説明

ディーゼルエンジン制御方法及びディーゼルエンジンシステム

【課題】 エコランシステムを適用しても、燃費の悪化を抑えることができるディーゼルエンジン制御方法を提案する。
【解決手段】 各気筒にグロープラグ14を備えると共に、自動停止自動始動の機構を備えているディーゼルエンジン11の制御方法であって、前記ディーゼルエンジン11が自動停止したときに最初に圧縮行程となる第1圧縮気筒を判別し、該第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグへの通電量を他のグロープラグへの通電量より大きくする。始動に寄与しないグロープラグへの通電が抑制されるので、グロープラグに通電することによる燃費の悪化を抑制できる。また、グロープラグへ無駄な通電を行わないことによってグロープラグの劣化を抑制できるので耐久信頼性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディーゼルエンジンに関し、特に自動停止自動始動を行ういわゆるエコランシステムを採用しているディーゼルエンジンに適した制御方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にディーゼルエンジンには始動性を高めるため各気筒にグロープラグが設置されている。ディーゼルエンジンの始動時にはグロープラグへ通電を行って発熱させ、気筒内の圧縮空気温度を上昇させ確実に起動するようにしている。グロープラグの発熱には多量の電力を消費するので、従来からグロープラグに効率よく通電を行いながらディーゼルエンジンの始動性を向上させる技術が検討されている。例えば特許文献1は、ディーゼルエンジンの始動時にグロープラグに大電流を供給して急速加熱を図ると共に、この大電流の供給後にグロープラグに小電流を供給して安定加熱を図るグロープラグの通電制御方法を提案している。特許文献1の技術は、グロープラグへの大電流の供給をディーゼルエンジンのクランクキング開始時点より行うものとすることで、グロープラグの温度を過上昇させることなく厳寒環境でもディーゼルエンジンの始動性向上を図っている。
【0003】
また、特許文献2はガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関の自動停止制御に関する技術を提案する。より具体的には、特許文献2は車両が交差点等で走行停止したとき(アイドル状態で停止したとき)に内燃機関を自動停止すると共に、発進操作時には内燃機関を自動的に始動して発進可能とする自動停止自動始動システム(以下、エコランシステムと称す)に関する提案をしている。このエコランシステムは、所定条件が整ったときに内燃機関を自動停止することで燃費改善や排気ガス量を低減できる。なお、本明細書では、このエコランシステムを行うため内燃機関に組込まれる構成をアイドルストップ機構と称する。
【0004】
【特許文献1】特許2732066号公報
【特許文献2】特開2003−41967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
環境保護という観点から、グロープラグを備えたディーゼルエンジンに関しても特許文献2で開示するエコランシステムを採用することが望ましい。ところがエコランシステムを採用するとディーゼルエンジンが自動停止中に温度が低下して始動性が悪化することが頻繁に起こる。前述した特許文献1の通電方法では、グロープラグへの大電流の供給をクランキング開始時とすることで始動性の向上を図っている。この通電方法にエコランシステムを適用すると、自動停止後の始動時にグロープラグへ大電流の供給が繰り返されることになる。更に、この通電方法はクランキング開始時に、全てのグロープラグに電流を供給するようになっている。よって、特許文献1の通電方法と特許文献2のエコランシステムを単に組合せると、始動時のたびに全グロープラグへの大電流の供給が繰り返されて、燃費が悪化すると共にグロープラグが早期に劣化する虞がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、エコランシステムを適用しても、燃費の悪化を抑えることができ、またグロープラグへの負荷も低減できるディーゼルエンジン制御方法と装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、各気筒にグロープラグを備えると共に、自動停止自動始動の機構を備えているディーゼルエンジンの制御方法であって、前記ディーゼルエンジンが自動停止したときに、最初に圧縮行程となる第1圧縮気筒を判別し、該第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグへの通電量を他のグロープラグへの通電量より大きくするディーゼルエンジン制御方法によって達成される。
