説明

テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン及びピロロピリジンの誘導体

【課題】
本発明の目的は、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、CRFが関連していると考えられる疾患のための治療又は予防薬として有効である、CRF受容体拮抗薬を提供することである。
【解決手段】
次式[I]で表される、テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン又はピロロピリジンの誘導体は、


CRF受容体に対して高い親和性を有し、CRFが関与していると考えられる疾患に対して有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、コルチコトロピン放出因子(CRF)が関連していると考えられる疾患に対する治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
CRFは、41個のアミノ酸からなるホルモンであって(Science、213巻、1394〜1397頁、1981年、及びJ.Neurosci.、7巻、88〜100頁、1987年)、ストレスに対する生体反応の中核的役割を果たしていることが示唆されている(Cell.Mol.Neurobiol.、14巻、579〜588頁、1994年、Endocrinol.、132巻、723〜728頁、1994年、及びNeuroendocrinol.、61巻、445〜452頁、1995年)。CRFは視床下部−下垂体−副腎系を介して末梢の免疫系、交感神経系に作用する経路と中枢神経系において神経伝達物質として機能する2つの経路がある(コルチコトロピン放出因子−神経ペプチドの基礎的及び臨床的研究(Corticotropin Releasing Factor:Basic and Clinical Studies of a Neuropeptide、29〜52頁、1990年、Corticotropin Releasing Factor)。下垂体除去ラット及び正常ラットにCRFを脳室内投与すると両ラットで不安様症状(Pharmacol.Rev.、43巻、425〜473頁、1991年、及びBrain Res.Rev.、15巻、71〜100頁、1990年)が惹起される。すなわち、CRFは視床下部−下垂体−副腎系に対する関与と中枢神経系において神経伝達物質として機能する経路が考えられる。
【0003】
CRFが関与した疾患は1991年Owens及びNemeroffの総説(Pharmacol.Rev.、43巻、425〜474頁、1991年) にまとめられている。すなわち、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、炎症、免疫関連疾患などにCRFが関与している。最近はてんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷にもCRFが関与していることが報告されている(Brain Res.、545巻、339〜342頁、1991年、Ann.Neurol.、31巻、48〜498頁、1992年、Dev.Brain Res.、91巻、245〜251頁、1996年、及びBrain Res.、744巻、166〜170頁、1997年)。従って、CRF受容体拮抗薬はこれら疾患の治療剤として有用である。
【0004】
国際公開WO04/058767号、国際公開WO02/002549号、及び国際公開WO00/053604号は、CRF受容体拮抗薬としてピロロピリジン及びピロロピリミジンの誘導体を開示している。しかし、いずれも、本発明で提供する化合物は開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、CRFが関連していると考えられる疾患に対する治療又は予防薬として有効である、CRF受容体拮抗薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、CRF受容体に対して高い親和性を有する、テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン及びピロロピリジンの誘導体について鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに至った。
【0007】
本発明は、以下で説明するテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン及びピロロピリジンの誘導体である。
【0008】
次式[I]で表される、テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン又はピロロピリジンの誘導体、
【化1】


