デジタル放送番組の提供方法およびデジタル放送サービス
【課題】 本発明の課題は、デジタル放送により送られたコンテンツデータを視聴者が複製する場合に、該コンテンツデータに対する著作権が適正に管理されるようにすることである。
【解決手段】 本発明は、放送によって送られる非スクランブルかつ不完全状態のコンテンツデータに基づく番組を視聴者に対して提供するとともに、通信回線を介して接続される複製管理サーバ側から複製管理情報を取得した前記視聴者に対して、前記不完全状態のコンテンツデータから復元される完全状態のコンテンツデータを所定の外部記録装置に記録できるようにしたことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法である。
【解決手段】 本発明は、放送によって送られる非スクランブルかつ不完全状態のコンテンツデータに基づく番組を視聴者に対して提供するとともに、通信回線を介して接続される複製管理サーバ側から複製管理情報を取得した前記視聴者に対して、前記不完全状態のコンテンツデータから復元される完全状態のコンテンツデータを所定の外部記録装置に記録できるようにしたことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル放送サービスおよびこのサービスを実現するシステムに関する。特に、本発明は、放送により視聴者に送られたデジタルデータを外部記録媒体に複製する際の複製管理技術に関する。
【0002】
【従来技術】放送信号を非スクランブル状態で送信する無料の放送サービスに対し、有料の放送サービスでは、一般に、放送事業者(放送局)は放送信号をスクランブルして送信し、契約した視聴者はスクランブルを解除するための鍵を用いて受信した放送信号をデスクランブルすることにより、番組を視聴している。
【0003】ところで、デジタル形式のコンテンツデータは、複製(コピー)を繰り返しても情報の劣化がないという特性を有するため、著作権者側は複製に対して一定の制限を課したり禁止し、または複製に対して課金するなどにより、デジタルデータの著作権保護を図っている。
【0004】すなわち、このようなデジタル形式のコンテンツデータの複製を適正に管理するためのシステムとして、CGMS(Copy Generation Management System)がある。このCGMSは、複製の世代を示す情報(以下「CGMS情報」という。)によってデジタルデータの複製の可否を判断するものである。このようなCGMS情報は、デジタル放送サービスでは例えばMPEG2規格のデジタルコピー制御記述子として伝送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のデジタル放送サービスでは、受信した放送信号に基づくデジタルデータを記録媒体に記録する場合等、デジタルデータに対する著作権保護が十分ではないという問題が指摘されている。
【0006】例えば、スクランブル状態で有料の放送サービスを行うのではなく、非スクランブル状態で無料の放送サービスを行うことを望む放送局が、デジタルデータの複製に対して一定の制限を課しあるいは禁止しまたは課金する場合には、既存のCGMSを用いるものの、仮にCGMSが無視されたような場合には、複製が何世代にもわたって繰り返されてしまい、デジタルデータに対する著作権を適正に管理することができないという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、デジタル放送により送られたデジタルデータを視聴者が複製する場合に、該デジタルデータに対する著作権が適正に管理されるようにすることを課題としている。
【0008】より具体的には、本発明の課題は、視聴者に無料で提供される番組のデジタルデータが完全な状態で外部記録媒体に出力される場合には、コンテンツの複製が行われたものとして視聴者に適正に課金することができるようにすることある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、放送によって送られる非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータに基づく番組を視聴者に対して提供するとともに、通信回線を介して接続される複製管理サーバ側から複製管理情報を取得した前記視聴者に対して、前記不完全状態のデジタルデータから復元される完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に記録できるようにしたことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法である。
【0010】また、本発明は、放送によって送られる第1の部分オブジェクト(第1の割り符)と前記複製管理サーバ側から取得した前記複製管理情報に含まれる第2の部分オブジェクト(第2の割り符)とに基づいて、前記不完全状態のデジタルデータから完全状態のデジタルデータに復元することを特徴とする。
【0011】さらに、本発明は、所定のデジタルデータが前記外部記録装置に記録されるごとに更新される複製履歴情報が前記視聴者から前記複製管理サーバ側に送られた場合に、前記複製管理サーバ側で前記複製履歴情報に基づいて前記視聴者に対して課金することを特徴とする。ここでいう所定のデジタルデータは、完全状態のデジタルデータでも不完全状態のデジタルデータであってもよい。
【0012】さらにまた、本発明は、前記視聴者が前記複製管理サーバ側に前記複製履歴情報を送ることを条件として、前記複製管理サーバ側は前記複製管理情報を前記視聴者に送ることを特徴とする。
【0013】ここで、不完全状態のデジタルデータは、完全状態のデジタルデータに所定の不要データを挿入し、所定の必要データを除去し、または所定の部分データを他の部分データに置換することにより作成される。また、前記デジタルデータは、TSレベル、PSレベルまたはコンテンツデータのいずれかに対して修正(変形)が行われ、それに対応して復元化が行われる。
【0014】また、本発明は、放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記放送により送られる非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを前記所定の外部記録装置に出力するごとに複製履歴情報を更新することを特徴とする受信端末装置である。
【0015】前記受信端末装置は、前記複製管理サーバから前記第2の部分オブジェクトを取得するために、前記複製履歴情報を前記複製管理サーバに送ることを特徴とする。
【0016】また、前記受信端末装置は、前記放送により送られる第1のパリティチェック値と前記完全状態のストリームに復元する際に得られる第2のパリティチェック値とに基づいて前記復元が正常に行われたか否かを判断し、前記復元が正常に行われたと判断する場合に、前記複製履歴情報を更新するようにしてもよい。
【0017】さらに、本発明は、放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記ストリームから第1の部分オブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記内部記録装置に記録されたデジタルデータを所定の外部記録装置に出力する出力手段と、前記出力手段により所定のデジタルデータが出力されるごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする受信端末装置である。
【0018】さらに、本発明は、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータを第2の部分オブジェクトと相まって前記完全状態のデジタルデータに復元するための第1の部分オブジェクトと、前記不完全状態のデジタルデータとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする放送装置である。
【0019】さらにまた、本発明は、デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置と、を備えたデジタル放送システムにおいて、前記放送装置が、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段とを備え、前記受信端末装置が、前記ストリームから第1のオブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記内部記録装置に記録されたデジタルデータを前記外部記録装置に出力する出力手段と、前記内部記録装置から所定のデジタルデータを前記外部記録装置に出力するごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段とを備えたことを特徴とするデジタル放送システムである。
【0020】また、本発明は、デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置とからなるデジタル放送システムによるデジタル放送番組の提供方法であって、前記放送装置が、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成し、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調して送信する一方、前記受信端末装置が、前記非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを出力するごとに複製履歴情報を更新する、ことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法である。
【0021】なお、本明細書において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】[第1の実施形態]図1は、本発明に係るデジタル放送サービスを実現するシステムの概要を説明するための図である。同図において、放送局1は図示しない送信装置を備え、テレビ放送番組やデータ放送番組を構成するデジタルデータ(コンテンツデータ)を各視聴者(ユーザ)の受信端末装置2に伝送可能なように構成されている。本実施形態では、MPEG2−TSを利用して、各種デジタルデータがストリームとして伝送されるものとする。受信端末装置2は放送電波として搬送されるデジタルデータを受信、復調し、放送番組として視聴者に提供する機能を備えるとともに、図示しない通信モデムを備え、この通信モデムにより通信回線を介して著作権管理センタ3に接続し、所定の通信プロトコルに従って通信可能なように構成されている。通信回線は、典型的には電話回線などが適用可能であるが、無線回線やインターネットであってもよい。受信端末装置2は、典型的には、テレビジョン受信機とともに用いられるセットトップボックス(STB)が相当するが、本発明に係る機能を内蔵したテレビジョン受信機であってもよい。著作権管理センタ3は、番組を構成するデジタルデータに対する著作権(特に、複製権)を管理するサーバを備え、受信端末装置2との間で通信回線を介して通信可能なように構成されている。著作権管理センタ3は受信端末装置2から複製履歴情報が送られてくることを条件に、受信端末装置2に複製管理情報を送る。著作権管理センタ3は、視聴者から送られてくる複製履歴情報に基づく著作権情報を管理する。著作権管理センタ3は、この著作権情報に従ってデジタルデータの複製を行った視聴者に対して課金し、請求するとともに、著作権者に著作権料(正確には複製に対する許諾料)を支払う。
【0024】以上のように構成されるデジタル放送システムは、以下のようなデジタル放送サービスを提供する。すなわち、放送局1は、番組を構成するコンテンツデータをスクランブルしていない状態(非スクランブル状態)で放送する。当該番組に対する視聴行為それ自体については、放送局1は視聴者に対して課金しないようにするためである。ただし、放送局1は、放送に際し、オリジナルのコンテンツデータのままではなく、視聴に影響を与えない程度に修正を加えておく。このように修正が加えられたデジタルデータを、ここでは不完全状態のデジタルデータと呼ぶことにし、オリジナルのデジタルを完全状態のデジタルデータと呼ぶことにする。不完全状態のデジタルデータとは、例えば、人間の視覚および/または聴覚レベルでは、その主観的評価で異常が認められないまたは異常は認められるが気にならない程度で、デジタル情報レベルではオリジナルのデジタルデータとは相違している。このような不完全状態のデジタルデータとしては、例えば、MPEG2−TSに対して修正が加えられたもの、PSに対して修正が加えられたもの、コンテンツデータに対して修正が加えられたものがあげられる。
