【0126】
(実施例11)4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン
【化21】

【0127】
H NMR(CDOD) δ 3.42(m,1H,−CCHNH),3.10(m,2H,−CNH),1.95(dd,J=13.9,9.8Hz,1H,−CHCMe),1.52(dd,J=13.9,2.7Hz,1H−CHCMe),1.03−1.19(m,4H,−CCH),0.77(t,J=6.8Hz,3H,CCH−),0.74(s,3H),0.72(s,3H)。
【0128】
(実施例12)5,5−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン
【化22】

【0129】
H NMR(DO) δ 3.15(m,3H,−CNH),1.56(m,2H,−CCHCH−),0.93(m,1H,−CCHCH−),0.63(m,1H,−CCHCH−),0.59(s,9H,C−)。LRMS:m/z 196.2(M−1)。
【0130】
(実施例13)2−(1H−テトラゾール−5−イル)−オクチルアミン
【化23】

【0131】
H NMR(DO) δ 3.14(m,3H,−CNH2),1.57(m,2H,−CCHCH−),0.89−0.98(m,8H,CH[C−),0.60(m,3H,C−)。LRMS:m/z 196.2(M−1)。
【0132】
(実施例14)5R,9−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−デシルアミン
【化24】

【0133】
2位におけるジアステレオマーの1:1混合体として調製する。融点185℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 3.36(m,1H,−CHNH),3.24(m,2H,−CHNH,−CCHNH),1.76(m,2H,−C[CH,−CHCHCHNH),1.48(m,1H,−CHCHCHNH),1.36(m,1H,−CHCHCH),1.22(m,4H,−CHCHCH,−CCHCH3,−CCH),1.10(m,4H−C−),0.84(m,9H,−C)。LRMS:m/z 254.2(M+1)。HRMS:[M+H]1327の理論値:254.2344。実測値254.2339。
【0134】
(実施例15)3−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン
【化25】

【0135】
融点>250℃(dec)。H NMR(DO) δ 3.36(m,1H,−CCHNH),3.10(m,2H,−CNH),1.37−1.58(m,6H),1.28(m,1H),0.91(m,3H),0.69(m,3H)。LRMS:m/z 208.2(M−1)。C1019の理論値:C,57.39;H,9.15;N,33.46。実測値:C,56.62;H,9.09;N,32.79。
【0136】
(実施例16)5−(4−tert−ブチル−フェニル)−4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【化26】

【0137】
H NMRで、組成比3:1のジアステレオマー混合体。LRMS:m/z 300.2(M−1)。C1727の理論値:C,67.74;H,9.03;N,23.23。実測値:C,66.68;H,8.97;N,22.84。
【0138】
(実施例17)3−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン
【化27】

【0139】
H NMR(CDOD) δ 7.16(m,5H),3.58(m,1H,−CCHNH),3.20(m,3H,−CNH,−CHPh),2.96(dd,J=13.7,7.8Hz,1H,−CHPh)。LRMS:m/z 202.1(M−1)。
【0140】
(実施例18)2−シクロペンチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン
【0141】
A. シクロペンチリデン−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル
【0142】
乾燥水素化ナトリウム(0.32g、13.3mmol)を入れたフラスコに、(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル(2.34g、6.67mmol)を加えた。固体を撹拌して混合し、0℃に冷却して、THF25mlをすばやく加えると、水素ガスが激しく発生し、明黄色の泡が生じた。この混合物を0℃で5分間撹拌し、その後、氷浴を外して撹拌を10分間続けた。10mLTHFに入れたシクロペンタノン(0.65mL、7.33mmol)をすばやく加えたところ、透明な橙色の溶液となった。該混合物を2時間撹拌した後、EtOAcと飽和NHCl(水溶液)に分配し、有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(CHCl)にかけて、2.05g(74%)のシクロペンチリデン−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリルを白色固体として得た。H NMR(CDCl) δ 7.32(m,9H),7.10(m,6H),2.86(m,4H,−CCC−),1.84(m,4H,−CHCH−)。
【0143】
B. 2−シクロペンチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン
【0144】
シクロペンチリデン−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル(2.05g、4.91mmol)の50mLメタノール:THF溶液(1:1)にPtO(0.2g)と濃縮HCl(1.49g)を加え、該混合物に対してパー・シェーカにより圧力3.37kg/cm(48psi)で8時間水素添加を行った。該混合物を濾過して、濃縮した。残留物をシリカ・ゲルによるフラッシュ・クロマトグラフィー(濃縮NHOH(aq):MeOH:CHClの比は0.25:1.25:3.5)にかけた後、同じ条件にて第二番目のカラムにより行い、0.54g(61%)の2−シクロペンチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミンを無色固体として得た。H NMR(DO) d 3.22(m,2H,−CNH),3.06(m,1H,−CCHNH),1.99(m,1H,−CCHCHNH),1.72(m,1H),1.03−1.38(m,6H),0.87(m,1H)。13C NMR(CDOD) δ 161.11,42.78,42.56,40.48,30.61,30.11,24.96,24.53。LRMS:m/z 180.1(M−1)。C15の理論値:C,53.02;H,8.34;N,38.64。実測値:C,51.59;H,8.18;N,37.96。
【0145】
実施例19から28までの表題化合物は、実施例18の方法と類似した方法を用いて調製した。
【0146】
(実施例19)2−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン
【化28】

【0147】
LRMS:m/z 194.1(M−1)。C17の理論値:C,55.36;H,8.78;N,35.87。実測値:C,55.06;H,8.71;N,35.39。
【0148】
(実施例20)2−(3,5−ジメチル−シクロヘキシル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン
【化29】

【0149】
対応するマーフィー(Marfey)誘導体のHPLC分析後の、組成比1:1:1:1のジアステレオマー混合体。LRMS:m/z 222.2(M−1)。
【0150】
(実施例21)2−シクロヘプチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン
【化30】

【0151】
H NMR(DO) δ 3.25(d,J=7.6Hz,2H,−CNH),3.12(m,1H,−CCHNH),1.76(m,1H,−CCHCHNH),1.53(m,1H),1.06−1.33(m,10H),0.94(m,1H)。LRMS:m/z 208.2(M−1)。
【0152】
(実施例22)3,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【化31】

【0153】
融点>250℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 3.32(m,3H,−CNH,−CCHNH),1.82(m,1H,−CH[C),1.25(m,1H,−CCH),(1.00(d,J=6.4Hz,3H,−C),0.92(d,J=6.8Hz,3H,−C),0.87(d,J=7.1Hz,3H,−C),0.82(d,J=6.6Hz,3H,−C),0.79(d,J=6.6Hz,3H,−C),0.64(d,J=6.6Hz,3H,−C)(ジアステレオマー混合体))。LRMS:m/z 184.1(M+1)。HRMS:[M+H]+ C17の理論値:184.1562。実測値:184.1563。
【0154】
(実施例23)3−エチル−4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【化32】

【0155】
融点205℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 3.42(m,2H,−CNH),3.14(m,1H,−CCHNH),1.81(m,1H,−CH[C),1.56(m,2H,−CCHCH),1.37(m,2H,−CCH),(0.90(m,3H,−C)),0.80(m,3H,−C),0.66(m,3H,−C)(ジアステレオマー混合体)。LRMS:m/z 198.1(M+1)。HRMS:[M+H]+ C17の理論値:198.1718。実測値:198.1713。
【0156】
(実施例24)4−シクロペンチル−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン
【化33】

【0157】
融点194℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 3.41(m,2H,−CNH),3.18(m,1H,−CCHNH),1.98(m,1H,−CHCH<),1.84(m,1H,−CHCH<),1.74(m,2H,−CCH<),1.54(m,4H,−C−),1.29(m,1H,−CH[CH−]),1.19(m,1H,CH−),1.03(m,2H,>CHC−),0.90(d,J=6.8Hz,3H,−C(ジアステレオマー1)),0.83(d,J=6.8Hz,3H,−C(ジアステレオマー2))。LRMS:m/z 224.2(M+1)。HRMS:[M+H]+ C1121の理論値:224.1875。実測値:224.1869。
【0158】
(実施例25)4−シクロヘキシル−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン
【化34】

【0159】
融点216℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 3.42(m,1H,−CNH),3.16(m,1H,−CCHNH),2.06(m,1H,−CH[CH−]),1.65(m,6H,−C−),1.18(m,6H,−C−),0.96(m,1H,CH−),0.87(d,J=6.8Hz,3H,CH−(ジアステレオマー1)),0.81(d,J=6.8Hz,3H,C−(ジアステレオマー2))。LRMS:m/z 238.2(M+1)。HRMS:[M+H]+ C1223の理論値:238.2031。実測値:238.2035。
【0160】
(実施例26)4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン
【化35】

【0161】
融点186℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 7.15(m,2H,Ar−),6.96(dt,J=8.8Hz,J=2.2Hz,2H,Ar−),3.40(m,3H,−CNH,−CCHNH),2.77(dd,J=12.8Hz,J=4.5Hz,1H,Ar−C−),2.60(m,1H,Ar−C−),2.22(m,1H,−CCH),0.83(d,J=6.5Hz,3H,C−(ジアステレオマー1)),0.72(d,J=6.5Hz,3H,C−(ジアステレオマー2))。LRMS:m/z 250.1(M+1)。HRMS:[M+H]+ C1216FNの理論値:250.1468。実測値:250.1468。
【0162】
(実施例27)3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ブチルアミン
【化36】

【0163】
融点163℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 7.40(m,4H,Ar−),2.77(m,2H,Ar−C−),2.30(m,1H,−CCH),0.84(d,J=6.5Hz,3H,C−(ジアステレオマー1)),0.73(d,J=6.5Hz,3H,C−(ジアステレオマー2))。LRMS:m/z 300.1(M+1)。HRMS:[M+H]+ C1316の理論値:300.1436。実測値 300.1432。
【0164】
(実施例28)3−メチル−5−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン
【化37】