(式中、テトラヒドロピリジンは次式[II]で表され、
【化2】


前記テトラヒドロピリジン環は、テトラヒドロピリジン環の4位又は5位が−(CR−(CHR−Xで表される基で置換され、
Xは、ヒドロキシ、シアノ、−CO、又は−CONR7a7bであり、
Yは、N又はCRであり、
但し、YがCRである場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素、ヒドロキシ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、シアノ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
mは、0、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
nは、0又は1であり、
但し、Xがヒドロキシ又は−CONR7a7bであり、且つnが0である場合、mは、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
は、水素、ハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、又は−N(R)R10であり、
及びRは、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、−N(R11)R12、−CO13、シアノ、ニトロ、C1〜5アルキルチオ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシであり、或いはRとRは一緒になって、−CH−CH−CH−CH−又は−CH=CH−CH=CH−を形成し、
但し、RとRは一緒になってCH−CH−CH−CH−を形成する場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
7a及びR7bは、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、C1〜5アルキル、ハロゲン、シアノ、又は−CO14であり、
及びR10は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
11及びR12は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
13は、水素又はC1〜5アルキルであり、
14は、水素又はC1〜5アルキルであり、
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、このアリール又はヘテロアリールは、非置換又はハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、C1〜5アルコキシ、C1〜5アルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−CO15、−C(=O)R16、−CONR1718、−OC(=O)R19、−NR20CO21、−S(O)NR2223、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、及び−N(R24)R25からなる群から選択される1個若しくは複数の、同一若しくは異なる置換基で置換され、
15は、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
16は、水素又はC1〜5アルキルであり、
17及びR18は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
19は、水素又はC1〜5アルキルであり、
20は、水素又はC1〜5アルキルであり、
21は、水素又はC1〜5アルキルであり、
22及びR23は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
rは、1又は2である)
その個々の異性体、それらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【0009】
本明細書に使用される用語は、以下の意味を有する。
【0010】
「C1〜5アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチルなど、炭素原子が1〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。
【0011】
「C1〜5アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、ペンチロキシ、イソペンチロキシなど、炭素原子が1〜5個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を意味する。
【0012】
「C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル」という用語は、メトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチルなど、置換基として上述のC1〜5アルコキシ基を有する置換C1〜5アルキル基を意味する。
【0013】
「ヒドロキシ−C1〜5アルキル」という用語は、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチルなど、ヒドロキシ基を有する置換C1〜5アルキル基を意味する。
【0014】
「C3〜8シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチルなど、炭素原子が3〜8個の環状アルキル基を意味する。
【0015】
「C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル」という用語は、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルエチルなど、置換基として上述のC3〜8シクロアルキルを有する置換C1〜5アルキル基を意味する。
【0016】
「C3〜8シクロアルキルオキシ」という用語は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチロキシなど、炭素原子が3〜8個の環式アルコキシ基を意味する。
【0017】
「C1〜5アルキルチオ」という用語は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオなど、炭素原子が1〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基を意味する。
【0018】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。
【0019】
「アリール」という用語は、フェニル、ナフチルなど、少なくとも1個の芳香環を有する、環炭素原子が6〜12個の単環式又は二環式基を意味する。
【0020】
「ヘテロアリール」という用語は、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、キノリル、インドリル、ベンゾフラニル、キノキサリニル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリルなど、その環中に、窒素、酸素及び硫黄から選択される同一又は異なってもよい1〜4個の原子を有する少なくとも1個の芳香環を有する、環原子が5〜12個の単環式又は二環式基を意味する。
【0021】
「C2〜5アルケニル」という用語は、ビニール、イソプロペニル、アリルなど、炭素原子が2〜5個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基を意味する。
【0022】
「C2〜5アルキニル」という用語は、エチニル、プロプ−1−イニル、プロプ−2−イニルなど、炭素原子が2〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基を意味する。
【0023】
「C1〜5アルキルスルフィニル」という用語は、メタンスルフィニル、エタンスルフィニルなど、炭素原子が1〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルフィニル基を意味する。