【0025】視聴者は、著作権管理センタ3に対して複製管理情報を要求し、著作権管理センタ3から複製管理情報を取得する。この場合において、著作権管理センタ3は、視聴者から複製履歴情報が送られてきたことを条件に、複製管理情報を視聴者に与える。複製管理情報を取得した視聴者は、不完全状態のデジタルデータを完全状態のデジタルデータに復元することができるようになる。
【0026】一方で、視聴者がある番組を録画しようとする場合、完全状態のデジタルデータによる録画を希望するときは、複製に対する著作権料を支払う必要がある。このため、視聴者の受信端末装置2では、完全状態のデジタルデータを外部の記録媒体に出力するごとに、内部に保持している複製履歴情報を更新する。
【0027】すなわち、視聴者は、完全状態のデジタルデータを録画するためには、著作権管理センタ3から複製管理情報を取得する必要があり、このためには自身の複製履歴情報を送る必要がある。著作権管理センタ3は、送られてくる視聴者ごとの複製履歴情報に基づき著作権情報を管理することで、複製に対する著作権料を視聴者から徴収することができるようになる。従って、番組の視聴のみを希望する視聴者に対しては無料の放送サービスを提供することができるとともに、完全な状態のデジタルデータの複製を希望する視聴者に対しては、その複製に応じた分の適正な著作権料を徴収することができるようになる。
【0028】図2は、本実施形態に係る放送局のシステム構成を示すブロックダイアグラムである。映像音声制作装置201は、図示しないビデオカメラやビデオサーバなどから送出される、ある番組に関するデジタル形式のビデオデータ(映像データ)およびオーディオデータ(音声データ)をビデオ/オーディオデータエンコーダ(以下「映像音声データエンコーダ」という。)203に出力する。ここでは、ビデオデータおよびオーディオデータを、特にこだわらない限り、1つのデータとして扱うものとし、これを映像音声データというものとする。また、ある番組を構成する映像音声データであれば、それは上述したコンテンツデータと同義で用いることができる。映像音声制作装置201は、オリジナルの映像音声データに対して、視聴者の視聴に影響を与えない程度で修正を施して、不完全状態の映像音声データに変換する。
【0029】データ放送制作装置202は、データ放送用のコンテンツデータ(以下「データ放送データ」という。)をデータ放送データエンコーダ204に出力する。データ放送データは、テキストデータ、イメージデータ(静止画/動画データ)、オーディオデータ、スクリプト(制御プログラム)および表示オブジェクトデータなどにより構成される。なお、動画データは、ビデオデータと同義であるが、テレビジョン放送におけるビデオデータと区別する程度の意味で用いている。データ放送データは、図示しないオーサリング端末装置を用いて映像音声データやその他のデジタルデータに基づいて作成され、ファイルサーバなどに蓄積される。
【0030】放送管理装置203は、番組編成に関する情報に従って、映像音声制作装置201およびデータ放送制作装置202に対して映像音声データおよびデータ放送データの送出指示を行う。放送管理装置203はまた、番組提供サービスの運行に必要な各種情報を制御情報送出装置207に送出する。
【0031】映像音声データエンコーダ204は、放送管理装置204の制御により映像音声制作装置201から送出される映像音声データをMPEG2ビデオおよびMPEG2オーディオに従って圧縮符号化し、映像音声ストリームを生成する。映像音声データエンコーダ204は、生成した映像音声ストリームをPES形式で多重化部208に送出する。データ放送データエンコーダ205は、放送管理装置203の制御によりデータ放送制作装置202から送出されるデータ放送データを圧縮符号化し、データ放送ストリームを生成する。データ放送データエンコーダ205は、生成したデータ放送データをセクション形式で多重化部208に送出する。
【0032】イベントメッセージ送出部206は、データ放送制作装置202から送出されるデータ放送データに関連するイベントメッセージを制御情報送出装置17に送出する。イベントメッセージは、視聴者の受信端末装置によって解釈されるデータであり、受信端末装置2はこのイベントメッセージに従った処理を行う。つまり、放送局側からみれば、放送局1はイベントメッセージを用いて視聴者の受信端末装置2を制御することができる。制御情報送出装置207は、放送管理装置203から送出される各種情報およびイベントメッセージ送出部206から送出されるイベントメッセージに基づく制御情報を生成する。本実施形態に係る制御情報は、後述する拡張CGMS情報を含む。制御情報は、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)として規定される。制御情報送出装置207は、制御情報をセクション形式で多重化装置208に送出する。
【0033】多重化装置208は、PES形式の映像音声ストリームおよびデータ放送ストリーム並びにセクション形式の制御情報を多重化して、MPEG2−トランスポートストリーム(MPEG2−TS;以下「多重化ストリーム」という。)を生成する。多重化装置208は、多重化ストリームを生成する際に、さらに時刻管理情報などを必要に応じて重畳するとともに、秘匿すべき情報に対してスクランブルを行う。ただし、本発明に係るデジタル放送サービスとして提供される番組の映像音声ストリームは、無料の放送サービスを前提とするため、スクランブルは行われない。多重化装置208は、生成した多重化ストリームをデジタル変調装置209に送出する。
【0034】デジタル変調装置209は、多重化ストリームを所定の変調方式でデジタル変調し、送信部210にこれを送出する。所定の変調方式としては、例えば、8PSK方式やOFDM方式などが挙げられる。送信装置210は、デジタル変調されたストリームを放送波信号として中継局、例えば放送衛星に向けて伝送する。
【0035】図3は、本実施形態に係る受信端末装置2を含んで構成される受信システムの構成例を示す図である。このシステムは、図1に示した放送局1より放送衛星を介して伝送される放送電波を受信するアンテナ301と、その受信したストリームを選局し、復号するセットトップボックス302と、復号された映像音声データに基づいて映像や音声を出力する出力装置303と、セットトップボックス302または出力装置303に対してユーザが操作を行うリモートコントローラ304と、電話回線等の通信回線を介して外部のサーバとの間で通信を行うためのモデム305から構成される。
【0036】同図に示す受信端末装置2は、セットトップボックス302や出力装置303、モデム305とをそれぞれ別々に構成したが、適宜、一体型の受信端末装置2としても構成することができる。出力装置303は、典型的にはテレビジョン受信機が相当し、外部から入力端子を介して入力される映像音声信号に基づいて映像および音声を出力する。リモートコントローラ304は、例えば、電源ON/OFFボタン、チャンネル選局ボタン等が設けられ、セットトップボックス302の操作受信部はユーザが押下したボタンに対応する赤外線信号を受信する。また、リモートコントローラ304の代わりとして、機器のフロント部等に操作パネルを構成するようにしてもよい。
【0037】図4は、本実施形態に係る受信端末装置2のハードウェア構成を示す概略図である。受信端末装置2は、典型的には、受信機能、蓄積機能、通信機能および提示機能を備える。
【0038】同図において、コントローラ401は、CPU4011、RAM4012、ROM4013およびフラッシュメモリ4014を備え、これらはバスを介して相互に接続されている。このコントローラ401は、受信端末装置2全体の動作を司るとともに、他のハードウェア構成要素と相まって各種の機能を実現する。
【0039】チューナ402は、図示しないアンテナから供給される放送波信号の中から特定のトランスポンダに対応する放送波信号を選択し、デジタル復調部403に送出する。デジタル復調部403は、選択されて送出される放送波信号を所定の復調方式で復調し、所定のエラー訂正処理を行った後、TSデコーダ404に送出する。このデジタル復調回路202から送出される信号は、上述した多重化ストリームに対応するものである。TSデコーダ404は、送出される多重化ストリームを個別のストリームに分離し、MEPG−AVデコーダ405に送出する。このストリームは一連のTSパケットと見ることができる。本実施形態に係るTSデコーダ404は、後で詳述するように、他のハードウェア構成要素と相まって、分離された不完全状態のストリームを完全状態のストリームに復元する機能をも有する。MEPG−AVデコーダ405は、送出される映像音声ストリームをMPEG2ビデオおよびMPEG2オーディオに従って復号し、出力装置に出力する。
【0040】サウンド制御部406は、コントローラ401の制御の下、各種サウンドデータに基づいて付加音を生成する。生成された付加音は、MPEG2−AVデコーダ405から送られる音声データと重畳(合成)される。一方、OSD制御部407は、コントローラ401の制御の下、データ放送データに基づくテキストデータやイメージデータを生成する。生成されたこれらのデータは、MPEG2−AVデコーダ405から送られる映像データと重畳される。
【0041】外部記録装置I/F408は、図示しない外部記録装置に接続するためのインターフェースである。外部記録装置は、典型的には、ハードディスク装置やDVD−RW(DVD−RAM)装置、固体メモリ(例えば、「スマートメディア」や「メモリスティック」)などである。これらの記録装置は、記録媒体の利用に際し、CGMSおよび後述する拡張CGMSを装備することが好ましい。
【0042】通信部409(図3に示したモデム305に相当する。)は、通信回線を介して接続される外部のサーバとの間で、所定の通信プロトコルに従った通信サービスを提供する。本実施形態では、通信部409は、図1に示した著作権管理センタ3のサーバとの間の通信サービスを提供する。
【0043】ICカードI/F410は、所定の情報を記憶したICカードに接続するためのインターフェースである。ICカードには、例えば、視聴者の個人情報やスクランブル解除鍵等が記憶される。
【0044】図5は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。この複製管理機能は、図4に示したハードウェア構成要素のうち、コントローラ401、TSデコーダ404を中心にして実現される。
【0045】すなわち、分離部501は、上述したように、TSデコーダの基本的機能である多重化ストリームを個別ストリームに分離し、さらに分離された個別ストリームの中から映像音声データと制御情報(PSI/SI情報)とを分離する。分離部501は、映像音声データを復元化部502に出力し、制御情報に含まれている拡張CGMS情報を拡張CGMS情報記憶部503に出力する。拡張CGMS情報は、図6に示されように、コンテンツID、拡張CGMS方式ID、センタ接続情報、第1の割り符オブジェクト、パリティチェック情報およびサービス情報を含む。コンテンツIDは、番組のデジタルデータ(コンテンツデータ)を識別するための情報である。なお、ここでいうコンテンツIDは、著作権管理の観点からみた番組内容を識別する情報であり、MPEG2規格でいうイベントIDやローカルイベントIDに直接的に対応する情報である必要はない。拡張CGMS方式IDは、放送局から送られるデジタルデータが対応しているCGMSの方式を識別するための情報である。つまり、受信端末装置2は、放送局から送られる拡張CGMS方式IDによって示される拡張CGMS方式が自身の拡張CGMS方式に一致する場合に、拡張CGMSを機能させることができる。ここでいう拡張CGMSは、例えば、ソニー(株)製の「マジックゲート」などのように独自の方式で複製管理を行うものである。センタ接続情報は、著作権管理センタ3に接続するための情報であり、例えば、その電話番号やURL、ユーザアカウントなどである。第1の割り符オブジェクトは、不完全状態のデジタルデータ(映像音声データ)を完全状態のデジタルデータに復元するためプログラムおよび/またはデータである。ただし、復元化するためには、後述するように、第1の割り符オブジェクトに加えて、著作権管理センタ3から取得することができる第2の割り符オブジェクトが必要である。パリティチェック情報とは、復元化が正常に行われたか否かを判定するための情報であり、例えば数バイトの数値データで示される。サービス情報は、デジタルデータを複製する場合の料金データやその説明内容を含んでいる。
