説明

データ保持回路および信号処理回路

【課題】設計が容易でグリッチノイズを発生させることなくクロック信号の立ち上がりと立ち下がりの両エッジを用いて入力信号をラッチする。
【解決手段】排他的論理和回路XOR3の入力端には、排他的論理和回路XOR1の出力信号とフリップフロップXDF1の出力信号とが入力され、フリップフロップDF1の入力端子Dには、排他的論理和回路XOR2の出力信号が入力されてクロック信号CLKの立ち上がりタイミングで入力データDが出力されて保持され、また、フリップフロップXDF1の入力端子Dには、排他的論理和回路XOR3の出力信号が入力されてクロック信号CLKの立ち下がりタイミングで入力データDが出力されて保持され、排他的論理和回路XOR4の入力にはフリップフロップDF1の出力信号とフリップフロップXDF1の出力信号が入力され、排他的論理和回路XOR4の出力が最終出力結果OUTとして出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロック信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングの両方で入力信号をラッチ可能なデータ保持回路および、通信や各種ディスクからのデータ読み出しなどを行うために、このデータ保持回路が用いられる信号処理回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有線または無線により通信が行われる場合には、高速にデータを送受信可能なシリアル通信が用いられている。例えば、有線による通信の場合には、コンピュータと周辺機器との接続に利用されるUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)や、ハードディスクを接続するためのSerialATA(シリアル・エーティーエー)などがあり、無線による通信の場合にはIrDA(赤外線通信)などがある。また、各種ディスクからのデータ読み出し時においても、同様のシリアル信号が用いられている。
【0003】
これらの通信に用いられる受信回路やディスクからのデータ読み出しに用いられる読み出し回路では、一般に、通信レートや読み出しレートの3倍以上の高い周波数を有するクロック信号が必要とされる。これらの処理を精度良く行うためには、可能な限り、基準クロック信号の周波数を高くする必要がある。しかしながら、高い周波数のクロック信号を用いると、消費電流が増加したり、不要輻射ノイズが増加するなどの問題が発生する。
【0004】
そこで、従来から、クロック信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングの両方を用いてデータをサンプリングすることによって、倍のクロック信号を用いた場合と同等になって、従来と同じ周波数のクロック信号を用いても精度を向上させたり、従来の半分の周波数のクロック信号を用いても、従来と同等の精度で消費電流や不要輻射ノイズを削減することが行われていた。
【特許文献1】特開平4−105415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題がある。
【0006】
クロック信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングの両方を用いてサンプリングした信号を組み合わせると、各信号(立ち上がりタイミングでサンプリングされた信号と立ち下りタイミングでサンプリングされた信号)の遅延時間のばらつきによってグリッチノイズが発生する。従来は、遅延回路と論理和回路や論理積回路を組み合わせたり、クロック信号と各信号の論理和や論理積を行うことによって、これらのグリッチノイズが取り除かれていた。
【0007】
例えば特許文献1に開示されている従来の信号選択回路のように、ベースとなる原発振クロック信号およびその原発振クロック信号が分周された分周クロック信号から1つの信号が選択される場合に、信号の切り替わりタイミングにおいてグリッチノイズが発生するという問題がある。このため、従来は、グリッチノイズが発生しないようなタイミングにより選択信号を変化させるなどの工夫が行われていた。
【0008】
しかしながら、どのようなタイミングで、どの信号にグリッチノイズが発生するかを見付けることは困難である。また、設計を変更する毎に、グリッチノイズが発生するタイミングやグリッチノイズが発生する信号が変わるため、毎回、グリッチノイズが発生するタイミングやグリッチノイズが発生する信号を見つける必要がある。さらに、遅延回路の遅延時間についても調整する必要がある。さらに、クロック信号を論理回路に入力させると、レイアウト設計時にタイミング設定を行うことが困難になるという問題もある。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、グリッチノイズを発生させることなく、クロック信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングの両方を用いて入力信号をラッチできて、設計をより容易に行うことができるデータ保持回路および、このデータ保持回路を用いて、従来と同じ周波数のクロック信号により精度を向上させたり、従来の半分の周波数のクロック信号により従来と同等の精度で消費電流や不要輻射ノイズを削減できる受信回路やデータ読出回路などの信号処理回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のデータ保持回路は、2つのフリップフロップと4つの排他的論理和回路とを有し、第1排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、入力信号と第4排他的論理和回路の出力信号とがそれぞれ入力され、第2排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、該第1排他的論理和回路の出力信号と第1フリップフロップの出力信号とがそれぞれ入力され、 第3排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、該第1排他的論理和回路の出力信号と第2フリップフロップの出力信号とがそれぞれ入力され、該第1フリップフロップの入力端子には該第2排他的論理和回路の出力信号が入力され、該第1フリップフロップのクロック端子にはクロック信号が入力されて、該クロック信号の立ち上がりタイミングで該入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持され、該第2フリップフロップの入力端子には該第3排他的論理和回路の出力信号が入力され、該第2フリップフロップのクロック端子には該クロック信号の反転信号が入力されて、該クロック信号の立ち下がりタイミングで当該入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持され、該第4排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、該第1フリップフロップの出力信号と該第2フリップフロップの出力信号とが入力され、該第4排他的論理和回路の出力信号が出力結果として出力されて、該クロック信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングの両方で該入力信号がラッチされるように構成されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0011】
また、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップおよび前記第2フリップフロップにそれぞれ非同期リセット端子がそれぞれ設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップおよび該第2フリップフロップの各リセット端子にそれぞれ入力されて、該リセット信号XRにより最終出力信号を’0’にリセット可能とされている。
【0012】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップおよび前記第2フリップフロップにそれぞれ非同期セット端子がそれぞれ設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップおよび該第2フリップフロップの各セット端子にそれぞれ入力されて、該リセット信号により最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とされている。