【0165】
融点152℃(dec)。H NMR(CDOD) δ 7.20(m,2H,Ar−),7.11(m,3H,Ar−),3.42(m,1H,−CHNH),2.63(m,3H,−CNH,ArC−),2.46(m,1H,−CCHNH),1.95(m,1H,ArCHCH−),1.65(m,1H,CH−),1.34(m,1H,ArCHCH−),1.00(d,J=6.8Hz,3H,C−(ジアステレオマー1)),0.88(d,J=6.8Hz,3H,C−(ジアステレオマー2))。LRMS:m/z 246.2(M+1)。HRMS:[M+H]+ C1319の理論値:246.1718。実測値:246.1715。
【0166】
(実施例29)C−[2−シクロヘキシル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン
【0167】
A. (4S)−メチル−2−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ヘキサンニトリル
【0168】
乾燥水素化ナトリウム(0.06g、2.54mmol)を入れたフラスコに、(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル(0.45g、1.27mmol)を加えた。固体を撹拌して混合し、0℃に冷却して、THF5mlをすばやく加えると、水素ガスが激しく発生し、明黄色の泡が生じた。この混合物を0℃で5分間撹拌し、その後、氷浴を外して撹拌を1時間続けた。1mLTHFに入れた(S)−(+)−1−ブロモ−2−メチルブタン(0.17mL、1.40mmol)をすばやく加えて、混合物を一晩中撹拌した。該混合物をEtOAcと飽和NHCl(水溶液)に分配し、有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)にかけて、開始物質である臭化アルキルを不純物として含む(4S)−メチル−2−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ヘキサンニトリル0.33gを薄ピンク色の油状物質として得た。
【0169】
B. (4S)−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン
【0170】
[+]−1−ブロモ−2−メチルブタンを不純物として含む(4S)−メチル−2−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ヘキサンニトリル(0.33g)の16mLメタノール溶液にPtO(50mg)と濃縮HCl(0.24g)を加え、該混合物に対してパー・シェーカにより圧力3.37kg/cm(48psi)で60時間水素添加を行った。該混合物を濾過して、濃縮した。残留物をシリカ・ゲルによるフラッシュ・クロマトグラフィー(濃縮NHOH(aq):MeOH:CHClの比は0.25:1.25:3.5)で、0.037g(2段階で16%)の(4S)−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミンを無色固体として得た。H NMR(DO):2つのジアステレオマーの1:1混合体、顕著なピーク δ 3.32(m,1H,−CCHNH),3.11(m,−CNH)。LRMS:m/z 182.1(M−1)。
【0171】
C. 2−シクロヘキシル−1−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル
【0172】
(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル(1.0g、2.85mmol)の15mLベンゼン溶液に、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(0.38mL、3.13mmol)、10%NaOH(水溶液)10mL、及び臭化テトラブチルアンモニウム(50mg)を加えた。該混合物を1時間撹拌した後、EtOAc中に注いだ。層を分離し、有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮した。一方、ヨウ化トリメチルスルフォキソニウム(0.75g、3.42mmol)の7.0mLDMF溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱油懸濁液、0.14g、3.42mmol)を加えた。この混合物を30分間撹拌した後、5.0mLDMFに溶解した粗製の3−シクロヘキシル−2−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アクリロニトリル 2(約2.8mmol)をすばやく滴下した。橙色の溶液は、一晩撹拌し、EtOAcと水とに分配し、層を分離した。有機層をブラインで洗い、乾燥し(MgSO)、濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(15→20% EtOAc/ヘキサン)にかけて、1.15g(2段階で88%)の2−シクロヘキシル−1−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリルを無色の泡状物質として得た。H NMR(CDCl) δ 7.33(m,9H),7.07(m,6H),1.88(dd,J=4.9,8.8Hz,1H,シクロプロピル−CH),1.66−1.84(m,4H),1.57(dd,J=4.9,7.7Hz,1H,シクロプロピル−CH),1.25(m,8H)。
【0173】
D. C−[2−シクロヘキシル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン
【0174】
2−シクロヘキシル−1−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリル(1.10g、2.39mmol)を含む2.0MNHエタノール溶液50mLに、RaNi(1.4g)を加え、該混合物に対してパー・シェーカにより圧力3.37kg/cm(48psi)で60時間水素添加を行った。該混合物を濾過して、濃縮した。残留物をシリカ・ゲルによるフラッシュ・クロマトグラフィー(濃縮NHOH(aq):MeOH:CHClの比は0.25:1.25:3.5)で、0.19g(36%)のC−[2−シクロヘキシル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミンを無色固体として得た。H NMR (CDOD) δ 3.97(d,J=13.2Hz,1H,−CNH),2.96(d,J=13.2Hz,1H,−CNH),1.87(m,1H),1.77(m,1H),1.68(m,2H),1.47(m,1H),1.38(m,1H),1.12−1.31(m,6H),1.07(m,1H),0.91(dd,J=4.6,6.6Hz,1H,シクロプロピルl−CH)。LRMS:m/z 220.2(M−1)。C1119の理論値:C,59.70;H,8.65;N,31.65。実測値:C,58.39;H,8.54;N,31.20。
【0175】
実施例30から31までの表題化合物は、実施例29の方法と類似した方法を用いて製造した。
【0176】
(実施例30)C−[2−イソプロピル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン
【化38】

【0177】
融点>250℃(dec)。H NMR(DO) δ 3.88(d,J=13.4Hz,1H),2.97(d,J=13.4Hz,1H),1.38(m,1H),1.20(m,1H),1.06(m,1H),0.90(d,J=6.6Hz,3H),0.84(m,1H),0.81(d,J=6.6Hz,3H)。LRMS:m/z 180.1(M−1)。1D H NMR及び2D NOESY&COSYデータを用いて、イソプロピル基とアミノメチル基とがシクロプロパン環に対して互いにcis位にあることが判明した。
【0178】
(実施例31)C−[2−(1−エチル−プロピル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン
【化39】