【0046】図5に戻り、復元化部502は、制御指令部504の指示の下、不完全状態のデジタルデータを完全状態のデジタルデータに復元する。復元化部502は、第1の割り符オブジェクトと第2の割り符オブジェクトとに基づいて合成オブジェクトを生成し、この合成オブジェクトによって復元化する。合成オブジェクトは、例えば、“第1の割り符オブジェクト XOR (第2の割り符オブジェクト OR受信端末装置の型番ID)”のような論理操作により生成される。TSレベルの不完全状態のデジタルデータとしては、例えば、これを構成するTSパケットの一部が別PIDの値で、つまり別のプライベートパケットとして送られたものがあげられる。
【0047】割り符取得部505は、制御指令部504の指示の下、通信部409を介して著作権管理センタ3のサーバに割り符取得要求を送り、サーバから第2の割り符オブジェクトを取得する。この場合、割り符取得部505は、その時点で複製履歴情報管理部506によって管理される複製履歴情報記憶部506’に記憶されている複製履歴情報を割り符取得要求に含めて送る。割り符取得部505は、取得した第2の割り符オブジェクトを第2割り符記憶部507に出力する。
【0048】TS/PS変換部508は、制御指令部504の指示の下、伝送フォーマットのTSから蓄積フォーマットのPSへの変換を実行する。なお、TSからPSへの変換に際しては、完全状態に復元されたTSであれば、エラーが発生することはないが、例えば、TS中の所定の制御記述子の値が不完全状態であるような場合には、データ構造上の矛盾のため、エラーが発生することになる。例えば、タイムスタンプPTSやDTSがPCRに対して不連続値として与えられ、adts_variable_header中のframe_lengthに不要パケットを含めない値が与えられ、または、adts_erro_checkのprotection_absent=='0'とするとともにcrc_checkに不要パケットを含めない値を与えられた場合に、このようなエラーが発生することになる。TS/PS変換部508は、変換したPSをスクランブラ510に送る。
【0049】スクランブラ510は、送られてくるPSに対して所定方式のスクランブルを行うものである。スクランブラ510は、スクランブルされたPSを一時記憶装置511に出力する。一時記憶装置511は、受信端末装置2内部に設けられた記憶装置であり、例えば、図4に示したフラッシュメモリにより実現される。この一時記憶装置511は、取り外し不可能な固定メモリであることが好ましい。一時記憶装置511は、PS形式のデジタルデータをコンテンツIDにしたがって記憶する。デスクランブラ512は、スクランブラ510に対応するものであり、スクランブルを解除する。なお、解除鍵は、ICカードから入力されるようにしてもよい。
【0050】CGMS513は、CCI(Copy Control Information)に従ってデータの通過(つまり複製)を許可する。CCIは、デジタルコピー制御記述子(DigitalCopy Control Descriptor)中のDigital_recording control_dataと同じ情報の2bitのフラグである。CGMS513は、例えば、5CDCTPやSCMSを含む複製管理のためのゲートである。
【0051】拡張CGMS514は、複製管理のためのゲートである。つまり、拡張CGMS514は、拡張CGMS情報記憶部503に記憶された拡張CGMS方式IDが自身のものを示している場合に、デジタルデータの通過を管理する。この場合に、拡張CGMS514は、所定の方式に従って出力データに対してスクランブルを行い、入力データにデスクランブルを行ってもよい。拡張CGMS514は、外部記録装置にデジタルデータを出力する場合には、複製履歴情報管理部506にそのコンテンツIDおよびその出力日時を通知する。
【0052】一方、ハッシュ演算部515は、所定のハッシュ関数を有し、コンテンツデータから得られる所定の引数に基づいてハッシュ値を計算する。ハッシュ演算部515は、求めたハッシュ値を復元化判定部515に送る。復元化判定部516は、拡張CGMS情報記憶部503に記憶されたパリティチェック情報と、ハッシュ演算部501で求められたハッシュ値とを比較し、両者が一致する場合に、復元化が正常に行われたと判断し、その旨を複製履歴情報管理部506に通知する。
【0053】複製履歴情報管理部506は、外部記録装置に完全状態のデジタルデータが出力された場合に、複製履歴情報記憶部506に記憶された複製履歴情報の内容を更新する。すなわち、複製履歴情報管理部506は、拡張CGMS514からコンテンツIDおよび出力日時を受け取り、かつ、復元化判定部502からそのデジタルデータに対する復元が正常に行われた旨を受け取ると、複製履歴情報記憶部506に記憶された複製履歴情報の内容を更新する。複製履歴情報は、例えば、図7に示されるように、シリアル番号、コンテンツIDおよび出力日時からなる。なお、複製履歴情報管理部506は、これらのデータの改竄を防止するため、複製履歴情報をスクランブルして複製履歴情報記憶部506’に記憶させてもよい。
【0054】次に、以上のように構成される本実施形態に係る受信端末装置2の動作について説明する。
【0055】図8は、本実施形態に係る受信端末装置2の復元化有効処理を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、復元化部502は、拡張CGMS情報記憶部503に第1の割り符オブジェクトが記憶されているか否かをチェックするとともに(STEP801)、第2割り符記憶部507に第2の割り符オブジェクトが記憶されているか否かをチェックする(STEP802)。復元化部502は、いずれかの割り符オブジェクトが記憶されていないと判断する場合には、自身の復元化機能をOFFに(無効化)する。一方、第1の割り符オブジェクトおよび第2の割り符オブジェクトが記憶されていると判断する場合には、復元化部502は、これらを読み込んで合成オブジェクトを生成し(STEP803)、自身の復元化機能をON(有効化)する。これにより、復元化部502は、合成オブジェクトに従って、入力される不完全状態のデジタルデータ(TSパケット)を完全状態のデジタルデータに復元することができるようになる。ただし、復元化部502は、真正な合成オブジェクトである場合にのみ、完全状態のコンテンツデータに復元するのであって、例えば、偽造された割り符オブジェクトに基づいて合成オブジェクトが生成された場合に、完全状態のデジタルデータに復元するわけではない。
【0056】図9は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理処理を説明するためのフローチャートである。同図において、外部記録装置に対するデジタルデータの出力指示を受信端末装置2が視聴者から受け付けると、TS/PS変換部509は、復元化部502を介して得られるTS形式のデジタルデータをPS形式のデジタルデータに変換する(STEP901A)。TS/PS変換部509は、この変換の際にエラー(障害)が生じた場合には、出力処理を中止する(STEP902AのYes)。スクランブラ510は、変換されたPS形式のコンテンツデータに対してスクランブルを行い(STEP903)、一時記憶装置511に出力する。そして、拡張CGMS514は、一時記憶装置511を介して得られるコンテンツデータを外部記憶装置に出力するとともに、コンテンツIDおよびこの時点の出力日時を複製履歴情報管理部506に通知する(STEP904)。
【0057】上記処理の一方で、ハッシュ演算部515は、TS形式のコンテンツデータから得られる所定の引数に基づいてハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値を復元化判定部516に送る(STEP901B)。復元化判定部516は、このハッシュ値と、拡張CGMS情報記憶部503に記憶されたパリティチェック情報とに基づいて復元化が成功したか否か(つまり復元が真正に行われたか否か)を判定し、その判定結果を複製履歴情報管理部506に通知する(STEP902B)。
【0058】複製履歴情報管理部506は、復元化判定部516から送られる判定結果が復元化成功を示す場合には(STEP905)、拡張CGMS514から送られるコンテンツIDおよび出力日時を複製履歴情報に追加する(STEP906)。これにより、外部記録装置にデジタルデータが出力されたことが履歴として記録されることになる。
【0059】以上のように、本実施形態によれば、視聴に影響を与えない程度に修正を加えた、非スクランブル状態のデジタルデータを提供することにしているので、無料の放送サービスを提供することができる。特に、本実施形態では、デジタルデータの複製を希望する視聴者に対して確実に課金することができるようになる。これにより、デジタルデータの著作権を適正に管理することができるようになる。
【0060】なお、どのような複製の場合に視聴者に課金するかは、著作権管理センタ3の運用に委ねることができ、例えば、完全状態で複製する場合に、その複製した分に応じて視聴者に課金することができるようにしてもよい。
【0061】[第2の実施形態]本実施形態は、上記第1の実施形態の変形であり、復元化の判定を著作権管理センタ3側で行うことを特徴としている。したがって、本実施形態では、放送局1は、パリティチェック情報を拡張CGMS情報に含めて送る必要はない。著作権管理センタ3は、受信端末装置2で算出されたハッシュ値に基づいて復元化が真正であったか否かを判定することになる。
【0062】図10は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。同図では、上記実施形態と同じ構成要素(機能実現手段)には同じ符号が付されている。
【0063】すなわち、本実施形態に係る受信端末装置2では、基本的には、図5に示した復元化判定部516を省略することができる。複製履歴情報管理部506は、拡張CGMS5014からコンテンツIDおよびその出力日時を受け取るとともに、ハッシュ演算部515からハッシュ値を受け取って、図11に示すような複製履歴情報として複製履歴情報記憶部516’に記憶する。
【0064】以上のように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の利点が得られる。特に、本実施形態では、放送局1は、パリティチェック情報を視聴者に放送により送る必要がないため、より強固な著作権管理を行うことができるようになる。
【0065】[第3の実施形態]本実施形態は、上記第1の実施形態および/または第2の実施形態の変形であり、TS/PS変換に際しても復元化を行うことを特徴としている。
【0066】図12は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。同図では、上記実施形態と同じ構成要素(機能実現手段)には同じ符号が付されている。
【0067】同図において、合成オブジェクト生成部1201は、上述した復元化部502の機能の一部を独立に構成したものである。TS/PS変換部509は、TS/PS変換機能に加え、合成オブジェクト生成部1201によって生成された合成オブジェクトに基づいて、不完全状態のデジタルデータを完全状態のデジタルデータにPSレベルで復元する機能をさらに有する。つまり、TS/PS変換部509は、合成オブジェクトを得ることができない場合には、不完全状態のTSからPSへの変換に際し、エラーを発生させることになる。
【0068】放送局1は、PSレベルの不完全状態のデジタルデータを得るため、例えば、映像データの並びを左右入れ替えたり、音声データのL/RステレオとM/Sステレオとを入れ替えるなどの操作を行う。また、映像と音声との同期をわずかにずらすという操作を行ってもよい。つまり、合成オブジェクトは、これらの操作が行われたPSをもとに戻すための逆操作を行うことになる。
【0069】なお、合成オブジェクト生成部1201は、復元化部502に対する合成オブジェクトと、TS/PS変換部509に対する合成オブジェクトというように、それぞれ生成するように構成してもよい。
【0070】以上のように、本実施形態によれば、上記実施形態と同様の利点を得ることができるとともに、視聴者はTSレベルの復元化とPSレベルの復元化を必要とするので、複製に対するセキュリティをさらに高めることができるようになる。
【0071】[第4の実施形態]本実施形態は、上記実施形態の変形であり、具体的には、放送局1がTSレベルやPSレベルでのデジタルデータに対する操作に加え、コンテンツデータに対する操作を加えて放送を行い、視聴者の受信端末装置2において合成オブジェクトに基づいてこれら操作に対する復元化を行うことを特徴とする。ここで、コンテンツデータに対する操作とは、オリジナルのコンテンツデータそのものに対する操作であり、例えば、ナレーションなどの他の音声データを重畳したりすることである。また、映像データそのものの並びを左右入れ替えたり、音声データのL/RステレオとM/Sステレオとを入れ替えるなどの操作を行ってもよい。