【0013】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、セット信号が該第1フリップフロップDFのセット端子および該第2フリップフロップのリセット端子にそれぞれ入力されて、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている。
【0014】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、セット信号が該第1フリップフロップのリセット端子および該第2フリップフロップのセット端子にそれぞれ入力されて、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている。
【0015】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップのリセット端子に入力され、セット信号が該第1フリップフロップのセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第2フリップフロップのリセット端子に入力されて、該リセット信号により最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている。
【0016】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、前記第2フリップフロップXに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、リセット信号が該第2フリップフロップのリセット端子に入力され、セット信号が該第2フリップフロップのセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第1フリップフロップのリセット端子に入力されて、該リセット信号により最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている。
【0017】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップのセット端子に入力され、セット信号が該第1フリップフロップDFのリセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第2フリップフロップのセット端子に入力されて、該リセット信号により最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている。
【0018】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、リセット信号が該第2フリップフロップのセット端子に入力され、セット信号が該第2フリップフロップDFのリセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第1フリップフロップのセット端子に入力されて、該リセット信号XRにより最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている。
【0019】
さらに、好ましくは、本発明のデータ保持回路において、前記第1フリップフロップは前記クロック信号の立ち上がりのタイミングで該第1フリップフロップへの入力信号をラッチし、前記第2フリップフロップは該クロック信号の立ち下がりのタイミングで該第2フリップフロップへの入力信号をラッチする。
【0020】
本発明の信号処理回路は、クロック信号の立ち上がりタイミングでデータ入力端子に入力された入力データが出力端子から出力されて保持される第1フリップフロップと、該クロック信号の立ち下がりタイミングでデータ入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持される第2フリップフロップと、該第1フリップフロップの出力信号と該第2フリップフロップの出力信号とに対して所定の演算を行う組み合わせ回路と、該組み合わせ回路からの演算結果データが入力されて変化点検出信号を出力す請求項1〜10のいずれかに記載のデータ保持回路とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0021】
本発明の信号処理回路は、クロック信号の立ち上がりタイミングでデータ入力端子に入力された入力データが出力端子から出力されて保持される第1フリップフロップと、該クロック信号の立ち下がりタイミングでデータ入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持される第2フリップフロップと、該第1フリップフロップの出力信号と該第2フリップフロップの出力信号との排他的論理和が入力信号としてラッチされる請求項1〜10のいずれかに記載の第1のデータ保持回路と、該データ保持回路からの出力信号を変化点検出信号としてそのレベルに応じて1を加算するかまたはクリアにする1加算回路と、該1加算回路の演算結果データが入力信号としてラッチされる請求項1〜10のいずれかに記載の第2の複数のデータ保持回路とを有し、該第2の複数のデータ保持回路の各出力信号が該1加算回路の入力信号としてカウンタが構成されて、当該入力信号が’0’である期間または’1’である期間を半クロック単位で計測可能とされているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0022】
本発明の信号処理回路は、原発振クロック信号が分周される1つまたは2つ以上の分周回路、該原発振クロック信号と分周クロック信号から所望のクロック信号を選択する選択回路および、選択されたクロック信号が出力される信号出力回路を有する信号選択出力回路と、該信号選択出力回路からのクロック信号が入力信号としてラッチされる請求項1〜10のいずれかに記載のデータ保持回路とを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
【0024】
本発明のデータ保持回路では、2つのフリップフロップと4つの排他的論理和回路とを有し、第1排他的論理和回路の両入力端には入力信号と第4排他的論理和回路の出力信号とが入力され、第2排他的論理和回路の両入力端には第1排他的論理和回路の出力信号と第1フリップフロップの出力信号とが入力され、第3排他的論理和回路の両入力端には第1排他的論理和回路の出力信号と第2フリップフロップの出力信号とが入力され、第1フリップフロップの入力端子Dには第2排他的論理和回路の出力信号が入力され、第1フリップフロップのクロック端子にはクロック信号が入力されて、クロック信号の立ち上がりタイミングでデータ入力端子からの入力データが出力端子から出力されて保持され、第2フリップフロップのデータ入力端子には第3排他的論理和回路の出力信号が入力され、第2フリップフロップのクロック端子にはクロック信号の反転信号が入力されて、クロック信号の立ち下がりタイミングでデータ入力端子からの入力データが出力端子から出力されて保持され、第4排他的論理和回路の両入力端には第1フリップフロップの出力信号と第2フリップフロップの出力信号とが入力され、第4排他的論理和回路の出力信号が最終出力結果(最終出力信号OUT)として出力される。
【0025】
このように、2つのフリップフロップと、4つの排他的論理和という比較的単純な構成により、グリッチノイズが発生せず、クロック信号の立ち上がりタイミング(”0”から”1”へ信号変化する時点、立ち上がりエッジ)と立ち下がりタイミング(”1”から”0”へ信号変化する時点、立ち下りエッジ)の両方において入力信号をラッチ可能となる。従来のデータ保持回路においては、1クロック単位でデータがサンプリングされるが、本発明のデータ保持回路では半クロック単位でサンプリングが可能となる。このデータ保持回路は、従来のように遅延回路を用いていないため、クロック信号の両エッジを用いた信号処理回路を容易に設計可能となる。
【0026】
例えば、特許文献1に開示されている従来の信号選択回路のように、クロック信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期した複数の信号を、クロック信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期した選択信号により選択した場合、信号切り替え時(レベルの変わり目)にエッジノイズであるスパイクノイズ(グリッチノイズ)が発生するが、この信号選択回路によりにより選択された信号を、本発明のデータ保持回路により、グリッチノイズが出ていないエッジ部以外の信号部分をサンプリングすることによって、グリッチノイズを除去することが可能になる。
【0027】
