トルクセンサーを内蔵したモーター
モーターユニットは、モーター(8036)を収納するためのハウジング(8038)、モーター(8036)によってもたらされる駆動力を受けるためのモーターシャフト(8035)、トルクを検出するためのトルクセンサー機構(8044、8045)、および検出されたトルク量に応答してモーター(8036)に供給する電力を制御するためのコントローラを備える。アクチュエータは、トルクセンサー(8044、8045)をコントローラのセンサーに結合する。アクチュエータは、コントローラセンサーに相対的に移動するように構成され、これによりセンサーは検出されたトルクレベルを示す信号を発生する。コントローラは、モーター(8036)のハウジング(8038)内に収納される。モーターユニットは、第1のトルク伝達経路および第2のトルク伝達経路により外部からもたらされる駆動力を受けるための補助シャフトも有することができる。モーターユニットは、どのような装置をも駆動することができるが、外部からもたらされる駆動力が補助シャフトとともに回転するように固定されている装置の人力操作可能なペダルによって付与される自転車などのペダル駆動式装置で使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサーを内蔵したモーターに関し、特に、人力(手動)で推進できるが、装置の前方推進も可能なモーターユニットを備えるペダル駆動式装置に使用するためのものであるが、これに限定されないモーターに関する。また、本発明は、特に、車両に積んだバッテリパックから給電される電気モーターを有する自転車などのペダル駆動式車輪付き装置または車両に関するが、しかしこれに限定されない装置または車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車などの人力推進可能な車輪付き車両または装置の一部が、特に傾斜地形、例えば丘を上る際に使用者が装置に動力を供給するのを補助するためのモーターユニットを備えることが知られているが、モーターユニットは、ときには、任意の地形で自転車に動力を供給するためにそれ自体で使用可能である。
【0003】
また、電動アシスト自転車にインホイールモーターを使用することで、変速機を省くことができ、その結果得られる装置は製造するのが簡単でかつ単純なものとなることも知られている。インホイールモーターを使用するこのような既知の電動アシスト自転車については、一方の車輪のハブをインホイールモーターで単純に置き換えることで製造することができるが、一般的には従来通りにスプロケットとチェーンを通じて後輪をペダルで駆動する。このような配置構成では、自転車のチェーンを通じてモーターの駆動力を伝達する必要はない。したがって、ペダルの駆動力およびモーターの駆動力は、互いに全く別々に伝えられる。
【0004】
この既知のインホイールモーターの配置構成の帰結の一つは、インホイール電動アシスト自転車に、変速、クラッチ操作、室内用固定式自転車として機能、またはモーターを使用した発電などの付加的機能を付けて開発することは実現可能でないということ、つまり、その機能の容易な拡張に対応していないということである。また、生産および組み立ての問題だけでなく、部品交換の問題も生じる。インホイールモーターが故障し、又はメンテナンスが必要になった場合、例えば、車輪を取り外す必要があり、したがって自転車の機能を使用できなくなる。ある種のモーターの故障もしくはメンテナンス条件の下では、インホイールモーターを収容する車輪を回転させることがもはや可能でなくなるため、人力によりペダルで動力を与えて自転車を推進させることすら可能でなくなる。
【0005】
インホイールモーターを使用する既知の電動アシスト自転車に加えて、車輪駆動モーターを使用する少なくとも1つの他の種類の電動アシスト自転車がある。しかし、このタイプの電動アシスト自転車では、また、モーターの駆動力およびペダルの駆動力は互いに全く別々に伝えられる。このタイプの電動アシスト自転車は、電動アシスト自転車が車輪駆動モーターを使用して推進されているときに後輪変速機を使用して変速を実現することは容易にはできないという類似の欠点を有している。
【0006】
前述のものは、自転車などの従来のハイブリッド電動アシストペダル駆動式装置において一般的に生じる問題の一部にすぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、改善されたモーターユニットを実現することである。
本発明の別の目的は、電動アシスト自転車用の改善された電気モーターを実現することである。
【0008】
本発明の別の目的は、既知のモーターユニットに関連する1つまたは複数の問題をある程度軽減もしくは解消することである。
当業者であれば、以下の説明から本発明の他の目的を導き出すことであろう。したがって、前述の目的に関する説明は、網羅的ではなく、本発明の多くの目的のうちの一部を例示するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の主態様において、提供されるモーターユニットは、モーターを収納するためのハウジングと、モーターがもたらす駆動力を受けるためのモーターシャフトと、トルクを検出するためのトルクセンサー機構と、モーターシャフトに伝えられるモーターがもたらす駆動力の量を変化させるために検出されたトルク量に応じてモーターに供給される電力を制御するコントローラと、トルクセンサーをコントローラのセンサーに結合するアクチュエータとを備え、アクチュエータは、これによりセンサーコントローラに相対的に移動するように構成され、センサーは検出されたトルクレベルを示す信号を発生し、コントローラは、モーターのハウジング内に収納される。
【0010】
好ましくは、コントローラはモーターハウジングの一方の端部に配置され、トルクセンサーはモーターハウジングの対向端部に接続される。
好ましくは、トルクセンサーをコントローラのセンサーに結合するアクチュエータは、モーターシャフトの中空ボア内に収容され、これにより、モーターハウジングの一方の端部のところにあるトルクセンサーをモーターハウジングの別の端部のところにあるコントローラに結合する。
【0011】
好ましくは、モーターユニットは、外部からもたらされる駆動力を受けるための補助シャフトと、外部からもたらされる駆動力を駆動機構に伝達するための第1のトルク伝達経路と、モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するための第2のトルク伝達経路とをさらに備え、第1の一方向駆動手段は、駆動機構が第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときに補助シャフトが惰性で回ることができるように補助シャフトと駆動機構との間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。外部からもたらされる駆動力は、別のモーターもしくは駆動力を前記補助シャフトに伝えるように結合されている他の好適な駆動手段によってもたらすことができる。
【0012】
好ましくは、モーターシャフトは、補助シャフトがモーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、回転軸が平行になるように補助シャフトの周りに同軸状に配置される。補助シャフトおよびモーターシャフトは、同じ回転軸を共有することができる。
【0013】
好ましくは、第1のトルク伝達経路は、外部からもたらされる駆動力を受けるための補助シャフトと第1の一方向駆動手段とを備え、第1の一方向駆動手段は、補助シャフトを駆動機構に機械的に結合し、これにより、第1の一方向駆動手段は、外部からもたらされる駆動力を駆動機構に伝達し、第1の一方向駆動手段は、駆動機構がモーターシャフトによって駆動されているときに補助シャフトが慣性で回ることを可能にする。第1の一方向駆動手段は、フリーホイールデバイスを備えることができる。
【0014】
好ましくは、第2のトルク伝達経路は、モーターシャフトとモーターシャフトを駆動機構に機械的に結合する歯車機構とを備え、歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフトから駆動機構に前記減速比で伝達するように動作する。
【0015】
好ましくは、歯車機構は、回転軸がモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車を有する遊星歯車機構を備える。遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持されうるものであり、これにより、遊星歯車は、偏心輪が回転すると回転し、これにより遊星歯車の回転軸の位置は、遊星歯車が回転するとモーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、遊星歯車の回転軸の可変位置がモーターシャフトの回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は所定のオフセット量に等しい半径を有する。さらに、遊星歯車は、内側で回転するために遊星歯車が中に配置される内輪歯車より小さい直径を有するものとしてよく、内輪歯車は適所に固定され、モーターシャフトの回転軸と一致する中心軸を有し、遊星歯車は内輪歯車より少ない数の歯を有する。遊星歯車は、軸受によって偏心輪上に回転可能に支持されうる。
【0016】
好ましくは、遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、モーターがもたらす駆動力を駆動機構に伝達するように構成される。遊星歯車機構は、モーターシャフトの回転軸に対する遊星歯車のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備えることができる。カウンターバランス部材は、遊星歯車が回転しているときに遊星歯車の釣り合いを取るために遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含むことができる。
【0017】
あるいは、遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相外れで配置されている第1および第2の同一の遊星歯車を備え、前記第1および第2の遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る。第1および第2の遊星歯車は、共通の単一の内輪歯車内で互いに半回転位相外れで回転するように配置されうる。第1および第2の遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられうる。
【0018】
好ましくは、遊星歯車キャリアはそれとともに回転するように駆動機構に取り付けられている。遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように第1の一方向駆動手段の出力部材に取り付けることもでき、これにより、外部からもたらされる駆動力は第1のトルク伝達経路を介して、遊星歯車機構を通じてモーターシャフトに、さらには駆動機構に伝達される。
【0019】
あるいは、歯車機構は、歯なし遊星歯車を有する歯なし遊星歯車機構を備え、その回転軸はモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、歯なし遊星歯車機構の減速比は、歯なし遊星歯車の直径と遊星歯車が回転のために配置されている歯なし内輪歯車の直径との間の関係によって画定され、歯なし遊星歯車は歯なし内輪歯車より小さい直径を有する。歯なし遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持されうるものであり、これにより歯なし遊星歯車は、偏心輪が回転すると回転し、これにより歯なし遊星歯車の回転軸の位置は、歯なし遊星歯車が回転するとモーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、歯なし遊星歯車の回転軸の可変位置がモーターシャフトの回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は所定のオフセット量に等しい半径を有する。歯なし内輪歯車は、適所に固定されるものとしてよく、モーターシャフトの回転軸と一致する中心軸を有する。歯なし遊星歯車は、軸受によって偏心輪上に回転可能に支持されうる。
【0020】
好ましくは、歯なし遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、モーターがもたらす駆動力を駆動機構に伝達するように構成される。
好ましくは、歯なし遊星歯車機構は、モーターシャフトの回転軸に対する歯なし遊星歯車のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備える。カウンターバランス部材は、歯なし遊星歯車が回転しているときに歯なし遊星歯車の釣り合いを取るために歯なし遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含むことができる。
【0021】
あるいは、歯なし遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相外れで配置されている第1および第2の同一の歯なし遊星歯車を備え、前記第1および第2の歯なし遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る。第1および第2の歯なし遊星歯車は、共通の単一の歯なし内輪歯車内で互いに半回転位相外れで回転するように配置されうる。第1および第2の歯なし遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられうる。
【0022】
好ましくは、遊星歯車キャリアはそれとともに回転するように駆動機構に取り付けられている。遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように第1の一方向駆動手段の出力部材に取り付けることもでき、これにより、外部からもたらされる駆動力は第1のトルク伝達経路を介して、歯なし遊星歯車機構を通じてモーターシャフトに、さらには駆動機構に伝達される。
【0023】
好ましくは、歯なし遊星歯車は、偏心輪上に回転可能に支持され、その回転軸はモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、歯なし内輪歯車内に配置され、歯なし内輪歯車を加熱し、それを歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合する。第1および第2の歯なし遊星歯車は、第1および第2の偏心輪上にそれぞれ回転可能に支持されるものとしてよく、その回転軸はモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、互いに半回転位相を異にして回転するように共通の単一の歯なし内輪歯車内に配置され、歯なし内輪歯車を加熱し、それを第1および第2の歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合する。
【0024】
好ましくは、第2の一方向駆動手段は、駆動機構が第1のトルク伝達経路を通じて外部からもたらされる駆動力によって駆動されているときにモーターシャフトが回転を生じないようにモーターシャフトと駆動機構との間の第2のトルク伝達経路内に設けられる。第2の一方向駆動手段は、遊星歯車キャリア上に移動可能に配設され、駆動機構とともに回転するように固定されているラチェットホイールのラックと係合するように配置されている少なくとも1つのラチェット部材を備えることができる。少なくとも1つのラチェット部材には、前記ラチェット部材の自由端を遊星歯車キャリアの表面から外向きに、ラチェット部材の前記自由端がラチェットホイールのラック内の歯と係合するように弾力的に付勢するための手段が付随していてもよい。
【0025】
好ましくは、トルクセンサーは、モーターシャフトの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の駆動部材と、モーターシャフトの前記回転軸の周りの回転のために取り付けられている第2の被駆動部材と、前記モーターシャフトの回転軸の周りの前記被駆動部材の回転方向の前記第2の被駆動部材に相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段とを備え、アクチュエータは、前記検出された移動をコントローラのセンサーに伝えるための手段を備える。
【0026】
本発明の別の態様では、モーターユニットは、ペダル駆動式装置の一部を備える。
本発明の別の態様では、モーターユニットは、ペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから電力の供給を受ける電気モーターである。
【0027】
本発明の第2の主態様において、第1の主態様によるモーターユニットを有するペダル駆動式装置が実現され、前記外部からもたらされる駆動力は、補助シャフトとともに回転するように固定されている前記装置の人力操作可能なペダルによって与えられる人力でもたらされる駆動力であり、前記補助シャフトはペダルスピンドルを備え、前記駆動機構は、スプロケットを備え、前記第1のトルク伝達経路は人力でもたらされる駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第2のトルク伝達経路はモーターがもたらす駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、第1の一方向駆動手段は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドルとスプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0028】
本発明の別の態様において、前記態様によるモーターユニットを有するペダル駆動式装置が実現され、前記外部からもたらされる駆動力は、補助シャフトとともに回転するように固定されている前記装置の人力操作可能なペダルによって与えられる人力でもたらされる駆動力であり、前記補助シャフトはペダルスピンドルを備え、前記駆動機構は、スプロケットを備え、前記第1のトルク伝達経路は人力でもたらされる駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第2のトルク伝達経路はモーターがもたらす駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、第1の一方向駆動手段は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドルとスプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0029】
本発明の別の態様では、提供されるペダル駆動式装置は、人力でもたらされる駆動力を受けるためのペダルスピンドルとともに回転するように固定された人力操作可能なペダルと、モーターがもたらす駆動力を受けるためのシャフトを有するモーターと、人力でもたらされる駆動力をペダル駆動式装置のスプロケットに伝達するための第1のトルク伝達経路と、モーターがもたらす駆動力をペダル駆動式装置の前記スプロケットに伝達するための第2のトルク伝達経路とをさらに備え、第1の一方向駆動手段は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドルとスプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0030】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置のための提供されるモーターは、モーターがもたらす駆動力を受けるためのシャフトと、モーターシャフトをペダル駆動式装置のスプロケットに機械的に結合する歯車機構とを備え、歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフトからスプロケットに前記減速比で伝達するように動作し、モーターは、ペダルスピンドルがモーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、回転軸が平行になるようにペダル駆動式装置のペダルスピンドルの周りに同軸状に配置される。
【0031】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置のための提供されるスプロケットアセンブリは、スプロケットと、スプロケットをペダル駆動式ペダルスピンドルに機械的に結合するための第1の手段と、スプロケットをモーターの出力シャフトに機械的に結合するための第2の手段とを備え、第1の機械的結合手段は、ペダルスピンドルとスプロケットとを結合する第1の一方向駆動手段を備え、第1の一方向駆動手段はペダル駆動式装置のペダルに印加される人力でもたらされる駆動力をスプロケットに伝達してスプロケットを回転させ、スプロケットがモーター出力シャフトによって駆動されているときにペダルスピンドルが慣性で回ることを可能にする。
【0032】
本発明の別の態様では、提供されるペダル駆動式装置は、ペダルスピンドルの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の部材と、ペダルスピンドルの前記回転軸の周りの回転のために取り付けられている駆動スプロケットと、前記ペダルスピンドルの回転軸の周りの前記駆動スプロケットの回転方向の前記駆動スプロケットに相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段と、前記ペダル駆動式装置上の別のコンポーネントのために前記検出された移動を制御入力に変換するための手段とを備える。ペダル駆動式装置は、自転車を含むが、本発明は、例えば水上自転車などの他のペダル駆動式装置にも応用可能である。制御入力は、電気制御入力、電子制御入力、または機械制御入力のうちのどれかを含むものとしてよい。
【0033】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置上のコンポーネントのための制御入力を発生するための制御システムが実現され、前記制御システムは、ペダルスピンドルの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の部材と、前記ペダルスピンドルの回転軸の周りの駆動スプロケットの回転方向の前記駆動スプロケットに相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段と、前記ペダル駆動式装置上の前記別のコンポーネントのために前記検出された移動を制御入力に変換するための手段とを備える。
【0034】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置のための駆動スプロケットアセンブリが実現され、前記駆動スプロケットアセンブリはペダルスピンドルの回転軸の周りで回転可能な第1の部材と、ペダルスピンドルの回転軸の回りに回転可能である駆動スプロケットであって、前記第1の部材に緩く結合され、前記駆動スプロケットの回転方向にそれに相対的な限定された量だけ移動可能である駆動スプロケットと、前記駆動スプロケットの前記回転方向の前記駆動スプロケットに相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための機構とを備える。
【0035】
本発明の前記および他の特徴は、添付図面と併せて例としてのみ取りあげられている好ましい実施形態の以下の説明から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第1の実施形態の概略構造図である。
【図2】図1の直線A−Aにそって切り取った断面図である。
【図3】図1の直線B−Bにそって切り取った拡大断面図である。
【図4】図1の実施形態の分解斜視図である。
【図5】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第2の実施形態の概略構造図である。
【図6】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第3の実施形態の分解斜視図である。
【図7】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第4の実施形態の概略構造図である。
【図8】図7の直線A−Aにそって切り取った断面図である。
【図9】図7の実施形態の分解斜視図である。
【図10】本発明の実施形態のどれかによるモーターおよびスプロケットアセンブリを有するペダル駆動式装置の略図である。
【図11】本発明の一実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図12】図11の駆動スプロケットアセンブリの正面図である。
【図13】図12の直線A−Aにそった側断面図である。
【図14】図12の直線B−Bにそった側断面図である。
【図15】図11のスプロケットアセンブリの板部材とスプロケット取付部材の拡大部分断面図である。
【図16】制御信号装置の一実施形態を備えるモーターユニットと組み合わせた図11のスプロケットアセンブリの側面図である。
【図17】図16に示されている制御信号装置の拡大図である。
【図18】制御信号装置の別の実施形態を備えるモーターユニットと組み合わせた図11のスプロケットアセンブリの上面図である。
【図19】図18に示されている制御信号装置の拡大図である。
【図20】本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図21】図20の駆動スプロケットアセンブリの正面図である。
【図22】図7の制御信号装置を備えるモーターユニットと組み合わせた図20のスプロケットアセンブリの側断面図である。
【図23】図20のスプロケットアセンブリを備える本発明による自転車の後部の側面図である。
【図24】図23の自転車の後部の上面図である。
【図25】本発明による歯車調整機構を備える自転車の後輪アセンブリの分解斜視図である。
【図26】図25の自転車の後部の側面図である。
【図27】図25の自転車の後部の上面図である。
【図28】本発明の別の態様による自転車の後部の部分断面上面図である。
【図29】本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図30】図29のスプロケットアセンブリの正面図である。
【図31】図29のスプロケットアセンブリの後面図である。
【図32】図29の直線B−Bにそった側断面図である。
【図33】図29の直線C−Cにそった側断面図である。
【図34】図31の直線E−Eにそった拡大側断面図である。
【図35】図31の直線D−Dにそった拡大側断面図である。
【図36】本発明の実施形態のどれかによるスプロケットアセンブリ、制御信号装置、および歯車調整機構を有するペダル駆動式装置の略図である。
【図37】図38の直線B−Bにそった本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。
【図38】図37のスプロケットアセンブリの正面図である。
【図39】図37および38のスプロケットアセンブリの板部材とスプロケット取付部材の拡大部分断面図である。
【図40】図37から39の駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図41】本発明の別の実施形態によるモーターおよび駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。
【図42】図41のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図43】チェーン伝動装置の代わりにベルトプーリーを使用する図41のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。
【図44】図41および43のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリにおいて使用するための代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの正面図である。
【図45】図44の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの分解斜視図である。
【図46】図41および43のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリにおいて使用するための別の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの正面図である。
【図47】図46の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの分解斜視図である。
【図48】図41および43のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリにおいて使用するための、ただし、転がり軸受の代わりにブッシングを使用する、別の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、主に、原動機付き自転車に関するものであるが、本発明は、人力入力を供給するペダルと機械力入力を供給するモーターとを有するハイブリッド装置に適用可能である。原動機付き自転車は、車両に動力を供給するか、またはペダルこぎを補助するために使用される付属モーターを備える自転車である。ときには自動車、またはあるクラスのハイブリッド車として分類される、原動機付き自転車は、異なる種類のエンジンを動力源とすることができる。原動機付き自転車は、必要ならばペダルだけを動力源とすることができるという点で二輪車と区別される。ペダルの実際の使用は、車両の種類により大きく異なる。乗り手がペダルをこがないことを選択した場合にモーターだけで推進できるものもある。パワーアシストバイクとして知られているものは、特に上り坂で、少しの外部動力を与えるために使用されるモーターとともに、ペダルを主要推進形態として有する。多くの原動機付き自転車は、標準的な自転車フレーム設計および技術をベースとする。
【0038】
並列ハイブリッド原動機付き自転車では、人とモーターの入力は、底部取付用金具、後輪、または前輪のいずれかに機械的に結合されるが、(機械的な)直列ハイブリッド自転車では、人とモーターの入力は、差動伝動装置を通じて結合される。(電子)直列ハイブリッド自転車では、人力は電気に変換されて、モーターに直接供給され、ほとんどの追加の電気はバッテリから供給される。
【0039】
「ペデレック」は、トルクセンサーおよび/または速度センサーおよび/または比例するアシストレベルを送出し乗り手がペダルをこぐときにのみ動作するパワーコントローラを組み込んだ電動アシスト自転車を一般的に指す、ヨーロッパで使用されている用語である。
【0040】
本発明は、モーターユニットとペダルの両方を有するが、モーターがスプロケットアセンブリのごく近くに配置されている、好ましくはモーターがモーターの中空シャフト内にペダルスピンドルを収容するようにペダルスピンドルと同軸に配置される、上記の形態の自転車のすべてに適用可能である。
【0041】
以下の説明では、「スプロケット」または「駆動スプロケット」という用語は、駆動力を別の回転コンポーネントに伝達することができる、限定はしないが、駆動チェーンと係合するための歯付きスプロケット、駆動ベルトと係合するためのベルトプーリー、または他の大歯車または歯車列と係合するための歯車を含む、回転コンポーネントを意味すると解釈すべきであることが理解されるであろう。
【0042】
以下の説明では、ペダル駆動式装置の一例として自転車を参照するが、本発明は、自転車に限定されず、以下の説明は三輪車、水上自転車(ペダルボート)、または同様のものなどの他の種類のペダル駆動式装置、またはモーターユニットによって駆動される他のデバイスもしくは器具にも等しく適用可能である。
【0043】
図1から4を参照すると、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第1の実施形態が示されている。前記モーターおよびスプロケットアセンブリを有する自転車は、人力でもたらされる駆動力を受けるためのペダルスピンドル1を備える補助シャフトとともに回転するように固定されている人力操作可能なペダル10およびモーターがもたらす駆動力を受けるためのシャフト4を有するモーター5の形態の外部からもたらされる駆動力を付与するための手段を備える。第1のトルク伝達経路は、人力でもたらされる駆動力をペダル駆動式装置のスプロケット16を備える駆動機構に伝達するために設けられ、第2のトルク伝達経路は、モーターがもたらす駆動力をペダル駆動式装置の前記スプロケット16に伝達するために設けられている。第1の一方向駆動手段13は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドル1が惰性で回ることができるようにペダルスピンドル1とスプロケット16との間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0044】
この配置構成の利点は、フリーホイールスプロケットを自転車の後輪に設ける必要がないという点にある。これは、第1の一方向駆動手段13が、モーター駆動装置が動作しているときにペダルスピンドル1が慣性で回ることを可能にすることに加えてこの機能を備えるからである。
【0045】
第1のトルク伝達経路は、人力操作可能なペダル10、ペダル10が一緒に回転するように固定されているペダルスピンドル1、および第1の一方向駆動手段13を備える。第1の一方向駆動手段13は、ペダルスピンドル1をスプロケット16に機械的に結合し、第1の一方向駆動手段13は、ペダル10に印加される人力でもたらされる駆動力をスプロケット16に伝達し、これによりスプロケットを回転させる。第1の一方向駆動手段13は、スプロケット16がモーターシャフト4によって駆動されているときにペダルスピンドル1が慣性で回ることも可能にする。第1の一方向駆動手段13は、オーバーランニングベアリングまたはオーバーランニングクラッチなどのフリーホイールデバイス、または一方向駆動手段の出力部材を通して駆動力を印加することを可能にするが、入力部材が前記第1の一方向駆動手段13を通じて駆動力が伝達されないときに慣性で回るのに適しているデバイスを備えることができる。
【0046】
第2のトルク伝達経路は、モーターシャフト4とモーターシャフト4をスプロケット16に機械的に結合するケーシング7内に収納されている歯車機構とを備える。歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフト4からスプロケット16に前記減速比で伝達するように動作する。歯車機構は、回転軸がモーターシャフト4の回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車20を有する遊星歯車機構を備えることができる。
【0047】
これにより、高速モーターを使用することが可能になり、これにより歯車機構は好適な減速比をモーターの出力シャフトに適用し、(相対的に言って、モーターシャフトの回転速度と比較したとき)スプロケットを高トルクおよび低速で回転させる。
【0048】
図1から4により明示的に示されているように、モーターおよびスプロケットアセンブリは、モーター5、軸受3および6によって支持されているモーターの回転子の中空シャフト4、モーター5の一端にある端部カバー、つまり、遊星歯車機構のケーシング7、遊星歯車機構のケーシング7内に固定されている内歯車環8、モーター5の中空シャフト4の周りに固定された偏心輪22、および中空シャフト4とトルクを伝達するための偏心輪22との間に配設されている平キー23を備える。遊星歯車20は、偏心輪22とともに回転するように、軸受21を使って偏心輪22の外周に嵌合され、内歯車環8の歯と係合する。4つの丸穴19が、遊星歯車20の側面に設けられている。遊星歯車キャリア11は、軸受9を使ってケーシング7内で支持され、遊星歯車20に面する側面上で4本のピン17を備える。ブッシング18は、ピン17の周りに設けられ、遊星歯車20の側面上の4つの丸穴19内に挿入される。4本のピン17と、遊星歯車11上の4つの丸穴19内に挿入されるブッシング18の機能は、遊星歯車20が回転するときに遊星歯車20からの駆動力を遊星歯車キャリア11に伝達することである。ブッシング18は、遊星歯車20の回転に適応するようにピン17の周りを回転する。これらの穴は、モーターシャフト4の回転軸に対する遊星歯車20の偏心移動に適応するようにピン17の直径より大きい直径を有する。
【0049】
遊星歯車20から遊星歯車キャリア11へのモーター駆動力の伝達をもたらすために、ラチェットシートを遊星歯車キャリア11の外側に配置し、ラチェット15をラチェットシート上に移動可能に配設し、スプロケット16に固定されているラチェットホイール12の内面と係合させる。ペダルの中央スピンドル1は、モーター5の中空シャフト4内に自在に配設され、モーターシャフト4と同軸に取り付けられる。ペダルの中央スピンドル1は、軸受2および14を使ってそれぞれモーターの中空シャフト4および遊星歯車キャリア11内に支持される。ペダルのクランク10は、ペダルの中央スピンドル1の端部に配設される。アセンブリのスプロケット側にあるペダルのクランク10には、前記ペダルのクランク10上に固定されている一方向フリーホイール13を備える第1の一方向駆動手段が付随する。ラチェットホイール12の側面は、一方向フリーホイール13のフランジ上に固定され、スプロケット16は、ラチェットホイール12の他方の側面に固定される。
【0050】
この実施形態の動作において、ペダルをこいでいるときに、ペダルのクランク10が一方向フリーホイール13を通じてラチェットホイール12を回転させ、これにより、ラチェットホイール12上に固定されているスプロケット16が同時に回転し、自転車は推進されてスプロケット16のチェーン伝動装置(図示せず)を通じて前進する。
【0051】
ラチェット部材15およびラチェットホイール12を備える第2の一方向駆動手段は、スプロケット16が第1のトルク伝達経路を通じて人力でもたらされる駆動力によって駆動されているときにモーターシャフト4が回転を生じないようにモーターシャフト4とスプロケット16との間の第2のトルク伝達経路内に設けられる。遊星歯車キャリア11上に移動可能に配設されているラチェット部材15は、ラチェットホイール12のラックと係合する。ラチェット部材15には、前記ラチェット部材15の自由端を遊星歯車キャリア11の表面から外向きに、ラチェット部材15の前記自由端がラチェットホイール12のラック内の歯と係合するように弾力的に付勢するための手段が付随しているものとしてよい。
【0052】