【0072】図13は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。同図では、上記実施形態と同じ構成要素(機能実現手段)には同じ符号が付されている。
【0073】同図において、コンテンツ復元化部1301は、合成オブジェクト生成部1201によって生成された合成オブジェクトに基づいて、完全状態のデジタルデータ(コンテンツデータ)に復元化する。つまり、本実施形態では、TS復元化部502により復元化され出力されたデジタルデータは、TSレベルでは完全状態であるが、コンテンツデータとしては不完全状態ということになる。このため、コンテンツ復元化部1301により、完全状態のコンテンツデータに復元化する。例えば、オリジナルのデジタルデータにナレーションなどの音声データが重畳されている場合には、コンテンツ復元部1301は、合成オブジェクトに従って重畳された音声データを除去する。したがって、放送局1は、コンテンツデータのどの部分にどのような音声データを重畳したかが分かっているため、これを除去するための割り符オブジェクトを受信端末装置2に送ればよいことになる。
【0074】以上のように、本実施形態によれば、上記実施形態と同様の利点を得ることができるとともに、視聴者はさらにコンテンツデータそのものの復元化を必要とするので、複製に対するセキュリティをさらに高めることができるようになる。
【0075】[第5の実施形態]本実施形態は、放送局1が過去に送った番組のデジタルデータ(コンテンツデータ)と同一のコンテンツIDが与えられた他のコンテンツデータを送ることを特徴とする。これにより、受信端末装置2は、内部の記憶装置に一時的に記憶されたコンテンツデータを、後から送られた他のコンテンツデータに差し替えることになる。
【0076】すなわち、本実施形態では、放送局1は、上記実施形態と同様に、放送により不完全状態のコンテンツデータAを受信端末装置2に送る。受信端末装置2は、第1および第2の割り符オブジェクトから得られる合成オブジェクトに基づいて完全状態のコンテンツデータに復元し、受信端末装置2内部の記憶装置(図5に示した一時記憶装置511)に一時的に記憶することもできる。この段階で、視聴者が外部記録装置への出力指示を行った場合には、受信端末装置2は複製履歴情報を収集し、管理することになる。
【0077】放送局1は、コンテンツデータAを送ってから所定時間経過後に、このコンテンツデータAと同一のコンテンツIDが与えられた他のコンテンツデータBを放送する。したがって、受信端末装置2が他のコンテンツデータBを内部の記憶装置に記憶する場合には、コンテンツIDが同一であるため、先のコンテンツデータAは、後から送られた他のコンテンツデータBに置き換わる。
【0078】コンテンツデータBは、例えば、無音のデータとする。したがって、視聴者が内部記録装置に記憶されたコンテンツデータを外部記録装置に出力したとしても、視聴者が意図したとおりの結果を得ることができないことになる。一方で、受信端末装置2は、この出力により複製履歴情報を収集し、管理する。ただし、コンテンツデータBに基づくハッシュ値は、コンテンツデータAに基づくハッシュ値と異なる結果になり、復元化が成功しなかったものとみなすことができる。これにより、複製管理センタ3は、この受信端末装置2から複製履歴情報を受け付けた場合には、無音のデータ(コンテンツデータB)を外部記録装置に出力した場合を除き、著作権料を課金するということもできる。
【0079】上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、デジタル放送により送られたデジタルデータを視聴者が複製する場合に、該デジタルデータに対する著作権を適正に管理できるようになる。特に、本発明によれば、視聴のみを希望する視聴者に対しては、非スクランブル状態のデジタルデータを提供することにしているので、無料の放送サービスを提供することができ、デジタルデータの複製を希望する視聴者に対して確実に課金することができるようになる。これにより、デジタルデータの著作権を適正に管理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタル放送サービスを実現するシステムの概要を説明するための図である。
【図2】第1の実施形態に係る放送局のシステム構成を示すブロックダイアグラムである。
【図3】第1の実施形態に係る受信端末装置を含んで構成される受信システムの構成例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る受信端末装置2のハードウェア構成を示す概略図である。
【図5】第1の実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図6】本実施形態に係る拡張CGMS情報を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係る複製履歴情報を説明するための図である。
【図8】第1の実施形態に係る受信端末装置の復元化有効処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係る受信端末装置の複製管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る受信端末装置の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図11】第2の実施形態に係る複製履歴情報を説明するための図である。
【図12】第3の実施形態に係る受信端末装置の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図13】第4の実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1…放送局
2…受信端末装置
3…著作権管理サーバ
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル放送サービスおよびこのサービスを実現するシステムに関する。特に、本発明は、放送により視聴者に送られたデジタルデータを外部記録媒体に複製する際の複製管理技術に関する。
【0002】
【従来技術】放送信号を非スクランブル状態で送信する無料の放送サービスに対し、有料の放送サービスでは、一般に、放送事業者(放送局)は放送信号をスクランブルして送信し、契約した視聴者はスクランブルを解除するための鍵を用いて受信した放送信号をデスクランブルすることにより、番組を視聴している。
【0003】ところで、デジタル形式のコンテンツデータは、複製(コピー)を繰り返しても情報の劣化がないという特性を有するため、著作権者側は複製に対して一定の制限を課したり禁止し、または複製に対して課金するなどにより、デジタルデータの著作権保護を図っている。
【0004】すなわち、このようなデジタル形式のコンテンツデータの複製を適正に管理するためのシステムとして、CGMS(Copy Generation Management System)がある。このCGMSは、複製の世代を示す情報(以下「CGMS情報」という。)によってデジタルデータの複製の可否を判断するものである。このようなCGMS情報は、デジタル放送サービスでは例えばMPEG2規格のデジタルコピー制御記述子として伝送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のデジタル放送サービスでは、受信した放送信号に基づくデジタルデータを記録媒体に記録する場合等、デジタルデータに対する著作権保護が十分ではないという問題が指摘されている。
【0006】例えば、スクランブル状態で有料の放送サービスを行うのではなく、非スクランブル状態で無料の放送サービスを行うことを望む放送局が、デジタルデータの複製に対して一定の制限を課しあるいは禁止しまたは課金する場合には、既存のCGMSを用いるものの、仮にCGMSが無視されたような場合には、複製が何世代にもわたって繰り返されてしまい、デジタルデータに対する著作権を適正に管理することができないという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、デジタル放送により送られたデジタルデータを視聴者が複製する場合に、該デジタルデータに対する著作権が適正に管理されるようにすることを課題としている。
【0008】より具体的には、本発明の課題は、視聴者に無料で提供される番組のデジタルデータが完全な状態で外部記録媒体に出力される場合には、コンテンツの複製が行われたものとして視聴者に適正に課金することができるようにすることある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、放送によって送られる非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータに基づく番組を視聴者に対して提供するとともに、通信回線を介して接続される複製管理サーバ側から複製管理情報を取得した前記視聴者に対して、前記不完全状態のデジタルデータから復元される完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に記録できるようにしたことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法である。
【0010】また、本発明は、放送によって送られる第1の部分オブジェクト(第1の割り符)と前記複製管理サーバ側から取得した前記複製管理情報に含まれる第2の部分オブジェクト(第2の割り符)とに基づいて、前記不完全状態のデジタルデータから完全状態のデジタルデータに復元することを特徴とする。
【0011】さらに、本発明は、所定のデジタルデータが前記外部記録装置に記録されるごとに更新される複製履歴情報が前記視聴者から前記複製管理サーバ側に送られた場合に、前記複製管理サーバ側で前記複製履歴情報に基づいて前記視聴者に対して課金することを特徴とする。ここでいう所定のデジタルデータは、完全状態のデジタルデータでも不完全状態のデジタルデータであってもよい。
【0012】さらにまた、本発明は、前記視聴者が前記複製管理サーバ側に前記複製履歴情報を送ることを条件として、前記複製管理サーバ側は前記複製管理情報を前記視聴者に送ることを特徴とする。
【0013】ここで、不完全状態のデジタルデータは、完全状態のデジタルデータに所定の不要データを挿入し、所定の必要データを除去し、または所定の部分データを他の部分データに置換することにより作成される。また、前記デジタルデータは、TSレベル、PSレベルまたはコンテンツデータのいずれかに対して修正(変形)が行われ、それに対応して復元化が行われる。
【0014】また、本発明は、放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記放送により送られる非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを前記所定の外部記録装置に出力するごとに複製履歴情報を更新することを特徴とする受信端末装置である。
【0015】前記受信端末装置は、前記複製管理サーバから前記第2の部分オブジェクトを取得するために、前記複製履歴情報を前記複製管理サーバに送ることを特徴とする。
【0016】また、前記受信端末装置は、前記放送により送られる第1のパリティチェック値と前記完全状態のストリームに復元する際に得られる第2のパリティチェック値とに基づいて前記復元が正常に行われたか否かを判断し、前記復元が正常に行われたと判断する場合に、前記複製履歴情報を更新するようにしてもよい。
【0017】さらに、本発明は、放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記ストリームから第1の部分オブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記内部記録装置に記録されたデジタルデータを所定の外部記録装置に出力する出力手段と、前記出力手段により所定のデジタルデータが出力されるごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする受信端末装置である。
【0018】さらに、本発明は、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータを第2の部分オブジェクトと相まって前記完全状態のデジタルデータに復元するための第1の部分オブジェクトと、前記不完全状態のデジタルデータとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする放送装置である。