【0179】
融点>250℃(dec)。H NMR (CDOD) δ 3.97(d,J=13.2Hz,1H),2.88(d,J=13.2Hz,1H),1.29−1.56(m,6H),1.05(m,1H),0.97(t,J=7.6Hz,3H),0.94(m,1H),0.83(t,J=7.6Hz,3H)。LRMS:m/z 208.2(M−1)。
【0180】
(実施例32)C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イル]−メチルアミン
【0181】
A. 1−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボニトリル
【0182】
乾燥した水素化ナトリウム(0.34g、14.1mmol)を入れたフラスコに、(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル(2.49g、7.10mmol)を加えた。固体を撹拌して混合し、0℃に冷却して、THF25mLをすばやく加えると、水素ガスが激しく発生し、明黄色の泡が生じた。この混合物を0℃で5分間撹拌し、その後、氷浴を外して撹拌を10分間続けた。10mLTHF中のシクロヘキサノン(0.81mL、7.80mmol)をすばやく加えたところ、透明な橙色の溶液となった。該混合物を2時間撹拌した後、EtOAcと飽和NHCl(水溶液)に分配し、有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮した。一方、ヨウ化トリメチルスルフォキソニウム(2.48g、11.2mmol)の25mLDMF溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱油分散液、0.45g、11.2mmol)を加えた。この混合物を30分間撹拌した後、15mLDMFに懸濁した粗製のシクロヘキシリデン−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アセトニトリル(約7.5mmol)をすばやく滴下した。橙色の溶液を一晩撹拌し、EtOAcと水とに分配し、層を分離した。有機層をブラインで洗い、乾燥し(MgSO)、濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(CHCl)にかけて、2.43g(2段階で77%)の1−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボニトリルを無色の泡状物質として得た。H NMR(CDCl) δ 7.32(m,9H),7.08(m,6H),1.99(d,J=5.4Hz,1H,シクロプロピルl−CH),1.80(m,2H),1.72(m,2H),1.59(d,J=5.4Hz,1H,シクロプロピル−CH),1.51(m,1H),1.41(m,1H),1.29(m,3H),1.09(m,2H),0.83(m,1H)。
【0183】
B. C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イル]−メチルアミン
【0184】
1−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボニトリル(2.40g、2.39mmol)の100mLメタノール:THF溶液(1:1)にPtO(0.15g)と濃縮HCl(1.67g)を加え、該混合物に対してパー・シェーカにより圧力3.37kg/cm(48psi)で20時間水素添加を行った。該混合物を濾過して、濃縮した。残留物をシリカ・ゲルによるフラッシュ・クロマトグラフィー(濃縮NHOH(aq):MeOH:CHClの比は0.25:1.25:3.5)で、0.40g(36%)のC−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イル]−メチルアミンを無色固体として得た。H NMR(CDOD) d 3.77(d,J=13.2Hz,1H,−CNH),3.07(d,J=13.2Hz,1H,−CNH),1.66(m,1H),1.53(d,J=5.1Hz,1H,シクロプロピル−CH),1.47−1.59(m,4H),1.22−1.42(m,3H),1.06(m,1H),0.97(m,1H),0.88(d,J=5.1Hz,1H,シクロプロピル−CH)。13C NMR(CDOD) δ 161.18,31.61,31.51,26.00,25.76,25.30,24.78,21.67。LRMS:m/z 206.1(M−1)。C1017の理論値:C,57.95;H,8.27;N,33.79。実測値:C,56.83;H,8.24;N,33.40。
【0185】
(実施例33)1-アミノメチル−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸
【0186】
A. シアノ−シクロペンチリデン−酢酸メチルエステル
【0187】
シクロペンタノン(84.1g、1mol)を含む乾燥ベンゼン溶液(100mL)に、シアノ酢酸メチル(99.1g、1mol)、酢酸アンモニウム(10g)及び氷酢酸(20mL)を加えた。反応混合物をディーン・スターク装置を用いて12時間還流加熱し、室温まで自然冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をEtOAc(400mL)に溶解した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒除去して薄黄色の油状物質である生成物を得た。該薄黄色の油状物質を蒸留(10mmHg、140−145℃)により更に精製して、シアノ−シクロペンチリデン−酢酸メチルエステル(130g、79%)を無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.80(m,4H),2.80(t,2H),3.0(t,2H),3.80(s,3H);13C NMR(75MHz,CDCl) d 25.4,26.9,35.8,38.1,52.5,100.7,115.8,162.6,188.3。
【0188】
B. 1−シアノ−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステル
【0189】
シアノ−シクロペンチリデン−酢酸メチルエステル(20.8g、126mmol)のアセトニトリル溶液(500mL)に、ニトロメタン(34mL、630mmol、5当量)を加えた後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(18.8mL、126mmol)を滴下した。該反応溶液は、DBU添加により、橙色に変化した。該混合物を室温にて16時間撹拌した。さらにDBU(1mL)を追加し、1時間撹拌した。該反応混合物をエーテル(1L)と1NのHCl(400mL)に分配し、層を分けた。有機層を1NのHCl(2×300mL)、ブライン(2×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去した。残留物を湿式充填したシリカゲルカラムを用い、4−6%酢酸エチル/ヘキサンの溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせて、溶媒除去し、14.0g(62%)の1−シアノ−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステルを透明な油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.64(d,J=5.0Hz,1H),1.70−1.88(m,7H),2.14(d,J=5.0Hz,1H),2.1−2.19(m,1H),3.82(s,3H);MS(APCI)m/z 180[M+H]
【0190】
C. 1−アミノメチル−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステル
【0191】
1−シアノ−スピロ[2.4]−ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステル(3.45g、19.3mmol)のメタノール溶液(240mL)に、CoCl−6HO(9.16g、38.5mmol)を加えて、濃紫色の溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(7.30g、193mmol)を10分間かけて、水素の発生と続いて起こる発熱反応をコントロールしながら少しずつ加え、黒色溶液を得た。添加が完了した後、該混合物を窒素下で30分撹拌した。0.5NのHCl(1.3L)を慎重に加えて、クエンチングを行った。該溶液は、濃縮水酸化アンモニウムを加えて、アルカリ性(pH〜9)とした。該混合物を、酢酸エチル(4×400mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、3.07g(87%)の1−アミノメチル−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステルを黄色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.74(br d,1H),1.4−1.7(m,10H),1.9(m,1H),2.58(d,J=13.8Hz,1H),3.16(d,J=13.8Hz,1H),3.48(s,3H);MS(APCI)m/z 184[M+H]
【0192】
D. 1−アミノメチル−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸
【0193】
1−アミノメチル−スピロ[2.4]−ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステル(3.40g、18.6mmol)の溶液に、メタノール(75mL)とLiOH−HO(1.55g、37.1mmol)を加えた。該混合物を、窒素下で48時間還流加熱した。溶媒を減圧蒸留により除去し、残留物を水(50mL)に溶解した。氷浴による冷却下、濃縮HCl(〜2.5mL)を加え、pHを6に調製した。白色沈殿物を濾過により分離し、減圧乾燥して、1.22g(39%)の1−アミノメチル−スピロ[2.4]−ヘプタン−1−カルボン酸をオフホワイト色固体として得た。融点231−235℃(dec); H NMR(300MHz,DO)δ 0.78(d,J=4.7Hz,1H),1.32(d,J=4.7Hz,1H),1.40(m,1H),1.54−1.77(m,7H),2.86(d,J=13.2Hz,1H),3.43(d,J=13.2Hz,1H);MS(APCI)m/z 170[M+H]。C15NO−1.1HOの理論値:C,57.18;H,9.17;N,7.41。実測値:C,57.38;H,8.82;N,7.09。
【0194】
(実施例34)3−(1−アミノメチル−スピロ[2.4]ヘプト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0195】
A. シアノ−シクロヘキシリデン−酢酸メチルエステル
【0196】
シクロヘキサノン(84.1g、1mol)を含む乾燥ベンゼン溶液(100mL)に、シアノ酢酸メチル(99.1g、1mol)、酢酸アンモニウム(10g)及び氷酢酸(20mL)を加えた。反応混合物をディーン・スターク装置を用いて12時間還流加熱し、室温まで自然冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をEtOAc(400mL)に溶解した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒除去して薄黄色の油状物質であるシアノ−シクロヘキシリデン−酢酸メチルエステルを得た。該薄黄色油状物質を蒸留(10mmHg、150−155℃)により更に精製して、生成物15(110g、61%)を無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.70−1.85(m,6H),2.70(t,2H),3.00(t,2H),3.80(s,3H);13C NMR(75MHz,CDCl) d 25.9,28.6,28.9,31.9,37.2,52.8,101.9,115.8,162.7,180.8。
【0197】
B. 1−シアノ−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル
【0198】
シアノ−シクロヘキシリデン−酢酸メチルエステル(20.0g、112mmol)のアセトニトリル溶液(400mL)に、ニトロメタン(30mL、558mmol)を加えた後、DBU(16.9mL、113mmol)を5分間で滴下した。該溶液は、透明から橙色に変わり、室温にて5.5時間撹拌した。該溶液をエーテル(1L)で希釈し、1NのHCl(2×250mL)、次にブライン(2×250mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去した。残留物を湿式充填したシリカゲルカラム(6.5×40cm)を用い、95:5ヘキサン/酢酸エチル溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせて、溶媒除去し、18.6g(86%)の1−シアノ−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸メチルエステルを透明な油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.35(m,1H),1.49(d,J=5.0Hz,1H),1.5−1.75(m,9H),1.82(d,J=5.0Hz,1H),3.83(s,3H)。
【0199】
C. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル
【0200】
1−シアノ−スピロ[2.5]−オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(18.6g、96.2mmol)のメタノール溶液(480mL)に、CoCl−HO(22.8g、96.2mmol)を加えて、濃紫色の溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(14.5g、385mmol)を10分間かけて、氷浴により冷却しながら少しずつ加え、黒色溶液を得た。40分後に、2NのHClを加えることにより注意深くクエンチングを行った。2NのNaOHでpHを9に調整し、溶液をCHClで抽出した(4回)。有機層を合わせたものに、飽和炭酸カリウム水溶液とジ−tert−ブチルジカルボネート(26.2g、120mmol)を加えた。1時間後に、層を分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、35.7g(>100%)の1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸メチルエステルをオフホワイト色固体として得た。該物質は、更に精製を行うことなく、次の段階に使用した。