第2の一方向駆動手段12、15の一方向伝達機能があるため、ペダル10によってラチェットホイール12が回転しても、遊星歯車キャリア11またはモーターシャフト4が回転するように駆動されることはない。モーター駆動時に、モーターの中空シャフト4は、遊星歯車機構の偏心輪22を回転させ、次いで、偏心輪22は、遊星歯車20をモーターの軸の周りに回転させる。回転中の任意の時点における偏心輪22の角度位置に応じて、遊星歯車20の歯は、内歯車環18の対応する歯と係合し、モーターの軸に対して遊星歯車20を回転させ、この回転は遊星歯車キャリア11によって出力される。遊星歯車キャリア11は、ラチェットシート上に配設されているラチェット15を使ってラチェットホイール12を回転させ、次いで、ラチェットホイール12は、ラチェットホイール12と一緒に固定されているスプロケット16を回転させ、自転車を推進してチェーンにより前進させる。このときに、第1の一方向伝達手段(つまり、一方向フリーホイール13)の一方向伝達機能があるため、スプロケット16が回転しても、ペダルのクランク10またはペダルのスピンドル1は回転しない。
【0053】
この実施形態では、モーターは、ペダルスピンドル1がモーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、回転軸が平行、好ましくは同軸になる、つまり、ペダルスピンドル1およびモーターシャフト4が同じ回転軸を共有するように、ペダル駆動式装置のペダルスピンドルの周りに同軸状に配置される。
【0054】
この配置構成の結果、モーター5はペダルスピンドルおよびスプロケットアセンブリときれいにコンパクトに組み込まれる。
またこの実施形態では、遊星歯車20は、偏心輪22上で回転可能に支持され、これにより、遊星歯車20は、偏心輪22が回転すると回転し、これにより遊星歯車20の回転軸の位置は、遊星歯車20が回転するとモーターシャフト4の回転軸に相対的に変化して、遊星歯車20の回転軸の可変位置がモーターシャフト1の回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は所定のオフセット量に等しい半径を有する。遊星歯車20は内輪歯車8より小さい直径を有し、内輪歯車8は、モーターシャフト4の回転軸と一致する中心軸を有する。遊星歯車20は内輪歯車8より少ない歯数を有する。
【0055】
遊星歯車20は、遊星歯車20の外側歯付き表面が任意の時点において内輪歯車8の少ない歯とのみかみ合うように内輪歯車8の内側歯付き表面の周りを回転する。
遊星歯車機構の遊星歯車キャリア11は、モーターがもたらす駆動力をスプロケット16に伝達し、そうする際に、モーター駆動力をスプロケット16に機械的に伝達する正確で効率的な方法を提供する。
【0056】
遊星歯車機構は、モーターシャフト4の回転軸に対する遊星歯車20のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材24を備える。カウンターバランス部材24は、遊星歯車が回転しているときに遊星歯車の釣り合いを取るために遊星歯車20とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含む。
【0057】
モーター5は、ペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから電力の供給を受ける電気モーターを備える。
図5は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第2の実施形態を示している。この実施形態の説明では、図1から4で使用されているのと同様の番号を使用して類似の部品を示すが、それらの部品の違いについては以下で説明する。
【0058】
この実施形態では、第2の一方向駆動または伝達手段(つまり、ラチェットホイール12およびラチェット15)は省かれており、したがって、遊星歯車機構の遊星歯車キャリア11’は一緒に回転するようにスプロケット16に固定結合されている。遊星歯車20およびスプロケット16は、第1の一方向駆動/伝達手段の一方向フリーホイール13(の出力部材)と直接的に、また固定される形で連結される。そのようなものとして、遊星歯車キャリア11’は、図1から4の第1の実施形態におけるその構成と比較して、方向フリーホイール13と直接的、また固定される形で連結することが可能なように修正される。この実施形態では、遊星歯車キャリア11’をフリーホイール13に直接結合することで、自転車の機能を変えることができる。この実施形態では、モーター5は、自転車のペダルこぎまたは前進運動、つまり、例えば、自転車が慣性で傾斜を下ることによって駆動される発電デバイスとして機能しうる。
【0059】
この実施形態の動作において、ペダルをこいでいるときに、ペダルのクランク10が一方向フリーホイール13を通じて遊星歯車キャリア11’およびスプロケット16を同時に回転させ、次いで、自転車が推進されチェーン伝動装置を通じて前進する。このときに、遊星歯車キャリア11’は、スプロケット16とともに回転するので、遊星歯車20および偏心輪22を回転させ、次いで、モーター5の中空シャフト4を回転させる。この状況の下で、乗り手が自転車を使用して運動するためにペダルに加える負荷を高めることを意図しているか、またはモーターを下り坂のときに自転車を減速するためのブレーキとして機能させるために使用するか、またはモーターをライト用の、もしくはモーターのバッテリパックを充電するための電力を発生するために使用することを意図している場合、乗り手は、例えば、自転車のハンドルバーに取り付けられているスイッチを制御してモーター5を発電デバイスに転換するようにコントローラの回路を切り替えることができ、これにより発生する電力は負荷によって、または電池を充電するために使用されうる。通常の乗り方では、コントローラは、通常乗車状態に切り替えることができるので、ペダルには追加の負荷がかからない。モーター駆動時に、モーター5の中空シャフト4は、遊星歯車機構の偏心輪22を回転させ、次いで、遊星歯車20をモーターの軸の周りに回転させる。その結果、スプロケット16を回転させる遊星歯車キャリア11’によってトルクが出力され、次いで、自転車が推進されてチェーン伝動装置を通じて前進する。このときに、一方向フリーホイール13の一方向伝達機能により、スプロケットが回転しても、ペダルのクランク10は回転しない、つまり、ペダルのクランクおよびペダルのスピンドルが慣性で回ることができる。
【0060】
この例では、自転車は、前進時に、モーターを駆動してチェーン伝動装置から伝達する動力の伝達を通じて発電することができるが、後輪ハブには、一方向駆動/伝達機能を有する一方向フリーホイールは設けられていない。
【0061】
図6は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第2の実施形態を示している。この実施形態の説明では、図1から5で使用されているのと同様の番号を使用して類似の部品を示すが、それらの部品の違いについては以下で説明する。
【0062】
この実施形態では、遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相外れで配置されている第1および第2の同一の遊星歯車20、26を備え、前記第1および第2の遊星歯車20、26は回転で互いに釣り合いを取る。第1および第2の遊星歯車20、26は、各内輪歯車内に配置することができるが、好ましくは、第1または第2の実施形態の内輪歯車と比較して2倍の幅の共通の、単一の内輪歯車8’内で互いに半回転位相が異なって回転するように配置される。第1および第2の遊星歯車20、26は、各第1および第2の偏心輪22、25上に支持可能に取り付けられる。第2の遊星歯車26は、軸受28によって第2の偏心輪25上に取り付けられる。ピン17は、他の実施形態より長くされ、遊星歯車20、26の両方における開口19、27の各セットを貫通する。
【0063】
2つの位相が異なる遊星歯車20、26を使用することで、重み付けカンタータバランスを設ける必要がなくなり、また重み付けカンタータバランスを含む前記の配置構成よりも効率的にかつ静かにモーターの駆動力をスプロケット16に伝達する平衡システムが構成される。
【0064】
この実施形態は、図5で示されている第2の実施形態と同様にして、第2の一方向駆動手段12、15を備える。しかし、この実施形態(図6)の第1および第2の遊星歯車20、26の説明されている配置構成は、最小限度の修正で第1(図1から4)または第2の(図5)の実施形態にいずれかにおいて使用することができることは理解されるであろう。さらに、この実施形態の動作は、(第1の)遊星歯車20の釣り合いは第2の遊星歯車26によってもたらされるという事実を除くすべ点で他の何らかの形で同じである。
【0065】
本発明の前記の実施形態では、遊星歯車機構の歯車の歯は、それぞれの歯の縁がまっすぐで歯車の回転軸に平行に位置合わせされている平歯車またはストレートカット歯車を備えるものとして表されている。しかし、好ましい実施形態では、これらの歯車ははすば歯車を含む。
【0066】
はすば歯車は、平歯車に勝る微調整を行う。歯の前縁は、回転軸に平行でないが、歯車の前記回転軸に対してある角度をなす。歯車は湾曲しているので、この角度を付けることで、歯の形状は螺旋の弧になる。角度付きの歯は、平歯車の歯に比べて徐々に係合し、より滑らかに、静かに走る。平行なはすば歯車の場合、歯のそれぞれの対は、最初に、大歯車の片側に単一の点で接触し、次いで、移動する接触曲線は歯面上を最大まで徐々に長くなり、次いで歯が対向側の単一点において接触を断つまで後退する。平歯車では、歯は幅全体にわたって線接触で急に出会い、応力と音を発生する。平歯車は、高速のときに特徴的なヒューンという音を発生し、はすば歯車ほどのトルクを取り出しえない。はすば歯車の欠点は、歯車の軸にそって結果としてスラストを生じることであり、これは通常適切なスラスト軸受によって対応する必要があるが、本発明では、モーター伝動システムの他のコンポーネントは、はすば歯車をかみ合わせることによって引き起こされる歯車の軸にそったスラストに対抗するように動作し、したがってスラスト軸受はいくつかの実施形態では必要でない場合がある。他のすべての点において、はすば歯車を有する遊星歯車機構は、前の方で説明した遊星歯車機構の実施形態と同じである。
【0067】
図7から9は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第4の実施形態を示している。この実施形態の説明では、図1から6で使用されているのと同様の番号を使用して類似の部品を示すが、それらの部品の違いについては以下で説明する。
【0068】
この実施形態では、コンポーネントの配置構成は、歯なし遊星歯車機構を含む歯車機構を除き第3の実施形態と一般的に同一である。
歯なし遊星歯車機構は、回転軸がモーターシャフト4の回転軸に対して所定の量だけオフセットされている第1および第2の歯なし遊星歯車30、31を有する。歯なし遊星歯車機構の減速比は、歯なし遊星歯車30、31の各直径と第1および第2の遊星歯車30、31が回転のために配置されている単一の共通の歯なし内輪歯車29の直径との間の関係によって画定される。歯なし遊星歯車30、31は、歯なし内輪歯車39より小さい直径を有する。第1および第2の歯なし遊星歯車30、31は、第1および第2の偏心輪22、25上でそれぞれ回転可能に支持され、それぞれ他方と釣り合うように互いに半回転位相外れで共通の単一の歯なし内輪歯車29内に配置される。第2の遊星歯車31は、軸受28によって第2の偏心輪25上に取り付けられる。ピン17は、他の実施形態より長くされ、遊星歯車30、31の両方における開口19、27の各セットを貫通する。第1および第2の遊星歯車30、31の外面は、歯なし内輪歯車29の内面と係合する。内輪歯車の内面および/または遊星歯車30、31の外面を粗面化して、線接触で前記係合している表面の間に作用する摩擦係数を増大させることができる。第1および第2の遊星歯車30、31と歯なし内輪歯車29との間の摩擦嵌めは、歯なし内輪歯車29を加熱して第1および第2の歯なし遊星歯車30、31の上に焼嵌めすることによってなされる。
【0069】
歯なし遊星歯車機構の利点の1つは、静粛性である。歯車の歯が欠如しており、またモーターからスプロケットへの動力の伝達を引き起こす一般的に滑らかであるが、場合によっては粗面化されている表面同士の接触に依存することは、非常に静かな動作をもたらし、また歯付き歯車機構の場合と同様に歯車の歯と歯の間に滑りも、またがたつきもないので動力がより効率的な伝達をもたらす。
【0070】
この実施形態は、図1から4に示されている第1の実施形態と同様にして単一の歯なし遊星歯車のみを備えるように修正することも可能であることは理解されるであろう。そのような場合、歯なし遊星歯車機構は、モーターシャフトの回転軸に対する歯なし遊星歯車のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備えることになるであろう。
【0071】
この実施形態は、第1および第3の実施形態と同様に第2の一方向駆動手段12、15を備えるが、第2の実施形態と同様に、第2の一方向駆動手段を省き、遊星歯車キャリア11を第1の一方向駆動手段13に直接的に、かつ固定される形で結合するように修正することが可能であることも理解されるであろう。このような場合、遊星歯車キャリア11は、それとともに回転するように第1の一方向駆動手段13の出力部材に取り付けることもでき、これにより、ペダル10に印加される人力でもたらされる駆動力は第1のトルク伝達経路を介して、歯なし遊星歯車機構を通じてモーターシャフト4に、さらにはスプロケット16に伝達される。
【0072】
図10は、前記実施形態のいずれかによるモーターおよびスプロケットアセンブリ50を有する自転車40を示している。自転車本体は、モーターおよび歯車機構を受け入れるための中央スピンドルの位置に陥凹部を備えることができる。モーターおよび歯車機構のアセンブリは、中央ペダルスピンドルと一緒に、陥凹部内にぴったり入る。
【0073】
図11は、ペダル駆動式装置上に取り付けられているモーターがもたらす駆動力を増大するためのコントローラもしくは調整器もしくはトルクセンサーの部分を備える自転車などの前記ペダル駆動式装置に対する駆動スプロケットアセンブリ110の分解斜視図である。以下の説明では、ペダル駆動式装置の一例として自転車を参照するが、本発明は、自転車に限定されず、以下の説明は三輪車、水上自転車(ペダルボート)、または同様のものなどの他の種類のペダル駆動式装置にも等しく適用可能である。
【0074】
これらの図を参照すると、駆動スプロケット機構110は、自転車乗りが自転車のペダルに加える人力駆動力を受ける駆動スプロケット112を備えることがわかる。駆動スプロケットの外周には、自転車を前進させる駆動力を自転車の車輪に伝達するためのチェーン伝動装置(図示せず)と係合する歯114が設けられている。従来、これは後輪である。他のペダル駆動式装置では、ペダルに印加される人力による駆動力は、好適な駆動システムを通じて他の何らかの駆動デバイスに伝達して、装置の運動を引き起こすことができることは理解されるであろう。例えば、水上自転車では、駆動力は1つまたは複数の櫂(かい)に伝達されうる。さらに、ペダル駆動式装置における駆動スプロケットは、チェーンではなくベルト駆動装置と係合しうる。そのような場合、スプロケットは歯を持ちえないが、その代わりに、ベルトプーリーもしくは同様のものを備える。あるいは、駆動スプロケットは、ペダルに印加される人力を歯車列を通じて装置の前進運動駆動システムに伝達するために歯車のチェーンと係合するように配置された大歯車を備えることができる。本発明は、電気モーターまたはさらには内燃機関などの任意の種類のモーターユニットに、また上述のような自転車上のモーターの位置決めに適用可能である。
【0075】
図13に示されているように、クランクアーム118を備えるペダル116は、従来の方法でペダルスピンドル120のいずれかの端部に固定して留められ、これにより、自転車乗りは、ペダル116を人力で駆動して駆動スピンドルまたはシャフト120をペダルスピンドルの回転軸122の周りで回転させ、駆動力をスプロケット112に付与することができる。ペダルの1つ(図13には右側のペダルが示されている)の隣にカラー124が設けられており、このカラーは一緒に固定されて回転するようにペダルスピンドル120上にキー溝に嵌める形で取り付けられる。カラー124は、カラー124にねじ込み式に固定されることによりペダルスピンドル120とともに回転するようにも固定される一般的に環状の取付板126の雌ネジ部分126aの内側にねじ込み式に係合する雄ネジ部分124aを有する。取付版の周辺端部またはフランジ126bの周りに、複数の、または1セットのボルトまたはネジ穴128が配置されている。他の図示されていない実施形態では、取付板126は、他の留め手段によってカラー124に固定することができる。例えば、取付板126をカラー124にキー溝に嵌める形で取り付けて、一緒に固定された形で回転するようにそれをカラー124に留めることができる。または、取付版126は、カラー124に溶接することもできる。しかし、取付板126とカラー124との間のねじ込み連結を行うのは、取付板126をカラー124に留める従来の方式と同様であるが、それらの部品のその後の保守が可能になるが、それは、前記部品を保守、交換、または同様の作業のために容易に分離することができるからである。
【0076】
2列の同心ボルト穴132、134を有する環状板部材130の形態の第1の部材を用意する。2列の同心ボルト穴のうちの第1の内側のボルト穴の列132は、ペダルスピンドル120の回転軸に平行な方向に短い距離だけ軸方向に延在する板部材130の内側環状部分またはフランジ130a上に設けられる。ボルト穴のこのセット132は、取付板126上に設けられているボルト穴のセット128に相補的であり、図13を見ると最もよくわかるようにネジもしくはボルトによって板部材130を取付板126に留めることを可能にする。そのため、板部材130は、取付板126に固定して留められ、これにより、ペダルスピンドル120とともに固定されて回転するようにも取り付けられる。他の図示されていない実施形態では、板部材130は、溶接を含む好適な手段によって取付板126に留めることができる。しかし、ボルトまたはネジのセットを使用して板部材130を取付板126に留めることによって、部品のその後の保守が可能になるが、それは、前記部品を保守、交換、または同様の作業のために容易に分離することができるからである。さらに他の実施形態では、板部材130は、板部材126およびカラー124と一体成形ユニットとして一体形成されうるが、その場合、固定具開口の内側の列132(ネジ穴の内側の列)は不要になる。
【0077】
駆動スプロケット112は、その内側周辺端部の周りに内向きに垂れ下がるスプライン112aが配置されている環状形態を有する。それぞれのスプライン112aは、各ボルトまたはネジ開口136を持つ。スプロケット112のスプライン112aは、スプロケット取付部材138の後面内の相補的なスロット138a内に係合する。スプライン112a上の開口136により、図3を見ると最もよくわかるようにボルトまたはネジ140を使用してスプロケット112を取付部材138に固定することができる。スプロケット112は、一緒に固定されて回転するように取付部材38に留められる。他の図示されていない実施形態では、スプロケット112は、溶接を含む好適な手段によって取付板138に留めることができる。しかし、ボルトまたはネジのセットを使用してスプロケット112を取付部材138に留めることによって、部品のその後の保守が可能になるが、それは、前記部品を保守、交換、または同様の作業のために容易に分離することができるからである。さらに他の実施形態では、スプロケット取付部材138をスプロケット112と一体形成ユニットとして一体形成することができる。
【0078】
使用時にスプロケット取付部材138の後面上の陥凹部138b内に配置される留めリング142を備える。留めリング142は、その周辺端部の周りに複数のネジまたはボルト穴144を有する。ネジ穴144のこのセットは、板部材130上の同心ボルト穴の2つのセットのうちの外側のセット134と相補的であり、したがって、板部材130および留めリング142は、図13を見ると最もよくわかるようにスプロケット取付部材138内に形成された相補的な細長い開口146を通して互いに留めることができる。したがって、留めリング142と板部材130は、スプロケット取付部材138をサンドイッチ状に挟み、留めリング142は、板部材130を、スプロケット取付部材138の前面に密接し、スプロケット取付部材138に緩く結合された、つまり、板部材130およびスプロケット取付部材138が互いに固定されて留められないという意味で、ただしスプロケット112の回転方向に制限された距離だけ互いに相対的に移動するように、緩く結合された位置に板部材130を保持する。スプロケット取付部材138内の相補的な細長い開口146を伸ばすことで、板部材130および留めリング142の組み合わせを駆動スプロケット112の回転方向にスプロケット取付部材138および駆動スプロケット112の組み合わせに対して相対的に移動することができる。しかし、板部材130とスプロケット取付部材138との間の可能な相対的移動の量は、スプロケット取付部材138内の細長い開口146の長さによって制限される。
【0079】
スプロケット取付部材の前面の周りに、複数の陥凹部148が配置されている。いずれの陥凹部148は、バネなどの第1の付勢要素150を収容する。好ましくは、付勢要素150は、圧縮バネを備えるけれども、以下の説明から明らかなように好適な付勢手段また要素を使用することが可能である。付勢要素150の機能は、人力圧力が自転車のペダル116に印加されていないときにスプロケット取付部材138に対して板部材130を第1の回転位置に維持するが、人力圧力がペダル116のうちの少なくとも1つ、好ましくは自転車の前進運動方向に関して見たときに前方のペダルに印加される場合にスプロケット取付部材138に対してペダルスピンドル120の回転方向に板部材130を少し移動することを可能にすることである。それぞれの陥凹部148の前端において、図14に示されているようなスプロケット112とスプロケット取付部材138の組み合わせの前方回転方向で見たときに、スプロケット取付部材138の前面を超えて外向きに軸方向に延在する一般的に円筒形の突起が設けられている。突起152は、スプロケット取付部材138と一体形成されうるか、またはその陥凹部148内に固定されている別個のコンポーネントを備えることができる。突起152は、この配置構成において圧縮バネを備える付勢要素150の端部に抵抗する。図15を見ると最もよくわかるように、スプロケット取付部材138の前面に面する板部材130の内面上の陥凹部153内に突起154の類似のセットが設けられる。板部材130上に設けられている突起154は、一体形成されるか、または各陥凹部153内に固定されている別個のコンポーネントを備えることもできる。板部材130内に設けられている陥凹部153は、第1の付勢要素150を部分的に受け入れるようになされる。したがって、スプロケット取付部材138内の前記陥凹部48と併せた板部材130内の前記陥凹部153は、それらの間に第1の付勢要素150を収容する。板部材130上に設けられている突起154は、図11で見て板部材130の内側接面から外へ、またそれを超えて軸方向に延在するように配置され、これにより、板部材130がスプロケット取付部材138に隣接して取り付けられている場合、板部材130上に設けられている突起154は、スプロケット取付部材138内の各陥凹部148内に配置され、図15を見ると最もよくわかるように、付勢要素150の対向端部と係合する。同様に、スプロケット取付部材138上に設けられている突起152は、板部材130内に設けられている各陥凹部153内に貫入する。その結果、人力圧力が前方駆動方向にペダル116のうちの少なくとも1つに印加されると、これにより、板部材130は、ペダルスピンドル120と固定された形で回転して移動する。スプロケット取付部材138およびスプロケット112は、ペダルスピンドル120とともに固定された回転で移動するように取り付けられていないが、代わりに、好ましくは付勢要素150を介して、板部材130からの駆動力を受ける。したがって、圧力が前方運動方向にペダル116の少なくとも1つに印加された場合、板部材130は、付勢要素150の圧縮に抵抗して回転し、これにより板部材130がスプロケット取付部材138に相対的に移動し、したがってこれによりまたスプロケット112に相対的にペダルスピンドル120の前方回転方向に移動する。板部材130とスプロケット取付部材138との間の可能な相対的移動の量は、留めリング142を板部材130に結合するために使用されるネジまたはボルトを緩く収容するスプロケット取付部材内の開口146の細長い長さによって制限される。
【0080】
好ましい実施形態は、好ましくは圧縮バネの形態の複数の第1の付勢要素150を有するものとして説明されているが、他の配置構成において、単一の付勢要素を備えることが可能であることは理解されるであろう。これは、使用時に回転圧縮されるコイルバネまたは使用時にペダルスピンドル120の軸方向に圧縮されるトーションバネを備えることが可能である。また、圧縮バネを使用する代わりに、板部材をスプロケット取付部材およびスプロケットに相対的に通常の第1の位置に維持するために付勢要素(複数可)の拡張を使用する他の種類のバネまたは1つもしくは複数の付勢要素を使用することができることは理解されるであろう。
【0081】
スプロケット取付部材138の後面内の陥凹部138bを画成するスプロケット取付部材138の環状壁138cの外面の周りに、リング部材155の形態のアクチュエータが移動可能に取り付けられている。アクチュエータリング部材155は、ペダルスピンドルの回転軸122に平行な軸方向に移動するようにスプロケット取付部材138上に取り付けられる。アクチュエータリング部材155は、図12および13を見ると最もよくわかるようにスプロケット取付部材138の背後もしくは後側のスプロケット112の外側に位置するようにスプロケット取付部材138に取り付けられる。アクチュエータリング部材155は、スプロケット取付部材138の後面内の相補的な開口(図示せず)を通して受け入れられる、内面の周りに配置されている3本の支柱155aを有する。これらの支柱155aは、取付ネジもしくはボルト160を受け入れるように適合された雌ネジ部分を有する。スプロケット取付部材138の前面内に、第2の付勢要素158、好ましくは圧縮バネを受け入れるための相補的な開口と同軸である開口156が形成される。第2の付勢要素158のそれぞれは、アクチュエータリング部材155の各支柱155aの少なくとも一部を囲むように、ただし、アクチュエータリング部材155に最も近い端部がスプロケット取付部材138の内面に作用しアクチュエータリング部材155のリング部がスプロケット取付部材138の後側に位置するように、位置決めされる。各ネジまたはボルト160は、それぞれのネジの頭が各第2の付勢要素158の対向端部に当たるようにアクチュエータリング部材155の支柱155aのそれぞれで受ける。この配置構成では、アクチュエータリング部材155は、第2の付勢要素158が前記アクチュエータリング部材155をスプロケット取付部材138の後面に近接する通常位置に付勢するようにスプロケット取付部材138に取り付けられる。アクチュエータリング部材155は、使用時に、第2の付勢要素158の付勢に抵抗してペダルスピンドルの回転軸122に平行な軸方向にクラッチ部材138の後面に隣接する通常位置から外向きに離れるように移動可能である。
【0082】
第2の付勢要素158は、圧縮バネを備えるものとして説明されているが、他の種類のいくつかのバネもしくは付勢要素もしくはさらにただ1つのバネもしくは付勢要素を使用してアクチュエータリング部材155をスプロケット取付部材138の後面に近接する通常位置に保持することもできることは理解されるであろう。
【0083】
板部材130が(第1の)付勢要素150と反対向きにスプロケット取付部材138に相対的に移動するときにスプロケット取付部材138から離れるアクチュエータリング部材155の軸方向移動を引き起こすためにスプロケット取付部材138内に少なくとも1つのレバー部材162を設ける。少なくとも1つのレバー部材162は、第1および第2の端部が各反対方向で前記中心部から外向きに延在する中央の円筒形部分を備える。少なくとも1つのレバー部材162を、その第1の端部の表面が板部材130と係合し、その第2の端部の表面がアクチュエータリング部材155と係合するようにスプロケット取付部材138内に取り付けるレバー部材162は、好ましくは、半径方向に延在する、つまり、中心部を通りペダルスピンドルの軸122に垂直に延在する枢軸の周りを枢動するようにスプロケット取付部材138に取り付けられる。レバー部材162の第1および第2の端部は、スプロケットアセンブリ110の前側から見たときに、つまり、図11または12に示されているように右側であるスプロケットアセンブリ110の前方向側から見たときに180度未満の角度を定める。
【0084】
スプロケット取付部材138は、それに付随する複数のそのようなレバー部材162を有することができる。図11に示されているように、それぞれのレバー部材162を、スプロケット取付部材138の外縁部分内に形成されるスルーホール164で受ける。それぞれのレバー部材162は、その第1の端部が十分に突き出て板部材の内面と係合するように、またその第2の端部が十分に突き出てアクチュエータリング部材の接面と接触するようにその各スルーホール164で受ける。それぞれのレバー部材162は、スプロケット取付部材138のリムに形成された半径方向に延在する開口168内に配置される枢動ピン166の周りを枢動する。レバー部材162は、最初にレバー部材162をそのスルーホール164内に通常の向きで押し込み、枢動ピン166を前記ピン166がその円筒形中央部分内のレバー部材162の一般的に中央に形成される枢動穴を通過するまで軸方向に延在する開口168に通すことによってスプロケット取付部材138とともに組み立てられる。使用時に、板部材130がスプロケット取付部材138に対して前方回転方向に移動すると、板部材の内面がそれぞれのレバー部材162の第1の端部に作用し、レバー部材を回転させる。板部材の内面に、各レバー部材162の第1の端部の端面と係合するのに十分な距離だけ内面から外向きに伸びる留め金(図示せず)を備えることができる。それぞれのレバー部材162が回転すると、その第2の端部は、スプロケット取付部材138の後面から外向きに、その通常の位置にあるときにアクチュエータリング部材155の内面を押すようにより長く伸長させられる。レバー部材162の第2の端部により、アクチュエータリング部材155は第2の付勢要素150の付勢に抵抗してスプロケット取付部材138から軸方向に移動して離れる。その結果、スプロケット取付部材138(およびしたがってスプロケット112)に関する第1の板部材130のわずかな相対的回転変位の結果、アクチュエータ部材155の軸方向変位が生じ、この軸方向変位はスプロケットの回転方向におけるスプロケット112への板部材130の相対的変位に比例する。
【0085】
モーターユニットが内燃機関を含む場合の図示されていない実施形態では、アクチュエータリング部材155は、前記内燃機関のスロットルケーブルを調整する機構に作用するように配置されうるものであり、これにより、アクチュエータリング部材155の移動はモーターのスロットルケーブルの比例する移動に変換され、これにより、モーターへの燃料供給が増大し、その結果、モーターユニットによって自転車の一部に加えられる駆動力の量が増大し、自転車の前進運動が引き起こされる。モーターの駆動力は、自転車乗りが自転車を人力で前方に推進するのを支援するために利用されるか、または自転車乗りが選択した場合に、自転車乗りの人力で加える力の代わりとなるものとしてよい。
【0086】
好ましい実施形態では、モーターは、以下の説明を読むとよりよく理解されるようにペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから電力の供給を受ける電気モーターを備える。
【0087】
一方の図16および17ならびに他方の図18および19は、アクチュエータリング部材155の軸方向移動をモーターなどの別のコンポーネント用に機械制御入力または電磁もしくは電気信号に変換し、例えば、ペダル駆動式装置の電気モーターによって伝えられる駆動力の大きさを調整もしくは増大するための代替的機構を示している。
【0088】
図16から19では、モーター170は、モーター170の回転子部分(図示せず)がスピンドル120を駆動するためにペダルスピンドル120に結合されるようにペダルスピンドル120と同軸状に取り付けられている。図11に示されているように、この配置構成では、モーター170が動作しているときにモーター170からの駆動力をペダルスピンドル120に伝えることができるが、モーター170が動作しておらず、駆動力がペダル116を通して人力で付与される場合にスプロケット112が一方向駆動手段190をオーバーランさせることを許す、一方向駆動手段またはオーバーランニングベアリング190(図11)を備えることが必要になる。一方向駆動手段190は、スプロケット取付部材138の相補的形状の内部穴内に係合するスプライン形状の外面を有する。モーターの回転子の駆動シャフト(図示せず)は一方向駆動手段190と結合し、これにより、モーターの回転子の駆動シャフトが一方向駆動手段190の穴の中に受け入れられる。図11の一方向駆動手段190は、モーター170がペダルスピンドル120の周りに取り付けられていないとき、つまり、モーター170が、例えば、後輪またはペダルスピンドルもしくはシャフト120以外の自転車の他の何らかの部品と係合するように取り付けられているときに、スプロケットアセンブリ110の本質的コンポーネントではないことは理解されるであろう。
【0089】
図16は、一方向駆動手段190を備える図11のスプロケットアセンブリが、スピンドル120の周りに取り付けられ、電気モーター170もペダルスピンドル120と同軸状に取り付けられ、したがってモーターの回転子は一方向駆動手段190を通じてペダルスピンドル120に駆動力を伝えるように構成されている配置構成を示している。
【0090】
モーター170は、ペダルスピンドル120がモーターの回転子の駆動シャフト(図示せず)の中空穴を通過するようにペダルスピンドル120の周りに取り付けられる。したがって、モーターの回転子の駆動シャフトは、ペダルスピンドル120と直接結合しないが、その代わりに、一方向駆動手段190を通じてスプロケット112に結合される。モーター170は、好適な手段によってスプロケット取付部材138のアセンブリに取り付けられるか、または結合されうる。
【0091】
モーター170のハウジング上に、物理的移動を自転車の別のコンポーネント用に電磁信号などの制御入力に変換するためのラックアンドピニオン機構1100が配置されている。この機構は、ラック1102とピニオン1104とを備え、これにより、ラック1102は、使用時に、リングアクチュエータ部材155の外面と係合する。その結果、ラック1102は、前記アクチュエータリング部材155がペダルスピンドルの回転軸122の周りに回転する場合であってもアクチュエータリング部材155と常に係合しているように位置決めされる。ラック1102は、ラック1102と回転するアクチュエータリング部材155との間の移動接触を円滑にする小輪1106を自由端のところに有する。ラック1102は、通常の位置を占有するように付勢され、自由端上の車輪1106がアクチュエータリング部材155の外面に当たる。ラック1102は、直線的に移動するように取り付けられる。
【0092】
アクチュエータリング部材155がスプロケット取付部材138から離れるように軸方向に移動させられる場合、これは、ラック1102に抵抗し、ラック1102を、好ましくは圧縮バネを備えるラックの付勢コンポーネント1108と反対の方向に直線的に移動させるが、任意の好適な付勢コンポーネントを使用することが可能である。ラック1102が移動すると、ラックアンドピニオン歯車アセンブリの一般的に慣例的な様式でピニオン1104も移動する。
【0093】
ピニオン1104は、ピニオン1104の回転量を測定し、ピニオン1104の移動量に比例する電磁信号を出力するホール効果センサーなどのセンサー1112を通すためにピニオン1104の移動時に配置される金属または磁気ストリップ1110を搭載する。したがって、この信号は、スプロケット取付部材138およびしたがってスプロケットアセンブリ110のスプロケット112に相対的な板部材130の相対的移動の程度に比例する電磁信号を含む。しかし、ピニオン1104の移動量を検出し、前記移動量を示す別のコンポーネントに対する制御入力を出力する手段を使用することが可能であることは理解されるであろう。実際、機構1100は、ラックアンドピニオン構成を備える必要はないが、ただし、アクチュエータリング部材155の軸方向の移動を検出し、前記感知された移動をアクチュエータリング部材155が移動した量を示す機械もしくは電気および/または電磁信号に変換するための手段を備える必要があり、これにより例えばモーター170の電力制御信号を送ることは理解されるであろう。
【0094】
モーター170には、ホール効果センサー1112から受信された信号を変換し、これを制御入力信号に変換し、アクチュエータリング部材155の移動の検出された量に比例してモーター170に供給される電流の量を制御する制御回路(図示せず)が付随する。したがって、使用者によってペダル駆動式装置の少なくとも1つのペダルに印加される圧力の量に応答して、かつそれに正比例して電気モーター170を制御してより多くの動力をペダル駆動式装置に伝え、スプロケットに対して第1の板部材の相対的変位を引き起こす手段としてアクチュエータリング部材の移動を使用することが可能である。
【0095】
図18も、一方向駆動手段190を備える図11のスプロケットアセンブリが、スピンドル120の周りに取り付けられ、電気モーター170はペダルスピンドル120と同軸状に取り付けられ、したがってモーター170の回転子は一方向駆動手段190を通じてペダルスピンドル120に駆動力を伝えるように構成されている配置構成を示している。
【0096】
ここでもまた、モーター170は、ペダルスピンドルがモーターの回転子の駆動シャフト(図示せず)の穴を通過するようにペダルスピンドル120の周りに取り付けられる。したがって、モーターの回転子の駆動シャフトは、ペダルスピンドル120と結合しないが、その代わりに、一方向駆動手段190を通じてスプロケットアセンブリ110に結合される。モーター170は、好適な手段によってスプロケット取付部材のアセンブリに取り付けられるか、または結合されうる。
【0097】
モーター170のハウジング上に、物理的移動を電磁信号に変換するための代替的ラックアンドピニオン機構1100’が配置されている。この機構は、湾曲したラック1102’とピニオン1104’とを備え、これにより、ラック1102’は、使用時に、リングアクチュエータ部材155の外面と係合する。その結果、ラック1102’は、前記アクチュエータリング部材155がペダルスピンドルの回転軸の周りに回転する場合であってもアクチュエータリング部材155と常に係合しているように位置決めされる。ラック1102’は、ラック1102’と回転するアクチュエータリング部材155との間の移動接触を円滑にする小輪1106’を自由端のところに有する。ラック1102’は、通常の位置を占有するように付勢され、自由端上の車輪1106’がアクチュエータリング部材の外面に当たる。ラックは、枢着部1114’の周りで枢動するように取り付けられる。
