説明

ディスクブレーキ

【課題】 電動式のディスクブレーキにおいて、一つのセンサを用いて直動推力と制動トルクとを検出して電動モータを制御することができるようにする。
【解決手段】 半導体式歪センサ34は、ブレーキパッド13の裏板13Aの凹部13A1 内に固定されている。半導体式歪センサ34は、ピストン19からブレーキパッド13に加えられる直動推力(ピストン推力)をX方向における裏板13Aの変形量として検出する。また、ブレーキパッド13には、ライニング13Bがディスクロータ4に摺接、当接することによりY方向に制動トルクが作用する。半導体式歪センサ34は、裏板13AがY方向に変形するときに、前記制動トルクをY方向の変形量として検出する。半導体式歪センサ34で検出した2方向の検出信号により、電動モータ28の回転をフィードバック制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば4輪自動車等の車両に制動力を付与する電動式のディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、4輪自動車等の車両に設けられるディスクブレーキには、キャリパのシリンダ内にブレーキ液圧を供給してピストンにブレーキパッドに向けた軸方向の推力を与える液圧式タイプの他に、電動モータを用いた電動式タイプのものが知られている。このうち、電動式のディスクブレーキは、電動モータの回転を直線運動に変換する回転直動変換機構を備え、該回転直動変換機構によりピストンをディスクの軸方向に推進させてブレーキパッドをディスクロータに押付ける構成である。
【0003】
このような電動式のディスクブレーキは、ディスクロータに付与する制動力を可変に制御するため、前記ピストンの直動推力を検出する推力センサを設け、該推力センサからの検出信号に従って前記電動モータの回転を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、車両の制動時にブレーキパッドからキャリア(即ち、取付部材)に伝達される制動トルクを、キャリアに設けた歪ゲージで検出し、歪ゲージからの信号に基づいて電動モータの回転を制御する構成としたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−125027号公報
【特許文献2】特開2004−124970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来技術では、ピストンの直動推力と取付部材に伝達される制動トルクとのいずれか一方を検出しているだけであるため、車両走行時の路面状況やブレーキパッドの摩擦係数の変化により、検出信号とブレーキ制動力との相関関係が一致しないことがある。このため、直動推力と制動トルクとの両方を検出して電動モータの回転を制御することが望まれている。
【0006】
しかし、直動推力を検出するセンサと制動トルクを検出するセンサとをそれぞれ別々に設けた場合には、複数のセンサの取付け作業、取付スペースの確保が難しい上に、各センサ毎の配線の取り回し等でディスクブレーキの構造が複雑になり、その製造が煩雑となってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、一つのセンサを用いて直動推力と制動トルクとを検出して電動モータを制御することができ、構造を簡素化して組立て時の作業性、製造効率を向上させることができるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、キャリパ本体の内部に、電動モータと、該電動モータの回転を直線運動に変換する回転直動変換機構とを設け、該回転直動変換機構により直動部材を推進させてブレーキパッドをディスクロータに押付けるディスクブレーキにおいて、前記ブレーキパッドには、該直動部材の直動推力を検出すると共に、前記ブレーキパッドに伝達される制動トルクを検出する一つの半導体式歪センサが設けられ、前記電動モータは、該半導体式歪センサで検出した前記直動推力および前記制動トルクに基づいて制御される構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一つの半導体式歪センサからの直動推力および制動トルクに基づいて電動モータの回転を制御するので、ディスクブレーキの構造が簡易となり、ディスクブレーキの製造効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるディスクブレーキが搭載された4輪自動車のブレーキシステムを示す構成図である。
【図2】図1中のディスクブレーキを拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2中の半導体式歪センサが設けられたブレーキパッドを単体として示す斜視図である。
【図4】第1の変形例によるブレーキパッドと半導体式歪センサとを示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態によるディスクブレーキを示す縦断面である。