【0019】さらにまた、本発明は、デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置と、を備えたデジタル放送システムにおいて、前記放送装置が、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段とを備え、前記受信端末装置が、前記ストリームから第1のオブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記内部記録装置に記録されたデジタルデータを前記外部記録装置に出力する出力手段と、前記内部記録装置から所定のデジタルデータを前記外部記録装置に出力するごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段とを備えたことを特徴とするデジタル放送システムである。
【0020】また、本発明は、デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置とからなるデジタル放送システムによるデジタル放送番組の提供方法であって、前記放送装置が、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成し、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調して送信する一方、前記受信端末装置が、前記非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを出力するごとに複製履歴情報を更新する、ことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法である。
【0021】なお、本明細書において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】[第1の実施形態]図1は、本発明に係るデジタル放送サービスを実現するシステムの概要を説明するための図である。同図において、放送局1は図示しない送信装置を備え、テレビ放送番組やデータ放送番組を構成するデジタルデータ(コンテンツデータ)を各視聴者(ユーザ)の受信端末装置2に伝送可能なように構成されている。本実施形態では、MPEG2−TSを利用して、各種デジタルデータがストリームとして伝送されるものとする。受信端末装置2は放送電波として搬送されるデジタルデータを受信、復調し、放送番組として視聴者に提供する機能を備えるとともに、図示しない通信モデムを備え、この通信モデムにより通信回線を介して著作権管理センタ3に接続し、所定の通信プロトコルに従って通信可能なように構成されている。通信回線は、典型的には電話回線などが適用可能であるが、無線回線やインターネットであってもよい。受信端末装置2は、典型的には、テレビジョン受信機とともに用いられるセットトップボックス(STB)が相当するが、本発明に係る機能を内蔵したテレビジョン受信機であってもよい。著作権管理センタ3は、番組を構成するデジタルデータに対する著作権(特に、複製権)を管理するサーバを備え、受信端末装置2との間で通信回線を介して通信可能なように構成されている。著作権管理センタ3は受信端末装置2から複製履歴情報が送られてくることを条件に、受信端末装置2に複製管理情報を送る。著作権管理センタ3は、視聴者から送られてくる複製履歴情報に基づく著作権情報を管理する。著作権管理センタ3は、この著作権情報に従ってデジタルデータの複製を行った視聴者に対して課金し、請求するとともに、著作権者に著作権料(正確には複製に対する許諾料)を支払う。
【0024】以上のように構成されるデジタル放送システムは、以下のようなデジタル放送サービスを提供する。すなわち、放送局1は、番組を構成するコンテンツデータをスクランブルしていない状態(非スクランブル状態)で放送する。当該番組に対する視聴行為それ自体については、放送局1は視聴者に対して課金しないようにするためである。ただし、放送局1は、放送に際し、オリジナルのコンテンツデータのままではなく、視聴に影響を与えない程度に修正を加えておく。このように修正が加えられたデジタルデータを、ここでは不完全状態のデジタルデータと呼ぶことにし、オリジナルのデジタルを完全状態のデジタルデータと呼ぶことにする。不完全状態のデジタルデータとは、例えば、人間の視覚および/または聴覚レベルでは、その主観的評価で異常が認められないまたは異常は認められるが気にならない程度で、デジタル情報レベルではオリジナルのデジタルデータとは相違している。このような不完全状態のデジタルデータとしては、例えば、MPEG2−TSに対して修正が加えられたもの、PSに対して修正が加えられたもの、コンテンツデータに対して修正が加えられたものがあげられる。
【0025】視聴者は、著作権管理センタ3に対して複製管理情報を要求し、著作権管理センタ3から複製管理情報を取得する。この場合において、著作権管理センタ3は、視聴者から複製履歴情報が送られてきたことを条件に、複製管理情報を視聴者に与える。複製管理情報を取得した視聴者は、不完全状態のデジタルデータを完全状態のデジタルデータに復元することができるようになる。
【0026】一方で、視聴者がある番組を録画しようとする場合、完全状態のデジタルデータによる録画を希望するときは、複製に対する著作権料を支払う必要がある。このため、視聴者の受信端末装置2では、完全状態のデジタルデータを外部の記録媒体に出力するごとに、内部に保持している複製履歴情報を更新する。
【0027】すなわち、視聴者は、完全状態のデジタルデータを録画するためには、著作権管理センタ3から複製管理情報を取得する必要があり、このためには自身の複製履歴情報を送る必要がある。著作権管理センタ3は、送られてくる視聴者ごとの複製履歴情報に基づき著作権情報を管理することで、複製に対する著作権料を視聴者から徴収することができるようになる。従って、番組の視聴のみを希望する視聴者に対しては無料の放送サービスを提供することができるとともに、完全な状態のデジタルデータの複製を希望する視聴者に対しては、その複製に応じた分の適正な著作権料を徴収することができるようになる。
【0028】図2は、本実施形態に係る放送局のシステム構成を示すブロックダイアグラムである。映像音声制作装置201は、図示しないビデオカメラやビデオサーバなどから送出される、ある番組に関するデジタル形式のビデオデータ(映像データ)およびオーディオデータ(音声データ)をビデオ/オーディオデータエンコーダ(以下「映像音声データエンコーダ」という。)203に出力する。ここでは、ビデオデータおよびオーディオデータを、特にこだわらない限り、1つのデータとして扱うものとし、これを映像音声データというものとする。また、ある番組を構成する映像音声データであれば、それは上述したコンテンツデータと同義で用いることができる。映像音声制作装置201は、オリジナルの映像音声データに対して、視聴者の視聴に影響を与えない程度で修正を施して、不完全状態の映像音声データに変換する。
【0029】データ放送制作装置202は、データ放送用のコンテンツデータ(以下「データ放送データ」という。)をデータ放送データエンコーダ204に出力する。データ放送データは、テキストデータ、イメージデータ(静止画/動画データ)、オーディオデータ、スクリプト(制御プログラム)および表示オブジェクトデータなどにより構成される。なお、動画データは、ビデオデータと同義であるが、テレビジョン放送におけるビデオデータと区別する程度の意味で用いている。データ放送データは、図示しないオーサリング端末装置を用いて映像音声データやその他のデジタルデータに基づいて作成され、ファイルサーバなどに蓄積される。
【0030】放送管理装置203は、番組編成に関する情報に従って、映像音声制作装置201およびデータ放送制作装置202に対して映像音声データおよびデータ放送データの送出指示を行う。放送管理装置203はまた、番組提供サービスの運行に必要な各種情報を制御情報送出装置207に送出する。
【0031】映像音声データエンコーダ204は、放送管理装置204の制御により映像音声制作装置201から送出される映像音声データをMPEG2ビデオおよびMPEG2オーディオに従って圧縮符号化し、映像音声ストリームを生成する。映像音声データエンコーダ204は、生成した映像音声ストリームをPES形式で多重化部208に送出する。データ放送データエンコーダ205は、放送管理装置203の制御によりデータ放送制作装置202から送出されるデータ放送データを圧縮符号化し、データ放送ストリームを生成する。データ放送データエンコーダ205は、生成したデータ放送データをセクション形式で多重化部208に送出する。
【0032】イベントメッセージ送出部206は、データ放送制作装置202から送出されるデータ放送データに関連するイベントメッセージを制御情報送出装置17に送出する。イベントメッセージは、視聴者の受信端末装置によって解釈されるデータであり、受信端末装置2はこのイベントメッセージに従った処理を行う。つまり、放送局側からみれば、放送局1はイベントメッセージを用いて視聴者の受信端末装置2を制御することができる。制御情報送出装置207は、放送管理装置203から送出される各種情報およびイベントメッセージ送出部206から送出されるイベントメッセージに基づく制御情報を生成する。本実施形態に係る制御情報は、後述する拡張CGMS情報を含む。制御情報は、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)として規定される。制御情報送出装置207は、制御情報をセクション形式で多重化装置208に送出する。
【0033】多重化装置208は、PES形式の映像音声ストリームおよびデータ放送ストリーム並びにセクション形式の制御情報を多重化して、MPEG2−トランスポートストリーム(MPEG2−TS;以下「多重化ストリーム」という。)を生成する。多重化装置208は、多重化ストリームを生成する際に、さらに時刻管理情報などを必要に応じて重畳するとともに、秘匿すべき情報に対してスクランブルを行う。ただし、本発明に係るデジタル放送サービスとして提供される番組の映像音声ストリームは、無料の放送サービスを前提とするため、スクランブルは行われない。多重化装置208は、生成した多重化ストリームをデジタル変調装置209に送出する。
【0034】デジタル変調装置209は、多重化ストリームを所定の変調方式でデジタル変調し、送信部210にこれを送出する。所定の変調方式としては、例えば、8PSK方式やOFDM方式などが挙げられる。送信装置210は、デジタル変調されたストリームを放送波信号として中継局、例えば放送衛星に向けて伝送する。
【0035】図3は、本実施形態に係る受信端末装置2を含んで構成される受信システムの構成例を示す図である。このシステムは、図1に示した放送局1より放送衛星を介して伝送される放送電波を受信するアンテナ301と、その受信したストリームを選局し、復号するセットトップボックス302と、復号された映像音声データに基づいて映像や音声を出力する出力装置303と、セットトップボックス302または出力装置303に対してユーザが操作を行うリモートコントローラ304と、電話回線等の通信回線を介して外部のサーバとの間で通信を行うためのモデム305から構成される。
【0036】同図に示す受信端末装置2は、セットトップボックス302や出力装置303、モデム305とをそれぞれ別々に構成したが、適宜、一体型の受信端末装置2としても構成することができる。出力装置303は、典型的にはテレビジョン受信機が相当し、外部から入力端子を介して入力される映像音声信号に基づいて映像および音声を出力する。リモートコントローラ304は、例えば、電源ON/OFFボタン、チャンネル選局ボタン等が設けられ、セットトップボックス302の操作受信部はユーザが押下したボタンに対応する赤外線信号を受信する。また、リモートコントローラ304の代わりとして、機器のフロント部等に操作パネルを構成するようにしてもよい。
【0037】図4は、本実施形態に係る受信端末装置2のハードウェア構成を示す概略図である。受信端末装置2は、典型的には、受信機能、蓄積機能、通信機能および提示機能を備える。
【0038】同図において、コントローラ401は、CPU4011、RAM4012、ROM4013およびフラッシュメモリ4014を備え、これらはバスを介して相互に接続されている。このコントローラ401は、受信端末装置2全体の動作を司るとともに、他のハードウェア構成要素と相まって各種の機能を実現する。