【0024】
「C1〜5アルキルスルホニル」という用語は、メタンスルホニル、エタンスルホニルなど、炭素原子が1〜5個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基を意味する。
【0025】
「非置換又はハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、C1〜5アルコキシ、C1〜5アルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−CO15、−C(=O)R16、−CONR1718、−OC(=O)R19、−NR20CO21、−S(O)NR2223、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ及び−N(R24)R25からなる群から選択される、1個又は複数の、同一又は異なる置換基で置換されたアリール又はヘテロアリール」という用語には、2,4−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシ−2−メチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、4−イソプロピル−2−メチルチオフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル、4−ブロモ−2,6−ジエチルフェニル、4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,4,5−トリブロモフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,4,5−トリクロロフェニル、4−ブロモ−2,6−ジクロロフェニル、6−クロロ−2,4−ジブロモフェニル、2,4−ジブロモ−6−フルオロフェニル、2,4−ジブロモ−6−メチルフェニル、2,4−ジブロモ−6−メトキシフェニル、2,4−ジブロモ−6−メチルチオフェニル、2,6−ジブロモ−4−イソプロピルフェニル、2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−ブロモ−2−クロロフェニル、2−ブロモ−4−クロロフェニル、4−ブロモ−2−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,6−ジメチル−4−メトキシフェニル、4−クロロ−2,6−ジブロモフェニル、4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル、2−ブロモ−4,6−ジメトキシフェニル、2−ブロモ−4−イソプロピル−6−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、6−ジメチルアミノ−4−メチルピリジン−3−イル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル、2−クロロ−6−トリフルオロメトキシピリジン−3−イル、2−クロロ−6−メトキシピリジン−3−イル、6−メトキシ−2−トリフルオロメチルピリジン−3−イル、2−クロロ−6−ジフルオロメチルピリジン−3−イル、6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル、2,6−ジメトキシピリジン−3−イル、4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル、2−ジメチルアミノ−6−メチルピリジン−3−イル、6−ジメチルアミノ−2−メチルピリジン−3−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル及びベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル、5,7−ジメチルベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−4−イル、5,7−ジメチルベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール−4−イル、2−イソプロポキシ−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル、2−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル、2,6−ジメチルピリジン−3−イル、2−ブロモ−6−メトキシピリジン−3−イル、2−クロロ−6−ジメチルアミノピリジン−3−イル、2,6−ジクロロピリジン−3−イル、2,4−ジメチル−6−ジメチルアミノピリジン−3−イル、2,4,6−トリメチルピリジン−3−イル、2,4,6−トリメチルピリミジン−5−イル、4,6−ジメチル−2−ジメチルアミノピリミジン−5−イル、5−ヨード−3−メチルピリジン−2−イル、3−メチル−5−メチルアミノピリジン−2−イル、3−ジメチルアミノ−5−メチルピリジン−2−イル、5−メチル−3−メチルアミノピリジン−2−イル、3−クロロ−5−メチルピリジン−2−イル、3−アミノ−5−メチルピリジン−2−イル、5−メチル−3−ニトロピリジン−2−イル、5−ジエチルアミノ−3−メチルピリジン−2−イル、5−フルオロ−3−メチルピリジン−2−イル、5−クロロ−3−メチルピリジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−3−メチルピリジン−2−イル、5−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル、3−メチル−5−ニトロピリジン−2−イル、3−ブロモ−5−メチルピリジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル、4,5−ジメチル−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−2,4−ジメチルフェニル、2,4−ジメトキシ−5−メチルフェニル、2−クロロ−4−メトキシ−5−メチルフェニル、2−クロロ−5−フルオロ−4−メチルフェニル、2−ブロモ−4,5−ジメトキシフェニル、2−ブロモ−5−フルオロ−4−メトキシフェニル、2−クロロ−4,5−ジメトキシフェニル、2.5−ジクロロ−4−メトキシフェニル、2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル、2−クロロ−5−フルオロ−4−メトキシフェニル、2,4,5−トリクロロフェニル、2−クロロ−5−フルオロ−4−メチルフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルフェニル、4,5−ジメトキシ−2−メチルフェニル、5−クロロ−4−メトキシ−2−メチルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、6−メトキシ−4−メチルピリジン−3−イル、4−メトキシ−6−メチルピリジン−3−イル、4,6−ジメチルピリジン−3−イル、2−クロロ−4−イソプロピルフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、4−アミノ−2−クロロフェニル、2−クロロ−4−ジメチルカルバモイルフェニル、2−クロロ−4−メチルカルバモイルフェニル、4−カルバモイル−2−クロロフェニル、2−クロロ−4−メチルスルホニルフェニル、4−カルボキシ−2−クロロフェニル、2−クロロ−4−ヨードフェニル、2−ブロモ−4−メチルチオフェニル、2−ブロモ−4−メチルスルフィニルフェニル、2−ブロモ−4−ジメチルアミノフェニル、2−ブロモ−4−メチルスルホニルフェニル、2−ブロモ−4−シクロペンチルフェニル、2−ブロモ−4−tert−ブチルフェニル、2−ブロモ−4−プロピルフェニル、2−ブロモ−4−メチルフェニル、2−ブロモ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2−ブロモ−4−メトキシフェニル、2−ブロモ−4−エトキシフェニル、4−イソプロピル−2−メチルスルホニルフェニル、4−シクロペンチル−2−メチルチオフェニル、4−ブチル−2−メチルチオフェニル、4−メトキシ−2−メチルチオフェニル、2−メチルチオ−4−プロピルフェニル、2−ジメチルアミノ−4−イソプロピルフェニル、2−ヨード−4−イソプロピルフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−クロロ−4−メトキシフェニル、2−クロロ−4−ヒドロキシフェニル、4−シアノ−2−メトキシフェニル、4−ブロモ−2−メトキシフェニル、2−メトキシ−4−メチルフェニル、4−クロロ−2−メトキシフェニル、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル、4−フルオロ−2−メトキシフェニル、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル、4−シアノ−2−メトキシフェニル、2−クロロ−4−メチルチオフェニル、2−メトキシ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−イソプロピル−2−メトキシフェニル、2−クロロ−4−シアノフェニル、2−クロロ−4−エトキシカルボニルフェニル、2−クロロ−4−メチルアミノフェニル、4−シアノ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−シアノ−2−メチルフェニル、2−メチル−4−トリフルオロメトキシフェニル、2−シアノ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−カルボキシアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロ−2−メチルフェニル、4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル、4−メトキシ−2−メトキシカルボニルフェニル、2−エチル−4−メトキシフェニル、2−ホルミル−4−メトキシフェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−ジメチルアミノ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−ジフルオロメトキシ−2−メチルフェニル、2−シアノ−4−メトキシフェニル、4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−イソプロピル−2−トリフルオロメチルフェニル、4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−プロポキシ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−ジメチルアミノ−2−メチルチオフェニル、4−イソプロピル−2−イソプロピルチオフェニル、2−エチルチオ−4−イソプロピルフェニル、4−メチルアミノ−2−メチルチオフェニル、2−メチルチオ−4−プロピオニルフェニル、4−アセチル−2−メチルチオフェニル、4−シアノ−2−メチルチオフェニル、4−メトキシ−2−メチルチオフェニル、4−エチル−2−メチルチオフェニル、4−ブロモ−2−メチルチオフェニル、4−イソプロピル−2−メチルスルフィニルフェニル、2,4−ジメチルチオフェニル、4,6−ジメチル−2−イソプロピルフェニル、4,6−ジメチル−2−イソプロペニルフェニル、2−アセチル−4,6−ジメチルフェニル、2,6−ジメチル−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジメチル−4−イソプロペニルフェニル、4−アセチル−2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、4,6−ジメチル−2−メチルチオフェニル、4,6−ジメチル−2−ヨードフェニル、2−フルオロメトキシ−4,6−ジメチルフェニル、4,6−ジメチル−2−イソプロポキシフェニル、4,6−ジメチル−2−エトキシフェニル、2,6−ジクロロ−4−エトキシフェニル、2−ブロモ−4,6−ジメトキシフェニル、2−ブロモ−6−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル、2,6−ジブロモ−4−エトキシフェニル、4−ブロモ−2−メトキシ−6−メチルフェニル、2,6−ジブロモ−4−メトキシフェニル、4,6−ジブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル、2,4−ジブロモ−6−トリフルオロメチルフェニル、4−ブロモ−2−クロロ−6−メチルフェニル、4−クロロ−2,6−ジメトキシフェニル、2,4−ジクロロ−6−メトキシフェニル、4,6−ジクロロ−2−メチルチオフェニル、4,6−ジクロロ−2−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジメトキシ−4−エチルフェニル、4,6−ジメチル−2−メトキシフェニル、2,6−ジメトキシ−4−メチルフェニル、2−クロロ−6−メトキシ−4−メチルフェニル、4,6−ジメチル−2−エトキシフェニル、6−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニル、4−シアノ−2−メトキシ−6−メチルフェニル、6−フルオロ−2−メトキシ−4−メチルフェニル、4−アセチル−2−メトキシ−6−メチルフェニル、2−クロロ−4,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシ−4−エトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、4,6−ジブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル、2−ブロモ−4−ジメチルアミノ−6−メトキシフェニル、4−ブロモ−2−メトキシ−6−メチルフェニル、4,6−ジメトキシ−2−プロポキシフェニル、4,6−ジクロロ−2−プロポキシフェニル、2−ブロモ−6−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2−ブロモ−6−フルオロ−4−メチルフェニル、4−ジフルオロメトキシ−2,6−ジメチルフェニル
、2,6−ジメチル−4−エトキシフェニル、2,6−ジメチル−4−イソプロポキシフェニル、2,6−ジメチル−4−メチルチオフェニル、2,6−ジメチル−4−メチルスルホニルフェニル、2,6−ジメチル−4−メチルスルフィニルフェニル、2,3−ジクロロフェニル、4−メトキシ−2,3−ジメチルフェニル、2−クロロ−3−フルオロ−4−メトキシフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル、4−メトキシ−2,5−ジメチルフェニルが挙げられる。
【0026】
本発明における「薬学上許容される塩」としては、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸などの無機酸との塩;酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸などの有機酸との塩;リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオンなど1個又は複数の金属イオンとの塩;アンモニア、アルギニン、リジン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザシンなどのアミンとの塩が挙げられる。
【0027】
本発明の化合物には、ジアステレオマー、エナンチオマー、幾何異性体、互変異性体などいかなる異性体も含まれる。式[I]で表される化合物では、環状アミノ基が1個又は複数のキラル炭素を有し、且つ/又はArとピロロピリミジン(又はピロロピリジン)環の間に軸性キラリティーが存在する場合、複数の立体異性体(ジアステレオマー又はエナンチオマー)が存在する可能性がある。本発明の化合物には、個々の異性体、並びにそれらの異性体のラセミ及び非ラセミ混合物がすべて含まれる。
【0028】
本発明の化合物の好ましい例は、以下の通りである。
【0029】
即ち、好ましいのは、次式[I]で表される化合物、
【化3】