【図6】図5中の半導体式歪センサが設けられた直動ディスクを単体として示す斜視図である。
【図7】図6の直動ディスクを反対側からみた斜視図であり、第3の変形例による半導体式歪センサも示している。
【図8】第3の実施の形態による電動式の駐車ブレーキであるディスクブレーキを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを、4輪自動車に搭載した場合を例に挙げて添付図面に従って詳細に説明する。
【0012】
ここで、図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、車両のボディを構成する車体1の下側には、例えば左,右の前輪2と左,右の後輪3とが設けられている。これらの各前輪2および各後輪3には、それぞれ一体に回転するディスクロータ4が設けられている。即ち、各前輪2と各後輪3とは、後述のディスクブレーキ11を用いて各ディスクロータ4を挟持することにより、車輪毎に独立した制動力が付与されるものである。
【0013】
5は車体1のフロントボード側に設けられたブレーキペダルで、該ブレーキペダル5は、運転者がブレーキ操作時に踏込み操作する。ブレーキペダル5の踏込み操作は、ストローク・踏力センサからなるブレーキ操作検出手段としてのブレーキセンサ6により検出される。ブレーキセンサ6からの検出信号は、制御手段としての制動コントローラ7に出力される。また、ブレーキセンサ6の取付部位には、反力発生機構(図示せず)が設けられ、この反力発生機構は、運転者がブレーキペダル5を踏込み操作したときに反力(所謂踏み応え)を与えるものである。
【0014】
ここで、制動コントローラ7は、マイクロコンピュータ等によって構成され、バッテリ8からの電力が電源ライン9を通じて給電される。制動コントローラ7は、図1に示すように、入力側がブレーキセンサ6、車両データバス10および後述のパーキングスイッチ32等に接続され、出力側は各前輪2および各後輪3のディスクブレーキ11に電源ライン9と車両データバス10とを介して接続されている。
【0015】
車両データバス10は、車体1に搭載されたシリアル通信部としてのCANを含んで構成され、車両に搭載された多数の電子機器と制動コントローラ7との間で車載向けの多重通信を行うものである。この場合、車両データバス10に送られる車両運転情報としては、例えば操舵角センサ、アクセルセンサ、車輪速センサ(いずれも図示せず)からの検出信号等の情報、さらには、ブレーキセンサ6および後述する歪センサ34等からの検出信号(情報)が挙げられる。
【0016】
次に、図2を参照して車輪毎に設けられる電動式のディスクブレーキ11の構造について説明する。即ち、電動式のディスクブレーキ11は、後述の取付部材12、インナ側,アウタ側のブレーキパッド13および電動モータ28を内蔵するキャリパ14を含んで構成されている。
【0017】
12は車両の非回転部分に取付けられる取付部材で、該取付部材12は、図2に示すように、ディスクロータ4の回転方向(以下、ディスク周方向という)に離間してディスクロータ4の外周を跨ぐようにディスクロータ4の軸方向に延びた一対の腕部(図示せず)と、該各腕部の基端側を一体化するように連結して設けられ、ディスクロータ4のインナ側となる位置で前記車両の非回転部分に固定される厚肉の支承部12A等とを含んで構成されている。
【0018】
また、取付部材12には、ディスクロータ4のアウタ側となる位置で前記各腕部の先端側を互いに連結する補強ビーム12Bが一体に形成されている。これにより、取付部材12の前記各腕部の間は、ディスクロータ4のインナ側で支承部12Aにより一体的に連結されると共に、アウタ側で補強ビーム12Bにより一体的に連結されている。
【0019】
取付部材12の前記各腕部は、ディスクロータ4の軸方向両側に配置されたインナ側,アウタ側のブレーキパッド13をディスク軸方向にそれぞれ移動可能に支持している。これらのブレーキパッド13は、後述のキャリパ14によりディスクロータ4の両面に向けて押圧されることにより、ディスクロータ4の回転を制動する。
【0020】
ここで、ブレーキパッド13は、図3に示すように裏板13Aと、該裏板13Aの表面側に固着して設けられた摩擦材からなるライニング13Bと含んで構成されている。裏板13Aは、例えば金属板等の剛性を有した板材を用いて、ディスクロータ4の周方向に扇形状をなして延びる形状に形成されている。裏板13Aの外径側には、その周方向中央位置に凹部13A1 が形成され、この凹部13A1 内には、後述の半導体式歪センサ34が設置されている。
【0021】
14はディスクロータ4の外周側を跨ぐように配置されたキャリパで、該キャリパ14は、取付部材12の前記腕部に対してディスクロータ4の軸方向に沿って移動可能に支持されたキャリパ本体15と、該キャリパ本体15内に設けられた後述のピストンユニット18及びモータ/制御装置ユニット27等とを含んで構成されている。
【0022】