さらに、赤外線通信(IrDA)やUSBの受信信号、各種ディスクからの読み出し信号などの高速なシリアル信号を信号処理する信号処理回路に本発明のデータ保持回路を用いることによって、従来と同じ周波数のクロック信号により、半クロック単位で信号検出やカウントなどを行うことが可能となるため、精度が向上する。また、従来の半分の周波数のクロック信号により、従来と同等の精度で処理を行い、消費電流や不要輻射ノイズを削減することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明のデータ保持回路によれば、2つのフリップフロップと、4つの排他的論理和という比較的単純な構成により、グリッチノイズを発生させることなく、クロック信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングの両方において入力信号をラッチすることができる。
【0029】
また、従来のように遅延回路を用いずに、本発明のデータ保持回路(ラッチ回路)により、グリッチノイズが出ていない入力信号のエッジ部以外の安定した信号部分をサンプリングすることによって、最終出力信号OUTからグリッチノイズを容易に除去することができる。
【0030】
さらに、本発明のデータ保持回路を用いた信号処理回路によれば、従来と同じ周波数のクロック信号により、半クロック単位で信号処理が可能となり、精度が向上する。また、従来の半分の周波数のクロック信号により、従来と同等の精度で信号処理を行い、消費電流や不要輻射ノイズを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明のデータ保持回路の実施形態1〜4および、これを用いた本発明の信号処理回路を受信回路に適用した場合の実施形態5について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【0032】
図1において、本実施形態1の保持回路10は、2つのフリップフロップDF1およびXDF1と、同一入力(例えばLとLなど)でL出力「0」し、異なる入力(例えばHとL)でH出力「1」する4つの排他的論理和回路XOR1〜XOR4とを有している。
【0033】
排他的論理和回路XOR1〜XOR4は、入力信号が共に「0」または共に「1」である場合にLレベル「0」が出力され、入力信号の一方が「0」で他方が「1」の場合にはHレベル「1」が出力される。
【0034】
第1排他的論理和回路XOR1の両入力端にはそれそれ、入力信号INと、第4排他的論理和回路XOR4の出力信号とがそれぞれ入力されている。第2排他的論理和回路XOR2の両入力端にはそれそれ、第1排他的論理和回路XOR1の出力信号と、第1フリップフロップDF1の出力信号とがそれぞれ入力されている。
【0035】
第1フリップフロップDF1の入力端子Dには、第2排他的論理和回路XOR2の出力信号が入力され、第1フリップフロップDF1のクロック端子にはクロック信号CLKが供給されており、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングで入力端子Dからの入力データが出力端子Qから出力されて保持される。
【0036】
第3排他的論理和回路XOR3の両入力端にはそれそれ、第1排他的論理和回路XOR1の出力信号と、第2フリップフロップXDF1の出力信号とがそれぞれ入力されている。
【0037】
第2フリップフロップXDF1の入力端子Dには第3排他的論理和回路XOR3の出力信号が入力され、第2フリップフロップXDF1のクロック端子にはクロック信号CLKが反転されて供給されており、クロック信号CLKの立ち下がりタイミングで入力端子Dからの入力データが出力端子Qから出力されて保持される。
【0038】
第4排他的論理和回路XOR4の両入力端にはそれそれ、第1フリップフロップDF1の出力信号と、第2フリップフロップXDF1の出力信号とがそれぞれ入力されており、両出力信号が同一入力でL出力する第4排他的論理和回路XOR4の出力信号が最終出力結果(最終出力信号OUT)として保持回路10から出力される。
【0039】
上記構成により、以下に、本実施形態1のデータ保持回路10の動作について詳細に説明する。
【0040】
図2は、図1のデータ保持回路10の動作を説明するための各部の信号波形図である。なお、図2には、入力信号INとクロック信号CLKと最終出力結果(最終出力信号OUT)とが示されている。
【0041】
まず、初期状態において、入力信号INおよびクロック信号CLKが入力されていないことにより、フリップフロップDF1およびXDF1の値は不定となり、「0」および「1」のいずれでもない状態になる。このため、図2に示すように、データ保持回路10の最終出力結果としての最終出力信号OUTについても不定となり、「0」および「1」のいずれでもない出力状態になっている。
【0042】
このような状態で、フリップフロップDF1およびXDF1にクロック信号CLKが供給されると共に、入力信号INが出力されると、第1排他的論理和回路XOR1は、入力信号INを入力して、その出力信号が「1」となる。第1排他的論理和回路XOR1からの出力信号は、第2排他的論理和回路XOR2および第3排他的論理和回路XOR3にそれぞれ入力される。第2排他的論理和回路XOR2および第3排他的論理和回路XOR3のそれぞれの他方の入力である第1フリップフロップDF1の出力信号および第2フリップフロップXDF1の出力信号がそれぞれ、Lレベルの「0」であることによって、第2排他的論理和回路XOR2および第3排他的論理和回路XOR3からのそれぞれの出力信号も、Hレベルの「1」になる。
【0043】
次に、第2排他的論理和回路XOR2からの出力信号「1」が、第1フリップフロップDF1の入力端子Dに入力されると、第1フリップフロップDF1は、入力されるクロック信号CLKのパルスの立上がりに同期して、出力信号「1」を出力する。このように、第1フリップフロップDF1の出力信号が「1」になることにより、第2排他的論理和回路XOR2の他方の入力信号が「1」になり、第2排他的論理和回路XOR2からの出力信号は「0」になる。これを受けて、第1フリップフロップDF1は、第2排他的論理和回路XOR2への出力信号が「0」になっても、その出力信号「1」を保持し、クロック信号CLKのパルスの立下りによってその出力信号は「0」に変化する。
【0044】
他方、第3排他的論理和回路XOR3からの出力信号「1」が、第2フリップフロップXDF1の入力端子Dに入力されると、第2フリップフロップXDF1は、入力されるクロック信号CLKの反転パルスが入力されていることから、クロック信号CLKのパルスの立下がりに同期して「1」を出力する。第2フリップフロップXDF1の出力信号が「1」になることにより、第3排他的論理和回路XOR3の他方の入力端への入力信号も「1」になり、第3排他的論理和回路XOR3からの出力信号は「0」になる。これを受けて、第2フリップフロップXDF1は、第3排他的論理和回路XOR3からの出力信号が「0」になっても、その出力信号「1」を保持し、その後にクロック信号CLKのパルスが入力されると、その立上がりによって出力信号は「0」に変化する。
【0045】
第2排他的論理和回路XOR2は、クロック信号CLKのパルスの立上がりによって「1」を出力し、第3排他的論理和回路XOR3は、クロック信号CLKのパルスの立下りによって「1」を出力する。第2排他的論理和回路XOR2は、クロック信号CLKのパルスの立上がりによって「1」が出力されると、このとき、第3排他的論理和回路XOR3からの出力信号が「0」であることから、第4排他的論理和回路XOR4からの出力信号、即ち、最終出力結果(最終出力信号OUT)は「1」になる。その後、第3排他的論理和回路XOR3が、クロック信号CLKのパルスの立下りによって「1」を出力すると、第4排他的論理和回路XOR4の出力信号、即ち、最終出力結果(最終出力信号OUT)は「0」になる。
【0046】
したがって、クロック信号CLKのパルスの立上がり時または立下り時に、入力信号INとして「1」が入力されていることにより、最終出力結果(最終出力信号OUT)は「1」になり、入力信号INとしての「1」が、複数のパルスの立上がり時まで継続することにより、最終出力結果(最終出力信号OUT)は「1」を継続し、入力信号INが「0」に切り替わった後のパルスの立上がりまたは立下りに同期して、最終出力結果(最終出力信号OUT)は「0」に変化する。
【0047】
よって、図2に示すように、入力信号INが「1」または「0」になっていることを、確実に半クロック単位でサンプリングすることが可能となり、また、入力信号INが「1」または「0」になっていることを、半クロック幅のパルス信号についても正しく再現することができる。
【0048】