【0039】チューナ402は、図示しないアンテナから供給される放送波信号の中から特定のトランスポンダに対応する放送波信号を選択し、デジタル復調部403に送出する。デジタル復調部403は、選択されて送出される放送波信号を所定の復調方式で復調し、所定のエラー訂正処理を行った後、TSデコーダ404に送出する。このデジタル復調回路202から送出される信号は、上述した多重化ストリームに対応するものである。TSデコーダ404は、送出される多重化ストリームを個別のストリームに分離し、MEPG−AVデコーダ405に送出する。このストリームは一連のTSパケットと見ることができる。本実施形態に係るTSデコーダ404は、後で詳述するように、他のハードウェア構成要素と相まって、分離された不完全状態のストリームを完全状態のストリームに復元する機能をも有する。MEPG−AVデコーダ405は、送出される映像音声ストリームをMPEG2ビデオおよびMPEG2オーディオに従って復号し、出力装置に出力する。
【0040】サウンド制御部406は、コントローラ401の制御の下、各種サウンドデータに基づいて付加音を生成する。生成された付加音は、MPEG2−AVデコーダ405から送られる音声データと重畳(合成)される。一方、OSD制御部407は、コントローラ401の制御の下、データ放送データに基づくテキストデータやイメージデータを生成する。生成されたこれらのデータは、MPEG2−AVデコーダ405から送られる映像データと重畳される。
【0041】外部記録装置I/F408は、図示しない外部記録装置に接続するためのインターフェースである。外部記録装置は、典型的には、ハードディスク装置やDVD−RW(DVD−RAM)装置、固体メモリ(例えば、「スマートメディア」や「メモリスティック」)などである。これらの記録装置は、記録媒体の利用に際し、CGMSおよび後述する拡張CGMSを装備することが好ましい。
【0042】通信部409(図3に示したモデム305に相当する。)は、通信回線を介して接続される外部のサーバとの間で、所定の通信プロトコルに従った通信サービスを提供する。本実施形態では、通信部409は、図1に示した著作権管理センタ3のサーバとの間の通信サービスを提供する。
【0043】ICカードI/F410は、所定の情報を記憶したICカードに接続するためのインターフェースである。ICカードには、例えば、視聴者の個人情報やスクランブル解除鍵等が記憶される。
【0044】図5は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。この複製管理機能は、図4に示したハードウェア構成要素のうち、コントローラ401、TSデコーダ404を中心にして実現される。
【0045】すなわち、分離部501は、上述したように、TSデコーダの基本的機能である多重化ストリームを個別ストリームに分離し、さらに分離された個別ストリームの中から映像音声データと制御情報(PSI/SI情報)とを分離する。分離部501は、映像音声データを復元化部502に出力し、制御情報に含まれている拡張CGMS情報を拡張CGMS情報記憶部503に出力する。拡張CGMS情報は、図6に示されように、コンテンツID、拡張CGMS方式ID、センタ接続情報、第1の割り符オブジェクト、パリティチェック情報およびサービス情報を含む。コンテンツIDは、番組のデジタルデータ(コンテンツデータ)を識別するための情報である。なお、ここでいうコンテンツIDは、著作権管理の観点からみた番組内容を識別する情報であり、MPEG2規格でいうイベントIDやローカルイベントIDに直接的に対応する情報である必要はない。拡張CGMS方式IDは、放送局から送られるデジタルデータが対応しているCGMSの方式を識別するための情報である。つまり、受信端末装置2は、放送局から送られる拡張CGMS方式IDによって示される拡張CGMS方式が自身の拡張CGMS方式に一致する場合に、拡張CGMSを機能させることができる。ここでいう拡張CGMSは、例えば、ソニー(株)製の「マジックゲート」などのように独自の方式で複製管理を行うものである。センタ接続情報は、著作権管理センタ3に接続するための情報であり、例えば、その電話番号やURL、ユーザアカウントなどである。第1の割り符オブジェクトは、不完全状態のデジタルデータ(映像音声データ)を完全状態のデジタルデータに復元するためプログラムおよび/またはデータである。ただし、復元化するためには、後述するように、第1の割り符オブジェクトに加えて、著作権管理センタ3から取得することができる第2の割り符オブジェクトが必要である。パリティチェック情報とは、復元化が正常に行われたか否かを判定するための情報であり、例えば数バイトの数値データで示される。サービス情報は、デジタルデータを複製する場合の料金データやその説明内容を含んでいる。
【0046】図5に戻り、復元化部502は、制御指令部504の指示の下、不完全状態のデジタルデータを完全状態のデジタルデータに復元する。復元化部502は、第1の割り符オブジェクトと第2の割り符オブジェクトとに基づいて合成オブジェクトを生成し、この合成オブジェクトによって復元化する。合成オブジェクトは、例えば、“第1の割り符オブジェクト XOR (第2の割り符オブジェクト OR受信端末装置の型番ID)”のような論理操作により生成される。TSレベルの不完全状態のデジタルデータとしては、例えば、これを構成するTSパケットの一部が別PIDの値で、つまり別のプライベートパケットとして送られたものがあげられる。
【0047】割り符取得部505は、制御指令部504の指示の下、通信部409を介して著作権管理センタ3のサーバに割り符取得要求を送り、サーバから第2の割り符オブジェクトを取得する。この場合、割り符取得部505は、その時点で複製履歴情報管理部506によって管理される複製履歴情報記憶部506’に記憶されている複製履歴情報を割り符取得要求に含めて送る。割り符取得部505は、取得した第2の割り符オブジェクトを第2割り符記憶部507に出力する。
【0048】TS/PS変換部508は、制御指令部504の指示の下、伝送フォーマットのTSから蓄積フォーマットのPSへの変換を実行する。なお、TSからPSへの変換に際しては、完全状態に復元されたTSであれば、エラーが発生することはないが、例えば、TS中の所定の制御記述子の値が不完全状態であるような場合には、データ構造上の矛盾のため、エラーが発生することになる。例えば、タイムスタンプPTSやDTSがPCRに対して不連続値として与えられ、adts_variable_header中のframe_lengthに不要パケットを含めない値が与えられ、または、adts_erro_checkのprotection_absent=='0'とするとともにcrc_checkに不要パケットを含めない値を与えられた場合に、このようなエラーが発生することになる。TS/PS変換部508は、変換したPSをスクランブラ510に送る。
【0049】スクランブラ510は、送られてくるPSに対して所定方式のスクランブルを行うものである。スクランブラ510は、スクランブルされたPSを一時記憶装置511に出力する。一時記憶装置511は、受信端末装置2内部に設けられた記憶装置であり、例えば、図4に示したフラッシュメモリにより実現される。この一時記憶装置511は、取り外し不可能な固定メモリであることが好ましい。一時記憶装置511は、PS形式のデジタルデータをコンテンツIDにしたがって記憶する。デスクランブラ512は、スクランブラ510に対応するものであり、スクランブルを解除する。なお、解除鍵は、ICカードから入力されるようにしてもよい。
【0050】CGMS513は、CCI(Copy Control Information)に従ってデータの通過(つまり複製)を許可する。CCIは、デジタルコピー制御記述子(DigitalCopy Control Descriptor)中のDigital_recording control_dataと同じ情報の2bitのフラグである。CGMS513は、例えば、5CDCTPやSCMSを含む複製管理のためのゲートである。
【0051】拡張CGMS514は、複製管理のためのゲートである。つまり、拡張CGMS514は、拡張CGMS情報記憶部503に記憶された拡張CGMS方式IDが自身のものを示している場合に、デジタルデータの通過を管理する。この場合に、拡張CGMS514は、所定の方式に従って出力データに対してスクランブルを行い、入力データにデスクランブルを行ってもよい。拡張CGMS514は、外部記録装置にデジタルデータを出力する場合には、複製履歴情報管理部506にそのコンテンツIDおよびその出力日時を通知する。
【0052】一方、ハッシュ演算部515は、所定のハッシュ関数を有し、コンテンツデータから得られる所定の引数に基づいてハッシュ値を計算する。ハッシュ演算部515は、求めたハッシュ値を復元化判定部515に送る。復元化判定部516は、拡張CGMS情報記憶部503に記憶されたパリティチェック情報と、ハッシュ演算部501で求められたハッシュ値とを比較し、両者が一致する場合に、復元化が正常に行われたと判断し、その旨を複製履歴情報管理部506に通知する。
【0053】複製履歴情報管理部506は、外部記録装置に完全状態のデジタルデータが出力された場合に、複製履歴情報記憶部506に記憶された複製履歴情報の内容を更新する。すなわち、複製履歴情報管理部506は、拡張CGMS514からコンテンツIDおよび出力日時を受け取り、かつ、復元化判定部502からそのデジタルデータに対する復元が正常に行われた旨を受け取ると、複製履歴情報記憶部506に記憶された複製履歴情報の内容を更新する。複製履歴情報は、例えば、図7に示されるように、シリアル番号、コンテンツIDおよび出力日時からなる。なお、複製履歴情報管理部506は、これらのデータの改竄を防止するため、複製履歴情報をスクランブルして複製履歴情報記憶部506’に記憶させてもよい。
【0054】次に、以上のように構成される本実施形態に係る受信端末装置2の動作について説明する。
【0055】図8は、本実施形態に係る受信端末装置2の復元化有効処理を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、復元化部502は、拡張CGMS情報記憶部503に第1の割り符オブジェクトが記憶されているか否かをチェックするとともに(STEP801)、第2割り符記憶部507に第2の割り符オブジェクトが記憶されているか否かをチェックする(STEP802)。復元化部502は、いずれかの割り符オブジェクトが記憶されていないと判断する場合には、自身の復元化機能をOFFに(無効化)する。一方、第1の割り符オブジェクトおよび第2の割り符オブジェクトが記憶されていると判断する場合には、復元化部502は、これらを読み込んで合成オブジェクトを生成し(STEP803)、自身の復元化機能をON(有効化)する。これにより、復元化部502は、合成オブジェクトに従って、入力される不完全状態のデジタルデータ(TSパケット)を完全状態のデジタルデータに復元することができるようになる。ただし、復元化部502は、真正な合成オブジェクトである場合にのみ、完全状態のコンテンツデータに復元するのであって、例えば、偽造された割り符オブジェクトに基づいて合成オブジェクトが生成された場合に、完全状態のデジタルデータに復元するわけではない。
【0056】図9は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理処理を説明するためのフローチャートである。同図において、外部記録装置に対するデジタルデータの出力指示を受信端末装置2が視聴者から受け付けると、TS/PS変換部509は、復元化部502を介して得られるTS形式のデジタルデータをPS形式のデジタルデータに変換する(STEP901A)。TS/PS変換部509は、この変換の際にエラー(障害)が生じた場合には、出力処理を中止する(STEP902AのYes)。スクランブラ510は、変換されたPS形式のコンテンツデータに対してスクランブルを行い(STEP903)、一時記憶装置511に出力する。そして、拡張CGMS514は、一時記憶装置511を介して得られるコンテンツデータを外部記憶装置に出力するとともに、コンテンツIDおよびこの時点の出力日時を複製履歴情報管理部506に通知する(STEP904)。
【0057】上記処理の一方で、ハッシュ演算部515は、TS形式のコンテンツデータから得られる所定の引数に基づいてハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値を復元化判定部516に送る(STEP901B)。復元化判定部516は、このハッシュ値と、拡張CGMS情報記憶部503に記憶されたパリティチェック情報とに基づいて復元化が成功したか否か(つまり復元が真正に行われたか否か)を判定し、その判定結果を複製履歴情報管理部506に通知する(STEP902B)。
【0058】複製履歴情報管理部506は、復元化判定部516から送られる判定結果が復元化成功を示す場合には(STEP905)、拡張CGMS514から送られるコンテンツIDおよび出力日時を複製履歴情報に追加する(STEP906)。これにより、外部記録装置にデジタルデータが出力されたことが履歴として記録されることになる。