(式中、テトラヒドロピリジンは、次式[II]で表され、
【化4】


前記テトラヒドロピリジン環は、テトラヒドロピリジン環の4位又は5位が−(CR−(CHR−Xで表される基で置換され、
Xは、ヒドロキシ、シアノ、又は−COであり、
Yは、N又はCRであり、
但し、YがCRである場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素、ヒドロキシ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、シアノ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
mは、0、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
nは、0又は1であり、
但し、Xがヒドロキシであり、且つnが0である場合、mは、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
は、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、又は−N(R)R10であり、
及びRは、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、−N(R11)R12、−CO13、シアノ、ニトロ、C1〜5アルキルチオ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシであり、或いはRとRは一緒になって−CH−CH−CH−CH−又は−CH=CH−CH=CH−を形成し、
但し、RとRは一緒になってCH−CH−CH−CH−を形成する場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、C1〜5アルキル、ハロゲン、シアノ、又は−CO14であり、
及びR10は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
11及びR12は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
13は、水素又はC1〜5アルキルであり、
14は、水素又はC1〜5アルキルであり、
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、このアリール又はヘテロアリールは、非置換又はハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、C1〜5アルコキシ、C1〜5アルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−CO15、−C(=O)R16、−CONR1718、−OC(=O)R19、−NR20CO21、−S(O)NR2223、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、及び−N(R24)R25からなる群から選択される1個若しくは複数の、同一若しくは異なる置換基で置換され、
15は、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
16は、水素又はC1〜5アルキルであり、
17及びR18は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
19は、水素又はC1〜5アルキルであり、
20は、水素又はC1〜5アルキルであり、
21は、水素又はC1〜5アルキルであり、
22及びR23は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
rは、1又は2である)、
その個々の異性体、それらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物である。
【0030】
より好ましいのは、式[I]において、YがNである、化合物である。より好ましいのは、式[I]において、YがNであり、Xがヒドロキシであり、mが、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素である、化合物である。より好ましいのは、式[I]において、YがNであり、Xがヒドロキシであり、mが、1、2、及び3から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素であり、RがC1〜5アルキルであり、R及びRが、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、Arがフェニルであり、このフェニルが、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−N(R24)R25(式中、R24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜3アルキルである)からなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換されている、化合物である。
【0031】
別の好ましいのは、式[I]において、YがNであり、Xがシアノである、化合物である。より好ましいのは、式[I]において、YがNであり、Xがシアノであり、mが0又は1であり、nが0であり、R及びRが水素であり、RがC1〜5アルキルであり、R及びRが、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、Arがフェニルであり、このフェニルが、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−N(R24)R25(式中、R24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜3アルキルである)からなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換されている、化合物である。
【0032】
他の好ましいのは、式[I]において、YがCRであり、Xがヒドロキシである、化合物である。より好ましいのは、式[I]において、YがCHであり、Xがヒドロキシであり、mが、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素である、化合物である。より好ましいのは、式[I]において、YがCHであり、Xがヒドロキシであり、mが、1、2、及び3から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素であり、RがC1〜5アルキルであり、R及びRが、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、Arがフェニルであり、このフェニルが、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−N(R24)R25(式中、R24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜3アルキルである)からなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換されている、化合物である。
【0033】
好ましいRは水素である。
【0034】
好ましいRは水素である。
【0035】
好ましいRは水素である。
【0036】
好ましいRはC1〜3アルキルである。より好ましいRはメチルである。
【0037】
好ましいRはC1〜3アルキルである。より好ましいRはメチルである。
【0038】
好ましいRは水素又はC1〜3アルキルである。より好ましいRは水素又はメチルである。
【0039】
Xがヒドロキシである場合、好ましいmは、1、2、及び3から選択される整数であり、好ましいnは0である。
【0040】
Xがシアノの場合、好ましいmは0又は1であり、好ましいnは0である。
【0041】
好ましいArは、クロロ、ブロモ、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及びジメチルアミノからなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換された、フェニルである。より好ましいArは、クロロ、ブロモ、C1〜3アルキルからなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換された、フェニルである。
【0042】
式[I]で表される化合物は、例えば、以下の反応式1及び2に示すプロセスによって生成することができる[以下の反応式で、R、R、R、R、R、R、m、n、X、Y、及びArは、上記で定義した通りであり、Lは、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基であり、Xは、ヒドロキシ、シアノ、−C(=O)O−C1〜5アルキル、又は−CONR7a7bであり、Rは、C1〜5アルキルであり、Rは、C1〜5アルキル又はフェニルであり、Rは、C1〜5アルコキシ又は−NR7a7bである]。
【0043】
反応式1
【化5】

【0044】
ステップ1
本発明の化合物である化合物(3)は、塩基の存在下又は不存在下で、不活性溶媒中で又は溶媒なしで化合物(1)を化合物(2)と反応させることによって得ることができる。ここでは、塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、ピリジンなどのアミン;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属アルコラート;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド;及び臭化メチルマグネシウムなどのグリニャール試薬が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;ピリジン;クロロホルム;ジクロロメタン;水;及びこれらの不活性溶媒から選択される複数の溶媒の混合物が挙げられる。
【0045】
反応式2
【化6】

【0046】
ステップ2
化合物(6)は、塩基の存在下又は不存在下で、不活性溶媒中で又はいずれの溶媒もなしで化合物(4)を化合物(5)と反応させることによって得ることができる。ここでは、塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどのアミン;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属アルコラート;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド;及び臭化メチルマグネシウムなどのグリニャール試薬が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;ピリジン;クロロホルム;ジクロロメタン;水;及びこれらの不活性溶媒から選択される複数の溶媒の混合物が挙げられる。
【0047】
ステップ3
化合物(6)は、Protective Group in Organic Synthesis(T.W.Greene、P.G.M.Wuts、第3版、1999年、John Wiley&sons,Inc.)に記載される方法を使用して、アセタールをケトンに変換することによって化合物(7)に変換することができる。
【0048】
ステップ4
化合物(7)は、塩基の存在下又は不存在下で、不活性溶媒中で化合物(7)を化合物(8)又は化合物(9)と反応させることによって、化合物(10)に変換することができる。ここでは、塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、ピリジンなどのアミン;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属アルコラート;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド;及び臭化メチルマグネシウムなどのグリニャール試薬が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;ピリジン;クロロホルム;ジクロロメタン;水;及びこれらの不活性溶媒から選択される複数の溶媒の混合物が挙げられる。
【0049】
ステップ5
化合物(11a)と化合物(11b)の混合物は、不活性溶媒中で化合物(10)から酸又は塩基を用いて従来のエステルの加水分解法によって得ることができる。ここでは、酸としては、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの無機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;ピリジン;クロロホルム;ジクロロメタン;水;及びこれらの不活性溶媒から選択される複数の溶媒の混合物が挙げられる。
【0050】
ステップ6
本発明の化合物である化合物(12)は、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で、カルボキシ基をアミド化し、カルボキシ基をエステル化し、又はカルボキシ基をアルキル化する従来の方法によって、化合物(11b)から合成することができる。カルボキシ基をアミド化し、又はカルボキシ基をエステル化する従来の方法は、例えば、化合物(11b)をハロギ酸エステル(例えばクロロギ酸エチル又はクロロギ酸イソブチル)又は酸塩化物(例えば塩化ベンゾイル又は塩化ピバロイル)と反応させることによって得られる混合酸無水物を介する反応;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCl)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、シアノリン酸ジエチルなどの縮合剤、及び場合によっては1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシスクシンイミド、4−ジメチルアミノピリジンなどの添加剤の存在下での反応;或いは化合物(11b)を、塩化チオニル、塩化オキサリルなどのハロゲン化剤と反応させることによって得られる酸ハロゲン化物を介する反応であり、カルボキシ基をアルキル化する従来の方法は、NaIやKIなど反応を加速する添加剤の存在下又は不存在下でのハロゲン化アルキルやスルホン酸アルキルなどのアルキル化剤との反応である。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのアミン;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル;ベンゼン、トルエンなどの炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;ピリジン;クロロホルム;ジクロロメタン;水;及びこれらの不活性溶媒から選択される複数の溶媒の混合物が挙げられる。
【0051】
本発明の化合物は、不活性溶媒中で、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸などの無機酸との塩;酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸などの有機酸との塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウムなどの無機塩基との塩;又はアンモニア、アルギニン、リジン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザシンなどの有機塩基との塩に変換することができる。不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル;ベンゼン、トルエンなどの炭化水素;酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル;ジクロロメタン;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;ピリジン;水;及びこれらの不活性溶媒から選択される複数の溶媒の混合物が挙げられる。
【0052】
本発明の化合物は、CRFが関連していると考えられる疾患のための治療又は予防薬として有用である。この目的のために、本発明の化合物は、慣用の増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶媒などを添加することによる慣用の調合技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤などに製剤化できる。
【0053】
本発明の化合物は、成人患者に対して、1日当たり0.1〜500mgの投与量で、1回又は数回に分けて、経口又は非経口で投与できる。投与量は、疾患の種類、並びに患者の年齢、体重及び症状に応じて適宜増減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
本発明を以下の例及び試験例に基づいて具体的に説明するが、それだけに限定されるわけではない。
【0055】
(例1)
2−{1−[1−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−3,6−ジメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル}エタノール(化合物1−014)の合成
【化7】


