説明

データ記録装置

【課題】小型化回路規模のオーバーライト回避機能を備えたデータ記録装置を提供する。
【解決手段】第1の閾値を超える第1の電気信号の供給によって第1の状態への書き込みが行われ、前記第1の電気信号とは逆極性であってかつ第2の閾値を超える第2の電気信号の供給によって第2の状態への書き込みが行われ、第1及び第2の端子を有する抵抗変化型メモリ素子と、第1及び第2の端子にそれぞれ第1及び第2の電気信号を供給する第1及び第2の電源回路と、第1の端子に接続され、第1の端子に供給される電気信号で前記メモリ素子の前記第1の状態を検出する第1の検出回路と、第2の端子に接続され、第2の端子に供給される電気信号でメモリ素子の第2の状態を検出する第2の検出回路と、抵抗変化型メモリ素子のオーバーライトを防止するため第1及び第2の検出回路の検出信号に従って第1及び第2の電源回路の出力を制御する制御回路とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗変化型メモリ素子へデータを記録するデータ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
両端の電極に印加する電圧の極性を変えることにより抵抗値が変化する抵抗変化型メモリ素子が開発されている(非特許文献1)。このメモリ素子は、例えば、記録部分として固体電解質であるCuSが使用され、CuとTiの2つの電極によって記録部分をはさんだ構造を有している。このような構造のメモリ素子は、初期状態には高抵抗状態、例えば1MΩ以上となり、低抵抗状態へ書き込みを行うときには、Ti電極側が低電位になるように電圧が両電極にそれぞれ印加される。この操作により、Cu電極のCuの一部がイオン化され、固体電解質中を移動し、Ti電極で電子を受け取って析出していく。これによって、両電極をショートするCuの導電経路が記録部分に形成される。このように両電極がショートしたことによりメモリ素子は低抵抗状態、例えば50Ωとなる。高抵抗状態への書き込みは、低抵抗状態への書き込みとは逆極性の書き込み電圧を両電極にそれぞれ印加し、電極間のCu導電経路を消滅することによって行われる。このメモリ素子は、動作電圧が低く、低抵抗状態の抵抗値が低いという特徴から、不揮発性RAMやFPGA配線切り替えスイッチとしての応用が期待されている。
【非特許文献1】T. Sakamoto, et al, 2004 IEEE International Solid-State Circuits Conference p.290-291。
【非特許文献2】N.E. Gilbert, M.N. Kozicki ; An Embeddable Multilevel-Cell Solid Electrolyte Memory Array, IEEE Journal of Solid-State Circuits, Volume 42, Issue 6, June 2007 Page(s):1383 - 1391
【非特許文献3】W. W. Zhuang, W. Pan, B. D. Ulrich, J. J. Lee, L. Stecker, A. Burmaster, D. R. Evans, S. T. Hsu, M. Tajiri, A. Shimaoka, K. Inoue, T. Naka, N. Awaya, K. Sakiyama, Y. Wang, S. Q. Liu, N. J. Wu, A. Ignatiev; Novell colossal magnetoresistive thin film nonvolatile resistance random access memory (RRAM), IEDM Tech. Dig., pp. 193 - 196, December 2002.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のメモリ素子では、先に述べたような動作原理であることから、書き込み時間が、状態変化の完了する時間より長い場合、Cu導電経路が余分に太る又は細るというオーバーライトが起こるという問題がある。オーバーライトが発生すると書き込み時間や抵抗値にばらつきが生じ、正常な回路動作を妨げることになる。この問題を解決するために非特許文献1では、状態変化の完了を検出する機能を備えたデータ書込回路を提案している。このデータ書込回路は、状態変化の完了を検出するために参照抵抗とコンパレータを使用しているため、回路面積が大きくなる。このようなメモリ素子をメモリブロックサイズが小さいRAMやFPGA配線切り替えスイッチに応用する場合、オーバーライトを回避するために多数の状態変化検出回路が必要となる。このため、記憶装置全体の回路規模は大きくなってしまう。そこで、状態変化検出回路の回路規模を小さくする必要がある。
