説明

データ送受信装置及び相手方電子機器

【課題】自身及び相手側装置のバッテリー残量を監視、把握して、その結果に応じて送受信を行ったり、送受信を中断して充電を行ったりといった適切な処理を行える装置を提供する。
【課題を解決するための手段】第一バッテリーを含む充電手段と、第一バッテリーの充電度合情報を取得する手段と、データ送受信手段と、相手方電子機器から第二バッテリーの充電度合情報を受信する手段と、取得した複数の充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断する手段と、判断結果に基づいてデータ送受信手段を制御する手段を有するデータ送受信装置を提供する。また、第二バッテリーを含む充電手段と、第二バッテリーの充電度合情報を取得する手段と、データ送受信手段と、データ送受信装置に対して充電度合情報を送信する手段を有する相手方電子機器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己及び相手方電子機器の充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断し、その判断結果に基づいてデータ送受信を制御する手段を有するデータ送受信装置及びその相手方電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯音楽プレーヤやデジタルカメラなどの普及に伴い、パソコンとこれらの周辺機器などとをUSBなどのインターフェイスで接続し、相互にデータを送受信することが広く行われるようになっている。かかるデータ送受信装置及び相手方電子機器のなかには、他の一方からあるいは外部から電力の供給を受けながらデータ送受信を行うタイプのものもある半面、データ送受信と充電を同時に行うことができず、データ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプのものも見られる。
後者のタイプの場合、データ送受信中にバッテリー残量がなくなるともはやデータ送受信ができなくなり、データ送受信が不完全な形で終わってしまったり、これ以上のデータ送受信ができなくなったりして不便である。そこで、従来、バッテリー残量を表示したり、さらに送受信を行おうとしているデータサイズを考慮してバッテリー残量が不足する場合に警告を発することで、かかる不便を回避しようとする工夫がなされてきた。
例えば、特許文献1においては、バッテリー残量を検出する手段と、バッテリー残量に基づいて送信可能なデータサイズを取得する手段と、送信指定されたデータの送信にかかる総送信データサイズを取得する手段と、当該送信可能なデータサイズと総送信データサイズを比較する手段と、送信可能なデータサイズが総送信データサイズより小さい場合には少なくとも送信指定されたデータの一部が送信不可能であることを警告する手段とを有する送信装置、並びに同様の構成によって配信指定されたデータの一部が受信不可能な場合にその旨を警告することが可能な受信装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004‐040457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、データ送受信と充電を同時に行うことができずデータ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプの送受信装置にあっては、送信側・受信側のどちらか一方のバッテリー残量がなくなっただけでデータ送受信ができなくなることから、送信側・受信側の双方がそれぞればらばらに自身のバッテリー残量を把握しているだけでは不十分であって、一方の側(送受信を主導する側)が自身及び相手側装置のバッテリー残量を監視、把握して適切な処理を行えるようにすることが必要である。
また、その場合の処理として、単に送受信が不可能なことを警告するのではなく、データ送受信中の場合にはいったん送受信を中断して充電を行い、充電が完了したところで自動的に送受信を再開した方が便利である。
しかし、これまでかかる相手側装置のバッテリー残量を監視したり、自動的に充電や送受信の再開を行ったりするものは見られなかった。
【0004】
そこで、本発明の解決すべき課題は、データ送受信と充電を同時に行うことができず、データ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプのデータ受信装置及び相手方電子機器において、自身及び相手側装置のバッテリー残量を監視、把握して、その結果に応じて送受信を行ったり、送受信を中断して充電を行ったりといった適切な処理を行える装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明のうち、請求項1に記載の発明は、第一バッテリーを含む第一充電部と、第一バッテリーの充電度合を示す情報である自己充電度合情報を取得する自己充電度合情報取得部と、データ送受信部と、データ送受信部にてデータの送受信をする相手方電子機器から相手方電子機器の第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を受信する相手方充電度合情報受信部と、取得した複数の充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断する判断部と、判断部での判断結果に基づいてデータ送受信部を制御するデータ送受信制御手段を有する第一制御部とを有するデータ送受信装置を提供する。また、請求項2に記載の発明は、第一制御部は、判断部での判断結果に基づいて第一充電部を制御する第一充電部制御手段をさらに有する請求項1に記載のデータ送受信装置を提供する。また、請求項3に記載の発明は、第一制御部は、データ送受信部及び充電部を制御するためのルールである制御ルールを保持する制御ルール保持手段をさらに有する請求項1又は2に記載のデータ送受信装置を提供する。また、請求項4に記載の発明は、判断部での判断結果に基づいて相手方電子機器の第二充電部を制御する相手制御命令を送信するための制御命令送信部をさらに有する請求項1から3のいずれか一に記載のデータ送受信装置を提供する。また、請求項5に記載の発明は、第二バッテリーを含む第二充電部と、第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を取得する相手方充電度合情報取得部と、データ送受信部と、データ送受信部にてデータの送受信をする請求項1から4のいずれか一に記載のデータ送受信装置に対して相手方充電度合情報を送信する相手方充電度合情報送信部とを有する相手方電子機器を提供する。