1−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−3,6−ジメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オール(1.0g)、トリエチルアミン(0.61g)のCHCl(20mL)懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.61mL)を、氷浴中で冷却しながら添加し、混合物を30分間撹拌した。飽和NaHCO水溶液を反応混合物に添加し分離した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して、粗製トリフルオロメタンスルホン酸1−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−3,6−ジメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルエステル(2.19g)を得た。粗製トリフルオロメタンスルホン酸1−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−3,6−ジメチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルエステルをN−メチルピロリドン(1.5mL)に溶解し、次いで、2−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−エタノール(2.5mL)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.3g)を添加した。混合物を密封した管中で140℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液の混合液に注ぎ分離した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=1/1)で精製して固体を得た。この固体を酢酸エチルで洗浄して表題化合物(25mg)を得た。
【0056】
(例2)
2−{1−[7−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−2,5−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル}エタノール(化合物1−013)の合成
【化8】


7−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)−4−クロロ−2,5−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1.0g)と2−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−エタノール(0.9g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.1g)の混合物を密封した管中で100℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液の混合液に注ぎ分離した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=2/1)で精製して固体を得た。固体を酢酸エチルで洗浄して表題化合物(69mg)を得た。
【0057】
(例3)
{1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル}酢酸(化合物1−015)の合成
【化9】


(1)エチレングリコール(25ml)中の4−クロロ−7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5.0g)と4−ピペリドンエチレンケタール(3.0g)の混合物を150℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液の混合液に注ぎ分離した。有機層を水で3回及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して固体を得、この固体をイソプロピルエーテルで洗浄して、8−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン(3.87g)を得た。
【0058】
【化10】


(2)THF(10ml)中の8−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン(3.77g)と2.9MのHCl(10ml)の混合物を室温で17時間撹拌した。混合物に2.9MのHCl(10ml)を添加し、40℃で5時間加熱した。溶媒を減圧下で留去し、残渣を飽和NaHCO水溶液で塩基性にし、酢酸エチルで3回抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Wako gel C200、溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=9/1)で精製して、アモルファスとして1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−オン(3.7g)を得た。
【0059】
【化11】


(3)60%NaH(273mg)のTHF(10ml)懸濁液に、ジエチルホスホノ酢酸エチル(1.7g)を氷冷却下で3分間かけて添加した。氷浴を取り除き、混合物を室温で15分間撹拌した。この混合物に、1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−オン(3.49g)のTHF(10ml)溶液を室温で5分間かけて添加し、混合物を30分間撹拌した。混合物に飽和NHCl水溶液を添加し、THFを減圧下で留去した。残渣を酢酸エチルとブラインの間で分配させ、有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Wako gel C200、溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=5/1)で精製して、アモルファスとして{1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イリデン}−酢酸エチルエステル(3.83g)を得た。
【0060】
【化12】


(4)水(1ml)とEtOH(8ml)の混合液中の{1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イリデン}−酢酸エチルエステル(2.22g)とKOH(929mg)の混合物を80℃で1時間加熱した。反応混合物を10%HClで氷冷却下で中和し、固体沈殿物をろ過により回収して、{1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−4−イリデン}酢酸と{1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル}酢酸の混合物を得た。この混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Wako gel C200、溶出液、CHCl:MeOH=40/1)で分離精製して、固体として表題化合物(0.40g)を得た。
【0061】
(例4)
2−{1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル}−N−メチル−アセトアミド(化合物1−017)の合成
【化13】