キャリパ本体15には、ディスクロータ4の一側に対向して開口する貫通穴を有する円筒状のシリンダ部16と、該シリンダ部16からディスクロータ4を跨いで反対側へと延びる爪部17とが一体的に形成されている。キャリパ本体15のシリンダ部16は、ディスクロータ4の一側(インナ側)に設けられたインナ脚部を構成し、爪部17はディスクロータ4の他側(アウタ側)に設けられたアウタ脚部を構成するものである。キャリパ本体15のシリンダ部16内には、ピストンユニット18と後述のモータ/制御装置ユニット27等とが設けられている。
【0023】
ここで、ピストンユニット18は、開口側となる軸方向の一側がシリンダ部16内に挿入され他側(インナ側のブレーキパッド13に対面する側)が蓋部となって閉塞された有蓋円筒状のピストン19と、該ピストン19をシリンダ部16の軸方向に移動可能に案内するためピストン19の内部に収容して設けられた回転直動変換機構であるボールランプ機構20および差動減速機構21と、パッド摩耗補償機構22とを一体化したものである。
【0024】
ボールランプ機構20は、回転ディスク23と直動部材である直動ディスク24とのランプ溝(即ち、傾斜した溝であり、後述の図6に示すランプ溝42Aと同様な溝)間に鋼球からなる複数のボール25が介装されている。回転ディスク23が直動ディスク24に対して相対回転すると、前記ランプ溝間でボール25が転動するため、直動ディスク24は、回転ディスク23の回転角度に応じて軸方向に相対移動する。これにより、ボールランプ機構20は、回転運動を直線運動に変換する。なお、第1の実施形態においては、回転直動変換機構としてボールランプ機構20を採用したが、これ以外の回転直動変換機構(例えば、ボールネジ機構、ローラランプ機構または精密ローラネジ機構等)を用いてもよい。
【0025】
差動減速機構21は、後述の電動モータ28とボールランプ機構20との間に介装され、電動モータ28(即ち、ロータ28A)の回転を所定の減速比で減速してボールランプ機構20の回転ディスク23に伝達する。パッド摩耗補償機構22は、ブレーキパッド13の摩耗(ディスクロータ4に対してブレーキパッド13が当接、接触する位置の変化)に対して、電動モータ28の回転時に調整スクリュ26を回転させて前進させ、ブレーキパッド13の摩耗分だけピストンユニット18をディスクロータ4側に追従して移動させる機構である。
【0026】
モータ/制御装置ユニット27には、電動モータ28、該電動モータ28の回転位置を検出する回転検出器としてのレゾルバ29、電動モータ28のロータ28Aの回転位置を保持するための駐車ブレーキ機構30及び電動モータ28及び駐車ブレーキ機構30の作動を制御する制御装置31が一体的に組込まれている。制御装置31は、制動コントローラ7から車両データバス10を介して出力される制動力制御信号とレゾルバ29からの回転位置信号とに基づいて、電動モータ28のステータ28Bのコイルに制御電流を供給してロータ28Aの回転を制御する。
【0027】
このとき、制動コントローラ7は、車両の運転者がブレーキペダル5を踏込み操作したときにブレーキセンサ6から出力される検出信号と、これ以外の信号(例えば、車両のアンチロック制御、トラクション制御、車両安定化制御等の自動ブレーキ制御を実行するための信号)とに従って、前記制動力制御信号を各車輪側のディスクブレーキ11(制御装置31)に車両データバス10を介して出力する。
【0028】
また、後述の半導体式歪センサ34で検出した信号は、制御装置31に出力されると共に、車両データバス10を介して制動コントローラ7にも出力される。そして、制動コントローラ7と制御装置31とは、半導体式歪センサ34からの検出信号に基づいて電動モータ28の回転を制御し、車輪毎のディスクブレーキ11による制動力制御を行うものである。一方、運転者が図1に示すパーキングスイッチ32を操作したときには、制動コントローラ7から車両データバス10を介して出力される駐車ブレーキの制御信号により、制御装置31は駐車ブレーキ機構30(例えば、電磁ソレノイド)を励磁して動作させ、車輪毎のディスクブレーキ11を駐車ブレーキとして作動させる。
【0029】
なお、ピストン19の蓋部(閉塞端側)と、ピストン19の内部に挿入されたボールランプ機構20の直動ディスク24とは、凹凸嵌合によって軸回りに相対回転しないように、互いに固定されている。また、シリンダ部16の開口端側には、ピストン19の蓋部側外周との間に可撓性を有した蛇腹状のシール部材33が取付けられ、該シール部材33は、シリンダ部16の開口端とピストン19との間をシールしている。
【0030】
34はインナ側のブレーキパッド13に設けられた半導体式歪センサで、該半導体式歪センサ34は、図3に示すように、ブレーキパッド13の裏板13Aに形成した凹部13A1 内に収めるように取付けられている。この半導体式歪センサ34としては、従来から知られている歪ゲージの他、昨今開発された半導体歪ゲージ(例えば、特開2009-53005号公報参照)等を用いるのが好ましい。
【0031】
半導体式歪センサ34は、貼付して固定される部材(即ち、ブレーキパッド13の裏板13A)に発生する変形の2方向(X方向とY方向)とそれぞれの方向での変形量とを検出することができる。この場合、X方向とは、図3に示す裏板13Aの平面に垂直な方向(即ち、ディスクロータ4の軸方向)に対応し、Y方向とは、X方向に垂直な方向(即ち、ディスクロータ4の回転方向)に対応している。