また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のデータ送受信装置の制御命令送信部から送信される制御命令を受信する制御命令受信部と、受信した制御命令に基づいて第二充電部を制御する第二充電部制御手段を有する第二制御部とを有する請求項5に記載の相手方電子機器を提供する。また、請求項7に記載の発明は、データ送受信装置の第一バッテリーの充電度合を示す情報である自己充電度合情報を取得する自己充電度合情報取得ステップと、相手方電子機器の第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を相手方電子機器において取得する相手方充電度合情報取得ステップと、相手方電子機器からデータ送受信装置に対して相手方充電度合情報を送信し、当該情報をデータ送受信装置において受信する相手方充電度合情報送受信ステップと、前記自己充電度合情報取得ステップ及び前記相手方充電度合情報送受信ステップにおいて取得した複数の充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断する判断ステップと、判断ステップでの判断結果に基づいてデータ送受信を制御するデータ送受信制御ステップとを有するデータ送受信方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、データ送受信と充電を同時に行うことができず、データ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプのデータ受信装置及び相手方電子機器において、自身及び相手側装置のバッテリー残量を監視、把握して、その結果に応じて送受信を行ったり、送受信を中断して充電を行ったりといった適切な処理を行える装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、請求項3、請求項5、請求項7などに関し、実施例2は主に請求項2、請求項3などに関し、実施例3は主に請求項4、請求項6などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0008】
<概要>
本実施例のデータ送受信装置は、データ送受信装置自身のバッテリーを含む充電手段と、当該バッテリーの充電度合を示す情報を取得する手段と、データ送受信を行う手段と、データの送受信をする相手方電子機器から相手方電子機器のバッテリーの充電度合を示す情報を受信する手段と、取得した複数の充電度合を示す情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断する手段と、その判断結果に基づいてデータ送受信を行う手段を制御する手段とを有するデータ送受信装置である。
また、本実施例の相手方電子機器は、上記のデータ送受信装置がデータの送受信を行う相手方となる電子機器であって、相手方電子機器自身のバッテリーを含む充電手段と、当該バッテリーの充電度合を示す情報を取得する手段と、データ送受信を行う手段と、データの送受信をするデータ送受信装置に対して相手方電子機器自身のバッテリーの充電度合を示す情報を送信する手段とを有する相手方電子機器である。
【0009】
図1は本発明の全般的特徴を示す概要図である。
本図のデータ送受信装置0100はパソコン、相手方電子機器0120はデジタルカメラの組合せの例であり、USBなどのインターフェイス0101で接続されている。本例では、どちらの機器も、データ送受信と充電を同時に行うことができずデータ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプの送受信装置である。そこで、パソコン、デジタルカメラともにバッテリー0102、0121を搭載しており、このバッテリーのパワーを用いてデータの送受信を行おうとしているところである。本例では、デジタルカメラの記憶装置0122に記憶された画像データ0123をパソコンの記憶装置0103に伝送しようとしている状態である。
【0010】
この場合、データ送受信中にバッテリー残量がなくなるともはやデータ送受信ができなくなり、データ送受信が不完全な形で終わってしまったり、これ以上のデータ送受信ができなくなったりして不便である。そこで、本発明では、データの送受信を主導するデータ送受信装置側であるパソコンが、(1)パソコン自身のバッテリー残量を監視、把握するとともに、(2)相手方電子機器であるデジタルカメラのバッテリー残量も監視、把握している。この結果、本例では、バッテリー残量を示す仮想のインジケータ0104、0124に示したように(明色の部分が残量を示す)、パソコンのバッテリーには十分なバッテリー残量があるものの、デジタルカメラのバッテリーには十分な残量がないと判断されるため、パソコンは、当該画像データの送受信を実行すべきでないと判断して、(3)デジタルカメラからのデータ送信を実行しないとの判断を行なって、そのような処理の制御を行う。このように、本発明のデータ送受信装置及び相手方電子機器は、双方のバッテリーの充電度合に関する判断結果に応じて送受信を実行すべきか否かを判断して適切な処理を行えるようにしたことに特徴がある。
【0011】
<構成>
(データ送受信装置)
図2は、本実施例のデータ送受信装置及び後述する相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す。ここでは、本図を用いて、このうちまずデータ送受信装置の構成について説明する。
本図に示すように、本実施例の「データ送受信装置」0200は、「第一充電部」0201と、「自己充電度合情報取得部」0202と、「データ送受信部」0203と、「相手方充電度合情報受信部」0204と、「判断部」0205と、「第一制御部」0206とを有する。
【0012】
「データ送受信装置」は、後述の「相手方電子機器」との間でデータの送受信を行うための装置であって、送受信の主導権を握るホスト側の装置を言う。これに対し、相手方電子機器は、周辺機器を言う。例えば、データ送受信装置と相手方電子機器の組合せとしては、パソコンとデジタルカメラ、パソコンと携帯音楽プレーヤ、フォトストレージとデジタルカメラといったものが考えられる。
ただし、本発明の目的から、本発明におけるデータ送受信装置は、データ送受信と充電を同時に行うことができず、データ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプのものが典型となる。もっともその場合でも、データ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うという機能だけを有する装置であることまでは必要ではなく、他の一方からあるいは外部から電力の供給を受けながらデータ送受信を行うタイプと、データ送受信と充電を同時に行うことができずデータ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプの両者の機能を併有するものも、後者の機能を用いて使用する際には本発明にいうデータ送受信装置に該当する。従って、パソコンの場合には、同一の装置であっても、外部電源により使用中のものは該当しないが、バッテリー電源を用いて使用中のものは本発明のデータ送受信装置に該当することになる。これは後述の相手方電子機器についても同様である。