【0008】
本発明では、最初に圧縮行程となる第1圧縮気筒を判別し、この第1圧縮気筒に設けたグロープラグへの通電量を他のグロープラグへの通電量より大きくするので最も加熱を必要とする気筒を確実に昇温させてディーゼルエンジンの始動が確保される。始動に寄与しないグロープラグへの通電が抑制されるので、グロープラグに通電することによる燃費の悪化を抑制できる。また、グロープラグへ無駄な通電を行わないことによってグロープラグの劣化を抑制できるので耐久信頼性が向上する。
【0009】
そして、前記ディーゼルエンジンが自動停止したときに、各気筒のクランク角から前記第1圧縮気筒を判別し、該第1圧縮気筒の筒内温度が着火領域に入るように前記グロープラグへ通電することとしてもよい。また、前記第1圧縮気筒となるべき気筒のクランク角が所定角度より小さいときに、続いて圧縮行程に入る次の気筒を前記第1圧縮気筒としてもよい。
【0010】
また、前記第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグへの通電のみを行うようにしてもよい。また、前記第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグと、前記他のグロープラグの一部にのみ通電を行うようにしもよい。
【0011】
また、上記目的は自動停止自動始動の機構を備えているディーゼルエンジンと、前記ディーゼルエンジンの各気筒に配置したグロープラグと、前記ディーゼルエンジンが自動停止したときに最初に圧縮行程となる第1圧縮気筒を判別し、該第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグへの通電量が他のグロープラグへの通電量より大きくなるように制御する通電制御手段とを備えるディーゼルエンジンのシステムによっても達成できる。
【0012】
そして、前記各気筒のクランク角を検出するクランク角検出手段と、前記各気筒の温度を検出または推定する温度検出手段とをさらに含み、前記通電制御手段は、前記クランク角検出手段によって検出されたクランク角及び前記温度検出手段によって検出または推定された筒内温度と、予め設定したテーブルとを比較することにより前記第1圧縮気筒の筒内温度を着火領域とする前記グロープラグの通電量を算出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、グロープラグへの不必要な通電を抑制できるので、燃費の悪化を最小限に抑えることができる。また、不要な通電を抑制したことでグロープラグの劣化を抑制することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、車両に搭載されている状態のディーゼルエンジン11(以下、「エンジン」と称す)を中心に形成したエンジン制御システムを示すブロック図である。このエンジン11は4個の気筒12を備えた4気筒エンジンであり、図1の左から第1気筒12-1、第2気筒12-2、第2気筒12-2、第4気筒12-4となっている。各気筒12のそれぞれには燃料噴射用のインジェクタ13及び通電時に発熱して着火を補助するグロープラグ14が設けられている。各気筒12は同じ構成を有している。説明の都合上、気筒間での区別をする必要がある場合には添え字(−1〜−4)を付している。
【0015】
エンジン11のシステムは、ECU(電子制御ユニット)1によって全体的に制御されている。エンジン11の周部には、このエンジン11の状態を検出するための水温センサ2、エンジン回転数センサ3、クランク角センサ4が設置されている。また、車両の操作状態を確認するためブレーキペダル5aと連動したブレーキスイッチ5b、車速センサ6、アクセルペダル7aと連動したアイドルスイッチ7bが配置されている。上記複数のセンサやスイッチからの検出信号はECU1へ供給される。また、このシステムにはECU1によって駆動が制御されるスロットルバルブ8、燃料噴射ポンプ9、エンジンスタータ15及びエンジンスタータ15を駆動するバッテリ16を含んでいる。
【0016】
図1で示すシステムには、アイドルストップ機構(エンジン11の自動停止と自動始動を行うための構成)を含んでいる。ECU1は複数のセンサやスイッチからエンジンの駆動状態を確認して、所定条件が整った場合にエンジン11の自動停止自動始動の制御を開始する。ECU1によりアイドルストップ機構が駆動されたときの様子については後述する。
【0017】