【0032】
図3に示すように、裏板13Aの凹部13A1 内に固定された半導体式歪センサ34は、ピストン19(図2参照)からブレーキパッド13に加えられる直動推力(ピストン推力)をX方向における裏板13Aの変形量として検出する。また、ブレーキパッド13には、ライニング13Bがディスクロータ4に摺接、当接することによりY方向に制動トルクが作用する。半導体式歪センサ34は、裏板13AがY方向に変形するときに、前記制動トルクをY方向の変形量として検出する。
【0033】
このように半導体式歪センサ34で検出した2方向の検出信号は、電動モータ28の回転をフィードバック制御するための信号として、例えばリード線(図示せず)を介してキャリパ本体15内の制御装置31に出力されると共に、車両データバス10を介して制動コントローラ7に出力される。後述のように、半導体式歪センサ34による検出信号を無線で出力することも可能であり、この場合には前記リード線を不要にすることができ、インナ側のブレーキパッド13とキャリパ本体15との間で配線の取り回し処理を行う必要がなくなる。
【0034】
なお、従来から知られている歪ゲージは、Cu−Ni系合金やNi−Cr系合金の金属薄膜の配線パターンを、可撓性のあるポリイミドやエポキシ樹脂フィルムで覆った構造である。この歪ゲージは、被測定物に接着剤で接着して使用されるもので、前記金属薄膜が歪を受けて変形したときの抵抗変化から、歪量を算出するものである。また、金属薄膜の歪ゲージでは、抵抗変化が小さいため、得られる電気信号を増幅する必要があり、そのために歪ゲージの外部に増幅器(アンプ)を設ける必要がある。
【0035】
これに対し、半導体式歪センサ34は、検知部(図示せず)を金属薄膜ではなく、シリコン等の半導体に不純物をドープして形成した半導体ピエゾ抵抗を利用したものである。半導体式歪センサ34は、歪に対する抵抗変化率が金属薄膜を用いた従前の歪ゲージの数十倍と大きく、微小な歪、例えば、1με程度の歪を測定することが可能である。また、半導体式歪センサ34は、抵抗変化が大きいため、得られた電気信号を外部のアンプを用いずに使用することもできる。
【0036】
さらに、半導体式歪センサ34は、数ミリ角の素子(チップ)として形成した場合でも、当該センサの内部にアンプ回路や温度センサおよび温度補償回路、オフセット除去回路(いずれも図示せず)等を形成することも可能である。半導体式歪センサ34は、必要に応じて、内部に無線回路(図示せず)等を設けることもでき、非接触でデータを取出すことも可能である。
【0037】
半導体式歪センサ34は、被測定物(即ち、ブレーキパッド13の裏板13A)に接着剤や金属接合により固定することも可能であり、また、半導体式歪センサ34を金属板(例えば、裏板13A)に対し、スポット溶接により固定することも可能である。このような半導体式歪センサ34は、図3に例示したX方向とY方向の変形量(歪量)を高精度に検出することができ、取付スペースも少なくて済むので好ましいが、測定精度や取付スペースが許されれば、従来から知られている歪ゲージを用いることも可能である。
【0038】
第1の実施の形態によるディスクブレーキ11および4輪自動車のブレーキシステムは、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0039】
車両の運転者がブレーキペダル5を踏込み操作すると、その踏力または操作量(ストローク)に対応した検出信号がブレーキセンサ6から制動コントローラ7に出力される。制動コントローラ7は、車両の運転者がブレーキペダル5を踏込み操作したときにブレーキセンサ6から出力される検出信号と、これ以外の信号(例えば、車両のアンチロック制御、トラクション制御、車両安定化制御等の自動ブレーキ制御を実行するための信号)とに従って、前記制動力制御信号を各車輪側のディスクブレーキ11(制御装置31)に車両データバス10を介して出力する。
【0040】
各車輪側のディスクブレーキ11は、制御装置31によって電動モータ28のステータ28B側に制御電流を供給してロータ28Aを回転させる。ロータ28Aの回転は、差動減速機構21によって所定の減速比で減速され、ボールランプ機構20の回転ディスク23には低速、大トルクの回転が伝えられる。ボールランプ機構20では、回転ディスク23の回転を直動ディスク24の直線運動に変換してピストン19を軸方向に推進(前進)させる。
【0041】
ピストン19の前進により、インナ側のブレーキパッド13がディスクロータ4に押圧され、その反力によってキャリパ本体15が移動して、爪部17がアウタ側のブレーキパッド13をディスクロータ4に押圧して制動力を発生させる。ブレーキパッド13が摩耗した場合には、制動時にパッド摩耗補償機構22によって、摩耗量に応じて調整スクリュ26を回転させて前進させ、これにより、ボールランプ機構20を摩耗に追従して前進させて摩耗を補償する。
【0042】
また、車載の制動コントローラ7側では、車輪速センサ、傾斜センサ、アクセルセンサ等の各種センサ(いずれも図示せず)を用いて、各車輪の回転速度、車両速度、車両加速度、操舵角、車両横加速度、車体の傾斜、ブレーキペダル5の踏込み量等の車両状態を監視しつつ、半導体式歪センサ34からの検出信号をフィードバック制御用の信号として読込み、これらの検出信号に基づいて電動モータ28の回転を制御することにより、車両の制動制御、アンチロック制御、トラクション制御、車両安定化制御、坂道発進補助制御等を実行する。
【0043】
ここで、インナ側のブレーキパッド13(具体的には、裏板13Aの凹部13A1 内)に固定された半導体式歪センサ34は、直動ディスク24からピストン19を介してブレーキパッド13に加えられる直動推力(ピストン推力)をX方向における裏板13Aの変形量として検出すると共に、ブレーキパッド13のライニング13Bにディスクロータ4から付加される制動トルクを、裏板13Aに発生するY方向の変形量として検出する。
【0044】
このように、半導体式歪センサ34は、直動ディスク24の直動推力(即ち、X方向の力)とブレーキパッド13に発生する制動トルク(Y方向の力)との双方を検出することができる。このため、半導体式歪センサ34からの検出信号に基づいて電動モータ28の回転をフィードバック制御するときに、車両走行時の路面状況やブレーキパッド13の摩擦係数の変化により、検出信号とブレーキ制動力との相関関係が一致しない等の問題を解消することや、電動モータ28やピストンユニット18の故障を検出することができる。
【0045】
一方、従来技術として、ピストンの直動推力を検出する推力センサからの信号により制動トルクを推定するものは知られている。しかし、この場合には、パッド温度に影響されるパッド摩擦係数の変化や路面の摩擦係数を考慮して制動トルクを算出する必要があり、パッド摩擦係数を温度センサ等で推定したり、路面μを車速センサから推定したりして、煩雑な制御が要求される。
【0046】
これに対し、本実施の形態で採用した半導体式歪センサ34は、直動推力(クランプ力)と制動トルクとの双方を一つのセンサで検出できるため、上記の環境的なパラメータを用いることなく、電動モータ28のフィードバック制御を容易に行うことができる。また、半導体式歪センサ34に無線回路を組込む構成とすることにより、検出信号を外部に出力するための配線を廃止することができ、取付部材12に対して移動可能に取付けられるブレーキパッド13のような部材にも半導体式歪センサ34を容易に設置することができる。
【0047】
従って、第1の実施の形態によれば、一つの半導体式歪センサ34を用いてブレーキパッド13に付加される直動推力(X方向の力)と制動トルク(Y方向の力)とを検出して電動モータ28を制御することができ、構造を簡素化して組立て時の作業性、製造効率を向上させることができる。この場合、ブレーキパッド13に対する半導体式歪センサ34の取付スペースを容易に確保することができ、取付け作業性を向上することができる。
【0048】
なお、前記第1の実施の形態では、インナ側のブレーキパッド13のうち、裏板13Aの外径側に設けた凹部13A1 内に半導体式歪センサ34を設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図4に示す第1の変形例のように、半導体式歪センサ35をインナ側のブレーキパッド13に設ける構成としてもよい。
【0049】
この場合、半導体式歪センサ35は、インナ側のブレーキパッド13の裏板13Aのうち、ピストン19とは直接的に接触しない位置で、ピストン19側からブレーキパッド13に矢示X方向に付加される直動推力と、これと垂直な方向である矢示Y方向の制動トルクとを検出することが可能な位置に固定して設けられている。
【0050】
次に、図5ないし図7は第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、半導体式歪センサを回転直動変換機構の直動部材に設ける構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。また、本第2の実施の形態において、半導体式歪センサは、直動部材に付加される直動推力と回動部材を介して電動モータから伝達される周回りの駆動トルクとを検出するものとなっている。上述した特許文献1の電動ディスクブレーキでは、推力センサは直動推力しか測定できず、電動モータや内部機構の故障を検出しづらいという問題があった。すなわち、電動モータの回転トルクに対して充分な出力が出ているか否かが、力の直動成分だけでは比較しづらいことに起因している。本実施形態によれば、半導体式歪センサにより駆動トルクを検出することで、この駆動トルクと電動モータの回転トルクとの比較が容易になり、電動式ディスクブレーキの故障検出を精度よく行うことができる。
【0051】
図中、41は第2の実施の形態で採用した回転直動変換機構としてのボールランプ機構で、該ボールランプ機構41は、第1の実施の形態で述べたボールランプ機構20とほぼ同様に、回転ディスク23、ボール25および直動ディスク42を含んで構成されている。しかし、この場合のボールランプ機構41は、直動部材である直動ディスク42の形状が第1の実施の形態とは異なっている。