【0098】
アクチュエータリング部材155がスプロケット取付部材138から離れるように軸方向に移動させられる場合、これは、ラック1102’に抵抗し、ラックを、好ましくはトーションバネを備えるラックの付勢コンポーネント1108’と反対の方向に枢動させるが、任意の好適な付勢コンポーネントを使用することが可能である。
【0099】
ピニオン1104’は、ピニオンの回転量を測定し、ピニオンの移動量に比例する電磁信号を出力するホール効果センサーなどのセンサー1112’を通すためにピニオンの移動時に配置される金属または磁気ストリップ1110’を搭載する。したがって、この信号は、スプロケット取付部材38およびしたがってスプロケットアセンブリ110のスプロケット112に相対的な板部材130の相対的移動の程度に比例する電磁信号を含む。
【0100】
モーター170には、ホール効果センサー1112’から受信された信号を変換し、これを制御入力信号に変換し、アクチュエータリング部材の移動の検出された量に比例してモーターに供給される電流の量を制御する制御回路(図示せず)が付随する。
【0101】
図16から19の実施形態において、ラックアンドピニオン機構1100、1100’は、モーターユニット170のハウジングに取り付けられる。これは、モーターがペダルスピンドルと同軸状に位置するこれらの実施形態における前記機構に対する都合のよい位置であることを理解するであろう。これらの実施形態は、移動変位信号を電気制御信号に変換するための制御回路をモーターハウジング内に、またはモーターのハウジングに取り付けられている好適なコントローラ内に組み込むことを可能にするという点で有利である。これは、ホール効果センサーと制御回路とが装置上で互いに接近するように配置されたときにホール効果センサーと制御回路との間に電気信号の配線を引き回すきちんと整った解決手段ともなる。しかし、モーターユニットが自転車の別の部分上に位置する場合に、アクチュエータリング部材の移動を検出するための機構またはデバイスは、前記機構もしくはデバイスがリングアクチュエータ部材の前記移動を検出する位置に置かれるように自転車のフレームに取り付けることができることは理解されるであろう。移動検出手段をモーター制御回路に接続するための好適な配線を自転車のフレームに通して引き回すことができる。
【0102】
使用時に、モーターを利用することを望んでいる使用者は、好ましくは自転車のハンドルバーに付いているスイッチまたは同様のものを操作して、モーターへの電力供給をスイッチオンすることができるが、いくつかの実施形態では、電源スイッチが備えられておらず、モーターユニットは、常にオンモードに入っているが、電力の供給は、使用者が少なくとも前方のペダルに十分な力をかけ、スプロケットに相対的な板部材の移動を引き起こしたときにのみなされる。この接続では、第1の付勢要素または手段の装填は、モーターに電力を供給し、それにより使用者が自転車を順方向に推進するのを補助するために、使用者によってペダルに印加される力の閾値レベルを決定する重要な役割を果たすことは理解されるであろう。
【0103】
電源は、好ましくは、自転車のフレーム上に搭載される充電式バッテリを備える。モーターへの電源をスイッチオンすると、使用者は、少なくとも前方に面するペダルを圧してそれにより板部材をスプロケットに相対的にわずかな量だけ回転変位させることにより、電源によってモーターに供給される電力(電流)の量を制御することができる。使用者がスプロケットアセンブリの付勢手段に抵抗して印加する圧力の量は、許容可能な範囲にわたって供給される電力の量を決定する。本発明によって教示される新規性のある配置構成では、自転車乗りがハンドルバーに取り付けられたスロットル制御装置を操作する必要がなくなり、自転車乗りは空いた手でブレーキおよびギアチェンジ機構などのハンドルバー装着制御装置を操作することができる。さらに、ペダルに付随する電源制御手段を使用することで、モーターへの電力供給を、手で作動させる制御装置を使用した場合に比べてより直観的に制御することができる。
【0104】
第1の付勢要素または手段の荷重は、平地でのサイクリングなどの通常のサイクリング条件の下で、通常の人力圧力がアクチュエータ部材の軸方向移動を引き起こす板部材とスプロケット取付部材との間の十分な変位を引き起こさず、そのためモーターユニットに電力が供給されないように選択できることは理解されるであろう。しかし、付勢手段の荷重は、使用者が傾斜地を上るなどの難しい地形上のサイクリングをしている場合、または使用者が通常の地形であっても素早く加速することを求めている場合に、自転車乗りがペダルに加える圧力を増すと(通常の定常サイクリング状態と比較して)、アクチュエータ部材が移動し、それにより、電力がユニットに供給され、それにより自転車に補助推進力を与えるように、選択されうる。
【0105】
代替的実施形態では、第1の付勢手段の荷重は、使用者が、適切なモーター電源スイッチユニットを通じてモーターユニットへの電源をスイッチオンした後、アクチュエータ部材の作動を引き起こし、それにより電力をモーターユニットに供給するために前方のペダルに適度の順方向圧力を印加するだけでよいように選択されうる。これは、特に、使用者が前進運動している自転車にモーターユニットが動力を送るのを補助することを可能にするためにペダルを備える、したがってペダルはときどき使用されるだけである実施形態において特に有用であるものとしてよい。このような配置構成では、通常は使用されないペダルは、都合のよいモータートルクセンサーまたはモーター電力調節コントローラを構成する。
【0106】
上記の配置構成では、本発明による修正されたスプロケットアセンブリは、使用者によってペダルに印加される圧力が推進される自転車に抵抗する力に依存するという点である種のトルクセンサーとして機能し、それにより、抵抗力が増大するにつれ使用者はペダルにさらに圧力を加えなければならなくなる可能性があり、そのためアクチュエータ部材が作動される可能性がより高くなる。アクチュエータ部材の作動および作動のそれの程度は、自転車を推進するために必要なトルクに比例するものとしてよい。したがって、本発明による修正されたスプロケットアセンブリを電動アシスト自転車または同様のものに対するトルクセンサー装置もしくはデバイスで具現化することが可能であることが企図されうる。
【0107】
本発明の上記の配置構成のいずれかにおいて、モーターユニットに供給される電力の制御もしくは調節は、使用者がモーターユニットの電力レベルの調節の量にリンクした圧力の程度で少なくとも前方のペダルを圧すことに依存する。本発明は、モーターに供給される電力のレベルを制御または調節するより都合のよい手段を実現し、また調節を行うより直観的な手段も実現する。これは、部分的には、使用者が(自転車の順運動方向に見たときの)後方の足を、前方のペダルを圧してモーターユニットの電力レベルの調節を行う前方の足のカンタータバランスとして使用することができるからである。
【0108】
図20から24は、本発明のスプロケットアセンブリおよび自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「20」を先頭に付加した図11から19の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。特に断りのない限り、この実施形態の構造および動作は、少なくとも説明されているのと同じ、構造および構成の変更を有する図11から19に関連して説明されているのと一般的に同じであることは理解されるであろう。
【0109】
図20は、本発明のこの実施形態に対する駆動スプロケットアセンブリ2010の分解斜視図であり、図21および図22は、それぞれ、駆動スプロケットアセンブリの正面図および側断面図であるが、図22は、モーターユニット2070と組み合わせたスプロケットアセンブリも示している。図23は、この実施形態による自転車の後部の側面図であり、図24は自転車の後部の上面図である。
【0110】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0111】
図20のスプロケットアセンブリ2010は、これが従来自転車に見られるようなチェーン伝動装置と係合するように構成されている種類の歯付きスプロケットを備えないという点で図11と異なる。ベルト駆動プーリー2012は、第1の実施形態(図11)のスプロケットの場合と同様にしてスプロケット取付部材2038に取り付けられる。ベルトプーリー2012は、スプロケット取付部材2038の後面に設けられている陥凹部2038a内に配置される内向きに延在するスパイン2012aを、その内面上に有する。ベルトプーリー2012は、固定され一緒に回転するように取付部材2038に留められる。ベルトプーリー2012は、スプロケット取付部材138の外周表面に被さるように部分的に嵌合して、レバー部材2062をスプロケット取付部材2038に枢動可能に取り付けるピン2066を受け入れるための開口2068を覆い、それにより前記ピン2066を適所に都合よく留める。
【0112】
ベルトプーリー2012は、使用時に、ベルト駆動部材2047(図23)の内面上に設けられている相補的形状の歯付き部分と係合する矩形の歯を有する。ベルト駆動部材2047は、図23に示されているような部分的に図示されている自転車の後輪2057のハブ2049上に設けられているより小さなベルトプーリー2058を駆動する。そうでなければ、図20から24のスプロケットアセンブリは、図11から19に関して説明されている方法で制御入力を発生するように動作するが、制御入力は、以下で説明するように、モーター2070を制御する以外に別の目的のために使用することもできる。
【0113】
図22および24は、ペダルスピンドル2020と同軸状に取り付けられていることを示しているが、これはこの実施形態の本質的特徴ではないことは理解されるであろう。図22は、図16から19によって示されている種類のラックアンドピニオンアセンブリ20100、20100’がモーター2070のハウジングに取り付けられるが、例えば、モーター2070がペダルスピンドル2020と同軸状に配置されていない場合、ラックアンドピニオンアセンブリ20100、20100’は自転車のフレームに取り付けることができることを例示している。図24は、本発明の他の実施形態との関連で以下でさらに詳しく説明される歯車比調節機構2077を備えることを例示している。
【0114】
図25から27は、本発明による自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「30」を先頭に付加した図11から19の説明および/または図20から24の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0115】
図25は、歯車調整機構3077を備える本発明のこの実施形態の自転車の後輪アセンブリの分解斜視図である。図26は、自転車の前記後部の側面図であり、図27は、自転車の後部の上面図である。
【0116】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0117】
モーターユニットの代替えとして、またはそれに加えて、自転車は、歯車装置調整手段を備えることができる。前記歯車装置調整手段は、前記歯車装置調整手段にペダル駆動式装置の歯車装置変更を行わせるために前記変換手段から制御入力を受け取るように構成される。歯車調整手段は、自転車の後輪に付随させることができ、変換手段から制御入力を受け取りそれにより後輪に印加される歯車比の変更を引き起こすように構成される。歯車装置調整手段は、連続可変歯車比を有する無段変速機(CVT)システムを備えることができ、前記CVTシステムは前記入力制御信号を受信し、歯車比を移動検出手段によって検出された移動に比例する量だけ調整するように構成される。CVTシステムは、前記入力制御信号に応答して歯車比を連続的に変化させるように構成されうる。好ましくは、CVTシステムは、これに付随する、前記入力制御信号を受信するように構成されているサーボモーターを有し、これにより、入力制御信号に応答するサーボモーターの動作は、CVTシステムの制御ピンの移動を通じて歯車比の連続可変の変更を引き起こす。
【0118】
この実施形態は、図11から19の第1の実施形態によるチェーン伝動装置または図20から22の第2の実施形態によるベルト伝動装置を備えることができる。この実施形態は、ペダルスピンドルに同心軸状に取り付けられたモーターまたは自転車上の別の位置に取り付けられたモーターを備え、自転車を前方に推進する駆動力をもたらすことができる。しかし、この実施形態は、自転車の前方推進を補助するためのモーターを備えないが、従来の方式でペダルのみによる動力を与えることができる。しかし、本発明による自転車のこの実施形態は、スプロケットの回転方向にスプロケットに相対的な第1の部材の移動を検出するための手段および前記検出された移動を制御入力に変換するための手段を有する図11から19または図20から24に関してすでに説明されている種類のスプロケットアセンブリ(図示せず)を備えていなければならない。したがって、これらの手段を有するスプロケットアセンブリは、前の方で説明されているような本発明の前記実施形態によるものとすることができる。この実施形態では、スプロケットに相対的な第1の部材の移動量を示す制御入力を歯車装置調整機構3077と連携して使用する。
【0119】
歯車装置調整機構3077は、後輪3057のハブ3049に付随する形で取り付けられる。その機能は、ハブ3049が受けた駆動力と後輪3057の回転との間の適用される歯車比を変化させることである。歯車装置調整機構3077は、従来の変速機構を備えることができ、歯車比は不連続ステップで変更される。しかし、好ましくは、歯車調整機構3077は、無段変速装置(CVT)を備える。無段変速装置(CVT)は、最大値と最小値との間で無限に多くの数の有効歯車比で無段階に変化させることができる変速装置である。これは、いくつかの異なる差動歯車比を選択することのみを許す他の機械式変速装置とは対照的である。 CVTの柔軟性により、駆動シャフトはある範囲の出力速度について一定の角速度を維持することができる。
【0120】
CVT 3077は、任意の知られている種類のCVT変速機とすることができる。しかし、本発明による自転車で使用するようにCVT 3077を修正するために、CVT 3077は、CVT 277の動作ピン3078の位置を調整するように動作する調整機構3080を備える。使用時に、ピン3078がCVT 3077に向かって内向きに移動するか、またはCVT 3077から離れる形で外向きに移動することで、CVT 3077の現在の歯車比が変化する。このピンの動作は、知られている様式に従う。しかし、本発明のこの実施形態でなされる修正では、調整機構3080を備えるようにCVT 3077を修正し、スプロケットアセンブリからの制御入力に応答して調整機構3080を制御する。
【0121】
調整機構3080は、その出力シャフト3083上にピニオンギア3082を有するサーボモーター3081を備えるコンポーネントを有する。使用時に、サーボモーターのピニオンギア3082は、調整ボルトとナットとの組み合わせ3085を通じて、CVT 277に対してピン3078の位置を調整しそれによりCVT 3077の歯車比を変更する大きな歯車3084を駆動する。調整機構のコンポーネントは、ハウジング3086に収納される。サーボモーター3081に付随する制御回路(図示せず)は、スプロケットアセンブリの板部材が自転車のペダルのうちの少なくとも前方のペダルに印加される人力圧力の下でスプロケットに相対的に移動した量を示すスプロケットアセンブリからの制御入力を含む信号を入力として受信する。その結果、歯車比を変更したい自転車乗りは、自転車のペダルのうちの少なくとも前方のペダルに圧力をかけることによってそうすることができ、したがってこれにより、板部材とスプロケットとの間に相対的回転変位が引き起こされ、またこれによりスプロケットアセンブリに付随するラックアンドピニオン機構が検出された移動を制御信号に変換する。この実施形態では、制御入力は、サーボモーター3081の動作を制御するために使用される電気制御信号または電子制御信号を含み、これにより、調整機構3080がピン3078の位置をCVT 3077の内向きに、または外向きに変えるようにすることが好ましい。
【0122】
図28は、本発明による自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「40」を先頭に付加した図11から19の説明、図20から24の説明、および/または図25から27の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0123】
図28は、本発明の別の態様による自転車の後部の部分断面上面図である。本発明による自転車のこの実施形態は、ペダルスピンドルシャフト4020と同軸状に取り付けられる形で示されているようにモーターユニット4070を備えることができるが、モーターは、ペダルスピンドルシャフトと同軸状に取り付けられず、その代わりに自転車の別の部分に取り付けられうることは理解されるであろう。さらに、この実施形態は、モーターを備えず、図25から27に関して説明されている実施形態と同様に、自転車の後輪4057の後部ハブ4049に設けられているCVT 4077の歯車比の調整を制御するためにスプロケットアセンブリ4010によってもたらされる制御入力を使用することができる。
【0124】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0125】
本発明による自転車のこの実施形態は、スプロケットが前大歯車4012を備えるという点で他の実施形態と異なる。前大歯車4012は、駆動ロッド4091の第1の端部上に設けられている第1のかさ歯車4090と係合する面取りした歯付き部分をその周上に有する。相補的な第2のかさ歯車4092が、駆動ロッド4091の第2の対向する端部上に設けられ、次いで、この第2のかさ歯車4092は、自転車の後輪4057のハブ4049上に取り付けられている後側の面取りした大歯車4093と係合する。駆動ロッドは、軸受4097、4097’によって回転可能に支持される。駆動ロッド4091ならびに第1および第2のかさ歯車4090、4093は、自転車のフレームの一部を形成する、つまり、後輪4057が回転可能に取り付けられる2つの後部に面するストラットのうちの一方を形成するハウジング4099内に収容することができる。使用時に、スプロケットアセンブリ4010の前大歯車4012に印加される駆動力は、第1および第2のかさ歯車4090、4092、駆動ロッド4091、および後大歯車4093を介して、後輪のハブ4049内に設けられているCVT 4077に伝達される。この方法で、本発明のこの実施形態による自転車では、チェーンもしくはベルト駆動装置を使用しないが、前大歯車のスプロケット4012から自転車の後輪4057に駆動力を伝達するために歯車と駆動ロッドの組み合わせを使用する。
【0126】
上で説明されている違いに加えて、本発明のこの実施形態と他の実施形態との間の別の違いとして、大歯車のスプロケット4012に相対的なスプロケットアセンブリ4010の第1の板部材4030の移動を検出するための手段は、板部材4030の前面に隣接して取り付けられているアクチュエータリング部材4055を備えるという点が挙げられる。アクチュエータリング部材4055は、アクチュエータリング部材4055の軸方向移動を板部材4030から離れるように図16から19に例示されている種類のラックアンドピニオン機構40100、40100’に伝えるようにレバー部材4094と係合する面取り縁部分を有する。この実施形態では、他の実施形態と同様に、板部材4030は、自転車乗りによって人力圧力がペダル4016のうちの少なくとも1つの前方のペダルに印加されたときにいくつかの条件の下で大歯車スプロケット4012に相対的に限定された回転変位量を有するように構成される。概して、この実施形態のスプロケットアセンブリ4010は、上述の構造の違いを除き図11から19のスプロケットアセンブリと大部分は同様に動作する。さらに、この実施形態のCVT 4077は、図25から27に関して説明されているCVT 3077と大部分は同様に動作する。
【0127】
図29から35は、本発明による自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「50」を先頭に付加した図11から19の説明、図20から24の説明、図25から27の説明、および/または図28の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0128】
図29は、本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。図30は、図29のスプロケットアセンブリの正面図であるが、図31は、図29の直線B−Bにそって切り取った側断面図であり、図32は、図29の直線C−Cにそって切り取った側断面図である。図33は、図29のスプロケットアセンブリの後面図であるが、図34は、図33の直線D−Dにそって切り取った側断面図であり、図35は、図33の直線E−Eにそって切り取った側断面図である。
【0129】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0130】
この実施形態のスプロケットアセンブリ5010は、第1および第2のスプロケット5012、5012’を備える。第1のスプロケット5012は、スプロケット取付部材5038に固定され、使用時に、自転車の第1のスプロケット5012から後輪に駆動力を伝達するためのチェーン伝動装置を駆動する。この実施形態の第1のスプロケット5012は、図11から19の実施形態のスプロケットとは対照的に内向きに垂れ下がるスパインを備えず、この実施形態のスプロケット取付部材5038は陥凹後面を有しない。しかし、スプロケット5012は、図11から19の実施形態のスプロケットおよびスプロケット取付部材と同様にして一緒に回転するようにスプロケット取付部材5038に固定され、したがって大部分は同じように機能する。
【0131】
第2の駆動スプロケット5012’は、一緒に回転するようにスプロケット取付部材5038にも取り付けられるが、ただし、図31および33を見ると最もよくわかるように第1のスプロケット5012とは反対の側に取り付けられる。第2のスプロケット5012’は、第2のチェーン伝動装置(図示せず)から駆動力を受けるように配置される。第2のチェーン伝動装置は、この実施形態においてペダルスピンドルシャフトと同軸状に取り付けられていないが、自転車のフレームの別の部分に取り付けられているモーターユニット(図示せず)によって駆動される。その結果、この実施形態は、モーターユニットから第2のスプロケット5012’に駆動力を伝達するための第2のチェーン伝動装置と、自転車の第1のスプロケット5012から後輪に駆動力を伝達するための第1のチェーン伝動装置の2つのチェーン伝動装置を有し、前記伝動装置は、ペダルを人力で操作する使用者、および/または第2のチェーン伝動装置を通じてモーターユニットによってもたらされる。
【0132】
スプロケットアセンブリ5010は、図11から19の実施形態に関して説明されている種類のアクチュエータリング部材5055を備える。
この実施形態では他の実施形態と同様に、第1の板部材5030は、第1のスプロケット5012のスプロケット取付部材5038に相対的な限定された回転変位量を有するように構成され、この移動を検出するための手段5062および検出された移動を制御入力に変換するための手段50100、50100’は、図29から35を見るとわかるように他の実施形態と同様にして実現される。移動検出手段のレバー5062は、取付用金具5088を使用してスプロケット取付部材5038に取り付けられる。
【0133】
図36は、本発明の実施形態によるスプロケット12に関する板部材30の相対的変位を検出するための付随する手段100、100’を伴うスプロケットアセンブリ10および自転車乗りが自転車に前進運動の動力を与えるのを補助するための付随する電源を伴うモーター70を有する自転車500を示している。図12に示されている点線により、モーターの多数の可能な位置のうちのいくつかについて例示している。例えば、モーター70は、前輪もしくは後輪のタイヤもしくはリムのうちの1つと係合するように取り付けられうる。あるいは、モーターは、後輪の駆動スプロケットもしくはアクスル、または前輪のアクスルに結合するように取り付けることができる。あるいは、これは、好ましい実施形態のうちのいくつかに関連して本明細書で開示されている新規性のある方法で取り付けることができ、これにより、モーターの回転子は、ペダルスピンドル20と同軸状に取り付けられるか、またはペダルスピンドルから離れた位置に置かれ、第2のチェーン伝動装置もしくはベルトによって第2のスプロケットに連結される。
【0134】
図37から40は、本発明によるスプロケットアセンブリの別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「70」を先頭に付加した図11から19の説明、図20から24の説明、図25から27の説明、図28の説明、図29から35の説明、および/または図36の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0135】
この実施形態は、一般に、リングアクチュエータ部材もしくはプッシュプレートの移動を、モーターもしくはギアチェンジ機構などのペダル駆動式装置のコンポーネント用の制御信号に変換するための非接触型手段に関するものである。したがって、当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0136】
図37は、図38の直線B−Bにそった本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。図38は、図37のスプロケットアセンブリの正面図である。図39は、図37および38のスプロケットアセンブリの板部材とスプロケット取付部材の拡大部分断面図である。図40は、図37から39の駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【0137】
この実施形態のスプロケットアセンブリ7010は、第1および第2のスプロケット7012、7012’を備える。第1のスプロケット7012は、スプロケット取付部材7038に固定され、使用時に、一配置構成において第1のスプロケット7012から例えば自転車の後輪に駆動力を伝達するためのチェーン伝動装置(図示せず)を駆動するが、ペダル駆動式装置は自転車とは別の装置を含みうる。この実施形態の第1のスプロケット7012は、図11から19の実施形態のスプロケットと同様に内向きに垂れ下がるスパイン7012aを備えるが、内向きに垂れ下がるスパイン7012aは、図11から19の実施形態のスプロケット内に延在するほどには内向きに延在しない。スプロケット7012は、図11から19の実施形態および他の実施形態のスプロケットおよびスプロケット取付部材と同様にして一緒に回転するようにスプロケット取付部材7038に固定され、したがって同じように機能する。
【0138】
第2の駆動スプロケット7012’は、一緒に回転するようにスプロケット取付部材7038にも取り付けられるが、ただし、図37を見ると最もよくわかるように第1のスプロケット7012とは反対の側に取り付けられる。第2のスプロケット7012’は、第2のチェーン伝動装置(図示せず)から駆動力を受けるように配置される。第2のチェーン伝動装置は、この実施形態では、他の実施形態のうちのいくつかとは対照的に、ペダルスピンドルシャフトと同軸状に取り付けられていないが、自転車のフレームの別の部分に取り付けられているモーターユニット(図示せず)によって駆動される。その結果、この実施形態は、モーターユニットから第2のスプロケット7012’に駆動力を伝達するための第2のチェーン伝動装置と、自転車の第1のスプロケット7012から後輪に駆動力を伝達するための第1のチェーン伝動装置の2つのチェーン伝動装置を有し、前記伝動装置は、ペダルを人力で操作する使用者、および/または第2のチェーン伝動装置を通じてモーターユニットによってもたらされる。
【0139】
スプロケットアセンブリ7010は、図11から19の実施形態に関して説明されているのと似た、ただし正確に似てはいない、種類のアクチュエータリング部材7055またはプッシュプレート7955を備える。この実施形態における例外の1つは、アクチュエータリング部材7055が以下でさらに詳しく説明するように第1の板部材7030の検出された移動を制御入力に変換するための手段に対して非接触式に動作するように構成される。
【0140】
この実施形態では他の実施形態と同様に、第1の板部材7030は、第1のスプロケット7012のスプロケット取付部材7038に相対的な限定された回転変位量を有するように構成され、この移動検出するための手段7062および検出された移動を制御入力に変換するための手段70110、70120、70112を備える。移動検出手段のレバー7062は、取付用金具7088および枢動ピン7066を使用してスプロケット取付部材7038に取り付けられる。
【0141】
他の実施形態と同様に、使用者が人力圧力をペダルのうちの少なくとも前方のペダルに印加したときに、第1の板部材7030は付勢要素7050によって制御される量だけスプロケット7012のスプロケット取付部材7038に対して回転変位させられる。この回転変位により、レバー7062は、図39を見ると最もよくわかるように、レバー7062の遠位端がアクチュエータリング部材またはプッシュプレート7055と係合し、それをスプロケット7012のスプロケット取付部材7038から離れる形で軸方向に移動させるようにその通常の位置から枢動する。プッシュプレート7055の検出された軸方向の移動を変換するための手段70110、70120、70112は、非接触型手段を備える、つまり、プッシュプレート7055は、本発明の他の実施形態とは対照的に前記手段70110、70120、70121と物理的に接触せず、アクチュエータリング部材/プッシュプレートが変換手段の一部と物理的に係合する。この実施形態では、手段70110、70120、70112は、プッシュプレート7055上に搭載された帯磁要素70110およびカラー70120上に取り付けられているホール効果センサーなどのセンサー70112を備え、これにより、前記軸方向のアクチュエータ部材7055の移動によってセンサー70112に相対的な帯磁要素70110の移動が引き起こされる。センサー70112は、カラー70120の周囲表面上に形成された陥凹部内に板を使って取り付けられる。この実施形態を示す図では1つのセンサーしかし例示されていないけれども、複数のセンサーがありうる。カラー70120は、スピンドル7020に相対的な固定された軸方向位置でスプロケットアセンブリの背後に留められる。帯磁要素は、前記アクチュエータリング部材7055のカラー部分7055a上に搭載されうる。帯磁要素70110は、プッシュプレートがスプロケット取付部材7038から離れる形で軸方向に移動するときに、帯磁または磁気要素がセンサー70112の方へ移動するようにプッシュプレート7055上に配置されうる。帯磁要素70110は、リング形状の磁気要素を備えることができるか、またはプッシュプレート7055上に搭載された複数の独立した、ただし、相隔てて並ぶ磁気要素を備えることができる。センサーに相対的な磁気要素70110の移動は、ペダル駆動式装置のモーターもしくはギアチェンジデバイスなどの別のコンポーネント用の制御入力信号に変換されうるセンサーの磁場の変動を引き起こす。
【0142】
この実施形態と本明細書で説明されている他の実施形態とのさらなる違いは、水、汚れ、および/または他の汚染物質がスプロケットアセンブリ7010内に、およびより具体的には、プッシュプレート7055、移動検出手段7062、および検出された信号をペダル駆動式装置の別のコンポーネント用の制御入力に変換するための手段70110、70120、70112を収納するスプロケットアセンブリの側部に侵入するのを防ぐように機能する保護カバー70123をスプロケット取付板7038の背後に備える点である。
【0143】
この実施形態は、リングアクチュエータ部材もしくはプッシュプレートの移動をペダル駆動式装置のコンポーネント用の制御信号に変換するための非接触型手段を有する結果、多くの利点を有している。利点の1つは、変換手段を実装するための部品点数を減らせるという点である。さらなる利点は、プッシュプレートと変換手段の一部との間の接触を回避することを通じて摩耗を減らせるという点である。さらなる利点として、非接触型変換手段の感度を、プッシュプレートと変換手段の一部との間に物理的係合を必要とする他の実施形態に比べて高めることができる点が挙げられる。
【0144】
この実施形態および他の実施形態では、ペダル駆動式装置のペダル7018のうちの少なくとも前方のペダルに人力圧力が印加されていないときに第1の板部材7030に対してスプロケット取付部材7038を第1の位置に付勢する複数の付勢要素7050を、前記付勢要素7050の少なくとも1つの付勢要素が前記ペダル7018のうちの前方のペダルに人力圧力が印加されたときに前記付勢要素のうちに他方の付勢要素の前に係合される構成をとるように配置することができる。その結果、前記付勢要素7050のうちの前記少なくとも1つの付勢要素は、スプロケット取付部材7038に関する前記第1の板部材7030の可能な行程の第1の部分に対するスプロケット取付部材7038に対する第1の板部材7030の移動を制御する。これら複数の付勢要素7050は、付勢要素の第1のセットおよび付勢要素の第2のセットを含むことができ、付勢要素の前記第1のセットは、人力圧力が前記ペダルのうちの前方のペダルに印加されたときに付勢要素の第2のセットの前に係合されるように構成される。これにより、付勢要素の第1のセットは、スプロケット取付部材7038に対する前記第1の板部材7030の可能な行程の第1の部分に関して、スプロケット取付部材7038に対する第1の板部材7030の移動を制御する。第1のセットの付勢要素、つまり、バネ7050は、付勢要素の前記第2のセットを含むものに比べて長く、軟らかいバネであってよい。この配置構成の利点は、スプロケットアセンブリが、スプロケット取付部材7038に関する第1の板部材7030の可能な回転調整の最初の部分について使用者が人力圧力をペダル7018に印加することに対し、スプロケット取付部材7038に関する第1の板部材7030の可能な回転調整の後続部分と比べてより強く応答する点である。さらに、付勢要素7050は、付勢要素の3つまたはそれ以上のセットに分けることも可能であり、それぞれのセットは先行するセットより短く、かつ硬く(バネ係数が高い)、したがって、使用者がペダルに加える圧力に対するスプロケットアセンブリの応答性は、使用者によって印加される人力圧力が高まるにつれ次第に感度を弱めてゆく。
【0145】
図41および42は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの別の実施形態を示している。この実施形態は、図11から19、図20から24、図25から27、図28、図29から35、図36、および図37から40ならびにいくつかの新しい図で示されている実施形態のうちのいくつかからの要素の組み合わせである。当業者であれば、この実施形態の新しい特徴は、本発明の他のすでに説明されている実施形態における好適な修正とともに利用することができることを理解するであろう。
【0146】
図41および42を参照すると、本発明によるモーターおよび駆動機構アセンブリの一実施形態が示されている。前記モーターおよび駆動機構アセンブリを有する自転車などの装置は、外部からもたらされる駆動力をモーターの補助シャフト8032に印加するための人力操作可能なペダル8010の形態の手段を備えることができ、前記補助シャフト8032は例えば自転車のペダルスピンドルを含む。ペダル8010は、人力でもたらされる駆動力を受けるための前記ペダルスピンドル8032とともに回転するように固定されている。モーターは、モーターがもたらす駆動力を受けるためのモーターシャフト8035を有する。第1のトルク伝達経路は、人力でもたらされる駆動力をペダル駆動式装置のスプロケット8042を備える駆動機構に伝達するために設けられ、第2のトルク伝達経路は、モーターがもたらす駆動力をペダル駆動式装置の前記スプロケット8042に伝達するために設けられている。第1の一方向駆動手段8050は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドル8042とスプロケット8042との間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0147】
この配置構成の利点は、フリーホイールスプロケットを自転車の後輪に設ける必要がないという点にある。これは、第1の一方向駆動手段8050が、モーター駆動装置が動作しているときにペダルスピンドル1が慣性で回ることを可能にすることに加えてこの機能を備えるからである。
【0148】
第1のトルク伝達経路は、少なくとも外部駆動力を与えるための手段、つまり、人力操作可能なペダル8010、補助シャフト8032、つまり、ペダル8010が一緒に回転するように固定されているペダルスピンドル、および第1の一方向駆動手段8050を備える。第1の一方向駆動手段8050は、ペダルスピンドル8032をスプロケット8042に機械的に結合し、第1の一方向駆動手段8050は、ペダル8010に印加される人力でもたらされる駆動力をスプロケット8042に伝達し、これによりスプロケットを回転させる。第1の一方向駆動手段8050は、スプロケットがモーターシャフト8035によって駆動されているときにペダルスピンドルが慣性で回ることも可能にする。第1の一方向駆動手段は、オーバーランニングベアリング8050またはオーバーランニングクラッチなどのフリーホイールデバイス、または一方向駆動手段の出力部材を通して駆動力を印加することを可能にするが、入力部材が前記第1の一方向駆動手段を通じて駆動力が伝達されないときに慣性で回るのに適しているデバイスを備えることができる。
【0149】