ECU1にはマイクロコンピュータを中心として構成されており、内部のROM1aには、エンジンのアイドルストップ機構をなすエンジン自動停止プログラムやエンジン自動始動プログラムが格納されている。さらに、アイドルストップ機構が駆動されてエンジンが停止したときに、グロープラグ14への通電を制御するためのグロープラグ通電プログラムが格納されている。グロープラグ14への通電制御に関して以下で説明する。
【0018】
図2は、第1気筒12-1の一部を取り出して示した断面図である。なお、図2では図1と対応する部位に同じ符号を付している。この図2において、第1気筒12-1は図示しないウォータジャケットを含むシリンダブロック21-1内にピストン22-1が上下方向において往復動可能に収容されている。このピストン22-1にはコネクティングロッド23-1を介してクランクシャフト25に連結されている。このクランクシャフト25に固定されて同クランクシャフト25と一体に回転するクランクロータ26-1が設置されている。このクランクロータ26-1の外周面に対向するようにして、クランクロータ26-1の回転を検出するクランク角センサ4-1(クランク角検出手段)がシリンダブロック21-1に固定されている。また、第1気筒12-1の温度は、温度検出手段となる水温センサ2-1によって計測されている。クランク角センサ4-1及び水温センサ2-1の出力はECU1に供給される。
【0019】
図2に示した構成は、他の3個の気筒、すなわち第2気筒12-2〜第4気筒12-4についても同様である。よって、エンジン11を中心に形成した図1のエンジンシステムでは、アイドルストップ機構を起動しているときECU1が各気筒の水温Tw及びクランク角Akを常に確認できるようになっている。
【0020】
図3は、クランク角及びエンジン水温から推定した筒内温度と着火限界について示した図である。この図は、各気筒12-1〜12-4について同様であるので、ここでは第1気筒12-1の場合を例にして説明する。この図は上死点(TDC)を基準0(零)度としてクランク角センサ4-1によって検出されるクランク角を横軸に示している。縦軸は気筒内での圧縮時の温度である。T1〜T4は水温センサ2-1によって検出される水温Twである。T1が最も低温であり、T2、T3、T4となるに従って水温Twが高くなっている。また、図3で停止領域として示すのはエンジン11を停止したときにピストン22-1が停滞するおおよその位置に対応するクランク角を示したもので、始動時にはこの領域から圧縮行程に入ることになる。
【0021】
この図3は、第1気筒12-1が圧縮行程に入ったときに、水温Tw(すなわち筒内の温度)が着火限界以上の領域(着火領域)に入らないと着火しないことを示している。よって、黒丸で示すように低い水温T1状態で圧縮行程に入っても着火しないので、矢印FRで示すよう加熱して着火領域に入るように昇温させることが必要となる。この昇温のための加熱をグロープラグ14-1で行うことになる。
【0022】
ここで図3を参照して他の第2気筒12-2〜第4気筒12-4についても考える。着火の順序は第1気筒12-1、第3気筒12-3、第4気筒12-4、第2気筒12-2であり、第1気筒12-1のクランク角が図3の停止領域にある場合には他の気筒はこれから前後にずれた位置にあることになる。4個の気筒内で最初に圧縮行程に入る気筒(以下、第1圧縮気筒と称する。ここで説明している例では第1気筒12-1)は、下死点(BDC)を過ぎた位置に停止しており、この位置から圧縮を行うので実圧縮比を十分に確保できない状況となる。このように第1圧縮気筒は、エンジン11の始動直後に圧縮されるが着火し難い状態となっている。第1圧縮気筒が確実に着火して、膨張行程が行われないと始動性低下の原因となる。
【0023】
なお、上記第1圧縮気筒はグロープラグの通電を十分に行ったときに少なくとも着火する気筒とされる。図3を参照すると、ある気筒のクランク角が上死点(TDC)からの所定角度(例えば60度)よりも小さい−50度であるような場合、この気筒に大電流を供給しても着火が保証されないという場合がある。このような場合には、この気筒の後に圧縮行程に入る次の気筒を第1圧縮気筒とすることが好ましい。ここでいう着火を確保できない所定角度は各エンジンで適宜に定めることになる。
【0024】
図1で示すシステムでは確実に着火させたい第1圧縮気筒のグロープラグに、他の気筒のグロープラグよりも大きな電流を供給して着火させるように通電制御する。また、この通電制御によると従来のように4個全てのグロープラグに同じ通電を行わずに先ず第1圧縮気筒のグロープラグのみに通電を行う。よって、1つのグロープラグに4個分の電流を供給しなければ、始動時におけるグロープラグの消費電力は従来より軽減できる。第1圧縮気筒のグロープラグに供給する通電量はROM1aに記憶したテーブルに基づいてECU1が調整する。ROM1aに記憶すべきテーブルは、エンジン水温及びクランク角、より好ましくは外気温まで考慮して定めた最適な通電量をまとめた基本データから形成すればよい。なお、クランク角に基づいて上死点付近の圧力や温度も参照して、気筒内温度が確実に着火領域となるようして最適な通電量を定めることが更に望ましい。