【0052】
即ち、直動ディスク42には後述の半導体式歪センサ44を組付けるため、その形状を工夫している。直動ディスク42は、図6に裏面側に3個のランプ溝42Aがその周方向に延びて形成され、該各ランプ溝42Aの内側(直動ディスク42の中心側)には円形の凹部42Bが形成されている。この凹部42Bは、図7に示す直動ディスク42の表面側では、円形の凸面部42Cとなり、該凸面部42Cの周囲には、径方向に延びる複数(合計4本)の嵌合突条42Dが形成されている。
【0053】
ボールランプ機構41の直動ディスク42は、図5に示すようにピストン19の内部に挿入された状態で、凸面部42Cがピストン19の蓋部(閉塞端側)に直に当接すると共に、各嵌合突条42Dが凹凸嵌合することにより直動ディスク42とピストン19との相対回転を規制する構成となっている。直動ディスク42の各ランプ溝42A内には、それぞれ鋼球からなるボール25が介装されている。回転ディスク23にも、ランプ溝42Aと同様なランプ溝(図示せず)が形成されている。即ち、回転ディスク23が直動ディスク42に対して相対回転すると、各ランプ溝間でボール25が転動するため、直動ディスク42は、回転ディスク23の回転角度に応じて軸方向に相対移動する。これにより、ボールランプ機構41は、回転運動を直線運動に変換するものである。
【0054】
43はボールランプ機構41の一部を構成する軸部材で、該軸部材43は、差動減速機構21と電動モータ28のロータ28Aとの間を軸方向に延び、ロータ28Aの回転を差動減速機構21側に伝達するものである。軸部材43の軸方向の一側は、電動モータ28のロータ28Aに沿って軸方向に延び、軸方向の他側は、直動ディスク42の凹部42Bに対向する位置まで延びている。また、軸部材43には、軸方向に延びる配線挿通孔43Aが穿設され、この配線挿通孔43A内には、後述のリード線45が挿通されている。
【0055】
44は第2の実施の形態で採用した半導体式歪センサで、該半導体式歪センサ44は、第1の実施の形態で述べた半導体式歪センサ34とほぼ同様に構成されている。しかし、この場合の半導体式歪センサ44は、直動ディスク42の凹部42B底面に固定状態で取付けられている。但し、半導体式歪センサ44は、直動ディスク42の中心位置ではなく、中心位置から偏心した位置に設置されている。
【0056】
半導体式歪センサ44は、直動ディスク42の凹部42B(凸面部42C)からピストン19に付加する矢示X方向の直動推力と、これと垂直な方向である矢示Y方向の力(即ち、駆動トルク)とを検出することができる。この場合、直動ディスク42の凹部42Bには、電動モータ28で発生した回転トルクが差動減速機構21及び回転ディスク42を介して矢示Y方向の外力(変形力)として伝えられるものである。
【0057】
45は半導体式歪センサ44に接続されたリード線で、該リード線45は、半導体式歪センサ44から外側に延びて軸部材43の配線挿通孔43A内に挿通され、その先端側はシリンダ部16の軸方向他側に向けて引き出されている。リード線45は、半導体式歪センサ44の検出信号を、例えば制御装置31等に出力するものである。
【0058】
かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、この場合の半導体式歪センサ44は、直動ディスク42の凹部42Bが矢示X方向に弾性変形するときの歪量から、直動推力を検出することができる。この直動推力により電動モータ28を制御することができる。また、半導体式歪センサ44は、矢示Y方向に弾性変形するときの歪量から、電動モータ28からの駆動トルクを検出することができる。この駆動トルクと電動モータ28の供給電流に基づく回転トルクとを比較することで、電動式ディスクブレーキの故障検出を精度よく行うことができる。
【0059】
特に、第2の実施の形態によれば、ボールランプ機構41の一部を構成する軸部材43内に配線挿通孔43Aを設け、半導体式歪センサ44に接続されたリード線45を配線挿通孔43A内に挿通する構成としている。このため、リード線45を外部に露出させることなく、シリンダ部16の軸方向他側に向けて引き出すことができ、例えばブレーキパッド13の交換時にリード線45の配索等に気を配る必要がなくなり、作業性を向上することができる。
【0060】
なお、第2の実施の形態では、半導体式歪センサ44を直動ディスク42の凹部42Bに設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図6中に二点鎖線で示すように、第2の変形例による半導体式歪センサ46を、直動ディスク42の外周側位置に設ける構成としてもよい。また、図7中に二点鎖線で示すように、第3の変形例による半導体式歪センサ47を、直動ディスク42の表面側で2本の嵌合突条42Dの間となる位置に設ける構成としてもよい。
【0061】