【0013】
(第一充電部)
「第一充電部」は、データ送受信装置の充電を司る手段であり、データ送受信装置のバッテリーである第一バッテリーを含む。
【0014】
(自己充電度合情報取得部)
「自己充電度合情報取得部」は、第一バッテリーの充電度合を示す情報である自己充電度合情報を取得するように構成されている。
「自己充電度合情報」は、典型的にはバッテリーの残量を示す情報である。当該情報の取得は公知技術を用いて行う。例えば、負荷状態と無負荷状態の出力電圧をそれぞれ測定してその電圧差に基づいてバッテリー残量を検知する。
【0015】
自己充電度合情報の取得のタイミングには特に限定はない。例えば、データ送受信を行おうとする際だけに取得するようにしてもよいし、予め定められた一定の間隔で取得してもよいし、両者を併用してもよい。また、予め定められた一定の間隔で取得する場合、その間隔は不変(例えば24時間ごとに取得する)でもよいし、可変でもよい。後者の場合、例えばバッテリーが十分残っているうちは相対的に長間隔とし、バッテリー残量が少なくなるにつれ、次第に間隔を狭めて取得することが考えられる。これは、バッテリーが十分残っているうちはバッテリーが残量が急に不足してデータ送受信が行えなくなることはまず考えられないのに対し、バッテリー残量が減るにつれかかる蓋然性が高まるので、バッテリー残量を頻繁に確認する必要があるためである。この場合、次回の自己充電度合情報の取得のタイミングをいつにするかは、例えば当該回の自己充電度合情報の取得結果(バッテリー残量)に基づいて決定される。このため、自己充電度合情報取得部は、バッテリー残量と次回の取得までの間隔を対応付けたテーブルを有していてもよい。
【0016】
(データ送受信部)
「データ送受信部」(後述する相手方電子機器のデータ送信部と区別するために、以下「データ送受信部(データ送受信装置)」ということがある)は、相手方電子機器との間でデータの送受信を行うためのものである。
【0017】
(相手方充電度合情報受信部)
「相手方充電度合情報受信部」は、データ送受信部にてデータの送受信をする相手方電子機器から相手方電子機器の第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を受信するように構成されている。
【0018】
本発明は、このように、データ送受信装置側に相手方電子機器のバッテリーの充電度合情報を取得する手段を設けたことに一つの特徴がある。これは、データ送受信を主導する方の装置(本発明ではデータ送受信装置)が、自身のバッテリーの充電度合と相手方の場テリーの充電度合との双方を把握し、以下に述べるように、これによって一方だけの充電度合ではなく両方の充電度合に基づいてデータ送受信の是非の判断を行うことを可能にすることを目的とする。これは、既述のように、データ送受信と充電を同時に行うことができずデータ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプの送受信装置にあっては、送信側・受信側のどちらか一方のバッテリー残量がなくなっただけでデータ送受信ができなくなることから、送信側・受信側の双方がそれぞればらばらに自身のバッテリー残量を把握しているだけでは不十分であって、一方の側(送受信を主導する側)が自身及び相手側装置のバッテリー残量を監視、把握して適切な処理を行えるようにすることが必要であることに特に鑑みた構成である。
【0019】
相手方充電度合情報の取得は、本実施例において後述するように、相手方電子機器が相手方電子機器自身のバッテリーの充電度合を示す情報の取得手段(相手方充電度合情報取得部)を有するので、当該取得手段が取得してデータ送受信装置に対して送信してきたものを受信する。
その際、相手方電子機器から送信してきた相手方充電度合情報の受信に先立って、相手方電子機器に対して相手方充電度合情報を送信するように要求するための送信要求情報を送信するようにすることが望ましい。これは、以下に述べるように、本発明におけるデータ送受信の是非の判断及び制御がデータ送受信装置側の主導権に委ねられており、このため、この判断の前提となる充電度合情報の取得のタイミングもデータ送受信装置側の主導権に委ねられることが望ましいからである。
【0020】
(判断部)
「判断部」は、取得した複数の充電度合情報、即ち、自己充電度合情報及び相手方充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断するように構成されている。
【0021】
この判断は、データ送受信装置と相手方電子機器の双方のバッテリー残量に照らして、これから行おうとするデータ送受信動作が実行可能かどうかについて行うものである。この動作の実行可能性は、バッテリー残量とデータ送受信動作について予測されるバッテリー消費量との比較で決まる。即ち、一般に、バッテリー残量が予測されるバッテリー消費量以上に残っていれば、データの送受信を実行すべきであると判断されるのに対し、バッテリー残量が予測されるバッテリー消費量未満しか残っていなければ、データの送受信を実行すべきでないと判断されることになる。
従って、本実施例のデータ送受信装置の判断部は、これから行おうとするデータ送受信動作について予測されるバッテリー消費量に関する情報を取得する手段を有していることが望ましい。予測されるバッテリー消費量は、例えば当該データのデータ量に基づいて計算される。
【0022】
以上の、バッテリー残量の取得、予測されるバッテリー消費量の取得及び両者の比較は、データ送受信装置と相手方電子機器の両者それぞれについて行われる。これは、再三述べているように、送信側・受信側のどちらか一方のバッテリー残量がなくなっただけでデータ送受信ができなくなるためである。
なお、上述のように、バッテリー残量が予測されるバッテリー消費量以上に残っていれば、判断部はデータの送受信を実行すべきであると判断してもよいが、これと異なり、バッテリー残量が予測されるバッテリー消費量以上に残っていても、一定の場合にはデータの送受信を実行すべきでないと判断するようにしてもよい。例えば、バッテリー残量が予測されるバッテリー消費量とほぼ等しい場合には、データ送受信の実行が完了したとしても、それとほぼ同時に装置の電源が切れてしまい、データ送受信の実行が完了したのかどうかユーザにとってわからない場合が生じることがある。このような場合、正常にデータ送受信の実行が完了していればよいが、万一何らかのエラーによりデータ送受信が完了していない場合には、ユーザがデータ送受信が完了したと思って誤って元データを破棄してしまうおそれもある。そこで、かかる事態などを防止するため、例えば、バッテリー残量が予測されるバッテリー消費量以上に残っていても、所定の閾値を超えて残っていない限り、データの送受信を実行すべきでないと判断するようにしてもよい。このため、判断部は、所定の閾値などを定めた判断ルールを保持していてもよい。この判断ルールは、例えばこれを定めたテーブルとして記憶装置に記憶される。