【0004】
本発明は、できるだけ小さい回路規模で状態変化を検出する、オーバーライト回避機能を備えたデータ記録装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
メモリ素子の記録状態をそれぞれ異なるノードの信号変化で検出し書込電源をシャットダウンする小型のデータ記録装置を提供する。
【0006】
本発明の一態様は、第1の閾値を超える第1の電気信号の供給によって第1の状態への書き込みが行われ、前記第1の電気信号とは逆極性であってかつ第2の閾値を超える第2の電気信号の供給によって第2の状態への書き込みが行われ、少なくとも第1及び第2の端子を有する抵抗変化型メモリ素子と、前記抵抗変化型メモリ素子の前記第1及び第2の端子にそれぞれ前記第1及び第2の電気信号を供給する第1及び第2の電源回路と、前記抵抗変化型メモリ素子の前記第1の端子に接続され、前記第1の端子に供給される電気信号で前記メモリ素子の前記第1の状態を検出する第1の検出回路と、前記抵抗変化型メモリ素子の前記第2の端子に接続され、前記第2の端子に供給される電気信号で前記メモリ素子の前記第2の状態を検出する第2の検出回路と、前記抵抗変化型メモリ素子のオーバーライトを防止するため前記第1及び前記第2の検出回路の検出信号に従って前記第1及び第2の電源回路の出力を制御する制御回路と、を具備するデータ記憶装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
電源回路を遮断してオーバーライトを回避するための書込状態を検出する素子としてインバータを用いているのでデータ記録装置の回路規模が小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0009】
図1に示す第1の実施形態のデータ記録装置は、抵抗変化型メモリ素子11、この抵抗変化型メモリ素子11の2端子にそれぞれ接続される電源回路12、13、メモリ素子11の端子14,15にそれぞれ接続される検出回路16、17及び電源回路12,13及び検出回路16,17に接続されるプログラミング制御回路18により構成される。電源回路12、13、検出回路16、17及びプログラミング制御回路18はオーバーライト防止回路を構成する。
【0010】
抵抗変化型メモリ素子11は逆極性の電圧を両端子にそれぞれ印加することによって異なる状態(例えば1MΩ以上の高抵抗状態及び例えば50Ω程度の低抵抗状態)のデータを書き込むことができる特性を持つメモリ素子である。このメモリ素子はCu2S、Ag2S、Ta2O5、Ag-Ge-S、ZnxCd1-xS、TiOx、Cr-doped SrZrO3、Pr0.7Ca0.3MnO3又は磁気抵抗変化素子を使用できる。電源回路12、13はメモリ素子11の端子14、15に書込電圧を与える。
【0011】
図1のデータ記憶装置によると、メモリ素子11にデータ1を書き込む場合、第1の閾値を超える電気信号が電源回路12からメモリ素子11に供給される。このときの端子14の信号変化が検出回路16によってメモリ素子11の状態1として検出される。この検出信号によってプログラミング制御回路18を介して電源回路12が遮断される。データ0を書き込む場合、第1の閾値を超える電気信号とは逆極性であってかつ第2の閾値を超える電気信号が電源回路13から供給される。このときの端子15の信号変化が検出回路17によってメモリ素子11の状態0として検出され、この検出信号によりプログラミング制御回路18を介して電源回路13が遮断される。このように検出回路16,17の検出信号により電源回路を遮断することによりオーバーライトが低減される。
【0012】
上記実施形態によれば、メモリ素子を書き換えるときに電気信号の書き換える方向が逆になるが、電気信号の電位が高い方が書き換えるデータによって変わる。変わることによって電位の高い方の信号で検出する方が大きな電位の変化を見ることができる。従って検出回路としてインバータを使用しても信号変化を容易に検出することができる。また、メモリ素子の両端において検出する閾値がそれぞれ大きく違うので2つの検出回路によって別々にその値だけを検出すればよいので検出が容易となる。
【0013】
図2の第2の実施形態は半導体集積回路として構成されるデータ記録装置を提供している。この第2の実施形態では、抵抗変化型メモリ素子11は二端子メモリ素子MD1を備えている。トランジスタM1及びインバータINV1及びトランジスタM13を介してプログラミング制御回路18に接続されると共にトランジスタM3及びインバータINV2を介してプログラミング制御回路18に接続される。電源回路12は、pチャンネルトランジスタM1とnチャンネルトランジスタM4とで構成され、電源回路13はpチャンネルトランジスタM3とnチャンネルトランジスタM2とで構成される。検出回路16及び17はインバータINV1及びINV2により構成される。プログラミング制御回路18はリセット機能付きDフリップフロップDFF1とセット機能付きDフリップフロップDFF2とトランジスタM12とM13により構成される。第2の実施形態においても電源回路12、13、検出回路16、17及びプログラミング制御回路18はオーバーライト防止回路を構成する。