【0201】
D. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸
【0202】
粗製の1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(35.0g、〜96.2mmol)を含む溶液に、LiOH−HO(12.3g、294mmol)に続いて水(75mL)を加えた。該混合物を還流加熱した。48時間後に、LiOH−HO(6.15g,146mmol)を更に加え、更に24時間還流加熱した。溶媒を減圧除去した。残留物を水とエーテルとに分配した。水溶液層を氷浴による冷却下、CHCl層を残したままで、HCl水溶液によりpH2−3の酸性とした。層を分離し、水溶液層をCHClで抽出した(3回)。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、17.0g(2段階で63%)の1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸をオフホワイト色固体として得た。
【0203】
E. 1−アミノメチル−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸塩酸塩
【0204】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(200mg、0.706mmol)を含む1,4−ジオキサン溶液(3mL)に、4NのHClを含む1,4−ジオキサン(3mL)を加えた。該反応液を室温にて18時間撹拌した。エーテル(20mL)を加えて、沈殿物を減圧濾過により分離した。該固体を真空乾燥機により48℃で乾燥し、133mg(86%)の1−アミノメチル−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸塩酸塩を白色固体として得た。融点240−242℃;H NMR(300MHz,DO) δ 0.92(d,J=5.2Hz,1H),1.40(d,J=5.2Hz,1H),1.4−1.6(m,10H),3.12(d,J=14.0Hz,1H),3.61(d,J=14.0Hz,1H);MS(APCI)m/z 184[M+H]。C1017NO−HClの理論値:C,54.67;H,8.26;N,6.38;Cl,16.14。実測値:C,54.91;H,8.36;N,6.25;Cl,15.99。
【0205】
F. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステル
【0206】
1−シアノ−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステル(14.0g、78.1mmol)のメタノール溶液(275mL)に、CoCl−6HO(10.6g、44.6mmol)を加えて、濃紫色の溶液を得た。水素化ホウ素ナトリウム(8.44g、223mmol)を10分間かけて、水素の発生と続いて起こる発熱反応をコントロールしながら少しずつ加え、黒色溶液を得た。添加が完了した後、該反応混合物を窒素下で30分撹拌した。1NのHCl(300mL)を加えることにより慎重にクエンチングを行った。飽和炭酸カリウム水溶液をpHが9になるまで加えた。ジ−tert−ブチルジカルボネート(21.3g、97.6mmol)を含むCHCl(250mL)を加えて、2時間撹拌した。層を分離し、水溶液層をCHClで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去した。残留物を湿式充填したシリカゲルカラム(6.5×26cm)を用い、90:10ヘキサン/酢酸エチル溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせて、溶媒除去し、16.6g(75%)の1−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステルを粘稠な油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.95(d,J=4.3Hz,1H),1.44(s,9H),1.45(m,2H),1.60−1.75(m,6H),1.90(m,1H),3.30(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),3.47(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),3.70(s,3H),5.16(br s,1H);MS(APCI)m/z 184[M+H−100(Boc)]
【0207】
G. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸
【0208】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸メチルエステル(16.5g、58.2mmol)のメタノール溶液(100mL)に、LiOH−HO(4.9g,116mmol)及び水(15mL)を加えた。3時間後に、メタノール(50mL)と水(15mL)とを更に加え、合計6時間還流を行った。溶媒を減圧除去した。残留物を水(200mL)に溶解し、エーテル(200mL)で洗浄した。水溶液を氷浴で冷却し、塩化メチレン(200mL)を加えた。撹拌しながら、4NのHClをpHが2−3になるまで加えた。層を分離し、水溶液層を塩化メチレンで抽出した(2×300mL)。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去した。残留物をヘキサンに溶解し、溶媒除去して、12.6g(80%)の1−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸を白色の泡状固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.08(d,J=5.0Hz,1H),1.44(s,9H),1.45(m,2H),1.55−1.8(m,6H),1.92(m,1H),3.35(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),3.44(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),5.28(br t,1H);MS(APCI)m/z=170[M+H−100(Boc)]
【0209】
H. (1−カルバモイル−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0210】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)−スピロ[2.4]ヘプタン−1−カルボン酸(12.5g、46.6mmol)のTHF溶液(450mL)に、HOBT(6.6g,48.9mmol),4−メチルモルホリン(5.4mL,48.9mmol)及びEDC(9.83g,51.3mmol)を加えた。該反応混合物を3時間撹拌した後、濃縮水酸化アンモニウム水溶液(6.3mL、93.2mmol)を加えた。該混合物を48時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残留物を酢酸エチル(500mL)と半飽和硫酸水素カリウム水溶液に分配した。層を分離した。有機層を半飽和硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、9.7g(78%)の(1−カルバモイル−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.74(d,J=4.5Hz,1H),1.38(d,J=4.5Hz,1H),1.44(s,9H),1.6−1.8(m,7H),1.83(m,1H),3.15(dd,J=5.1,14.8Hz,1H),3.65(dd,J=5.1,14.8Hz,1H),5.0(br s,1H),5.49(br s,1H),6.45(br s,1H);MS(APCI)m/z 169[M+H−100(Boc)]
【0211】
I. (1−シアノ−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0212】
(1−カルバモイル−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9.7g、36.1mmol)のDMF溶液(150mL)に、氷浴により冷却しながら塩化シアヌル(9.2g,50.5mmol)を加えた。30分後に、白色沈殿が生じ始めた。40分後に、混合物を氷冷した0.5NのNaOH水溶液(300mL)に注いだ。該混合物を分液ロートに注ぎ、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、13.1gの黄色油状物質を得た。該油状物質を、湿式充填したシリカゲルカラム(4×28cm)を用い、9:1 ヘキサン/酢酸エチル溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせて、溶媒除去し、8.1g(90%)の(1−シアノ−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.08(d,J=5.1Hz,1H),1.25(d,J=5.1Hz,1H),1.45(s,9H),1.45−1.9(m,7H),2.0(m,1H),3.3(m,2H),4.89(s,1H);MS(APCI)m/z 249[M−H]
【0213】
J. [1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0214】
(1−シアノ−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(8.0g、32.0mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(11.1g、160mmol)のエタノール懸濁液(550mL)に、細砕した水酸化カリウム(9.0g,160mmol)を加えた。該懸濁液を、20時間還流加熱した。溶媒を減圧除去した。残留物を塩化メチレンと水とに分配した。水溶液層を塩化メチレンで抽出した(3回)。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、8.6gの半固体物質を得た。残留物を湿式充填したシリカゲルカラム(8×30cm)を用い、97:3 塩化メチレン/メタノール溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせて、溶媒除去し、4.33g(48%)の[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを灰色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.67(d,J=4.8Hz,1H),1.08(d,J=4.8Hz,1H),1.43(s,9H),1.45−1.51(m,3H),1.6−1.9(m,6H),3.03(dd,J=5.1,13.8Hz,1H),3.53(dd,J=5.1,13.8Hz,1H),4.68(s,2H),5.13(s,1H);MS(APCI)m/z 284[M+H]
【0215】
K. [1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−スピロ[2.4]ヘプタ−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0216】
[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.65g、12.9mmol)のTHF溶液(20mL)に、THF(50mL)中の1,1’−カルボニルジイミダゾール(3.13g,19.3mmol)を加えた。該混合物を、7時間還流加熱した。THFを減圧除去し、残留物をエーテル(75mL)と1NのNaOH水溶液(40mL)に分配した。層を分離し、有機層を1NのNaOH(3×40mL)で抽出した。水溶液層を合わせ、固体の硫酸水素カリウムにより酸性とし、pH=3とした。水溶液層を塩化メチレンで抽出し(3×125mL)、有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、3.55g(89%)のオフホワイト色固体を得た。残留物を湿式充填したシリカゲルカラム(6.5×28cm)を用い、97:3 塩化メチレン/メタノール溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせて、溶媒除去し、3.05g(76%)の[1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.95(d,J=5.3Hz,1H),1.44(s,9H),1.4−1.58(m,3H),1.6−1.8(m,5H),1.91(m,1H),3.18(dd,1H),3.77(dd,1H),5.01(s,1H),10.67(s,1H);MS(APCI)m/z 308[M−H]
【0217】
L. 3−(1−アミノメチル−スピロ[2,4]ヘプト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0218】
[1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−スピロ[2.4]ヘプト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.05g、9.86mmol)の1,4−ジオキサン溶液(60mL)に、1,4−ジオキサン(90mL)中の4NのHClを加えた。該溶液を室温にて一晩撹拌した。エーテル(300mL)を加えて、生じた沈殿物を減圧濾過により分離した。該固体をエーテルで洗浄し、真空乾燥機により一晩乾燥させて、2.38g(97%)の3−(1−アミノメチル−スピロ[2.4]ヘプト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩を白色固体として得た。融点206−208℃;H NMR(300MHz,CDOD) δ 1.24(d,J=5.7Hz,1H),1.4−1.52(m,2H),1.55−1.65(m,2H),1.7−1.85(m,4H),1.86−1.97(m,1H),3.00(d,J=13.9Hz,1H),3.60(d,J=13.9Hz,1H);MS(APCI)m/z 210[M+H]。C1015−HClの理論値:C,48.88;H,6.56;N,17.10;Cl,14.43。実測値:C,48.73;H,6.35;N,16.89;Cl,14.12。