第2のトルク伝達経路は、少なくともモーターシャフト8035と、モーターシャフト8035をスプロケット8042に機械的に結合するモーターのケーシング8038内に収納されている歯車機構と、歯車機構とスプロケットとの間にある第2の一方向駆動手段8055とを備える。歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフトから駆動機構、つまり、スプロケットに前記減速比で伝達するように動作する。歯車機構は、回転軸がモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車8040を有する遊星歯車機構を備えることができる。第2の一方向駆動手段8055は、スプロケット8042が外部からもたらされる駆動力をペダルスピンドル8032に加えることによって駆動されている場合、第2の一方向駆動手段8055は、モーターシャフトが静止状態の留まることを可能にする、つまり、人力で印加される駆動力によってさらに駆動されるのを妨げるように配置される。第2の一方向駆動手段は、オーバーランニングベアリングまたはオーバーランニングクラッチなどのフリーホイールデバイス、または一方向駆動手段の出力部材を通して駆動力を印加することを可能にするが、入力部材が前記第2の一方向駆動手段を通じて駆動力が伝達されないときに慣性で回るのに適しているデバイスを備えることができる。
【0150】
これにより、高速モーターを使用することが可能になり、これにより歯車機構は好適な減速比をモーターの出力シャフトに適用し、スプロケットを高トルクおよび低速で回転させる(相対的に言って、モーターシャフトのほか回転速度と比較したとき)。
【0151】
図41から42により明示的に示されているように、モーターおよびスプロケットアセンブリは、モーター、軸受8063によって支持されているモーターの回転子の中空シャフト8035、モーターの一端のところの端部カバー8071、つまり、遊星歯車機構のケーシング8038、遊星歯車機構のケーシング8038内に固定されている内歯車環8034、モーターの中空シャフト8035の周りに固定された偏心輪8037、および中空シャフト8035とシャフト8035から偏心輪8037にトルクを伝達するための偏心輪8037との間に配設されている平キーを備える。遊星歯車8040は、偏心輪とともに回転するように、軸受8039のペアを使って偏心輪8037の外周に嵌合され、内歯車環8034の歯と係合するが、いくつかの実施形態では1つの軸受しか使用しない。遊星歯車キャリア8058は、軸受8051を使ってケーシング8038内に支持される。浮遊継手フランジ8059は、遊星歯車8040と遊星歯車キャリア8058との間に配置されている。遊星歯車は、その周近くで半径方向に延在する少なくとも2つの対向する細長い開口8060を有する。遊星歯車キャリア8058は、その周の対向する縁に形成された2つの細長い内向きに垂れ下がっている開放端スロット8049を有し、遊星歯車キャリア11の細長いスロット8049は、遊星歯車の開口8060から約90度の角度で離間される。浮遊継手フランジ8059は、その対向する面のそれぞれにスライドブロック8061のペアを有し、フランジの一方の面上の前記スライドブロックの第1のペアは、フランジの対向側の面上に形成されたブロックの第2のペアから90度の角度で離間されている。スライドブロックの第1のペアは、遊星歯車の細長い開口内に摺動可能に配置されるように構成されるが、スライドブロックの第2のペアは、遊星歯車キャリアのスロット内に配置されるように構成される。遊星歯車内の開口および遊星歯車キャリア内のスロットと連携するフランジ継手8059内のスライドブロックの2つのペアの機能は、モーターシャフトの回転軸に関する遊星歯車の偏心移動を受け入れ、遊星歯車から遊星歯車キャリアに、したがってチェーン伝動装置8042にモーターの駆動力を伝達させることである。遊星歯車から遊星歯車キャリア11にモーターの駆動力を伝達させるために、スプロケット/チェーン伝動装置8042とともに回転するように第2の一方向駆動手段を介して遊星歯車キャリアを結合する。
【0152】
ペダルの中央スピンドル8032は、モーターの中空シャフト8035内に自在に配設され、モーターシャフトと同軸に取り付けられる。ペダルの中央スピンドルは、軸受を使ってモーターの中空シャフトおよび遊星歯車キャリア内に支持される。ペダルのクランク8010は、ペダルの中央スピンドル8032の端部に配設される。アセンブリのスプロケット側にあるペダルのクランク8010には、前記ペダルスピンドル8032上に固定されている一方向フリーホイール8050を備える第1の一方向駆動手段が付随する。
【0153】
図41および42に示されているように、トルクセンサー機構の構造部材は、モーターのケーシングの右側に配置され、電気モーターの作動状態を制御するように設計されているコントローラは、モーターの左端キャップ内に配置される。
【0154】
トルクセンサーは、駆動ディスク8045の形態の第1の環状板タイプの部材および被駆動ディスク8044の形態のチェーンプーリーまたはスプロケット取付部材を備える。チェーンプーリーまたは駆動スプロケット8042は、ボルトもしくはネジによって被駆動ディスク8044の外縁に固定される。チェーンガード8043は、自転車乗りが作動しているチェーンプーリーおよびチェーンに接触しないよう防止するためチェーンプーリー8042に隣接する外側上に配置される。圧縮バネ8056の形態の付勢要素は、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間の周に接するように配置される。駆動ディスク8045は、例えば、一方向軸受を備えることができる第2の一方向駆動手段の外輪に固定される。一方向軸受の内輪は、スピンドルの中央シャフト8032に固定される。シフトレバー8047の形態の多数のレバー部材が、駆動ディスク8045の内側ディスク面上に配置される。シフトレバー8047は、各シャフトピン8048の上に嵌合し、駆動ディスク8045の内側ディスク面に固定されているシャフトピン8048の周りを回転することができる。各ラグまたはピン8046は、被駆動ディスク8044とシフトレバー8047に対応する駆動ディスク8045との間の結合面上に配置され、したがって、駆動ディスク8045が移動し、被駆動ディスク8044に相対的な角度変位を引き起こしたときに、ラグ8046はシフトレバー8047をそのシャフトピン8048の周りに回転させる。プッシュディスク8054は、駆動ディスク8045のキャビティ内に配置され、スピンドルシャフト8032の上に嵌合する。プッシュディスクは、スピンドルシャフトにそって軸方向に摺動することができる。プッシュディスクピン8052は、プッシュディスク8054のセンター穴の隣に配置される。第1のスロット穴8053は、スピンドルシャフト8032上に配置され、プッシュディスクピン8052が第1のスロット穴8053を通過し、シフトレバー8047の駆動作用の下でプッシュディスク8052と一緒に同じ軸方向に移動することができる。
【0155】
すでに説明されているように、浮遊継手フランジ8059は、遊星歯車8040と遊星歯車キャリアまたは出力フランジ8058との間に配置される。遊星歯車の周の近くに形成された2つの対向する開口は、遊星歯車8040のディスク面上に配置された2つの一般的に矩形のスルーホール8060を備える。遊星歯車キャリアまたは出力フランジ上の2つの開放端スロットは、出力フランジ8058のディスク面上に配置された2つの一般的に矩形のスルーホール8049を備える。2つの隆起した矩形のスライドブロック8061は、フランジの周上のそれらの間で90度の内包角となるように結合フランジ8059のディスク面のそれぞれに配置される。矩形スライドブロック8061は、遊星歯車8040上の2つの矩形のスルーホール8060および出力フランジ8058上の2つの矩形のスルーホール8049内に挿入され、この手段によって遊星歯車8040の動力を出力フランジ8058に伝達することができる。第2の一方向駆動手段は、ネジ接続を通じて出力フランジ8058に固定される。一方向フライホイール8055は、第2の一方向駆動手段として働き、その外縁は、ボルト8057によって被駆動ディスク8044に固定される。出力フランジ8058の外縁は、軸受8041によってモーターのケーシング8038内に支持され、さらなる軸受8051は、出力フランジ8058の内側の穴の中に配置され、スピンドルシャフト8032を支持する。
【0156】
スピンドルシャフト8032は、センタースルーホール8064を有する。これは、第1のスロット穴の反対側に第2のスロット穴8072も有する。第2のスロット穴8072に対応するスピンドルシャフト8032上に配置されている磁気リング8070があり、スピンドルシャフト8032にそって軸方向に摺動しうる。磁気リングピン8074は、磁気リング8070内に放射状に挿入される。プッシュロッド8065が、移動可能にスピンドルシャフト8032のセンター穴8064内に入れられる。プッシュロッド64の一端がプッシュディスクピン8052に接し、プッシュロッド8064の他端が磁気リングピン8074と係合する。プッシュロッド8065は、プッシュディスク8054の軸方向移動を磁気リング8070に伝達し、磁気リング8070がプッシュロッド8054と同期してスピンドルシャフトにそって軸方向に移動することができるように設計されている。伸縮バネ8073は、センターシャフト8032のセンター穴64内に配置され、磁気リング8070上の磁気リングピン8074がプッシュロッド8065に接している状態を保持し、これによりプッシュディスクピン8052を介してプッシュディスクがシフトレバー8047に接している状態を保持する。磁気ディスク8066は、磁気リング8070に隣接して配置され、センターシャフト8032に固定され、センターシャフト8032と一緒に同期して回転することができる。
【0157】
エンドキャップ8071が、モーターのケーシングの左端に配置されている。好適な電子コンポーネント要素がコントローラ用に取り付けられている回路基板8067が、エンドキャップ8071の内側に固定される。それに加えて、ペダルのクランク8010にかかるペダルからの圧力を検出するための第1のホール素子8069およびペダルのクランク10の回転角度を検出するための第2のホール素子8068を回路基板8067上に取り付ける。
【0158】
動作時に、自転車乗りがペダルを交互に押すことによって自転車をこぎ始めると、ペダルの圧力により、クランク8010を介してスピンドルシャフト8032が回転する。一方向軸受8050を備える第1の方向駆動手段は、それと同期して駆動ディスク8045を回転させる。駆動ディスク8045は、圧縮バネ8056を圧縮して被駆動ディスク8044をそれと一緒に回転させる。その結果、被駆動ディスク8044に固定されたチェーンプーリー8042は、チェーンを介してペダル駆動式装置、例えば、自転車を駆動し、前進させることができる。それと同時に、自転車乗りによって駆動ディスク8045に印加される回転トルクが圧縮バネ8056を圧縮して、自転車が受ける運動抵抗をオーバーライドし、それにより、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間に角度変位が引き起こされる。次いで、被駆動ディスク8044上のラグ8046が、駆動ディスク8045上のシフトレバー8047と接触し、シフトレバー8047をそのシフトピン8048の周りに回転させて、シフトレバー8047の端部がプッシュディスク8054を押してスピンドルシャフトにそってその軸方向移動を引き起こす。プッシュディスク8054の軸方向移動は、プッシュディスクピン8052、プッシュロッド8065、および磁気リングピン8074を介して軸リング8070を駆動し、スピンドルシャフトにそった軸方向移動を引き起こす。この時点で、回路基板8067に接続されている第1のホール素子8069が、磁気リング8070の移動の結果生じる磁力の変化を検出し、変換の信号を制御回路に送る。第1のホール素子8069によって検出された磁気リング8070の移動に応答して、制御回路は、電気モーター8036に電力を供給し始め、電気モーター8036を回転させる。電気モーター8036からの出力トルクを、自転車乗りによってペダルに印加されるトルクと組み合わせて、自転車の駆動力を形成する。この組み合わされた駆動力は、チェーンを通じてチェーンプーリー8042によって自転車の後輪に伝えられる。
【0159】
制御回路は、第1のホール素子8069によって検出された磁気リング8070の移動量に応答して電気モーター8036への供給電流を調節することができる。したがって、電気モーター8036からの出力トルクは、自転車乗りによってペダルに印加されるトルクの大きさに比例する。
【0160】
自転車乗りによってペダルに印加されるトルクが圧縮バネ8056を十分に圧縮できないレベルにまで下がった場合、制御回路は、電気モーターに供給する電力を遮断する。自転車乗りが左右の足で交互にペダルを圧すことによって自転車をこぐときに電気モーターのスイッチON/OFFを繰り返す減少を回避するために、スピンドルシャフト8032の回転を検出するように設計された要素を制御回路上に配置する。磁気ディスク8066が、磁気リング8070に隣接する側に設けられ、スピンドルシャフト8032に対してそれと一緒に回転するように固定される。この状況では、つまり、スピンドルシャフト8032がまだ回転している間に圧縮バネ8056が圧縮されず、回路基板8067上の第2のホール素子8068が磁気ディスク8066上の磁気素子の回転を検出し、信号を制御回路に送信し、制御回路は電源の頻繁なスイッチON/OFFを回避するために電気モーターへの電力供給を数秒間継続し、これにより自転車乗りが電気モーターからの間欠的出力増大を感じていやな思いをすることを防ぐ。電力供給の継続のこの機能は、坂を上るときに特に好ましいものである。磁気ディスク8066およびホールセンサー8068は、磁気ディスク8066がどれだけ素早く回転するかの決定を通じて装置に速度信号を送ることもできる。
【0161】
遊星歯車8040と出力フランジ8058との間に配置されている継手フランジ8059は、スライドブロック駆動シャフトカップラーを備えるコンポーネントの3部に分かれたセットを形成する。遊星歯車8040が電気モーターの中空モータースピンドル8035によって駆動される場合、継手フランジ8059の一方の側のスライドブロック8061は、遊星歯車8040のディスク面上の矩形のスロット8060によって駆動され、したがって、継手フランジ8059は遊星歯車8040とともに回転する。その一方で、継手フランジ8059の他方の側では、スライドブロック8061が出力フランジ8058を一緒に回転させる出力フランジ8058のディスク面上の矩形のスロットに挿入される。出力フランジ8058は、軸受8041によってケーシング8038内に支持され、遊星歯車8040は、軸受8039によって電気モーターの中空スピンドル8035上に取り付けされている偏心輪8037上に支持されるので、遊星歯車8040は、偏心輪8037によってもたらされるオフセットに従って回転し内歯車環8034と係合する。継手フランジ8059の両側のスライドブロック8061は、遊星歯車8040上の矩形のスロット8060と出力フランジ8058上の矩形のスロット8049内で摺動することができるため、継手フランジ8059は、異なる軸方向の線路を通じて作動軸遊星歯車8040および出力フランジ8058を連結し、出力をそれらの間に伝達する。カンタータバランス要素を遊星歯車8040に隣接して配置することで(8062)、遊星歯車8040の偏心回転によって生じる遠心力を相殺することができる。他の実施形態では、釣り合いは、(第1の)遊星歯車と回転位相が180度ずれた状態で配置されている第2の遊星歯車によって達成されうる。
【0162】
トルクセンサーおよびコントローラがモーターおよびスプロケットアセンブリの外側に配置される実施形態とは対照的に、これらをアセンブリ全体が一体化した1つのアセンブリとして組み立てられるようにアセンブリのケーシング内に移動すると都合がよい。さらに、アセンブリの外側に元々露出していたコンポーネントは、今では、アセンブリのケーシングによって保護されており、したがって、砂、ほこり、または雨の侵入が排除される。それに加えて、配線または同様のものの露出が減っており、摩耗もしくは摩滅による損傷も低減されるか、または回避されうる。
【0163】
他の実施形態とは対照的に、遊星歯車と出力フランジ継手との間の元のピン/スリーブ動力伝達構造は、スライドブロックタイプの軸継人力伝達構造に変更される。そのため、この構造は、より高いトルクを伝え、より安定した、信頼性の高い動作をすることができる。
【0164】
さらなる改善が図42に示されている。この改善では、圧縮バネを受け入れるためのバネスロット8081は、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044の結合面上に配置される。圧縮バネ8056および短い圧縮バネ8056’は、各バネスロット8081内に配置される。短いバネ8056’の長さは、駆動ディスク8045が被駆動ディスク44と結合された後に形成される通常のバネスロット8081の長さよりも短い。したがって、初期状態では、短いバネ8056’は自由な状態にあり(つまり、圧縮されていない状態)、以下の作業状態が確立される。自転車乗りがペダルをこぎ始めると、駆動ディスク8045は最初に通常の圧縮バネ8056を圧縮するだけであり、これにより、トルクセンサーおよびコントローラを介して電気モーターを始動し、自転車乗りがペダルの圧力を高めるにつれ、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間の相対的角度変位はさらに増大し、駆動ディスク8045は短い圧力バネ8056’と接触し始め、短い圧力バネ8056’も圧縮し、この時点で、通常のバネ8056と短いバネ8056’が両方とも圧縮され、制御回路は駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間の相対的角度変位が増大するとトルクセンサーからの信号に応答して電気モーターへの出力を増大する
この改善において、通常のバネ8056および短いバネ8056’は、モーターによる所望の出力増大効果を得るために、特定の長さ、剛性、および数を、必要に応じて組み合わせて有するように選択されうる。
【0165】
その結果得られる装置の出力増大性能は、以下のように改善できる。装置が平坦な道路を走行しているときに、走行抵抗は最初は低いので自転車乗りがペダルに加える圧力が高くない場合でも適切な出力増大を得ることができ、坂を上るか、または重量物を載せて始動した場合、より高い圧力をペダルに加えなければならず、この時点において、電気モーターをより高い出力を生み出すように制御することができ、自転車乗りは十分な出力増大を得ることができる。
【0166】
図43に示されているように、被駆動ディスク8044に固定されているチェーンプーリー8042およびチェーンガード8043は、装置の重量を減らし、装置の動作/運動時に発する騒音を低減するために装置を駆動するチェーンをベルトで置き換えるようにベルト車輪8033で置き換えることができる。
【0167】
図44および45に示されているように、遊星歯車8040と出力フランジ8058との間に配置されている継手フランジ8059からなるスライドブロック駆動軸継手を備えるコンポーネントの3部に分かれているセットをその周上に配置されている4つのスロット8078’を有する継手フランジ8059’で置き換えることができる。遊星歯車8040’は、もはや、スライドブロックを受け入れるための開口を有していないが、その代わりに、使用時に継手フランジ8059’内のスロット8078’のうちの各スロット内に摺動可能に配置されるスライドブロック8077’が取り付けられている一対の対向するピン8075’を有する。同様に、出力フランジも、出力フランジ上の一対のピンが遊星歯車上の一対のピンと90度回転位相外れとなっているスライドブロック8077’が取り付けられている一対の対向するピン8075’を有する。コンポーネントのこの3部に分かれているセットの動作は、図41および42の実施形態を参照しつつ説明されているものと本質的に同じであるが、より単純な構造となっている。
【0168】
図46および47は、スロット8078’’がピン取付スライドブロックではなく転がり軸受またはブッシングを受け入れるために湾曲した谷底部を有するという事実を除き、継手フランジ8059’’が図44および45のものに類似しているスライドブロック駆動軸継手を備えるコンポーネントの別の3部に分かれるセットを示している。遊星歯車は、一対のピン8075’’を備えるが、ピン上には、転がり軸受8079’’(図46および47)またはブッシング8080(図47および48)が取り付けられる。転がり軸受8079’’またはブッシング8079は、他のコンポーネントでの摩耗が少ないという点でスライドブロックに勝る。転がり軸受8079’’は、ブッシング8080に勝るが、ブッシングは、より安価な選択肢である。
【0169】
すべての実施形態において、モーターは、直流(DC)ブラシレスモーターであるものとしてよい。
知られている原動機付き自転車と比較して、本発明は、少なくとも以下の利点を有する。
【0170】
(1)本発明は、減速遊星歯車機構に直接連結され、遊星歯車は輪歯車に比べて歯が少ないか、または口径が小さいという事実により、最小のスペースサイズで十分な速度伝達比を得られる、中空シャフトを有する専用設計のモーターを使用する。したがって、ペダルの中央スピンドルと併せた部品のすべてが、同軸駆動アセンブリとして構成されるものとしてよく、したがって、構造はコンパクトになり、自転車は軽量になり、その動作の自由度が高まる。
【0171】
(2)本発明は、ペダル駆動もしくはモーター駆動のいずれかのために、自転車の後輪に取り付けられた標準的な外部または内部伝動機能と組み合わせて使用することができる。速度比は、丘または平地のいずれかでさまざまな範囲の速度に対して最良の駆動効率で自転車を運転することができるように自転車に乗っている間に変化させることができる。
【0172】
(3)本発明は、非常に実用的であり、既存の自転車に、その中央スピンドルを少し修正した後直接取り付けることができる。
(4)駆動モードが上記の構造に基づく場合、これは乗っているときの乗り手の労力を軽減することができる。
【0173】
(5)本発明は、発電機能を有する室内用固定式自転車となるように部分的に修正することができ、バッテリなどの他の機能は、坂を下るときに自転車の慣性モーメントによって、または使用者がペダルをこぐことによって、充電することができる。
【0174】
(6)本発明は、構造の点で新規性があり、外形が単純であり、さまざまな種類の電動補助動力自転車または電動アシスト自転車に適用することができる。
本発明は、図面と前記の説明において詳しく例示され説明されているが、その性格上例示的であり、制限的でないと考えられ、例示的な実施形態のみが示され説明されており、またいかなる形でも本発明の範囲を制限しないことは理解されるであろう。本明細書で説明されている特徴はどれも、任意の実施形態とともに使用することができることは理解されうる。例示的な実施形態は、互いに、または本明細書で参照されていない他の実施形態について排他的でない。したがって、本発明は、上述の例示的な実施形態のうちの1つまたは複数の組み合わせを含む実施形態も構成する。本明細書で述べたような本発明の修正および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく加えることができ、したがって、このような制限のみが、付属の請求項によって指示されているものとして課されるべきである。
【0175】
以下の請求項および本発明の前の方の説明において、明示的な言い回しまたは必要な言外の意味により文脈上別の解釈をする必要がある場合を除き、「含む、備える(原文で単語「comprise」または「comprises」もしくは「comprising」などの変化形)」という言い回しは、包含的な意味で使用される、つまり、述べられている特徴が存在することを指定するが、本発明のさまざまな実施形態におけるさらなる特徴の存在もしくは追加を除外しない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサーを内蔵したモーターに関し、特に、人力(手動)で推進できるが、装置の前方推進も可能なモーターユニットを備えるペダル駆動式装置に使用するためのものであるが、これに限定されないモーターに関する。また、本発明は、特に、車両に積んだバッテリパックから給電される電気モーターを有する自転車などのペダル駆動式車輪付き装置または車両に関するが、しかしこれに限定されない装置または車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車などの人力推進可能な車輪付き車両または装置の一部が、特に傾斜地形、例えば丘を上る際に使用者が装置に動力を供給するのを補助するためのモーターユニットを備えることが知られているが、モーターユニットは、ときには、任意の地形で自転車に動力を供給するためにそれ自体で使用可能である。
【0003】
また、電動アシスト自転車にインホイールモーターを使用することで、変速機を省くことができ、その結果得られる装置は製造するのが簡単でかつ単純なものとなることも知られている。インホイールモーターを使用するこのような既知の電動アシスト自転車については、一方の車輪のハブをインホイールモーターで単純に置き換えることで製造することができるが、一般的には従来通りにスプロケットとチェーンを通じて後輪をペダルで駆動する。このような配置構成では、自転車のチェーンを通じてモーターの駆動力を伝達する必要はない。したがって、ペダルの駆動力およびモーターの駆動力は、互いに全く別々に伝えられる。
【0004】
この既知のインホイールモーターの配置構成の帰結の一つは、インホイール電動アシスト自転車に、変速、クラッチ操作、室内用固定式自転車として機能、またはモーターを使用した発電などの付加的機能を付けて開発することは実現可能でないということ、つまり、その機能の容易な拡張に対応していないということである。また、生産および組み立ての問題だけでなく、部品交換の問題も生じる。インホイールモーターが故障し、又はメンテナンスが必要になった場合、例えば、車輪を取り外す必要があり、したがって自転車の機能を使用できなくなる。ある種のモーターの故障もしくはメンテナンス条件の下では、インホイールモーターを収容する車輪を回転させることがもはや可能でなくなるため、人力によりペダルで動力を与えて自転車を推進させることすら可能でなくなる。
【0005】
インホイールモーターを使用する既知の電動アシスト自転車に加えて、車輪駆動モーターを使用する少なくとも1つの他の種類の電動アシスト自転車がある。しかし、このタイプの電動アシスト自転車では、また、モーターの駆動力およびペダルの駆動力は互いに全く別々に伝えられる。このタイプの電動アシスト自転車は、電動アシスト自転車が車輪駆動モーターを使用して推進されているときに後輪変速機を使用して変速を実現することは容易にはできないという類似の欠点を有している。
【0006】
前述のものは、自転車などの従来のハイブリッド電動アシストペダル駆動式装置において一般的に生じる問題の一部にすぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、改善されたモーターユニットを実現することである。
本発明の別の目的は、電動アシスト自転車用の改善された電気モーターを実現することである。
【0008】
本発明の別の目的は、既知のモーターユニットに関連する1つまたは複数の問題をある程度軽減もしくは解消することである。
当業者であれば、以下の説明から本発明の他の目的を導き出すことであろう。したがって、前述の目的に関する説明は、網羅的ではなく、本発明の多くの目的のうちの一部を例示するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の主態様において、提供されるモーターユニットは、モーターを収納するためのハウジングと、モーターがもたらす駆動力を受けるためのモーターシャフトと、トルクを検出するためのトルクセンサー機構と、モーターシャフトに伝えられるモーターがもたらす駆動力の量を変化させるために検出されたトルク量に応じてモーターに供給される電力を制御するコントローラと、トルクセンサーをコントローラのセンサーに結合するアクチュエータとを備え、アクチュエータは、これによりセンサーコントローラに相対的に移動するように構成され、センサーは検出されたトルクレベルを示す信号を発生し、コントローラは、モーターのハウジング内に収納される。
【0010】
好ましくは、コントローラはモーターハウジングの一方の端部に配置され、トルクセンサーはモーターハウジングの対向端部に接続される。
好ましくは、トルクセンサーをコントローラのセンサーに結合するアクチュエータは、モーターシャフトの中空ボア内に収容され、これにより、モーターハウジングの一方の端部のところにあるトルクセンサーをモーターハウジングの別の端部のところにあるコントローラに結合する。
【0011】
好ましくは、モーターユニットは、外部からもたらされる駆動力を受けるための補助シャフトと、外部からもたらされる駆動力を駆動機構に伝達するための第1のトルク伝達経路と、モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するための第2のトルク伝達経路とをさらに備え、第1の一方向駆動手段は、駆動機構が第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときに補助シャフトが惰性で回ることができるように補助シャフトと駆動機構との間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。外部からもたらされる駆動力は、別のモーターもしくは駆動力を前記補助シャフトに伝えるように結合されている他の好適な駆動手段によってもたらすことができる。
【0012】
好ましくは、モーターシャフトは、補助シャフトがモーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、回転軸が平行になるように補助シャフトの周りに同軸状に配置される。補助シャフトおよびモーターシャフトは、同じ回転軸を共有することができる。
【0013】
好ましくは、第1のトルク伝達経路は、外部からもたらされる駆動力を受けるための補助シャフトと第1の一方向駆動手段とを備え、第1の一方向駆動手段は、補助シャフトを駆動機構に機械的に結合し、これにより、第1の一方向駆動手段は、外部からもたらされる駆動力を駆動機構に伝達し、第1の一方向駆動手段は、駆動機構がモーターシャフトによって駆動されているときに補助シャフトが慣性で回ることを可能にする。第1の一方向駆動手段は、フリーホイールデバイスを備えることができる。
【0014】
好ましくは、第2のトルク伝達経路は、モーターシャフトとモーターシャフトを駆動機構に機械的に結合する歯車機構とを備え、歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフトから駆動機構に前記減速比で伝達するように動作する。
【0015】
好ましくは、歯車機構は、回転軸がモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車を有する遊星歯車機構を備える。遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持されうるものであり、これにより、遊星歯車は、偏心輪が回転すると回転し、これにより遊星歯車の回転軸の位置は、遊星歯車が回転するとモーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、遊星歯車の回転軸の可変位置がモーターシャフトの回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は所定のオフセット量に等しい半径を有する。さらに、遊星歯車は、内側で回転するために遊星歯車が中に配置される内輪歯車より小さい直径を有するものとしてよく、内輪歯車は適所に固定され、モーターシャフトの回転軸と一致する中心軸を有し、遊星歯車は内輪歯車より少ない数の歯を有する。遊星歯車は、軸受によって偏心輪上に回転可能に支持されうる。
【0016】
好ましくは、遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、モーターがもたらす駆動力を駆動機構に伝達するように構成される。遊星歯車機構は、モーターシャフトの回転軸に対する遊星歯車のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備えることができる。カウンターバランス部材は、遊星歯車が回転しているときに遊星歯車の釣り合いを取るために遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含むことができる。
【0017】
あるいは、遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相外れで配置されている第1および第2の同一の遊星歯車を備え、前記第1および第2の遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る。第1および第2の遊星歯車は、共通の単一の内輪歯車内で互いに半回転位相外れで回転するように配置されうる。第1および第2の遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられうる。
【0018】
好ましくは、遊星歯車キャリアはそれとともに回転するように駆動機構に取り付けられている。遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように第1の一方向駆動手段の出力部材に取り付けることもでき、これにより、外部からもたらされる駆動力は第1のトルク伝達経路を介して、遊星歯車機構を通じてモーターシャフトに、さらには駆動機構に伝達される。
【0019】
あるいは、歯車機構は、歯なし遊星歯車を有する歯なし遊星歯車機構を備え、その回転軸はモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、歯なし遊星歯車機構の減速比は、歯なし遊星歯車の直径と遊星歯車が回転のために配置されている歯なし内輪歯車の直径との間の関係によって画定され、歯なし遊星歯車は歯なし内輪歯車より小さい直径を有する。歯なし遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持されうるものであり、これにより歯なし遊星歯車は、偏心輪が回転すると回転し、これにより歯なし遊星歯車の回転軸の位置は、歯なし遊星歯車が回転するとモーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、歯なし遊星歯車の回転軸の可変位置がモーターシャフトの回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は所定のオフセット量に等しい半径を有する。歯なし内輪歯車は、適所に固定されるものとしてよく、モーターシャフトの回転軸と一致する中心軸を有する。歯なし遊星歯車は、軸受によって偏心輪上に回転可能に支持されうる。
【0020】
好ましくは、歯なし遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、モーターがもたらす駆動力を駆動機構に伝達するように構成される。
好ましくは、歯なし遊星歯車機構は、モーターシャフトの回転軸に対する歯なし遊星歯車のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備える。カウンターバランス部材は、歯なし遊星歯車が回転しているときに歯なし遊星歯車の釣り合いを取るために歯なし遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含むことができる。
【0021】
あるいは、歯なし遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相外れで配置されている第1および第2の同一の歯なし遊星歯車を備え、前記第1および第2の歯なし遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る。第1および第2の歯なし遊星歯車は、共通の単一の歯なし内輪歯車内で互いに半回転位相外れで回転するように配置されうる。第1および第2の歯なし遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられうる。
【0022】
好ましくは、遊星歯車キャリアはそれとともに回転するように駆動機構に取り付けられている。遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように第1の一方向駆動手段の出力部材に取り付けることもでき、これにより、外部からもたらされる駆動力は第1のトルク伝達経路を介して、歯なし遊星歯車機構を通じてモーターシャフトに、さらには駆動機構に伝達される。
【0023】
好ましくは、歯なし遊星歯車は、偏心輪上に回転可能に支持され、その回転軸はモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、歯なし内輪歯車内に配置され、歯なし内輪歯車を加熱し、それを歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合する。第1および第2の歯なし遊星歯車は、第1および第2の偏心輪上にそれぞれ回転可能に支持されるものとしてよく、その回転軸はモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、互いに半回転位相を異にして回転するように共通の単一の歯なし内輪歯車内に配置され、歯なし内輪歯車を加熱し、それを第1および第2の歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合する。
【0024】
好ましくは、第2の一方向駆動手段は、駆動機構が第1のトルク伝達経路を通じて外部からもたらされる駆動力によって駆動されているときにモーターシャフトが回転を生じないようにモーターシャフトと駆動機構との間の第2のトルク伝達経路内に設けられる。第2の一方向駆動手段は、遊星歯車キャリア上に移動可能に配設され、駆動機構とともに回転するように固定されているラチェットホイールのラックと係合するように配置されている少なくとも1つのラチェット部材を備えることができる。少なくとも1つのラチェット部材には、前記ラチェット部材の自由端を遊星歯車キャリアの表面から外向きに、ラチェット部材の前記自由端がラチェットホイールのラック内の歯と係合するように弾力的に付勢するための手段が付随していてもよい。
【0025】
好ましくは、トルクセンサーは、モーターシャフトの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の駆動部材と、モーターシャフトの前記回転軸の周りの回転のために取り付けられている第2の被駆動部材と、前記モーターシャフトの回転軸の周りの前記被駆動部材の回転方向の前記第2の被駆動部材に相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段とを備え、アクチュエータは、前記検出された移動をコントローラのセンサーに伝えるための手段を備える。
【0026】
本発明の別の態様では、モーターユニットは、ペダル駆動式装置の一部を備える。
本発明の別の態様では、モーターユニットは、ペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから電力の供給を受ける電気モーターである。