【0014】
電源回路12のトランジスタM1のソースは電源VONに接続され、ドレインはメモリ素子11の端子14に接続され、ゲートはDフリップフロップDFF1の反転出力端子/Q1に接続される。トランジスタM4のドレインはメモリ素子11の端子14に接続され、ソースは接地され、ゲートはDフリップフロップDFF2の反転出力端子/Q2に接続される。トランジスタM3のソースは電源VOFFに接続され、ドレインはメモリ素子11の端子15に接続され、ゲートはDフリップフロップDFF2の出力端子Q2に接続される。トランジスタM2のドレインはメモリ素子11の端子15に接続され、ソースは接地され、ゲートはDフリップフロップDFF1の出力端子Q1に接続される。「1(低抵抗状態)」を検出するためのインバータINV1の入力端子及び出力端子は端子14及びDフリップフロップDFF1のリセット端子R1につながるトランジスタM13にそれぞれ接続される。「0(高抵抗状態)」を検出するためのインバータINV2の入力端子及び出力端子は端子15及びDフリップフロップDFF2のセット端子S2にそれぞれ接続される。
【0015】
図2に示す第2の実施形態のデータ記録装置において、0から1(低抵抗状態)へと書き込むためには電源VONとGNDを制御するトランジスタM1とM2がオンにされ、1から0(高抵抗状態)へと書き込むためには電源VOFFとGNDを制御するトランジスタM3とM4がオンにされる。
【0016】
端子14にVONが、端子2にGNDが接続している時、メモリ素子MD1が低抵抗状態になった又は低抵抗状態である時、端子14の電圧はメモリ素子MD1の抵抗値に依存して一定値V1となる。インバータINV1は、入力電圧がV1以下となった時、論理が反転するインバータである。一方、インバータINV2は「0(高抵抗状態)」を検出するためのインバータである。端子2にVOFFが、端子14にGNDが接続している時、メモリ素子MD1が高抵抗状態になった或いは高抵抗状態である時、端子15の電圧はメモリ素子MD1の抵抗値に依存した一定値V2となる。インバータINV2は、入力電圧がV2以上となった時、論理が反転するインバータである。インバータの論理が反転する電圧はMOSトランジスタのサイズや基板電圧などをパラメータとして、変えることができる。
【0017】
第2実施形態のデータ記録装置の動作を図3のタイミングチャートを参照して説明する。
【0018】
DフリップフロップDFF1のリセット端子R1に入力する信号は、トランジスタM12、M13により、書込タイミング信号が立ち下がっているときは0Vとなる。データ1を書き込む場合、入力データ=1がDフリップフロップDFF1、DFF2の入力端子Dに入力される。書込タイミング信号が立ち上がったとき、DフリップフロップDFF1、DFF2がQ1=Q2=1、/Q1=/Q2=0となるためトランジスタM1とM2がON状態、トランジスタM3とM4がOFF状態となる。そのため端子14、端子15はそれぞれ1書き込み条件の電圧値VON1、VON2となり、メモリ素子MD1へ1の書き込みが行われる。
【0019】
メモリ素子MD1が低抵抗状態になった時又は低抵抗状態である時、端子14の電圧はV1となり、インバータINV1で反転され、DフリップフロップDFF1のリセット端子R1には1が入る。これによりDフリップフロップDFF1のQ1、/Q1の値が反転し、トランジスタM1とM2がOFF状態となり、1書き込み条件の電圧が遮断されることになる。この結果、メモリ素子MD1に過剰な書き込み電圧が印加されることが回避できる。
【0020】
また、データ0を書き込む場合、入力データ=0が入力され、書込タイミング信号が立ち上がったとき、DフリップフロップDFF1、DFF2がQ1=Q2=0、/Q1=/Q2=1となるためトランジスタM3とM4がON状態、トランジスタM1とM2がOFF状態となる。そのため端子14、端子15はそれぞれ0書き込み条件の電圧値VOFF1、VOFF2となり、メモリ素子MD1への0の書き込みが行われる。
【0021】
メモリ素子MD1が高抵抗状態になった時又は高抵抗状態である時、端子15の電圧はV4となり、インバータINV2で反転され、フリップフロップDFF2のセット端子S2には0が入力される。これによりDフリップフロップDFF2の出力Q2、/Q2の値が反転し、トランジスタM3とM4がOFF状態となり、0書き込み条件の電圧が遮断されることになる。