次に、図8は第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、電動式の駐車ブレーキ(ディスクブレーキ)に対して半導体式歪センサを設ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。また、本第3の実施の形態において、半導体式歪センサは、直動部材に付加される直動推力の反力と回動部材を介して電動モータから伝達される周回りの駆動トルクとを検出するものとなっている。そして、上記第2の実施の形態と同様の問題を解決するべく、半導体式歪センサにより駆動トルクを検出するようにしている。このため本第3の実施の形態においても、この駆動トルクと電動モータの回転トルクとの比較が容易になり、電動式ディスクブレーキの故障検出を精度よく行うことができる。
【0062】
即ち、電動式の駐車ブレーキ(以下、ディスクブレーキ51という)は、車両の非回転部分に取付けられる取付部材(図示せず)と、インナ側,アウタ側のブレーキパッド52と、後述の電動モータ61が設けられたキャリパ53とを含んで構成されている。
【0063】
53はディスクロータ4の外周側を跨ぐように配置されたキャリパで、該キャリパ53は、前記取付部材の腕部(図示せず)に対してディスクロータ4の軸方向に沿って移動可能に支持されたキャリパ本体54と、このキャリパ本体54内に設けられた後述のピストン57および回転直動変換機構58と、電動モータ61等とを含んで構成されている。
【0064】
キャリパ本体54には、軸方向の一側が隔壁部55Aとなって閉塞されディスクロータ4に対向する他側が開口端となった有底円筒状のシリンダ部55と、該シリンダ部55からディスクロータ4を跨いで反対側へと延びる爪部56とが一体的に形成されている。キャリパ本体54のシリンダ部55は、ディスクロータ4の一側(インナ側)に設けられたインナ脚部を構成し、爪部56はディスクロータ4の他側(アウタ側)に設けられたアウタ脚部を構成するものである。
【0065】
キャリパ本体54のシリンダ部55には、後述の電動モータ61との間に位置して隔壁部55Aが一体形成され、該隔壁部55Aの内周側には、後述する電動モータ61の出力軸61Bが回転可能に装入されている。キャリパ本体54のシリンダ部55内には、ピストン57と後述の回転直動変換機構58等とが設けられている。
【0066】
ここで、ピストン57は、開口側となる軸方向の一側がシリンダ部55内に挿入され、インナ側のブレーキパッド52に対面する軸方向の他側が蓋部となって閉塞されている。また、シリンダ部55内には、ピストン57をシリンダ部55の軸方向に移動可能に案内するための回転直動変換機構58がピストン57の内部に収容して設けられている。
【0067】
回転直動変換機構58は、例えば台形ねじ等の雄ねじが形成された棒状体からなるねじ部材59と、内周側に例えば台形ねじからなる雌ねじが形成された直動部材60とにより構成されている。即ち、直動部材60の内周側に螺合したねじ部材59は、後述の電動モータ61による回転運動を直動部材60の直線運動に変換するねじ機構を構成している。この場合、直動部材60の雌ねじとねじ部材59の雄ねじとは、例えば台形ねじを用いて形成することにより、後述の電動モータ61に対する給電を停止した状態でも、直動部材60を任意の位置で摩擦力(保持力)により保持する保持手段を構成している。
【0068】
直動部材60の内周側に螺合して設けられたねじ部材59は、軸方向の一側に大径の鍔部となるフランジ部59Aが設けられ、軸方向の他側がピストン57の蓋部側に向けて延びている。ねじ部材59は、フランジ部59A側で後述する電動モータ61の出力軸61Bに一体的に連結されている。また、直動部材60の外周側には、直動部材60をピストン57に対して廻止め(相対回転を規制)し、軸方向の相対移動を許す係合突部60Aが設けられている。
【0069】
回転アクチュエータとしての電動モータ61は、モータケース61A内に設けられている。このモータケース61Aは、キャリパ本体54のシリンダ部55に隔壁部55Aの外側位置で固定して設けられている。電動モータ61は、ステータ、ロータ等(いずれも図示せず)を内蔵し、前記ロータと一体回転する出力軸61Bを有している。出力軸61Bは、シリンダ部55の隔壁部55Aを軸方向に貫通して延び、シリンダ部55内でねじ部材59のフランジ部59A側と一体回転するように連結されている。
【0070】
例えば、運転者が図1に示すパーキングスイッチ32を操作したときには、制動コントローラ7から出力される駐車ブレーキの制御信号等により電動モータ61に給電が行われ、電動モータ61の出力軸61Bが回転される。これにより、ねじ部材59は、出力軸61Bと一体に正方向または逆方向に回転され、回転直動変換機構58を介してピストン57を駆動することにより、ディスクブレーキ51は電動式の駐車ブレーキとして作動される。
【0071】
即ち、回転直動変換機構58は、ねじ部材59が直動部材60に対して相対回転すると、ピストン57内での直動部材60の回転が規制されているため、直動部材60は、ねじ部材59の回転角度に応じて軸方向に相対移動する。これにより、回転直動変換機構58は、回転運動を直線運動に変換する。なお、第3の実施形態においては、回転直動変換機構58をねじ機構により構成したが、これ以外の回転直動変換機構(例えば、ボールネジ機構、ローラランプ機構または精密ローラネジ機構等)を用いてもよい。