【0059】以上のように、本実施形態によれば、視聴に影響を与えない程度に修正を加えた、非スクランブル状態のデジタルデータを提供することにしているので、無料の放送サービスを提供することができる。特に、本実施形態では、デジタルデータの複製を希望する視聴者に対して確実に課金することができるようになる。これにより、デジタルデータの著作権を適正に管理することができるようになる。
【0060】なお、どのような複製の場合に視聴者に課金するかは、著作権管理センタ3の運用に委ねることができ、例えば、完全状態で複製する場合に、その複製した分に応じて視聴者に課金することができるようにしてもよい。
【0061】[第2の実施形態]本実施形態は、上記第1の実施形態の変形であり、復元化の判定を著作権管理センタ3側で行うことを特徴としている。したがって、本実施形態では、放送局1は、パリティチェック情報を拡張CGMS情報に含めて送る必要はない。著作権管理センタ3は、受信端末装置2で算出されたハッシュ値に基づいて復元化が真正であったか否かを判定することになる。
【0062】図10は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。同図では、上記実施形態と同じ構成要素(機能実現手段)には同じ符号が付されている。
【0063】すなわち、本実施形態に係る受信端末装置2では、基本的には、図5に示した復元化判定部516を省略することができる。複製履歴情報管理部506は、拡張CGMS5014からコンテンツIDおよびその出力日時を受け取るとともに、ハッシュ演算部515からハッシュ値を受け取って、図11に示すような複製履歴情報として複製履歴情報記憶部516’に記憶する。
【0064】以上のように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の利点が得られる。特に、本実施形態では、放送局1は、パリティチェック情報を視聴者に放送により送る必要がないため、より強固な著作権管理を行うことができるようになる。
【0065】[第3の実施形態]本実施形態は、上記第1の実施形態および/または第2の実施形態の変形であり、TS/PS変換に際しても復元化を行うことを特徴としている。
【0066】図12は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。同図では、上記実施形態と同じ構成要素(機能実現手段)には同じ符号が付されている。
【0067】同図において、合成オブジェクト生成部1201は、上述した復元化部502の機能の一部を独立に構成したものである。TS/PS変換部509は、TS/PS変換機能に加え、合成オブジェクト生成部1201によって生成された合成オブジェクトに基づいて、不完全状態のデジタルデータを完全状態のデジタルデータにPSレベルで復元する機能をさらに有する。つまり、TS/PS変換部509は、合成オブジェクトを得ることができない場合には、不完全状態のTSからPSへの変換に際し、エラーを発生させることになる。
【0068】放送局1は、PSレベルの不完全状態のデジタルデータを得るため、例えば、映像データの並びを左右入れ替えたり、音声データのL/RステレオとM/Sステレオとを入れ替えるなどの操作を行う。また、映像と音声との同期をわずかにずらすという操作を行ってもよい。つまり、合成オブジェクトは、これらの操作が行われたPSをもとに戻すための逆操作を行うことになる。
【0069】なお、合成オブジェクト生成部1201は、復元化部502に対する合成オブジェクトと、TS/PS変換部509に対する合成オブジェクトというように、それぞれ生成するように構成してもよい。
【0070】以上のように、本実施形態によれば、上記実施形態と同様の利点を得ることができるとともに、視聴者はTSレベルの復元化とPSレベルの復元化を必要とするので、複製に対するセキュリティをさらに高めることができるようになる。
【0071】[第4の実施形態]本実施形態は、上記実施形態の変形であり、具体的には、放送局1がTSレベルやPSレベルでのデジタルデータに対する操作に加え、コンテンツデータに対する操作を加えて放送を行い、視聴者の受信端末装置2において合成オブジェクトに基づいてこれら操作に対する復元化を行うことを特徴とする。ここで、コンテンツデータに対する操作とは、オリジナルのコンテンツデータそのものに対する操作であり、例えば、ナレーションなどの他の音声データを重畳したりすることである。また、映像データそのものの並びを左右入れ替えたり、音声データのL/RステレオとM/Sステレオとを入れ替えるなどの操作を行ってもよい。
【0072】図13は、本実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。同図では、上記実施形態と同じ構成要素(機能実現手段)には同じ符号が付されている。
【0073】同図において、コンテンツ復元化部1301は、合成オブジェクト生成部1201によって生成された合成オブジェクトに基づいて、完全状態のデジタルデータ(コンテンツデータ)に復元化する。つまり、本実施形態では、TS復元化部502により復元化され出力されたデジタルデータは、TSレベルでは完全状態であるが、コンテンツデータとしては不完全状態ということになる。このため、コンテンツ復元化部1301により、完全状態のコンテンツデータに復元化する。例えば、オリジナルのデジタルデータにナレーションなどの音声データが重畳されている場合には、コンテンツ復元部1301は、合成オブジェクトに従って重畳された音声データを除去する。したがって、放送局1は、コンテンツデータのどの部分にどのような音声データを重畳したかが分かっているため、これを除去するための割り符オブジェクトを受信端末装置2に送ればよいことになる。
【0074】以上のように、本実施形態によれば、上記実施形態と同様の利点を得ることができるとともに、視聴者はさらにコンテンツデータそのものの復元化を必要とするので、複製に対するセキュリティをさらに高めることができるようになる。
【0075】[第5の実施形態]本実施形態は、放送局1が過去に送った番組のデジタルデータ(コンテンツデータ)と同一のコンテンツIDが与えられた他のコンテンツデータを送ることを特徴とする。これにより、受信端末装置2は、内部の記憶装置に一時的に記憶されたコンテンツデータを、後から送られた他のコンテンツデータに差し替えることになる。
【0076】すなわち、本実施形態では、放送局1は、上記実施形態と同様に、放送により不完全状態のコンテンツデータAを受信端末装置2に送る。受信端末装置2は、第1および第2の割り符オブジェクトから得られる合成オブジェクトに基づいて完全状態のコンテンツデータに復元し、受信端末装置2内部の記憶装置(図5に示した一時記憶装置511)に一時的に記憶することもできる。この段階で、視聴者が外部記録装置への出力指示を行った場合には、受信端末装置2は複製履歴情報を収集し、管理することになる。
【0077】放送局1は、コンテンツデータAを送ってから所定時間経過後に、このコンテンツデータAと同一のコンテンツIDが与えられた他のコンテンツデータBを放送する。したがって、受信端末装置2が他のコンテンツデータBを内部の記憶装置に記憶する場合には、コンテンツIDが同一であるため、先のコンテンツデータAは、後から送られた他のコンテンツデータBに置き換わる。
【0078】コンテンツデータBは、例えば、無音のデータとする。したがって、視聴者が内部記録装置に記憶されたコンテンツデータを外部記録装置に出力したとしても、視聴者が意図したとおりの結果を得ることができないことになる。一方で、受信端末装置2は、この出力により複製履歴情報を収集し、管理する。ただし、コンテンツデータBに基づくハッシュ値は、コンテンツデータAに基づくハッシュ値と異なる結果になり、復元化が成功しなかったものとみなすことができる。これにより、複製管理センタ3は、この受信端末装置2から複製履歴情報を受け付けた場合には、無音のデータ(コンテンツデータB)を外部記録装置に出力した場合を除き、著作権料を課金するということもできる。
【0079】上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、デジタル放送により送られたデジタルデータを視聴者が複製する場合に、該デジタルデータに対する著作権を適正に管理できるようになる。特に、本発明によれば、視聴のみを希望する視聴者に対しては、非スクランブル状態のデジタルデータを提供することにしているので、無料の放送サービスを提供することができ、デジタルデータの複製を希望する視聴者に対して確実に課金することができるようになる。これにより、デジタルデータの著作権を適正に管理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタル放送サービスを実現するシステムの概要を説明するための図である。
【図2】第1の実施形態に係る放送局のシステム構成を示すブロックダイアグラムである。
【図3】第1の実施形態に係る受信端末装置を含んで構成される受信システムの構成例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る受信端末装置2のハードウェア構成を示す概略図である。
【図5】第1の実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図6】本実施形態に係る拡張CGMS情報を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係る複製履歴情報を説明するための図である。
【図8】第1の実施形態に係る受信端末装置の復元化有効処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に係る受信端末装置の複製管理処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る受信端末装置の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図11】第2の実施形態に係る複製履歴情報を説明するための図である。
【図12】第3の実施形態に係る受信端末装置の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【図13】第4の実施形態に係る受信端末装置2の複製管理機能を説明するためのブロックダイアグラムである。
【符号の説明】
1…放送局
2…受信端末装置
3…著作権管理サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】放送によって送られる非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータに基づく番組を視聴者に対して提供するとともに、通信回線を介して接続される複製管理サーバ側から複製管理情報を取得した前記視聴者に対して、前記不完全状態のデジタルデータから復元される完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に記録できるようにしたことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法。
【請求項2】放送によって送られる第1の部分オブジェクトと前記複製管理サーバ側から取得した前記複製管理情報に含まれる第2の部分オブジェクトとに基づいて、前記不完全状態のデジタルデータから完全状態のデジタルデータに復元することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項3】所定のデジタルデータが前記外部記録装置に記録されるごとに更新される複製履歴情報が前記視聴者から前記複製管理サーバ側に送られた場合に、前記複製管理サーバ側で前記複製履歴情報に基づいて前記視聴者に対して課金することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項4】前記視聴者が前記複製管理サーバ側に前記複製履歴情報を送ることを条件として、前記複製管理サーバ側は前記複製管理情報を前記視聴者に送ることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項5】完全状態のデジタルデータに所定の不要データを挿入することにより不完全状態のデジタルデータを作成することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項6】完全状態のデジタルデータから所定の必要データを除去することにより不完全状態のデジタルデータを作成することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項7】完全状態のデジタルデータにおける所定の部分データを所定の不完全データに置換することにより不完全状態のデジタルデータを作成することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項8】前記デジタルデータは、TS、PSまたはコンテンツデータのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項9】放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記放送により送られる非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを前記所定の外部記録装置に出力するごとに複製履歴情報を更新することを特徴とする受信端末装置。