また、従来のように遅延回路を用いずに、本実施形態1のデータ保持回路10(ラッチ回路)により、グリッチノイズが出ていない入力信号INのエッジ部以外の安定した信号部分をサンプリングすることによって、最終出力信号OUTからグリッチノイズを容易に除去することができる。
(実施形態2)
本実施形態2では、上記実施形態1の第1フリップフロップDF1および第2フリップフロップXDF1に非同期リセット端子Rを設けて第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2として、リセット信号XRにより最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とする場合について説明する。
【0049】
図3は、本発明の実施形態2に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【0050】
図3において、本実施形態2のデータ保持回路20は、第1および第2の2つのフリップフロップDF2およびXDF2と4つの排他的論理和回路XOR1〜XOR4とを有している。
【0051】
これらの第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2には、非同期リセット端子Rがそれぞれ設けられており、リセット信号XRが第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2の各リセット端子Rにそれぞれ入力される構成となっている。なお、その他の構成については、図1に示すデータ保持回路10の場合と同様の構成である。
【0052】
上記構成により、以下、本実施形態2のデータ保持回路20の動作について説明する。
【0053】
図4は、図3のデータ保持回路20の動作を説明するための各部の信号波形図である。なお、図4には、入力信号INとクロック信号CLKとリセット信号XRと最終出力結果(最終出力信号OUT)とが示されている。
【0054】
図4に示すように、本実施形態2の保持回路20では、リセット信号XRを「1」として、その反転信号が、第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2の各リセット端子Rにそれぞれ入力されることにより、第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2がそれぞれセット状態になり、上記実施形態1のデータ保持回路10の場合と同様に、クロック信号CLKの最初の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、入力信号INの値が最終出力信号OUTとして出力されて保持される。したがって、入力信号INを確実に半クロック単位でサンプリングすることが可能となり、入力信号INの半クロック幅のパルス信号についても正しく再現することができる。
【0055】
特に、本実施形態2では、リセット信号XRを「0」とすることにより、その反転信号が入力されて、クロック信号CLKとは無関係に、最終出力信号OUTを「0」にリセットすることができる。このため、初期状態において、図2では不安定な出力状態になっていた最終出力信号OUTを「0」に設定することができる。
【0056】
なお、本実施形態2の保持回路20において、第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2にそれぞれ非同期リセット端子Rが設けられ、そのリセット信号XRが第1フリップフロップDF2および該第2フリップフロップXDF2の各リセット端子Rにそれぞれ入力されて、このリセット信号XRにより最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とする場合について説明したが、これに限らず、第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2にそれぞれ非同期セット端子Sが設けられ、そのリセット信号XRが第1フリップフロップDF2および第2フリップフロップXDF2の各セット端子Sにそれぞれ入力される構成としてもよく、これによっても、リセット信号XRを「0」とすることにより、最終出力信号OUTを「0」にリセットすることができて、初期状態において、図2では不安定な出力状態になっていた最終出力信号OUTを「0」に設定することができる。
【0057】
また、従来のように遅延回路を用いずに、本実施形態2のデータ保持回路20(ラッチ回路)により、グリッチノイズが出ていない入力信号INのエッジ部以外の安定した信号部分をサンプリングすることによって、最終出力信号OUTからグリッチノイズを容易に除去することができる。
(実施形態3)
本実施形態3では、上記実施形態1の第1フリップフロップDF1に非同期セット端子S、上記実施形態1の第2フリップフロップXDF1に非同期リセット端子Rを設けて、第1フリップフロップDF3および第2フリップフロップXDF3として、セット信号XSにより最終出力信号を’1’にセット可能とする場合について説明する。
【0058】
図5は、本発明の実施形態3に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【0059】
図5において、本実施形態3のデータ保持回路30は、第1および第2の2つのフリップフロップDF3およびXDF3と、4つの排他的論理和回路XOR1〜XOR4とを有している。
【0060】
この第1フリップフロップDF3には非同期セット端子Sが設けられ、第2フリップフロップXDF3には非同期リセット端子Rが設けられている。第1フリップフロップDF3のセット端子Sおよび第2フリップフロップXDF3のリセット端子Rには、セット信号XSがそれぞれ入力されている。なお、その他の構成については、図1に示すデータ保持回路10の場合と同様の構成である。
【0061】
上記構成により、以下、本実施形態3のデータ保持回路30の動作について説明する。
【0062】
図6は、図5のデータ保持回路30の動作を説明するための各部の信号波形図である。なお、図6には、入力信号INとクロック信号CLKとセット信号XSと最終出力信号OUTとが示されている。
【0063】
図6に示すように、本実施形態3に係るデータ保持回路30では、セット信号XSを「1」として、その反転信号が、第1フリップフロップDF3のセット端子Sおよび第2フリップフロップXDF3のリセット端子Rにそれぞれ入力することにより、第1フリップフロップDF3および第2フリップフロップXDF3がそれぞれセット状態になり、上記実施形態1のデータ保持回路10の場合と同様に、クロック信号CLKの最初の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、入力信号INの値が最終出力信号OUTとして出力されて保持される。したがって、入力信号INを確実に半クロック単位でサンプリングすることが可能となり、入力信号INの半クロック幅のパルス信号についても正しく再現することができる。
【0064】
特に、本実施形態3では、セット信号XSを「0」とすることにより、その反転信号が入力されて、クロック信号CLKとは無関係に、最終出力信号OUTを「1」にセットすることができる。このため、初期状態において、図2では不安定な出力状態になっていた最終出力信号OUTを「1」に設定することができる。
【0065】
なお、本実施形態3のデータ保持回路30において、第1フリップフロップDF3に非同期セット端子Sが設けられ、第2フリップフロップXDF3に非同期リセット端子Rが設けられ、セット信号XSが第1フリップフロップDF3のセット端子Sおよび第2フリップフロップXDF3のリセット端子Rに入力されて、セット信号XSにより最終出力信号OUTを’1’にセット可能とする場合について説明したが、これに限らず、第1フリップフロップDF3に非同期リセット端子Rが設けられ、第2フリップフロップXDF3に非同期セット端子Sが設けられ、セット信号XSを第1フリップフロップDF3のリセット端子Rおよび第2フリップフロップXDF3のセット端子Sに入力させるようにしてもよい。これによっても、セット信号XSにより最終出力信号OUTを’1’に設定することができて、初期状態において、図2では不安定な出力状態になっていた最終出力信号OUTを「0」に設定することができる。
【0066】
また、従来のように遅延回路を用いずに、本実施形態3のデータ保持回路30(ラッチ回路)により、グリッチノイズが出ていない入力信号INのエッジ部以外の安定した信号部分をサンプリングすることによって、最終出力信号OUTからグリッチノイズを容易に除去することができる。
(実施形態4)