【0023】
さらに、判断部は、データ送受信動作の全体についてこれを実行するか実行すべきでないかを判断するだけでなく、データ送受信動作の一部について判断するようにしてもよい。
例えば、これからデータ送受信を行おうとするデータが複数のファイルから構成される場合、バッテリー残量から見て、全部のデータを送受信することはできないが、一部のデータを送受信することは可能であると予測される場合があり得る。かかる場合、例えば、五個のファイルのうち予め定められた送信順序に従って三番目まで送受信し、三番目のファイルの送受信が完了したところで実行を終了するという判断を行うようにしてもよい。この場合には、例えば、判断部が、これから行おうとするデータ送受信動作について予測されるバッテリー消費量に関する情報をファイルごとに取得する手段を有しており、当該手段が、バッテリー残量と、これらファイルごと予測されるバッテリー消費量とを比較して、あるところまで実行してそこで実行を終了するといった判断を行うことになる。
あるいは、このようにはじめから全部のファイルについてバッテリー消費量を予測するのではなく、まず一番目のファイルについてのみバッテリー残量と予測されるバッテリー消費量とを比較し、その結果データ送受信を実行するとの判断結果に基づいて実行が完了すると、次に二番目のファイルについて同様の比較を行うといった形で、データ送受信を実行しないとの判断がなされるまで、この判断を繰り返すようにしてもよい。
【0024】
(第一制御部)
「第一制御部」は、判断部での判断結果に基づいてデータ送受信部を制御する「データ送受信制御手段」0207を有する。
データ送受信制御手段が行う制御は、具体的には、判断部での判断結果に基づいて、当該判断結果がデータ送受信を実行すべきであるとの判断結果の場合には、データ送受信部に対しデータ送受信を行えとの命令を渡して当データ送受信を実行させ、また、当該判断結果がデータ送受信を実行すべきでないとの判断結果の場合には、データ送受信部に対しデータ送受信を行えとの命令を渡さないことによりデータ送受信を実行させないようにすることである。この場合、データ送受信部には、データ送受信装置と相手方電子機器の双方のものが含まれる。
【0025】
あるいは、判断部での結果が、上述のように複数のファイルのうちあるところまで実行してそこで実行を終了すべきとの判断結果の場合には、データ送受信制御手段は、データ送信部がそのような形で送受信を実行するように制御を行う。
【0026】
さらに、判断部での判断結果が、データ送受信を実行すべきでないとの判断結果の場合に、第一制御部は、単にデータ送受信部がデータ送受信を行う制御を行わないだけではなく、これに加え、バッテリー残量の不足しているバッテリーの充電を行うように第一充電部(第一バッテリーのバッテリー残量が不足している場合)及び/又は第二充電部(第二バッテリーのバッテリー残量が不足している場合)に対する制御を行うようにしてもよい。かかる実施例については、別の実施例において後述する。
【0027】
(制御ルール保持手段)
以上のように、第一制御部は、判断部の判断結果に応じて、データ送受信部及び充電部に対して様々な制御を行うことになる。このため、第一制御部は、かかるデータ送受信部及び充電部を制御するためのルールを保持する手段を保持していることが望ましい。
図3は、本実施例のデータ送受信装置及び相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す図であって、第一制御部がかかるルールを保持する手段を有しているデータ送受信装置の機能ブロックの一例を示す。本図に示すように、本実施例の「データ送受信装置」0300の「第一制御部」0306は、「制御ルール保持手段」0308を有する。
【0028】
「制御ルール保持手段」は、データ送受信部及び充電部を制御するためのルールである「制御ルール」を保持するように構成されている。なお、ここでいう「データ送受信部」は、データ送受信装置、相手方電子機器双方のデータ送受信部を含み得る概念であり、同様に「充電部」も、データ送受信装置、相手方電子機器双方の充電部(即ち、第一充電部、第二充電部)を含み得る概念である。
【0029】
(相手方電子機器)
図2に戻り、次に相手方電子機器の構成について説明する。
本図に示すように、本実施例の「相手方電子機器」0220は、「第二充電部」0221と、「相手方充電度合情報取得部」0222と、「データ送受信部」0223と、「相手方充電度合情報送信部」0224とを有する。
【0030】
(第二充電部)
「第二充電部」は、相手方電子機器の充電を司る手段であり、相手方電子機器のバッテリーである第二バッテリーを含む。
【0031】
(相手方充電度合情報取得部)
「相手方充電度合情報取得部」は、第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を取得するように構成されている。
相手方充電度合情報の取得は、相手方電子機器が自ら有する検知手段により検知して取得してもよいし、相手方電子機器外で検知された情報の送信を受けて取得するようにしてもよい。
【0032】
(データ送受信部)
「データ送受信部」は、データ送受信装置との間でデータの送受信を行うためのものである。
【0033】
(相手方充電度合情報送信部)
「相手方充電度合情報送信部」は、データ送受信部(データ送受信装置)にてデータの送受信をするデータ送受信装置に対して相手方充電度合情報を送信するように構成されている。
なお、上述のデータ送受信装置の相手方充電度合情報取得部の構成に対応して、相手方充電度合情報送信部が当該情報を送信するタイミングは、データ送受信装置側からの送信要求情報を受けたときとすることが望ましい。
【0034】
(ハードウェア構成:データ送受信装置)
次に、本実施例のデータ送受信装置のハードウェア構成について説明する。
図4は本実施例のデータ送受信装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