【請求項10】前記受信端末装置は、前記複製管理サーバから前記第2の部分オブジェクトを取得するために、前記複製履歴情報を前記複製管理サーバに送ることを特徴とする請求項9記載の受信端末装置。
【請求項11】前記受信端末装置は、前記放送により送られる第1のパリティチェック値と前記完全状態のストリームに復元する際に得られる第2のパリティチェック値とに基づいて前記復元が正常に行われたか否かを判断し、前記復元が正常に行われたと判断する場合に、前記複製履歴情報を更新することを特徴とする請求項9記載の受信端末装置。
【請求項12】放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記ストリームから第1の部分オブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記内部記録装置に記録されたデジタルデータを所定の外部記録装置に出力する出力手段と、前記出力手段により所定のデジタルデータが出力されるごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする受信端末装置。
【請求項13】前記抽出手段は、前記ストリームから所定の識別情報を抽出し、前記出力手段は、前記抽出された所定の識別情報が正当であるか否かを判断し、正当であると判断する場合に前記復元された完全状態のデジタルデータを出力することを特徴とする請求項12記載の受信端末装置。
【請求項14】完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータを第2の部分オブジェクトと相まって前記完全状態のデジタルデータに復元するための第1の部分オブジェクトと、前記不完全状態のデジタルデータとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする放送装置。
【請求項15】デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置と、を備えたデジタル放送システムにおいて、前記放送装置は、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段とを備え、前記受信端末装置は、前記ストリームから第1のオブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記復元された完全状態のデジタルデータを前記外部記録装置に出力する出力手段と、前記内部記録装置から所定のデジタルデータを前記外部記録装置に出力するごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段とを備えたことを特徴とするデジタル放送システム。
【請求項16】デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置とからなるデジタル放送システムによるデジタル放送番組の提供方法であって、前記放送装置は、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成し、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調して送信する一方、前記受信端末装置は、前記非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを出力するごとに複製履歴情報を更新する、ことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法。
【請求項1】放送によって送られる非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータに基づく番組を視聴者に対して提供するとともに、通信回線を介して接続される複製管理サーバ側から複製管理情報を取得した前記視聴者に対して、前記不完全状態のデジタルデータから復元される完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に記録できるようにしたことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法。
【請求項2】放送によって送られる第1の部分オブジェクトと前記複製管理サーバ側から取得した前記複製管理情報に含まれる第2の部分オブジェクトとに基づいて、前記不完全状態のデジタルデータから完全状態のデジタルデータに復元することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項3】所定のデジタルデータが前記外部記録装置に記録されるごとに更新される複製履歴情報が前記視聴者から前記複製管理サーバ側に送られた場合に、前記複製管理サーバ側で前記複製履歴情報に基づいて前記視聴者に対して課金することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項4】前記視聴者が前記複製管理サーバ側に前記複製履歴情報を送ることを条件として、前記複製管理サーバ側は前記複製管理情報を前記視聴者に送ることを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項5】完全状態のデジタルデータに所定の不要データを挿入することにより不完全状態のデジタルデータを作成することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項6】完全状態のデジタルデータから所定の必要データを除去することにより不完全状態のデジタルデータを作成することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項7】完全状態のデジタルデータにおける所定の部分データを所定の不完全データに置換することにより不完全状態のデジタルデータを作成することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項8】前記デジタルデータは、TS、PSまたはコンテンツデータのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7記載のデジタル放送番組の提供方法。
【請求項9】放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記放送により送られる非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを前記所定の外部記録装置に出力するごとに複製履歴情報を更新することを特徴とする受信端末装置。
【請求項10】前記受信端末装置は、前記複製管理サーバから前記第2の部分オブジェクトを取得するために、前記複製履歴情報を前記複製管理サーバに送ることを特徴とする請求項9記載の受信端末装置。
【請求項11】前記受信端末装置は、前記放送により送られる第1のパリティチェック値と前記完全状態のストリームに復元する際に得られる第2のパリティチェック値とに基づいて前記復元が正常に行われたか否かを判断し、前記復元が正常に行われたと判断する場合に、前記複製履歴情報を更新することを特徴とする請求項9記載の受信端末装置。
【請求項12】放送により送られるストリームに基づくデジタルデータに基づいて映像音声情報を再生する受信端末装置において、前記ストリームから第1の部分オブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記内部記録装置に記録されたデジタルデータを所定の外部記録装置に出力する出力手段と、前記出力手段により所定のデジタルデータが出力されるごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする受信端末装置。
【請求項13】前記抽出手段は、前記ストリームから所定の識別情報を抽出し、前記出力手段は、前記抽出された所定の識別情報が正当であるか否かを判断し、正当であると判断する場合に前記復元された完全状態のデジタルデータを出力することを特徴とする請求項12記載の受信端末装置。
【請求項14】完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータを第2の部分オブジェクトと相まって前記完全状態のデジタルデータに復元するための第1の部分オブジェクトと、前記不完全状態のデジタルデータとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする放送装置。
【請求項15】デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置と、を備えたデジタル放送システムにおいて、前記放送装置は、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成する生成手段と、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調し、送信する送信手段とを備え、前記受信端末装置は、前記ストリームから第1のオブジェクトを抽出する抽出手段と、複製履歴情報を記憶する複製履歴情報記憶手段と、所定のデジタルデータを一時的に記録する内部記録装置と、通信回線を介して接続される複製管理サーバに前記複製履歴情報を送り、前記複製管理サーバから送られる第2の部分オブジェクトを取得する取得手段と、前記放送により送られるストリームに基づく非スクランブルかつ不完全状態のデジタルデータを、前記第1の部分オブジェクトと前記第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元する復元手段と、前記復元された完全状態のデジタルデータを前記外部記録装置に出力する出力手段と、前記内部記録装置から所定のデジタルデータを前記外部記録装置に出力するごとに前記複製履歴情報記憶された前記複製履歴情報を更新する更新手段とを備えたことを特徴とするデジタル放送システム。
【請求項16】デジタル放送信号を送信する放送装置と、前記デジタル放送信号を受信する受信端末装置と、前記受信端末装置に接続され、前記デジタル放送信号に基づくデジタルデータを記録する外部記録装置とからなるデジタル放送システムによるデジタル放送番組の提供方法であって、前記放送装置は、完全状態のデジタルデータから変形された不完全状態のデジタルデータと第1の部分オブジェクトとに基づいてストリームを生成し、前記生成されたストリームを非スクランブル状態のままデジタル放送信号に変調して送信する一方、前記受信端末装置は、前記非スクランブルかつ不完全状態のストリームに基づくデジタルデータを、前記放送により送られる第1の部分オブジェクトと複製管理サーバから通信回線を介して送られる第2の部分オブジェクトとに基づいて完全状態のデジタルデータに復元し、前記復元された完全状態のデジタルデータを所定の外部記録装置に出力するとともに、所定のデジタルデータを出力するごとに複製履歴情報を更新する、ことを特徴とするデジタル放送番組の提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図11】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2002−9716(P2002−9716A)
【公開日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−183794(P2000−183794)
【出願日】平成12年6月19日(2000.6.19)
【出願人】(591084850)株式会社東京放送 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年6月19日(2000.6.19)
【出願人】(591084850)株式会社東京放送 (8)
【Fターム(参考)】
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