【0027】
本発明の第2の主態様において、第1の主態様によるモーターユニットを有するペダル駆動式装置が実現され、前記外部からもたらされる駆動力は、補助シャフトとともに回転するように固定されている前記装置の人力操作可能なペダルによって与えられる人力でもたらされる駆動力であり、前記補助シャフトはペダルスピンドルを備え、前記駆動機構は、スプロケットを備え、前記第1のトルク伝達経路は人力でもたらされる駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第2のトルク伝達経路はモーターがもたらす駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、第1の一方向駆動手段は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドルとスプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0028】
本発明の別の態様において、前記態様によるモーターユニットを有するペダル駆動式装置が実現され、前記外部からもたらされる駆動力は、補助シャフトとともに回転するように固定されている前記装置の人力操作可能なペダルによって与えられる人力でもたらされる駆動力であり、前記補助シャフトはペダルスピンドルを備え、前記駆動機構は、スプロケットを備え、前記第1のトルク伝達経路は人力でもたらされる駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第2のトルク伝達経路はモーターがもたらす駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、第1の一方向駆動手段は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドルとスプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0029】
本発明の別の態様では、提供されるペダル駆動式装置は、人力でもたらされる駆動力を受けるためのペダルスピンドルとともに回転するように固定された人力操作可能なペダルと、モーターがもたらす駆動力を受けるためのシャフトを有するモーターと、人力でもたらされる駆動力をペダル駆動式装置のスプロケットに伝達するための第1のトルク伝達経路と、モーターがもたらす駆動力をペダル駆動式装置の前記スプロケットに伝達するための第2のトルク伝達経路とをさらに備え、第1の一方向駆動手段は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドルとスプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0030】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置のための提供されるモーターは、モーターがもたらす駆動力を受けるためのシャフトと、モーターシャフトをペダル駆動式装置のスプロケットに機械的に結合する歯車機構とを備え、歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフトからスプロケットに前記減速比で伝達するように動作し、モーターは、ペダルスピンドルがモーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、回転軸が平行になるようにペダル駆動式装置のペダルスピンドルの周りに同軸状に配置される。
【0031】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置のための提供されるスプロケットアセンブリは、スプロケットと、スプロケットをペダル駆動式ペダルスピンドルに機械的に結合するための第1の手段と、スプロケットをモーターの出力シャフトに機械的に結合するための第2の手段とを備え、第1の機械的結合手段は、ペダルスピンドルとスプロケットとを結合する第1の一方向駆動手段を備え、第1の一方向駆動手段はペダル駆動式装置のペダルに印加される人力でもたらされる駆動力をスプロケットに伝達してスプロケットを回転させ、スプロケットがモーター出力シャフトによって駆動されているときにペダルスピンドルが慣性で回ることを可能にする。
【0032】
本発明の別の態様では、提供されるペダル駆動式装置は、ペダルスピンドルの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の部材と、ペダルスピンドルの前記回転軸の周りの回転のために取り付けられている駆動スプロケットと、前記ペダルスピンドルの回転軸の周りの前記駆動スプロケットの回転方向の前記駆動スプロケットに相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段と、前記ペダル駆動式装置上の別のコンポーネントのために前記検出された移動を制御入力に変換するための手段とを備える。ペダル駆動式装置は、自転車を含むが、本発明は、例えば水上自転車などの他のペダル駆動式装置にも応用可能である。制御入力は、電気制御入力、電子制御入力、または機械制御入力のうちのどれかを含むものとしてよい。
【0033】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置上のコンポーネントのための制御入力を発生するための制御システムが実現され、前記制御システムは、ペダルスピンドルの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の部材と、前記ペダルスピンドルの回転軸の周りの駆動スプロケットの回転方向の前記駆動スプロケットに相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段と、前記ペダル駆動式装置上の前記別のコンポーネントのために前記検出された移動を制御入力に変換するための手段とを備える。
【0034】
本発明の別の態様では、ペダル駆動式装置のための駆動スプロケットアセンブリが実現され、前記駆動スプロケットアセンブリはペダルスピンドルの回転軸の周りで回転可能な第1の部材と、ペダルスピンドルの回転軸の回りに回転可能である駆動スプロケットであって、前記第1の部材に緩く結合され、前記駆動スプロケットの回転方向にそれに相対的な限定された量だけ移動可能である駆動スプロケットと、前記駆動スプロケットの前記回転方向の前記駆動スプロケットに相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための機構とを備える。
【0035】
本発明の前記および他の特徴は、添付図面と併せて例としてのみ取りあげられている好ましい実施形態の以下の説明から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第1の実施形態の概略構造図である。
【図2】図1の直線A−Aにそって切り取った断面図である。
【図3】図1の直線B−Bにそって切り取った拡大断面図である。
【図4】図1の実施形態の分解斜視図である。
【図5】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第2の実施形態の概略構造図である。
【図6】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第3の実施形態の分解斜視図である。
【図7】本発明によるペダル駆動式装置に対するモーターおよびスプロケットアセンブリの第4の実施形態の概略構造図である。
【図8】図7の直線A−Aにそって切り取った断面図である。
【図9】図7の実施形態の分解斜視図である。
【図10】本発明の実施形態のどれかによるモーターおよびスプロケットアセンブリを有するペダル駆動式装置の略図である。
【図11】本発明の一実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図12】図11の駆動スプロケットアセンブリの正面図である。
【図13】図12の直線A−Aにそった側断面図である。
【図14】図12の直線B−Bにそった側断面図である。
【図15】図11のスプロケットアセンブリの板部材とスプロケット取付部材の拡大部分断面図である。
【図16】制御信号装置の一実施形態を備えるモーターユニットと組み合わせた図11のスプロケットアセンブリの側面図である。
【図17】図16に示されている制御信号装置の拡大図である。
【図18】制御信号装置の別の実施形態を備えるモーターユニットと組み合わせた図11のスプロケットアセンブリの上面図である。
【図19】図18に示されている制御信号装置の拡大図である。
【図20】本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図21】図20の駆動スプロケットアセンブリの正面図である。
【図22】図7の制御信号装置を備えるモーターユニットと組み合わせた図20のスプロケットアセンブリの側断面図である。
【図23】図20のスプロケットアセンブリを備える本発明による自転車の後部の側面図である。
【図24】図23の自転車の後部の上面図である。
【図25】本発明による歯車調整機構を備える自転車の後輪アセンブリの分解斜視図である。
【図26】図25の自転車の後部の側面図である。
【図27】図25の自転車の後部の上面図である。
【図28】本発明の別の態様による自転車の後部の部分断面上面図である。
【図29】本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図30】図29のスプロケットアセンブリの正面図である。
【図31】図29のスプロケットアセンブリの後面図である。
【図32】図29の直線B−Bにそった側断面図である。
【図33】図29の直線C−Cにそった側断面図である。
【図34】図31の直線E−Eにそった拡大側断面図である。
【図35】図31の直線D−Dにそった拡大側断面図である。
【図36】本発明の実施形態のどれかによるスプロケットアセンブリ、制御信号装置、および歯車調整機構を有するペダル駆動式装置の略図である。
【図37】図38の直線B−Bにそった本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。
【図38】図37のスプロケットアセンブリの正面図である。
【図39】図37および38のスプロケットアセンブリの板部材とスプロケット取付部材の拡大部分断面図である。
【図40】図37から39の駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図41】本発明の別の実施形態によるモーターおよび駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。
【図42】図41のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【図43】チェーン伝動装置の代わりにベルトプーリーを使用する図41のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。
【図44】図41および43のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリにおいて使用するための代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの正面図である。
【図45】図44の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの分解斜視図である。
【図46】図41および43のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリにおいて使用するための別の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの正面図である。
【図47】図46の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの分解斜視図である。
【図48】図41および43のモーターおよび駆動スプロケットアセンブリにおいて使用するための、ただし、転がり軸受の代わりにブッシングを使用する、別の代替的なスライドブロック駆動シャフトカップラーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、主に、原動機付き自転車に関するものであるが、本発明は、人力入力を供給するペダルと機械力入力を供給するモーターとを有するハイブリッド装置に適用可能である。原動機付き自転車は、車両に動力を供給するか、またはペダルこぎを補助するために使用される付属モーターを備える自転車である。ときには自動車、またはあるクラスのハイブリッド車として分類される、原動機付き自転車は、異なる種類のエンジンを動力源とすることができる。原動機付き自転車は、必要ならばペダルだけを動力源とすることができるという点で二輪車と区別される。ペダルの実際の使用は、車両の種類により大きく異なる。乗り手がペダルをこがないことを選択した場合にモーターだけで推進できるものもある。パワーアシストバイクとして知られているものは、特に上り坂で、少しの外部動力を与えるために使用されるモーターとともに、ペダルを主要推進形態として有する。多くの原動機付き自転車は、標準的な自転車フレーム設計および技術をベースとする。
【0038】
並列ハイブリッド原動機付き自転車では、人とモーターの入力は、底部取付用金具、後輪、または前輪のいずれかに機械的に結合されるが、(機械的な)直列ハイブリッド自転車では、人とモーターの入力は、差動伝動装置を通じて結合される。(電子)直列ハイブリッド自転車では、人力は電気に変換されて、モーターに直接供給され、ほとんどの追加の電気はバッテリから供給される。
【0039】
「ペデレック」は、トルクセンサーおよび/または速度センサーおよび/または比例するアシストレベルを送出し乗り手がペダルをこぐときにのみ動作するパワーコントローラを組み込んだ電動アシスト自転車を一般的に指す、ヨーロッパで使用されている用語である。
【0040】
本発明は、モーターユニットとペダルの両方を有するが、モーターがスプロケットアセンブリのごく近くに配置されている、好ましくはモーターがモーターの中空シャフト内にペダルスピンドルを収容するようにペダルスピンドルと同軸に配置される、上記の形態の自転車のすべてに適用可能である。
【0041】
以下の説明では、「スプロケット」または「駆動スプロケット」という用語は、駆動力を別の回転コンポーネントに伝達することができる、限定はしないが、駆動チェーンと係合するための歯付きスプロケット、駆動ベルトと係合するためのベルトプーリー、または他の大歯車または歯車列と係合するための歯車を含む、回転コンポーネントを意味すると解釈すべきであることが理解されるであろう。
【0042】
以下の説明では、ペダル駆動式装置の一例として自転車を参照するが、本発明は、自転車に限定されず、以下の説明は三輪車、水上自転車(ペダルボート)、または同様のものなどの他の種類のペダル駆動式装置、またはモーターユニットによって駆動される他のデバイスもしくは器具にも等しく適用可能である。
【0043】
図1から4を参照すると、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第1の実施形態が示されている。前記モーターおよびスプロケットアセンブリを有する自転車は、人力でもたらされる駆動力を受けるためのペダルスピンドル1を備える補助シャフトとともに回転するように固定されている人力操作可能なペダル10およびモーターがもたらす駆動力を受けるためのシャフト4を有するモーター5の形態の外部からもたらされる駆動力を付与するための手段を備える。第1のトルク伝達経路は、人力でもたらされる駆動力をペダル駆動式装置のスプロケット16を備える駆動機構に伝達するために設けられ、第2のトルク伝達経路は、モーターがもたらす駆動力をペダル駆動式装置の前記スプロケット16に伝達するために設けられている。第1の一方向駆動手段13は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドル1が惰性で回ることができるようにペダルスピンドル1とスプロケット16との間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0044】
この配置構成の利点は、フリーホイールスプロケットを自転車の後輪に設ける必要がないという点にある。これは、第1の一方向駆動手段13が、モーター駆動装置が動作しているときにペダルスピンドル1が慣性で回ることを可能にすることに加えてこの機能を備えるからである。
【0045】
第1のトルク伝達経路は、人力操作可能なペダル10、ペダル10が一緒に回転するように固定されているペダルスピンドル1、および第1の一方向駆動手段13を備える。第1の一方向駆動手段13は、ペダルスピンドル1をスプロケット16に機械的に結合し、第1の一方向駆動手段13は、ペダル10に印加される人力でもたらされる駆動力をスプロケット16に伝達し、これによりスプロケットを回転させる。第1の一方向駆動手段13は、スプロケット16がモーターシャフト4によって駆動されているときにペダルスピンドル1が慣性で回ることも可能にする。第1の一方向駆動手段13は、オーバーランニングベアリングまたはオーバーランニングクラッチなどのフリーホイールデバイス、または一方向駆動手段の出力部材を通して駆動力を印加することを可能にするが、入力部材が前記第1の一方向駆動手段13を通じて駆動力が伝達されないときに慣性で回るのに適しているデバイスを備えることができる。
【0046】
第2のトルク伝達経路は、モーターシャフト4とモーターシャフト4をスプロケット16に機械的に結合するケーシング7内に収納されている歯車機構とを備える。歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフト4からスプロケット16に前記減速比で伝達するように動作する。歯車機構は、回転軸がモーターシャフト4の回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車20を有する遊星歯車機構を備えることができる。
【0047】
これにより、高速モーターを使用することが可能になり、これにより歯車機構は好適な減速比をモーターの出力シャフトに適用し、(相対的に言って、モーターシャフトの回転速度と比較したとき)スプロケットを高トルクおよび低速で回転させる。
【0048】
図1から4により明示的に示されているように、モーターおよびスプロケットアセンブリは、モーター5、軸受3および6によって支持されているモーターの回転子の中空シャフト4、モーター5の一端にある端部カバー、つまり、遊星歯車機構のケーシング7、遊星歯車機構のケーシング7内に固定されている内歯車環8、モーター5の中空シャフト4の周りに固定された偏心輪22、および中空シャフト4とトルクを伝達するための偏心輪22との間に配設されている平キー23を備える。遊星歯車20は、偏心輪22とともに回転するように、軸受21を使って偏心輪22の外周に嵌合され、内歯車環8の歯と係合する。4つの丸穴19が、遊星歯車20の側面に設けられている。遊星歯車キャリア11は、軸受9を使ってケーシング7内で支持され、遊星歯車20に面する側面上で4本のピン17を備える。ブッシング18は、ピン17の周りに設けられ、遊星歯車20の側面上の4つの丸穴19内に挿入される。4本のピン17と、遊星歯車11上の4つの丸穴19内に挿入されるブッシング18の機能は、遊星歯車20が回転するときに遊星歯車20からの駆動力を遊星歯車キャリア11に伝達することである。ブッシング18は、遊星歯車20の回転に適応するようにピン17の周りを回転する。これらの穴は、モーターシャフト4の回転軸に対する遊星歯車20の偏心移動に適応するようにピン17の直径より大きい直径を有する。
【0049】
遊星歯車20から遊星歯車キャリア11へのモーター駆動力の伝達をもたらすために、ラチェットシートを遊星歯車キャリア11の外側に配置し、ラチェット15をラチェットシート上に移動可能に配設し、スプロケット16に固定されているラチェットホイール12の内面と係合させる。ペダルの中央スピンドル1は、モーター5の中空シャフト4内に自在に配設され、モーターシャフト4と同軸に取り付けられる。ペダルの中央スピンドル1は、軸受2および14を使ってそれぞれモーターの中空シャフト4および遊星歯車キャリア11内に支持される。ペダルのクランク10は、ペダルの中央スピンドル1の端部に配設される。アセンブリのスプロケット側にあるペダルのクランク10には、前記ペダルのクランク10上に固定されている一方向フリーホイール13を備える第1の一方向駆動手段が付随する。ラチェットホイール12の側面は、一方向フリーホイール13のフランジ上に固定され、スプロケット16は、ラチェットホイール12の他方の側面に固定される。
【0050】
この実施形態の動作において、ペダルをこいでいるときに、ペダルのクランク10が一方向フリーホイール13を通じてラチェットホイール12を回転させ、これにより、ラチェットホイール12上に固定されているスプロケット16が同時に回転し、自転車は推進されてスプロケット16のチェーン伝動装置(図示せず)を通じて前進する。
【0051】
ラチェット部材15およびラチェットホイール12を備える第2の一方向駆動手段は、スプロケット16が第1のトルク伝達経路を通じて人力でもたらされる駆動力によって駆動されているときにモーターシャフト4が回転を生じないようにモーターシャフト4とスプロケット16との間の第2のトルク伝達経路内に設けられる。遊星歯車キャリア11上に移動可能に配設されているラチェット部材15は、ラチェットホイール12のラックと係合する。ラチェット部材15には、前記ラチェット部材15の自由端を遊星歯車キャリア11の表面から外向きに、ラチェット部材15の前記自由端がラチェットホイール12のラック内の歯と係合するように弾力的に付勢するための手段が付随しているものとしてよい。
【0052】
第2の一方向駆動手段12、15の一方向伝達機能があるため、ペダル10によってラチェットホイール12が回転しても、遊星歯車キャリア11またはモーターシャフト4が回転するように駆動されることはない。モーター駆動時に、モーターの中空シャフト4は、遊星歯車機構の偏心輪22を回転させ、次いで、偏心輪22は、遊星歯車20をモーターの軸の周りに回転させる。回転中の任意の時点における偏心輪22の角度位置に応じて、遊星歯車20の歯は、内歯車環18の対応する歯と係合し、モーターの軸に対して遊星歯車20を回転させ、この回転は遊星歯車キャリア11によって出力される。遊星歯車キャリア11は、ラチェットシート上に配設されているラチェット15を使ってラチェットホイール12を回転させ、次いで、ラチェットホイール12は、ラチェットホイール12と一緒に固定されているスプロケット16を回転させ、自転車を推進してチェーンにより前進させる。このときに、第1の一方向伝達手段(つまり、一方向フリーホイール13)の一方向伝達機能があるため、スプロケット16が回転しても、ペダルのクランク10またはペダルのスピンドル1は回転しない。
【0053】
この実施形態では、モーターは、ペダルスピンドル1がモーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、回転軸が平行、好ましくは同軸になる、つまり、ペダルスピンドル1およびモーターシャフト4が同じ回転軸を共有するように、ペダル駆動式装置のペダルスピンドルの周りに同軸状に配置される。
【0054】
この配置構成の結果、モーター5はペダルスピンドルおよびスプロケットアセンブリときれいにコンパクトに組み込まれる。
またこの実施形態では、遊星歯車20は、偏心輪22上で回転可能に支持され、これにより、遊星歯車20は、偏心輪22が回転すると回転し、これにより遊星歯車20の回転軸の位置は、遊星歯車20が回転するとモーターシャフト4の回転軸に相対的に変化して、遊星歯車20の回転軸の可変位置がモーターシャフト1の回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は所定のオフセット量に等しい半径を有する。遊星歯車20は内輪歯車8より小さい直径を有し、内輪歯車8は、モーターシャフト4の回転軸と一致する中心軸を有する。遊星歯車20は内輪歯車8より少ない歯数を有する。
【0055】
遊星歯車20は、遊星歯車20の外側歯付き表面が任意の時点において内輪歯車8の少ない歯とのみかみ合うように内輪歯車8の内側歯付き表面の周りを回転する。
遊星歯車機構の遊星歯車キャリア11は、モーターがもたらす駆動力をスプロケット16に伝達し、そうする際に、モーター駆動力をスプロケット16に機械的に伝達する正確で効率的な方法を提供する。
【0056】
遊星歯車機構は、モーターシャフト4の回転軸に対する遊星歯車20のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材24を備える。カウンターバランス部材24は、遊星歯車が回転しているときに遊星歯車の釣り合いを取るために遊星歯車20とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含む。
【0057】
モーター5は、ペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから電力の供給を受ける電気モーターを備える。
図5は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第2の実施形態を示している。この実施形態の説明では、図1から4で使用されているのと同様の番号を使用して類似の部品を示すが、それらの部品の違いについては以下で説明する。
【0058】
この実施形態では、第2の一方向駆動または伝達手段(つまり、ラチェットホイール12およびラチェット15)は省かれており、したがって、遊星歯車機構の遊星歯車キャリア11’は一緒に回転するようにスプロケット16に固定結合されている。遊星歯車20およびスプロケット16は、第1の一方向駆動/伝達手段の一方向フリーホイール13(の出力部材)と直接的に、また固定される形で連結される。そのようなものとして、遊星歯車キャリア11’は、図1から4の第1の実施形態におけるその構成と比較して、方向フリーホイール13と直接的、また固定される形で連結することが可能なように修正される。この実施形態では、遊星歯車キャリア11’をフリーホイール13に直接結合することで、自転車の機能を変えることができる。この実施形態では、モーター5は、自転車のペダルこぎまたは前進運動、つまり、例えば、自転車が慣性で傾斜を下ることによって駆動される発電デバイスとして機能しうる。
【0059】
この実施形態の動作において、ペダルをこいでいるときに、ペダルのクランク10が一方向フリーホイール13を通じて遊星歯車キャリア11’およびスプロケット16を同時に回転させ、次いで、自転車が推進されチェーン伝動装置を通じて前進する。このときに、遊星歯車キャリア11’は、スプロケット16とともに回転するので、遊星歯車20および偏心輪22を回転させ、次いで、モーター5の中空シャフト4を回転させる。この状況の下で、乗り手が自転車を使用して運動するためにペダルに加える負荷を高めることを意図しているか、またはモーターを下り坂のときに自転車を減速するためのブレーキとして機能させるために使用するか、またはモーターをライト用の、もしくはモーターのバッテリパックを充電するための電力を発生するために使用することを意図している場合、乗り手は、例えば、自転車のハンドルバーに取り付けられているスイッチを制御してモーター5を発電デバイスに転換するようにコントローラの回路を切り替えることができ、これにより発生する電力は負荷によって、または電池を充電するために使用されうる。通常の乗り方では、コントローラは、通常乗車状態に切り替えることができるので、ペダルには追加の負荷がかからない。モーター駆動時に、モーター5の中空シャフト4は、遊星歯車機構の偏心輪22を回転させ、次いで、遊星歯車20をモーターの軸の周りに回転させる。その結果、スプロケット16を回転させる遊星歯車キャリア11’によってトルクが出力され、次いで、自転車が推進されてチェーン伝動装置を通じて前進する。このときに、一方向フリーホイール13の一方向伝達機能により、スプロケットが回転しても、ペダルのクランク10は回転しない、つまり、ペダルのクランクおよびペダルのスピンドルが慣性で回ることができる。
【0060】
この例では、自転車は、前進時に、モーターを駆動してチェーン伝動装置から伝達する動力の伝達を通じて発電することができるが、後輪ハブには、一方向駆動/伝達機能を有する一方向フリーホイールは設けられていない。
【0061】
図6は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第2の実施形態を示している。この実施形態の説明では、図1から5で使用されているのと同様の番号を使用して類似の部品を示すが、それらの部品の違いについては以下で説明する。
【0062】
この実施形態では、遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相外れで配置されている第1および第2の同一の遊星歯車20、26を備え、前記第1および第2の遊星歯車20、26は回転で互いに釣り合いを取る。第1および第2の遊星歯車20、26は、各内輪歯車内に配置することができるが、好ましくは、第1または第2の実施形態の内輪歯車と比較して2倍の幅の共通の、単一の内輪歯車8’内で互いに半回転位相が異なって回転するように配置される。第1および第2の遊星歯車20、26は、各第1および第2の偏心輪22、25上に支持可能に取り付けられる。第2の遊星歯車26は、軸受28によって第2の偏心輪25上に取り付けられる。ピン17は、他の実施形態より長くされ、遊星歯車20、26の両方における開口19、27の各セットを貫通する。
【0063】
2つの位相が異なる遊星歯車20、26を使用することで、重み付けカンタータバランスを設ける必要がなくなり、また重み付けカンタータバランスを含む前記の配置構成よりも効率的にかつ静かにモーターの駆動力をスプロケット16に伝達する平衡システムが構成される。
【0064】
この実施形態は、図5で示されている第2の実施形態と同様にして、第2の一方向駆動手段12、15を備える。しかし、この実施形態(図6)の第1および第2の遊星歯車20、26の説明されている配置構成は、最小限度の修正で第1(図1から4)または第2の(図5)の実施形態にいずれかにおいて使用することができることは理解されるであろう。さらに、この実施形態の動作は、(第1の)遊星歯車20の釣り合いは第2の遊星歯車26によってもたらされるという事実を除くすべ点で他の何らかの形で同じである。
【0065】
本発明の前記の実施形態では、遊星歯車機構の歯車の歯は、それぞれの歯の縁がまっすぐで歯車の回転軸に平行に位置合わせされている平歯車またはストレートカット歯車を備えるものとして表されている。しかし、好ましい実施形態では、これらの歯車ははすば歯車を含む。
【0066】
はすば歯車は、平歯車に勝る微調整を行う。歯の前縁は、回転軸に平行でないが、歯車の前記回転軸に対してある角度をなす。歯車は湾曲しているので、この角度を付けることで、歯の形状は螺旋の弧になる。角度付きの歯は、平歯車の歯に比べて徐々に係合し、より滑らかに、静かに走る。平行なはすば歯車の場合、歯のそれぞれの対は、最初に、大歯車の片側に単一の点で接触し、次いで、移動する接触曲線は歯面上を最大まで徐々に長くなり、次いで歯が対向側の単一点において接触を断つまで後退する。平歯車では、歯は幅全体にわたって線接触で急に出会い、応力と音を発生する。平歯車は、高速のときに特徴的なヒューンという音を発生し、はすば歯車ほどのトルクを取り出しえない。はすば歯車の欠点は、歯車の軸にそって結果としてスラストを生じることであり、これは通常適切なスラスト軸受によって対応する必要があるが、本発明では、モーター伝動システムの他のコンポーネントは、はすば歯車をかみ合わせることによって引き起こされる歯車の軸にそったスラストに対抗するように動作し、したがってスラスト軸受はいくつかの実施形態では必要でない場合がある。他のすべての点において、はすば歯車を有する遊星歯車機構は、前の方で説明した遊星歯車機構の実施形態と同じである。
【0067】
図7から9は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの第4の実施形態を示している。この実施形態の説明では、図1から6で使用されているのと同様の番号を使用して類似の部品を示すが、それらの部品の違いについては以下で説明する。
【0068】
この実施形態では、コンポーネントの配置構成は、歯なし遊星歯車機構を含む歯車機構を除き第3の実施形態と一般的に同一である。
歯なし遊星歯車機構は、回転軸がモーターシャフト4の回転軸に対して所定の量だけオフセットされている第1および第2の歯なし遊星歯車30、31を有する。歯なし遊星歯車機構の減速比は、歯なし遊星歯車30、31の各直径と第1および第2の遊星歯車30、31が回転のために配置されている単一の共通の歯なし内輪歯車29の直径との間の関係によって画定される。歯なし遊星歯車30、31は、歯なし内輪歯車39より小さい直径を有する。第1および第2の歯なし遊星歯車30、31は、第1および第2の偏心輪22、25上でそれぞれ回転可能に支持され、それぞれ他方と釣り合うように互いに半回転位相外れで共通の単一の歯なし内輪歯車29内に配置される。第2の遊星歯車31は、軸受28によって第2の偏心輪25上に取り付けられる。ピン17は、他の実施形態より長くされ、遊星歯車30、31の両方における開口19、27の各セットを貫通する。第1および第2の遊星歯車30、31の外面は、歯なし内輪歯車29の内面と係合する。内輪歯車の内面および/または遊星歯車30、31の外面を粗面化して、線接触で前記係合している表面の間に作用する摩擦係数を増大させることができる。第1および第2の遊星歯車30、31と歯なし内輪歯車29との間の摩擦嵌めは、歯なし内輪歯車29を加熱して第1および第2の歯なし遊星歯車30、31の上に焼嵌めすることによってなされる。
【0069】
歯なし遊星歯車機構の利点の1つは、静粛性である。歯車の歯が欠如しており、またモーターからスプロケットへの動力の伝達を引き起こす一般的に滑らかであるが、場合によっては粗面化されている表面同士の接触に依存することは、非常に静かな動作をもたらし、また歯付き歯車機構の場合と同様に歯車の歯と歯の間に滑りも、またがたつきもないので動力がより効率的な伝達をもたらす。
【0070】
この実施形態は、図1から4に示されている第1の実施形態と同様にして単一の歯なし遊星歯車のみを備えるように修正することも可能であることは理解されるであろう。そのような場合、歯なし遊星歯車機構は、モーターシャフトの回転軸に対する歯なし遊星歯車のオフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備えることになるであろう。
【0071】
この実施形態は、第1および第3の実施形態と同様に第2の一方向駆動手段12、15を備えるが、第2の実施形態と同様に、第2の一方向駆動手段を省き、遊星歯車キャリア11を第1の一方向駆動手段13に直接的に、かつ固定される形で結合するように修正することが可能であることも理解されるであろう。このような場合、遊星歯車キャリア11は、それとともに回転するように第1の一方向駆動手段13の出力部材に取り付けることもでき、これにより、ペダル10に印加される人力でもたらされる駆動力は第1のトルク伝達経路を介して、歯なし遊星歯車機構を通じてモーターシャフト4に、さらにはスプロケット16に伝達される。
【0072】
図10は、前記実施形態のいずれかによるモーターおよびスプロケットアセンブリ50を有する自転車40を示している。自転車本体は、モーターおよび歯車機構を受け入れるための中央スピンドルの位置に陥凹部を備えることができる。モーターおよび歯車機構のアセンブリは、中央ペダルスピンドルと一緒に、陥凹部内にぴったり入る。
【0073】
図11は、ペダル駆動式装置上に取り付けられているモーターがもたらす駆動力を増大するためのコントローラもしくは調整器もしくはトルクセンサーの部分を備える自転車などの前記ペダル駆動式装置に対する駆動スプロケットアセンブリ110の分解斜視図である。以下の説明では、ペダル駆動式装置の一例として自転車を参照するが、本発明は、自転車に限定されず、以下の説明は三輪車、水上自転車(ペダルボート)、または同様のものなどの他の種類のペダル駆動式装置にも等しく適用可能である。
【0074】
これらの図を参照すると、駆動スプロケット機構110は、自転車乗りが自転車のペダルに加える人力駆動力を受ける駆動スプロケット112を備えることがわかる。駆動スプロケットの外周には、自転車を前進させる駆動力を自転車の車輪に伝達するためのチェーン伝動装置(図示せず)と係合する歯114が設けられている。従来、これは後輪である。他のペダル駆動式装置では、ペダルに印加される人力による駆動力は、好適な駆動システムを通じて他の何らかの駆動デバイスに伝達して、装置の運動を引き起こすことができることは理解されるであろう。例えば、水上自転車では、駆動力は1つまたは複数の櫂(かい)に伝達されうる。さらに、ペダル駆動式装置における駆動スプロケットは、チェーンではなくベルト駆動装置と係合しうる。そのような場合、スプロケットは歯を持ちえないが、その代わりに、ベルトプーリーもしくは同様のものを備える。あるいは、駆動スプロケットは、ペダルに印加される人力を歯車列を通じて装置の前進運動駆動システムに伝達するために歯車のチェーンと係合するように配置された大歯車を備えることができる。本発明は、電気モーターまたはさらには内燃機関などの任意の種類のモーターユニットに、また上述のような自転車上のモーターの位置決めに適用可能である。
【0075】
図13に示されているように、クランクアーム118を備えるペダル116は、従来の方法でペダルスピンドル120のいずれかの端部に固定して留められ、これにより、自転車乗りは、ペダル116を人力で駆動して駆動スピンドルまたはシャフト120をペダルスピンドルの回転軸122の周りで回転させ、駆動力をスプロケット112に付与することができる。ペダルの1つ(図13には右側のペダルが示されている)の隣にカラー124が設けられており、このカラーは一緒に固定されて回転するようにペダルスピンドル120上にキー溝に嵌める形で取り付けられる。カラー124は、カラー124にねじ込み式に固定されることによりペダルスピンドル120とともに回転するようにも固定される一般的に環状の取付板126の雌ネジ部分126aの内側にねじ込み式に係合する雄ネジ部分124aを有する。取付版の周辺端部またはフランジ126bの周りに、複数の、または1セットのボルトまたはネジ穴128が配置されている。他の図示されていない実施形態では、取付板126は、他の留め手段によってカラー124に固定することができる。例えば、取付板126をカラー124にキー溝に嵌める形で取り付けて、一緒に固定された形で回転するようにそれをカラー124に留めることができる。または、取付版126は、カラー124に溶接することもできる。しかし、取付板126とカラー124との間のねじ込み連結を行うのは、取付板126をカラー124に留める従来の方式と同様であるが、それらの部品のその後の保守が可能になるが、それは、前記部品を保守、交換、または同様の作業のために容易に分離することができるからである。