{1−[7−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,5,6−トリメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル}酢酸(175mg)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(67mg)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(67mg)のDMF(1ml)溶液に、水(30μl)中の40%メチルアミンを室温で添加し、混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NHCl水溶液、水、及び飽和NaHCO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Wako gel C200、溶出液、CHCl:MeOH=30/1)で精製して固体を得た。固体をイソプロピルエーテルで洗浄して、表題化合物(89mg)を得た。
【0062】
表1*1
【化14】


【表1−1】


【表1−2】


1:Com.No.=化合物番号、Ex.No.=例番号、結晶用溶媒:EtOAc=酢酸エチル、IPE=ジイソプロピルエーテル非結晶化合物の分析データを以下に記載する。
【化15】


2:カラムクロマトグラフィーで精製した化合物を静置後に結晶を得た。3:一塩酸塩
【0063】
試験例[CRF受容体結合試験]
サル扁桃体膜を受容体標品として使用した。
【0064】
125I−CRFを125I−標識リガンドとして使用した。
【0065】
125I−標識リガンドを使用する結合反応を、The Journal of Neuroscience、7、88頁(1987年)に記載の次の方法により実施した。
【0066】
受容体膜の調製
サル扁桃体を、10mMのMgCl、2mMのEDTAを含む50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.0)中でホモジナイズし、48,000xgで20分間遠心し、沈殿物をトリス−HCl緩衝液で一回洗浄した。洗浄した沈殿物を、10mMのMgCl、2mMのEDTA、0.1%のウシ血清アルブミン、及び100カリクレインユニット/mlアプロチニンを含む50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.0)に懸濁させて、膜標品を得た。
【0067】
CRF受容体結合試験
膜標品(タンパク質0.3mg/ml)、125I−CRF(0.2nM)、及び試験薬物を、25℃で2時間反応させた。反応完了後に、反応混合物を、0.3%ポリエチレンイミンで処理したガラスフィルター(GF/C)を通して吸引ろ過し、ガラスフィルターを、0.01%トリトン(Triton)X−100を含むリン酸緩衝食塩水で3回洗浄した。洗浄後に、ろ紙の放射能をガンマカウンタで測定した。
【0068】
1μMのCRFの存在下で反応を実施したときの125I−CRF結合量を125I−CRFの非特異的結合度とし、全125I−CRF結合度と非特異的125I−CRF結合度の差を、特異的125I−CRF結合度とした。一定濃度(0.2nM)の125I−CRFを上述の条件下で様々な濃度の各試験薬物と反応させることによって、阻害曲線を得た。阻害曲線から125I−CRFの結合が50%阻害される試験薬物の濃度(IC50)を求めた。
【0069】
その結果、化合物1−001、1−002、1−005、1−006、1−007、1−008、1−009、1−010、1−012、1−014を、IC50値が100nM以下である典型的な化合物として例示することができることが分かった。
【0070】
(発明の効果)
本発明により、CRF受容体に対して高い親和性を有する化合物が提供された。これらの化合物は、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、CRFが関連していると考えられる疾患に対して有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式[I]で表される、テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン又はピロロピリジンの誘導体、
【化1】


(式中、テトラヒドロピリジンは次式[II]で表され、
【化2】


前記テトラヒドロピリジン環は、テトラヒドロピリジン環の4位又は5位が−(CR−(CHR−Xで表される基で置換され、
Xは、ヒドロキシ、シアノ、−CO、又は−CONR7a7bであり、
Yは、N又はCRであり、
但し、YがCRである場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素、ヒドロキシ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、シアノ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
mは、0、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
nは、0又は1であり、
但し、Xがヒドロキシ又は−CONR7a7bであり、且つnが0である場合、mは、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
は、水素、ハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、又は−N(R)R10であり、
及びRは、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、−N(R11)R12、−CO13、シアノ、ニトロ、C1〜5アルキルチオ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシであり、或いはRとRは一緒になって−CH−CH−CH−CH−又は−CH=CH−CH=CH−を形成し、
但し、RとRが一緒になってCH−CH−CH−CH−を形成する場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
7a及びR7bは、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、C1〜5アルキル、ハロゲン、シアノ、又は−CO14であり、
及びR10は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
11及びR12は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
13は、水素又はC1〜5アルキルであり、
14は、水素又はC1〜5アルキルであり、
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、前記アリール又はヘテロアリールは、非置換又はハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、C1〜5アルコキシ、C1〜5アルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−CO15、−C(=O)R16、−CONR1718、−OC(=O)R19、−NR20CO21、−S(O)NR2223、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、及び−N(R24)R25からなる群から選択される1個若しくは複数の、同一若しくは異なる置換基で置換され、
15は、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
16は、水素又はC1〜5アルキルであり、
17及びR18は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
19は、水素又はC1〜5アルキルであり、
20は、水素又はC1〜5アルキルであり、
21は、水素又はC1〜5アルキルであり、
22及びR23は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
rは、1又は2である)、
その個々の異性体、それらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項2】
次式[I]で表される、テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン又はピロロピリジンの誘導体、
【化3】