【0022】
上記の第2の実施形態のデータ記録装置によると、素子状態検出部分はトランジスタ4個で構成することができ、従来のコンパレータと参照抵抗2個から成る検出回路と比較して、面積を小さくすることができる。
【0023】
図4を参照して第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態においては、オーバーライト防止回路は第2の実施形態と同様な構成を有し、電源回路12,13の間に複数の二端子メモリ素子MD1、MD2,MD3が選択トランジスタM5,M6,M7をそれぞれ介して並列に接続される。選択トランジスタM5,M6,M7はこれら選択トランジスタM5,M6,M7のゲートに接続されたワードラインWL1,WL2,WL3にワード選択信号が入力されることにより選択される。
【0024】
この第3の実施形態において、ワード選択線にワード選択信号が入力され、トランジスタM6が選択されるとすると、データ1を書き込む場合、入力データ=1がDフリップフロップDFF1、DFF2の入力端子Dに入力される。書込タイミング信号が立ち上がったとき、DフリップフロップDFF1、DFF2がQ1=Q2=1、/Q1=/Q2=0となるためトランジスタM1とM2がON状態、トランジスタM3とM4がOFF状態となる。そのため端子14、端子15はそれぞれ1書き込み条件の電圧値となり、メモリ素子MD2へ1の書き込みが行われる。データ0を書き込む場合、入力データ=0が入力され、書込タイミング信号が立ち上がったとき、DフリップフロップDFF1、DFF2がQ1=Q2=0、/Q1=/Q2=1となるためトランジスタM3とM4がON状態、トランジスタM1とM2がOFF状態となる。そのため端子14、端子15はそれぞれ0書き込み条件の電圧値となり、メモリ素子MD2への0の書き込みが行われる。
【0025】
図5を参照して、二端子メモリ素子が多値メモリである場合の第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態によると、プログラミング制御回路18はラッチ回路19、デコーダ20、停止信号制御回路21から構成される。電源回路12,13が二端子メモリ素子MD1の端子14,15にそれぞれ接続される。端子14はトランジスタM8及びインバータINV3を介して停止信号制御回路21に接続されると共にトランジスタM9及びインバータINV4を介して停止信号制御回路21に接続される。さらに、端子14はトランジスタM10及びインバータINV5を介して停止信号制御回路21に接続される。端子15はトランジスタM11及びインバータINV6を介して停止信号制御回路21に接続される。
【0026】
二端子メモリ素子を異なる2以上の抵抗状態にプログラムすることは、非特許文献2及び3に述べられているように、二端子メモリ素子に与える電気信号の大きさや回数を変えることにより行われる。
【0027】
二端子メモリ素子に4値の抵抗状態をプログラムする場合、たとえば高抵抗状態、低抵抗状態1、低抵抗状態2、低抵抗状態3となるように、二端子メモリ素子に電気信号を与える。まず、2ビットの入力データを書き込みタイミング信号の立ち上がりと同時にラッチ回路19で取り込み、そのデータをデコーダ20で4ビットにデコードする。デコードされた信号は停止信号制御回路21を通過し、プログラムする状態に応じた電源回路12、13と検出回路につながるトランジスタをそれぞれオンさせる。たとえば、高抵抗状態にプログラムする場合は電源回路12、13において二端子メモリ素子MD1に高抵抗状態にプログラムする電源がそれぞれ選択され、高抵抗状態を検出する検出回路INV6につながるトランジスタM11が選択される。二端子メモリ素子MD1が高抵抗状態へ変化すると端子15の電圧値が変化することから検出回路INV6の値が反転し、その信号を受け取った停止信号制御回路21が二端子メモリ素子MD1に電気信号を供給する電源回路12、13をシャットダウンさせる信号を出力する。
【0028】
また、低抵抗状態1、2、3への状態変化検出は、それぞれの状態に変化した際の抵抗値に応じて端子14にかかる電圧値が異なることから、その異なる電圧値で論理が反転するように設定した検出回路INV3、INV4、INV5を用いて、同様に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態のデータ記録装置のブロック図である。
【図2】第2の実施形態のデータ記録装置の回路図である。
【図3】図2のデータ記録装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】複数のメモリ素子へデータの書込を行うデータ記録装置の回路図である。