【0076】
2列の同心ボルト穴132、134を有する環状板部材130の形態の第1の部材を用意する。2列の同心ボルト穴のうちの第1の内側のボルト穴の列132は、ペダルスピンドル120の回転軸に平行な方向に短い距離だけ軸方向に延在する板部材130の内側環状部分またはフランジ130a上に設けられる。ボルト穴のこのセット132は、取付板126上に設けられているボルト穴のセット128に相補的であり、図13を見ると最もよくわかるようにネジもしくはボルトによって板部材130を取付板126に留めることを可能にする。そのため、板部材130は、取付板126に固定して留められ、これにより、ペダルスピンドル120とともに固定されて回転するようにも取り付けられる。他の図示されていない実施形態では、板部材130は、溶接を含む好適な手段によって取付板126に留めることができる。しかし、ボルトまたはネジのセットを使用して板部材130を取付板126に留めることによって、部品のその後の保守が可能になるが、それは、前記部品を保守、交換、または同様の作業のために容易に分離することができるからである。さらに他の実施形態では、板部材130は、板部材126およびカラー124と一体成形ユニットとして一体形成されうるが、その場合、固定具開口の内側の列132(ネジ穴の内側の列)は不要になる。
【0077】
駆動スプロケット112は、その内側周辺端部の周りに内向きに垂れ下がるスプライン112aが配置されている環状形態を有する。それぞれのスプライン112aは、各ボルトまたはネジ開口136を持つ。スプロケット112のスプライン112aは、スプロケット取付部材138の後面内の相補的なスロット138a内に係合する。スプライン112a上の開口136により、図3を見ると最もよくわかるようにボルトまたはネジ140を使用してスプロケット112を取付部材138に固定することができる。スプロケット112は、一緒に固定されて回転するように取付部材38に留められる。他の図示されていない実施形態では、スプロケット112は、溶接を含む好適な手段によって取付板138に留めることができる。しかし、ボルトまたはネジのセットを使用してスプロケット112を取付部材138に留めることによって、部品のその後の保守が可能になるが、それは、前記部品を保守、交換、または同様の作業のために容易に分離することができるからである。さらに他の実施形態では、スプロケット取付部材138をスプロケット112と一体形成ユニットとして一体形成することができる。
【0078】
使用時にスプロケット取付部材138の後面上の陥凹部138b内に配置される留めリング142を備える。留めリング142は、その周辺端部の周りに複数のネジまたはボルト穴144を有する。ネジ穴144のこのセットは、板部材130上の同心ボルト穴の2つのセットのうちの外側のセット134と相補的であり、したがって、板部材130および留めリング142は、図13を見ると最もよくわかるようにスプロケット取付部材138内に形成された相補的な細長い開口146を通して互いに留めることができる。したがって、留めリング142と板部材130は、スプロケット取付部材138をサンドイッチ状に挟み、留めリング142は、板部材130を、スプロケット取付部材138の前面に密接し、スプロケット取付部材138に緩く結合された、つまり、板部材130およびスプロケット取付部材138が互いに固定されて留められないという意味で、ただしスプロケット112の回転方向に制限された距離だけ互いに相対的に移動するように、緩く結合された位置に板部材130を保持する。スプロケット取付部材138内の相補的な細長い開口146を伸ばすことで、板部材130および留めリング142の組み合わせを駆動スプロケット112の回転方向にスプロケット取付部材138および駆動スプロケット112の組み合わせに対して相対的に移動することができる。しかし、板部材130とスプロケット取付部材138との間の可能な相対的移動の量は、スプロケット取付部材138内の細長い開口146の長さによって制限される。
【0079】
スプロケット取付部材の前面の周りに、複数の陥凹部148が配置されている。いずれの陥凹部148は、バネなどの第1の付勢要素150を収容する。好ましくは、付勢要素150は、圧縮バネを備えるけれども、以下の説明から明らかなように好適な付勢手段また要素を使用することが可能である。付勢要素150の機能は、人力圧力が自転車のペダル116に印加されていないときにスプロケット取付部材138に対して板部材130を第1の回転位置に維持するが、人力圧力がペダル116のうちの少なくとも1つ、好ましくは自転車の前進運動方向に関して見たときに前方のペダルに印加される場合にスプロケット取付部材138に対してペダルスピンドル120の回転方向に板部材130を少し移動することを可能にすることである。それぞれの陥凹部148の前端において、図14に示されているようなスプロケット112とスプロケット取付部材138の組み合わせの前方回転方向で見たときに、スプロケット取付部材138の前面を超えて外向きに軸方向に延在する一般的に円筒形の突起が設けられている。突起152は、スプロケット取付部材138と一体形成されうるか、またはその陥凹部148内に固定されている別個のコンポーネントを備えることができる。突起152は、この配置構成において圧縮バネを備える付勢要素150の端部に抵抗する。図15を見ると最もよくわかるように、スプロケット取付部材138の前面に面する板部材130の内面上の陥凹部153内に突起154の類似のセットが設けられる。板部材130上に設けられている突起154は、一体形成されるか、または各陥凹部153内に固定されている別個のコンポーネントを備えることもできる。板部材130内に設けられている陥凹部153は、第1の付勢要素150を部分的に受け入れるようになされる。したがって、スプロケット取付部材138内の前記陥凹部48と併せた板部材130内の前記陥凹部153は、それらの間に第1の付勢要素150を収容する。板部材130上に設けられている突起154は、図11で見て板部材130の内側接面から外へ、またそれを超えて軸方向に延在するように配置され、これにより、板部材130がスプロケット取付部材138に隣接して取り付けられている場合、板部材130上に設けられている突起154は、スプロケット取付部材138内の各陥凹部148内に配置され、図15を見ると最もよくわかるように、付勢要素150の対向端部と係合する。同様に、スプロケット取付部材138上に設けられている突起152は、板部材130内に設けられている各陥凹部153内に貫入する。その結果、人力圧力が前方駆動方向にペダル116のうちの少なくとも1つに印加されると、これにより、板部材130は、ペダルスピンドル120と固定された形で回転して移動する。スプロケット取付部材138およびスプロケット112は、ペダルスピンドル120とともに固定された回転で移動するように取り付けられていないが、代わりに、好ましくは付勢要素150を介して、板部材130からの駆動力を受ける。したがって、圧力が前方運動方向にペダル116の少なくとも1つに印加された場合、板部材130は、付勢要素150の圧縮に抵抗して回転し、これにより板部材130がスプロケット取付部材138に相対的に移動し、したがってこれによりまたスプロケット112に相対的にペダルスピンドル120の前方回転方向に移動する。板部材130とスプロケット取付部材138との間の可能な相対的移動の量は、留めリング142を板部材130に結合するために使用されるネジまたはボルトを緩く収容するスプロケット取付部材内の開口146の細長い長さによって制限される。
【0080】
好ましい実施形態は、好ましくは圧縮バネの形態の複数の第1の付勢要素150を有するものとして説明されているが、他の配置構成において、単一の付勢要素を備えることが可能であることは理解されるであろう。これは、使用時に回転圧縮されるコイルバネまたは使用時にペダルスピンドル120の軸方向に圧縮されるトーションバネを備えることが可能である。また、圧縮バネを使用する代わりに、板部材をスプロケット取付部材およびスプロケットに相対的に通常の第1の位置に維持するために付勢要素(複数可)の拡張を使用する他の種類のバネまたは1つもしくは複数の付勢要素を使用することができることは理解されるであろう。
【0081】
スプロケット取付部材138の後面内の陥凹部138bを画成するスプロケット取付部材138の環状壁138cの外面の周りに、リング部材155の形態のアクチュエータが移動可能に取り付けられている。アクチュエータリング部材155は、ペダルスピンドルの回転軸122に平行な軸方向に移動するようにスプロケット取付部材138上に取り付けられる。アクチュエータリング部材155は、図12および13を見ると最もよくわかるようにスプロケット取付部材138の背後もしくは後側のスプロケット112の外側に位置するようにスプロケット取付部材138に取り付けられる。アクチュエータリング部材155は、スプロケット取付部材138の後面内の相補的な開口(図示せず)を通して受け入れられる、内面の周りに配置されている3本の支柱155aを有する。これらの支柱155aは、取付ネジもしくはボルト160を受け入れるように適合された雌ネジ部分を有する。スプロケット取付部材138の前面内に、第2の付勢要素158、好ましくは圧縮バネを受け入れるための相補的な開口と同軸である開口156が形成される。第2の付勢要素158のそれぞれは、アクチュエータリング部材155の各支柱155aの少なくとも一部を囲むように、ただし、アクチュエータリング部材155に最も近い端部がスプロケット取付部材138の内面に作用しアクチュエータリング部材155のリング部がスプロケット取付部材138の後側に位置するように、位置決めされる。各ネジまたはボルト160は、それぞれのネジの頭が各第2の付勢要素158の対向端部に当たるようにアクチュエータリング部材155の支柱155aのそれぞれで受ける。この配置構成では、アクチュエータリング部材155は、第2の付勢要素158が前記アクチュエータリング部材155をスプロケット取付部材138の後面に近接する通常位置に付勢するようにスプロケット取付部材138に取り付けられる。アクチュエータリング部材155は、使用時に、第2の付勢要素158の付勢に抵抗してペダルスピンドルの回転軸122に平行な軸方向にクラッチ部材138の後面に隣接する通常位置から外向きに離れるように移動可能である。
【0082】
第2の付勢要素158は、圧縮バネを備えるものとして説明されているが、他の種類のいくつかのバネもしくは付勢要素もしくはさらにただ1つのバネもしくは付勢要素を使用してアクチュエータリング部材155をスプロケット取付部材138の後面に近接する通常位置に保持することもできることは理解されるであろう。
【0083】
板部材130が(第1の)付勢要素150と反対向きにスプロケット取付部材138に相対的に移動するときにスプロケット取付部材138から離れるアクチュエータリング部材155の軸方向移動を引き起こすためにスプロケット取付部材138内に少なくとも1つのレバー部材162を設ける。少なくとも1つのレバー部材162は、第1および第2の端部が各反対方向で前記中心部から外向きに延在する中央の円筒形部分を備える。少なくとも1つのレバー部材162を、その第1の端部の表面が板部材130と係合し、その第2の端部の表面がアクチュエータリング部材155と係合するようにスプロケット取付部材138内に取り付けるレバー部材162は、好ましくは、半径方向に延在する、つまり、中心部を通りペダルスピンドルの軸122に垂直に延在する枢軸の周りを枢動するようにスプロケット取付部材138に取り付けられる。レバー部材162の第1および第2の端部は、スプロケットアセンブリ110の前側から見たときに、つまり、図11または12に示されているように右側であるスプロケットアセンブリ110の前方向側から見たときに180度未満の角度を定める。
【0084】
スプロケット取付部材138は、それに付随する複数のそのようなレバー部材162を有することができる。図11に示されているように、それぞれのレバー部材162を、スプロケット取付部材138の外縁部分内に形成されるスルーホール164で受ける。それぞれのレバー部材162は、その第1の端部が十分に突き出て板部材の内面と係合するように、またその第2の端部が十分に突き出てアクチュエータリング部材の接面と接触するようにその各スルーホール164で受ける。それぞれのレバー部材162は、スプロケット取付部材138のリムに形成された半径方向に延在する開口168内に配置される枢動ピン166の周りを枢動する。レバー部材162は、最初にレバー部材162をそのスルーホール164内に通常の向きで押し込み、枢動ピン166を前記ピン166がその円筒形中央部分内のレバー部材162の一般的に中央に形成される枢動穴を通過するまで軸方向に延在する開口168に通すことによってスプロケット取付部材138とともに組み立てられる。使用時に、板部材130がスプロケット取付部材138に対して前方回転方向に移動すると、板部材の内面がそれぞれのレバー部材162の第1の端部に作用し、レバー部材を回転させる。板部材の内面に、各レバー部材162の第1の端部の端面と係合するのに十分な距離だけ内面から外向きに伸びる留め金(図示せず)を備えることができる。それぞれのレバー部材162が回転すると、その第2の端部は、スプロケット取付部材138の後面から外向きに、その通常の位置にあるときにアクチュエータリング部材155の内面を押すようにより長く伸長させられる。レバー部材162の第2の端部により、アクチュエータリング部材155は第2の付勢要素150の付勢に抵抗してスプロケット取付部材138から軸方向に移動して離れる。その結果、スプロケット取付部材138(およびしたがってスプロケット112)に関する第1の板部材130のわずかな相対的回転変位の結果、アクチュエータ部材155の軸方向変位が生じ、この軸方向変位はスプロケットの回転方向におけるスプロケット112への板部材130の相対的変位に比例する。
【0085】
モーターユニットが内燃機関を含む場合の図示されていない実施形態では、アクチュエータリング部材155は、前記内燃機関のスロットルケーブルを調整する機構に作用するように配置されうるものであり、これにより、アクチュエータリング部材155の移動はモーターのスロットルケーブルの比例する移動に変換され、これにより、モーターへの燃料供給が増大し、その結果、モーターユニットによって自転車の一部に加えられる駆動力の量が増大し、自転車の前進運動が引き起こされる。モーターの駆動力は、自転車乗りが自転車を人力で前方に推進するのを支援するために利用されるか、または自転車乗りが選択した場合に、自転車乗りの人力で加える力の代わりとなるものとしてよい。
【0086】
好ましい実施形態では、モーターは、以下の説明を読むとよりよく理解されるようにペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから電力の供給を受ける電気モーターを備える。
【0087】
一方の図16および17ならびに他方の図18および19は、アクチュエータリング部材155の軸方向移動をモーターなどの別のコンポーネント用に機械制御入力または電磁もしくは電気信号に変換し、例えば、ペダル駆動式装置の電気モーターによって伝えられる駆動力の大きさを調整もしくは増大するための代替的機構を示している。
【0088】
図16から19では、モーター170は、モーター170の回転子部分(図示せず)がスピンドル120を駆動するためにペダルスピンドル120に結合されるようにペダルスピンドル120と同軸状に取り付けられている。図11に示されているように、この配置構成では、モーター170が動作しているときにモーター170からの駆動力をペダルスピンドル120に伝えることができるが、モーター170が動作しておらず、駆動力がペダル116を通して人力で付与される場合にスプロケット112が一方向駆動手段190をオーバーランさせることを許す、一方向駆動手段またはオーバーランニングベアリング190(図11)を備えることが必要になる。一方向駆動手段190は、スプロケット取付部材138の相補的形状の内部穴内に係合するスプライン形状の外面を有する。モーターの回転子の駆動シャフト(図示せず)は一方向駆動手段190と結合し、これにより、モーターの回転子の駆動シャフトが一方向駆動手段190の穴の中に受け入れられる。図11の一方向駆動手段190は、モーター170がペダルスピンドル120の周りに取り付けられていないとき、つまり、モーター170が、例えば、後輪またはペダルスピンドルもしくはシャフト120以外の自転車の他の何らかの部品と係合するように取り付けられているときに、スプロケットアセンブリ110の本質的コンポーネントではないことは理解されるであろう。
【0089】
図16は、一方向駆動手段190を備える図11のスプロケットアセンブリが、スピンドル120の周りに取り付けられ、電気モーター170もペダルスピンドル120と同軸状に取り付けられ、したがってモーターの回転子は一方向駆動手段190を通じてペダルスピンドル120に駆動力を伝えるように構成されている配置構成を示している。
【0090】
モーター170は、ペダルスピンドル120がモーターの回転子の駆動シャフト(図示せず)の中空穴を通過するようにペダルスピンドル120の周りに取り付けられる。したがって、モーターの回転子の駆動シャフトは、ペダルスピンドル120と直接結合しないが、その代わりに、一方向駆動手段190を通じてスプロケット112に結合される。モーター170は、好適な手段によってスプロケット取付部材138のアセンブリに取り付けられるか、または結合されうる。
【0091】
モーター170のハウジング上に、物理的移動を自転車の別のコンポーネント用に電磁信号などの制御入力に変換するためのラックアンドピニオン機構1100が配置されている。この機構は、ラック1102とピニオン1104とを備え、これにより、ラック1102は、使用時に、リングアクチュエータ部材155の外面と係合する。その結果、ラック1102は、前記アクチュエータリング部材155がペダルスピンドルの回転軸122の周りに回転する場合であってもアクチュエータリング部材155と常に係合しているように位置決めされる。ラック1102は、ラック1102と回転するアクチュエータリング部材155との間の移動接触を円滑にする小輪1106を自由端のところに有する。ラック1102は、通常の位置を占有するように付勢され、自由端上の車輪1106がアクチュエータリング部材155の外面に当たる。ラック1102は、直線的に移動するように取り付けられる。
【0092】
アクチュエータリング部材155がスプロケット取付部材138から離れるように軸方向に移動させられる場合、これは、ラック1102に抵抗し、ラック1102を、好ましくは圧縮バネを備えるラックの付勢コンポーネント1108と反対の方向に直線的に移動させるが、任意の好適な付勢コンポーネントを使用することが可能である。ラック1102が移動すると、ラックアンドピニオン歯車アセンブリの一般的に慣例的な様式でピニオン1104も移動する。
【0093】
ピニオン1104は、ピニオン1104の回転量を測定し、ピニオン1104の移動量に比例する電磁信号を出力するホール効果センサーなどのセンサー1112を通すためにピニオン1104の移動時に配置される金属または磁気ストリップ1110を搭載する。したがって、この信号は、スプロケット取付部材138およびしたがってスプロケットアセンブリ110のスプロケット112に相対的な板部材130の相対的移動の程度に比例する電磁信号を含む。しかし、ピニオン1104の移動量を検出し、前記移動量を示す別のコンポーネントに対する制御入力を出力する手段を使用することが可能であることは理解されるであろう。実際、機構1100は、ラックアンドピニオン構成を備える必要はないが、ただし、アクチュエータリング部材155の軸方向の移動を検出し、前記感知された移動をアクチュエータリング部材155が移動した量を示す機械もしくは電気および/または電磁信号に変換するための手段を備える必要があり、これにより例えばモーター170の電力制御信号を送ることは理解されるであろう。
【0094】
モーター170には、ホール効果センサー1112から受信された信号を変換し、これを制御入力信号に変換し、アクチュエータリング部材155の移動の検出された量に比例してモーター170に供給される電流の量を制御する制御回路(図示せず)が付随する。したがって、使用者によってペダル駆動式装置の少なくとも1つのペダルに印加される圧力の量に応答して、かつそれに正比例して電気モーター170を制御してより多くの動力をペダル駆動式装置に伝え、スプロケットに対して第1の板部材の相対的変位を引き起こす手段としてアクチュエータリング部材の移動を使用することが可能である。
【0095】
図18も、一方向駆動手段190を備える図11のスプロケットアセンブリが、スピンドル120の周りに取り付けられ、電気モーター170はペダルスピンドル120と同軸状に取り付けられ、したがってモーター170の回転子は一方向駆動手段190を通じてペダルスピンドル120に駆動力を伝えるように構成されている配置構成を示している。
【0096】
ここでもまた、モーター170は、ペダルスピンドルがモーターの回転子の駆動シャフト(図示せず)の穴を通過するようにペダルスピンドル120の周りに取り付けられる。したがって、モーターの回転子の駆動シャフトは、ペダルスピンドル120と結合しないが、その代わりに、一方向駆動手段190を通じてスプロケットアセンブリ110に結合される。モーター170は、好適な手段によってスプロケット取付部材のアセンブリに取り付けられるか、または結合されうる。
【0097】
モーター170のハウジング上に、物理的移動を電磁信号に変換するための代替的ラックアンドピニオン機構1100’が配置されている。この機構は、湾曲したラック1102’とピニオン1104’とを備え、これにより、ラック1102’は、使用時に、リングアクチュエータ部材155の外面と係合する。その結果、ラック1102’は、前記アクチュエータリング部材155がペダルスピンドルの回転軸の周りに回転する場合であってもアクチュエータリング部材155と常に係合しているように位置決めされる。ラック1102’は、ラック1102’と回転するアクチュエータリング部材155との間の移動接触を円滑にする小輪1106’を自由端のところに有する。ラック1102’は、通常の位置を占有するように付勢され、自由端上の車輪1106’がアクチュエータリング部材の外面に当たる。ラックは、枢着部1114’の周りで枢動するように取り付けられる。
【0098】
アクチュエータリング部材155がスプロケット取付部材138から離れるように軸方向に移動させられる場合、これは、ラック1102’に抵抗し、ラックを、好ましくはトーションバネを備えるラックの付勢コンポーネント1108’と反対の方向に枢動させるが、任意の好適な付勢コンポーネントを使用することが可能である。
【0099】
ピニオン1104’は、ピニオンの回転量を測定し、ピニオンの移動量に比例する電磁信号を出力するホール効果センサーなどのセンサー1112’を通すためにピニオンの移動時に配置される金属または磁気ストリップ1110’を搭載する。したがって、この信号は、スプロケット取付部材38およびしたがってスプロケットアセンブリ110のスプロケット112に相対的な板部材130の相対的移動の程度に比例する電磁信号を含む。
【0100】
モーター170には、ホール効果センサー1112’から受信された信号を変換し、これを制御入力信号に変換し、アクチュエータリング部材の移動の検出された量に比例してモーターに供給される電流の量を制御する制御回路(図示せず)が付随する。
【0101】
図16から19の実施形態において、ラックアンドピニオン機構1100、1100’は、モーターユニット170のハウジングに取り付けられる。これは、モーターがペダルスピンドルと同軸状に位置するこれらの実施形態における前記機構に対する都合のよい位置であることを理解するであろう。これらの実施形態は、移動変位信号を電気制御信号に変換するための制御回路をモーターハウジング内に、またはモーターのハウジングに取り付けられている好適なコントローラ内に組み込むことを可能にするという点で有利である。これは、ホール効果センサーと制御回路とが装置上で互いに接近するように配置されたときにホール効果センサーと制御回路との間に電気信号の配線を引き回すきちんと整った解決手段ともなる。しかし、モーターユニットが自転車の別の部分上に位置する場合に、アクチュエータリング部材の移動を検出するための機構またはデバイスは、前記機構もしくはデバイスがリングアクチュエータ部材の前記移動を検出する位置に置かれるように自転車のフレームに取り付けることができることは理解されるであろう。移動検出手段をモーター制御回路に接続するための好適な配線を自転車のフレームに通して引き回すことができる。
【0102】
使用時に、モーターを利用することを望んでいる使用者は、好ましくは自転車のハンドルバーに付いているスイッチまたは同様のものを操作して、モーターへの電力供給をスイッチオンすることができるが、いくつかの実施形態では、電源スイッチが備えられておらず、モーターユニットは、常にオンモードに入っているが、電力の供給は、使用者が少なくとも前方のペダルに十分な力をかけ、スプロケットに相対的な板部材の移動を引き起こしたときにのみなされる。この接続では、第1の付勢要素または手段の装填は、モーターに電力を供給し、それにより使用者が自転車を順方向に推進するのを補助するために、使用者によってペダルに印加される力の閾値レベルを決定する重要な役割を果たすことは理解されるであろう。
【0103】
電源は、好ましくは、自転車のフレーム上に搭載される充電式バッテリを備える。モーターへの電源をスイッチオンすると、使用者は、少なくとも前方に面するペダルを圧してそれにより板部材をスプロケットに相対的にわずかな量だけ回転変位させることにより、電源によってモーターに供給される電力(電流)の量を制御することができる。使用者がスプロケットアセンブリの付勢手段に抵抗して印加する圧力の量は、許容可能な範囲にわたって供給される電力の量を決定する。本発明によって教示される新規性のある配置構成では、自転車乗りがハンドルバーに取り付けられたスロットル制御装置を操作する必要がなくなり、自転車乗りは空いた手でブレーキおよびギアチェンジ機構などのハンドルバー装着制御装置を操作することができる。さらに、ペダルに付随する電源制御手段を使用することで、モーターへの電力供給を、手で作動させる制御装置を使用した場合に比べてより直観的に制御することができる。
【0104】
第1の付勢要素または手段の荷重は、平地でのサイクリングなどの通常のサイクリング条件の下で、通常の人力圧力がアクチュエータ部材の軸方向移動を引き起こす板部材とスプロケット取付部材との間の十分な変位を引き起こさず、そのためモーターユニットに電力が供給されないように選択できることは理解されるであろう。しかし、付勢手段の荷重は、使用者が傾斜地を上るなどの難しい地形上のサイクリングをしている場合、または使用者が通常の地形であっても素早く加速することを求めている場合に、自転車乗りがペダルに加える圧力を増すと(通常の定常サイクリング状態と比較して)、アクチュエータ部材が移動し、それにより、電力がユニットに供給され、それにより自転車に補助推進力を与えるように、選択されうる。
【0105】
代替的実施形態では、第1の付勢手段の荷重は、使用者が、適切なモーター電源スイッチユニットを通じてモーターユニットへの電源をスイッチオンした後、アクチュエータ部材の作動を引き起こし、それにより電力をモーターユニットに供給するために前方のペダルに適度の順方向圧力を印加するだけでよいように選択されうる。これは、特に、使用者が前進運動している自転車にモーターユニットが動力を送るのを補助することを可能にするためにペダルを備える、したがってペダルはときどき使用されるだけである実施形態において特に有用であるものとしてよい。このような配置構成では、通常は使用されないペダルは、都合のよいモータートルクセンサーまたはモーター電力調節コントローラを構成する。
【0106】
上記の配置構成では、本発明による修正されたスプロケットアセンブリは、使用者によってペダルに印加される圧力が推進される自転車に抵抗する力に依存するという点である種のトルクセンサーとして機能し、それにより、抵抗力が増大するにつれ使用者はペダルにさらに圧力を加えなければならなくなる可能性があり、そのためアクチュエータ部材が作動される可能性がより高くなる。アクチュエータ部材の作動および作動のそれの程度は、自転車を推進するために必要なトルクに比例するものとしてよい。したがって、本発明による修正されたスプロケットアセンブリを電動アシスト自転車または同様のものに対するトルクセンサー装置もしくはデバイスで具現化することが可能であることが企図されうる。
【0107】
本発明の上記の配置構成のいずれかにおいて、モーターユニットに供給される電力の制御もしくは調節は、使用者がモーターユニットの電力レベルの調節の量にリンクした圧力の程度で少なくとも前方のペダルを圧すことに依存する。本発明は、モーターに供給される電力のレベルを制御または調節するより都合のよい手段を実現し、また調節を行うより直観的な手段も実現する。これは、部分的には、使用者が(自転車の順運動方向に見たときの)後方の足を、前方のペダルを圧してモーターユニットの電力レベルの調節を行う前方の足のカンタータバランスとして使用することができるからである。
【0108】
図20から24は、本発明のスプロケットアセンブリおよび自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「20」を先頭に付加した図11から19の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。特に断りのない限り、この実施形態の構造および動作は、少なくとも説明されているのと同じ、構造および構成の変更を有する図11から19に関連して説明されているのと一般的に同じであることは理解されるであろう。
【0109】
図20は、本発明のこの実施形態に対する駆動スプロケットアセンブリ2010の分解斜視図であり、図21および図22は、それぞれ、駆動スプロケットアセンブリの正面図および側断面図であるが、図22は、モーターユニット2070と組み合わせたスプロケットアセンブリも示している。図23は、この実施形態による自転車の後部の側面図であり、図24は自転車の後部の上面図である。
【0110】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0111】
図20のスプロケットアセンブリ2010は、これが従来自転車に見られるようなチェーン伝動装置と係合するように構成されている種類の歯付きスプロケットを備えないという点で図11と異なる。ベルト駆動プーリー2012は、第1の実施形態(図11)のスプロケットの場合と同様にしてスプロケット取付部材2038に取り付けられる。ベルトプーリー2012は、スプロケット取付部材2038の後面に設けられている陥凹部2038a内に配置される内向きに延在するスパイン2012aを、その内面上に有する。ベルトプーリー2012は、固定され一緒に回転するように取付部材2038に留められる。ベルトプーリー2012は、スプロケット取付部材138の外周表面に被さるように部分的に嵌合して、レバー部材2062をスプロケット取付部材2038に枢動可能に取り付けるピン2066を受け入れるための開口2068を覆い、それにより前記ピン2066を適所に都合よく留める。
【0112】
ベルトプーリー2012は、使用時に、ベルト駆動部材2047(図23)の内面上に設けられている相補的形状の歯付き部分と係合する矩形の歯を有する。ベルト駆動部材2047は、図23に示されているような部分的に図示されている自転車の後輪2057のハブ2049上に設けられているより小さなベルトプーリー2058を駆動する。そうでなければ、図20から24のスプロケットアセンブリは、図11から19に関して説明されている方法で制御入力を発生するように動作するが、制御入力は、以下で説明するように、モーター2070を制御する以外に別の目的のために使用することもできる。
【0113】
図22および24は、ペダルスピンドル2020と同軸状に取り付けられていることを示しているが、これはこの実施形態の本質的特徴ではないことは理解されるであろう。図22は、図16から19によって示されている種類のラックアンドピニオンアセンブリ20100、20100’がモーター2070のハウジングに取り付けられるが、例えば、モーター2070がペダルスピンドル2020と同軸状に配置されていない場合、ラックアンドピニオンアセンブリ20100、20100’は自転車のフレームに取り付けることができることを例示している。図24は、本発明の他の実施形態との関連で以下でさらに詳しく説明される歯車比調節機構2077を備えることを例示している。
【0114】
図25から27は、本発明による自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「30」を先頭に付加した図11から19の説明および/または図20から24の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0115】
図25は、歯車調整機構3077を備える本発明のこの実施形態の自転車の後輪アセンブリの分解斜視図である。図26は、自転車の前記後部の側面図であり、図27は、自転車の後部の上面図である。
【0116】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0117】
モーターユニットの代替えとして、またはそれに加えて、自転車は、歯車装置調整手段を備えることができる。前記歯車装置調整手段は、前記歯車装置調整手段にペダル駆動式装置の歯車装置変更を行わせるために前記変換手段から制御入力を受け取るように構成される。歯車調整手段は、自転車の後輪に付随させることができ、変換手段から制御入力を受け取りそれにより後輪に印加される歯車比の変更を引き起こすように構成される。歯車装置調整手段は、連続可変歯車比を有する無段変速機(CVT)システムを備えることができ、前記CVTシステムは前記入力制御信号を受信し、歯車比を移動検出手段によって検出された移動に比例する量だけ調整するように構成される。CVTシステムは、前記入力制御信号に応答して歯車比を連続的に変化させるように構成されうる。好ましくは、CVTシステムは、これに付随する、前記入力制御信号を受信するように構成されているサーボモーターを有し、これにより、入力制御信号に応答するサーボモーターの動作は、CVTシステムの制御ピンの移動を通じて歯車比の連続可変の変更を引き起こす。
【0118】
この実施形態は、図11から19の第1の実施形態によるチェーン伝動装置または図20から22の第2の実施形態によるベルト伝動装置を備えることができる。この実施形態は、ペダルスピンドルに同心軸状に取り付けられたモーターまたは自転車上の別の位置に取り付けられたモーターを備え、自転車を前方に推進する駆動力をもたらすことができる。しかし、この実施形態は、自転車の前方推進を補助するためのモーターを備えないが、従来の方式でペダルのみによる動力を与えることができる。しかし、本発明による自転車のこの実施形態は、スプロケットの回転方向にスプロケットに相対的な第1の部材の移動を検出するための手段および前記検出された移動を制御入力に変換するための手段を有する図11から19または図20から24に関してすでに説明されている種類のスプロケットアセンブリ(図示せず)を備えていなければならない。したがって、これらの手段を有するスプロケットアセンブリは、前の方で説明されているような本発明の前記実施形態によるものとすることができる。この実施形態では、スプロケットに相対的な第1の部材の移動量を示す制御入力を歯車装置調整機構3077と連携して使用する。
【0119】
歯車装置調整機構3077は、後輪3057のハブ3049に付随する形で取り付けられる。その機能は、ハブ3049が受けた駆動力と後輪3057の回転との間の適用される歯車比を変化させることである。歯車装置調整機構3077は、従来の変速機構を備えることができ、歯車比は不連続ステップで変更される。しかし、好ましくは、歯車調整機構3077は、無段変速装置(CVT)を備える。無段変速装置(CVT)は、最大値と最小値との間で無限に多くの数の有効歯車比で無段階に変化させることができる変速装置である。これは、いくつかの異なる差動歯車比を選択することのみを許す他の機械式変速装置とは対照的である。 CVTの柔軟性により、駆動シャフトはある範囲の出力速度について一定の角速度を維持することができる。
【0120】
CVT 3077は、任意の知られている種類のCVT変速機とすることができる。しかし、本発明による自転車で使用するようにCVT 3077を修正するために、CVT 3077は、CVT 277の動作ピン3078の位置を調整するように動作する調整機構3080を備える。使用時に、ピン3078がCVT 3077に向かって内向きに移動するか、またはCVT 3077から離れる形で外向きに移動することで、CVT 3077の現在の歯車比が変化する。このピンの動作は、知られている様式に従う。しかし、本発明のこの実施形態でなされる修正では、調整機構3080を備えるようにCVT 3077を修正し、スプロケットアセンブリからの制御入力に応答して調整機構3080を制御する。
【0121】
調整機構3080は、その出力シャフト3083上にピニオンギア3082を有するサーボモーター3081を備えるコンポーネントを有する。使用時に、サーボモーターのピニオンギア3082は、調整ボルトとナットとの組み合わせ3085を通じて、CVT 277に対してピン3078の位置を調整しそれによりCVT 3077の歯車比を変更する大きな歯車3084を駆動する。調整機構のコンポーネントは、ハウジング3086に収納される。サーボモーター3081に付随する制御回路(図示せず)は、スプロケットアセンブリの板部材が自転車のペダルのうちの少なくとも前方のペダルに印加される人力圧力の下でスプロケットに相対的に移動した量を示すスプロケットアセンブリからの制御入力を含む信号を入力として受信する。その結果、歯車比を変更したい自転車乗りは、自転車のペダルのうちの少なくとも前方のペダルに圧力をかけることによってそうすることができ、したがってこれにより、板部材とスプロケットとの間に相対的回転変位が引き起こされ、またこれによりスプロケットアセンブリに付随するラックアンドピニオン機構が検出された移動を制御信号に変換する。この実施形態では、制御入力は、サーボモーター3081の動作を制御するために使用される電気制御信号または電子制御信号を含み、これにより、調整機構3080がピン3078の位置をCVT 3077の内向きに、または外向きに変えるようにすることが好ましい。
【0122】
図28は、本発明による自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「40」を先頭に付加した図11から19の説明、図20から24の説明、および/または図25から27の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0123】