【0072】
シリンダ部55の隔壁部55Aには、ねじ部材59のフランジ部59Aとの間にスラスト軸受62の受承板62Aが固定して設けられている。この受承板62Aは、ねじ部材59からのスラスト荷重をスラスト軸受62を介して隔壁部62Aと一緒に受承するものである。また、シリンダ部55の開口端側には、ピストン57の蓋部側外周との間に可撓性を有した蛇腹状のシール部材63が取付けられ、該シール部材63は、シリンダ部55の開口端とピストン57との間をシールしている。
【0073】
64はスラスト軸受62の受承板62Aに設けられた半導体式歪センサで、該半導体式歪センサ64は、第1の実施の形態で述べた半導体式歪センサ34とほぼ同様に構成されている。しかし、この場合の半導体式歪センサ64は、スラスト軸受62の受承板62Aに埋設した状態で取付けられている。半導体式歪センサ64は、ねじ部材59に発生するスラスト荷重(即ち、ピストン57に付加する直動推力)を検出できると共に、これと垂直な方向の力である電動モータ61の駆動トルクも検出することができる。この駆動トルクと電動モータ28の供給電流に基づく回転トルクとを比較することで、電動式ディスクブレーキの故障検出を精度よく行うことができる。
【0074】
かくして、このように構成される第3の実施の形態でも、半導体式歪センサ64で検出したスラスト荷重の信号に基づき、電動モータ61をフィードバック制御することができ、電動式の駐車ブレーキとしてのディスクブレーキ51の制御を安定して行うことができる。また、電動式ディスクブレーキの故障検出を精度よく行うことができる。
【0075】
なお、前記第3の実施の形態では、半導体式歪センサ64をスラスト軸受62の受承板62Aに設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば半導体式歪センサ65を図8中に二点鎖線で示すように、電動モータ61の出力軸61Bに設ける構成としてもよい。
【0076】
この場合、半導体式歪センサ65は、内部に無線回路(図示せず)等を設けることができ、非接触でデータを取出すことも可能である。また、第2の実施の形態で述べた半導体式歪センサ44,46,47についても、無線データとして取り出す構成としてもよい。
【0077】
次に、上記第1の実施の形態に含まれる発明について述べる。半導体式歪センサは、該半導体式歪センサが固定される面の変形方向と当該変形方向毎の変形量とを検出する構成としている。これにより、ブレーキパッドまたは直動部材に付加される矢示X方向の直動推力と、これと垂直な方向である矢示Y方向の力(即ち、制動トルク)とを検出することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 車体
2 前輪(車輪)
3 後輪(車輪)
4 ディスクロータ
5 ブレーキペダル
6 ブレーキセンサ(ブレーキ操作検出手段)
7 制動コントローラ
11 電動式のディスクブレーキ
12 取付部材
13,52 ブレーキパッド
13A 裏板
14,53 キャリパ
15,54 キャリパ本体
16,55 シリンダ部
17,56 爪部
18 ピストンユニット
19,57 ピストン
20,41 ボールランプ機構(回転直動変換機構)
21 差動減速機構
22 パッド摩耗補償機構
23 回転ディスク
24,42 直動ディスク(直動部材)
25 ボール
27 モータ/制御装置ユニット
28,61 電動モータ
30 駐車ブレーキ機構
31 制御装置
34,35,44,46,47,64,65 半導体式歪センサ
43 軸部材
43A 配線挿通孔
45 リード線
58 回転直動変換機構
59 ねじ部材
60 直動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリパ本体の内部に、電動モータと、該電動モータの回転を直線運動に変換する回転直動変換機構とを設け、該回転直動変換機構により直動部材を推進させてブレーキパッドをディスクロータに押付けるディスクブレーキにおいて、
前記ブレーキパッドには、該直動部材の直動推力を検出すると共に、前記ブレーキパッドに伝達される制動トルクを検出する一つの半導体式歪センサが設けられ、
前記電動モータは、該半導体式歪センサで検出した前記直動推力および前記制動トルクに基づいて制御される構成としたことを特徴とするディスクブレーキ。
【請求項2】
前記半導体式歪センサは、該半導体式歪センサが固定される面の変形方向と当該変形方向毎の変形量とを検出することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−71642(P2013−71642A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212844(P2011−212844)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】