(式中、テトラヒドロピリジンは次式[II]で表され、
【化4】


前記テトラヒドロピリジン環は、テトラヒドロピリジン環の4位又は5位が−(CR−(CHR−Xで表される基で置換され、
Xは、ヒドロキシ、シアノ、又は−COであり、
Yは、N又はCRであり、
但し、YがCRである場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素、ヒドロキシ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、シアノ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ−C1〜5アルキル、又はヒドロキシ−C1〜5アルキルであり、
mは、0、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
nは、0又は1であり、
但し、Xがヒドロキシであり、且つnが0である場合、mは、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、
は、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、又は−N(R)R10であり、
及びRは、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、−N(R11)R12、−CO13、シアノ、ニトロ、C1〜5アルキルチオ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシであり、或いはRとRは一緒になって−CH−CH−CH−CH−又は−CH=CH−CH=CH−を形成し、
但し、RとRが一緒になって−CH−CH−CH−CH−を形成する場合、Xはヒドロキシであり、
は、水素又はC1〜5アルキルであり、
は、水素、C1〜5アルキル、ハロゲン、シアノ、又は−CO14であり、
及びR10は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
11及びR12は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
13は、水素又はC1〜5アルキルであり、
14は、水素又はC1〜5アルキルであり、
Arは、アリール又はヘテロアリールであり、前記アリール又はヘテロアリールは、非置換又はハロゲン、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、C1〜5アルコキシ、C1〜5アルキルチオ、C1〜5アルキルスルフィニル、C1〜5アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−CO15、−C(=O)R16、−CONR1718、−OC(=O)R19、−NR20CO21、−S(O)NR2223、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、及び−N(R24)R25からなる群から選択される1個若しくは複数の、同一若しくは異なる置換基で置換され、
15は、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
16は、水素又はC1〜5アルキルであり、
17及びR18は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
19は、水素又はC1〜5アルキルであり、
20は、水素又はC1〜5アルキルであり、
21は、水素又はC1〜5アルキルであり、
22及びR23は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、C1〜5アルキル、C3〜8シクロアルキル、又はC3〜8シクロアルキル−C1〜5アルキルであり、
rは、1又は2である)、
その個々の異性体、それらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項3】
式[I]において、YがNであり、X、m、n、R、R、R、R、R、R、及びArが請求項2に定義した通りである、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項4】
式[I]において、YがNであり、Xがヒドロキシであり、mが、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素であり、R、R、R、及びArが請求項2に定義した通りである、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項5】
式[I]において、YがNであり、Xがヒドロキシであり、mが1、2、及び3から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素であり、RがC1〜5アルキルであり、R及びRが、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、Arがフェニルであり、前記フェニルが、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−N(R24)R25(式中、R24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜3アルキルである)からなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換されている、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項6】
式[I]において、YがNであり、Xがシアノであり、R、R、及びRが水素であり、m、n、R、R、R、及びArが請求項2に定義した通りである、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項7】
式[I]において、YがNであり、Xがシアノであり、mが0又は1であり、nが0であり、R及びRが水素であり、RがC1〜5アルキルであり、R及びRが、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、Arがフェニルであり、前記フェニルが、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−N(R24)R25(式中、R24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜3アルキルである)からなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換されている、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項8】
式[I]において、YがCRであり、Xがヒドロキシであり、m、n、R、R、R、R、R、R、R、及びArが請求項2に定義した通りである、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項9】
式[I]において、YがCHであり、Xがヒドロキシであり、mが、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素であり、R、R、R、及びArが請求項2で定義した通りである、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項10】
式[I]において、YがCHであり、Xがヒドロキシであり、mが、1、2、及び3から選択される整数であり、nが0であり、R及びRが水素であり、RがC1〜5アルキルであり、R及びRが、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜5アルキルであり、Arがフェニルであり、前記フェニルが、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、及び−N(R24)R25(式中、R24及びR25は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素又はC1〜3アルキルである)からなる群から選択される、2個又は3個の、同一又は異なる置換基で置換されている、請求項2に記載のテトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリジン誘導体、その個々の異性体、又はそれらの異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるそれらの塩及び水和物。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の、テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン又はピロロピリジンの誘導体、薬学上許容されるそれらの塩、又はそれらの水和物を有効成分として含む、CRF受容体拮抗薬。
【請求項12】
CRF受容体拮抗薬を製造するための、請求項1から10までのいずれか一項に記載の、テトラヒドロピリジンで置換されたピロロピリミジン又はピロロピリジンの誘導体、薬学上許容されるそれらの塩、又はそれらの水和物の使用。

【公表番号】特表2008−503443(P2008−503443A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549731(P2006−549731)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【国際出願番号】PCT/JP2005/012141
【国際公開番号】WO2006/001501
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【復代理人】
【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
【復代理人】
【識別番号】100072040
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 肇
【復代理人】
【識別番号】100107504
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 克則
【復代理人】
【識別番号】100102897
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 幸弘
【Fターム(参考)】