本実施形態4では、上記実施形態1の第1フリップフロップDF1に非同期セット端子Sおよび非同期リセット端子R、上記実施形態1の第2フリップフロップXDF1に非同期リセット端子Rを設けて、第1フリップフロップDF4および第2フリップフロップXDF4として、リセット信号XRにより最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とし、また、セット信号XSにより最終出力信号OUTを’1’にセット可能とする場合について説明する。
【0067】
図7は、本発明の実施形態4に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【0068】
図7において、本実施形態4のデータ保持回路40は、第1および第2の2つのフリップフロップDF4およびXDF4と、4つの排他的論理和回路XOR1〜XOR4と、1つの論理積回路AND1とを有している。
【0069】
この第1フリップフロップDF4には、非同期リセット端子Rと非同期セット端子Sの両方が設けられており、リセット信号XRが第1フリップフロップDF4のリセット端子Rに入力され、セット信号XSが第1フリップフロップDF4のセット端子Sに入力されている。また、第2フリップフロップXDF4には、非同期リセット端子Rが設けられており、論理積回路AND1によりリセット信号XRとセット信号XSの論理積をとった出力信号が第2フリップフロップXDFのリセット端子Rに入力されている。なお、その他の構成については、図1に示すデータ保持回路10の場合と同様の構成である。
【0070】
上記構成により、以下、本実施形態4のデータ保持回路40の動作について説明する。
【0071】
図8は、図7のデータ保持回路40の動作を説明するための各部の信号波形図である。なお、図8には、入力信号INとクロック信号CLKとリセット信号XSとセット信号XSと最終出力信号OUTとが示されている。
【0072】
図8に示すように、本実施形態4に係るデータ保持回路40では、リセット信号XRを「0」とすることにより、クロック信号CLKとは無関係に最終出力信号OUTを「0」にセットすることができる。このため、初期状態において、図2では不安定な出力状態になっていた最終出力信号OUTを「0」に設定することができる。また、セット信号XSを「0」とすることにより、クロック信号CLKとは無関係に最終出力信号OUTを「1」にセットすることができる。このため、初期状態において、図2では不安定な出力状態になっていた最終出力信号OUTを’1’に設定することができる。
【0073】
また、図2の場合と同様に、クロック信号CLKの最初の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、入力信号INの値が最終出力信号OUTとして出力されて保持される。さらに、図2の場合と同様に、入力信号INを確実に半クロック単位でサンプリングすることが可能となり、入力信号INの半クロック幅のパルス信号についても正しく再現することができる。
【0074】
なお、本実施形態4のデータ保持回路40において、第1フリップフロップDF4に非同期リセット端子Rおよび非同期セット端子Sの両方が設けられ、第2フリップフロップXDF4に非同期リセット端子Rが設けられ、リセット信号XRが第1フリップフロップDF4のリセット端子Rに入力され、セット信号XSが第1フリップフロップDF4のセット端子Sに入力され、リセット信号XRおよびセット信号XSの論理積をとった信号が第2フリップフロップXDF4のリセット端子Rに入力されて、リセット信号XRにより最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とし、また、セット信号XSにより最終出力信号OUTを’1’にセット可能とする場合について説明したが、これに限らず、第1フリップフロップDF4に非同期リセット端子Rが設けられ、第2フリップフロップXDF4に非同期リセット端子Rおよび非同期セット端子Sの両方が設けられ、リセット信号XRが第2フリップフロップDF4のリセット端子Rに入力され、セット信号XSが第2フリップフロップDF4のセット端子Sに入力され、リセット信号XRおよびセット信号XSの論理積をとった信号が第1フリップフロップXDFのリセット端子Rに入力される構成としてもよい。これによっても、リセット信号XRにより最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とし、また、セット信号XSにより最終出力信号OUTを’1’にセット可能とすることができる。
【0075】
また、本実施形態4のデータ保持回路40に限らず、第1フリップフロップDF4に非同期リセット端子Rおよび非同期セット端子Sの両方が設けられ、第2フリップフロップXDF4に非同期セット端子Sが設けられ、リセット信号XRが第1フリップフロップDF4のセット端子Sに入力され、セット信号XSが第1フリップフロップDF4のリセット端子Rに入力され、リセット信号XRおよびセット信号XSの論理積をとった信号が第2フリップフロップXDF4のセット端子Sに入力される構成としてもよい。これによっても、リセット信号XRにより最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とし、セット信号XSにより最終出力信号OUTを’1’にセット可能とすることができる。
【0076】
さらに、本実施形態4のデータ保持回路40に限らず、第1フリップフロップDF4に非同期セット端子Sが設けられ、第2フリップフロップXDF4に非同期リセット端子Rおよび非同期セット端子Sの両方が設けられ、リセット信号XRが第2フリップフロップDF4のセット端子Sに入力され、セット信号XSが第2フリップフロップDFのリセット端子Rに入力され、リセット信号XRおよびセット信号XSの論理積をとった信号が第1フリップフロップXDF4のセット端子Sに入力される構成としてもよい。これによっても、リセット信号XRにより最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とし、セット信号XSにより最終出力信号OUTを’1’にセット可能とすることができる。
【0077】
また、従来のように遅延回路を用いずに、本実施形態4のデータ保持回路40(ラッチ回路)により、グリッチノイズが出ていない入力信号INのエッジ部以外の安定した信号部分をサンプリングすることによって、最終出力信号OUTからグリッチノイズを容易に除去することができる。
(実施形態5)
本実施形態5では、上記実施形態1〜4のうちの少なくともいずれかを用いた信号処理回路について説明する。
【0078】
図9は、本発明の信号処理回路を受信回路に適用した場合の実施形態5である要部構成例を示す回路図であり、図10は、図9の加算回路INCの要部構成例を示す回路図である。
【0079】
図9において、本実施形態5の受信回路50は、フリップフロップDF10およびXDF11と、排他的論理和回路XOR10と、上記実施形態1〜4のいずれかで説明した本発明のデータ保持回路DDF0、DDF1、DDF2、・・・、DDFnと、加算回路INCとを有している。この受信回路50は、有線によるUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)やSerialATA(シリアル・エーティーエー)などのシリアル通信、または無線によるIrDA(赤外線通信)などのシリアル通信により受信された受信信号RXDの’0’→’1’または’1’→’0’の変化点(エッジ)を検出して変化点検出信号TRGを生成し、また、変化点検出信号TRGの’0’の期間および/または’1’の期間を半クロック単位でカウントして信号長カウンタLNGを生成するものである。
【0080】
フリップフロップDF10のクロック端子にはクロック信号CLKが供給されており、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングで入力端子Dからの入力データである受信信号RXDが出力端子Qから出力されて保持される。
【0081】
フリップフロップXDF11のクロック端子にはクロック信号CLKが反転して供給されており、クロック信号CLKの立ち下がりタイミングで入力端子Dからの入力データである受信信号RXDが出力端子Qから出力されて保持される。
【0082】
排他的論理和回路XOR10は、フリップフロップDF10の出力信号とフリップフロップXDF11の出力信号とが排他的論理和され、同一入力でL出力し、異なる入力でH出力する排他的論理和出力が入力信号INとしてデータ保持回路DDF0に入力される。
【0083】