【0025】
図1で示すエンジンシステムは、以上で説明したように第1圧縮気筒の筒内温度が着火領域に入るように、通電制御手段となるECU1によってグロープラグへの通電を制御するものである。グロープラグの通電制御に関するプログラムはROM1aに格納されており、ECU1によってプログラムが実行される。このシステムでは、グロープラグの通電制御に関するプログラムはアイドルストップ機構が駆動されたことと関連して起動される。
【0026】
アイドルストップ機構が駆動される条件(以下、エコラン開始条件という)について説明する。アイドルストップ機構をなすエンジンの自動停止プログラムは、(1)エンジンが暖機後であり、かつ、過熱していない状態(エンジン冷却水の水温Twが水温上限値Twmaxよりも低く、かつ、水温下限値Twminより高い)、(2)アクセルペダル10aが踏まれていない状態(アイドルスイッチ10b、オン)、(3)バッテリ16の充電量が基準電圧以上、(4)ブレーキペダル3aが踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ3b、オン)、(5)車両が停止している状態ことを条件に、自動的にエンジンを停止するように設定されている。
【0027】
ECU1はエンジン11の起動時から上記自動停止プログラムに基づいた制御を実行する。また、エンジン11が停止状態となった後には、エンジン11の自動始動プログラムによる制御を開始する。(1)〜(5)の自動停止条件のうち1つでも満たしていなかった場合には、ECU1はエンジン始動制御を開始する。エンジン始動制御が開始されると、ECU1は燃料噴射量変更プログラムに基づく制御を開始するECU1はエンジンスタータ15に指令を出してエンジンスタータ15を駆動するとともに、スロットルバルブ8に指令を出してスロットルバルブ8を開く。また、ECU1は燃料噴射ポンプ9に対し燃料噴射の指令を行う。このときの噴射量は初期燃料噴射量Qで、この初期燃料噴射量Qは、ECU1内の書き換え可能なメモリに記憶されたものを読み込む。
【0028】
図4は、アイドルストップ機構が駆動されていることを前提に実行されるグロープラグ通電制御のルーチンを示したフローチャートである。このルーチンもECU1によって実行される。ECU1はエコラン条件を満たしているか否かの確認を行う(S101)。エコラン条件は前述した通りである。ECU1はエコラン条件を満たしていると確認すると、エンジン11の停止制御を開始すると共に、クランク角センサ4の出力から各気筒第1気筒12-1〜第4気筒12-4のクランク位置を検出する(S102)。
【0029】
ECU1はエンジン11が停止したことを確認すると(S103)、各気筒のクランク角を確認する(S104)。そして、ECU1はクランク角から第1圧縮気筒とすべき気筒を特定し、ROM1aに記憶されている所定のテーブルを参照して、この気筒のグロープラグに最適な通電量を算出する。また、この気筒に続いて圧縮行程に入る、以後の第2圧縮気筒、第3圧縮気筒、第4圧縮気筒のグロープラグについて通電量も合せて算出する(S105)。ここで、算出される第2圧縮気筒以降の通電量は、第1圧縮気筒の通電量より小さくすることができる。第2圧縮気筒から第4圧縮気筒へ向けて、通電量を順に小さくするようにしてもよいし、第2圧縮気筒以後は同じ通電量としてもよい。このステップ105で算出した通電量で、第1圧縮気筒から順にそれぞれのグロープラグに通電すると(S106)、無駄なく加熱してエンジン11を確実に始動できる。
【0030】
以上説明したエンジン制御システムは、エコラン条件下でエンジンが停止し、始動するときに第1圧縮気筒への通電量を多くすることにより始動性が確保されている。このシステムでは各気筒のクランク角を確認して、必要な気筒に最適な通電量を与えるので燃費向上を図ることができる。特に、従来のように全ての気筒のグロープラグを同時に加熱するという無駄を抑制できるので、グロープラグで消費されるエネルギを確実に抑制できる。さらには、このシステムではグロープラグに無用な通電を行わないので劣化を抑制できる。よって、グロープラグの耐久信頼性が向上する。
【0031】
なお、図4で示すフローチャートでは第1圧縮気筒への通電量を算出した際に、これに続く気筒の通電量も算出して他のグロープラグへの円滑な通電を図った例を示している。しかし、他のグロープラグに通電を行うことは必須のことではない。第1圧縮気筒のグロープラグへの通電のみでエンジン11の始動が確保されたときには、残りの気筒のグロープラグへの通電を止めるように構成してもよい。すなわち、第1圧縮気筒への通電のみでエンジン11の始動が確保されたときには、更に第2気筒以降への通電を行わなくてもよい。また、第1圧縮気筒と第2圧縮気筒のグロープラグへのみに通電を行う組合せや、第1圧縮気筒と第3圧縮気筒のグロープラグへのみに通電を行う組合せとして、当初から通電を行わないグロープラグが含まれてもよい。このようにすると更に燃費の無駄を抑制できる。
【0032】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】車両に搭載されている状態のディーゼルエンジンを中心に形成したエンジン制御システムを示すブロック図である。
【図2】図1における第1気筒の一部を取り出して示した断面図である。
【図3】クランク角及びエンジン水温と着火限界について示した図である。
【図4】アイドルストップ機構が駆動されていることを前提に実行されるグロープラグ通電制御のルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
1 ECU
1a ROM
2 水温センサ
4 クランク角センサ
11 ディーゼルエンジン
12 気筒
14 グロープラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各気筒にグロープラグを備えると共に、自動停止自動始動の機構を備えているディーゼルエンジンの制御方法であって、
前記ディーゼルエンジンが自動停止したときに、最初に圧縮行程となる第1圧縮気筒を判別し、該第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグへの通電量を他のグロープラグへの通電量より大きくすることを特徴とするディーゼルエンジン制御方法。
【請求項2】
前記ディーゼルエンジンが自動停止したときに、各気筒のクランク角から前記第1圧縮気筒を判別し、該第1圧縮気筒の筒内温度が着火領域に入るように前記グロープラグへ通電することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン制御方法。
【請求項3】
前記第1圧縮気筒となるべき気筒のクランク角が所定角度より小さいときに、続いて圧縮行程に入る次の気筒を前記第1圧縮気筒とすることを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン制御方法。
【請求項4】
前記第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグへの通電のみを行うことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン制御方法。
【請求項5】
前記第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグと、前記他のグロープラグの一部にのみ通電を行うことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン制御方法。
【請求項6】
自動停止自動始動の機構を備えているディーゼルエンジンと、
前記ディーゼルエンジンの各気筒に配置したグロープラグと、
前記ディーゼルエンジンが自動停止したときに最初に圧縮行程となる第1圧縮気筒を判別し、該第1圧縮気筒に設けた前記グロープラグへの通電量が他のグロープラグへの通電量より大きくなるように制御する通電制御手段とを備えることを特徴とするディーゼルエンジンのシステム。
【請求項7】
前記各気筒のクランク角を検出するクランク角検出手段と、前記各気筒の温度を検出または推定する温度検出手段とをさらに含み、
前記通電制御手段は、前記クランク角検出手段によって検出されたクランク角及び前記温度検出手段によって検出または推定された筒内温度と、予め設定したテーブルとを比較することにより前記第1圧縮気筒の筒内温度を着火領域とする前記グロープラグの通電量を算出することを特徴とする請求項6に記載のディーゼルエンジンのシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−46251(P2006−46251A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230774(P2004−230774)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】