図28は、本発明の別の態様による自転車の後部の部分断面上面図である。本発明による自転車のこの実施形態は、ペダルスピンドルシャフト4020と同軸状に取り付けられる形で示されているようにモーターユニット4070を備えることができるが、モーターは、ペダルスピンドルシャフトと同軸状に取り付けられず、その代わりに自転車の別の部分に取り付けられうることは理解されるであろう。さらに、この実施形態は、モーターを備えず、図25から27に関して説明されている実施形態と同様に、自転車の後輪4057の後部ハブ4049に設けられているCVT 4077の歯車比の調整を制御するためにスプロケットアセンブリ4010によってもたらされる制御入力を使用することができる。
【0124】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0125】
本発明による自転車のこの実施形態は、スプロケットが前大歯車4012を備えるという点で他の実施形態と異なる。前大歯車4012は、駆動ロッド4091の第1の端部上に設けられている第1のかさ歯車4090と係合する面取りした歯付き部分をその周上に有する。相補的な第2のかさ歯車4092が、駆動ロッド4091の第2の対向する端部上に設けられ、次いで、この第2のかさ歯車4092は、自転車の後輪4057のハブ4049上に取り付けられている後側の面取りした大歯車4093と係合する。駆動ロッドは、軸受4097、4097’によって回転可能に支持される。駆動ロッド4091ならびに第1および第2のかさ歯車4090、4093は、自転車のフレームの一部を形成する、つまり、後輪4057が回転可能に取り付けられる2つの後部に面するストラットのうちの一方を形成するハウジング4099内に収容することができる。使用時に、スプロケットアセンブリ4010の前大歯車4012に印加される駆動力は、第1および第2のかさ歯車4090、4092、駆動ロッド4091、および後大歯車4093を介して、後輪のハブ4049内に設けられているCVT 4077に伝達される。この方法で、本発明のこの実施形態による自転車では、チェーンもしくはベルト駆動装置を使用しないが、前大歯車のスプロケット4012から自転車の後輪4057に駆動力を伝達するために歯車と駆動ロッドの組み合わせを使用する。
【0126】
上で説明されている違いに加えて、本発明のこの実施形態と他の実施形態との間の別の違いとして、大歯車のスプロケット4012に相対的なスプロケットアセンブリ4010の第1の板部材4030の移動を検出するための手段は、板部材4030の前面に隣接して取り付けられているアクチュエータリング部材4055を備えるという点が挙げられる。アクチュエータリング部材4055は、アクチュエータリング部材4055の軸方向移動を板部材4030から離れるように図16から19に例示されている種類のラックアンドピニオン機構40100、40100’に伝えるようにレバー部材4094と係合する面取り縁部分を有する。この実施形態では、他の実施形態と同様に、板部材4030は、自転車乗りによって人力圧力がペダル4016のうちの少なくとも1つの前方のペダルに印加されたときにいくつかの条件の下で大歯車スプロケット4012に相対的に限定された回転変位量を有するように構成される。概して、この実施形態のスプロケットアセンブリ4010は、上述の構造の違いを除き図11から19のスプロケットアセンブリと大部分は同様に動作する。さらに、この実施形態のCVT 4077は、図25から27に関して説明されているCVT 3077と大部分は同様に動作する。
【0127】
図29から35は、本発明による自転車の別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「50」を先頭に付加した図11から19の説明、図20から24の説明、図25から27の説明、および/または図28の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0128】
図29は、本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。図30は、図29のスプロケットアセンブリの正面図であるが、図31は、図29の直線B−Bにそって切り取った側断面図であり、図32は、図29の直線C−Cにそって切り取った側断面図である。図33は、図29のスプロケットアセンブリの後面図であるが、図34は、図33の直線D−Dにそって切り取った側断面図であり、図35は、図33の直線E−Eにそって切り取った側断面図である。
【0129】
当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0130】
この実施形態のスプロケットアセンブリ5010は、第1および第2のスプロケット5012、5012’を備える。第1のスプロケット5012は、スプロケット取付部材5038に固定され、使用時に、自転車の第1のスプロケット5012から後輪に駆動力を伝達するためのチェーン伝動装置を駆動する。この実施形態の第1のスプロケット5012は、図11から19の実施形態のスプロケットとは対照的に内向きに垂れ下がるスパインを備えず、この実施形態のスプロケット取付部材5038は陥凹後面を有しない。しかし、スプロケット5012は、図11から19の実施形態のスプロケットおよびスプロケット取付部材と同様にして一緒に回転するようにスプロケット取付部材5038に固定され、したがって大部分は同じように機能する。
【0131】
第2の駆動スプロケット5012’は、一緒に回転するようにスプロケット取付部材5038にも取り付けられるが、ただし、図31および33を見ると最もよくわかるように第1のスプロケット5012とは反対の側に取り付けられる。第2のスプロケット5012’は、第2のチェーン伝動装置(図示せず)から駆動力を受けるように配置される。第2のチェーン伝動装置は、この実施形態においてペダルスピンドルシャフトと同軸状に取り付けられていないが、自転車のフレームの別の部分に取り付けられているモーターユニット(図示せず)によって駆動される。その結果、この実施形態は、モーターユニットから第2のスプロケット5012’に駆動力を伝達するための第2のチェーン伝動装置と、自転車の第1のスプロケット5012から後輪に駆動力を伝達するための第1のチェーン伝動装置の2つのチェーン伝動装置を有し、前記伝動装置は、ペダルを人力で操作する使用者、および/または第2のチェーン伝動装置を通じてモーターユニットによってもたらされる。
【0132】
スプロケットアセンブリ5010は、図11から19の実施形態に関して説明されている種類のアクチュエータリング部材5055を備える。
この実施形態では他の実施形態と同様に、第1の板部材5030は、第1のスプロケット5012のスプロケット取付部材5038に相対的な限定された回転変位量を有するように構成され、この移動を検出するための手段5062および検出された移動を制御入力に変換するための手段50100、50100’は、図29から35を見るとわかるように他の実施形態と同様にして実現される。移動検出手段のレバー5062は、取付用金具5088を使用してスプロケット取付部材5038に取り付けられる。
【0133】
図36は、本発明の実施形態によるスプロケット12に関する板部材30の相対的変位を検出するための付随する手段100、100’を伴うスプロケットアセンブリ10および自転車乗りが自転車に前進運動の動力を与えるのを補助するための付随する電源を伴うモーター70を有する自転車500を示している。図12に示されている点線により、モーターの多数の可能な位置のうちのいくつかについて例示している。例えば、モーター70は、前輪もしくは後輪のタイヤもしくはリムのうちの1つと係合するように取り付けられうる。あるいは、モーターは、後輪の駆動スプロケットもしくはアクスル、または前輪のアクスルに結合するように取り付けることができる。あるいは、これは、好ましい実施形態のうちのいくつかに関連して本明細書で開示されている新規性のある方法で取り付けることができ、これにより、モーターの回転子は、ペダルスピンドル20と同軸状に取り付けられるか、またはペダルスピンドルから離れた位置に置かれ、第2のチェーン伝動装置もしくはベルトによって第2のスプロケットに連結される。
【0134】
図37から40は、本発明によるスプロケットアセンブリの別の実施形態を示している。以下の説明では、番号「70」を先頭に付加した図11から19の説明、図20から24の説明、図25から27の説明、図28の説明、図29から35の説明、および/または図36の説明で使用されているような類似の番号を使用して、類似の部品を表し、実施形態の間の違いの説明がわかりやすくなるようにしている。
【0135】
この実施形態は、一般に、リングアクチュエータ部材もしくはプッシュプレートの移動を、モーターもしくはギアチェンジ機構などのペダル駆動式装置のコンポーネント用の制御信号に変換するための非接触型手段に関するものである。したがって、当業者であれば、この実施形態の以下の説明から、この実施形態の新規性のある特徴がこの実施形態だけに限定されず、本明細書で説明されている他の実施形態にも適用可能であることを理解するであろう。さらに、他の実施形態の新規性のある特徴は、本発明のこの実施形態に適用可能である。
【0136】
図37は、図38の直線B−Bにそった本発明の別の実施形態による駆動スプロケットアセンブリの側断面図である。図38は、図37のスプロケットアセンブリの正面図である。図39は、図37および38のスプロケットアセンブリの板部材とスプロケット取付部材の拡大部分断面図である。図40は、図37から39の駆動スプロケットアセンブリの分解斜視図である。
【0137】
この実施形態のスプロケットアセンブリ7010は、第1および第2のスプロケット7012、7012’を備える。第1のスプロケット7012は、スプロケット取付部材7038に固定され、使用時に、一配置構成において第1のスプロケット7012から例えば自転車の後輪に駆動力を伝達するためのチェーン伝動装置(図示せず)を駆動するが、ペダル駆動式装置は自転車とは別の装置を含みうる。この実施形態の第1のスプロケット7012は、図11から19の実施形態のスプロケットと同様に内向きに垂れ下がるスパイン7012aを備えるが、内向きに垂れ下がるスパイン7012aは、図11から19の実施形態のスプロケット内に延在するほどには内向きに延在しない。スプロケット7012は、図11から19の実施形態および他の実施形態のスプロケットおよびスプロケット取付部材と同様にして一緒に回転するようにスプロケット取付部材7038に固定され、したがって同じように機能する。
【0138】
第2の駆動スプロケット7012’は、一緒に回転するようにスプロケット取付部材7038にも取り付けられるが、ただし、図37を見ると最もよくわかるように第1のスプロケット7012とは反対の側に取り付けられる。第2のスプロケット7012’は、第2のチェーン伝動装置(図示せず)から駆動力を受けるように配置される。第2のチェーン伝動装置は、この実施形態では、他の実施形態のうちのいくつかとは対照的に、ペダルスピンドルシャフトと同軸状に取り付けられていないが、自転車のフレームの別の部分に取り付けられているモーターユニット(図示せず)によって駆動される。その結果、この実施形態は、モーターユニットから第2のスプロケット7012’に駆動力を伝達するための第2のチェーン伝動装置と、自転車の第1のスプロケット7012から後輪に駆動力を伝達するための第1のチェーン伝動装置の2つのチェーン伝動装置を有し、前記伝動装置は、ペダルを人力で操作する使用者、および/または第2のチェーン伝動装置を通じてモーターユニットによってもたらされる。
【0139】
スプロケットアセンブリ7010は、図11から19の実施形態に関して説明されているのと似た、ただし正確に似てはいない、種類のアクチュエータリング部材7055またはプッシュプレート7955を備える。この実施形態における例外の1つは、アクチュエータリング部材7055が以下でさらに詳しく説明するように第1の板部材7030の検出された移動を制御入力に変換するための手段に対して非接触式に動作するように構成される。
【0140】
この実施形態では他の実施形態と同様に、第1の板部材7030は、第1のスプロケット7012のスプロケット取付部材7038に相対的な限定された回転変位量を有するように構成され、この移動検出するための手段7062および検出された移動を制御入力に変換するための手段70110、70120、70112を備える。移動検出手段のレバー7062は、取付用金具7088および枢動ピン7066を使用してスプロケット取付部材7038に取り付けられる。
【0141】
他の実施形態と同様に、使用者が人力圧力をペダルのうちの少なくとも前方のペダルに印加したときに、第1の板部材7030は付勢要素7050によって制御される量だけスプロケット7012のスプロケット取付部材7038に対して回転変位させられる。この回転変位により、レバー7062は、図39を見ると最もよくわかるように、レバー7062の遠位端がアクチュエータリング部材またはプッシュプレート7055と係合し、それをスプロケット7012のスプロケット取付部材7038から離れる形で軸方向に移動させるようにその通常の位置から枢動する。プッシュプレート7055の検出された軸方向の移動を変換するための手段70110、70120、70112は、非接触型手段を備える、つまり、プッシュプレート7055は、本発明の他の実施形態とは対照的に前記手段70110、70120、70121と物理的に接触せず、アクチュエータリング部材/プッシュプレートが変換手段の一部と物理的に係合する。この実施形態では、手段70110、70120、70112は、プッシュプレート7055上に搭載された帯磁要素70110およびカラー70120上に取り付けられているホール効果センサーなどのセンサー70112を備え、これにより、前記軸方向のアクチュエータ部材7055の移動によってセンサー70112に相対的な帯磁要素70110の移動が引き起こされる。センサー70112は、カラー70120の周囲表面上に形成された陥凹部内に板を使って取り付けられる。この実施形態を示す図では1つのセンサーしかし例示されていないけれども、複数のセンサーがありうる。カラー70120は、スピンドル7020に相対的な固定された軸方向位置でスプロケットアセンブリの背後に留められる。帯磁要素は、前記アクチュエータリング部材7055のカラー部分7055a上に搭載されうる。帯磁要素70110は、プッシュプレートがスプロケット取付部材7038から離れる形で軸方向に移動するときに、帯磁または磁気要素がセンサー70112の方へ移動するようにプッシュプレート7055上に配置されうる。帯磁要素70110は、リング形状の磁気要素を備えることができるか、またはプッシュプレート7055上に搭載された複数の独立した、ただし、相隔てて並ぶ磁気要素を備えることができる。センサーに相対的な磁気要素70110の移動は、ペダル駆動式装置のモーターもしくはギアチェンジデバイスなどの別のコンポーネント用の制御入力信号に変換されうるセンサーの磁場の変動を引き起こす。
【0142】
この実施形態と本明細書で説明されている他の実施形態とのさらなる違いは、水、汚れ、および/または他の汚染物質がスプロケットアセンブリ7010内に、およびより具体的には、プッシュプレート7055、移動検出手段7062、および検出された信号をペダル駆動式装置の別のコンポーネント用の制御入力に変換するための手段70110、70120、70112を収納するスプロケットアセンブリの側部に侵入するのを防ぐように機能する保護カバー70123をスプロケット取付板7038の背後に備える点である。
【0143】
この実施形態は、リングアクチュエータ部材もしくはプッシュプレートの移動をペダル駆動式装置のコンポーネント用の制御信号に変換するための非接触型手段を有する結果、多くの利点を有している。利点の1つは、変換手段を実装するための部品点数を減らせるという点である。さらなる利点は、プッシュプレートと変換手段の一部との間の接触を回避することを通じて摩耗を減らせるという点である。さらなる利点として、非接触型変換手段の感度を、プッシュプレートと変換手段の一部との間に物理的係合を必要とする他の実施形態に比べて高めることができる点が挙げられる。
【0144】
この実施形態および他の実施形態では、ペダル駆動式装置のペダル7018のうちの少なくとも前方のペダルに人力圧力が印加されていないときに第1の板部材7030に対してスプロケット取付部材7038を第1の位置に付勢する複数の付勢要素7050を、前記付勢要素7050の少なくとも1つの付勢要素が前記ペダル7018のうちの前方のペダルに人力圧力が印加されたときに前記付勢要素のうちに他方の付勢要素の前に係合される構成をとるように配置することができる。その結果、前記付勢要素7050のうちの前記少なくとも1つの付勢要素は、スプロケット取付部材7038に関する前記第1の板部材7030の可能な行程の第1の部分に対するスプロケット取付部材7038に対する第1の板部材7030の移動を制御する。これら複数の付勢要素7050は、付勢要素の第1のセットおよび付勢要素の第2のセットを含むことができ、付勢要素の前記第1のセットは、人力圧力が前記ペダルのうちの前方のペダルに印加されたときに付勢要素の第2のセットの前に係合されるように構成される。これにより、付勢要素の第1のセットは、スプロケット取付部材7038に対する前記第1の板部材7030の可能な行程の第1の部分に関して、スプロケット取付部材7038に対する第1の板部材7030の移動を制御する。第1のセットの付勢要素、つまり、バネ7050は、付勢要素の前記第2のセットを含むものに比べて長く、軟らかいバネであってよい。この配置構成の利点は、スプロケットアセンブリが、スプロケット取付部材7038に関する第1の板部材7030の可能な回転調整の最初の部分について使用者が人力圧力をペダル7018に印加することに対し、スプロケット取付部材7038に関する第1の板部材7030の可能な回転調整の後続部分と比べてより強く応答する点である。さらに、付勢要素7050は、付勢要素の3つまたはそれ以上のセットに分けることも可能であり、それぞれのセットは先行するセットより短く、かつ硬く(バネ係数が高い)、したがって、使用者がペダルに加える圧力に対するスプロケットアセンブリの応答性は、使用者によって印加される人力圧力が高まるにつれ次第に感度を弱めてゆく。
【0145】
図41および42は、本発明によるモーターおよびスプロケットアセンブリの別の実施形態を示している。この実施形態は、図11から19、図20から24、図25から27、図28、図29から35、図36、および図37から40ならびにいくつかの新しい図で示されている実施形態のうちのいくつかからの要素の組み合わせである。当業者であれば、この実施形態の新しい特徴は、本発明の他のすでに説明されている実施形態における好適な修正とともに利用することができることを理解するであろう。
【0146】
図41および42を参照すると、本発明によるモーターおよび駆動機構アセンブリの一実施形態が示されている。前記モーターおよび駆動機構アセンブリを有する自転車などの装置は、外部からもたらされる駆動力をモーターの補助シャフト8032に印加するための人力操作可能なペダル8010の形態の手段を備えることができ、前記補助シャフト8032は例えば自転車のペダルスピンドルを含む。ペダル8010は、人力でもたらされる駆動力を受けるための前記ペダルスピンドル8032とともに回転するように固定されている。モーターは、モーターがもたらす駆動力を受けるためのモーターシャフト8035を有する。第1のトルク伝達経路は、人力でもたらされる駆動力をペダル駆動式装置のスプロケット8042を備える駆動機構に伝達するために設けられ、第2のトルク伝達経路は、モーターがもたらす駆動力をペダル駆動式装置の前記スプロケット8042に伝達するために設けられている。第1の一方向駆動手段8050は、スプロケットが第2のトルク伝達経路を通じてモーターがもたらす駆動力によって駆動されているときにペダルスピンドルが惰性で回ることができるようにペダルスピンドル8042とスプロケット8042との間の第1のトルク伝達経路内に設けられる。
【0147】
この配置構成の利点は、フリーホイールスプロケットを自転車の後輪に設ける必要がないという点にある。これは、第1の一方向駆動手段8050が、モーター駆動装置が動作しているときにペダルスピンドル1が慣性で回ることを可能にすることに加えてこの機能を備えるからである。
【0148】
第1のトルク伝達経路は、少なくとも外部駆動力を与えるための手段、つまり、人力操作可能なペダル8010、補助シャフト8032、つまり、ペダル8010が一緒に回転するように固定されているペダルスピンドル、および第1の一方向駆動手段8050を備える。第1の一方向駆動手段8050は、ペダルスピンドル8032をスプロケット8042に機械的に結合し、第1の一方向駆動手段8050は、ペダル8010に印加される人力でもたらされる駆動力をスプロケット8042に伝達し、これによりスプロケットを回転させる。第1の一方向駆動手段8050は、スプロケットがモーターシャフト8035によって駆動されているときにペダルスピンドルが慣性で回ることも可能にする。第1の一方向駆動手段は、オーバーランニングベアリング8050またはオーバーランニングクラッチなどのフリーホイールデバイス、または一方向駆動手段の出力部材を通して駆動力を印加することを可能にするが、入力部材が前記第1の一方向駆動手段を通じて駆動力が伝達されないときに慣性で回るのに適しているデバイスを備えることができる。
【0149】
第2のトルク伝達経路は、少なくともモーターシャフト8035と、モーターシャフト8035をスプロケット8042に機械的に結合するモーターのケーシング8038内に収納されている歯車機構と、歯車機構とスプロケットとの間にある第2の一方向駆動手段8055とを備える。歯車機構はある減速比を有し、モーターがもたらす駆動力をモーターシャフトから駆動機構、つまり、スプロケットに前記減速比で伝達するように動作する。歯車機構は、回転軸がモーターシャフトの回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車8040を有する遊星歯車機構を備えることができる。第2の一方向駆動手段8055は、スプロケット8042が外部からもたらされる駆動力をペダルスピンドル8032に加えることによって駆動されている場合、第2の一方向駆動手段8055は、モーターシャフトが静止状態の留まることを可能にする、つまり、人力で印加される駆動力によってさらに駆動されるのを妨げるように配置される。第2の一方向駆動手段は、オーバーランニングベアリングまたはオーバーランニングクラッチなどのフリーホイールデバイス、または一方向駆動手段の出力部材を通して駆動力を印加することを可能にするが、入力部材が前記第2の一方向駆動手段を通じて駆動力が伝達されないときに慣性で回るのに適しているデバイスを備えることができる。
【0150】
これにより、高速モーターを使用することが可能になり、これにより歯車機構は好適な減速比をモーターの出力シャフトに適用し、スプロケットを高トルクおよび低速で回転させる(相対的に言って、モーターシャフトのほか回転速度と比較したとき)。
【0151】
図41から42により明示的に示されているように、モーターおよびスプロケットアセンブリは、モーター、軸受8063によって支持されているモーターの回転子の中空シャフト8035、モーターの一端のところの端部カバー8071、つまり、遊星歯車機構のケーシング8038、遊星歯車機構のケーシング8038内に固定されている内歯車環8034、モーターの中空シャフト8035の周りに固定された偏心輪8037、および中空シャフト8035とシャフト8035から偏心輪8037にトルクを伝達するための偏心輪8037との間に配設されている平キーを備える。遊星歯車8040は、偏心輪とともに回転するように、軸受8039のペアを使って偏心輪8037の外周に嵌合され、内歯車環8034の歯と係合するが、いくつかの実施形態では1つの軸受しか使用しない。遊星歯車キャリア8058は、軸受8051を使ってケーシング8038内に支持される。浮遊継手フランジ8059は、遊星歯車8040と遊星歯車キャリア8058との間に配置されている。遊星歯車は、その周近くで半径方向に延在する少なくとも2つの対向する細長い開口8060を有する。遊星歯車キャリア8058は、その周の対向する縁に形成された2つの細長い内向きに垂れ下がっている開放端スロット8049を有し、遊星歯車キャリア11の細長いスロット8049は、遊星歯車の開口8060から約90度の角度で離間される。浮遊継手フランジ8059は、その対向する面のそれぞれにスライドブロック8061のペアを有し、フランジの一方の面上の前記スライドブロックの第1のペアは、フランジの対向側の面上に形成されたブロックの第2のペアから90度の角度で離間されている。スライドブロックの第1のペアは、遊星歯車の細長い開口内に摺動可能に配置されるように構成されるが、スライドブロックの第2のペアは、遊星歯車キャリアのスロット内に配置されるように構成される。遊星歯車内の開口および遊星歯車キャリア内のスロットと連携するフランジ継手8059内のスライドブロックの2つのペアの機能は、モーターシャフトの回転軸に関する遊星歯車の偏心移動を受け入れ、遊星歯車から遊星歯車キャリアに、したがってチェーン伝動装置8042にモーターの駆動力を伝達させることである。遊星歯車から遊星歯車キャリア11にモーターの駆動力を伝達させるために、スプロケット/チェーン伝動装置8042とともに回転するように第2の一方向駆動手段を介して遊星歯車キャリアを結合する。
【0152】
ペダルの中央スピンドル8032は、モーターの中空シャフト8035内に自在に配設され、モーターシャフトと同軸に取り付けられる。ペダルの中央スピンドルは、軸受を使ってモーターの中空シャフトおよび遊星歯車キャリア内に支持される。ペダルのクランク8010は、ペダルの中央スピンドル8032の端部に配設される。アセンブリのスプロケット側にあるペダルのクランク8010には、前記ペダルスピンドル8032上に固定されている一方向フリーホイール8050を備える第1の一方向駆動手段が付随する。
【0153】
図41および42に示されているように、トルクセンサー機構の構造部材は、モーターのケーシングの右側に配置され、電気モーターの作動状態を制御するように設計されているコントローラは、モーターの左端キャップ内に配置される。
【0154】
トルクセンサーは、駆動ディスク8045の形態の第1の環状板タイプの部材および被駆動ディスク8044の形態のチェーンプーリーまたはスプロケット取付部材を備える。チェーンプーリーまたは駆動スプロケット8042は、ボルトもしくはネジによって被駆動ディスク8044の外縁に固定される。チェーンガード8043は、自転車乗りが作動しているチェーンプーリーおよびチェーンに接触しないよう防止するためチェーンプーリー8042に隣接する外側上に配置される。圧縮バネ8056の形態の付勢要素は、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間の周に接するように配置される。駆動ディスク8045は、例えば、一方向軸受を備えることができる第2の一方向駆動手段の外輪に固定される。一方向軸受の内輪は、スピンドルの中央シャフト8032に固定される。シフトレバー8047の形態の多数のレバー部材が、駆動ディスク8045の内側ディスク面上に配置される。シフトレバー8047は、各シャフトピン8048の上に嵌合し、駆動ディスク8045の内側ディスク面に固定されているシャフトピン8048の周りを回転することができる。各ラグまたはピン8046は、被駆動ディスク8044とシフトレバー8047に対応する駆動ディスク8045との間の結合面上に配置され、したがって、駆動ディスク8045が移動し、被駆動ディスク8044に相対的な角度変位を引き起こしたときに、ラグ8046はシフトレバー8047をそのシャフトピン8048の周りに回転させる。プッシュディスク8054は、駆動ディスク8045のキャビティ内に配置され、スピンドルシャフト8032の上に嵌合する。プッシュディスクは、スピンドルシャフトにそって軸方向に摺動することができる。プッシュディスクピン8052は、プッシュディスク8054のセンター穴の隣に配置される。第1のスロット穴8053は、スピンドルシャフト8032上に配置され、プッシュディスクピン8052が第1のスロット穴8053を通過し、シフトレバー8047の駆動作用の下でプッシュディスク8052と一緒に同じ軸方向に移動することができる。
【0155】
すでに説明されているように、浮遊継手フランジ8059は、遊星歯車8040と遊星歯車キャリアまたは出力フランジ8058との間に配置される。遊星歯車の周の近くに形成された2つの対向する開口は、遊星歯車8040のディスク面上に配置された2つの一般的に矩形のスルーホール8060を備える。遊星歯車キャリアまたは出力フランジ上の2つの開放端スロットは、出力フランジ8058のディスク面上に配置された2つの一般的に矩形のスルーホール8049を備える。2つの隆起した矩形のスライドブロック8061は、フランジの周上のそれらの間で90度の内包角となるように結合フランジ8059のディスク面のそれぞれに配置される。矩形スライドブロック8061は、遊星歯車8040上の2つの矩形のスルーホール8060および出力フランジ8058上の2つの矩形のスルーホール8049内に挿入され、この手段によって遊星歯車8040の動力を出力フランジ8058に伝達することができる。第2の一方向駆動手段は、ネジ接続を通じて出力フランジ8058に固定される。一方向フライホイール8055は、第2の一方向駆動手段として働き、その外縁は、ボルト8057によって被駆動ディスク8044に固定される。出力フランジ8058の外縁は、軸受8041によってモーターのケーシング8038内に支持され、さらなる軸受8051は、出力フランジ8058の内側の穴の中に配置され、スピンドルシャフト8032を支持する。
【0156】
スピンドルシャフト8032は、センタースルーホール8064を有する。これは、第1のスロット穴の反対側に第2のスロット穴8072も有する。第2のスロット穴8072に対応するスピンドルシャフト8032上に配置されている磁気リング8070があり、スピンドルシャフト8032にそって軸方向に摺動しうる。磁気リングピン8074は、磁気リング8070内に放射状に挿入される。プッシュロッド8065が、移動可能にスピンドルシャフト8032のセンター穴8064内に入れられる。プッシュロッド64の一端がプッシュディスクピン8052に接し、プッシュロッド8064の他端が磁気リングピン8074と係合する。プッシュロッド8065は、プッシュディスク8054の軸方向移動を磁気リング8070に伝達し、磁気リング8070がプッシュロッド8054と同期してスピンドルシャフトにそって軸方向に移動することができるように設計されている。伸縮バネ8073は、センターシャフト8032のセンター穴64内に配置され、磁気リング8070上の磁気リングピン8074がプッシュロッド8065に接している状態を保持し、これによりプッシュディスクピン8052を介してプッシュディスクがシフトレバー8047に接している状態を保持する。磁気ディスク8066は、磁気リング8070に隣接して配置され、センターシャフト8032に固定され、センターシャフト8032と一緒に同期して回転することができる。
【0157】
エンドキャップ8071が、モーターのケーシングの左端に配置されている。好適な電子コンポーネント要素がコントローラ用に取り付けられている回路基板8067が、エンドキャップ8071の内側に固定される。それに加えて、ペダルのクランク8010にかかるペダルからの圧力を検出するための第1のホール素子8069およびペダルのクランク10の回転角度を検出するための第2のホール素子8068を回路基板8067上に取り付ける。
【0158】
動作時に、自転車乗りがペダルを交互に押すことによって自転車をこぎ始めると、ペダルの圧力により、クランク8010を介してスピンドルシャフト8032が回転する。一方向軸受8050を備える第1の方向駆動手段は、それと同期して駆動ディスク8045を回転させる。駆動ディスク8045は、圧縮バネ8056を圧縮して被駆動ディスク8044をそれと一緒に回転させる。その結果、被駆動ディスク8044に固定されたチェーンプーリー8042は、チェーンを介してペダル駆動式装置、例えば、自転車を駆動し、前進させることができる。それと同時に、自転車乗りによって駆動ディスク8045に印加される回転トルクが圧縮バネ8056を圧縮して、自転車が受ける運動抵抗をオーバーライドし、それにより、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間に角度変位が引き起こされる。次いで、被駆動ディスク8044上のラグ8046が、駆動ディスク8045上のシフトレバー8047と接触し、シフトレバー8047をそのシフトピン8048の周りに回転させて、シフトレバー8047の端部がプッシュディスク8054を押してスピンドルシャフトにそってその軸方向移動を引き起こす。プッシュディスク8054の軸方向移動は、プッシュディスクピン8052、プッシュロッド8065、および磁気リングピン8074を介して軸リング8070を駆動し、スピンドルシャフトにそった軸方向移動を引き起こす。この時点で、回路基板8067に接続されている第1のホール素子8069が、磁気リング8070の移動の結果生じる磁力の変化を検出し、変換の信号を制御回路に送る。第1のホール素子8069によって検出された磁気リング8070の移動に応答して、制御回路は、電気モーター8036に電力を供給し始め、電気モーター8036を回転させる。電気モーター8036からの出力トルクを、自転車乗りによってペダルに印加されるトルクと組み合わせて、自転車の駆動力を形成する。この組み合わされた駆動力は、チェーンを通じてチェーンプーリー8042によって自転車の後輪に伝えられる。
【0159】
制御回路は、第1のホール素子8069によって検出された磁気リング8070の移動量に応答して電気モーター8036への供給電流を調節することができる。したがって、電気モーター8036からの出力トルクは、自転車乗りによってペダルに印加されるトルクの大きさに比例する。
【0160】
自転車乗りによってペダルに印加されるトルクが圧縮バネ8056を十分に圧縮できないレベルにまで下がった場合、制御回路は、電気モーターに供給する電力を遮断する。自転車乗りが左右の足で交互にペダルを圧すことによって自転車をこぐときに電気モーターのスイッチON/OFFを繰り返す減少を回避するために、スピンドルシャフト8032の回転を検出するように設計された要素を制御回路上に配置する。磁気ディスク8066が、磁気リング8070に隣接する側に設けられ、スピンドルシャフト8032に対してそれと一緒に回転するように固定される。この状況では、つまり、スピンドルシャフト8032がまだ回転している間に圧縮バネ8056が圧縮されず、回路基板8067上の第2のホール素子8068が磁気ディスク8066上の磁気素子の回転を検出し、信号を制御回路に送信し、制御回路は電源の頻繁なスイッチON/OFFを回避するために電気モーターへの電力供給を数秒間継続し、これにより自転車乗りが電気モーターからの間欠的出力増大を感じていやな思いをすることを防ぐ。電力供給の継続のこの機能は、坂を上るときに特に好ましいものである。磁気ディスク8066およびホールセンサー8068は、磁気ディスク8066がどれだけ素早く回転するかの決定を通じて装置に速度信号を送ることもできる。
【0161】
遊星歯車8040と出力フランジ8058との間に配置されている継手フランジ8059は、スライドブロック駆動シャフトカップラーを備えるコンポーネントの3部に分かれたセットを形成する。遊星歯車8040が電気モーターの中空モータースピンドル8035によって駆動される場合、継手フランジ8059の一方の側のスライドブロック8061は、遊星歯車8040のディスク面上の矩形のスロット8060によって駆動され、したがって、継手フランジ8059は遊星歯車8040とともに回転する。その一方で、継手フランジ8059の他方の側では、スライドブロック8061が出力フランジ8058を一緒に回転させる出力フランジ8058のディスク面上の矩形のスロットに挿入される。出力フランジ8058は、軸受8041によってケーシング8038内に支持され、遊星歯車8040は、軸受8039によって電気モーターの中空スピンドル8035上に取り付けされている偏心輪8037上に支持されるので、遊星歯車8040は、偏心輪8037によってもたらされるオフセットに従って回転し内歯車環8034と係合する。継手フランジ8059の両側のスライドブロック8061は、遊星歯車8040上の矩形のスロット8060と出力フランジ8058上の矩形のスロット8049内で摺動することができるため、継手フランジ8059は、異なる軸方向の線路を通じて作動軸遊星歯車8040および出力フランジ8058を連結し、出力をそれらの間に伝達する。カンタータバランス要素を遊星歯車8040に隣接して配置することで(8062)、遊星歯車8040の偏心回転によって生じる遠心力を相殺することができる。他の実施形態では、釣り合いは、(第1の)遊星歯車と回転位相が180度ずれた状態で配置されている第2の遊星歯車によって達成されうる。
【0162】
トルクセンサーおよびコントローラがモーターおよびスプロケットアセンブリの外側に配置される実施形態とは対照的に、これらをアセンブリ全体が一体化した1つのアセンブリとして組み立てられるようにアセンブリのケーシング内に移動すると都合がよい。さらに、アセンブリの外側に元々露出していたコンポーネントは、今では、アセンブリのケーシングによって保護されており、したがって、砂、ほこり、または雨の侵入が排除される。それに加えて、配線または同様のものの露出が減っており、摩耗もしくは摩滅による損傷も低減されるか、または回避されうる。
【0163】
他の実施形態とは対照的に、遊星歯車と出力フランジ継手との間の元のピン/スリーブ動力伝達構造は、スライドブロックタイプの軸継人力伝達構造に変更される。そのため、この構造は、より高いトルクを伝え、より安定した、信頼性の高い動作をすることができる。
【0164】
さらなる改善が図42に示されている。この改善では、圧縮バネを受け入れるためのバネスロット8081は、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044の結合面上に配置される。圧縮バネ8056および短い圧縮バネ8056’は、各バネスロット8081内に配置される。短いバネ8056’の長さは、駆動ディスク8045が被駆動ディスク44と結合された後に形成される通常のバネスロット8081の長さよりも短い。したがって、初期状態では、短いバネ8056’は自由な状態にあり(つまり、圧縮されていない状態)、以下の作業状態が確立される。自転車乗りがペダルをこぎ始めると、駆動ディスク8045は最初に通常の圧縮バネ8056を圧縮するだけであり、これにより、トルクセンサーおよびコントローラを介して電気モーターを始動し、自転車乗りがペダルの圧力を高めるにつれ、駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間の相対的角度変位はさらに増大し、駆動ディスク8045は短い圧力バネ8056’と接触し始め、短い圧力バネ8056’も圧縮し、この時点で、通常のバネ8056と短いバネ8056’が両方とも圧縮され、制御回路は駆動ディスク8045と被駆動ディスク8044との間の相対的角度変位が増大するとトルクセンサーからの信号に応答して電気モーターへの出力を増大する