本図に示すように、本実施例のデータ送受信装置の第一充電部と、自己充電度合情報取得部と、データ送受信部と、相手方充電度合情報受信部と、第一制御部は「記憶装置(記録媒体)」0401と、「メインメモリ」0402と、「CPU」0403と、「I/O」0404などから構成される。判断部は「記憶装置(記録媒体)」と、「メインメモリ」と、「CPU」となどから構成される。これらは「システムバス」0405などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。記憶装置はCPUによって実行される各種プログラムなどを記憶している。またメインメモリは、プログラムがCPUによって実行される際の作業領域であるワーク領域を提供する。また、このメインメモリや記憶装置にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、CPUで実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。本例では判断プログラムと、データ送受信制御プログラムが記憶装置に記憶されており、これらのプログラムは例えば電源投入とともに自動的に記憶装置から読み出されてメインメモリに常駐する。
【0035】
まず、自己充電度合情報の取得にかかる構成としては、例えば、CPUが第一バッテリーのバッテリー残量を図示を省略したセンサーなどから取得することにより行われる。取得した自己充電度合情報はいったんメインメモリに格納される。
次に、データ送受信にかかる構成としては、相手方電子機器からI/Oを介して送信されたデータを受信し、又は相手方電子機器に対してI/Oを介してデータを送信する(本図では当該データを便宜的に「送受信対象データ」として示した)。
以上の処理は、公知技術を用いて行われる。
【0036】
次に、相手方電子機器から相手方充電度合情報を取得するための構成について説明する。CPUは、後述する相手方電子機器のCPUが行う相手方充電度合情報の取得処理によって取得された相手方充電度合情報を、相手方電子機器からの送信を受けてI/Oを介して受信して取得する。この場合、通例はデータ送受信装置が相手方電子機器に対し、相手方充電度合情報を送信するように要求する旨の送信要求情報を送信し、これを受けて相手方電子機器から送信された情報を取得する。あるいは、相手方電子機器のCPUが自ら相手方電子機器自身のバッテリー残量をセンサーなどから取得し、これをデータ送受信装置に対して送信してきたのを受信して当該情報を取得する構成も考えられる。このような送信は、例えば相手方電子機器がデータ送受信装置と接続されたことを認識した場合に、これをトリガーとして行われることが考えられる。取得した相手方充電度合情報はいったんメインメモリに格納される。以上においても、相手方充電度合情報の受信(取得)、送信自体は公知技術を用いて行われる。
【0037】
次に、データの送受信を実行すべきか判断するための構成について説明する。この場合まず、CPUは、メインメモリに格納された自己充電度合情報及び相手方充電度合情報を読み出す。また、図示は省略したが、合わせてこれから行おうとするデータ送受信について予測されるバッテリー消費量に関する情報を取得してもよい。このうち、相手方電子機器におけるデータ送受信について予測されるバッテリー消費量に関する情報の取得は、例えば、相手方電子機器がこれから送受信しようとするデータのデータ量に基づいて演算して得た情報をデータ送受信装置に対し送信し、データ送受信装置がその送信された情報をI/Oを介して取得する。
【0038】
そして、CPUは、判断プログラムを実行することにより、双方のそれぞれについて充電度合情報と予測されるバッテリー消費量に関する情報とを比較して、データ送受信を実行すべきか否か判断する。この判断は、例えば「バッテリー残量が予測されるバッテリー消費量以上に、かつ所定の閾値を超えて残っていない限り、データの送受信を実行すべきでないと判断する」といった判断ルールに従って行われる。この場合、判断ルールは、これを定めたテーブルとして記憶装置に記憶されている。そこで、例えば、CPUは記憶装置から判断ルールをメインメモリに読み出し、これを参照して当該判断を行う。こうして得られた判断結果は、いったんメインメモリに格納される。
【0039】
次に、判断結果に基づいてデータ送受信に関する制御を行うための構成について説明する。
例えば、記憶装置には、予め制御ルールが記憶されている。そこでこの場合には、CPUは制御ルールを、メインメモリに読み出すとともに、判断結果も読み出す。そして、データ送受信制御プログラムを実行して判断結果と制御ルールの照合を行い、当該判断結果に対応する制御ルールに従って制御を行う。具体的には、判断結果が、データ送受信を実行すべきであるとの判断結果の場合には、CPUはこの判断結果に対応する制御ルールに従ってデータ送受信を実行するように制御を行う。また、判断結果が、データ送受信を実行すべきでないとの判断結果の場合には、CPUはこの判断結果に対応する制御ルールに従ってデータ送受信を実行しないように制御を行う。
【0040】
(ハードウェア構成:相手方電子機器)
次に、本実施例の相手方電子機器のハードウェア構成について説明する。
図5は本実施例の相手方電子機器のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
本図に示すように、本実施例の相手方電子機器の第二充電部と、相手方充電度合情報取得部と、データ送受信部と、相手方充電度合情報送信部は「記憶装置(記録媒体)」0501と、「メインメモリ」0502と、「CPU」0503と、「I/O」0504などから構成される。これらは「システムバス」0505などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0041】
まず、相手方充電度合情報の取得に係る構成としては、例えば、CPUが第二バッテリーのバッテリー残量を図示を省略したセンサーなどから取得することにより行われる。取得した相手方充電度合情報はいったんメインメモリに格納される。
次に、データ送受信にかかる構成としては、データ送受信装置からI/Oを介して送信されたデータを受信し、又はデータ送受信装置に対してI/Oを介してデータを送信する。
以上の処理は、公知技術を用いて行われる。
【0042】
次に、相手方充電度合情報の送信に係る構成について説明する。この送信は、データ送受信装置のハードウェア構成について上述したように、例えば、データ送受信装置からの相手方充電度合情報を送信するように要求する旨の送信要求情報を受けて行われる。この場合、相手方電子機器は、I/Oを介して当該送信要求情報を取得すると、CPUが第二バッテリーの残量をセンサーから取得することなどにより相手方充電度合情報を新たに取得し、あるいは取得済みの相手方充電度合情報を、送信プログラムを実行することにより、I/Oを介してデータ送受信装置に対して送信する。
【0043】
<処理の流れ>
図6は、本実施例のデータ送受信装置と相手方電子機器における処理の流れの一例を示す図である。