【0219】
(実施例35) 3−(1−アミノメチル−スピロ[2.5]オクト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0220】
A. (1−カルバモイル−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0221】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−スピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(17.9g、63.2mmol)のTHF溶液(700mL)に、HOBT(9.00g,66.4mmol)、4−メチルモルホリン(7.3mL,66.4mmol)添加の後、EDC(13.9g、72.7mmol)を加えた。該溶液を2時間撹拌した後、濃縮水酸化アンモニウム水溶液(8.5mL、126mmol)を加えた。該混合物を18時間撹拌した後、溶媒を減圧除去した。残留物を酢酸エチルと半飽和硫酸水素カリウム水溶液とに分配した。エマルジョンが生成したが、層は、分離できた。有機層を半飽和硫酸水素カリウム水溶液(2回)及びブラインで洗浄した。有機層を濾過して、エマルジョン化した固体を除去した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾過液に結晶化を起こすために、ヘキサンを加えた。沈殿物を減圧除去し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥機で乾燥して、16.2g(91%)の(1−カルバモイル−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.65(d,J=5.0Hz,1H),1.17(d,J=5.0Hz,1H),1.43(s,9H),1.4−1.5(m,4H),1.7−1.7(m,6H),3.37(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),3.60(dd,J=6.0,14.0Hz,1H),5.0(s,1H),5.38(s,1H),6.1(s,1H);MS(APCI)m/z 283[M+H]
【0222】
B. (1−シアノ−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0223】
(1−カルバモイル−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(13.1g、46.4mmol)をDMF(400mL)中に懸濁し、氷浴により冷却した。塩化シアヌル(11.8g、64.9mmol)を加えた。20分後に、溶液が均一となり、30分後には新たな沈殿が生じ始めた。1時間後、該混合物を氷浴で冷却しながら0.5NのNaOH(500mL)に注いだ後、分液ロートに移した。該溶液を、酢酸エチル(3×400mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(2×400mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物を酢酸エチル(300mL)に溶解し、ブライン(3×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、12.1g(98%)の(1−シアノ−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルをオフホワイト色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.96(d,J=5.2Hz,1H),1.07(d,J=5.2Hz,1H),1.46(s,9H),1.4−1.7(m,10H),3.40(m,2H),4.95(s,1H);MS(APCI)m/z 263[M−H]
【0224】
C. [1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0225】
(1−シアノ−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(10.0g、37.8mmol)のエタノール溶液(150mL)に、50%ヒドロキシルアミン水溶液(12mL、189mmol)を加えた。該溶液を14時間還流加熱し、室温まで冷却し、溶媒を減圧除去した。残留物を水(200mL)とエーテル(300mL)に分配した。エーテル層にはエマルジョンが生成したが、分離可能であった。該水溶液を、エーテル(2×300mL)で抽出した。有機層を合わせ、濾過して、エマルジョン化した物質を除去した。有機層をブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒除去して、6.1g(54%)の[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.52(d,J=4.8Hz,1H),0.90(d,J=4.8Hz,1H),1.4(m,1H),1.43(s,9H),1.3−1.7(m,9H),3.11(s,1H),3.23(dd,J=5.2,13.9Hz,1H),3.47(dd,J=5.2,13.9Hz,1H),4.68(s,2H),5.12(s,1H);MS(APCI)m/z 298[M+H]
【0226】
D. [1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0227】
[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.8g、19.5mmol)のTHF溶液(250mL)に、CDI(4.74g、29.3mmol)を加えた。3時間還流したのち、更にCDI(1g)を追加した。該溶液を更に4時間還流加熱した後、溶媒を減圧除去した。残留物をエーテル(200mL)と1NのNaOH(75mL)に分配した。該有機層を、1NのNaOH(2×75mL)で抽出した。水溶液層を合わせ、エーテルにより洗浄した(100mL)。水溶液層を氷浴による冷却下、塩化メチレン層(100mL)上の層のままで、硫酸水素カリウムを加えてpH=3の酸性とした。層を分離し、水溶液層を塩化メチレン(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(75mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して、オフホワイト色の泡状物質を得た。残留物を湿式充填したシリカゲルカラム(6.5×28cm)を用い、3−4%のメタノールを含む塩化メチレン溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせて、溶媒除去し、4.4g(70%)の[1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色泡状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.78(d,J=5.3Hz,1H),1.44(s,9H),1.3−1.7(m,11H),3.24(dd,J=5.0,13.9Hz,1H),3.84(dd,J=5.0,13.9Hz,1H),4.97(s,1H);MS(APCI)m/z 324[M+H]
【0228】
E. 3−(1−アミノメチル−スピロ[2.5]オクト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0229】
[1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−スピロ[2.5]オクト−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.30g、13.3mmol)の1,4−ジオキサン溶液(90mL)に、1,4−ジオキサン(45mL)中の4NのHClを加えた。溶液を18時間撹拌し、エーテル(200mL)を加えて、沈殿物を減圧濾過により分離した。残留物を湿式充填したシリカゲルカラム(5.5×30cm)を用い、80:20:5の塩化メチレン/メタノール/水酸化アンモニウム溶出液によるクロマトグラフィーにかけた。適切な分画を合わせ、溶媒を減圧除去した。固体をエーテル(150mL)中の1NのHClとともに撹拌した。該固体を減圧濾過し、真空乾燥機により48℃で乾燥させて、2.22g(64%)の3−(1−アミノメチル−スピロ[2,5]オクト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩を白色固体として得た。融点179−181 ℃(dec); H NMR(300MHz,CDOD) δ 1.05(d,J=5.8Hz,1H),1.21(m,1H),1.41(d,J=5.8Hz,1H),1.4−1.72(m,9H),3.12(d,J=14Hz,1H),3.54(d,J=14Hz,1H);MS(APCI)m/z 224[M+H]。C1117−HClの理論値:C,50.52;H,7.01;N,16.07;Cl,13.56。実測値:C,50.23;H,7.05;N,15.89;Cl,13.53。
【0230】
(実施例36)1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸塩酸塩
【0231】
A. 2−シアノ−4−メチル−ペント−2−エン酸メチルエステル
【0232】
イソブチルアルデヒド(18.2mL、200mmol)を含む乾燥ベンゼン溶液(20mL)に、シアノ酢酸メチル(18mL、200mmol)、酢酸アンモニウム(2g)及び氷酢酸(4mL)を加えた。該反応混合物を60℃で30分間撹拌し、室温まで自然冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をEtOAc(200mL)に溶解した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒除去して薄黄色の油状物質として2−シアノ−4−メチル−ペント−2−エン酸メチルエステルを得た。該薄黄色の油状物質を蒸留(7mmHg)により更に精製して、生成物2(27.4g、56%)を無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.16(d,J=6.6Hz,6H),2.96−3.04(m,1H),3.87(s,3H),7.47(d,J=10.5Hz,1H)。
【0233】
B. 1−シアノ−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
【0234】
2−シアノ−4−メチル−ペント−2−エン酸メチルエステル(10.5g、68.3mmol)の乾燥アセトニトリル溶液(60mL)に、ニトロメタン(5.5mL、103mmol)及びアルミナ担持フッ化カリウム(40重量%、22g)を少しずつ加えた。該反応液を2時間還流加熱し、室温まで冷却した。固体を小型セライトパッドにより濾過除去し、アセトニトリルで洗浄した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をエーテルに溶解した。エーテル層を水、ブラインで洗い、乾燥し(NaSO)、in vacuoで濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc(8:2)の溶出液によるフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーにかけて、1−シアノ−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(7.7g、68%)を無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.13(t,J=7.2Hz,6H),1.39−1.45(m,2H),1.65−1.74(m,1H),1.81(dd,J=4.4,8.9Hz,1H),3.81(s,3H);13C NMR(75MHz,CDCl) d 19.6,21.8,21.9,25.3,31.2,39.3,53.7,117.6,168.7。
【0235】
C. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
【0236】
1−シアノ−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(7.7g、46.1mmol)及び塩化第一コバルト六水和物(21.9g、92.2mmol)のメタノール溶液(560mL)に、NaBH(17.4g、461mmol)を少量ずつ加えた。生じた黒色沈殿物を1時間室温で撹拌した後、0.5NのHCl(200mL)を加えてクエンチングした。黒色沈殿物が溶解した後、過剰な溶媒を除去し、水溶液層に2NのNaOHを加えてアルカリ性とした。該アルカリ性水溶液を、ゆっくりとジ−tert−ブチルジカルボネート(20.1g、92.2mmol)のジクロロメタン溶液(400mL)に加えた。該反応混合物を室温で一晩撹拌し、有機層を分離して、ブラインで洗浄し、乾燥した(NaSO)。過剰な溶媒を除去し、残留物をヘキサン/EtOAc(9:1)の溶出液によるカラム・クロマトグラフィーにかけて精製し、1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(10.9g、88%)を無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.76(m,1H),0.97(d,J=6.3Hz,3H),1.05(d,J=6.3Hz,3H),1.26−1.31(m,3H),1.43(s,9H),3.23(d,J=14.3Hz,1H),3.57(d,J=14.3Hz,1H),3.69(s,3H);13C NMR(75MHz,CDOD)d 20.5,23.4,23.6,29.2,38.1,41.1,53.0,80.5,158.5,177.1;MS(APCI)m/z 172[M+H−100(Boc)]
【0237】
D. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸
【0238】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(10.9g、40.2mmol)のメタノール溶液(320mL)に、LiOH(4.2g、100mmol)の水溶液(98mL)を加えた。該反応液を3時間還流加熱し、室温まで冷却した。過剰な溶媒を除去し、残留物を水(100mL)に溶解した。該水溶液をエーテルで洗浄し、2NのHClでpH=3の酸性とし、EtOAc(2×150mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒除去して、1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸(9.0g、87%)を無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.72(m,1H),0.99(d,J=6.2Hz,3H),1.06(d,J=6.2Hz,3H),1.28−1.36(m,3H),1.42(s,9H),3.23(d,J=14.3Hz,1H),3.54(d,J=14.3Hz,1H);13C NMR(75MHz,CDOD) d 20.0,23.0,23.3,28.8,30.2,37.6,40.8,80.2,158.1,178.5;MS(APCI)m/z 258[M+H]
【0239】
E. 1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸塩酸塩
【0240】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸(2.05g、8.0mmol)の乾燥1,4−ジオキサン溶液(40mL)に、4NのHCl(40mL、1,4−ジオキサン中)を加えた。該反応混合物を室温にて一晩撹拌し、エーテル(100mL)を加えた。白色固体を収集し、乾燥して、1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸塩酸塩(1.35g、88%)を得た。融点245−246℃;H NMR(300MHz,DO) δ 0.94(d,J=6.5Hz,3H),0.96(m,1H),1.05(d,J=6.4Hz,3H),1.23−1.31(m,1H),1.49−1.59(m,2H),2.85(d,J=13.7Hz,1H),3.83(d,J=13.7Hz,1H);13C NMR(75MHz,DO) d 22.3,23.9,27.8,30.8,39.6,41.7,179.6;MS(APCI)m/z 158[M+H]。C15NO−HClの理論値:C,49.61;H,8.33;N,7.23;Cl,18.31。実測値:C,49.76;H,8.44;N,7.11;Cl,18.48。
【0241】
(実施例37)1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸塩酸塩
【0242】
A. 2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル
【0243】
イソバレルアルデヒド(86.1g、1mol)を含む乾燥ベンゼン溶液(100mL)に、シアノ酢酸メチル 2(99.1g、1mol)、酢酸アンモニウム(10g)及び氷酢酸(20mL)を加えた。該反応混合物を0℃で1時間撹拌し、室温まで自然冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をEtOAc(400mL)に溶解した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒除去して、薄黄色油状物質の生成物を得た。該薄黄色油状物質を蒸留(10mmHg)により更に精製して、100g(60%)の2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステルを無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 1.00(d,J=6.7Hz,6H),1.91(m,1H),2.47(dd,J=7.9,6.8Hz,2H),3.89(s,3H),7.69(t,J=8.0Hz,1H)。
【0244】
B. 1−シアノ−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
【0245】
2−シアノ−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸メチルエステル(20.2g、121mmol)の乾燥アセトニトリル溶液(110mL)に、ニトロメタン(9.8mL、181mmol)及びアルミナ担持フッ化カリウム(40重量%、39.3g)を少しずつ加えた。該反応混合物を2時間還流下で攪拌し、室温まで冷却した。固体を小型セライトパッドにより濾過除去し、アセトニトリルで洗浄した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をエーテルに再溶解した。エーテル層を水、ブラインで洗い、乾燥し(NaSO)、in vacuoで濃縮した。粗生成物をヘキサン/EtOAc(8:2)の溶出液によるフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーにかけて、15g(69%)の1−シアノ−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステルを無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.98(d,J=2.9Hz,3H),1.00(d,J=3.0Hz,3H),1.35−1.42(m,2H),1.65(m,1H),1.79−1.94(m,3H),3.81(s,3H);13C NMR(75MHz,CDCl) d 19.3,22.3,22.4,25.5,27.9,30.1,39.0,53.4,117.3,168.5。
【0246】
C. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル
【0247】
1−シアノ−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(13.0g、71.8mmol)及び塩化コバルト六水和物(34.2g、144mmol)のメタノール溶液(800mL)に、NaBH(27.2g、718mmol)を少量ずつ加えた。生じた黒色沈殿物を1時間室温で撹拌した後、0.5NのHCl(400mL)を加えてクエンチングした。黒色沈殿物が溶解した後、過剰な溶媒を除去し、水溶液層に2NのNaOHを加えてアルカリ性とした。該アルカリ性水溶液を、ゆっくりとジ−tert−ブチルジカルボネート(31.4g、144mmol)のジクロロメタン溶液(600mL)に加えた。該反応混合物を室温で一晩撹拌し、有機層を分離して、ブラインで洗浄し、乾燥した(NaSO)。過剰な溶媒を除去し、残留物をヘキサン/EtOAc(9:1)の溶出液によるカラム・クロマトグラフィーにかけて精製し、16g(78%)の1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステルを無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.75(m,1H),0.93(t,J=6.5Hz,6H),1.20−1.28(m,1H),1.37(dd,J=3.8,8.5Hz,1H),1.44(s,9H),1.51−1.58(m,2H),1.64−1.70(m,1H),3.33−3.46(m,2H),3.67(s,3H),5.27(m,1H);13C NMR(75MHz,CDCl) d 21.1,22.4,22.9,26.7,28.6,28.7,28.9,37.8,40.2,52.1,79.1,156.1,175.8;MS(APCI)m/z 186[M+H−100(Boc)]
【0248】
D. 1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸
【0249】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(9.1g、31.9mmol)のメタノール溶液(260mL)に、LiOH(3.34g、79.7mmol)の水溶液(80mL)を加えた。該反応混合物を3時間還流加熱し、室温まで冷却した。過剰な溶媒を除去し、残留物を水(100mL)に溶解した。該水溶液をエーテルで洗浄し、2NのHClを加えてpH=3の酸性とし、EtOAc(2×150mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、溶媒除去して、8.4g(97%)の1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸を無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.71(dd,J=4.0,6.4Hz,1H),0.95(t,J=6.4Hz,6H),1.35(m,1H),1.43(s,1H),1.49−1.55(m,1H),1.64−1.69(m,2H),3.23(d,J=14.2Hz,1H),3.40(d,J=14.2Hz,1H)。
【0250】
E. 1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸塩酸塩
【0251】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸(2.8g、10.3mmol)の乾燥1,4−ジオキサン溶液(60mL)に、4NのHCl(40mL、1,4−ジオキサン中)を加えた。該反応混合物を室温にて一晩撹拌し、エーテル(100mL)を加えた。白色固体を収集し、乾燥して、1.6g(76%)の1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸塩酸塩を得た。融点254−255℃;H NMR(300MHz,DO) δ 0.95(t,J=6.2Hz,6H),0.96(m,1H),1.21−1.28(m,1H),1.51−1.80(m,4H),3.06(d,J=13.8Hz,1H),3.58(d,J=13.8Hz,1H);13C NMR(75MHz,DO) δ 21.7,21.9,22.2,25.3,28.1,28.6,37.1,40.2,178.1;MS(APCI)m/z 172[M+H]。C17NO−HClの理論値:C,52.05;H,8.74;N,6.74。実測値:C,52.10;H,8.73;N,6.67。
【0252】
(実施例38)3−(1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0253】
A. (1−カルバモイル−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0254】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソプロピル−シクロプロパンカルボン酸(6.4g、24.9mmol)の乾燥THF溶液(190mL)に、HOBt(4.7g、34.8mmol)、NMM(3.83mL、34.8mmol)及びEDC(6.7g、34.8mmol)を0℃で加えた。該反応混合物を0℃で3時間撹拌し、濃縮水酸化アンモニウム(16mL)を加えてクエンチングした。該反応混合物を室温にて一晩撹拌した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をEtOAc(200mL)に溶解した。有機層を1NのHCl、NaHCO水溶液及びブラインで洗浄し、NaSOにより乾燥した。過剰な溶媒を除去して、6.4g(100%)の(1−カルバモイル−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.62(m,1H),1.00(d,3H),1.05(d,3H),1.25(m,3H),1.45(s,9H),3.05(dd,1H),3.80(dd,1H),6.70(m,1H);MS(APCI)m/z 257[M+H]
【0255】
B. (1−シアノ−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0256】
(1−カルバモイル−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(6.4g、24.9mmol)の乾燥DMF溶液(100mL)に、塩化シアヌル(6.4g、34.9mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で30分間撹拌し、冷却した0.5NのNaOH(200mL)に注いだ。該水溶液層をEtOAc(2×150mL)で抽出し、合わせた有機層を水とブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。過剰な溶媒を除去し、残留物をヘキサン/EtOAc(9:1)の溶出液によるフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーにかけて精製し、4.4g(74%)の(1−シアノ−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色泡状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.87(m,1H),1.05(s,6H),1.23−1.33(m,3H),1.45(s,9H),3.29(dd,J=6.3,14.5Hz,1H),3.47(dd,J=6.1,14.6Hz,1H),5.31(m,1H);13C NMR(75MHz,CDCl) d 14.6,16.9,21.0,21.3,27.1,33.3,39.3,78.5,122.0,154.6;MS(APCI)m/z 239[M+H]
【0257】
C. [1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0258】