【図5】多値メモリにデータの書込を行うデータ記録装置の回路図である。
【符号の説明】
【0030】
11…二端子メモリ素子、12,13…電源回路、14,15…端子、16,17…検出回路、18…プログラミング制御回路、19…ラッチ回路、20…デコーダ、21…停止信号制御回路、M1〜M4…トランジスタ、INV1,INV2…インバータ、DFF1,DFF2…Dフリップフロップ、M5〜M7…スイッチトランジスタ、MD1〜MD3…二端子メモリ素子、M8〜M11…スイッチトランジスタ、INV3〜INV6…インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の閾値を超える第1の電気信号の供給によって第1の状態への書き込みが行われ、前記第1の電気信号とは逆極性であって、かつ第2の閾値を超える第2の電気信号の供給によって第2の状態への書き込みが行われ、少なくとも第1及び第2の端子を有する抵抗変化型メモリ素子と、
前記抵抗変化型メモリ素子の前記第1及び第2の端子にそれぞれ前記第1及び第2の電気信号を供給する第1及び第2の電源回路と、
前記抵抗変化型メモリ素子の前記第1の端子に接続され、前記第1の端子に供給される電気信号で前記メモリ素子の前記第1の状態を検出する第1の検出回路と、
前記抵抗変化型メモリ素子の前記第2の端子に接続され、前記第2の端子に供給される電気信号で前記メモリ素子の前記第2の状態を検出する第2の検出回路と、
前記抵抗変化型メモリ素子のオーバーライトを回避するため前記第1及び前記第2の検出回路の検出信号に従って前記第1及び第2の電源回路の出力を制御する制御回路と、
を具備するデータ記憶装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の電源回路の各々は少なくとも二種類の電源と前記抵抗変化型メモリ素子の前記第1及び第2の端子に接続される前記電源を選択する制御スイッチとを備え、前記制御回路は前記第1及び第2の端子に接続する前記電源の組み合わせを変えることによって前記メモリ素子へ供給する前記第1及び第2の電気信号の極性及び絶対値を制御する、請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記第1の検出回路は、前記第1の状態の前記メモリ素子に前記第1の電気信号を供給した場合の前記第1の端子の電気信号に等しい閾値で論理が反転するインバータにより構成され、前記第2の検出回路は、前記第2の状態の前記メモリ素子に前記第2の電気信号を供給した場合の前記第2の端子の電気信号に等しい閾値で論理が反転するインバータにより構成される、請求項1又は2に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記抵抗変化型メモリ素子は並列に接続された複数の抵抗変化型メモリ素子によって構成される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
第1の端子及び第2の端子を有し、抵抗変化型メモリ素子により構成される多値メモリ素子と、
前記第1の端子及び第2の端子にそれぞれ電気信号を供給する第1及び第2の電源回路と、
前記メモリ素子の前記第1又は第2の端子に接続され、前記多値メモリ素子の2以上の異なる抵抗状態を検出する2以上のインバータと、
前記メモリ素子のオーバーライトを回避するため前記インバータの検出信号によって前記第1及び第2の電源回路の出力を制御する制御回路と、
を具備するデータ記憶装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の電源回路は電源を制御する制御スイッチを含み、前記メモリ素子の第1及び第2の状態の抵抗値のうち少なくとも一方の抵抗値が前記第1及び第2の電源回路の制御スイッチのオン抵抗以上である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータ記録装置。
【請求項7】
前記メモリ素子は、CuS、AgS、Ta、Ag−Ge−S、ZnCd1−xS、TiO、Cr−doped SrZrO、Pr0.7Ca0.3MnO、及び磁気抵抗変化素子のいずれかによって構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデータ記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−80901(P2009−80901A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250091(P2007−250091)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】