このうち、本図の左側に示すフローは、データ送受信装置における処理の流れを示す。本図に示すように、データ送受信装置は、まず、自己充電度合情報を取得する(ステップS0601)。
次に、データ送受信装置は、相手方充電度合情報を受信する(ステップS0602)。これは、後述のように、相手方電子機器が、相手方充電度合情報を送信する(後述のステップS0607)のを受けて行われる処理である。
なお、ステップS0601と、ステップS0602の処理順序の前後関係は問わない。
次に、データ送受信装置は、前記ステップS0601及びステップS0602において取得した複数の充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断する(ステップS0603)。
この結果、データの送受信を実行すべきであると判断した場合には、データ送受信装置は、当該判断結果に基づいてデータの送受信を実行する制御を行う(ステップS0604)。
一方、前記判断ステップS0603においてデータの送受信を実行すべきでないと判断した場合には、データ送受信装置は、当該判断結果に基づいてデータの送受信を実行しない制御を行う(ステップS0605)。
【0044】
次に、本図の右側に示すフローは、相手方電子機器における処理の流れを示す。本図に示すように、相手方電子機器は、まず、相手方充電度合情報を取得する(ステップS0606)。
次に、相手方電子機器は、前記ステップS0606にて取得した相手方充電度合情報をデータ送受信装置に対して送信する(ステップS0607)。この処理を受けて、上述のようにデータ送受信装置が、相手方充電度合情報を受信するとともに、これをも踏まえた判断、制御に係る処理を実行することになる。
即ち、以上に述べた処理によって、データ送受信の実行又は不実行が決定され、それに従った処理が可能となる。
【0045】
<効果>
本実施例の発明により、データ送受信と充電を同時に行うことができず、データ送受信中は専ら当該データ送受信のみを行うタイプのデータ受信装置及び相手方電子機器において、自身及び相手側装置のバッテリー残量を監視、把握して、その結果に応じて送受信を行ったり、送受信を中断して充電を行ったりといった適切な処理を行える装置を提供することが可能となる。
【実施例2】
【0046】
<概要>
本実施例のデータ送受信装置は、基本的に実施例1と共通する。ただし、本実施例では、第一制御部が、さらに判断部での判断結果に基づいて第一充電部を制御する手段を有する点に特徴がある。なお、本実施例の相手方電子機器は、実施例1と共通する。
【0047】
<構成>
(全般)
図7は、本実施例のデータ送受信装置及び相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す。本図に示すように、本実施例のデータ送受信装置は実施例1のデータ送受信装置と基本的に共通する。ただし、本実施例の「データ送受信装置」0700の「第一制御部」0706は、「第一充電部制御手段」0709をさらに有する。
なお、本図では図示を省略したが、本実施例の第一制御部も、実施例1で述べたのと同様のルール保持手段を保持していることが望ましい。
【0048】
(第一充電部制御手段)
「第一充電部制御手段」は、「判断部」0705での判断結果に基づいて「第一充電部」0701を制御するように構成されている。
ここでの制御の内容は、第一充電部に第一バッテリーの充電を行わせることがまず該当する。その前提として、本実施例における判断結果は「データ送受信を実行すべきでない」との判断結果であり、当該判断は、第一バッテリーのバッテリー残量が十分でないことに起因している。そこで、データ送受信を実行可能な状態にするために、かかる処理が行なわれるのである。
【0049】
この場合、例えば複数のファイルのデータ送受信の途中で、データ送受信を実行すべきでないとの判断がなされて、複数のファイルのうち一部が未送受信状態で残ったままとなったときなどには、単に充電を行うだけではなく、充電が完了次第、残りのファイルのデータ送受信を自動的に再開するとの制御を行ってもよい。
充電の程度は問わない。従って、バッテリーのフル充電容量まで完全に充電してもよいし、一定レベルまで(例えば当面行おうとしているデータ送受信動作に必要なレベルまで)残量を回復させる程度に充電するにとどめてもよい。
その余の構成は実施例1と同様であるから、説明を省略する。
【0050】
(ハードウェア構成)
次に、本実施例のデータ送受信装置のハードウェア構成について説明する。
図8は本実施例のデータ送受信装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
本図に示すように、本実施例のデータ送受信装置の第一制御部も「記憶装置(記録媒体)」0801と、「メインメモリ」0802と、「CPU」0803と、「I/O」0804などから構成される。これらは「システムバス」0805などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0051】
ここでは、判断部での判断結果に基づいて第一充電部を制御するための構成について説明する。その余の構成は、実施例1と同様であるから、説明を省略する。
まず、実施例1で述べた構成に従ってCPUが判断プログラムを実行して判断を行った結果、データ送受信を行わないとの判断結果が得られた場合、CPUは、実施例1で述べた構成によりデータ送受信を実行しない制御を行うとともに、第一充電部を制御する処理も行う。具体的には、CPUが、充電制御プログラムを実行して、I/Oを介して、図示を省略した第一バッテリーに対して充電を行わせる処理を行う。また、充電制御プログラムの定める手順によっては、充電完了に引き続いていったん中断したデータ送受信を再開させる処理を行ってもよい。
【0052】
<処理の流れ>
図9は、本実施例のデータ送受信装置と相手方電子機器における処理の流れの一例を示す図である。本図における処理の流れは、基本的に図6で示した実施例1における処理の流れと共通する。
このうち、本図の左側に示すフローは、データ送受信装置における処理の流れを示す。
本図に示すように、データ送受信装置がデータの送受信を実行すべきかの判断(ステップS0903)を行った結果、送受信を実行すべきでないとの判断結果(この判断結果は第一バッテリーのバッテリー残量不足に起因するものである)が得られた場合、データ送受信装置は、前記ステップS0903での判断結果に基づいて、データ送受信の制御(送受信不実行)を行う(ステップS0905)が、さらにこれに引き続き、第一バッテリーの充電を行わせる制御も行う(ステップS0906)。
その余の処理の流れは、実施例1における処理の流れと共通するので、説明を省略する。
【0053】