この改善において、通常のバネ8056および短いバネ8056’は、モーターによる所望の出力増大効果を得るために、特定の長さ、剛性、および数を、必要に応じて組み合わせて有するように選択されうる。
【0165】
その結果得られる装置の出力増大性能は、以下のように改善できる。装置が平坦な道路を走行しているときに、走行抵抗は最初は低いので自転車乗りがペダルに加える圧力が高くない場合でも適切な出力増大を得ることができ、坂を上るか、または重量物を載せて始動した場合、より高い圧力をペダルに加えなければならず、この時点において、電気モーターをより高い出力を生み出すように制御することができ、自転車乗りは十分な出力増大を得ることができる。
【0166】
図43に示されているように、被駆動ディスク8044に固定されているチェーンプーリー8042およびチェーンガード8043は、装置の重量を減らし、装置の動作/運動時に発する騒音を低減するために装置を駆動するチェーンをベルトで置き換えるようにベルト車輪8033で置き換えることができる。
【0167】
図44および45に示されているように、遊星歯車8040と出力フランジ8058との間に配置されている継手フランジ8059からなるスライドブロック駆動軸継手を備えるコンポーネントの3部に分かれているセットをその周上に配置されている4つのスロット8078’を有する継手フランジ8059’で置き換えることができる。遊星歯車8040’は、もはや、スライドブロックを受け入れるための開口を有していないが、その代わりに、使用時に継手フランジ8059’内のスロット8078’のうちの各スロット内に摺動可能に配置されるスライドブロック8077’が取り付けられている一対の対向するピン8075’を有する。同様に、出力フランジも、出力フランジ上の一対のピンが遊星歯車上の一対のピンと90度回転位相外れとなっているスライドブロック8077’が取り付けられている一対の対向するピン8075’を有する。コンポーネントのこの3部に分かれているセットの動作は、図41および42の実施形態を参照しつつ説明されているものと本質的に同じであるが、より単純な構造となっている。
【0168】
図46および47は、スロット8078’’がピン取付スライドブロックではなく転がり軸受またはブッシングを受け入れるために湾曲した谷底部を有するという事実を除き、継手フランジ8059’’が図44および45のものに類似しているスライドブロック駆動軸継手を備えるコンポーネントの別の3部に分かれるセットを示している。遊星歯車は、一対のピン8075’’を備えるが、ピン上には、転がり軸受8079’’(図46および47)またはブッシング8080(図47および48)が取り付けられる。転がり軸受8079’’またはブッシング8079は、他のコンポーネントでの摩耗が少ないという点でスライドブロックに勝る。転がり軸受8079’’は、ブッシング8080に勝るが、ブッシングは、より安価な選択肢である。
【0169】
すべての実施形態において、モーターは、直流(DC)ブラシレスモーターであるものとしてよい。
知られている原動機付き自転車と比較して、本発明は、少なくとも以下の利点を有する。
【0170】
(1)本発明は、減速遊星歯車機構に直接連結され、遊星歯車は輪歯車に比べて歯が少ないか、または口径が小さいという事実により、最小のスペースサイズで十分な速度伝達比を得られる、中空シャフトを有する専用設計のモーターを使用する。したがって、ペダルの中央スピンドルと併せた部品のすべてが、同軸駆動アセンブリとして構成されるものとしてよく、したがって、構造はコンパクトになり、自転車は軽量になり、その動作の自由度が高まる。
【0171】
(2)本発明は、ペダル駆動もしくはモーター駆動のいずれかのために、自転車の後輪に取り付けられた標準的な外部または内部伝動機能と組み合わせて使用することができる。速度比は、丘または平地のいずれかでさまざまな範囲の速度に対して最良の駆動効率で自転車を運転することができるように自転車に乗っている間に変化させることができる。
【0172】
(3)本発明は、非常に実用的であり、既存の自転車に、その中央スピンドルを少し修正した後直接取り付けることができる。
(4)駆動モードが上記の構造に基づく場合、これは乗っているときの乗り手の労力を軽減することができる。
【0173】
(5)本発明は、発電機能を有する室内用固定式自転車となるように部分的に修正することができ、バッテリなどの他の機能は、坂を下るときに自転車の慣性モーメントによって、または使用者がペダルをこぐことによって、充電することができる。
【0174】
(6)本発明は、構造の点で新規性があり、外形が単純であり、さまざまな種類の電動補助動力自転車または電動アシスト自転車に適用することができる。
本発明は、図面と前記の説明において詳しく例示され説明されているが、その性格上例示的であり、制限的でないと考えられ、例示的な実施形態のみが示され説明されており、またいかなる形でも本発明の範囲を制限しないことは理解されるであろう。本明細書で説明されている特徴はどれも、任意の実施形態とともに使用することができることは理解されうる。例示的な実施形態は、互いに、または本明細書で参照されていない他の実施形態について排他的でない。したがって、本発明は、上述の例示的な実施形態のうちの1つまたは複数の組み合わせを含む実施形態も構成する。本明細書で述べたような本発明の修正および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく加えることができ、したがって、このような制限のみが、付属の請求項によって指示されているものとして課されるべきである。
【0175】
以下の請求項および本発明の前の方の説明において、明示的な言い回しまたは必要な言外の意味により文脈上別の解釈をする必要がある場合を除き、「含む、備える(原文で単語「comprise」または「comprises」もしくは「comprising」などの変化形)」という言い回しは、包含的な意味で使用される、つまり、述べられている特徴が存在することを指定するが、本発明のさまざまな実施形態におけるさらなる特徴の存在もしくは追加を除外しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターユニットであって、
モーターを収納するためのハウジングと、
モーターがもたらす駆動力を受けるためのモーターシャフトと、
トルクを検出するためのトルクセンサー機構と、
前記モーターシャフトに伝えられるモーターがもたらす駆動力の量を変化させるためにトルクの検出された量に応じて前記モーターに供給される電力を制御するコントローラと、
前記トルクセンサーを前記コントローラのセンサーに結合するアクチュエータとを備え、
前記アクチュエータは、前記コントローラセンサーに相対的に移動するように構成され、これにより前記センサーは前記検出されたトルクレベルを示す信号を発生し、前記コントローラは、前記モーターの前記ハウジング内に収納されるモーターユニット。
【請求項2】
前記コントローラは、前記モーターハウジングの一端内に配置され、前記トルクセンサーは、前記モーターハウジングの対向端部に接続される請求項1に記載のモーターユニット。
【請求項3】
前記トルクセンサーを前記コントローラのセンサーに結合する前記アクチュエータは、前記モーターシャフトの中空ボア内に収容され、これにより、前記モーターハウジングの一方の端部にある前記トルクセンサーを前記モーターハウジングの別の端部にある前記コントローラに結合する請求項1または請求項2に記載のモーターユニット。
【請求項4】
外部からもたらされる駆動力を受けるための補助シャフトと、
前記外部からもたらされる駆動力を駆動機構に伝達するための第1のトルク伝達経路と、
前記モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するための第2のトルク伝達経路とをさらに備え、
第1の一方向駆動手段は、前記駆動機構が前記第2のトルク伝達経路を通じて前記モーターがもたらす駆動力によって駆動されているときに前記補助シャフトが惰性で回ることができるように前記補助シャフトと前記駆動機構との間の前記第1のトルク伝達経路内に設けられる請求項3に記載のモーターユニット。
【請求項5】
前記モーターシャフトは、前記補助シャフトが前記モーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、その回転軸が平行になるように前記補助シャフトの周りに同軸状に配置される請求項4に記載のモーターユニット。
【請求項6】
前記補助シャフトおよび前記モーターシャフトは、同じ回転軸を共有する請求項5に記載のモーターユニット。
【請求項7】
前記第1のトルク伝達経路は、外部からもたらされる駆動力を受けるための前記補助シャフトと前記第1の一方向駆動手段とを備え、前記第1の一方向駆動手段は、前記補助シャフトを前記駆動機構に機械的に結合し、これにより、前記第1の一方向駆動手段は、前記外部からもたらされる駆動力を前記駆動機構に伝達し、前記第1の一方向駆動手段は、前記駆動機構が前記モーターシャフトによって駆動されているときに前記補助シャフトが慣性で回ることを可能にする請求項4から6のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項8】
前記第1の一方向駆動手段は、フリーホイールデバイスを備える請求項7に記載のモーターユニット。
【請求項9】
前記第2のトルク伝達経路は、前記モーターシャフトと前記モーターシャフトを前記駆動機構に機械的に結合する歯車機構とを備え、前記歯車機構はある減速比を有し、前記モーターがもたらす駆動力を前記モーターシャフトから前記駆動機構に前記減速比で伝達するように動作する請求項4から8のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項10】
前記歯車機構は、回転軸が前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車を有する遊星歯車機構を備える請求項9に記載のモーターユニット。
【請求項11】
前記遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持され、これにより、前記遊星歯車は、前記偏心輪が回転すると回転し、これにより前記遊星歯車の回転軸の位置は、前記遊星歯車が回転すると前記モーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、前記遊星歯車の前記回転軸の前記可変位置が前記モーターシャフトの前記回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は前記所定のオフセット量に等しい半径を有する請求項10に記載のモーターユニット。
【請求項12】
前記遊星歯車は、内側で回転するために中に前記遊星歯車が中に配置される内輪歯車より小さい直径を有し、前記内輪歯車は適所に固定され、前記モーターシャフトの前記回転軸と一致する中心軸を有し、前記遊星歯車は前記内輪歯車より少ない数の歯を有する請求項11に記載のモーターユニット。
【請求項13】
前記遊星歯車は、軸受によって前記偏心輪上に回転可能に支持される請求項12に記載のモーターユニット。
【請求項14】
前記遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、前記モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するように構成される請求項12または請求項13に記載のモーターユニット。
【請求項15】
前記遊星歯車機構は、前記モーターシャフトの前記回転軸に対する前記遊星歯車の前記オフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備える請求項10から14のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項16】
前記カウンターバランス部材は、前記遊星歯車が回転しているときに前記遊星歯車の釣り合いを取るために前記遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含む請求項15に記載のモーターユニット。
【請求項17】
前記遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相異なって配置されている第1および第2の同一の遊星歯車を備え、前記第1および第2の遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る請求項10から14のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項18】
前記第1および第2の遊星歯車は、共通の単一の内輪歯車内で互いに半回転位相異なって回転するように配置される請求項17に記載のモーターユニット。
【請求項19】
前記第1および第2の遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられる請求項17に記載のモーターユニット。
【請求項20】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記駆動機構に取り付けられる請求項14に記載のモーターユニット。
【請求項21】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記第1の一方向駆動手段の出力部材にも固定され、これにより、前記外部からもたらされる駆動力は前記第1のトルク伝達経路を介して、前記遊星歯車機構を通じて前記モーターシャフトに、さらには前記駆動機構に伝達される請求項20に記載のモーターユニット。
【請求項22】
前記歯車機構は、回転軸が前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされている歯なし遊星歯車を有する歯なし遊星歯車機構を備え、前記歯なし遊星歯車機構の前記減速比は、それぞれの前記歯なし遊星歯車の直径と前記遊星歯車が回転のために配置されている歯なし内輪歯車の直径との間の関係によって画定され、前記歯なし遊星歯車は前記歯なし内輪歯車より小さい直径を有する請求項9に記載のモーターユニット。
【請求項23】
前記歯なし遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持され、これにより、前記歯なし遊星歯車は、前記偏心輪が回転すると回転し、これにより前記歯なし遊星歯車の回転軸の位置は、前記歯なし遊星歯車が回転すると前記モーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、前記歯なし遊星歯車の前記回転軸の前記可変位置が前記モーターシャフトの前記回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は前記所定のオフセット量に等しい半径を有する請求項22に記載のモーターユニット。
【請求項24】
前記歯なし内輪歯車は、適所に固定され、前記モーターシャフトの前記回転軸と一致する中心軸を有する請求項23に記載のモーターユニット。
【請求項25】
前記歯なし遊星歯車は、軸受によって前記偏心輪上に回転可能に支持される請求項24に記載のモーターユニット。
【請求項26】
前記歯なし遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、前記モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するように構成される請求項24または請求項25に記載のモーターユニット。
【請求項27】
前記歯なし遊星歯車機構は、前記モーターシャフトの前記回転軸に対する前記歯なし遊星歯車の前記オフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備える請求項22から26のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項28】
前記カウンターバランス部材は、前記歯なし遊星歯車が回転しているときに前記歯なし遊星歯車の釣り合いを取るために前記歯なし遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含む請求項27に記載のモーターユニット。
【請求項29】
前記歯なし遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相異なって配置されている第1および第2の同一の歯なし遊星歯車を備え、前記第1および第2の歯なし遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る請求項22に記載のモーターユニット。
【請求項30】
前記第1および第2の歯なし遊星歯車は、共通の単一の歯なし内輪歯車内で互いに半回転位相異なって回転するように配置される請求項29に記載のモーターユニット。
【請求項31】
前記第1および第2の歯なし遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられる請求項29または請求項30に記載のモーターユニット。
【請求項32】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記駆動機構に取り付けられる請求項26に記載のモーターユニット。
【請求項33】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記第1の一方向駆動手段の出力部材にも固定され、これにより、前記外部からもたらされる駆動力は前記第1のトルク伝達経路を介して、前記歯なし遊星歯車機構を通じて前記モーターシャフトに、さらには前記駆動機構に伝達される請求項32に記載のモーターユニット。
【請求項34】
前記歯なし遊星歯車は、前記偏心輪上に回転可能に支持され、その回転軸は、前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、前記歯なし内輪歯車を加熱し、それを前記歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合するように前記歯なし内輪歯車内に配置される請求項23に記載のモーターユニット。
【請求項35】
前記第1および第2の歯なし遊星歯車は、その回転軸が前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされている前記第1および第2の偏心輪上にそれぞれ回転可能に支持され、互いに半回転位相異なって回転するように共通の単一の歯なし内輪歯車内に配置され、前記歯なし内輪歯車を加熱し、それを前記第1および第2の歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合する請求項29に記載のモーターユニット。
【請求項36】
第2の一方向駆動手段は、前記駆動機構が前記第1のトルク伝達経路を通じて前記外部からもたらされる駆動力によって駆動されているときに前記モーターシャフトが回転を生じないように前記モーターシャフトと前記駆動機構との間の前記第2のトルク伝達経路内に設けられる請求項1から20、23から32、35または36のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項37】
前記第2の一方向駆動手段は、前記遊星歯車キャリア上に移動可能に配設され、前記駆動機構とともに回転するように固定されているラチェットホイールのラックと係合するように配置されている少なくとも1つのラチェット部材を備える請求項36に記載のモーターユニット。
【請求項38】
前記ラチェット部材の前記自由端が前記ラチェットホイールの前記ラック内の歯と係合するように、前記少なくとも1つのラチェット部材に、前記ラチェット部材の自由端を前記遊星歯車キャリアの表面から外向きに弾力的に付勢するための手段が付随する請求項37に記載のモーターユニット。
【請求項39】
前記モーターユニットは、ペダル駆動式装置の一部を含む請求項4から38のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項40】
前記モーターユニットは、ペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから給電される電気モーターである請求項4から39のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項41】
前記トルクセンサーは、
前記モーターシャフトの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の駆動部材と、
前記モーターシャフトの前記回転軸の周りの回転のために取り付けられている第2の被駆動部材と、
前記モーターシャフトの回転軸の周りの前記被駆動部材の回転方向の前記第2の被駆動部材に相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段とを備え、
前記アクチュエータは、前記検出された移動を前記コントローラの前記センサーに伝えるための手段を備える請求項4から40のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項42】
請求項1から41のいずれか1項に記載のモーターユニットを有する装置。
【請求項43】
前記外部からもたらされる駆動力は、前記補助シャフトとともに回転するように固定されている前記装置の人力操作可能なペダルによって与えられる人力でもたらされる駆動力であり、前記補助シャフトはペダルスピンドルを備え、前記駆動機構は、スプロケットを備え、前記第1のトルク伝達経路は人力でもたらされる駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第2のトルク伝達経路はモーターがもたらす駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第1の一方向駆動手段は、前記スプロケットが前記第2のトルク伝達経路を通じて前記モーターがもたらす駆動力によって駆動されているときに前記ペダルスピンドルが惰性で回ることができるように前記ペダルスピンドルと前記スプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる請求項4から41のいずれか1項に記載のモーターユニットを有するペダル駆動式装置。
【請求項1】
モーターユニットであって、
モーターを収納するためのハウジングと、
モーターがもたらす駆動力を受けるためのモーターシャフトと、
トルクを検出するためのトルクセンサー機構と、
前記モーターシャフトに伝えられるモーターがもたらす駆動力の量を変化させるためにトルクの検出された量に応じて前記モーターに供給される電力を制御するコントローラと、
前記トルクセンサーを前記コントローラのセンサーに結合するアクチュエータとを備え、
前記アクチュエータは、前記コントローラセンサーに相対的に移動するように構成され、これにより前記センサーは前記検出されたトルクレベルを示す信号を発生し、前記コントローラは、前記モーターの前記ハウジング内に収納されるモーターユニット。
【請求項2】
前記コントローラは、前記モーターハウジングの一端内に配置され、前記トルクセンサーは、前記モーターハウジングの対向端部に接続される請求項1に記載のモーターユニット。
【請求項3】
前記トルクセンサーを前記コントローラのセンサーに結合する前記アクチュエータは、前記モーターシャフトの中空ボア内に収容され、これにより、前記モーターハウジングの一方の端部にある前記トルクセンサーを前記モーターハウジングの別の端部にある前記コントローラに結合する請求項1または請求項2に記載のモーターユニット。
【請求項4】
外部からもたらされる駆動力を受けるための補助シャフトと、
前記外部からもたらされる駆動力を駆動機構に伝達するための第1のトルク伝達経路と、
前記モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するための第2のトルク伝達経路とをさらに備え、
第1の一方向駆動手段は、前記駆動機構が前記第2のトルク伝達経路を通じて前記モーターがもたらす駆動力によって駆動されているときに前記補助シャフトが惰性で回ることができるように前記補助シャフトと前記駆動機構との間の前記第1のトルク伝達経路内に設けられる請求項3に記載のモーターユニット。
【請求項5】
前記モーターシャフトは、前記補助シャフトが前記モーターシャフトの中空ボアを通じて自由に収容され、その回転軸が平行になるように前記補助シャフトの周りに同軸状に配置される請求項4に記載のモーターユニット。
【請求項6】
前記補助シャフトおよび前記モーターシャフトは、同じ回転軸を共有する請求項5に記載のモーターユニット。
【請求項7】
前記第1のトルク伝達経路は、外部からもたらされる駆動力を受けるための前記補助シャフトと前記第1の一方向駆動手段とを備え、前記第1の一方向駆動手段は、前記補助シャフトを前記駆動機構に機械的に結合し、これにより、前記第1の一方向駆動手段は、前記外部からもたらされる駆動力を前記駆動機構に伝達し、前記第1の一方向駆動手段は、前記駆動機構が前記モーターシャフトによって駆動されているときに前記補助シャフトが慣性で回ることを可能にする請求項4から6のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項8】
前記第1の一方向駆動手段は、フリーホイールデバイスを備える請求項7に記載のモーターユニット。
【請求項9】
前記第2のトルク伝達経路は、前記モーターシャフトと前記モーターシャフトを前記駆動機構に機械的に結合する歯車機構とを備え、前記歯車機構はある減速比を有し、前記モーターがもたらす駆動力を前記モーターシャフトから前記駆動機構に前記減速比で伝達するように動作する請求項4から8のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項10】
前記歯車機構は、回転軸が前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされている遊星歯車を有する遊星歯車機構を備える請求項9に記載のモーターユニット。
【請求項11】
前記遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持され、これにより、前記遊星歯車は、前記偏心輪が回転すると回転し、これにより前記遊星歯車の回転軸の位置は、前記遊星歯車が回転すると前記モーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、前記遊星歯車の前記回転軸の前記可変位置が前記モーターシャフトの前記回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は前記所定のオフセット量に等しい半径を有する請求項10に記載のモーターユニット。
【請求項12】
前記遊星歯車は、内側で回転するために中に前記遊星歯車が中に配置される内輪歯車より小さい直径を有し、前記内輪歯車は適所に固定され、前記モーターシャフトの前記回転軸と一致する中心軸を有し、前記遊星歯車は前記内輪歯車より少ない数の歯を有する請求項11に記載のモーターユニット。
【請求項13】
前記遊星歯車は、軸受によって前記偏心輪上に回転可能に支持される請求項12に記載のモーターユニット。
【請求項14】
前記遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、前記モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するように構成される請求項12または請求項13に記載のモーターユニット。
【請求項15】
前記遊星歯車機構は、前記モーターシャフトの前記回転軸に対する前記遊星歯車の前記オフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備える請求項10から14のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項16】
前記カウンターバランス部材は、前記遊星歯車が回転しているときに前記遊星歯車の釣り合いを取るために前記遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含む請求項15に記載のモーターユニット。
【請求項17】
前記遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相異なって配置されている第1および第2の同一の遊星歯車を備え、前記第1および第2の遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る請求項10から14のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項18】
前記第1および第2の遊星歯車は、共通の単一の内輪歯車内で互いに半回転位相異なって回転するように配置される請求項17に記載のモーターユニット。
【請求項19】
前記第1および第2の遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられる請求項17に記載のモーターユニット。
【請求項20】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記駆動機構に取り付けられる請求項14に記載のモーターユニット。
【請求項21】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記第1の一方向駆動手段の出力部材にも固定され、これにより、前記外部からもたらされる駆動力は前記第1のトルク伝達経路を介して、前記遊星歯車機構を通じて前記モーターシャフトに、さらには前記駆動機構に伝達される請求項20に記載のモーターユニット。
【請求項22】
前記歯車機構は、回転軸が前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされている歯なし遊星歯車を有する歯なし遊星歯車機構を備え、前記歯なし遊星歯車機構の前記減速比は、それぞれの前記歯なし遊星歯車の直径と前記遊星歯車が回転のために配置されている歯なし内輪歯車の直径との間の関係によって画定され、前記歯なし遊星歯車は前記歯なし内輪歯車より小さい直径を有する請求項9に記載のモーターユニット。
【請求項23】
前記歯なし遊星歯車は、偏心輪上で回転可能に支持され、これにより、前記歯なし遊星歯車は、前記偏心輪が回転すると回転し、これにより前記歯なし遊星歯車の回転軸の位置は、前記歯なし遊星歯車が回転すると前記モーターシャフトの回転軸に相対的に変化して、前記歯なし遊星歯車の前記回転軸の前記可変位置が前記モーターシャフトの前記回転軸上に中心を持つ円を画定し、前記円は前記所定のオフセット量に等しい半径を有する請求項22に記載のモーターユニット。
【請求項24】
前記歯なし内輪歯車は、適所に固定され、前記モーターシャフトの前記回転軸と一致する中心軸を有する請求項23に記載のモーターユニット。
【請求項25】
前記歯なし遊星歯車は、軸受によって前記偏心輪上に回転可能に支持される請求項24に記載のモーターユニット。
【請求項26】
前記歯なし遊星歯車機構の遊星歯車キャリアは、前記モーターがもたらす駆動力を前記駆動機構に伝達するように構成される請求項24または請求項25に記載のモーターユニット。
【請求項27】
前記歯なし遊星歯車機構は、前記モーターシャフトの前記回転軸に対する前記歯なし遊星歯車の前記オフセットによって引き起こされる重量のアンバランスを解消するように構成されたカウンターバランス部材を備える請求項22から26のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項28】
前記カウンターバランス部材は、前記歯なし遊星歯車が回転しているときに前記歯なし遊星歯車の釣り合いを取るために前記歯なし遊星歯車とともに回転するように配置された全体的に半円形の重み付け部材を含む請求項27に記載のモーターユニット。
【請求項29】
前記歯なし遊星歯車機構は、重み付けカンタータバランス部材を備えていないが、互いに半回転位相異なって配置されている第1および第2の同一の歯なし遊星歯車を備え、前記第1および第2の歯なし遊星歯車は回転で互いに釣り合いを取る請求項22に記載のモーターユニット。
【請求項30】
前記第1および第2の歯なし遊星歯車は、共通の単一の歯なし内輪歯車内で互いに半回転位相異なって回転するように配置される請求項29に記載のモーターユニット。
【請求項31】
前記第1および第2の歯なし遊星歯車のそれぞれは、各第1および第2の偏心輪上に支持可能に取り付けられる請求項29または請求項30に記載のモーターユニット。
【請求項32】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記駆動機構に取り付けられる請求項26に記載のモーターユニット。
【請求項33】
前記遊星歯車キャリアは、それとともに回転するように前記第1の一方向駆動手段の出力部材にも固定され、これにより、前記外部からもたらされる駆動力は前記第1のトルク伝達経路を介して、前記歯なし遊星歯車機構を通じて前記モーターシャフトに、さらには前記駆動機構に伝達される請求項32に記載のモーターユニット。
【請求項34】
前記歯なし遊星歯車は、前記偏心輪上に回転可能に支持され、その回転軸は、前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされ、前記歯なし内輪歯車を加熱し、それを前記歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合するように前記歯なし内輪歯車内に配置される請求項23に記載のモーターユニット。
【請求項35】
前記第1および第2の歯なし遊星歯車は、その回転軸が前記モーターシャフトの前記回転軸に対して所定の量だけオフセットされている前記第1および第2の偏心輪上にそれぞれ回転可能に支持され、互いに半回転位相異なって回転するように共通の単一の歯なし内輪歯車内に配置され、前記歯なし内輪歯車を加熱し、それを前記第1および第2の歯なし遊星歯車上に焼嵌めすることによって歯なし内輪歯車表面と係合する請求項29に記載のモーターユニット。
【請求項36】
第2の一方向駆動手段は、前記駆動機構が前記第1のトルク伝達経路を通じて前記外部からもたらされる駆動力によって駆動されているときに前記モーターシャフトが回転を生じないように前記モーターシャフトと前記駆動機構との間の前記第2のトルク伝達経路内に設けられる請求項1から20、23から32、35または36のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項37】
前記第2の一方向駆動手段は、前記遊星歯車キャリア上に移動可能に配設され、前記駆動機構とともに回転するように固定されているラチェットホイールのラックと係合するように配置されている少なくとも1つのラチェット部材を備える請求項36に記載のモーターユニット。
【請求項38】
前記ラチェット部材の前記自由端が前記ラチェットホイールの前記ラック内の歯と係合するように、前記少なくとも1つのラチェット部材に、前記ラチェット部材の自由端を前記遊星歯車キャリアの表面から外向きに弾力的に付勢するための手段が付随する請求項37に記載のモーターユニット。
【請求項39】
前記モーターユニットは、ペダル駆動式装置の一部を含む請求項4から38のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項40】
前記モーターユニットは、ペダル駆動式装置に搭載されたバッテリパックから給電される電気モーターである請求項4から39のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項41】
前記トルクセンサーは、
前記モーターシャフトの回転軸の周りの回転のために取り付けられている第1の駆動部材と、
前記モーターシャフトの前記回転軸の周りの回転のために取り付けられている第2の被駆動部材と、
前記モーターシャフトの回転軸の周りの前記被駆動部材の回転方向の前記第2の被駆動部材に相対的な前記第1の駆動部材の移動を検出するための手段とを備え、
前記アクチュエータは、前記検出された移動を前記コントローラの前記センサーに伝えるための手段を備える請求項4から40のいずれか1項に記載のモーターユニット。
【請求項42】
請求項1から41のいずれか1項に記載のモーターユニットを有する装置。
【請求項43】
前記外部からもたらされる駆動力は、前記補助シャフトとともに回転するように固定されている前記装置の人力操作可能なペダルによって与えられる人力でもたらされる駆動力であり、前記補助シャフトはペダルスピンドルを備え、前記駆動機構は、スプロケットを備え、前記第1のトルク伝達経路は人力でもたらされる駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第2のトルク伝達経路はモーターがもたらす駆動力を前記スプロケットに伝達するように配置され、前記第1の一方向駆動手段は、前記スプロケットが前記第2のトルク伝達経路を通じて前記モーターがもたらす駆動力によって駆動されているときに前記ペダルスピンドルが惰性で回ることができるように前記ペダルスピンドルと前記スプロケットとの間の第1のトルク伝達経路内に設けられる請求項4から41のいずれか1項に記載のモーターユニットを有するペダル駆動式装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【公表番号】特表2013−517176(P2013−517176A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549239(P2012−549239)
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【国際出願番号】PCT/CN2010/080171
【国際公開番号】WO2011/088722
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190778)フォスター・アセッツ・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【国際出願番号】PCT/CN2010/080171
【国際公開番号】WO2011/088722
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190778)フォスター・アセッツ・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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