(1−シアノ−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.4g、18.5mmol)のエタノール溶液(340mL)に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(6.4g、92.3mmol)及び細砕した水酸化カリウム(5.18g、92.3mmol)を加えた。該反応混合物を16時間還流加熱し、室温まで冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をエーテル/水の混合液に溶解した。水溶液層をエーテル(2×100mL)で抽出し、合わせたエーテル抽出液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。過剰な溶媒をin vacuoで除去して、5g(100%)の[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色泡状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.45(dd,J=5.5,6.6Hz,1H),0.88(m,1H),1.04(m,7H),1.35(m,1H),1.41(s,9H),3.15(d,J=14.1Hz,1H),3.53(d,J=14.2Hz,1H);MS(ACPI)m/z 272[M+H]
【0259】
D. {2−イソプロピル−1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−シクロプロピルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0260】
[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−2−イソプロピル−シクロプロピルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.0g、18.5mmol)の乾燥THF溶液(185mL)に、乾燥THF溶液(185mL)中のカルボニルジイミダゾール(4.5g、27.8mmol)を滴下した。該反応混合物を12時間還流加熱し、室温まで自然冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をエーテル(100mL)と1NのNaOH水溶液(100mL)に分配した。エーテル層を1NのNaOH(2×50mL)で抽出し、合わせた水溶液層を4NのHCl水溶液でpH=3の酸性とした。該水溶液層をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。過剰な溶媒を除去し、残留物をヘキサン/EtOAc(1:1)の溶出液によるフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーにかけて精製し、3.3g(61%)の{2−イソプロピル−1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−シクロプロピルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色泡状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.87(dd,J=5.4,6.8Hz,1H),1.00(m,1H),1.05(d,J=5.2Hz,3H),1.07(d,J=5.1Hz,3H),1.35(m,1H),1.42(s,9H),1.48(m,1H),3.25(d,J=14.7Hz,1H),3.69(d,J=14.7Hz,1H),4.92(s,1H);13C NMR(75MHz,CDOD) δ 17.6,23.2,23.5,24.7,29.1,30.3,36.3,41.3,80.8,158.7,162.8,164.4;MS(ACPI)m/z 298[M+H]
【0261】
E. 3−(1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0262】
{2−イソプロピル−1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−シクロプロピルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.30g、11.1mmol)の乾燥1,4−ジオキサン溶液(20mL)に、4NのHCl(40mL、1,4−ジオキサン中)を加えた。該反応混合物を室温にて一晩撹拌し、エーテル(100mL)で希釈した。沈殿物を収集し、乾燥させて、1.6g(62%)の3−(1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩を白色固体として得た。融点178−179℃;H NMR(300MHz,DO)δ 1.01(d,J=5.8Hz,3H),1.10(d,J=5.8Hz,3H),1.22(t,J=6.1Hz,1H),1.38−1.46(m,2H),1.56(m,1H),3.12(d,J=14.2Hz,1H),3.93(d,J=14.2Hz,1H);13C NMR(75MHz,DO) δ 18.1,20.3,21.7,21.9,29.0,36.3,39.3,162.3,162.5;MS(APCI)m/z 198[M+H]。C15−HClの理論値:C,46.26;H,6.90;N,17.98;Cl,15.17。実測値:C,46.39;H,6.84;N,17.85;Cl,14.79。
【0263】
(実施例39)3−(1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0264】
A. (1−カルバモイル−2−イソブチル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0265】
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−2−イソブチル−シクロプロパンカルボン酸(5.2g、19.2mmol)の乾燥THF溶液(190mL)に、HOBt(2.85g、21.1mmol)、NMM(2.32mL、21.1mmol)及びEDC(4.0g、21.1mmol)を0℃で加えた。該反応混合物を0℃で3時間撹拌し、濃縮水酸化アンモニウム(16mL)を加えてクエンチングした。該反応混合物を室温にて一晩撹拌した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をEtOAc(200mL)に溶解した。有機層を1NのHCl、NaHCO水溶液及びブラインで洗浄し、NaSOにより乾燥した。過剰な溶媒を除去して、3.5g(69%)の(1−カルバモイル−2−イソブチル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色油状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.61(dd,J=4.2,6.5Hz,1H),0.94(d,J=5.0Hz,3H),0.96(d,J=5.0Hz,3H),1.20(m,1H),1.29(dd,J=3.9,8.7Hz,1H),1.44(s,9H),1.51(m,2H),1.65(m,1H),3.20(d,J=15.2Hz,1H),3.54(d,J=15.2Hz,1H);13C (75MHz,CDOD) δ 21.5,23.2,23.6,27.4,29.3,30.3,30.4,39.3,41.8,80.9,159.3,179.9;MS(APCI)m/z 271[M+H]
【0266】
B. (1−シアノ−2−イソブチル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0267】
(1−カルバモイル−2−イソブチル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.8g、21.5mmol)の乾燥DMF溶液(100mL)に、塩化シアヌル(5.5g、30.1mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で30分間撹拌し、冷却した0.5NのNaOH(200mL)に注いだ。該水溶液層をEtOAc(2×150mL)で抽出し、合わせた有機層を水とブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。過剰な溶媒を除去し、残留物をヘキサン/EtOAc(9:1)の溶出液によるフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーにかけて精製し、溶出液から4.9g(91%)の(1−シアノ−2−イソブチル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色泡状物質として得た。H NMR(300MHz,CDCl) δ 0.86(m,1H),0.94(d,J=4.0Hz,3H),0.96(d,J=4.0Hz,3H),1.56(m,1H),1.37−1.56(m,12H),1.71(m,1H),3.32(d,J=6.1Hz,2H),5.26(s,1H);13C (75MHz,CDCl) δ 14.5,18.8,21.9,22.2,24.4,28.0,28.1,36.3,40.4,79.3,122.9,155.4;MS(APCI)m/z 253[M+H]
【0268】
C. [1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−2−イソブチル−シクロプロピルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0269】
(1−シアノ−2−イソブチル−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.9g、19.4mmol)のエタノール溶液(360mL)に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(6.8g、97.1mmol)及び細砕した水酸化カリウム(5.45g、97.1mmol)を加えた。該反応混合物を16時間還流加熱し、室温まで冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をエーテル/水の混合液に溶解した。水溶液層をエーテル(2×100mL)で抽出し、合わせたエーテル抽出液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。過剰な溶媒をin vacuoで除去して、5.6g(100%)の[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−2−イソブチル−シクロプロピルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色泡状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.44(t,J=4.4Hz,1H),0.95(t,J=5.5Hz,6H),1.09−1.23(m,3H),1.42(s,9H),1.63−1.70(m,2H),3.25(d,J=14.3Hz,1H),3.33(d,J=14.3Hz,1H),4.93(bs,3H);MS(APCI)m/z 286[M+H]
【0270】
D. {2−イソブチル−1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−シクロプロピルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0271】
[1−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−2−イソブチル−シクロプロピルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.6g、19.6mmol)の乾燥THF溶液(190mL)に、乾燥THF溶液(190mL)中のカルボニルジイミダゾール(4.8g、29.4mmol)を滴下した。該反応混合物を12時間還流加熱し、室温まで自然冷却した。過剰な溶媒をin vacuoで除去し、残留物をエーテル(100mL)と1NのNaOH水溶液(100mL)に分配した。エーテル溶液を1NのNaOH(2×50mL)で抽出し、合わせた水溶液層を4NのHCl水溶液でpH=3の酸性とした。該水溶液層をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。過剰な溶媒を除去した後、残留物をヘキサン/EtOAc(1:1)の溶出液によるフラッシュ・クロマトグラフィーにかけて精製し、4.66g(76%)の{2−イソブチル−1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−シクロプロピルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを無色泡状物質として得た。H NMR(300MHz,CDOD) δ 0.89(t,J=5.7Hz,1H),0.96(d,J=5.1Hz,3H),0.98(d,J=5.1Hz,3H),1.26−1.37(m,3H),1.43(s,9H),1.63−1.71(m,2H),3.35(d,J=14.8Hz,1H),3.53(d,J=14.8Hz,1H);MS(APCI)m/z 210[M+H−100(Boc)]
【0272】
E. 3−(1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩
【0273】
{2−イソブチル−1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−シクロプロピルメチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.2g、13.5mmol)の乾燥1,4−ジオキサン溶液(20mL)に、4NのHCl(40mL、1,4−ジオキサン中)を加えた。該反応混合物を室温にて一晩撹拌し、エーテル(100mL)で希釈した。沈殿物を収集し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、2.6g(79%)の3−(1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン塩酸塩を白色固体として得た。融点181−182℃;H NMR(300MHz,DO) δ 0.94−0.98(m,6H),1.21(m,1H),1.35(m,1H),1.58(m,3H),1.73(m,1H),3.24(d,J=14.2Hz,1H),3.71(d,J=14.3Hz,1H);13C NMR(75MHz,DO) δ 19.3,19.6,21.8,22.1,26.6,28.2,36.7,39.5,162.2,162.6;MS(APCI)m/z 212[M+H]。C1017−HClの理論値:C,48.49;H,7.32;N,16.96;Cl,14.31。実測値:C,48.49;H,7.17;N,16.84;Cl,13.94。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I若しくはIIの化合物又はその薬学的に許容できる塩であって、
【化1】