また、本図の右側に示すフローは、相手方電子機器における処理の流れを示すが、この処理の流れも。実施例1における処理の流れと共通するので、説明を省略する。
以上の処理によって、第一バッテリーのバッテリー残量不足に起因するデータ送受信の不実行が決定された場合に、単に送信を実行しないだけでなく、第一バッテリーの充電を行う処理が可能となる。
【0054】
<効果>
本実施例の発明により、第一バッテリーのバッテリー残量不足に起因するデータ送受信の不実行が決定された場合に、単に送信を実行しないだけでなく、第一バッテリーの充電を行うことができるデータ送受信装置を提供することが可能となる。
【実施例3】
【0055】
<概要>
本実施例のデータ送受信装置は、実施例1と基本的に共通する。ただし、本実施例のデータ送受信装置は、判断部での判断結果に基づいて相手方電子機器の第二充電部を制御する相手制御命令を送信するための手段を有する。
【0056】
また、本実施例の相手方電子機器も、実施例1と基本的に共通する。ただし、本実施例の相手方電子機器は、データ送受信装置の上記手段から送信される制御命令を受信する手段と、受信した制御命令に基づいて第二充電部を制御する手段を有する点に特徴を有する。
【0057】
<構成>
(全般)
図10は、本実施例のデータ送受信装置及び相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す。本図に示すように、本実施例のデータ送受信装置は実施例1のデータ送受信装置と基本的に共通する。ただし、本実施例の「データ送受信装置」1000は「制御命令送信部」1010をさらに有する。
【0058】
(制御命令送信部)
「制御命令送信部」は、「判断部」1005での判断結果に基づいて「相手方電子機器」1020の「第二充電部」1021を制御する相手制御命令を送信するためのものである。その前提として、本実施例における判断結果は「データ送受信を実行すべきでない」との判断結果であり、当該判断は、第二バッテリーのバッテリー残量が十分でないことに起因している。そこで、データ送受信を実行可能な状態にするために、かかる処理が行なわれるのである。
【0059】
(相手方電子機器)
本実施例の相手方電子機器も実施例1の相手方電子機器と基本的に共通する。ただし、本実施例の「相手方電子機器」1020は「制御命令受信部」1025と、「第二制御部」1026とをさらに有する。
【0060】
(制御命令受信部)
「制御命令受信部」は、「データ送受信装置」の「制御命令送信部」から送信される制御命令(相手制御命令)を受信するように構成されている。
【0061】
(第二制御部)
「第二制御部」は、受信した制御命令に基づいて「第二充電部」1021を制御する「第二充電部制御手段」1027を有する。
「第二充電部制御手段」が行う制御は、具体的には、第二バッテリーの充電を第二充電部に行わせることである。この充電の要領も、第一バッテリーについて述べたところと同様である。
【0062】
(ハードウェア構成:データ送受信装置)
次に、本実施例のデータ送受信装置のハードウェア構成について説明する。
図11は本実施例のデータ送受信装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
本図に示すように、本実施例のデータ送受信装置の制御命令送信部は「記憶装置(記録媒体)」1101と、「メインメモリ」1102と、「CPU」1103と、「I/O」1104などから構成される。これらは「システムバス」1105などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0063】
ここでは、判断部での判断結果に基づいて第二充電部を制御するための構成について説明する。その余の構成は、実施例1と同様であるから、説明を省略する。
まず、実施例1で述べた構成に従ってCPUが判断プログラムを実行して判断を行った結果、データ送受信を行わないとの判断結果が得られた場合、CPUは、実施例1で述べた構成によりデータ送受信を実行しない制御を行うとともに、第二充電部を制御する制御命令を送信する処理も行う。具体的には、CPUが、充電制御命令送信プログラムを実行して、まず制御命令を生成する。これは、相手方電子機器の第二制御部を構成するCPUに対して第二バッテリーに充電を行わせる制御をせよとの命令である。生成された制御命令はメインメモリにいったん格納された後、当該制御命令送信プログラムの定める手順に従い、I/Oを介して相手方電子機器に対して送信される。
【0064】
(ハードウェア構成:相手方電子機器)
次に、本実施例の相手方電子機器のハードウェア構成について説明する。
図12は本実施例の相手方電子機器のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
本図に示すように、本実施例の相手方電子機器の制御命令受信部と、第二制御部は「記憶装置(記録媒体)」1201と、「メインメモリ」1202と、「CPU」1203と、「I/O」1204などから構成される。これらは「システムバス」1205などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0065】
ここでは、第二充電部を制御するための構成について説明する。その余の構成は、実施例1と同様であるから、説明を省略する。
まず、CPUは、データ送受信装置が図11で説明した構成に従って送信してきた制御命令をI/Oを介して受信し、メインメモリにいったん格納する。
次に、本実施例においては、記憶装置に予め充電制御プログラムが記憶されているので、CPUはこれをメインメモリに読み出し、これを実行することにより、I/Oを介して、図示を省略した第二バッテリーに対して充電を行わせる処理を行う。
【0066】
<処理の流れ>
図13は、本実施例のデータ送受信装置と相手方電子機器における処理の流れの一例を示す図である。本図における処理の流れは、基本的に図6で示した実施例1における処理の流れと共通する。
このうち、本図の左側に示すフローは、データ送受信装置における処理の流れを示す。
本図に示すように、データ送受信装置がデータの送受信を実行すべきかの判断(ステップS1303)を行った結果、送信を実行すべきでないとの判断結果(この判断結果は第二バッテリーのバッテリー残量不足に起因するものである)が得られた場合、データ送受信装置は、前記ステップS1303での判断結果に基づいて、データ送受信の制御(送受信不実行)を行う(ステップS1305)が、さらにこれに引き続き、第二バッテリーの充電を行わせるための制御命令(相手制御命令)の送信も行う(ステップS1306)。
【0067】
次に、本図の右側に示すフローは、相手方電子機器における処理の流れを示す。本図に示すように、相手方電子機器は、上述のデータ送受信装置が送信した制御命令(相手制御命令)を受信する(ステップS1309)。