このデータ保持回路DDF0では、上記実施形態1〜4で説明したように、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、入力信号INの値が最終出力信号OUTとして出力されて保持される。また、この保持回路DDF0の最終出力信号OUTは、変化点検出信号TRGとして出力されると共に、加算回路INCのクリア端子Cに入力されている。
【0084】
加算回路INCは、図10に示すように、計算回路D1と、反転回路INV1と、論理積回路AND1〜ANDnとを有している。
【0085】
計算回路D1は、入力端子Dからの入力信号Dに'1'が加算されて’D+1’として出力される。
【0086】
反転回路INV1は、クリア端子Cからの信号が入力され、これが反転されて出力される。
【0087】
論理積回路AND1〜ANDnは、計算回路D1からの出力信号と、反転回路INV1からの出力信号とが論理積演算される。これによって、加算回路INCでは、クリア端子Cに入力される変化点検出信号TRGが’0’であるときに計算回路D1からの出力信号’D+1’が出力信号Yとして出力され、この変化点検出信号TRGが’1’であるときに計算回路D1からの出力値が’0’にクリアされる。これによって、ここでは、変化点検出信号TRGの’0’の期間を半クロック単位でカウントして信号長カウンタLNGを生成している。
【0088】
加算回路INCの演算結果Yは、入力信号INとしてデータ保持回路DDF1〜DDFnにそれぞれ入力される。これらのデータ保持回路DDF1〜DDFnでは、上記実施形態1〜4で説明したように、クロック信号CLKの最初の立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングにおいて、入力信号INの値が最終出力信号OUTとして出力されて保持される。データ保持回路DDF1〜DDFnの最終出力信号OUTは信号長カウンタLNGとして出力されると共に、加算回路INCの入力端子Dに入力される。
【0089】
上記構成により、以下、本実施形態5の信号処理回路としての受信回路50の動作について説明する。
【0090】
図11は、図9の受信回路50の動作を説明するための各部の信号波形図である。なお、図11には、クロック信号CLKと受信信号RXDとフリップフロップDF10からの出力信号Q10とフリップフロップXDF11からの出力信号Q11と変化点検出信号TRGと信号長カウンタLNGとが示されている。
【0091】
図11に示すように、まず、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて受信信号RXDが’0’のときに出力信号Q10およびQ11は’0’となり、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて受信信号RXDが’1’のときには出力信号Q10およびQ11は’1’となる。
【0092】
次に、クロック信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、出力信号Q10およびQ11の排他的論理和が’0’である場合に、変化点検出信号TRGは’0’となり、クロック信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、出力信号Q10およびQ11の排他的論理和が’1’である場合には、受信信号の変化点が検出されて変化点検出信号TRGが半クロックだけ’1’となる。
【0093】
信号長カウンタLNGは、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングで’0’、’1’、’2’、・・・と順に1つずつカウントアップされ、変化点検出信号TRGが’1’になると、そのカウント値が’0’にクリアされる。この例では、受信信号RXDの最初の’1’期間は1クロック、次の’0’期間は1.5クロック、次の’1’期間は2クロック、次の’0’期間は2.5クロックとなり、変化点検出信号TRGが’1’になったときの信号長カウンタLNGの値が順に1、2、3、4となるように設計されている。これによって、変化点検出信号TRGの’0’の期間が半クロック単位で信号長カウンタLNGとしてカウントされる。
【0094】
ここで、以下に、図9の受信回路50と、従来技術により図9の受信回路50と同等の機能を実現可能な受信回路とを比較するために、参考例として図12および図13を用いて詳細に説明する。
【0095】
図12は、従来技術により図9の受信回路50と同等の機能を実現可能な受信回路の要部構成例を示す回路図である。なお、従来技術により変化点検出信号TRGを生成する方法としては、様々なものが考えられるが、図12の受信回路はその一例である。
【0096】
図12において、この受信回路60は、フリップフロップDF20およびXDF21、DF22およびXDF23と、排他的論理和回路XOR20と、遅延回路61〜63と、論理積回路AND20およびAND21と、論理和回路OR20および21と、カウンタCNT0およびCNT1と、加算回路64とを有している。
【0097】
フリップフロップDF20のクロック端子にはクロック信号CLKが供給されており、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングで入力端子Dからの入力データである受信信号RXDが出力端子Qから出力されて保持される。
【0098】
フリップフロップXDF21のクロック端子にはクロック信号CLKが反転されて供給されており、クロック信号CLKの立ち下がりタイミングで入力端子Dからの入力データである受信信号RXDが出力端子Qから出力されて保持される。
【0099】
排他的論理和回路XOR20では、フリップフロップDF20の出力信号Q20と、フリップフロップXDF21の出力信号Q21とが排他的論理和される。
【0100】
フリップフロップDF22では、排他的論理和回路XOR20からの出力信号が、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングで出力信号TRG0として出力されて保持される。また、フリップフロップXDF23では、排他的論理和回路XOR20からの出力信号が、クロック信号CLKの立ち下がりタイミングで出力信号TRG1として出力されて保持される。
【0101】
論理積回路AND20では、フリップフロップDF22の出力信号TRG0と、遅延回路61によりクロック信号CLKが遅延された信号とが論理積される。
【0102】
論理積回路AND21では、フリップフロップXDF23の出力信号TRG1と、遅延回路62によりクロック信号が遅延されて反転された信号とが論理積される。
【0103】
論理和回路OR20では、これらの論理積結果が論理和されて、半クロック分の変化点検出信号TRGが生成される。
【0104】
論理和回路OR21では、その変化点検出信号TRGと、変化点検出信号TRGが遅延回路63により遅延されて反転された信号とが論理和されてリセット信号XRSTが生成される。
【0105】
カウンタCNT0では、クロック信号の立ち上がりタイミングでカウントアップされる。また、カウンタCNT1では、クロック信号の立ち下がりタイミングでカウントアップされる。論理和回路OR21からのリセット信号XRSTはそれぞれ、カウンタCNT0およびCNT1の各リセット端子に供給されて、カウンタCNT0およびカウンタCNT1の非同期リセット信号として使用される。
【0106】
加算回路64では、カウンタCNT0およびCNT1からの各出力値LNG0およびLNG1が加算されて信号長カウンタLNGの値が生成される。
【0107】
上記構成により、以下、図12の従来の受信回路60の動作について説明する。
【0108】
図13は、従来の受信回路60の動作を説明するための各部の信号波形図である。なお、図13には、クロック信号CLKと受信信号RXDとフリップフロップDF20からの出力信号Q20とフリップフロップXDF21からの出力信号Q21とフリップフロップDF22からの出力信号TRG0とフリップフロップXDF23からの出力信号TRG1とフリップフロップ変化点検出信号TRGとリセット信号XRSTとカウンタCNT0からの出力値LNG0とカウンタCNT1からの出力値LNG1と信号長カウンタLNGとが示されている。
【0109】
図13に示すように、まず、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、受信信号RXDが’0’のときにはフリップフロップDF20およびフリップフロップXDF21からの出力信号Q20およびQ21は共に’0’になる。また、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、受信信号RXDが’1’のときにはフリップフロップDF20およびフリップフロップXDF21からの出力信号Q20およびQ21は共に’1’になる。