式中、Gは、
【化2】

であり、
かつ、R及びRは、独立して、水素、(C−C10)直鎖又は分岐アルキル基、(C−C10)直鎖又は分岐アルコキシアルキル基、フェニル−(C−C)直鎖又は分岐アルキル基、及びフェニル−(C−C)アルコキシアルキル基から選ばれ、該フェニル基部分は、独立してハロゲン基又は(C−C)アルキル基から選ばれる1つ又は2つの置換基によって置換されてもよい;
あるいは、R及びRは、結合している炭素と共にシクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチル環を形成し、該環は上記のR及びRの定義で明示した置換基の群から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基によって置換されてもよい;かつ、
及びRは、水素及びメチル基から独立して選ばれることを含む化合物又は塩。
【請求項2】
以下の化合物及びその薬学的に許容できる塩から選ばれる請求項1の化合物又は塩:
4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
3−(1−アミノメチル−3−メチル−ブチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
4−プロピル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘプチルアミン;
2−シクロペンチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−(2−アミノ−1−シクロペンチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−エチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−エチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−オクチルアミン;
4,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
5,5−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
2−(1H−テトラゾール−5−イル)−オクチルアミン;
4,8−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ノニルアミン;
5,9−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−デシルアミン;
2−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−(2−アミノ−1−シクロヘキシル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
2−(3,5−ジメチル−シクロヘキシル)−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
2−シクロヘプチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチルアミン;
3−(2−アミノ−1−シクロヘプチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3,4−ジメチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
3−エチル−4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
4−シクロペンチル−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
4−シクロヘキシル−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
6−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシルアミン;
4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ブチルアミン;
3−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ブチルアミン;
3−メチル−5−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
5−(4−tert−ブチル−フェニル)−4−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−ペンチルアミン;
2−メチル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
2−メチル−3−フェニル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピルアミン;
3−(2−アミノ−1−ベンジル−1−メチル−エチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−(1−アミノメチル−スピロ[2.3]ヘキサ−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[1−(1H−テトラゾール−5−イル)−スピロ[2.4]ヘプト−1−イル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−スピロ[2,4]ヘプト−1−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−イソプロピル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−イソプロピル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
C−[2−(1−エチル−プロピル)−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン;
3−(1−アミノメチル−2−イソブチル−シクロプロピル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;及び
C−[2−シクロヘキシル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−シクロプロピル]−メチルアミン。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物又は塩及び薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項4】
ほ乳類において、失神発作、てんかん、仮死、全身性無酸素症、低酸素症、脊髄損傷、外傷性脳損傷、頭部外傷、脳虚血、発作(血栓塞栓発作、局所性虚血、全脳虚血、一過性全脳虚血発作の他、頸動脈血管内膜切除術や、血管造影法のように一般的又は診断的血管外科手術を行う患者においてみられるような脳虚血を伴うその他の脳血管系症状を含む)、チオセミカルバジドによって生じるけいれん、カルジアゾールけいれん、及び、脳梗塞、くも膜下出血や脳水腫のような急性又は慢性脳血管系障害による脳血管系障害の内から選ばれる障害又は症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項5】
ほ乳類において、神経心臓性失神、神経原性失神、過敏性頸動脈洞、神経血管症候群、神経心臓性障害、胃腸障害に続発する不整脈を含む不整脈、パーキンソン病(PD)、ハンチントン舞踏病(HD)及びアルツハイマー病(AD)のような神経変性障害;せん妄、痴呆(例えば、アルツハイマー型老人性痴呆症、老人性痴呆症、血管性痴呆、HIV−1関連痴呆、AIDS痴呆複合体(ADC)、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ピック病、クロイツフェルトヤーコプ病あるいは複合した病因による痴呆、健忘症による障害、その他の認知あるいは記憶障害、及び、痴呆による行動症状からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1に記載の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項6】
ほ乳類において、急性疼痛、慢性疼痛、急性外傷のように軟組織や末梢障害から生じる疼痛;ヘルペス後神経痛、後頭神経痛、三叉神経痛、分節性神経痛(segmental neuralgia)又は肋間神経痛、及びその他神経痛;骨関節炎及びリウマチ様関節炎に伴う疼痛;挫傷、捻挫、及び骨折のような外傷に関連した疼痛のような筋骨格系疼痛;脊椎損傷や脳幹損傷による疼痛、中枢神経系の疼痛;腰痛、坐骨神経痛、歯痛、筋筋膜痛症候群、会陰切開による疼痛、痛風による疼痛、及び熱傷に起因する疼痛;心臓痛のような深部内臓痛;筋肉痛、目痛、炎症性疼痛、口腔顔面痛、例えば歯痛;腹痛や婦人科系疼痛、例えば、月経困難症、出産痛、子宮内膜症に関連した疼痛;体因性の疼痛;神経や神経根障害に関連した疼痛、例えば、神経絞扼や腕神経叢剥離のような末梢神経障害に関連した疼痛;手足切断、疼痛チック、神経腫あるいは脈管炎に関連した疼痛;糖尿病性ニューロパシー、化学療法誘発性ニューロパシー、急性ヘルペス性神経痛およびヘルペス後神経痛;非定型顔面痛、神経因性腰痛やクモ膜炎、三叉神経痛、後頭神経痛、分節性神経痛(segmental neuralgia)あるいは肋間神経痛、HIV関連性神経痛やAIDS関連性神経痛、及びその他神経痛;異痛症、痛覚過敏症、熱傷疼痛、特発性疼痛、化学療法による疼痛;後頭神経痛、心因性疼痛、腕神経叢剥離、不穏下肢症候群に関連した疼痛;胆石痛;慢性アルコール中毒、甲状腺機能低下症、尿毒症又はビタミン欠乏症によって生じる疼痛;ガン疼痛ともしばしば呼ばれるガンに伴うニューロパシー性又は非ニューロパシー性疼痛、幻肢痛、機能性腹痛、頭重(前兆を伴う片頭痛、前兆を伴わない片頭痛その他血管性頭痛を含む)、急性又は慢性緊張性頭痛、洞性頭痛および群発頭痛;側頭骨顎痛及び上顎洞痛;強直性脊椎炎に起因する疼痛;膀胱収縮の増加による疼痛;術後痛、創部瘢痕痛、並びにHIV、関節痛、脈管炎及び線維筋肉痛に関連した疼痛のような慢性非ニューロパシー性疼痛から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1に記載の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項7】
ほ乳類において、うつ病、より詳細には、うつ病性障害のような気分障害、例えば大うつ病性障害、重度な単極性再発性大うつ病エピソード、気分変調性障害、抑うつ神経症や神経症性うつ病、メランコリー性うつ病(拒食症、体重減少、不眠症、早朝覚醒あるいは精神運動遅延を含む)、非定型うつ病(あるいは反応性うつ病)(食欲亢進、過眠症、精神運動激越あるいは被刺激性を含む);治療抵抗性うつ病;季節性感情障害および小児うつ病;月経前症候群、月経前不快気分障害、熱感、双極性障害あるいは躁うつ病、例えば、双極I型障害、双極II型障害及び循環気質性;季節性情動障害、行為障害及び破壊的行為障害;小児不安障害、広場恐怖症を伴うあるいは伴わないパニック障害、パニック障害の既往歴のない広場恐怖症、特定の恐怖症(例えば特定の動物恐怖症)、社会不安障害、社会恐怖、強迫障害、外傷後ストレス障害や急性ストレス障害を含むストレス障害や全般性不安障害のような気分障害から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1に記載の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項8】
ほ乳類において、境界型人格障害;統合失調症及びその他精神病性障害、例えば統合失調症様障害、統合失調症感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病障害、一般身体症状による精神病性障害、妄想あるいは幻覚を伴う精神病性障害、物質誘発性精神病性障害、不安の精神病性エピソード、精神病に伴う不安、重篤な大うつ病性障害のような精神病性気分障害;急性そう病のような精神病性障害に伴う気分障害および双極性障害に伴ううつ病、統合失調症に関連した気分障害;及び、精神遅滞に関連した行動障害からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項9】
ほ乳類において、眼球乾燥症候群、結膜炎、春季カタル等のような眼疾患;及び、増殖性硝子体網膜症のような細胞増殖に伴う眼科系症状;自閉症、注意欠陥多動障害(ADHD)、血管新生(すなわち、血管新生阻害のために使用する)、ライター症候群、関節炎、ダウン症候群、多発性硬化症(MS)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような脱髄疾患、不眠症(例えば、心理生理学的及び特発性不眠症を含む原発性不眠症、不穏下肢症候群、パーキンソン病あるいはその他の慢性障害に続発する不眠症を含む続発性不眠症、および一時的な不眠症)、夢遊病、断眠、REM睡眠障害、睡眠時無呼吸、過眠症、錯眠、睡眠覚醒サイクル障害、時差ぼけ、ナルコレプシー、交代制勤務又は不規則な勤務形態に関連する睡眠障害、薬剤その他の原因によって生じる徐波睡眠の減少による睡眠の質低下やその他睡眠障害のような睡眠障害からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項10】
ヒト被験体において徐波睡眠を増加し、及び成長ホルモンの分泌を高める方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なヒト被験体に投与することを含む方法。
【請求項11】
ほ乳類において、慢性閉塞性気道疾患、気管支肺炎、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、成人型呼吸窮迫症候群、及び気管支痙攣のような呼吸器系疾患、特に粘液の過剰分泌に関連した呼吸器系疾患;咳、百日咳、アンギオテンシン変換酵素(ACE)誘発性の咳、肺結核、湿疹や鼻炎のようなアレルギー;接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、じんましん、及びその他湿疹様皮膚炎;そう痒、血液透析に伴うそう痒;炎症性腸疾患のような炎症性疾患、乾癬、骨関節炎、軟骨の損傷(例えば身体活動や骨関節炎に起因する軟骨損傷)、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、喘息、そう痒症、及び日焼け;またウルシなどの過敏症からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項12】
ほ乳類において、炎症性腸疾患のような炎症性胃腸(GI)障害、ピロリ菌が原因である障害、及び胃腸管の疾患、例えば、胃炎、直腸炎、胃十二指腸潰瘍、消化性潰瘍、消化不良、内臓の神経支配に関連した障害、潰瘍性大腸炎、慢性膵炎、クローン病、過敏性腸症候群及び、術後悪心や術後嘔吐および急性嘔吐、遅延性嘔吐、予期性嘔吐を含む嘔吐(嘔吐には、化学療法、放射線、毒素、ウイルス/細菌感染、妊娠、前庭障害(例えば動揺病、眩暈症、目眩やメニエル病)、手術、片頭痛、頭蓋内圧の変化、胃食道逆流症、胃酸過多、暴飲暴食、酸性胃、呑酸や吐逆、胸焼け(例えば、エピソード性、夜間性又は食事誘発性胸焼け、及び消化不良によって誘発される嘔吐が含まれる);ダウン症候群;シェーグレン症候群、高血圧症、造血、術後性神経腫、良性前立腺肥大、歯周病、痔疾や肛門裂創、不妊、反射性交感神経性ジストロフィー、肝炎、高脂血症に伴う腱痛、血管拡張、強皮症や好酸球増加性肝蛭症のような線維形成性疾患および膠原病;乳腫瘍、胃ガン、胃リンパ腫、神経節細胞芽腫や、小細胞肺ガンのような小細胞ガンを含む新生物;及び、狭心症、片頭痛やレイノー病のような血管攣縮性疾患からなる群から選ばれる障害又は症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項13】
ほ乳類において、乳房痛症候群、動揺病、紅斑性狼瘡や免疫不全(例えば、特発性免疫機能不全、感染後免疫機能不全、乳房腫瘍除去後免疫機能不全、ブタ・ストレス症候群、ウシの輸送熱、ウマの発作性細動、ニワトリの産卵機能不全(confinement dysfunction)、ヒツジの毛を刈るストレス、イヌにおけるヒトとの相互作用によるストレス);アルコール、アンフェタミン(あるいはアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻(cannabis)、コカイン、幻覚剤、吸入剤やエアゾール噴霧剤(propellant)、ニコチン、オピオイド、フェニルグリシジン誘導体、鎮静剤、催眠薬、および抗不安薬の使用により生じる物質関連性障害であって、その物質関連性障害には、依存、乱用、中毒、離脱症状、中毒せん妄、離脱せん妄を含む障害;及び、行為に対する依存を含む依存性障害(例えば賭博その他の常習性行為に対する依存)からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項14】
ほ乳類において、広汎性発達障害、線維筋肉痛、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症;HIV脳症;身体醜形障害のような解離性障害;拒食症や過食症のような摂食障害;潰瘍性大腸炎;クローン病;過敏性大腸症候群;慢性疲労症候群;乳幼児突然死症候群(SIDS);過活動膀胱;過活動膀胱の下部尿路症状;慢性膀胱炎;化学療法誘発性膀胱炎;咳、アンギオテンシン変換酵素(ACE)誘発性の咳、そう痒、しゃっくり、月経前症候群、月経前不快気分障害、月経困難のような無月経障害;肩/手症候群のような反射性交感神経性ジストロフィー;サイトカイニン化学療法に起因する血漿管外溢出;慢性膀胱炎、排尿筋過反射、尿管の炎症や尿失禁(切迫性尿失禁、過活動膀胱、緊張性尿失禁や混合型尿失禁を含む)のような膀胱機能障害;強皮症や好酸球増加性肝蛭症のような線維形成性疾患および膠原病;狭心症やレイノー病のような血管拡張性および血管攣縮性疾患によって引き起こされる血流障害;早漏や男性の勃起障害を含む性機能障害からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。
【請求項15】
ほ乳類において、原発性運動障害、無動症、運動障害(例えば家族性発作性運動障害、遅発性ジスキネジア、振戦、舞踏病、筋クローヌス、チックその他の運動障害)、痙直、トゥーレット症候群、スコット症候群、麻痺(例えばベル麻痺、脳性麻痺、分娩麻痺、上腕麻痺、消耗性麻痺、虚血性麻痺、進行性球麻痺及びその他の麻痺)、無動・筋固縮症候群(akinetic−rigid syndrome);薬物誘発性運動障害のような錐体外路性運動障害、例えば、神経遮断薬誘発性パーキンソン病、神経遮断薬性悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニア、神経遮断薬誘発性急性アカシジア、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジアや薬物誘発性姿勢振戦;不穏下肢症候群やパーキンソン病またはハンチントン舞踏病に関連した運動障害のような運動障害からなる群から選ばれる障害や症状を治療する方法であって、請求項1の化合物あるいは塩の治療的に有効な量をそのような治療が必要なほ乳類に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2006−519831(P2006−519831A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506264(P2006−506264)
【出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000510
【国際公開番号】WO2004/078734
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミティド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】