次に、相手方電子機器は、当該制御命令を受信すると、その制御命令に従って、第二バッテリーの充電を行わせる制御を行う(ステップS1310)。
その余の処理の流れは、実施例1における処理の流れと共通するので、説明を省略する。
以上の処理によって、第二バッテリーのバッテリー残量不足に起因するデータ送受信の不実行が決定された場合に、単に送信を実行しないだけでなく、第二バッテリーの充電を行う処理が可能となる。
【0068】
<効果>
本実施例の発明により、第二バッテリーのバッテリー残量不足に起因するデータ送受信の不実行が決定された場合に、単に送信を実行しないだけでなく、第二バッテリーの充電を行うことができるデータ送受信装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の全般的特徴を示す概要図
【図2】実施例1のデータ送受信装置及び相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す図
【図3】実施例1のデータ送受信装置及び相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す図
【図4】実施例1のデータ送受信装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図5】実施例1の相手方電子機器のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図6】実施例1のデータ送受信装置と相手方電子機器における処理の流れの一例を示す図
【図7】実施例2のデータ送受信装置及び相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す図
【図8】実施例2のデータ送受信装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図9】実施例2のデータ送受信装置と相手方電子機器における処理の流れの一例を示す図
【図10】実施例3のデータ送受信装置及び相手方電子機器の機能ブロックの一例を示す図
【図11】実施例3のデータ送受信装置のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図12】実施例3の相手方電子機器のハードウェア構成の一例を示す概略図
【図13】実施例3のデータ送受信装置と相手方電子機器における処理の流れの一例を示す図
【符号の説明】
【0070】
0100 データ送受信装置(パソコン)
0101 インターフェイス
0102 バッテリー(パソコン)
0103 記憶装置(パソコン)
0104 バッテリー残量を示す仮想のインジケータ(パソコン)
0120 相手方電子機器(デジタルカメラ)
0121 バッテリー(デジタルカメラ)
0122 記憶装置(デジタルカメラ)
0123 画像データ
0124 バッテリー残量を示す仮想のインジケータ(デジタルカメラ)
0200 データ送受信装置
0201 第一充電部
0202 自己充電度合情報取得部
0203 データ送受信部
0204 相手方充電度合情報受信部
0205 判断部
0206 第一制御部
0207 データ送受信制御手段
0220 相手方電子機器
0221 第二充電部
0222 相手方充電度合情報取得部
0223 データ送受信部
0224 相手方充電度合情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一バッテリーを含む第一充電部と、
第一バッテリーの充電度合を示す情報である自己充電度合情報を取得する自己充電度合情報取得部と、
データ送受信部と、
データ送受信部にてデータの送受信をする相手方電子機器から相手方電子機器の第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を受信する相手方充電度合情報受信部と、
取得した複数の充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断する判断部と、
判断部での判断結果に基づいてデータ送受信部を制御するデータ送受信制御手段を有する第一制御部と、
を有するデータ送受信装置。
【請求項2】
第一制御部は、判断部での判断結果に基づいて第一充電部を制御する第一充電部制御手段をさらに有する請求項1に記載のデータ送受信装置。
【請求項3】
第一制御部は、データ送受信部及び充電部を制御するためのルールである制御ルールを保持する制御ルール保持手段をさらに有する請求項1又は2に記載のデータ送受信装置。
【請求項4】
判断部での判断結果に基づいて相手方電子機器の第二充電部を制御する相手制御命令を送信するための制御命令送信部をさらに有する請求項1から3のいずれか一に記載のデータ送受信装置。
【請求項5】
第二バッテリーを含む第二充電部と、
第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を取得する相手方充電度合情報取得部と、
データ送受信部と、
データ送受信部にてデータの送受信をする請求項1から4のいずれか一に記載のデータ送受信装置に対して相手方充電度合情報を送信する相手方充電度合情報送信部と、
を有する相手方電子機器。
【請求項6】
請求項4に記載のデータ送受信装置の制御命令送信部から送信される制御命令を受信する制御命令受信部と、
受信した制御命令に基づいて第二充電部を制御する第二充電部制御手段を有する第二制御部と、
を有する請求項5に記載の相手方電子機器。
【請求項7】
データ送受信装置の第一バッテリーの充電度合を示す情報である自己充電度合情報を取得する自己充電度合情報取得ステップと、
相手方電子機器の第二バッテリーの充電度合を示す情報である相手方充電度合情報を相手方電子機器において取得する相手方充電度合情報取得ステップと、
相手方電子機器からデータ送受信装置に対して相手方充電度合情報を送信し、当該情報をデータ送受信装置において受信する相手方充電度合情報送受信ステップと、
前記自己充電度合情報取得ステップ及び前記相手方充電度合情報送受信ステップにおいて取得した複数の充電度合情報に基づきデータの送受信を実行すべきか判断する判断ステップと、
判断ステップでの判断結果に基づいてデータ送受信を制御するデータ送受信制御ステップとを有するデータ送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−193173(P2008−193173A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22413(P2007−22413)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】