【0110】
クロック信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、フリップフロップDF20およびフリップフロップXDF21からの出力信号Q20およびQ21の排他的論理和が’0’である場合に、フリップフロップDF22およびフリップフロップXDF23からの出力信号TRG0およびTRG1は’0’となる。また、クロック信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングにおいて、フリップフロップDF20およびフリップフロップXDF21からの出力信号Q20およびQ21の排他的論理和が’1’である場合に、フリップフロップDF22およびフリップフロップXDF23からの出力信号TRG0およびTRG1は’1’となる。クロック信号の立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングにおいて、出力信号TRG0およびTRG1のいずれか一方が’1’である場合に受信信号の変化点が検出されて変化点検出信号TRGが半クロックだけ’1’となる。
【0111】
変化点検出信号TRGの立ち下りタイミングでリセット信号XRSTが’1’となる。カウンタ出力値LNG0およびLNG1はクロック信号の立ち上がりタイミングおよび立ち上がりタイミングで’0’、’1’、’2’、・・・とカウントアップされ、リセット信号XRSTにより’0’にクリアされる。信号長カウンタLNGは、加算回路64にてその出力信号LNG0およびLNG1の加算値Tiとして出力される。この例でも、受信信号RXDの最初の’1’期間は1クロック、次の’0’期間は1.5クロック、次の’1’期間は2クロック、次の’0’期間は2.5クロックとなり、変化点検出信号TRGが’1’になったときの信号長カウンタLNGの値が順に1、2、3、4となるように設計されている。
【0112】
図12に示す参考例の受信回路60では、遅延回路61〜63の遅延時間が長すぎても短すぎても、不具合が発生し、その遅延時間のばらつきによってもグリッチノイズが発生する。
【0113】
これに対して、図9に示す実施形態5の受信回路50では、遅延回路が一切使用されておらず、クロック信号CLKを組み合わせ回路に入力する必要もないため、特に注意することなく、安定に動作する回路を実現することができる。
【0114】
また、クロック信号CLKの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのいずれかのみを用いた同期回路とほぼ同等の設計方法により、クロック信号CLKの立ち上がりと立ち下がりの両エッジを用いた回路を設計することが可能となり、容易に信頼性が高い回路を設計することができる。
【0115】
なお、本実施形態5では、本発明の信号処理装置を受信装置に適用した実施形態5について説明したが、これに限らず、本発明の信号処理装置としては、その他の通信装置や、ディスクからデータを読み出す読出回路に適用することも可能である。
【0116】
以上により、本発明のデータ保持回路では、2つのフリップフロップと4つの排他的論理和回路とを有しており、第1排他的論理和回路の入力端には、入力信号INと第4排他的論理和回路の出力信号とが入力され、第2排他的論理和回路の入力端には、第1排他的論理和回路の出力信号と第1フリップフロップの出力信号が入力され、第3排他的論理和回路の入力端には、第1排他的論理和回路の出力信号と第2フリップフロップの出力信号とが入力され、第1フリップフロップの入力端子Dには第2排他的論理和回路の出力信号が入力されてクロック信号CLKの立ち上がりタイミングで入力データDが出力されて保持され、第2フリップフロップの入力端子Dには第3排他的論理和回路の出力信号が入力されてクロック信号CLKの立ち下がりタイミングで入力データDが出力されて保持され、第4排他的論理和回路の入力端には第1フリップフロップと第2フリップフロップの各出力信号が入力され、第4排他的論理和回路の出力信号が最終出力結果OUTとして出力される。これによって、設計が容易でグリッチノイズを発生させることなくクロック信号CLKの立ち上がりと立ち下がりの両エッジを用いて半クロック単位で入力信号INのレベルをラッチするデータ保持回路を得ることができる。
【0117】
また、従来のように遅延回路を用いずに、本発明のデータ保持回路により、グリッチノイズが出ていない入力信号INのエッジ部以外の安定した信号部分をサンプリングすることによって、最終出力信号OUTからグリッチノイズを容易に除去することができる。
【0118】
なお、以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜5を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜5に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜5の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、クロック信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングの両方で入力信号をラッチ可能なデータ保持回路および、通信や各種ディスクからのデータ読み出しなどを行うために、このデータ保持回路が用いられる信号処理回路の分野において、2つのフリップフロップと、4つの排他的論理和という比較的単純な構成により、グリッチノイズを発生させることなく、クロック信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングの両方において入力信号をラッチすることができる。
【0120】
また、従来のように遅延回路を用いずに、本発明のデータ保持回路(ラッチ回路)により、グリッチノイズが出ていない入力信号のエッジ部以外の安定した信号部分をサンプリングすることによって、最終出力信号OUTからグリッチノイズを容易に除去することができる。
【0121】
さらに、本発明のデータ保持回路を用いた信号処理回路によれば、従来と同じ周波数のクロック信号により、半クロック単位で信号処理が可能となり、精度が向上する。また、従来の半分の周波数のクロック信号により、従来と同等の精度で信号処理を行い、消費電流や不要輻射ノイズを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施形態1に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【図2】図1のデータ保持回路の動作を説明するための各部の信号波形図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【図4】図3のデータ保持回路の動作を説明するための各部の信号波形図である。
【図5】本発明の実施形態3に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【図6】図5のデータ保持回路の動作を説明するための各部の信号波形図である。
【図7】本発明の実施形態4に係るデータ保持回路の要部構成例を示す回路図である。
【図8】図8のデータ保持回路の動作を説明するための各部の信号波形図である。
【図9】本発明の信号処理回路を受信回路に適用した場合の実施形態5の要部構成例を示す回路図である。
【図10】図9の加算回路INCの要部構成例を示す回路図である。
【図11】図9の受信回路の動作を説明するための各部の信号波形図である。
【図12】従来技術により図9の受信回路と同等の機能を実現可能な受信回路の要部構成例を示す回路図である。
【図13】図12の従来の受信回路の動作を説明するための各部の信号波形図である。
【符号の説明】
【0123】
10、20、30、40 データ保持回路
50 受信回路
XOR1〜XOR4、XOR10 排他的論理和回路
DF1〜DF4、XDF1〜XDF4、DF10、XDF11 フリップフロップ
DDF0〜DDFn データ保持回路
INC 加算回路
AND1〜ANDn 論理積回路
D1 ”D+1”計算回路
INV1 反転回路
IN 入力信号
CLK クロック信号
OUT 最終出力信号
XR リセット信号
XS セット信号
RXD 受信信号
TRG 変化点検出信号
LNG 信号長カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのフリップフロップと4つの排他的論理和回路とを有し、
第1排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、入力信号と第4排他的論理和回路の出力信号とがそれぞれ入力され、
第2排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、該第1排他的論理和回路の出力信号と第1フリップフロップの出力信号とがそれぞれ入力され、
第3排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、該第1排他的論理和回路の出力信号と第2フリップフロップの出力信号とがそれぞれ入力され、
該第1フリップフロップの入力端子には該第2排他的論理和回路の出力信号が入力され、該第1フリップフロップのクロック端子にはクロック信号が入力されて、該クロック信号の立ち上がりタイミングで該入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持され、
該第2フリップフロップの入力端子には該第3排他的論理和回路の出力信号が入力され、該第2フリップフロップのクロック端子には該クロック信号の反転信号が入力されて、該クロック信号の立ち下がりタイミングで当該入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持され、
該第4排他的論理和回路の両入力端にはそれぞれ、該第1フリップフロップの出力信号と該第2フリップフロップの出力信号とが入力され、該第4排他的論理和回路の出力信号が出力結果として出力されて、該クロック信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングの両方で該入力信号がラッチされるように構成されているデータ保持回路。
【請求項2】
前記第1フリップフロップおよび前記第2フリップフロップにそれぞれ非同期リセット端子がそれぞれ設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップおよび該第2フリップフロップの各リセット端子にそれぞれ入力されて、該リセット信号XRにより最終出力信号を’0’にリセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項3】
前記第1フリップフロップおよび前記第2フリップフロップにそれぞれ非同期セット端子がそれぞれ設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップおよび該第2フリップフロップの各セット端子にそれぞれ入力されて、該リセット信号により最終出力信号OUTを’0’にリセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項4】
前記第1フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、セット信号が該第1フリップフロップDFのセット端子および該第2フリップフロップのリセット端子にそれぞれ入力されて、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項5】
前記第1フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、セット信号が該第1フリップフロップのリセット端子および該第2フリップフロップのセット端子にそれぞれ入力されて、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項6】
前記第1フリップフロップに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップのリセット端子に入力され、セット信号が該第1フリップフロップのセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第2フリップフロップのリセット端子に入力されて、該リセット信号により最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項7】
前記第1フリップフロップに非同期リセット端子が設けられ、前記第2フリップフロップXに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、リセット信号が該第2フリップフロップのリセット端子に入力され、セット信号が該第2フリップフロップのセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第1フリップフロップのリセット端子に入力されて、該リセット信号により最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項8】
前記第1フリップフロップに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、リセット信号が該第1フリップフロップのセット端子に入力され、セット信号が該第1フリップフロップDFのリセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第2フリップフロップのセット端子に入力されて、該リセット信号により最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項9】
前記第1フリップフロップに非同期セット端子が設けられ、前記第2フリップフロップに非同期リセット端子と非同期セット端子の両方が設けられ、リセット信号が該第2フリップフロップのセット端子に入力され、セット信号が該第2フリップフロップDFのリセット端子に入力され、該リセット信号と該セット信号の論理積をとった信号が該第1フリップフロップのセット端子に入力されて、該リセット信号XRにより最終出力信号を’0’にリセット可能とされ、該セット信号により最終出力信号を’1’にセット可能とされている請求項1に記載のデータ保持回路。
【請求項10】
前記第1フリップフロップは前記クロック信号の立ち上がりのタイミングで該第1フリップフロップへの入力信号をラッチし、前記第2フリップフロップは該クロック信号の立ち下がりのタイミングで該第2フリップフロップへの入力信号をラッチする請求項1〜9のいずれかに記載のデータ保持回路。
【請求項11】
クロック信号の立ち上がりタイミングでデータ入力端子に入力された入力データが出力端子から出力されて保持される第1フリップフロップと、該クロック信号の立ち下がりタイミングでデータ入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持される第2フリップフロップと、該第1フリップフロップの出力信号と該第2フリップフロップの出力信号とに対して所定の演算を行う組み合わせ回路と、該組み合わせ回路からの演算結果データが入力されて変化点検出信号を出力す請求項1〜10のいずれかに記載のデータ保持回路とを有する信号処理回路。
【請求項12】
クロック信号の立ち上がりタイミングでデータ入力端子に入力された入力データが出力端子から出力されて保持される第1フリップフロップと、該クロック信号の立ち下がりタイミングでデータ入力端子への入力データが出力端子から出力されて保持される第2フリップフロップと、該第1フリップフロップの出力信号と該第2フリップフロップの出力信号との排他的論理和が入力信号としてラッチされる請求項1〜10のいずれかに記載の第1のデータ保持回路と、該データ保持回路からの出力信号を変化点検出信号のレベルに応じて1を加算するかクリアにする1加算回路と、該1加算回路の演算結果データが入力信号としてラッチされる請求項1〜10のいずれかに記載の第2の複数のデータ保持回路とを有し、
該第2の複数のデータ保持回路の各出力信号が該1加算回路の入力信号としてカウンタが構成されて、当該入力信号が’0’である期間または’1’である期間を半クロック単位で計測可能とされている信号処理回路。
【請求項13】
原発振クロック信号が分周される1つまたは2つ以上の分周回路、該原発振クロック信号と分周クロック信号から所望のクロック信号を選択する選択回路および、選択されたクロック信号が出力される信号出力回路を有する信号選択出力回路と、該信号選択出力回路からのクロック信号が入力信号としてラッチされる請求項1〜10のいずれかに記載のデータ保持回路とを備えた信号処理回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−147986(P2008−147986A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332681(P2006−332681)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】